以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMの正面図及び背面図を図1及び図2に示しており、まず、この図を参照して、ぱちんこ遊技機PMの全体構成について概要説明する。なお、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMは、従来の第1種ぱちんこ遊技機に相当する機能を二つ混在した機種であり、第1の遊技(第1特別図柄遊技)と第2の遊技(第2特別図柄遊技)とを展開可能である。
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
はじめに、図1を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PM(単に「遊技機PM」とも称する)は、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3a,3bにより横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2には、この前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス枠5が上下のヒンジ機構3を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。前枠2には、遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5の複層ガラス5aを通して遊技盤20の正面の遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。
ガラス枠5の前面側には、遊技の展開状況に応じて発光する枠ランプ(LEDランプ)11や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生するスピーカ8が設けられている。ガラス枠5の下部には遊技球を貯留する上下の球皿(上球皿6及び下球皿7)が設けられている。下球皿7は、ガラス枠5の左右の中心に対して左側に寄って配置されており、この下球皿7の正面右側に形成される空きスペースには、所定の演出操作を行うための演出操作装置(演出ボタン)12が取り付けられている。
前枠2の右下部には、遊技球の発射操作を行う発射ハンドル9が設けられている。前枠2の下部には、図3に示すように、ガラス枠5の背後において遊技盤20と上下に整合し得る位置に遊技補助盤25と称される補助機構部が形成されており、この遊技補助盤25の各部に、上球皿6に貯留された遊技球を1球ずつ送り出す球送り機構26、球送り機構26から送り出された遊技球を遊技領域PAへ向けて打ち出す発射機構27などが設けられている。
遊技盤20は、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂材料を用いて矩形平板状に形成された基板をベースとして構成されている。遊技盤20の前面には、図4に示すように、外レール41及び内レール42が円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成されている。また、外レール41と内レール42とにより遊技球を遊技領域PAへ案内するための案内通路44が形成され、この案内通路44における遊技球の出口開口の近傍位置(内レール42の先端部に)、該出口開口から遊技領域PA内へ放出された遊技球が再び案内通路44へ逆戻りするのを防止する球戻り防止装置47が配設されている。この遊技領域PAには、風車97や多数本の遊技釘95とともに、第1始動口51、第2始動口52、作動ゲート53、大入賞口54、一般入賞口55,56,57などの各種入賞口の他、後述の主制御基板100が主体的に点灯制御する主制御表示装置60が配設されている。遊技領域PAの略中央にはセンター飾り80が配設されており、このセンター飾り80の中央開口を通して演出表示装置70の画面が視認可能に設けられている。遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに転動流下した遊技球を遊技盤20の裏側へ排出するアウト口29が設けられている。以下、遊技盤20に設けられた各構成要素を順番に説明する。
第1始動口51は、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動口スイッチ511を備えている。この第1始動口51は、上方に向けた開口された常時開放型の入賞口であり、主として左打ちに対応した盤面領域(後述の左側領域PA2)を流下する遊技球(左打ちした遊技球)が入球可能となっている。第1始動口51への遊技球の入球は、第1特別図柄抽選の契機となる。なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置61(図5を参照)において変動表示又は停止表示される特別図柄を「第1特別図柄」と呼称する。
第2始動口52は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第2始動口スイッチ521を備えている。この第2始動口51は、右打ちに対応した盤面領域(後述の右側領域PA2)に配設され、主として右側領域PA3を流下する遊技球(右打ちした遊技球)が入球可能となっている。第2始動口52への遊技球の入球は、第2特別図柄抽選の契機となる。なお、本実施形態では、第2特別図柄表示装置62(図5を参照)において変動表示又は停止表示される特別図柄を「第2特別図柄」と呼称する。この第2始動口52は、一般に電チューと称される普通電動役物522と、この普通電動役物522を開閉駆動させるための普通電動役物ソレノイド523とを備える。普通電動役物522は、盤面と略直交する支軸を中心に揺動自在に設けれて第2始動口52を開閉する開閉部材524を備えており、普通電動役物ソレノイド523の駆動に伴って、遊技球が第2始動口52に入球可能又は入球容易な開放状態と、遊技球が第2始動口52に入球不能又は入球困難な閉鎖状態とに可変する。つまり、普通電
動役物522は、開放状態に変位しなければ遊技球が第2始動口52へ入球し難い構造となっており、後述の所定の契機(普通図柄抽選に当選する契機)で開放状態となると遊技球の入球容易性が高くなる。
作動ゲート53は、普通図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の通過を検出するための作動ゲートスイッチ531を備えている。この作動ゲート53は、第2始動口52の上方側に配設されており、主として右打ちに対応した盤面領域(後述の右側領域PA3)を流下する遊技球(右打ちした遊技球)が入球可能となっている。なお、作動ゲート53への遊技球の通過は、第2始動口52を開放状態とするか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。
大入賞口54は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選結果が大当り又は小当りとなった場合に開放状態となる横長方形状をなす入賞口として形成される。大入賞口54は、遊技球の入球を検出するための大入賞口スイッチ541と、一般にアタッカーと称される特別電動役物542と、この特別電動役物542を開閉駆動させるための大入賞口ソレノイド543とを備えている。特別電動役物542は、遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態と、遊技球が大入賞口54に入球不能又は入球困難な閉鎖状態とに可変する。本例において大入賞口54は、遊技領域PAにおける右側領域PA3に設けられている。そのため、特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)においては、遊技球を発射する際に、いわゆる右打ちを行うことで、大入賞口54への入球が容易となっている。
一般入賞口55~57は、左打ちに対応した盤面領域(後述の左側領域PA1)に配設され、この左側領域PA2を流下した遊技球が入球可能である。一般入賞口55~57は、遊技球の入球を検出するための一般入賞口スイッチ551を備えている。この一般入賞口スイッチ551は、コスト低減等の観点から、三つの一般入賞口55~57の共通センサ(シングルセンサ)として構成されており、いずれの一般入賞口55~57への遊技球の入球も検出が可能である。各一般入賞口55~57への遊技球の入球は特別図柄又は普通図柄の抽選の契機とはならないが、他の入賞口(作動ゲート53を除く)と同様に賞球獲得の契機となる。なお、変形例として、右打ちに対応した盤面領域(後述の右側領域PA3)にも、一般入賞口を備えてもよい。
主制御表示装置60は、後述の主制御基板100にて点灯制御されるLED表示装置である。この主制御表示装置60には、図5に示すように、第1特別図柄表装置61、第2特別図柄表示装置62、第1特別図柄保留ランプ63、第2特別図柄保留ランプ64、普通図柄表示装置65、普通図柄保留ランプ66、ラウンド表示灯67、状態表示灯68、右打ち指示灯69、エラー表示灯Erなどの各種表示手段が設けられている。
第1特別図柄表示装置61は、遊技球が第1始動口51に入球したことを契機として、第1特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第1特別図柄表示装置61は、8個のLEDセグメントG~Nから構成され、第1特別図柄の変動表示は当該LEDセグメントの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第1特別図柄が確定表示される。
第2特別図柄表示装置62は、遊技球が第2始動口52に入球したことを契機として、第2特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第2特別図柄表示装置62は、8個のLEDセグメントQ~Xから構成され、第2特別図柄の変動表示は当該LEDセグメントの点滅パターンに従って表現され、当該LEDセグメントの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第2特別図柄が確定表示される。
第1特別図柄保留ランプ63は、2個のLEDセグメントO,Pから構成され、当該L
EDセグメントの点灯・点滅表示によって第1特別図柄の作動保留球数(最大4個)を表現する。同じく、第2特別図柄保留ランプ64は、2個のLEDセグメントY,Zから構成され、当該LEDセグメントの点灯・点滅表示によって第2特別図柄の作動保留球数(最大4個)を表現する。第1特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第1始動口51への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。同様に、第2特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第2始動口52への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。
普通図柄表示装置65は、1個のLEDセグメントCから構成され、普通図柄の変動表示及び確定表示を行う。
普通図柄保留ランプ66は、2個のLEDセグメントA,Bから構成され、当該LEDセグメントの点灯・点滅表示によって、普通図柄の作動保留球数(最大4個)を表現する。
ラウンド表示灯67は、左表示灯67a及び右表示灯67bから構成され、特別遊技におけるラウンド遊技(単位遊技)の回数(規定ラウンド数:特別電動役物が連続して作動する回数)を表示する。左表示灯67aは2個のLEDセグメントから構成され、右表示灯67bは7個のLEDセグメントから構成され、当該LEDセグメントの点灯表示によって、特別遊技の規定ラウンド数を表現する。
状態表示灯68は、2個のLEDセグメントD,Eから構成され、当該LEDセグメントの点灯表示によって、特別図柄の確率変動機能の作動状態と、普通図柄の確率変動機能の作動状態とを表現する。
右打ち指示灯69は、1個のLEDセグメントFから構成され、当該LEDセグメントの点灯表示によって、遊技領域PAの右側を狙って遊技球を発射すべき遊技状態(右打ちすべき遊技状態)であるか否かを表現する。
エラー表示灯Erは、1個のLEDセグメントBから構成され、当該LEDセグメントの点灯表示によって、遊技機PMのエラーの発生状況を表現する。
演出表示装置70は、主として、第1特別図柄又は第2特別図柄と連動して変動表示・停止表示する装飾図柄の変動演出や大当りの期待度を予告的に示唆又は報知する予告演出を含む演出画像を表示するとともに、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球に対応した保留表示を行う。演出表示装置70には、図4に示すように、装飾図柄の変動表示などが実行される装飾図柄表示領域700と、第1特図保留ランプ63および第2特図保留ランプ64と同期して第1特別図柄およぶ第2特別図柄の保留画像が表示される保留画像表示領域710と、当該変動表示に対応する変動中画像が表示される変動中画像表示領域720が設けられている。本実施形態では、演出表示装置70として、液晶表示装置を採用している。装飾図柄表示領域700には、所定の有効ライン(不図示)上に、装飾図柄の変動表示領域となる三列の表示領域(左図柄表示領域Z1、中図柄表示領域Z2、右図柄表示領域Z3)が設けられており、左図柄表示領域Z1に対応して装飾図柄の左図柄、中図柄表示領域Z2に対応して装飾図柄の中図柄、右図柄表示領域Z3に対応して装飾図柄の右図柄がそれぞれ停止表示されるようになっている。保留画像表示領域710には
、第1特別図柄の作動保留球に対応する保留画像(保留アイコン)と、第2特別図柄の作動保留球に対応する保留画像(保留アイコン)とが表示される。保留画像は、特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示され、第1特別図柄の保留画像として最大で4個、第2特別図柄の保留画像として最大で4個の表示が可能である。また、変動中画像表示領域720には、現在実行中の当該変動表示に対応する変動中画像(変動中アイコン)が表示される。
センター飾り80は、演出表示装置70の周囲に設置され、遊技球の流路、演出画面の保護、装飾等の機能を有する。このセンター飾り80には、遊技の展開状況に応じて演出動作を実行する複数の可動演出装置600,640,650が設けられている。各可動演出装置600,640,650は、駆動源としてステッピングモータをそれぞれ備えている。なお、可動演出装置600,640,650の駆動源は、ステッピングモータに限定されることなく、例えばサーボモータやソレノイドなどの他の電気アクチュエータを適用してもよい。
第1可動演出装置600は、センター飾り80の左右両端に跨って上下方向にスライド自在に支持された第1可動体役物601と、この第1可動体役物601を駆動させるための駆動機構(ステッピングモータや歯車機構等から構成される)とを有して構成されている。第1可動体役物601は、本遊技機のタイトル名を図案化したいわゆるロゴ役物であり、内部に配置された不図示のLED基板(後述の役物ランプ603:図6を参照)により発光表示可能に構成されている。第1可動体役物601は、上方にスライド(上昇移動)してセンター飾り80の上側に退避する初期位置(他の初期位置と区別するため「第1初期位置」と呼称する)と、下方にスライド(下降移動)して演出表示装置70の画面前方に重畳する可動位置との間でスライド可能である。なお、第1可動演出装置600の構成については、後に詳述する。
