(第1実施形態)
以下、遊技機の一実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明における「上下方向、左右方向、前後方向」は、いずれも遊技機を正面から視認した場合の方向を指す。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠Y1の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠Y2が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠Y2の前面側には前枠Y3が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠Y3は正面視ほぼ円形状の窓口Y4を有し、前枠Y3の裏側には機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口Y4を覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。これにより、遊技者は、前枠Y3を介して遊技盤YBの遊技領域YBaを、パチンコ遊技機10の正面から視認することができる。遊技領域YBaは、遊技球が流下可能な領域である。
パチンコ遊技機10の下方には、発射ハンドルHDが配設されている。遊技領域YBaに発射される遊技球は、発射ハンドルHDの回動操作量に応じて発射の強弱が設定される。
次に、遊技盤YBの構成を詳しく説明する。
図1及び図2に示すように、遊技盤YBの盤面には、外レール部材R1、内レール部材R2、及びコーナー飾り部材R5が配設されており、これらの各部材によって画成された内側領域に、正面視略円形状の遊技領域YBaが画成されている。また、外レール部材R1と内レール部材R2との間には、発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球が案内される打出し通路R3が画成されている。発射された遊技球は、打出し通路R3を案内されるとともに、内レール部材R2の先端に位置する逆戻り防止弁R4を通過することによって、遊技領域YBaに到達する。
遊技領域YBaには、各種の装飾を施したセンター役物Y5が装着されているとともに、センター役物Y5に開口されたセット口Y5aには例えば液晶式の画像表示部を有する演出表示装置13が装着されている。演出表示装置13の画像表示部には、各種画像が表示され、該画像を用いて様々な演出が行われる。
また、遊技領域YBaのうち、センター役物Y5と外レール部材R1の間に位置する遊技領域YBaは通路Tであって、通路Tの幅は、遊技球の直径よりもわずかに長く、左右方向に遊技球が通過可能である。また、内レール部材R2の先端に逆戻り防止弁R4が設けられていることで、打出し通路R3と通路Tは内レール部材R2によって直接繋がっていないが、通路Tは、打出し通路R3の延長線E1上に位置する。これにより、発射ハンドルHDの回動操作量が小さい場合、発射強度が減少するので、遊技球は通路Tに到達することなく、途中で落下し、遊技領域YBaの左方を流下し易い。一方、発射ハンドルHDの回動操作量が大きい場合、発射強度が増加するので、遊技球は通路Tに到達し、通路Tを通過して遊技領域YBaの右方を流下し易い。なお、遊技領域YBaの左方を流下する遊技球は、遊技釘K等の誘導部材の配置により、センター役物Y5の左方において、センター役物Y5と内レール部材R2の間を流下し、その後、左右方向において遊技領域YBaの左方から中央に向かうと共に、センター役物Y5(遊技領域YBa)の下方に流下するようになっている。一方、遊技領域YBaの右方を流下する遊技球は、遊技釘K等の誘導部材の配置により、センター役物Y5の右方において、センター役物Y5とコーナー飾り部材R5の間を流下し、その後、左右方向において遊技領域YBaの右方から中央に向かうと共に、センター役物Y5(遊技領域YBa)の下方に流下するようになっている。
また、図1及び図2に示すように、センター役物Y5の下方には、常時、遊技球が入球可能となるように開口された第1始動入球口14aを有する第1始動入球部14が配置されている。パチンコ遊技機10には、第1始動入球口14aへ遊技球が入球したことを検知可能な第1始動センサSE1が設けられている(図5に示す)。第1始動センサSE1が第1始動入球口14aへ入球した遊技球を検知することを契機に、第1特別図柄を変動させて行う第1特別図柄変動ゲームの始動条件を成立させることができる。
また、図8(a)に示すように、第1始動センサSE1が第1始動入球口14aへ入球した遊技球を検知することを契機に、予め定めた個数(実施形態では3球)の賞球としての遊技球の払出条件を成立させることができる。この第1始動入球口14aは、遊技領域YBaの左方を流下する遊技球が入球可能に配置されている。すなわち、発射ハンドルHDの回動操作量が小さい場合、第1始動入球口14aに遊技球を入球させることが可能となっている。
また、図2に示すように、センター役物Y5の右方には、遊技球が入球可能な第2始動入球口15aを有する第2始動入球部15が配置されている。パチンコ遊技機10には、第2始動入球口15aへ遊技球が入球したことを検知可能な第2始動センサSE2が配置されている(図5に示す)。第2始動センサSE2が第2始動入球口15aへ入球した遊技球を検知することを契機に、第2特別図柄を変動させて行う第2特別図柄変動ゲームの始動条件を成立させることができる。
また、図8(a)に示すように、第2始動センサSE2が第2始動入球口15aへ入球した遊技球を検知することを契機に、予め定めた個数(実施形態では3球)の賞球としての遊技球の払出条件を成立させることができる。また、第2始動入球部15は、アクチュエータAC1(図5に示す)の作動により開閉動作を行う開閉部材としての開閉羽根(普通電動役物)15bを有している。開閉羽根15bが開動作すると、第2始動入球口15aは遊技球が入球し易い開状態(第1状態)を取る。一方、開閉羽根15bが閉動作すると、第2始動入球口15aは遊技球が入球し難い閉状態(第2状態)を取る。実施形態では、開閉羽根15bが閉動作している場合、第2始動入球口15aに遊技球が入球不能である。以上により、本実施形態の第2始動入球口15aが、遊技球の入球を契機に遊技球の払出条件が成立し、特別図柄変動ゲームの始動条件が成立することができる特別始動入球口となる。また、開閉羽根15bが、第2始動入球口15aを開状態及び閉状態とする開閉部材となる。
第2始動入球口15aの下方には、常時、遊技球が入球可能となるように開口された普通入球口16aを有する普通入球部16が位置している。具体的には、第2始動入球口15aと普通入球口16aは、遊技球が流下する同一の流下経路上に位置しており、同一の流下経路において、第2始動入球口15aは、普通入球口16aよりも上流に位置する一方で、普通入球口16aは、第2始動入球口15aよりも下流に位置する。従って、同一の流下経路において、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球が、普通入球口16aに入球可能に構成されているといえる。
パチンコ遊技機10には、普通入球口16aへ遊技球が入球したことを検知可能な普通センサSE3が配置されている(図5に示す)。また、図8(a)に示すように、普通センサSE3が普通入球口16aへ入球した遊技球を検知することを契機に、予め定めた個数(実施形態では3球)の賞球としての遊技球の払出条件を成立させることができるが、各特別図柄変動ゲームの始動条件を成立させることはできない。また、普通入球口16aへの入球によって得られる賞球数は、第2始動入球口15aへの入球によって得られる賞球数と同数である。この普通入球口16aが、遊技球の入球を契機に遊技球の払出条件が成立する一般入球口となる。
この第2始動入球口15a及び普通入球口16aは、遊技領域YBaの右方を流下する遊技球が入球可能に配置されている。すなわち、発射ハンドルHDの回動操作量が大きい場合、第2始動入球口15a又は普通入球口16aに遊技球を入球させることが可能となっている。
図1に示すように、センター役物Y5の左下方には、第1特別図柄を表示可能な第1特別図柄表示装置11が位置している。また、第1特別図柄表示装置11の右方には、第2特別図柄を表示可能な第2特別図柄表示装置12が位置している。第1特別図柄表示装置11では、第1特別図柄変動ゲームが行われ、第2特別図柄表示装置12では、第2特別図柄変動ゲームが行われる。第1特別図柄変動ゲームと第2特別図柄変動ゲームは、同時に実行されないように構成されている。
本実施形態において第1特別図柄表示装置11と第2特別図柄表示装置12には、複数種類の特別図柄の中から、当り抽選の抽選結果に対応する1つの特別図柄が選択され、その選択された特別図柄が変動ゲームの終了によって停止表示される。特別図柄には、大当りを認識し得る大当り図柄と、はずれを認識し得るはずれ図柄とに分類される。大当り図柄が停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
第1特別図柄変動ゲームにおける当り抽選と第2特別図柄変動ゲームにおける当り抽選では、当り抽選に当選する確率が同一確率である。その一方で、第1特別図柄変動ゲームと第2特別図柄変動ゲームでは、当り抽選に当選した場合に決定される当りの種類や同一種類の当りの決定割合を異ならせている。これにより、第1特別図柄変動ゲームと第2特別図柄変動ゲームでは、当り抽選に当選した際の有利度(例えば、賞球の多少、後述する入球率向上状態の付与期間など)を異ならせている。
また、遊技盤YBには、画像を表示する演出表示装置13が配設されている。演出表示装置13では、第1特別図柄変動ゲーム及び第2特別図柄変動ゲームに関連する表示演出が行われる。表示演出として、具体的には、複数種類の飾り図柄を複数列で変動させる飾り図柄変動ゲームが行われる。
演出表示装置13には、各列毎に複数種類の飾り図柄が変動表示及び停止表示可能に構成されている。そして、演出表示装置13は、第1特別図柄表示装置11と第2特別図柄表示装置12に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾り図柄は特別図柄に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、演出表示装置13に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。演出表示装置13に停止表示された図柄組み合わせが所定の大当りの図柄組み合わせ(例えば、全列の図柄が同一種類)の場合には、その図柄組み合わせから大当り遊技が付与される大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが停止表示されると、遊技者には、特別図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示装置13に停止表示された図柄組み合わせが所定の大当りの図柄組み合わせでない場合(例えば、全列の図柄が同一種類でない場合)には、その図柄組み合わせからはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。
また、演出表示装置13には、第1特別図柄表示装置11又は第2特別図柄表示装置12の表示結果に応じた図柄組み合わせが停止表示される。より詳しくは、第1特別図柄表示装置11又は第2特別図柄表示装置12に停止表示される特別図柄と、演出表示装置13に停止表示される飾り図柄による図柄組み合わせが対応する。例えば、第1特別図柄表示装置11又は第2特別図柄表示装置12に大当り図柄が停止表示される場合には、演出表示装置13にも大当りの図柄組み合わせが停止表示される。また、第1特別図柄表示装置11又は第2特別図柄表示装置12にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出表示装置13にもはずれの図柄組み合わせが停止表示される。なお、特別図柄に対する飾り図柄の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾り図柄による図柄組み合わせの中から1つの飾り図柄による図柄組み合わせが選択される。
また、図1〜図3に示すように、センター役物Y5の右方であって、第2始動入球部15よりも下方には、遊技球が入球可能な第1大入賞口(入球口)18aを有する第1大入賞部18が配置されている。同様に、センター役物Y5の右方であって、第2始動入球口15aよりも下方には、遊技球が入球可能な第1大入賞口(入球口)18aが配置されている。第1大入賞部18は、アクチュエータAC2(図5に示す)の作動により開閉動作を行う第1大入賞扉18bを有している。第1大入賞扉18bが開動作すると、第1大入賞口18aは遊技球が入球可能な開状態を取る。一方、第1大入賞扉18bが閉動作すると、第1大入賞口18aは遊技球が入球不能な閉状態を取る。
また、図3に示すように、第1大入賞部18(第1大入賞口18a)の左方には飾り部材18cが位置する一方で、第1大入賞部18の右方には後述する第1誘導部材17aが位置している。そして、飾り部材18cと第1誘導部材17aには、飾り部材18c、第1大入賞部18(第1大入賞口18a及び第1大入賞扉18b)、及び第1誘導部材17aを前面から覆うように、矩形板状の飾り板18dが取り付けられている。飾り板18dと第1大入賞扉18bの間には、空間Sが形成されている。第1大入賞扉18bが開動作すると、空間Sの下方は第1大入賞扉18bによって覆われる。このため、遊技領域YBaを流下した遊技球は、第1大入賞扉18bによって受け止められ、第1大入賞口18aに誘導される。つまり、第1大入賞扉18bが開動作している状態では、遊技領域YBaを流下し、空間Sに到達した遊技球は、第1大入賞部18(第1大入賞口18a)よりも下方に流下しない。一方、第1大入賞扉18bが閉動作すると、空間Sの下方は開状態となる。このため、遊技領域YBaを流下し、空間Sに到達した遊技球は、空間Sを通過し、第1大入賞部18よりも下方に流下し得る。また、パチンコ遊技機10には、第1大入賞口18aへ遊技球が入球したことを検知可能なカウントセンサCS1(図5に示す)が備えられている。
図8(a)に示すように、カウントセンサCS1が第1大入賞口18aへ入球した遊技球を検知することを契機に、予め定めた個数(実施形態では15球)の賞球としての遊技球の払出条件を成立させることができる。第1大入賞扉18bは、第1特別図柄変動ゲームで当り抽選に当選した場合に開放される。
図2に示すように、第1大入賞部18(第1大入賞口18a)の下方には、遊技球が入球可能な第2大入賞口(入球口)19aを有する第2大入賞部19が位置している。同様に、第1大入賞口18aの下方には、遊技球が入球可能な第2大入賞口(入球口)19aが配置されている。第2大入賞部19は、アクチュエータAC3(図5に示す)の作動により開閉動作を行う第2大入賞扉19bを有している。第2大入賞扉19bが開動作すると、第2大入賞口19aは遊技球が入球可能な開状態を取る。一方、第2大入賞扉19bが閉動作すると、第2大入賞口19aは遊技球が入球不能な閉状態を取る。また、パチンコ遊技機10には、第2大入賞口19aへ遊技球が入球したことを検知可能なカウントセンサCS2(図5に示す)が備えられている。
また、図8(a)に示すように、カウントセンサCS2が第2大入賞口19aへ入球した遊技球を検知することを契機に、予め定めた個数(実施形態では15球)の賞球としての遊技球の払出条件を成立させることができる。第2大入賞扉19bは、第2特別図柄変動ゲームで当り抽選に当選した場合に開放される。
図8(a)に示すように、第1大入賞口18a及び第2大入賞口19aへの入球によって得られる賞球数は、第1始動入球部14の第1始動入球口14a、第2始動入球部15の第2始動入球口15a、及び普通入球部16の普通入球口16aへの入球によって得られる賞球数よりも多い。また、第1大入賞扉18bと第2大入賞扉19bは同時に開動作しない。よって、第2大入賞扉19bの開動作中、第1大入賞扉18bは閉動作しているため、遊技領域YBaを流下した遊技球は、空間Sを通過して第2大入賞口19aに到達し得る。
図2及び図3に示すように、第2始動入球部15と普通入球部16が位置する流下経路において、普通入球部16よりも上流であって、かつ第2始動入球部15よりも下流には、誘導部材としての第1誘導部材17a、及び誘導部材としての第2誘導部材17bが位置している。同様に、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bは、普通入球口16aよりも上流に位置し、第2始動入球口15aよりも下流に位置している。第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bは、樹脂製である。
以下、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bの構成について詳しく説明する。
