JP6435225B2 - 印刷装置の消耗品情報通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、消耗品及び消耗品情報を記憶した記憶手段を備える消耗品ユニットと消耗品ユニットがセットされた印刷装置との間で消耗品情報を通信する印刷装置の消耗品情報通信システムに関する。
例えば、インクジェット記録装置や孔版印刷装置等の印刷装置では、使用するインクや孔版原紙等の消耗品の特性を前もって想定し、想定した特性に合わせて装置の動作を最適化している。
そこで、消耗品が交換される際に、消耗品の容器に取り付けたICタグから情報を読み取り、読み取った情報から、自装置で使用するのに適した適合品であるか否かを確認する提案が存在する。この提案では、不適合品であると確認した場合に、装置の動作を消耗品の特性に合わせて最適化するために、消耗品の特性を特定できる情報の入力をユーザに求めるようにしている(以上、例えば特許文献1)。
特開2004−255585号公報
上述した不適合品については、消耗品の特性を特定できる情報を入力する負担からユーザを解放するために、適合品のICタグと同じ情報を不適合品のICタグに記憶させておく等して、交換時に適合品と確認されるようにすることが考えられる。
しかし、消耗品が不適合品に交換された際に、消耗品の特性を特定して装置の動作を最適化することができないまま消耗品が使用され続けると、やがて、インクの目詰まりや孔版原紙の穿孔不良、サーマルヘッドの故障等の不測の不具合が発生する可能性がある。このため、印刷品質や装置故障防止を重視する場合に、自装置での使用に適した適合品であると確認できない消耗品については、消耗品の特性を特定できる情報の入力を要求することが重要となる。
本発明は前記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、自装置での使用に適した適合品であると確認できない消耗品について、消耗品の特性を特定できる情報の入力を要求することができる印刷装置の消耗品情報通信システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様による印刷装置の消耗品情報通信システムは、
消耗品(例えば、図2のインク循環部31を循環するインク)及び消耗品情報(例えば、図3のインク情報)を記憶する記憶手段(例えば、図2の記憶部34b)を備えた消耗品ユニット(例えば、図2のインクカートリッジ34)が印刷装置(例えば、図1のインクジェット記録装置1)にセットされた場合に、前記消耗品情報を用いて前記印刷装置の印刷動作を制御するために前記消耗品ユニットと前記印刷装置との間で前記消耗品情報の通信を行う印刷装置の消耗品情報通信システムであって、
所定の通信イベント(例えば、図5のステップS1でYES、ステップS3でYES及びステップS5でYES)が発生する度に、前記消耗品ユニットと前記印刷装置との間で複数の共振周波数を用いた通信の可否を判定する判定手段(例えば、図2の制御部10、図5のステップS13及びステップS15、図6のステップS33)と、
前記判定手段の判定結果が複数の共振周波数を用いた通信が全て可のときに(図5のステップS17でYES、図6のステップS35でYES)、前記複数の共振周波数のいずれかを使用した前記印刷装置と前記消耗品ユニットとの通信により、前記記憶手段から消耗品情報を取得する取得手段(例えば、図2の制御部10、図5のステップS19、図6のステップS37)と、
前記判定手段の判定結果が複数の共振周波数のうち少なくとも一部の共振周波数を用いた通信が不可のときに、前記セットされた消耗品を用いて前記印刷装置を正常に動作させるための消耗品情報の入力を要求する入力要求手段(例えば、図2の制御部10、図5のステップS21、図6のステップS39)と、
を備えることを特徴とする。
また、本発明の第2の態様による印刷装置の消耗品情報通信システムは、本発明の第1の態様による印刷装置の消耗品情報通信システムにおいて、
前記消耗品ユニットと前記印刷装置との間隔を変更可能な距離変更手段(例えば、図2のアクチュエータ32b)と、
前記消耗品ユニットと前記印刷装置との間隔を一定の距離に固定して前記消耗品ユニットと前記印刷装置との間で前記複数の共振周波数を用いた通信の可否を判定する距離固定判定手段(例えば、図2の制御部10、図5のステップS13)と、
前記距離変更手段により消耗品ユニットと前記印刷装置との間隔を複数の距離に変更しつつ各距離において前記消耗品ユニットと前記印刷装置との間で前記複数の共振周波数を用いた通信の可否を判定する距離変更判定手段(例えば、図2の制御部10、図5のステップS15)とをさらに備えており、
前記判定手段は、前記距離固定判定手段による判定結果と前記距離変更判定手段による判定結果とのうち少なくとも一方に基づいて前記判定を行う、
ことを特徴とする。
さらに、本発明の第3の態様による印刷装置の消耗品情報通信システムは、本発明の第2の態様による印刷装置の消耗品情報通信システムにおいて、前記印刷装置にセットされた消耗品ユニットの交換を検出する交換検出手段(例えば、図2の制御部10、図5のステップS7、図6のステップS27)をさらに備えており、
前記所定の通信イベントは、前記印刷装置の電源投入及び前記交換検出手段による交換検出(例えば、図5のステップS1及びステップS7、図6のステップS27)を含んでおり、
前記判定手段は、前記交換検出手段による交換検出タイミング(図6のステップS27)又は前記交換検出手段による交換検出後の最初の前記電源投入の際(図5のステップS1がYESでかつステップS7がYES)に、前記距離固定判定手段による判定結果と前記距離変更判定手段による判定結果とに基づいて前記判定を行う(例えば、図5のステップS13及びステップS15)、
ことを特徴とする。
本発明によれば、自装置での使用に適した適合品であると確認できない消耗品について、消耗品の特性を特定できる情報の入力を要求することができる。