第2可動演出装置640は、センター飾り80の上部を支点に上下方向に揺動自在に支持される第2可動体役物641と、この第2可動体役物641を駆動させるための駆動機構(ステッピングモータや歯車機構等から構成される)とを有して構成されている。
第2可動体役物641は、人間の頭部(骸骨)を模した形状に形成され、内部に配置されたLED基板(後述の役物ランプ603)により発光表示可能に構成されている。第2可動体役物641は、上記支点を中心に上方に揺動してセンター飾りの後方に退避する初期位置(他の初期位置と区別するため「第2初期位置」と呼称する)と、上記支点を中心に下方に揺動して演出表示装置70の画面前方に現れる可動位置(他の可動位置と区別するため「第2可動位置」と呼称する)との間で上下揺動可能である。
第3可動演出装置650は、センター飾り80の右下部を支点に左右方向に揺動自在に支持される第3可動体役物651と、この第3可動体役物651を駆動させるための駆動機構(ステッピングモータや歯車機構等から構成される)とを有して構成されている。
第3可動体役物651は、拳銃(ピストル)を模した形状に形成され、内部に配置された不図示のLED基板により発光表示可能に構成されている。第3可動体役物651は、上記支点を中心に右方に揺動してセンター飾り80の後方に退避する初期位置(他の初期位置と区別するため「第3初期位置」と呼称する)と、上記支点を中心に左方に揺動して演出表示装置70の画面前方に現れる可動位置(他の可動位置と区別するため「第3可動位置」と呼称する)との間で揺動可能である。
また、遊技盤20には、遊技の展開状況に応じて発光する盤ランプ(LEDランプ)25が設けられている。以下の説明では、便宜上、枠ランプ11、盤ランプ25および役物ランプ603を総称して「演出ランプLP」とも称する(図6を参照)。なお、遊技盤20の詳細な盤面構成については、後に詳述する。
続いて、図2を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの背面側の基本構造を説明する。前枠2の背面側には、図2に示すように、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された裏セット盤30が取り付けられている。裏セット盤30の各部には、遊技施設側から供給される多数個の遊技球を貯留する貯留タンク33、貯留タンク33からの遊技球を流下させる樋部材34、樋部材34により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニット35、賞球払出ユニット35から払い出された遊技球を上球皿6又は下球皿7へ流下させる裏側通路部材36などが設けられている。
遊技盤20の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御する主制御基板100や、演出全般の制御を行う演出制御基板200、遊技展開に応じた画像表示、効果音の制御を行う画像制御基板300などが取り付けられている。なお、本実施形態では、演出制御基板200および画像制御基板300は、演出表示装置(液晶表示装置)70と一体化されたアッセンブリ状態で液晶ユニット28を構成している。これに対して、裏セット盤30の背面側には、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板400や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板(図示せず)、遊技機PMの外部に外部情報信号(外端信号)を出力する外部情報端子板500(図6を参照)などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤20背面又は裏セット盤30背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
<ぱちんこ遊技機の制御構成>
次に、図6を追加参照して、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMに搭載された各制御基板について説明する。図6は、ぱちんこ遊技機PMの制御構成を示す制御ブロック図である。
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うメインCPU101と、制御プログラムや各種データ等を記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路104とを備えて構成された主制御マイコン(ワンチップマイコン)110を搭載しており、メインCPU101がROM102に記憶された制御プログラムに従って遊技進行に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、主制御基板100には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、メインCPU101が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とするCTC回路、メインCPU101によるプログラム処理(ソフトウェア乱数)とは別系統として動作して所定の乱数(内蔵乱数)を生成する乱数生成回路などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
メインCPU101は、各スイッチからの検出情報などに基づき、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。RAM103は、電源基板において生成されるバックアップ電源によってバックアップされる不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。RAM103のバックアップ領域は、電源断が生じた場合、当該電源断時に保持していたスタックポインタや各レジスタ等のデータを記憶しておくためのエリアとなっており、電源投入時(電源断復帰時)には当該バックアップ領域の情報に基づいて遊技機の状態が電源断前の状態に復帰されるようになっている。
また、主制御基板100は、第1始動口スイッチ511、第2始動口スイッチ521、作動ゲートスイッチ531、大入賞口スイッチ541、一般入賞口スイッチ551などと電気的に接続されており、I/Oポート回路104を介して、各種スイッチからの検出信号をメインCPU101に入力する。また、主制御基板100は、第1特別図柄表示装置61、第2特別図柄表示装置62、第1特図保留ランプ63、第2特図保留ランプ64、普通図柄表示装置65および普図保留ランプ66に電気的に接続されるとともに、普通電動役物ソレノイド523、特別電動役物ソレノイド543に電気的に接続されており、I/Oポート回路104を介して、メインCPU101からの制御信号を各種表示手段および各種ソレノイドに送信する。また、主制御基板100は、外部情報端子板500に電気的に接続されており、I/Oポート104を介して、メインCPU101からの遊技情報信号を外部端子板500に送信する。この外部情報端子板500は、主制御基板100から送信された遊技情報信号に基づいて、各種の外部情報信号を遊技機PMの外部に設置された外部装置(データ表示器、ホールコンピュータなど)に送信する。なお、主制御基板100から送信される遊技情報信号は、例えば払出制御基板400などを介して、外部情報端子板500に入力されるものであってもよい。
主制御基板100と演出制御基板200との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から演出制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から演出制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。演出制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできない。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うサブメインCPU201、演出制御プログラムや各種データ等を記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路204とを備えて構成された演出制御マイコン(ワンチップマイコン)210を搭載しており、サブメインCPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、演出制御基板200には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、サブメインCPU201が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、システムクロックに基づき各種信号を出力するTPU回路、TPU回路からの信号などに基づきタイマ割込み等の各種割込みを起動させる割込みコントローラ、シリアルデータを入出力するためのシリアル通信回路などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、画像制御基板300へ画像および音響を指示する画像制御コマンド、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)などを生成する。演出制御基板200は、画像制御基板300と双方向通信が可能に接続されており、画像および音響に関する画像制御コマンドが演出制御基板200から画像制御基板300へ送信される一方、その応答として、この画像制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が画像制御基板300から演出制御基板200へ送信される。
また、演出制御基板200は、複数のLEDドライバを搭載したランプ接続基板91と電気接続されており、シリアル通信回路を介して、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)を送信する。なお、本例では、演出制御基板200とランプ接続基板91とは、クロック同期式のシリアル通信が採用されており、ランプデータ
伝送用のデータ線とは別の信号線(クロック線)で送信されるクロック信号に同期して、ランプ制御信号が当該データ線を介して1ビットずつ送信される。ランプ接続基板91は、演出制御基板200から送信されるLED駆動用のランプ制御信号を受けて機能するLEDドライバを内蔵しており、このランプ制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、演出ランプLPに対して駆動電流を供給又は遮断して、演出ランプLPを点灯又は消灯させる制御を行う。
さらに、演出制御基板200は、複数のモータドライバ92と電気接続されており、I/Oポート回路204を介して、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92へ送信する。モータドライバ92は、演出制御基板200から送信される役物駆動用の駆動制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、可動演出装置600,640,650のステッピングモータ623等に対して駆動電流を供給又は遮断して、可動演出装置600,640,650を動作させる制御を行う。なお、モータドライバ92へのデータ送信はパラレル通信方式が採用されている。
画像制御基板300は、演出制御基板200からの画像制御コマンドに基づき画像演出に関する各種の演算処理を行うサブサブCPU301と、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROM302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM303と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路304とを備えて構成された画像制御マイコン(ワンチップマイコン)310を搭載しており、サブサブCPU301がROM302に記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、画像制御基板300には、図示省略するが、サブサブCPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDPと、サブサブCPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、サブサブCPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した映像信号(画像データ)を演出表示装置に送信する。このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。音源ICは、サブサブCPU301からの指示に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、これを合成処理して生成した音響データを増幅器(デジタルアンプ)を介してスピーカ11に出力する。
払出制御基板400は、払出CPU401、ROM402およびRAM403を主体として構成されている。払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニット34を駆動させて賞球を払い出すための制御を実行するとともに、発射ハンドル9の操作量(回動操作量)に基づき球送り機構26と発射機構27とを同期的に駆動させて遊技球の発射の制御を実行する。なお、発射ハンドル9には、図示省略するが、該発射ハンドル9の回動操作量を検出する角度検出器(ポテンショメータ)と、遊技者が該発射ハンドル9に接触しているか否かを検出するタッチ検出器とが内蔵されている。払出制御基板400は、タッチ検出器からの検出情報に基づき遊技者が発射ハンドル9に触れているか否かを判定し、角度検出器からの検出情報に基づき発射ハンドル9の回動操作量を判定して、これらの検出情報に基づいて球送り機構26と発射機構27とを同期的に制御する。
電源基板は、詳細図示を省略するが、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、各制御基板で使用される通常時の電源を生成するための通常電源回路と、バックアップ電源を生成するためのバックアップ電源回路と、電圧低下による電源断を監視するための電源断監視回路と、を具備して構成され、各制御基板や遊技用機器等の電子・電気部品に必要な電源を供給する。電源基板には、電源回路を起動させるための電源スイッチが接続
されており、遊技島の電源装置から1次電源が供給されていることを前提として、該電源スイッチがオンになると、電源基板の通常電源回路から各制御基板などに所定の電源が供給される。電源基板、遊技島の電源装置からの電源供給が遮断されたことを検出可能に構成されており、電源断の検出時にはその旨を報知する電源断信号(NMI信号)を主制御基板100、演出制御基板200、払出制御基板400に送信する。なお、バックアップ電源回路は、遊技島の電源装置からぱちんこ遊技機PMに電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。また、電源基板には、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時に、主制御基板100のRAM103の一時記憶内容を一旦消去して初期値を設定するためのRAMクリアスイッチ(図示せず)が接続されている。なお、RAMクリアスイッチは、電源基板500ではなく、例えば主制御基板100に接続される構成であってもよい。
