JP6458872B2 - 自動販売機の商品取出口構造 - Google Patents

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Description

本発明は、商品の販売を行う自動販売機の商品取出口構造に関するものである。
従来、商品の販売を行う自動販売機には、商品収納部の商品ラックに収納された商品を搬送トレイに繰り出した後、搬送トレイによって搬送して所定の商品取出部に払い出すようにしたものがある。商品取出部は、商品取出口を介して外部に連通された部位であり、利用者が商品取出口から手を差し入れれば、購入した商品の取り出しが可能である。
通常、この種の自動販売機では、前面を構成する扉体がガラス等の透明な面材によって構成されており、商品収納部における商品ラックに収納された商品を外部から視認して選択することが可能であり、更に、商品ラックから繰り出された購入商品が搬送トレイによって商品取出部まで搬送される状態を観察することができる。このように商品収納部の内部が視認可能な自動販売機によれば、利用者の購買意欲を高めることができる等の利点がある。
そして、このような自動販売機では、商品取出口は商品取出扉により開閉可能なものであり、かかる商品取出扉は、上端部が軸支されて下端部が前後方向に揺動することで商品取出口を開閉させるものであった(例えば、特許文献1参照)。
特許第3414904号公報
ところで、近年においては、自動販売機で販売される商品も多様化しており、以前は販売が困難であった弁当等のように商品姿勢を変えてしまうと商品中身が崩れてしまうような商品も販売されつつある。
そこで、搬送トレイによって商品を搬送して商品取出部に払い出すのではなく、搬送トレイに載置した状態で商品取出部まで商品を搬送し、商品取出扉が揺動して商品取出口が開放されることで、該商品取出口を通じて搬送トレイに載置した商品を取り出させるようにした自動販売機が提案されている。
しかしながら、このように搬送トレイに商品を載置した状態で商品取出部まで商品を搬送する自動販売機では、商品取出部と商品収納部とが連通しているため、悪意のある者が商品取出口から腕等を侵入させることにより商品収納部の商品ラックに収納された商品を取り出すことが可能となる虞れがあり、防盗性を確保することが要求される。
本発明は、上記実情に鑑みて、商品取出部まで商品が搬送されることを許容しつつ、防盗性を良好なものとすることができる自動販売機の商品取出口構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る自動販売機の商品取出口構造は、商品を収納する商品収納部と該商品収納部に連通する商品取出部とを有する自動販売機本体の前面に形成された商品取出口と、前後方向に沿って揺動する態様で上端部が前記自動販売機本体に軸支され、かつ前方に向けて揺動する場合に前記商品取出口を閉塞する一方、後方に向けて揺動する場合に前記商品取出口を開放する商品取出扉とを備え、前記商品取出扉が開放位置まで後方に揺動して前記商品取出口を開放する場合に、前記商品収納部から前記商品取出部に搬送された商品を取出可能にする自動販売機の商品取出口構造において、前記商品取出扉に左右方向に沿って延在する軸部を介して連結されるとともに前記自動販売機本体に移動可能に支持されることにより、商品取出扉の揺動に応じて該商品取出扉の後面に近接離反する態様で変位可能に設けられ、かつ前記商品取出扉が前記商品取出口を閉塞する場合には該商品取出扉の後面に接する待機姿勢となる一方、前記商品取出扉が前記開放位置まで揺動する場合には該商品取出扉とともに前記商品収納部と前記商品取出部とを遮断する防盗部材を備えたことを特徴とする。
また本発明は、上記自動販売機の商品取出口構造において、前記防盗部材は、下端部が前記軸部を介して前記商品取出扉の下端部に連結された防盗板部と、一端が前記防盗板部に連結され、かつ他端に取り付けられたローラが前記自動販売機本体の前記商品取出口の下方に形成されたレールに案内される態様で支持された左右一対のアーム部とを備え、前記商品取出扉が前記商品取出口を閉塞する場合には前記防盗板部が該商品取出扉の後面に接する一方、前記商品取出扉が前記開放位置まで揺動する場合には前記防盗板部が該商品取出扉とともに前記商品収納部と前記商品取出部とを遮断することを特徴とする。
