JP6460841B2 - インクジェット記録装置及びインクカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録装置に係り、特に、着脱式のインクカートリッジからインクを補給するインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置は、インクを収容した色別のインクカートリッジを着脱可能に設けており、インクカートリッジから補給されたインクがインクジェットヘッドに供給され、さらに、インクジェットヘッドのノズルから印刷用紙に向けて吐出されて、印刷用紙上に画像や文字等が印刷される。
このインクカートリッジのような消耗品には、使用限度期限の他に、印刷品質を保証する目安の期限として推奨使用停止開始期限が設定されている場合が多い。そして、現在使用中のインクカートリッジが、インクの推奨使用停止開始期限を過ぎたものである場合に、その旨を警告表示し、インクカートリッジの交換を促すようにし、さらに、インクの使用限度期限を超えた場合には、エラー表示をして、インクカートリッジを強制的に交換させるようなことが行われる(例えば、特許文献1)。
そして、比較的新しいインクカートリッジに交換することで、印刷品質を保証できるインクを用いて印刷をすることが可能になる。
特許第3951996号公報
ところで、印刷品質が保証される目安の推奨使用停止開始期限を過ぎていても、ユーザによっては、例えば、保証された印刷品質が得られるうちは、使用限度期限に達していない限り、インクカートリッジのインクを引き続き使用したい場合がある。しかし、上述した従来技術では、このような場合を考慮ぜずに、一切、使用させない方向に促している。
特に、推奨使用停止開始期限が使用限度期限よりも余裕を持って短い期間に設定されている場合には、推奨使用停止開始期限後も使用限度期限まで可能な限りインクを使用することを希望するユーザが増えることも考えられる。このようなユーザにとって、従来技術によるインクカートリッジの期限管理は、利便性に欠けるものとなっている。
一方、インクの推奨使用停止開始期限を過ぎたインクカートリッジを使い続けると、使用限度期限が近づくにつれてやがて保証された印刷品質が得られなくなる恐れがある。特に、インクカートリッジから供給された推奨使用停止開始期限を過ぎたインクがインクジェット記録装置内のインクと混ざると、インクの凝集等の不都合が生じて印刷品質が低下する原因となる恐れがある。
本発明は前記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、インクカートリッジの使用限度期限前のインクを有効に利用できるインクジェット記録装置と、これに用いて好適なインクカートリッジとを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様によるインクジェット記録装置は、
インクが使用できる限度を示す使用限度期限(例えば、図3の消費期限)の前の期限であってインク同士の混合可能な期限を示す混合許可期限(例えば、図3のインク混合可能期限)を記憶する記憶手段(例えば、図2のメモリ63b)を備えたインクカートリッジ(例えば、図2のインクカートリッジ34)からインク供給経路(例えば、図2のインク循環部31)を経て供給されるインクを、前記混合許可期限に基づいてインクジェットヘッド(例えば、図1のヘッドユニット21、22、23、24)から吐出して、印刷用紙(例えば、図1の用紙9)に画像を印刷するインクジェット記録装置(例えば、図1のインクジェット記録装置1)において、
前記インクカートリッジの着脱を検知する着脱検知手段(例えば、図1の制御部10、図5のステップS11)と、
前記着脱検知手段が装着を検知した前記インクカートリッジの前記記憶手段から前記混合許可期限を取得する取得手段(例えば、図1の制御部10、図5のステップS13)と、
前記着脱検知手段が装着を検知した前記インクカートリッジから前記インク供給経路内にインクが供給された場合に、前記インクカートリッジの前記記憶手段から前記取得手段が取得した前記混合許可期限を、前記インク供給経路内の残インクの混合許可期限(例えば、図7のステップS47で更新するインク循環部31の残インクのインク混合可能期限)として設定する設定手段(例えば、図1の制御部10、図7のステップS47)と、
前記着脱検知手段が新たに装着を検知した前記インクカートリッジから前記インク供給経路へのインク供給を制御する制御手段(例えば、図1の制御部10)とを備えており、
前記制御手段は、
現時点が、前記取得手段が取得した前記混合許可期限内であると共に前記設定手段が設定した前記混合許可期限内であり、かつ、前記残インク量が、前記着脱検知手段が新たに装着を検知した前記インクカートリッジのインク量に対応する混合許可量(例えば、図3のインク混合許可量)以下である場合に、前記インク供給を許可し、
現時点が、前記取得手段が取得した前記混合許可期限と前記設定手段が設定した前記混合許可期限とのうち少なくとも一方を過ぎている場合と、現時点が、前記取得手段が取得した前記混合許可期限内であると共に前記設定手段が設定した前記混合許可期限内であり、かつ、前記残インク量が前記混合許可量を超えている場合に、前記インク供給を禁止する、
ことを特徴とする。
また、本発明の第2の態様によるインクジェット記録装置は、本発明の第1の態様によるインクジェット記録装置において、
前記制御手段は、
現時点が、前記取得手段が取得した前記混合許可期限内であると共に前記設定手段が設定した前記混合許可期限内であり、かつ、前記残インク量が前記混合許可量を超えている場合、該混合許可量以下に前記残インク量が減るまで前記残インクを前記インクジェットヘッドから吐出させた後に、前記インク供給を禁止から許可に変更すると共に、
現時点が、前記取得手段が取得した前記混合許可期限内であると共に前記設定手段が設定した前記混合許可期限を過ぎている場合、前記残インクを前記インクジェットヘッドから全て吐出させた後に、前記インク供給を禁止から許可に変更する、
ことを特徴とする。
