JP6463344B2 - 泡立て用クリームにおける高アシル型ジェランの使用 - Google Patents

泡立て用クリームにおける高アシル型ジェランの使用 Download PDF

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Description

本発明は、泡立て用クリーム、その空気混入したホイップクリーム、起泡剤用添加物、ホイップクリームを得るための泡立て用クリームの空気混和方法、ならびに空気混入された泡立て用クリームに保形性(firmness)を与えるための、かつ/または泡立て用クリームのより迅速な空気混入を実現するための、かつ/または酸性pHにおける泡立て用クリーム中のタンパク質の集塊化を減らすための、かつ/または低脂肪泡立て用クリームの空気混入を改善するための高アシル型ジェランまたは上記起泡剤用添加物の使用に関する。
一般にイミテーションクリームまたは乳成分を含まないクリームとしても知られている植物性泡立て用クリームの市場は、その製品の広大な用途のために著しく増大しつつある。乳製品泡立て用クリームと比べてその最終製品の季節変動はきわめて低く、これは多くの用途において利点である。また、乳製品泡立て用クリームの製造にかかわる製造コストに比べてその製造コストが著しく低いことは、この製品をますますポピュラーなものにしている。
イミテーションクリームは、植物性脂肪と、タンパク質、一般には脱脂粉乳またはカゼイン酸Na+水と、糖と、乳化剤/安定剤と、香味料とから作られる水中油(o/w)型エマルションである。その用途は、工業用から、この製品を洋菓子の装飾用に使用することが多い小規模な消費者まで様々である。
短い泡立て時間と、良好なオーバーランと、硬くかつ安定した泡と、良好な口当たりとを有する良好なイミテーションクリームを作り出すことは簡単には達成されない。その品質に影響を与える多くの局面が存在する。泡立てたイミテーションクリームの泡は、一般に脂肪で安定化され、また良好な泡立ちを得るためには脂肪球からのある程度のタンパク質の脱離が起こるべきであり、かつその脂肪は部分的に集塊化されるか、またはさらには部分的な合体が伴うべきである。これは、乳化剤の選択により、また脂肪の部分的な結晶化によって達成される。しかしながら良好な泡立ち特性、すなわちエマルションの部分的に不安定化をもたらすための条件はまた、瓶/容器中でのクリームの増粘として観察されるイミテーションクリームの貯蔵安定性に悪影響を与える。この増粘は非常に激しいのでクリームを容器から注ぎ出すことができず、また場合によっては泡立ち性能もまた失われる。
イミテーションクリームの貯蔵安定性を向上させるために様々な解決策が試みられてきた(例えば、アニオン系乳化剤を加え、それによりそれらの帯電およびタンパク質結合特性が脂肪球の相互作用を低減させる)。しかしながらその結果、泡立ち特性(オーバーランおよびホイップクリームの保形性)が減ずる。これまで、イミテーションクリームの安定性と泡立ち特性の間の負の相関のないいかなる成分も同定されていない。
多くの国においてイミテーションクリームの重要な品質パラメータは、例えばフルーツシロップの添加による酸性化に対する寛容性である。一般にタンパク質は変性し、凝集することになり、低いオーバーランを有するきわめて硬くかつ粒子の粗いホイップクリームが得られる。
したがって植物性泡立て用クリームまたはイミテーションクリームの重要な品質パラメータは、空気混入前、例えば瓶中での貯蔵の間に増粘せず、それにもかかわらず比較的迅速に空気混入することができ、ホイップクリームに高いオーバーランと、形をとることを可能にしかつその形状を維持することになる硬いテクスチャーとを与える安定したクリームである。瓶中での泡立て用クリームの安定性および良好なホイップクリーム特性は、これまで一方の改良が他方の悪化につながる、相反する特性であった。
多くの国では泡立て過程の間または後にクリームに酸性のフルーツシロップを加えるという伝統がさらに、粒状性、泡の崩壊、およびきわめて劣悪な展延性を引き起こす極端な保形性などのホイップクリームの品質の問題を生み出した。
特許文献1は、ゼラチン、ネーティブ型ジェランガム、および脱アシル型ジェランガムの組合せを含み、かつ泡立ての間に45〜65℃の間の高温を使用する発泡食品を開示している。特許文献2は、ジェランガムの使用を開示している。
さらに幾つかの用途においては、ホイップクリームの品質を維持しながら脂肪レベルを低減させる産業界の要請が存在する。これはまた、その構成成分の脂肪がホイップクリームの構築および安定化において不可欠な部分であるために、きわめて困難なことも分かっている。
特開2005−295841号公報 特開2001−245620号公報
本発明の実施形態の目的は、効率的な起泡剤用添加物と、植物性泡立て用クリーム用途などの泡立て用クリームに、好ましくはより低温、例えば25℃未満で、また好ましくは脂肪を安定化させることによって空気混入するためのその使用と、上記起泡剤用添加物を含む泡立て用クリームと、この起泡剤から作られる植物性ホイップクリームなどのホイップ食品と、好ましくはより低温、例えば25℃未満での上記泡立て用クリームの空気混入の方法とを提供することである。
驚くべきことに、高アシル型ジェランガム(下記においてHAジェランとも呼ばれる)を使用することによって、許容できる貯蔵安定性を有し、同時にそれにもかかわらず良好な泡立ち特性を維持する良好な泡立て用クリームを入手することできることを発見した。泡立て促進用乳化剤(例えばモノグリセリドまたはモノグリセリドの乳酸エステル)とアニオン系乳化剤の適切な組合せにより泡立て用クリームを安定化させる場合、HAジェランは、貯蔵安定性に悪影響を与えないだけでなく、泡立て速度および最終のホイップクリームの保形性を改善することが分かった。いかなる理論にも拘束されることを望まないが、それは脂肪で安定化された泡をより効果的に作り出すHAジェランの驚くべき効果のためであると考えられる。これは、泡立て速度に関して他の親水性コロイドの場合よりもずっと高い程度で、また泡立て用クリームの濃度およびホイップクリームの食味(異味、粘着性、または口中を覆う不快さがない)に与える悪影響がずっと少ない状態で達成される。驚くべきことに酸性のフルーツシロップの添加によるホイップクリームの酸性化は、HAジェランを配合表に加えた場合、はるかに少ないホイップクリームの粒状性をもたらすことが分かった。さらに、HAジェランの添加により、ホイップクリームの許容し得る品質を維持したまま低脂肪クリームに空気混入することができることが分かった。泡立てを低温、例えば25℃未満で行うことができることもまた分かった。大きなせん断速度勾配の使用が、特に役立つことが分かった。
したがって本発明は、高アシル型ジェランを含む泡立て用クリームに関する。
本発明はさらに、本明細書中で開示される空気混入された泡立て用クリームであるホイップクリームに関する。
本発明はさらに、本明細書中で開示される泡立て用クリームに空気混入して空気混入されたホイップクリームを得る方法に関し、その方法は、本明細書中で開示される泡立て用クリームを準備するステップと、上記泡立て用クリームに、好ましくはより低温、例えば25℃未満で空気混入して上記ホイップクリームを得るステップとを含む。
本発明はさらに、高アシル型ジェランを含む起泡剤用添加物に関する。
本発明はさらに、好ましくはより低温、例えば25℃未満でクリームに空気混入してホイップクリームを得る方法に関し、その方法は、泡立て用クリームの製造の際に、クリームに本明細書中で開示される起泡剤用添加物を加えるステップを含み、その空気混入は、好ましくはより低温、例えば25℃未満で行われる。
本発明はさらに、高アシル型ジェランの使用、すなわち空気混入された泡立て用クリームの保形性の向上を実現するための本明細書中で開示される起泡剤用添加物の使用に関する。
本発明はさらに、高アシル型ジェランの使用、すなわち空気混入された泡立て用クリームの貯蔵安定性の向上を実現するための本明細書中で開示される起泡剤用添加物の使用に関する。
本発明はさらに、高アシル型ジェランの使用、すなわち泡立て用クリームのより迅速な泡立てを実現するための本明細書中で開示される起泡剤用添加物の使用に関する。
本発明はさらに、高アシル型ジェランの使用、すなわち本明細書中で開示される起泡剤用添加物を使用して、低脂肪泡立て用クリームの泡立てを改善する方法に関する。
本発明はさらに、高アシル型ジェランの使用、すなわち酸性pHにおける泡立て用クリーム中での、またはホイップクリーム中でのタンパク質の凝集を減らすための本明細書中で開示される起泡剤用添加物の使用に関する。