また本発明は、上記自動販売機の商品取出口構造において、前記レールは、前記商品取出扉が前記商品取出口を閉塞する場合に前記ローラを下限位置に案内する一方、前記商品取出扉が前記開放位置に至る場合に前記ローラを上限位置に案内するものであって、前記下限位置から上方に向かうに連れて漸次前方に傾斜する第1案内部と、前記第1案内部の延在端部より上方に向けて延在する第2案内部と、前記第2案内部の延在端部より上方に向かうに連れて漸次後方に傾斜して延在し、前記上限位置に至る第3案内部とを備えたことを特徴とする。
また本発明は、上記自動販売機の商品取出口構造において、前記防盗部材が前記待機姿勢になった場合に、該防盗部材に設けられた突部に押圧されることで該防盗部材が待機姿勢になったことを検出する検出手段を備えたことを特徴とする。
また本発明は、上記自動販売機の商品取出口構造において、前記商品取出扉は、断熱構造を有することを特徴とする。
本発明によれば、防盗部材が、商品取出扉が商品取出口を閉塞する場合には商品取出扉の後面に接する待機姿勢となるので、商品収納部から商品取出部まで商品が搬送されることを許容する。そして、防盗部材が、商品取出扉が開放位置まで揺動する場合には商品取出扉とともに商品収納部と商品取出部とを遮断するので、商品取出口から腕等を挿入された場合でも手指が商品収納部に到達することを抑制できる。従って、商品取出部まで商品が搬送されることを許容しつつ、防盗性を良好なものとすることができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態である商品取出口構造が適用された自動販売機の内部構造を模式的に示す断面側面図である。 図2は、本発明の実施の形態である自動販売機の商品取出口構造の主要構成要素を分解して示す分解斜視図である。 図3は、商品取出口を閉塞する場合の商品取出扉及び防盗部材を示す斜視図である。 図4は、商品取出口を閉塞する場合の商品取出扉及び防盗部材を示す右側面図である。 図5は、図2〜図4に示した支持部材を示す右側面図である。 図6は、商品取出口構造の要部を分解して示す分解斜視図である。 図7は、商品取出口構造の要部を示す斜視図である。 図8は、図2に示した商品取出扉及び防盗部材の動作を示す斜視図である。 図9は、図2に示した商品取出扉及び防盗部材の動作を示す右側面図である。 図10は、図2に示した商品取出扉及び防盗部材の動作を示す斜視図である。 図11は、図2に示した商品取出扉及び防盗部材の動作を示す右側面図である。 図12は、図2に示した商品取出扉及び防盗部材の動作を示す斜視図である。 図13は、図2に示した商品取出扉及び防盗部材の動作を示す右側面図である。 図14は、本発明の実施の形態である商品取出口構造の変形例の主要構成要素の動作を示す斜視図である。 図15は、本発明の実施の形態である商品取出口構造の変形例の主要構成要素の動作を示す右側面図である。 図16は、本発明の実施の形態である商品取出口構造の変形例の主要構成要素の動作を示す斜視図である。 図17は、本発明の実施の形態である商品取出口構造の変形例の主要構成要素の動作を示す右側面図である。 図18は、本発明の実施の形態である商品取出口構造の変形例の主要構成要素の動作を示す斜視図である。 図19は、本発明の実施の形態である商品取出口構造の変形例の主要構成要素の動作を示す右側面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る自動販売機の商品取出口構造の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態である商品取出口構造が適用された自動販売機の内部構造を模式的に示す断面側面図である。ここで例示する自動販売機は、本体キャビネット10及び前面扉30を備えている。
本体キャビネット10は、前面扉30とともに自動販売機本体を構成するものであり、前面が開口した直方状の形態を成している。この本体キャビネット10の内部には、断熱構造の商品収納部11が設けてある。商品収納部11には、商品ラック12が上下方向に沿って複数段設けてある。これら商品ラック12は、それぞれ商品収納部11の左右両側に立設された図示せぬラック支持側板間に架設してある。各商品ラック12は、複数の商品収納コラムが左右に並設されて構成してあり、それぞれの商品収納コラムで商品を前後方向に沿って収納するものである。
また、商品収納部11には冷却手段としての蒸発器13が設けてある。蒸発器13は、機械室14に設けられた圧縮機15や凝縮器16等と冷媒を循環させる冷凍サイクルを構成しており、自身の図示せぬ冷媒通路を通過する冷媒と、自身の周囲を通過する空気とを熱交換させて該空気を冷却するものである。ここで機械室14は、本体キャビネット10の内部において商品収納部11の下方側に画成された室である。
