JP6459191B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、特定の構造を主成分とする樹脂を含む感光性樹脂組成物に関する。より詳しくは半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜、有機エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence:以下ELと記す)素子の絶縁膜、有機EL素子を用いた表示装置の駆動用薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下TFTと記す)基板の平坦化膜、回路基板の配線保護絶縁膜、固体撮像素子のオンチップマイクロレンズや各種ディスプレイ・固体撮像素子用平坦化膜などの用途に適した感光性樹脂組成物に関する。
ポリイミドを含む感光性樹脂組成物は、半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜、平坦化膜などに広く使用されており、最近では、例えば有機EL素子の絶縁膜やTFT基板の平坦化膜などに使用されている。
ポリイミドを含む感光性樹脂組成物を有機EL素子の絶縁膜用途として用いた場合、感光性樹脂組成物の塗布は主にスリット塗布によって行われる。近年は増産のため基板の大型化が進んでおり、基板が大きくなるにしたがって、生産タクトに大きな影響を与える露光工程における露光時間の短縮化、つまり感光性樹脂組成物の高感度化が求められる。
また絶縁膜用途として用いた場合、上部電極の断線防止の観点から、形成されたパターンは低テーパー角であることが求められる。
これまでに、ポリイミド前駆体またはポリベンゾオキサゾール前駆体などのアルカリ可溶性樹脂、キノンジアジド化合物に加え、高感度化のためにアクリレートを含有するポジ型感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2007−193322号公報 特開2008−83528号公報 特願2008−100147号公報 特開2008−123053号公報
しかし、特許文献1〜3に記載されている樹脂組成物をキュアして得られるパターン形状は、低融点のアクリレートの添加量が多いため、テーパー角が大きくなってしまう問題があった。また、高感度化を狙って特許文献4に開示されているような架橋剤を含有するポジ型感光性樹脂組成物を用いてパターン形成しようとしても、満足のいく高感度を示さなかった。
本発明は、キュア後のパターン形状が低テーパー角となり、かつ高感度を示す感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、(a)一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂、(b)キノンジアジド化合物、(c)一般式(3)で表されるアルキレンオキサイド鎖を含有する化合物、および(d)一般式(2)で表される熱架橋剤を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物である。
Figure 0006459191
(一般式(1)中、Rは2個以上の炭素原子を有する2価〜8価の有機基を示し、Rは2個以上の炭素原子を有する2価〜8価の有機基を示し、RおよびR4は同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜20の有機基を示す。nは5〜100000の範囲、pおよびqは、それぞれ0〜4の整数、rおよびsは、それぞれ0〜2の整数であり、p+q>0である。)
(一般式(2)中、R は炭素数1〜20の1価の有機基、Cl、Br、IまたはFを示す。R およびR は、CH OR 10 (R 10 は水素原子または炭素数1〜6の1価の炭化水素基)を示す。R は水素原子、メチル基またはエチル基を示す。hは0〜2の整数、iは1〜4の整数を示す。iが2〜4の場合、複数のR 〜R はそれぞれ同じでも異なってもよいが、同一のベンゼン環がR を2つ有する場合は、R は同じである。R 11 〜R 33 は水素原子、炭素数1〜20の1価の有機基、Cl、Br、IまたはFを示す。)
Figure 0006459191
(上記一般式(3)中、lおよびzはそれぞれ独立に0または1、nおよびxはそれぞれ独立に1〜20の整数、mおよびyはそれぞれ独立に1〜20の整数を示す。R 37 はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜20の有機基を示す。)
また、本発明は、上記の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し感光性樹脂膜を形成する工程、該感光性樹脂膜を乾燥する工程、該感光性樹脂膜を露光する工程、露光された感光性樹脂膜を現像する工程、および、加熱処理をする工程を含む耐熱性樹脂膜の製造方法である。
また、本発明は、上記の感光性樹脂組成物を、第一電極が形成された基板上に塗布し感光性樹脂膜を形成する工程、該感光性樹脂膜を乾燥、露光、現像および加熱処理して絶縁層を形成する工程、発光層を形成する工程、および、第二電極を形成する工程を少なくとも含む有機電界発光装置の製造方法である。
また、本発明は、上記の製造方法により得られた耐熱性樹脂膜を有する有機電界発光装置および耐熱性樹脂膜を表面保護膜または層間絶縁膜として有する電子部品である。
本発明によれば、高い感度を示し、得られた絶縁膜のキュア後の形状が低テーパー角を有する感光性樹脂組成物を得ることができる。
絶縁層の境界部分を示す概略図である。
本発明の感光性樹脂組成物は(a)一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂、(b)キノンジアジド化合物、(c)一般式(3)で表されるアルキレンオキサイド鎖を含有する化合物、および(d)一般式(2)で表される熱架橋剤を含有する。以下、各成分について詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されない。
(a)樹脂
上記の一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂を、以下(a)成分と呼ぶ。(a)成分は、加熱あるいは適当な触媒により、イミド環、オキサゾール環、またはその他の環状構造を有するポリマーとなり得るものである。環構造となることで、耐熱性、耐溶剤性が飛躍的に向上する。(a)成分としては、耐熱性に優れ、有機電界発光素子の絶縁層、あるいは、半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜として優れた特性を示すことから、ポリイミド前駆体またはポリベンゾオキサゾール前駆体が好ましい。すなわち、(a)成分は耐熱性樹脂前駆体であり、(a)成分を加熱することによって耐熱性樹脂が得られる。ここで、耐熱性樹脂とは、ポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂等のイミド環、オキサゾール環、またはその他の環状構造を有するポリマーのことである。
上記一般式(1)において、Rは、酸二無水物残基を表しており、2個以上の炭素原子を有する2価〜8価の有機基である。Rは、芳香族環または脂肪族環を含有し、かつ、水酸基を0〜2個有した、炭素数6〜30の3価または4価の有機基であることが好ましい。また、Rは、ジアミン残基を表しており、2個以上の炭素原子を有する2価〜8価の有機基である。Rは、得られるポリマーの耐熱性の点で、芳香族環を有するものが好ましい。
一般式(1)のRおよびRは同じであっても異なっていても良く、水素原子または炭素数1〜20の有機基を表している。RおよびRの炭素数が20を越えると現像液に溶解しにくくなる。炭素数1〜20の有機基としては、アルキル基または炭素炭素不飽和二重結合を有する有機基が特に好ましい。また、rおよびsは、それぞれ独立に0〜2の整数である。