外部情報端子板500は、主制御基板100からの遊技情報信号に基づき、遊技機PMの外部に外部情報信号(外端信号)を出力する。外部情報端子板500が外部情報として機外の外部装置に出力する外部情報信号には、例えば、大当り信号、連荘中信号、図柄確定信号、賞球信号(賞球情報信号とも称する)、扉枠開放信号、セキュリティ信号(セキュリティ情報信号とも称する)、磁気センサ異常信号、断線短絡電源異常信号、異常センサ検知(入球通過時間異常等)信号などが含まれる。また、本遊技機PMの外部に設置された外部装置には、データ表示器や、ホールコンピュータなどがある。データ表示器は、遊技機PMの上部に設置されて、遊技機PMから出力される外部情報信号に基づき、遊技機PMの動作状態に関するデータ(遊技情報)を表示する装置である。このデータ表示器に表示された遊技情報は、遊技者が遊技機を選択するうえで有益な判断材料となる。ホールコンピュータは、遊技店内のホールに設置された各遊技機から出力される外部情報信号に基づき、各遊技機(本遊技機PMもその一つである)の動作状態を集計して、各遊技機の稼働状況などを管理する装置である。このホールコンピュータは、データ表示器を介して本遊技機PMに電気接続されていても、データ表示器を介さずに本遊技機PMに電気接続されていてもよい。
<ぱちんこ遊技機の基本動作>
以上のように構成される、ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島に固定設置され、前枠2、ガラス枠5等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、上球皿6に遊技球を貯留させて発射ハンドル9を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル9が回動操作されると、上球皿6に貯留された遊技球が、ガラス枠5の背面側に配設される球送り機構26によって1球ずつ発射機構27に送り出され、該発射機構27により遊技領域PAに打ち出される。
遊技領域PAを流下する遊技球が、第1始動口51、第2始動口52、大入賞口54、一般入賞口55~57のいずれかに入球すると、その入賞口の種別に応じた賞球が賞球払出ユニット34により上球皿6又は下球皿7へ払い出される。本実施形態において、各入賞口に遊技球が1球入球したときに払い出される賞球数(「単位賞球数」と呼称する)として、第1始動口51は「4個」、第2始動口52は「1個」、一般入賞口55~57は「3個」、大入賞口54は「15個」が設定されている。なお、各入賞口の単位賞球数は、本実施形態に例示したものに限定されるものではなく、他の単位賞球数を適用してもよい。例えば、単位賞球数として、第1始動口51は「4個」でなく「1個」などとしてもよい。また、第2始動口52は「1個」ではなく「3個」などとしてもよい。また、一般入賞口55~57は「3個」ではなく「5個」などとしてもよい。また、大入賞口は「15個」でなく「10個」などとしてもよい。
遊技球が第1始動口51又は第2始動口52に入球すると、特別図柄の抽選乱数値が取得され、当該乱数値を所定の上限個数まで特別図柄の作動保留球として一時記憶する。そして、所定の始動条件(後述の特別図柄の変動開始条件)が成立する場合に、最先の作動
保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定、図柄判定、変動パターン判定を行い、この判定結果に応じた態様で、第1特別図柄表示装置61又は第2特別図柄表示装置62において特別図柄が変動表示されるとともに、演出表示装置70において装飾図柄が変動表示される。特別図柄および装飾図柄の変動表示は、前記選択された変動パターンに応じた変動時間の経過後に同期的に停止表示される。
第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、通常遊技よりも遊技者にとって有利となる特別遊技(大当り遊技)に移行する。この大当り遊技の各ラウンド遊技(単位遊技)において、大入賞口54を1回又は複数回だけ開放状態に変化させる開閉動作が行われる。大入賞口54に規定カウント数の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口54の開放時間が開放限度時間に到達すると、実行中のラウンド遊技が終了する。ここで、大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。本実施形態では、特別図柄および装飾図柄が大当りを示す停止態様で確定表示されると、大当り遊技として、複数回のラウンド遊技(単位遊技)が実行される。
本実施形態では、所定の大当りに当選すると、大当り遊技の終了後から特別図柄の変動回数が所定の終期回数に達するまで、特別図柄の確率変動機能が作動する場合がある。特別図柄の確率変動機能が作動した場合には、特別図柄抽選の大当り確率が通常の低確率状態から高確率状態へ移行するため、新たな大当り(大当り遊技)が比較的早期に発生するようになる。なお、特別図柄の確率変動機能は、次回の大当りが発生するまで継続するものとしてもよい。また、上記所定の終期回数として、実質的に次回の大当り発生までの変動表示回数に相当する「10000回」を設定してもよい。
また、大当り遊技が終了した後は、特別図柄の確率変動機能に付随して又は独立して、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する場合がある。特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、特別図柄及び装飾図柄の平均的な変動時間が通常よりも短縮される傾向となり、単位時間当たりの特別図柄抽選回数が向上する(単位時間当たりの大当りの獲得容易性を高めることができる)。
さらに、大当り遊技が終了した後は、特別図柄の変動時間短縮機能に付随して又は独立して、電チューサポート機能(単に「電サポ」とも呼称する)が作動する場合がある。電チューサポート機能は、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物522の開放延長機能が作動することにより、第2始動口52への入球容易性が高められる状態(「入球容易状態」とも称する)である。なお、普通図柄の確率変動機能が作動すると、普通図柄の当選確率が通常状態よりも高まる状態となる。普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、普通図柄の変動時間が短縮される状態となる。普通電動役物522の開放延長機能が作動すると、普通電動役物522の開放時間が通常状態よりも延長された状態となる。この入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常よりも増加する可能性が高まる上、第2始動口52への入球容易性も高まるため、第2始動口52への入球数が増加する可能性も向上する。したがって、電チューサポート機能の作動により、その期間中は第2始動口52への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち球をほとんど減らさずに遊技を継続することが可能となる。つまり、遊技球の発射球数に対する賞球数の割合である「ベース」が高くなる。以下では、電チューサポート機能が作動している状態を「高ベース状態」、電チューサポート機能が作動していない状態を「低ベース状態」とも呼称する。
<ぱちんこ遊技機の主要な機能構成>
次に、図7を追加参照しながら、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PM(主として主制御基板100/演出制御基板200)の各種機能について説明する。なお、図7は本遊技機PM(主として主制御基板100/演出制御基板200)の機能ブロック図である。
主制御基板100は、図7に示すように、入球判定手段110、遊技抽選乱数発生手段120、保留制御手段130、事前判定手段135、特別図柄抽選処理手段140、普通図柄抽選処理手段145、特別遊技制御手段150、図柄表示制御手段155、電動役物制御手段160、遊技状態制御手段165、エラー監視制御手段170、メイン情報記憶手段180、コマンド送受信手段190、を含む。なお、主制御基板100における上述の各手段は、主制御基板100上に設けられたメインCPU101、ROM102、RAM103、電子回路等のハードウェア及びROM102等に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
入球判定手段110は、第1始動口スイッチ511、第2始動口スイッチ521、作動ゲートスイッチ531、大入賞口スイッチ541、一般入賞口スイッチ551などからの検出信号に基づき、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動口スイッチ511にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「第1始動口入賞コマンド」と称する)を生成し、第2始動口スイッチ521にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「第2始動口入賞コマンド」と称する)を生成し、作動ゲートスイッチ531にて遊技球の通過を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「作動ゲート入賞コマンド」と称する)を生成し、大入賞口スイッチ541にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「大入賞口入賞コマンド」と称する)を生成し、一般入賞口スイッチ551にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「一般入賞口入賞コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。
遊技抽選乱数発生手段120は、主制御マイコン110の乱数生成回路で生成した内蔵乱数をソフトウェアで取り込み、これに後述の特別図柄当りソフト乱数を加算することで、特別図柄の当否抽選に使用される特別図柄当り乱数を生成する。また、遊技抽選乱数発生手段120は、メインCPU101のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、当り乱数生成のために前述の内蔵乱数に加算される特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄の停止図柄として当り図柄(条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ)の決定に使用する特別図柄停止図柄乱数、特別図柄停止図柄乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための特別図柄停止図柄初期値乱数、特別図柄の変動パターンの選択に使用するための特別図柄変動パターン乱数、普通図柄の当否抽選に使用するための普通図柄当り乱数、普通図柄当り乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための普通図柄当り初期値乱数、普通図柄の変動パターンの選択に使用するための普通図柄変動パターン乱数などが含まれる。これらのソフトウェア乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する毎に1回更新(インクリメントやデクリメント、素数の加算など)し、また、初期値乱数についてはタイマ割込み処理を実行していない間(ループ処理中)も割込み周期の残余時間を利用して更新する。
保留制御手段130は、特別図柄保留制御手段131、普通図柄保留制御手段132、を含む。
特別図柄保留制御手段131は、第1始動口51又は第2始動口52への遊技球の入球を契機として、特別図柄遊技に係る抽選乱数値である、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、当該乱数値を第1特別図柄又は
第2特別図柄の作動保留球情報として管理する。特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報をそれぞれ所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に一時記憶する。
第1特別図柄保留格納領域および第2特別図柄保留格納領域には、各始動口51,52への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、作動保留球情報として、特別図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄変動パターン乱数を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。作動保留球情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の保留球情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1特別図柄保留球数カウンタと、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2特別図柄保留球数カウンタとを有している。特別図柄保留制御手段131は、特別図柄の作動保留球数の更新処理として、特別図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数を更新(加算又は減算)したとき、当該保留球数の更新情報を含む演出制御コマンド(「図柄記憶数コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。この1コマンドには、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数との両方の情報が含まれる。なお、原則として、各特別図柄の作動保留球は入球した順番に消化されることになるが、本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用するため、第2特別図柄遊技に係る作動保留球が存在する間は、第1特別図柄遊技に係る作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄遊技に係る作動保留球を優先的に消化するように構成されている。なお、この優先消化の下では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合は、第1特別図柄の作動保留球が存在していたとしても、第1特別図柄の作動保留球の消化が保留されることになる。