実施例1の植物性クリーム試料5、6、および7の歪み掃引を示す図である。 実施例1の植物性クリーム試料5、6、および7の泡立ちプロフィールを示す図である。 実施例1の植物性ホイップクリーム試料5、6、および7の泡のミクロ構造を示す図である。スケールバーは50ミクロンである。脂肪はナイルレッドで着色され(黒/白中の薄灰色として見られる)、またタンパク質相はFITCで着色されている(黒/白中の濃い灰色として見られる)。 実施例2のVotellaから入手した「Yoghurt−Erdbeer Sahne Fond」の添加による試料81および84のホイップクリームの写真である。 実施例3の植物性クリーム試料1、2、4、および5の泡立ちプロフィールを示す図である。 実施例4の植物性クリーム試料2、5、および7の歪み掃引を示す図である。 実施例4の植物性クリーム試料1および試料2、5、7の泡立ちプロフィールを示す図である。 実施例4のホイップド植物性クリーム試料1および試料2、5、7の泡のミクロ構造を示す図である。スケールバーは50ミクロンである。脂肪はナイルレッドで着色され(黒/白中の薄灰色として見られる)、またタンパク質相はFITCで着色されている(黒/白中の濃い灰色として見られる)。 実施例5の植物性クリーム試料1、2、4、6、9、および14の泡立ちプロフィールを示す図である。
定義
本発明との関連において「泡立て用クリーム」とは、泡立てによって空気混入させ、それによって脂肪球が衝突し、部分的に合体して、泡構造を安定化させる凝集体またはクラスターを形成することができるo/w型エマルションを意味する。
本発明との関連において「植物性泡立て用クリーム」とは、その脂肪が植物性脂肪または主に植物性脂肪であり、泡立てによって空気混入させ、それによって脂肪球が衝突し、部分的に合体して、泡構造を安定化させる凝集体またはクラスターを形成することができるo/w型エマルションを意味する。
本発明との関連において「脂肪で安定化される」とは、その泡構造が脂肪球の凝集体またはクラスターによって、一般には部分的な脂肪球の合体により安定化されることを意味する。
本発明との関連において本明細書中で述べる「起泡剤用添加物」は、その一部が、それらの動的な吸着のために、またそれらが気体−液体界面および/または脂肪−液体界面に存在するために、かつ/または脂肪球表面からのタンパク質脱離能力のために、起泡剤を含有するその製品に空気混入するときに気泡(gas cells)の取込みおよび安定化を容易にすることになる界面特性を有する物質の混合物である。また「起泡剤用添加物」は、様々な親水性コロイド(安定剤)、塩類(緩衝剤)、およびタンパク質を含有することができる。
本発明との関連において用語「乳化剤」とは、マーガリン、ショートニング、アイスクリーム、およびサラダ用ドレッシングにおける油と水の混合物の場合のように、追加して一方の液体の懸濁を促進させる1種類または複数種類の化学添加物を意味する。
本発明との関連において乳化剤は、植物性タンパク質または乳タンパク質などのタンパク質とは異なる。一態様において乳化剤は、非タンパク質由来の1種類または複数種類の化学添加物である。
本発明との関連において「空気混入」とは、空気が取り込まれていない製品と比べてオーバーランを増加させることを意味する。
本発明との関連において「保形性」は、例えば本明細書中の実施例1において述べ、また測定されるような空気混入された泡立て用クリームのテクスチャーと関係がある。「保形性の向上」とは、高アシル型ジェランの添加なしの同じ空気混入された泡立て用クリームと比べて、かつ/またはホイップクリームに保形性を与えるために一般に使用されている別の安定剤を添加した同じ空気混入された泡立て用クリームと比べて、本明細書中で開示された空気混入された泡立て用クリームのテクスチャーのより硬いテクスチャーを意味する。
本発明との関連において「耐熱衝撃安定性」は、例えば本明細書において実施例中で述べるような当業者に知られている任意の方法によって評価することができる。熱衝撃を受けた試料は、生産者が生産の直後に観察し、評価する品質の新鮮な試料に反して、泡立て用クリームの長期貯蔵の後に最終消費者が出会うことができる品質を再現するはずである。
本発明との関連において「オーバーラン」は、泡立てにより製品中に空気混入された空気の体積の尺度である。本発明との関連において「オーバーラン」は、例えば本明細書において実施例中で述べるような当業者に知られている任意の方法によって、例えば240mLビーカーをホイップクリームで満たし、その240mLビーカーを計量し、オーバーラン%=100×(240×1.02/泡重量)−100を計算することによって測定することができる。一態様においてこの方法に従って測定される許容し得るオーバーランは200%を超え、より好ましくは250%を超え、より一層好ましくは300%を超える。
別段の定義がなされない限り本明細書中で使用されるすべての技術的および科学的用語は、通常の当業熟練者によって一般に理解されているものと同じ意味を有する。
本発明は、高アシル型ジェランを含む泡立て用クリームに関する。
高アシル型ジェラン(下記においてHAジェランとも呼ばれる)は、低アシルのジェラン(下記においてLAジェランとも呼ばれる)と区別されるべきである。HAジェランおよびLAジェランは、両方ともジェランガムに分類される。ジェランガムは、微生物スフィンゴモナス・エロディア(Sphingomonas elodeao)によって産生させることができる。ジェランガムの分子構造は一般には、グルコース、ラムノース、およびグルクロン酸の反復単位から作られる直鎖である。そのネーティブすなわち高アシル形では、2個のアシル置換基(酢酸基およびグリセリン酸基)が存在する。これら両置換基は、同じグルコース残基上に位置し、平均して1反復単位当たり1個のグリセリン酸基および2反復単位ごとに1個の酢酸基が存在する。低アシルのジェランガムではアシル基が大部分は存在しない。ジェランガムの多糖骨格上でのアシル基の存在または不在は、その機能特性に重大な影響を与える。LAジェランは、一般に20〜40℃の温度領域でゲル化することになり、またゲル特性がカルシウムによってずっと影響を受けることになる。HAジェランは、一般に50〜80℃の温度領域においてゲル化することになり、またゲル特性は、LAジェランよりも弾性がありかつ脆性でなく、またカルシウムによってあまり影響を受けないことになる。HAおよびLAジェランを含めたジェランガムについての説明は、例えばValliおよびClark(参考文献4)で得られる。Morris(参考文献5)によれば、酢酸基を欠いたジェランにおける十分な量のグリセリン酸基は、DSCによって求められるゲル化プロフィールに見られるように高アシルの機能的挙動を有することになる。グリセリン酸基の含有量を下げると、「高アシル」のゲルのピークはより小さくなり、かつ次第により低温で見られるようになり、また「低アシル」のゲル化ピークは次第に大きくなる。したがって中間体分子構造は、中間体官能基とともに存在する。高アシル型ジェランの実例には、CP Kelco,Inc.から入手できるKELCOGEL LT 100、これもまたCPKelcoから入手できるKelcogel HMB−P、KELCOGEL HT、および米国特許出願公開第2005/0266138号明細書に記載されている高アシル型ジェランが挙げられる。様々な具体例としての実施形態においてその高アシル型ジェランガムは、精製された高アシル型ジェランであることができる。高アシル型ジェラン製品の他の例は、DuPontによって生産されているGELLAN NM 205およびGellan Gum DAI 90である。
一態様において上記HAジェランは、ゲル化エンタルピーの50%超が40℃を超える温度の所にある、より好ましくはゲル化エンタルピーの90%超が40℃を超える温度の所にあるゲル化プロフィールを有するジェランを意味する。これは、Morris(参考文献5)に記載のように1%ジェラン溶液(脱イオン水に溶かしたジェランナトリウム塩)を0.7c/分で冷却した場合にDSCによって求められる。
加えられる高アシル型ジェランの量は、例えば空気混入された泡立て用クリームの所望の保形性、使用する泡立て速度、泡立て用クリームの酸度、および泡立て用クリーム中のその他の成分(その泡立て用クリームの配合)に左右される。一般に高アシル型ジェランの用量は、0.005%(w/w)〜0.2%(w/w)の範囲内にあるはずである。好ましい態様においてその用量は、泡立て用クリームを基準にして高アシル型ジェランが0.0125%(w/w)〜0.1%(w/w)の範囲内にあるはずである。好ましい態様においてその用量は、泡立て用クリームを基準にして高アシル型ジェランが0.02%(w/w)〜0.05%(w/w)の範囲内にあるはずである。
本明細書中で述べる泡立て用クリームは、一般には、植物性脂肪などの脂肪と、タンパク質、通常は脱脂粉乳またはカゼイン酸Naおよび水と、糖などの甘味料と、塩と、緩衝塩と、乳化剤と、安定剤と、香味料とを含むo/w型エマルションである。脱脂粉乳またはカゼイン酸Na以外のタンパク質源、例えばダイズタンパク質およびバターミルクパウダーもまた使用することができ、またはこれらタンパク質源の組合せを使用することができる。エマルションを安定化するためにヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などの他の界面活性成分もまた使用することができる。
