JP6461793B2 - ムコール属由来のフラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼの生産方法 - Google Patents

ムコール属由来のフラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼの生産方法 Download PDF

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Description

本発明は、特定の微生物を宿主として利用した、糖鎖結合量が均一なムコール属由来のフラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼ(以下、FAD−GDHとも記載する)の効率的な生産方法に関し、特に、血糖自己測定用のバイオセンサに使用するのに好適なFAD−GDHの生産方法に関する。
血糖自己測定は、糖尿病患者が通常の自分の血糖値を把握して治療に生かすために重要である。血糖自己測定に用いられるバイオセンサは、一般的に、絶縁体基板上に、測定電極、対電極及び検知電極からなる電極層を形成し、これらの電極基板上に、グルコースを基質とする酵素と電子受容体を含む試薬層を形成してなる。このバイオセンサの血糖値の測定は、バイオセンサに血液を添加して、試薬層中のグルコースを基質とする酵素を血液中のグルコースと反応させて、電子を生成させ、この電子による電子受容体の還元及び酸化から生じる電流値に基づいて血液中のグルコース濃度(血糖値)を求めることによって行われる。
このバイオセンサで使用されるグルコースを基質とする酵素の例としては、グルコースオキシダーゼ(EC 1.1.3.4)が挙げられる。グルコースオキシダーゼは、グルコースに対する特異性が高く、熱安定性に優れているという利点を有していることから、血糖自己測定用のバイオセンサにおいて古くから利用されている。グルコースオキシダーゼを利用した血糖自己測定用のバイオセンサにおいては、グルコースを酸化してD−グルコノ−δ−ラクトンに変換する過程で生じる電子がメディエーターを介して電極に渡されることで血液中のグルコース濃度の測定がなされるが、グルコースオキシダーゼは反応で生じたプロトンを酸素に渡しやすいため、溶存酸素が測定値に影響してしまうという問題があった。
このような問題を回避するために、例えばNAD(P)依存型グルコースデヒドロゲナーゼ(EC1.1.1.47)あるいはピロロキノリンキノン依存型グルコースデヒドロゲナーゼ(EC1.1.5.2(旧EC1.1.99.17))といったグルコースデヒドロゲナーゼの使用が提案されている。これらの酵素は溶存酸素の影響を受けない点で優位であるが、前者のNAD(P)依存型グルコースデヒドロゲナーゼは、安定性が乏しいという欠点や補酵素の添加が必要で測定が煩雑になるという欠点がある。一方、後者のピロロキノリンキノン依存型グルコースデヒドロゲナーゼは、基質特異性に乏しく、マルトースやラクトースといったグルコース以外の糖類にも作用するため、測定値の正確性を損ねてしまうという欠点がある。
これらの欠点を有さないグルコースデヒドロゲナーゼとして、特許文献1には、アスペルギルス属由来のフラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼ(FAD−GDH)の使用が提案されている。この酵素は、基質特異性に優れかつ溶存酸素の影響を受けない点で上述のグルコースデヒドロゲナーゼより優位である。また、この酵素は、50℃、15分処理で89%程度の活性残存率を示し、熱安定性についても優れている。特許文献2には、アスペルギルス・オリゼ由来のFAD−GDHをコードするDNA配列が開示されており、特許文献3には、アスペルギルス属由来のFAD−GDHのアミノ酸配列に改変を加えて熱安定性を向上させたFAD−GDHが開示されている。この特許文献3のFAD−GDHは、アスペルギルス属にセルフクローニングして糖鎖結合型にすることによって、熱安定性をさらに高めることができることが本発明者らによって判明している。しかし、これらの酵素は、キシロースに対する作用性が比較的高いため、キシロース負荷試験を受けている者の血糖を測定する場合には改善の余地がある。
近年、ムコール属に由来するFAD−GDHにおいて、キシロースに対する作用性が比較的低いものが相次いで開発されている(特許文献4、特許文献5、特許文献6参照)。特許文献7によると、特許文献4に記載のムコール・プライニ由来のFAD−GDHを酵母チゴサッカロマイセス・ロキシーで発現させた場合、約150kDaから250kDaに及ぶ幅広の分子量を示すFAD−GDHが生産されることが示されている。ムコール・プライニ由来のFAD−GDHのポリペプチド部分の分子量は80kDa程度であることから、糖タンパク質中の糖鎖部分の比率は、46%〜68%であると推測される。また、チゴサッカロマイセス・ロキシーを宿主として、ムコール・プライニ由来のFAD−GDHを組換え発現させた場合の生産量は、培養液1mlあたり、27.6U程度とされている。
同じく、特許文献7によると、特許文献4に記載のムコール・プライニ由来のFAD−GDHを糸状菌アスペルギルス・オリゼで発現させた場合、約80kDaから100kDaに及ぶ幅広の分子量を示すFAD−GDHが生産されることが示されている。ムコール・プライニ由来のFAD−GDHのポリペプチド部分の分子量は80kDa程度であることから、糖タンパク質中の糖鎖部分の比率は、0%〜20%であると推測される。また、アスペルギルス・オリゼを宿主として、ムコール・プライニ由来のFAD−GDHを組換え発現させた場合の生産量は、培養液1mlあたり、14.0U程度とされている。
原核生物を宿主として用いたムコール属由来のFAD−GDHの発現としては、特許文献8にムコール・プライニ由来のFAD−GDHを大腸菌で発現させる試みが報告されており、分泌シグナル配列を除去することによって、生産量が向上することが示されているが、その生産量は培養液1mlあたり、わずか0.068U程度とされている。
上記のように、ムコール属由来のFAD−GDHを高生産するためには、宿主として大腸菌ではなく酵母や糸状菌などの真核生物を用いることが有利であるが、宿主によっては不均一な量の糖鎖が結合したFAD−GDHしか得られない。このような糖鎖結合量が不均一なFAD−GDHを血糖自己測定用のバイオセンサに使用すると、ロットごとにFAD−GDHの性能が変動する可能性があり、結果として測定値にバラツキが生じるおそれがある。