普通図柄保留制御手段132は、作動ゲート53への遊技球の入球を契機として、普通図柄遊技に係る抽選乱数値である、普通図柄当り乱数値、普通図柄当り図柄乱数値、普通図柄変動パターン乱数値、を取得して、当該乱数値を普通図柄の作動保留球情報として管理する。普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球情報を所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の普通図柄保留格納領域に一時記憶する。また、普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球数をカウントするための普通図柄保留球数カウンタを有している。普通図柄保留制御手段132は、作動普通図柄の保留球数の更新処理として、普通図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
事前判定手段135は、所定の事前判定タイミングにて特別図柄の作動保留球を取得した場合、当該作動保留球を対象として先読み予告のための事前判定を実行する。上記の事
前判定タイミングの一例としては、(1)当り待ち中、且つ、電チューサポート機能が未作動中に第1特別図柄の作動保留球を取得した場合、(2)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が作動中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、のうちのいずれかの条件を満足するときである。なお、上記事前判定タイミングは一例であり、遊技機仕様に合わせて事前判定タイミングを変更(例えば、普通電動役物を有さない第2特別図柄に係る始動口を有し、通常時に8個保留が溜められる機種では上記(1)を第1特別図柄のみならず第2特別図柄も対象にする、等)したり、事前判定タイミングを設けずいつでも事前判定を行う仕様を採用したりしてもよい。また、各遊技状態において遊技の主体となる方の特別図柄の作動保留球のみを事前判定の対象としてもよく、例えば、通常遊技状態においては第1特別図柄の作動保留球のみを事前判定の対象とし、時短遊技状態、潜伏確変遊技状態、確変遊技状態においては第2特別図柄の作動保留球のみを事前判定の対象とすることが好適である。具体的には、事前判定手段135は、今回取得した作動保留球に対応する乱数値をメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域から読み出して、当否の事前判定(当否事前判定)、図柄の事前判定(図柄事前判定)、変動パターンの事前判定(変動パターン事前判定)を順次実行する。各事前判定で用いられる事前判定テーブルは、図示省略するが、当否事前判定用テーブル、図柄事前判定用テーブル、変動パターン事前判定用テーブルのそれぞれが乱数の総数に相当する領域が複数の領域に区画され、この領域(判定置数)ごとに、抽選ID(事前判定の結果を示す番号(「事前判定番号」とも称する))が割り当てられている。そのため、この事前判定の結果は、後述の特別図柄抽選処理手段140による本抽選の結果(当否判定の結果、図柄判定の結果、変動パターン判定の結果)に準ずるものとなっている。なお、当否事前判定用テーブルや図柄事前判定用テーブルなどは、実際に変動を開始するときに抽選に使用する当否抽選テーブルや図柄抽選テーブルなどと同じものであってもよい。ここで、変動パターン事前判定用テーブルは、変動開始時の遊技状況(確変の有無、時短の有無、特殊テーブルを参照する限定頻度期間中か否か、保留球数など)が変化する可能性があることから、前述のように、複数の領域の何れに含まれるかを判定する方が望ましい。また、変形例として、上記の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に格納する前に一時的に記憶されるメインCPU101上のレジスタ等の乱数値を事前判定するように構成してもよい。そして、事前判定手段135は、事前判定の結果(事前判定番号)の情報を含む演出制御コマンド(「事前判定コマンド」と称する)を順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄当否判定手段141、特別図柄停止図柄判定手段412、特別図柄変動パターン判定手段143、を含む。特別図柄抽選処理手段140は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動開始条件が成立したとき、メイン情報記憶手段180における特別図柄保留格納領域の最先の記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、これをメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、「第1特別図柄の変動開始条件が成立する」とは、(A1)大当り中ではないこと、(A2)第1特別図柄および第2特別図柄が変動待機中であること、(A3)第1特別図柄の作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足したときである。また、「第2特別図柄の変動開始条件が成立する」とは、(B1)大当り中ではないこと、(B2)第1特別図柄および第2特別図柄が変動待機中であること、(B3)第2特別図柄の作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足したときである。なお、第1特別図柄の変動開始条件と第2特別図柄の変動開始条件とが同時に成立しているときは、前記の優先消化のもと、第2特別図柄の変動開始条件を優先的に処理する。
特別図柄当否判定手段141は、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域か
ら特別図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、大当り、小当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否判定の結果は、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに一時記憶され(例えば、大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)、以降の処理で使用された後、特別図柄の変動停止時にクリアされる。特別図柄当否判定手段141は、この当否判定の際に参照される特別図柄当否抽選テーブルを保持する。
ここで、図8は、特別図柄当否抽選テーブルを模式的に示す図である。図8(A)は特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(低確率状態)において参照され、図8(B)は特別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(高確率状態)において参照される。特別図柄当否抽選テーブルには、特別図柄当り乱数値の乱数範囲と、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)とが対応付けられている。図8に示すように、特別図柄の当否判定において、特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(低確率状態)では、特別図柄当り乱数値が「0~204」の範囲に該当する場合に大当りとなり、特別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(高確率状態)では、特別図柄当り乱数値が「0~1506」の範囲に該当する場合に大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの当選確率が低確率の「1/319.69」から高確率の「1/43.49」に変動する。このように大当りの当選確率は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否判定と第2特別図柄の当否判定とで大当りの当選確率は等しく設定されている。なお、本実施形態では、特別図柄の当否判定の結果として「小当り」を設定していないが、特別図柄の当否判定の結果として「小当り」を設定してもよい。小当りの当選確率は、遊技状態(低確率状態、高確率状態)に関係なく、同じ当選確率に設定される。
特別図柄停止図柄判定手段142は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選の結果に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄を決定する。特別図柄停止図柄判定手段142は、図9に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄(大当り種別)を決定する際に参照される第1特別図柄大当り図柄テーブルおよび第2特別図柄大当り図柄テーブルを有している。本実施形態において、「特定大当り」とは大当り遊技の終了後に特別図柄の確率変動機能を作動させる契機となる大当り(確変大当り)を意味し、「通常大当り」とは大当り遊技の終了後に特別図柄の確率変動機能を作動させる契機とはならない大当り(非確変大当り)を意味する。
本実施形態では、複数種の遊技状態として、通常遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態が設定されている。その遊技状態の種類として、(1)特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動する遊技状態を「確変状態」又は「確変遊技状態」と呼称し、(2)特別図柄の確率変動機能が作動せずに特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動する遊技状態を「時短状態」又は「時短遊技状態」と呼称し、(3)全ての機能が作動していない状態を「通常状態」又は「通常遊技状態」と呼称する。ここで、「確変遊技状態」および「時短遊技状態」は「通常遊技状態」と比べて遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。そのため、以下では、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利度の高い遊技状態として、確変遊技状態、時短遊技状態を「有利遊技状態」とも呼称する。
なお、各遊技状態は、特別図柄の確率変動機能の作動状態(高確率状態/低確率状態)と、電チューサポート機能の作動状態(高ベース状態/低ベース状態)との組み合わせにより、(1)確変遊技状態を「高確率高ベース状態」、(2)時短遊技状態を「低確率高ベース状態」、(3)通常遊技状態を「低確率低ベース状態」と表現することもできる。その他、確率変動機能の作動状態としては高確率状態である一方、電チューサポート機能の作動状態としては低ベース状態である遊技状態(「通常遊技状態」と比べて遊技者にとって有利な遊技状態の1つ)を備えてもよく、そのような遊技状態を潜確遊技状態と称し
、この潜確遊技状態を「高確率低ベース状態」と表現してもよい。この潜確遊技状態(「高確低ベース状態」)は、小当りを主体とした遊技を行うにあたって好適な遊技状態であり、詳細は後述する。これらの状態(低確率/高確率と低ベース/高ベースとの組合せ状態)については、特に断りがない限り、大当り中や小当り中ではない状態における遊技状態(当否判定や変動表示が可能な状態)を指すが、大当り中においては低確率低ベース状態であり、小当り中においては小当り当選時の遊技状態と同じ遊技状態となる。このとき、特別図柄の変動時間短縮機能は、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、少なくともその遊技状態において遊技の主体となる方の特別図柄の変動時間が短縮された状態となっていることを意味する。すなわち、本実施形態において、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する場合、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(通常遊技状態)では、少なくとも第1特別図柄の変動時間(平均変動時間)が短縮され、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(確変遊技状態、潜確遊技状態、時短遊技状態)では、少なくとも第2特別図柄の変動時間(平均変動時間)が短縮される。
本実施形態では、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、その大当り遊技の終了後の遊技状態は、(1)大当り種別(図柄群の種類)と、(2)大当り当選時の遊技状態とに応じて決定される。なお、各遊技状態の継続回数(特別図柄の変動表示の回数)は、特別図柄の確率変動機能が作動する回数(「確率変動回数」と呼称する)と、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する回数(「変動時間短縮回数」と呼称する)と、電チューサポート機能が作動する回数(「電サポ回数」と呼称する)とに応じて設定される。本実施形態では、特別図柄の変動時間短縮機能と電チューサポート機能は、同時に作動を開始して、同時に作動を終了するため、「変動時間短縮回数」と「電サポ回数」とは同一回数となる(そのため、図9では「変動時間短縮回数」と「電サポ作動回数」とを同一の欄に記載している)。
図9(A)は、第1特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、確率変動回数、変動時間短縮回数(電サポ回数)、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口54の開放時間(最大開放時間)がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第1特別図柄大当りテーブルには、各図柄群に対応して、2種類の大当り種別が設定されている。具体的には、2種類の大当り種別(図柄群)として、4R特定大当り(図柄群A)と、4R通常大当り(図柄群B)とに振り分けられる。
(4R特定大当り:図柄群A)
第1特別図柄の「4R特定大当り(図柄群A)」に当選した場合、確率変動回数「10000回」、変動時間短縮回数「10000回」、電サポ回数「10000回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。この確変遊技状態は、その継続回数(確率変動回数、変動時間短縮回数、電サポ回数)として「10000回」という膨大な回数が設定されており、該継続回数に到達するまで大当りに当選しないことは確率的(約1/44で当選する)には有り得ないため、実質的に次の大当りが発生するまで継続する。また、第1特別図柄の「4R特定大当り(図柄群A)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数が「4ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間は「29秒」である。
(4R通常大当り:図柄群B)
第1特別図柄の「4R通常大当り(図柄群B)」に当選した場合、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。この時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が100回に到達するまで、又は、この100回以内に次の大当りが発生する