さらに、本発明の第3の態様によるインクジェット記録装置は、本発明の第2の態様によるインクジェット記録装置において、前記制御手段は、前記残インクの吐出を、該残インクの吐出時点における未処理の印刷ジョブの実行により行わせるか、又は、前記インクジェットヘッドのクリーニング動作の実行により行わせることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の第4の態様によるインクカートリッジは、
本発明の第1、第2又は第3の態様のインクジェット記録装置(例えば、図1のインクジェット記録装置1)に装着され、該インクジェット記録装置へのインク供給が許可された場合に、前記インクジェット記録装置のインク供給経路(例えば、図2のK色、C色、M色及びY色の各ヘッドユニット21〜24に関わる4色のインク毎に独立したインク経路30のインク循環部31)にカートリッジ内のインクを供給するインクカートリッジ(例えば、図2のインクカートリッジ34)であって、
前記インクが使用できる限度を示す使用限度期限(例えば、図3の消費期限)の前の期限であって、前記カートリッジ内の所定色のインクと該所定色のインクの供給先の前記インク供給経路内に残った前記所定色の残インクとの混合可能な期限を示す混合許可期限(例えば、図3のインク混合可能期限)を記憶する記憶手段(例えば、図2のメモリ63b)を備え、
前記混合許可期限に基づいて前記インク供給が許可された場合に、前記カートリッジ内の前記所定色のインクを前記供給先の前記インク供給経路に供給する、
ことを特徴とする。
また、本発明の第5の態様によるインクカートリッジは、本発明の第4の態様によるインクカートリッジにおいて、前記記憶手段は、前記カートリッジ内の前記所定色のインクとの混合が許可される前記供給先の前記インク供給経路内の残インクの上限量を示す混合許可量(例えば、図3のインク混合許可量)を記憶しており、前記混合許可期限に基づいて前記インク供給が許可され、かつ、前記供給先の前記インク供給経路内の残インク量が前記混合許可量以下である場合に、前記カートリッジ内の前記所定色のインクを前記供給先の前記インク供給経路に供給することを特徴とする。
本発明によれば、インクカートリッジの使用限度期限前のインクを有効に利用することができる。
即ち、本発明の第1の態様によるインクジェット記録装置によれば、インクカートリッジが装着されるとそのインクカートリッジのインクの混合許可期限がインクカートリッジの記憶手段から取得される。この混合許可期限は、インクが使用できる限度を示す使用限度期限の前の期限であって、インク同士の混合可能な期限を示すものである。
また、インクカートリッジからインク供給経路にインクが供給されると、そのインクカートリッジの記憶手段から取得された混合許可期限が、インク供給経路内の残インクの混合許可期限として設定される。そして、新たなインクカートリッジが装着されると、インクカートリッジからインク供給経路へのインク供給が制御手段により制御される。
具体的には、(1)現時点が、新たに装着されたインクカートリッジのインクの混合許可期限内であること、(2)現時点が、インク供給経路内の残インクの混合許可期限内であること、及び、(3)インク供給経路の残インク量が、新たに装着されたインクカートリッジのインク量に対応する混合許可量以下であること、の3つの条件が全て満たされると、インクカートリッジからインク供給経路へのインク供給が制御手段により許可される。
一方、これら3つの条件のうちどれか1つでも満たされないと、インクカートリッジからインク供給経路へのインク供給が制御手段により禁止される。
このため、新たに装着されたインクカートリッジのインクが混合許可期限を過ぎていると、そのインクはインク供給経路に供給されず、インク供給経路の残インクとの混合が回避される。また、インク供給経路の残インクが混合許可期限を過ぎていると、新たに装着されたインクカートリッジのインクは、混合許可期限を過ぎていなくてもインク供給経路に供給されず、やはり、インク供給経路の残インクとの混合が回避される。
さらに、新たに装着されたインクカートリッジのインクとインク供給経路の残インクとが両方とも、それぞれの混合許可期限を過ぎていない場合でも、インク供給経路の残インク量が、新たに装着されたインクカートリッジのインクに対して定められた混合許可量を超えていると、新たに装着されたインクカートリッジのインクはインク供給経路に供給されず、インク供給経路の残インクとの混合が回避される。
このように、インクカートリッジやインク供給経路のインクが使用限度期限に達していなくても、インクカートリッジのインクがインク供給経路で残インクと混合してインクの凝集等の不都合が生じる可能性がある場合は、インクカートリッジからインク供給経路へのインクの供給が禁止される。このため、インク供給経路の残インクと混合して不都合が生じることがないようにしつつ、インクカートリッジの使用限度期限前のインクを有効に利用することができる。
ところで、本発明の第1の態様によるインクジェット記録装置では、インク供給経路の残インク量が、新たに装着されたインクカートリッジのインク量に対応する混合許可量以下である、という条件だけが満たされなかったため、インクカートリッジからインク供給経路へのインク供給が禁止される場合がある。
この場合、本発明の第2の態様によるインクジェット記録装置では、残インクをインクジェットヘッドから吐出させて残インク量を混合許可量以下に減らすと、インクカートリッジからインク供給経路へのインク供給が開始される。これにより、使用限度期限前のインクを、インク供給経路の残インクとの混合で不具合が生じるのを防ぎつつ有効活用することができる。
また、本発明の第3の態様によるインクジェット記録装置によれば、本発明の第2の態様によるインクジェット記録装置において、インク供給経路の残インクをインクジェットヘッドから吐出させる際に、未処理の印刷ジョブがある場合はその印刷ジョブの処理において残インクをインクジェットヘッドから吐出させることで、残インクを無駄なく有効に使い切ることができる。
しかも、インク供給経路の残インクをインクジェットヘッドから吐出させる際に、未処理の印刷ジョブが存在しない場合には、インクジェットヘッドのクリーニング動作によって、インク供給経路の残インクを確実にインクジェットヘッドから吐出させることができる。
なお、本発明の第4の態様によるインクカートリッジによれば、本発明の第1乃至第3のいずれかの態様によるインクジェット記録装置の効果をインクジェット記録装置において容易に得られるようにすることができる。