国際公開2004/058958号公報 特開2008−237210号公報 特開2008−178380号公報 特許4648993号 国際公開2011/004654号公報 国際出願2003/065623号公報 国際公開2012/073986 国際公開2012/073987
本発明は、かかる従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は、血糖自己測定用のバイオセンサに好適な、糖鎖結合量が均一であるFAD−GDHの効率的な生産方法を提供することにある。
本発明者らは、かかる目的を達成するために鋭意検討した結果、担子菌酵母の一種であるクリプトコッカス属に分類される微生物を宿主として使用し、この微生物に、特許文献4に記載されているムコール・プライニ由来のFAD−GDH遺伝子、または、特許文献6に記載されているムコール・ヒマリス由来のFAD−GDH遺伝子を導入してこの微生物中でこの遺伝子を発現させると、活性型で糖鎖含量が均一なFAD−GDHが高生産されることを見出した。
また、本発明者らは、この微生物を宿主としてムコール属由来のFAD−GDH遺伝子を発現させる場合、遺伝子のコドンユーセージをこの微生物に合わせて最適化することが、封入体を形成せずに酵素活性を維持したままのFAD−GDHを培養液中に高レベルで分泌生産させるために必要であることを見出した。また、遺伝子配列本体に付加される分泌シグナルペプチド配列を最適化することにより、生産性がさらに飛躍的に向上されることを見出した。
本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものであり、以下の(1)〜(5)から構成されるものである。
(1)ムコール(Mucor)属に由来するフラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼの生産方法であって、クリプトコッカス(Cryptococcus)属の微生物中で、以下の(A)または(B)の塩基配列で表わされるフラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼ遺伝子を発現させる工程を含むことを特徴とする方法:
(A)配列番号1または7で示される塩基配列;
(B)配列番号1または7で示される塩基配列に対して80%以上相同な塩基配列であって、フラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼ酵素活性を持つタンパク質をコードする塩基配列。
(2)クリプトコッカス属の微生物が、クリプトコッカスsp.S−2(Cryptococcus sp.S−2)(受託番号FERM BP−10961)またはその変異体であることを特徴とする(1)に記載の方法。
(3)フラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼ遺伝子が、(1)に記載の(A)または(B)の塩基配列の5′側に以下の(C)〜(G)からなる群より選択されるいずれかのアミノ酸配列をコードする塩基配列を結合させて得られるものであることを特徴とする(1)または(2)に記載の方法:
(C)配列番号2で示されるアミノ酸配列;
(D)配列番号3で示されるアミノ酸配列;
(E)配列番号4で示されるアミノ酸配列;
(F)配列番号5で示されるアミノ酸配列;
(G)配列番号6で示されるアミノ酸配列。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の方法によって生産されるフラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼ酵素タンパク質であって、糖鎖を含んだ状態で95〜100kDaの分子量を有することを特徴とするタンパク質。
(5)グルコースを基質とする酵素として、(4)に記載のフラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼ酵素タンパク質を使用することを特徴とする血糖自己測定用バイオセンサ。
本発明の方法は、ムコール属の微生物由来の糖鎖結合型FAD−GDH遺伝子のコドンユーセージを、この微生物とは全く異なる特定の宿主微生物中での発現のために最適化された状態で発現させるので、糖鎖結合量が均一であるFAD−GDHを宿主細胞外へ効率的に分泌生産することができる。かかるFAD−GDHは、血糖自己測定用のバイオセンサに使用するのに好適である。
図1は、クリプトコッカスsp.S−2用の発現ベクターpCsUX2の模式図である。 図2は、ムコール・ヒマリス由来の各FAD−GDH遺伝子発現コントラクトを導入したクリプトコッカスsp.S−2形質転換体のFAD−GDH生産性を示す。 図3は、ムコール・ヒマリス由来のFAD−GDH遺伝子を導入したクリプトコッカスsp.S−2形質転換体の培養液をSDS−PAGEし、分子量を算出した結果を示す。 図4は、ムコール・プライニ由来の各FAD−GDH遺伝子発現コントラクトを導入したクリプトコッカスsp.S−2形質転換体のFAD−GDH生産性を示す。 図5は、ムコール・プライニ由来のFAD−GDHを導入したクリプトコッカスsp.S−2形質転換体を流加培養したときのFAD−GDH生産性を示す。 図6は、ムコール・プライニ由来FAD−GDHを導入したクリプトコッカスsp.S−2形質転換体を流加培養したときの培養液をSDS−PAGEした結果を示す。
本発明は、ムコール属の微生物由来の糖鎖結合型FAD−GDH遺伝子のコドンユーセージを最適化し、この微生物とは全く異なる特定の微生物中で発現させることにより、本来の宿主微生物中で発現させたFAD−GDHと比べて糖鎖結合量が均一であるFAD−GDHを効率的に得ることを特徴とするものである。
具体的には、本発明の方法では、遺伝子発現の宿主微生物として、担子菌酵母の一種であるクリプトコッカス属の微生物を使用する。好ましくは、クリプトコッカス属の微生物の中でも、クリプトコッカスsp.S−2株という特定の菌株を使用する。この菌株は、独立行政法人酒類総合研究所において単離された酵母であり、αアミラーゼ、酸性キシラナーゼ、クチナーゼなどの酵素を大量に生産することが確認されている。なお、この菌株は、日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)(現在は日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8 120号室(郵便番号292−0818)に移転)の独立行政法人産業技術総合研究所(現在の名称は、製品評価技術基盤機構) 特許生物寄託センターに1995年9月5日にFERM P−15155として国内寄託し、2008年4月25日にFERM BP−10961として国際寄託に移管済である。