まで継続する。特別図柄の変動表示回数が100回に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。また、第1特別図柄の「4R通常大当り(図柄群B)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数が「4ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間は「29秒」である。
図9(B)は、第2特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、確率変動回数、変動時間短縮回数(電サポ回数)、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口54の開放時間(最大開放時間)がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第2特別図柄大当りテーブルには、各図柄群に対応して、3種類の大当り種別が設定されている。具体的には、3種類の大当り種別(図柄群)として、16R特定大当り(図柄群C)と、4R特定大当り(図柄群D)と、4R通常大当り(図柄群E)とに振り分けられる。
(16R特定大当り:図柄群C)
第2特別図柄の「16R特定大当り(図柄群C)」に当選した場合、確率変動回数「10000回」、変動時間短縮回数「10000回」、電サポ回数「10000回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。この確変遊技状態は、前述したとおり、その継続回数として「10000回」という膨大な回数が設定されており、実質的に次の大当りが発生するまで継続する。また、第2特別図柄の「16R特定大当り(図柄群C)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数が「4ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間は「29秒」である。また、この16R特定大当りは、第1特別図柄でも当選する仕様としてもよく、その場合には、第2特別図柄よりも当選しにくい(例としては、全大当り図柄のうちの5%とし、第1特別図柄では、16R特定大当りは5%、4R特定大当りは60%、4R通常大当りは35%とする)仕様とすることが好適である。
(4R特定大当り:図柄群D)
第2特別図柄の「4R特定大当り(図柄群D)」に当選した場合、確率変動回数「10000回」、変動時間短縮回数「10000回」、電サポ回数「10000回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。この確変遊技状態は、前述したとおり、その継続回数として「10000回」という膨大な回数が設定されており、実質的に次の大当りが発生するまで継続する。また、第2特別図柄の「4R特定大当り(図柄群D)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数が「4ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間は「29秒」である。
(4R通常大当り:図柄群E)
第2特別図柄の「4R通常大当り(図柄群E)」に当選した場合、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。この時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が100回に到達するまで、又は、この100回以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が100回に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。また、第2特別図柄の「4R通常大当り(図柄群E)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数が「4ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間は「29秒」である。
ここで、本実施形態では、大当り種別として、16R特定大当り(図柄群C)と、4R特定大当り(図柄群A,D)と、4R通常大当り(図柄群B,E)との3種類が設けられ
ている。そして、特別遊技における賞球獲得の期待値(「賞球獲得期待値」と呼称する)は、16R特定大当り>4R特定大当り=4R通常大当りとなっている。ここで、第1特別図柄で大当りした場合の特別遊技の実質ラウンド数は「4ラウンド」であるのに対し、第2特別図柄で大当りした場合の特別遊技の実質ラウンド数は「16ラウンド」であるため、第1特別図柄で大当りが発生する場合よりも、第2特別図柄で大当りが発生する場合の方が、ラウンド数の多い特別遊技に移行する可能性が高く、多くの出玉を獲得できる点で遊技者にとって有利である。この特別遊技の実質ラウンド数は、その特別遊技に設定された「長開放ラウンド遊技」の実行回数に対応している。なお、本実施形態では、大当り遊技の各ラウンドの最大開放時間を29秒という固定時間としているが(全てのラウンドを「長開放ラウンド遊技」としているが)、同一の大当り遊技中の所定のラウンド又は全てのラウンドで、大入賞口54の最大開放時間を2秒と短くする「短開放ラウンド遊技」を設けるようにして、大当り遊技のラウンド数が同一であっても、実質的に出玉の獲得できるラウンド数の異なる大当り(実質ラウンド数の異なる大当り)を有する構成を採用してもよい。なお、長開放ラウンド遊技は、大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が、大入賞口54に規定カウント数(フルカウント=10球)の遊技球を入球可能又は入球容易に設定されたラウンド遊技である。短開放ラウンド遊技は、大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が、大入賞口54に規定カウント数(フルカウント=10球)の遊技球を入球不能又は入球困難に設定されたラウンド遊技である。
特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄の変動パターンを選択する際に参照される複数種の変動パターンテーブルを保持している。特別図柄変動パターン判定手段143は、現在の変動パターン選択状態に基づき、複数種の変動パターンテーブルの中からいずれかの変動パターンテーブルを選択する。変動パターン選択状態と、変動パターンテーブルとの関係については後述する。各変動パターンテーブルには、複数種の変動パターンが規定されている。各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には特別図柄変動パターン乱数値に応じて、変動パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、変動パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定されるようになっている。各種の変動パターンは、特別図柄の変動表示の終了条件として当該変動パターンごとに変動時間が対応付けられており、その変動時間にて装飾図柄の変動表示も実行されることを前提としている。
ここで、変動パターン選択状態について説明する。変動パターン選択状態とは、変動パターン(変動パターンテーブル)を選択する際に参照される選択条件の一つである。本例では、複数種の変動パターン選択状態として、「通常選択状態」、「時短選択状態」、「確変選択状態」が設定されている。通常選択状態は、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能のいずれも作動していない遊技状態(通常遊技状態)に対応して設定される変動パターン選択状態である。時短選択状態は、特別図柄の確率変動機能は作動していないが、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動している遊技状態(時短遊技状態)に対応して設定される変動パターン選択状態である。確変選択状態は、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能の全てが作動している遊技状態(確変遊技状態)に対応して設定される変動パターン選択状態である。
特別図柄の変動パターンテーブルは、図10~図12に示すように、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで参照する欄が相違しており、同一の特別図柄変動パターン乱数値を取得したとしても、互いに異なる変動パターンが選択され得るようになっている。ここで、各図に記載されている作動保留球の個数(「保留0個」、「保留1~2個」、「保留3個」)は、第1特別図柄の変動パターン抽選であれば、第1特別図柄の作動保留球数(保留
消化後の作動保留球の個数)を意味し、第2特別図柄の変動パターン抽選であれば、第2特別図柄の作動保留球数(保留消化後の作動保留球の個数)を意味する。この作動保留球の個数は、変動パターンの抽選時(当該変動表示の開始時/保留消化後)に存在する作動保留球の個数である(当該変動表示により消化された作動保留球は含まない)。なお、その変形例としては、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数の合算値を使用してもよい。
特別図柄の変動表示と連動して行われる装飾図柄の変動演出は、特別図柄の変動パターンの種別(変動時間)などに基づき決定される。図10~図12には、参考として、各変動パターン(変動時間)に対応して設定される変動演出の内容も記載している。図中、「超短縮変動」、「短縮変動」、「通常変動」は、3列の装飾図柄が変動して、一度もリーチ状態を経由せずに、いわゆるバラケ目で「はずれ」となる演出である。以下では、超短縮変動、短縮変動及び通常変動をまとめて「非リーチはずれ」とも称する。この非リーチはずれ種別は、通常変動よりも短縮変動、短縮変動よりも超短縮変動の方が短い時間で変動表示が停止する点で相互に変動態様が異なる。
「Nリーチ(ノーマルリーチ)」は、3列ある装飾図柄のうち2列(一般的には左列及び右列)に同一の装飾図柄が停止した状態(リーチ状態)で、残り1列(一般的には中列)に異なる装飾図柄が停止したならば「はずれ」となり、残り1列(一般的には中列)に同一の装飾図柄が停止したならば「大当り」となる演出である。
「SPリーチ(スーパーリーチ)」は、上記のNリーチよりも相対的に大当り期待度の高いリーチ演出であり、リーチの成立後にNリーチから発展して、例えばアニメや実写等の静止画・動画などが表示される演出である。本実施形態では、SPリーチの種類として、複数種のSPリーチA~Cが用意されている。SPリーチAは、現在実行中の遊技状態が通常状態である場合に実行されるリーチ演出である。SPリーチBは、現在実行中の遊技状態が時短遊技状態である場合に実行されるリーチ演出である。SPリーチCは、現在実行中の遊技状態が確変遊技状態である場合に実行されるリーチ演出である。本実施形態の変動パターン種別では、「非リーチ」<「Nリーチ」<「SPリーチ」の順に、大当り期待度が高くなるように設定されている。変形例として、通常状態と時短遊技状態とでSPリーチの演出内容を同じ(SPリーチA)とし、確変遊技状態である場合にはそれとは異なるSPリーチ(SPリーチC)としてもよい。また、その他の変形例として、擬似連を含む変動パターンを用意してもよい。擬似連とは、装飾図柄の1回の変動表示の間に、装飾図柄を仮停止(擬似停止、一旦停止)および再変動表示させることにより、擬似的に複数回の変動表示が行われたように見せる演出(擬似連演出、擬似変動演出、擬似連続変動演出、再変動演出)である。つまり、擬似連は、3列の装飾図柄の全てが変動又は再変動を開始した後に仮停止又は確定停止する擬似変動を複数回実行する演出である。この擬似連の回数(擬似変動の回数)が多いほど、大当り期待度の高いSPリーチに発展する可能性が高いことを示す。
(変動パターンテーブル1)
図10は、変動パターンテーブル1を示す模式図である。変動パターンテーブル1は、現在滞在中の変動パターン選択状態が通常選択状態である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル1は、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)に応じてテーブル内容が異なるようになっている。
はずれ用の変動パターンテーブル1には、変動パターンPH1-1(短縮変動)、PH1-2(通常変動)、PH1-3(Nリーチ)、PH1-4(SPリーチA)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、変動パターンPH1-1(短縮変動)、PH1-2(通常変動)、PH1-3(Nリーチ)、PH1
-4(SPリーチA)のうちのいずれかが選択される。本実施形態では、第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合には、第1特別図柄の作動保留球数(0個/1~2個/3個)に応じて参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、取得した特別図柄変動パターン乱数値が同一であっても、異なる変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、第1特別図柄の作動保留球数が多いほど、第1特別図柄の変動時間が相対的に短く設定された変動パターンが選択され易く、第1特別図柄の作動保留球数が少ないほど、第1特別図柄の変動時間が相対的に長く設定された変動パターンが選択され易い。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第2特別図柄の作動保留球数(0個/1~2個/3個)に依存せず、変動時間が相対的に短く設定された変動パターンPH1-1(短縮変動)又はPH1-2(通常変動)が選択される。なお、変形例として、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第2特別図柄の作動保留数に依存せず、短縮変動のメイン変動パターンPH1-2のみを選択する又は短縮変動の変動パターンPH1-2を最も選択し易い(第2特別図柄の作動保留球数に依存せず選択割合は同じとすることが好適)構成としてもよい。
大当り用の変動パターンテーブル1には、変動パターンPA1-1(Nリーチ)、PA1-2(SPリーチA)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別に依存することなく、変動パターンPA1-1(Nリーチ)又はPA1-2(SPリーチA)が選択される。同様に、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別に依存することなく、変動パターンPA1-1(Nリーチ)又はPA1-2(SPリーチA)が選択される。
(変動パターンテーブル2)
