JP6457484B2 - インスリンの長時間作用型製剤による糖尿病の治療 - Google Patents

インスリンの長時間作用型製剤による糖尿病の治療 Download PDF

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Description

本出願は、1型または2型糖尿病の治療における使用のための水性医薬製剤であって、該治療は、夜間低血糖のリスクを低減し、前記製剤は、インスリングラルギン200〜1000U/mL[ヒトインスリン200〜1000IUと等モル]を含み、ただし、前記製剤の濃度は、インスリングラルギン684U/mLではない前記製剤に関する。
インスリングラルギンは、ヒトインスリンのアナログである31−32−Di−Argヒトインスリンであり、A21位のアスバラギンがグリシンによってさらに置換されている。
特許文献1は、インスリングラルギンを684U/mLの濃度で含む水性医薬製剤を開示している。
メトホルミンは、食事の変更に反応しない非インスリン依存性糖尿病(2型糖尿病)の治療に使用されるビグアナイド系血糖降下剤である。メトホルミンは、インスリン感受性を改善し、グルコースの腸内吸収を減少させることによって、血糖コントロールを改善する。メトホルミンは、通常、経口投与される。
ランタス(登録商標)は、単回投与の皮下注射後、24時間の基礎インスリン供給を提供するインスリングラルギンを含むインスリン製品である。
ランタス(登録商標)の糖動力学的効果は、皮下注射部位からのインスリングラルギンの遅延吸収および予測可能な吸収によって、明らかなピークを示さずに、滑らかな24時間の濃度および作用プロフィールがもたらされるという点で、現在市販されている他のインスリン製品と区別される。ランタス(登録商標)は、長時間作用型インスリン製品の医療的な必要性を満たすために開発された。1日単回注射として投与され、24時間にわたって可能な限り滑らかな基礎インスリンプロフィールを有する、正常または正常に近い血糖コントロールを得ることができる。そのような製剤は、血糖の良好なコントロールを一日中提供すると同時に、より明らかな「ピーク」効果を有する他のインスリン製剤で見られる低血糖をもたらす傾向を最小にする。
WO2008/013938A2
かなりの数の患者、特に肥満によってインスリン抵抗性が増加している患者は、血糖をコントロールするために、高用量を使用している。例えば、100Uの用量は、ランタス(登録商標)U100 1mLの注射を必要とし、これはいくらかの不快感を与えることがある;ランタス(登録商標)U100 1mLには各々、インスリングラルギン100U(3.6378mg)が含まれている。注射量を低減するために、1mL当たりインスリングラルギン300Uを含む製剤が開発されている。
実施例1に記載されている、多施設、無作為化、非盲検、並行群間試験の目的は、インスリングラルギンU300の有効性および安全性を、ランタスのものと比較することであり、2型糖尿病患者における基礎−追加インスリンレジメンの一環として、両方とも1日1回皮下(S.C.)に投与された。2型糖尿病を有し、糖化ヘモグロビンA1c(HbA1c)が7%〜10%の範囲であり、ランタスU100を少なくとも42Uまたは中間型(NPH)インスリンを等量、基礎および食事時間インスリンレジメンにおいて注射している患者を、試験の対象とした。相対的に高用量の基礎インスリンを受けているこれらの患者は、U100製剤と比較して、より低い注射量のU300インスリン製剤から恩恵を受けた。
インスリングラルギンU300 1mLには各々、インスリングラルギン300U(10.9134mg)が含まれている。この製剤は、3分の1の注射量で、同じ単位数のインスリングラルギンを患者に注射することが可能である。この製剤は、本明細書において、HOE901−U300とも称される。
実施例1に記載されている試験において、患者は、自身のHbA1cによって層別化された(8.0%未満;8.0%以上)。主要有効性解析は、HbA1cのベースラインからエンドポイントまでの変化量に関して、ランタスと比較したインスリングラルギンU300の非劣性を検証した(6か月時に予定;非劣性マージン0.4%HbA1c単位)。HbA1cは、数か月にわたる平均血糖を反映しており、糖尿病合併症の有力な予測値を有する。6か月間の試験治療は、ランタスまたはNPHインスリンから切り替えた後に、インスリングラルギンU300を用いて定常状態条件を達成し、HbA1cにおける時間依存性変化および付随する低血糖のリスクの適正な評価を可能にするには十分であると考えられる。
主なセカンダリーエンドポイントは、夜間低血糖を含めた。低血糖は、短期および長期の両方における糖尿病の血糖管理の重大な制限要因である。糖尿病の血糖管理の安定した改善にもかかわらず、集団に基づいたデータは、1型および2型の両方の糖尿病を有する人々にとって、低血糖が主要な問題であり続けていることを示している(American diabetes association、workgroup on hypoglycemia:Defining and Reporting Hypoglycemia in Diabetes.Diabetes Care 28(5)、2005年、1245〜1249頁)。
実施例1に記載されている試験において、驚いたことに、2型糖尿病患者のインスリングラルギンU300製剤での治療によって、夜間低血糖事象のリスクが、ランタス(登録商標)U100での治療と比較して、有意に低減されることが見出された。9週目の初めから6か月目の間に、夜間の重症および/または確認された低血糖の少なくとも1種を有する患者の発現率は、ランタス群[180/400(45.0%)]よりも、U300群[136/404(33.7%)]において、より低かった(表6を参照のこと)。U300対ランタスの優越性は、0.75という相対リスクで示された(95%CI[0.63、0.89])(p=0.0010)。
実施例2は、インスリングラルギンU300(HOE901−U300)製剤およびランタス(登録商標)U100を、2型糖尿病患者において、両方とも経口抗高血糖薬(1種またはそれ以上)と組み合わせて、その有効性および安全性を比較する臨床試験を記載している。
実施例2において、U300対ランタスの非劣性は、HbA1c対ランタスにおける最小二乗平均の差が−0.01%であることで実証された(95%CI[−0.139;0.119])(表26)。注射前SMPGにおける最小二乗平均の変化は、U300群(−0.56mmol/L)およびランタス群(−0.51mmol/L)で類似していた(表28)。
実施例2は、インスリングラルギンU300製剤での治療によって、夜間低血糖事象のリスクが、ランタス(登録商標)U100での治療と比較して、有意に低減されることを確認した。異なる患者群において、すなわち抗高血糖薬(1種またはそれ以上)単独では適切にコントロールされない2型糖尿病患者では、驚いたことに、夜間の重症および/または確認された低血糖の少なくとも1種を有する患者の発現率は、ランタス群[113/405(27.9%)]よりも、U300群[87/403(21.6%)]において、より低いことが見出された(表27を参照のこと)。U300対ランタスの優越性は、0.77という相対リスクで示された(95%CI[0.61、0.99])(p=0.0380)。
実施例3は、食事時間インスリンと組み合わせた、U300インスリングラルギン製剤の1日1回投与の、適合可能な投与間隔と固定された投与間隔とを比較する。実施例3は、実施例1に記載されている治験の下位試験である。HbA1c(表50)および空腹時血漿グルコース(表51)に及ぼす負の影響は、全く見られなかった。低血糖の全体的な発現率は、低血糖のカテゴリーにかかわらず、両方のレジメンで類似していた(表53)。
実施例6は、経口抗高血糖薬(1種またはそれ以上)と組み合わせた、U300インスリングラルギン製剤の1日1回投与の、適合可能な投与間隔と固定された投与間隔とを比較する。実施例6は、実施例2に記載されている治験の下位試験である。HbA1c(表67)および空腹時血漿グルコース(表68)に及ぼす負の影響は、全く見られなかった。低血糖の全体的な発現率は、低血糖のカテゴリーにかかわらず、両方のレジメンで類似していた(表70)。
本発明の態様は、1型または2型糖尿病の治療における使用のための水性医薬製剤であって、該治療は、夜間低血糖のリスクを低減し、前記製剤は、インスリングラルギン200〜1000U/mL[ヒトインスリン200〜1000IUと等モル]を含み、ただし、前記製剤の濃度は、インスリングラルギン684U/mLではない前記製剤に関する。本発明は、夜間低血糖のリスクの低減に使用するための水性医薬製剤に関する。
本発明の製剤は、本明細書において記載されているように、糖尿病患者に投与される場合に、夜間低血糖の発現率を低減することができる。「夜間低血糖の発現率の低減」は、夜間低血糖事象の数および/または夜間低血糖事象の重症度の低減を含む。本明細書において記載されている製剤は、夜間低血糖の発現率の低減に使用するのに適している。
本発明の製剤は、本明細書において記載されているように、糖尿病患者に投与される場合に、夜間低血糖を予防することができる。「夜間低血糖の予防」は、夜間低血糖事象の数および/または夜間低血糖事象の重症度の低減を含む。本明細書において記載されている製剤は、夜間低血糖の予防に使用するのに適している。
本発明の製剤は、夜間低血糖事象の数および/または夜間低血糖事象の重症度の低減に使用するのに適している。
本発明において、低血糖は、2型糖尿病患者が、血漿グルコース濃度70mg/dL未満(もしくは3.9mmol/L未満)、60mg/dL未満(もしくは3.3mmol/L未満)、54mg/dL未満(もしくは3.0mmol/L未満)、50mg/dL未満、40mg/dL未満または36mg/dL未満を経験する状態である。
本発明において、「症候性低血糖」または「症候性低血糖事象」は、低血糖に起因する臨床症状に関連する状態であり、血漿グルコース濃度が、70mg/dL未満(もしくは3.9mmol/L未満)、60mg/dL未満(もしくは3.3mmol/L未満)、54mg/dL未満(もしくは3.0mmol/L未満)、50mg/dL未満または40mg/dL未満であり得る状態である。臨床症状は、例えば、発汗、動悸、空腹、不穏、不安、疲労、神経過敏性、頭痛、集中力の欠如、傾眠、精神障害、視力障害、一過性感覚異常(transient sensory defect)、一過性運動異常(transient motor defect)、錯乱、痙攣および昏睡であり得る。本発明の方法において、本明細書に示されている症候性低血糖の1つまたはそれ以上の臨床症状が選択される。症候性低血糖は、経口炭水化物投与後の迅速な回復に関連し得る。
本発明において、「重症症候性低血糖」または「重症症候性低血糖事象」は、本明細書に示されているような、低血糖に起因する臨床症状を有する状態であり、血漿グルコース濃度が、70mg/dL未満(もしくは3.9mmol/L未満)、54mg/dL未満(もしくは3.0mmol/L未満)または36mg/dL未満(もしくは2.0mmol/L未満)であり得る状態である。重症症候性低血糖は、低血糖事象に起因する急性神経障害に関連し得る。重症症候性低血糖において、炭水化物、グルカゴンを積極的に投与するまたは意識を回復させる他の行為を積極的に行うために、患者は他者の介助を必要とし得る。これらの症状発現は、発作、意識消失または昏睡を誘導するのに十分な神経組織糖欠乏に関連し得る。血漿グルコースの測定は、そのような事象の間には利用できないことがあるが、血漿グルコースが正常に戻ることによる神経の回復は、その事象が血漿グルコース濃度の低下によって誘導された十分な証拠であると考えられる。
重症症候性低血糖の定義は、神経障害が自己治療を妨げるのに十分に重症であり、それ故に、患者自身または他者に危害が及ぶリスクに患者が曝されると考えられた、すべての症状発現を含み得る。急性神経障害は、傾眠、精神障害、視力障害、一過性感覚異常、一過性運動異常、錯乱、痙攣および昏睡から選択される少なくとも1つであり得る。「介助を必要とする」とは、患者が、自身を助けることができない可能性があることを意味する。介助が必要とされない場合に、親切心から患者を介助することは、「介助を必要とする」出来事と考えられるべきではない。
重症症候性低血糖は、経口炭水化物投与、静脈内グルコースまたは/およびグルカゴン投与後の迅速な回復に関連し得る。
本発明において、「記録された症候性低血糖(documented symptomatic hypoglycemia)」または「記録された症候性低血糖事象」は、低血糖の典型的な症状が、測定される血漿グルコース濃度70mg/dL以下(3.9mmol/L以下)または54mg/dL以下(3.0mmol/L以下)を伴う事象である。低血糖の症状発現に起因すると考えられる臨床症状は、例えば、発汗増加、緊張感、無力症/衰弱、振戦、めまい、食欲増加、動悸、頭痛、睡眠障害、錯乱、発作、意識消失、昏睡である。
本発明において、「無症候性低血糖」または「無症候性低血糖事象」は、低血糖の典型的な症状を伴わないが、測定される血漿グルコース濃度が70mg/dL(3.9mmol/L)以下または54mg/dL(3.0mmol/L)以下である事象である。
本発明において、「症候性低血糖の疑い(probable symptomatic hypoglycemia)」または「症候性低血糖事象の疑い」は、低血糖の症状が、血漿グルコースの決定を伴わないが、血漿グルコース濃度が70mg/dL以下(もしくは3.9mmol/L以下)または54mg/dL以下(もしくは3.0mmol/L以下)であることによって恐らく引き起こされた事象であり;症状は、血漿グルコースの検査を行うことなく、経口炭水化物で治療される。
本発明において、「相対的な低血糖」または「相対的な低血糖事象」は、糖尿病患者が、低血糖の典型的な症状のいずれかを報告し、その症状を低血糖の指標であると解釈するが、測定される血漿グルコース濃度が70mg/dLを超える(または3.9mmol/Lを超える)事象である。
本発明において、「夜間低血糖」または「夜間低血糖事象」は、夜間に発生する、以上に記載されている低血糖のカテゴリーの任意の低血糖である。「夜間低血糖」は、時刻によって定義される。特に、夜間低血糖は、午前0時0分から午前5時59分の間に発生する低血糖である。患者は、事象のため、目を覚ます可能性があるまたは起きる可能性がある。患者は、事象の間に、眠っている可能性もある。
本発明において、「日中低血糖」または「日中低血糖事象」は、特に、午前6時0分から23時59分の間に発生する、以上に記載されている低血糖のカテゴリーの任意の低血糖である。
本発明において、夜間低血糖は、症候性低血糖、重症症候性低血糖、記録された症候性低血糖、症候性低血糖の疑い、相対的な症候性低血糖または無症候性低血糖であり得る。好ましくは、症候性低血糖であり、より好ましくは、重症症候性低血糖である。
「低血糖のリスクを低減すること」は、本明細書において使用される場合、低血糖の発現率を低減することを含むことができる。患者1人1年当たりの低血糖の発現率は、患者1人当たり:365.25×(低血糖の症状発現数)/(曝露日数)として計算され、事象のタイプおよび治療群によってまとめられる。「低血糖のリスクを低減すること」は、本明細書において使用される場合、本明細書において記載されている製剤が、本明細書において記載されているように、糖尿病患者に投与される場合の、患者における低血糖の予防をさらに含むことができる。「低血糖のリスクを低減すること」は、本明細書において使用される場合、夜間低血糖事象の数および/または夜間低血糖事象の重症度の低減をさらに含むことができる。
実施例3および6は、インスリングラルギンU300の注射間隔を随時調節することは、HbA1c(表50および67)および空腹時血漿グルコース(表51および69)に負の影響を全く及ぼさないことを実証している。低血糖の全体的な発現率は、低血糖のカテゴリーにかかわらず、適合可能な投与間隔による投与および固定された投与間隔による投与において類似していた(表53および70)。
本発明の態様は、調節可能な時間間隔で投与される水性医薬製剤に関する。本態様は、1型または2型糖尿病の治療における使用のための水性医薬製剤であって、該製剤は、1日1回患者に投与され、前の投与からの時間間隔は、1週当たり少なくとも2日に、24.5h〜28hの範囲または20h〜23.5hの範囲であり、前の投与からの平均時間間隔は、約24hであり、前記製剤は、インスリングラルギン200〜1000U/mL[ヒトインスリン200〜1000IUと等モル]を含み、ただし、前記製剤の濃度は、インスリングラルギン684U/mLではない前記製剤に関する。
本明細書において使用される場合、前の投与からの時間間隔は、2つの連続的な投与、特に注射の間の時間間隔である。
製剤は、インスリングラルギン300U/mlを含むことが好ましい。
治療レジメンにおいて、製剤は、固定された時間頃の、例えば、晩のまたは朝の固定された時間頃の時間範囲に投与される。前の投与からの平均時間間隔は、約24hであり得る(表46参照のこと)。特に「約24h」の間隔は、24h+/−10分の範囲、24h+/−20分の範囲または24h+/−30分の範囲を指す。平均時間間隔は、例えば、毎週を基準として、毎月を基準としてもしくは2か月もしくは3か月を基準として計算されるまたはより長い時間を基準として計算される。
表47は、実施例3における試験群および対照群の患者の投与レジメンコンプライアンスを記載している。異なる投与間隔カテゴリーの患者による注射の百分率が記載されている。対照群(24hの固定された投与間隔)では、U300用量の約88%が、前の注射から23〜25hの間隔で注射された。用量の約12%が、23h未満または25hを超える間隔で注射された。1日当たり1回注射を考慮に入れて、患者は、1週当たり1日未満に、23h未満または25hを超える間隔で、U300製剤を投与した。試験群(適合可能な投与間隔)では、U300用量の約63%が、前の注射から23〜25hの間隔で注射された。用量の約37%が、23h未満または25hを超える間隔で注射された。1日当たり1回注射を考慮に入れて、患者は、1週当たり2または3日に、23h未満または25hを超える間隔で、U300製剤を投与した。
水性製剤は、1週当たり少なくとも2日に、1週当たり少なくとも3日に、1週当たり少なくとも4日にまたは1週当たり少なくとも5日に、本明細書で特定されている時間間隔を用いて投与される。水性製剤は、1週当たり最大5日に、1週当たり最大4日にまたは1週当たり最大3日に、本明細書で特定されている時間間隔を用いて投与される。より特には、水性製剤は、1週当たり2もしくは3日にまたは1週当たり2〜3日に、本明細書で特定されている時間間隔を用いて投与される。
「随時調節すること」は、特に、水性製剤が、1週当たり2または3日に、本明細書で特定されている時間間隔を用いて投与されることを意味する。
「1週当たりの日」は、本明細書において示される場合、例えば、毎週を基準として、毎月を基準としてもしくは2か月もしくは3か月を基準として計算されるまたはより長い時間を基準として計算される。
「調節可能な注射間隔」は、前の注射からの時間間隔が、所定の時間範囲内で可変であることを意味する。前の投与からの時間間隔は、24.5h〜28hの範囲または20h〜23.5hの範囲であり得る。特に、前の投与からの時間間隔は、25h〜28hの範囲または20h〜23hの範囲である。
前の投与からの時間間隔は、25h〜27hの範囲または21h〜23hの範囲でもあり得る。
前の投与からの時間間隔は、25h〜26.5hの範囲または21.5h〜23hの範囲でもあり得る。
本態様において、製剤の添加剤は、本明細書において記載されている添加剤であり得る。治療される患者は、本明細書において記載されている患者であり得る。
本明細書において記載されているような、調節可能な時間間隔の治療レジメンは、本明細書において記載されているような、夜間低血糖のリスクの低減と組み合わされる。