さらにクリプトコッカスsp.S−2のウラシル要求性変異体であるU−5株がUV変異によって取得され、さらにU−5株からアデニン要求性変異株であるUA1株が遺伝子変異導入により取得され、さらにUA1株から細胞外多糖の生産性を低減させたUV変異株であるD11株が取得されている。D11株は、日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)(現在は日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8 120号室(郵便番号292−0818)に移転)の独立行政法人産業技術総合研究所(現在の名称は、製品評価技術基盤機構) 特許生物寄託センターに2012年3月23日に受託番号FERM BP−11482として国際寄託されている。
本発明の方法において、クリプトコッカス属の微生物を遺伝子発現の宿主微生物として使用することにより糖鎖結合量が均一であるFAD−GDHが得られる理由は未だ明確ではないが、クリプトコッカス属の微生物に特有の糖鎖合成及び結合システムが存在するためであると考えられる。
本発明の方法では、宿主微生物中で発現させる糖鎖結合型FAD−GDH遺伝子は、(A)配列番号1または7の塩基配列で表わされるものである。これらの塩基配列は、特許文献6に記載のムコール・ヒマリス及び特許文献4に記載のムコール・プライニ由来のFAD−GDH遺伝子の塩基配列そのものではなく、宿主のクリプトコッカス属の微生物中での発現に適するようにそのコドンユーセージが最適化されている。野生型遺伝子の塩基配列をクリプトコッカス属の微生物中にそのまま導入して発現させても、発現産物は封入体を形成してしまい、不活性なFAD−GDHしか得られない。本発明の方法によれば、発現させる遺伝子のコドンユーセージを宿主微生物のコドンユーセージに合わせて最適化することにより、封入体を形成させずに酵素活性を維持したままFAD−GDHを分泌生産させることができる。
配列番号1または7のコドンユーセージは、クリプトコッカスsp.S−2の発現に最適化されたものであり、その塩基配列のコドンの3文字目の塩基がGもしくはCである比率は88.2%である。一方、クリプトコッカスsp.S−2で発現が確認されている、αアミラーゼ、クチナーゼ、キシラナーゼの塩基配列のコドンの3文字目の塩基がGもしくはCである比率はそれぞれ、81.5%、81.3%、80.0%であり、コドンの3文字目の塩基がGもしくはCである比率は非常に高い傾向がある。これらのことから、配列番号1または7はクリプトコッカスsp.S−2中での発現に適するだけでなく、クリプトコッカスsp.S−2と類似のコドンユーセージを有する他のクリプトコッカス属の微生物(Cryptococcus liquefaciens, Cryptococcus flavus, Cryptococcus flavus, Cryptococcus curvatusなど)中での発現にも適すると予測される。なお、宿主微生物のコドンユーセージは、Codon Usage Database(http://www.kazusa.or.jp/codon/)から提供される情報を用いることで予測することが可能である。
また、本発明の方法では、(A)配列番号1または7で示される塩基配列の代わりに、(B)配列番号1または7で示される塩基配列に対して80%以上、好ましくは83%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上相同な塩基配列であって、FAD−GDH酵素活性を持つタンパク質をコードする塩基配列も使用できる。この(B)の塩基配列は、(A)の塩基配列の均等の範囲の塩基配列である。これは、酵素タンパク質をコードする遺伝子の塩基配列の一部に変異が生じたり、またその結果として酵素タンパク質のアミノ酸配列の一部に変異が生じても、機能的には同等の酵素タンパク質であることが多いからである。(B)の塩基配列は、例えばTransformerMutagenesis Kit;Clonetech製、EXOIII/Mung Bean Deletion Kit;Stratagene製、QuickChange Site Directed Mutagenesis Kit;Stratagene製、KOD−Plus−Mutagenesis Kit;東洋紡製などの市販のキットやPCR法を利用して配列番号1に記載の塩基配列を改変することによって得ることができる。得られた遺伝子によってコードされるタンパク質の活性は、後述の実施例に記載の方法によって確認することができる。
配列番号7に示される塩基配列と、配列番号1に示される塩基配列の相同性は83%であり、後述の実施例で示すように、どちらの塩基配列もクリプトコッカスsp.S−2で効率的に発現させることが可能である。また、配列番号1がコードするポリペプチド配列と、配列番号8がコードするポリペプチド配列(分泌シグナル配列が除去された成熟型のFAD−GDHタンパク質の配列)の相同性は78%である。これらのことから、配列番号1または7の均等範囲は、80%以上の相同性とするのが適切であり、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上の相同性とするのが適切である。
本発明の方法では、(A)または(B)の塩基配列で表されるFAD−GDH遺伝子は、単独で宿主微生物中で発現させてもよいが、タンパク質の発現効率及び発現成功率を高めるためには、タンパク質のN末満に分泌シグナルペプチドを結合させた状態で発現させることが好ましい。一般的に、分泌タンパク質のN末端には、分泌シグナルペプチドが存在しており、この既存の分泌シグナルペプチドを高効率な分泌シグナルペプチドと置換することで、これら分泌タンパク質の発現効率及び発現成功率を上げることができることが報告されているからである。
本発明の方法で使用できる分泌シグナルペプチドとして、配列番号2〜6のいずれかで示されるアミノ酸配列(C)〜(G)を挙げることができる。これらのアミノ酸配列のうち、配列番号2で示される(C)のアミノ酸配列は、ムコール・ヒマリスが生産するFAD−GDHに由来する分泌シグナルペプチド配列である。配列番号3〜4で示される(D)〜(E)のアミノ酸配列は、いずれもクリプトコッカスsp.S−2が生産する酸性キシラナーゼに由来する分泌シグナルペプチド配列であり、配列番号3で示される(D)のアミノ酸配列は分泌シグナルペプチド配列を開始コドンから23番目のアミノ酸までとした配列(Xs2)であり、配列番号4で示される(E)のアミノ酸配列は分泌シグナルペプチド配列を開始コドンから17アミノ酸までとした配列(Xs3)である。配列番号5で示される(F)のアミノ酸配列は、クリプトコッカスsp.S−2が生産するα―アミラーゼに由来する分泌シグナルペプチド配列(As)である。配列番号6で示される(G)のアミノ酸配列は、クリプトコッカスsp.S−2が生産するクチナーゼに由来する分泌シグナルペプチド配列(Cs)である。
