JP2016049657A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Hiroyuki Sunakawa
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Abstract

【課題】廃液タンクに回収して廃棄するインクに対するユーザの適切な取り扱いと安全性の確保を図る。【解決手段】補充部32に装着されたインクカートリッジ34が、純正品のインクを充填したものと汎用品のインクを充填したものとの相互間で、あるいは、種類が異なる汎用品のインクを充填したもの同士で変更されると、廃液タンク63に回収したインクの組成を示す情報が、例え詳細が不明であっても、変更後のインクの組成情報を含んだものに常に累積更新されて、制御部10の内蔵メモリに記憶される。そして、廃液タンク63が回収したインクで満タンになると、それまでに累積更新した、廃液タンク63に回収したインクの組成の情報が、廃液タンク63のICタグ63aのメモリ63bに廃液情報として書き込まれる。【選択図】図2

Description

本発明は、インクジェット記録装置に係り、特に、クリーニング動作の際にインクジェットヘッドから吐出されたインクを廃液タンクに回収して廃棄するインクジェット記録装置に関する。
インクジェットヘッドから印刷用紙にインクの液滴を吐出することで画像を形成するインクジェット記録装置においては、インクジェットヘッドのクリーニング動作が行われる。クリーニング動作は、過去に吐出したインクの飛沫がノズルに付着してインクの吐出方向ずれや吐出速度変化による印刷品質の低下を起こしたり、ノズル内の残存インクが増粘してノズルの目詰まりによるインクの不吐出を起こすのを防ぐのに有効である。
クリーニング動作のやり方にはいくつかの方法あり、その一つに、インクジェットヘッド内のインクを吐出させるパージ動作によってクリーニング動作を行う方法がある。この種のクリーニング動作を行うインクジェット記録装置では、クリーニング動作で吐出したインクを印刷用紙に着弾させずに回収する必要がある。回収したインクは廃液タンクに貯めて廃棄される。
ところで、インクジェット記録装置においては、インク切れに伴うインクカートリッジの交換の際にインクが純正品から汎用品に変更されたり、汎用品のインク同士である種類のインクから異なる種類のインクに変更される可能性がある。インクが変更されると、交換前に回収されたインクと交換後に回収されたインクとが廃液タンク内で混ざる。
純正品と汎用品とではインクの組成が異なり、種類が異なる汎用品同士でもインクの組成が異なる。このような組成が異なる複数種類のインクが廃液タンク内で混ざると、双方の成分同士の化学反応によって、取り扱いに注意を要する物質(液状、ガス状)が発生する可能性がある。したがって、クリーニング動作で吐出したインクを廃液タンクに回収するのに当たっては、廃液タンク内のインクを管理することが非常に重要となる。
廃液タンクに回収した廃液の管理については、例えば、銀塩写真の現像装置に関する提案がある。現像装置においては、使用済の処理液(現像液、定着液、安定液)が廃液タンクに回収されて廃棄される。
そして、現像装置の使用済処理液の管理に関する提案では、使用済の処理液が種類別に回収されるそれぞれの廃液タンクにタグチップを取り付けて、各廃液タンクに回収した処理液の種類や、処理液の使用量から割り出した各廃液タンクの処理液の回収量を、タグチップに書き込んで記憶させている(例えば、特許文献1)。
特開2005−107198公報
上述した現像装置の提案によれば、処理液の廃棄を業者に委託する際にタグチップの記憶内容を処理液の管理情報として利用させ、色や臭いによって廃液タンクの中身や量を確認する作業から委託側や受託側の作業者を解放することができる。
しかし、現像装置では一般に、処理液を途中で組成の異なるものに変更することはないので、上述した現像装置の提案では、廃液タンク内で異なる組成の処理液が混ざることは想定されていない。
このため、インクジェット記録装置においてクリーニング動作のために吐出したインクを廃液タンクに回収する際には、組成が異なる複数種類のインクが廃液タンク内で混ざる可能性があることを考慮して、現像装置とは異なる廃液管理を行う必要がある。
本発明は前記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、廃液タンクに回収して廃棄するインクに対するユーザの適切な取り扱いと安全性の確保を図ることができるインクジェット記録装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、
インクジェットヘッド(例えば、図1のヘッドユニット21、22、23、24)から吐出されたインクにより印刷用紙(例えば、図1の用紙9)に画像を印刷するインクジェット記録装置(例えば、図1のインクジェット記録装置1)において、
前記インクジェットヘッドのクリーニング動作において該インクジェットヘッドから吐出されたインクが回収される着脱自在な廃液タンク(例えば、図2の廃液タンク63)と、
前記クリーニング動作において前記インクジェットヘッドから吐出されたインクの組成の情報を、前記廃液タンク内のインクの組成の情報として廃液組成メモリ(例えば、図2のメモリ63bや図1の制御部10の不図示の内蔵メモリ)に累積して記憶させる組成記憶手段(例えば、図4のステップS23、図11のステップS75)と、
前記廃液組成メモリに記憶された情報を、出力条件の成立(例えば、図11のステップS71でYESの場合)に伴い出力する組成情報出力手段(例えば、図11のステップS73)と、
を備えることを特徴とする。
なお、請求項1の発明の変形例である第1変形例の発明として、前記廃液組成メモリは前記廃液タンクに取り付けられたICタグ(例えば、図2のICタグ63a)に設けられており、前記インクジェット記録装置への装着中に、前記組成記憶手段により前記廃液タンク内のインクの組成の情報が前記廃液組成メモリに累積して記憶される構成としてもよい。
また、第2変形例の発明として、請求項1の発明や第1変形例の発明において、前記廃液組成メモリに記憶された情報を前記印刷用紙に印刷させる組成情報印刷手段(例えば、図11のステップS73)をさらに備える構成としてもよい。
また、第3変形例の発明として、請求項1の発明や第1及び第2変形例の発明において、前記インクジェットヘッドにインクを供給する着脱自在なインクカートリッジ(例えば、図2のインクカートリッジ34)に取り付けられたICタグ(例えば、図2のICタグ34a)のインク組成メモリ(例えば、図2のメモリ34b)に、前記インクカートリッジ内のインクの組成の情報が記憶されており、前記組成記憶手段は、前記インクジェット記録装置への装着中に前記インク組成メモリから読み出された情報を、前記クリーニング動作において前記インクジェットヘッドから吐出されたインクの組成の情報として前記廃液組成メモリに累積して記憶させる構成としてもよい。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明や第1乃至第3変形例の発明において、前記インクジェットヘッドにインクを供給する着脱自在なインクカートリッジ内のインクの組成の情報を入力するインク組成情報入力手段(例えば、図2の操作パネル68)とをさらに備えており、前記組成記憶手段は、前記インク組成情報入力手段により入力された情報を、前記インクジェットヘッドから吐出されたインクの組成の情報として前記廃液組成メモリに累積して記憶させることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1及び請求項2の発明や第1乃至第3変形例の発明において、前記廃液組成メモリに記憶された情報と、前記インクジェットヘッドから吐出されるインクの組成の情報とから、前記廃液タンク内のインクと前記インクジェットヘッドから吐出されるインクとの混合が警告パターンに該当するか否かを判定する判定手段(例えば、図5のステップS37や図8のステップS53)と、該判定手段が前記警告パターンに該当すると判定した場合に、前記クリーニング動作の実行前に前記両インクの混合が前記警告パターンに該当することを報知(例えば、図2の操作パネル68における図6の警告画面や図9の不整合報知画面の表示)する報知手段(例えば、図5のステップS38や図8のステップS55)とをさらに備えることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記判定手段が前記警告パターンに該当すると判定した場合に、前記クリーニング動作の実行前に前記インクジェットヘッドから吐出されるインクにより前記印刷用紙にテスト画像を印刷させるテスト印刷手段(例えば、図8のステップS57)をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記テスト印刷手段による前記テスト画像の印刷結果を入力するテスト結果入力手段(例えば、図2の操作パネル68)と、該テスト結果入力手段により入力された前記印刷結果に基づいて、前記インクジェットヘッドから吐出されるインクの使用可否を判定する使用可否判定手段(例えば、図4のステップS7)と、該使用可否判定手段が使用不可と判定したインクの前記インクジェットヘッドからの吐出を禁止する禁止手段(例えば、図1の制御部10)とをさらに備えることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項4の発明において、前記テスト印刷手段による前記テスト画像の印刷結果を入力するテスト結果入力手段(例えば、図2の操作パネル68)と、該テスト結果入力手段により入力された前記印刷結果を、前記インクジェットヘッドにインクを供給する着脱自在なインクカートリッジ(例えば、図2のインクカートリッジ34)に取り付けられたICタグ(例えば、図2のICタグ34a)のインク組成メモリ(例えば、図2のメモリ34b)に、前記インクカートリッジ内のインクの組成の情報に含めて記憶させる印刷結果記憶手段(例えば、図8のステップS61)とをさらに備えており、前記判定手段(例えば、図5のステップS37)は、前記インク組成メモリに記憶された情報と前記廃液組成メモリに記憶された情報とから、前記インクカートリッジ内のインクと前記廃液タンク内のインクとの混合が前記警告パターンに該当するか否かを判定することを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項6の発明において、