さらなる態様において上記泡立て用クリームは、10%(w/w)〜45%(w/w)の間の脂肪、好ましくは15%(w/w)〜40%(w/w)の間の脂肪、またより好ましくは20%(w/w)〜35%(w/w)の間の脂肪を含む。一態様において上記泡立て用クリームは、少量の脂肪、例えば15%(w/w)〜30%(w/w)の間の脂肪、例えば15%(w/w)〜28%(w/w)の間の脂肪を含む。さらなる態様において上記泡立て用クリームは、10%(w/w)〜45%(w/w)の間の植物性脂肪、好ましくは15%(w/w)〜40%(w/w)の間の植物性脂肪、またより好ましくは20%(w/w)〜35%(w/w)の間の植物性脂肪を含む。一態様において上記泡立て用クリームは、少量の脂肪、例えば15%(w/w)〜30%(w/w)の間の植物性脂肪、例えば15%(w/w)〜28%(w/w)の間の植物性脂肪を含む。実施例中に示すようにHAジェラン添加によるテクスチャーの改良%は、低い脂肪レベルにおいて特に高い。したがって一態様においてHAジェランは、脂肪量の低い植物性泡立て用クリーム、または希釈された、例えばシロップで希釈され、それにもかかわらず優れた泡立て用クリームおよびホイップクリーム特性を有する植物性泡立て用クリームを作り出すのに有利である。さらなる態様において上記脂肪の一部または全部が植物性脂肪である。
一態様において泡立て用クリーム中の総脂肪量のうちの少なくとも80%が植物性脂肪であり、好ましくは泡立て用クリーム中の総脂肪量のうちの少なくとも90%が植物性脂肪であり、またより好ましくは脂肪の全部が植物性脂肪である。
好ましい種類の植物性脂肪は、空気混入および泡の安定を助長させるように泡立て温度において十分な結晶化度を有することを特徴とする。一態様において好適な植物性脂肪は、ココナッツ油、パーム核油、パーム油、ピーナッツ油、ダイズ油、ナタネ油、ヒマワリ油、綿実油、およびオリーブ油からなる群のうちの1種類または複数種類から誘導され、好ましくはココナッツ油、パーム核油、およびパーム油からなる群のうちの1種類または複数種類から誘導され、より好ましくはココナッツ油およびパーム核油からなる群のうちの1種類または複数種類から誘導される。さらなる態様において植物性脂肪はパーム核油から誘導される。
一態様において泡立て用クリームは、脂肪で安定化される。
泡立て用クリームはさらに、タンパク質、乳化剤、安定剤、緩衝塩、塩、甘味料、および香味料のうちの1種類または複数種類を含む。
一態様において上記タンパク質は、カゼイン酸ナトリウム、脱脂粉乳、バターミルクパウダー、ダイズタンパク質、およびエンドウタンパク質からなる群のうちの1種類または複数種類から選択される。
一態様において上記安定剤は、カラギーナン、イナゴマメガム、タラガム、キサンタンガム、ペクチン、アルギン酸塩、グアールガム、微結晶セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン製品、およびゼラチンのうちの1種類または複数種類から選択される。一態様において上記安定剤はゼラチンではない。
一態様において上記塩は塩化ナトリウムである。緩衝塩の例は、例えばクエン酸塩および/またはリン酸塩である。
一態様において上記甘味料は糖、例えばスクロース、グルコース、フルクトース、または様々なDE(デキストロース等量)を有するグルコースシロップの例のうちの1種類、あるいはこのような甘味料の1種類または複数種類の混合物である。さらなる態様において上記甘味料は、低カロリー甘味料、例えばソルビトール、ラクチトール、またはキシリトール、あるいはこのような甘味料の1種類または複数種類の混合物である。一態様において上記甘味料は、糖および/または低カロリー甘味料から選択される1種類または複数種類である。
一態様において上記香味料は、酸性のシロップ、一般にフルーツ系シロップである。シロップは、粉末、果汁、果汁濃縮液から、または酸性化された糖シロップと香味料から人工的に作られる。
泡立て用クリームはまた、有利には1種類または複数種類の乳化剤を含むことができる。
一態様において乳化剤は、直接に、または脂肪球からのタンパク質脱離を助長させることによって泡立ちを促進させる乳化剤と、クリームの安定を助長する1種類または複数種類の乳化剤、例えばDATEMのようなアニオン系乳化剤とからなる。
食品技術における乳化剤は、マーガリン、ショートニング、およびサラダ用ドレッシングにおける油と水の混合物の場合のように2種類の非混和性液体がエマルションを形成するのを手助けする非常に多くの化学添加物のうちのどれかである。
好ましい乳化剤は、ステアロイル乳酸ナトリウム(SSL)、ステアロイル乳酸カルシウム(CSL)、ポリソルベート、モノグリセリド、ジグリセリド、モノ/ジグリセリド、ポリグリセロールエステル、モノグリセリドの乳酸エステル、ジグリセリドの乳酸エステル、モノ/ジグリセリドの乳酸エステル、ポリソルベート、モノグリセリドのスクロースエステル、ジグリセリドのスクロースエステル、モノ/ジグリセリドのスクロースエステル、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、ジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、脂肪酸のモノおよびジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル(DATEM)、モノグリセリドのクエン酸エステル、ジグリセリドのクエン酸エステル、脂肪酸のモノおよびジグリセリドのクエン酸エステル(citrem)、レシチン、およびこれらの組合せからなる群から選択することができる。
一態様においてその使用される乳化剤は、脂肪酸のポリグリセロールエステル(PGE)、ポリソルベート、モノグリセリド、モノ/ジグリセリド、乳酸エステル、モノ/ジグリセリドの乳酸エステル(lactem)、脂肪酸のモノおよびジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル(datem)、脂肪酸のモノおよびジグリセリドのクエン酸エステル(citrem)、レシチン製品、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される1種類または複数種類の乳化剤である。
一態様においてその使用される乳化剤は、モノグリセリドまたはモノグリセリドの乳酸エステルからなる群から選択される1種類または複数種類の乳化剤である。
一態様においてその乳化剤の少なくとも1種類は、アニオン系乳化剤、例えば乳酸エステル、脂肪酸のモノおよびジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル(datem)、脂肪酸のモノおよびジグリセリドのクエン酸エステル(citrem)、およびレシチン製品からなる群から選択されるアニオン系乳化剤である。
一態様において乳化剤は、モノグリセリドまたはモノ/ジグリセリドの乳酸エステルと、少なくとも1種類のアニオン系乳化剤とからなる群から選択される。
好ましい態様においてその1種類または複数種類の乳化剤は、脂肪酸のポリグリセロールエステル(PGE)、ポリソルベート、モノグリセリド、乳酸エステル、モノおよびジグリセリドの乳酸エステル(lactem)、脂肪酸のモノおよびジグリセリドのクエン酸エステル(citrem)、レシチン製品、およびこれらの任意の組合せから選択される。
一態様においてその1種類または複数種類の乳化剤は、飽和または不飽和脂肪酸のモノおよび/またはジグリセリドの群から選択される。
一態様において1種類または複数種類の乳化剤は、蒸留モノグリセリド(DMG)である。
一態様においてその「飽和または不飽和脂肪酸のモノおよび/またはジグリセリド」(すなわち、飽和または不飽和脂肪酸のモノグリセリド、ジグリセリド、および/またはモノ/ジグリセリド)は、主に植物由来のグリセロールおよび天然脂肪酸から生産されるが、動物由来の脂肪もまた使用することができる。さらなる態様においてその飽和または不飽和脂肪酸のモノおよび/またはジグリセリドは、部分的に消化された天然の脂肪に似た組成を有する様々な飽和または不飽和脂肪酸のモノおよび/またはジグリセリドの混合物である。一態様においてモノグリセリドは、グリセロールの1個のヒドロキシル基が脂肪酸でエステル化されているエステルである。さらなる態様においてジグリセリドは、グリセロールの2個のヒドロキシル基が2個(同一または異なる)の脂肪酸でエステル化されているエステルである。モノグリセリドという用語は、グリセロールで脂肪または油をエステル交換(トリアシルグリセロール)することによって生産される市販製品に対して一般に使用される。この工程はグリセロリシスと呼ばれ、またこの工程によって、溶媒分別法または分子蒸留技術による更なる精製なしに製造される製品をモノ/ジグリセリドと呼ぶことが多い。濃縮モノグリセリドを一般に蒸留モノグリセリドと呼ぶ。グリセロリシス後に得られる平衡混合物中のモノアシルグリセロールの含有量は、反応混合物中のグリセロール/脂肪比に応じて10から60%まで変わる。市販のモノ/ジグリセリドは、一般に45〜55%のモノアシルグリセリド、38〜45%のジアシルグリセリド、および8〜12%のトリアシルグリセリドを、微量の未反応グリセロールおよび遊離脂肪酸と共に含有する。代替の生産方法は、グリセロールによる脂肪酸の直接エステル化である。精製した脂肪酸を使用することによって、これは狭い脂肪酸分布を有するモノ/ジグリセリドを生成する。市販のモノ/ジグリセリド(E471)は、一般にはC12〜C22の鎖長を有する脂肪酸から作られる。この脂肪酸は、飽和でも、一不飽和でも、また多価不飽和でもよい。典型的な市販のモノ/ジグリセリドは、オレイン酸ナトリウムとして計算されるせいぜい6%(w/w)の少量の脂肪酸の塩を含む。一態様においてそのモノ/ジグリセリドは、オレイン酸ナトリウムとして計算される6%(w/w)未満の脂肪酸の塩を含む。