以下の実施例で示すように、これらの分泌シグナルペプチド配列はいずれも、極めて高効率であり、これらを用いることにより、クリプトコッカス属の微生物の細胞外へのFAD−GDHの生産効率を飛躍的に増大させることができる。
これらの分泌シグナルペプチドをタンパク質のN末端に結合された状態で発現させるためには、上述の(A)または(B)の塩基配列の5′側にこれらの分泌シグナルペプチドのアミノ酸配列((C)〜(G)のアミノ酸配列)のいずれかをコードする塩基配列を結合させて得られる融合DNAを宿主微生物中で発現させればよい。
本発明の方法において宿主として使用することができる微生物であるクリプトコッカスsp.S−2は、各種難分解性酵素を分泌生産することが確認されており、生でんぷん分解性のα―アミラーゼや酸性キシラナーゼ、生分解性プラスチックを分解するクチナーゼなどの酵素を分泌生産する。しかしながら、これらの分泌タンパク質の有する分泌シグナルペプチドは、従来から分泌タンパク質に見出されており、最も高効率な分泌シグナルペプチドかどうかは不明であった。また、分泌シグナルペプチドの配列を予測するコンピュータプログラムが提供されており、これらのコンピュータプログラムを用いることで、アミノ酸配列情報から分泌タンパク質に含まれる分泌シグナルペプチドの配列の存在を予測することが可能であるが、これらのコンピュータプログラムにより各分泌シグナルペプチドの能力を推測することは現在のところ困難である。すなわち、予測された分泌シグナルペプチドが、実際に、分泌タンパク質等のタンパク質の発現に利用可能であるか否か、さらにこれらタンパク質の大量生産に利用できる、より高効率なものであるか否かは予測することができない。さらに、予測される分泌シグナルペプチドの種類によっては、切断部位が数箇所に及ぶ場合もあり、分泌シグナル配列の最適な長さに関しても、予測することは困難である。本発明の方法で使用する上述の分泌シグナルペプチドは、単にコンピュータプログラムによって予測されたものではなく、本発明者らの繰り返しの実験によってその有効性を認められたものである。
次に、本発明の方法の具体的な工程について説明する。本発明の方法は、クリプトコッカス属の微生物中で、(A)または(B)の塩基配列で表わされるFAD−GDH遺伝子を発現させる工程を含む。この工程は、具体的には、常法に従ってFAD−GDH遺伝子を適当な発現ベクターに挿入して組換えベクターを作成し、次にこの組換え発現ベクターをクリプトコッカス属の微生物に導入して形質転換体を作成し、この形質転換体を適当な条件下で培養することによって行うことができる。
本発明の方法で使用する発現ベクターとしては、特に限定するものではないが、従来公知のベクター、例えば大腸菌のベクターが挙げられる。大腸菌のベクターとしては、具体的にはpBR322、pUC19、pGEM−T、pCR−Blunt、pTA2、pETなどが挙げられる。好ましくは、ベクターDNAは、栄養要求性マーカー、薬剤耐性マーカー、発現プロモーターDNA配列、発現ターミネーターDNA配列を含み、より好ましくは、クリプトコッカスsp.S−2由来のorotate phosphoribosyl transferase遺伝子、キシラナーゼプロモーター、キシラナーゼターミネーターを含む。
発現ベクターと宿主微生物の組み合わせとしては、特に限定するものではないが、例えば遺伝子を組み込む宿主由来の栄養要求性マーカー遺伝子または薬剤耐性マーカー遺伝子と、遺伝子を組み込む宿主由来の発現プロモーターDNA配列と、遺伝子を組み込む宿主由来のターミネーターDNA配列とを含む発現ベクターと、栄養要求性変異宿主または薬剤感受性宿主との組み合わせが挙げられる。最も好ましくは、クリプトコッカスsp.S−2由来のorotate phosphoribosyl transferase遺伝子と、キシラナーゼプロモーターDNA配列と、キシラナーゼターミネーターDNA配列とを含む発現ベクターと、クリプトコッカスsp.S−2との組み合わせが挙げられる。
宿主微生物の細胞に組換え発現ベクターを導入する方法としては、特に限定するものではないが、エレクトロポレーションなどの方法が挙げられる。
形質転換体の培養形態は、宿主の栄養生理的性質を考慮して適宜選択すればよく、通常多くの場合は液体培養で行うが、工業的には通気攪拌培養を行うのが有利である。なお、培養に先立って、高FAD−GDH生産細胞株を予め選抜しておくことが有利である。
培養に用いる窒素源は、特定のアミノ酸成分に欠失があるなど特殊なN源を除いて、宿主微生物が利用可能な窒素化合物であればどんなものでも良い。これらは主として有機窒素源であり、例えばペプトン、肉エキス、酵母エキス、カゼイン加水分解物、大豆粕アルカリ分解物などが使用される。特に、酵母エキスや大豆蛋白質が好ましいが、これに限定されるものではなく、カゼインポリペプトン、発酵麹エキス、麦芽抽出物などを用いることによっても、形質転換体を培養することができる。
その他の栄養源としては、微生物の培養に通常用いられるものが広く使用される。炭素源としては、資化可能な炭素化合物であればよく、例えば、グルコース、シュークロース、ラクトース、マルトース、キシロース、糖蜜、ピルビン酸などが使用される。その他、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、マグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄、マンガン、亜鉛などの塩類、特定のアミノ酸、特定のビタミンなどが必要に応じて使用される。
培養温度は、菌が発育してFAD−GDH酵素タンパク質を生産する範囲で適宜変更しうるが、クリプトコッカスsp.S−2の場合、通常は20〜25℃程度である。培養時間は、条件によって多少異なるが、FAD−GDH酵素タンパク質が最高収量に達する時期を見計らって適当な時期に培養を終了すればよく、通常は60〜120時間程度である。培地pHは、菌が発育しFAD−GDH酵素タンパク質を生産する範囲で適宜変更しうるが、通常はpH3.0〜9.0程度である。
本発明のFAD−GDH酵素タンパク質は、上記形質転換体を培養して得られる菌体を含む培養液をそのまま採取し利用することもできるが、一般には、常法に従って、予め、濾過、遠心分離などにより、FAD−GDH酵素タンパク質含有溶液と菌体とを分離した後に利用することもできる。