前記組成記憶手段(例えば、図4のステップS23)は、前記判定手段が前記警告パターンに該当すると判定した組成の前記インクカートリッジ内のインクの情報に、該インクカートリッジ内のインクが前記警告パターンに該当する組成のインクであることを示す警報情報を含めて前記廃液組成メモリに記憶させ、
さらに、前記廃液タンクの廃棄時に前記廃液組成メモリから情報を読み出し、該読み出した情報が前記警報情報を含んでいる場合に、前記廃液タンク内に前記警告パターンに該当するインクが存在することを示す不具合情報を出力する不具合情報出力手段(例えば、図11のステップS73)を備えている、
ことを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項6及び請求項7の発明において、前記インクカートリッジ内の基準となる組成のインク(例えば、純正品のインク)との混合に不具合がある組成のインク(例えば、汎用品のインク)を登録した不具合情報のテーブルを記憶したテーブル記憶メモリ(例えば、図1の制御部10の不図示の内蔵メモリ)と、前記インクジェット記録装置への装着中に前記インク組成メモリから読み出された情報が示す組成のインクが、前記テーブル記憶メモリの前記テーブルに登録されている場合に、前記インクカートリッジ内のインクが前記基準となる組成のインクとの混合に不具合がある組成のインクであることを示す警報を出力する警報手段(例えば、図5のステップS38)とをさらに備えることを特徴とする。
また、請求項9の発明は、請求項8の発明において、
前記インクジェットヘッドにインクを供給する着脱自在なインクカートリッジ(例えば、図2のインクカートリッジ34)に取り付けられたICタグ(例えば、図2のICタグ34a)のインク組成メモリ(例えば、図2のメモリ34b)に、前記インクカートリッジ内のインクの組成の情報が記憶されており、
前記インクカートリッジ内の基準となる組成のインクとの混合に不具合がある組成のインクを登録した不具合情報のテーブルを記憶したテーブル記憶メモリ(例えば、図1の制御部10の不図示の内蔵メモリ)と、
前記インクジェット記録装置への装着中に前記インク組成メモリから読み出された情報が示す組成のインクが、前記テーブル記憶メモリの前記テーブルに登録されている場合に、前記インクカートリッジ内のインクが前記基準となる組成のインクとの混合に不具合がある組成のインクであることを示す警報情報を、前記インクカートリッジ内のインクの組成の情報に含めて前記インク組成メモリに記憶させる警報情報記憶手段(例えば、図8のステップS61)とをさらに備えており、
前記組成記憶手段(例えば、図4のステップS23)は、前記インクジェット記録装置への装着中に前記インク組成メモリから読み出された情報が前記警報情報を含んでいる場合に、該警報情報を含む前記インク組成メモリから読み出された情報を、前記クリーニング動作において前記インクジェットヘッドから吐出されたインクの組成の情報として前記廃液組成メモリに累積して記憶させ、
さらに、前記廃液タンクの廃棄時に前記廃液組成メモリから情報を読み出し、該読み出した情報が前記警報情報を含んでいる場合に、前記廃液タンク内に前記基準となる組成のインクとの混合に不具合があるインクが存在することを示す不具合情報を出力する不具合情報出力手段(例えば、図11のステップS73)を備えている、
ことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、インクジェット記録装置の廃液タンクを構成することもできる。その内容は、
画像が印刷される印刷用紙(例えば、図1の用紙9)にインクを吐出するインクジェット記録装置(例えば、図1のインクジェット記録装置1)において、インクジェットヘッド(例えば、図1のヘッドユニット21、22、23、24)のクリーニング動作の際に前記インクジェットヘッドから吐出されたインクが回収される廃液タンク(例えば、図2の廃液タンク63)であって、
前記廃液タンクに取り付けられ、前記クリーニング動作において前記インクジェットヘッドから吐出されたインクの組成の情報が前記廃液タンク内のインクの組成の情報として累積して記憶される廃液組成メモリ(例えば、図2のメモリ63b)を設けたICタグ(例えば、図2のICタグ63a)を備えている、
ことを特徴とするものである。
本発明によれば、廃液タンクに回収して廃棄するインクに対するユーザの適切な取り扱いと安全性の確保を図ることができる。
即ち、請求項1に記載した本発明によれば、純正品から汎用品又はその逆への変更や、汎用品から他の汎用品への変更によって、使用するインクの組成が変わった場合、廃液組成メモリに累積して記憶される廃液タンク内のインクの組成の情報として、変更前のインクの組成の情報に変更後のインクの組成の情報が加わる。
そして、例えば、廃液タンク内のインクが満タンになる等して出力条件が成立すると、その時点で廃液組成メモリに記憶された廃液タンク内のインクの組成の情報が、例えば、印刷用紙に印刷されたりディスプレイに表示される等して出力される。
したがって、廃液組成メモリの記憶内容によって、廃液タンクに回収されたインクの組成を各インクの種類毎に、廃液タンクを取り扱うユーザに把握させることができ、廃液タンクに回収して廃棄するインクに対するユーザの適切な取り扱いと安全性の確保を図ることができる。
また、第1変形例の発明によれば、廃液組成メモリが廃液タンクに付随するため、回収したインクを廃棄する廃棄業者等に廃液タンクを引き渡した後に、廃棄業者等の側で廃液組成メモリから記憶内容を読み出して廃液タンク内のインクの組成の情報を取得させることができる。
したがって、廃液組成メモリの記憶内容から、廃液タンクに回収されたインクの組成を廃液タンクを引き渡した廃棄業者等の側にも把握させることができ、廃液タンクに回収して廃棄するインクに対する廃棄業者等の適切な取り扱いと安全性の確保を図ることができる。
また、第2変形例の発明によれば、廃液タンク内のインクの組成の情報が印刷された印刷用紙を廃液タンクに付随させることができるため、回収したインクを廃棄する廃棄業者等に廃液タンクを引き渡した後に、廃棄業者等の側に廃液タンク内のインクの組成の情報を認識させることができる。
したがって、印刷用紙の印刷内容から、廃液タンクに回収されたインクの組成を廃液タンクを引き渡した廃棄業者等の側にも把握させることができ、廃液タンクに回収して廃棄するインクに対する廃棄業者等の適切な取り扱いと安全性の確保を図ることができる。
また、第3変形例の発明によれば、インクジェットヘッドのクリーニング動作においては、インクカートリッジから供給されるインクがインクジェットヘッドから吐出される。よって、クリーニング動作時にインクジェットヘッドから吐出されて廃棄タンクに回収されるインクの組成は、その時点で装着されているインクカートリッジのICタグのインク組成メモリに記憶された組成の情報の通りとなる。
このため、インクジェットヘッドのクリーニング動作の際にインク組成メモリから読み出されたインクカートリッジ内のインクの組成の情報は、クリーニング動作の際にインクジェットヘッドから吐出されるインク液滴の組成の情報と見倣すことができる。
したがって、インクジェットヘッドのクリーニング動作の際にインクジェットヘッドから吐出されたインクの組成の情報を、そのときにインクカートリッジのICタグのインク組成メモリから読み出されたインクの組成の情報から容易に取得し、廃液組成メモリに記憶させることができる。
また、請求項2の発明によれば、インクジェットヘッドのクリーニング動作の際にインクジェット記録装置に装着されているインクカートリッジ内のインクの組成の情報を、インク組成情報入力手段により入力することができる。
このため、インクカートリッジ内のインクの組成の情報を記憶させたインク組成メモリを含むICタグをインクカートリッジが有していなくても、クリーニング動作の際にインクジェットヘッドから吐出されたインクの組成の情報を廃液組成メモリに記憶させることができる。
また、請求項3の発明によれば、インクジェットヘッドに供給されるインクが、例えば、使用するインクの純正品から汎用品への切替等により変更されて、廃液タンクに既に回収されたインクとは組成が異なるインクが今後廃液タンクに回収され、既に回収されたインクと廃液タンク内で混合される場合に、その混合が警告パターンに該当するか否かを判定し、該当する場合はそれを報知することができる。