本明細書において記載されているような、調節可能な時間間隔で投与される、1型または2型糖尿病の治療における使用のための製剤は、1型または2型糖尿病の治療における使用を、本明細書において記載されているような、夜間低血糖のリスクの低減と組み合わされる。
本発明において、正常血糖は、70mg/dLから140mg/dLまで(3.9mmol/L〜7.8mmol/Lに相当)のグルコースの血漿濃度と関係し得る。
本明細書において記載されている製剤によって治療される患者は、1型または2型糖尿病患者であり得る。好ましくは、患者は、2型糖尿病患者である。
本発明の医薬製剤は、少なくとも1種の抗高血糖剤と組み合わせて投与される。特に、少なくとも1種の抗高血糖剤は、メトホルミンまたは/およびその薬学的に許容される塩である。メトホルミンは、国際一般的名称が1,1−ジメチルビグアニド(CAS番号657−24−9)である。本発明において、「メトホルミン」という用語は、その任意の薬学的に許容される塩を含む。
本発明において、メトホルミンは、経口投与される。当業者は、メトホルミンの製剤が、経口投与による糖尿病の治療に適していることを知っている。メトホルミンは、治療効果を誘導するのに十分な量で、それを必要とする患者に投与される。メトホルミンは、少なくとも1.0g/日または少なくとも1.5g/日の用量で投与される。経口投与について、メトホルミンは、錠剤または丸剤のような固体剤形に製剤される。メトホルミンは、適した薬学的に許容される担体、アジュバントまたは/および助剤物質とともに製剤される。
本発明の製剤およびメトホルミンは、種々の投与経路によって投与される。メトホルミンは、経口投与され、本発明の製剤は、非経口投与される。
本発明の製剤によって治療される患者は、2型糖尿病に罹患している患者であり得、2型糖尿病は、少なくとも1種の抗高血糖剤単独での治療によって適切にコントロールされていない。その抗高血糖剤はメトホルミンであり得、投与は、例えばメトホルミンを少なくとも1.0g/日または少なくとも1.5g/日の用量で、例えば少なくとも2か月または少なくとも3か月間の治療後に、2型糖尿病を適切にコントロールしていない。
本発明において、血中グルコース濃度を表す少なくとも1種の生理学的パラメータ(例えば、HbA1c値、注射前SMPGまたは/および空腹時血漿グルコース濃度)が、本明細書において記載されている正常血糖値を超える場合には、2型糖尿病患者は、適切にコントロールされていない。特に、適切にコントロールされていない2型糖尿病患者は、(i)HbA1c値が7%〜10%の範囲またはさらに大きく、
(ii)注射前SMPGが少なくとも9mmol/Lまたは/および
(iv)空腹時血漿グルコースが少なくとも8.0mmol/L
であり得る。
本明細書において記載されている製剤によって治療される患者は、治療開始時に、HbA1c値が7%〜10%の範囲であり得る。より特には、治療される患者は、本発明の治療開始時に、HbA1c値が少なくとも8%またはHbA1c値が8%〜10%の範囲であり得る。
本明細書において記載されている製剤によって治療される患者は、成人対象であり得る。患者は、本発明の治療開始時に、年齢が少なくとも50歳、少なくとも57歳、少なくとも58歳、少なくとも59歳、少なくとも60歳、少なくとも65歳、少なくとも70歳または少なくとも75歳であり得る。
本明細書において記載されている製剤によって治療される患者は、本発明の治療開始時に、肥満の対象であり得る。本発明において、肥満の対象は、治療開始時に、肥満度指数(BMI)が少なくとも30kg/m、少なくとも31kg/m、少なくとも32kg/m、少なくとも33kg/m、少なくとも34kg/m、少なくとも35kg/m、少なくとも36kg/m、少なくとも37kg/m、少なくとも38kg/m、少なくとも39kg/mまたは少なくとも40kg/mであり得る。患者は、治療開始時に、BMI値が少なくとも34kg/mまたは少なくとも36kg/mであることが好ましい。
本明細書において記載されている製剤によって治療される患者は、特に、少なくとも1つの低血糖事象を経験したことがある2型糖尿病患者は、低血糖のリスクが増加している恐れがある。
本明細書において記載されている製剤によって治療される患者は、本明細書において記載されている治療直前に、インスリンを受けている可能性がある。特に、患者は、基礎インスリンを、例えば少なくとも32U/日または少なくとも42U/日の用量で受けている可能性がある。本発明において、基礎インスリンでの任意の予備治療が考慮される。特に、基礎インスリンは、インスリングラルギン、デテミル、NPH、レンテ、ウルトラレンテ、ノボリン、ヒューマログおよびその混合物から選択される。混合物は、2種の異なる基礎インスリンを含み得る。例えば、デテミルおよびグラルギンを含む混合物またはNPHおよびノボリンを含む混合物が用いられる。好ましくは、基礎インスリンは、インスリングラルギンまたはインスリングラルギンを含む混合物である。本発明において、「基礎インスリン」は、その適した薬学的に許容される塩を含む。
本明細書において記載されている製剤によって治療される患者は、本明細書において記載されている治療直前に、食事時間短時間作用型インスリンを受けている可能性がある。食事時間短時間作用型インスリンは、インスリンアナログ、例えばインスリングルリジン、インスリンリスプロまたはインスリンアスパルトであり得る。
本明細書において記載されている製剤は、1日1回または2回投与される。特に、本明細書において記載されている製剤は、1日1回、例えば晩に投与される。本明細書において記載されている製剤は、1日1回、晩に、所定の時間に投与される。
患者は、食事時間短時間作用型インスリンを追加的に受け得る。食事時間短時間作用型インスリンは、インスリンアナログ、例えばインスリングルリジン、インスリンリスプロまたはインスリンアスパルトであり得る。
本発明の製剤によって治療される患者は、本発明の治療開始時に、注射前自己測定血漿グルコース(SMPG)濃度が、少なくとも9mmol/L、少なくとも10mmol/L、少なくとも10.5mmol/Lまたは少なくとも11mmol/Lであり得る。本発明において、自己測定血漿グルコースは、空腹時SMPGまたは注射前SMPG(例えば、本明細書において記載されている製剤の注射30分前に測定される)であってよい。
治療される患者は、本発明の治療開始時に、空腹時血漿グルコース濃度が、少なくとも7mmol/L、少なくとも7.5mmol/L、少なくとも8mmol/L、少なくとも8.5mmol/Lまたは少なくとも9mmol/Lであり得る。
本発明は、インスリングラルギンU300製剤に限定されることなく、本明細書において詳しく概説されているような、インスリングラルギンの他のより高濃度の製剤で有効であるが、本明細書において記載されている臨床試験は、インスリングラルギンU300製剤を用いて行われた。
インスリングラルギンU300製剤1mLは、21−Gly−30a−L−Arg−30b−L−Argヒトインスリン10.913mg[ヒトインスリン300IUと等モル]、亜鉛90μg、m−クレゾール2.7mg、グリセリン85% 20mgを含み、HClおよびNaOHでpH4.0に調整されており;比重1.006g/mLである。
しかし、添加剤の種類およびそれらの濃度に関する改変は可能である。
医薬製剤は、インスリングラルギン200〜1000U/mL[ヒトインスリン200〜1000IUと等モル]を含み、前記製剤の濃度は、684U/mLではなく、好ましくはインスリングラルギン250〜500U/mL[ヒトインスリン250〜500IUと等モル]、より好ましくはインスリングラルギン270〜330U/mL[ヒトインスリン270〜330IUと等モル]、さらに好ましくはインスリングラルギン300U/mL[ヒトインスリン300IUと等モル]である。
界面活性剤は、例えば、とりわけ、非イオン性界面活性剤が、医薬製剤に加えられる。特に、例えば:グリセリン、ソルビトールなどのような多価アルコールの部分的および脂肪酸エステルおよびエーテル(Span(登録商標)、Tween(登録商標)、特に、Tween(登録商標)20およびTween(登録商標)80、Myrj(登録商標)、Brij(登録商標))、Cremophor(登録商標)またはポロキサマーのような、薬学的に通例の界面活性剤が好ましい。界面活性剤は、医薬組成物中に、濃度が5〜200μg/ml、好ましくは5〜120μg/ml、特に好ましくは20〜75μg/mlで存在する。
製剤は、保存剤(例えば、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、パラベン)、等張化剤(例えば、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、デキストロース、トレハロース、塩化ナトリウム、グリセリン)、緩衝物質、塩、酸およびアルカリならびにさらなる添加剤も追加的に含むことができる。これらの物質は、各々の場合に、個々にまたはその代わりに混合物として存在し得る。
グリセリン、デキストロース、ラクトース、ソルビトールおよびマンニトールは、医薬製剤中に、100〜250mMの濃度で存在し得、NaClは、150mMまでの濃度で存在し得る。例えば、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、アルギニン、グリシルグリシンまたはTRIS(すなわち2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)緩衝液および対応する塩のような緩衝物質は、濃度が5〜250mM、好ましくは10〜100mMで存在する。さらなる添加剤は、とりわけ、塩またはアルギニンであり得る。
製剤の亜鉛濃度は、0〜1000μg/mL、好ましくは亜鉛20〜400μg/mL、最も好ましくは90μg/mLの存在によって到達される濃度の範囲である。しかし、亜鉛は、塩化亜鉛の形で存在し得るが、塩は、塩化亜鉛であることに限定されない。
医薬製剤中に、グリセリンおよび/またはマンニトールは、100〜250mmol/Lの濃度で存在し得るおよび/またはNaClは、好ましくは150mmol/Lまでの濃度で存在する。
医薬製剤中に、緩衝物質は、5〜250mmol/Lの濃度で存在し得る。
本発明のさらなる主題は、インスリンの放出を遅延させる、例えば、塩のような、さらなる添加剤を含む、本明細書において記載されているような使用のためのインスリン医薬製剤である。そのような遅延放出インスリンと以上に記載されている製剤との混合物は、その中に含まれる。
本発明のさらなる主題は、本明細書において記載されているような使用のためのそのような医薬製剤の製造のための方法に関する。製剤を製造するには、成分を水に溶かし、HClおよび/またはNaOHを使用することによって、pHを調整する。同様に、本発明のさらなる主題は、糖尿病の治療のためのそのような製剤の使用に関する。
本発明のさらなる主題は、インスリン、インスリンアナログもしくはインスリン誘導体またはそれらの製剤の製造のための方法中の、安定化剤としての界面活性剤の使用または追加に関する。
本発明はさらに、グルカゴン様ペプチド−1(GLP1)もしくはそのアナログもしくは誘導体またはエキセンジン−3もしくは−4もしくはそのアナログもしくは誘導体、好ましくはエキセンジン−4も追加的に含む、以上に記載されている製剤に関する。
本発明はさらに、エキセンジン−4のアナログが、
H−desPro36−エキセンジン−4−Lys−NH(リキシセナチド、AVE0010)、
H−des(Pro36,37)−エキセンジン−4−Lys−NHおよび
H−des(Pro36,37)−エキセンジン−4−Lys−NH
またはその薬理学的に忍容される塩
を含む群から選択される、以上に記載されている製剤に関する。
本発明はさらに、エキセンジン−4のアナログが、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O25,Asp28]エキセンジン−2(1−39)、desPro36[Trp(O25,IsoAsp28]エキセンジン−2(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)および
desPro36[Met(O)14Trp(O25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)
またはその薬理学的に忍容される塩
を含む群から選択される、以上に記載されている製剤に関する。
本発明はさらに、ペプチドである−Lys−NHが、エキセンジン−4のアナログのC末端に結合している、前の段落に記載されている製剤に関する。
本発明はさらに、エキセンジン−4のアナログが、
H−(Lys)−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys−NH
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH
H−(Lys)−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
H−Asn−(Glu)desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)−NH
H−(Lys)−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)−NH
H−Asn−(Glu)−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)−NH

H−(Lys)−desPro36[Trp(O25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys−NH
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O25]エキセンジン−4(1−39)−NH
H−(Lys)−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
H−Asn−(Glu)−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)−NH
H−(Lys)−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)−NH
H−Asn−(Glu)−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)−NH
H−(Lys)−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys−NH
desMet(O)14Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH
H−(Lys)−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
H−Asn−(Glu)−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)−NH
H−(Lys)−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys−NH
H−Asn−(Glu)desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)−NH

H−(Lys)−desPro36[Met(O)14,Trp(O25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys−NH
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O25]エキセンジン−4(1−39)−NH
H−(Lys)−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
H−Asn−(Glu)−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)−NH
H−(Lys)−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)−NH
H−Asn−(Glu)−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)−NH
またはその薬理学的に忍容される塩
を含む群から選択される、以上に記載されている製剤に関する。
本発明はさらに、Arg34,Lys26(Nε(γ−グルタミル(Nα−ヘキサデカノイル)))GLP−1(7−37)[リラグルチド]またはその薬理学的に忍容される塩も追加的に含む、以上に記載されている製剤に関する。
一実施形態では、本発明は、本明細書において記載されているような使用のための水性医薬製剤であって、インスリングラルギンを、200〜1000U/mL[ヒトインスリン200〜1000IUと等モル]の範囲で含み、好ましくは200U/ml〜650U/mL、一層好ましくは700U/mL〜1000U/ml、より好ましくは270〜330U/mLの範囲で含み、最も好ましくは300U/mLの濃度で含み、ただし、前記製剤の濃度は、インスリングラルギン684U/mLではない前記製剤に関する。
加えて、製剤は、例えば、リキシセナチド、エキセナチドおよびリラグルチドのような、エキセンジン−4のアナログも含むことができる。これらのエキセンジン−4アナログは、製剤中に、インスリングラルギン1U当たり0.1μg〜10μg、好ましくはインスリングラルギン1U当たり0.2〜1μg、より好ましくはインスリングラルギン1U当たり0.25μg〜0.7μgの範囲で存在する。リキシセナチドが好ましい。
加えて、水性医薬製剤は、亜鉛、m−クレゾール、グリセリン、ポリソルベート20およびナトリウムを含む群から選択される、1つまたはそれ以上の添加剤を含むことができる。特に、水性医薬製剤は、亜鉛90μg/mL、m−クレゾール2.7mg/mLおよびグリセリン85% 20mg/mlを含むことができる。場合により、水性医薬製剤は、ポリソルベート20 20μg/mLを含むことができる。
本明細書において記載されている水性医薬製剤のpHは、4.6以下、好ましくは4.5以下であり得る。
本明細書において記載されている水性医薬製剤のpHはまた、3.4から4.6までの範囲、好ましくは4から4.5までの範囲であり得る。
本発明の別の態様は、本明細書において記載されている疾患または状態を治療するための方法、特に、1型または2型糖尿病を治療するための方法であって、本発明の水性医薬組成物を糖尿病患者に投与することを含み、該治療は、夜間低血糖のリスクを低減する前記方法に関する。方法は、好ましくは、2型糖尿病の治療を指す。開示されている種々の濃度範囲の中で好ましいものは、300U/mLの濃度である。さらに、水性医薬製剤は、亜鉛、m−クレゾール、グリセリン、ポリソルベート20およびナトリウムならびにその混合物を、本発明の水性医薬製剤に関して本明細書において開示されている範囲で含むこともできる。好ましい実施形態では、水性医薬製剤は、インスリングラルギン1U当たり、リキシセナチド0.1μg〜10μgも含む。夜間低血糖は、本明細書において定義されているような、任意の夜間低血糖であってよい。患者は、本明細書において定義されているような、任意の患者であってよい。
インスリンは、好ましくは1日1回投与されるが、必要に応じて、1日2回投与される。必要とされる投与量は、正常なまたは許容される血糖レベルの達成によって決定される、個々の患者の必要性の関数である。