本発明の感光性樹脂組成物がポジ型である場合には、RおよびRが水素原子またはアルキル基であることが好ましい。感光性樹脂組成物の安定性の点では、RおよびRはアルキル基が好ましいが、現像液に対する溶解性の点では水素原子が好ましい。水素原子とアルキル基を混在させることもできる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ヘキシル基などが挙げられるがこれらに限定されない。RおよびRは、炭素数1〜16のアルキル基を少なくとも1つ以上含有し、その他は水素原子であることが好ましい。水素原子とアルキル基の量を制御することで、現像液に対する溶解速度が変化するので、この調整により適度な溶解速度を有した感光性樹脂組成物を得ることができる。好ましい範囲は、RおよびRの10モル%〜90モル% が水素原子であることである。
一般式(1)において、pおよびqは、それぞれ独立に0〜4の整数であり、かつ、p+q>0である。すなわち、(a)成分は、水酸基を有している。これは、現像をアルカリ水溶液で行える点でも好ましい。特に、水酸基がフェノール性の水酸基であるとアルカリ水溶液に対する溶解性の点でより好ましい。
一般式(1)のnは構造単位の繰り返し数を示しており、5〜100,000の範囲であることが好ましい。より好ましくはnが10〜10,000の範囲である。nが5よりも小さいと、パターン形状、解像度、現像性、耐熱性などが劣化しやすい。nが10,000より大きいと、現像性および感度が悪化する傾向がある。本発明において、nの値は、(a)成分の重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィーによってポリスチレン換算で測定し、得られた重量平均分子量を、(a)成分を構成する構造単位1個あたりの分子量で割ることにより求められる。
(a)成分の好ましい重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いポリスチレン換算で測定した値が、3,000〜100,000であり、より好ましくは5,000〜50,000である。
一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂は、公知の方法を利用して合成される。例えば、低温中でテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後ジアミンと縮合剤の存在下で反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後残りのジカルボン酸を酸クロリド化し、ジアミンと反応させる方法などを利用して合成することができる。
ポリマー中に導入された末端封止剤は、以下の方法で容易に検出できる。例えば、末端封止剤が導入されたポリマーを、酸性溶液に溶解し、ポリマーの構成単位であるアミン成分と酸無水成分に分解し、これをガスクロマトグラフィー(GC)や、NMR測定することにより、本発明に使用の末端封止剤を容易に検出できる。これとは別に、末端封止剤が導入された樹脂成分を直接、熱分解ガスクロマトグラフ(PGC)や赤外スペクトルおよび13C−NMRスペクトル測定でも、容易に検出可能である。
また、(a)成分は、フッ素原子を構造中に有していても良い。フッ素原子を有することで極性部位が増加し、溶剤に対する溶解性が飛躍的に向上する。またアルカリ水溶液で現像する際に、膜の界面に撥水性が適度に出るために、界面のしみこみなどが抑えられる。しかしながら、フッ素原子含有量が20重量%を越えると、アルカリ水溶液に対する溶解性が低下すること、熱処理により環状構造にしたポリマーの耐有機溶媒性が低下すること、発煙硝酸に対する溶解性が低下することから好ましくない。このような理由から、フッ素原子は20重量%以下含まれることが好ましい。
さらに、基板との接着性を向上させるために、耐熱性を低下させない範囲でRおよびRにシロキサン構造を有する脂肪族の基を共重合してもよい。具体的には、ジアミン成分として、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(p−アミノ−フェニル)オクタメチルペンタシロキサンなどを全アミン成分に対して1〜10モル%共重合したものなどが挙げられる。
本発明で用いられる具体的な酸二無水物として、水酸基を有さない例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2− ビス( 3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2− ビス(2,3−ジカルボキシフェニルプロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物や、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、および「TDA100」、「リカレジンTMEG」(以上、商品名、新日本理化(株)製)などの脂肪族のテトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。これらのうち、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’− ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物が好ましい。
また、一般式(1)中、R(COOR(OH)で表される水酸基を有する酸二無水物残基の好ましい例として、下記に示す構造が挙げられる。
Figure 0006459191
これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明で用いられるジアミンの具体的な例としては、水酸基を有しないジアミンの例としては、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、4,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジジン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,5−ジアミノ安息香酸、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ) ベンゼン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’ −ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,3,3’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’,4,4’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジ(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、あるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物や、脂肪族のシクロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されない。上記化合物は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
また、水酸基を有するジアミンの例としては、フッ素原子を有した2,2−ビス〔4−(アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4− (4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、フッ素原子を有さないジアミノジヒドロキシピリミジン、ジアミノジヒドロキシピリジン、ヒドロキシ−ジアミノ−ピリミジン、ジアミノフェノール、ジヒドロキシベンチジンおよび「ABCH」、「ABPS」(商品名、日本化薬(株)製)などの化合物や一般式(1)のR(COOR(OH)が下記に示した構造のものが挙げられる。