したがって、廃液タンク内で混合された変更前後のインクの成分同士の化学反応によって、取り扱いに注意を要する物質(液状、ガス状)が発生する可能性がある場合等に、警告パターンに該当するものとして報知し、インクの変更に対するユーザへの注意喚起等を行うことができる。
また、請求項4の発明によれば、インクジェットヘッドに供給されるインクを例えば純正品から汎用品に、あるいはその反対に、又は、異なる種類の汎用品同士で変更した場合に、クリーニング動作が行われてそれらのインクが廃棄タンク内で混合される前に、変更後のインクを用いてテスト画像が印刷されることになる。
このため、変更前後のインクを吐出したインクジェットヘッド上や変更後のインクを用いてテスト画像が印刷された印刷用紙上で、変更前後のインクの混合により警告パターンに該当するような不都合が発生するかどうかを確認し、インクを変更するかどうかを事前に判断することができる。
また、請求項5の発明によれば、テスト画像の印刷結果をテスト結果入力手段により入力すると、その内容に基づいて、変更後のインクを印刷やクリーニング動作のためにインクジェットヘッドから吐出させるインクとして使用してよいかどうかが判定され、使用不可と判定されると、インクジェットヘッドからのインクの吐出が禁止される。
このため、変更前後のインクの混合により警告パターンに該当するような不都合が発生するかどうかを印刷用紙上のテスト画像で確認した結果を、変更後のインクを印刷に使用するかどうかの判定に反映させて、インクを変更するかどうかの判断をより正確に行うことができる。
また、請求項6の発明によれば、テスト結果入力手段により入力されたテスト画像の印刷結果を考慮して、変更後のインクを廃液タンクに回収して既に回収済みのインクと混合すると警告パターンに該当するかどうかが判定される。
このため、変更後のインクの混合により警告パターンに該当するような不都合が発生するかどうかを印刷用紙上のテスト画像で確認した結果を、変更後のインクを印刷に使用するかどうかの判定に反映させて、インクを変更するかどうかの判断をより正確に行うことができる。
また、請求項7の発明によれば、テスト結果入力手段により入力されたテスト画像の印刷結果を考慮して、変更後のインクを廃液タンクに回収して既に回収済みのインクと混合した結果、廃液タンク内のインクが警告パターンに該当する状態となっているかどうかが判定される。
このため、変更後のインクの混合により警告パターンに該当するような不都合が廃液タンク内で発生するかどうかを印刷用紙上のテスト画像で確認した結果を、変更後のインクが廃液タンクに回収されて既に回収済みのインクと混合された状態で、廃液タンク内のインクが警告パターンに該当する状態となったかどうかの判定に反映させることができる。よって、廃液タンク内のインクの状態をより正確に判断することができる。
また、請求項8の発明によれば、インクジェットヘッドから吐出されるインクを変更すると、そのインクの組成が不具合情報のテーブルに登録されたインクの組成と一致するか否かが照合される。そして、照合の結果、一致すると、例えば純正品のインク等の基準となる組成のインクとの混合により不具合が発生する可能性のあるインクとの警報が出力される。
このため、変更後のインクが基準となる組成のインクとの混合により不具合を発生するかどうかを、変更後のインクがインクジェットヘッドから吐出される前に、言い換えると、吐出後に廃液タンクに回収されて基準となる組成のインクと混合される前に判定して、インクを変更するかどうかの判断をより正確に行うことができる。
また、請求項9の発明によれば、インクジェットヘッドから吐出されるインクを変更すると、そのインクの組成が不具合情報のテーブルに登録されたインクの組成と一致するか否かが照合される。そして、照合の結果、一致すると、インクジェットヘッドにインクを供給するインクカートリッジのICタグのインク組成メモリに、インクの組成の情報の一部として、基準となる組成のインクと混合すると不具合が発生する可能性があるインクであることを示す警報情報が記憶される。
このため、廃液タンクの廃棄時の廃液組成メモリには、インク組成メモリのインク組成情報に含まれる警報情報が記憶された状態となる。よって、廃棄時の廃液タンクに、基準となる組成のインクと混合すると不具合が発生する可能性があるインクが回収されていることを、廃液タンクから廃液のインクを取り出して確認しなくても認識することができる。これにより、廃液タンク内の廃液のインクの取り扱いに注意を要するかどうかを、廃液タンクの廃棄時に事前に認識することができる。
なお、上記目的を達成するために構成したインクジェット記録装置の廃液タンクの発明によれば、例えばインクを純正品から汎用品に変更した場合、廃液タンクのICタグに設けた廃液組成メモリに累積して記憶される廃液タンク内のインクの組成の情報が、純正品のインクの組成のみの情報から汎用品のインクの組成を加えた情報に変わる。
したがって、廃液組成メモリの記憶内容から廃液タンクに回収されたインクの組成をユーザに把握させることができ、廃液タンクに回収して廃棄するインクに対するユーザの適切な取り扱いと安全性の確保を図ることができる。
しかも、廃液組成メモリが廃液タンクに付随するため、回収したインクを廃棄する廃棄業者等に廃液タンクを引き渡した後に、廃棄業者等の側で廃液組成メモリから記憶内容を読み出して廃液タンク内のインクの組成の情報を取得させることができる。
したがって、廃液組成メモリの記憶内容から、廃液タンクに回収されたインクの組成を廃液タンクを引き渡した廃棄業者等の側にも把握させることができ、廃液タンクに回収して廃棄するインクに対する廃棄業者等の適切な取り扱いと安全性の確保を図ることができる。
(a),(b)は本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の概略の断面図であり、(a)は画像記録時の状態を示す図、(b)はクリーニング時の状態を示す図である。 図1のインクジェット記録装置のインク経路を模式的に示す説明図である。 図1の制御部の内蔵メモリに識別用の組成IDと共に記憶されるインクの組成を示す情報の一例を示す説明図であり、(a)は純正品のインクの組成情報を示す図、(b),(c)は汎用品のインクの組成情報を示す図である。 図1の制御部の制御により行われるラインヘッドのクリーニング動作におけるインクの回収に関する手順を示すフローチャートである。 図4のインク情報取得処理の手順を示すサブルーチンのフローチャートである。 図5のインク情報取得処理において操作パネルに表示される警告画面の説明図である。 図5のインク情報取得処理において操作パネルに表示されるインク組成情報入力指示画面の説明図である。 図4の混合防止処理の手順を示すサブルーチンのフローチャートである。 図8の混合防止処理において操作パネルに表示される不整合報知画面の説明である。 図8の混合防止処理において操作パネルに表示される印刷結果入力画面の説明図である。 図1の制御部の制御により行われるラインヘッドのクリーニング動作において回収したインクの廃棄に関する手順を示すフローチャートである。 図11の廃液情報の印刷の際に操作パネルに表示される廃液情報表示画面の説明図である。 図11の廃液情報の印刷によって用紙に印刷される純正品のインクのみの廃液情報の説明図である。 図11の廃液情報の印刷によって用紙に印刷される純正品と汎用品のインクを用いた場合の廃液情報の説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、図中、記録媒体の搬送方向をX軸方向又は副走査方向とし、この搬送方向と直交する方向をY軸方向又は主走査方向又は記録媒体の幅方向としている。また、X軸及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向又は上下方向とする。
図1(a),(b)は本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の概略の断面図である。図1(a)はインクジェット記録装置における画像記録時の状態を示し、図1(b)はインクジェット記録装置におけるクリーニング時の状態を示している。
図1(a)に示すようにインクジェット記録装置1は、主として給紙部2、搬送部3、画像形成部4、クリーニング部5、排紙部6及び制御部10で構成されている。
給紙部2は、給紙トレイ7に積載された用紙9をピックアップローラ8により1枚ずつピックアップし、搬送部3へと給送する。
搬送部3は、給紙部2により給送された用紙9をレジストローラ12により搬送ベルト16に搬送し、さらに、搬送ベルト16により用紙9を排紙部6側に搬送する。搬送ベルト16は、従動ローラ13、テンションローラ14及び駆動ローラ15に掛け渡された無端ベルトであり、搬送ベルト16の内側(下方)にはプラテン17が配置されている。
搬送ベルト16及びプラテン17には不図示の多数の孔が設けられており、搬送部3では、この孔を介して吸引ファン18が空気を吸引することで、用紙9が搬送ベルト16に吸着されて搬送される。
なお、搬送部3は、不図示の移動機構によって図1(a)に示す記録位置から図1(b)に示す退避位置まで移動する。用紙9に対する画像の印刷時に搬送部3は、図1(a)に示す記録位置に配置される。また、クリーニング部5が画像形成部4のクリーニング動作を行う際に搬送部3は、図1(b)に示す退避位置に配置される。
画像形成部4は、ヘッドユニット保持部25に保持されたK色(黒)、C色(シアン)、M色(マゼンタ)及びY色(イエロー)の4つのヘッドユニット21、22、23、24を有しており、搬送部3に対向して配置されている。