あるいは、このようにして得られたFAD−GDH酵素タンパク質含有溶液からFAD−GDH酵素タンパク質を精製して利用してもよい。精製方法としては、例えば、減圧濃縮、膜濃縮、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウムなどの塩析処理、親水性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、アセトンなどによる分別沈殿、加温処理や等電点処理、吸着剤或いはゲル濾過剤などによるゲル濾過、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー等の処理を挙げることができる。
本発明の方法により得られるFAD−GDH酵素タンパク質は、以下の(i)〜(ii)の性質を有する。
(i)作用:電子受容体存在下でグルコースデヒドロゲナーゼ酵素活性を示す。
(ii)分子量:糖鎖を含んだ状態で95〜100kDaである。
このうち、特に注目すべきは、その分子量である。従来の特許文献6のムコール・ヒマリス属の微生物中で発現されたFAD−GDHの分子量は、糖鎖を含んだ状態で約85〜107kDaであるので、本発明の方法により得られるFAD−GDH酵素タンパク質は、従来のものと比べて糖鎖結合量が著しく均一である。従って、本発明の方法により得られるFAD−GDH酵素タンパク質は、このような酵素化学的特徴を活かして、血糖自己測定用バイオセンサに好適に使用することができる。
上記の各種の酵素化学的性質は、酵素の諸性質を特定するための公知の手法、例えば、以下の実施例に記載の方法を用いて調べることができる。酵素の諸性質は、本発明のFAD−GDHを生産する形質転換体の培養液や、精製工程の途中段階において、ある程度調べることもでき、より詳細には、精製酵素を用いて調べることができる。
精製酵素とは、当該酵素以外の成分、特に当該酵素以外のタンパク質(夾雑タンパク質)を実質的に含まない状態に分離された酵素を指す。具体的には、例えば、夾雑タンパク質の含有量が重量換算で全体の約20%未満、好ましくは約10%未満、更に好ましくは約5%未満、より一層好ましくは約1%未満の酵素を指す。
本発明において、FAD−GDHの活性測定は以下の条件で行う。
FAD−GDHの活性測定法
<反応試薬>
下記のPIPES緩衝液15.6ml、DCPIP溶液0.2ml、D―グルコース溶液4mlを混合して反応試薬とする。
・ 50mM PIPES緩衝液pH6.5(0.1%TritonX−100を含む)
・ 6.8mM 2,6−ジクロロフェノールインドフェノール(DCPIP)溶液
・ 1M D−グルコース溶液
<測定条件>
反応試薬3mlを37℃で5分間予備加温する。FAD−GDH溶液0.1mlを添加し、ゆるやかに混和後、水を対照にして37℃に制御された分光光度計で、600nmの吸光度変化を5分間記録し、直線部分から1分間あたりの吸光度変化(ΔOD TEST)を測定する。盲検はFAD−GDH溶液の代わりにFAD−GDHを溶解する溶媒を反応試薬に加えて同様に1分間あたりの吸光度変化(ΔOD BLANK)を測定する。これらの値から以下の式(I)に従ってGDH活性を求める。ここでGDH活性における1単位(U)とは、濃度200mMのD−グルコース存在下で1分間に1マイクロモルのDCPIPを還元する酵素量として定義される。
FAD−GDHの活性(U/ml)={−(ΔOD TEST−ΔOD BLANK)×3.1×希釈倍率}/{16.3×0.1×1.0}・・・(I)
なお、式(I)中の3.1は反応試薬+酵素溶液の液量(ml)、16.3は本活性測定条件におけるミリモル分子吸光係数(cm/マイクロモル)、0.1は酵素溶液の液量(ml)、1.0はセルの光路長(cm)を示す。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1:
1.ムコール・ヒマリス由来のFAD−GDH遺伝子の発現カセットの作製
特許文献6に記載のムコール・ヒマリス由来のFAD−GDH遺伝子のコドンユーセージの最適化は、クリプトコッカスsp−S−2.の既知の遺伝子であるαアミラーゼ遺伝子、クチナーゼ遺伝子、キシラナーゼ遺伝子のコドンユーセージを参考に行った。最適化された遺伝子配列を配列番号1に示す。
配列番号1に示される1番目から60番目の塩基配列は、ムコール・ヒマリス由来のFAD−GDH遺伝子の分泌シグナル配列をコードする塩基配列であると予測される。クリプトコッカスsp−S−2.において組換え生産されたムコール・ヒマリス由来のFAD−GDHタンパク質は、本分泌シグナル配列が除去された成熟型の配列を有すると予測される。成熟型として分泌されるムコール・ヒマリス由来のFAD−GDHタンパク質をコードする塩基配列を配列番号8に示す。
次に、配列番号9のMhFADGDH(opt)MulI_F及び配列番号10のMhFADGDH(opt)MulI_Rをプライマーとして用いて、配列番号1のFAD−GDH遺伝子全長配列をPCRにより増幅し、増幅された配列(MhFADGDH(opt))をMluI処理した。
一方、Xylプロモーター、Xylターミネーター、及びURA5遺伝子を含むpCsUXプラスミド(5.9kbp)をMluI処理し、Xylプロモーターの直ぐ下流を一箇所切断したのち、脱リン酸化処理した。処理後のプラスミドにMhFADGLD(opt)のFAD−GDH遺伝子断片を連結し、組換えプラスミド(pCsUXMhFADGLD(opt))を構築した。
pCsUXプラスミドの模式図を図1に示す。なお、このpCsUXプラスミドはクリプトコッカスsp.S−2に由来する酸性キシラナーゼプロモーター(Xyl−p)、酸性キシラナーゼターミネーター(Xyl−t)、及びorotate phosphoribosyl transferase遺伝子(Ura5)を市販のpUC19ベクターに常法により連結して組換え体DNAを作製し、この組換え体DNAを用いてE.coli DH5αを常法に従い形質転換することで取得することができる。形質転換体はアンピシリン耐性により選択できる。
次に、KOD−plus Mutagenesis kit(東洋紡績社製)を用いて、InversePCRを行い、分泌シグナルペプチド配列を配列番号2以外のものに置換した。具体的には、
組換えプラスミドpCsUX―MhFADGLD(opt)において、配列番号11のMhFADGLD(opt―sp)F及び配列番号12のXylanase(sp2)−Xyl−pro−compをプライマーとして用いて、分泌シグナルペプチド配列を、配列番号3に示す「Xylanase分泌シグナルペプチド配列2」に置換したもの(pCsUXXs2MhFADGLD(opt));