(a),(b)は本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の概略の断面図であり、(a)は画像記録時の状態を示す図、(b)はクリーニング時の状態を示す図である。 図1のインクジェット記録装置のインク経路を模式的に示す説明図である。 図2のインクカートリッジのICタグのメモリに記憶されるインクの規格情報の一例を示す説明図である。 図1の制御部の制御により行われるインク循環部の残インク算出更新処理に関する手順を示すフローチャートである。 図1の制御部の制御により行われるインクカートリッジからインク循環部へのインク供給の可否の判断に関する手順を示すフローチャートである。 図1の制御部の制御により行われるインクカートリッジからインク循環部へのインク供給の可否の判断に関する手順を示すフローチャートである。 図1の制御部の制御により行われるインクカートリッジからインク循環部へのインクの供給に関する手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、図中、記録媒体の搬送方向をX軸方向又は副走査方向とし、この搬送方向と直交する方向をY軸方向又は主走査方向又は記録媒体の幅方向としている。また、X軸及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向又は上下方向とする。
図1(a),(b)は本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の概略の断面図である。図1(a)はインクジェット記録装置における画像記録時の状態を示し、図1(b)はインクジェット記録装置におけるクリーニング時の状態を示している。
図1(a)に示すようにインクジェット記録装置1は、主として給紙部2、搬送部3、画像形成部4、クリーニング部5、排紙部6及び制御部10で構成されている。
給紙部2は、給紙トレイ7に積載された用紙9をピックアップローラ8により1枚ずつピックアップし、搬送部3へと給送する。
搬送部3は、給紙部2により給送された用紙9をレジストローラ12により搬送ベルト16に搬送し、さらに、搬送ベルト16により用紙9を排紙部6側に搬送する。搬送ベルト16は、従動ローラ13、テンションローラ14及び駆動ローラ15に掛け渡された無端ベルトであり、搬送ベルト16の内側(下方)にはプラテン17が配置されている。
搬送ベルト16及びプラテン17には不図示の多数の孔が設けられており、搬送部3では、この孔を介して吸引ファン18が空気を吸引することで、用紙9が搬送ベルト16に吸着されて搬送される。
なお、搬送部3は、不図示の移動機構によって図1(a)に示す記録位置から図1(b)に示す退避位置まで移動する。用紙9に対する画像の印刷時に搬送部3は、図1(a)に示す記録位置に配置される。また、クリーニング部5が画像形成部4のクリーニング動作を行う際に搬送部3は、図1(b)に示す退避位置に配置される。
画像形成部4は、ヘッドユニット保持部25に保持されたK色(黒)、C色(シアン)、M色(マゼンタ)及びY色(イエロー)の4つのヘッドユニット21、22、23、24を有しており、搬送部3に対向して配置されている。
各ヘッドユニット21〜24は、用紙9の搬送方向と直交する方向に用紙9の記録領域幅以上の幅を有するラインヘッドである。各ヘッドユニット21〜24は、搬送部3が副走査方向に搬送する用紙9の主走査方向の全幅に亘って、不図示のノズルから各色のインク液滴を吐出させる。このインク液滴により用紙9に各色の画像が印刷される。
クリーニング部5は、各ヘッドユニット21〜24に対応するクリーニングユニット26a、26b、26c、26dを有している。各クリーニングユニット26a〜26dは、インクジェット記録装置1における周知の部材で構成されている。
具体的には、クリーニング部5は、例えば、各ヘッドユニット21〜24の不図示のノズル面を払拭するブレード部材や、各ヘッドユニット21〜24の不図示のノズルが吐出したインク液滴を吸引する吸引部材、ノズル面をキャッピングするキャップ部材などを有している。
用紙9に対する画像の印刷時に各クリーニングユニット26a〜26dは、図1(a)に示すように、対応する各ヘッドユニット21〜24のそれぞれ記録媒体搬送方向下流側に配置され、各ヘッドユニット21〜24のノズル面(図1(a)における下面)を搬送ベルト16側に露出させる。
また、各ヘッドユニット21〜24のノズル面のクリーニング動作時に各クリーニングユニット26a〜26dは、図1(b)に示すように、対応する各ヘッドユニット21〜24のノズル面と対向する位置(クリーニング位置)に配置される。
排紙部6は、画像形成部4によって画像形成された用紙9を排出ローラ対27で挟持し、排出トレイ28へと排出する。排出トレイ28は、排出された記録媒体を複数枚収容可能となっている。
次に、インクジェット記録装置1におけるインク経路の構成について説明する。図2は、インクジェット記録装置1のインク経路を模式的に示す説明図である。なお、図2では、K色、C色、M色及びY色の各ヘッドユニット21〜24に関わる4色のインクのうち、代表的に1色のインクに関わるインク経路を示している。したがって、図2に示す構成のインク経路は、K色、C色、M色及びY色の各色毎に独立して設けられる。
図2に示すように、インクジェット記録装置1のインク経路30は、大別すると、インク循環部31と、インク循環部31にインクを補充するための補充部32と、インク循環部31で不要となったインクやオーバーフローしたインクを収容する廃液部33と、少なくともクリーニング処理時にインク循環部31内の圧力を調整する圧力調整部57と、を備えている。
インク循環部31は、大別して、第1のインク経路44と第2のインク経路45に分けることができる。
第1のインク経路44は、画像形成部4よりも重力方向上方に配置された上部タンク38からインク分配器49及びラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)を経由して、画像形成部4よりも重力方向下方に配置された下部タンク39へ、重力(水頭差)によりインクが流れる経路である。
