JP6463965B2 - ラケット - Google Patents
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Description
本発明の他の特徴については、本明細書及び図面の記載により明らかにする。
本明細書及び図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
グリップと、フレームと、前記グリップと前記フレームとを連結するシャフトと、を有するラケットであって、前記フレームにはストリングを通すために内周面から外周面まで貫通する貫通孔が複数設けられ、前記フレームの内周面には前記フレームの周方向において前記貫通孔が設けられた位置と重複する位置に突起が設けられ、前記突起は前記フレーム内に形成される打面に直交する厚さ方向における端側の位置に比べて前記厚さ方向における中央側の位置での方が前記周方向の幅が広くなっていることを特徴とするラケットである。
このようなラケットによれば、スイング時に、フレームの内周面を厚さ方向に通過する空気流を突起の側面に沿わせることができるため、渦の発生を抑制できる。また、ストリング等に衝突する空気流を低減できる。よって、スイング時にラケットに作用する空気抵抗を低減できる。
このようなラケットによれば、スイング時に、フレームの内周面を厚さ方向に通過する空気流が突起の側面に一層沿い易くなる。このため、スイング時にラケットに作用する空気抵抗をより確実に低減できる。
このようなラケットによれば、スイング時に、フレームの内周面を厚さ方向に通過する空気流を突起の上面に沿わせることができるため、渦の発生を抑制できる。よって、スイング時にラケットに作用する空気抵抗を低減できる。
このようなラケットによれば、スイング時に、フレームの内周面を厚さ方向に通過する空気流が突起の上面に一層沿い易くなるため、スイング時にラケットに作用する空気抵抗をより確実に低減できる。
このようなラケットによれば、厚さ方向におけるラケットの何れの打面を打球方向に向けてスイングする場合にも、空気抵抗を低減できる。
このようなラケットによれば、厚さ方向におけるラケットの表裏の性能を同じにすることができる。
このようなラケットによれば、スイングスピードが速く、空気抵抗が大きくなるフレームの先端部に作用する空気抵抗を低減できる。
このようなラケットによれば、フレームの横方向の中央部では、ストリング保護材に衝突する空気流を低減できるため、空気抵抗を一層低減できる。また、フレームの横方向の端部では、ストリングとフレームの損傷を抑制できる。
以下、本発明に係るラケットとして、テニス用のラケットを例に挙げて、実施形態を説明する。
図1Aは、ラケット1の正面図であり、図1Bは、ラケット1の側面図である。ラケット1は、グリップ30と、環状のフレーム10(一般には縦長の略楕円形状のフレーム)と、グリップ30とフレーム10とを連結するシャフト20と、を有する。説明のため、グリップ30、シャフト20、及び、フレーム10が連結される方向を「縦方向」、フレーム10内に形成される打面上において縦方向に直交する方向を「横方向」、縦方向と横方向に直交する方向(打面に直交する方向)を「厚さ方向」と呼ぶ。また、フレーム10においてシャフト20が位置する側を「縦方向の後端側」、その逆側を「縦方向の先端側」と呼ぶ。
図2Aは、比較例のフレーム10’(先端部)の斜視図であり、図2B及び図2Cは、図2Aの位置aa,位置bbにおいて、比較例のフレーム10’を厚さ方向及び貫通方向に切った断面図であり、図2Dは、比較例のフレーム10’の内周面10a’を貫通方向に見た図である。なお、フレーム10は、その外周面10bにおける各ストリング孔11が設けられた位置において、外周面10bに対する法線方向を有し、本実施形態では、前記法線方向(打面の径方向)に沿って、ストリング孔11が貫通されるとし、前記法線方向を「貫通方向」と呼ぶ。また、図の複雑化を防ぐため、一部の図においてストリング40等を省略したり、断面に付すべきハッチングを省略したりしている。
図4A及び図4Bは、本実施形態のフレーム10(先端部)の斜視図であり、図4Cは、図4Aの位置aaにおいて、フレーム10を厚さ方向及び貫通方向に切った断面図である。図5Aは、図4Aの位置bbにおいて、フレーム10を厚さ方向及び貫通方向に切った断面図であり、図5Bは、フレーム10の内周面10aを貫通方向に見た図であり、図5Cは、図5Bの位置aaにおいて、フレーム10をフレーム10の周方向及び貫通方向に切った断面図である。図6A及び図6Bは、本実施形態のフレーム10の内周面10aを通過する空気流の説明図である。
図7は、突起70の変形例の説明図であり、突起70を貫通方向に見た図である。上記実施形態では(図5B)、フレーム10の厚さ方向の中央で突起70が分割されており、厚さ方向の中央部には突起70が存在していないが、これに限らない。例えば、図7に示すように、フレーム10の厚さ方向の中心に対して、厚さ方向の両側に設けられる突起70が一体化されていてもよい。但し、上記実施形態のように、突起70が厚さ方向に分割されていると、フレーム10の製造時にフレーム10を金型から取り外した際に、突起70の周囲に付着したバリの除去作業が容易となる。