即ち、本発明の第1の態様による印刷装置の消耗品情報通信システムによれば、消耗品ユニットがセットされると、取得イベントが発生する毎に、消耗品ユニットと印刷装置との間で複数の共振周波数を用いた通信の可否が判定手段によって判定される。即ち、印刷装置側で用いる共振用信号の周波数を変えた場合に消耗品ユニット側で電磁結合に基づく共振現象が発生し、例えば、印刷装置側と通信可能になるのに十分な電力が消耗品ユニット側に発生して、両者間で通信が行えるようになったか否かが、判定手段によって判定される。
その結果、全ての共振周波数を用いて通信可能であるとの判定結果が得られると、通信可能と判定された共振周波数のいずれかを使用した通信により、消耗品ユニットの記憶手段の消耗品情報が印刷装置に取得される。
また、複数の周波数のうち少なくとも一部の共振周波数を用いると通信不可であるとの判定結果が得られると、セットされた消耗品ユニットの消耗品を用いて印刷装置を正常に動作させるための消耗品情報の入力が入力要求手段により要求される。
したがって、例えば、印刷品質や装置故障防止を重視する場合に、自装置での使用に適した適合品であると確認できない消耗品ユニットがセットされた際、消耗品の特性を特定できる消耗品情報の入力を要求することができる。
また、本発明の第2の態様による印刷装置の消耗品情報通信システムによれば、本発明の第1の態様による印刷装置の消耗品情報通信システムにおいて、消耗品ユニットと印刷装置との間隔が距離変更手段によって変更可能である場合は、距離固定判定手段によって、消耗品ユニットと印刷装置との間隔を一定の距離に固定して複数の共振周波数を用いた通信の可否が判定される。
これと共に、距離変更判定手段によって、消耗品ユニットと印刷装置との間隔を複数の距離に変更しつつ各距離において複数の共振周波数を用いた通信の可否がそれぞれ判定される。そして、距離固定判定手段の判定結果と距離変更判定手段の判定結果とのうち、少なくとも一方の判定結果に基づいて、消耗品ユニットと印刷装置との間における複数の共振周波数を用いた通信の可否が判定手段により判定される。
このため、消耗品ユニットと印刷装置との間隔を固定した簡便な判定と間隔を変更させた詳細な判定とを使い分けて、複数の共振周波数を用いた通信の可否を状況に応じた内容で判定することができる。
さらに、本発明の第3の態様による印刷装置の消耗品情報通信システムによれば、本発明の第2の態様による印刷装置の消耗品情報通信システムにおいて、消耗品ユニットが交換された後に電源オフの印刷装置が電源オンされた際に、又は、電源オン中に消耗品ユニットが交換された際に、距離固定判定手段による判定結果と距離変更判定手段による判定結果とを両方用いて、複数の共振周波数を用いた通信の可否を判定手段が判定する。このため、消耗品ユニットが交換された直後に判定手段が行う判定結果の信頼性を高めることができる。
本発明の一実施形態に係る消耗品情報通信システムが搭載されるインクジェット記録装置の概略構成を示す説明図である。 図1のインクジェット記録装置のインク経路を模式的に示す説明図である。 図2のインクカートリッジのICチップのメモリに記憶されるインクのインク情報の一例を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る消耗品情報通信システムを構成する、図2のインクジェット記録装置の補充部に挿入(セット)されたインクカートリッジのICタグと本体側リーダライタ部とのインク情報の通信に関わる部分の概略構成を示す説明図である。 図1の制御部の制御により行われる図4のインクカートリッジのICタグのメモリから補充部のICタグリーダライタがインク情報を読み出す際の手順を示すフローチャートである。 図1の制御部の制御により行われる図4のインクカートリッジのICタグのメモリから補充部のICタグリーダライタがインク情報を読み出す際の手順を示すフローチャートである。 図5の通信判定及び認証処理(1)の手順を示すフローチャートである。 図5の通信判定及び認証処理(2)の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る印刷装置の消耗品情報通信システムの実施形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
なお、以下の説明において、図中、用紙の搬送方向をX軸方向又は副走査方向とし、この搬送方向と直交する方向をY軸方向又は主走査方向又は記録媒体の幅方向としている。また、X軸及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向又は上下方向とする。
図1は本発明の一実施形態に係る消耗品情報通信システムが搭載されるインクジェット記録装置の概略構成を示す説明図である。図1に示すインクジェット記録装置1は、主として給紙部2、搬送部3、画像形成部4、排紙部6及び制御部10で構成されている。
給紙部2は、給紙トレイ7に積載された用紙9をピックアップローラ8により1枚ずつピックアップし、搬送部3へと給送する。
搬送部3は、給紙部2により給送された用紙9をレジストローラ12により搬送ベルト16に搬送し、さらに、搬送ベルト16により用紙9を排紙部6側に搬送する。搬送ベルト16は、従動ローラ13、テンションローラ14及び駆動ローラ15に掛け渡された無端ベルトであり、搬送ベルト16の内側(下方)にはプラテン17が配置されている。
搬送ベルト16及びプラテン17には不図示の多数の孔が設けられており、搬送部3では、この孔を介して吸引ファン18が空気を吸引することで、用紙9が搬送ベルト16に吸着されて搬送される。
画像形成部4は、ヘッドユニット保持部25に保持されたK色(黒)、C色(シアン)、M色(マゼンタ)及びY色(イエロー)の4つのヘッドユニット21、22、23、24を有しており、搬送部3に対向して配置されている。
各ヘッドユニット21〜24は、用紙9の搬送方向と直交する方向に用紙9の記録領域幅以上の幅を有するラインヘッドである。各ヘッドユニット21〜24は、搬送部3が副走査方向に搬送する用紙9の主走査方向の全幅に亘って、不図示のノズルから各色のインク液滴を吐出させる。このインク液滴により用紙9に各色の画像が印刷される。