第2のインク経路45は、下部タンク39からポンプ41、熱交換器42、フィルタ43を経由して上部タンク38へ、ポンプ41の動力によりインクが流れる経路である。
熱交換器42は、インク循環部31内を流れるインクを加温、及び/又は、冷却して、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)のノズルからの吐出に適切な温度にインクを調温する。フィルタ43は、インク循環部31内を流れるインクから異物を除去してラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)に供給させ、ノズルの目詰まりを防止する。
補充部32に装着されたインクカートリッジ34の供給口35に補充部32のジョイント部36が不図示のアクチュエータの動作により連結されると、インクカートリッジ34内のインクが下部タンク39に、補給弁37を介して供給される。
なお、補充部32には当初、純正品のインクを充填したインクカートリッジ34が装着されているが、交換の際に、汎用品のインクを充填したインクカートリッジ34が補充部32に装着される場合もある。
純正品のインクを充填したインクカートリッジ34の表面には、ICタグ34aが取り付けられている。ICタグ34aはメモリ34bを内蔵しており、このメモリ34bには、インクカートリッジ34に充填されているインクの規格を示す規格情報が記憶されている。
補充部32に装着されたインクカートリッジ34のICタグ34aのメモリ34bに記憶されている規格情報は、補充部32のICタグリーダライタ32aによって読み出すことができる。また、ICタグリーダライタ32aは、ICタグ34aのメモリ34bに新規の情報を記憶(上書き記憶も含む)させることができる。
図3は、ICタグ34aのメモリ34bに記憶されるインクカートリッジ34のインクの規格情報の一例を示す説明図である。図3に示すように、インクの規格情報は、インクカートリッジ34のインクが純正品であるか否かを識別するためのインク種別情報が含まれている。
例えば、純正品のインクを充填したインクカートリッジ34のICタグ34a情報には、純正品のインクを示す「A」というインク種別情報が含まれている。このインク種別の「A」とは、あくまで説明上便宜的に用いたものであり、インク種別情報の形態を示すものではない。なお、インク種別情報は、インクカートリッジ34の出荷の段階で予めICタグ34aのメモリ34bに書き込まれている。
そして、「A」以外の情報がインク種別情報として規格情報に含まれていたり、インク種別情報がブランクである場合、そのインクカートリッジ34は少なくとも、純正品のインクを充填したカートリッジ34ではないことになる。
また、インクの規格情報は、上述したインク種別情報の他、製造年月日、使用開始年月日、消費期限、インク混合可能期限、インク混合許可量、インク経路残量、推奨使用停止開始期限の各情報を含んでいる。
製造年月日情報は、インクカートリッジ34(のインク)の製造年月日を示す情報であり、使用開始年月日情報は、インクカートリッジ34をインクジェット記録装置1の補充部32に装着して(インクの)使用を開始した年月日(使用開始年月日)を示す情報である。
製造年月日情報は、インクカートリッジ34の出荷の段階で予めICタグ34aのメモリ34bに書き込まれており、使用開始年月日情報は、インクカートリッジ34をインクジェット記録装置1に初めて装着した際に、補充部32のICタグリーダライタ32aによってICタグ34aのメモリ34bに書き込まれる。
消費期限情報は、インクカートリッジ34(のインク)の使用開始後の消費期限を示す情報であり、インク混合可能期限情報は、このインクカートリッジ34のインクを下部タンク39に供給してインク循環部31を循環している他のインクと混合させてもよい期間を、インクカートリッジ34(のインク)の使用開始からの期間(例えばXヶ月)で示す情報である。インク混合許可量情報は、インクカートリッジ34のインクを下部タンク39に供給して混合させてもよいインク循環部31のインクの上限量を示す情報である。
なお、インク混合可能期限は、製造年月日からの経過期間毎に同じ経過期間の純正品インク同士を混合させて印刷に用い、基準以上の印刷品質が得られた場合に混合してよい期間として、その限界期間を求めて定めた期限である。このインク混合可能期限は、消費期限よりも短い期間(例えばYヶ月、X>Y)に設定される。
また、インク混合許可量は、次のようにして決定される。まず、補充部32に新たに装着したインクカートリッジ34のインク量に対してインク循環部31を循環する残インク量は少ない。また、インク循環部31の残インクはインクカートリッジ34のインクよりもインク混合可能期限が古い。そこで、インクカートリッジ34のインク量とインク循環部31の残インク量との比で両インクを混合し、この混合インクを、インクカートリッジ34のインクと同じインク混合可能期限のインクと混ぜて使用しても、インクカートリッジ34のインクのインク混合可能期限まで基準以上の印刷品質が保てるような、インク循環部31の残インク量を求め、これをインク混合許可量とする。
なお、インク混合許可量は、インクカートリッジ34のインク容量が異なれば、インク容量毎に決定してもよい。また、下部タンク39への補給によりインクカートリッジ34のインク量が減った場合に、減った後のインク量とインク循環部31の残インク量との比に応じてインク混合許可量を決定し直してもよい。
消費期限情報、インク混合可能期限情報及びインク混合許可量情報はいずれも、インクカートリッジ34の出荷の段階で予めICタグ34aのメモリ34bに書き込まれている。なお、消費期限情報はインクカートリッジ34に充填されているインクの種類に応じて定められている。また、インク混合可能期限情報及びインク混合許可量情報は、補充部32への装着後に、インクの種類とインクジェット記録装置1の構成に応じて、補充部32のICタグリーダライタ32aによって書き換えてもよい。
インク経路残量情報は、上部タンク38及び下部タンク39を含むインク循環部31に残っているインク量を示す情報であり、推奨使用停止開始期限情報は、
インクカートリッジ34の交換を促す推奨使用停止期間の開始時点を、消費期限から逆算する期間によって定めた情報である。この推奨使用停止開始期限は、インク混合許可期限よりも早い時点に設定される。