図2及び図3に示すように、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bは、ブロック状であり、正面視台形状をなす。第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bでは、台形状の底面S0が遊技盤YBに取り付けられている。詳しくは、底面S0が面接触した状態で、その全面が遊技盤YBに固定されている。そして、底面S0の側周縁から第1側面S1、第2側面S2、第3側面S3、及び第4側面S4が立設されている。第1側面S1と第3側面S3は、互いに対向している。また、第1側面S1は、パチンコ遊技機10における上下方向と平行である一方、第3側面S3は、上下方向に対して斜面をなしている。なお、第1誘導部材17aにおいて、第1側面S1は、第3側面S3の右方に配置されており、第2誘導部材17bにおいて、第1側面S1は、第3側面S3の左方に配置されている。一方、第2側面S2と第4側面S4は、互いに対向している。第2側面S2は、パチンコ遊技機10における左右方向と平行である一方、第4側面S4は、水平方向に対して斜面をなしている。なお、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bにおいて、第2側面S2は、第4側面S4の下方に配置されている。
第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bは、第4側面S4が互いに内側を向き、かつ内側に向かって下り勾配をなして対向するように配設されている。つまり、第1誘導部材17aの第4側面S4は、右下方に沿って斜面が形成されており、第2誘導部材17bの第4側面S4は、左下方に沿って斜面が形成されている。この状態において、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bの第4側面S4の最下流端と連なる第1側面S1は、互いに内側を向いて対向している。また、互いに対向する第1側面S1は、上下方向に対して平行である。さらに、第1誘導部材17aの第2側面S2と第2誘導部材17bの第2側面S2は、同一水平面上に位置している。また、第1誘導部材17aにおいて、底面S0と対向する平面S5は、飾り板18dに取り付けられている。一方、第2誘導部材17bの第3側面S3は、コーナー飾り部材R5の側面R5a近傍に位置しており、第3側面S3と側面R5aの間は、遊技球の直径よりも短く、遊技球が通過不可能である。
また、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bにおいて、対向する第1側面S1の間に位置する空間は、普通入球口16aに遊技球を誘導する誘導部17cである。つまり、第4側面S4における下り勾配の最下流端に誘導部17cが連なっている。誘導部17cは、普通入球口16aの直上に位置している。誘導部17cの開口幅、すなわち第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bにおいて対向する第1側面S1の間の距離は、遊技球の直径よりもわずかに長く、下方向に遊技球が通過可能である。また、誘導部17cは、前枠Y3が閉鎖されたとき、遊技盤YBと窓口Y4を覆うガラスにより、囲まれることとなるが、遊技盤YBとガラス面との間は、遊技球の直径よりも大きく形成されている。その一方で、飾り板18d(第1誘導部材17aの平面S5)と、ガラス面との間は、遊技球の直径よりも短く形成されており、飾り板18dとガラス面との間を遊技球は通過できない。同様に、第2誘導部材17bにおいて、底面S0と対向する平面S5と、ガラス面との間は、遊技球の直径よりも短く形成されており、平面S5とガラス面との間を遊技球は通過できない。
対向する第1側面S1の上辺同士を結ぶ仮想線E2と同じ高さにある位置を誘導部17cの上端P1とする一方、対向する第1側面S1の下辺同士を結ぶ仮想線E3と同じ高さにある位置を誘導部17cの下端P2とする。誘導部17cの下端P2から普通入球口16aの上端16bまでの上下方向における距離Xは、遊技球の直径よりもわずかに長く、左右方向に遊技球が通過可能である。これにより、誘導部17cを通過した遊技球は、普通入球口16aに入球し得るが、入球しなかった場合には、距離Xだけ離れた空間を遊技盤YBの左方向又は右方向に転動して、普通入球部16の下方に流下する。
さらに、閉状態を取る(図3において二点鎖線で示す)開閉羽根15bの先端から、遊技球が通過可能な長さ分、左方に離間した位置には、円弧状の規制部材17dが、遊技盤YBの上下方向にわたって配設されている。詳しくは、規制部材17dの先端は、閉状態を取る開閉羽根15bの先端よりも上流に位置している。また、規制部材17dの下端は、第1誘導部材17aの第4側面S4の最上流端よりも上流に位置している。そして、規制部材17dと第1誘導部材17aの間には、遊技球の直径よりも短い間隔で複数の遊技釘Kが植設されている。遊技釘Kは金属製(例えば、ステンレスやアルミニウム)である。
図1の説明に戻り、センター役物Y5の左下方には、第1保留表示装置22、第2保留表示装置23、及び普通図柄表示装置24が位置している。第1保留表示装置22は、実行が保留されている第1特別図柄変動ゲームの数を表示する。具体的には、第1保留表示装置22は、第1始動入球口14aに入球することにより第1特別図柄変動ゲームの始動条件が成立した一方で、第1特別図柄変動ゲームの実行条件が未だ成立していないことから実行(開始)が保留されている第1特別図柄変動ゲームの数、所謂、始動保留の記憶数(以下、第1保留記憶数)を示す。
第2保留表示装置23は、実行が保留されている第2特別図柄変動ゲームの数を表示する。具体的には、第2保留表示装置23は、第2始動入球口15aに入球することにより第2特別図柄変動ゲームの始動条件が成立した一方で、第2特別図柄変動ゲームの実行条件が未だ成立していないことから実行(開始)が保留されている第2特別図柄変動ゲームの数、所謂、始動保留の記憶数(以下、第2保留記憶数)を示す。
また、普通図柄表示装置24では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄による普通図柄変動ゲームが行われる。遊技者は、普通図柄変動ゲームで最終的に表示された普通図柄(普通図柄変動ゲームで導出された表示結果)から普通当り又は普通はずれを認識できる。普通図柄表示装置24に停止表示された普通図柄が普通当り図柄の場合には、普通当りを認識できる。普通当り図柄が停止表示された場合、遊技者には、普通当り遊技が付与される。また、普通図柄表示装置24に停止表示された普通図柄が普通はずれ図柄である場合には、その普通図柄から普通はずれを認識できる。
図1及び図2に示すように、第2始動入球部15の上方には、作動ゲート25が位置している。作動ゲート25は、通過した遊技球を検知するゲートセンサSE4(図5に示す)を有している。ゲートセンサSE4が作動ゲート25を通過した遊技球を検知することにより、普通図柄変動ゲームの始動条件を成立させることができる。普通図柄変動ゲームは、第2始動入球口15aの開閉羽根15bを開状態とするか否か(第2始動入球口15aに遊技球を入球可能とするか)の抽選結果を導出するために行われる演出である。普通図柄変動ゲームの抽選結果が普通当りとなり、普図当り遊技が付与されると、開閉羽根15bが開放されて第2始動入球口15aが開状態となり、遊技球を入賞させることができる。即ち、普図当り遊技が付与されると、開閉羽根15bの開放によって第2始動入球口15aに遊技球を入球させやすくなり、遊技者は、第2特別図柄変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できるチャンスを得ることができる。以上により、作動ゲート25が、遊技球の入球を契機に普通図柄変動ゲームの始動条件が成立する普通始動入球口となる。
図1〜図3に示すように、センター役物Y5の周辺、第1始動入球口14aの上方、第2始動入球口15aの上方、第1大入賞口18aの上方、第2大入賞口19aの上方、及び作動ゲート25の上方には、遊技釘Kが植設されている。遊技釘Kに遊技球が当接すると、遊技球の流下方向が変化し得る。一方、通路T、通路I、普通入球口16aの周辺、及び誘導部17cと普通入球口16aの間には、遊技釘Kが植設されていない。通路Iは、通路Tを通過した遊技球が通過する通路であって、通路Iを通過した遊技球は、振分装置40の入球口41(後述)に到達するように構成されている。通路Iの形状は、樹脂などの部材により予め定められている。従って、通路T及び通路Iが、振分装置40の入球口41へ誘導する振分機構用誘導通路となる。通路T及び通路Iは、誘導面を有するとともに、調整困難な誘導部材を構成要素とする。
図1に示すように、センター役物Y5の左下方には、普通入球口26aを有する普通入球部26、普通入球口27aを有する普通入球部27、普通入球口28aを有する普通入球部28が位置している。パチンコ遊技機10には、普通入球口26a〜28aへ遊技球が入球したことを検知可能な普通センサ(図示せず)が備えられている。普通センサが普通入球口26a〜28aに入球した遊技球を検知することを契機に、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を成立させることができる。なお、普通入球口26a〜28aへの入球を契機に払い出される賞球は、普通入球口16aへの入球を契機に払い出される賞球数と同数であってもよいし、同数より少なくても、又は同数より多くてもよい。本実施形態では、図8(a)に示すように、10球払い出される。また、普通入球口26a〜28aの上方には、遊技釘Kが植設されている。
また、図1に示すように、遊技球の流下経路における最下流位置には、第1始動入球口14a、第2始動入球口15a、普通入球口16a、普通入球口26a〜28a、第1大入賞口18a、第2大入賞口19aに入球しなかった遊技球を機外へ排出する排出口としてアウト口29が位置している。また、第2始動入球口15a、普通入球口16aとアウト口29が位置する流下経路において、アウト口29よりも上流には、遊技球をアウト口29に誘導する誘導部材Aが位置している。
誘導部材Aは、ブロック状であり、正面視略直角三角形状をなす。誘導部材Aでは、直角三角形状の底面A0が遊技盤YBに取り付けられている。そして、底面A0の側周縁から第1側面A1、第2側面A2、及び第3側面A3が立設されている。第1側面A1は、パチンコ遊技機10における上下方向と平行である一方、第2側面A2は斜面をなしている。また、第3側面A3は、パチンコ遊技機10における左右方向と平行である。誘導部材Aの第2側面A2は、コーナー飾り部材R5の側面R5a近傍に位置しており、第2側面A2と側面R5aの間は、遊技球の直径よりも短く、遊技球が通過不可能である。これにより、第2始動入球口15a、普通入球口16a、第1大入賞口18a、又は第2大入賞口19aに入球しなかった遊技球が、第3側面A3を転動してアウト口29に到達し得る。
図2及び図6に示すように、センター役物Y5の右方には、常時、遊技球が入球可能な入球口41を有する振分装置40が位置している。入球口41には、センター役物Y5の上方に位置する通路T及び通路Tに連通する通路Iを通過した遊技球が入球する。また、振分装置40は、入球口41に入球した遊技球を下方に流下させる流下通路42を有している。入球口41は、対向する一対の振分片40aの先端に形成されている。対向する一対の振分片40aの間に位置する空間であって入球口41よりも下流が流下通路42である。流下通路42は、複数(実施形態では、第1通路42a、第2通路42b、第3通路42cの3つ)の通路に分岐している。
振分装置40において、振分片40aよりも下流であって、流下通路42の分岐部位には、複数(実施形態では2つ)の振分部材が配置されている。より詳しくは、入球口41の直下に第1振分部材50が配設され、その第1振分部材50よりもやや左下方に第2振分部材60が配設されている。さらに、流下通路42の分岐部位であって、第1振分部材50及び第2振分部材60よりも下方には、振分片43と振分片44が位置している。
振分片43は、矩形平板状をなしている。振分片43は、第2振分部材60の下方に位置しており、その平板面がパチンコ遊技機10における上下方向と平行となるように配設されている。一方、振分片44は、平面視逆V字状をなしており、第1振分部材50の下方に位置している。
第1振分部材50、第2振分部材、振分片43及び振分片44により、流下通路42は、第1通路42a、第2通路42b、及び第3通路42cに分岐されている。詳しくは、流下通路42は、振分片40a、第2振分部材60、及び振分片43によって第1通路42aに分岐される。また、流下通路42は、振分片40a、第1振分部材50、第2振分部材60、振分片43及び振分片44によって第2通路42bに分岐される。また、流下通路42は、振分片40a、第1振分部材50、及び振分片44によって第3通路42cに分岐される。また、振分装置40は、入球口41、振分片40a、第1振分部材50、第2振分部材60、振分片43及び振分片44を遊技盤YBの前面から覆う樹脂製の目隠し板40bを有している。この目隠し板40bは、透過性を有し、遊技者は、振分装置40に形成された第1通路42a、第2通路42b、第3通路42cを前面から視認することができる。
以下、第1振分部材50と第2振分部材60の構造について詳しく説明する。
図6に示すように、第1振分部材50は、振分装置40の前後方向に延在するように固定された回動軸45に回動自在に軸支されている。第1振分部材50は、半円板状の基板46と、該基板46の中心から前方へ突出するとともに径方向に延在する3つの球受片47,48,49を有する。そして、第1振分部材50には、球受片47,48によって遊技球を受け止め可能な球受部46aが画成されているとともに、基板46及び球受片48,49によって遊技球を受け止め可能な球受部46bが画成されている。また、第1振分部材50には、基板46及び球受片47,49によって遊技球を受け止め可能な球受部46cが画成されている。
同様に、第2振分部材60は、振分装置40の前後方向に延在するように固定された回動軸65に回動自在に軸支されている。第2振分部材60は、半円板状の基板66と、該基板66の中心から前方へ突出するとともに径方向に延在する3つの球受片67,68,69を有する。そして、第2振分部材60には、基板66及び球受片67,68によって遊技球を受け止め可能な球受部66aが画成されているとともに、球受片68,69によって遊技球を受け止め可能な球受部66bが画成されている。また、第2振分部材60には、基板66及び球受片67,69によって遊技球を受け止め可能な球受部66cが画成されている。
第2振分部材60の球受片68は、第1振分部材50の球受片47よりも長い。そして第1振分部材50の球受片47の回動範囲と、第2振分部材60の球受片68の回動範囲は重なっている。
第1振分部材50は、図4(a)に示す第1姿勢のときに入球口41に入球した遊技球を球受部46bで受け止めるとともに、当該遊技球の自重によって時計回り(図中、符号「Z1」の方向)に回動し、遊技球を下流に誘導する。また、第1振分部材50は、図4(a)に示す第1姿勢から遊技球を下流に誘導した後、図4(b)に示す第2姿勢を取り得るように姿勢が保持される。そして、第1振分部材50は、図4(b)に示す第2姿勢のときに入球口41に入球した遊技球を球受部46aで受け止めるとともに、当該遊技球の自重によって反時計回り(図中、符号「Z2」の方向)に回動し、遊技球を下流に誘導する。そして、第1振分部材50は、図4(b)に示す第2姿勢から遊技球を下流に誘導した後、図4(a)に示す第1姿勢を取り得るように姿勢が保持される。なお、第1振分部材50は、回動軸45を中心に所定角度の範囲で回動するように回動量が規制されている。
同様に、第2振分部材60は、図4(c)に示す第1姿勢のときに入球口41に入球した遊技球を球受部66bで受け止めるとともに、当該遊技球の自重によって時計回り(図中、符号「Z1」の方向)に回動し、遊技球を下流に誘導する。また、第2振分部材60は、図4(c)に示す第1姿勢から遊技球を下流に誘導した後、図4(d)に示す第2姿勢を取り得るように姿勢が保持される。そして、第2振分部材60は、図4(d)に示す第2姿勢のときに入球口41に入球した遊技球を球受部66aで受け止めるとともに、当該遊技球の自重によって反時計回り(図中、符号「Z2」の方向)に回動し、遊技球を下流に誘導する。そして、第2振分部材60は、図4(d)に示す第2姿勢から遊技球を下流に誘導した後、図4(c)に示す第1姿勢を取り得るように姿勢が保持される。なお、第2振分部材60は、回動軸65を中心に所定角度の範囲で回動するように回動量が規制されている。
そして、遊技球は、第1振分部材50及び第2振分部材60により、第1通路42a、第2通路42b、及び第3通路42cのうちいずれかに振り分けられる。
図2に示すように、第1通路42aの下流には、第1大入賞口18a及び第2大入賞口19aが位置しているとともに、遊技釘Kを植設してなる通路が、第1大入賞口18a及び第2大入賞口19aに向けて画成されている。この通路により、第1大入賞口18a及び第2大入賞口19aは、同一の流下経路上に位置する。以下、この通路を第1流下経路L1と示す。