図11は、変動パターンテーブル2を示す模式図である。変動パターンテーブル2は、現在滞在中の変動パターン選択状態が時短選択状態である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル2は、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)に応じてテーブル内容が異なるようになっている。
はずれ用の変動パターンテーブル2には、変動パターンPH2-1(超短縮変動)、PH2-2(通常変動)、PH2-3(Nリーチ)、PH2-4(SPリーチB)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、第1特別図柄の作動保留球数(0個/1~2個/3個)に依存することなく、変動パターンPH2-2(通常変動)、PH2-3(Nリーチ)、PH2-4(SPリーチA)のうちのいずれかが選択される。すなわち、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、第1特別図柄の作動保留球が何個存在していたとしても、変動パターンPH2-1(超短縮変動)が選択されることはない。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、変動パターンPH2-1(超短縮変動)、PH2-2(通常変動)、PH2-3(Nリーチ)、PH2-4(SPリーチB)のうちのいずれかが選択される。本実施形態では、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合には、第2特別図柄の作動保留球数(0個/1~2個/3個)に応じて参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、取得した特別図柄変動パターン乱数値が同一であっても、異なる変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、第2特別図柄の作動保留球が存在していない場合は、変動パターンPH2-1(超短縮変動)が選択されることはなく、第2特別図柄の作動保留球が存在している場合には、第2特別図柄の作動保留球数が多いほど、変動パターンPH2-1(超短縮変動)が選択され易くなる傾向となる。
大当り用の変動パターンテーブル2には、変動パターンPA2-1(Nリーチ)、PA2-2(SPリーチB)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別に依存することなく、変動パターンPA2-1(Nリーチ)又はPA2-2(SPリーチB)が選択される。同様に、第2特別図柄の当否判定の結果
が大当りである場合、大当り種別に依存することなく、変動パターンPA2-1(Nリーチ)又はPA2-2(SPリーチB)が選択される。
(変動パターンテーブル3)
図12は、変動パターンテーブル3を示す模式図である。変動パターンテーブル3は、現在滞在中の変動パターン選択状態が確変選択状態である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル3は、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)に応じてテーブル内容が異なるようになっている。
はずれ用の変動パターンテーブル3には、変動パターンPH3-1(超短縮変動)、PH3-2(通常変動)、PH3-3(SPリーチC)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合、第1特別図柄の作動保留球数(0個/1~2個/3個)に依存せず、変動パターンPH3-2(通常変動)又はPH3-3(SPリーチC)が選択される。すなわち、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、第1特別図柄の作動保留球が何個存在していたとしても、変動パターンPH3-1(超短縮変動)が選択されることはない。一方、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、変動パターンPH3-1(超短縮変動)、PH3-2(通常変動)、PH3-3(SPリーチC)のいずれかが選択される。このとき、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、第2特別図柄の作動保留球数に応じて(詳しくは第2特別図柄の作動保留球の有無に応じて)参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、取得した特別図柄変動パターン乱数値が同一であっても、異なる変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、第2特別図柄の作動保留球が存在していない場合は変動パターンPH3-1(超短縮変動)が選択されることはなく、第2特別図柄の作動保留球が存在している場合にのみ変動パターンPH3-1(超短縮変動)が選択され得るため、第2特別図柄の作動保留球が存在しない場合よりも、第2特別図柄の作動保留球が存在している場合の方が、相対的に変動時間の短い変動パターンが選択され易くなる傾向となる。
大当り用の変動パターンテーブル3には、変動パターンPA3-1(SPリーチC)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別(4R特定大当り、4R通常大当り)に依存することなく、変動パターンPA3-1(SPリーチC)が選択される。同様に、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別(16R特定大当り、4R特定大当り、4R通常大当り)に依存することなく、変動パターンPA3-1(SPリーチC)が選択される。
前述したとおり、変動パターンテーブル1~3には、各変動パターンに対して特別図柄の変動時間が規定されているが、いずれの変動パターンが選択された場合でも、特別図柄の確定停止時間(確定表示時間)は「0.5秒」が設定されている。なお、特別図柄の確定停止時間(確定表示時間)とは、特別図柄が確定的に停止表示される時間(完全に停止された状態が保持される時間)である。なお、本実施形態では、特別図柄の変動時間及び確定停止時間に対応して、装飾図柄の変動時間及び確定停止時間も設定されている。また、変動パターンテーブル1~3において、大当り時ははずれ時と同じ演出内容および変動時間となり得るが、大当り時とはずれ時とでは最終的な演出内容を異ならせることが好適である。つまり、同じNリーチであっても大当り時は装飾図柄がゾロ目(例:「7・7・7」)になる一方ではずれ時は装飾図柄がリーチはずれの出目(例:「7・8・7」)になったり、同じSPリーチA~Cであっても大当り時は最終的な演出内容が成功を示す演出内容になり装飾図柄がゾロ目(例:味方キャラクタが敵キャラクタに勝利し、その後「7・7・7」が表示される)になる一方ではずれ時は最終的な演出内容が失敗を示す演出内容になり装飾図柄がリーチはずれの出目(例:味方キャラクタが敵キャラクタに敗北し、その後「7・8・7」が表示される)になったりすることが好適である。また、大当り
時ははずれ時と比べて、同一の演出内容(同じSPリーチに発展した場合)であったとしても、変動時間(演出時間)が長時間となることが好適であり、例としては、大当り時のSPリーチA~Cは、はずれ時のSPリーチA~Cよりも、10秒長い変動時間(演出時間)とすることが好適である。
特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄の変動パターンを選択した後、演出制御基板200に対して装飾図柄の変動開始を指示するため、演出制御基板200との通信が正常に行われているか否かを確認するための演出制御コマンド(通信検査コマンド)、特別図柄の変動付加パターン(変動時間を加減算するための情報)を含む演出制御コマンド(変動付加情報指定コマンド)、特別図柄の変動パターン情報を含む演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)、キャラクタ演出番号(図柄群および遊技状態)の情報を含む演出制御コマンド(図柄指定コマンド)等を生成して(以降、これらのコマンドを纏めて「変動開始コマンド」と称する)、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄当否判定手段146と、普通図柄停止図柄判定手段147と、普通図柄変動パターン判定手段148とを有する。普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄の変動開始条件が充足したとき、普通図柄保留格納領域における最先の記憶領域に格納された普通図柄当り乱数値、普通図柄変動パターン乱数値を読み出して、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域、普通図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、「普通図柄の変動開始条件」とは、(1)普通図柄の変動待機中であること、(2)普通図柄の作動保留球が存在することである。この全ての条件を満足したときに、普通図柄が変動開始可能な状態(変動開始条件が成立した状態)であると判断される。
普通図柄当否判定手段146は、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域から普通図柄当り乱数値を読み出して普通図柄の当否判定を実行し、当該判定結果が「当り」、「はずれ」のいずれに該当するかを決定する。この普通図柄の当否判定の結果は、メイン情報記憶手段180の普通図柄判定フラグに一時記憶され、以降の処理で使用された後、普通図柄の変動停止時にクリアされる。普通図柄当否判定手段146は、この普通図柄の当否判定の際に参照される不図示の普通図柄当否抽選テーブルを保持している。普通図柄の当り確率は、電チューサポート機能(普通図柄の確率変動機能)が作動していない場合は「1/3001」に設定され、電チューサポート機能(普通図柄の確率変動機能)が作動している場合は「2999/3001」に設定されている。
普通図柄停止図柄判定手段147は、不図示の普通図柄停止図柄テーブルを参照して、普通図柄の当否判定の結果が当りである場合には所定の当り図柄(普通電動役物522が作動する契機となる停止図柄)を選択する一方、普通図柄の当否判定の結果がはずれである場合には所定のはずれ図柄(普通電動役物522が作動する契機とならない停止図柄)を選択する。本実施形態では、普通図柄の当り図柄として図柄Aおよび図柄Bを割り当てる一方、普通図柄のはずれ図柄として図柄Cを割り当てる。
普通図柄変動パターン判定手段148は、メイン情報記憶手段180の普通図柄変動パターン判定領域から普通図柄変動パターン乱数値を読み出すとともに、不図示の普通図柄変動パターンテーブルを参照して、普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定する。普通図柄の変動時間は、電チューサポート機能(普通図柄の変動時間短縮機能)が作動していない場合は「0.6秒」に設定され、電チューサポート機能(普通図柄の変動時間短縮機能)が作動している場合は「0.2秒」に設定されている。いずれの普通図柄の変動パターンが選択された場合でも、普通図柄の確定停止時間(確定表示時間)は「0.1秒」が設定されている。普通図柄の確定停止時間(確定表示時間)とは、普通図柄が確定的に
停止表示される時間(完全に停止された状態が保持される時間)である。なお、普通図柄の制御においては、主制御基板100の処理負荷の軽減のため、電チューサポート機能が作動していない場合は、普通図柄の当否判定の当り確率を「0」とし、普通図柄の変動時間を単一のものとする仕様を採用することも考えられる。
また、普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄の当否判定の結果などに応じて、普通電動役物522の開放パターン(開放時間)を決定する。普通図柄抽選処理手段145は、普通電動役物522の開放パターン(開放時間)を決定する際に参照される普通電動役物開放パターンテーブルを保持している。普通電動役物522の開放パターン(開放時間)は、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動していない場合は「0.2秒」が設定され、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動している場合は「5.8秒」が設定される。なお、普通電動役物522の開放パターンを、普通図柄の当り図柄の種類に応じて異なるものとしてもよい。例えば、普通電動役物522の開放パターンとして、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動している場合に、普通図柄の当り図柄が図柄Aであれば「3秒開放×1回→2.8秒開放×1回(総開放時間5.8秒)」とし、普通図柄の当り図柄が図柄Bであれば「2.8秒開放×1回→3秒開放×1回(総開放時間5.8秒)」とする。
特別遊技制御手段150は、特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、前記決定された大当り種別(図柄群)に応じて、大当り開始デモおよび大当り終了デモの実行時間(デモ時間)と、ラウンド遊技の実行時間(ラウンド時間)とを決定する。そして、特別遊技制御手段150は、演出制御基板200側に対して、大当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り開始デモコマンド」と称する)と、大当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り終了デモコマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。なお、大当り開始デモコマンドは、演出制御基板200側において、大当り遊技中に展開される一連の大当り中演出(大当り開始デモ演出、ラウンド演出、大当り終了デモ演出)の内容を決定するための契機ともなる。また、特別遊技制御手段150は、大当り遊技中の各ラウンド遊技において、各ラウンド遊技に対応したラウンド演出の開始を指示するための演出制御コマンド(「ラウンド演出指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。このラウンド演出指定コマンドには、現在のラウンド数の情報および大入賞口54の開放や閉鎖の情報などが含まれる。
図柄表示制御手段155は、特別図柄表示制御手段156、普通図柄表示制御手段157、を含む。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置61に変動表示させるとともに、該変動表示後に第1特別図柄を確定表示させる。また、特別図柄表示制御手段156は、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置62に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄および第2特別図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマを有している。第1特別図柄表示装置61および第2特別図柄表示装置62の動作状態は、メイン情報記憶手段180の特別図柄遊技ステイタスに基づき監視される。特別図柄表示制御手段156は、特別図柄の変動停止の際に(すなわち、特別図柄遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(「変動停止コマンド」と称する)を生成する。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の変動パターン(変動時間)に従って、普通図柄を普通図柄表示装置65に変動表示させるとともに、該変動表示後に普通図柄を確定表示させる。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための普通図柄遊技タイマを有している。普通図柄表示装置65の動作状態は、メイン情報記憶手段180の普通図柄
