JP2007504167A - 抗組織因子抗体を用いる移植片の生存を向上する方法 - Google Patents

抗組織因子抗体を用いる移植片の生存を向上する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、哺乳動物において移植片生存を向上するために組織因子抗体をブロックする機能を用いる方法を目的とする。活性化組織因子(TF)および不活性TF:FVIIまたは活性化TF:FVIIa複合体のいずれかのそのLogan FVIIをブロックまたはTF:FVIIa:FX三元複合体の形成をブロックする効果を有する機能ブロック性抗体が、本方法に有用である。それらの性質は、組織−血漿相互作用を含む血栓事象への作用を指向するがしかし凝固のための本来の経路を妨げない治療を提供する。活性化TFは、移植の間またはその後に細胞、組織、および器官において生成し、そして移植片損失の主要な原因である。

Description

本発明は、細胞、組織または器官移植片を受け入れる患者内の移植片の生存を向上するために組織因子(TF)アンタゴニストを使用する方法に関する。一つの局面では、本発明は、膵島の調製物内の移植片の生存を向上するためのTFアンタゴニストの使用、または患者内の膵島の移植に先立つ使用に関する。本発明は、さらに具体的には、膵島調製物の表面上でTFの発現に関連する血栓事象を阻害するために有効な量で、少なくとも1種のTFタンパク質またはそのフラグメントに特異性の特定の部分またはその変種を含む、TFに対して向けられるTFアンタゴニスト、例えば抗体の使用のための方法に関する。
従来技術
組織因子(TF)
血液の凝固は、フィブリン形成に導く反応のカスケード系列を含む。該凝固カスケードは、二種の重複した経路からなり。その両者は止血のために必要である。本来的な経路は、循環血液中に存在するタンパク質因子を含んでなり、一方、非本来的経路は組織因子(TF)を必要とし、それは血管損傷に反応する各種組織の細胞表面上に発現される(非特許文献1)。血液に暴露されると、TFは活性化段階の迅速なカスケードを作動させ、それは不溶性フィブリンクロットの形成をもたらす。
TFは、凝結防止治療の標的として研究されている。TF(トロンボプラスチン、CD142、および凝固第III因子としても知られている)は、一本鎖で263個のアミノ酸の膜糖タンパク質であり、それは第VII因子および第VIIa因子の受容体として機能しそれにより血管損傷に反応して凝結カスケードの非本来的な経路を開始させる。TFは、非血管細胞タイプで細胞表面上に通常は存在する内在性膜タンパク質である。TFは、正常な血管内面をライニングする健康な内皮細胞によっては産生されないがしかしTFは常に血管の外膜内に存在する。
TFは、細胞表面上にタンパク質分解的に活性なTF:VIIa複合体を形成する第VIIa因子の共同因子、および下流に細胞内変化を誘導するVIIa受容体の双方として作用する(非特許文献2)。血液凝固開始による止血の維持におけるその役割の外に、TFは病的状態にも関係する。具体的には、TFの合成および細胞表面発現は、血管疾患(非特許文献3)およびグラム陰性菌敗血症ショック(非特許文献4)に関係する。さらに、急性炎症性反応および血栓状態の進行、例えば敗血症を含む多数の病理学的状態において、血管内皮上のTF発現増加は炎症媒介体、例えばTNFおよび/またはIL−1の放出からもたらされる。
TFと炎症との別の関係は、血糖制御剤およびインスリンの系統からも認められる。特許文献1は、血栓性および凝固障害性疾患、呼吸器および炎症性疾患の処置におけるTFアンタゴニストおよび血糖低下剤の使用を開示している。
TFアンタゴニスト
さまざまなTF抗体が公知である。例えば、非特許文献5は、固定第VII因子上のアフィニティークロマトグラフィーにより精製されたヒトTFを用いてマウスの免疫化して産生されたハイブリドーマから調製されたモノクローナル抗体を開示している。非特許文献6は、ヒトTFに対するネズミモノクローナル抗体の抗凝固能力の特性を研究している。評価された体部分のモノクローナル抗体の抗凝固能力によるTF機能の阻害は、TFが血漿と接触すると迅速に形成されるTF/VIIa複合体の形成のブロックまたは解離の発生に依存した。従って、第VII/VIIa因子が活性のままであるので、かかる抗体は、血漿内のTFの比較的遅い阻害剤であった。モノクローナル抗体の一つであるTF8−5G9は、複合体を解離することなく、FX結合部位をブロックしてTF/VIIa複合体を阻害でき、従って、血漿内で即時抗凝固効果を提供するが、それはF.VIIがまだ利用可能なので絶対的ではない。この抗体は、特許文献2、3および4に開示されている。非特許文献6は、TF/VIIa複合体を不活性化する機構が、その形成を妨げるのではなく、むしろ、生体内での凝血の中断のための戦略を提供するらしいことを示唆している。TFへ結合する第VII因子結合を阻害する他の抗体とは対照的に、TF8−5G9は、受容体へ結合する第VII因子または第VIIa因子への敏感で直接的な効果を示すのみである。TF8−5G9は、FX結合にも関与するTFの細胞外ドメインの一定の残基に、ナノモル結合定数をもって結合する。従って、TF8−5G9は、凝固カスケード内のその後の重要な段階、すなわちTF:FVII:FX三元開始複合体形成を効果的にブロックできる(非特許文献7)。
抗TFモノクローナル抗体は、種々の種におけるTF活性を阻害することが示され(非特許文献8)そして中和性抗TF抗体は敗血症のヒヒモデルにおける死亡を防止すことが示され(非特許文献9)、そして弱毒エンドトキシンはラビット中にDICを誘導した(非特許文献10)。
特許文献5は、TF8−5G9抗体から誘導されたCDR−グラフト抗TF抗体を開示している。特許文献5中に開示されたCDRグラフト化によりヒト化されたTF8−5G9抗体は、その後出願人によりCNTO859と命名された。他のヒト化またはヒト抗TF抗体は、非特許文献11、特許文献6、7、8、9。10に公開されている。
移植におけるTFの役割
凝血におけるTFの中心的な役割にもかかわらず、生体内でのTF凝固促進活性の制御の基となる機構は、受容体シグナリングに関連する非凝固活性であるとして、まだ研究中である(非特許文献12および非特許文献13)。
カルチャー内の攪乱されない細胞は、弱い凝固活性を有するが、しかし例えば上昇した細胞内カルシウムイオン(Ca++)に導く成長因子またはエンドトキシンを用いて崩壊または刺激された細胞または組織は、完全に発現されそして活性なTFを示す。細胞内および外膜葉状器官の間のリン脂質種、特にホスファチジルセリンの攪乱は、TF活性化を定義するTF上の巨大分子基質結合部位のこの翻訳(de−encryption)の潜在的な引き金として暗示された(非特許文献14)。