Figure 0006459191
これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、本発明の(a)一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂の末端に末端封止剤を反応させることもできる。末端封止剤に用いられるモノアミンとしては、具体的には、5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、4−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、1−ヒドロキシ−8−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−3−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−2−アミノナフタレン、1−アミノ−7−ヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−3−アミノナフタレン、1−アミノ−2−ヒドロキシナフタレン、1−カルボキシ−8−アミノナフタレン、1−カルボキシ−7−アミノナフタレン、1−カルボキシ−6−アミノナフタレン、1−カルボキシ−5−アミノナフタレン、1−カルボキシ−4−アミノナフタレン、1−カルボキシ−3−アミノナフタレン、1−カルボキシ−2−アミノナフタレン、1−アミノ−7−カルボキシナフタレン、2−カルボキシ−7−アミノナフタレン、2−カルボキシ−6−アミノナフタレン、2−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−カルボキシ−4−アミノナフタレン、2−カルボキシ−3−アミノナフタレン、1−アミノ−2−カルボキシナフタレン、2−アミノニコチン酸、4−アミノニコチン酸、5−アミノニコチン酸、6−アミノニコチン酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、6−アミノサリチル酸、3−アミノ−o−トルイック酸、アメライド、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、5−アミノ−8−メルカプトキノリン、4−アミノ−8−メルカプトキノリン、1−メルカプト−8−アミノナフタレン、1−メルカプト−7−アミノナフタレン、1−メルカプト−6−アミノナフタレン、1−メルカプト−5−アミノナフタレン、1−メルカプト−4−アミノナフタレン、1−メルカプト−3−アミノナフタレン、1−メルカプト−2−アミノナフタレン、1−アミノ−7−メルカプトナフタレン、2−メルカプト−7−アミノナフタレン、2−メルカプト−6−アミノナフタレン、2−メルカプト−5−アミノナフタレン、2−メルカプト−4−アミノナフタレン、2−メルカプト−3− アミノナフタレン、1−アミノ−2−メルカプトナフタレン、3−アミノ−4,6−ジメルカプトピリミジン、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノール、2−エチニルアニリン、3−エチニルアニリン、4−エチニルアニリン、2,4−ジエチニルアニリン、2,5−ジエチニルアニリン、2,6−ジエチニルアニリン、3,4−ジエチニルアニリン、3,5−ジエチニルアニリン、1−エチニル−2−アミノナフタレン、1−エチニル−3−アミノナフタレン、1−エチニル−4−アミノナフタレン、1−エチニル−5−アミノナフタレン、1−エチニル−6−アミノナフタレン、1−エチニル−7−アミノナフタレン、1−エチニル−8−アミノナフタレン、2−エチニル−1−アミノナフタレン、2−エチニル−3−アミノナフタレン、2−エチニル−4−アミノナフタレン、2−エチニル−5−アミノナフタレン、2−エチニル−6−アミノナフタレン、2−エチニル−7−アミノナフタレン、2−エチニル−8−アミノナフタレン、3,5−ジエチニル−1−アミノナフタレン、3,5−ジエチニル−2−アミノナフタレン、3,6−ジエチニル−1−アミノナフタレン、3,6−ジエチニル−2−アミノナフタレン、3,7− ジエチニル−1−アミノナフタレン、3,7−ジエチニル−2−アミノナフタレン、4,8−ジエチニル−1−アミノナフタレン、4,8−ジエチニル−2 −アミノナフタレン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらのうち、5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、1−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−カルボキシ−7−アミノナフタレン、1− カルボキシ−6−アミノナフタレン、1−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−カルボキシ−7−アミノナフタレン、2−カルボキシ−6−アミノナフタレン、2−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、6−アミノサリチル酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノール、3−エチニルアニリン、4−エチニルアニリン、3,4−ジエチニルアニリン、3,5−ジエチニルアニリン等が好ましい。
末端封止剤に用いられる酸無水物、モノカルボン酸、モノ酸クロリド化合物およびモノ活性エステル化合物から選ばれた化合物としては、具体的には、無水フタル酸、無水マレイン酸、ナジック酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、3−ヒドロキシフタル酸無水物等の酸無水物、2−カルボキシフェノール、3−カルボキシフェノール、4−カルボキシフェノール、2−カルボキシチオフェノール、3−カルボキシチオフェノール、4−カルボキシチオフェノール、1−ヒドロキシ−8−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−7−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−5−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−4−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−3−カルボキシナフタレン、1− ヒドロキシ−2−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−8−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−7−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−6−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−5−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−4−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−3−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−2−カルボキシナフタレン、2−カルボキシベンゼンスルホン酸、3−カルボキシベンゼンスルホン酸、4−カルボキシベンゼンスルホン酸、2−エチニル安息香酸、3−エチニル安息香酸、4−エチニル安息香酸、2,4−ジエチニル安息香酸、2,5−ジエチニル安息香酸、2,6−ジエチニル安息香酸、3,4−ジエチニル安息香酸、3,5−ジエチニル安息香酸、2−エチニル−1−ナフトエ酸、3