また、第2通路42bの下流には、第1大入賞口18a、第2大入賞口19a、及び作動ゲート25が位置しているとともに、遊技釘Kを植設してなる通路が、第1大入賞口18a、第2大入賞口19a、及び作動ゲート25に向けて画成されている。この通路により、第1大入賞口18a、第2大入賞口19a、及び作動ゲート25は、同一の流下経路上に位置する。以下、この通路を第2流下経路L2と示す。実施形態では、第1流下経路L1及び第2流下経路L2が非特定ルートに相当する。また、第2流下経路L2が、作動ゲート25(普通始動入球口)が配置されているルートとなる。
また、第3通路42cの下流には、第2始動入球口15aが位置しているとともに、遊技釘Kを植設してなる通路が、第2始動入球口15aに向けて画成されている。以下、この通路を第3流下経路L3と示す。実施形態では、第3流下経路L3が特定ルートに相当する。また、第3流下経路L3が、第2始動入球口15a(特別始動入球口)が配置されているルートとなる。
前述したような配置により、第1流下経路L1は、大当り遊技中、第1大入賞口18a又は第2大入賞口19aに遊技球を導く通路となる。一方、第2流下経路L2は、大当り遊技中、第1大入賞口18a又は第2大入賞口19aに遊技球を導く通路となるとともに、例えば、後述する入球率向上状態中などに遊技領域YBaの右方に遊技球を発射した際(所謂、右打ち)、作動ゲート25に遊技球を導く通路となる。また、第3流下経路L3は、右打ちをした際、第2始動入球口15aに遊技球を導く通路となる。
ちなみに、第3流下経路L3は、遊技釘K、第1誘導部材17a、及び規制部材17dによって第1流下経路L1と画成されている。同様に、第3流下経路L3は、遊技釘K、第1誘導部材17a、及び規制部材17dによって第2流下経路L2と画成されている。これにより、第1流下経路L1又は第2流下経路L2を流下した遊技球が第3流下経路L3に流れ込むことがなく、同様に、第3流下経路L3を流下した遊技球が第1流下経路L1又は第2流下経路L2に流れ込むことはない。
その一方で、第2流下経路L2は、その上流部において、遊技釘Kによって第1流下経路L1と画成されているものの、下流側においては、第1流下経路L1と画成されていない(すなわち、合流している)。より詳しくは、第1流下経路L1において、作動ゲート25よりも上部には、第1流下経路L1を流下した遊技球と接触するような遊技釘Kが配置されていない(第1流下経路L1の左右方向の幅が狭まることがなく、且つ、作動ゲート25よりも上部において第1流下経路L1内に遊技釘Kが配置されていない)。このため、第1流下経路L1を流下する遊技球は、作動ゲート25よりも上部に配置された遊技釘Kと接触することがないため、流下方向が変化して、第2流下経路L2に流れ込むことはほぼありえない。すなわち、第1流下経路L1を流下した遊技球が第2流下経路L2に流れ込み、作動ゲート25を通過することはほぼないが、作動ゲート25よりも下流においては、合流するようになっている。
一方、第2流下経路L2において、作動ゲート25よりも上部には、第2流下経路L2を流下する遊技球と接触するような遊技釘Kが配置されている。すなわち、第2流下経路L2が曲がるように、遊技釘Kが配置されている。つまり、第2流下経路L2の上流部の左右方向の幅内に遊技釘Kが配置されており、遊技球が下方向に流下すると当該遊技釘Kと接触し、流下方向が変化する可能性があるようになっている。また、第2流下経路L2において、作動ゲート25の上部に配置されている各遊技釘K間の距離は、遊技球が通過可能な距離となっている(遊技球の直径よりも長くなっている)。このため、作動ゲート25の上部において、第2流下経路L2を流下した遊技球が遊技釘Kに衝突し、作動ゲート25を通過することなく、第1流下経路L1に流れ込むことはありうる。
パチンコ遊技機10は、入球率向上機能を備えている。入球率向上機能は、特定の入球口(実施形態では第2始動入球口15a)への単位時間あたりの入球率を向上させる入球率向上状態を付与する機能である。特定の入球口への入球率を向上させる方法は、例えば、普通図柄変動ゲームの変動時間を、入球率向上状態が付与されていない状態(非入球率向上状態)よりも短縮する方法であってもよい。また、普通図柄の当り抽選の当選確率を非入球率向上状態よりも高確率とする方法であってもよい。また、普通図柄の当り抽選に当選した場合、1回の普通図柄の当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根15bの開放時間を、非入球率向上状態よりも長くする方法であってもよい。また、特別図柄変動ゲームの変動時間、特にはずれ表示結果が確定停止表示される特別図柄変動ゲームの変動時間を非入球率向上状態中に比して短縮させる方法であってもよい。また、これらの方法を任意に組み合わせてもよい。本実施形態において入球率向上状態は、予め定められた開始条件が成立したときから、予め定められた終了条件が成立するまで付与される。なお、入球率向上状態の開始条件は、大当り遊技が付与されたときとなっている。また、入球率向上状態の終了条件は、大当り遊技終了後、新たな大当り遊技が付与されるとき、又は所定回数の図柄変動ゲームが実行されたときとなっている。
また、図5に示すように、パチンコ遊技機10には、遊技用構成部材として主基板30や副基板31を含む各種基板が搭載されている。
主基板30は、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cを有する。また、主基板30には、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、普通センサSE3、ゲートセンサSE4、カウントセンサCS1、カウントセンサCS2が接続されている。また、主基板30には、第1特別図柄表示装置11、第2特別図柄表示装置12、第1保留表示装置22、第2保留表示装置23、普通図柄表示装置24が接続されている。また、主基板30には、アクチュエータAC1〜AC3が接続されている。
また、主制御用ROM30bには、パチンコ遊技機10に関する各種処理を実行するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動表示を開始(特別図柄変動ゲームが開始)してから図柄が停止表示(特別図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出等)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、少なくとも、特別図柄が変動表示開始してから特別図柄が停止表示されるまでの演出時間(変動時間)を特定することができる。本実施形態における変動パターンでは、特別図柄が変動表示開始してから特別図柄が停止表示されるまでの間の変動ゲームの演出内容(大当りの有無など)も特定することができる。
変動パターンには、大当り演出を特定する大当り変動パターンがある。また、変動パターンには、はずれ演出を特定するはずれ変動パターンがある。なお、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンには、それぞれ複数種類の変動パターンが用意されている。大当り演出は、変動ゲームが、最終的に大当りの図柄組み合わせを停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、変動ゲームが、最終的にはずれの図柄組み合わせを停止表示させるように展開される演出である。
また、主制御用ROM30bには、各種の判定値が記憶されている。例えば、主制御用ROM30bには、当り抽選で用いられる大当り判定値が記憶されている。主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。例えば、主制御用RAM30cには、入球率向上状態が付与されているか否かを示す主作動フラグが記憶される。
また、主基板30内では、当り判定用乱数や、特別図柄振分用乱数、変動パターン振分用乱数として使用される各種乱数が生成される。因みに、当り判定用乱数は、当り抽選に用いる乱数である。特別図柄振分用乱数は、特別図柄(大当りの種類)を決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数の取り得る値は、はずれ変動パターン及び大当り変動パターンの分類毎に、振り分けを異ならせている。なお、各種乱数として使用される乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
次に、図5に基づき副基板31について説明する。
副基板31には、演出制御用CPU31aが備えられている。該演出制御用CPU31aには、演出制御用ROM31b及び演出制御用RAM31cが接続されている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。例えば、演出制御用RAM31cには、入球率向上状態が付与されているか否かを示す副作動フラグが記憶される。また、演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御用RAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
また、演出制御用ROM31bには、遊技演出を実行させるための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置13が接続されており、各種制御コマンドを入力すると、演出制御プログラムに基づき、演出表示装置13の表示内容を制御する。
次に、主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。最初に、特別図柄入力処理を説明する。特別図柄入力処理は、主制御用CPU30aにより所定周期毎に実行されるようになっている。
まず、主制御用CPU30aは、第1始動入球口14aに遊技球が入球したか否かを判定する第1保留判定を実行する。すなわち、主制御用CPU30aは、第1保留判定において、第1始動センサSE1が遊技球を検知した時に出力する第1検知信号を入力したか否かを判定する。第1保留判定の判定結果が肯定の場合(入球した場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの記憶内容に基づき、第1保留記憶数を特定し、特定した第1保留記憶数が上限値(本実施形態では「4」)よりも少ないか否かを判定する第1保留記憶数判定を実行する。第1保留記憶数判定の判定結果が否定の場合(第1保留記憶数の上限値に達していた場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
一方、第1保留記憶数判定の判定結果が肯定の場合(上限値に達していない場合)、主制御用CPU30aは、第1特別図柄変動ゲームに係わる各種乱数の値を取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に取得した乱数値を記憶する。その際、第1特別図柄変動ゲームに係わる乱数値であること、及びその取得順序が認識できるように記憶する。なお、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの記憶内容(未だ変動ゲームで利用されていない乱数値の記憶量)に基づき、第1保留記憶数を特定可能に構成されている。そして、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの記憶内容が更新され、第1保留記憶数が変化すると、更新後の第1保留記憶数を表示させるように第1保留表示装置22を制御する。また、主制御用CPU30aは、更新後の第1保留記憶数等の第1保留記憶情報を指定する保留指定コマンドを出力する。そして、特別図柄入力処理を終了する。
また、第1保留判定の判定結果が否定の場合(第1始動入球口14aに入球しなかった場合)、主制御用CPU30aは、第2始動入球口15aに遊技球が入球したか否かを判定する第2保留判定を実行する。すなわち、主制御用CPU30aは、第2保留判定において、第2始動センサSE2が遊技球を検知した時に出力する第2検知信号を入力したか否かを判定する。第2保留判定の判定結果が肯定の場合(入球した場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの記憶内容に基づき、第2保留記憶数を特定し、特定した第2保留記憶数が上限値(本実施形態では「4」)よりも少ないか否かを判定する第2保留記憶数判定を実行する。第2保留記憶数判定の判定結果が否定の場合(第2保留記憶数の上限値に達していた場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
第2保留記憶数判定の判定結果が肯定の場合(上限値に達していない場合)、主制御用CPU30aは、第2特別図柄変動ゲームに係わる各種乱数の値を取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に取得した乱数値を記憶する。その際、第2特別図柄変動ゲームに係わる乱数値であること、及びその取得順序が認識できるように記憶する。なお、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの記憶内容(未だ変動ゲームで利用されていない乱数値の記憶量)に基づき、第2保留記憶数を特定可能に構成されている。そして、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの記憶内容が更新され、第2保留記憶数が変化すると、更新後の第2保留記憶数を表示させるように第2保留表示装置23を制御する。また、主制御用CPU30aは、更新後の第2保留記憶数等の第2保留記憶情報を指定する保留指定コマンドを出力する。そして、特別図柄入力処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、第1始動センサSE1が遊技球を検知した時に、第1保留記憶数がその上限値に達していない場合には、第1特別図柄変動ゲームの始動条件が成立したこととなり、第1特別図柄変動ゲームを実行させるための情報(乱数値など)が記憶される。同様に、第2始動センサSE2が遊技球を検知した時に、第2保留記憶数がその上限値に達していない場合には、第2特別図柄変動ゲームの始動条件が成立したこととなり、第2特別図柄変動ゲームを実行させるための情報(乱数値など)が記憶される。
次に、特別図柄開始処理について説明する。主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を所定周期毎に実行するようになっている。
主制御用CPU30aは、大当り遊技中又は特別図柄変動ゲーム中でない場合、第2保留記憶数を特定し、第2保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する。
第2保留記憶数が「0」の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を特定し、第1保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する。そして、第1保留記憶数が「0」の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、この判定結果が肯定の場合(第1保留記憶数>0の場合)、主制御用CPU30aは、第1特別図柄変動ゲームの実行条件が成立したと判定し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶される特別図柄変動処理フラグに第1特別図柄変動ゲームを実行することを示す値を設定する。なお、本実施形態では、大当り遊技及び特別図柄変動ゲームのいずれも実行中でない場合であって、第2保留記憶数=0のときであり、且つ、第1保留記憶数>0のときに、第1特別図柄変動ゲームの実行条件が成立する。すなわち、実行が保留されている第2特別図柄変動ゲームが存在せず、実行が保留されている第1特別図柄変動ゲームが存在するときに、第1特別図柄変動ゲームの実行条件が成立する。
次に、主制御用CPU30aは、第1特別図柄変動ゲームに係わる(第1特別図柄変動ゲームに利用される)乱数値のうち、取得順序に従って最も早く実行される第1特別図柄変動ゲームに係わる乱数値(当り判定用乱数、変動パターン振分用乱数及び特別図柄振分用乱数の値)を取得する。具体的には、第1特別図柄変動ゲームに係わる乱数値であって、まだ第1特別図柄変動ゲームを実行させるために利用されていない乱数値のうち、最も早く取得された乱数値を取得する。また、主制御用CPU30aは、特定した第1保留記憶数を1減算し、当該第1保留記憶数を表すように第1保留表示装置22の表示内容を変更させる。また、主制御用CPU30aは、更新後の第1保留記憶数等の第1保留記憶情報を示す保留指定コマンドを出力する。
主制御用CPU30aは、取得した当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(当り抽選)を行う。