多数の報告が移植失敗の病原論における活性TFの役割を暗示している。特許文献11は、骨髄幹細胞(BMSC)移植は、注入された細胞上のTFの発現のために、血液凝固および出血を起こすことを認めておりそしてBMSC移植、BMSCを用いる遺伝子治療、およびその他の形式の細胞移植を用いる注入におけるTFまたはFVIIの生物学的活性を低下するいくつかの方法を示唆している。それらの方法には、TFアンタゴニストを用いる調製物または患者の処置が含まれる。
静脈閉塞疾患(VOD)は、最も一般的な幹細胞移植(SCT)を伴う治療方式関連の毒性である。多系統臓器不全(MOF)を合併する重症のVODは、ほとんど常に生命に係わる。血管内皮上の特異性アプタマー結合部位を有する一本鎖ポリデオキシリボヌクレオチドであるデフィブロタイド(Defibrotide)は、VODの処置において見込みを示す。他の作用の中でも、デフィブロタイドは微小血管内皮細胞による組織因子発現を調節する(非特許文献15)。
すべての形式の器官移植を受ける患者内の移植片拒絶を防止するために使用される一般的薬剤であるサイクロスポリンは、単球およびマクロファージ内の組織因子発現を阻害することが示されている(非特許文献16)。
島細胞移植は、膵臓の重症例および糖尿病の処置に使用されるようになっている。膵臓全体ではなく膵島の移植は、該疾患の経過の初期での移植の技術的な容易さおよび可能性のために魅力的である。膵島は、いくらか組織化された構造を有する数種の細胞タイプから成り、単細胞より大きく完全な臓器より小さい。しかし、同様の自家由来または同種の膵島組織の移植は、患者への移植物質の導入(門脈経由)の際に血栓事象が起きるためにしばしば失敗する。組織因子はそれらの調製物内の細胞上で発現され、そして抗組織因子抗体は、血漿内に導入されるとそれら調製物の凝固時間を減少できることが認められている(非特許文献17)。
心臓同種移植血管障害(CAV)は、心臓移植患者の死亡の20%の原因であり、かれらは3〜5年間以上生存しそしてフィブリンの初期沈着を伴う。CAVにおけるTFの役割を決定するために計画された研究は、内腔(luminal)表面上の増加したTFステイニング(staining)が移植心臓から採取した生検試料内の小さい心筋内動脈の中間層を越えることを証明し、そしてTFスコアはCAVの大きく増加した範囲と関連した。この研究は、心臓移植患者におけるCAVの防止または軽減のための可能な処置として抗TF抗体を含むTFアンタゴニストを示唆するが使用はしない(非特許文献18)。
国際特許出願公開(WO)第04/041302号明細書 米国特許出願番号第5,110,730号明細書 米国特許出願番号第6,001,978号明細書 米国特許出願番号第5,223,427号明細書 国際特許出願公開(WO)第96/40921号明細書 欧州特許出願公開(EP)第1069185号明細書 米国特許出願番号第6,555,319号明細書 国際特許出願公開(WO)第01/70984号明細書 国際特許出願公開(WO)第03/029295号明細書 国際特許出願公開(WO)第04/039842号明細書 米国特許出願番号第6,387,366号明細書 Davie et al.,1991,Biochemistry 30:10363 Bazan,JF,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1990)87:6934−8,Konigsberg et al.Thromb Haemost.(2001)86:757−71により総説されている。 Wilcox et al.1989,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86:2839 Warr et al.,1990,Blood 75:1481 Carson et al.Blood 70:490−493(1987) Ruf et al.,1991,Thrombosis and Haemostasis 66:529 Huang et al.J.Mol.Biol.275:873−894 1998 Morrissey et al,Thromb.Res.52:247−260 1988 Taylor et al,Circ.Shock,33:127(1991) Warr et al,Blood 75:1481(1990) Presta et al,Thromb Haemost 85:379−389(2001) Morrissey,J.H.THromb Haemost 2001;86:66−74 Key,N.S.,Bach,R.R.,THromb Haemost 2001;85:375−6 Bach,R.R.Moldow,C.F.Blood 1997;89(9):3270−76 Falanga A.et al.,Blood 1999;94:146 Hoelshermann,H.et al.,Blood 1996;10:3837−3845 Moberg et al.Lancet 2002,360:2039−2045 Yen,M.MH.et al.,Circulation 2002,106:1379−1383
従って、血栓の危険を低下または排除する移植周辺処置への明確な医学的要求がある。長期間残留する移植に見られる作用の処置または軽減への要求もあるが、増加したTF活性化による危険がある。該治療は、有効であり、移植片−血液界面での血栓生成を防止し、そして安全であり、出血事象の最低リスクを有していなければならない。
本発明は、移植された器官、細胞、または組織を受け入れた患者内の向上した移植片生存および機能のため、ヒト組織因子のアンタゴニスト、例えば抗TF抗体を使用する方法
に関する。一つの態様では、組織因子アンタゴニストは、島細胞移植における移植片生存および機能の向上のために本発明に従って使用される。アンタゴニストを使用する方法は、ドナー器官の処置;患者との接触前の調製された移植細胞、組織、または全器官;または移植物質と接触する前の抗体を用いる患者の処置を含む。
好ましい態様では、本発明は、器官または組織移植、特には島細胞移植における移植片生存および機能の向上のために、組織因子への抗体、特にはFVIIaによるFXのFXaへのタンパク質分解性分裂を防止できる機能ブロック抗体であるものの使用に関する。かかる抗体は、それらが血液凝固の非本来的経路の下流事象を妨げ、一方本来の因子経路の正常な機能は妨げない限り、高度に有用な機能ブロック性抗体であって、この使用に対して特に適する。これにより、本抗体は、ヒト患者を処置する場合に、出血併発症からの向上した安全手段を与える。従って、本態様では、本発明は、移植細胞、特には、島細胞、器官または組織を受け入れる患者における移植片生存および機能の向上の方法を提供し、それは(a)ドナー細胞、器官、もしくは組織の移植の前に、組織因子への抗体を用いてかかる細胞、器官もしくは組織を処置し、および/または(b)かかる細胞、器官もしくは組織の移植の前に、移植片生存および機能の向上のために有効な量の組織因子への抗体を用いて患者を処置することを含んでなる。場合により、処置方法は、移植後の抗TF抗体を用いる患者の連続した処置を含んでなってもよい。