−エチニル−1−ナフトエ酸、4−エチニル−1−ナフトエ酸、5−エチニル−1−ナフトエ酸、6−エチニル−1−ナフトエ酸、7−エチニル−1−ナフトエ酸、8−エチニル−1−ナフトエ酸、2−エチニル−2−ナフトエ酸、3−エチニル−2−ナフトエ酸、4−エチニル−2−ナフトエ酸、5−エチニル−2−ナフトエ酸、6−エチニル−2−ナフトエ酸、7−エチニル−2−ナフトエ酸、8−エチニル−2−ナフトエ酸等のモノカルボン酸類およびこれらのカルボキシル基が酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物、およびテレフタル酸、フタル酸、マレイン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、3−ヒドロキシフタル酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、1,2−ジカルボキシナフタレン、1,3−ジカルボキシナフタレン、1,4−ジカルボキシナフタレン、1,5− ジカルボキシナフタレン、1,6−ジカルボキシナフタレン、1,7−ジカルボキシナフタレン、1,8−ジカルボキシナフタレン、2,3−ジカルボキシナフタレン、2,6−ジカルボキシナフタレン、2,7−ジカルボキシナフタレン等のジカルボン酸類のモノカルボキシル基だけが酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物、モノ酸クロリド化合物とN−ヒドロキシベンゾトリアゾールやN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドとの反応により得られる活性エステル化合物等が挙げられる。
これらのうち、無水フタル酸、無水マレイン酸、ナジック酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、3−ヒドロキシフタル酸無水物等の酸無水物、3−カルボキシフェノール、4−カルボキシフェノール、3−カルボキシチオフェノール、4−カルボキシチオフェノール、1−ヒドロキシ−7−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−5−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−7−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−6−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−5−カルボキシナフタレン、3−カルボキシベンゼンスルホン酸、4−カルボキシベンゼンスルホン酸、3−エチニル安息香酸、4−エチニル安息香酸、3,4−ジエチニル安息香酸、3,5−ジエチニル安息香酸等のモノカルボン酸類およびこれらのカルボキシル基が酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物およびテレフタル酸、フタル酸、マレイン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、1,5−ジカルボキシナフタレン、1,6−ジカルボキシナフタレン、1,7−ジカルボキシナフタレン、2,6−ジカルボキシナフタレン等のジカルボン酸類のモノカルボキシル基だけが酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物、モノ酸クロリド化合物とN−ヒドロキシベンゾトリアゾールやN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドとの反応により得られる活性エステル化合物等が好ましい。
末端封止剤として用いられるモノアミンの導入割合は、全アミン成分に対して、0.1〜60モル%の範囲が好ましく、特に好ましくは5〜50モル%である。末端封止剤として用いられる酸無水物、モノカルボン酸、モノ酸クロリド化合物およびモノ活性エステル化合物から選ばれた化合物の導入割合は、ジアミン成分に対して、0.1〜100モル%の範囲が好ましく、特に好ましくは5〜90モル%である。複数の末端封止剤を反応させることにより、複数の異なる末端基を導入しても良い。
本発明の感光性樹脂組成物に含まれる樹脂成分は、(a)成分のみからなるものであっても良いし、他の構造単位を含む共重合体あるいは他の樹脂とのブレンドであっても良い。その際、(a)一般式(1)で表される構造単位を50モル%以上含有していることが好ましい。共重合あるいはブレンドに用いられる構造単位の種類および量は最終加熱処理によって得られる耐熱性樹脂膜の耐熱性を損なわない範囲で選択することが好ましい。
(b)感光剤
本発明の(b)感光剤としては、ポジ型感光剤とネガ型感光剤のいずれも用いることができる。本発明に用いる感光剤としては、キノンジアジド化合物が好ましい。キノンジアジド化合物は、樹脂組成物にポジ型の感光特性を与える感光剤である。樹脂組成物がポジ型の感光特性を有すると、パターン加工に際して、露光部の塗膜内部への放射線有効強度が、塗膜の表面から底部に向かって次第に小さくなり、図1に示すように順テーパー状の断面形状を有する絶縁層を形成することが容易であるので好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物から形成される耐熱性樹脂パターンのテーパー角θは、55°以下が好ましい。より好ましくは50°以下、さらに好ましくは45°以下である。テーパー角を55°以下とすることで、有機電界発光素子の絶縁膜として用いる場合において、有機発光層や第一電極を成膜する際、絶縁膜と第一電極の境界部分で有機発光層や第二電極が局所的に薄くなったり段切れしたりすることなくスムーズに成膜されるため、輝度ムラのない安定した発光が得られる。また、TFT基板の平坦化層として用いる場合においては、テーパー角45°以下が好ましい。より好ましくは40°以下である。テーパー角を45°以下とすることで、平坦化層上部に形成される第一電極が局所的に薄くなったりすることなくスムーズに成膜される。
本発明に用いるキノンジアジド化合物としては、エステル化されたキノンジアジド化合物が好ましく、なかでもフェノール性水酸基を有する化合物にナフトキノンジアジドスルホン酸がエステル結合した化合物がより好ましい。ここで用いられるフェノール性水酸基を有する化合物としては、Bis−Z、BisP−EZ、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、TrisP−PHBA、BisOCHP−Z、BisP−MZ、BisP−PZ、BisP−IPZ、BisOCP−IPZ、BisP−CP、BisRS−2P、BisRS−3P、BisP−OCHP、メチレントリス−p−CR、メチレンテトラ−p−CR、BisRS−26X、Bis−PFP−PC(以上商品名、本州化学工業(株)製)、BIR−OC、BIP−PC、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−PCHP、BIP−BIOC−F、4PC、BIR−BIPC−F、TEP−BIP−A(以上、商品名、旭有機材工業(株)製) 、ナフトール、テトラヒドロキシベンゾフェノン、没食子酸メチルエステル、ビスフェノールA、メチレンビスフェノール、BisP−AP(商品名、本州化学工業(株 製)などの化合物が好ましく挙げられる。ナフトキノンジアジドスルホン酸としては、4−ナフトキノンジアジドスルホン酸あるいは5−ナフトキノンジアジドスルホン酸が好ましい。
このようなナフトキノンジアジド化合物は、水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)に対する感光性が高いので好ましい。