各ヘッドユニット21〜24は、用紙9の搬送方向と直交する方向に用紙9の記録領域幅以上の幅を有するラインヘッドである。各ヘッドユニット21〜24は、搬送部3が副走査方向に搬送する用紙9の主走査方向の全幅に亘って、不図示のノズルから各色のインク液滴を吐出させる。このインク液滴により用紙9に各色の画像が印刷される。
クリーニング部5は、各ヘッドユニット21〜24に対応するクリーニングユニット26a、26b、26c、26dを有している。各クリーニングユニット26a〜26dは、インクジェット記録装置1における周知の部材で構成されている。
具体的には、クリーニング部5は、例えば、各ヘッドユニット21〜24の不図示のノズル面を払拭するブレード部材や、各ヘッドユニット21〜24の不図示のノズルが吐出したインク液滴を吸引する吸引部材、ノズル面をキャッピングするキャップ部材などを有している。
用紙9に対する画像の印刷時に各クリーニングユニット26a〜26dは、図1(a)に示すように、対応する各ヘッドユニット21〜24のそれぞれ記録媒体搬送方向下流側に配置され、各ヘッドユニット21〜24のノズル面(図1(a)における下面)を搬送ベルト16側に露出させる。
また、各ヘッドユニット21〜24のノズル面のクリーニング動作時に各クリーニングユニット26a〜26dは、図1(b)に示すように、対応する各ヘッドユニット21〜24のノズル面と対向する位置(クリーニング位置)に配置される。
排紙部6は、画像形成部4によって画像形成された用紙9を排出ローラ対27で挟持し、排出トレイ28へと排出する。排出トレイ28は、排出された記録媒体を複数枚収容可能となっている。
次に、インクジェット記録装置1におけるインク経路の構成について説明する。図2は、インクジェット記録装置1のインク経路を模式的に示す説明図である。なお、図2では、K色、C色、M色及びY色の各ヘッドユニット21〜24に関わる4色のインクのうち、代表的に1色のインクに関わるインク経路を示している。したがって、図2に示す構成のインク経路は、K色、C色、M色及びY色の各色毎に独立して設けられる。
図2に示すように、インクジェット記録装置1のインク経路30は、大別すると、インク循環部31と、インク循環部31にインクを補充するための補充部32と、インク循環部31で不要となったインクやオーバーフローしたインクを収容する廃液部33と、少なくともクリーニング処理時にインク循環部31内の圧力を調整する圧力調整部57と、を備えている。
インク循環部31は、大別して、第1のインク経路44と第2のインク経路45に分けることができる。
第1のインク経路44は、画像形成部4よりも重力方向上方に配置された上部タンク38からインク分配器49及びラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)を経由して、画像形成部4よりも重力方向下方に配置された下部タンク39へ、重力(水頭差)によりインクが流れる経路である。
第2のインク経路45は、下部タンク39からポンプ41、熱交換器42、フィルタ43を経由して上部タンク38へ、ポンプ41の動力によりインクが流れる経路である。
熱交換器42は、インク循環部31内を流れるインクを加温、及び/又は、冷却して、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)のノズルからの吐出に適切な温度にインクを調温する。フィルタ43は、インク循環部31内を流れるインクから異物を除去してラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)に供給させ、ノズルの目詰まりを防止する。
下部タンク39には、補充部32のジョイント部36に供給口35を装着したインクカートリッジ34内のインクが、補給弁37を介して供給される。
なお、補充部32には当初、純正品のインクを充填したインクカートリッジ34が装着されているが、交換の際に、汎用品のインクを充填したインクカートリッジ34が補充部32に装着される場合もある。
純正品のインクを充填したインクカートリッジ34の表面には、ICタグ34aが取り付けられている。ICタグ34aはメモリ34bを内蔵しており、このメモリ34bには、インクカートリッジ34に充填されているのが純正品のインクであることを識別するための情報が記憶されている。この情報には、純正品のインクの組成を示す情報が含まれている。
純正品のインクを充填したインクカートリッジ34が補充部32に装着されると、メモリ34bに記憶されたインクの識別情報が補充部32のICタグリーダ32aによって読み出される。そして、読み出された識別情報により、補充部32に装着されたのが純正品のインクを充填したインクカートリッジ34であることが、インクジェット記録装置1の制御部10において判別される。
なお、汎用品のインクを充填したインクカートリッジ34にも、充填されているインクが汎用品であることを識別する情報を記憶したメモリ34bを有するICタグ34aが、表面に設けられている場合がある。この情報には、汎用品のインクの組成を示す情報が含まれている場合と含まれていない場合とがある。
汎用品のインクを充填したインクカートリッジ34が補充部32に装着された場合にも、ICタグリーダ32aによってICタグ34aのメモリ34bから読み出した識別情報により、補充部32に装着されたのが汎用品のインクを充填したインクカートリッジ34であることを、インクジェット記録装置1の制御部10で判別することができる。
上部タンク38と下部タンク39との各インク液面46,54上の空間は、上部タンク電磁弁53及び下部タンク電磁弁56をそれぞれ介して、オーバーフロータンク52に接続されている。オーバーフロータンク52は、常時、大気にさらされた状態のため、上部タンク電磁弁53及び下部タンク電磁弁56の開閉(開放/遮断)により上部タンク38内及び下部タンク39内をそれぞれ大気開放、又は密閉させることができる。
第2のインク経路45には、圧力調整部57のベローズ58が接続されている。ベローズ58は、ベローズ昇降機構61を下方に移動させると錘59の重さで伸長する。下部タンク39を密閉してベローズ58を伸長させると、インク液面55上の空間に負圧がかかり、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)のノズルにメニスカスが形成される。これにより、インク液滴を吐出させない時にノズルからインクが漏出するのを防止することができる。
また、各ヘッドユニット21〜24のノズル面のクリーニング動作時には、第1のインク経路44を、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)と下部タンク39との間で遮断し、上部タンク38を密閉してポンプ41を通常よりも強く駆動する。これにより、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)内のインクが加圧され、不図示のノズルからインクが吐出されるパージ動作が行われる。
なお、パージ動作によりノズルからインクが吐出されるクリーニング動作時には、図1(b)に示すように、各クリーニングユニット26a〜26dが対応する各ヘッドユニット21〜24の不図示のノズル面に対向して配置される。
図2に示す廃液部33は、タンクトレイ62と、廃液タンク63と、廃インク量検知部64と、タンク装着検知部65と、前述したオーバーフロータンク52とで構成される。
オーバーフロータンク52は、上述したように、上部タンク38及び下部タンク39の各インク液面46,54上の空間と接続されている。従って、装置の異常により上部タンク38や、下部タンク39からオーバーフローによりインクが溢れ出したとしても、漏れたインクをオーバーフロータンク52に収容させることができる。
また、オーバーフロータンク52は、チューブを介して廃液タンク63と接続されている。廃液タンク63は、タンクトレイ62上に配置され、タンクトレイ62に対して着脱可能となっている。
この廃液タンク63は、チューブを介して補充部32とも接続されている。これによりインクカートリッジ34の交換時に外部に漏れ出たインクは、チューブを介して廃液として廃液タンク63に送り出される。
さらに、廃液タンク63は、回収ポンプ66を介して各クリーニングユニット26a〜26dに接続されている。回収ポンプ66は、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)のクリーニング動作時に、制御部10の制御によって駆動される。回収ポンプ66が駆動されると、各クリーニングユニット26a〜26dが、対応する各ヘッドユニット21〜24の不図示のノズルからパージ動作により吐出されたインクを、廃液タンク63に吸引、回収する。
なお、回収ポンプ66の駆動時に、廃液タンク63や補充部32のインクカートリッジ34、あるいは、オーバーフロータンク52から各クリーニングユニット26a〜26dに向けたインクの逆流は、逆止弁67によって阻止される。
また、廃液タンク63をK色、C色、M色及びY色で共用する1つとし、廃液タンク63に各色のラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)からインクを回収するための構成を各色毎に設けてもよい。