本発明は、さらに移植された細胞、組織、器官、指または四肢の受け入れと関連して免疫抑制剤の誘導的または継続的投与を用いて処置された患者内の移植片拒絶を妨げるための方法をさらに開示する。本方法は、移植片拒絶を防止するために、機能ブロック性抗組織因子抗体の使用と、患者に投与される免疫抑制剤、最も好ましくは非ステロイド性免疫抑制剤との使用とを組み合わせる。
発明の詳細な記述
移植された細胞、組織の表面上または移植された器官の血管内でのTFの活性化から起きる合併症を含む多数の病状は、本発明の方法におけるTFアンタゴニストを用いる処置により改善される。ヒト患者に対して調製された生体物質の細胞成分内のTFの活性化に導く事象は大部分不可避であるけれども、凝固を誘導するTFの細胞成分をブロックすることは本発明の抗体を用いて可能である。従って、TFの活性化に導く事象、例えば機械的外傷、血管および使用した移植片上の非本来的な表面への暴露およびCa2+を含む細胞内容物の解放は、移植において回避できないけれども、もたらされる凝固は本発明の方法によりブロックできる。さらに、ストレス経路の活性化(例えば酸化窒素の放出および炎症性サイトカインの分泌を起こす)は、ドナー/カルチャーからの器官/細胞採取の間またはレシピエント内への移植/輸液の直後のいずれかで、TF発現の即時上昇調節(up−regulation)を誘導できる。増加したTF発現の作用は、本発明により対応できる。
移植される細胞、組織および器官
本方法は、各種の生体物質の移植に適用できる。それらの生体物質には、細胞、例えば種々の系統の幹細胞、組織、例えば膵島調製物、または器官、例えば心臓または腎臓が含まれる。一般に、移植された物質が循環系と直接接触する自家由来または同種移植片のいずれのタイプでも、本発明の方法に適合できる。
器官;皮膚、腎臓、肝臓、心臓、膵臓、骨髄、小腸および肺は、脳死ドナーから採取しそして移植のための調製できる。ある場合には、部分肝切除組織は、生体ドナーからレシピエントへ移植できる。指および四肢は、自家移植または再取付される。最近の医学の歴史では、前腕全体を移植して成功している。同種移植または異種移植器官または四肢の技術的実行可能性は克服されているが、拒絶の危険はこれらの方法の成功における主要な考慮事項である。新しい免疫抑制剤および方式が認められているので、移植はさらに拡大を続けるであろう。望ましくない凝固を回避するための患者および移植片の適切な準備は、
虚血性合併症に対するさらなる保証を提供する。
上記のように、本方法は膵島細胞移植に特に適用できる。島細胞の同種移植のために、島は脳死した多臓器ドナーから採取した膵臓組織から調製できる。その場で洗浄された器官の膵管にカニューレを挿入しそしてリベラーゼ(liberase)酵素(Boeringer Mannhaim,Indianapolis,IN)を灌流する。酵素的に消化された膵臓をさらに必要に応じて機械的に分解しそして冷凍したCobe−2991遠心分離機(Cobe BCT,Lakewood,CO)で島を分離する。プールした島は、患者に注入するまで冷凍保存するかまたはカルチャー内に保持される。
最近の記載では、カルチャー内の幹細胞の誘導および分化によりインスリン反応性組織または「擬」島様凝集体を調製するために幹細胞が使用できる(U.Florida WO 0326584)。あるいは、適当な幹細胞を患者内に直接注入できる。
TFアンタゴニスト
本明細書中で使用する場合に、「TFアンタゴニスト」の用語は、TFもしくはF.VIIaの活性または活性TF:VIIa複合体を阻害または中和する物質を指す。かかるアンタゴニストは、さまざまな方法でその効果を達成する。ある種のTFアンタゴニストは、TFタンパク質に十分な親和性および特異性で結合しそしてTFの機能を中和する。この種の分子には、抗体および抗体フラグメントが含まれる(例えばF(ab)またはF(ab’)分子)。従って、本明細書中で使用する場合に、「抗体」は、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的活性部分を指す。TFアンタゴニストの別の種類は、TFタンパク質のフラグメント、ムテインまたは小型有機分子、すなわちペプチド擬似体であり、それらはTFに結合しそれによりTFの活性を阻害する。TFアンタゴニストは、TF:FVIIa:FX三元複合体の形成が妨げられるようにTF凝血促進活性を阻害する物質である限り、それらの種類のいずれであってもよい。TFアンタゴニストには、ある種のTF抗体、変性TF、アンチセンスTFおよびTFの部分ペプチド、およびF.VIIa阻害剤が含まれる。
抗TF抗体
機能遮断抗体の基準に合致する、当該技術分野で公知の抗TF抗体のみを本発明の方法に使用してもよい。それに含まれるのは、米国特許第6,001,978号明細書、米国特許第5,223,427号明細書および米国特許第5,110,730号明細書中のTFへのネズミモノクローナル抗体である。国際特許出願公開(WO)第96/40921号明細書は、TF8−5G9抗体から誘導されたCDRグラフト化抗TF抗体を開示しており、そのなかでは、マウス抗体TF8−5G9の可変領域からの相補性決定領域(CDR)をヒト抗体の可変領域内に移植しそしてヒト化抗体の不変領域に結合させる。その中に記載の抗体は、この出願全体でCNTO859として呼ばれている。同様の特性を有する他のヒト化抗TF抗体は、Presta et al.,Thromb.Haemost 85:379−389(2001)および欧州特許(EP)第1069185号明細書および米国特許第6,555,319号明細書に開示されている。
組成物およびそれらの使用
機能ブロック性抗TFモノクローナル抗体は、本発明に従って、移植された物質とまたは移植された物質に対する宿主反応に伴うTFの抗凝固作用を妨げるために使用できる。処置される個体は、いかなる動物であってもよくそして好ましくはかかる処置を必要とするヒト患者である。投与されるモノクローナル抗体の量は、使用される移植片の形式および投与方法に依存して変化する。
本発明の発明のTF抗体は、宿主内の移植片の向上した生存をもたらすいかなる多数の方法により投与されてもよい。さらに、本発明の抗TF抗体は、効果を与えるために局所的に存在する必要はなく、したがってそれらはTFを含む身体部分または体液への近接が達成されるいずれの場所にでも投与してよい。原物質、原ドナー、または投与される調製
物質は、抗体を含む処方物の直接適用により処置してもよい。代わりの方法として、移植片の患者またはレシピエントは、移植実施の前、その間または後に本発明による抗体を投与されてもよい。後者の方法は、液体組成物の静脈内投与、液体または固体状処方物の経皮投与、経口、局所、間質内、または手術中投与を含む。