方法はまた、患者における1型または2型糖尿病を治療する方法であって、前記患者に、本明細書において記載されている水性医薬組成物を投与することを含み、製剤を、1日1回投与し、前の投与からの時間間隔は、1週当たり少なくとも2日に、24.5h〜28hの範囲または20h〜23.5hの範囲であり、前の投与からの平均時間間隔は、約24hである前記方法であり得る。時間間隔は、本明細書において定義されている時間間隔であってよい。水性製剤は、1週当たり少なくとも3日に、1週当たり少なくとも4日にまたは1週当たり少なくとも5日に、本明細書で特定されている時間間隔を用いて投与される。方法は、好ましくは、2型糖尿病の治療を指す。開示されている種々の濃度範囲の中で好ましいものは、300U/mLの濃度である。さらに、水性医薬製剤は、亜鉛、m−クレゾール、グリセリン、ポリソルベート20およびナトリウムならびにその混合物を、本発明の水性医薬製剤に関して本明細書において開示されている範囲で含むこともできる。好ましい実施形態では、水性医薬製剤は、インスリングラルギン1U当たり、リキシセナチド0.1μg〜10μgも含む。患者は、本明細書において定義されているような、任意の患者であってよい。
本明細書において記載されているような、調節可能な時間間隔で投与される、1型または2型糖尿病の治療方法は、1型または2型糖尿病の治療の方法を、本明細書において記載されているような、夜間低血糖のリスクの低減と組み合わされる。
本発明のさらに別の態様は、本明細書において記載されている疾患または状態の治療のための、特に、1型または2型糖尿病の治療のための薬剤の製造のための、本明細書において記載されている水性製剤の使用であって、該治療は、夜間低血糖のリスクを低減する前記使用に関する。使用は、好ましくは、2型糖尿病の治療を指す。開示されている種々の濃度範囲の中で好ましいものは、300U/mLの濃度である。さらに、水性医薬製剤は、亜鉛、m−クレゾール、グリセリン、ポリソルベート20およびナトリウムならびにその混合物を、本発明の水性医薬製剤に関して本明細書において開示されている範囲で含むこともできる。好ましい実施形態では、水性医薬製剤は、インスリングラルギン1U当たり、リキシセナチド0.1μg〜10μgも含む。夜間低血糖は、本明細書において定義されているような、任意の夜間低血糖であってよい。患者は、本明細書において定義されているような、任意の患者であってよい。
インスリンは、好ましくは1日1回投与されるが、必要に応じて、1日2回投与される。必要とされる投与量は、正常なまたは許容される血糖レベルの達成によって決定される、個々の患者の必要性の関数である。
別の態様は、患者における1型または2型糖尿病を治療するための薬剤の製造のための、本明細書において記載されている水性製剤の使用であって、前記患者に、本明細書において記載されている水性医薬組成物を投与することを含み、該製剤は、1日1回投与され、前の投与からの時間間隔は、1週当たり少なくとも2日に、24.5h〜28hの範囲または20h〜23.5hの範囲であり、前の投与からの平均時間間隔は、約24hである前記使用に関する。時間間隔は、本明細書において定義されている時間間隔であってよい。水性製剤は、1週当たり少なくとも3日に、1週当たり少なくとも4日にまたは1週当たり少なくとも5日に、本明細書で特定されている時間間隔を用いて投与される。方法は、好ましくは、2型糖尿病の治療を指す。開示されている種々の濃度範囲の中で好ましいものは、300U/mLの濃度である。さらに、水性医薬製剤は、亜鉛、m−クレゾール、グリセリン、ポリソルベート20およびナトリウムならびにその混合物を、本発明の水性医薬製剤に関して本明細書において開示されている範囲で含むこともできる。好ましい実施形態では、水性医薬製剤は、インスリングラルギン1U当たり、リキシセナチド0.1μg〜10μgも含む。患者は、本明細書において定義されているような、任意の患者であってよい。
本明細書において記載されているような、調節可能な時間間隔で投与される、1型または2型糖尿病の治療のための薬剤の製造のための使用は、1型または2型糖尿病の治療のための薬剤の製造のための使用を、本明細書において記載されているような、夜間低血糖のリスクの低減と組み合わされる。
本発明は、とりわけ、以下の項目に関する:
1. 1型または2型糖尿病の治療における使用のための水性医薬製剤であって、該治療は、夜間低血糖のリスクを低減し、前記製剤は、インスリングラルギン200〜1000U/mL[ヒトインスリン200〜1000IUと等モル]を含み、ただし、前記製剤の濃度は、インスリングラルギン684U/mLではない前記製剤。
2. インスリングラルギン200U/ml〜650U/mLを含む、項目1の使用のための水性製剤。
3. インスリングラルギン700U/ml〜1000U/mLを含む、項目1の使用のための水性製剤。
4. インスリングラルギン270〜330U/mL[ヒトインスリン270〜330IUと等モル]を含む、項目2の使用のための水性製剤。
5. インスリングラルギン300U/mL[ヒトインスリン300IUと等モル]を含む、項目4の使用のための水性製剤。
6. 夜間低血糖は、症候性低血糖、重症症候性低血糖、記録された症候性低血糖、症候性低血糖の疑い、相対的な症候性低血糖および無症候性低血糖から選択される、前記項目のいずれかの使用のための水性医薬製剤。
7. 治療される患者は、治療開始時に、HbA1c値が少なくとも8%である、前記項目のいずれかの使用のための水性医薬製剤。
8. 治療される患者は、治療開始時に、年齢が少なくとも60歳である、前記項目のいずれかの使用のための水性医薬製剤。
9. 治療される患者は、治療開始時に、BMIが少なくとも30kg/mである、前記項目のいずれかの使用のための水性医薬製剤。
10. 治療される患者は、治療直前に、基礎インスリンを受けた、前記項目のいずれかの使用のための水性医薬製剤。
11. 治療される患者は、治療直前に、食事時間短時間作用型インスリンを受けた、前記項目のいずれかの使用のための水性医薬製剤。
12. 治療される患者は、治療開始時に、注射前SMPGが少なくとも9mmol/Lである、項目10または11の使用のための水性医薬製剤。
13. 治療される患者は、治療開始時に、空腹時血漿グルコース濃度が少なくとも8mmol/Lである、項目10または11の使用のための水性医薬製剤。
14. 1日1回、晩に、所定の時間に投与される、前記項目のいずれかの使用のための水性医薬製剤。
15. 患者は、食事時間短時間作用型インスリンを追加的に受ける、前記項目のいずれかの使用のための水性医薬製剤。
16. エキセンジン−4のアナログを含む、前記項目のいずれかの使用のための水性医薬製剤。
17. エキセンジン−4のアナログは、リキシセナチド、エキセナチドおよびリラグルチドを含む群から選択される、項目16の使用のための水性製剤。
18. リキシセナチドをインスリングラルギン1U当たり0.1μg〜10μg含む、項目17の使用のための水性製剤。
19. リキシセナチドをインスリングラルギン1U当たり0.2〜1μg含む、項目18の使用のための水性製剤。
20. リキシセナチドをインスリングラルギン1U当たり0.25μg〜0.7μg含む、項目19の使用のための水性製剤。
21. 亜鉛、m−クレゾール、グリセリン、ポリソルベート20およびナトリウムを含む群から選択される、1つまたはそれ以上の添加剤を含む、前記項目のいずれかの使用のための水性製剤。
22. 亜鉛90μg/mL、m−クレゾール2.7mg/mLおよびグリセリン85% 20mg/mlを含む、項目21の使用のための水性製剤。
23. 亜鉛90μg/mL、m−クレゾール2.7mg/mL、ポリソルベート20 20μg/mLおよびグリセリン85% 20mg/mLを含む、項目21の使用のための水性製剤。
24. pHは、3.4から4.6の間である、前記項目のいずれかの使用のための水性製剤。
25. pHは4である、項目24の使用のための水性製剤。
26. pHは4.5である、項目24の使用のための水性製剤。
27. 糖尿病は、2型糖尿病である、項目1〜26のいずれかの使用のための医薬製剤。
28. 2型糖尿病は、少なくとも1種の経口抗高血糖剤単独で適切にコントロールされていない、項目27の使用のための医薬製剤。
29. 少なくとも1種の経口抗高血糖剤は、メトホルミンである、項目28の使用のための医薬製剤。
30. 少なくとも1.5g/日のメトホルミンでの治療は、糖尿病を適切にコントロールしない、項目29の使用のための医薬製剤。
31. 少なくとも1種の経口抗高血糖剤と組み合わせて投与される、項目27〜30のいずれかの使用のための水性医薬製剤。
32. 少なくとも1種の抗高血糖剤は、メトホルミンである、項目31の使用のための水性医薬製剤。
33. 1日1回投与され、前の投与からの時間間隔は、1週当たり少なくとも2日に、24.5h〜28hの範囲または20h〜23.5hの範囲であり、前の投与からの平均時間間隔は、約24hである、前記項目のいずれかの使用のための水性医薬製剤。
34. 患者における1型または2型糖尿病を治療する方法であって、前記患者に、インスリングラルギンを300U/mLの濃度で含む水性医薬組成物を投与することを含み、該治療は、夜間低血糖のリスクを低減する前記方法。
35. 前記医薬組成物は、亜鉛、m−クレゾール、グリセリン、ポリソルベート20およびナトリウムからなる群から選択される添加剤をさらに含む、項目34の方法。
36. 前記医薬組成物は、リキシセナチドをインスリングラルギン1U当たり0.1μg〜10μgさらに含む、項目34の方法。
37. 1型糖尿病および2型糖尿病の治療のための薬剤の製造のための、前記項目のいずれかの水性製剤の使用であって、該治療は、夜間低血糖のリスクを低減する前記使用。38. 1型または2型糖尿病の治療における使用のための水性医薬製剤であって、1日1回患者に投与され、前の投与からの時間間隔は、1週当たり少なくとも2日に、24.5h〜28hの範囲または20h〜23.5hの範囲であり、前の投与からの平均時間間隔は、約24hであり、前記製剤は、インスリングラルギン200〜1000U/mL[ヒトインスリン200〜1000IUと等モル]を含み、ただし、前記製剤の濃度は、インスリングラルギン684U/mLではない前記製剤。
39. 1週当たり少なくとも3日に、項目38で特定されている時間間隔を用いて投与される、項目38の水性製剤。
40. 1週当たり少なくとも4日に、項目38で特定されている時間間隔を用いて投与される、項目38の水性製剤。
41. 前の投与からの時間間隔は、25h〜28hの範囲または20h〜23hの範囲である、項目38〜40のいずれかの水性製剤。
42. 前の投与からの時間間隔は、25h〜27hの範囲または21h〜23hの範囲である、項目38〜41のいずれかの水性製剤。
43. 前の投与からの時間間隔は、25h〜26.5hの範囲または21.5h〜23hの範囲である、項目38〜42のいずれかの水性製剤。
44. インスリングラルギンを、項目2〜5のいずれかで定義されている量で含む、項目38〜43のいずれかの使用のための水性製剤。
45. 患者は、項目7〜15のいずれかで定義されている、項目38〜44のいずれかの使用のための水性製剤。
46. 項目16〜20のいずれかで定義されているように、エキセンジン−4のアナログをさらに含む、項目38〜45のいずれかの使用のための水性製剤。
47. 項目21〜23のいずれかで定義されているように、1つまたはそれ以上の添加剤をさらに含む、項目38〜46のいずれかの使用のための水性製剤。
48. 項目24〜26のいずれかで定義されているpHを有する、項目38〜47のいずれかの使用のための水性製剤。
49. 治療は、夜間低血糖のリスクを低減する、項目38〜48のいずれかの使用のための水性製剤。
50. 夜間低血糖は、症候性低血糖、重症症候性低血糖、記録された症候性低血糖、症候性低血糖の疑い、相対的な症候性低血糖および無症候性低血糖から選択される、項目49の使用のための水性製剤。
51. 糖尿病は、2型糖尿病である、項目38〜50のいずれかの使用のための水性製剤。
52. 項目28〜32のいずれかで定義されているように、2型糖尿病は、少なくとも1種の経口抗高血糖剤単独で適切にコントロールされていない、項目51の使用のための水性製剤。
53. 患者における1型または2型糖尿病を治療する方法であって、前記患者に、インスリングラルギンを300U/mLの濃度で含む水性医薬組成物を投与することを含み、製剤が1日1回投与され、前の投与からの時間間隔は、1週当たり少なくとも2日に、24.5h〜28hの範囲または20h〜23.5hの範囲であり、前の投与からの平均時間間隔は、約24hである前記方法。
54. 前記医薬組成物は、亜鉛、m−クレゾール、グリセリン、ポリソルベート20およびナトリウムからなる群から選択される添加剤をさらに含む、項目53の方法。
55. 前記医薬組成物は、リキシセナチドをインスリングラルギン1U当たり0.1μg〜10μgさらに含む、項目53の方法。
56. 1型糖尿病および2型糖尿病の治療のための薬剤の製造のための、前記項目のいずれかの水性製剤の使用であって、該製剤は、1日1回投与され、前の投与からの時間間隔は、1週当たり少なくとも2日に、24.5h〜28hの範囲または20h〜23.5hの範囲であり、前の投与からの平均時間間隔は、約24hである前記使用。
57. 包装材料、前記項目のいずれかの水性製剤および該製剤は1日1回投与されることを示すラベルまたは包装材料を含み、前の投与からの時間間隔は、21hから27hの間であり、前の投与からの平均時間間隔は、約24hである製造品。
58. 包装材料、前記項目のいずれかの水性製剤および該製剤を他の抗高血糖医薬品と一緒に投与することができることを示すラベルまたは包装材料を含む製造品。
59. 包装材料、前記項目のいずれかの水性製剤および
基礎インスリン製品の1日1回投与から、該製剤の1日1回投与への切替えは、前の基礎インスリン用量に基づいて、単位対単位で行われること;および基礎インスリン製品の1日2回投与から、該製剤の1日1回投与に切り替える場合は、該製剤の推奨される初回用量は、中止されている基礎インスリンの全日用量の80%であることを示すラベルまたは包装材料を含む製造品。
60. 包装材料、前記項目のいずれかの水性製剤ならびに該製剤を、抗高血糖医薬品、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、ジソピラミド、フィブラート系薬、フルオキセチン、モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤、ペントキシフィリン、プロポキシフェン、サリチレートおよびスルホンアミド系抗生物質を含む群から選択される、該製剤の血糖を低下させる効果を増強し得る物質と一緒に投与する場合には、該製剤の用量調整が必要とされることを示すラベルまたは包装材料を含む製造品。
61. 包装材料、前記項目のいずれかの水性製剤ならびに該製剤を、コルチコステロイド、ダナゾール、ジアゾキシド、利尿薬、グルカゴン、イソニアジド、エストロゲンおよびプロゲストゲン、フェノチアジン誘導体、ソマトロピン、交感神経作動性医薬品(例えばエピネフリン[アドレナリン]、サルブタモール、テルブタリン)、甲状腺ホルモン、非定型抗精神病医薬品(例えばクロザピンおよびオランザピン)ならびにプロテアーゼ阻害剤を含む群から選択される、該製剤の血糖を低下させる効果を低減し得る物質と一緒に投与する場合には、該製剤の用量調整が必要とされることを示すラベルまたは包装材料を含む製造品。
本出願を、以下の図および実施例を用いて下記に説明するが、決して限定的に行うためのものではない。
図1−主有効性分析−主6ヶ月オントリートメント期間における訪問ごとの平均HbA1c(%)−mITT集団(実施例1)。BAS=ベースライン、M6LOCF=主6ヶ月オントリートメントにおける最終値(LOCF)。LOCF=最終観察繰越法(Last Observation Carried Forward)。 図2−他のセカンダリー有効性エンドポイント−主6ヶ月オントリートメント期間における訪問ごとの平均注射前SMPG(mmol/L)(実施例1)。BAS=ベースライン、M6LOCF=主6ヶ月オントリートメントにおける最終値(LOCF)。LOCF=最終観察繰越法。 図3−他のセカンダリー有効性エンドポイント−ベースラインおよび6ヶ月目エンドポイントでの平均8ポイントSMPGプロフィール(mmol/l)−mITT集団(実施例1)。LOCF=最終観察繰越法。 図4−他のセカンダリー有効性エンドポイント−主6ヶ月オントリートメント期間における訪問ごとの平均1日基礎インスリンおよび食事時間インスリン用量(U)−mITT集団(実施例1)。BAS=ベースライン、M6LOCF=主6ヶ月オントリートメントにおける最終値(LOCF)。LOCF=最終観察繰越法。 図5−主有効性分析−主6ヶ月オントリートメント期間における訪問ごとの平均HbA1c(%)−mITT集団(実施例2)。BAS=ベースライン、M6LOCF=6ヶ月目エンドポイント(LOCF)。LOCF=最終観察繰越法。注:6ヶ月期間において救済されたすべての患者に対して、救済前および6ヶ月オントリートメント期間における最後のベースライン後HbA1c測定値を、HbA1cエンドポイントとして使用した。 図6−他のセカンダリー有効性エンドポイント−主6ヶ月オントリートメント期間における訪問ごとの平均注射前SMPG(mmol/L)−mITT集団(実施例2)。BAS=ベースライン、M6LOCF=6ヶ月目エンドポイント(LOCF)。SMPG=自己測定血漿グルコース。LOCF=最終観察繰越法。注:6ヶ月期間において救済されたすべての患者に対して、救済前および6ヶ月オントリートメント期間における最後のベースライン後平均注射前SMPG測定値を、平均注射前SMPGエンドポイントとして使用した。 図7−他のセカンダリー有効性エンドポイント−ベースラインおよび6ヶ月目エンドポイントでの平均8ポイントSMPGプロフィール(mmol/l)−mITT集団(実施例2)。LOCF=最終観察繰越法。SMPG=自己測定血漿グルコース。M6(LOCF)=6ヶ月目エンドポイント(LOCF)。注:6ヶ月期間において救済されたすべての患者に対して、救済前および6ヶ月オントリートメント期間における最後のベースライン後8ポイントプロフィールSMPG測定値を、8ポイントプロフィールSMPGエンドポイントとして使用した。 図8−他のセカンダリー有効性エンドポイント−主6ヶ月オントリートメント期間における訪問ごとの平均1日基礎インスリン用量(U)−mITT集団(実施例2)。BAS=ベースライン、M6LOCF=主6ヶ月オントリートメントにおける最終値(LOCF)。LOCF=最終観察繰越法。注:6ヶ月期間において救済されたすべての患者に対して、救済前および6ヶ月オントリートメント期間における最後のベースライン後インスリン用量測定値を、インスリン用量エンドポイントとして使用した。 図9−主有効性分析−3ヶ月比較レジメン期間における訪問ごとの平均HbA1c(%)−mITT下位試験集団。BASM6=ベースライン(6ヶ月目)、M9LOCF=3ヶ月比較レジメン期間における最終値(LOCF)。LOCF=最終観察繰越法。 図10−3ヶ月比較レジメン期間における訪問ごとの平均1日基礎(グラルギン(glargine))および食事時間インスリン用量(U)−mITT下位試験集団。BASM6=ベースライン(6ヶ月目)、M9LOCF=3ヶ月比較レジメン期間における最終値(LOCF)。LOCF=最終観察繰越法。 図11−全治療期間における1日の時間ごとの平均グルコース(mg/dL)のプロット−CGM集団。 図12−朝の全注射期間における1日の時間ごとの平均グルコース(mg/dL)のプロット−CGM集団 図13−晩の全注射期間における1日の時間ごとの平均グルコース(mg/dL)のプロット−CGM集団 図14−主有効性分析−3ヶ月比較レジメン期間における訪問ごとの平均HbA1c(%)−mITT下位試験集団。BASM6=ベースライン(6ヶ月目)、M9LOCF=3ヶ月比較レジメン期間における最終値(LOCF)。LOCF=最終観察繰越法。注:3ヶ月比較レジメン期間において救済されたすべての患者に対して、救済前および下位試験3ヶ月オントリートメント期間における最後のベースライン後HbA1c測定値を、HbA1cエンドポイントとして使用した。 図15−3ヶ月比較レジメン期間における訪問ごとの平均1日基礎(グラルギン)インスリン(U)−mITT下位試験集団。BASM6=ベースライン(6ヶ月目)、M9LOCF=3ヶ月比較レジメン期間における最終値(LOCF)。LOCF=最終観察繰越法。注:3ヶ月比較レジメン期間において救済されたすべての患者に対して、救済前および下位試験3ヶ月オントリートメント期間における最後のベースライン後インスリン用量測定値を、インスリン用量エンドポイントとして使用した