蒸発器13の周囲で冷却された空気は、庫内送風ファン17が駆動することにより、商品収納部11の背面に設置された背面ダクト18の吸込口18aより通風路18cに吸い込まれ、この通風路18cを通過した後に吹出口18bから吹き出されることにより、商品ラック12に収納された商品を冷却することになる。
上記本体キャビネット10における商品ラック12の前方域には、その両側に左右一対となる態様で搬送レール20が設けられ、これら搬送レール20間を搬送トレイ21が図示せぬ搬送機構により上下方向に沿って移動可能に設けてある。つまり、搬送レール20間には、搬送トレイ21を通過させるための搬送通路22が形成してある。
この搬送通路22は、機械室14の前方域である商品取出部19まで延在している。この商品取出部19は、搬送通路22を通じて商品収納部11に連通しており、機械室14とは区画断熱材14aにより区画されている。
前面扉30は、本体キャビネット10の前面開口を開閉するもので、本体キャビネット10の一側縁部に揺動移動に設けてある。この前面扉30は、断熱構造を有するものであり、商品収納部11の前方側部分に、外部より商品収納部11の視認を可能にする断熱性のガラス板(図示せず)を有しているとともに、このガラス板の下部に矩形状の商品取出口31が形成してある。
商品取出口31は、搬送トレイ21を通じて商品収納部11から商品取出部19に搬送された商品を利用者が取り出すための開口である。以下において、自動販売機の商品取出口構造について説明する。
図2は、本発明の実施の形態である自動販売機の商品取出口構造の主要構成要素を分解して示す分解斜視図である。ここで例示する自動販売機の商品取出口構造は、商品取出扉40と防盗部材50とを備えて構成してある。
商品取出扉40は、矩形状の形態を成すものであり、上端部に形成された複数の軸保持部41に左右方向に沿って延在する扉軸部42が挿通して保持されており、該扉軸部42が前面扉30に架設されることで該扉軸部42の中心軸回りに揺動可能に設けてある。すなわち、商品取出扉40は、前後方向に沿って揺動することで商品取出口31を開閉するよう上端部が前面扉30(自動販売機本体)に軸支されている。
この商品取出扉40は、後方に向けて揺動してその揺動限界位置である開放位置に至る場合に、商品取出口31を通じて、商品取出部19まで搬送された商品を取出可能にするものである。また商品取出扉40は、前方に向けて揺動して、図3及び図4に示すように、その揺動限界位置である閉塞位置に至る場合に、商品取出口31を閉塞するものである。かかる商品取出扉40は、常態においては、自重によるモーメントにより商品取出口31を閉塞するものである。
上記商品取出扉40は、断熱構造を有している。また商品取出扉40は、閉塞位置にいる場合に商品取出口31よりも外方(前方)に突出する膨出部43を有している。
防盗部材50は、防盗板部51とアーム部52とを備えて構成してある。防盗板部51は、矩形状の形態を成しており、上下方向及び左右方向が商品取出扉40をよりも大きいものである。この防盗板部51は、下端部が商品取出扉40の下端部と左右方向に沿って延在する防盗軸部51aを介して連結してあり、防盗板部51の前面が商品取出扉40の後面に対して近接離反する態様で該防盗軸部51aの中心軸回りに揺動可能に設けてある。
アーム部52は、防盗板部51の右端部及び左端部に連結し、かつ防盗板部51の下端部より下方に向けて延在する左右一対の長尺状のものである。より詳細に説明すると、右側のアーム部52は、上端部が防盗板部51の右端部に連結しており、下端部が防盗板部51の下端部より下方に向けて延在している。この右側のアーム部52は、下端部分の右面にローラ52aが回転可能に取り付けてある。左側のアーム部52は、上端部が防盗板部51の左端部に連結しており、下端部が防盗板部51の下端部より下方に向けて延在している。この左側のアーム部52は、下端部分の左面にローラ52aが取り付けてある。
このようなアーム部52は、それぞれ前面扉30に左右一対となる態様で設けられた支持部材32により支持されている。