好ましい態様では、抗TF抗体は、膵島移植を受ける患者の前処置により全身的に投与され、そして場合により移植後種々の間隔での処置と組み合わせてもよい。この方法において、抗体は、好ましくは肝臓内島注入前1時間以内、好ましくは10〜20分以内に投与され、場合により移植拒絶を防ぐために移植後14日間までまたはそれ以後も連続処置と組み合わせる。投与は、経口、または膵島細胞移植の場合には移植された細胞、組織または器官、例えば門脈での沈着のために意図する部位に血液供給する静脈または動脈内への局所注入であってもよい。しかし、一般に、モノクローナル抗体は静脈内に効果的に投与される。一般に、投与範囲は、約0.05mg/kg〜約12.0mg/kgである。これは一回にまたはマイクプロセッサー制御およびプログラムできるポンプ装置により制御されてもよい緩徐または連続注入としてでもよい。
ドナー物質(細胞、器官または組織)の体外処置のために、本方法は移植前におけるドナー物質を用いるアンタゴニストまたは抗体のインキュベーションを含んでなる。抗TF抗体の場合に、ドナー物質は抗TF抗体と一緒に、約0.1〜100μg/ml、好ましくは約10〜50μg/mlの濃度で約0.5〜72時間の期間インキュベーションされる。
別法として、好ましくは該モノクローナル抗体のフラグメントをコードするDNAをハイブリドーマ細胞から単離しそして哺乳動物に投与してもよい。DNAは、患者の細胞内のCNTO859の発現および抗体の送達をもたらす裸の形または組換えベクター、例えばワクシニアウイルス内に挿入して投与してもよい。
本発明の方法に用いられるモノクローナル抗体は、製薬学的組成物を処方する確立されたいずれかの方法、例えばRemington’s Pharmaceutical Science,1985中に記載の方法により処方してもよい。投与を容易にするために、モノクローナル抗体は典型的には製薬学的に許容できる担体と組み合わされる。かかる担体には水、生理食塩水、または油類が含まれる。
非経口投与に適する処方物は、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤および意図するレシピエントの血液と等張性の処方物を与える溶質を含んでもよい水性および非水性滅菌注射液;懸濁剤および増粘剤を含んでもよい水性または非水性滅菌懸濁液を含む。いずれの慣用の媒体も活性成分およびその意図する使用法と不適合でない限り、いずれの組成物でのその使用も予想される。
処方物は、単回投与または多数回投与容器、例えばシールしたアンプルまたはバイアル中で提供されてもよく、そして、使用の直前に注入のための滅菌液体担体、例えば水の添加のみを必要とする冷凍乾燥(lyophilize)した条件で保管してもよい。
TFアンタゴニストとの組み合わせ
本方法は、本発明のTFアンタゴニストと移植片の移植片の生存を向上または免疫拒絶を低下する効果を有する1種またはそれ以上の他の薬剤と組み合わせて実施してもよい。
移植手順の前または後に患者に与えられる最も一般的に使用される薬剤は、異物と認識されるかもしれない移植された細胞または組織に対する抗原への免疫反応をしかける身体の能力を抑制するように作用する。糖質副腎皮質ステロイド、例えばプレドニゾロンまたはコルチゾンは、免疫抑制のための前および後−移植方法の成分であることが著しく多い
。糖質コルチコイドは、種々の刺激に対する身体の免疫反応を調節することができるが、深刻で多様な代謝効果を起こす欠点も有する。特に、それらはインスリンアンタゴニストとして作用して血糖を上昇させる。
真菌誘導産物のシクロスポリンは、移植前後および移植管理に広範に使用される薬剤でもある。SANDIMMUNE(Novartis)、NEORAL(Novartise)およびGENGRAF(Abbott)の名称で販売されているシクロスポリンは、免疫系に多様な作用を及ぼしそして動物内で同種移植の生存を延長する強力な免疫抑制剤である。シクロスポリンはある種の体液免疫、および広い範囲で、細胞媒介免疫反応、例えば同種移植拒絶、長期の過敏症、実験的アレルギー性脳脊髄炎、フロイントアジュバント関節炎、および各種器官で多数の動物種における移植対宿主疾患を抑制することが証明されている。シクロスポリンは、免疫適格リンパ球の細胞サイクルを特異的および可逆的に停止する。T−リンパ細胞が優先的に阻害される。Tヘルパー細胞が主要な標的であり、一方T調節細胞も抑制されるであろう。シクロスポリンは、リンホカイン産生も阻害しそしてインターロイキン−2を含み放出する。
急性移植拒絶を防ぐ他の方法には、T細胞表面のCD3を認識する抗体の投与が含まれる。Ortho Biotech,Raritan,NJにより製造されるかかる製品の一つは、ORTHOCLONE OKT3(muromomab−CD3)である。
抗炎症性または抗細胞毒性性治療と移植周辺装着物(peri−transplant
setting)中の抗組織因子剤とを組み合わせると、糖尿病を有する患者における高いTFの上記の関連性のために、特に有効と期待される。かかる薬剤には、糖質コルチコイドまたはCOX−2阻害剤が含まれるが、副腎皮質ステロイドの高血糖作用は、糖尿病患者の処置に考慮しなければならないと警告されている。
島細胞移植のために、糖質コルチコイドを除外した非血糖上昇法が効果があると証明されている。本明細書中で「エドモントン・プロトコール」と呼ばれるこの方法(Shapiro,A.M.et al.N.Engl.J.Med.2000;343:230−238,2000)は、シロリムス(sirolimus,RAPAMUNE,Wyeth−Ayest)、タクロリムス(tacrolimus,FK506,PROGRAF,Fujisawa)、および抗−IL2R Mabデクリズマブ(declizumab,ZENAPAX,Roche)を含む。これらの薬剤は、T−リンパ球増殖および活性を種々の機構で抑制する。タクロリムスはT−リンパ球活性化を阻害する。シロリムスは他の免疫抑制剤のものとは異なる機構により抗原性およびサイトカインIL−2、IL−4およびIL−15刺激に反応して起きるT−リンパ球活性化および増殖を阻害する。シロリムスは抗体産生も阻害する。細胞内で、シロリムスはイムノフィリン、FK結合タンパク質−12(FKBP−12)に結合して免疫抑制性複合体を生成する。シロリムス:FKBP−12複合体は、カルシニューリン活性には効果がない。この複合体は鍵となる調節キナーゼに結合してその活性化を阻害する。この阻害は、サイトカイン駆動T細胞増殖を抑制し、細胞サイクルのGからS相への進行を阻害する。ダクリズマブは、活性ではあるが休息はしていないT細胞のT細胞IL−2受容体をブロックすることにより抗原性チャレンジへのT細胞反応も防ぐ。