実施例1:新製剤のインスリングラルギンおよびランタス(Lantus)(登録商標)の有効性と安全性とを、両方とも食事時間インスリンを併用させて2型糖尿病患者において比較する6ヶ月の安全性拡張期間を備えた6ヶ月多施設無作為化オープンラベル並行群間試験
シノプシス
開発フェーズ:フェーズ3
目的:
プライマリー目的:HOE901−U300のランタスと比較した血糖コントロールに対する効果を、2型糖尿病患者において食事時間インスリンを併用するレジメンの基礎インスリンとして与えるときの、6ヶ月の期間におけるHbA1c変化の観点から評価すること。
主なセカンダリー目的:HOE901−U300とランタスとを、夜間低血糖の発生、注射前血漿グルコースの変化、および注射前血漿グルコースの変動性の変化の観点から、比較すること。
さらなるセカンダリー目的:
・HOE901−U300とランタスとを、目標HbA1c値およびコントロール血漿グルコース値に到達する観点から比較すること;
・HOE901−U300とランタスとを、糖尿病治療充足アンケート(ステータス)(DTSQs)(KRMでは非提示)を使用して患者の治療充足の観点から比較すること;
・HOE901−U300の安全性と耐容性を評価すること。
方法:無作為化は1:1(HOE901−U300対ランタス)であり、スクリーニングでのHbA1c値にしたがって階層化した(<8.0%;≧8.0%)。症例数(HOE901−U300の場合400、ランタスの場合400)は、プライマリーエンドポイント(ベースラインからエンドポイント[6ヶ月目]までのHbA1cの変化)に対する十分な能力が確保され、さらに第1の主なセカンダリーエンドポイント(夜間低血糖の発生)に関する結果が得られるように選択した。
患者の数:計画:800(治療アームあたり400) 無作為化:807
被治療:806
評価:有効性:804 安全性:806
選択のための診断および基準:選択基準:WHOによって定義される2型糖尿病を有する患者;インフォームド・コンセント書面に署名済み。重要な除外基準:年齢<18歳;スクリーニングでのHbA1c<7.0または>10%;2型糖尿病以外の糖尿病;基礎+食事時間インスリンおよび血糖の自己測定が1年未満;試験前の最後の4週間にインスリングラルギンの合計1日用量<42Uまたは等量のNPH(NPHが試験の前に基礎インスリンとして使用されていた場合)。
試験治療
治験医薬品:被験薬:HOE901−U300;対照薬:ランタス
製剤:HOE901−U300(インスリングラルギン300U/mL溶液)は、ペン注射器(充填済のディスポーザブル型ペン)内に構成されるガラスカートリッジに含有された無菌の非発熱性透明無色溶液であった。ランタス(インスリングラルギン100U/mL溶液)は、市販のソロスター(Solostar)(登録商標)(充填済のディスポーザブル型ペン)で供給された無菌の非発熱性透明無色溶液であった。
投与経路:皮下注射
投与レジメン:晩に1日1回注射。注射時間は、無作為化した時間点で固定し、試験期間中は一定にした。
HOE901−U300またはランタスは、晩、つまり夕食の直前から就寝時までの任意の時点で、1日1回皮下注射した。注射時間は、この時間ウィンドウ内で常に同じ時間とし、患者/調査者の分別で無作為化して固定した。患者は食事時間インスリンアナログを継続することとした。
開始用量:ベースライン訪問前に1日1回ランタスまたはNPHを投薬していた患者:HOE901−U300またはランタスの1日用量(U)は、ベースライン訪問前の最後の3日間における合計1日基礎インスリン用量の中央値と等しくした。
ベースライン訪問前に1日2回またはそれ以上のNPHを投薬していた患者:HOE901−U300またはランタスの1日用量(U)は、ベースライン訪問前の最後の3日間における合計1日NPHインスリン用量の中央値よりおよそ20%少なくなるようにした。
基礎インスリン用量は、80〜100mg/dL(4.4〜5.6mmol/L)の目標範囲の空腹時SMPGを達成するために毎週1回調節した:
・最後の3日間の空腹時SMPGの中央値が>100mg/dLおよび<140mg/dL(>5.6および<7.8mmol/L)の範囲であった場合は、+3Uごと。
・最後の3日間の空腹時SMPGの中央値が≧140mg/dL(≧7.8mmol/L)であった場合は、+6Uごと。
・最後の3日間の空腹時SMPGの中央値が≧60mg/dLおよび<80mg/dL(≧3.3および<4.4mmol/L)の範囲であった場合は、−3Uごと。
食事時間インスリン用量は、基礎インスリン用量を最適化した後で、血糖コントロールが最適化されるように適合させた。基礎インスリン用量が増加したときにボーラスインスリン用量は低下する可能性があった。
非治験医薬品:
両方の治療グループの患者は、試験においてその患者が受けていた食事時間インスリンアナログを継続することとした。付随するメトホルミン治療が継続中の患者は、メトホルミンの用量減少や中止を必要とする安全上の問題がない限り、試験前に投薬していた一定用量を試験中も継続することとした。
治療継続期間:12ヶ月以内
観察継続期間:54週以内(2週以内のスクリーニング期間+6ヶ月有効性および安全性期間+6ヶ月安全性拡張期間+2日間安全性追跡期間)。
有効性および安全性についての分析期間は、主6ヶ月オントリートメント期間であった。現在のKRM中で示されている結果はこの期間を指す。
評価基準:
有効性:
プライマリー有効性エンドポイント:ベースラインからエンドポイント(6ヶ月目)までのHbA1cの変化。
主なセカンダリーエンドポイント:9週目の開始からエンドポイント(6ヶ月目)の間での、重度および/または血漿グルコース≦70mg/dL(3.9mmol/L)による確認で特定される少なくとも1回の夜間低血糖を有した患者の発生率(%);ベースラインからエンドポイント(6ヶ月目)までの注射前SMPGの変化、ならびにベースラインからエンドポイント(6ヶ月目)までの注射前SMPGの変動性の変化。
安全性:低血糖、有害事象、特に治療下で発生する有害事象(TEAE)および重篤な有害事象(SAE)の発生、注射部位反応、ならびに過敏反応。次の情報はKRMで示していない:身体的診察、ならびに臨床検査室データ、生命徴候(体重を含む)、12−誘導心電図および抗インスリン抗体を含む他の安全性に関する情報。
統計的手法:プライマリー有効性エンドポイント(ベースラインからエンドポイント(6ヶ月目)までのHbA1cの変化)は、固定効果として治療、スクリーニングHbA1cの層(<8.0および≧8.0%)および国を用い、共変量としてHbA1cベースライン値を用いた共分散分析(ANCOVA)モデルを使用して分析した。HOE901−U300とランタスとの間の差および両側95%信頼区間は、ANCOVAのフレームワーク内で推定した。
非劣性および優越性を連続して評価するために、ステップワイズ閉試験アプローチを、プライマリー有効性エンドポイントに使用した。ステップ1は、HOE901−U300対ランタスの非劣性を評価した。非劣性を評価するために、HOE901−U300とランタスとの間のベースラインからエンドポイントまでのHbA1cの平均変化の差についての両側95%CIの上限を、HbA1cについての0.4%の所定の非劣性マージンと比較した。mITT集団に対するHOE901−U300とランタスと間の差の両側95%CIの上限が<0.4%ならば、非劣性が実証されることとした。非劣性が実証された場合のみ、ステップ2でHOE901−U300対ランタスの優越性を評価した。mITT集団におけるHOE901−U300とランタスとの間の差の両側95%CIの上限が<0だった場合、HOE901−U300のランタスに対する優越性が実証された。
HOE901−U300対ランタスの非劣性がプライマリーエンドポイントについて実証された場合のみ、セカンダリーエンドポイントについてのHOE901−U300のランタスに対する優越性についての試験を階層的試験手順の枠内で行うこととした。安全性分析は、安全性集団に基づいて記述した。
概要:
集団特性:
合計807人の2型糖尿病患者をHOE901−U300(n=404)またはランタス(n=403)に無作為化した;806人の患者をIMP(安全性集団)に当てた。mITT集団(有効性集団)は804人の患者を含んだ。
全体として、各治療グループにおける患者の同等数が、途中で試験中止となった(HOE901−U300:30/404、7.4%;ランタス 31/403、7.7%)。
人口統計およびベースライン特性は治療グループ間で良く均衡していた。試験集団の平均年齢は60歳で、246/807(30.4%)は≧65歳であった。ベースラインでの平均BMIは36.6kg/mであった。試験開始前の糖尿病の平均継続期間は15.8年であり、基礎インスリンを用いた従前の治療の平均継続期間は6.6年であり、合計1日インスリン用量中央値は1.1U/kg体重であった。両方の治療グループにおいて、ベースラインでの平均HbA1cは8.14%であった。
有効性の結果:
プライマリーエンドポイント:ベースラインからエンドポイント(6ヶ月目)までのHbA1cにおけるLS平均変化は、両方の治療グループにおいて同様であった(HOE901−U300:−0.83%(95%CI[−0.946;−0.709]);ランタス:−0.83%(95%CI[−0.944;−0.706])。HOE901−U300対ランタスの非劣性は、HbA1c対ランタスのLS平均差が−0.00%(95%CI[−0.112;0.107])で、0.4%の所定の非劣性マージンよりも低い上限を有していることが実証された。HOE901−U300対ランタスの優越性は実証されなかった。
第1の主なセカンダリーエンドポイント:9週目の開始から6ヶ月目までの間で少なくとも1回の夜間重度血糖症および/または確認低血糖を有した患者の発生率は、HOE901−U300グループ[136/404(33.7%)]の方がランタスグループ[180/400(45.0%)]よりも低かった。HOE901−U300対ランタスの優越性は、相対リスク0.75(95%CI[0.63、0.89])(p=0.0010)と示された。
第2の主なセカンダリーエンドポイント:ベースラインからエンドポイント(6ヶ月目)までの注射前SMPGのLS平均変化は、HOE901−U300(−0.90mmol/L)およびランタスグループ(−0.84mmol/L)で同様であった。治療グループ間の差は統計学的に有意ではなかった(LS平均差−0.06(95%CI[−0.383、0.255]、p=0.6921)。
第3の主なセカンダリーエンドポイント:HOE901−U300対ランタスの優越性が、第2の主なセカンダリーエンドポイントについては実証されなかったので、第3の主なセカンダリーエンドポイントについてのさらなる試験は実施しなかった(6ヶ月目での注射前SMPGの変動性の低下は両方の治療グループで同様であった)。
他のセカンダリー有効性エンドポイント(6ヶ月目):HbA1c<7%に達した患者の割合およびFPGの平均変化の両方が、治療グループ間で同様であった。HOE901−U300およびランタス治療患者の8ポイントSMPGプロフィールのグラフ表示は、ベースラインと比較してエンドポイント(6ヶ月目)で血漿グルコースが顕著に減少していることを示した。2つの治療グループのプロフィールは、ベースラインとエンドポイントの両方でほぼ重ねることができた。
HOE901−U300グループの基礎インスリン用量の増加は、6ヶ月目で平均1日用量103Uであり、これに対してランタスグループの平均1日用量は94Uであった(ベースラインでの平均基礎インスリン用量は、両方の治療グループで70Uであった)。食事時間インスリンの1日用量の増加は、治療グループ間で同等で、最初の2週間にわずかに増加した。その後、食事時間インスリン用量は一定であった。
安全性の結果:
全体として、低血糖は、HOE901−U300グループの方がランタスグループより一貫して低い患者パーセンテージで報告された。この違いは、試験治療の最初の2ヶ月間および夜間低血糖事象に関してより顕著であった。主6ヶ月オントリートメント期間において、重度低血糖は、HOE901−U300治療患者で21/404(5.2%)、ランタス治療患者で23/402(5.7%)と報告された。
いずれかのTEAE(HOE901−U300、222/404[55.0%];ランタス:215/402[53.5%])または重篤なTEAE(HOE901−U300、25[6.2%];ランタス、21[5.2%])を有する患者のパーセンテージは両グループ間で同様であった。両方の治療グループで同様の割合の患者に重篤な心臓TEAE(SOC−心臓障害)が生じた(HOE901−U300:n=5、1.2%;ランタス:n=7;1.7%)。
試験中に、各治療グループ3人(0.7%)の6人の患者が死亡した。これらのうち、各治療グループ2人(0.5%)の4人の患者が、最初の6ヶ月間で死亡した。HOE901−U300グループの3人の患者で致命的な帰結を有した事象には、次の状態:心臓の感染性血栓症および塞栓症、転移を有する気管支原性癌腫、および3番目の患者では肺塞栓が含まれた。ランタスグループの3人の患者における致命的事象の主因には:慢性うつおよび薬物耽溺、1人の患者で複数の状態があり、慢性心不全(NYHA IV)、急性代償不全を伴うステージ4の慢性腎不全、代償不全糖尿病および致命的帰結に関与した糖尿病性腎症が含まれ、最後の患者では、特定不能の要因による急性心肺停止が生じた。どの死亡も治験医薬品に関連するとは考えられなかった。
両方の治療グループの同様の数の患者に、永続的な治療の中止に結びついたTEAEが生じた(HOE901−U300:n=6、1.5%;ランタス:n=7、1.7%)。
主6ヶ月オントリートメント期間における過敏反応は、両方の治療グループで同様の割合で報告された(HOE901−U300:n=3、0.7%;ランタス:n=2、0.5%)。
主6ヶ月オントリートメント期間における注射部位反応全体は、両方の治療グループで同様の割合を示した(HOE901−U300:n=9、2.2%;ランタス:n=6、1.5%)。
結論:
食事時間インスリンと組み合わせて基礎インスリンを投薬している807人のT2DM患者でのこの試験において、ベースライン特性および人口統計特性は、治療グループ全体にわたり良く均衡していた。HOE901−U300対ランタスの非劣性がプライマリー有効性エンドポイントについて示された(ベースラインからエンドポイント[6ヶ月目]までのHbA1cの変化)。9週目の開始から6ヶ月目エンドポイントまでの間に夜間低血糖(重度および/またはSMPG≦70mg/dL[3.9mmol/L]により確認)について報告された患者の発生率(%)は、HOE901−U300グループの方がランタスグループより顕著に低かった(それぞれ33.7%および45%、RRは0.75、p値は0.0010;第1の主なセカンダリー有効性エンドポイント)。治療グループ間で同等の結果が、他のセカンダリーエンドポイント、例えば、注射前血漿グルコース、注射前血漿グルコースの変動性、目標HbA1cに達する患者の数、FPGの平均変化、および血漿グルコースの8ポイントプロフィールで見出された。
主6ヶ月オントリートメント期間における低血糖の全体的発生率(少なくとも1回の事象を有した患者の%)は、低血糖のカテゴリーにかかわらず、HOE901−U300グループの方がランタスグループより低かった。
HOE901−U300は、試験の主6ヶ月オントリートメント期間において十分な耐容性があり、特別な安全上の問題も観察されなかった。
12ヶ月のEDITION1拡張試験の有効性と安全性の結果の概要
− HbA1c:安全性拡張期間(主試験エンドポイント[6ヶ月目]から治療終了点[12ヶ月目]まで)において、HbA1cは安定しており、両方の治療グループで同等であった。
− 低血糖:全体的に、主6ヶ月治療期間と同様に、全試験オントリートメント期間において低血糖は、HOE901−U300グループとランタスグループとで同様またはHOE901−U300グループの方がランタスグループより低い患者パーセンテージで発生した。
− 安全性:HOE901−U300は、試験において十分耐容性があり、特別な安全上の問題は観察されなかった。;全治療期間において、いずれかのTEAEを有した患者のパーセンテージは、特定のSOCの関与なしで、両方のグループにおいて同様であった(HOE901−U300で289/404[71.5%]、ランタス治療グループで278/402[69.2%])。重篤なTEAEが同様の患者数で報告された(HOE901−U300グループで53[13.1%]、ランタス治療グループで62[15.4%])。HOE901−U300における2人の患者(0.5%)およびランタス治療グループにおける4人の患者(1.0%)が、全試験オントリートメント期間において、死に結びついたTEAEを有していた。
− 体重:両方の治療グループにおいて、全試験オントリートメント期間において、体重のわずかな増加があった(HOE901−U300で1.17kg、ランタスで1.40kg)。
1 結果
1.1 試験患者
1.1.1 試験内訳
Figure 0006457484
Figure 0006457484
1.1.2 人口統計およびベースライン特性
Figure 0006457484
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1.2 有効性評価
1.2.1 プライマリー有効性エンドポイント
Figure 0006457484
1.2.2 主なセカンダリーエンドポイント
1.2.2.1 夜間低血糖
Figure 0006457484
1.2.2.2 注射前血漿グルコース − 6ヶ月目エンドポイント
Figure 0006457484
V1(2週目)で、調査者または調査スタッフのメンバーは、血漿グルコースの自己測定とその記録を行うための血糖計とその付属部品(針、対照溶液、試験片など)を患者に提供した。患者は、血糖計を用いた正確な血漿グルコース値の測定方法を教示された。調査者または調査スタッフのメンバーは、プロフィールのために要求される時間にグルコースを測定し、患者日誌にその測定値を正確に記録する必要性を説明した。試験訪問時に必要に応じた回数でトレーニングを繰り返し、調査スタッフは各訪問時に患者日誌を調査した。血糖値は、治験依頼者が提供した血糖測定器を使用して、患者によって測定された。患者は、日誌にSMPGデータを記録した。
患者は、治験依頼者により提供された血糖計を各施設訪問時に持参するよう指示された。血糖計は添付文書の指示にしたがって較正するようにした。また調査実施機関では、データ検証のために提供される対照溶液を使用して血糖計を定期的にチェックするようにした。
V1(スクリーニング訪問)から始めて、日誌には、患者が記録するための以下の項目を含めた:
・試験治療および食事時間インスリン:HOE901−U300またはランタス注射(スクリーニング期間中はランタスまたはNPH注射)および食事時間/ボーラスインスリンアナログ注射の時間および用量;
・SMPG:SMPGの時間および値;
1.朝の空腹時SMPG(朝食前)
2.各訪問前7日間における基礎インスリン注射前30分以内のSMPG
3.4ポイントプロフィールおよび8ポイントプロフィールSMPG
4.低血糖事象に関連するSMPG
5.いずれかの他のSMPG(測定の理由を問わない)。
SMPG測定は以下のように計画した:
・空腹時血糖(SMPG):空腹時(朝食前)SMPGは、試験期間中、毎日測定した。
訪問3回目(1日目、ベースライン)前の1週間に、空腹時SMPG測定スケジュールに対するコンプライアンスを用いて、無作為化オントリートメント期間に参加する適格性を評価した。試験中に、滴定が完了し、空腹時(朝食前)SMPGが標的範囲内で安定しているときは、1週あたり少なくとも3回の測定を実施するようにした。