大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、主制御用CPU30aは、取得した図柄振分用乱数の値に基づき、大当り遊技の種類を決定すると共に、特別図柄による大当り図柄の中から第1特別図柄表示装置11(第2特別図柄変動ゲームのときには、第2特別図柄表示装置12)にて停止表示される最終停止図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数に基づき、大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、副基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、第1特別図柄変動ゲームに関する各種処理(第2特別図柄変動ゲームのときには第2特別図柄変動ゲームに関する各種処理)を実行する。
具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。なお、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄変動ゲームと第2特別図柄変動ゲームのいずれが実行されるかについての情報も指示する。変動パターン指定コマンドを出力する同時に、主制御用CPU30aは、特図を変動開始させるように第1特別図柄表示装置11(第2特別図柄変動ゲームのときには第2特別図柄表示装置12)の表示内容を制御する。また、同時に、主制御用CPU30aは、特別図柄変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、主制御用CPU30aは、最終停止図柄の種類を指定するための特別図柄指定コマンドを出力する。なお、最終停止図柄が大当り図柄である場合には、大当り遊技の種類を特定することができるため、特別図柄指定コマンドは、当り遊技の種類を指定するための当り種別指定コマンドでもある。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
その後、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間(変動時間)に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特別図柄表示装置11(第2特別図柄変動ゲームのときには第2特別図柄表示装置12)の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾り図柄の変動停止を指示し、図柄組み合わせを停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を第1特別図柄表示装置11(第2特別図柄変動ゲームのときには第2特別図柄表示装置12)にて停止表示される最終停止図柄として決定する。次に、主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。
そして、変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、前述(大当りの場合)同様、副基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、第1特別図柄変動ゲームに関する各種処理(第2特別図柄変動ゲームのときには第2特別図柄変動ゲーム関する各種処理)を実行する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、第2保留記憶数>0の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶される特別図柄変動処理フラグに第2特別図柄変動ゲームを実行することを示す値を設定する。なお、本実施形態では、大当り遊技及び特別図柄変動ゲームのいずれも実行中でない場合であって、第2保留記憶数>0のとき(すなわち、実行が保留されている第2特別図柄変動ゲームが存在するとき)に、第2特別図柄変動ゲームの実行条件が成立する。
次に、主制御用CPU30aは、第2特別図柄変動ゲームに係わる(第2特別図柄変動ゲームに利用される)乱数値のうち、取得順序に従って最も早く実行される第2特別図柄変動ゲームに係わる乱数値(当り判定用乱数、変動パターン振分用乱数、及び特別図柄振分用乱数の値)を取得する。具体的には、第2特別図柄変動ゲームに係わる乱数値であって、まだ第2特別図柄変動ゲームを実行させるために利用されていない乱数値のうち、最も早く取得された乱数値を取得する。また、主制御用CPU30aは、特定した第2保留記憶数を1減算し、当該第2保留記憶数を表すように第2保留表示装置23の表示内容を変更させる。また、主制御用CPU30aは、更新後の第2保留記憶数等の第2保留記憶情報を示す保留指定コマンドを出力する。
以下、取得した乱数に基づき、第2特別図柄変動ゲームに係わる処理を実行するが、第1特別図柄変動ゲームにおける処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
このような特別図柄開始処理を実行することにより、第1保留記憶数と、第2保留記憶数とがいずれも記憶されているとき、主制御用CPU30aは、第2特別図柄変動ゲームを優先的に実行する。そして、第2特別図柄変動ゲームで大当りとなる場合、第1特別図柄変動ゲームと異なり、賞球の獲得を期待できる実質的なラウンド数が多い大当り遊技が付与されやすくなっている。これにより、第2特別図柄変動ゲームで大当りとなった場合、第1特別図柄変動ゲームよりも賞球の獲得を期待することができる。従って、普通当り遊技が付与されているときには、遊技者により有利となりやすい。
そして、主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の大当り遊技の制御を開始し、副基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。これにより、第1大入賞口18a又は第2大入賞口19aが開状態となる。なお、大当り遊技の種類により、第1大入賞口18a又は第2大入賞口19aの開放回数及び開放時間を異ならせることができるように構成されている。大当り遊技の種類は、主制御用CPU30aにより決定されるようになっており、例えば、大当り図柄の種類により決定されるようにしてもよい。
大当り遊技を終了する際、主制御用CPU30aは、大当り図柄となる特別図柄(最終停止図柄)の種類(すなわち、大当り遊技の種類)に基づき、入球率向上状態を付与するか否かを特定する。主制御用CPU30aは、入球率向上状態を付与する場合には、主作動フラグに入球率向上状態が付与されていることを示す値を設定する。また、主制御用CPU30aは、入球率向上状態を付与する回数を特定し、その値を主作動回数フラグに設定する。
主作動回数フラグは、特別図柄変動ゲームが実行される毎に「1」減算され、「0」となった場合、主制御用CPU30aは、主作動フラグの値をリセットする。なお、主制御用CPU30aは、大当り遊技が付与された場合、主作動フラグ及び主作動回数フラグの値を一旦リセットする。
次に、普通図柄変動ゲームに係わる処理について説明する。
まず、普通図柄入力処理を説明する。
主制御用CPU30aは、遊技球が作動ゲート25を通過したか否かを判定する。すなわち、主制御用CPU30aは、ゲートセンサSE4が遊技球を検知した時に出力するゲート通過信号を入力したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、普通当り判定用乱数の値を取得し、主制御用RAM30cに記憶する。
次に、普通図柄開始処理について説明する。主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を所定周期毎に実行するようになっている。
主制御用CPU30aは、まず、普通図柄が変動表示中であるか否か及び普通当り遊技中であるか否かを判定する。この判定結果が否定の場合(普通図柄変動ゲーム中でなく、普通当り遊技中でない場合)、主制御用CPU30aは、未だ普通図柄変動ゲームに利用されていない普通当り判定用乱数の値が記憶されているか否か判定する。
この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、未だ普通図柄変動ゲームに利用されていない普通当り判定用乱数の値を取得し、取得した普通当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている普通当り判定値と一致するか否かを判定して普通当り判定を行う。この判定結果が肯定の場合(普通当りの場合)、主制御用CPU30aは、普通図柄表示装置24にて停止表示される普通図柄として、普通図柄の当り図柄を決定する。一方、この判定結果が否定の場合(はずれの場合)、主制御用CPU30aは、普通図柄表示装置24にて確定停止表示される普通図柄として、普通図柄のはずれ図柄に決定する。
その後、主制御用CPU30aは、普通図柄変動ゲームの変動時間を定める普図変動パターンを決定する。
図8(b)に示すように、主制御用CPU30aは、入球率向上状態が付与されていないときには、普通図柄変動ゲームの変動時間として30秒が定められた通常状態(非入球率向上状態)用の普図変動パターンを決定する。
一方、主制御用CPU30aは、入球率向上状態が付与されているときには、入球率向上状態用の普図変動パターンを決定する。前記入球率向上状態用の普図変動パターンにより定められる普通図柄変動ゲームの変動時間は、発射ハンドルHDにより遊技球が連続して発射され、かつ連続して発射された遊技球が全て振分装置40に入球した場合において、作動ゲート25(普通始動入球口)に遊技球が入球してから、開閉羽根15bによって開状態及び閉状態となる第2始動入球口15a(特別始動入球口)に遊技球が到達(又は入球)するまでに要する時間以内に設定されている。作動ゲート25に遊技球が入球してから、第2始動入球口15aに遊技球が到達(又は入球)するまでに要する時間は、実際に複数回計測し、それらの値の平均値によって決められる。
なお、作動ゲート25に遊技球が入球してから、第2始動入球口15aに遊技球が到達(又は入球)するまでに要する時間は、作動ゲート25が配置されている第2流下経路L2に遊技球が振り分けられてから、第2始動入球口15aが配置されている第3流下経路L3に振り分けられるまでに要する時間に基づき、定めることも可能となっている。
すなわち、打出し通路R3の延長線E1には、遊技釘Kなどの障害物が配置されていないため、発射された遊技球が通路T及び通路Iを通過するまでの時間は、ほぼ一定である。そして、本実施形態において、発射ハンドルHDが回動操作されている場合、60秒間に100球の遊技球が連続して発射されるようになっている(0.6秒に1球発射される)。従って、作動ゲート25が配置されている第2流下経路L2に遊技球が振り分けられてから、第2始動入球口15aが配置されている第3流下経路L3に振り分けられるまでに要する時間は、約0.6秒となっている。このため、普通図柄変動ゲームの変動時間は、少なくとも0.6秒以上の時間が設定されることが定められる。
また、本実施形態において、第2流下経路L2に遊技球が振り分けられてから作動ゲート25を通過するまでの平均時間と、第3流下経路L3に遊技球が振り分けられてから第2始動入球口15aに到達(又は入球)するまでの平均時間の差は、およそ1秒となっている。このため、本実施形態では、入球率向上状態用の普図変動パターンにより特定される普通図柄変動ゲームの変動時間は、0.6秒以上、1.6秒以内に設定されることとなる。なお、以下では、入球率向上状態用の普図変動パターンにより特定される普通図柄変動ゲームの変動時間は、1.5秒に設定されているものとして説明する。このため、入球率向上状態が付与されているときに、作動ゲート25に遊技球が通過すると、第2始動入球口15aに遊技球が到達する前に普通図柄変動ゲームが終了することとなる。このため、当該普通図柄変動ゲームが普通当りとなる場合には、到達するタイミングで開閉羽根15bを開動作させて、第2始動入球口15aを開状態とすることができる。
普図変動パターン及び停止表示させる普通図柄を決定した主制御用CPU30aは、普通図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、普図変動パターンを指定すると共に普通図柄の変動開始を指示する普図変動パターン指定コマンドを最初に出力する。同時に、主制御用CPU30aは、普通図柄を変動開始させるように普通図柄表示装置24の表示内容を制御する。また、同時に、主制御用CPU30aは、普図変動ゲームの変動時間の計測を開始する。また、主制御用CPU30aは、最終的に停止表示させる普通図柄の種類を指定するための普通当り種別指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。その後、普通図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、決定した普図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように普通図柄表示装置24の表示内容を制御する。
そして、主制御用CPU30aは、普通当りを決定した場合、決定した普図変動パターンに基づく普通図柄変動ゲームの終了後、普通当り遊技に関する制御を実行する。
図8(b)に示すように、主制御用CPU30aは、入球率向上状態が付与されていないときであって、普通図柄変動ゲームが終了したときに、普通図柄による普通当り図柄が停止表示される場合には、開閉羽根15bを1回開放させ、開放してから0.2秒経過するまで開放状態を維持するようにアクチュエータAC1を制御する。また、主制御用CPU30aは、入球率向上状態が付与されているときであって、普通図柄変動ゲームが終了したときに、普通図柄による普通当り図柄が停止表示される場合には、開閉羽根15bを1回開放させ、開放してから3秒経過するまで開放状態を維持するようにアクチュエータAC1を制御する。以上により、主制御用CPU30aが、普通図柄変動ゲームが普通当りとなった場合、第2始動入球口15aが開状態となるように開閉羽根15bを制御する開放制御手段となる。
本実施形態において、入球率向上状態が付与されているとき、開閉羽根15bによって第2始動入球口15aが開状態とされる時間は、第2始動入球口15aが配置されている第3流下経路L3に遊技球が振り分けられてから、次に当該第3流下経路L3に遊技球が振り分けられるまでに要する時間以上に設定されている。第2始動入球口15aが配置されている第3流下経路L3に遊技球が振り分けられてから、次に当該第3流下経路L3に遊技球が振り分けられるまでに要する時間は、1回の単位振分動作に要する時間、すなわち、振分個数の遊技球を発射するために要する時間に基づき定められる。本実施形態において、1回の単位振分動作に必要な遊技球の数(振分個数)は、3個であり、3個の遊技球を発射するために要する時間は、1.8秒(遊技球の発射間隔(0.6秒)×3個)となっている。従って、1.8秒以上の値(3秒)が、入球率向上状態中における普通当り遊技の開閉羽根15bの開放時間として設定されている。これにより、遊技者は、遊技球を連続して発射させることにより、1回の普通当り遊技において、2個の遊技球を第2始動入球口15aに入球させる機会を得ることができる。
また、1回の普通当り遊技において、第2始動入球口15aへの遊技球の入球上限個数として2個が設定されている。すなわち、2個の遊技球が第2始動入球口15aに入球した場合、予め設定された開放時間(本実施形態では3秒)が経過しなくても、開閉羽根15bが閉動作し、第2始動入球口15aが閉状態となる。その後、所定のインターバル時間(0.2秒)が経過した後、普通当り遊技が終了するようになっている。
そして、入球率向上状態において、普通図柄変動ゲームの変動時間は、1.5秒に設定されているため、普通当り遊技が終了してから次の普通図柄変動ゲームが開始された場合、最短で普通図柄変動ゲームの変動時間(1.5秒)経過後に次に普通当り遊技が付与されうるようになっている。すなわち、インターバル時間を考慮すると、第2始動入球口15aへの遊技球の入球上限個数の遊技球が入球することによって第2始動入球口15aが閉状態となってから次に開状態となるまで、最短で1.7秒となっている。
そして、第2始動入球口15aに遊技球が到達してから次の遊技球が第2始動入球口15aに到達するまでの最短時間は、第2始動入球口15aまでの経路がほぼ同じであるため、1回の単位振分動作に必要な時間に相当し、1.8秒である。従って、入球上限個数の遊技球を入球させて第2始動入球口15aが閉状態となった場合、第3流下経路L3に次に振り分けられた遊技球が第2始動入球口15aに到達する前に、次の普通当り遊技が開始されうるようになっている。従って、入球率向上状態中、遊技球を続けて発射することにより、第2始動入球口15aの開状態となるタイミングに合わせて、遊技球を第2始動入球口15aに続けて入球させることができるように構成されている。
また、本実施形態において、入球率向上状態が付与されているときに選択されうるはずれ変動パターンの中には、遊技球が連続して発射され、かつ連続して発射された遊技球が全て入球口41に入球した場合において、1回の単位振分動作に要する時間よりも長い時間が変動時間として定められているはずれ変動パターンが存在する。すなわち、1.8秒以上の変動時間が定められたはずれ変動パターンが存在する。なお、本実施形態では、2秒〜60秒の間で、はずれ変動パターンの変動時間が定められている。これにより、第2始動入球口15aに遊技球を入球させるために要する時間よりも特別図柄変動ゲームの変動時間を長くすることができ、特別図柄変動ゲームが保留しやすくなる。