右側の支持部材32は、前面扉30の内部において商品取出口31よりも右方側に上下方向に沿って設けてある。この右側の支持部材32は、商品取出口31よりも下方に向けて延在するよう設けてある。この支持部材32の右面には、図5に示すように、右方に向けて突出する態様でレール321が形成してある。レール321は、ローラ52aの最大径よりも僅かに大きい幅を有しており、第1案内部321a、第2案内部321b及び第3案内部321cを有している。
第1案内部321aは、最も下方側の部位であり、上方に向かうに連れて漸次前方に傾斜している。第2案内部321bは、第1案内部321aに連続しており、第1案内部321aの延在端部である上端部より上方に向けて延在している。第3案内部321cは、第2案内部321bに連続しており、第2案内部321bの延在端部である上端部より上方に向かうに連れて漸次後方に傾斜して延在している。
上記右側の支持部材32には、該レール321を臨む部分に該レール321の延在方向に沿って延在する長孔322が形成してある。長孔322は、ローラ52aの最大径よりも小さい幅を有しており、ローラ52aの回転軸(図示せず)の通過を許容するものである。
そして、図には明示しないが、ローラ52aは、回転軸が長孔322を右方から貫通してから右側のアームの下端部分の右面に回転可能に取り付けられることで、レール321を移動するものである。つまり、右側のアーム部52は、ローラ52aがレール321に案内される態様で右側の支持部材32に支持されている。
左側の支持部材32は、前面扉30の内部において商品取出口31よりも左方側に上下方向に沿って設けてある。この左側の支持部材32は、商品取出口31よりも下方に向けて延在するよう設けてある。この支持部材32の左面には、図には明示しないが、右側の支持部材32と同様に、左方に向けて突出する態様でレール321が形成してある。レール321は、ローラ52aの最大径よりも僅かに大きい幅を有しており、第1案内部321a、第2案内部321b及び第3案内部321cを有している。
第1案内部321aは、最も下方側の部位であり、上方に向かうに連れて漸次前方に傾斜している。第2案内部321bは、第1案内部321aに連続しており、第1案内部321aの延在端部である上端部より上方に向けて延在している。第3案内部321cは、第2案内部321bに連続しており、第2案内部321bの延在端部である上端部より上方に向かうに連れて漸次後方に傾斜して延在している。
上記左側の支持部材32には、該レール321を臨む部分に該レール321の延在方向に沿って延在する長孔322が形成してある。長孔322は、ローラ52aの最大径よりも小さい幅を有しており、ローラ52aの回転軸(図示せず)の通過を許容するものである。
そして、図には明示しないが、ローラ52aは、回転軸が長孔322を左方から貫通してから左側のアームの下端部分の左面に回転可能に取り付けられることで、レール321を移動するものである。つまり、左側のアーム部52は、ローラ52aがレール321に案内される態様で左側の支持部材32に支持されている。
上記商品取出口構造においては、商品取出扉40及び防盗部材50の他に、閉塞検出センサ(検出手段)60及びロック機構70が設けてある。
閉塞検出センサ60は、図6にも示すように、商品取出口31の左方側であって左側の支持部材32よりも右方側に位置する左側部材33に設けてある。この左側部材33の後面には矩形状開口331が形成してあり、閉塞検出センサ60の接触子61は、この矩形状開口331の前方側において該矩形状開口331を臨むよう設けてある。このような閉塞検出センサ60は、図3及び図4に示すように商品取出扉40が商品取出口31を閉塞する場合に、図7に示すように、防盗板部51に形成された突部51bが商品取出扉40の左端部に形成された貫通孔44及び矩形状開口331を貫通して接触子61を押圧することでオン状態となって、オン信号を図示せぬ制御部に与えるものである。
ロック機構70は、商品取出口31の右方側であって右側の支持部材32よりも左方側に位置する右側部材34に設けてあり、ソレノイド71とフック部72とを有している。
ソレノイド71は、制御部から駆動指令が与えられることにより通電状態となって図示せぬプランジャをプランジャスプリング(図示せず)の付勢力に抗して下方に向けて吸引するものである。ここでプランジャは、上下方向に沿って移動可能に設けてあり、常態においては、プランジャスプリングの付勢力により上方に移動した状態となっている。