また、本発明で用いるナフトキノンジアジド化合物の分子量が1000以上になると、その後の熱処理においてナフトキノンジアジド化合物が十分に熱分解しないために、得られる膜の耐熱性が低下する、機械特性が低下する、接着性が低下するなどの問題が生じる可能性がある。このような観点より見ると、好ましいナフトキノンジアジド化合物の分子量は300〜1000である。さらに好ましくは、350〜800である。このようなナフトキノンジアジド化合物の添加量としては、樹脂成分100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部である。
また、必要に応じて感光性耐熱性前駆体組成物のアルカリ現像性を補う目的で、上記フェノール性水酸基を有する化合物をナフトキノンジアジドでエステル化せずそのまま添加しても構わない。このフェノール性水酸基を有する化合物を添加することで、得られる感光性樹脂組成物は、露光前はアルカリ現像液にほとんど溶解せず、露光すると容易にアルカリ現像液に溶解するために、現像による膜減りが少なく、かつ短時間で現像が容易になる。この場合、フェノール性水酸基を有する化合物の添加量としては、樹脂成分100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部であり、さらに好ましくは3〜40重量部の範囲である。
一方、樹脂組成物にネガ型の感光特性を与える感光剤としては、光開始剤が好ましい。光開始剤の具体例としては、N−フェニルジエタノールアミン、N−フェニルグリシン、ミヒラーズケトンなどの芳香族アミン、3−フェニル−5−イソオキサゾロンに代表される環状オキシム化合物、1−フェニルプロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムに代表される鎖状オキシム化合物、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ジベンジルケトン、フルオレノンなどのベンゾフェノン誘導体、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン誘導体などが挙げられるがこれらに限定されない。
また、光開始剤とあわせて光増感剤を用いても良い。好ましい光増感剤としては、アジドアントラキノン、アジドベンザルアセトフェノンなどの芳香族モノアジド、3,3’−カルボニルビス(ジエチルアミノクマリン)などのクマリン化合物、ベンズアントロン、フェナントレンキノンなどの芳香族ケトンなど一般に光硬化性樹脂に使用されるようなものが挙げられる。その他電子写真の電荷移動剤として使用されるものであれば好ましく使用できる。
光開始剤や光増感剤の添加量は、ポリマー100重量部に対して0.01〜30重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜20重量部である。この範囲を外れると感光性が低下したり、ポリマーの機械特性が低下したりするので注意を要する。これらの光開始剤や光増感剤は、単独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。
また、さらに感光性能を上げるために、炭素炭素二重結合を有する化合物を添加しても良い。このような化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、付加モル数2〜20のポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、メチレンビスアクリルアミド及び上記のアクリレートまたは相当するメタクリレート、メタクリルアミド等がある。これらの化合物は、ポリマー100重量部に対して、1〜30重量部の範囲で添加するのが好ましい。
(c)アルキレンオキサイド鎖を含有する化合物
本発明の感光性樹脂組成物は、(c)アルキレンオキサイド鎖を含有する化合物を含有する。(c)アルキレンオキサイド鎖を含有する化合物を含有することで、感光性樹脂組成物の感度を向上させることができる。(c)の構造は一般式(3)で表されるものが好ましい。
Figure 0006459191
Figure 0006459191
(上記一般式(3)中、lおよびzはそれぞれ独立に0または1、nおよびxは、それぞれ独立に1〜20の整数、mおよびyは、それぞれ独立に1〜20の整数を示す。R37はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜20の有機基を示す。)
一般式(3)中、lおよびzはそれぞれ独立に0または1、好ましくはl=z=1である。nおよびxは、それぞれ独立に1〜20の整数を示し、好ましくは1〜4である。mおよびyは、それぞれ独立に1〜20の整数を示し、好ましくはm+yが4〜16である。R35の構造として(A−1)〜(A−13)が挙げられる。特に(A−7)、(A−9)、(A−10)が好ましい。また、R34およびR36の構造としては(B−1)〜(B−6)が挙げられ、特に(B−1)、(B−4)、(B−5)が好ましい。
(c)アルキレンオキサイド鎖を含有する化合物の分子量は、5000以下であることが好ましい。分子量が5000よりも大きい場合は、感光性樹脂組成物中において樹脂として機能する可能性がある。また、分子量は200以上であることが、熱重量減少を小さくする点、およびキュア時における膜収縮を小さくする点から好ましい。
(c)アルキレンオキサイド鎖を含有する化合物の具体例としては、日油株式会社製PDBE−200A、PDBE−450A、ブレンマーADCシリーズ、共栄化学株式会社製 NP−A、MPD−A、BP−4EAL、BP−4PA、G−201P、TMP−A、PE−3A、PE−4A、DP−6A、日本乳化剤株式会社製BA2、BA4JU、BA6U、東京化成株式会社製の1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ブチン、テレフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)、フタル酸ビス(2−メトキシエチル)などが好ましい。
(c)アルキレンオキサイド鎖を含有する化合物の含有量は、(a)成分100重量部に対して1重量部以下であることが好ましい。この範囲内であれば、ポジ型感光性樹脂組成物のキュア後のパターン形状を保ち、感度をより向上させることができる。
(d)熱架橋剤
本発明の樹脂組成物は、(d)一般式(2)で表される熱架橋剤を含有する。かかる熱架橋剤は従来公知の尿素・メラミン系熱架橋剤に比べて架橋反応温度が高く、かつ架橋反応性が高いため、パターン加工時のプリベーク工程での架橋反応を防ぐことができ、かつ、得られる硬化膜の耐薬品性を向上させることができる。特に、250℃以下の低温で焼成した場合にも、十分な耐薬品性を有する硬化膜を得ることができる。また、本発明においては、(c)アルキレンオキサイド鎖を含有する化合物を添加した感光性樹脂組成を用いてパターン形成する場合において、キュアした際に生じる高テーパー角化を防ぐことができる。
本発明において、一般式(2)で表される熱架橋剤は、未置換のものや多量化したものなどが混入すると、樹脂組成物の架橋反応が十分進まない場合がある。このため、一般式(2)で表される化合物の純度は、80%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。純度が80%以上であれば、樹脂組成物の架橋反応を十分に行い、吸水性基となる未反応基を少なくすることができるため、樹脂組成物の吸水性を小さくすることができる。高純度の熱架橋剤を得るためには、再結晶、蒸留などを行い、目的物だけを集める方法などがある。熱架橋剤の純度は液体クロマトグラフィー法により求めることができる。
一般式(2)中、Rは直接結合または1〜4価の連結基を示す。Rは炭素数1〜20の1価の有機基、Cl、Br、IまたはFを示す。RおよびRは、CHOR10(R10は水素原子または炭素数1〜6の1価の炭化水素基)を示す。Rは水素原子、メチル基またはエチル基を示す。hは0〜2の整数、iは1〜4の整数を示す。iが2〜4の場合、複数のR〜Rはそれぞれ同じでも異なってもよいが、同一のベンゼン環がRを2つ有する場合は、Rは同じである。