一態様において乳化剤は、飽和または不飽和脂肪酸およびそれらの混合物、例えばC12〜C22の鎖長を有する脂肪酸のモノおよび/またはジグリセリドから選択され、例えばE471である。
本発明の一態様において飽和または不飽和脂肪酸のモノおよび/またはジグリセリドは、0.01〜1%(w/w)の範囲、より好ましくは0.05〜0.5%(w/w)の範囲、より好ましくは0.1〜0.4%(w/w)の範囲で使用される。
一態様において上記泡立て用クリームは、3〜7.5の間のpHを有する。さらなる態様において上記泡立て用クリームは、pH5〜pH7の間のpHに緩衝される。さらなる態様において上記泡立て用クリームは、pH6〜pH7の間のpHに緩衝される。
一態様において本発明は、本明細書中で開示される空気混入されたホイップ用クリームであるホイップクリームに関する。したがってまた一態様において本発明は、泡立て用クリームに空気混入してホイップクリームを得る方法を開示し、その方法は、本明細書中で開示する泡立て用クリームを準備するステップ、および上記泡立て用クリームに空気混入して上記ホイップクリームを得るステップを含む。このクリームの泡立ては、当業熟練者によって知られているクリームを泡立てるための任意の方法によって、例えば泡立て器による泡立て、モンドミキサー(Mondo mixer)またはハンザミキサー(Hansa mixer)型ミキサーの場合などの工業用の空気混入設備中での空気混入、またはエアロゾル缶から通気する空気混入によって行うことができる。一態様において泡立ては、大きなせん断速度勾配で行われる。せん断速度勾配は、可動部分の表面から、可動部分から或る一定の距離にある場所(せん断がまったく起こっていない)まで変わる泡立ての間のせん断速度の、また他の機械的せん断の勾配である。ニュートン液体ではそのせん断速度(速度プロフィール)が一定であるのに対し、ずり減粘液体の場合は表面の近くできわめて高いせん断速度が得られ、それが表面から、ほとんどゼロの或る距離まで急速に減少する。一態様においてその泡立て用クリームの空気混入は、25℃未満の温度で行われる。
一態様においてホイップクリームは、脂肪で安定化される。
イミテーションクリームなどの泡立て用クリームの泡立ち特性および貯蔵安定性を決めるのは単に配合だけではない。均質化などの加工条件と、充填温度およびその後の貯蔵温度と、貯蔵温度のばらつきもまた、貯蔵安定性および泡立ち特性に影響を与える。イミテーションクリームの貯蔵安定性および泡立ち特性に影響を与えるパラメータは当業熟練者に知られており、例えばBoodeおよびWalstra(参考文献1および2)、ならびにCampellおよびJones(参考文献3)によって詳細に記述されている。
ほとんどの場合、その生成物をUHT処理、続いて無菌充填を施して、20〜25℃よりも低い貯蔵温度での4〜6ヶ月の貯蔵寿命を与える。一態様において泡立て用クリームは、UHT処理される。
一態様では高アシル型ジェランを含む起泡剤用添加物が本明細書中で開示される。
起泡剤用添加物はまた、タンパク質、緩衝塩、塩、乳化剤、および安定剤(例えば親水性コロイド)を含むこともできる。これらの構成要素の例は、上記で記述されている。
さらなる態様においてクリームに空気混入してホイップクリームを得るための方法が本明細書中で開示され、その方法は、泡立て用クリームの製造の際にクリームに本明細書中で開示する起泡剤用添加物を加えるステップを含む。一態様において泡立て用クリームの空気混入は、25℃未満の温度で行われる。さらなる態様においてそのクリームはまた、タンパク質、緩衝塩、塩、乳化剤、および安定剤(例えば親水性コロイド)のうちの1種類または複数種類を含むことができ、それは起泡剤用添加物の添加前、または添加後のいずれかで加えられる。
驚くべきことに、空気混入は上記高アシル型ジェランの添加によって向上することが分かった。したがって泡立て速度(必要とされる泡立て時間)および上記ホイップクリームの保形性は、上記高アシル型ジェランの添加によって、高アシル型ジェランの添加なしのホイップクリームと比較して、かつ/または他の親水性コロイド、例えば低アシルのジェランの添加と比較して向上する。またこの空気混入の向上は、高アシル型ジェランの添加なしの同じ上記泡立て用クリームの貯蔵安定性と比較して、上記泡立て用クリームの貯蔵安定性の低下がないことが分かった。
いかなる理論にも拘束されることを望まないが本明細書中の実施例に基づけば、高アシル型ジェランがクリームのミクロ構造をより不均一かつ微細な構造を有する脂肪ミクロ構造に変えるように見える。さらに実施例に基づけば、高アシル型ジェランは、クリーム中の脂肪の凝塊形成または脂肪の部分的合体の程度にあまり強い影響を与えないように見える。
また実施例に基づけば、高アシル型ジェランは、その降伏応力特性に起因するより高い弾性率によってクリームの粘度を増大させるように見えるが、クリームを注げないほどにはそれ自体増粘しないはずである。また実施例に基づけば、高アシル型ジェランは、オーバーランを犠牲にすることなくホイップクリームの保形性の増加を伴う、より迅速なクリームの泡立ちを示すように見える。
一態様において本明細書中で述べる高アシル型ジェランまたは起泡剤用添加物は、空気混入された泡立て用クリーム保形性の向上をもたらす。
一態様において本明細書中で述べる高アシル型ジェランまたは起泡剤用添加物は、泡立て速度と最終の空気混入されたホイップクリームの保形性との両方に関係のある低脂肪泡立て用クリームの空気混入の向上をもたらす。
一態様において本明細書中で述べる高アシル型ジェランまたは起泡剤用添加物は、酸性pHでの泡立て用クリームまたはホイップクリーム中でのタンパク質凝集の低減をもたらす。本発明との関連において「酸性pH」とは、3〜6の範囲のpHを意味する。
一態様において本明細書中で述べる高アシル型ジェランまたは起泡剤用添加物は、泡立て用クリームのより迅速な泡立ちをもたらす。
本明細書中ではまた、下記の実施形態を開示する。
実施形態1
高アシル型ジェランを含む泡立て用クリーム。
実施形態2
実施形態1に記載の泡立て用クリームであって、上記泡立て用クリームは、0.005%(w/w)〜0.2%(w/w)の間の高アシル型ジェランを含む、泡立て用クリーム。
実施形態3
実施形態1〜2のいずれか一形態に記載の泡立て用クリームであって、上記泡立て用クリームは、0.0125%(w/w)〜0.1%(w/w)の間の高アシル型ジェランを含む、泡立て用クリーム。
実施形態4
実施形態1〜3のいずれか一形態に記載の泡立て用クリームであって、上記泡立て用クリームは、0.02%(w/w)〜0.05%(w/w)の間の高アシル型ジェランを含む、泡立て用クリーム。
実施形態5
実施形態1〜4のいずれか一形態に記載の泡立て用クリームであって、その高アシル型ジェランは、脱イオン水に溶かした1%(w/w)ジェランナトリウム塩溶液を0.7c/分で冷却した場合にDSCによって求められるゲル化エンタルピーの50%超が40℃を超える温度の所にあるゲル化プロフィールを有する、泡立て用クリーム。
実施形態6
実施形態1〜5のいずれか一形態に記載の泡立て用クリームであって、その高アシル型ジェランは、脱イオン水に溶かした1%(w/w)ジェランナトリウム塩溶液を0.7c/分で冷却した場合にDSCによって求められるゲル化エンタルピーの90%超が40℃を超える温度の所にあるゲル化プロフィールを有する、泡立て用クリーム。
実施形態7
実施形態1〜6のいずれか一形態に記載の泡立て用クリームであって、上記泡立て用クリームは、10%(w/w)〜45%(w/w)の間の脂肪を含む、泡立て用クリーム。
実施形態8
実施形態1〜7のいずれか一形態に記載の泡立て用クリームであって、上記泡立て用クリームは、15%(w/w)〜40%(w/w)の間の脂肪を含む、泡立て用クリーム。
実施形態9
実施形態1〜8のいずれか一形態に記載の泡立て用クリームであって、上記泡立て用クリームは、20%(w/w)〜35%(w/w)の間の脂肪を含む、泡立て用クリーム。
実施形態10
実施形態7〜9のいずれか一形態に記載の泡立て用クリームであって、上記脂肪の一部または全部が植物性脂肪である、泡立て用クリーム。
実施形態11
実施形態7〜10のいずれか一形態に記載の泡立て用クリームであって、泡立て用クリーム中の脂肪の総量のうちの少なくとも80%が植物性脂肪であり、好ましくは泡立て用クリーム中の脂肪の総量のうちの少なくとも90%が植物性脂肪であり、またより好ましくは脂肪の全部が植物性脂肪である、泡立て用クリーム。
実施形態12
実施形態7〜11のいずれか一形態に記載の泡立て用クリームであって、上記泡立て用クリームは、ココナッツ油、パーム核油、パーム油、ピーナッツ油、ダイズ油、ナタネ油、ヒマワリ油、綿実油、およびオリーブ油からなる群のうちの1種類または複数種類から誘導される、好ましくはココナッツ油、パーム核油、およびパーム油からなる群のうちの1種類または複数種類から誘導される、より好ましくはココナッツ油およびパーム核油からなる群のうちの1種類または複数種類から誘導される、より好ましくはパーム核油から誘導される植物性脂肪を含む、泡立て用クリーム。
実施形態13