フック部72は、プランジャの上端部に係合しており、図には明示しないが、プランジャが上方に移動した状態では係合姿勢となる一方、プランジャがソレノイド71に吸引されて下方に移動した状態では非係合姿勢となるものである。このフック部72は、商品取出扉40が商品取出口31を閉塞する場合に係合姿勢となるときには、防盗板部51に設けられた図示せぬ係合部と係合することが可能であり、商品取出扉40が後方に向けて揺動することを規制するものである。
以上のような構成を有する商品取出口構造の動作について説明する。販売待機状態では、図3及び図4に示すように、商品取出扉40が自重によるモーメントにより商品取出口31を閉塞している。このように商品取出扉40が商品取出口31を閉塞する場合、防盗部材50は、アーム部52のローラ52aがレール321の最下部となる下限位置に案内され、かつ防盗板部51の前面が商品取出扉40の後面に接した待機姿勢となる。また、ロック機構70のソレノイド71が非通電状態となっておりフック部72が係合部と係合して商品取出扉40が後方に向けて揺動することが規制されている。
かかる販売待機状態において利用者により所望の金銭が投入されるとともに商品が選択されることにより、搬送トレイ21が当該商品を収納する商品収納コラムから該商品を受容し、搬送機構により搬送通路22を下方に向けて移動する。その後、搬送トレイ21が商品収納部11から商品取出部19まで移動して停止する。
搬送トレイ21が商品取出部19まで移動したことを検知手段を通じて検知した制御部がソレノイド71を通電状態にさせることにより、フック部72が非係合姿勢となり、係合部との係合状態が解除される。かかる制御部は、その後ソレノイド71を非通電状態にさせる。これによりプランジャがプランジャスプリングに付勢されて上方に移動した状態となる。
そして、利用者が商品取出扉40を前方から押圧すると、図8及び図9に示すように、閉塞位置にある商品取出扉40が後方に向けて揺動する。商品取出扉40が後方に向けて揺動することにより、防盗部材50は、ローラ52aがレール321の第1案内部321aを通過する。ここで第1案内部321aは、下限位置より上方に向かうに連れて漸次前方に傾斜して延在しているので、商品取出扉40が閉塞位置から僅かに後方に揺動した場合でも、防盗板部51の前面が商品取出扉40の後面から離隔して防盗部材50を後方に傾斜した姿勢にすることができる。
このように後方に揺動する商品取出扉40は、利用者に押圧されることにより、図10及び図11に示すように更に後方に動揺し、ローラ52aがレール321の第2案内部321bを通過する。このようにローラ52aが第2案内部321bを通過する防盗部材50は、商品取出扉40の後方への揺動に伴って、防盗軸部51aの中心軸回りに更に後方に傾斜する。
利用者に押圧されることで、商品取出扉40が後方に更に揺動すると、ローラ52aがレール321の第3案内部321cを通過する。ここで第3案内部321cは、上方に向かうに連れて漸次後方に傾斜して延在しているので、防盗部材50が後方に傾斜した姿勢で全体的に後方に変位する。
そして、図12及び図13に示すように、ローラ52aがレール321の最上部となる上限位置に至ることで、商品取出扉40は開放位置となる。換言すると、商品取出扉40が開放位置に至ることでローラ52aがレール321の上限位置に案内される。
このように商品取出扉40が開放位置に至り、かつローラ52aが上限位置に案内されることで、防盗部材50は、防盗板部51の上端部が区画断熱材14aの上端部に当接し、商品取出扉40とともに商品収納部11と商品取出部19とを遮断する。
商品取出扉40が開放位置に至ることで、利用者は、商品取出口31を通じて搬送トレイ21により搬送され、かつ搬送トレイ21に載置される商品を取り出すことが可能である。
その後、搬送トレイ21に載置された商品が商品取出口31を通じて取り出されると、商品取出扉40は、利用者により押圧された状態から解放されてフリーな状態となる。そうすると、商品取出扉40は、自重によるモーメントにより前方に向けて揺動する。
この商品取出扉40の前方への揺動に伴い、防盗部材50は、ローラ52aが第3案内部321c、第2案内部321b及び第1案内部321aの順に案内されるようレール321を下方に向けて移動することで防盗板部51の前面が商品取出扉40の後面に近接するよう変位する。
そして、図3及び図4に示すように、商品取出扉40が閉塞位置まで揺動して商品取出口31を閉塞する場合に、防盗部材50は、ローラ52aがレール321の下限位置に案内されつつ防盗板部51の前面が商品取出扉40の後面に接した待機姿勢となる。