タンクトレイ62には、廃液タンク63内に収容されたインク量を検知する廃インク量検知部64と、重量の検知や光学的な検知により廃液タンク63が装着されているか否かを検知するタンク装着検知部65が設けられている。そして、廃液タンク63内に所定量の廃液が溜まったことを廃インク量検知部64が検知すると、制御部10が、後述する操作パネル68を用いて、ユーザに交換を示唆する警報を報知する。
また、廃液タンク63の表面には、ICタグ63aが取り付けられており、このICタグ63aにはメモリ63bが内蔵されている。このメモリ63bには、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)のクリーニング動作においてラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)から廃液タンク63に回収したインクの組成を示す情報が書き込まれる。メモリ63bへの情報の書き込みは、タンクトレイ62のICタグリーダライタ62aによって行うことができる。
上述したインクジェット記録装置1では、定期的(インク循環開始前や所定の時間経過後)、又は用紙9への印刷枚数が一定数に達する毎に、制御部10の制御によって、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)のクリーニング動作(ノズルのパージ動作)が行われる。このため、廃液タンク63に回収したインクの組成を示す情報は、クリーニング動作が行われる毎にメモリ63bに追加して書き込まれる。
ところで、補充部32に装着されたインクカートリッジ34が交換の際に純正品のインクを充填したインクカートリッジ34から汎用品のインクを充填したインクカートリッジ34に変わると、クリーニング動作の際にラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)から吐出されて廃液タンク63に回収されるインクが純正品から汎用品に変わる。すると、インクカートリッジ34の交換前に回収された純正品のインクと交換後に回収された汎用品のインクとが廃液タンク63において混ざる。
ここで、汎用品のインクは一般的に、純正品のインクよりも原価が安い材料を用いて製造される。したがって、汎用品のインクの組成は純正品のインクの組成とは異なる。このため、純正品のインクと汎用品のインクとが廃液タンク63で混ざると、汎用品のインクの組成次第では、双方のインクの成分同士の化学反応によって、取り扱いに注意を要する物質(液状、ガス状)が発生する可能性がある。
そこで、本実施形態では、インクジェット記録装置1の制御部10が、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)のクリーニング動作を行う際に、ラインヘッド50から吐出されて廃液タンク63に回収されるインクの組成を確認し、必要に応じて警報の出力や試し印刷の確認出力を行うようにしている。
また、そのために制御部10は、補充部32に装着されたインクカートリッジ34に充填されたインクが純正品か汎用品かを識別する情報やインクの組成を示す情報を取得して、識別用に付与したIDと共に内蔵のメモリ(図示せず)に記憶し、管理するようにしている。
図3(a)は純正品のインクの組成情報の一例を示す説明図である。純正品のインクの組成情報は、インクカートリッジ34のICタグ34aのメモリ34bから読み出される。図3(a)に示す純正品の黒インクの例では、組成(石油系溶剤、カーボンブラック、脂肪酸エステル、高級アルコール、アクリルウレタンポリマー)、商品番号、重量パーセントが、非公開の項目を除いて定義されている。
なお、補充部32に装着されたインクカートリッジ34に充填されたインクが汎用品である場合、インクの組成を示す情報は、ICタグ34aのメモリ34bに記憶されていないこともある。その場合には、制御部10は、制御部10に接続されたタッチパネル式の操作パネル68の表示にしたがってインクの組成の情報をタッチ操作等により操作パネル68から入力させる。これにより、制御部10は、補充部32に装着されたインクカートリッジ34に充填されたインクの組成の情報を取得することができる。
図3(b)は汎用品のインクの組成情報の一例を示す説明図である。汎用品のインクの組成情報は、インクカートリッジ34のICタグ34aのメモリ34bから読み出されるか、あるいは、操作パネル68のタッチ操作でユーザにより入力される。図3(b)に示す汎用品の黒インクの例では、組成(石油系溶剤、カーボンブラック、脂肪酸エステル、低級アルコール)が定義されており、商品番号及び重量パーセントの項目は情報がなく不明と定義されている。
また、補充部32に装着されたインクカートリッジ34に充填されたインクが汎用品である場合、インクの組成を示す情報は、ICタグ34aのメモリ34bに記憶されておらず、かつ、操作パネル68のタッチ操作等によって入力されないことがある。その場合には、制御部10は、補充部32に装着されたインクカートリッジ34に充填されたインクの組成の情報を不明と定義する。
図3(c)は汎用品のインクの組成情報の他の例を示す説明図である。この例では、汎用品のインクの組成情報は記憶も入力もされない。このため、図3(c)に示す汎用品の黒インクの例では、組成、商品番号及び重量パーセントの全項目がいずれも、情報がなく不明と定義されている。
次に、制御部10の制御に基づいて本実施形態のインクジェット記録装置1において行われる、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)のクリーニング動作におけるインクの回収に関する手順について、図4のフローチャートを参照して説明する。
まず、制御部10は、補充部32にインクカートリッジ34が装着された状態で(ステップS1)、装着されたインクカートリッジ34に充填されたインクを識別するための情報を取得する処理を行う(ステップS3)。
ステップS3のインク情報取得処理では、図5のサブルーチンのフローチャートに示すように、まず、制御部10は、装着されたインクカートリッジ34に装填されたインクが純正品であるか否かを、そのことを示す情報をICタグリーダ32aが読み出せたか否かによって判別する(ステップS31)。
純正品であると判別された場合は(ステップS31でYES)、制御部10は、装着されたインクカートリッジ34に設けられたICタグ34aのメモリ34bから、純正品のインクの組成を示す情報をICタグリーダ32aによって読み出させる(ステップS33)。そして、制御部10は、ICタグリーダ32aが読み出した情報の示す組成の純正品のインクに、固有の組成ID(例:組成j)を付与し(ステップS35)、インク情報取得処理を終了する。
なお、制御部10に内蔵された不図示のメモリに組成IDと共に既に登録(記憶)されている純正品のインクの組成中に、ICタグリーダ32aが読み出した情報と同じ内容の組成が存在する場合は、それと同じ組成IDがステップS35で付与される。同じ内容の組成がメモリに登録(記憶)されていない場合は、新しく設定された組成IDがステップS35で付与される。この場合は、設定された組成IDとICタグリーダ32aが読み出した組成情報とが、制御部10の内蔵メモリに追加登録される。
一方、ステップS31において、装着されたインクカートリッジ34に装填されたインクが純正品でないと判定された場合(NO)は、制御部10は、ICタグリーダ32aが読み出した識別情報のインクに関する不具合情報が存在するか否かを確認する(ステップS37)。
この不具合情報は、純正品のインクと混ざると化学反応によって取り扱いに注意を要する物質(液状、ガス状)が発生する可能性がある汎用品のインクの組成を示す情報を、固有の組成IDと関連づけたテーブルとして、制御部10に内蔵されたメモリに記憶されている。
そして、不具合情報が存在する場合(ステップS37でYES)、制御部10は、図6に示す警告画面を操作パネル68に表示させて、純正品のインクとの混合により取り扱いに注意を要する物質が発生する「異常履歴」が過去にあったことをユーザに報知する(ステップS38)。
また、制御部10は、図6の警告画面中にある「使用する」のボタンがタッチ操作されたか否かによって、図5に示すように、ステップS37で不具合情報が存在すると判定したインクを印刷に使用するか否かを確認する(ステップS39)。
印刷に使用しない場合は(ステップS39でNO)、インク情報取得処理を終了する。一方、使用する場合は(ステップS39でYES)、制御部10は、ICタグリーダ32aが読み出した情報の示す組成の汎用品のインクに、制御部10に内蔵されたメモリに記憶された不具合情報においてその組成のインクに付与されている組成ID(例:組成g0)を付与し(ステップS40)、インク情報取得処理を終了する。
一方、ステップS37において、ICタグリーダ32aが読み出した識別情報のインクに関する不具合情報が存在しなかった場合(NO)は、制御部10は、図7に示すインク組成情報入力指示画面を操作パネル68に表示させて、図5に示すように、補充部32に装着されたインクカートリッジ34のインクの組成情報の入力を指示、要求する(ステップS41)。
そして、インクの組成情報の入力を終えた後に、インク組成情報入力指示画面中にある「確定」のボタンがタッチ操作されると(ステップS43)、入力された内容がインクの組成情報として確定されて処理がステップS45に進む。インク組成情報入力指示画面中の「キャンセル」のボタンがタッチ操作された場合は、入力された内容が全てインクの組成情報として確定しないままキャンセルされて、組成情報が入力されていない状態のまま処理がステップS45に進む。