実施形態1〜12のいずれか一形態に記載の泡立て用クリームであって、タンパク質、乳化剤、安定剤、緩衝塩、塩、甘味料、および香味料のうちの1種類または複数種類をさらに含む、泡立て用クリーム。
実施形態14
実施形態1〜13のいずれか一形態に記載の泡立て用クリームであって、脂肪酸のポリグリセロールエステル(PGE)、ポリソルベート、モノグリセリド、モノ/ジグリセリド、乳酸エステル、モノおよびジグリセリドの乳酸エステル(lactem)、脂肪酸のモノおよびジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル(datem)、脂肪酸のモノおよびジグリセリドのクエン酸エステル(citrem)、レシチン製品、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される1種類または複数種類の乳化剤を含む、泡立て用クリーム。
実施形態15
実施形態14に記載の泡立て用クリームであって、その乳化剤は、モノグリセリドまたは脂肪酸のモノおよびジグリセリドの乳酸エステルからなる群から選択される、泡立て用クリーム。
実施形態16
実施形態15に記載の泡立て用クリームであって、その乳化剤は、モノグリセリドまたは脂肪酸のモノおよびジグリセリドの乳酸エステルと、少なくとも1種類のアニオン系乳化剤とからなる群から選択される、泡立て用クリーム。
実施形態17
実施形態16に記載の泡立て用クリームであって、そのアニオン系乳化剤は、乳酸エステル、脂肪酸のモノおよびジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル(datem)、脂肪酸のモノおよびジグリセリドのクエン酸エステル(citrem)、およびレシチン製品からなる群から選択される、泡立て用クリーム。
実施形態18
実施形態1〜17のいずれか一形態に記載の泡立て用クリームであって、上記泡立て用クリームは、pH3〜pH7.5の間のpHを有する、泡立て用クリーム。
実施形態19
実施形態1〜18のいずれか一形態に記載の泡立て用クリームであって、上記泡立て用クリームは、pH5〜pH7の間のpHに緩衝される、泡立て用クリーム。
実施形態20
実施形態1〜19のいずれか一形態に記載の泡立て用クリームであって、上記泡立て用クリームは、pH6〜pH7の間のpHに緩衝される、泡立て用クリーム。
実施形態21
実施形態1〜20のいずれか一形態で規定され、好ましくは25℃未満の温度で空気混入される空気混入された泡立て用クリームであるホイップクリーム。
実施形態22
泡立て用クリームに空気混入して空気混入されたホイップクリームを得るための方法であって、実施形態1〜20のいずれか一形態で規定される泡立て用クリームを準備するステップ、および上記泡立て用クリームに、空気混入して(好ましくは25℃未満の温度で空気混入して)上記ホイップクリームを得るステップを含む、方法。
実施形態23
高アシル型ジェランを含む起泡剤添加物。
実施形態24
実施形態23に記載の起泡剤添加物であって、タンパク質、緩衝塩、塩、乳化剤、および安定剤のうちの1種類または複数種類をさらに含む、起泡剤添加物。
実施形態25
実施形態24に記載の起泡剤添加物であって、上記タンパク質は、カゼイン酸ナトリウム、脱脂粉乳、バターミルクパウダー、エンドウタンパク質、およびダイズタンパク質からなる群から選択される、起泡剤添加物。
実施形態26
実施形態24〜25のいずれか一形態に記載の起泡剤添加物であって、上記緩衝塩は、クエン酸塩およびリン酸塩からなる群から選択される、起泡剤添加物。
実施形態27
実施形態24〜26のいずれか一形態に記載の起泡剤添加物であって、上記安定剤は、カラギーナン、イナゴマメガム、タラガム、キサンタンガム、ペクチン、アルギン酸塩、グアールガム、微結晶セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン製品、およびゼラチンからなる群から選択される、起泡剤添加物。
実施形態28
クリームに空気混入してホイップクリームを得る方法であって、泡立て用クリームの製造時にクリームに、実施形態23〜27のいずれか一形態に記載の起泡剤添加物を加え、好ましく25℃未満の温度で空気混入するステップを含む、方法。
実施形態29
高アシル型ジェランの使用または実施形態23〜27のいずれか一形態に記載の起泡剤添加物の使用であって、空気混入された泡立て用クリームの保形性を向上を実現するための、使用。
実施形態30
高アシル型ジェランの使用、または実施形態23〜27のいずれか一形態に記載の起泡剤添加物の使用であって、空気混入された泡立て用クリームの貯蔵安定性を向上させるための、使用。
実施形態31
高アシル型ジェランの使用または実施形態23〜27のいずれか一形態に記載の起泡剤添加物の使用であって、低脂肪泡立て用クリームの空気混入を向上させるための、使用。
実施形態32
高アシル型ジェランの使用または実施形態23〜27のいずれか一形態に記載の起泡剤添加物の使用であって、酸性pHにおける泡立て用クリーム中の、またはホイップクリーム中のタンパク質の凝集を減少させるための、使用。
実施形態33
高アシル型ジェランの使用または実施形態23〜27のいずれか一形態に記載の起泡剤添加物の使用であって、泡立て用クリームのより迅速な泡立てを実現するための、使用。
実施形態34
実施形態29〜33のいずれか一形態に記載の使用であって、その起泡剤添加物は、実施形態1〜20のいずれか一形態で規定される泡立て用クリーム、または実施形態21〜22のいずれか一形態で規定されるホイップクリームを得るために使用される、使用。
実施形態35
高アシル型ジェランを含むホイップクリーム。
実施形態36
実施形態35に記載のホイップクリームであって、そのホイップクリームは、25℃未満の温度で空気混入された、ホイップクリーム。
実施形態37
実施形態35〜36のいずれか一形態に記載のホイップクリームであって、上記ホイップクリームは、0.005%(w/w)〜0.2%(w/w)の間の高アシル型ジェランを含む、ホイップクリーム。
実施形態38
実施形態35〜37のいずれか一形態に記載のホイップクリームであって、上記ホイップクリームは、10%(w/w)〜45%(w/w)の間の脂肪を含む、ホイップクリーム。
実施形態39
実施形態38に記載のホイップクリームであって、上記脂肪の一部または全部は植物性脂肪である、ホイップクリーム。
実施形態40
実施形態38〜39のいずれか一形態に記載のホイップクリームであって、そのホイップクリーム中の脂肪の総量のうちの少なくとも80%が植物性脂肪であり、好ましくはホイップクリーム中の脂肪の総量のうちの少なくとも90%が植物性脂肪であり、またより好ましくは脂肪の全部が植物性脂肪である、ホイップクリーム。
実施形態41
実施形態38〜40のいずれか一形態に記載のホイップクリームであって、上記ホイップクリームは、ココナッツ油、パーム核油、パーム油、ピーナッツ油、ダイズ油、ナタネ油、ヒマワリ油、綿実油、およびオリーブ油からなる群のうちの1種類または複数種類から誘導される、好ましくはココナッツ油、パーム核油、およびパーム油からなる群のうちの1種類または複数種類から誘導される、より好ましくはココナッツ油およびパーム核油からなる群のうちの1種類または複数種類から誘導される、より好ましくはパーム核油から誘導される植物性脂肪を含む、ホイップクリーム。
実施形態42
実施形態35〜41のいずれか一形態に記載のホイップクリームであって、タンパク質、乳化剤、安定剤、緩衝塩、塩、甘味料、および香味料のうちの1種類または複数種類をさらに含む、ホイップクリーム。
実施形態43
実施形態35〜42のいずれか一形態に記載のホイップクリームであって、脂肪酸のポリグリセロールエステル(PGE)、ポリソルベート、モノグリセリド、モノ/ジグリセリド、乳酸エステル、モノおよびジグリセリドの乳酸エステル(lactem)、脂肪酸のモノおよびジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル(datem)、脂肪酸のモノおよびジグリセリドのクエン酸エステル(citrem)、レシチン製品、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される1種類または複数種類の乳化剤を含む、ホイップクリーム。
実施形態44
実施形態43に記載のホイップクリームであって、その乳化剤は、モノグリセリドまたは脂肪酸のモノおよびジグリセリドの乳酸エステルと、少なくとも1種類のアニオン系乳化剤とからなる群から選択される、ホイップクリーム。
実施形態45
実施形態44に記載のホイップクリームであって、そのアニオン系乳化剤は、乳酸エステル、脂肪酸のモノおよびジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル(datem)、脂肪酸のモノおよびジグリセリドのクエン酸エステル(citrem)、およびレシチン製品からなる群から選択される、ホイップクリーム。
実施形態46
実施形態35〜45のいずれか一形態に記載のホイップクリームであって、そのホイップクリームは、20℃未満、例えば15℃未満、例えば10℃未満、例えば5℃未満の温度で空気混入された、ホイップクリーム。
実施形態47
