JP6460477B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、たとえばコイルやスイッチング素子などの発熱する電子部品を備えた電子機器の放熱構造に関する。
たとえば、DC−DCコンバータのような電子機器には、チョークコイル、トランス、スイッチング素子、およびダイオードなどの発熱する電子部品が多数使用されている。このような電子部品の発熱により温度が上昇すると、誤動作や故障などの悪影響を及ぼすため、電子部品で発生した熱を放熱する技術が種々提案されている。
たとえば特許文献1〜4では、配線基板に対して垂直な放熱体の側面に、スイッチング素子を搭載して、スイッチング素子で発生した熱を放熱体により放熱している。また、特許文献1では、放熱体(ベースプレート)の上面に、トランスやチョークコイルといった磁気デバイスを搭載して、磁気デバイスで発生した熱を放熱体により放熱している。また、特許文献5では、放熱体の上面に、別々の伝熱板を介してトランスとチョークコイルを搭載して、トランスとチョークコイルで発生した熱を放熱体に伝え易くしている。
また、特許文献6では、電子機器の土台である放熱体(ヒートシンク)の上面に、上方に突出するトランジスタ配設部を設けている。そして、トランジスタ配設部の傾斜面にトランジスタを搭載して、トランジスタで発生した熱を放熱体により放熱している。さらに、トランジスタ配設部の傾斜面と反対側に、間隔をおいてリレーを配置している。
特開2000−14149号公報 特開2004−198078号公報 特開2007−221057号公報 特開2011−60567号公報 特開2010−232391号公報 特開2004−1621号公報
チョークコイルやトランスなどの磁気デバイスには、通電時に熱を発熱するコイルが備わっている。特に、DC−DCコンバータで使用される磁気デバイスでは、コイルに大電流が流れて、コイルの発熱量が多くなる。このため、たとえば特許文献1、2のように、コイルと他の発熱する電子部品とを近接状態で配置すると、これらや周囲の部品の温度が高くなり、放熱し難くなる。また、コイルと他の発熱する電子部品との間隔を広げると、熱はこもり難くなるが、電子機器が大型化してしまう。
本発明の課題は、磁気デバイスのコイルおよび電子部品で発生した熱を効率良く放熱し、かつ小型化を実現することができる電子機器を提供することである。
本発明の電子機器は、断面がE字形のコアの中央にある柱部にコイルが巻回された磁気デバイスと、発熱する電子部品と、放熱材料で形成された台座と、コイルの端子と電子部品の端子とを接続する配線基板とを備える。台座の上面の端部には、上方へ突出する突出部が設けられている。また、コイルの径方向が台座の上面と平行で、かつコアのコイルと反対側の端面が突出部の一方の側面に近接するように、磁気デバイスが台座の上面に搭載されている。さらに、突出部のコアと反対側の他方の側面には、電子部品が搭載されている。
上記によると、放熱性を有する台座の上面に、磁気デバイスを搭載し、台座の端部に設けた突出部の一方の側面に、磁気デバイスのコアを近接させ、突出部の反対の側面に、発熱する電子部品を搭載している。このため、磁気デバイスのコイルで発生した熱を直下の台座に伝えて、台座の下方へ効率良く放熱することができる。また、コイルからコアに伝わった熱と、電子部品で発生した熱とを、突出部から台座に伝えて、台座の下方へ効率良く放熱することができる。また、磁気デバイスのコアと電子部品とを、間に突出部が介在する程度に接近状態で配置して、電子機器の横方向の小型化を実現することができる。さらに、電子部品の高さ寸法より径寸法が大きい場合は、突出部の側面に電子部品を縦向きに搭載することで、電子機器の横方向の一層の小型化を実現することができる。
また、本発明では、上記電子機器において、コアのコイルと反対側の両端面と接するように、台座の上面の対向する両端部にそれぞれ突出部を設け、各突出部のコアと反対側の他方の側面に、それぞれ電子部品を立て掛けるように搭載してもよい。
また、本発明では、上記電子機器において、突出部のコアと反対側の他方の側面を、斜め上を向くように傾斜させて、該傾斜面に電子部品を搭載してもよい。
また、本発明では、上記電子機器において、コアと台座の間に、第1放熱部材を介在させ、コアと突出部の間に、第2放熱部材を介在させ、電子部品と突出部の間に、第3放熱部材を介在させてもよい。
また、本発明では、上記電子機器において、配線基板は、突出部が存在しない磁気デバイスの側方における、台座の上面に搭載された第1配線基板と、磁気デバイスの上方に配置された第2配線基板とを含み、コイルの端子を第1配線基板または第2配線基板に接続し、電子部品の端子を第2配線基板に接続してもよい。