また、主制御用CPU30aは、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、普通センサSE3、カウントセンサCS1及びカウントセンサCS2からの検知信号を入力した場合の入力処理において、所定個数の賞球を払出すための処理を行う。
次に、副基板31の演出制御用CPU31aが演出制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。主制御用CPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、演出制御用CPU31aは、それに応じて各種処理を実行する。
例えば、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づき、演出表示装置13に停止表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。
すなわち、演出制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄が大当り図柄である場合には、大当りの図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄が、はずれ図柄の場合であって、はずれ変動パターンが指定された場合、はずれの図柄組み合わせを決定する。
そして、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、飾り図柄変動ゲームを実行させるように演出表示装置13を制御する。その後、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄変動ゲームを終了させると共に、決定した図柄組み合わせを表示させる。
また、演出制御用CPU31aは、最終停止図柄(特別図柄)として大当り図柄が指定された場合、大当り図柄に基づき特定された大当り遊技の種類に基づき、入球率向上状態が付与されるか否か、及び付与される場合の付与回数を特定する。入球率向上状態が付与される場合、演出制御用CPU31aは、副作動フラグに入球率向上状態が付与されていることを示す値を設定する。また、入球率向上状態が付与される場合、演出制御用CPU31aは、副作動回数フラグの値に大当り遊技の種類に応じて作動回数を設定する。演出制御用CPU31aは、飾り図柄変動ゲームが実行される毎に、副作動回数フラグの値を1減算する。なお、大当り遊技が付与される場合、又は副作動回数フラグの値が「0」となった場合、副作動フラグから入球率向上状態が付与されていることを示す値を消去する。
また、本実施形態において、演出制御用CPU31aは、保留指定コマンドを入力すると、入力した保留指定コマンドに基づき、第1保留記憶数又は第2保留記憶数を特定し、記憶するようになっている。これにより、副基板31において、第1保留記憶数及び第2保留記憶数が管理される。
また、本実施形態において、図柄変動ゲーム中に、普通入球口16aに遊技球が入球した場合、予め決められた遊技演出を実行させることができるように構成されている。より詳しくは、図柄変動ゲーム中に、普通入球口16aに遊技球が入球した場合、大当り期待度を示す予告演出が実行されるように構成されている。
この予告演出を実行させるための処理について説明する。
主制御用CPU30aは、普通センサSE3から検知信号を入力すると(普通入球口16aに遊技球が入球すると)、その旨を通知する入球通知コマンドを演出制御用CPU31a(副基板31)に出力する。演出制御用CPU31aは、第2保留記憶数が所定値(本実施形態では4)以上のときに、当該入球通知コマンドを入力すると、特別図柄変動ゲーム中であるか否かを判定する。特別図柄変動ゲーム中であるか否かは、変動パターン指定コマンドを入力した後、全図柄停止コマンドを入力しているか否かにより判定することができる。なお、変動パターン指定コマンドを入力したときから、変動パターンの変動時間が経過したか否かにより判定することも可能である。
特別図柄変動ゲーム中である場合、実行中の特別図柄変動ゲームの変動時間を特定するために使用した変動パターンに基づき、予告演出の演出内容を決定する。例えば、演出制御用CPU31aは、大当り変動パターンに基づき、特別図柄変動ゲームが実行されている場合には、大当り期待度の高い演出内容の予告演出の実行を高確率で決定し、はずれ変動パターンに基づき、特別図柄変動ゲームが実行されている場合には、大当り期待度の低い演出内容の予告演出の実行を高確率で決定するようになっている。そして、演出制御用CPU31aは、決定した演出内容の予告演出を実行させるように制御する。
なお、第2保留記憶数が所定値(本実施形態では4)以上のときに予告演出が実行されることから、第2保留記憶数が所定値以上となるように遊技球を第2始動入球口15aへ入球させる意欲を持たせることができる。また、第2保留記憶数が所定値となっても、普通入球口16aへ遊技球を入球させるために、遊技球を続けて発射させる意欲を持たせることができる。
以下、図6に従って、第1流下経路L1〜第3流下経路L3を遊技球が流下する流れについて説明する。なお、以下の説明では、第1通路42aに振り分けられた遊技球を「1球目」とし、次に第2通路42bに振り分けられた遊技球を「2球目」とする。また、第3通路42cに振り分けられた遊技球を「3球目」とする。そして、一度、第1通路42aに遊技球が振り分けられてから、再度、第1通路42aに遊技球が振り分けられた場合、その遊技球は、「1球目」とする。「2球目」及び「3球目」も同様とする。
まず、第1通路42aに遊技球Bを振り分ける流れについて説明する。
図6(a)に示すように、第1振分部材50及び第2振分部材60が第2姿勢(図4(b),図4(d))であるときに、1球目の遊技球Bが入球口41に入球すると、該遊技球Bは、第1振分部材50の球受部46aで受け止められる。なお、第1振分部材50の球受片47は第2振分部材60の球受片68の下方に重なっている。この重なりにより、第1振分部材50の時計回りでの回動が規制される。そして、遊技球Bが第2振分部材60の球受片68を転動し、球受片67に到達すると、遊技球Bの自重によって第2振分部材60が反時計回りに回動し、第2振分部材60が第2姿勢から第1姿勢に切り替わる。その後、遊技球Bは、第1通路42aに振り分けられ、第1流下経路L1に誘導される。
前述したように、第1流下経路L1は、大当り遊技中、第1大入賞口18a又は第2大入賞口19aに遊技球を導く通路である。このため、大当り遊技中、遊技球が振分装置40の入球口41に入球して第1通路42a(第1流下経路L1)に振り分けられ、該遊技球が第1大入賞口18a又は第2大入賞口19aに入球すると、賞球が払い出される。
次に、第2通路42bに遊技球Bを振り分ける流れについて説明する。
図6(b)に示すように、遊技球Bが第1通路42aに振り分けられたことで第1振分部材50が第2姿勢(図4(b))であって、かつ第2振分部材60が第1姿勢(図4(c))であるときに、2球目の遊技球Bが入球口41に入球すると、該遊技球Bは、第1振分部材50の球受部46aによって受け止められる。遊技球Bの自重によって第1振分部材50が反時計回りに回動するため、第1振分部材50が第2姿勢から第1姿勢に切り替わる。その後、遊技球Bは、第2振分部材60の球受部66bによって受け止められ、遊技球Bの自重によって第2振分部材60が時計回りに回動し、第2振分部材60が第1姿勢から第2姿勢に切り替わる。その後、遊技球Bは、第2通路42bに振り分けられ、第2流下経路L2に誘導される。
前述したように、第2流下経路L2は、大当り遊技中、第1大入賞口18a又は第2大入賞口19aに遊技球を導く通路であるとともに、右打ちをした際、作動ゲート25に遊技球を導く通路である。このため、大当り遊技中、遊技球が振分装置40の入球口41に入球して第2通路42b(第2流下経路L2)に振り分けられ、該遊技球が第1大入賞口18a又は第2大入賞口19aに入球すると、賞球が払い出される。また、遊技球が振分装置40の入球口41に入球して第2通路42b(第2流下経路L2)に振り分けられると、該遊技球は作動ゲート25を通過し、普通図柄変動ゲームの始動条件を成立させることができる。
次に、第3通路42cに遊技球Bを振り分ける流れについて説明する。
図6(c)に示すように、遊技球Bが第2通路42bに振り分けられたことで第1振分部材50が第1姿勢(図4(a))であって、かつ第2振分部材60が第2姿勢(図4(d))であるときに、3球目の遊技球Bが入球口41に入球すると、該遊技球Bは、第1振分部材50の球受部46bによって受け止められる。遊技球Bの自重によって第1振分部材50が時計回りに回動するため、第1振分部材50が第1姿勢から第2姿勢に切り替わる。このとき、第2振分部材60は回動せず、第2姿勢を保持する。そして、第1振分部材50の回動により、第1振分部材50の球受片47が第2振分部材60の球受片68の下方に位置することで、第1振分部材50と第2振分部材60は、1球目の遊技球Bを受け入れたときと同じ姿勢をとる。そして、遊技球Bは、第3通路42cに振り分けられ、第3流下経路L3に誘導される。
前述したように、第3流下経路L3は、右打ちをした際、第2始動入球口15aに遊技球を導く通路である。このため、遊技球が振分装置40の入球口41に入球して第3通路42c(第3流下経路L3)に振り分けられ、該遊技球が第2始動入球口15aに入球すると、賞球が払い出されるとともに、第2特別図柄変動ゲームの始動条件を成立させることができる。
このように、振分装置40は、入球口41に入球した遊技球を第1通路42aに振り分けた後、次に入球口41に入球した遊技球を第2通路42bに振り分ける。続けて、振分装置40は、次に入球口41に入球した遊技球を第3通路42cに振り分けた後、次に入球口41に入球した遊技球を第1通路42aに振り分ける。以降、振分装置40はこの振り分け作業(単位振分動作)を繰り返す。つまり、入球口41に入球した遊技球は、各流下経路L1〜L3に1球ずつ周期的に振り分けられるので、各流下経路L1〜L3への遊技球の振り分けについて再現性を有するとともに、各流下経路L1〜L3への遊技球の振分率(実施形態では1/3)を安定化させることができる。従って、振分装置40は、遊技球を特定ルート(第3流下経路L3)に振り分けた後、続けて入球する規定個数(2個)の遊技球を非特定ルート(第1流下経路L1及び第2流下経路L2)に振り分け、その後、特定ルートに遊技球を振り分ける状態に戻る単位振分動作を、繰り返し行うといえる。また、振分装置40は、ルート(第1流下経路L1〜第3流下経路L3)毎に決められた規定個数ずつ(本実施形態では1個ずつ)の遊技球を各ルートに順番に振り分ける単位振分動作を、繰り返し行うともいえる。
次に、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球が普通入球口16aに入球するまでの流れについて、その作用とともに説明する。
第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球とは、第3流下経路L3を流下した遊技球のうち、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球を指す。すなわち、第3流下経路L3に誘導されたことで、第2始動入球口15aに入球する可能性があったにもかかわらず、開閉羽根15bの開放タイミングと合わず、第2始動入球部15の下方に流下してしまい、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球である。ただし、該遊技球には、普通入球口16aやアウト口29に入球済みの遊技球は該当せず、普通入球口16aに入球する可能性が残された遊技球のみ該当する。
前述したように、第2始動入球口15aに向かう第3流下経路L3が形成されているため、3球に1球の割合で第3流下経路L3に遊技球を振り分け可能な振分装置40によれば、第2始動入球口15aに遊技球を入球させることができるチャンスが周期的に到来する。ただし、開閉羽根15bの開放タイミングで第2始動入球口15aに遊技球を入球させることができない等して、なかなか第2特別図柄変動ゲームの始動条件が成立せず、第2特別図柄変動ゲームが停滞してしまうことがある。
図7(a)に示すように、第2始動入球口15aに入球せず、第2始動入球口15aの左方に流れた遊技球Bは、その後、下方に流下する。このとき、閉状態を取る開閉羽根15bの先端から遊技球が通過可能な長さ分、左方に離間した位置には規制部材17dが配設されているため、遊技球Bは、規制部材17dに当接し、第2流下経路L2に流れ込まない。
図7(b)に示すように、規制部材17dと第1誘導部材17aの間には、遊技球Bの直径よりも短い間隔で遊技釘Kが植設されている。よって、遊技球Bは、遊技釘Kに当接し、第2流下経路L2に流れ込むことなく第1誘導部材17a又は第2誘導部材17bの第4側面S4に誘導される。
また、第2始動入球口15aに入球せず、第2始動入球口15aの右方に流れた遊技球Bは、その後、下方に流下する。このとき、第2誘導部材17bの第3側面S3は、コーナー飾り部材R5の側面R5a近傍に位置しており、第3側面S3と側面R5aの間は、遊技球の直径よりも短くなっている。これにより、遊技球Bは、コーナー飾り部材R5に当接し、コーナー飾り部材R5と第2誘導部材17bの間を流下することがない。
図7(c)に示すように、第1誘導部材17a又は第2誘導部材17bの第4側面S4を転動した遊技球Bは、その後、誘導部17cに案内される。第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bでは、第4側面S4が互いに内側を向き、かつ下り勾配をなして対向するように配設されている。このような構造により、第3流下経路L3に誘導されたが、開閉羽根15bの開放タイミングで第2始動入球口15aに入球しなかったことにより、第2始動入球部15よりも下方に流下した遊技球は、全て、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bの第4側面S4を転動する。
また、誘導部17cは普通入球口16aの直上に位置している。さらに、誘導部17cと普通入球口16aの間には遊技釘Kが植設されていないため、第4側面S4を転動した遊技球Bは、高確率で普通入球口16aに入球する。つまり、一度、第3流下経路L3に遊技球が誘導されたのであれば、該遊技球がその他の流下経路に流れ込むことがなく、第2始動入球口15a又は普通入球口16aに入球する可能性が高い。
ちなみに、第2始動入球口15a及び普通入球口16aに入球しなかった遊技球や、第1大入賞口18a及び第2大入賞口19aに入球しなかった遊技球は、誘導部材Aの第3側面A3を転動してアウト口29に誘導される。
本実施形態では、閉状態を取る開閉羽根15bの先端から普通入球口16aまでの流下経路に配置されている各部材(規制部材17d、遊技釘K、第1誘導部材17a、第2誘導部材17b、及びコーナー飾り部材R5)によって、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球を普通入球口16aに誘導する誘導通路YTが構成される。なお、誘導通路YTのうち、遊技球を、直接、普通入球口16aに誘導するのは、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bの第4側面S4である。このため、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bの第4側面S4が、誘導面に相当する。
また、本実施形態では、規制部材17dは、誘導通路YTを構成する部材であるとともに、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球が第3流下経路L3以外の流下経路に流れ込むことを規制する規制部材としても機能する。同様に、第2誘導部材17bの第3側面S3とコーナー飾り部材R5の側面R5aの間は、遊技球の直径よりも短く、遊技球が通過不可能である。これにより、コーナー飾り部材R5は、誘導通路YTを構成する部材であるとともに、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球が第3流下経路L3以外の流下経路に流れ込むことを規制する規制部材としても機能する。
また、本実施形態では、誘導部材Aを有する、普通入球口16aの下流からアウト口29までの流下経路が、普通入球口16aに入球しなかった遊技球をアウト口29に誘導する第2誘導通路に相当する。