なお、操作パネル68におけるインクの組成情報の入力は、インク組成情報入力指示画面に選択肢となる組成物名(インクの含有物名)を表示させて該当する組成物名の表示箇所をユーザにタッチ操作させる形式でもよい。あるいは、インク組成情報入力指示画面に表示させた不図示のキーのタッチ操作により組成物名を直接入力させる形式でもよく、入力方式に特に制約はない。
ステップS45では、制御部10は、ステップS43で入力されたインクの組成と同じ内容の組成が、内蔵の不図示のメモリに組成IDと共に既に情報が登録(記憶)されている汎用品のインクの組成中に存在するか否かを確認する。
同じ内容の組成の情報が制御部10の内蔵メモリに既に登録(記憶)されている場合は(ステップS45でYES)、制御部10は、既に登録されている組成と同じ組成ID(例:組成g1)を、補充部32に装着されたインクカートリッジ34のインクの組成IDとして付与し(ステップS48)、インク情報取得処理を終了する。
一方、同じ内容の組成の情報が制御部10の内蔵メモリに登録(記憶)されていない場合は(ステップS45でNO)、制御部10は、新しく設定された組成ID(例:組成g2)を、補充部32に装着されたインクカートリッジ34のインクの組成IDとして付与し、かつ、その組成IDと共にステップS43で入力されたインクの組成を制御部10の内蔵メモリに新規に登録し(ステップS49)、インク情報取得処理を終了する。
図4のフローチャートに戻って、ステップS3のインク情報取得処理に続いては、混合防止処理を行う(ステップS5)。
ステップS5の混合防止処理では、図8のサブルーチンのフローチャートに示すように、まず、制御部10は、インクカートリッジ34内のインクの組成を、制御部10の内蔵メモリに記憶された廃液情報中のインクの組成と比較する(ステップS51)。
ここで、制御部10の内蔵メモリに記憶された廃液情報は、後述するように、クリーニング動作時に廃液タンク63に回収したインクの合計量と内訳(組成ID)、及び、各インクの組成の内容を含んでいる。そして、ステップS51の比較では、廃液情報中の廃液タンク63に回収した各インクの組成が、インクカートリッジ34内のインクの組成と比較される。
なお、インクカートリッジ34内のインクの組成は、ステップS3のインク情報取得処理で取得した、図5のステップS35、ステップS48、ステップS49のいずれかで付与された組成IDと共に制御部10の内蔵メモリに登録したインクの組成の情報である。
そして、インクカートリッジ34内のインクの組成と制御部10の内蔵メモリに記憶された廃液情報中のインクの組成とが不整合であるか否かを確認し(ステップS53)、不整合でない(インクカートリッジ34内のインクの組成が、制御部10の内蔵メモリに記憶された廃液情報中のいずれかのインクの組成と同じ)場合は(ステップS53でNO)、混合防止処理を終了する。
また、インクカートリッジ34内のインクの組成と制御部10の内蔵メモリに記憶された廃液情報中のインクの組成とが同じでない(インクカートリッジ34内のインクの組成が、制御部10の内蔵メモリに記憶された廃液情報中の全てのインクの組成と同じでない、即ち、不整合である)場合は(ステップS53でYES)、制御部10は、図9の不整合報知画面を操作パネル68に表示させる(ステップS55)。
この不整合報知画面中にある「確認」のボタンがタッチ操作されると、制御部10は、インクカートリッジ34内の汎用品のインクを下部タンク39乃至上部タンク38を経てラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)に供給させ、このインクを用いて、予め定められたテストパターンを用紙9に印刷させる(ステップS57)。
そして、制御部10は、図10の印刷結果入力画面を操作パネル68に表示させて、テストパターン印刷を行った結果に関する印刷結果入力画面上での入力を受け付ける(ステップS59)。印刷結果入力画面上では、補充部32に装着されたインクカートリッジ34の汎用品のインクを、元々使用していた純正品のインクの代わりに使用することを許可するか不可とするかや、使用不可とする場合の原因(異臭がする、画像に白スジ、通紙JAM等)を、該当するボタンのタッチ操作等によって入力することができる。
印刷結果入力を受け付けると、制御部10は、補充部32に装着されたインクカートリッジ34の汎用品のインクの組成に関する情報を、インクカートリッジ34のICタグ34a(インクタグ)のメモリ34bに書き込ませて(ステップS61)、混合防止処理を終了する。
ここで、制御部10は、純正品のインクとの混合に不具合がある組成のインクであることを示す警報情報を、インクカートリッジ34の汎用品のインクの組成に関する情報に含めてメモリ34bに書き込ませる場合がある。警報情報を含める場合とは、例えば、ステップS59で入力を受け付けた印刷結果が、純正品のインクとの混合により取り扱いに注意を要する物質(液状、ガス状)が発生する可能性(不具合)があることを示す内容を含む場合である。この場合に制御部10は、内蔵メモリの不具合情報のテーブルを、このインクの組成を含む内容に更新する。
また、警報情報を含める場合の例としては、他には、インクカートリッジ34内のインクの組成が、制御部10の内蔵メモリに記憶された不具合情報のテーブルに登録されている場合がある。
さらに、ステップS59で入力を受け付けた印刷結果が、補充部32に装着されたインクカートリッジ34の汎用品のインクの使用の可否を示す内容を含む場合は、使用が許可されたか不可とされたかを、インクカートリッジ34の汎用品のインクの組成に関する情報に含めてメモリ34bに書き込ませる。
図4のフローチャートに戻って、ステップS5の混合防止処理に続いて、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)のクリーニング動作が途中で行われるような印刷ジョブの入力に伴って印刷処理が開始されると(ステップS7)、補充部32に装着されたインクカートリッジ34のインクが純正品であるか否かが確認される(ステップS9)。
なお、ステップS7においては、補充部32に装着されたインクカートリッジ34のICタグ34a(インクタグ)のメモリ34bに、そのインクカートリッジ34内のインクを「使用不可」とする情報が書き込まれているか否かが確認される。「使用不可」の情報が書き込まれていなければ、印刷ジョブの入力に伴って制御部10の制御により印刷処理が開始される。「使用不可」の情報が書き込まれていれば、印刷ジョブが入力しても印刷処理の開始が制御部10によって禁止される。
補充部32に装着されたインクカートリッジ34のインクが純正品であるか否かの確認は、ステップS3で取得した最新のインクの識別情報に基づいて行うことができる。そして、純正品である場合は(ステップS9でYES)、制御部10は、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)のクリーニング動作において、不図示のノズルからパージ動作により吐出されたインクの量(パージ量)を、廃液タンク63に回収した純正品のインクの量として積算する(ステップS11a)。
そして、制御部10は、印刷処理が終了したか否かを確認し(ステップS11b)、終了していない場合は(ステップS11bでNO)、ステップS11aにリターンする。これにより、印刷処理中にクリーニング動作が行われるたびに、そのクリーニング動作で廃液タンク63に回収した純正品のインクの量を積算することができる。また、印刷処理が終了した場合は(ステップS11bでYES)、後述するステップS21に移行する。
また、ステップS9の確認の結果、補充部32に装着されたインクカートリッジ34のインクが純正品でない場合は、制御部10は、ステップS3で取得した最新のインクの識別情報で示される汎用品の組成ID毎に、クリーニング動作におけるインクのパージ量を、廃液タンク63に回収した各組成IDの汎用品のインクの量として積算する(ステップS13a〜1Na)。
そして、制御部10は、印刷処理が終了したか否かを確認し(ステップS13b〜1Nb)、終了していない場合は(ステップS13b〜1NbでNO)、ステップS13a〜1Naにリターンする。これにより、印刷処理中にクリーニング動作が行われるたびに、そのクリーニング動作で廃液タンク63に回収した汎用品のインクの量を、組成ID毎に積算することができる。また、印刷処理が終了した場合は(ステップS113b〜1NbでYES)、後述するステップS21に移行する。
ステップS21では、ステップS11a〜1Naでそれぞれ積算した廃液タンク63に回収した純正品や各組成IDの汎用品のインクの合計量を計算する。そして、制御部10は、計算した回収インクの合計量と、回収したインクの内訳(組成ID)及び各インクの組成の内容とを、制御部10の内蔵メモリに廃液情報として上書き記憶させて(ステップS23)、一連の処理を終了する。
なお、廃液タンク63に回収したインクに、制御部10の内蔵メモリに記憶された不具合情報のテーブルに登録された汎用品のインクが含まれている場合は、ステップS23において、不具合情報のテーブルに登録されたインクを特定する警報情報も、廃液情報に含めて制御部10の内蔵メモリに記憶させる。
次に、制御部10の制御に基づいて本実施形態のインクジェット記録装置1において行われる、クリーニング動作においてラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)から廃液タンク63に回収したインクの廃棄に関する手順について、図11のフローチャートを参照して説明する。