排紙部6は、画像形成部4によって画像形成された用紙9を排出ローラ対27で挟持し、排出トレイ28へと排出する。排出トレイ28は、排出された記録媒体を複数枚収容可能となっている。
次に、インクジェット記録装置1におけるインク経路の構成について説明する。図2は、インクジェット記録装置1のインク経路を模式的に示す説明図である。なお、図2では、K色、C色、M色及びY色の各ヘッドユニット21〜24に関わる4色のインクのうち、代表的に1色のインクに関わるインク経路を示している。したがって、図2に示す構成のインク経路は、K色、C色、M色及びY色の各色毎に独立して設けられる。
図2に示すように、インクジェット記録装置1のインク経路30は、大別すると、インク循環部31と、インク循環部31にインクを補充するための補充部32と、インク循環部31で不要となったインクやオーバーフローしたインクを収容する廃液部33と、インク循環部31内の圧力を調整する圧力調整部57と、を備えている。
インク循環部31は、大別して、第1のインク経路44と第2のインク経路45に分けることができる。
第1のインク経路44は、画像形成部4よりも重力方向上方に配置された上部タンク38からインク分配器49及びラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)を経由して、画像形成部4よりも重力方向下方に配置された下部タンク39へ、重力(水頭差)によりインクが流れる経路である。
第2のインク経路45は、下部タンク39からポンプ41、熱交換器42、フィルタ43を経由して上部タンク38へ、ポンプ41の動力によりインクが流れる経路である。
熱交換器42は、インク循環部31内を流れるインクを加温、及び/又は、冷却して、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)のノズルからの吐出に適切な温度にインクを調温する。フィルタ43は、インク循環部31内を流れるインクから異物を除去してラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)に供給させ、ノズルの目詰まりを防止する。
補充部32に挿入(セット)されたインクカートリッジ34の供給口35に補充部32のジョイント部36が不図示のアクチュエータの動作により連結されると、インクカートリッジ34内のインクが下部タンク39に、補給弁37を介して供給される。
なお、補充部32には当初、純正品のインクを充填したインクカートリッジ34が挿入(セット)されているが、交換の際に、汎用品のインクを充填したインクカートリッジ34が補充部32に挿入(セット)される場合もある。
純正品のインクを充填したインクカートリッジ34の表面には、ICタグ34aが取り付けられている。ICタグ34aは、不揮発性の記憶部34bを内蔵している。この記憶部34bは、書き換え不能なシステム領域と書き換え可能なデータ領域とを有しており、これらの領域に、インクカートリッジ34に充填されているインクに関するインク情報が記憶されている。
補充部32に挿入(セット)されたインクカートリッジ34のICタグ34aの記憶部34bに記憶されているインク情報は、補充部32の本体側リーダライタ(R/W)部32aがインクカートリッジ34のICタグ34aとの間で行う通信によって読み出すことができる。また、本体側R/W部32aは、インクカートリッジ34のICタグ34aとの間で行う通信によって、記憶部34bのデータ領域に新規の情報を記憶(上書き記憶も含む)させることができる。
なお、本体側R/W部32aは、制御部10の制御に基づいたアクチュエータ32bの動作によって、補充部32に挿入(セット)されたインクカートリッジ34のICタグ34aとの距離を変化させることができる。
図3は、インクカートリッジ34の出荷の段階で予めICタグ34aの記憶部34bに書き込まれているインク情報の一例を示す説明図である。図3に示すように、インク情報は、記憶部34bのシステム領域に書き換え不能に記憶された固定情報と、記憶部34bのデータ領域に書き換え可能に記憶された可変情報とを有している。
固定情報は、ICタグ34aの識別用IDや、インクの粘度を示す粘度情報、インクの使用に適合したインクジェット記録装置1の機種情報、インクカートリッジ34のインクを用いてインクジェット記録装置1を正常に動作させるための制御データ、インクカートリッジ34に対して設定された認証用のパスワード等を含んでいる。可変情報は、インク残量情報等を含んでいる。
インク残量情報は、インクカートリッジ34の残インク量を示すもので、更新イベントが発生する度に、制御部10の制御によって、インクジェット記録装置1におけるインクの消費に応じた値に更新される。この更新イベントは、例えば、一定周期毎に発生するものとしてもよく、印刷ジョブの印刷処理を終了する毎に発生するものとしてもよい。
具体的には、制御部10は、インクカートリッジ34のデフォルトの残インク量をICタグ34aの記憶部34bに記憶させた後、インク循環部31を循環するインク量や印刷ジョブの処理等に伴うインク消費量を考慮して算出した残インク量に、記憶部34bの残インク量を順次書き換えて行く。
なお、補充部32に挿入(セット)されたインクカートリッジ34のICタグ34aと補充部32の本体側R/W部32aとの間で行われる通信の詳細については、後に図面を参照して詳細に説明する。
インクジェット記録装置1におけるインク経路の説明に戻って、図2に示すように、上部タンク38と下部タンク39との各インク液面46,54上の空間は、上部タンク電磁弁53及び下部タンク電磁弁56をそれぞれ介して、オーバーフロータンク52に接続されている。オーバーフロータンク52は、常時、大気にさらされた状態のため、上部タンク電磁弁53及び下部タンク電磁弁56の開閉(開放/遮断)により上部タンク38内及び下部タンク39内をそれぞれ大気開放、又は密閉させることができる。