実施形態35〜46のいずれか一形態に記載のホイップクリームであって、そのホイップクリームは、1℃を超える、例えば2℃を超える温度で空気混入された、ホイップクリーム。
実施形態48
ホイップクリームの生産方法であって、空気混入の前または間に高アシル型ジェランを加えて泡立て用クリームを得るステップを含み、この泡立て用クリームは25℃未満の温度で空気混入される、方法。
実施形態49
実施形態48に記載の方法であって、そのホイップクリームは、20℃未満、例えば15℃未満、例えば10℃未満、例えば5℃未満の温度で空気混入された、方法。
実施形態50
実施形態48〜49のいずれか一形態に記載の方法であって、そのホイップクリームは、1℃を超える、例えば2℃を超える温度で空気混入された、方法。
実施形態51
実施形態48〜50のいずれか一形態に記載の方法であって、上記泡立て用クリームは、0.005%(w/w)〜0.2%(w/w)の間の高アシル型ジェランを含む、方法。
実施形態52
実施形態48〜50のいずれか一形態に記載の方法であって、上記泡立て用クリームは、0.0125%(w/w)〜0.1%(w/w)の間の高アシル型ジェランを含む、方法。
実施形態53
実施形態48〜52のいずれか一形態に記載の方法であって、上記泡立て用クリームは、0.02%(w/w)〜0.05%(w/w)の間の高アシル型ジェランを含む、方法。
実施形態54
実施形態48〜53のいずれか一形態に記載の方法であって、その高アシル型ジェランは、脱イオン水に溶かした1%(w/w)ジェランナトリウム塩溶液を0.7c/分で冷却した場合にDSCによって求められるゲル化エンタルピーの50%超が40℃を超える温度の所にあるゲル化プロフィールを有する、方法。
実施形態55
実施形態48〜54のいずれか一形態に記載の方法であって、その高アシル型ジェランは、脱イオン水に溶かした1%(w/w)ジェランナトリウム塩溶液を0.7c/分で冷却した場合にDSCによって求められるゲル化エンタルピーの90%超が40℃を超える温度の所にあるゲル化プロフィールを有する、方法。
実施形態56
実施形態48〜55のいずれか一形態に記載の方法であって、上記泡立て用クリームは、10%(w/w)〜45%(w/w)の間の脂肪を含む、方法。
実施形態57
実施形態48〜56のいずれか一形態に記載の方法であって、上記泡立て用クリームは、15%(w/w)〜40%(w/w)の間の脂肪を含む、方法。
実施形態58
実施形態48〜57のいずれか一形態に記載の方法であって、上記泡立て用クリームは、20%(w/w)〜35%(w/w)の間の脂肪を含む、方法。
実施形態59
実施形態48〜58のいずれか一形態に記載の方法であって、上記脂肪の一部または全部は植物性脂肪である、方法。
実施形態60
実施形態48〜59のいずれか一形態に記載の方法であって、その泡立て用クリーム中の脂肪の総量のうちの少なくとも80%が植物性脂肪であり、好ましくはその泡立て用クリーム中の脂肪の総量のうちの少なくとも90%が植物性脂肪であり、またより好ましくはその脂肪の全部が植物性脂肪である、方法。
実施形態61
実施形態48〜60のいずれか一形態に記載の方法であって、上記泡立て用クリームは、ココナッツ油、パーム核油、パーム油、ピーナッツ油、ダイズ油、ナタネ油、ヒマワリ油、綿実油、およびオリーブ油からなる群のうちの1種類または複数種類から誘導される、好ましくはココナッツ油、パーム核油、およびパーム油からなる群のうちの1種類または複数種類から誘導される、より好ましくはココナッツ油およびパーム核油からなる群のうちの1種類または複数種類から誘導される、より好ましくはパーム核油から誘導される植物性脂肪を含む、方法。
実施形態62
実施形態48〜61のいずれか一形態に記載の方法であって、上記泡立て用クリームは、タンパク質、乳化剤、安定剤、緩衝塩、塩、甘味料、および香味料のうちの1種類または複数種類をさらに含む、方法。
実施形態63
実施形態48〜62のいずれか一形態に記載の方法であって、上記泡立て用クリームは、脂肪酸のポリグリセロールエステル(PGE)、ポリソルベート、モノグリセリド、モノ/ジグリセリド、乳酸エステル、モノおよびジグリセリドの乳酸エステル(lactem)、脂肪酸のモノおよびジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル(datem)、脂肪酸のモノおよびジグリセリドのクエン酸エステル(citrem)、レシチン製品、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される1種類または複数種類の乳化剤をさらに含む、方法。
実施形態64
実施形態63に記載の方法であって、その乳化剤は、モノグリセリドまたは脂肪酸のモノおよびジグリセリドの乳酸エステルからなる群から選択される、方法。
実施形態65
実施形態64に記載の方法であって、その乳化剤は、モノグリセリドまたは脂肪酸のモノおよびジグリセリドの乳酸エステルと、少なくとも1種類のアニオン系乳化剤とからなる群から選択される、方法。
実施形態66
実施形態65に記載の方法であって、そのアニオン系乳化剤は、乳酸エステル、脂肪酸のモノおよびジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル(datem)、脂肪酸のモノおよびジグリセリドのクエン酸エステル(citrem)、およびレシチン製品からなる群から選択される、方法。
実施形態67
実施形態48〜66のいずれか一形態に記載の方法であって、上記泡立て用クリームは、pH3〜pH7.5の間のpHを有する、方法。
実施形態68
実施形態48〜67のいずれか一形態に記載の方法であって、上記泡立て用クリームは、pH5〜pH7の間のpHに緩衝される、方法。
実施形態69
実施形態48〜68のいずれか一形態に記載の方法であって、上記泡立て用クリームは、pH6〜pH7の間のpHに緩衝される、方法。
実施形態70
実施形態48〜69のいずれか一形態に記載の方法によって得られるホイップ製品。
実施形態71
高アシル型ジェランの使用であって、空気混入された泡立て用クリームの保形性を向上を実現するために、かつ/または空気混入された泡立て用クリームの貯蔵安定性を向上するために、かつ/または低脂肪泡立て用クリームの空気混入を向上するために、かつ/または酸性pHでの泡立て用クリーム中のまたはホイップクリーム中のタンパク質の凝集を減少するために、かつ/または泡立て用クリームのより迅速な泡立てを実現するためであり、その空気混入された泡立て用クリーム、またはそのホイップクリームは25℃未満の温度で空気混入されている、使用。
実施形態72
高アシル型ジェランの使用であって、本明細書において上記で述べたようなホイップクリームの脂肪安定化のための、使用。
実施形態73
本明細書において上記で述べたようなホイップクリームの脂肪安定化を向上させる方法。
方法
泡立て用クリームの調製方法
1.ミキサーのタンク中で水を70℃まで加熱する
2.その水にカゼイン酸Na、スクロース、およびソルビトールを加える
3.脂肪を70℃で融解する
4.その融解した油にGRINDSTED(登録商標)WP 950(または代替の乳化剤、親水性コロイド、および塩の組成物)を加える
5.その水相に混合油を加える
6.Siverson上で予混合する(3700rpmで1分間)
7.バケット中で約30分間脱気する
UHT処理:
8.90℃まで予熱する
9.142℃で3秒間の間接加熱
10.150/30バール、75℃での後処理(downstream)均質化
11.8℃まで冷却する(充填温度を登録する)
12.充填し、冷えた状態(5℃)で貯蔵する
実施例1
下記の工程により3種類の泡立て用クリーム、すなわち試料5、6、および7を作製した。
1.ミキサーのタンク中で水を70℃まで加熱する
2.その水にカゼイン酸Na、スクロース、およびソルビトールを加える
3.脂肪を70℃で融解する
4.その融解した油にGRINDSTED(登録商標)WP 950(または代替の乳化剤、親水性コロイド、および塩の組成物)を加える
5.その水相に混合油を加える
6.Siverson上で予混合する(3700rpmで1分間)
7.バケット中で約30分間脱気する
UHT処理:
8.90℃まで予熱する
9.142℃で3秒間の間接加熱
10.150/30バール、75℃での後処理(downstream)均質化
11.8℃まで冷却する(充填温度を登録する)
12.充填し、冷えた状態(5℃)で貯蔵する
試料5、6、および7の配合を表1に示す。試料5は、CPKelcoから得た0.05%HAジェラン(Kelcogel HMB−P)を含有し、試料6は、CPKelcoから得た0.05%LAジェラン(Kelcogel F)を含有し、また試料7は、ジェランの添加なしの比較対照であった。脂肪のAkotop P70は、AarhusKarlshamnからのものである。ソルビトールのCPharm Sorbidex Pは、Cargillからのものである。クリーム香味料のM−Cream 050001 T05358は、Firmenichからのものである。GRINDSTED(登録商標)PS 421 KOSHER Mono−diglyceride/Polysorbate Blend、GRINDSTED(登録商標)LACTEM P 22 KOSHER、PANODAN(登録商標)165 KOSHER DATEM、およびGRINDSTED(登録商標)WP 920 Stabiliser Systemは、DuPontからのものである。他の配合成分は、多くの供給業者から入手できる。