また、本発明では、上記電子機器において、放熱材料で形成され、突出部の上部に固定されたベースをさらに備え、ベースの上面に、第2配線基板を搭載し、ベースと台座により磁気デバイスを保持してもよい。
さらに、本発明では、上記電子機器において、ベースとコアの間に、第4放熱部材を介在させてもよい。
本発明によれば、磁気デバイスのコイルおよび電子部品で発生した熱を効率良く放熱し、かつ小型化を実現することができる電子機器を提供することが可能となる。
本発明の実施形態による電子機器の電気的構成を示した図である。 同電子機器の分解斜視図である。 図2の電子機器の一部を組み立てた状態を示す斜視図である。 図2の電子機器の一部を組み立てた状態を示す平面図である。 図2の電子機器を組み立てた状態を示す斜視図である。 図2の電子機器を組み立てた状態を示す平面図である。 図6のX−X断面図である。 図2のトランスの拡大斜視図である。 図2の台座の拡大斜視図である。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。各図において、同一の部分または対応する部分には、同一符号を付してある。
図1は、本発明の実施形態による電子機器100の電気的構成を示した図である。電子機器100は、たとえば電気自動車(またはハイブリッドカー)用のDC−DCコンバータであり、高電圧の直流をスイッチングして交流に変換した後、低電圧の直流に変換する。以下で詳述する。
電子機器100の入力端子T1、T2には、高電圧バッテリ50が接続されている。高電圧バッテリ50の電圧は、たとえばDC220V〜DC400Vである。入力端子T1、T2へ入力される高電圧バッテリ50の直流電圧Viは、フィルタ回路51でノイズが除去された後、スイッチング回路52へ与えられる。
スイッチング回路52は、たとえば複数のFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)3とリアクトル(図示省略)を有する公知の回路からなる。スイッチング回路52では、PWM駆動部58からのPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)信号に基づいて、各FET3をオンオフさせて、直流電圧に対してスイッチング動作を行う。これにより、直流電圧が高周波のパルス電圧に変換される。そのパルス電圧は、トランス2を介して、整流回路54へ与えられる。
トランス2の1次側コイル22aの端子24a、24bは、スイッチング回路52の出力側に接続されている。トランス2の2次側コイル22bの端子22c、22d、22eは、整流回路54の入力側に接続されている。
整流回路54は、複数のダイオード(図示省略)を有する公知の回路から成り、それらのダイオードによりパルス電圧を整流する。整流回路54で整流された電圧は、平滑回路55へ入力される。
平滑回路55は、リアクトルとコンデンサ(いずれも図示省略)を有する公知の回路から成る。平滑回路55は、そのリアクトルとコンデンサのフィルタ作用により整流電圧を平滑し、低電圧の直流電圧として出力端子T3、T4へ出力する。この直流電圧により、出力端子T3、T4に接続された低圧バッテリ60が、たとえばDC12Vに充電される。低圧バッテリ60の直流電圧は、図示しない各種の車載電装品へ供給される。
また、平滑回路55の出力電圧Voは、出力電圧検出回路59により検出された後、PWM駆動部58へ出力される。PWM駆動部58は、出力電圧Voに基づいてPWM信号のデューティ比を演算し、該デューティ比に応じたPWM信号を生成して、スイッチング回路52の各FET3のゲートへ出力する。これにより、出力電圧を一定に保つためのフィードバック制御が行なわれる。
制御部57は、PWM駆動部58の動作を制御する。フィルタ回路51の出力側には、電源56が接続されている。電源56は、高電圧バッテリ50の電圧を降圧し、制御部57に電源電圧(たとえばDC12V)を供給する。
次に、電子機器100の構造を、図2〜図9を参照しながら説明する。
図2は、電子機器100の分解斜視図である。図3は、電子機器100の一部を組み立てた状態を示す斜視図である。図4は、電子機器100の一部を組み立てた状態を示す平面図である。図5は、電子機器100を組み立てた状態を示す斜視図である。図6は、電子機器100を組み立てた状態を示す平面図である。図7は、図6のX−X断面図である。図8は、図2のトランス2の拡大斜視図である。図9は、図2の台座1の拡大斜視図である。
図2に示すように、電子機器100には、台座1、トランス2、FET3、ベース4、配線基板5、6、9、および放熱シート7が備わっている。