このように、パチンコ遊技機10では、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球を、誘導通路YTに誘導し、積極的に普通入球口16aに入球させる構成を採用している。誘導通路YTは、閉状態を取る開閉羽根15bの先端から普通入球口16aまでの流下経路に配置されている各部材(規制部材17d、遊技釘K、第1誘導部材17a、第2誘導部材17b、及びコーナー飾り部材R5)によって形成される。また、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bは、樹脂製であって、かつ誘導面としての第4側面S4を有する。第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bが、樹脂製かつ誘導面を有することで、遊技釘Kのように、曲げ具合や曲げ方向等の調整が困難となっている。第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bが変形し難いことに伴い、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bの下方に位置する普通入球口16aへの入球率も変化し難くなるため、普通入球口16aへの入球率が安定する。本実施形態では、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bを樹脂製、かつ誘導面を有する部材とすることで、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bを変形させるという調整の困難性を作り出している。
ちなみに、普通入球口16aや第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bの周りに遊技釘Kを植設したり、遊技釘Kの植設幅を遊技球の直径よりも長くしたりする場合、遊技球が遊技釘Kに当接し、遊技球の流下方向が変化し得るため、所望の入球口への入球率が安定しない。このようなパチンコ遊技機において遊技球が所望の入球口に入球したとしても、その入球は偶発的な入球であって、パチンコ遊技機10が採用する誘導態様とは異なる。
また、図8(a)に示すように、第2始動入球口15aへの入球に基づく賞球数と、普通入球口16aへの入球に基づく賞球数は同一である。さらに、前記賞球数は、振分装置40が振分対象とする全流下経路数(振分個数、実施形態では3つ)と同一である。すなわち、第2始動入球口15aへの入球に基づく賞球数と、普通入球口16aへの入球に基づく賞球数は、1回の単位振分動作において、非特定ルート(第1流下経路L1及び第2流下経路L2)に振り分けられる遊技球の規定個数(2個)よりも多くなっている。これにより、普通入球口16aに遊技球が入球したのであれば、第2始動入球口15aに入球していれば得られるはずであった賞球と同数の賞球を得ることができる。また、普通入球口16aに遊技球が入球したのであれば、普通入球口16aに入球させるまでに振分装置40に入球させた3球の遊技球を回収することができるため、実質的な持ち球が減らない。すなわち、普通入球口16aへの入球率が安定することで、ベース値を算出するにあたり、第2始動入球口15aの開放タイミングに依存する第2始動入球口15aへの入球率を考慮しなくてもよく、また、第3流下経路L3への振分率も一定であるため、ベース値が安定する。ベース値とは、大当り遊技中を除く遊技状態における出球率である。例えば、100球の遊技球が発射され、20球の賞球払出しが行われた場合、ベース値は20%となる。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)振分装置40は、入球口41に入球する遊技球を第3流下経路L3(特定ルート)に振り分けた後、続けて入球する遊技球を第1流下経路L1(非特定ルート)に振り分け、さらに続けて入球する遊技球を第2流下経路L2(非特定ルート)に振り分け、その後、第3流下経路L3に遊技球を振り分ける状態に戻る単位振分動作を、繰り返し行うようになっている。すなわち、振分装置40は、遊技球を第3流下経路L3(特定ルート)に振り分けた後、続けて入球する規定個数(2個)の遊技球を第1流下経路L1及び第2流下経路L2(非特定ルート)に振り分け、その後、第3流下経路L3に遊技球を振り分ける状態に戻る単位振分動作を、繰り返し行う。このため、予め決められた振分個数(規定個数(2個)+1個の合計3個)の遊技球を入球口41に入球させる毎に、各流下経路L1〜L3にそれぞれ所定個数(1個)の遊技球を振分けることができる。そして、第3流下経路L3(特定ルート)には、第2始動入球口15aと普通入球口16a(一般入球口)が配置されており、いずれかに入球すれば、振分個数(2個)以上の(規定個数(2個)より多い)遊技球が払い出される。すなわち、3個の遊技球が払い出される。このため、振分装置40の入球口41に遊技球を続けて入球させた場合、第2始動入球口15aに入球することがない第2流下経路L2及び第1流下経路L1(非特定ルート)に遊技球が必ず所定数(2個)振分けられるにもかかわらず、3個の遊技球が高確率で払い出されるため、遊技球が減りにくくなり、遊技を長時間継続することが可能となっている。具体的には、大当り遊技が付与されていないときに、右打ちした場合、第2始動入球口15aが存在しない第1流下経路L1及び第2流下経路L2に振分装置40により強制的に振り分けられたとしても、第2始動入球口15a又は普通入球口16aのいずれかに高確率で入球することとなり、3個の遊技球の払出しが行われ、遊技球が減りにくくなっている。さらに、入球率向上状態が付与されている場合に右打ちを行った場合には、遊技球を減らすことなく、第2始動入球口15aに遊技球を入球させて、図柄変動ゲームの始動条件を成立させることができる。
(2)第2始動入球口15aへ向かう第3流下経路L3(特定ルート)を流下した遊技球のうち、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球が普通入球口16aに入球可能に構成されている。すなわち、第3流下経路L3において、普通入球口16aは、第2始動入球口15aの下流に位置している。このため、普通入球口16aに遊技球が先に入ることがなくなり、普通入球口16aが、第2始動入球口15aへ遊技球に入球することの邪魔となることがない。また、第2始動入球口15aに入らなかったとしても、普通入球口16aに入球させることができると期待させることができる。
(3)第3流下経路L3(特定ルート)には、開閉羽根15bが設けられた第2始動入球口15aが配置される。このため、第3流下経路L3(特定ルート)に遊技球が振分けられた際、開閉羽根15bによって第2始動入球口15aが開状態となっている場合には、第2始動入球口15aに入球する遊技球の割合を増やすことができる。このため、開閉羽根15bが開動作しているか否かについて注目させることができる。
(4)第2始動入球口15aにおける払出条件又は普通入球口16aにおける払出条件が成立した場合、いずれも規定個数(2個)に1加算した個数(3個)の遊技球が払い出される。これにより、第3流下経路L3(特定ルート)に遊技球が振分けられるために振分装置40の入球口41に入球させることが必要な個数(振分個数=3個)に相当する遊技球が、第2始動入球口15a又は普通入球口16aに入球した場合、払い出される。このため、入球口41に遊技球を入球させ、第2始動入球口15a又は普通入球口16aに入球させることにより、遊技球が増減することなく、図柄変動ゲームの始動条件だけを続けて成立させることが可能となる。また、第2始動入球口15aにおける払出条件が成立したときに払い出される遊技球の数と、普通入球口16aにおける払出条件が成立したときに払い出される遊技球の数と同じにしている。このため、第2始動入球口15aへの入球しやすさと、普通入球口16aへの入球しやすさが異なっていても、払い出される遊技球を同じにすることができ、安定させることができる。
(5)第2始動入球口15aへ向かう第3流下経路L3(特定ルート)を流下した遊技球のうち、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球を普通入球口16aへ誘導する誘導通路YTを備え、前記誘導通路YTは、誘導面となる第4側面S4を有している。これにより、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球を、普通入球口16aへより誘導しやすくすることができる。従って、振分装置40の入球口41に遊技球を入球させる限り、遊技球が減少することを防止しやすくなる。また、第4側面S4は、遊技釘Kなどと異なって調整が困難であるため、一定の割合で普通入球口16aに遊技球を入球させることができ、想定した範囲内で、遊技球を増減させることができる。
(6)入球率向上状態用の普図変動パターンにより定められる普通図柄変動ゲームの変動時間は、遊技球が連続して発射され、かつ連続して発射された遊技球が全て振分装置40に入球した場合において、作動ゲート25に遊技球が入球してから、開閉羽根15bによって開状態及び閉状態となる第2始動入球口15aに遊技球が入球するまでに要する時間以内に設定されている。これにより、作動ゲート25に遊技球が入球してから、普通図柄変動ゲームが終了し、第2始動入球口15aが開状態となる前までに、第2始動入球口15aへ遊技球が到達することを防止できる。従って、遊技者に有利な開状態となるときに、第2始動入球口15aへ遊技球を到達させることができる。
(7)作動ゲート25が配置されているルート(第2流下経路L2)と、開閉羽根15bによって開状態及び閉状態となる第2始動入球口15aが配置されているルート(第3流下経路L3)は、別ルートとしている。ルートが異なるため、第2始動入球口15aが配置されている第3流下経路L3に遊技球が振り分けられるまで所定個数(本実施形態では1個)の遊技球を入球口41に入球させる必要がある。このため、遊技球を続けて所定個数の遊技球を発射させる意欲を持たせることができる。また、開状態とすることができる時間も予め決められているため、遊技球を連続して発射させる意欲を持たせることができる。
(8)開閉羽根15bによって第2始動入球口15aが開状態とされる時間が、第2始動入球口が配置されている第3流下経路L3に遊技球が振り分けられてから、次に当該第3流下経路L3に遊技球が振り分けられるまでに要する時間(1.8秒)以上に設定されている。これにより、開閉羽根15bが、開状態となった場合には、1回の単位振分動作が終了するまで連続して発射すれば、複数個の遊技球を入球させることが可能となる。これにより、連続して発射する意欲を持たせることができる。
(9)入球率向上状態中に決定されうるはずれ変動パターンの中には、遊技球が連続して発射され、かつ連続して発射された遊技球が全て入球口41に入球した場合において、1回の単位振分動作に要する時間よりも長い時間が変動時間として設定されているはずれ変動パターンが存在する。これにより、特別図柄変動ゲームが保留しやすくなる。これにより、保留中の特別図柄変動ゲームの演出内容を先読みして、大当りとなる可能性を予め示唆する保留予告を実行させやすくすることができる。
(10)普通入球口16aに遊技球が入球した場合、遊技演出として予告演出を実行させることができる。このため、振分装置40の入球口41に遊技球を続けて入球させた場合、第2始動入球口15aに遊技球を入球させることができなくても、普通入球口16aに基づき予告演出を実行させることができ、遊技の興趣を維持することができる。また、普通入球口16aに遊技球が入球したことが分かり易くなる。また、上述したように、第2始動入球口15aに遊技球が入球しなかった場合、高確率で普通入球口16aに遊技球を入球させることができ、遊技者をがっかりさせることがない。
(11)第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球は、誘導通路YTによって普通入球口16aに誘導され、普通入球口16aに入球し得る。また、誘導通路YTの構成要素である第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bを樹脂製かつ誘導面(第4側面S4)を有する調整困難な部材とすることで、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bの曲げ具合や曲げ方向等の調整が困難となる。つまり、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bが変形し難いことに伴い、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bの下方に位置する普通入球口16aへの入球率も変化し難くなるため、普通入球口16aへの入球率が安定する。このことから、ベース値を算出するにあたり、第2始動入球口15aに遊技球が入球しなかった場合でも、普通入球口16aへの入球によって安定したベース値を確保することができる。
(12)第2始動入球口15aへ向かう第3流下経路L3を流下した遊技球のうち、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球は、誘導通路YTによって全て普通入球口16aへ誘導されるため、該遊技球は高確率で普通入球口16aに入球し得る。このことから、ベース値を算出するにあたり、第2始動入球口15aに遊技球が入球しなかった場合でも、普通入球口16aへの入球によって安定したベース値を確保することができる。
(13)安定したベース値を確保することで、設計段階における遊技釘Kの配置などの算出も容易に行うことができ、メーカ側にとってもメリットがある。また、安定したベース値の確保により、遊技者に対しても一定の賞球を確保させることができる。つまり、入球口へ遊技球が入球し難いために持ち球が減少し、遊技球を頻繁に借りなければならないという現象も生じにくいため、遊技者に対して安心して遊技に興じさせることができる。
(14)開閉羽根15bの開放タイミングと一致しないと第2始動入球口15aに遊技球が入球し難いが、第2始動入球口15aに遊技球が入球しなくても、この遊技球が誘導通路YTを介して普通入球口16aに誘導される。このため、ベース値を算出するにあたり、開閉羽根15bの開放タイミングや普通入球口16aへの入球率のばらつきをあまり考慮しなくても済むため、第2始動入球口15aに遊技球が入球しなかった場合でも、普通入球口16aへの入球によって安定したベース値を確保することができる。
(15)第2始動入球口15aの上流に配設された振分装置40によれば、第3流下経路L3に対して遊技球を周期的に振り分けることができ、第3流下経路L3の下流に位置する入球部(第2始動入球部15又は普通入球部16)への入球率が安定する。よって、第3流下経路L3への振分率と普通入球口16aへの入球率の両方が安定することになり、より一層、安定したベース値を確保することができる。
(16)第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bにおける下り勾配の最下流端と連なる誘導部17cが普通入球口16aの直上に位置することで、誘導部17cから落下した遊技球は、遊技釘Kなどの障害部材に当接することなく普通入球口16aに入球し易くなる。
(17)誘導部17cの下端P2から普通入球口16aの上端16bまでの上下方向における距離Xは、遊技球が通過可能な長さである。この構成によれば、普通入球口16aと誘導部17cが極端に離間している場合に比して、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球が普通入球口16aに入球する確率が高められる。また、遊技球が通過可能な距離だけ離間していることで、球詰まりを起こし難い。
(18)閉状態を取る開閉羽根15bの先端から遊技球が通過可能な長さ分、左方に離間した位置に規制部材17dが位置するとともに、第2誘導部材17bの第3側面S3が、コーナー飾り部材R5の側面R5a近傍に位置しており、第3側面S3と側面R5aの間は、遊技球の直径よりも短い。これによれば、第3流下経路L3以外の流下経路に遊技球が流れ込まないので、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球を普通入球口16aに誘導することができる。
(19)開閉羽根15bを有する第2始動入球口15aへの遊技球の入球率を考慮する煩わしさを省きつつ、安定したベース値を獲得させるために、普通入球口16aに向かう誘導通路YTを設けている。一方、普通入球部26〜28の上方には、開閉部材を有する始動入球口が配設されていないため、始動入球口への遊技球の入球率のばらつきを考慮する必要はない。つまり、普通入球部26〜28に遊技球が入球しなくてもベース値には影響しないため、普通入球部26〜28に遊技球を誘導する誘導部材を設ける必要はない。よって、同じ普通入球部(普通入球部16と普通入球部26〜28)であっても、誘導部材の有無によって異なる遊技性が生起され得る。
(20)普通入球口16aに入球しなかった遊技球をアウト口29に誘導する誘導部材Aを設けたことで、普通入球口16aに入球しなかった遊技球は、その他の入球口に入球することなくアウト口29に誘導されるため、遊技球の過払出しがなく、遊技店側が損をしない。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明及び図面は省略又は簡略する。
第2始動入球口15aに遊技球が入球し、払出し条件が成立した場合、2個(規定個数)の遊技球が払い出されるように構成されている。その一方、普通入球口16aに遊技球が入球し、払出し条件が成立した場合、3個の遊技球が払い出されるように構成されている。