第2のインク経路45には、圧力調整部57のベローズ58が接続されている。ベローズ58は、ベローズ昇降機構61を下方に移動させると錘59の重さで伸長する。下部タンク39を密閉してベローズ58を伸長させると、インク液面55上の空間に負圧がかかり、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)のノズルにメニスカスが形成される。これにより、インク液滴を吐出させない時にノズルからインクが漏出するのを防止することができる。
図2に示す廃液部33は、タンクトレイ62と、廃液タンク63と、廃インク量検知部64と、タンク装着検知部65と、前述したオーバーフロータンク52とで構成される。
オーバーフロータンク52は、上述したように、上部タンク38及び下部タンク39の各インク液面46,54上の空間と接続されている。従って、装置の異常により上部タンク38や、下部タンク39からオーバーフローによりインクが溢れ出したとしても、漏れたインクをオーバーフロータンク52に収容させることができる。
また、オーバーフロータンク52は、チューブを介して廃液タンク63と接続されている。廃液タンク63は、タンクトレイ62上に配置され、タンクトレイ62に対して着脱可能となっている。
この廃液タンク63は、チューブを介して補充部32とも接続されている。これによりインクカートリッジ34の交換時に外部に漏れ出たインクは、チューブを介して廃液として廃液タンク63に送り出される。
なお、廃液タンク63をK色、C色、M色及びY色の色別でなく全色で共用する1つとし、廃液タンク63に各色のラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)からインクを回収するための構成を各色毎に設けてもよい。
タンクトレイ62には、廃液タンク63内に収容されたインク量を検知する廃インク量検知部64と、重量の検知や光学的な検知により廃液タンク63が装着されているか否かを検知するタンク装着検知部65が設けられている。そして、廃液タンク63内に所定量の廃液が溜まったことを廃インク量検知部64が検知すると、制御部10が、例えば操作パネル68の不図示のディスプレイによる表示で、ユーザに交換を示唆する警報を報知する。
このように構成された本実施形態のインクジェット記録装置1では、補充部32の本体側R/W部32aによりインクカートリッジ34のICタグ34aから取得した固定情報を利用して、インクジェット記録装置1の制御内容を制御部10が決定する。したがって、インクカートリッジ34から下部タンク39へのインクの補給動作や、インク循環部31におけるインクの循環動作、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)からの各色のインクの吐出動作等、インクジェット記録装置1の各種動作は、制御部10が決定した制御内容にしたがって実行される。
次に、本発明の消耗品情報通信システムを構成し、インクジェット記録装置1の補充部32に挿入(セット)されたインクカートリッジ34のICタグ34aと補充部32の本体側R/W部32aとの間の通信を実行する要素について、図4の説明図を参照して説明する。図4は、本発明の第1実施形態に係る消耗品情報通信システムを構成する要素の概略構成を示す説明図である。
図4では、図2に示すインクカートリッジ34のICタグ34aとインクジェット記録装置1の補充部32の本体側R/W部32aとの間でインク情報を通信する場合を示している。
この場合、図4に示す補充部32に挿入(セット)されたインクカートリッジ34のICタグ34aの記憶部34bに対するインク情報の読み出し及び書き込みは、制御部10の制御に基づいて、補充部32の本体側R/W部32aによって行われる。
補充部32の本体側R/W部32aは、例えばICチップによって構成することができる。そして、本体側R/W部32aは、インクカートリッジ34のICタグ34aとの通信を行うアンテナ内蔵の通信部32cとその動作を制御する通信制御部32d、及び、全体制御用の全体制御部32eと、全体制御部32eの制御処理に用いるワークエリア及びデータ保持用のデータエリアを有する記憶部32fとを有している。
インクカートリッジ34のICタグ34aは、例えばICチップによって構成することができる。そして、ICタグ34aは、補充部32の本体側R/W部32aとの通信を行うアンテナ内蔵の通信部34cとその動作を制御する通信制御部34d、及び、全体制御用の全体制御部34eを有している。先に説明したICタグ34aの記憶部34bは、全体制御部34eに接続されており、全体制御部34eの制御処理に用いるワークエリア及びデータ保持用のデータエリアを有している。
ICタグ34aは独自の電源を有しておらず、本体側R/W部32aの通信部32cとICタグ34aの通信部34cとは、共振周波数を同じくした内蔵アンテナをそれぞれ有している。したがって、例えば、本体側R/W部32aの通信部32cの内蔵アンテナに共振周波数の交流電流を流すと、電磁結合に基づく共振現象によりICタグ34aの通信部34cの内蔵アンテナに共振周波数の交流電流が発生し、本体側R/W部32aと通信可能になるのに十分な電力がICタグ34aに供給される。この電力を用いてICタグ34aは、記憶部34bに対するインク情報の読み出し及び書き込みを行ったり、所謂パッシブ方式と呼ばれる公知の方式により、本体側R/W部32aとの間でデータ送受信を行う。
なお、本体側R/W部32aとICタグ34aの両通信部32c,34cの内蔵アンテナは、一定幅の周波数帯で共振するように構成されている。即ち、両通信部32c,34cの内蔵アンテナの共振周波数は一定の帯域幅を有している。したがって、この帯域幅の範囲内で、本体側R/W部32aの通信部32cの内蔵アンテナに流す交流電流の周波数を変えても、同じ周波数の交流電流を電磁結合に基づく共振現象によってICタグ34aの通信部34cの内蔵アンテナに流れさせて、本体側R/W部32aからICタグ34aに電力を供給することができる。
次に、制御部10が行うインクカートリッジ34のICタグ34aの記憶部34bから補充部32の本体側R/W部32aがインク情報を読み出す際の手順を、図5のフローチャートを参照して説明する。なお、制御部10は、図5の手順の制御を周期的に繰り返して実行する。