そのうち、台座1とベース4は、アルミニウムのダイカストなどの放熱材料で形成されている。台座1は、上方から見て矩形状に形成されている。ベース4も、上方から見て矩形状に形成されている。ベース4の大きさは、台座1の大きさの半分程度となっている。台座1とベース4は、ヒートシンクとして機能する。
図2で台座1の左部における上面1aの短手方向の両端部には、上方へ台形状に突出する突出部1bがそれぞれ設けられている。図7および図9に示すように、各突出部1bの対向する内側面1cは、台座1の上面1aに対してそれぞれ垂直になっている。各突出部1bの相反する外側面1dは、斜め上を向くように傾斜している。
トランス2は、図1に示したように、スイッチング回路52と整流回路54の間に設けられ、これらを絶縁している。トランス2は、図7および図8に示すように、コア21、コイル22、基板23、および端子24a、24bなどを備えている。トランス2は、本発明の「磁気デバイス」の一例である。
図7に示すように、コア21は、それぞれ断面がE字形の上コア21aと下コア21bとから成る。詳しくは、上コア21aの3つの柱部21c、21d、21eと下コア21bの3つの柱部21c、21d、21eとが向き合うように、上コア21aと下コア21bとが組み合わされて、コア21が構成されている。上コア21aと下コア21bは、フェライトまたはアモルファス金属などの磁性体から成る。
コイル22は、コア21の中央にある柱部21cと両端にある柱部21d、21eとの間を通るように、中央の柱部21cの周囲に巻回されている。コイル22は、基板23の下面に実装された1次側コイル22aと、基板23の上面に実装された2次側コイル22bとから成る。各コイル22a、22bは、銅パターンや銅板などの導体から成る。コア21の中央の柱部21cは、基板23を貫通している。
図4に示すように、コア21の短手方向の一方側には、端子22c、22d、22eが突出している。端子22cは、トランス2のセンタータップである(図1参照)。端子22d、22eは、2次側コイル22bの入出力端子である。
端子22c、22d、22eと反対側の基板23の端部には、端子24a、24bが上方へ突出するように実装されている。端子24a、24bは、基板23を介して、1次側コイル22aに電気的に接続されている。端子24a、24bは、1次側コイル22aの入出力端子である。
トランス2は、図3、図4、および図7に示すように、コイル22の径方向が台座1の上面1aと平行になるように、台座1の上面1aにおける2つの突出部1bの間に搭載されている。この搭載状態で、図7に示すように、コア21のコイル22と反対側の端面21f、21gが、各突出部1bの内側面1cに近接している。
図7において、コア21の端面21f、21gと各突出部1bの内側面1cとの間には、放熱部材11が隙間なく介在している。放熱部材11は、絶縁性を有し、たとえば放熱接着剤、ポッティング樹脂、または放熱シートから成る。放熱シートの材質は、たとえばシリコンゴム、エラストマ、または樹脂から成る。これにより、コア21と突出部1bとが放熱部材11を介して熱的に接続される。また、放熱部材11として、放熱接着剤またはポッティング樹脂を用いた場合は、コア21と突出部1bとが放熱部材11を介して固定される。放熱部材11は、本発明の「第2放熱部材」の一例である。
台座1へトランス2を搭載した状態で、下コア21bの下面は、台座1の上面1aに近接している。下コア21bの下面と台座1の上面1aとの間には、放熱部材12が介在している。放熱部材12は、絶縁性を有し、放熱グリスまたは放熱接着剤などから成る。これにより、下コア21bと台座1とが熱的に接続される。また、放熱部材12として、放熱接着剤を用いた場合は、下コア21bと台座1とが放熱部材12を介して固定される。放熱部材12は、本発明の「第1放熱部材」の一例である。
図3に示すように、台座1の上面1aを基準とした場合の、トランス2の1次側コイル22aの端子24a、24bの高さは、各突出部1bの高さより高くなっている。トランス2の2次側コイル22bの端子22c、22d、22eの高さは、各突出部1bの高さより低くなっている。端子22c、22d、22eは、各突出部1bの側方に突出している。
FET3は、図2などに示すように4つ設けられていて、前述したスイッチング回路52(図1)に含まれている。各FET3は、本発明の「電子部品」の一例である。
FET3は、図3、図4、および図7に示すように、台座1の各突出部1bのコア21と反対側の傾斜した外側面1dに、2つずつ立て掛けるように搭載されている。外側面1dとFET3の間には、絶縁性を有する放熱シート7が挟持されている。放熱シート7の材質は、たとえばシリコンゴム、エラストマ、または樹脂から成る。