まず、制御部10は、廃液タンク63が回収したインク(廃液)で満タンであるかどうかを確認する(ステップS71)。廃液タンク63が満タンであるかどうかは、廃インク量検知部64の検知結果によって認識するものとしてもよく、図4のステップS21で計算する回収インクの合計量によって認識するものとしてもよい。
廃液タンク63が満タンでない場合は(ステップS71でNO)、一連の処理を終了し、満タンである場合は(ステップS71でYES)、制御部10は、内蔵メモリに記憶された廃液情報を出力すると共に(ステップS73)、廃液情報をタンクトレイ62のICタグリーダライタ62aによって、廃液タンク63のICタグ63aのメモリ63bに書き込んだ後(ステップS75)、一連の処理を終了する。
なお、ステップS73で行う廃液情報の出力は、例えば、廃液情報を画像形成部4で用紙9に印刷する形態を含むものとすることができる。そして、本実施形態のインクジェット記録装置1では、ステップS73の廃液情報の用紙9への印刷は、制御部10が操作パネル68に表示させた図12の廃液情報表示画面上で、廃液情報の内容を確認したユーザにより画面上の「印刷」のボタンがタッチ操作されることで行われる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置1では、図12の廃液情報表示画面上に表示される廃液情報の内容は、MSDS(Material Safety Data Sheet、化学物質等安全データシート)のフォーマットに準拠した内容としている。但し、廃液情報の内容がこのフォーマットに限定される訳ではない。
そして、本実施形態のインクジェット記録装置1では、ステップS73で用紙9に印刷する廃液情報のフォーマットを、図12の廃液情報表示画面上に表示される廃液情報を加工して、図13及び図14に示すフォーマットとしている。図13は、純正品のインクのみの場合、図14は純正品と汎用品のインクを用いた場合をそれぞれ示している。
なお、純正品のインクのみの廃液情報は、インクカートリッジ34のICタグ34aのメモリ34bから図3(a)の組成情報が読み出されるので、この組成情報に基づいて生成される。
具体的には、純正品のインクのみの廃液情報では、図13に示すように、K色、C色、M色、Y色の各色のインク毎に、回収インク量、組成(石油系溶剤、カーボンブラック(黒のみ)、顔料(黒以外)、脂肪酸エステル、高級アルコール、アクリルウレタンポリマー(黒のみ)、高分子アミド(黒以外))、商品番号、重量パーセントが、非公開の項目を除いて定義されている。
一方、純正品と汎用品のインクを用いている廃液情報は、インクカートリッジ34のICタグ34aのメモリ34bから図3(b)の組成情報が読み出されるか、あるいは、操作パネル68からユーザにより図3(b)の組成情報が入力されると、それらに基づいて生成される。それらの何れも存在しない場合は、廃液情報における組成の情報は省略される。
図14では、K色のインクが汎用品(黒1)から種類の異なる他の汎用品(黒2)に変更され、他のC色、M色、Y色のインクについては純正品が使用された場合の例を示している。
ここで、汎用品を用いた2種類のK色(黒1、黒2)とY色の各色のインクの組成情報については、図3(c)のように、詳細な情報が得られていないものとする。また、純正品を用いたC色とM色のインクについては、各色のインクカートリッジ34のICタグ34aのメモリ34bから組成情報が読み出されて、図3(b)のような詳細な情報が各色毎に得られている。
そして、2種類のK色(黒1、黒2)とY色に汎用品のインクを用いた廃液情報では、図14に示すように、純正品を用いたC色、M色の各色のインクについては、回収インク量、組成(石油系溶剤、顔料、脂肪酸エステル、高級アルコール、高分子アミド)、商品番号、重量パーセントが、非公開の項目や、組成情報がない黒1、黒2、イエローの各色を除いて定義されている。また、汎用品を用いた2種類のK色(黒1、黒2)、Y色の各色のインクについては、回収インク量だけが定義されている。
なお、図13及び図14では、K色、C色、M色及びY色の廃液情報を1つのフォーマットにまとめた例を示しているが、各色の廃液情報を個別の用紙9に印刷するフォーマットとしてもよい。
また、用紙9に印刷する廃液情報に不具合情報を含めてもよい。この不具合情報は、制御部10の内蔵メモリに記憶させた廃液情報中の警報情報、即ち、純正品のインクとの混合により取り扱いに注意を要する物質(液状、ガス状)が発生する可能性(不具合)がある汎用品のインクの情報に基づいて、生成することができる。そして、不具合情報は、例えば、廃液タンク63内のインクに、純正品のインクと混合することに不具合がある汎用品のインクが含まれているため、液漏れ等が起こらないよう取り扱いに注意を要する、といった類いの、注意喚起の情報とすることができる。
また、ステップS73で行う廃液情報の出力は、廃液情報の用紙9への印刷の他にも、例えば、図12の廃液情報表示画面上において、上述した不具合情報を含む廃液情報を操作パネル68に表示させる形態を含むものとすることができる。
このように、不具合情報を含む廃液情報を出力することで、廃液タンク63を廃棄する際にその作業を行う人員に、廃液タンク63内の廃液のインクに対する取り扱いに注意が必要かどうかを、事前に認識させることができる。
以上に説明したように、本実施形態のインクジェット記録装置1では、補充部32に装着されたインクカートリッジ34が、純正品のインクを充填したものと汎用品のインクを充填したものとの相互間で、あるいは、種類が異なる汎用品のインクを充填したもの同士で変更されると、廃液タンク63に回収したインクの組成を示す情報が、例え詳細が不明であっても、変更後のインクの組成情報を含んだものに常に累積更新されて、制御部10の内蔵メモリに記憶される。
そして、廃液タンク63が回収したインクで満タンになると、それまでに累積更新した、廃液タンク63に回収したインクの組成の情報が、廃液タンク63のICタグ63aのメモリ63bに廃液情報として書き込まれる。
このため、廃液タンク63を廃棄する際に、ICタグ63aのメモリ63bに書き込まれた廃液情報によって、廃液タンク63に回収したインクを廃棄する側にその組成の情報を容易に把握させ、廃液タンク63に回収して廃棄するインクに対する廃棄業者等の適切な取り扱いと安全性の確保を図ることができる。
また、廃液タンク63を廃棄する際に、廃液タンク63に回収したインクの組成の情報が廃液情報として用紙9に印刷されるので、例えば、印刷した用紙9を廃液タンク63に添付することができる。これにより、ICタグ63aのメモリ63bに書き込まれた廃液情報と同じく、廃液タンク63に回収したインクを廃棄する側にその組成の情報を容易に把握させ、廃液タンク63に回収して廃棄するインクに対する廃棄業者等の適切な取り扱いと安全性の確保を図ることができる。
なお、廃液情報を印刷した用紙9によって、廃液タンク63に回収したインクを廃棄する側にその組成の情報を認識させる場合は、廃液タンク63を廃棄する際にICタグ63aのメモリ63bに廃液情報を書き込む構成が省略可能となる。そのように構成しても、制御部10の内蔵メモリに廃液情報を記憶させておくことで、廃液タンク63を廃棄する際に廃液情報を用紙9に印刷させることができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置1では、補充部32に装着されたインクカートリッジ34に充填されたインクの組成情報がインクカートリッジ34のICタグ34aのメモリ34bに記憶されている場合に、これを読み出して、制御部10の内蔵メモリや廃液タンク63のICタグ63aのメモリ63bに記憶させる廃液情報を生成する構成とした。
このため、クリーニング動作に伴いラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)から吐出されて廃液タンク63に回収されるインクの廃液情報を、インクカートリッジ34のメモリ34bに記憶された組成情報から容易に取得することができる。
一方、インクカートリッジ34のインクの組成情報がインクカートリッジ34のメモリ34bに記憶されていなくても、操作パネル68のタッチ操作によってユーザにインクの組成情報を入力させて制御部10の内蔵メモリに記憶させ、廃液タンク63に回収されたインクの廃液情報として取得させることができる。
さらに、本実施形態のインクジェット記録装置1では、インクカートリッジ34からラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)に供給されるインクを例えば純正品から汎用品に、あるいはその反対に、又は、異なる種類の汎用品同士で変更した場合に、クリーニング動作を行ってそれらのインクが廃棄タンク63内で混合される前に、変更後のインクを用いてテスト画像を用紙9に印刷できる構成とした。
このため、変更前後のインクを吐出したラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)や変更後のインクを用いてテスト画像が印刷された用紙9上で、変更前後のインクの混合により、取り扱いに注意を要する物質(液状、ガス状)が発生する等の警告パターンに該当するような不都合が発生するかどうかを確認し、インクを変更するかどうかを事前に判断することができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置1では、印刷やラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)のクリーニング動作が行われる前に、充填部32に装着されたインクカートリッジ34の汎用品のインクが純正品のインクや廃液タンク63内の回収済みのインクとの混合により不具合を生じないかどうかが確認される。そして、不具合が生じる場合はその旨が報知される。