そして、図5に示すように、制御部10は、インクジェット記録装置1の電源が投入されたか否かを確認し(ステップS1)、投入された場合は(ステップS1でYES)、後述するステップS7に処理を移行し、投入されなかった場合は(ステップS1でNO)、制御部10は、インクジェット記録装置1の省電力モードが解除されたか否かを確認する(ステップS3)。
省電力モードが解除された場合は(ステップS3でYES)、ステップS7に処理を移行し、解除されなかった場合は(ステップS3でNO)、制御部10は、インクジェット記録装置1の電源が既にオンされているか否かを確認する(ステップS5)。電源が既にオンされている場合は(ステップS5でYES)、後述する図6のステップS27に処理を移行し、電源がオンされていない場合は(ステップS5でNO)、一連の処理を終了する。
そして、ステップS1でインクジェット記録装置1の電源が投入されたことを確認した場合(YES)と、ステップS3でインクジェット記録装置1の省電力モードが解除されたことを確認した場合(YES)とに進むステップS7では、制御部10は、電源投入や省電力モード解除の前に補充部32のインクカートリッジ34が交換されたか否かを確認する。
なお、補充部32のインクカートリッジ34が交換されたか否かは、例えば、補充部32に挿入(セット)されたインクカートリッジ34の供給口35に対する補充部32のジョイント部36の連結が不図示のアクチュエータの動作により解除された後に供給口35にジョイント部36が再度連結されたか否か等によって確認することができる。
そして、電源投入や省電力モード解除の前に補充部32のインクカートリッジ34が交換されていない場合は(ステップS7でNO)、一連の処理を終了し、交換された場合は(ステップS7でYES)、制御部10は、交換されたインクカートリッジ34に記憶部34bを有するICタグ34aが存在するか否かを確認する(ステップS9)。
なお、交換された補充部32のインクカートリッジ34に記憶部34bを有するICタグ34aが存在するか否かを確認する際には、制御部10は、例えば、本体側R/W部32aの通信部32cの内蔵アンテナに予め定めておいた共振周波数の確認用の交流電流を流し、その後、確認用信号を通信部32cの内蔵アンテナから送信させる。
もし、インクカートリッジ34に、正当品(純正品)のインク情報を記憶した記憶部34bを有するICタグ34aが存在するならば、本体側R/W部32aの通信部32cの内蔵アンテナに共振周波数の確認用の交流電流を流すことで、ICタグ34aの通信部34cの内蔵アンテナに電磁結合に基づく共振現象により共振周波数の交流電流が発生し、本体側R/W部32aと通信可能になるのに十分な電力がICタグ34aに供給される。
そして、供給された電力で作動したICタグ34aの通信部34dの内蔵アンテナにより確認用信号が受信され、これに対応する応答信号が、全体制御部34cの制御により通信制御部34dを介して通信部34cの内蔵アンテナから送信される。
したがって、制御部10は、本体側R/W部32aの通信部32cの内蔵アンテナに共振周波数の確認用の交流電流を流した後、ICタグ34aの通信部34dからの応答信号を本体側R/W部32aの通信部32cが受信したか否か等によって、インクカートリッジ34に、正当品(純正品)のインク情報を記憶した記憶部34bを有するICタグ34aが存在するか否かを確認することができる。
交換された補充部32のインクカートリッジ34に記憶部34bを有するICタグ34aが存在しない場合は(ステップS9でNO)、制御部10は、エラー表示を操作パネル68のディスプレイに表示させる制御を行った後(ステップS11)、一連の処理を終了する。一方、交換された補充部32のインクカートリッジ34に記憶部34bを有するICタグ34aが存在する場合は(ステップS9でYES)、制御部10は、通信判定及び認証処理(1)(ステップS13)及び通信判定及び認証処理(2)(ステップS15)を順次行う。
このうち、ステップS13の通信判定及び認証処理(1)では、図7に示すように、制御部10は、本体側R/W部32aとICタグ34aの両通信部32c,34cの内蔵アンテナ間で電磁結合に基づく共振現象が発生して、通信が行える状態になったか否かを確認する(ステップS131)。
詳しくは、ステップS131の確認において制御部10は、両通信部32c,34cの内蔵アンテナ間で電磁結合に基づく共振現象を生じさせるために本体側R/W部32aの通信部32cの内蔵アンテナに流れさせる交流電流の周波数を、通信制御部32dの制御により、共振周波数の帯域幅内の周波数A〜E(A<B<C<D<E)に順次変更する。
そして、各周波数A〜Eの交流電流を通信部32cの内蔵アンテナに流れさせた際に、ICタグ34aの通信部34cの内蔵アンテナに電磁結合に基づく共振現象によって同じ周波数A〜Eの交流電流が発生して、本体側R/W部32aと通信可能になるのに十分な電力がICタグ34aに供給され、本体側R/W部32aとICタグ34aの両通信部32c,34c間で通信が行える状態になったか否かを確認する。
各周波数A〜Eの全てで通信が行える状態になった場合は(ステップS131でYES)、制御部10は、通信によってICタグ34aの記憶部34bから読み出した認証用のパスワードによって、認証できたか否かを確認する(ステップS133)。
認証ができた(OK)場合は(ステップS133でYES)、制御部10は、本体側R/W部32aの記憶部32fに、補充部32に挿入(セット)されたインクカートリッジ34が正当品(純正品)であることを記憶させた後(ステップS135)、通信判定及び認証処理(1)を終了して図5のステップS15に処理を移行する。
一方、認証ができなかった場合は(ステップS133でNO)、少なくとも一部の周波数A〜Eについて、通信部32cの内蔵アンテナに交流電流を流れさせても、本体側R/W部32aと通信可能になるのに十分な電力が、電磁結合に基づく共振現象によってICタグ34aに供給されず、本体側R/W部32aとICタグ34aの両通信部32c,34c間で通信が行えなかったことになる。