外側面1dと放熱シート7とFET3とは、たとえば、これらの間に放熱接着剤を介在させることで、相互に固定される。これに代えて、たとえば弾性を有する2つの固定部材(図示省略)を、各突出部1bに対して外側(外側面1d側)から取り付けて、各固定部材で各FET3の本体(パッケージ部分)を外側面1dに押し付けることで、外側面1dと放熱シート7とFET3とを固定してもよい。
上記のようにして各FET3が外側面1dに取り付けられた状態で、各FET3の端子3tは、突出部1bより上方へ突出している。また、台座1の上面1aに対して、FET3が傾斜した姿勢になっている。このため、FET3を垂直な姿勢にするよりも、FET3の高さが低く抑えられている。さらに、FET3と突出部1bとが放熱シート7を介して熱的に接続されている。放熱シート7は、本発明の「第3放熱部材」の一例である。
図7に示すように、各突出部1bの上部には、ベース4がねじ(図示省略)により固定されている。各突出部1bの上面とベース4との接触部分には、放熱部材14が介在している。放熱部材14は、絶縁性を有し、放熱グリスまたは放熱接着剤などから成る。これにより、突出部1bの上面とベース4とが熱的に接続される。また、放熱部材14として、放熱接着剤を用いた場合は、突出部1bの上面とベース4とが放熱部材14を介して固定される。
ベース4の下面と上コア21aの上面との間には、放熱部材15が隙間なく介在している。放熱部材15は、前述した放熱部材11と同様の材料から成る。これにより、ベース4と上コア21aとが放熱部材15を介して熱的に接続される。また、放熱部材15として、放熱接着剤またはポッティング樹脂を用いた場合は、ベース4と上コア21aとが放熱部材15を介して固定される。このように、トランス2は、ベース4と台座1の間に配置され、ベース4と台座1により保持されている。放熱部材15は、本発明の「第4放熱部材」の一例である。
ベース4の上面には、配線基板5が搭載されている。ベース4と配線基板5とは、ねじ(図示省略)により固定されている。つまり、配線基板5は、トランス2の上方に配置されている。配線基板5は、たとえばガラスエポキシ基板から成る。
図5に示すように、配線基板5には、各FET3の端子3tを貫通させる貫通孔5aと、端子24a、24bの先端を貫通させる貫通孔5bとが形成されている。各貫通孔5a、5bの周囲には、ランド(図示省略)が形成されている。それらのランドと各端子3t、24a、24bとは、はんだ付けされている。これにより、FET3の端子3tとトランス2の1次側コイル22aの端子24a、24bは、配線基板5に電気的に接続されている。配線基板5は、本発明の「第2配線基板」の一例である。
また、配線基板5には、図1に示したスイッチング回路52のリアクトル、制御部57、およびPWM駆動部58などが実装されている(図示省略)。図5に示すように、ベース4の各角部に設けられた円柱台4dの上部には、配線基板9(二点鎖線で図示)が搭載される(図7も参照)。この配線基板9には、図1に示したフィルタ回路51などが実装されている(図示省略)。図6では、配線基板9の図示を省略している。
図4に示すように、突出部1bが存在しないトランス2の側方における、台座1の上面1aには、配線基板6が搭載されている。台座1と配線基板6とは、ねじ(図示省略)により固定されている。配線基板6は、たとえばアルミニウム基板から成る。
配線基板6には、図2に示すようにランド6aが形成され、2つのバスバー6bが実装されている。図4に示すように、ランド6aには、トランス2の端子22cがはんだ付けされている。トランス2の2次側コイル22bの端子22d、22eには、貫通孔22hが形成されている。各バスバー6bの先端は、貫通孔22hを貫通して、端子22d、22eにそれぞれはんだ付けされている(図3)。これにより、トランス2の端子22c、22d、22eは、配線基板6に電気的に接続されている。配線基板6は、本発明の「第1配線基板」の一例である。
また、配線基板6には、図1に示した整流回路54などが実装されている(図示省略)。図4などで台座1の上面1aのトランス2と反対側の端部には、図1に示した平滑回路55などが実装されている(図示省略)。図1に示した出力電圧検出回路59や電源56や端子T1〜T4は、台座1上に設けられている。
電子機器100の動作時に、各FET3はスイッチング動作することにより発熱する。トランス2のコイル22は、大電流が流れることにより発熱する。
図7に示すように、トランス2の基板23より下側にある1次側コイル22aで発生した熱は、下方にある下コア21bと放熱部材12を介して台座1に伝わって、台座1の下方や側方へ放熱される。トランス2の基板23より上側にある2次側コイル22bで発生した熱は、上方にある上コア21aと放熱部材15を介してベース4に伝わって、ベース4の上方や側方へ放熱される。また、各コイル22a、22bで発生した熱は、側方にあるコア21の柱部21d、21eと放熱部材11を介して、台座1の突出部1bにも伝わって、台座1の下方や側方へ放熱される。