遊技ステイタスに基づき監視される。
また、特別図柄表示制御手段156は、遊技の中断状態が所定時間以上継続した場合に、待機デモ演出(客待ちデモ演出)の実行契機となる演出制御コマンド(「待機デモコマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。「遊技の中断状態が所定時間以上継続する」とは、特別図柄の作動保留球が存在せず、且つ、特別図柄の変動表示が行われていない期間が所定時間以上継続することを意味する。なお、遊技球が発射されていない期間が所定時間以上継続する場合や、遊技球が全ての入賞口に入球していない期間が所定時間以上継続する場合に、遊技の中断状態が所定時間以上継続する仕様としてもよい。
電動役物制御手段160は、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、大当り遊技処理として、特別電動役物ソレノイド543に制御信号を出力し、特別電動役物542を所定の作動パターンに従って開閉制御する。大当り遊技は、特別電動役物542の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技(単位遊技)とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数だけ連続して実行するものである。電動役物制御手段160は、特別電動役物542の作動回数(すなわち、実行中のラウンド数)を格納するための大入賞口開放カウンタを保持する。ここで、大当り遊技における特別電動役物542の作動終了条件(単位遊技の終了条件)とは、大入賞口54に規定カウント数(本実施形態では「10個」)の遊技球が入球したこと、又は、大入賞口54の開放時間が最大開放時間(本実施形態では「29秒」)に到達したことである。
また、電動役物制御手段160は、普通図柄の当否判定の結果が当りに該当する場合、普通電動役物ソレノイド523に制御信号を出力して、所定の開放時間だけ普通電動役物522(第2始動口52)を開閉制御する。ここで、電動役物制御手段160は、前述したとおり、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動していない低ベース状態において、普通電動役物522を0.2秒だけ開放させるのに対して、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動している高ベース状態において、普通電動役物522を5.8秒だけ開放させる。ここで、普通電動役物522の作動終了条件とは、第2始動口52に所定数(本実施形態では「10個」)の遊技球が入球したこと、又は、第2始動口52の開放時間が最大開放時間(本実施形態では「0.2秒」又は「5.8秒」)に到達したことである。
遊技状態制御手段165は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、当該大当り種別(図柄群の種類)と、大当り当選時の遊技状態とに基づき、大当り遊技の終了後の遊技状態を決定するとともに、大当り遊技の終了後の遊技状態を切り替える。本実施形態では、前述したように、複数種の遊技状態として、通常遊技状態(低確率低ベース状態)、時短遊技状態(低確率低ベース状態)、確変遊技状態(高確率高ベース状態)が設定されており、複数種の遊技状態のうちのいずれかが択一的に設定される。なお、各遊技状態については既に詳述しているので、ここでは重複説明を省略する。
また、遊技状態制御手段165は、大当り遊技が実行された場合に、当該大当り種別(図柄群の種類)に基づき、大当り遊技の終了後の変動パターン選択状態を決定するとともに、大当り遊技の終了後の変動パターン選択状態を切り替える。本実施形態では、複数種の変動パターン選択状態として、通常選択状態、時短選択状態、確変選択状態が設定されており、前記決定された遊技状態や大当り種別、特別図柄の変動表示回数などに応じて、複数種の変動パターン選択状態のうちのいずれかが択一的に設定される。なお、各変動パターン選択状態については既に詳述しているので、ここでは重複説明を省略する。
また、遊技状態制御手段165は、現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情
報を含む演出制御コマンド(「遊技状態指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
エラー監視制御手段170は、I/Oポート回路104の入力情報を監視し、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー状態演出を指示すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を要求する。なお、図6等では記載を省略しているが、扉開放スイッチはガラス枠5が開放されているか否かの検出手段であり、枠開放スイッチは前枠2が開放されているか否かの検出手段であり、裏セット開放スイッチは裏セット盤30が開放されているか否かの検出手段である。また、磁気センサおよび電波センサはいわゆる不正遊技行為を発見するための検出手段である。
メイン情報記憶手段180は、特別図柄遊技および普通図柄遊技にて取得した乱数値情報、特別図柄および普通図柄の作動保留球情報、特別図柄遊技および普通図柄遊技に関する遊技状態(確率変動機能、変動時間短縮機能、電チューサポート機能)の情報、変動パターン選択状態に関する情報、特別図柄および普通図柄の当否判定の結果情報(大当り、はずれ)、特別図柄および普通図柄に係る停止図柄(図柄群含む)の情報、特別図柄および普通図柄の変動パターン(変動付加パターン含む)の情報、大当り遊技に関する情報(ラウンド数、開放時間、開放態様(1ラウンド遊技あたりの開放回数)など)、特別図柄表示装置61,62の動作状態を示すステイタス情報、特別電動役物542の動作状態を示すステイタス情報、演出制御コマンドデータの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。
コマンド送受信手段190は、コマンド送信要求があった場合に、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納された各種の演出制御コマンドデータをパラレル伝送方式にて演出制御基板200に送信するように構成されている。なお、各演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含んだ2バイト構成となっており、MODEとEVENTを区別するために、MODEデータのBit7は「1」、EVENTデータのBit7は「0」としている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、MODEおよびEVENTの各々の送信タイミングでストローブ信号が出力される。各処理で発生した演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域にセットされた順番に従って割込み周期毎に1コマンド送信される。
演出制御基板200は、図7に示すように、演出抽選乱数発生手段210、演出統括手段220、ランプ制御手段230、役物制御手段240、エラー演出制御手段250、サブメイン情報記憶手段260、コマンド送受信手段270、を含む。なお、演出制御基板200における上述の各手段は、演出制御基板200上に配されたサブメインCPU201、ROM202、RAM203、電子回路等のハードウェア及びROM202に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
演出抽選乱数発生手段210は、サブメインCPU201のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数(演出抽選乱数)を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、先読み演出の抽選に使用する先読み抽選乱数、装飾図柄の停止図柄の抽選に使用する装飾図柄乱数、装飾図柄の変動演出パターンの抽選に使用する変動演出パターン乱数、予告演出の抽選に使用する予告抽選乱数、大当り演出パターンの抽選に使用する大当り演出パターン乱数、演出ステージの移行抽選に使用す
るステージ抽選乱数などが含まれる。これらの乱数の更新時期としては、後述の演出制御側メイン処理内でコマンド解析が行われなかった場合(主制御基板100から演出制御コマンドを受信しなかった場合)の残余時間を利用して更新する。
演出統括手段220は、演出モード制御手段221、保留情報表示制御手段222、先読み予告制御手段223、変動演出制御手段224、装飾図柄制御手段225、予告演出制御手段226、特別遊技演出制御手段227を含む。
演出モード制御手段221は、主制御基板100からの遊技状態指定コマンドなどに基づき、主制御基板100側で管理される遊技状態および変動パターン選択状態との整合性をとるかたちで、演出モード(「遊技演出モード」とも称する)を制御する。本実施形態では、複数種の演出モードとして、「通常演出モード」、「時短演出モード」、「確変演出モード」が設定されており、主制御基板100側において管理される遊技状態(又は変動パターン選択状態)や特別図柄の変動表示回数などに応じて、複数種の演出モードのうちのいずれかが択一的に設定され、該設定された演出モードに応じた変動演出が実行される。本実施形態では、遊技状態が通常遊技状態であるときは「通常演出モード」が設定され、遊技状態が時短遊技状態であるときは「時短演出モード」が設定され、遊技状態が確変遊技状態であるときは「確変演出モード」が設定される。いずれかの演出モードが設定されると、当該演出モードに滞在中であることを示唆する演出(変動演出)として、画面上において当該演出モード専用の背景画像(装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示され、また、当該演出モード専用のBGMがスピーカ8から出力される。このように背景画像およびBGMは演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像又はBGMの種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。
保留情報表示制御手段222は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2保留球数カウンタを有している。保留情報表示制御手段222は、主制御基板100からの図柄記憶数コマンドを受信すると、このコマンドに含まれる作動保留球数の情報に基づき、対応するカウンタの値を更新(加算)する。一方、保留情報表示制御手段222は、主制御基板100からの変動開始コマンドを受信すると、すなわち、作動保留球が消化されると、対応するカウンタの値を更新(減算)する。また、保留情報表示制御手段222は、第1保留球数カウンタおよび第2保留球数カウンタの値に基づいて、演出表示装置70の保留画像表示領域710に、第1特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像と、第2特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像とを表示する制御を行う。また、保留情報表示制御手段222は、演出表示装置70の変動中画像表示領域720に、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球(最先の作動保留球)が消化されることで、この作動保留球に対応する保留画像に切り替わって表示される変動中画像を表示する制御を行う。本実施形態では、明示的に言及しない限り、第1特別図柄の保留画像と第2特別図柄の保留画像とを区別せずに単に「保留画像」と称し、第1特別図柄の変動中画像と第2特別図柄の変動中画像とを区別せずに単に「変動中画像」と称する場合がある。
先読み予告制御手段223は、先読み予告演出の対象となる作動保留球に対して先読み的な判定(「先読み抽選」と称する)を実行する。先読み予告演出は、先読み対象の作動保留球が消化される以前の一又は複数回の変動表示に亘って大当り当選又は高期待度演出(例えばリーチ演出)発生の可能性を予告するいわゆる連続予告演出の一態様として発生される。このとき、先読み抽選は、主制御基板100からの事前判定コマンドに含まれる事前判定結果の情報に基づき行われる。ここで、先読み予告制御手段223は、主制御基板100からの事前判定コマンドを受信すると、第1特別図柄の事前判定結果の情報と第2特別図柄の事前判定結果の情報とを区別して、それぞれ所定の上限個数(4個)まで、
作動保留球の入球順序と結合したかたちでサブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域に一時記憶する。この先読み情報格納領域は、主制御基板100の保留記憶領域と同様の構成となっており、各始動口51,52への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、当否事前判定結果の情報、図柄事前判定結果の情報、変動パターン事前判定結果の情報を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。事前判定結果の情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の事前判定結果の情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された事前判定結果の情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
変動演出制御手段224は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報、変動付加情報など)に基づき、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程(演出過程)を規定した変動演出パターンを抽選により決定する。変動演出制御手段224は、装飾図柄の変動演出パターンを選択する際に参照される複数種の変動演出パターンテーブルを保持しており、これら複数種の変動演出パターンテーブルの中から特別図柄の変動パターン(変動時間)に対応した変動演出パターンテーブルが選択されるようになっている。ここで、主制御基板100側では特別図柄のメイン変動パターン(例えば「SPリーチA」や「SPリーチB」など)が定まるのに対して、演出制御基板200側では当該メイン変動パターンを基に演出表示過程のシナリオを詳細に規定した装飾図柄のサブ変動パターン(例えば「SPリーチA1,A2…」や「SPリーチA2,A3…」など)が定まる。装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のシナリオが定義されており、当該表示過程中の各段階において予告演出を発生させるタイミングなどもタイムスケジュールとして規定されている。また、この装飾図柄の変動演出パターンについては、特別図柄の変動パターンが同一であっても(同一情報の変動開始コマンドを受信した場合でも)、滞在中の演出モードを異にすれば、互いに演出内容の異なる変動演出パターンが選択され得ることになる。すなわち、変動演出パターンテーブルは、滞在中の演出モードごとに用意される。