上述のように、島移植のためのエドモントン・プロトコールは、シロリムス、タクロリムス、およびダクリズマブを含むさらに特異的T細胞指向薬剤のための免疫抑制剤としてステロイドを避ける利点が証明されている。
略字
FVII−第VII因子(プロ酵素)
FVIIa−第VIIa因子(活性)
FX−第X因子(プロ酵素)
FXa−第Xa因子(活性)
hIg−ヒトIg
本発明を一般的な用語で記載したが、本発明の態様は下記の実施例中にさらに開示される。
単離された島上の組織因子の存在、しかし正常膵臓組織には存在しない
正常なヒト膵臓を訓練された病理学専門家により取得して冷凍切開した。切片は、ネズミ抗ヒト組織因子抗体、C632で、そしてインスリンに対して陽性対照としてAb−6(NeoMarkers,Inc.)、および陰性対照として抗ヒトIgG(Jackson Labs)でステイン(stain)した。結合は、キット(DAKO Biotin−Link,Streptaviden−HRP)を用いて検出した。切片をヘマトキシリン(H)を用いて対比染色した。
H染色切片内で、島は100X倍率で明瞭に同定された(図1、左パネル)。インスリンステイニングは陽性であり一方抗TFでの非ステイニングが観察された。対照的に、TFステイニングは同一切片内の膵管の上皮細胞内に存在した。
単離された島を調製するために、ドナー器官を採取しそしてリコルディ(Ricordi C.,et al.Diabetes 1988 37:413−420.1988)の半自動化方法を介して島を得た。要約すると、プロテアーゼ灌流を用いて島を開放しそしてFicoll勾配遠心分離を用いて精製した。島は培地内に維持できた。本実施例中のヒト島調製物は、試験の時点で70%の生存細胞を含んでいた。
ヒト島を20ug/mlCNTO859と共に1時間、室温でインキュベーションし、1回洗浄し、そしてFITC共役抗ヒトIgG(Jackson Labs)と共にインキュベーションし、2回洗浄しそしてCytoSpin装置を用いて顕微鏡スライド上にマウントした。位相差対物レンズを有するNikon蛍光顕微鏡を用いて試料を観察した。CNTO859でステイニングした島は表面全体で均一に蛍光があった(図1、中央パネル)。抗−hIgGでステイニングしたものは、薄くステイニングされていた(図1、右パネル)。
実験に使用するためのヒト膵島入手が困難なために、カニクイザル(Cynomologus monkey)の島を用いる実験を行った。CNTO859は、既にcyno−TFを結合できることが示されていた。カニクザル島を20ug/mlCNTO859と共に1時間、室温でインキュベーションし、HBSS中で1回洗浄し、そしてヒト島と同様にしてステイニングした。TFは400X倍率で島の表面に検出された。
島上のCNTO859の抗凝固効果
ドナー器官を採取し、そしてリコルディ半自動化方法(Ricordi C.,et al.Diabetes 1988 37:413−420.1988)を介して島を得た。要約すると、冷溶液を用いるin situ血管フラッシングの後、ヒト死体の膵臓を脳死した多臓器ドナーから採取し、リベラーゼ(liberase,Boeringer Mannheim,Indianapolis,IN)で膵管を通す灌流により島を解放しそしてFicoll勾配遠心分離を用いて精製した。移植まで数時間、島は培地内に保持できた。ヒトおよびカニクイザルの島の双方を採取しそして商業用キャリヤにより実験室から実験室に移送した。
血漿凝固アッセイ ヒト島は、96ウエルプレートの30,000細胞/ウエルから系統的に希釈した。CaCl(11mM)をクエン酸添加血漿に加えそして血漿60ulを試料ウエルに加えた。凝固を1.5時間、37℃で405nmにおいて記録式ELISAリーダーで測定した。この波長では試料の濁度が凝固の尺度である。凝固時間(極大OD変化までの時間)は細胞数に依存した。ウエル当たりの細胞数が多いほぼ急速であり、より少ない細胞数でも細胞がないウエルと比較して遅くなった。極大ODの半分までの時間をOD対時間の曲線から次のように算出した:細胞15,000個に対して152秒、細胞1900個に対して380秒、細胞200個に対して662秒、そして細胞がないと718秒(図2A)。
ヒト島(HBSS200ul中7500、Ca2+およびMg2+なし)を10ug/mlCNTO859と共に1時間、室温で96ウエルプレート中で予備インキュベーションした。クエン酸添加血漿を加え(上記と同様)そして凝固反応を測定した。1/2極大までの時間は下記のように算出された:抗体がない場合215秒、そしてCNTO859を加えた場合765秒(図2B)。
カニクイザル島は、調製時に95%が生存していた。
本実施例は、島を血漿内に導入した場合に、凝固時間を延長する抗組織因子IgG抗体の能力を実証した。
カルチャー内の島調製物からTFの解放
カニクイザル島培養体(輸送NIYORU0.2μm濾過、1200rpmで5分間遠心分離、または14,000rpmで10分間遠心分離のいずれかであった。試料は、緩衝液またはCNTO859(50ug/ml)と一緒に1時間インキュベーションし次いで血漿凝固アッセイで試験した。濾過した媒体だけが凝固を促進しなかった。低下した凝血時間(低下した凝固時間)が、低速または高速で遠心分離した島培地の存在で見られたが、それはCNTO859の添加で逆転した(図3Aおよび3B)。濾過した媒体は血漿凝固時間を促進せずそしてCNTO859はそれに影響しなかった。
TF市販ELISAキット(Immubind Tissue Factor,American Diagnostica)を用いて、検出可能な可溶性TFは観察されなかった。
それらの結果は、TFが、培地内に維持された島から微粒子内に解放されることを示す。TFの活性化因子であるPSに富む排出(shed)膜アポプトーシス微粒子が、ヒトアテローム性動脈硬化症プラークから相当量産生されそしてプラークの血栓生成性を決定するらしい(Mallet et al.Circulation(1999)99:348−353)。凝固促進性能力を有する細胞誘導微粒子が、プラーク破壊および血栓症の最近の臨床徴候を有する患者の循環血液内に後日検出された。それらの微粒子は、それらの患者の進行中の血栓促進状態と関係する(Mallet et al.Circulation(2000)101:841)。しかし、微粒子を含むTFが膵島から誘導されたことはその後報告されていない。
血漿凝固に対するCNTO859処置島により延長された保護
血栓症を予防する際に、CNTO859(50ug/ml、1時間、および洗浄)の有効性の定量的尺度が、処理されたカニクイザル島またはヒトJ82細胞を用いて行われた。島または細胞を50ug/mlCNTO859と共に1時間インキュベーション、洗浄、新しい媒体と共に種々の時間、37℃でのインキュベーション、そして血漿凝固アッセイで試験した。それぞれの試料を2回試験した。4日目に、血漿凝固延長に関してCNTO859の方が有効と見られた(表1)。