・試験薬の注射前30分以内の血漿グルコース(注射前SMPG):注射前SMPGは、ベースライン前および試験にわたって各実施機関訪問前の少なくとも7日間で、IMP(HOE901−U300またはランタス)の注射前30分以内に行うようにした。4ポイントまたは8ポイントのプロフィールが為された日に:注射前SMPGの時間が4ポイントまたは8ポイントのプロフィールの時間ポイントと同じである場合、患者はSMPG値を日誌中で双方に割り当てるようにした(例えば、注射前PG;就寝時)。
・4ポイントSMPGプロフィール(朝食前、昼食前、夕食前、就寝時):ベースライン訪問の前の週の間、およびIMPでの治療の最初の12週の間に、患者は1週あたり少なくとも3日で4ポイントSMPGプロフィールを実施した。一旦滴定ゴールに達したら、4ポイントSMPGプロフィールの数は調査者の判断にしたがって減少することができるが、各訪問前の週における少なくとも3日の4ポイントSMPGプロフィールは必須とした。ただし、インスリンレジメンを最適に調整するために、試験を通して毎日4ポイントSMPGプロフィールを実施することを推奨した。
・8ポイント血糖プロフィール:(夜の午前03:00に測定開始;朝食前および朝食2時間後;昼食前および昼食2時間後;夕食前および夕食2時間後;就寝時):患者は、各実施機関訪問前の5日間で少なくとも1日、8ポイントSMPGプロフィールを実施した。ただし、8ポイントSMPGプロフィールは8週目まで少なくとも1週間に1回、その後は2週毎に1回実施することを推奨した。午前3.00にSMPG値を記録することに特に留意するようにした。
・症候性低血糖エピソード中のSMPG:可能であれば、患者が低血糖候を感じた場合は常に、血漿グルコースを患者によって(または適切であれば他者によって)測定するようにした。患者は、安全面での考慮から確認前に即時のグルコース/炭水化物による救済が必要となる場合を除き、症候性低血糖が疑われる場合は常に、グルコースまたは炭水化物投与が行なわれる前に、血漿グルコースのレベルを測定するよう指導された。
次のSMPG値をeCRFに写さなければならなかった。
ベースライン訪問前の週および訪問8回目(12週目)までの最初の12週の間:
・空腹時(朝食前)SMPG:毎日
・注射前SMPG(基礎インスリンの注射前30分以内):各実施機関訪問前の7日間で
・4ポイントプロフィールSMPG:訪問8回目(12週目)までの各週における3つの異なる日で
・8ポイントプロフィールSMPG:各実施機関訪問前の5日以内に1回のプロフィール
・低血糖事象と関連するSMPG:常に文書化
注:電話訪問の後は、最小限でも次のデータをe−CRFに入力した:過去3日の空腹時(朝食前)SMPG、低血糖事象と関連するSMPG:常に文書化。電話訪問前の週の残りのSMPGデータは、次の実施機関訪問においてe−CRFに入力した。
訪問8回目(12週目)後:
・空腹時(朝食前)SMPG:各実施機関訪問前7日間で
・注射前SMPG(基礎インスリンの注射前30分以内):各実施機関訪問前7日間で
・4ポイントプロフィールSMPG:各実施機関訪問前7日以内の異なる3日で
・8ポイントプロフィールSMPG:各実施機関訪問前5日以内の1日で
・低血糖事象と関連するSMPG:常に文書化
すべての血糖値が、調査者が低血糖を観察するために使用された。
1.2.2.3 注射前SMPGの変動性 − 6ヶ月目エンドポイント
Figure 0006457484
1.2.3 他のセカンダリー有効性エンドポイント
1.2.3.1 6ヶ月目でHbA1c<7%を有した患者のパーセンテージ
Figure 0006457484
1.2.3.2 ベースラインから6ヶ月目エンドポイントまでのFPGの変化
Figure 0006457484
1.2.3.3 8ポイントSMPGプロフィール
図3に、ベースラインおよび6ヶ月目エンドポイントでの平均8ポイントSMPGプロフィール(mmol/l)−mITT集団を示した。
1.2.3.4 基礎および食事時間インスリンの用量
図4に、主6ヶ月オントリートメント期間における訪問ごとの平均1日基礎インスリンおよび食事時間インスリンの用量(U)−mITT集団を示した。
1.3 安全性評価
1.3.1 曝露の程度
Figure 0006457484
1.3.2 低血糖
Figure 0006457484
低血糖事象は以下にしたがって分類した(American Diabetes Association Workgroup on Hypoglycemia. Defining and Reporting Hypoglycemia in Diabetes. Diabetes Care 2005;28:1245−49)。
重度低血糖
重度低血糖は、炭水化物、グルカゴンまたは他の蘇生作用を能動的に適用するために他者の支援を必要とする事象とした。
このエピソードは、発作、意識消失あるいは昏睡を引き起こし得る神経低糖症に関わる場合がある。血漿グルコースの測定はそのような事象中に実施できない可能性があるが、血漿グルコースの正常値への回復に寄与する神経学的回復は、その事象が低血漿グルコース濃度によって引き起こされたことの十分な証拠と考えられた。
重度症候性低血糖の定義には、神経学的機能不全により自己処置が抑制されるほどに重度であり、したがって患者が患者自身または他者に障害を与える危険にさらされるすべてのエピソードを含めた。
なお「支援を必要とする」とは、患者が自分自身を援助できないことを意味するとした。援助が必要でないときに親切から患者を支援することは「支援を必要とする」事例とみなさないこととした。
重度症候性低血糖は、SAE基準を満たす場合のみ、SAEと認めた。発作、意識消失または昏睡の事象は、すべてSAEとして報告しなければならなかった。
記録された症候性低血糖
記録された症候性低血糖は、≦70mg/dL(3.9mmol/L)の血漿グルコース濃度測定値を伴った典型的な低血糖が生じる事象とした(American Diabetes Association Workgroup on Hypoglycemia. Defining and Reporting Hypoglycemia in Diabetes. Diabetes Care 2005;28:1245−49)。
低血糖エピソードに起因すると考えられる臨床症状としては、例えば、多汗、神経過敏、衰弱/虚弱、震え、めまい、食欲増加、動悸、頭痛、睡眠障害、混乱、発作、意識消失、昏睡が挙げられる。
無症候性低血糖
無症候性低血糖は、低血糖に典型的な症状は付随しないが、血漿グルコース濃度測定値が70mg/dL(3.9mmol/L)またはそれ以下である事象とした。
症候性低血糖の疑い
症候性低血糖の疑いは、低血糖の症状中に血漿グルコースの決定は行っていないが、70mg/dL(3.9mmol/L)またはそれ以下の血漿グルコース濃度によって引き起こされたと推定される事象;血漿グルコースの試験無しに経口炭水化物で症状が治療された事象、とした。
相対的低血糖
相対的低血糖は、糖尿病患者において、低血糖の典型的な症状のいずれかが報告され、低血糖の典型的な症状として解釈されるが、70mg/dL(3.9mmol/L)を超える血漿グルコース濃度測定値を有する事象とした。
夜間低血糖
夜間低血糖は、00:00から05:59時までの間で生じる上記カテゴリーのあらゆる低血糖とした。注:相対的夜間低血糖は、主なセカンダリーエンドポイント(少なくとも1回の夜間低血糖を有する患者)の解析には含まれなかった。
さらに、70mg/dL(3.9mmol/L)またはそれ以下の閾値、54mg/dL(3.0mmol/L)の血漿グルコースを有する低血糖エピソードは、別々に分析した(Guideline on clinical investigation of medicinal products in the treatment of diabetes mellitus. Draft. EMA、2010年1月20日)。
低血糖の分類はクロックタイムに基づいて行った:
低血糖エピソードは、その日周分布(0:00−24:00)と、さらに1日の時間ごとで分析した。
・1日の時間で定義される夜間低血糖:午前00:00から午前05:59までの間に生じる上記カテゴリーのいずれかの低血糖であり、患者が目を覚ましていたか、当該事象のために起きたかによらない);
・昼間低血糖:午前6:00から23:59までの間で生じる、上記のカテゴリーのいずれかの低血糖。
患者は、安全面での問題から確認前に即時のグルコースによる救済が必要となる場合を除き、症候性低血糖が疑われる場合は常に、炭水化物の投与前に指杖血漿グルコースのレベルを測定するように指示され、その後、グルコース測定値は、安全な限りすぐに、適切な日誌に文書化するようにした。
低血糖エピソードについての詳細は、患者の日誌から把握され、患者は重度な事象後できるだけすぐに、詳細を調べ、取るべき必要のある処置を決めるために、実施機関と連絡をとることとした。
低血糖エピソードは、eCRF中の「低血糖特別書式」において文書化した。この書式には、すべての症候性低血糖事象および無症候性低血糖事象を含めた。SAEの基準を満たす低血糖事象は、e−CRFにおいてSAE形式で文書化した。
患者年あたりの低血糖発生率は、患者ごとに:365.25×(低血糖のエピソード数)/(曝露した日数)にしたがって計算し、事象の種類および治療グループごとにまとめた。
Figure 0006457484
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1.3.3 治療下で発現した有害事象
Figure 0006457484
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1.3.4 死亡、治療下で発現した重篤な有害事象
1.3.4.1 死亡
Figure 0006457484
1.3.4.2 重篤な有害事象
Figure 0006457484
Figure 0006457484
Figure 0006457484
Figure 0006457484
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1.3.5 撤回に結びついた有害事象
Figure 0006457484
Figure 0006457484
Figure 0006457484
1.3.6 他の顕著な有害事象
1.3.6.1 過敏反応
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1.3.6.2 注射部位反応
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実施例2:新製剤のインスリングラルギンおよびランタス(登録商標)の有効性と安全性とを、両方とも経口抗高血糖薬を併用させて2型糖尿病患者において比較する6ヶ月の安全性拡張期間を備えた6ヶ月多施設無作為化オープンラベル並行群間試験
シノプシス
試験機関:多施設
開発フェーズ:3
目的:
プライマリー目的:HOE901−U300の、ランタスと比較した血糖コントロールに対する効果を、2型糖尿病患者での6ヶ月期間におけるHbA1c変化の観点から、経口抗高血糖薬と併用するレジメンで基礎インスリンとして投与して評価すること。
主なセカンダリー目的:HOE901−U300とランタスとを、夜間低血糖の発生、注射前血漿グルコースの変化、および注射前の血漿グルコースの変動性の変化の観点から、比較すること。
さらなるセカンダリー目的:
・HOE901−U300とランタスとを、目標HbA1c値およびコントロールされた血糖値の到達の観点から比較すること;
・HOE901−U300とランタスとを、糖尿病治療充足アンケート(ステータス)(DTSQ)(KRMでは非提示)を使用した患者の治療充足の観点から比較すること;
・HOE901−U300の安全性および耐容性を評価すること。
方法:無作為化は1:1(HOE901−U300対ランタス)であり、スクリーニングでのHbA1c値(<8.0%;≧8.0%)にしたがって階層化した。症例数(HOE901−U300で400、ランタスで400)は、プライマリーエンドポイント(ベースラインからエンドポイント[6ヶ月目]までのHbA1cの変化)に対する十分な能力が確保されるように、および第1の主なセカンダリーエンドポイント(夜間低血糖の発生)に関する結果が得られるように、選択した。
患者の数:
計画:800(治療アームあたり400) 無作為化:811 被治療:809
評価:有効性:808 安全性:809
選択のための診断および基準:選択基準:スクリーニング訪問時に少なくとも1年間WHOの定義にしたがって2型糖尿病と診断された患者;インフォームド・コンセント書面に署名済み。重要な除外基準:年齢<18歳;スクリーニングでHbA1c<7.0または>10%;2型糖尿病以外の糖尿病;経口抗高血糖薬を伴う基礎インスリン治療と血糖の自己測定が6ヶ月未満;試験前の最後の4週間にインスリングラルギン合計1日用量<42Uまたは等量のNPH(NPHが試験に先立って基礎インスリンとして使用された場合)。
試験治療
治験医薬品:被験薬:HOE901−U300;対照薬:ランタス
製剤:HOE901−U300(インスリングラルギン300U/mL溶液)は、ペン注射器(充填済のディスポーザブル型ペン)内に構成されるガラスカートリッジに含有された無菌の非発熱性透明無色溶液であった。ランタス(インスリングラルギン100U/mL溶液)は、市販のソロスター(登録商標)(充填済のディスポーザブル型ペン)で供給された無菌の非発熱性透明無色溶液であった。
投与経路:皮下注射
用量レジメン:晩に1日1回注射。注射時間は、無作為化した時間点で固定して、試験期間中、一定にした。
開始用量:ベースライン訪問前に1日1回ランタスまたはNPHを投薬していた患者:HOE901−U300またはランタスの1日用量(U)は、ベースライン訪問前の最後の3日間における合計1日基礎インスリン用量の中央値と等しくした。
ベースライン訪問前に1日に2回またはそれ以上のNPH投薬患者:HOE901−U300またはランタスの1日用量(U)は、ベースライン訪問前の最後の3日間における合計1日NPHインスリン用量の中央値よりおよそ20%少なくなるようにした。
基礎インスリン用量は、80〜100mg/dL(4.4〜5.6mmol/L)の目標範囲の空腹時SMPGを達成するために毎週1回調節した:
・最後の3日間の空腹時SMPGの中央値が>100mg/dLおよび<140mg/dL(>5.6および<7.8mmol/L)の範囲である場合は、+3Uごと。
・最後の3日間の空腹時SMPGの中央値が≧140mg/dL(≧7.8mmol/L)である場合は、+6Uごと。
・最後の3日間の空腹時SMPGの中央値が≧60mg/dLおよび<80mg/dL(≧3.3および<4.4mmol/L)の範囲である場合は、−3Uごと。
救済治療:
基礎インスリンの調節が、12週目以降でFPG/HbA1cをFPGについて11.1mmol/L(200mg/dL)およびHbA1cについて8%の閾値未満に低下させることに失敗し、コントロール不良の明確な理由が特定されない場合には、治療の強化を検討することとした。基礎インスリンおよび経口抗高血糖背景治療に追加する抗糖尿病治療についての選択は、調査者の決定と現地の識別文書に基づいた。
非治験医薬品:
両方の治療グループの患者は、試験中に、その患者の経口抗高血糖薬背景治療を一定用量で継続することとした。但し、スルホニル尿素は、スクリーニング訪問前2ヶ月以内と試験中は禁止した。救済治療も非治験医薬品とみなした。
治療継続期間:12ヶ月以内
観察継続期間:58週以内(最長2週間のスクリーニング期間+6ヶ月の有効性および安全性期間+6ヶ月の安全性拡張期間+4週間の治療後追跡期間)。
有効性および安全性についての分析期間は、主6ヶ月オントリートメント期間であった。提示のKRMで示されている結果はこの期間を指す。
6ヶ月治療期間に救済治療を必要としたすべての患者について、救済治療の開始前の最後のベースライン後の有効性測定値を、有効性エンドポイントとして使用した。これらの患者は救済治療の開始後、有効性分析から除外した。安全性エンドポイントについては、解析期間は、救済治療の使用にかかわらず、主6ヶ月オントリートメント期間であった。
評価基準:
有効性:
プライマリー有効性エンドポイント::ベースラインからエンドポイント(6ヶ月目)までのHbA1cの変化。
主なセカンダリーエンドポイント:9週目の開始からエンドポイント(6ヶ月目)までの間で、重度および/または血漿グルコース≦70mg/dL(3.9mmol/L)の確認として特定される少なくとも1回の夜間低血糖を有した患者の発生率(%);ベースラインからエンドポイント(6ヶ月目)までの注射前SMPGにおける変化、ならびにベースラインからエンドポイント(6ヶ月目)までの注射前SMPGの変動性の変化。
安全性:低血糖、有害事象、特に治療下で発生する有害事象(TEAE)および重篤な有害事象(SAE)、撤回に結びついた有害事象および死亡に結びついた有害事象の発生、注射部位反応、ならびに過敏反応。次の情報はKRMで示していない:身体的診察、ならびに臨床検査室データ、生命徴候、12−誘導心電図および抗インスリン抗体を含む他の安全性に関する情報。
統計的手法:プライマリー有効性エンドポイント(ベースラインからエンドポイント(6ヶ月目)までのHbA1cの変化)を、固定効果として治療、スクリーニングHbA1cの層(<8.0および≧8.0%)および国を用い、共変量としてHbA1cベースライン値を用いた共分散分析(ANCOVA)モデルを使用して分析した。HOE901−U300とランタスとの間の差および両側95%信頼区間は、ANCOVAのフレームワーク内で推定した。
非劣性および優越性を連続して評価するために、ステップワイズ閉試験アプローチを、プライマリー有効性エンドポイントについて使用した。ステップ1は、HOE901−U300対ランタスの非劣性を評価した。非劣性を評価するために、HOE901−U300とランタス間のベースラインからエンドポイントまでのHbA1cの平均変化の際の差についての両側95%CIの上限を、HbA1cについての0.4%の所定の非劣性マージンと比較した。mITT集団に対するHOE901−U300とランタス間の差の両側95%CIの上限が<0.4%ならば、非劣性が実証されることとした。非劣性が実証された場合のみ、ステップ2で、HOE901−U300対ランタスの優越性を評価した。mITT集団でのHOE901−U300とランタスとの間の差の両側95%CIの上限が<0だった場合、ランタスに対するHOE901−U300の優越性が実証された。
HOE901−U300対ランタスの非劣性がプライマリーエンドポイントについて実証された場合のみ、主なセカンダリーエンドポイントについてのランタスに対するHOE901−U300の優越性のための試験を階層的試験手順のフレーム内で行った。安全性分析は、安全性集団に基づいて記述した。
概要:
集団特性:
合計811人の2型糖尿病患者を、HOE901−U300(n=404)またはランタス(n=407)に無作為化し、809人の患者をIMP(安全性集団)に当てた。mITT集団(有効性集団)は808人の患者を含んだ。
全体として、各治療グループ中の同等数の患者が、途中で試験治療中止となった(HOE901−U300:36/404、8.9%;ランタス38/407、9.3%)。合計でHOE901−U300アームの344の患者(85.1%)と、ランタスアームの349人の患者(85.7%)が主6ヶ月オントリートメント期間を完了した(救済医薬を投薬した患者は完了者集団から除外した。)
人口統計およびベースライン特性は治療グループ間で良く均衡していた。試験集団の平均年齢は58.2歳で、190/811(23.4%)は≧65歳であった。ベースラインでの平均BMIは34.8kg/mであった。40kg/mを超えるBMIを有する患者は、HOE901−U300グループ(21.5%)の方がランタスグループ(16.7%)よりわずかに多かった。試験開始前の糖尿病の平均継続期間は12.6年であり;基礎インスリンを用いた従前の治療の平均継続期間は3.8年であった。大多数の患者が、試験治療の開始前の7日間にインスリングラルギンを投薬していた(78.8%対NPH21.2%):ランタスグループでは、HOE901−U300グループ(74.9%)と比較して、より多くの患者(82.8%)がインスリングラルギンを投薬していた。ベースラインでの1日基礎インスリン用量中央値は0.614U/kg体重であった。