インク経路残量情報は、例えば印刷ジョブの処理終了等の予め定められた更新条件が成立する度に、補充部32のICタグリーダライタ32aによってICタグ34aのメモリ34bに上書きして書き込まれる。メモリ34bに書き込まれる値は、インクジェット記録装置1の制御部10によって算出されたインク循環部31の残インク量である。
インク循環部31の残インク量とは、インクカートリッジ34から供給されたインクのインク循環部31における残量のことである。この残インク量は、制御部10の制御により、インクカートリッジ34から下部タンク39に供給されたインクの積算量から、印刷ジョブの実行により消費されたインク量を差し引いて算出される。
推奨使用停止開始期限情報は、インクカートリッジ34の出荷の段階で予めICタグ34aのメモリ34bに書き込まれている。
インクジェット記録装置1におけるインク経路の説明に戻って、図2に示すように、上部タンク38と下部タンク39との各インク液面46,54上の空間は、上部タンク電磁弁53及び下部タンク電磁弁56をそれぞれ介して、オーバーフロータンク52に接続されている。オーバーフロータンク52は、常時、大気にさらされた状態のため、上部タンク電磁弁53及び下部タンク電磁弁56の開閉(開放/遮断)により上部タンク38内及び下部タンク39内をそれぞれ大気開放、又は密閉させることができる。
第2のインク経路45には、圧力調整部57のベローズ58が接続されている。ベローズ58は、ベローズ昇降機構61を下方に移動させると錘59の重さで伸長する。下部タンク39を密閉してベローズ58を伸長させると、インク液面55上の空間に負圧がかかり、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)のノズルにメニスカスが形成される。これにより、インク液滴を吐出させない時にノズルからインクが漏出するのを防止することができる。
また、各ヘッドユニット21〜24のノズル面のクリーニング動作時には、第1のインク経路44を、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)と下部タンク39との間で遮断し、上部タンク38を密閉してポンプ41を通常よりも強く駆動する。これにより、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)内のインクが加圧され、不図示のノズルからインクが吐出されるパージ動作が行われる。
なお、パージ動作によりノズルからインクが吐出されるクリーニング動作時には、図1(b)に示すように、各クリーニングユニット26a〜26dが対応する各ヘッドユニット21〜24の不図示のノズル面に対向して配置される。
図2に示す廃液部33は、タンクトレイ62と、廃液タンク63と、廃インク量検知部64と、タンク装着検知部65と、前述したオーバーフロータンク52とで構成される。
オーバーフロータンク52は、上述したように、上部タンク38及び下部タンク39の各インク液面46,54上の空間と接続されている。従って、装置の異常により上部タンク38や、下部タンク39からオーバーフローによりインクが溢れ出したとしても、漏れたインクをオーバーフロータンク52に収容させることができる。
また、オーバーフロータンク52は、チューブを介して廃液タンク63と接続されている。廃液タンク63は、タンクトレイ62上に配置され、タンクトレイ62に対して着脱可能となっている。
この廃液タンク63は、チューブを介して補充部32とも接続されている。これによりインクカートリッジ34の交換時に外部に漏れ出たインクは、チューブを介して廃液として廃液タンク63に送り出される。
さらに、廃液タンク63は、回収ポンプ66を介して各クリーニングユニット26a〜26dに接続されている。回収ポンプ66は、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)のクリーニング動作時に、制御部10の制御によって駆動される。回収ポンプ66が駆動されると、各クリーニングユニット26a〜26dが、対応する各ヘッドユニット21〜24の不図示のノズルからパージ動作により吐出されたインクを、廃液タンク63に吸引、回収する。
なお、回収ポンプ66の駆動時に、廃液タンク63や補充部32のインクカートリッジ34、あるいは、オーバーフロータンク52から各クリーニングユニット26a〜26dに向けたインクの逆流は、逆止弁67によって阻止される。
また、廃液タンク63をK色、C色、M色及びY色で共用する1つとし、廃液タンク63に各色のラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)からインクを回収するための構成を各色毎に設けてもよい。
タンクトレイ62には、廃液タンク63内に収容されたインク量を検知する廃インク量検知部64と、重量の検知や光学的な検知により廃液タンク63が装着されているか否かを検知するタンク装着検知部65が設けられている。そして、廃液タンク63内に所定量の廃液が溜まったことを廃インク量検知部64が検知すると、制御部10が、後述する操作パネル68を用いて、ユーザに交換を示唆する警報を報知する。
上述したインクジェット記録装置1では、定期的(インク循環開始前や所定の時間経過後)、又は用紙9への印刷枚数が一定数に達する毎に、制御部10の制御によって、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)のクリーニング動作(ノズルのパージ動作)が行われる。また、これらのタイミング以外にも、クリーニング動作は必要に応じて制御部10の制御により行われる。
ところで、補充部32に装着されたインクカートリッジ34のインクがなくなると、新しいインクカートリッジ34に交換して補充部32に装着することになる。この新しいインクカートリッジ34のインクは、交換前のインクカートリッジ34から供給されたインク循環部31の残インクよりも、インク混合可能期限が新しい。このため、新しいインクカートリッジ34から下部タンク39を経てインク循環部31にインクが補給されると、インク混合可能期限が古いインクと新しいインクとがインク循環部31で混ざることになる。