評価の前に試料に27℃で7日間熱衝撃を与えて、瓶中で増粘効果を誘発させた。
作製したクリームのレオロジーを、Anton Paarから得たPhysica MCR 301上で歪み掃引を行うことによって測定した。下記の測定プログラムを使用した。
幾何形状:Cup/bob system CC27−SN8626、d=0mm
温度:5℃
歪み:0.1〜100%(周波数1Hz)
結果を図1に示す。親水性コロイドなしの比較対照試料7は、試料5および6と比べて著しく低い貯蔵および損失弾性率を有し、しかも貯蔵および損失弾性率が同じ大きさである。試料5および6は、貯蔵および損失弾性率に関してはほとんど同じであり、両試料は、損失弾性率よりもずっと高い貯蔵弾性率を有することが特徴である。3試料すべてが注入可能であり、問題のある増粘を示さなかった。
植物性クリーム試料5、6、および7の泡立ては、ホバート(Hobart)ミキサー上で速度3で行った。クリーム、ボウル、および泡立て器を、泡立てに先立って5℃に冷却した。400gのクリームをボウル上でトルクを測定しながら泡立てた。これは、泡立ての間のクリームのファーミング、すなわち「泡立ちプロフィール」を追跡することを可能にした。10秒間の泡立ての間で更なるトルクの増加がなくなったとき泡立てを停止した。このようにして、一般に泡の崩壊(より低いオーバーラン)を引き起こすことになる過剰な泡立ちなしにクリームを最高の保形性まで泡立てた。試料5、6、および7の泡立ちプロフィールを図2に示す。そこにはまた泡立て時間および最大トルク(最高の保形性)も示す。親水性コロイドなしの試料7はその他の試料よりも泡立ちが遅く、かつ最大トルクが小さいことが分かる。しかしながらHAジェランを含む試料5は、クリームのレオロジーがほぼ同じであるにもかかわらずLAジェランを含む試料6よりもずっと迅速に泡立つこともまた分かる。試料5の最大トルクはまた、試料6よりも大きい。
ホイップクリーム試料を取り出し、オーバーランを求めた。一般にホイップクリーム試料は泡立て後の第一期の間により硬くなるので、ホイップクリームの保形性は30分(泡立て後の一般的な使用時間として)後に測定された。ホイップクリームの保形性は、Stable Micro Systemsから得たTexture Analyzer TAXTplus上で5℃において測定した。ホイップクリームに1インチのプランジャーを1mm/秒の速度で10mm圧入し、最大力を検出した。表2に試料5、6、7のオーバーランおよびTexture Analyzerの最大力を示す。これら試料のオーバーランは似ているが、HAジェランを含む試料5は、ホイップクリームのずっと高い最大力、すなわち保形性を示すことが分かる。
したがってHAジェランは、クリームに特殊な特性、すなわちより迅速な泡立てと、クリームのオーバーランまたは安定性を犠牲にすることなく瓶中でのホイップクリームのより硬いテクスチャーとを与える。
共焦点レーザー顕微鏡法(CLSM)を使用した植物性ホイップクリームのミクロ構造の調査はまた、HAジェラン(試料5)が、Laジェラン(試料6)および親水性コロイドなしの比較対照(試料7)とは異なるホイップクリームのミクロ構造を作り出すことを実証した。CLSMの写真を図3に示す。試料6および7は、どちらかといえばよく似た大きな気泡を有し、一方、試料5はより小さな気泡を有することが分かる。再現性があるように思われる別の違いは、脂肪のミクロ構造の違いである(写真中で脂肪は小さい方の黒い領域として示される)。試料5は、より細かい脂肪構造を有し、かつ気泡の周囲に分布しているだけでなく、より高度に水相全体にわたってより細かい脂肪構造を有することが分かる。逆に試料6および7は、おもに気泡を取り囲んでおり、かつより低度にまたより粗く水相中に分布しているより粗い脂肪構造の脂肪ミクロ構造を示す。したがってHAジェランは、独特のホイップクリームの脂肪ミクロ構造を生じさせる。
実施例2
実施例1の場合と同じ工程を使用して2種類の植物性ホイップクリーム試料81および84を作製した。配合表を表3に示す。試料81は、ジェランなしの比較対照のクリームであり、試料84は、0.05%HAジェラン(Kelcogel HMB−P)を含有する。
これら試料を5℃で最低3日間貯蔵した後に泡立て、酸性のフルーツシロップの添加に対するそれらの寛容性を下記の手順を使用して評価した。すなわち
200gのYoghurt−Erdbeer Sahne Fond(Vortella Lebensmittelwerk,Pr.Oldendorf,Germany)を400mLの冷水中に混入し水和させた。5℃の400gのクリームをホバートミキサー中で速度3で最高保形性(泡からの跳ね返り音および泡の外観に基づく実際の経験)まで泡立てた。水和したFondをボウルに加え、その泡をホバート中で速度2で20秒間混合した。得られたホイップクリームを皿に移し、そのクリームの表面を引っ掻いて除き(scrabed off)、粒状性の程度を評価した。泡の写真を撮り、図4に示した。HAジェランを加えた試料84が、ジェランなしの比較対照81よりもずっと滑らかで
あることがはっきり分かる。
実施例3
カゼイン酸ナトリウムの量を減らして泡立て用クリーム試料を作製し、その植物性クリーム中の高い脂肪の凝塊形成および脂肪の合体を得た。このようにして両方の泡立ち特性(より迅速な泡立て時間および高い泡の保形性)を高めたが、脂肪の凝塊形成に起因する瓶中でのクリームの増粘のリスク性もまた増大させた。カゼイン酸ナトリウムの量を減らした同様の一連の泡立て用クリーム試料にHAジェランを0.035%加えた。使用したHAジェラン製品は、78%のHAジェランおよび22%のデキストロースからなるGellan NM205であった。Gellan NM205は、DuPontによって生産されている。配合表を表4(試料1〜6)に示す。GRINDSTED(登録商標)WP 950 Emulsifier & Stabiliser Systemは、DuPontによって生産されている。香味料のS−Vanilla 507441 TおよびD−Cream 050001 U30377は、Firmenichによって生産されている。
植物性クリームの加工については実施例1に記載されている。試料の評価に先立って試料を熱衝撃処理(熱衝撃処理:毎日5℃で約16時間および20℃で8時間の温度サイクルで5日間)した。
熱衝撃を与えた最も低いタンパク質含量を有する試料3および6は、視覚的に瓶中において劇的に増粘し、注ぐことができなかった。その他の試料は視覚的に増粘せず、容易に注げた。
作製した植物性泡立て用クリームの脂肪球サイズをMalvern Master Sizer S Long Bed上で分析した。測定は、水中または1%SDSを加えた状態で行った。水を使用したサイズ分析は、個々の小球の球サイズだけでなく、凝塊形成した脂肪についての情報も与えることになる。SDSを加えることにより凝塊形成した脂肪が分解され、理想的には個々の脂肪球の脂肪球サイズについての情報を与えることになり、脂肪の合体の程度の評価もまた可能になる。結果を表5に示す。脂肪球サイズは、HAジェランの添加に関係なく0.7%および0.5%のカゼイン酸Naにおいて水中および0.1%SDS中の両方で1ミクロンに近いことが分かる。0.3%のカゼイン酸Naの添加ではHAジェランの添加に関係なく脂肪球サイズは、水中および0.1%SDS中の両方で増大し、これは高い脂肪の凝塊形成および高い脂肪の合体の両方を示しており、これはまた瓶中でのこれら試料の増粘を説明する。
注ぐことが可能な試料1、2、4、および5について泡立ちプロフィール(実施例1で測定された)を図5に示す。カゼイン酸Na含量の減少およびHAジェランの添加の両方が、泡立て速度および最大トルクを増加させることが分かる。しかしながら、HAジェランなしで0.5%のカゼイン酸Naを含む植物性泡立て用クリームの場合と比べて、HAジェランの添加は0.7%のカゼイン酸Na添加においてより高い泡立て速度(より短い泡立て時間)およびより高い最大トルクを与える(試料2に対して試料4)。
したがって実施例3は、植物性クリームを増粘に対して安定化させることによる(この場合は高いカゼイン酸Na用量による、しかしまたイオン性乳化剤の添加による場合もある)泡立ち特性に与える悪影響が、クリームの安定性を犠牲にすることなくHAジェランの添加によって相殺することができることを例示する。
実施例4
ある用量範囲で試験することによってHAジェラン用量の影響を調べ、泡立て用クリームの粘度、レオロジー、脂肪球サイズ、泡立て速度、および最大トルクに与える影響を評価した。配合表を表6に示す。実施例1の場合と同じ加工条件を使用した。分析に先立って試料を熱衝撃処理(熱衝撃処理:毎日5℃で約16時間および20℃で8時間の温度サイクルで5日間)した。