このように防盗部材50が待機姿勢となることにより、防盗板部51の係合部がフック部72と係合するとともに、防盗板部51の突部51bが商品取出扉40の貫通孔44及び左側部材33の矩形状開口331を貫通して閉塞検出センサ60の接触子61を押圧する。これにより閉塞検出センサ60がオン状態となって、オン信号を制御部に与える。この結果、制御部が搬送トレイ21を上方に向けて移動させて所定の待機位置に配置させる。
以上説明したような自動販売機の商品取出口構造においては、防盗部材50が、商品取出扉40が商品取出口31を閉塞する場合には商品取出扉40の後面に接する待機姿勢となるので、商品収納部11から商品取出部19まで搬送トレイ21により商品が搬送されることを許容する。そして、防盗部材50が、商品取出扉40が開放位置まで揺動する場合には商品取出扉40とともに商品収納部11と商品取出部19とを遮断するので、商品取出口31から腕等を挿入された場合でも手指が商品収納部11に到達することを抑制できる。従って、上記商品取出口構造によれば、商品取出部19まで商品が搬送されることを許容しつつ、防盗性を良好なものとすることができる。
上記商品取出口構造によれば、レール321を構成する第1案内部321aが下限位置から上方に向かうに連れて漸次前方に傾斜する態様で延在していることで、商品取出扉40が閉塞位置から僅かに後方に揺動した場合でも、防盗板部51の前面が商品取出扉40の後面から離隔して防盗部材50を後方に傾斜した姿勢にすることができ、これにより商品取出扉40が開放位置まで到達しない程度に後方に揺動したときにでも防盗性を確保することができる。
上記商品取出口構造によれば、レール321を構成する第3案内部321cが上方に向かうに連れて漸次後方に傾斜して延在していることで防盗部材50が後方に傾斜した姿勢で全体的に後方に変位することができ、これにより防盗部材50の上端部(防盗板部51の上端部)を区画断熱材14aに当接させることができ、防盗性を確保することができる。
特に、第3案内部321cがそのように延在していることで、開放位置にある商品取出扉40が前方に向けて揺動する場合に、防盗部材50は、後方に傾斜した姿勢で全体的に前方に変位することになる。これにより、防盗部材50の上端部は、区画断熱材14aの前面と摺動することなく離隔することができ、商品取出扉40の前方への揺動に対して防盗部材50が区画部材との間で摩擦抵抗を生ずることを防止することができる。
上記商品取出口構造によれば、閉塞検出センサ60が接触子61が突部51bに押圧されることで防盗部材50が待機姿勢になったことを検出するので、防盗部材50が待機姿勢となったことを検出してから搬送トレイ21を移動させることができ、防盗部材50と搬送トレイ21が干渉してしまうことを回避することができる。
次に、本発明の実施の形態である自動販売機の商品取出口構造の変形例について、図14〜図19を用いて簡単に説明する。尚、図14〜図19においては、上述した実施の形態である商品取出口構造と同様の構成を有するものには同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
図14及び図15は、それぞれ本発明の実施の形態である自動販売機の商品取出口構造の変形例を示すもので、図14は斜視図であり、図15は右側面図である。ここで例示する自動販売機の商品取出口構造は、商品取出扉40と防盗部材80とを備えて構成してある。
防盗部材80は、レール部81と、第1防盗板部82と、第2防盗板部83とを備えて構成してある。レール部81は、左右一対の縦材811と、これら縦材811の上端部同士を連結する上材812とを備えて構成してある。
レール部81は、それぞれの縦材811の下端部が前面扉30の内部において商品取出口31よりも下方側の下方支持部材35に軸支されている。これにより、レール部81は、商品取出扉40に近接離反する態様で前後方向に揺動可能である。これら縦材811には、防盗部材80の下端部の左右両端に設けられたローラ45を案内するレール84がそれぞれ設けてある。
レール部81の上材812は、定荷重バネ85の一端が連結されている。この定荷重バネ85は、前面扉30の内部における商品取出口31の上方側の上方支持部材36に巻回された状態で設けてある。かかる定荷重バネ85は、レール部81を前方に向けて付勢するものである。これにより、レール部81は、定荷重バネ85により前方に向けて付勢されている。