以上詳述したように、第2実施形態は、(2)、(3)、(5)〜(20)に加えて、以下の効果を有する。
(21)振分装置40は、入球口41に入球する遊技球を第3流下経路L3(特定ルート)に振り分けた後、続けて入球する遊技球を第1流下経路L1(非特定ルート)に振り分け、さらに続けて入球する遊技球を第2流下経路L2(非特定ルート)に振り分け、その後、第3流下経路L3に遊技球を振り分ける状態に戻る単位振分動作を、繰り返し行うようになっている。すなわち、振分装置40は、遊技球を第3流下経路L3(特定ルート)に振り分けた後、続けて入球する規定個数(2個)の遊技球を第1流下経路L1及び第2流下経路L2(非特定ルート)に振り分け、その後、第3流下経路L3に遊技球を振り分ける状態に戻る単位振分動作を、繰り返し行う。このため、予め決められた振分個数(規定個数(2個)+1個の合計3個)の遊技球を入球口41に入球させる毎に、各流下経路L1〜L3にそれぞれ所定個数(1個)の遊技球を振分けることができる。そして、第3流下経路L3(特定ルート)には、第2始動入球口15aと普通入球口16a(一般入球口)が配置されており、普通入球口16aに遊技球が入球すれば、振分個数(規定個数(2個)+1個の合計3個)の遊技球が払い出される。このため、振分装置40の入球口41に遊技球を続けて入球させた場合、第2始動入球口15aに遊技球を入球させることができなくても、第1流下経路L1及び第2流下経路L2(非特定ルート)に遊技球が必ず所定数(2個)振分けられるにもかかわらず、遊技球が減りにくくなり、遊技を長時間継続することが可能となっている。
(22)普通入球口16aにおける払出し条件が成立した場合、規定個数(2個)に1加算した個数(すなわち、振分個数=3個)の遊技球が払い出される。これにより、第2始動入球口15aに遊技球が入球せずに、普通入球口16aに遊技球が入球する場合は、第3流下経路L3(特定ルート)に遊技球が振分けられるために振分装置40の入球口41に入球させることが必要な個数(1回の単位振分動作を実行させるために必要な振分個数(本実施形態では3個))に相当する遊技球が、払い出され、遊技球数が維持される。このため、第2始動入球口15aに遊技球が入球しなくても、普通入球口16aに入球すれば、遊技球が増減することがない。このため、遊技球がほぼ増減することなく、特別図柄変動ゲームの始動条件を続けて成立させるチャンスを得ることが可能となる。
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
・上記第1実施形態において、第2始動入球口15aにおける払出条件又は普通入球口16aにおける払出条件が成立した場合、3個の遊技球を払い出されたが、2個よりも多い(振分個数(3個)以上)ならば、任意に変更しても良い。例えば、4個でも5個でもよい。なお、遊技球の増減が生じないように払出し個数が設定されることが望ましく、例えば、普通入球口16aへ入球する確率が限りなく100%に近いのであるならば、振分個数の遊技球が払い出されることが望ましい。
・上記実施形態において、普通入球口16aが、第2始動入球口15aよりも上流に存在しても良い。この場合、普通入球口16aに入球しなかった遊技球が、高確率で第2始動入球口15aに入球されることが望ましい。なお、入球率向上状態中に限ってもよい。
・上記実施形態の第3流下経路L3において、第1始動入球口14aを第2始動入球口15aの代わりに、又は第2始動入球口15aと共に配置しても良い。また、第2始動入球口15aを複数配置しても良い。
・上記実施形態において、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球は、必ず普通入球口16aに入球されるように構成してもよい。
・上記実施形態において、非特定ルートには、第2始動入球口15a及び普通入球口16aが共に配置されなければ、配置される入球口の種類及び数を任意に変更しても良い。例えば、第2始動入球口15aのみが配置される非特定ルートを設けても良く、普通入球口16aのみが配置される非特定ルートを設けても良い。また、第2始動入球口15aと第1大入賞口18a又は作動ゲート25が配置される非特定ルートを設けても良く、普通入球口16aと第1大入賞口18a又は作動ゲート25が配置される非特定ルートを設けても良い。
・上記実施形態において、振分装置40は、特定ルート(第3流下経路L3)に1個の遊技球を振分け、非特定ルート(第1流下経路L1及び第2流下経路L2)に2個の遊技球を振り分ける単位振分動作を行っていた。この別例として、特定ルート(第3流下経路L3)に第1規定個数の遊技球を振り分けた後、非特定ルート(第1流下経路L1及び第2流下経路L2)に第2規定個数の遊技球を振り分ける単位振分動作を行うように振分装置40を構成しても良い。これにより、振分個数(第1規定個数+第2規定個数)を入球口41に入球させた場合、第1規定個数の遊技球を特定ルートに遊技球を振分けることができる。
なお、特定ルートは、第2始動入球口15a及び普通入球口16aが配置されるルートである。第1規定個数及び第2規定個数は、それぞれ任意の整数である。また、特定ルートの数は、1つでも複数でもよい。特定ルートの数を複数にした場合、第1規定個数は、特定ルートの合計数以上となる。また、特定ルートを構成する各経路に振り分けられる遊技球の数は、予め決められていれば、同じでも異ならせても良い。例えば、第1の特定ルートに1個振り分けた後、第2の特定ルートに2個振り分けるようにしてもよい。また、第1の特定ルートに1個振り分けた後、第2の特定ルートに1個振り分け、その後、第1の特定ルートに1個振り分けるようにしてもよい。
同様に、非特定ルートの数は、1つでも複数でもよい。非特定ルートの数を複数にした場合、第2規定個数は、非特定ルートの合計数以上となる。また、非特定ルートを構成する各経路に振り分けられる遊技球の数は、予め決められていれば、同じでも異ならせても良い。例えば、第1の非特定ルートに1個振り分けた後、第2の非特定ルートに2個振り分けるようにしてもよい。また、第1の非特定ルートに1個振り分けた後、第2の非特定ルートに1個振り分け、その後、第1の非特定ルートに1個振り分けるようにしてもよい。なお、遊技球を振り分ける経路の順番は予め決められていることが望ましい(ランダムではないことが望ましい)。
また、このように構成するときに、上記第1実施形態では、第2始動入球口15aにおける払出条件又は普通入球口16aにおける払出条件が成立した場合、第1規定個数と第2規定個数の合算値を、第1規定個数で除算した値以上の個数の遊技球がいずれも払い出されるようにすることが望ましい。例えば、第1規定個数が2個で、第2規定個数が2個である場合、2個以上の遊技球が払い出されることが望ましい。このようにすれば、振分装置40の入球口41に遊技球を続けて入球させた場合、遊技球が減りにくくなり、遊技を長時間継続することが可能となっている。
より詳しくは、上記第1実施形態では、第2始動入球口15aにおける払出条件又は普通入球口16aにおける払出条件が成立した場合、第1規定個数と第2規定個数の合算値を、第1規定個数で除算した値以上の整数値のうち、最小値に相当する個数の遊技球がいずれも払い出されることがより好ましい。例えば、第1規定個数が2個で、第2規定個数が2個である場合、2個の遊技球が払い出されることが望ましい。これにより、単位振分動作がなされるために振分装置40の入球口41に入球させることが必要な個数(振分個数)に相当する遊技球が入球口41に入球した場合、振分個数に相当する遊技球がほぼ払い出される。このため、入球口41に遊技球を入球させることにより、遊技球がほぼ増減することなく、図柄変動ゲームの始動条件だけを続けて成立させることが可能となる。
一方、上記第2実施形態では、普通入球口16aにおける払出条件が成立した場合、第1規定個数と第2規定個数の合算値を、第1規定個数で除算した値以上の個数の遊技球が払い出される一方、第2始動入球口15aにおける払出条件が成立した場合には、第1規定個数と第2規定個数の合算値を、第1規定個数で除算した値未満の個数の遊技球が払い出されるようにすることが望ましい。例えば、第1規定個数が2個で、第2規定個数が2個であるとき、第2始動入球口15aに入球した場合には、1個以下の遊技球が払いされる一方、普通入球口16aに入球した場合には、2個以上の遊技球が払い出されることが望ましい。このようにすれば、振分装置40の入球口41に遊技球を続けて入球させた場合、第2始動入球口15aに遊技球を入球させることができなくても、遊技球が減りにくくなり、遊技を長時間継続することが可能となっている。
より詳しくは、上記第2実施形態では、普通入球口16aにおける払出条件が成立した場合には、第1規定個数と第2規定個数の合算値を、第1規定個数で除算した値以上の整数値のうち、最小値に相当する個数の遊技球が払い出されることがより好ましい。例えば、第1規定個数が2個で、第2規定個数が2個であるとき、普通入球口16aに入球した場合には、2個の遊技球が払い出されることが望ましい。これにより、単位振分動作がなされるために振分装置40の入球口41に入球させることが必要な個数(振分個数)に相当する遊技球が入球口41に入球した場合、第2始動入球口15aに入球させることができなくても、振分個数に相当する遊技球がほぼ払い出される。このため、入球口41に遊技球を入球させることにより、第2始動入球口15aに入球させることができない場合であっても、普通入球口16aに入球すれば、遊技球がほぼ増減することがない。このため、遊技球がほぼ増減することなく、特別図柄変動ゲームの始動条件を続けて成立させるチャンスを得ることが可能となる。
・上記実施形態において、振分装置40は、特定ルート(第3流下経路L3)に1個の遊技球を振分け、非特定ルート(第1流下経路L1及び第2流下経路L2)に2個の遊技球を振り分ける単位振分動作を行っていた。この別例として、遊技球を複数のルート(流下経路)のいずれかに振り分ける振分装置40であって、ルート毎に予め定められた規定個数ずつの遊技球を各ルートに順番に振分ける単位振分動作を、繰り返し行う振分装置40を設けても良い。この際、第2始動入球口15a及び普通入球口16aが配置される特定ルートは、全ルート数を上限として、1又は複数存在するようにすればよい。
なお、ルート毎に予め定められた規定個数は、それぞれ任意の整数である。各ルートに振り分けられる遊技球の数(規定個数)は、予め決められていれば、同じでも異ならせても良い。例えば、第1のルートに1個振り分けた後、第2のルートに2個振り分けるようにしてもよい。また、第1のルートに1個振り分けた後、第2のルートに2個振り分け、その後、第3のルートに1個振り分けるようにしてもよい。なお、遊技球を振り分けるルートの順番は予め決められていることが望ましい(ランダムではないことが望ましい)。
また、このように構成するときに、上記第1実施形態では、第2始動入球口15aにおける払出条件又は普通入球口16aにおける払出条件が成立した場合、全てのルートについてそれぞれ定められた規定個数の合計値を、すべての特定ルートについてそれぞれ定められた規定個数の合計値によって、除算した値以上の個数の遊技球がいずれも払い出されるようにすることが望ましい。例えば、第1のルート(特定ルート)の規定個数が1個で、次に振り分けられる第2のルート(非特定ルート)の規定個数が6個で、さらにその次に振り分けられる第3のルート(特定ルート)の規定個数が2個である場合、3個以上の遊技球が払い出されることが望ましい。このようにすれば、振分装置40の入球口41に遊技球を続けて入球させた場合、遊技球が減りにくくなり、遊技を長時間継続することが可能となっている。
より詳しくは、上記第1実施形態では、第2始動入球口15aにおける払出条件又は普通入球口16aにおける払出条件が成立した場合、全てのルートについてそれぞれ定められた規定個数の合計値を、すべての特定ルートについてそれぞれ定められた規定個数の合計値によって、除算した値以上の整数値のうち、最小値に相当する個数の遊技球がいずれも払い出されることがより好ましい。例えば、第1のルート(特定ルート)の規定個数が1個で、次に振り分けられる第2のルート(非特定ルート)の規定個数が6個で、さらにその次に振り分けられる第3のルート(特定ルート)の規定個数が2個である場合、3個の遊技球が払い出されることが望ましい。これにより、単位振分動作がなされるために振分装置40の入球口41に入球させることが必要な個数(振分個数)に相当する遊技球が入球口41に入球した場合、振分個数に相当する遊技球がほぼ払い出される。このため、入球口41に遊技球を入球させることにより、遊技球がほぼ増減することなく、図柄変動ゲームの始動条件だけを続けて成立させることが可能となる。
一方、上記第2実施形態では、普通入球口16aにおける払出条件が成立した場合、全てのルートについてそれぞれ定められた規定個数の合計値を、すべての特定ルートについてそれぞれ定められた規定個数の合計値によって、除算した値以上の個数の遊技球が払い出され、第2始動入球口15aにおける払出条件が成立した場合には、全てのルートについてそれぞれ定められた規定個数の合計値を、すべての特定ルートについてそれぞれ定められた規定個数の合計値によって、除算した値未満の個数の遊技球が払い出されるようにすることが望ましい。例えば、第1のルート(特定ルート)の規定個数が1個で、次に振り分けられる第2のルート(非特定ルート)の規定個数が6個で、さらにその次に振り分けられる第3のルート(特定ルート)の規定個数が2個であるとき、第2始動入球口15aに入球した場合には、2個以下の遊技球が払いされる一方、普通入球口16aに入球した場合には、3個以上の遊技球が払い出されることが望ましい。このようにすれば、振分装置40の入球口41に遊技球を続けて入球させた場合、第2始動入球口15aに遊技球を入球させることができなくても、遊技球が減りにくくなり、遊技を長時間継続することが可能となっている。
より詳しくは、上記第2実施形態では、普通入球口16aにおける払出条件が成立した場合、全てのルートについてそれぞれ定められた規定個数の合計値を、すべての特定ルートについてそれぞれ定められた規定個数の合計値によって、除算した値以上の整数値のうち、最小値に相当する個数の遊技球がいずれも払い出されることがより好ましい。例えば、第1のルート(特定ルート)の規定個数が1個で、次に振り分けられる第2のルート(非特定ルート)の規定個数が6個で、さらにその次に振り分けられる第3のルート(特定ルート)の規定個数が2個であるときに、普通入球口16aに入球した場合、3個の遊技球が払い出されることが望ましい。これにより、単位振分動作がなされるために振分装置40の入球口41に入球させることが必要な個数(振分個数)に相当する遊技球が入球口41に入球した場合、第2始動入球口15aに入球させることができなくても、振分個数に相当する遊技球がほぼ払い出される。このため、入球口41に遊技球を入球させることにより、第2始動入球口15aに入球させることができない場合であっても、普通入球口16aに入球すれば、遊技球がほぼ増減することがない。このため、遊技球がほぼ増減することなく、特別図柄変動ゲームの始動条件を続けて成立させるチャンスを得ることが可能となる。
・上記第1実施形態において、第2始動入球口15aにおける払出条件が成立したときに払い出される遊技球の数は、普通入球口16aにおける払出条件が成立したときに払い出される遊技球の数と同じにしたが、多くしてもよい。これにより、始動条件が成立しなくても、遊技球が増えやすくなるため、より長期間遊技を継続させる意欲を持たせることができる。
・上記第1実施形態において、第2始動入球口15aにおける払出条件が成立したときに払い出される遊技球の数は、普通入球口16aにおける払出条件が成立したときに払い出される遊技球の数と同じにしたが、少なくしてもよい。これにより、始動入球口に遊技球が入球するかについてより注目させることができる。
・上記実施形態において、振分装置40は、電気を使用せずに、遊技球及び振分部材の自重などを利用した機械式の振分機構を採用したが、予め決められた単位振分動作を繰り返し行うことができるならば、モータやソレノイドなどのアクチュエータを使用した振分機構(振分装置40)を採用しても良い。
・上記実施形態において、透過性を有さない目隠し板40bを備えても良い。これにより、どの流下経路に遊技球が振り分けられるかについて注目させ、また、第1振分部材50及び第2振分部材60の状態を予想して遊技を行わせることができる。
・上記実施形態において、目隠し板40bを備えなくても良い。これにより、第1振分部材50及び第2振分部材60の状態を確認することができ、どの経路に流下するか予想しながら遊技を行うことができる。
・上記実施形態において、第1通路42a〜第3通路42cの下流に配設する各種入球口を異ならせても良い。例えば、第1通路42aの下流に第2始動入球口15aを、第2通路42bの下流に第1大入賞口18aを、第3通路42cの下流に第2大入賞口19aをそれぞれ配設してもよい。つまり、第2始動入球口15aに遊技球を向かわせる流下経路に対して、遊技球を一定確率で振り分けられることができるのであれば、各種通路と各種入球口の組み合わせは問わない。