各FET3で発生した熱は、放熱シート7を介して、台座1の突出部1bに伝わって、台座1の下方や側方へ放熱される。
上記実施形態によると、放熱性を有する台座1の上面1aに、トランス2を搭載している。そして、トランス2の両側にある台座1の両端部に突出部1bを設けて、各突出部1bの内側面1cに、トランス2のコア21を近接させている。また、各突出部1bのコア21と反対側の外側面1dに、複数のFET3を搭載している。このため、トランス2のコイル22で発生した熱を直下の台座1に伝えて、台座1の下方へ効率良く放熱することができる。また、コイル22からコア21に伝わった熱と、複数のFET3で発生した熱とを、各突出部1bから台座1に伝えて、台座1の下方へ効率良く放熱することができる。
また、上記実施形態では、トランス2のコア21とFET3とを、間に突出部1bが介在する程度に接近状態で配置している。そして、高さ寸法(パッケージ部分の厚み)より径寸法(パッケージ部分の幅)の方が大きいFET3を、突出部1bの外側面1dに立て掛けるように搭載している。このため、電子機器100の横方向、特に台座1の短手方向の小型化を実現することができる。
また、上記実施形態では、突出部1bの外側面1dを上向きに傾斜させて、該傾斜面1dにFET3を搭載している。このため、台座1の上面1aを基準にした場合のFET3の高さを、トランス2のコイル22やコア21の高さに応じて低く抑えて、電子機器100の高さ方向の小型化を実現することができる。また、トランス2やFET3の熱が、突出部1bを通って冷却面である台座1の下面に伝わる経路が短くなるので、該熱を一層効率良く放熱することができる。
また、上記実施形態では、下コア21bと台座1の上面1aとの間に、放熱部材12を介在させているので、コイル22から下コア21bに伝わった熱を、直下の台座1に伝え易くして、台座1から一層効率良く放熱することができる。また、コア21a、21bと突出部1bの内側面1cの間に、放熱部材11を介在させているので、コイル22からコア21a、21bに伝わった熱を、突出部1bに伝え易くして、台座1から一層効率良く放熱することができる。さらに、FET3と突出部1bの外側面1dの間に、放熱シート7を介在させているので、FET3で発生した熱を、突出部1bに伝え易くして、台座1から一層効率良く放熱することができる。
また、上記実施形態では、トランス2の1次側コイル22aの端子24a、24bとFET3の端子3tとを上方に突出させているので、トランス2の上方に搭載した配線基板5に、各端子24a、24b、3tを容易に電気的に接続することができる。また、トランス2の2次側コイル22bの端子22d、22e、22cを、突出部1bが存在しないトランス2のコア21の短手方向の側方に引き出しているので、該側方の台座1の上面1aに搭載した配線基板6に、各端子22d、22e、22cを容易に電気的に接続することができる。さらに、トランス2の1次側にあるスイッチング回路52を配線基板5に実装し、トランス2の2次側にある整流回路54を配線基板6に実装するというように、回路配置を容易に行いつつ、電子機器100の小型化を実現することができる。
また、上記実施形態では、台座1の突出部1bの上部に、放熱性を有するベース4を固定し、ベース4の上面に配線基板5を搭載し、ベース4と台座1により上下からトランス2のコア21を保持している。このため、トランス2のコイル22で発生した熱を、コア21を介して上下にあるベース4と台座1に伝え易くして、これらから効率良く放熱することができる。また、コイル22で発生した熱が配線基板5に伝わるのを、ベース4により抑制することができる。
さらに、上記実施形態では、ベース4と上コア21aの間に、放熱部材15を介在させているので、コイル22から上コア21aに伝わった熱を、ベース4に伝え易くして、ベース4から一層効率良く放熱することができる。
本発明では、以上述べた以外にも種々の実施形態を採用することができる。たとえば、以上の実施形態では、トランス2のコア21の長手方向の両側にある台座1の両端部に、突出部1bをそれぞれ設けた例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。コアの長手方向の少なくとも片側にある台座の端部に、突出部を設ければよい。そして、その突出部の一方の側面にコアの端面を近接させ、他方の側面にFETなどの発熱する電子部品を搭載すればよい。