島(約1250)を125−I CNTO859(5uCi/ug、50ug/ml)と共にNHP島媒体中、2時間、室温でインキュベーションし、次いでHBSSを用いて3回洗浄した。洗浄は、島を1000rpmで2分間マイクロ遠心分離(microfuge)、次いで上清を吸引して行った。島を500ul NHP島媒体中に再懸濁し、そして種々の時点で50ulの上清試料をガンマカウンターで計数するために二回採取した。4日目に、島をペレット化し、上清を除去し、そしてマイクロ遠心分離機の底を切り、そして島結合cpmを計数した。4日目のペレットcpmと上清cpmとの和が反応混合物内の全cpmに等しい。計算のために、上清cpm/全cpm x 100%=島からの結合125−I CNTO859の損失%とした。
Figure 2007504167
一回処置および洗浄したこの島がゆっくりと抗体を解放することを示すために125−I CNTO859を使用した。インキュベーション条件が機能アッセイのものと同様であったので、このデータは、処理された島が新しい血漿内に導入された場合に、24時間以上にわたってCNTO859が血漿凝固の島開始を機能的に阻害できることを示す。4日目に、CNTO859処理島は、血漿凝固のさらに良好な阻害を示した。CNTO859は、島が(下降制御性シグナリングタンパク質、炎症性分子などにより)血栓生成性が低下するように島を「鎮静化」した。4日目における島の生存率は、平行して行った試験で70%を越えると推定された。効果の時間経過はJ82細胞でも同様であった。
CNTO859を用いる生体内島移植プロトコール
カニクイザル追加質量(marginal mass)モデルにおける同種原性島移植生着(grafting)および長期生存に対するヒト化抗組織因子の効果を試験するために研究を設計した。本試験の目標は、エドモントン・プロトコールに基づいて移植された少数の島を用いてインスリン非依存性をもたらすプロトコールを定義しそしてCNTO859を用いて前処理した被検体を用いる移植片生存の向上および出血事象の欠如を証明することであった。
効力は、処置対非処置サルにおいて、低下した凝固パラメーターならびに炎症マーカー、例えばサイトカイン産生の低下により計測される。
下記の試験がクエン酸添加抗凝固血液から採取した血漿について行われる。
プロトロンビン時間(循環CNTO859の効果を実証)
APTT(ヘパリン抗凝固性を試験するため)
トロンビン−アンチトロンビン(TAT)複合体ELISA
フィブリンD−ダイマーELISA
プロトロンビンフラグメント1+2(F1.2)ELISA
IL−6 ELISA
IL−10 ELISA
CRP ELISA
これらのアッセイからの試料を、糖尿病誘導前、SFIS(ステロイド不使用免疫抑制)治療前および抗TF/移植前(肝臓内島注入の10〜20分前に抗体を一回投与で与える)を用いる処置前そして処置後1時間、4時間、8〜12時間、24時間、48時間、および7および14日目に採取する。
サルは、1カ月間隔離、次いで糖尿病を誘発および確認するために一ヵ月、そして移植後の追跡調査6カ月を受ける。
カニクイザルにおける糖尿病誘発および管理:レシピエントはモーリタニア原産の1〜3歳カニクイザルであり、同一系統のドナーは4歳未満である。糖尿病誘発の前に、基線データを得るためにすべてのレシピエントはIVGTTを受ける。糖尿病は、ストレプトゾトシン1250mg/mを用いて誘発させた。糖尿病の動物を朝食前にNPHインスリンを用いそして昼食前にNPH/Lantusを用いて処置して血糖レベルを100〜200mg/dlの間に維持する。糖尿病誘発の後4週間目に、c−ペプチドが産生されていないことを確認するためにサルはグルカゴンチャレンジを受ける。
実験群:試験の一つの分岐として、3対のレシピエントサルをすべてSFISで処置した。対のそれぞれのレシピエントは、同じ単一ドナーから島質量の半分を受ける。各対内の1匹の動物はin vivoでTF抗体を用いて処置されそしてTF抗体前処理培養した島を注入される。他のレシピエントはSFIS(ステロイド不使用免疫抑制)のみで処置されそしてTF抗体を用いるか用いないで培養された島を受ける。島単離および移植:ドナー器官を採取しそして島はリコルディの半自動化法(Ricordi C.et al.Diabetes 1988 37:413−420,1988)を介して入手される。次いでレシピエントサルはミニ開腹手術を受けそして島移植は門脈を介して肝臓内へ注入して行われる。
一対のサルは、同じドナーから約5,000IEQ/kgを受け;一匹のサルはCNTO859を用いる実験的介入を受け、そして他は受けない。抗体処置サルに対して、抗体は島注入の10〜20分前に6mg/kgで注入される。双方のサルに対して、移植の前日から始めてステロイド不使用免疫抑制(低投与量のFK506、高投与量のラパマイシン、抗IL−2R誘導治療)で拒絶を妨げ、これは臨床的に利用されそしてカニクイザルにおいてあらかじめ効力が証明されている方法である。
空腹時および食後血糖レベルを確認するために動物は一日に2回試験され(ヒールティック(heel stick)、血糖計測器(glucometer))そして必要な場合には血糖値を100〜200mg/dlの範囲内に保つためにインスリンで処置される。要求されたインスリン投与量を記録する。空腹時c−ペプチドは、2週間毎に測定しそして静脈内糖耐性試験(IVGTT)を8週間毎に行ってFPIRを決定する。
移植生着(grafting)の効力:α−TF実験介入およびステロイド不使用免疫抑制(SFIS)で処置されたサルにおける向上した移植生着対SFISのみを受けたサルにおける移植生着は下記により確認できる:
1)連続した最低インスリン投与の存在下での正常血糖の維持および場合により、追加質量を用いるインスリン非依存性の達成;
2)追跡調査数カ月間のc−ペプチド産生の維持、および
3)追跡調査数カ月間の静脈内糖耐性試験への向上したc−ペプチド反応。
データは、ラパマイシンの治療レベルの維持の範囲内(本モデルにおいて15〜20ng/mlトラフレベル)で考慮した。サルモデルにおける以前の経験に基づいて、サルは6カ月以上の追跡調査されたが、それは追加質量による島の損耗により起きる移植片の損失を観察するために数カ月を要することがあるからである(ここで使用したモデル)。これは血管再生のための必要性による可能性が最も高く、それは短期間での島品質の差異をマスクするであろう。
結果
3対のサルに移植した。一つの対に対して、適切なラパマイシンレベルにもかかわらず両方の動物が約3カ月で移植機能を損失し(データは記載しない)、それにより本実験において最初の島調製物が品質不良であることを示唆した。これは、対照と処置動物の双方の中への同一ドナーからの同時移植島の重要性も指摘し、それにより処置と非処置サルの間の相違が島品質の変動に起因する可能性を排除する。他の二組のサル対の結果は、情報に富んでいた。外部インスリン投与の低いレベルの存在下での上昇した血糖制御への傾向がin vivo抗TF処置サルについて観察されたが、島移植生着の向上に対するin