ベースラインでの平均HbA1cは両方の治療グループで同様であった(評価可能な患者、つまりベースラインと少なくとも1回のベースライン後HbA1c評価を有する患者について;HOE901−U300:8.28%、ランタス:8.22%)。
有効性の結果:
プライマリーエンドポイント:ベースラインからエンドポイント(6ヶ月目)までのHbA1cにおけるLS平均変化は、両方の治療グループにおいて同様であった(HOE901−U300:−0.57%(95%CI[−0.756;−0.387]);ランタス:−0.56%(95%CI[−0.744;−0.379])。HOE901−U300対ランタスの非劣性は、HbA1c対ランタスのLS平均差が−0.01%(95%CI[−0.139;0.119])で、0.4%の所定の非劣性マージンよりも低い上限を有していることが実証された。非劣性は0.3%の非劣性マージンを用いる場合でも実証された。HOE901−U300対ランタスの優越性は実証されなかった。
第1の主なセカンダリーエンドポイント:9週目の開始から6ヶ月目までの間で少なくとも1回の夜間重度血糖症および/または確認低血糖を有した患者の発生率は、HOE901−U300グループ[87/403(21.6%)]の方がランタスグループ[113/405(27.9%)]よりも低かった。HOE901−U300対ランタスの優越性は、相対リスク0.77(95%CI[0.61、0.99])(p=0.0380)と示された。
第2の主なセカンダリーエンドポイント:ベースラインからエンドポイント(6ヶ月目)までの注射前SMPGのLS平均変化は、HOE901−U300(−0.56mmol/L)およびランタスグループ(−0.51mmol/L)で同様であった。治療グループ間の差は統計学的に有意ではなかった(LS平均差−0.04(95%CI[−0.438、0.350]、p=0.8279)。
第3の主なセカンダリーエンドポイント:HOE901−U300対ランタスの優越性が、第2の主なセカンダリーエンドポイントについては実証されなかったので、第3の主なセカンダリーエンドポイントについてさらなる試験は実施しなかった(6ヶ月目での注射前SMPGの変動性の低下は、数値的に、HOE901−U300グループ(−2.34)の方がランタスグループ(−0.53)と比較して大きかった)。
他のセカンダリー有効性エンドポイント(6ヶ月目):HbA1c<7%に達した患者の割合は、治療グループ間で同様であった(HOE901−U300で30.6%;ランタスで30.4%)。FPGの平均変化については、2つの治療グループで同様の減少が示された。8ポイントSMPGプロフィールのグラフ表示は、両方の治療グループで、ベースラインと比較してエンドポイント(6ヶ月目)での血漿グルコースの同等な顕著な低下があったことを示した。
6ヶ月目で、平均1日インスリン用量は、HOE901−U300グループで91U(0.92U/kg)であり、ランタスグループで82U(0.84U/kg)であった。
両方の治療グループで同様の数の患者が、主6ヶ月治療期間において救済治療を受けた(HOE901−U300で5.7%、ランタスで4.9%)。
安全性の結果:
全体として、低血糖は、HOE901−U300グループの方がランタスグループより一貫して低い患者パーセンテージで報告された。この違いは、試験治療の最初の2ヶ月間と夜間低血糖事象においてより顕著であった。主6ヶ月オントリートメント期間において、重度低血糖は、HOE901−U300治療患者の4/403(1%)、ランタス治療患者の6/406(1.5%)で報告された。
いずれかのTEAEを有した患者のパーセンテージ(HOE901−U300、236/403[58.6%];ランタス:206/406[50.7%])は、特定のSOCの関与なしで、HOE901−U300治療グループの患者の方がランタスグループよりも高かった。重篤なTEAEが、両方の治療グループで同様の数で報告された(HOE901−U300、15[3.7%];ランタス、15[3.7%])。
HOE901−U300治療グループの2人の患者(0.5%)およびランタス治療グループの1人の患者(0.2%)が6ヶ月のオントリートメント期間において死亡した。
HOE901−U300グループの2人の患者の致死性転帰を有する事象には、心筋梗塞および高度冠動脈疾患による突然心臓死が含まれた。両方の患者は、既存の顕著な心血管疾病に罹患しており、致死性転帰に寄与する複数の危険因子を有していた。ランタスグループの患者では、致死性転帰を伴った慢性腎盂腎炎の悪化があった。6ヶ月オントリー
トメント期間において生じた死亡はいずれも治験医薬品に関連するとは考えられなかった。
両方の治療グループの同様の数の患者で、永続的な治療の中止に結びついたTEAEが生じた(HOE901−U300:n=6、1.5%;ランタス:n=4、1.0%)。
主6ヶ月オントリートメント期間における過敏反応は、両方の治療グループで同様の割合で報告された(HOE901−U300:n=13、3.2%;ランタス:n=16、3.9%)。
主6ヶ月オントリートメント期間における注射部位反応は全体として、ランタス治療グループの方がHOE901−U300グループよりも報告割合が高かった(ランタス:n=12、3.0%;HOE901−U300:n=4、1.0%)。
両方の治療グループで、体重に明白な変化はなかった(HOE901−U300で0.08kg、ランタスで0.66kg)。
結論:
この試験で基礎インスリンと経口糖尿病薬とを組み合わせて投薬した811人のT2DM患者において、ベースライン特性および人口統計的特性は、治療グループにわたって良く均衡していた。HOE901−U300対ランタスの非劣性が、プライマリー有効性エンドポイントについて示された(ベースラインからエンドポイント[6ヶ月目]までのHbA1cの変化)。9週目の開始点から6ヶ月目の間で夜間低血糖(重度および/またはSMPG≦70mg/dL[3.9mmol/L]により確認)が報告された患者の発生率(%)は、HOE901−U300グループの方がランタスグループより顕著に低かった(それぞれ21.6%および27.9%、RR0.77、p値0.0380;第1の主なセカンダリー有効性エンドポイント)。治療グループ間で同等の結果が、注射前血漿グルコースの他のセカンダリーエンドポイント、注射前血漿グルコースの変動性、目標HbA1cおよびFPGの変化平均に達した患者の数、8ポイントSMPGプロフィールの変化、ならびに24時間平均血漿グルコースの変動性でみられた。
主6ヶ月オントリートメント期間における低血糖(少なくとも1回の事象を有した患者の%)の発生率は全体的に、低血糖のカテゴリーにかかわらず、HOE901−U300グループの方がランタスグループより一貫して低かった。HOE901−U300の有利性を支持するこの差は、すべてのカテゴリーの夜間低血糖に対してより明白であった。
HOE901−U300は、試験の主6ヶ月オントリートメント期間中において十分耐容性があり、特別な安全上の問題も観察されなかった。
12ヶ月のEDITION2拡張試験の有効性と安全の結果の概要
− HbA1c:安全性拡張期間(主試験エンドポイント[6ヶ月目]から治療終了点[12ヶ月目]まで)において、HbA1cは安定しており、両方の治療グループで同等であった。
− 救済:全治療期間において、救済治療を必要とする患者のパーセンテージは、両方の治療グループで同様であった(HOE901−U300で8.2%、ランタスで10.1%)。6ヶ月の安全性拡張期間において、救済治療は、HOE901−U300治療グループの患者の方がランタスグループの患者よりも低いパーセンテージで開始された(HOE901−U300で2.5%、ランタスで5.4%)。
− 低血糖:全体として、主6ヶ月治療期間と同様に、全試験オントリートメント期間において、低血糖のカテゴリーにかかわらず、低血糖の発生した患者のパーセンテージは、HOE901−U300グループの方がランタスより低かった。
− 安全性:HOE901−U300は、試験中に十分に耐容性があり、特別な安全性の問題は観察されなかった。全治療期間において、いずれかのTEAEを有した患者のパーセンテージは、特定のSOCの関与なしで、HOE901−U300治療グループの患者の方が、ランタスグループの患者より高かった(それぞれ278/403[69.0%]および244/406[60.1%])。重篤なTEAEが両方の治療グループで同様の数で報告された(30[7.4%])。HOE901−U300治療グループの4人の患者(1.0%)およびランタス治療グループの2人の患者(0.5%)が、全試験オントリートメント期間において死に結びついたTEAEを有した。
− 体重:両方の治療グループにおいて、全試験オントリートメント期間において、わずかな体重の増加があった(HOE901−U300で0.41kg、ランタスで1.15kg)。
2 結果
2.1 試験患者
2.1.1 試験内訳
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2.1.2 人口統計およびベースライン特性
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2.2 有効性評価
2.2.1 プライマリー有効性エンドポイント
Figure 0006457484
表26のデータを図5にまとめた。
2.2.2 主なセカンダリーエンドポイント
2.2.2.1 夜間低血糖
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2.2.2.2 注射前血漿グルコース − 6ヶ月目エンドポイント
Figure 0006457484
表28のデータを図6にまとめた。
2.2.2.3 注射前SMPGの変動性 − 6ヶ月目エンドポイント
Figure 0006457484
2.2.3 他のセカンダリー有効性エンドポイント
2.2.3.1 6ヶ月目でHbA1c<7%を有した患者のパーセンテージ
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2.2.3.2 ベースラインから6ヶ月目エンドポイントまでのFPGの変化
Figure 0006457484
2.2.3.3 8ポイントSMPGプロフィール
ベースラインおよび6ヶ月目エンドポイント(mITT集団)での平均8ポイントSMPGプロフィール(mmol/l)を図7に示した。
2.2.3.4 基礎インスリン用量
主6ヶ月オントリートメント期間における訪問ごとの平均1日基礎インスリン用量(U)(mITT集団)を、図8に示した。
2.3 安全性評価
2.3.1 曝露の程度
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2.3.2 低血糖
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2.3.3 治療下で発現した有害事象
Figure 0006457484
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2.3.4 死亡、治療下で発現した重篤な有害事象
2.3.4.1 死亡
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2.3.4.2 重篤な有害事象
Figure 0006457484
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2.3.5 撤回に結びついた有害事象
Figure 0006457484
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2.3.6 他の顕著な有害事象
2.3.6.1 過敏反応
Figure 0006457484
2.3.6.2 注射部位反応
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2.3.7 体重
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実施例3:新製剤のインスリングラルギンおよびランタス(登録商標)の有効性と安全性とを、両方とも食事時間インスリンを併用させて2型糖尿病患者において比較する、6ヶ月の安全性拡張期間を備えた6ヶ月多施設無作為化オープンラベル並行群間試験−適合可能な投与間隔と固定された投与間隔とを比較する投与下位試験
1 シノプシス
開発フェーズ:3
目的:
プライマリー目的:1日1回24時間ごとに注射されるHOE901−U300の有効性と、1日1回24±3時間の間隔で注射されるHOE901−U300の有効性とを、2型糖尿病患者において主試験の6ヶ月目(=下位試験のベースライン)から主試験の9ヶ月目(=下位試験のエンドポイント)までの間のHbA1cの変化の観点から、比較すること。
主なセカンダリー目的:HOE901−U300について2つの注射レジメンの安全性を、低血糖発生の観点から比較すること。
方法:HOE901−U300に関して無作為化され、6ヶ月主試験期間においてHOE901−U300を受けていた患者を、HOE901−U300の1日1回24時間ごと(固定された投与間隔)または24±3時間ごと(適合可能な投与間隔)のいずれかの投与に1:1に無作為化した。
6ヶ月主試験期間(実施例1参照)を完了し、下位試験についての適格基準に合致するHOE901−U300患者を、下位試験適格とした。記述的なプライマリー分析に対しては特定の症例数を必要としなかった。
患者の数:計画:300以内(前治療アーム150)
無作為化:110
被治療:110
評価:有効性:109 安全性:110
選択のための診断および基準:選択基準:実施例1で記載した主試験における6ヶ月試験期間(訪問10回)、無作為化、および6ヶ月オントリートメント期間におけるHOE901−U300による治療(ベースライン−6ヶ月)を完了、下位試験について署名済みのインフォームド・コンセント書面を取得済み。
重要な除外基準:患者が24±3時間の適合可能な投与間隔を1週あたり少なくとも2日使用する意思がない;調査者の見解において適合可能な投与スケジュールを遵守することができない;試験へのさらなる参加を妨げる健康状態。
試験治療
治験医薬品:被験薬:HOE901−U300
製剤:HOE901−U300(インスリングラルギン300U/mL溶液)は、ペン注射器(充填済のディスポーザブル型ペン)内に構成されるガラスカートリッジに含有された無菌の非発熱性透明無色溶液であった。
投与経路:皮下注射
試験レジメン:
適合可能な投与間隔:HOE901−U300を24±3時間ごとに1日1回投与。
注射時間は、個体の必要性に応じて、主試験の開始時に固定した晩の1日注射時間から最大3時間早いまたは遅い時間に適合させた。最大間隔、つまり固定した毎日の注射時間から3時間早いまたは3時間遅い時間間隔は、患者の選択により1週のうち少なくとも2日で用いることとした。主試験の開始点で固定した注射時間は、変動に対する参照時間として維持することとした。
対照レジメン:
固定された投与間隔:HOE901−U300、24時間ごとに1日1回の注射。
患者は、主試験の開始点で固定した注射時間から24時間ごとに1日1回HOE901−U300の注射を継続した。
用量:
HOE901−U300の用量は、低血糖なしに空腹時血漿グルコース値が目標範囲80〜100mg/dL(4.4mmol/L〜5.6mmol/L)を達成するまたは維持するように、必要に応じて滴定することとした。インスリン用量の変化は、空腹時自己測定毛細血管血漿グルコース(SMPG)測定値に基づいた。
非治験医薬品
両方の治療グループの患者は、下位試験において食事時間インスリンアナログを継続して用いた。
メトホルミンを併用している患者は、安全面の問題でメトホルミンの用量減少や中止が必要とされない限り、下位試験の間、一定用量を継続した。
治療継続期間:下位試験は、6ヶ月主試験期間の完了時を開始点、主試験の9ヶ月目の完了時をエンドポイントとする3ヶ月比較有効性および安全性治療期間で構成した。
完了後、適合可能な投与アームの患者は、主試験のエンドポイント(12ヶ月目)まで、このレジメンを継続する場合もあった。HOE901−U300を24時間ごとに注射する患者は、試験の終了までその患者の治療レジメンを継続した。
観察継続期間:有効性および安全性についての分析期間は、主試験の6ヶ月目に開始し、主試験の9ヶ月目に終了する3ヶ月の試験期間であった。提示のKRMで示されている結果はこの期間を指す。
評価基準:
有効性:
プライマリー有効性エンドポイント:ベースライン(6ヶ月目)からエンドポイント(9ヶ月目)までのHbA1cの変化。
セカンダリー有効性エンドポイント:ベースライン(6ヶ月目)からエンドポイント(9ヶ月目)までのFPGの変化(中央検査室)、基礎インスリンおよび食事時間インスリンの1日用量。
安全性:低血糖、有害事象、特に治療下で発生する有害事象(TEAE)および重篤な有害事象(SAE)の発生、注射部位反応、ならびに過敏反応。次の情報はKRMで示していない:生命徴候および過体重を含む他の安全性に関する情報。
統計的手法:この3ヶ月の下位試験で、ベースラインは主試験の6ヶ月目と定義した;エンドポイントは主試験の9ヶ月目と定義した。
プライマリー有効性エンドポイント(ベースライン[6ヶ月目]からエンドポイント[9ヶ月目]までのHbA1cの変化)は、固定効果として治療レジメンおよび国を用い、共変量としてHbA1cベースライン値を用いた共分散分析(ANCOVA)モデルを使用して分析した。HOE901−U300の適合可能な投与レジメンとHOE901−U300の固定投与レジメンとの間の差および両側95%信頼区間は、ANCOVAのフレームワーク内で推定した。
すべての連続的なセカンダリー有効性変数(注射前SMPGの変動性の変化を除く)は、固定結果として治療レジメンおよび国を用い、共変量として対応するベースライン値を用いたANCOVAモデルを使用して分析した。
ベースライン(6ヶ月目)からエンドポイント(9ヶ月目)までの注射前SMPGの変動性の変化は、固定結果として治療レジメンおよび国を用いた分散分析(ANOVA)モデルを使用して分析した。
安全性分析は、安全性集団に基づいて記述した。
概要:
集団特性:合計110人の2型糖尿病患者を下位試験のために無作為化した:HOE901−U300の適合可能な投与間隔レジメンに対して56人の患者、HOE901−U300の固定された投与間隔レジメンに対して54人の患者;110人の患者をIMP(安全性集団)に当てた。mITT下位試験集団(有効性集団)は109人の患者を含んだ。
HOE901−U300の適合可能な投与間隔に無作為化された1人の患者(1/56、1.8%)は、下位試験が途中で中止となり、主試験の拡張期間も中止となった(HOE901−U300の固定された投与間隔:0/54、0%)。
ベースライン(6ヶ月目)での人口統計および患者特性は、両方のレジメングループ間で良く均衡していた。下位試験集団の平均年齢は60歳であった;110人の患者のうち35人(31.8%)は65歳またはそれ以上であった。
下位試験において、平均で適合可能な投与間隔の患者の注射の23.0%が、先行の注射から<21.5時間または>26.5時間の極端な間隔で行われ、これに対し、固定された投与間隔の患者の注射では3.9%であった。適合可能な投与間隔グループにおける患者の注射の平均13.5%が、中間の間隔(先行の注射後21.5〜23時間または25〜26.5時間)で行われ、これに対し、固定された投与間隔グループの患者の注射では8.2%であった。先行の注射後23〜25時間以内に行われる注射について、適合可能な投与間隔グループの患者による注射(63.4%)の方が、固定された投与間隔グループによる患者による注射(88.0%)と比較して少なかった。
合計で適合可能な投与グループにおける34.5%の患者が、先行の注射後23〜25時間以外の時間で20%未満の注射を行っており、したがっておよそ65%の患者が適合可能な投与間隔レジメンを遵守していると考えられた。固定された投与間隔グループでは、患者の78.8%が、先行の注射から23〜25時間以内に80%またはそれ以上の注射を行っており、したがって固定された投与間隔レジメンを遵守していると考えられた。