このため、充填部32に装着されたインクカートリッジ34の汎用品のインクを印刷に使用するかどうかの判断を、使用する前の段階で事前に行うことができる。
さらに、本実施形態のインクジェット記録装置1では、廃液タンク63内の回収済みのインクに、純正品のインクや先に回収された廃液タンク63内の他のインクとの混合により不具合を生じるインクが含まれている場合に、その旨が廃液タンク63の廃棄時に報知される。
このため、廃液タンク63を廃棄する際に、不具合情報を含む廃液情報を出力することで、他のインクとの混合により不具合が発生する可能性のあるインクが廃液タンク63内に回収されており廃液タンク63の取り扱いに注意が必要なことを、廃液タンク63の廃棄作業を行う人員に、廃棄作業の前に認識させることができる。
なお、上述した実施形態では、ラインヘッドを用いたライン型のインクジェット記録装置1を例に取って説明したが、本発明は、インクジェットヘッドを印刷用紙に対して走査しながら画像を印刷するシリアル型のインクジェット記録装置にも適用可能である。
1 インクジェット記録装置
2 給紙部
3 搬送部
4 画像形成部
5 クリーニング部
6 排紙部
7 給紙トレイ
8 ピックアップローラ
9 用紙
10 制御部
12 レジストローラ
13 従動ローラ
14 テンションローラ
15 駆動ローラ
16 搬送ベルト
17 プラテン
18 吸引ファン
21 K色ヘッドユニット
22 C色ヘッドユニット
23 M色ヘッドユニット
24 Y色ヘッドユニット
25 ヘッドユニット保持部
26a,26b,26c,26d クリーニングユニット
27 排出ローラ対
28 排出トレイ
30 インク経路
31 インク循環部
32 補充部
32a タグリーダ
33 廃液部
34 インクカートリッジ
34a,63a ICタグ
34b,63b メモリ
35 供給口
36 ジョイント部
37 補給弁
38 上部タンク
39 下部タンク
41 ポンプ
42 熱交換器
43 フィルタ
44 第1のインク経路
45 第2のインク経路
46,54,55 インク液面
48 液面検出部
50 ラインヘッド
52 オーバーフロータンク
53 上部タンク電磁弁
56 下部タンク電磁弁
57 圧力調整部
58 ベローズ
59 錘
61 ベローズ昇降機構
62 タンクトレイ
62a タグリーダライタ
63 廃液タンク
64 廃インク量検知部
65 タンク装着検知部
66 回収ポンプ
67 逆止弁
68 操作パネル

Claims (9)

  1. インクジェットヘッドから吐出されたインクにより印刷用紙に画像を印刷するインクジェット記録装置において、
    前記インクジェットヘッドのクリーニング動作において該インクジェットヘッドから吐出されたインクが回収される着脱自在な廃液タンクと、
    前記クリーニング動作において前記インクジェットヘッドから吐出されるインクの組成の情報を、前記廃液タンク内のインクの組成の情報として廃液組成メモリに累積して記憶させる組成記憶手段と、
    前記廃液組成メモリに記憶された前記廃液タンク内のインクの組成の情報を、出力条件の成立に伴い出力する組成情報出力手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記インクジェットヘッドにインクを供給する着脱自在なインクカートリッジ内のインクの組成の情報を入力するインク組成情報入力手段とをさらに備えており、前記組成記憶手段は、前記インク組成情報入力手段により入力された情報を、前記クリーニング動作において前記インクジェットヘッドから吐出されたインクの組成の情報として前記廃液組成メモリに累積して記憶させることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記廃液組成メモリに記憶された情報と、前記インクジェットヘッドから吐出されるインクの組成の情報とから、前記廃液タンク内のインクと前記インクジェットヘッドから吐出されるインクとの混合が警告パターンに該当するか否かを判定する判定手段と、該判定手段が前記警告パターンに該当すると判定した場合に、前記クリーニング動作の実行前に前記両インクの混合が前記警告パターンに該当することを報知する報知手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記判定手段が前記警告パターンに該当すると判定した場合に、前記クリーニング動作の実行前に前記インクジェットヘッドから吐出されるインクにより前記印刷用紙にテスト画像を印刷させるテスト印刷手段をさらに備えることを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記テスト印刷手段による前記テスト画像の印刷結果を入力するテスト結果入力手段と、該テスト結果入力手段により入力された前記印刷結果に基づいて、前記インクジェットヘッドから吐出されるインクの使用可否を判定する使用可否判定手段と、該使用可否判定手段が使用不可と判定したインクの前記インクジェットヘッドからの吐出を禁止する禁止手段とをさらに備えることを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記テスト印刷手段による前記テスト画像の印刷結果を入力するテスト結果入力手段と、該テスト結果入力手段により入力された前記印刷結果を、前記インクジェットヘッドにインクを供給する着脱自在なインクカートリッジに取り付けられたICタグのインク組成メモリに、前記インクカートリッジ内のインクの組成の情報に含めて記憶させる印刷結果記憶手段とをさらに備えており、前記判定手段は、前記インク組成メモリに記憶された情報と前記廃液組成メモリに記憶された情報とから、前記インクカートリッジ内のインクと前記廃液タンク内のインクとの混合が前記警告パターンに該当するか否かを判定することを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記組成記憶手段は、前記判定手段が前記警告パターンに該当すると判定した組成の前記インクカートリッジ内のインクの情報に、該インクカートリッジ内のインクが前記警告パターンに該当する組成のインクであることを示す警報情報を含めて前記廃液組成メモリに記憶させ、
    さらに、前記廃液タンクの廃棄時に前記廃液組成メモリから情報を読み出し、該読み出した情報が前記警報情報を含んでいる場合に、前記廃液タンク内に前記警告パターンに該当するインクが存在することを示す不具合情報を出力する不具合情報出力手段を備えている、
    ことを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記インクジェット記録装置に基準として用いられる組成のインクとの混合に不具合がある組成のインクを登録した不具合情報のテーブルを記憶したテーブル記憶メモリと、前記インクジェット記録装置への装着中に前記インク組成メモリから読み出された情報が示す組成のインクが、前記テーブル記憶メモリの前記テーブルに登録されている場合に、前記インクカートリッジ内のインクが前記基準となる組成のインクとの混合に不具合がある組成のインクであることを報知する警報を出力する警報手段とをさらに備えることを特徴とする請求項6又は7記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記インクジェットヘッドにインクを供給する着脱自在なインクカートリッジに取り付けられたICタグのインク組成メモリに、前記インクカートリッジ内のインクの組成の情報が記憶されており、
    前記インクジェット記録装置に基準として用いられる組成のインクとの混合に不具合がある組成のインクを登録した不具合情報のテーブルを記憶したテーブル記憶メモリと、
    前記インクジェット記録装置への装着中に前記インク組成メモリから読み出された情報が示す組成のインクが、前記テーブル記憶メモリの前記テーブルに登録されている場合に、前記インクカートリッジ内のインクが前記基準となる組成のインクとの混合に不具合がある組成のインクであることを示す警報情報を、前記インクカートリッジ内のインクの組成の情報に含めて前記インク組成メモリに記憶させる警報情報記憶手段とをさらに備えており、
    前記組成記憶手段は、前記インクジェット記録装置への装着中に前記インク組成メモリから読み出された情報が前記警報情報を含んでいる場合に、該警報情報を含む前記インク組成メモリから読み出された情報を、前記クリーニング動作において前記インクジェットヘッドから吐出されたインクの組成の情報として前記廃液組成メモリに累積して記憶させ、
    さらに、前記廃液タンクの廃棄時に前記廃液組成メモリから情報を読み出し、該読み出した情報が前記警報情報を含んでいる場合に、前記廃液タンク内に前記基準となる組成のインクとの混合に不具合があるインクが存在することを示す不具合情報を出力する不具合情報出力手段を備えている、
    ことを特徴とする請求項8記載のインクジェット記録装置。
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