組換えプラスミドpCsUX―MhFADGLD(opt)において、配列番号11のMhFADGLD(opt―sp)F及び配列番号13のXylanase(sp3)−Xyl−pro−compをプライマーとして用いて、分泌シグナルペプチド配列を、配列番号4に示す「Xylanase分泌シグナルペプチド配列3」に置換したもの(pCsUXXs3MhFADGLD(opt));
組換えプラスミドpCsUX―MhFADGLD(opt)において、配列番号11のMhFADGLD(opt―sp)F及び配列番号14のAmylase(sp)−Xyl−pro−compをプライマーとして用いて、分泌シグナルペプチド配列を、配列番号5に示す「Amylase分泌シグナルペプチド配列」に置換したもの(pCsUXAsMhFADGLD(opt));
組換えプラスミドpCsUX―MhFADGLD(opt)において、配列番号11のMhFADGLD(opt―sp)F及び配列番号15のCutinase(sp)−Xyl−pro−compをプライマーとして用いて、分泌シグナルペプチド配列を、配列番号6に示す「Cutinase分泌シグナルペプチド配列」に置換したもの(pCsUXCsMhFADGLD(opt));をそれぞれ作製した。
2.ムコール・ヒマリス由来のFAD−GDH遺伝子のクリプトコッカスsp.S−2への導入
組換え宿主にはクリプトコッカスsp.S−2. DA25株を使用した。本菌株は、FERM BP−11482として国際寄託された、クリプトコッカスsp.S−2株の変異体に、クリプトコッカスsp.S−2株に由来するade1遺伝子を導入した菌株である(特願2012−113449参照)。本菌は、形質転換体の選択のために、ウラシル要求性となっており、pCsUX2プラスミドを形質転換することにより、ウラシル要求性によって形質転換体を選抜することが可能である。
形質転換は、Infect Immun. 1992 Mar;60(3):1101−8.(Varmaら)に記載の方法で実施した。クリプトコッカスsp.S−2. DA−25株を20mlYM培地(酵母エキス0.3%、麦芽エキス0.3%、ポリペプトン0.5%、グルコース1.0%)で25℃、48時間培養した。得られた培養液の吸光度(OD660nm)を測定した。次に、この培養液を200ml液体培地(酵母エキス0.3%、麦芽エキス0.3%、ポリペプトン0.5%、グルコース1.0%)に培養液の吸光度(OD660nm)が0.1Absになる様に植菌して25℃で培養し、培養液の吸光度(OD660nm)が約1.0Absになるまで培養を行った。次に、この培養液を遠心分離して菌体を回収し、Wash buffuer(270mMシュークロース、1mM塩化マグネシウム、4mM DTT、10mM Tris−HCl pH7.6)で菌体を2回洗浄し、Electroporation buffer(270mMシュークロース、1mM塩化マグネシウム、10mM Tris−HCl pH7.6)に吸光度OD660=50Absとなるように懸濁した。得られた懸濁液100μlに、予めSbfIによって制限酵素処理し、直鎖化したプラスミド10μg(〜5μl)を添加し、エレクトロポレーション用のキュベットに移した後、Gene Pulser Xcell (BIO−RAD社)を用いて通電した。通電条件は、C=25μF; V=0.47kVで行った。通電後の液中に600μl Electroporation buffer(270mMシュークロース、1mM塩化マグネシウム、10mM Tris−HCl pH7.6)を加え、選択プレート上に塗り広げた。選択プレートはYNB−ura寒天培地(0.67%Yeast Nitrogen Base W/O amino acid、0.078% −ura DO supplement、2%グルコース、1%寒天粉末)を用いた。植菌したプレートを25℃で1週間静置培養し、生育コロニーを選抜した。
形質転換で得られた形質転換体については、配列番号9のMhFADGLD(opt―sp)F及び配列番号10のMhFADGDH(opt)MulI_Rをプライマーとして用いてKOD−Fx(東洋紡績社製)によるコロニーPCRを行うことにより遺伝子の導入を確認し、遺伝子が導入された菌株に関して、次の3.で培養を行った。
3.ムコール・ヒマリス由来の組換えFAD−GDHの活性の確認
2.で取得した形質転換体を、1ml液体培地(2%酵母エキス、5%キシロース)で25℃、600rpm、48時間培養し、培養液上清のFAD−GDH活性を確認した。
数個の菌株に関して培養液上清中のFAD−GDH活性を測定した。その結果を図2に示す。図2には、得られた数個の形質転換体のうち、最も生産性の高かった菌株のFAD−GDH活性測定値を示している。
図2に示すとおり、コドンユーセージを最適化した遺伝子を導入し、分泌シグナルペプチド配列としてムコール・ヒマリスのFAD−GDHの分泌シグナルペプチド配列(配列番号2)を使用した菌株(図2のUXMhGDH(opt))では、約12U/mLのFAD−GDH活性が検出された。本結果から、ムコール・ヒマリスのFAD−GDHの分泌シグナルペプチド配列は、クリプトコッカスsp.S−2においても有効に機能することが確認された。また、対照として、ムコール・ヒマリス野生株から取得した野生型遺伝子を導入した菌株(図2のUXMhGDH(ntv))では、FAD−GDH活性は全く検出されなかった。
さらに、分泌シグナルペプチド配列をクリプトコッカスsp.S−2のXylanase分泌シグナルペプチド配列2(配列番号3)に変更したもの(図2のUXXs2MhGDH(opt))では、最大約63U/mLのFAD−GDH活性が検出され、分泌シグナルペプチド配列をクリプトコッカスsp.S−2のXylanase分泌シグナルペプチド配列3(配列番号4)に変更したもの(図2のUXXs3MhGDH(opt))では、最大約106U/mLのFAD−GDH活性が検出され、分泌シグナルペプチド配列をクリプトコッカスsp.S−2のAmylase分泌シグナルペプチド配列(配列番号5)に変更したもの(図2のUXAsMhGDH(opt))では、最大約38U/mLのFAD−GDH活性が検出され、分泌シグナルペプチド配列をクリプトコッカスsp.S−2のCutinase分泌シグナルペプチド配列(配列番号6)に変更したもの(図2のUXCsMhGDH(opt))では、最大約45U/mLのFAD−GDH活性が検出された。本結果から、クリプトコッカスsp.S−2株由来酵素の分泌シグナルペプチドに分泌シグナルペプチドを置換することによって、分泌発現効率を大幅に向上させることが可能であることが確認された。なお、本実施例で示されるムコール・ヒマリス由来のFAD−GDHの組換え発現による生産量は、特許文献6に示される野生株の発現量(0.47U/ml)と比べて、25倍〜225倍高かった。