第1防盗板部82は、矩形平板状の形態を成しており、上端部の図示せぬ軸状部が商品取出扉40の背面の上方部位に軸支されている。これにより第1防盗板部82は、前面が商品取出扉40の背面に近接離反する態様で軸状部の軸心回りに揺動可能に設けてある。
第2防盗板部83は、第1防盗板部82よりも大きい矩形平板状の形態を成している。この第2防盗板部83は、上端部に形成された保持部831に左右方向に沿って延在する第1軸部86が挿通して保持されており、該第1軸部86がレール部81の縦材811に架設されることで該第1軸部86の中心軸回りに揺動可能に設けてある。この第2防盗板部83は、下端部が第1防盗板部82の下端部と左右方向に沿って延在する第2軸部87を介して連結している。
以上のような構成を有する商品取出口構造の動作について説明する。販売待機状態では、図16及び図17に示すように、商品取出扉40が商品取出口31を閉塞している。この場合、防盗部材80は、定荷重バネ85により前方に向けて揺動した待機姿勢となり、第1防盗板部82の前面が商品取出扉40の後面に接していて第2防盗板部83の前面が第1防盗板部82の後面に接した状態となっている。また、ロック機構70のソレノイド71が非通電状態となっておりフック部72が商品取出扉40の右端部に設けられた係合部46(図18参照)と係合して商品取出扉40が後方に向けて揺動することが規制されている。
かかる販売待機状態において利用者により所望の金銭が投入されるとともに商品が選択されることにより、搬送トレイ21が当該商品を収納する商品収納コラムから該商品を受容し、搬送機構により搬送通路22を下方に向けて移動する。その後、搬送トレイ21が商品収納部11から商品取出部19まで移動して停止する。
搬送トレイ21が商品取出部19まで移動したことを検知手段を通じて検知した制御部がソレノイド71を通電状態にさせることにより、フック部72が非係合姿勢となり、係合部46との係合状態が解除される。かかる制御部は、その後ソレノイド71を非通電状態にさせる。これによりプランジャがプランジャスプリングに付勢されて上方に移動した状態となる。
そして、利用者が商品取出扉40を前方から押圧すると、図14及び図15に示すように、閉塞位置にある商品取出扉40が後方に向けて揺動する。商品取出扉40が後方に向けて揺動することにより、防盗部材80のレール部81は、ローラ45をレール84にて案内しつつ、定荷重バネ85の付勢力に抗して後方に向けて揺動する。
利用者に押圧されることで、商品取出扉40が後方に更に揺動すると、図18及び図19に示すように、ローラ45がレール84の最上部の上限位置に至り、商品取出扉40は開放位置となる。換言すると、商品取出扉40が開放位置に至ることでローラ45がレール84の上限位置に案内される。このように商品取出扉40が開放位置に至り、かつローラ45が上限位置に案内されることで、防盗部材80は、レール部81の上端部が区画断熱材14aの上端部に当接する。このとき、防盗部材80は、レール部81と商品取出扉40との間が第1防盗板部82と第2防盗板部83とで覆われることで、商品取出扉40とともに商品収納部11と商品取出部19とを遮断する。
商品取出扉40が開放位置に至ることで、利用者は、商品取出口31を通じて搬送トレイ21により搬送され、かつ搬送トレイ21に載置される商品を取り出すことが可能である。
その後、搬送トレイ21に載置された商品が商品取出口31を通じて取り出されると、商品取出扉40は、利用者により押圧された状態から解放されてフリーな状態となる。そうすると、防盗部材80は、定荷重バネ85に付勢されてレール部81が前方に揺動する。このレール部81の揺動に伴い商品取出扉40もローラ45がレール84に案内されつつ前方に向けて揺動する。そして、図16及び図17に示すように、商品取出扉40が閉塞位置まで揺動して商品取出口31を閉塞することとなる。
以上説明したような自動販売機の商品取出口構造においては、防盗部材80が、商品取出扉40が商品取出口31を閉塞する場合には商品取出扉40の背面に接する待機姿勢となるので、商品収納部11から商品取出部19まで搬送トレイ21により商品が搬送されることを許容する。そして、防盗部材80が、商品取出扉40が開放位置まで揺動する場合には商品取出扉40とともに商品収納部11と商品取出部19とを遮断するので、商品取出口31から腕等を挿入された場合でも手指が商品収納部11に到達することを抑制できる。従って、上記商品取出口構造によれば、商品取出部19まで商品が搬送されることを許容しつつ、防盗性を良好なものとすることができる。