このように、インク混合可能期限が新しいインクに古いインクが混ざると、新しい方のインク混合可能期限を過ぎていなくても、そのインクを用いて印刷した場合に基準以上の印刷品質を得られなくなる可能性がある。また、インク混合可能期限が古いインクが混ざることで、インクの粘度が変化する等して、インクの目詰まり等、インクジェット記録装置1の故障につながる状況が発生する可能性がある。
そこで、本実施形態では、インクジェット記録装置1の制御部10が、例えば一定周期毎等、所定のトリガ条件が成立する度に、補充部32に装着されたインクカートリッジ34のICタグ34aのメモリ34bからインクの規格情報を読み出して内容を確認し、必要に応じて、インクカートリッジ34からインク循環部31へのインクの供給を禁止させるようにしている。
次に、制御部10の制御に基づいて本実施形態のインクジェット記録装置1において行われる処理の手順について、図4乃至図7を参照して説明する。なお、制御部10は、以下に説明する図4のフローチャートに示す手順の処理、図5及び図6のフローチャートに示す手順の処理、並びに、図7のフローチャートに示す手順の処理を、それぞれ個別に繰り返し実行する。
まず、図4のフローチャートを用いて、インク循環部31の残インク量を算出しインクカートリッジ34のICタグ34aのメモリ34bに更新記憶させる制御を制御部10が行う際の処理手順を説明する。
制御部10は、まず、インクカートリッジ34のICタグ34aのメモリ34bにインク経路残量情報として記憶されているインク循環部31の残インク量を更新する条件が成立したか否かを確認する(ステップS1)。残インク量の更新条件が成立するイベントとしては、例えば、インクジェット記録装置1において1つの印刷ジョブの印刷動作が終了することを挙げることができる。
残インク量の更新条件が成立していない場合は(ステップS1でNO)、一連の処理を終了し、成立した場合は(ステップS1でYES)、制御部10は、補充部32に装着されたインクカートリッジ34から下部タンク39に供給されたインクの積算量から、印刷ジョブの実行により消費されたインク量を差し引いて、インク循環部31の残インク量を算出する(ステップS3)。
そして、制御部10は、算出した残インク量を、補充部32に装着されたインクカートリッジ34のICタグ34aのメモリ34bに、補充部32のICタグリーダライタ32aによって、インク経路残量情報として上書き記憶させた後(ステップS5)、一連の処理を終了する。
次に、図5及び図6のフローチャートを用いて、補充部32に装着されたインクカートリッジ34からインク循環部31へのインク供給の可否の判断に関して制御部10の制御により行われる処理の手順を説明する。
まず、制御部10は、図5に示すように、補充部32に装着されたインクカートリッジ34のICタグ34aのメモリ34bから、インクの規格情報を取得するトリガ条件が成立したか否かを確認する(ステップS11)。トリガ条件が成立するイベントとしては、例えば、インクジェット記録装置1の電源が投入されたことや、インクジェット記録装置1が省電力モードから通常モードに復帰したこと、補充部32へのインクカートリッジ34の装着が、不図示のカートリッジセンサによるインクカートリッジ34の検出状態変化を通じて制御部10により検出されたこと、あるいは、予め定められた周期が到来することを挙げることができる。
トリガ条件が成立していない場合は(ステップS11でNO)、一連の処理を終了し、成立した場合は(ステップS11でYES)、制御部10は、補充部32に装着されたインクカートリッジ34のICタグ34aのメモリ34bから、インクの規格情報を取得する(ステップS13)。
そして、制御部10は、取得したインクの規格情報のインク種別情報から、補充部32に装着されたインクカートリッジ34のインクが純正品であるか否かを確認する(ステップS15)。純正品でない場合は(ステップS15でNO)、後述するステップS31に処理を移行し、純正品である場合は(ステップS15でYES)、制御部10は、取得したインクの規格情報の消費期限情報から、現在の年月日が消費期限の前であるか否かを確認する(ステップS17)。
消費期限の前でない場合は(ステップS17でNO)、制御部10は、消費期限切れにより交換不可である旨の警報を操作パネル68に表示させて(ステップS19)、一連の処理を終了する。一方、消費期限の前である場合は(ステップS17でYES)、制御部10は、取得したインクの規格情報の使用開始年月日情報と推奨使用停止開始期限情報から、使用開始年月日から現在の年月日までの経過期間が推奨使用停止開始期限の前であるか否かを確認する(ステップS21)。
推奨使用停止開始期限の前である場合は(ステップS21でYES)、制御部10は、補充部32に装着されたインクカートリッジ34の供給口35に補充部32のジョイント部36を連結させて、補充部32に装着されたインクカートリッジ34から下部タンク39へのインクの供給を許可した後(ステップS23)、一連の処理を終了する。一方、推奨使用停止開始期限の前でない場合は(ステップS21でNO)、制御部10は、取得したインクの規格情報の使用開始年月日情報とインク混合可能期限情報から、使用開始年月日から現在の年月日までの経過期間がインク混合可能期限の前であるか否かを確認する(ステップS25)。
インク混合可能期限の前でない場合は(ステップS25でNO)、ステップS31に処理を移行し、インク混合可能期限の前である場合は(ステップS25でYES)、制御部10は、取得したインクの規格情報のインク混合許可量情報とインク経路残量情報から、インク循環部31の残インクがインク混合許可量以下であるか否かを確認する(ステップS27)。
インク混合許可量以下でない場合は(ステップS27でNO)、ステップS31に処理を移行し、インク混合許可量以下である場合は(ステップS27でYES)、制御部10は、インク循環部31の残インクがその残インクに対して設定されているインク混合可能期限の前であるか否かを確認する(ステップS29)。インク混合可能期限の前である場合は(ステップS29でYES)、制御部10は、ステップS23に移行して補充部32のインクカートリッジ34から下部タンク39へのインクの供給を許可した後、一連の処理を終了する。一方、インク混合可能期限の前でない場合は(ステップS29でNO)、ステップS31に処理を移行する。