水および0.1%SDS中での脂肪小滴のサイズを表7に示す。ブルックフィールド粘度(10℃、スピンドルS62/63、30rpm、30秒)を表8に示す。試料2、5、および7の歪み掃引を図6に示す。オーバーランの測定値を含めた試料の泡立ちプロフィールを図7に示す。ホイップクリームのミクロ構造(CLSM)を図8に示す。脂肪球サイズのデータは、脂肪球サイズがHAジェランの添加によって影響されないことを裏付ける。ブルックフィールドのデータは、粘度は徐々に増加するが、0.035%のHAジェラン用量でも同様に問題がなく、容易に注げることを示す。歪み掃引のデータは、HAジェランの用量を増すと貯蔵弾性率および粘性係数を徐々に増大させ、貯蔵弾性率の増大が優勢(より弾性構造)なことを示す。すべての試料が容易に注げた。泡立ちプロフィールのデータによれば、HAジェランの用量を増すことは泡立て速度に対して漸進的な効果を示すが、特に0.035%のHAジェラン用量では泡立て速度および最大トルクの両方に対して顕著な効果を示す。オーバーランは、すべての試料で予想以上に似ていたが、0.035%のHAジェラン用量ではオーバーランは幾分高かった。ミクロ構造のデータは、特に気泡の周囲の大きい凝塊形成した脂肪構造から、気泡の周囲だけでなく液相内のより小さく/微細な鎖状(stranded)脂肪球の凝集塊までHAジェラン用量の関数としてミクロ構造の漸進的変化を示している。これは、特に0.035%のHAジェラン用量で見られる。しかしながら前述の効果を得るのに必要なHAジェランの最少用量は、標準化、例えば糖に関する標準化の程度に左右される。また、様々なHAジェラン製品は、例えば分子量、グリセリン酸基および酢酸基の含量などに応じて効率が異なる。また、その特定の植物性泡立て用クリームの配合が、必要なHAジェラン用量に影響を与えるはずである。
実施例5
様々な脂肪レベルで植物性泡立て用クリームの泡立ち特性に与えるHAの影響を調べた。
植物性泡立て用クリームの泡立ち特性に与えるHAジェランのプラス効果は、その泡立ち特性が穏当な場合、例えば高タンパク質含量を有することによって、かつイオン性乳化剤を加えることによってクリームの安定性(瓶中での増粘がない)を確保する場合、および実施例1の場合のように低用量の乳化剤を使用する場合に特に見られる。穏当な/低い泡立ち特性はまた、例えばコストまたは健康上の理由で脂肪含量を下げる場合、あるいは他の構成成分、例えばシロップまたはフルーツシロップでクリームを希釈する場合に観察される。
実施例5では、HAジェランが、より低いまたは低い脂肪含量の泡立て用クリームの泡立ち特性をどのようにして向上させることができるのかを例示し、またこの実施例では、極度に高度な泡立ち特性を有するクリームが、なぜHAジェランの添加から必ずしも利益を得ないのか例示する。
HAジェランの様々な脂肪レベルの植物性泡立て用クリームの泡立ち特性に与える影響を、HAジェランを含むおよび含まない脂肪レベル28%、23%、および18%の植物性泡立て用クリームを作製することによって調べた。配合表を表9に示す。実施例1の場合と同じ加工条件を使用した。使用したHAジェラン製品「Gellan Gum DAI 90」は、DuPontによって生産されている100%HAジェラン製品である。糖の用量(スクロースおよびデキストロース)およびGRINDSTED(登録商標)WP 950 Emulsifier & Stabiliser Systemの用量は、実施例3および4の場合よりも高いことが分かる。これは、28%脂肪の配合(試料1)の場合、きわめて効果的な泡立ち特性(高い過剰泡立ちのリスクを含めた)を狙っている。
泡立ちプロフィールを図9に示す。試料1および2(HAジェランを含む)の泡立ちプロフィール曲線は非常に「急勾配」であり、かつ多少の過剰な泡立ちを表すトルクの減少で終わることが観察される。HAジェランは、ホバート上での泡立て速度および最大トルクをわずかに増加させた。より低い脂肪レベル23%および18%では、泡立て速度および最大トルクに与えるHAジェランの影響がますます顕著になる。その上、これらのより低い脂肪レベルでは過剰な泡立ちは観察されない(泡立ての間の最後のトルクの減少がない)。
ホイップクリームの30分後のテクスチャー分析およびオーバーランを表10に示す。これらのデータは、ホバートの泡立ちプロフィールからの観察結果を裏付ける。脂肪分の多い試料1および2は、最低のオーバーランおよび高い泡保形性を有し、これは多少の過剰泡立ちを裏付ける。試料1と2の泡保形性(Texture Analyzerの最大力)の違いは、オーバーランの差によって説明することができる。しかしながら表10は、より低い脂肪レベルになると泡保形性に与えるHAジェラン添加の影響がますます大きくなる(オーバーランに著しい影響を与えることなしに)ことを示し、18%脂肪配合の場合、20%の保形性増加に達する。
したがってHAジェランは、優れた泡立て用クリームおよびホイップクリームの特性を有する、より低脂肪の植物性泡立て用クリームの創出に有利である。
前述の実施形態の様々な修正形態および変形形態が、これらの実施形態の範囲および精神から逸脱することなく当業熟練者には明らかなはずである。特許請求される主題は、このような特定の実施形態に過度に限定されるべきでないことを理解されたい。実際に、当業熟練者に明らかなこれら実施形態を実施するための前述の方法の様々な修正形態は、別添の特許請求の範囲の範囲内にあることを意図している。
本明細書中で考察されるすべての参考文献は、すべての目的に対して参照により本明細書中で援用される。
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Claims (13)

  1. 高アシル型ジェランを含むホイップクリームであって、
    前記ホイップクリームが、0.0125%(w/w)〜0.1%(w/w)の間の高アシル型ジェラン、および、15%(w/w)〜35%(w/w)の間の脂肪を含み、前記ホイップクリーム中の脂肪の総量のうちの少なくとも80%が植物性脂肪であり、前記植物性脂肪は、泡立てられたクリームにおいて空気混入および泡の安定性を助長させるように泡立て温度において十分な結晶化度を有しており、前記ホイップクリームは、さらに、モノグリセリド、モノ/ジグリセリド、および、脂肪酸のモノおよびジグリセリドの乳酸エステル(lactem)からなる群から選択される1種類または複数種類の乳化剤、並びに、少なくとも1種類のアニオン系乳化剤を含む、ホイップクリーム
  2. 前記ホイップクリーム中の脂肪の総量のうちの少なくとも90%が植物性脂肪であり、または任意に、前記脂肪の全部が植物性脂肪である、請求項に記載のホイップクリーム。
  3. 前記ホイップクリームが、a)ココナッツ油、パーム核油、パーム油、ピーナッツ油、ダイズ油、ナタネ油、ヒマワリ油、綿実油、およびオリーブ油からなる群のうちの1種類または複数種類、または、b)ココナッツ油、パーム核油、およびパーム油からなる群のうちの1種類または複数種類、または、c)ココナッツ油およびパーム核油からなる群のうちの1種類または複数種類、または、d)パーム核油から誘導される植物性脂肪を含む、請求項1または2に記載のホイップクリーム。
  4. 15%(w/w)〜30%(w/w)の間の脂肪を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のホイップクリーム。
  5. タンパク質、安定剤、緩衝塩、塩、甘味料、および香味料のうちの1種類または複数種類をさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載のホイップクリーム。
  6. 前記アニオン系乳化剤が、乳酸エステル、脂肪酸のモノおよびジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル(datem)、脂肪酸のモノおよびジグリセリドのクエン酸エステル(citrem)、およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のホイップクリーム。
  7. 0.02%(w/w)〜0.05%(w/w)の間の高アシル型ジェランを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のホイップクリーム。
  8. 約0.035%(w/w)の高アシル型ジェランを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のホイップクリーム。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のホイップクリームに空気混入する方法であって、前記ホイップクリームが、25℃未満の温度で空気混入される、方法。
  10. 前記ホイップクリームが、a)20℃未満、または、b)15℃未満、または、c)10℃未満、または、d)5℃未満の温度で空気混入されている、請求項に記載の方法
  11. 前記ホイップクリームが、1℃を超える、または、2℃を超える温度で空気混入されている、請求項9または10に記載の方法
  12. 前記空気混入されたホイップクリームが、200%を超えるオーバーランを有する、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 空気混入されたホイップクリームに保形性の向上を提供するための、請求項1〜8のいずれか一項に記載のホイップクリームの使用。
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