図8Aから図8Cは、ラケット1に作用する空気抵抗の評価試験の方法の説明図である。図9及び図10は、評価試験の結果を示すグラフである。
評価試験の装置は、図8Aに示すように、風洞80と、評価対象のラケット1を支持する支持台81と、ロードセル82と、を有する。風洞80は、ラケット1のフレーム10の全域に対して送風を行う。支持台81は、風洞80からの送風に対してラケット1が揺動可能なように、ラケット1のフレーム20を支持する。ロードセル82は、ラケット1の揺動支点よりもグリップ30側のシャフト20の部位であり、送風方向の上流側に取り付けられる。そして、ロードセル82は、風洞80からの送風によりラケット1が揺動する際に、揺動支点よりもグリップ30側のシャフト20の部位が送風方向の逆方向に移動しようとする力、つまり、風洞80からの送風に対するラケット1の反力を測定する。このロードセル82の測定値を、ラケット1に作用する空気抵抗とする。
比較例のフレーム10’は、上記実施形態にて説明した比較例のフレーム10’であり、断面形状が図2Bや図2Cに示す形状である。また、フレーム10’は、内周面10a’に突起70が設けられず、図2Aに示すように、フレーム10’の内周面10a’からストリング保護材50が突出したものとする。
本実施例のフレーム10は、上記実施形態にて説明したフレーム10であり、断面形状が図4Cや図5Aに示す形状であり、フレーム10の先端部101の内周面10aに図5Bに示す一対の突起70が設けられたものとする。
まず、図8Aに示すように、風洞80の吹き出し口とフレーム10,10’の打面とを平行に固定した状態で、風洞80からの風速を20m/s〜30m/sの範囲で2m/sずつ変化させて、空気抵抗の測定を行った。その結果が図9であり、図9の横軸が風洞80からの風速(m/s)を示し、縦軸が空気抵抗(N)を示す。
例えば、上記実施形態では、テニス用のラケットを例に挙げているが、これに限らず、例えば、スカッシュ用のラケット、バドミントン用のラケット等に、本発明を適用してもよい。また、上記実施形態では、フレーム内にストリングが張設されたラケットを例に挙げているが、これに限らずストリングが張設されていないラケットでもよい。
40 ストリング、41 横ストリング、42 縦ストリング、50 ストリング保護材、60,61 渦、70 突起、80 風洞、81 支持台、82 ロードセル、
Claims (7)
- グリップと、フレームと、前記グリップと前記フレームとを連結するシャフトと、を有するラケットであって、
前記フレームにはストリングを通すために内周面から外周面まで貫通する貫通孔が複数設けられ、
前記フレームの内周面には、前記フレームの周方向において前記貫通孔が設けられた位置と重複する位置のみに前記貫通孔の貫通方向に突出した突起が設けられ、
前記突起は前記フレーム内に形成される打面に直交する厚さ方向における端側の位置に比べて前記厚さ方向における中央側の位置での方が前記周方向の幅が広くなっており、
前記突起は前記厚さ方向における端側から中央側に向かうに従って前記周方向の幅が徐々に広くなっており、
前記周方向における前記突起の両側面は、流線形状となっていることを特徴とするラケット。 - 請求項1に記載のラケットであって、
前記フレームはその外周面における各前記貫通孔が設けられた位置において前記外周面に対する法線方向を有し、
前記突起が設けられた前記フレームの部位では前記厚さ方向における端側の位置に比べて前記厚さ方向における中央側の位置での方が、前記外周面に設けられる前記貫通孔の前記法線方向の位置から前記突起までの前記法線方向の高さが高くなっていることを特徴とするラケット。 - 請求項2に記載のラケットであって、
前記突起が設けられた前記フレームの部位では前記厚さ方向における端側から中央側に向かうに従って前記高さが徐々に高くなっていることを特徴とするラケット。 - 請求項1から請求項3の何れか1項に記載のラケットであって、
前記フレームの内周面には前記内周面の前記厚さ方向の中心に対して前記厚さ方向の両側に前記突起が設けられていることを特徴とするラケット。 - 請求項4に記載のラケットであって、
前記フレームの内周面の前記厚さ方向の中心に対して前記厚さ方向の両側に設けられた前記突起は、前記内周面の前記厚さ方向の中心に対して対称な形状になっていることを特徴とするラケット。 - 請求項1から請求項5の何れか1項に記載のラケットであって、
前記グリップ、前記シャフト、及び、前記フレームが連結される方向である縦方向を有し、前記フレームのうち前記縦方向における前記シャフト側とは逆側の先端部に複数の前記突起が設けられていることを特徴とするラケット。 - 請求項6に記載のラケットであって、
前記打面上において前記縦方向に直交する横方向を有し、前記貫通孔には筒状のストリング保護材が通され、
前記フレームの先端部に設けられた前記突起のうち前記横方向の外側の前記突起に比べて前記横方向の中央側の前記突起での方が、前記突起と前記周方向に重複する前記貫通孔に通された前記ストリング保護材が前記突起から突出する長さが短くなっていることを特徴とするラケット。
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