4.ムコール・ヒマリス由来の組換えFAD−GDH酵素タンパク質の解析
3.でFAD−GDH活性が最も高かったUXXs3MhGDH(opt)株の形質転換体を、200ml容バッフル付三角フラスコを用いて、培地(2%酵母エキス、5%キシロース、)で25℃、68時間培養した。培養液を遠心分離して培養上清を採取し、これを粗酵素溶液として、Nu−PAGE 4−12% Bis−Tris Gel(Invitrogen社製)を用いたSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動することにより、組み換えFAD−GDHの分子量を求めた。その結果を図3に示す。泳動サンプルは以下の通りである。
レーン1:分子量マーカー(Invitrogen社製、Novex(登録商標)Sharp Unstained Protein Standard)
レーン2:クリプトコッカス中で発現された組換えムコール・ヒマリス由来のFAD−GDH培養液上清
図3からわかるように、クリプトコッカス中で発現された組換えムコール・ヒマリス由来のFAD−GDHの分子量は、95kDa〜100kDaである。特許文献6には、野生株由来のFAD−GDHの分子量が85kDa〜107kDaであることが記載されている。このことから、クリプトコッカス中で発現された組換えムコール・ヒマリス由来のFAD−GDHの分子量は、野生株由来のFAD−GDHと比較して著しく均一であるといえる。
実施例2:
1.ムコール・プライニ由来のFAD−GDH遺伝子の発現カセットの作製
特許文献4に記載のムコール・プライニ由来のFAD−GDH遺伝子のコドンユーセージの最適化は、クリプトコッカスsp−S−2.の既知の遺伝子であるαアミラーゼ遺伝子、クチナーゼ遺伝子、キシラナーゼ遺伝子のコドンユーセージを参考に行った。最適化された遺伝子配列を配列番号7に示す。
配列番号7に示される1番目から60番目の塩基配列は、配列番号16に示されるアミノ酸配列をコードしており、ムコール・プライニ由来のFAD−GDH遺伝子の分泌シグナル配列をコードする塩基配列であると予測される。クリプトコッカスsp−S−2.において組換え生産されたムコール・プライニ由来のFAD−GDHタンパク質は、本分泌シグナル配列が除去された成熟型の配列を有すると予測される。成熟型として分泌されるムコール・プライニ由来のFAD−GDHタンパク質をコードする塩基配列を配列番号17に示す。
次に、配列番号18のMpFADGDH(opt)SpeI_F及び配列番号19のMpFADGDH(opt)SpeI_Rをプライマーとして用いて、配列番号7のFAD−GDH遺伝子全長配列をPCRにより増幅し、増幅された配列(MpFADGDH(opt))をSpeI処理した。
一方、Xylプロモーター、Xylターミネーター、及びURA5遺伝子を含むpCsUXプラスミド(5.9kbp)をSpeI処理し、Xylプロモーターの直ぐ下流を一箇所切断したのち、脱リン酸化処理した。処理後のプラスミドにMpFADGLD(opt)のFAD−GDH遺伝子断片を連結し、組換えプラスミド(pCsUXMpFADGLD(opt))を構築した。
次に、KOD−plus Mutagenesis kit(東洋紡績社製)を用いて、InversePCRを行い、分泌シグナルペプチド配列を配列番号16以外のものに置換した。具体的には、
組換えプラスミドpCsUX―MpFADGLD(opt)において、配列番号17のMpFADGLD(opt―sp)F及び配列番号12のXylanase(sp2)−Xyl−pro−compをプライマーとして用いて、分泌シグナルペプチド配列を、配列番号3に示す「Xylanase分泌シグナルペプチド配列2」に置換したもの(pCsUXXs2MpFADGLD(opt));
組換えプラスミドpCsUX―MpFADGLD(opt)において、配列番号17のMpFADGLD(opt―sp)F及び配列番号13のXylanase(sp3)−Xyl−pro−compをプライマーとして用いて、分泌シグナルペプチド配列を、配列番号4に示す「Xylanase分泌シグナルペプチド配列3」に置換したもの(pCsUXXs3MpFADGLD(opt));
をそれぞれ作製した。
2.ムコール・プライニ由来のFAD−GDH遺伝子のクリプトコッカスsp.S−2への導入
クリプトコッカスsp.S−2への形質転換は、前述の実施例1の2.と同様に行った。
形質転換で得られた形質転換体については、配列番号18のMpFADGLD(opt―sp)F及び配列番号19のMpFADGDH(opt)MulI_Rをプライマーとして用いてKOD−Fx(東洋紡績社製)によるコロニーPCRを行うことにより遺伝子の導入を確認し、遺伝子が導入された菌株に関して、次の3.で培養を行った。
3.ムコール・プライニ由来の組換えFAD−GDHの活性の確認
2.で取得した形質転換体を、1ml液体培地(2%酵母エキス、5%キシロース)で25℃、600rpm、48時間培養し、培養液上清のFAD−GDH活性を確認した。
数個の菌株に関して培養液上清中のFAD−GDH活性を測定した。その結果を図4に示す。図4には、得られた数個の形質転換体のうち、最も生産性の高かった菌株のFAD−GDH活性測定値を示している。
図4に示すとおり、コドンユーセージを最適化した遺伝子を導入し、分泌シグナルペプチド配列としてムコール・プライニのFAD−GDHの分泌シグナルペプチド配列(配列番号16)を使用した菌株(図のUXMpGDH(opt))では、約0.3U/mLのFAD−GDH活性が検出された。本結果から、ムコール・プライニのFAD−GDHの分泌シグナルペプチド配列は、クリプトコッカスsp.S−2においても有効に機能することが確認された。
さらに、分泌シグナルペプチド配列をクリプトコッカスsp.S−2のXylanase分泌シグナルペプチド配列2(配列番号)に変更したもの(図のUXXs2MpGDH(opt))では、最大約8.5U/mLのFAD−GDH活性が検出され、分泌シグナルペプチド配列をクリプトコッカスsp.S−2のXylanase分泌シグナルペプチド配列3(配列番号)に変更したもの(図のUXXs3MpGDH(opt))では、最大約3.8U/mLのFAD−GDH活性が検出された。
4.ムコール・プライニ由来FAD−GDH組換えクリプトコッカスsp.S−2株の流加培養