しかも、上記商品取出口構造によれば、防盗部材80を構成するレール部81が定荷重バネ85により前方に向けて付勢されているので、商品取出扉40を前方に付勢することができ、これにより商品取出口31を商品取出扉40で確実に閉塞させることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態では、商品取出口構造は、自動販売機本体を構成する前面扉30に設けられていたが、本発明においては、商品取出口構造は、前面扉に設けられている必要はなく、自動販売機本体の前面に設けられていればよい。すなわち、自動販売機本体が、前面に商品取出口を有し、後面に開口が形成された本体キャビネットと、この本体キャビネットの後面開口を開閉する後面扉とにより構成される場合、商品取出口構造は、本体キャビネットの前面に設けられることになる。
10 本体キャビネット
11 商品収納部
12 商品ラック
19 商品取出部
21 搬送トレイ
30 前面扉
31 商品取出口
32 支持部材
321 レール
321a 第1案内部
321b 第2案内部
321c 第3案内部
322 長孔
33 左側部材
331 矩形状開口
34 右側部材
40 商品取出扉
50 防盗部材
51 防盗板部
51a 防盗軸部
51b 突部
52 アーム部
52a ローラ
60 閉塞検出センサ(検出手段)
61 接触子
70 ロック機構
71 ソレノイド
72 フック部

Claims (4)

  1. 商品を収納する商品収納部と該商品収納部に連通する商品取出部とを有する自動販売機本体の前面に形成された商品取出口と、
    前後方向に沿って揺動する態様で上端部が前記自動販売機本体に軸支され、かつ前方に向けて揺動する場合に前記商品取出口を閉塞する一方、後方に向けて揺動する場合に前記商品取出口を開放する商品取出扉と
    を備え、
    前記商品取出扉が開放位置まで後方に揺動して前記商品取出口を開放する場合に、前記商品収納部から前記商品取出部に搬送された商品を取出可能にする自動販売機の商品取出口構造において、
    前記商品取出扉に左右方向に沿って延在する軸部を介して連結されるとともに前記自動販売機本体に移動可能に支持されることにより、商品取出扉の揺動に応じて該商品取出扉の後面に近接離反する態様で変位可能に設けられ、かつ前記商品取出扉が前記商品取出口を閉塞する場合には該商品取出扉の後面に接する待機姿勢となる一方、前記商品取出扉が前記開放位置まで揺動する場合には該商品取出扉とともに前記商品収納部と前記商品取出部とを遮断する防盗部材を備えてなり、
    前記防盗部材は、
    下端部が前記軸部を介して前記商品取出扉の下端部に連結された防盗板部と、
    一端が前記防盗板部に連結され、かつ他端に取り付けられたローラが前記自動販売機本体の前記商品取出口の下方に形成されたレールに案内される態様で支持された左右一対のアーム部と
    を備え、
    前記商品取出扉が前記商品取出口を閉塞する場合には前記防盗板部が該商品取出扉の後面に接する一方、前記商品取出扉が前記開放位置まで揺動する場合には前記防盗板部が該商品取出扉とともに前記商品収納部と前記商品取出部とを遮断することを特徴とする自動販売機の商品取出口構造。
  2. 前記レールは、前記商品取出扉が前記商品取出口を閉塞する場合に前記ローラを下限位置に案内する一方、前記商品取出扉が前記開放位置に至る場合に前記ローラを上限位置に案内するものであって、
    前記下限位置から上方に向かうに連れて漸次前方に傾斜する第1案内部と、
    前記第1案内部の延在端部より上方に向けて延在する第2案内部と、
    前記第2案内部の延在端部より上方に向かうに連れて漸次後方に傾斜して延在し、前記上限位置に至る第3案内部と
    を備えたことを特徴とする請求項に記載の自動販売機の商品取出口構造。
  3. 前記防盗部材が前記待機姿勢になった場合に、該防盗部材に設けられた突部に押圧されることで該防盗部材が待機姿勢になったことを検出する検出手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動販売機の商品取出口構造。
  4. 前記商品取出扉は、断熱構造を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の自動販売機の商品取出口構造。
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