各々のレジメンのコンプライアンスは、主試験ベースラインで計画した参照注射時間から間隔を計算するとき、類似していた。
有効性の結果:
プライマリーエンドポイント:ベースライン(6ヶ月目)からエンドポイント(9ヶ月目)までのHbA1cにおけるLS平均変化は、適合可能な投与間隔(0.22%[95%CI:−0.006〜0.436])および固定された投与間隔(0.14%[95%CI:−0.099〜0.380])のグループ間で類似しており、LS平均差は0.07%[95%CI:−0.169〜0.318]であった。
セカンダリー有効性エンドポイント(9ヶ月目):
・FPG(適合可能な投与間隔1.40mmol/L[95%CI:0.624〜2.177];固定された投与間隔(1.18mmol/L[95%CI:0.350〜2.015];LS平均差0.22mmol/L[95%CI:−0.634〜1.070])。
・注射前SMPG、注射前SMPGの変動性:
通常の24時間の間隔よりも短くまたは長い間隔に帰着するHOE901−U300についての注射間隔の適合は、注射前SMPGと注射前SMPGの変動性のセカンダリー有効性エンドポイントに影響を及ぼす可能性があった。したがって、訪問前の最大7日間にわたる患者ごとの平均値の平均を示す投与間隔レジメンあたりの全体的な分析に加えて、注射間隔ごとのSMPGデータ背景をCSRに提示した。
両方の投与間隔レジメングループにおいて、平均基礎インスリン1日用量および食事時間インスリン1日用量は3ヶ月比較レジメン期間の間、安定していた。
安全性:
3ヶ月比較レジメン期間において、低血糖事象は、全体とカテゴリーごとの低血糖との両方について、HOE901−U300の適合可能な投与間隔およびHOE901−U300の固定された投与間隔の患者で、同様の割合で報告された。
いずれかのTEAEを有する患者(適合可能な投与間隔15/56[26.8%];固定された投与間隔15/54[27.8%])または重篤なTEAEを有する患者(適合可能な投与間隔4/56[7.1%];固定された投与間隔5/56[9.3%])のパーセンテージは、レジメン間で同等であった。
治療中止に結びついたか、死亡に結びついたか、または注入部位反応に関連したTEAEは、3ヶ月下位試験期間において、いずれの投与レジメンでも観察されなかった。固定された投与間隔レジメンの1人の患者[1.9%]は、過敏反応に結びついたTEAEを有した。
結論:
両方の投与間隔レジメングループの大半は、無作為化され、適合可能な投与間隔(HOE901−U300を1日1回24±3時間ごとで1週間のうち少なくとも2日)または固定された投与間隔(HOE901−U300を1日1回24時間ごと)のいずれかを使用した注射スケジュールにしたがっていた。これにより、有効性と安全性の分析について2つの投与間隔レジメンの比較が可能であった。
HbA1cおよびFPG変化の観点からの有効性分析から、2つの投与間隔レジメンについて同等の結果が示された。
3ヶ月の下位試験期間における低血糖の全体的な発生率(少なくとも1回の事象を有する患者の%)は、低血糖のカテゴリーにかかわらず両レジメンで同等であった。
HOE901−U300の適合可能な投与間隔または固定された投与間隔は3ヶ月比較下位試験期間において十分に耐容性があった:特別な安全性の問題は観察されなかった。
まとめると、下位試験の結果によれば、主な有効性および安全性エンドポイントに対して、注射間隔を時々適合させることによる負の効果はみられなかった。
2 結果
2.1 試験患者
2.1.1 試験内訳
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2.1.2 人口統計およびベースライン特性
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2.1.3 治療コンプライアンスの測定
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2.2 有効性評価
2.2.1 プライマリー有効性エンドポイント
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3ヶ月比較レジメン期間における訪問ごとの平均HbA1c(%)−mITT下位試験集団を図9に示した。
2.2.2 セカンダリーエンドポイント
2.2.2.1 空腹時血漿グルコース
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2.2.2.2 基礎および食事時間インスリン用量
3ヶ月比較レジメン期間における訪問ごとの平均1日基礎(グラルギン)および食事時間インスリン用量(U)−mITT下位試験集団を図10に示した。
2.3 安全性評価
2.3.1 曝露の程度
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2.3.2 低血糖
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2.3.3 治療下で発現した有害事象
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2.3.4 治療下で発現した重篤な有害事象
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2.3.5 治療下で発現した撤回に結びついた有害事象
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2.3.6 治療下で発現した他の顕著な有害事象
2.3.6.1 注射部位反応
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2.3.6.2 過敏反応
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実施例4:新製剤のインスリングラルギンおよびランタスの有効性と安全性とを、1型糖尿病患者において比較する、16週多施設無作為化オープンラベル対照試験
開発フェーズ:2
目的:
プライマリー目的:新製剤インスリングラルギン(HOE901−U300)およびランタスを用いた治療での血糖コントロールを1型糖尿病成人患者で比較すること。
セカンダリー目的:
・朝または晩に与えられるHOE901−U300とランタスとを、連続的グルコースモニタリング(CGM)データ:日周グルコース曝露;中央値曲線における変化割合によって測定するときの日周グルコース安定性;四分位範囲(IQR)によって測定される日周グルコース変動性;グルコースのプロフィールにおける平均および変化、に関して比較すること
・HOE901−U300とランタスとを、糖化ヘモグロビンA1c(HbA1c)、自己測定血漿グルコース(空腹時血漿グルコース、試験薬の注射前、7ポイントプロフィール)に関して、比較すること
・ADA基準による定義にしたがって分類された低血糖エピソードの発生率および頻度を、いずれも症候、血漿グルコース≦70mg/dLによる確認およびCGM検出によって比較すること。
・HOE901−U300の安全性および耐容性を評価すること。
方法:HOE901−U300とランタスとを1型糖尿病患者において比較する多施設オープンラベル無作為化4アーム並行群間比較フェーズ2試験。患者は、1日1回基礎インスリン(HOE901−U300またはランタス)の投薬と、試験期間Aおよび試験期間Bにおける注射時間系列(朝に次いで晩、または晩に次いで朝)について無作為化した。方式的な症例数の推定は、この探索的試験では行なわなかった。
患者の数:計画56、無作為化59、被治療59、評価:有効性59、安全性59
選択のための診断および基準:選択基準:1型糖尿病患者;インフォームド・コンセント書面に署名済み。重要な除外基準:年齢<18歳および>70歳;スクリーニング時にHbA1c>9%;基礎+食事時間インスリンの投薬1年未満;>0.5U/kg体重の基礎インスリンを投薬している患者およびスクリーニング訪問前の最後の30日間においてインスリン用量が安定していない患者(±20%合計基礎インスリン用量);無作為化前の最後の6ヶ月に糖尿病性ケトアシドーシスによる入院または重度低血糖(第3者の支援が必要)の病歴。
試験治療
治験医薬品:被験薬:HOE901−U300;対照薬:ランタス
製剤:HOE901−U300は、3mLカートリッジに含有された300U/mL皮下(SC)注射用インスリングラルギン溶液として供給された。ランタスは、10mLバイアルに含有されたSC注射用インスリングラルギン溶液100U/mLとして供給された。
投与経路:SC注射
HOE901−U300の注射は、市販のBD Ultra−Fine(商標)Short Needle Insulin Syringeを用いた半単位規模で行った。ランタスの注射は市販のBDインスリン用シリンジを使用して行った。
・1〜30Uインスリングラルギン用量に対して:半単位規模でのBD Ultra−Fine(商標)Short Needle Insulin Syringe[8mm(5/16”)×31G];
・>30Uインスリングラルギン用量に対して:単位規模でのBD Ultra−Fine(商標)Short Needle Insulin Syringe[[8mm(5/16”)×31G]。
投与レジメン:朝または晩の1日1回の注射を、無作為化して、期間Aの8週間において朝または晩に、さらにそれぞれ期間Bの8週間において晩または朝に。
開始用量:ベースライン訪問前にランタスまたは1日1回NPHまたは1日1回デテミル(detemir)を投薬していた患者:HOE901−U300またはランタスの1日用量(U)は、ベースライン訪問前日の1日基礎インスリン用量と等しくした。ベースライン訪問前に1日2回またはそれ以上のNPHまたはインスリンデテミルを投薬していた患者:ベースライン訪問前の日の合計1日NPHまたはインスリンデテミル用量の80%(=20%減じた合計1日用量)。
試験中の用量:HOE901−U300またはランタスとして与えられるインスリングラルギンの投与は、自己測定、空腹時、朝食前血漿グルコースレベル(標的範囲80〜130mg/dL;4.4〜7.2mmol/L)に基づいて行い、さらに低血糖の存在も考慮した。基礎インスリンに対する最小用量増分は1.5Uであった。
バッチ番号:HOE901−U300:C1011129;ランタス:地方の薬局から供給。
非治験医薬品:短時間作用型食事時間(ボーラス)インスリンアナログ(グルリシン(glulisine)、アスパルト(aspart)またはリスプロ(lispro))。
両方の治療グループの患者が、試験中に、その患者が受けていた食事時間インスリンアナログを継続した。
食事時間インスリンの用量は、血糖コントロールを最適化するために、食後2時間の血漿グルコースの結果および食事中の炭水化物含有量を含むSMPGデータに基づいて調節することとした。食後2時間の血漿グルコースの目標範囲は<160mg/dL(8.3mmol/L)であった。基礎インスリン用量が増加したときにボーラスインスリン用量は減少する可能性があった。
治療継続期間:16週以内(期間Aにおいて8週間、期間Bにおいて8週間)
観察継続期間:
・最長4週間のスクリーニング(2週間のCGMトレーニング期間を含む);
・2×8週の比較有効性および安全性治療期間;
・試験完了後または試験治療の永続的な中止後の4週間の治療後安全性追跡期間。
合計で最長試験期間は1患者あたり24週以内であった。
評価基準:
有効性
プライマリー有効性エンドポイント:治療期間Aの7および8週、ならびにCGMに基づいた治療期間Bの15および16週における80〜140mg/dL(4.4〜7.8mmol/L)の血糖範囲にある時間の割合(%)。
セカンダリー有効性エンドポイント:血糖範囲の上限より上/下限より下にある時間パーセント(高血糖症/低血糖である時間%)。
以下のセカンダリー有効性エンドポイントはこのKRMでは示されていない。日周グルコース曝露;日周グルコース安定性;日周グルコース変動性;グルコースプロフィールにおける平均および変化;8週治療期間の最後の2週間のCGM使用の14日間における各投与間隔の最後の4時間における血糖範囲内にある平均時間;高血糖AUC(CGMプロフィールより下および血糖範囲より上の面積を合計時間で除算);ならびに低血糖AUC(CGMプロフィールより上および血糖範囲の下限より下の面積を合計時間で除算)。
さらなるセカンダリー有効性エンドポイント:インスリン用量;このKRMでは示していない:HbA1c、空腹時血漿グルコース(FPG)、注射前SMPG、7ポイントSMPG。
安全性
低血糖、有害事象、特に治療下で発生する有害事象(TEAE)および重篤有害事象(SAE)の発生、注射部位反応、ならびに過敏反応。次の情報はKRMで示していない:身体的診察、ならびに臨床検査室データ、生命徴候および12−誘導心電図を含む他の安全性に関する情報。
統計的手法:
プライマリーエンドポイントは、固定結果として治療(HOE901−U300またはランタス)および期間(オントリートメント期間AまたはB)を用い、ランダム効果として患者を用いた線形混合モデルを使用して分析した。調整済みの各治療について、平均推定値および標準誤差、調整済みの治療平均差推定値および標準誤差、ならびに治療平均差についての95%信頼区間が提供された。統計学的検定は公称5%有意水準での両側検定とした。同じモデルを、セカンダリー有効性エンドポイントの高血糖/低血糖の%時間、日周グルコース曝露、日周グルコース安定性および日周グルコース変動性に対しても使用した。他の有効性エンドポイントは記述的にした。CGM関連パラメータは、CGM集団に基づいて分析し、非CGMパラメータはmITT集団に基づいた。安全性分析は、安全性集団に基づいて記述した。
概要:
集団特性:
合計59人の1型糖尿病患者を1〜4のアームに無作為化した:HOE901−U300を期間Aで朝に注射した後に期間Bで晩に注射(n=15)、HOE901−U300を晩に注射した後に朝に注射(n=15)、ランタスを朝に注射した後に晩に注射(n=15)、またはランタスを晩に注射した後に朝に注射(n=14)。合計59人の患者をIMP(安全性集団)に当て、mITT集団とCGM集団(有効性集団)に含めた。HOE901−U300グループの1人の患者(3.3%)およびランタスグループ中の3人の患者(10.3%)が途中で試験治療を中止した。人口統計およびベースライン特性は治療グループ間で良く均衡していた。試験集団の平均年齢は44.2年であり、2人の患者は65歳またはそれ以上であった。患者はすべてコーカサス人種であった。ベースラインでの平均BMIは27.3kg/mであった。ベースラインでの糖尿病の平均継続期間は22.1年であった。1日合計インスリンの用量中央値は0.565U/kg体重であった。ベースラインでの平均HbA1cは7.46%であった。
有効性の結果:
プライマリー有効性エンドポイント:各8週間の治療期間における最後の2週間において基礎インスリン用量ができるだけ安定に保たれているとき、CGMによって測定される血漿グルコースは、HOE901−U300グループで31.75%(LS平均)およびランタスグループで30.99%(LS平均)の時間において、血糖範囲内で観察された。LS平均差は0.75%[95%CI:−3.614〜5.124]であった。
セカンダリー有効性エンドポイント:各8週間の治療期間における最後の2週間に、140mg/dL(7.8mmol/L)の血糖範囲の上限を超える時間の割合(%)は、治療グループ間で同等であり(LS平均でHOE901−U300グループは58.24%、ランタスグループは57.38%)、同様に80mg/dL(4.4mmol/L)の下限より下である時間の割合(%)は、LS平均で、HOE901U300グループで10.01%であり、ランタスグループで11.64%であった。
全治療期間(図11)における1日の時間ごとのCGMに基づいた平均グルコースのグラフ表示により、HOE901−U300グループの方がランタスグループよりも可動域が小さいことが示唆された。プロフィールは、HOE901−U300の方がランタスよりも水平に見え、朝の注射期間中(図12)の方が晩の注射期間中(図13)よりも水平に見えた。
全体として、HOE901−U300治療グループおよびランタス治療グループにおいて、基礎インスリンは、試験の最初の6週間で同様に増加し、その後は比較的安定していた(ベースラインにおいて、平均1日基礎インスリン用量は両方の治療グループで同様であった:HOE901−U300:24.9単位;ランタス:25.0単位;16週目においては、HOE901−U300:30.11単位;ランタス:28.22単位)。
平均食事時間インスリン1日用量は、ベースラインにおいて、HOE901−U300グループ(29.92単位)の方が、ランタスグループ(23.69単位)よりも高かったが、16週目においては、同等であった(HOE901−U300:27.34単位;ランタス:26.31単位)。
安全性の結果:
オントリートメント期間において、低血糖を生じた患者のパーセンテージは、全体的に、HOE901−U300グループおよびランタスグループの全および各カテゴリーの低血糖事象(すべての低血糖)で同等であった。一貫して、以下の下位グループ間で低血糖
の報告に類似性が観察された:
・HOE901−U300グループの朝および晩の注射グループ;
・ランタスグループの朝および晩の注射グループ;
・HOE901−U300の朝の注射グループおよびランタスの朝の注射グループ;
・HOE901−U300の晩の注射グループおよびランタスの晩の注射グループ
夜間低血糖を生じた患者のパーセンテージは、朝および晩の注射時間にかかわらず、HOE901−U300グループの方がランタスグループより一貫して低かった。HOE901−U300グループにおける有利な数値傾向は、患者の数が少ないという要因を考慮して解釈する必要があった。いずれかのTEAEを有した患者のパーセンテージは、HOE901−U300グループ(24/30[80.0%])の方がランタスグループ(19/29[65.5%])より高かった。HOE901−U300グループにおいて、1人の患者は重篤な腸閉塞を生じ(IMPとは無関係)、もう一人の患者は妊娠により治療を中止した。死亡は試験中に報告されなかった。注射部位反応に結びついたTEAEは、HOE901−U300グループの2/30人の患者[6.7%]、およびランタスグループの1/29人の患者[3.4%]で観察された。過敏反応に関係するTEAEは、HOE901−U300グループの4/40人の患者、およびランタスグループの1/30人の患者で生じた。
結論:
CGMによって測定された血漿グルコースは、HOE901−U300グループおよびランタスグループの各8週間の治療期間における最後の2週間において、同様の時間パーセンテージで、目標血糖範囲内(80〜140mg/dLまたは4.4〜7.8mmol/L)であることが観察された。なお、この目標範囲は、ADAが推奨する70〜180mg/dL(3.9〜10.0mmol/L)と比較して狭かった。
両方の治療グループにおいて、血糖範囲の上限を超えて経過した時間割合(57%〜58%)は、目標範囲の下限未満で経過した時間割合(10〜11%)より高かった。
全体として、低血糖のカテゴリーにかかわらず、試験期間において少なくとも1回の事象を有した患者のパーセンテージは、両方の治療グループ(HOE901−U300、ランタス)および両方の注射時間(朝または夜)で同等であった。夜間低血糖についてのHOE901−U300グループにおける有利な数値傾向は、患者の数が少ないという要因を考慮して解釈する必要があった。
HOE901−U300およびランタスは、朝または晩の投与のいずれにおいても、試験期間において十分な耐容性があり、特別な安全上の懸念点は観察されなかった。
実施例5:新治験薬インスリンU300:基礎インスリンを用いた2型糖尿病におけるグルコース調節および低血糖(EDITION II)