一般式(2)で表される熱架橋剤として本発明に好ましく用いられる化合物の一例を下記に示す。
Figure 0006459191
(d)熱架橋剤の含有量は、(a)成分100重量部に対して5重量部以上が好ましく、10重量部以上がより好ましい。5重量部以上であると、硬化膜の架橋密度が高くなり、耐薬品性が向上するため好ましい。さらに10重量部以上であるとより高い機械特性が得られる。一方、組成物の保存安定性、機械強度の観点から、50重量部以下が好ましく、40重量部以下がより好ましく、30重量部以下がさらに好ましい。なお、(a)成分または(d)成分を2種以上含有する場合は、それらの総量が上記範囲であることが好ましい。
次に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて耐熱性樹脂膜を形成する方法について説明する。耐熱性樹脂膜を形成する工程は、感光性樹脂組成物を基板上に塗布し感光性樹脂膜を形成する工程、該感光性樹脂膜を乾燥する工程、該感光性樹脂膜を露光する工程、露光された感光性樹脂膜を現像する工程、および加熱処理をする工程を含む。
まず、感光性樹脂組成物を基板上に塗布する。基板はシリコンウエハ、金属でスパッタしたシリコンウエハ、セラミックス類、ガリウムヒ素、金属、ガラス、金属酸化絶縁膜、窒化ケイ素、ITOなどが用いられるが、これらに限定されない。塗布方法としては、スピンナを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティング、スリットダイコーティングなどの方法が挙げられる。また、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の固形分濃度、粘度などによって異なるが、通常、乾燥後の膜厚が0.1〜150μmになるように塗布される。
次に、感光性樹脂組成物を塗布した基板を乾燥して、感光性樹脂膜を得る。乾燥はオーブン、ホットプレート、赤外線などを使用し、50℃〜150℃の範囲で1分間〜数時間行うことが好ましい。
次に、この感光性樹脂膜上に所望のパターンを有するマスクを通して化学線を照射する。露光に用いられる化学線としては紫外線、可視光線、電子線、X線などがあるが、本発明では水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を用いることが好ましい。
露光後、現像液を用いて露光部を除去することにより、パターンを形成することができる。現像液は、テトラメチルアンモニウム水溶液、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性を示す化合物の水溶液が好ましい。また場合によっては、これらのアルカリ水溶液にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、ジメチルアクリルアミドなどの極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを1種以上添加してもよい。現像後は水にてリンス処理をすることが好ましい。ここでもエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類などを水に加えてリンス処理をしてもよい。
現像後、200℃〜500℃の温度を加えて耐熱性樹脂膜に変換する。この加熱処理は温度を選び、段階的に昇温するか、ある温度範囲を選び連続的に昇温しながら5分間〜5時間実施することが好ましい。一例としては、130℃、200℃、350℃の各温度で30分間ずつ熱処理する方法、あるいは室温より400℃まで2時間かけて直線的に昇温するなどの方法が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物により形成した耐熱性樹脂膜は、半導体のパッシベーション膜、半導体素子の保護膜、高密度実装用多層配線の層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などの用途に好適に用いられる。
本発明の感光性樹脂組成物を用いて有機電界発光素子の絶縁層を形成する場合は、第一電極が形成された基板上に感光性樹脂組成物を塗布し感光性樹脂膜を形成する工程、該感光性樹脂膜を乾燥、露光、現像および加熱処理して絶縁層を形成する工程、発光層を形成する工程、および、第二電極を形成する工程を少なくとも含む。
以下実施例等をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。ただし、以下に示す実施例6および8は参考例である。なお、実施例中の感度測定とテーパー角の測定は以下の方法で行った。
膜厚の測定方法
大日本スクリーン製造(株)製ラムダエースSTM−602を使用し、プリベーク後および現像後の膜は、屈折率1.629として測定した。
プリベーク膜のパターン加工
東京エレクトロン(株)製の塗布現像装置ACT−8を用いて、8インチシリコンウエハー上に、ワニスを現像後の膜厚が3.6μmとなるように塗布し、ついで120℃で2分ベークすることにより、プリベーク膜を得た。
得られたプリベーク膜を、Nikon(株)製i線ステッパーNSR−2005i9Cにて露光し、ついで東京エレクトロン(株)製の塗布現像装置ACT−8を用いて75〜80秒現像し、感光性樹脂膜を得た。
感度測定
感光性樹脂膜に、20μmラインのフォトマスクを介して露光および現像し得られたパターンの開溝寸法を、レーザー顕微鏡を用いて測長した。開溝寸法が20μmを越える最小の露光量を感度とした。感度が120mJ/cm以下の場合を合格(○)とし、120mJ/cmより大きく150mJ/cm以下の場合を△、150mJ/cmを超える場合を不合格(×)とした。
キュア後テーパー角測定
光洋サーモシステム(株)製イナートオーブンINH−21CDを用いて、窒素気流下(酸素濃度20ppm以下)、250℃で1時間キュアし、耐熱性樹脂被膜(キュア膜)を作製した。得られたキュア膜の10μmラインを日立ハイテクノロジーズ(株)製電界放出型走査電子顕微鏡S−4800を用いて撮影し、テーパー角を測定した。テーパー角とは、パターン側面と基板表面のなす角度を指し、図1においてθで示す角をいう。テーパー角の測定はパターン断面の電子顕微鏡観察により行う。テーパー角が55°以下の場合を合格(○)とし、55°よりも大きい場合を不合格(×)とした。
合成例1 水酸基含有酸無水物(a)の合成
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF)18.3g(0.05モル)とアリルグリシジルエーテル34.2g(0.3モル)をγ−ブチロラクトン100gに溶解させ、−15℃に冷却した。ここにγ−ブチロラクトン50gに溶解させた無水トリメリット酸クロリド22.1g(0.11モル)を反応液の温度が0℃を越えないように滴下した。滴下終了後、0℃で4時間反応させた。この溶液をロータリーエバポレーターで濃縮した後、トルエン1lに投入して酸無水物(a) を得た。
合成例2 水酸基含有ジアミン化合物(b)の合成
2−アミノ−4−ニトロフェノール15.4g(0.1モル)をアセトン50mlおよびプロピレンオキシド30g(0.34モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに2,2ビス−(4−ベンゾイルクロリド)ヘキサフルオロプロパン23.6g(0.055モル)をアセトン60mlに溶解させた溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させた。その後、室温に戻して生成している沈殿をろ過で集めた。
この沈殿をγ−ブチロラクトン200mlに溶解させて、5%パラジウム−炭素3gを加えて、激しく撹拌した。ここに水素ガスを入れた風船を取り付け、室温で水素ガスの風船がこれ以上縮まない状態になるまで撹拌を続け、さらに2時間水素ガスの風船を取り付けた状態で撹拌した。撹拌終了後、ろ過でパラジウム化合物を除き、溶液をロータリーエバポレーターで半量になるまで濃縮した。ここにエタノールを加えて、再結晶を行い、ジアミン化合物(b)の結晶を得た。