vivo抗TFの効力の最も明確な証明が、移植されたサル内の空腹時c−ペプチドを時間経過について比較して見ることができる(図5aおよび5b)。
図5Aに示すように、対照サル(127X)と、抗TF内で培養された島を受けたin
vivo抗TF処置サル(32X)の双方が、空腹時c−ペプチドレベルで決定されたように、移植後の最初の3カ月内に島機能を経験した。双方共に、適切なラパマイシンレベルを有していた。双方の動物が同一の島調製物からの島を受けていた事実にもかわらず、対照サルは手術後(POD)約100日で機能を失い(c−ペプチドが0.1mg/ml未満に低下)、一方、処置動物はPOD130日を越えても優れた島機能(c−ペプチド産生)を維持したことが見られた。図5Bにおいて、32XがPOD57でIVGTTに反応して良好なc−ペプチド産生を有しそしてPOD113日で産生が増加することを知ることができる。著しく対照的に、サル127XはIVGTTに対して異常なc−ペプチド反応性を有し、そしてPOD113まで陰性である。
図5Cに示すように、対照サルはin vivoで抗TFで処置されなかったがしかし抗TFで処置された島を受けたサルの対(202X)について、一方、実験用サルはin
vivo抗TFおよびin vitro抗TF処置島の双方を受けた(30X)についても同様の結果が得られた。双方の猿が移植後の最初の4カ月間は良好な空腹時c−ペプチド産生を証明したが、しかし、サル202Xは移植後6カ月から漸次機能を失い、一方in vivo処置サル30Xは移植後7カ月以後でも優れた機能を維持した。図5Dに示すように、サル202Xは、IVGTTに反応して初期にc−ペプチドを産生したがPOD168には陰性であり、一方、サル30Xは良好なc−ペプチドの産生を続けた(POD168における見掛けの低いc−ペプチドレベルは、その日の開始レベルが低くそしてグルコース開始値により影響され得るので重要とは考えない)。
使用したCNTO859の投与により与えられる凝固時間の延長は、二段階PTアッセイを用いて実証された;TF(カニクイザル脳TF)をCaCl添加の前に血漿試料と一緒にインキュベーションして凝固反応を開始させた。全身CNTO859投与を受けたサルの一匹におけるプロトロンビン時間(PT)の差を図4に示した。それらのデータは、PT延長におけるCNTO859の単回投与の効果の長続きも実証する。
このデータは、in vivo抗TF処置レシピエントにおける島生存および機能の著しい差異を示す。それはまた、同一ドナーからの島を受けたサルの対を用いることの極度の重要性も実証する。in vitro抗TF単独は移植生着にいくらかの改善をさせることも可能であろう(5Aおよび5Cにおける動物対の機能の長さを比較すること)、しかし、5Cにけるサルの島品質が5Aレシピエントのものよりも優れていたこともあり得る。
24〜48時間の期間に、カルチャー内、ex vivoでCNTO859を用いて前処置された島は、生存またはグルコース反応機能に損失を示さず、これは抗体暴露からの有害な毒性がなかったことを示す。処置したサルからの血漿試料を用いて見られた凝固の延長は、抗体の循環レベルが、不利な事象と関連することなく、TF発現細胞の凝固を阻害するために十分なように生体内で達成できるという原理の証明と考えられる。移植相直後の間の初期島損失は、凝固に加えて、炎症、アポプトーシス、および補体媒介細胞毒性性を含む多重合併症を包含するであろう。従って、単一介入戦略ではなく薬剤を組み合わせることは、改善された移植結果のために必要であろう。
ヒト管状膵臓細胞
ヒト島調製物内では、導管上皮細胞が、カニクイザルの膵臓から同様の方法で調製した島内よりも、より大きい割合で存在する。実施例1で発見されたように、ヒト膵管細胞は組織の破壊の前にin situでTFに対して陽性にステイン(stain)する。他の器官の導管上皮は、同様にTFを示すと推測される。従って、我々は、ヒト導管細胞内のTFの発現を滴定しようとした。
確立されたヒト膵管細胞系統(Capan−1、ATCC)をこのアッセイに使用した。ヒト膀胱癌細胞株、J82(ATCC)を陽性対照として使用した。後者の細胞系統は、細胞あたりに約500,000のCNTO859結合部位を示すと算出された。
血漿凝固アッセイは、本質的に実施例2に記載のようにして実行した。細胞をアッセイの日にカルチャーからわずかにトリプシン化、洗浄そして計数しその後、HBSS中、10細胞/mlに最終細胞懸濁液を調整した。アッセイは、ウエルあたりに10細胞を用いて平底96ウエルプレート内で行った。抗体(CNTO859)または対照希釈剤を25ul/ウエルの体積に5x濃度で加えそして30分間、室温で細胞に予備結合させた。それぞれのウエルにCaCl(150mMストック溶液25ul)をクエン酸添加、プールしたヒト血漿100ulと一緒に加えて反応を開始させた。凝固は、60〜120分間、405nmで15秒間隔の読み取りを用いて動的プレートリーダー内、室温で計測した。T1/2極大凝固時間の最終読みをそれぞれの試料について得た。アッセイの対照には、Simplastin(液体トロンボプラスチン)および細胞を含まないHBSS緩衝液を含ませた。アッセイは、8個の重複で行い、<10%のCVを得た。
結果は、半極大ODに到達する時間を秒により表した(表2)。1ug/mlの低いCNTO859でも、管状膵臓細胞により開始されたヒト血漿の凝集時間を延長した。
Figure 2007504167
幹細胞組織起源上のTF密度の研究
間葉性幹細胞(MSC)をCambrex BioScience Walkersville,Inc(www.cambrex.com)から購入した全骨髄から単離した。細胞は、正常ヒトドナー(年齢約20歳)の腸骨稜から採取した10ml吸引物から得た。一核性細胞を勾配遠心分離により単離した。5%ウシ胎児血清および100U/mlペニシリンおよび1000U/mlストレプトマイシンを含むDMEM低グルコース媒体中に15cmカルチャー皿上の10,000細胞/cmの一定密度ですべての細胞をプレーティングした。7日後、非接着細胞を廃棄した。コロニー形成単位をクローニングリングにより単離しそしてさらなる拡大のために低密度でプレーティングした。