・上記実施形態では、振分装置40を設けなくてもよい。このような場合、第3流下経路L3への到達率が安定しない。ただし、第3流下経路L3に遊技球が誘導されたのであれば、第2始動入球口15aに遊技球が入球しなくても、誘導通路YTを介して普通入球口16aに入球する確率が高いので、依然として、第2始動入球口15aへの入球率を考慮する必要はない。つまり、変動し得る2個の値(第3流下経路L3への到達率及び第2始動入球口15aへの入球率)を掛け合わせてベース値を算出する場合、ベース値は適宜変化する虞があるが、1個でも値が安定しているのであれば(この例では普通入球口16aへの入球率)、変動し得る2個の値を掛け合わせてベース値を算出する場合よりもベース値が安定する。
・上記実施形態において、振分装置40の配設箇所はセンター役物Y5の右方に限られない。ただし、入球口41の上方に遊技釘Kが植設されている場合、遊技釘Kに当接することで遊技球の流下経路が変化してしまう可能性がある。このような場合、発射された遊技球が入球口41に必ず入球するとは限らず、第3流下経路L3への到達率が安定しない。ただし、普通入球口16aへの入球率は、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bによって安定化されているため、変動し得る2個の値を掛け合わせてベース値を算出する場合よりもベース値が安定する。
・上記実施形態において、振分装置40を構成する振分部材の個数を変更しても良い。なお、振分部材の個数を1個としても良いが、複数個とした方が流下経路の分岐バリエーションが増加するため、複数個とすることが好ましい。
・上記実施形態において、第1流下経路L1〜第3流下経路L3に振り分けられる遊技球の個数が第1流下経路L1〜第3流下経路L3毎に変わらず一定数であるならば、一定数を2個以上としてもよい。
・上記実施形態において、誘導部材Aを省略してもよい。
・上記実施形態において、規制部材17dを省略してもよい。
・上記実施形態において、第3流下経路L3に振り分けられた遊技球が、第3流下経路L3以外の流下経路に流下し難くするための構成は、上記実施形態の構成に限られない。例えば、規制部材17dの代わりに、遊技釘Kを遊技球の直径よりも短い間隔で植設してもよいし、第2誘導部材17bの最上流端とコーナー飾り部材R5との隙間を別の樹脂部材で覆うなどしてもよい。また、第2誘導部材17bの第3側面S3がコーナー飾り部材R5に接触するように、第2誘導部材17bを配置してもよい。
・上記第1実施形態では、第2始動入球口15aへの入球を契機に払い出される遊技球数と、普通入球口16aへの入球を契機に払い出される遊技球数を異ならせてもよい。例えば、普通入球口16aへ入球した遊技球の検知を契機に払い出される遊技球数が第2始動入球口15aへ入球した遊技球の検知を契機に払い出される遊技球数よりも多い場合、普通入球口16aへ入球した遊技球の検知を契機に払い出される遊技球を基準としなければならないので、ベース値を再算出しなければならない。ただし、第2始動入球口15aに入球する場合よりも多くの賞球が得られるため、遊技者に不利な印象を与えずに済む。
・上記第1実施形態では、第2始動入球口15aへの入球を契機に払い出される遊技球数及び普通入球口16aへの入球を契機に払い出される遊技球数と、振分装置40が振分対象とする全流下経路数を異ならせてもよい。また、第2始動入球口15aへの入球を契機に払い出される遊技球数と振分装置40が振分対象とする全流下経路数を同一とするが、普通入球口16aへの入球を契機に払い出される遊技球数と振分装置40が振分対象とする全流下経路数を異ならせてもよい。
・上記実施形態において、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球を普通入球口16aに誘導させることができるのであれば、第2始動入球部15、普通入球部16、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bの位置関係は、上記実施形態の配置に限られない。すなわち、第2始動入球部15全体よりも普通入球部16全体が下方に位置していなくても、第2始動入球部15の第2始動入球口15aよりも普通入球部16の普通入球口16aが下方に位置していれば、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球が普通入球口16aに入球し得るからである。よって、例えば、第2始動入球部15において、第2始動入球部15の上下方向における略真ん中と同じ高さに、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bにおける第4側面S4の最上流端が位置していてもよい。
・上記実施形態において、第1流下経路L1〜第3流下経路L3を画成できるのであれば、該流下経路を構成する部材は、遊技釘Kでも樹脂部材でも構わない。
・上記実施形態において、第2始動入球口15aを開閉することができるのであれば、開閉部材はどのような形状であっても構わない。例えば、開閉部材を遊技盤YBの前後方向に延びる1枚のシャッターとし、該シャッターが遊技盤YBの奥方に収容されている場合には、第2始動入球口15aが開状態となる一方、シャッターが遊技盤YBの前後方向に突出している場合には、第2始動入球口15aが閉状態となるようにしてもよい。
・上記実施形態において、第2始動入球口15aは、開閉羽根15bが閉状態であるときに遊技球が入球し得るようになっていても構わない。ただし、開閉羽根15bが開状態である時に比して入球し難いことが前提である。
・上記実施形態において、普通入球部16の上流に位置する第2始動入球口15aは、常時開口している入球口であってもよい。
・上記実施形態において、普通入球部16は、開閉部材によって入球口が開閉されるものであってもよい。ただし、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球が普通入球口16aに高確率で入球しないと意味がないため、普通入球口16aに遊技球を積極的に入球させる構成を備えることが好ましい。例えば、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bの第4側面S4に停留部材を設け、開閉部材の閉鎖中は停留部材によって遊技球を停留させる一方、開閉部材の開放タイミングで停留部材を原位置に収容し、遊技球を普通入球口16aに誘導する構成などが考えられる。
・上記実施形態において、所望の入球口に入球しなかった遊技球を高確率で入球させるための入球口は、第2始動入球口15aと普通入球口16aの組み合わせに限られない。その組み合わせとしては、例えば、大入賞口と普通入球口16aが考えられる。このような構成とすることで、上方に位置する入球口に遊技球が入球せず、特典を得られなかったとしても、入球しなかった遊技球が下方に位置する入球口に入球する可能性が高ければ、下方に位置する入球口に基づく特典が付与される可能性が高いため、遊技者に不利な印象を与えない。このような効果を得るためには、下流に位置する入球口は、常時開口していることが望ましい。また、上方に位置する入球口に入球した遊技球は、図示しない排出路によって機裏側に排出されることが望ましい。また、上方に位置する入球口に入球しなかった遊技球を下方に位置する入球口に入球させるために、実施形態の構成(下流に位置する入球口の直上に誘導部17cが位置するように誘導部材を配設する、又は規制部材17dを設ける等)を採用してもよい。
・上記実施形態において、誘導部材の形状は、例えば、漏斗状や樋状、板状であってもよい。すなわち、遊技釘Kのように曲げ方向や曲げ具合を簡単に調整し難く、かつ誘導部材への当接によって遊技球の流下方向が変化し難ければ、どのような形状で形成されていてもよい。誘導部材への当接によって遊技球の流下方向が変化すると、入球口への入球率が変化してしまうからである。また、遊技釘Kを遊技球の直径よりも短い間隔で植設し、曲げ具合や曲げ方向が調整困難となるよう、遊技釘Kを遊技盤YBに対して深く植設したものを誘導部材としてもよい。
・上記実施形態は、1個の大入賞口を備えたパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・上記実施形態において、副基板31の他に、統括制御基板や中継基板を設けても良い。
・上記実施形態において、主基板30と副基板31を1つの基板としてもよい。
・上記実施形態において、誘導部17cの下端P2から普通入球口16aの上端16bまでの上下方向における距離Xは、遊技球の直径よりもわずかに長く、左右方向に遊技球が通過可能であるようにしたが、距離Xを遊技球の直径よりも短く構成しても良い。このようにすれば、誘導部17cを通過した遊技球は、必ず普通入球口16a入球することとなる。
・上記実施形態において、入球率向上状態の開始条件及び終了条件を変更しても良い。例えば、大当りとなる可能性が高くなる確変状態が付与されているときに所定の大当り遊技が付与されたときに、開始条件が成立するようにしてもよい。また、終了条件は、所定の大当り遊技が付与されるときまでとしてもよい。
・上記実施形態において、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bは、遊技球を普通入球口16aへ誘導するような形状であるならば、任意に変更しても良い。
・上記実施形態において、入球率向上状態用の変動パターンにより定められる普通図柄変動ゲームの変動時間を任意に変更しても良い。すなわち、作動ゲート25に遊技球が入球してから、第2始動入球口15aに遊技球が入球するまでに要する時間以内にしなくてもよい。
・上記実施形態において、作動ゲート25と、第2始動入球口15aを同じ流下経路上に配置しても良い。この場合、作動ゲート25(普通始動入球口)に遊技球が入球してから第2始動入球口15aに遊技球が入球するまでに要する時間は、作動ゲート25に遊技球が入球してから、第2始動入球口15a及び作動ゲート25が配置されているルートに新たに振り分けられた遊技球が、第2始動入球口15aに入球するまでに要する時間に設定されることが望ましい。これにより、遊技球を連続して発射すれば、開状態になることに合わせて、第2始動入球口15aが配置されたルートに遊技球を入球させることができる。従って、1回の単位振分動作が終了するまで連続して発射する意欲を持たせることができる。また、開状態となる時間も予め決められているため、遊技球を連続して発射させる意欲を持たせることができる。
なお、作動ゲート25に遊技球が入球してから、第2始動入球口15aに遊技球が入球するまでに要する時間は、第2始動入球口15a及び前記作動ゲート25が配置されているルートに遊技球が振り分けられてから、再び当該ルートに振り分けられるまでに要する時間(単位振分動作に要する時間)によって定められるようにしてもよい。すなわち、単位振分動作に要する時間以上の時間が、設定されるようにしてもよい。但し、このようにする場合、振分装置40の入球口41に入球してから作動ゲート25に遊技球が入球するまでの時間と、入球口41に入球してから第2始動入球口15aに遊技球が入球するまでの時間が固定時間であり、ほぼ同一であることが望ましい。
・上記実施形態において、作動ゲート25と、第2始動入球口15aを同じ流下経路上に配置しても良い。そして、この場合において、普通図柄変動ゲームの変動時間を、作動ゲート25を通過した遊技球が、第2始動入球口15aに到達するまでの時間(平均時間)となるようにしても良い。このようにすれば、普通当り遊技により開状態となった第2始動入球口15aに、当該普通当り遊技の契機となった遊技球を入球させることができる。
・上記実施形態において、普通入球口16aへの入球に基づき実行される予告演出は、実行中の特別図柄変動ゲームが大当りとなる大当り期待度を示していたが、実行が保留されている特別図柄変動ゲームが大当りとなる可能性を、当該特別図柄変動ゲームが実行される前に(又は前から)示唆する先読み予告としてもよい。これにより、先読み予告を実行させるための保留記憶数を所定値以上にして、普通入球口16aに遊技球を入球させる意欲をより持たせることができる。
・上記実施形態では、普通入球口16aに遊技球が入球した場合、予告演出が実行されたが実行されなくても良い。
・上記実施形態において、予め決められた演出内容(例えば、リーチ演出などの大当り期待度が高い演出内容のとき)の図柄変動ゲーム中に、普通入球口16aに遊技球が入球した場合に限って、予告演出を実行させても良い。
・上記実施形態において、普通入球口16aに遊技球が入球した場合、大当りとなる可能性を示唆する予告演出の代わりに、確変状態が付与されている可能性を示唆する確変示唆演出や、入球率向上状態の付与回数を示唆する演出、確変状態の付与回数を示唆する演出などを実行させても良い。また、付与される大当り遊技の種類を示唆する大当り内容示唆演出を代わりに実行させても良い。
・上記実施形態において、第1特別図柄変動ゲームで当り抽選に当選した場合に、第1大入賞扉18bが開放されたが、第2特別図柄変動ゲームで当り抽選に当選した場合に、開放されても良い。同様に、第2特別図柄変動ゲームで当り抽選に当選した場合に、第2大入賞扉19bが開放されたが、第1特別図柄変動ゲームで当り抽選に当選した場合に、開放されても良い。また、1回の大当り遊技中に、第1大入賞扉18bと、第2大入賞扉19bが開放されても良い。但し、この場合であっても、第1大入賞扉18bが開放されているときには、第2大入賞扉19bが閉鎖されることが望ましく、第2大入賞扉19bが開放されているときには、第1大入賞扉18bが閉鎖されることが望ましい。
・上記実施形態では、普通入球口16aに遊技球が入球した場合、演出制御用CPU31aは、主基板30を介して、普通入球口16aに遊技球が入球した旨の通知を受け取っていたが、直接入力することができるようにしてもよい。
・上記実施形態において、振分装置40により遊技球が振り分けられてから作動ゲート25に到達するまでの時間(又は距離)が、振分装置40により遊技球が振り分けられてから第2始動入球口15aに到達するまでの時間(又は距離)がほぼ同じであるならば、作動ゲート25が配置されているルートに遊技球が振り分けられてから、第2始動入球口15aが配置されているルートに振り分けられるまでに要する時間に基づき、入球率向上状態用の変動パターンにより定められる普通図柄変動ゲームの変動時間を定めても良い。すなわち、上記実施形態では、第2流下経路L2に遊技球が振り分けられてから第3流下経路L3に遊技球が振り分けられるまでの時間(すなわち、1球の遊技球が発射される間隔=0.6秒)としてもよい。
・上記実施形態において、作動ゲート25を、第2流下経路L2に設けずに、第1流下経路L1に設けても良い。このようにした場合、作動ゲート25が配置されている第2流下経路L2に遊技球が振り分けられてから、第2始動入球口15aが配置されている第3流下経路L3に振り分けられるまでに要する時間が、1.2秒となる。このため、入球率向上状態用の普図変動パターンにより定められる普通図柄変動ゲームの変動時間は、少なくとも1.2秒以上の時間が設定されることとなる。
・上記第2実施形態において、第2始動入球口15aに遊技球が入球し、払出し条件が成立した場合、2個(規定個数)の遊技球が払い出されたが、振分個数(3個)未満であれば(規定個数(2個)以下ならば)、任意に変更しても良い。すなわち、0〜2個の間で払出し個数を変更しても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)上記遊技機において、前記始動入球口へ向かう特定ルートを流下した遊技球のうち、前記始動入球口に入球しなかった遊技球は、前記一般入球口に入球するようにしてもよい。
(ロ)上記遊技機において、前記始動入球口における前記払出条件又は前記一般入球口における前記払出条件が成立した場合、第1規定個数と第2規定個数の合算値を、第1規定個数で除算した値以上の整数値のうち、最小値に相当する個数の遊技球がいずれも払い出されるようにしてもよい。
(ハ)上記遊技機において、前記始動入球口における前記払出条件又は前記一般入球口における前記払出条件が成立した場合、全てのルートについてそれぞれ定められた規定個数の合計値を、すべての特定ルートについてそれぞれ定められた規定個数の合計値によって、除算した値以上の整数値のうち、最小値に相当する個数の遊技球がいずれも払い出されるようにしてもよい。
(ニ)上記遊技機において、前記始動入球口へ向かう特定ルートを流下した遊技球のうち、前記始動入球口に入球しなかった遊技球を前記一般入球口へ誘導する誘導通路を備え、前記誘導通路は、誘導面を有するようにしてもよい。
(ホ)上記遊技機において、前記始動入球口における前記払出条件が成立したときに払い出される遊技球の数は、前記一般入球口における前記払出条件が成立したときに払い出される遊技球の数よりも多くしてもよい。
(ヘ)上記遊技機において、前記始動入球口における前記払出条件が成立したときに払い出される遊技球の数は、前記一般入球口における前記払出条件が成立したときに払い出される遊技球の数と同じにしてもよい。
(ト)上記遊技機において、前記始動入球口における前記払出条件が成立したときに払い出される遊技球の数は、前記一般入球口における前記払出条件が成立したときに払い出される遊技球の数よりも少なくしてもよい。