そこで、この場合に制御部10は、本体側R/W部32aの記憶部32fに、補充部32に挿入(セット)されたインクカートリッジ34が正当品でない(汎用品である)ことを記憶させた後(ステップS137)、通信判定及び認証処理(1)を終了して図5のステップS15に処理を移行する。
また、ステップS15の通信判定及び認証処理(2)では、図8に示すように、制御部10は、アクチュエータ32bを動作させて、補充部32の本体側R/W部32aと補充部32に挿入(セット)されたインクカートリッジ34のICタグ34aとの距離を、最も間隔が短い間隔パターンn=1に設定する(ステップS151)。
次に、制御部10は、本体側R/W部32aとICタグ34aの両通信部32c,34c間で通信テストを実行させて(ステップS152)、間隔パターンnがn=5に達したか否かを確認する(ステップS153)。
なお、ステップS152の通信テストで制御部10は、ステップS131で行ったのと同様に、通信部32cの内蔵アンテナに共振周波数の帯域幅内の各周波数A〜Eの交流電流を順次流れさせる。そして、ICタグ34aの通信部34cの内蔵アンテナに電磁結合に基づく共振現象によって同じ周波数A〜Eの交流電流が発生して、本体側R/W部32aと通信可能になるのに十分な電力がICタグ34aに供給され、本体側R/W部32aとICタグ34aの両通信部32c,34c間で通信が行える状態になったか否かを確認する。
ステップS153で、間隔パターンnがn=5に達していない(n=5未満である)場合は(ステップS153でNO)、制御部10は、アクチュエータ32bを動作させて、補充部32の本体側R/W部32aと補充部32に挿入(セット)されたインクカートリッジ34のICタグ34aとの距離を1ピッチ分増やすことで、間隔パターンnを1つ増加させた後(ステップS154)、ステップS152にリターンする。
また、間隔パターンnがn=5に達した(n=5である)場合は(ステップS153でYES)、制御部10は、各間隔パターン1〜5についてそれぞれ実行させたステップS152の通信テストの結果から、通信可否のパターンが正当品(純正品)のインクカートリッジ34に対応した正常パターンであるか否かを判定する(ステップS155)。
例えば、補充部32に挿入(セット)されたインクカートリッジ34が正当品(純正品)である場合、通信部32cの内蔵アンテナに流れさせる交流電流が周波数Aであると、間隔パターンnがn=1のときに通信可能となり、周波数Bであると、間隔パターンnがn=1,2のときに通信可能となり、周波数Cであると、間隔パターンnがn=1〜3のときに通信可能となり、周波数Dであると、間隔パターンnがn=1〜4のときに通信可能となり、周波数Eであると、間隔パターンnがn=1〜5のときに通信可能となる。
これは、本体側R/W部32aの通信部32cの内蔵アンテナに流れさせる交流電流の周波数が変わると、電流値が同じでも、ICタグ34aの通信部34dの内蔵アンテナとの間に電磁結合に基づく共振現象が発生するアンテナ間距離が変わることを利用したものである。
そこで、通信結果が上述した正当品(純正品)のインクカートリッジ34と同じパターンであった場合、制御部10は、通信可否のパターンを正常パターンと判定する。
一方、例えば、通信部32cの内蔵アンテナに流れさせる交流電流が周波数A,Bであると、間隔パターンnがn=1のときに通信可能となり、周波数Cであると、間隔パターンnがn=1〜3のときに通信可能となり、周波数Dであると、間隔パターンnがn=1〜4のときに通信可能となり、周波数Eであると、間隔パターンnがn=1〜5のときに通信可能となる場合は、周波数Bのときの通信可能な間隔パターンが正常パターンと異なる。
このように、少なくとも一部の周波数A〜Eにおける通信可否のパターンが、正当品(純正品)のインクカートリッジ34のパターンと一致しない場合、制御部10は、通信可否のパターンを正常パターンでないパターンと判定する。
そして、通信可否のパターンが正常パターンでない場合は(ステップS155でNO)、後述するステップS158に処理を移行し、正常パターンである場合は(ステップS155でYES)、制御部10は、図7のステップS133と同様に、通信によってICタグ34aの記憶部34bから読み出した認証用のパスワードによって、認証できたか否かを確認する(ステップS156)。
認証ができた(OK)場合は(ステップS156でYES)、制御部10は、本体側R/W部32aの記憶部32fに、補充部32に挿入(セット)されたインクカートリッジ34が正当品(純正品)であることを記憶させた後(ステップS157)、通信判定及び認証処理(2)を終了して図5のステップS17に処理を移行する。一方、認証ができなかった場合は(ステップS156でNO)、制御部10は、ステップS158に処理を移行する。
ステップS155で通信可否のパターンが正常パターンでない場合(NO)と、ステップS156で認証ができなかった場合(NO)に進むステップS158では、制御部10は、本体側R/W部32aの記憶部32fに、補充部32に挿入(セット)されたインクカートリッジ34が正当品でない(汎用品である)ことを記憶させ、その後、通信判定及び認証処理(2)を終了して図5のステップS17に処理を移行する。
そして、図5に示すように、制御部10は、補充部32に挿入(セット)されたインクカートリッジ34が正当品(純正品)であるか否かを確認する(ステップS17)。この確認は、ステップS13及びステップS15の通信判定及び認証処理(1),(2)の結果、両方とも正当品であることが本体側R/W部32aの記憶部32fに記憶されているか否かによって行う。
インクカートリッジ34が正当品(純正品)である場合は(ステップS17でYES)、制御部10は、本体側R/W部32aとICタグ34aの両通信部32c,34c間で、ICタグ34aの記憶部34bのインク情報を読み出させるための通信を行わせる(ステップS19)。
このとき、制御部10は、アクチュエータ32bを動作させて、ステップS15やステップS17で通信が行える状態になった間隔パターンnに、補充部32の本体側R/W部32aと補充部32に挿入(セット)されたインクカートリッジ34のICタグ34aとの距離を設定する。これと共に、制御部10は、ステップS15やステップS17で通信が行える状態になった共振周波数帯域内の周波数の交流電流を、本体側R/W部32aの通信部32cの内蔵アンテナに流れさせる。