趣旨:新治験薬インスリンU300は、インスリングラルギン100U/mL(U100)よりもさらに水平で、より延長されたPK/PDプロフィールを有し、現在臨床開発中である。フェーズ3のEDITION II試験では、U300のU100に対する有効性と安全性を、OADと組合せた基礎インスリンレジメンを使用して、T2DM罹患者において比較した。
方法:多施設オープンラベル6ヶ月試験において、参加者を、U300またはU100を晩に1日1回投薬するよう無作為化した(1:1)。インスリン用量は、80〜100mg/dLの目標空腹時血漿グルコース(FPG)となるように滴定した。プライマリーエンドポイントはベースラインから6ヶ月目までHbA1cの変化であり、階層分析にお
ける第1の主なセカンダリー有効性エンドポイントは、9週目から6ヶ月目までで重度または確認(≦70mg/dL)夜間(2400〜0559時)低血糖事象を有した参加者のパーセンテージが≧1であった。
結果:811人の参加者を無作為化した[平均年齢58.2(SD9.2)歳、糖尿病継続期間12.6(7.0)年、BMI34.8(6.4)kg/m、基礎インスリン用量0.67(0.24)U/kg]。ベースラインHbA1cは、グループ間で同等であった;U300:8.26(0.86)%対U100:8.22(0.77)%。U300は、HbA1cにおける変化についてU100に対して非劣性であった[LS平均変化は6ヶ月目でそれぞれ−0.57(SE:0.09)%および−0.56(SE:0.09)%;差−0.01(95%CI:−0.14〜+0.12)%]]。FPG、8ポイント自己測定血漿グルコースプロフィール、および注射前血漿グルコースについて、関連性のある差は見られなかった。重症または確認夜間低血糖を有した参加者のパーセンテージは、9週目から6ヶ月目までで、U300がU100に対して顕著に低かった[21.6%対27.9%;相対リスク(RR)0.77(95%CI:0.61〜0.99);p=0.038]。6ヶ月治療期間にわたり、いずれかの夜間低血糖の発生率(≧1の事象を有した参加者の%)は、U300がU100に対して低く[30.5%対41.6%;RR0.73(95%CI:0.60〜0.89)]、1日のいずれかの時間(24時間)におけるいずれかの低血糖事象の発生率についても同様であった[U300 71.5%;U100 79.3%;RR0.90(95%CI:0.84〜0.97)]。1日のいずれかの時間での重度低血糖は、U300参加者で1.0%、U100参加者で1.5%報告された。重篤な有害事象の治療間の差は見出されなかった。
結論:OADを用いる基礎インスリンレジメンを用いたT2DM集団において、U300は十分に耐容性があり、血糖コントロールについてU100と同程度に有効であった。U300により、9週目から6ヶ月目までの重度または確認夜間低血糖はU100と比較して23%低下し、全6ヶ月試験期間にわたる1日の任意の時間(24時間)でのいずれかの夜間低血糖事象および低血糖の発生も低下した。
実施例6:新製剤のインスリングラルギンおよびランタスの有効性と安全性とを、両方とも経口抗高血糖薬を併用させて、2型糖尿病患者において比較する、6ヶ月の安全性拡張期間を備えた6ヶ月多施設無作為化オープンラベル並行群間試験−適合可能な投与間隔と固定された投与間隔とを比較する投与下位試験
1 シノプシス
開発フェーズ:フェーズ3主試験に対する下位試験
目的:
プライマリー目的:1日1回24時間ごとに注射されるHOE901−U300の有効性と、1日1回24±3時間の間隔で注射されるHOE901−U300の有効性とを、2型糖尿病患者において主試験の6ヶ月目(=下位試験のベースライン)から主試験の9ヶ月目(=下位試験のエンドポイント)までの間のHbA1cの変化の観点から、比較すること。
主なセカンダリー目的:HOE901−U300についての2つの注射レジメンの安全性を低血糖発生の観点から比較すること。
方法:
HOE901−U300に関して無作為化され、6ヶ月主試験期間においてHOE901−U300を受けていた患者を、HOE901−U300の1日1回24時間ごと(固定された投与間隔)または24±3時間ごと(適合可能な投与間隔)のいずれかの投与に1:1に無作為化した。
6ヶ月主試験期間を完了し、下位試験についての適格基準に合致するHOE901−U300患者を、下位試験適格とした。記述的なプライマリー分析に対しては特定の症例数を必要としなかった。
患者の数:計画:300以内(前治療アーム150)
無作為化:89
被治療:87
評価後:有効性:86 安全性:87
選択のための診断および基準:
選択基準:主試験における6ヶ月試験期間(訪問10回)、無作為化、および6ヶ月治療期間におけるHOE901−U300による治療(ベースライン−6ヶ月)を完了、下位試験について署名済みのインフォームド・コンセント書面を取得済み。
重要な除外基準:患者が24±3時間の適合可能な投与間隔を1週あたり少なくとも2日使用する意思がない;調査者の見解において適合可能な投与スケジュールを遵守することができない;試験へのさらなる参加を妨げる健康状態。
試験治療
治験医薬品:被験薬:HOE901−U300
製剤:HOE901−U300(インスリングラルギン300U/mL溶液)は、ペン注射器(充填済のディスポーザブル型ペン)内に構成されるガラスカートリッジに含有された無菌の非発熱性透明無色溶液であった。
投与経路:皮下注射
試験レジメン:
適合可能な投与間隔:HOE901−U300を24±3時間ごとに1日1回投与。
注射時間は、個体の必要性に応じて、主試験の開始時に固定した晩の1日注射時間から最大3時間早いまたは3時間遅い時間に適合させた。最大間隔、つまり固定した毎日の注射時間から3時間早いまたは遅い時間間隔は、患者の選択により1週のうち少なくとも2日で用いることとした。主試験の開始点で固定した注射時間は、変動に対する参照時間として維持することとした。
対照レジメン:
固定された投与間隔:HOE901−U300、24時間ごとに1日1回の注射。
患者は、主試験の開始点で固定した注射時間から24時間ごとに1日1回HOE901−U300の注射を継続した。
用量:
HOE901−U300の用量は、低血糖なしに空腹時血漿グルコース値が目標範囲80〜100mg/dL(4.4mmol/L〜5.6mmol/L)を達成するまたは維持するように、必要に応じて滴定することとした。インスリン用量の変化は、空腹時自己測定毛細血管血漿グルコース(SMPG)測定値に基づいた。
非治験医薬品:
両方の治療グループの患者は、下位試験への参加の間、患者の経口抗高血糖背景治療を継続することとした。用量は、これらの治療に関して安全上の問題がない限り、試験を通して一定とした。他の併用の抗糖尿病治療はこの試験中に使用しなかった。
短時間作用型のインスリン療法(例えば、急性疾病または手術による)の短期使用(つまり、最長で10日)は、救済治療とみなさなかった。救済医薬は、非治験医薬品とみなした。
治療継続期間:下位試験は、6ヶ月主試験期間の完了時を開始点、主試験の9ヶ月目の完了時をエンドポイントとする3ヶ月比較有効性および安全性治療期間で構成した。
完了後、適合可能な投与アームの患者は、主試験のエンドポイント(12ヶ月目)まで、このレジメンを継続する場合もあった。HOE901−U300を24時間ごとに注射する患者は、試験の終了までその患者の治療レジメンを継続した。
観察継続期間:有効性および安全性についての分析期間は、主試験の6ヶ月目に開始し、主試験の9ヶ月目に終了する3ヶ月の試験期間であった。提示のKRMで示されている結果はこの期間を指す。
評価基準:
プライマリー有効性エンドポイント:ベースライン(6ヶ月目)からエンドポイント(9ヶ月目)までのHbA1cの変化。
セカンダリー有効性エンドポイント:ベースライン(6ヶ月目)からエンドポイント(9ヶ月目)までのFPGの変化(中央検査室)、および基礎インスリン1日用量の変化。
安全性:低血糖(夜間を含む)、有害事象、特に治療下で発生する有害事象(TEAE)および重篤な有害事象(SAE)の発生、撤回に結びついたTEAE、注射部位反応、ならびに過敏反応。次の情報はKRMで示していない:生命徴候および過体重を含む他の安全性に関する情報。
統計的手法:
この3ヶ月の下位試験では、最終観察繰越法(LOCF)を使用して、ベースラインは主試験の6ヶ月目と定義し;エンドポイントは主試験の9ヶ月目と定義した。
プライマリー有効性エンドポイント(ベースライン[6ヶ月目]からエンドポイント[9ヶ月目]までのHbA1cの変化)は、固定効果として治療レジメンおよび国を用い、共変量としてHbA1cベースライン値を用いた共分散分析(ANCOVA)モデルを使用して分析した。HOE901−U300の適合可能な投与レジメンとHOE901−U300の固定投与レジメンとの間の差および両側95%信頼区間は、ANCOVAのフレームワーク内で推定した。
すべての連続的なセカンダリー有効性変数は、固定結果として治療レジメンおよび国を用い、共変量として対応するベースライン値を用いたANCOVAモデルを使用して分析した。
安全性分析は、安全性集団に基づいて記述した。
概要
集団特性:
2型糖尿病を有する合計89人の患者を下位試験について無作為化した:HOE901−U300の適合可能な投与間隔レジメンを受ける患者は45人、HOE901−U300の固定された投与間隔レジメンを受ける患者は44人であり、87人の患者をIMP(安全性集団)に当てた。mITT下位試験集団(有効性集団)は86人の患者を含んだ。
合計で、HOE901−U300の適合可能な投与間隔に無作為化された40人の患者(88.9%)と、HOE901−U300の固定された投与間隔に無作為化された38人の患者(86.4%)が、3ヶ月比較レジメン期間を完了した。HOE901−U300の適合可能な投与間隔へ無作為化された1人の患者(2.2%)、およびHOE901−U300の固定された投与間隔へ無作為化された2人の患者(4.5%)が、下位試験を途中で中止し、主試験の拡張期間も中止となった。
ベースライン(6ヶ月目)での人口統計および患者特性は、両方のレジメングループ間で良く均衡していた。下位試験集団の平均年齢は57.8歳であり;89人の患者のうちの16人(18.0%)は、≧65歳であった。適合可能な投与間隔レジメンの3人の患者および固定された投与間隔レジメンの2人の患者が、主試験期間において、救済治療として、インスリンまたはインスリン分泌促進物質の投薬を開始した。いずれのレジメングループの患者も、3ヶ月の比較レジメン期間において救済治療を開始しなかった。
投与間隔レジメンに対するコンプライアンス:
投与間隔レジメンへのコンプライアンスは、連続する2つの注射間の時間間隔、および1つの注射と主試験ベースラインで計画した参照注射時間との間の時間間隔を考慮して評価した。
下位試験中に、2つの連続する注射間で<21.5時間または>26.5時間の極端な間隔で行われた注射は、平均で、適合可能な投与間隔グループの患者あたりの注射の28.04%であり、固定された投与間隔グループでは2.41%であった。一方で、2つの連続する注射間で23〜25時間の間隔で行われた注射は、固定された投与間隔グループでは患者あたりの注射の88.77%であり、適合可能な投与間隔グループでは患者あたりの注射の53.09%であった。
実際の注射と参照注射時間との注射間隔の評価では、23〜25時間間隔で行われた患者あたりの注射のパーセンテージは、固定された投与間隔グループ(平均65.07%)の方が、適合可能な投与間隔グループ(56.38%)よりも高かった。適合可能な投与間隔グループにおいて、患者あたり21.69%の注射が21.5〜23時間の間隔または25〜26.5時間の間隔で行われた(固定された投与間隔グループでは25.51%であった)。これらのデータは、注射の大半が、治験実施計画書ごとに晩に固定された参照注入時間に対して最大3時間前または後に行われたことを示唆していた。
7.5ヶ月目および9ヶ月目の訪問前の週の間に記録された注射回数に基づくと、適合可能な投与グループの合計47.5%の患者において、先行の注射から21.5〜26.5時間の間隔以外の注射間隔は4回またはそれ以上あり、したがって適合可能な投与間隔にしたがっていると考えられ、一方、固定された投与間隔レジメンの患者では2.6%であった。固定された投与間隔グループでは、患者の61.5%で、連続する注射間隔のすべてが23〜25時間以内にあり、したがって固定された投与間隔にしたがっていると考えることができた。
有効性:
プライマリー有効性エンドポイント(9ヶ月目):ベースライン(6ヶ月目)からエンドポイント(9ヶ月目)までのHbA1cにおけるLS平均変化は、適合可能な投与間隔グループ(−0.12%[95%CI:−0.422〜0.183])と固定された投与間隔グループ(−0.25%[95%CI:−0.574〜0.072])とで類似しており、LS平均差は0.13%[95%CI:−0.152〜0.415]であった。
セカンダリー有効性エンドポイント(9ヶ月目):ベースライン(6ヶ月目)からエンドポイント(9ヶ月目)までのFPGにおけるLS平均変化は、適合可能な投与間隔グループ(−0.46mmol/L[95%CI:−1.521〜0.609])と固定された投与間隔グループ(−0.25mmol/L[95%CI:−1.378〜0.881])とで類似しており、LS平均差は−0.21[95%CI:−1.200〜0.784].であった。
両方の投与間隔レジメンにおいて、平均1日基礎インスリン用量は3ヶ月比較レジメン期間中、安定していた。
安全性:
3ヶ月比較下位試験期間において、低血糖事象は、適合可能な投与間隔レジメンの患者の16/44人(36.4%)および固定された投与間隔レジメンの患者の18/43人(41.9%)で報告された。各カテゴリーの低血糖事象は、両レジメンで同等数の患者で報告された。
重度低血糖または重度夜間低血糖の事象は、いずれのレジメンでも発生しなかった。
いずれかのTEAEを有する患者(適合可能な投与間隔9/44[20.5%];固定された投与間隔11/43[25.6%])または重篤なTEAEを有する患者(適合可能な投与間隔2/44[4.5%];固定された投与間隔0/43)のパーセンテージは、レジメン間で同等であった。
治療中止に結びついたか、死亡に結びついたか、または注入部位反応もしくは過敏反応に関連するTEAEは、3ヶ月下位試験期間におけるいずれの投与間隔レジメンでも観察されなかった。
結論:
注射間隔の継続期間および規則的な24時間の期間より短いまたは長い注射間隔を有する患者%の評価は、両方の投与間隔レジメングループの大半が、無作為化され、適合可能な投与間隔(HOE901−U300を1日1回24±3時間ごとで1週間のうち少なくとも2日)または固定された投与間隔(HOE901−U300を1日1回24時間ごと)のいずれかを使用した注射スケジュールにしたがっていることを示唆した。これにより、有効性と安全性の分析について、2つの投与間隔レジメンの比較が可能になった。
ベースライン(6ヶ月目)からエンドポイント(9ヶ月目)までのHbA1cおよびFPG変化の観点からの有効性分析から、2つの投与間隔レジメンについて同等の結果が示された。
3ヶ月の下位試験期間における低血糖の全体的な発生率(少なくとも1回の事象を有する患者の%)は、低血糖のカテゴリーにかかわらず両レジメンで同等であった。
適合可能な投与間隔または固定された投与間隔のいずれで与えられたHOE901−U300も3ヶ月比較下位試験期間の間、十分に耐容性があった;特別な安全性の問題は観察されなかった。
まとめると、下位試験の結果は、HOE901−U300の1日1回の注射について参照時間より最大3時間早いまたは遅い投与間隔に時々適合させることは、1日1回の24時間間隔ごとの注射と比較して、主な有効性(HbA1c)および安全性のエンドポイント、特に低血糖事象に対して影響を与えないことを示唆していた。
2 結果
2.1 試験患者
2.1.1 試験内訳
Figure 0006457484
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2.1.2 人口統計およびベースライン特性
Figure 0006457484
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2.1.3 投与間隔レジメンへのコンプライアンス
Figure 0006457484
Figure 0006457484
Figure 0006457484
2.2 有効性評価
2.2.1 プライマリー有効性エンドポイント
Figure 0006457484
図14に、3ヶ月比較レジメン期間における訪問ごとの平均HbA1c(%)−mITT下位試験集団を示した。
2.2.2 セカンダリーエンドポイント
2.2.2.1 空腹時血漿グルコース
Figure 0006457484
2.2.2.2 基礎インスリン用量
図15に、3ヶ月比較レジメン期間における訪問ごとの平均1日基礎(グラルギン)インスリン用量(U)−mITT下位試験集団を示した。
2.3 安全性評価
2.3.1 曝露の程度
Figure 0006457484
2.3.2 低血糖
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2.3.3 治療下で発現した有害事象
Figure 0006457484
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2.3.4 治療下で発現した重篤な有害事象
Figure 0006457484
2.3.5 治療下で発現した撤回に結びついた有害事象
Figure 0006457484
2.3.6 治療下で発現した他の顕著な有害事象
2.3.6.1 注射部位反応
Figure 0006457484
2.3.6.2 過敏反応
Figure 0006457484

Claims (11)

  1. 1型または2型糖尿病の治療における使用のための水性医薬製剤であって、1日1回患者に投与され、前の投与からの時間間隔は、1週当たり少なくとも2日に、24.5h〜28hの範囲または20h〜23.5hの範囲であり、前の投与からの平均時間間隔は、約24hであり、前記製剤は、インスリングラルギン300U/mL[ヒトインスリン300IUと等モル]を含む前記製剤。
  2. 1週当たり少なくとも3日に、請求項1で特定されている時間間隔を用いて投与される、請求項1に記載の水性医薬製剤。
  3. 1週当たり少なくとも4日に、請求項1で特定されている時間間隔を用いて投与される、請求項1に記載の水性医薬製剤。
  4. 前の投与からの時間間隔は、25h〜28hの範囲または20h〜23hの範囲である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性医薬製剤。
  5. 前の投与からの時間間隔は、25h〜27hの範囲または21h〜23hの範囲である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性医薬製剤。
  6. 前の投与からの時間間隔は、25h〜26.5hの範囲または21.5h〜23hの範囲である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の水性医薬製剤。
  7. 前記製剤は、さらにリキシセナチドをインスリングラルギン1U当たり0.1μg〜10μg含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の水性医薬製剤。
  8. 亜鉛90μg/mL、m−クレゾール2.7mg/mLおよび85%グリセリン20mg/mLを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の水性医薬製剤。
  9. pHは、3.4から4.6の間である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の水性医薬製剤。
  10. pHは4.5である、請求項9に記載の水性医薬製剤。
  11. pHは4である、請求項9に記載の水医薬製剤。
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