合成例3 水酸基含有ジアミン化合物(c)の合成
BAHF18.3g(0.05モル)をアセトン100mlおよびプロピレンオキシド17.4g(0.3モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに4−ニトロベンゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をアセトン100mlに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させ、その後室温に戻した。析出した白色固体をろ別し、50℃で真空乾燥した。
得られた固体30gを300mlのステンレスオートクレーブに入れ、メチルセルソルブ250mlに分散させ、5%パラジウム−炭素を2g加えた。ここに水素を風船で導入して、還元反応を室温で行った。約2時間後、風船がこれ以上しぼまないことを確認して反応を終了させた。反応終了後、ろ過して触媒であるパラジウム化合物を除き、ロータリーエバポレーターで濃縮し、ジアミン化合物(c)を得た。得られた固体をそのまま反応に使用した。
合成例4 キノンジアジド化合物(d)の合成
乾燥窒素気流下、TrisP−PA(商品名、本州化学工業(株)製)21.23g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド33.58g(0.125モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン12.65g(0.125モル)を系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、ろ液を水に投入させた。その後、析出した沈殿をろ過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、キノンジアジド化合物(d)を得た。
各実施例および比較例に使用した(d)熱架橋剤を下記に示した。
Figure 0006459191
各実施例および比較例に使用した(c)アルキレンオキサイド鎖を含有する化合物を下記に示した。
Figure 0006459191
実施例1
乾燥窒素気流下、合成例1で得られた水酸基含有酸無水物(a)12.01g(0.02モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)100gに溶解させた。ここに合成例2で得られた水酸基含有ジアミン(b)9.6g(0.016モル)をNMP25gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で2時間反応させた。次に4−アミノフェノール0.87g(0.008モル)を加え50℃で2時間反応させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール7.15g(0.06モル)をNMP10g で希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水1lに投入して、沈殿した樹脂(樹脂A)をろ過で集めた。樹脂Aを80℃の真空乾燥機で40時間乾燥した。
次にこのようにして得た樹脂A 10g、合成例4で得られたキノンジアジド化合物(d)1.5g、MX−280 0.3gおよびPDBE−450A 0.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点118−119℃)35gとγ−ブチロラクトン(沸点204℃)15gの混合溶媒に溶解して、感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物のワニスW1を得た。得られたワニスW1を用いて、前記のとおり感度およびキュア後のテーパー角について評価を行った。得られた結果を表1に示す。
実施例2
実施例1で得た樹脂A 10g、合成例4で得られたキノンジアジド化合物(d)1.5g、MX−280 0.3gおよびPDBE−450A 0.01gをプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点118−119℃)35gとγ−ブチロラクトン(沸点204℃)15gの混合溶媒に溶解して、感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物のワニスW2を得た。得られたワニスW2を用いて、実施例1と同様に評価を行った。得られた結果を表1に示す。
実施例3
実施例1で得た樹脂A 10g 、合成例4で得られたキノンジアジド化合物(d)1.5g、MX−280 0.3gおよびPDBE−450A 1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点118−119℃)35gとγ−ブチロラクトン(沸点204℃)15gの混合溶媒に溶解して、感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物のワニスW3を得た。得られたワニスW3を用いて、実施例1と同様に評価を行った。得られた結果を表1に示す。
実施例4
乾燥窒素気流下、合成例3で得られた水酸基含有ジアミン化合物(c)9.67g(0.016モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン0.50g(0.002モル)、末端封止剤として3−アミノフェノール0.44g(0.004モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50gに溶解させた。ここにビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物6.2g(0.02モル)をNMP14gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で4時間反応させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール7.15g(0.06モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水1lに投入して、沈殿した樹脂(樹脂B)をろ過で集めた。樹脂Bを70℃の真空乾燥機で60時間乾燥した。
次にこのようにして得た樹脂B 10g、合成例4で得られたキノンジアジド化合物(d)1.5g、熱架橋剤HMOM 0.3gおよびBP−6EM 0.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点118−119℃)25gとγ−ブチロラクトン(沸点204℃)25gの混合溶媒に溶解して、感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物のワニスW4を得た。得られたワニスW4を用いて、実施例1と同様に評価を行った。得られた結果を表1に示す。
実施例5
乾燥窒素気流下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル9.08g(0.045モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g(0.005モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)20gに溶解させた。ここに合成例1で得られた水酸基含有酸二無水物(a) 24.02g(0.04モル)をNMP15gとともに加えて、20℃ で1時間反応させ、次いで50℃で2時間反応させた。反応後、末端封止剤として無水マレイン酸1.96g(0.02モル)を加えさらに50℃で2時間反応させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール15.19g(0.127モル)をNMP4gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水1lに投入して、沈殿した樹脂(樹脂C)をろ過で集めた。樹脂Cを70℃の真空乾燥機で60時間乾燥した。