一方、インクカートリッジ34が正当品でない(汎用品である)場合は(ステップS17でNO)、制御部10は、操作パネル68の不図示のディスプレイに要求画面を表示させる等して、ユーザにディスプレイからインク情報を入力させる(ステップS21)。
ここで、ユーザに入力させるインク情報は、例えば、インクカートリッジ34のインクを用いてインクジェット記録装置1を正常に動作させるための制御データや、インクカートリッジ34のインクの粘度に対応する濃さ情報とすることができる。濃さ情報は、例えば、操作パネル68の不図示のディスプレイに表示させた薄めから濃いめまでのインク粘度のスケール上で、インクカートリッジ34のインクの粘度(濃さ)に対応する箇所をタッチして指定したり、テンキーで粘度を表す数値を指定することで、入力するようにしてもよい。
そして、ステップS19で通信によりICタグ34aの記憶部34bからインク情報を読み出させた後や、ステップS21でユーザにインク情報を入力させた後に、制御部10は、本体側R/W部32aの通信部32cの内蔵アンテナに共振周波数の交流電流を流れさせるのを停止させる。これにより、本体側R/W部32aとICタグ34aの両通信部32c,34c間の通信を終了させてリンク接続を解除する(ステップS23)。
続いて、制御部10は、ステップS19でICタグ34aの記憶部34b読み出させたインク情報や、ステップS21でユーザにより入力されたインク情報に基づいて、インクカートリッジ34のインクに応じた制御内容で、インクカートリッジ34からインク循環部31へのインクの供給を含む印刷処理を行って(ステップS25)、一連の処理を終了する。
また、ステップS5で電源が既にオンされている場合(YES)に進むステップS27では、図6に示すように、制御部10は、図5のステップS7と同様に、インクカートリッジ34が補充部32に挿入(セット)されているか否かを確認する。
インクカートリッジ34が補充部32に挿入(セット)されていない場合は(ステップS27でNO)、一連の処理を終了し、挿入(セット)されている場合は(ステップS27でYES)、制御部10は、図5のステップS9と同様に、挿入(セット)されているインクカートリッジ34に記憶部34bを有するICタグ34aが存在するか否かを確認する(ステップS29)。
補充部32に挿入(セット)されたインクカートリッジ34に記憶部34bを有するICタグ34aが存在しない場合は(ステップS29でNO)、制御部10は、図5のステップS11と同様に、エラー表示を操作パネル68のディスプレイに表示させる制御を行った後(ステップS31)、一連の処理を終了する。一方、補充部32に挿入(セット)されたインクカートリッジ34に記憶部34bを有するICタグ34aが存在する場合は(ステップS29でYES)、制御部10は、図5のステップS13と同様に、図7に詳細を示した通信判定及び認証処理(1)(ステップS33)を行う。
そして、制御部10は、補充部32に挿入(セット)されたインクカートリッジ34が正当品(純正品)であるか否かを確認する(ステップS35)。この確認は、ステップS33の通信判定及び認証処理(1)の結果、正当品であることが本体側R/W部32aの記憶部32fに記憶されているか否かによって行う。
なお、ステップS35以降ステップS43までの各処理は、図5のステップS17以降ステップS25までの各処理と同じであるため、詳細な説明を省略する。
以上に説明したように、本実施形態のインクジェット記録装置1では、補充部32に挿入(セット)されたインクカートリッジ34のICタグ34aと補充部32の本体側R/W部32aとの両通信部34c,32c間で、本体側R/W部32aの通信部32cの内蔵アンテナに流れさせる交流電流の周波数を共振周波数の帯域内で周波数A〜Eに順次変更させたり、両通信部34c,32cの距離を間隔パターン1〜5に順次変更させて、通信の可否を判定するようにした。
そして、判定結果から、インクカートリッジ34が正規品(純正品)であると認識した場合はICタグ34aの記憶部34bから読み出したインク情報を用いて、また、正規品でない(汎用品である)と認識した場合はユーザに入力させたインク情報を用いて、そのインクカートリッジのインクの特性に応じた制御を制御部10に行わせるようにした。
このため、インクに関する正しいインク情報をメモリ34bに記憶したICタグ34aを有していない汎用品のインクカートリッジ34が補充部32に装着された場合に、インクの特性を特定できるインク情報を操作パネル68から入力させることで、ラインヘッド50(ヘッドユニット21〜24)のノズルの目詰まり等の不具合が発生するのを回避させることができる。
なお、本実施形態では、補充部32のインクカートリッジ34が交換された直後にインクジェット記録装置1の電源がオンされたり省電力モードが解除された際に、図7の通信判定及び認証処理(1)と図8の通信判定及び認証処理(2)とを両方行うものとした。これにより、インクカートリッジ34が交換された後に電源オフの状態や省電力モードの状態のインクジェット記録装置1の電源が投入されたり省電力モードが解除された際の、インクカートリッジ34のICタグ34aと補充部32の本体側R/W部32aとの両通信部34c,32c間における通信の可否判定の信頼性を高めることができる。
しかし、インクカートリッジ34の交換後にインクジェット記録装置1の電源がオンされたり省電力モードが解除された際に、図7の通信判定及び認証処理(1)と図8の通信判定及び認証処理(2)とのどちらか一方だけを行う構成としてもよい。また、インクカートリッジ34の交換後に省電力モードが解除された際の通信の可否判定は省略してもよい。
さらに、本実施形態では、インクジェット記録装置1の電源がオンされている状態で補充部32のインクカートリッジ34が交換された場合に、通信の可否判定を行うものとした。しかし、図6のステップS27を省略し、インクジェット記録装置1の電源がオンされている間、補充部32のインクカートリッジ34が交換されたか否かに関係なく、制御部10が通信の可否判定を周期的に実行するようにしてもよい。