ステップS31では、図6に示すように、制御部10は、補充部32に装着されたインクカートリッジ34から下部タンク39へのインクの供給を禁止し、続いて、未処理の印刷ジョブがあるか否かを確認する(ステップS33)。未処理の印刷ジョブがない場合は(ステップS33でNO)、制御部10は、各ヘッドユニット21〜24のノズル面のクリーニング動作を行った後(ステップS35)、後述するステップS41に移行する。
ステップS35のクリーニング動作では、制御部10は、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)のクリーニング動作、即ち、ノズルのパージ動作の処理を行う。このパージ動作により、インク循環部31の残インクは全て、回収ポンプ66の駆動により各ヘッドユニット21〜24の不図示のノズルから吐出され、各クリーニングユニット26a〜26dを介して廃液タンク63に吸引、回収される。
また、ステップS33において、未処理の印刷ジョブがある場合(YES)、制御部10は、取得したインクの規格情報のインク経路残量情報から、インク循環部31の残インクを用いて処理完了可能な印刷ジョブを決定する(ステップS37)。そして、決定した印刷ジョブを、インク循環部31の残インクを用いて実行した後(ステップS39)、ステップS41に移行する。
ステップS41では、ステップS31で禁止した、補充部32に装着されたインクカートリッジ34から下部タンク39へのインクの供給を許可する。そして、一連の処理を終了する。
これにより、インク循環部31の残インクを各ヘッドユニット21〜24の不図示のノズルから吐出させて消費し、それでも残インクを使い切れない場合は、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)のクリーニング動作を併せて行う。そして、インク循環部31の残インクを全て各ヘッドユニット21〜24の不図示のノズルから吐出させて使い切る。
次に、図7のフローチャートを用いて、補充部32に装着されたインクカートリッジ34からインク循環部31へのインクの供給に関して制御部10の制御により行われる処理の手順を説明する。
まず、制御部10は、補充部32のインクカートリッジ34から下部タンク39へのインクの補給が必要な状態であるか否かを確認し(ステップS51)、必要な状態でない場合は(ステップS51でNO)、一連の処理を終了する。
一方、必要な状態である場合は(ステップS51でYES)、制御部10は、図5のフローチャートのステップS23で説明した、インクカートリッジ34から下部タンク39へのインクの供給が許可されているか否かを確認する(ステップS53)。
許可されていない(禁止されている)場合は(ステップS53でNO)、一連の処理を終了し、許可されている場合は(ステップS53でYES)、制御部10は、補充部32のインクカートリッジ34から下部タンク39に必要量のインクを補給させる(ステップS55)。
その後、制御部10は、インク循環部31の残インクに対するインク混合可能期限を、図5のフローチャートのステップS13で取得した最新のインク混合可能期限情報に示されているインク混合可能期限に設定した後(ステップS57)、一連の処理を終了する。したがって、図5のフローチャートにおけるステップS29で行う確認には、制御部10は、ステップS57で設定されたインク混合可能期限を用いる。
以上に説明したように、本実施形態のインクジェット記録装置1では、推奨使用停止期限を過ぎた純正品のインクを充填したインクカートリッジ34が補充部32に装着された場合、ICタグ34aのメモリ34bから取得した規格情報に基づいて、インクカートリッジ34のインクをインク循環部31に供給するかどうかを判定するようにした。
詳しくは、インクカートリッジ34のインクが消費期限内及びインク混合可能期限内であり、かつ、インク循環部31の残インクがインク混合許可量以下及びインク混合可能期限内である場合は、インクカートリッジ34からインク循環部31へのインク供給を許可するようにした。
また、汎用品のインクを充填したインクカートリッジ34が補充部32に装着された場合、あるいは、補充部32に装着されたインクカートリッジ34のインク混合可能期限が過ぎている場合や、インク混合可能期限は過ぎていないがインク混合許可量を超えるインクがインク循環部31に残っている場合に、インク循環部31のインクを全て使い切った後に、インクカートリッジ34からインク循環部31に規格外の汎用品や期限切れのインクを供給させるようにした。
このため、交換に伴い補充部32に新たに装着されたインクカートリッジ34のインクが、ICタグ34aのメモリ34bに記憶されたインク混合可能期限を過ぎていると、そのインクは下部タンク39を経てインク循環部31に補給されない。よって、インク循環部31の残インクとの混合が回避される。
また、インク循環部31の残インクがインク混合可能期限を過ぎていると、交換に伴い補充部32に新たに装着されたインクカートリッジ34のインクは、ICタグ34aのメモリ34bに記憶されたインク混合可能期限を過ぎていなくても、下部タンク39を経てインク循環部31に補給されない。よって、この場合にも、インク循環部31の残インクとの混合が回避される。
さらに、交換に伴い補充部32に新たに装着されたインクカートリッジ34のインクとインク循環部31の残インクとが両方とも、それぞれのインク混合可能期限を過ぎていない場合でも、インク循環部31の残インク量がインクカートリッジ34のインクに対して定められたインク混合許可量を超えていると、インクカートリッジ34のインクは下部タンク39を経てインク循環部31に補給されない。よって、この場合にも、インク循環部31の残インクとの混合が回避される。
このため、汎用品やインク混合可能期限を過ぎたインクがインク循環部31に供給される前に、インク循環部31に既に供給されている純正品、即ち、規格内のインクを使い切って、規格外のインクがインク循環部31に供給されたときに規格内のインクと混ざらないようにすることができる。
よって、インクカートリッジ34のインクとインク循環部31のインクとが混ざって不測の性状変化を起こし、目詰まり等のインクジェット記録装置1の動作に支障が生じるのを防ぐことができる。その上で、推奨使用停止期限を過ぎた純正品のインクカートリッジ34のインクを、印刷品質が維持されるようにしつつインク循環部31に供給し利用させることができる。