臍および胎盤起源:正常な子供誕生の後の分娩後組織をNational Disease Research Interchange,Philadelphia,PAから入手した。臍または胎盤組織をリン酸緩衝生理食塩水中で良く洗浄して血液を除いた。組織を外科用メスを用いて細断しそしてコラゲナーゼ(Clostridium histolyticum;Sigma,St.Louis,MO)、ディスパーゼ(bacillus polymyxa;Invitrogen Grand Island,NY)およびヒアルロニダーゼ(ウシ精巣;Sigma)を用いて消化した。組織から解離した細胞を遠心分離しそして低グルコースダルベッコ変性イーグル培地(Invitrogen)、15%v/vウシ胎児血清(Hyclone,Logan,UT)、0.001%v/vベータメルカプトエタノール(Sigma)、50単位/mlペニシリンおよび50μg/ml硫酸ストレプトマイシン(Invitrogen)からなる増殖媒体中で十分に洗浄した。2%w/vブタゼラチン溶液(Sigma)で事前に被覆したフラスコ上で5,000細胞/cmで、生存可能な凝集細胞を培養媒体中に接種した。細胞が集密に達すると、0.05%w/vトリプシン−EDTA(Invitrogen)を用いて3〜4日毎に継代した。ほぼ2集団で倍増が継代ごとに達成された。
96ウエルレート内の細胞の等しい数を血漿凝固アッセイで比較した。細胞はHBSS緩衝液およびCaCl中で15mMに調整して再懸濁した。クエン酸添加した正常なプールした血漿(100ul)を添加して凝固反応を開始させた。凝固は405nm、室温で1時間に15秒間の読み取りで動的プレート読み取り機内で測定した。試料を3系列で試験した。極大凝固の半分までの時間(T1/2)をそれぞれの試料について得た。
細胞上のTF密度の最初の評価のために、試料は約2500細胞/ウエルを含んでいた。一般に、すべての細胞希釈からの結果を検査すると、J82(腫瘍)細胞と比較して胎盤細胞を用いると約2倍の凝固遅延があった。結果を検討するための他の方法:高度に血栓性(J82)の腫瘍細胞と同じ凝固ポテンシャルを有するためには、約50倍以上の胎盤細胞を取る。一般に、すべての異なる細胞希釈度において、臍細胞およびJ82細胞において同様の凝固速度であった。
種々の系統の細胞の存在下で開始される凝固時間を延長するCNTO859の能力も試験した。図6は、種々の濃度のCNTO859の存在および存在しない場合の臍細胞(UMB)、膀胱癌細胞(J82)、および間葉性幹細胞(MSC)に対する算出T1/2を示す。癌細胞は最高の凝固促進活性を有するが、UMB細胞も著しい能力を有し、それは間葉性幹細胞より高い。
図1は、CNTO859(左および中央パネル)または非特異性ヒトIgG(左パネル)でステインし次いでFITC標識ヤギ抗ヒト抗体により処置しそして蛍光光学系を用いて見た、単離されたヒト島調製物の写真を示す。 図2Aは、クエン酸添加血漿を島に加えた場合に、200μL体積中の島数と凝固時間との間の関係を示すグラフである。図2Bは、クエン酸添加血漿を加える前1時間において、200μL中の約7500の島に対する10Ug/ml CNTO859の添加により影響された凝固時間の相対的延長を示す。 図3は、3種の異なる方法で調製しそしてクエン酸添加血漿を加える前に50μg/μLのCNTO859を使用するかまたは使用しないでインキュベーションしたカニクイザル(Cynomogus)島培地の試料に対する光学密度の時間経過(秒で記録)3種を重複して図示したものである。図3Aは、1200rpmで5分間遠心分離した媒体である。図3Bは、14,000rpmで10分間遠心分離した媒体である。図3Cは、0.2μmの開口大きさのフィルターを用いて濾過した媒体である。 図4は、サルの代表的な一対において測定されたプロトロンビン時間(PT)を比較する棒グラフであり、ここで斜線の棒は全身処置されたサルを表す。 図5A−Dは、移植されたサルにおける空腹時c−ペプチドおよびラパマイシンレベルの時間経過を示すグラフである。 図6は、記載したCNTO859濃度、μg/ml、を使用または使用しない以外は同じアッセイ条件での種々の細胞系統に対し、極大凝固密度に達するまでの算出T1/2を示す棒グラフである。

Claims (20)

  1. 移植片を、組織因子と結合しそしてTF:FVIIa:FX三元複合体の形成を妨げる抗体と接触させることを含んでなる、該移植片を受け入れる患者内の該移植片の生存を向上させる方法。
  2. 抗体が組織因子への結合に関して抗体CNTO859と競合する、請求項1に記載の方法。
  3. 抗体がFab、Fab’、または(Fab’)2フラグメントまたはそれらの誘導体である、請求項1に記載の方法。
  4. 移植片が、器官、幹細胞、または組織調製物である、請求項1に記載の方法。
  5. 移植片が膵島細胞調製物である、請求項4に記載の方法。
  6. 抗体が器官、幹細胞または組織調製物の単離の間に存在する、請求項4に記載の方法。
  7. 該調製物の該患者への移植の前に、抗体が器官、幹細胞または組織調製物に加えられる、請求項4に記載の方法。
  8. 移植の前1時間以内に移植片の移植に先立って抗体を患者に投与する、請求項4に記載の方法。
  9. モノクローナル抗体が患者に静脈内投与される、請求項2に記載の方法。
  10. モノクローナル抗体が、0.05mg/kg〜12.0mg/kg(体重)の量で投与される、請求項9に記載の方法。
  11. モノクローナル抗体が、ボーラス容量での一回投与、次いで該抗体の輸液により投与される、請求項10に記載の方法。
  12. 抗体が免疫抑制剤と組み合わせて投与される、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 免疫抑制剤が、シクロスポリン、タクロリムス、シリリムス(sirilimus)、およびダクリズマブ(daclizumab)からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 免疫抑制剤が、T細胞上のCD3受容体をブロックする、請求項12に記載の方法。
  15. (1)患者を抗組織因子抗体を用いて前処置しそして(b)移植片拒絶を妨げるために14日まで、またはそれ以上の期間にわたって移植後処置を継続することを含んでなる、患者内の膵島細胞移植片の生存を向上する方法。
  16. (1)患者に抗組織因子抗体を用いて前処置しそして(b)移植片拒絶を妨げるために14日まで、またはそれ以上の期間にわたって移植後処置を継続することを含んでなる、患者内の幹細胞移植片の生存を向上する方法。
  17. 抗体が、抗炎症剤または抗細胞毒性剤と組み合わせて投与される、請求項1〜11のい
    ずれかに記載の方法。
  18. 抗炎症剤が糖質コルチコイドまたはCOX−2阻害剤である、請求項17に記載の方法。
  19. 移植片がヒト導管性膵細胞を含む、請求項4に記載の方法。
  20. 膵島調製物がヒト導管性膵細胞を含む、請求項5に記載の方法。
JP2006524940A 2003-08-29 2004-08-27 抗組織因子抗体を用いる移植片の生存を向上する方法 Pending JP2007504167A (ja)

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