次にこのようにして得た樹脂C 10g、合成例4で得られたキノンジアジド化合物(d)1.5g、架橋剤DML−PTBP 0.3gおよびBA4JU 0.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点118−119℃)25gとγ−ブチロラクトン(沸点204℃)25gの混合溶媒に溶解して、感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物のワニスW5を得た。得られたワニスW5を用いて、実施例1と同様に評価を行った。得られた結果を表1に示す。
実施例6
実施例1で得た樹脂A 10g、合成例4で得られたキノンジアジド化合物(d)1.5g、MX−280 0.3g、およびMTG−A 0.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点118−119℃)35gとγ−ブチロラクトン(沸点204℃)15gの混合溶媒に溶解して、感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物のワニスW6を得た。得られたワニスW6を用いて、実施例1と同様に評価を行った。得られた結果を表1に示す。
実施例7
乾燥窒素気流下、BAHF18.3g(0.05モル)をNMP50g、グリシジルメチルエーテル26.4g(0.3モル)に溶解させ、溶液の温度を−15℃まで冷却した。ここにジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド14.7g(0.050モル)をγ−ブチロラクトン25gに溶解させた溶液を内部の温度が0℃を越えないように滴下した。滴下終了後、−15℃で6時間撹拌を続けた。反応終了後、溶液を水3Lに投入して白色の沈殿を集めた。この沈殿をろ過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で20時間乾燥し、樹脂Dを得た。
次にこのようにして得た樹脂D 10g、合成例4で得られたキノンジアジド化合物(d)1.5g 、および熱架橋剤HMOM 0.3gおよびBA6U 0.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点118−119℃)25gとγ−ブチロラクトン(沸点204℃)25gの混合溶媒に溶解して、感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物のワニスW7を得た。得られたワニスW7を用いて、実施例1と同様に評価を行った。得られた結果を表1に示す。
実施例8
実施例7で得た樹脂D 10g、合成例5で得られたキノンジアジド化合物(d)1.5g 、および熱架橋剤HMOM 0.3gおよびMTG−A 0.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点118−119℃)25gとγ−ブチロラクトン(沸点204℃)25gの混合溶媒に溶解して、感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物のワニスW8を得た。得られたワニスW8を用いて、実施例1と同様に評価を行った。得られた結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において熱架橋剤を加えない以外は、同様の評価を行ったところ、感度は120mJ/cmと良好であったが、テーパー角が65°となり、低テーパー角とならなかった。
比較例2
実施例1でアルキレンオキサイド鎖を有する化合物を加えない以外は、同様の評価を行ったところ、低テーパー角であったが、感度が150mJ/cmを超える結果となり、高感度を示さなかった。
比較例3
実施例7で熱架橋剤を加えない以外は、同様の評価を行ったところ、感度は120mJ/cmと良好であったが、テーパー角が65°となり、低テーパー角とならなかった。
比較例4
実施例7でアルキレンオキサイド鎖を有する化合物を加えない以外は、同様の評価を行ったところ、低テーパー角であったが、感度が150mJ/cmを超える結果となり、高感度を示さなかった。
実施例1〜8および比較例1〜4の結果を表1に示す。
Figure 0006459191
1.基板
2.第一電極
3.絶縁層

Claims (5)

  1. (a)一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂、(b)キノンジアジド化合物、(c)一般式(3)で表されるアルキレンオキサイド鎖を含有する化合物、および(d)一般式(2)で表される熱架橋剤を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
    Figure 0006459191
    (一般式(1)中Rは2個以上の炭素原子を有する2価〜8価の有機基を示し、Rは2個以上の炭素原子を有する2価〜8価の有機基を示し、RおよびRは同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜20の有機基を示す。nは5〜100000の範囲、pおよびqは、それぞれ0〜4の整数、rおよびsは、それぞれ0〜2の整数である。また、p+q>0である。)
    Figure 0006459191

    (上記一般式(2)中、Rは炭素数1〜20の1価の有機基、Cl、Br、IまたはFを示す。RおよびRは、CHOR10(R10は水素原子または炭素数1〜6の1価の炭化水素基)を示す。Rは水素原子、メチル基またはエチル基を示す。hは0〜2の整数、iは1〜4の整数を示す。iが2〜4の場合、複数のR〜Rはそれぞれ同じでも異なってもよいが、同一のベンゼン環がRを2つ有する場合は、Rは同じである。)
    (上記一般式(2)中、R11〜R33はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の1価の有機基、Cl、Br、IまたはFを示す。)
    Figure 0006459191
    Figure 0006459191
    (上記一般式(3)中、lおよびzはそれぞれ独立に0または1、nおよびxはそれぞれ独立に1〜20の整数、mおよびyはそれぞれ独立に1〜20の整数を示す。R37はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜20の有機基を示す。)
  2. 前記(c)一般式(3)で表されるアルキレンオキサイド鎖を含有する化合物の含有量が、前記(a)一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂100重量部に対して0.01〜1重量部であることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物を用いた電子部品。
  4. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し感光性樹脂膜を形成する工程、該感光性樹脂膜を乾燥する工程、該感光性樹脂膜を露光する工程、露光された感光性樹脂膜を現像する工程、および、加熱処理をする工程を含む耐熱性樹脂膜の製造方法。
  5. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物を、第一電極が形成された基板上に塗布し感光性樹脂膜を形成する工程、該感光性樹脂膜を乾燥、露光、現像および加熱処理して絶縁層を形成する工程、発光層を形成する工程、および、第二電極を形成する工程を少なくとも含む有機電界発光装置の製造方法。
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