なお、上述した実施形態では、ラインヘッドを用いたライン型のインクジェット記録装置1を例に取って説明したが、本発明は、インクジェットヘッドを印刷用紙に対して走査しながら画像を印刷するシリアル型のインクジェット記録装置にも適用可能である。
1 インクジェット記録装置
2 給紙部
3 搬送部
4 画像形成部
5 クリーニング部
6 排紙部
7 給紙トレイ
8 ピックアップローラ
9 用紙
10 制御部
12 レジストローラ
13 従動ローラ
14 テンションローラ
15 駆動ローラ
16 搬送ベルト
17 プラテン
18 吸引ファン
21 K色ヘッドユニット
22 C色ヘッドユニット
23 M色ヘッドユニット
24 Y色ヘッドユニット
25 ヘッドユニット保持部
26a,26b,26c,26d クリーニングユニット
27 排出ローラ対
28 排出トレイ
30 インク経路
31 インク循環部
32 補充部
32a タグリーダ
33 廃液部
34 インクカートリッジ
34a,63a ICタグ
34b,63b メモリ
35 供給口
36 ジョイント部
37 補給弁
38 上部タンク
39 下部タンク
41 ポンプ
42 熱交換器
43 フィルタ
44 第1のインク経路
45 第2のインク経路
46,54,55 インク液面
48 液面検出部
50 ラインヘッド
52 オーバーフロータンク
53 上部タンク電磁弁
56 下部タンク電磁弁
57 圧力調整部
58 ベローズ
59 錘
61 ベローズ昇降機構
62 タンクトレイ
62a タグリーダライタ
63 廃液タンク
64 廃インク量検知部
65 タンク装着検知部
66 回収ポンプ
67 逆止弁
68 操作パネル

Claims (5)

  1. インクが使用できる限度を示す使用限度期限の前の期限であってインク同士の混合可能な期限を示す混合許可期限を記憶する記憶手段を備えたインクカートリッジからインク供給経路を経て供給されるインクを、前記混合許可期限に基づいてインクジェットヘッドから吐出して、印刷用紙に画像を印刷するインクジェット記録装置において、
    前記インクカートリッジの着脱を検知する着脱検知手段と、
    前記着脱検知手段が装着を検知した前記インクカートリッジの前記記憶手段から前記混合許可期限を取得する取得手段と、
    前記着脱検知手段が装着を検知した前記インクカートリッジから前記インク供給経路内にインクが供給された場合に、前記インクカートリッジの前記記憶手段から前記取得手段が取得した前記混合許可期限を、前記インク供給経路内の残インクの混合許可期限として設定する設定手段と、
    前記着脱検知手段が新たに装着を検知した前記インクカートリッジから前記インク供給経路へのインク供給を制御する制御手段とを備えており、
    前記制御手段は、
    現時点が、前記取得手段が取得した前記混合許可期限内であると共に前記設定手段が設定した前記混合許可期限内であり、かつ、前記残インク量が、前記着脱検知手段が新たに装着を検知した前記インクカートリッジのインク量に対応する混合許可量以下である場合に、前記インク供給を許可し、
    現時点が、前記取得手段が取得した前記混合許可期限と前記設定手段が設定した前記混合許可期限とのうち少なくとも一方を過ぎている場合と、現時点が、前記取得手段が取得した前記混合許可期限内であると共に前記設定手段が設定した前記混合許可期限内であり、かつ、前記残インク量が前記混合許可量を超えている場合に、前記インク供給を禁止する、
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記制御手段は、
    現時点が、前記取得手段が取得した前記混合許可期限内であると共に前記設定手段が設定した前記混合許可期限内であり、かつ、前記残インク量が前記混合許可量を超えている場合、該混合許可量以下に前記残インク量が減るまで前記残インクを前記インクジェットヘッドから吐出させた後に、前記インク供給を禁止から許可に変更すると共に、
    現時点が、前記取得手段が取得した前記混合許可期限内であると共に前記設定手段が設定した前記混合許可期限を過ぎている場合、前記残インクを前記インクジェットヘッドから全て吐出させた後に、前記インク供給を禁止から許可に変更する、
    ことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記制御手段は、前記残インクの吐出を、該残インクの吐出時点における未処理の印刷ジョブの実行により行わせるか、又は、前記インクジェットヘッドのクリーニング動作の実行により行わせることを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録装置。
  4. 請求項1、2又は3記載のインクジェット記録装置に装着され、該インクジェット記録装置へのインク供給が許可された場合に、前記インクジェット記録装置のインク供給経路にカートリッジ内のインクを供給するインクカートリッジであって、
    前記インクが使用できる限度を示す使用限度期限の前の期限であって、前記カートリッジ内の所定色のインクと該所定色のインクの供給先の前記インク供給経路内に残った前記所定色の残インクとの混合可能な期限を示す混合許可期限を記憶する記憶手段を備え、
    前記混合許可期限に基づいて前記インク供給が許可された場合に、前記カートリッジ内の前記所定色のインクを前記供給先の前記インク供給経路に供給する、
    ことを特徴とするインクカートリッジ。
  5. 前記記憶手段は、前記カートリッジ内の前記所定色のインクとの混合が許可される前記供給先の前記インク供給経路内の残インクの上限量を示す混合許可量を記憶しており、前記混合許可期限に基づいて前記インク供給が許可され、かつ、前記供給先の前記インク供給経路内の残インク量が前記混合許可量以下である場合に、前記カートリッジ内の前記所定色のインクを前記供給先の前記インク供給経路に供給することを特徴とする請求項4記載のインクカートリッジ。
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