また、インクジェット記録装置1の電源がオンされているときに制御部10が実行する通信の可否判定の内容を、本実施形態では図7の通信判定及び認証処理(1)としたが、図8の通信判定及び認証処理(2)を行うようにしてもよい。あるいは、図7の通信判定及び認証処理(1)と図8の通信判定及び認証処理(2)との両方を行うようにしてもよい。
さらに、図5のステップS21や図6のステップS39でインク情報の入力を要求した後、インク情報が入力されない場合は、印刷品質の劣化やインクジェット記録装置1の故障を防止するために、インクカートリッジ34からインク循環部31へのインクの供給を制御部10により禁止するようにしてもよい。
しかし、印刷品質の劣化やインクジェット記録装置1の故障を防止できないことを認識した上で、インクジェット記録装置1の使用をユーザが希望する場合には、図5のステップS21や図6のステップS39で要求したインク情報が入力されなくても、インクカートリッジ34からインク循環部31へのインクの供給を制御部10により許可するようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態では、インクジェット記録装置1における消耗品であるインクを収容したインクカートリッジ34を本発明の消耗品ユニットとした場合の例について説明した。しかし、本発明は、例えば、消耗品である孔版原紙を巻回した孔版原紙ロールを消耗品ユニットとする孔版印刷装置にも適用可能である。即ち、消耗品ユニットの記憶手段に記憶された情報に基づいて消耗品を用いた印刷動作を行う印刷装置であれば、電子写真方式等のインクジェット方式や孔版印刷方式以外の方式で印刷を行う印刷装置にも、本発明は広く適用可能である。
1 インクジェット記録装置(印刷装置)
2 給紙部
3 搬送部
4 画像形成部
6 排紙部
7 給紙トレイ
8 ピックアップローラ
9 用紙
10 制御部(判定手段、取得手段、入力要求手段、距離固定判定手段、距離変更判定手段、交換検出手段)
12 レジストローラ
13 従動ローラ
14 テンションローラ
15 駆動ローラ
16 搬送ベルト
17 プラテン
18 吸引ファン
21 K色ヘッドユニット
22 C色ヘッドユニット
23 M色ヘッドユニット
24 Y色ヘッドユニット
25 ヘッドユニット保持部
27 排出ローラ対
28 排出トレイ
30 インク経路
31 インク循環部
32 補充部
32a 本体側リーダライタ部
32b アクチュエータ(距離変更手段)
32c,34c 通信部
32d,34d 通信制御部
32e,34e 全体制御部
32f 記憶部
33 廃液部
34 インクカートリッジ(消耗品ユニット)
34a ICタグ
34b 記憶部(記憶手段)
35 供給口
36 ジョイント部
37 補給弁
38 上部タンク
39 下部タンク
41 ポンプ
42 熱交換器
43 フィルタ
44 第1のインク経路
45 第2のインク経路
46,54,55 インク液面
50 ラインヘッド
52 オーバーフロータンク
53 上部タンク電磁弁
56 下部タンク電磁弁
57 圧力調整部
58 ベローズ
59 錘
61 ベローズ昇降機構
62 タンクトレイ
62a タグリーダライタ
63 廃液タンク
64 廃インク量検知部
65 タンク装着検知部
68 操作パネル

Claims (3)

  1. 消耗品及び消耗品情報を記憶する記憶手段を備えた消耗品ユニットが印刷装置にセットされた場合に、前記消耗品情報を用いて前記印刷装置の印刷動作を制御するために前記消耗品ユニットと前記印刷装置との間で前記消耗品情報の通信を行う印刷装置の消耗品情報通信システムであって、
    所定の通信イベントが発生する度に、前記消耗品ユニットと前記印刷装置との間で複数の共振周波数を用いた通信の可否を判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定結果が複数の共振周波数を用いた通信が全て可のときに、前記複数の共振周波数のいずれかを使用した前記印刷装置と前記消耗品ユニットとの通信により、前記記憶手段から消耗品情報を取得する取得手段と、
    前記判定手段の判定結果が複数の共振周波数のうち少なくとも一部の共振周波数を用いた通信が不可のときに、前記セットされた消耗品ユニットの消耗品を用いて前記印刷装置を正常に動作させるための消耗品情報の入力を要求する入力要求手段と、
    を備えることを特徴とする印刷装置の消耗品情報通信システム。
  2. 前記消耗品ユニットと前記印刷装置との間隔を変更可能な距離変更手段と、
    前記消耗品ユニットと前記印刷装置との間隔を一定の距離に固定して前記消耗品ユニットと前記印刷装置との間で前記複数の共振周波数を用いた通信の可否を判定する距離固定判定手段と、
    前記距離変更手段により消耗品ユニットと前記印刷装置との間隔を複数の距離に変更しつつ各距離において前記消耗品ユニットと前記印刷装置との間で前記複数の共振周波数を用いた通信の可否を判定する距離変更判定手段とをさらに備えており、
    前記判定手段は、前記距離固定判定手段による判定結果と前記距離変更判定手段による判定結果とのうち少なくとも一方に基づいて前記判定を行う、
    ことを特徴とする請求項1記載の印刷装置の消耗品情報通信システム。
  3. 前記印刷装置にセットされた消耗品ユニットの交換を検出する交換検出手段をさらに備えており、
    前記所定の通信イベントは、前記印刷装置の電源投入及び前記交換検出手段による交換検出を含んでおり、
    前記判定手段は、前記交換検出手段による交換検出タイミング又は前記交換検出手段による交換検出後の最初の前記電源投入の際に、前記距離固定判定手段による判定結果と前記距離変更判定手段による判定結果とに基づいて前記判定を行う、
    ことを特徴とする請求項2記載の印刷装置の消耗品情報通信システム。
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