また、以上の実施形態では、台座1の上面1aにトランス2を搭載した例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえばスイッチング回路52や平滑回路55のリアクトルを構成するチョークコイルなどの他の磁気デバイスを、台座の上面に搭載してもよい。そして、その磁気デバイスのコアの端面に近接するように、台座上に突出部を設け、該突出部のコアと反対側の側面に、たとえばFETやダイオードのような発熱する電子部品を搭載してもよい。
また、以上の実施形態では、2つのE字形コア21a、21bを組み合わせたコア21を有するトランス2を用いた例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえば、E字形のコアとI字形のコアを組み合わせたコアを有するトランスやチョークコイルなどの磁気デバイスにも、本発明を適用することができる。
さらに、以上の実施形態では、車両用のDC−DCコンバータを構成する電子機器100のトランス2とスイッチング回路52のFET3の放熱構造に本発明を適用した例を挙げたが、その他の電子機器の発熱する磁気デバイスと電子部品の放熱構造に対しても、本発明を適用することは可能である。
1 台座
1a 台座の上面
1b 突出部
1c 突出部の内側面(一方の側面)
1d 突出部の傾斜した外側面(他方の側面)
2 トランス(磁気デバイス)
3 FET(電子部品)
3t FETの端子
4 ベース
5 配線基板(第2配線基板)
6 配線基板(第1配線基板)
7 放熱シート(第3放熱部材)
11 放熱部材(第2放熱部材)
12 放熱部材(第1放熱部材)
15 放熱部材(第4放熱部材)
21 コア
21a 上コア
21b 下コア
21c コアの中央にある柱部
21f、21g コアの端面
22 コイル
22a 1次側コイル
22b 2次側コイル
22c、22d、22e 2次側コイルの端子
24a、24b 1次側コイルの端子
100 電子機器

Claims (7)

  1. 断面がE字形のコアの中央にある柱部にコイルが巻回された磁気デバイスと、
    発熱する電子部品と、
    放熱材料で形成された台座と、
    前記コイルの端子と前記電子部品の端子とを接続する配線基板と、を備えた電子機器において、
    前記台座の上面の端部に、上方へ突出する突出部を設け、
    前記コイルの径方向が前記台座の上面と平行で、かつ前記コアの前記コイルと反対側の端面が前記突出部の一方の側面に近接するように、前記磁気デバイスを前記台座の上面に搭載し、
    前記突出部の前記コアと反対側の他方の側面に、前記電子部品を搭載した、ことを特徴とする電子機器。
  2. 請求項1に記載の電子機器において、
    前記コアの前記コイルと反対側の両端面と接するように、前記台座の上面の対向する両端部にそれぞれ前記突出部を設け、
    前記各突出部の前記コアと反対側の前記他方の側面に、それぞれ前記電子部品を立て掛けるように搭載した、ことを特徴とする電子機器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電子機器において、
    前記突出部の前記コアと反対側の前記他方の側面を、斜め上を向くように傾斜させて、該傾斜面に前記電子部品を搭載した、ことを特徴とする電子機器。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子機器において、
    前記コアと前記台座の間に、第1放熱部材を介在させ、
    前記コアと前記突出部の間に、第2放熱部材を介在させ、
    前記電子部品と前記突出部の間に、第3放熱部材を介在させた、ことを特徴とする電子機器。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電子機器において、
    前記配線基板は、
    前記突出部が存在しない前記磁気デバイスの側方における、前記台座の上面に搭載された第1配線基板と、
    前記磁気デバイスの上方に配置された第2配線基板と、を含み、
    前記コイルの端子を前記第1配線基板または前記第2配線基板に接続し、
    前記電子部品の端子を前記第2配線基板に接続した、ことを特徴とする電子機器。
  6. 請求項5に記載の電子機器において、
    放熱材料で形成され、前記突出部の上部に固定されたベースをさらに備え、
    前記ベースの上面に、前記第2配線基板を搭載し、
    前記ベースと前記台座により前記磁気デバイスを保持した、ことを特徴とする電子機器。
  7. 請求項6に記載の電子機器において、
    前記ベースと前記コアの間に、第4放熱部材を介在させた、ことを特徴とする電子機器。
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