3.でFAD−GDH活性が最も高かったUXXs2MpGDH(opt)株の形質転換体を、200ml容バッフル付三角フラスコを用いて、60mlのYM培地(酵母エキス0.3%、麦芽エキス0.3%、ポリペプトン0.5%、グルコース1.0%)で25℃、48時間培養し、前培養液とした。前培養液を10L用のファーメンターを用いて、6Lの培地(5%酵母エキス、0.04%アデカノール)に植菌し、300rpm、通気量6L/分、25℃で撹拌培養を開始した。さらに、培養液1Lに対して1時間当たり3mlの50%キシロース溶液を連続的に添加し、88時間まで培養を行った。培養液は培養開始から、24時間、48時間、72時間、88時間でサンプリングを行い、培養液上清の活性を確認したところ、培養72時間時点で培養液1mlあたり104UのFAD−GDH活性が検出された。その結果を図5に示す。
ここに示されるムコール・プライニ由来のFAD−GDHの組換え発現による生産量は、特許文献7に示される、チゴサッカロマイセスを宿主として発現させた場合(27.6U/ml)や、アスペルギルス・オリゼを宿主として発現させた場合(14U/ml)と比べて、3.7倍〜7.4倍高かった。
次に、培養72時間時点で得られた培養液を遠心分離して培養上清を採取し、これを粗酵素溶液とし、この粗酵素溶液を Nu−PAGE 4−12% Bis−Tris Gel(Invitrogen社製)を用いたSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動することにより、組み換えFAD−GDHの分子量を求めた。その結果を図6に示す。泳動サンプルは以下の通りである。
レーン1:培養24時間時点での培養液上清
レーン2:培養48時間時点での培養液上清
レーン3:培養72時間時点での培養液上清
レーン4:培養88時間時点での培養液上清
図6からわかるように、クリプトコッカス中で発現された組換えムコール・プライニ由来のFAD−GDHの分子量は、95kDa〜100kDaである。特許文献4には、野生株由来のFAD−GDHの分子量が90kDa〜130kDaであることが記載されており、また、特許文献7には、チゴサッカロマイセス中で発現された組換えFAD−GDHの分子量が150kDa〜250kDa、アスペルギルス・オリゼ中で発現された組換えFAD−GDHの分子量が80kDa〜100kDaであることが記載されている。これらのことから、クリプトコッカス中で発現された組換えムコール・プライニ由来のFAD−GDHの分子量は、他の組換え発現宿主を用いた場合と比較して極めて均一であるといえる。
以上の結果から、コドンユーセージが最適化された遺伝子を用い、また、分泌シグナル配列を改変することによって、ムコール・ヒマリス由来のFAD−GDH及び、ムコール・プライニ由来のFAD−GDHを、クリプトコッカスsp.S−2により活性型で且つ効率的に分泌発現することが可能であることが示され、さらに、クリプトコッカス中で発現されたムコール・ヒマリス由来のFAD−GDH及びムコール・プライニ由来のFAD−GDHは、他の発現宿主中で発現させた場合と比較して糖鎖結合量が著しく均一であることが判明した。
なお、実施例2では分泌シグナルペプチドとしてクリプトコッカスsp.S−2株が生産するキシラナーゼ由来のもの(配列番号3または4)を使用しているが、分泌シグナルペプチドはFAD−GDHのタンパク質発現効率及び発現成功率に関与し、発現されたタンパク質への糖鎖結合には関与しないので、分泌シグナルペプチドを配列番号3または配列番号4以外のものに置換しても、クリプトコッカス属の微生物を宿主として使用する限り、実施例2と同様に糖鎖結合量が均一であるFAD−GDHが得られると考えられる。
本発明によれば、ムコール・ヒマリス由来及びムコール・プライニ由来のFAD−GDHと同等の特性を有し、しかも糖鎖結合量が均一であるFAD−GDHを効率的に組換え生産することができる。従って、本発明は、血糖自己測定バイオセンサ用の試薬として好適なFAD−GDHを生産するために極めて有用である。

Claims (5)

  1. ムコール(Mucor)属に由来するフラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼの生産方法であって、クリプトコッカス(Cryptococcus)属の微生物中で、以下の(A)または(B)の塩基配列の5′側に分泌シグナルペプチドをコードする塩基配列を結合させて得られる塩基配列で表わされるフラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼ遺伝子を発現させる工程を含むこと、分泌シグナルペプチドが、以下の(C)〜(G)からなる群より選択されるいずれかのアミノ酸配列で表わされること、生産されるフラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼが、糖鎖を含んだ状態で95〜100kDaの分子量を有する酵素タンパク質であること、およびクリプトコッカス属の微生物が、受託番号FERM BP−11482で表わされるクリプトコッカスsp.S−2(Cryptococcus sp.S−2)の変異体に、クリプトコッカスsp.S−2(受託番号FERM BP−10961)に由来するade1遺伝子を導入することによって得られるさらなる変異体であることを特徴とする方法:
    (A)配列番号1または7で示される塩基配列;
    (B)配列番号1または7で示される塩基配列に対して90%以上相同な塩基配列であって、フラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼ酵素活性を持つタンパク質をコードする塩基配列;
    (C)配列番号2で示されるアミノ酸配列;
    (D)配列番号3で示されるアミノ酸配列;
    (E)配列番号4で示されるアミノ酸配列;
    (F)配列番号5で示されるアミノ酸配列;
    (G)配列番号6で示されるアミノ酸配列。
  2. 分泌シグナルペプチドが、(D)または(E)のアミノ酸配列で表わされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 分泌シグナルペプチドが、(E)のアミノ酸配列で表わされることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の方法によって生産されるフラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼ。
  5. グルコースを基質とする酵素として、請求項に記載のフラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼを使用することを特徴とする血糖自己測定用バイオセンサ。
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