また、変動演出制御手段224は、主制御基板100からの待機デモコマンドを受信したことを契機として、該待機デモコマンドを受信してから特別図柄の変動表示が開始されるまで(次の変動開始コマンドを受信するまで)の客待ち期間中に、例えばデモンストレーション用の動画像を再生する待機デモ演出(客待ちデモ演出)を実行する。
装飾図柄制御手段225は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(停止図柄情報、遊技状態情報)と、変動演出制御手段224により決定された上記の変動演出パターンとに基づき、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・右図柄)を抽選により決定する。本例では、複数種類の装飾図柄を含む3つの図柄列が構成されており、この装飾図柄は例えば数字等からなる識別要素により形成される。また、装飾図柄制御手段225は、装飾図柄の停止図柄の組合せ(「停止図柄パターン」ともいう)を抽選で決定する際に参照される複数種の停止図柄パターンテーブルを保持している。この複数種のテーブルとしては、大当り用の停止図柄パターンテーブル、リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブル、非リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブルなどがある。装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組み合わせとして形成され、「大当りを示す停止図柄(大当り図柄)」と、「はずれを示す停止図柄(はずれ図柄)」とを含む。特定大当り(確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の奇数数字の図柄が3つ揃った停止態様
の組合せ(例えば「7・7・7」)となる。通常大当り(非確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の偶数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば、「2・2・2」)となる。はずれ図柄は、3つの図柄のうちの少なくとも1つが他の数字と異なる数字の図柄となる停止態様の組合せ(例えば「1・3・8」)となる。ここで、はずれ図柄のうちリーチはずれ図柄は、左図柄と右図柄とが一致している状態で中図柄のみが前後に数コマずれた停止態様の組合せ(例えば「3・1・3」)となる。なお、小当り図柄や、大当り図柄であっても2R大当り図柄などの場合は、例えば「3・5・7」のような所定の停止態様の組み合わせとなる場合がある。また、抽選結果が非リーチはずれである場合には、いわゆる「チャンス目」と称される特定の出目(例えば、順目として「1・2・3」や「5・6・7」など、ズレ目として「2・2・3」や「5・5・6」など)が選択されることがある。更には、前述の擬似連続演出において、最終的な停止図柄を確定表示する前に仮停止表示および再変動表示させる演出を行う場合には、擬似連の発生を示唆する仮停止図柄として特殊図柄(擬似連図柄)が選択される。擬似連の発生を示唆する仮停止図柄を表示させる場合は、三列の装飾図柄の停止図柄のうち、少なくとも一つの停止図柄(典型的には中図柄)を「NEXT」などの文字を表示する特殊図柄(擬似連図柄)に差し替えて表示させる場合(例えば、「2・NEXT・3」など)がある。なお、装飾図柄を停止させるための停止順序は、次述の変動演出パターン毎に予め定められており、本実施形態では原則として、左図柄→右図柄→中図柄の順に停止させる。但し、変動時間が極短く設定された短縮変動の変動演出パターンである場合には、左図柄・中図柄・右図柄をほぼ同時に停止させ、特殊の変動演出パターンである場合には、右図柄→中図柄→左図柄の順に停止させることもでき、この場合は大当り期待度が相対的に高くなる傾向となる。また、いずれの停止順であったとしても、変動開始時は左図柄・右図柄・中図柄が同時に変動を開始することが望ましい。但し、こちらも特殊の変動演出パターンとして、左図柄・右図柄・中図柄の順で変動を開始してもよい。
ここで、図13は、本実施形態における装飾図柄の図柄属性を示す模式図である。装飾図柄は、数字からなる識別要素と、該識別要素に付された色彩(表示色)との組合せにより形成されている。本実施形態では、識別要素として、「1」~「9」の数字の全9種類が設定されている(すなわち、全9種類の装飾図柄が存在する)。各装飾図柄は図柄列の配列に従って「1」~「9」の順に配置されており、演出表示装置70上では「1」~「9」の順序(又は「9」~「1」の順序)で各表示領域Z1,Z2,Z3にて巡回表示又はスクロール表示され、「9」のあとは再び「1」に戻る(又は「1」のあとは再び「9」に戻る)ようになっている。この仕様は他の実施形態においても同様である。各装飾図柄は、識別要素に付された色彩の種類により図柄属性が定められている。つまり、複数の装飾図柄が互いに異なる識別要素から構成されていても、同一の色彩が付されることにより、同一の図柄属性にグループ化されることになる。本例では、装飾図柄の色彩として「青色」、「赤色」、「金色」の3種類が設定されている。なお、図面上では、「青色」、「赤色」、「金色」の3種類の装飾図柄の表示態様を、「白抜き」、「斜線」、「塗り潰し」により表現する。具体的に、装飾図柄「2」、「4」、「6」、「8」は青色の図柄属性(青色属性)に分類され、装飾図柄「1」、「3」、「5」、「9」は赤色の図柄属性(赤色属性)に分類され、装飾図柄「7」は金色の図柄属性(金色属性)に分類される。本実施形態では、装飾図柄の図柄属性として、「青色」<「赤色」<「金色」の順に1段階ずつ、出玉獲得の期待度及び確変移行の期待度が高くなる。以下では、便宜上、青色属性の装飾図柄を「青図柄」、赤色属性の装飾図柄を「赤図柄」、金色属性の装飾図柄を「金図柄」とも称する。
予告演出制御手段226は、変動演出制御手段224にて決定された変動演出パターンのシナリオに沿って装飾図柄の変動過程の各段階で実行される予告演出の内容を規定した予告演出パターンを抽選により決定する。予告演出パターンには、特定のキャラクタの画像、アニメーションなどを一時的又は段階的に画像表示させる演出パターンや、特定の音
声を出力する演出パターン、演出ランプLPを発光表示させる演出パターン、可動体役物601等を動作させる演出パターン等が含まれる。予告演出は、装飾図柄の変動表示と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する大当り信頼度が高いことを予告的に示唆するものである。予告演出には、装飾図柄の変動表示過程においてリーチ状態が発生する前(リーチ発生時を含む)に実行される予告演出と、リーチ状態が発生した後に実行される予告演出とがある。予告演出はそれぞれ大当り信頼度が異なるものとなっており、基本的には、リーチ発生前に表示される予告演出よりも、リーチ発生後に表示される予告演出の方が相対的に大当り期待度は高くなっている。予告演出制御手段226は、予告演出パターンを選択する際に参照される予告抽選テーブルを予告演出の種類別に保持しており、変動演出パターンのシナリオに沿って発生する予告演出の種類に応じた予告抽選テーブルを選択するようになっている。なお、具体的な予告演出の種類としては、例えば、コメント予告演出、背景予告演出、SU(ステップアップ)予告演出、ロゴ予告演出、ミニキャラ予告演出、群予告演出、役物予告演出などが用意されている。この予告演出は、基本的には、演出表示装置70での装飾図柄の変動表示に、1又は複数の予告演出の表示を合成することによって行われる。そのため、同一の変動演出パターンによる装飾図柄の変動表示であっても、1又は複数の予告演出との組み合わせによって多彩な演出態様を発生させることが可能となる。
特別遊技演出制御手段227は、大当り遊技中であることを報知する大当り中演出の内容(大当り演出パターン)を決定する。大当り中演出は、大当り遊技の開始を報知する大当り開始デモ演出と、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出と、大当り遊技の終了を報知する大当り終了デモ演出とを含む。特別遊技演出制御手段227は、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信した場合、サブメイン情報記憶手段260に格納された大当り種別の情報などに基づき、大当り中演出パターン(大当り開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、大当り終了デモ演出パターン)を決定する。この大当り演出パターンには、大当り開始デモ演出時間と、ラウンド演出時間(大入賞口54の開放パターンに応じた演出時間)と、大当り終了デモ演出時間とが設定されるとともに、その時間軸に沿って一連の演出内容が設定されている。また、特別遊技演出制御手段227は、大当り演出パターンに従って、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信したことを契機として大当り開始デモ演出を実行し、ラウンド演出指定コマンドを受信したことを契機として各ラウンド演出を実行し、大当り終了デモコマンドを受信したことを契機として大当り終了デモ演出を実行する。大当り開始デモ演出では、例えば画面上に「大当り開始」の文字が表示されて、大当り遊技の開始が告げられる。また、ラウンド演出では、例えば画面上に現在実行中のラウンド数や獲得賞球数が表示されるとともに、大当り遊技を盛り上げる各種画像(アニメーション画像など)が表示される。そして、大当り終了デモ演出では、例えば画面上に「大当り終了」の文字が表示されて、大当り遊技の終了が告げられ、その後に移行する遊技状態(モード)を示す演出が表示される。
以上、演出統括手段220は、前記決定された演出内容(先読み演出パターン、変動演出パターン、予告演出パターン、停止図柄パターン、大当り演出パターンなど)に基づき画像および音響に関する画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する。
ランプ制御手段230は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って演出ランプLPの点灯や発光色等を制御する。ランプ制御手段230は、演出ランプLPを点灯制御するための複数種のランプデータ(ランプパターンデータ)を保持しており、前記決定した演出パターンに応じたランプデータを読み出して、このランプ制御信号(ランプデータ)をランプ接続基板91へ送信する。
役物制御手段240は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って各可動役
物24の駆動を制御する。役物制御手段240は、可動体役物601,641,651を駆動制御するための複数種の駆動データを保持しており、前記決定した演出パターンに応じた駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92へ送信する。
エラー演出制御手段250は、主制御基板100からエラー演出指定コマンドを受信した場合にエラー演出パターンを決定し、遊技機にエラー状態が発生したことを当該エラー演出パターンに従って報知するように構成されている。
サブメイン情報記憶手段260は、装飾図柄の情報、変動演出パターンの情報、予告演出パターンの情報、制御コマンドの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。例えば、コマンド格納領域には、主制御基板100からの演出制御コマンドを格納するための演出制御コマンドバッファ、画像制御基板300への画像制御コマンドを格納するための画像制御コマンドバッファ、画像制御基板300からのACKコマンドを格納するためのACKコマンドバッファを含む。各コマンドバッファはそれぞれリングバッファから構成されており、所定数の演出制御コマンド、画像制御コマンド、ACKコマンドをそれぞれ格納可能である。
コマンド送受信手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、この演出制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260の演出制御コマンドバッファに格納するように構成されている。コマンド送受信手段270は、主制御基板100からの前述のストローブ信号の入力に基づき割込みを発生させて演出制御コマンドの受信割込み処理(詳細後述)を実行し、この割込み処理において各種の演出制御コマンドを取得するようになっている。なお、コマンド送受信手段270は、ストローブ信号を受信した場合には、この演出制御コマンドの受信割込み処理を他の割込み処理(後述する優先レベル7未満の割込み処理)よりも優先的に行うようになっている。
また、コマンド送受信手段270は、演出統括手段220にて設定された演出内容(変動演出パターン情報、予告演出パターン情報、装飾図柄情報など)の実行を指示すべく、サブメイン情報記憶手段260に格納された画像制御コマンドをシリアル通信方式にて画像制御基板300へ送信する。画像制御コマンドは、原則として、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にセットされた順番に従って所定の周期(本例では500μs)毎に送信される。これにより、画像制御基板300は、演出制御基板200から送信された各種の画像制御コマンドを解析し、変動演出パターンのシナリオに沿って演出表示装置70に装飾図柄を含む演出画像を変動表示させるとともに、変動表示過程の各段階で図柄変動の演出に重畳させるかたちで予告演出を表示させる。さらに、コマンド送受信手段270は、画像制御基板300から送信されたACKコマンドを受信し、このACKコマンドをサブメイン情報記憶手段260のACKコマンドバッファに格納するようになっている。
<主制御基板側の処理>
次に、図14~図27のフローチャートを参照しながら、主制御基板100における動作処理の手順について説明する。主制御基板100側の処理は、主制御側メイン処理と、主制御側タイマ割込み処理と、を含んで構成される。
《主制御側メイン処理》
図14~図15は主制御基板100の主制御側メイン処理を示すフローチャートである。この主制御側メイン処理では、電源投入時のリセットによりメインCPU101のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S1以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定するとともに(S1)、RAM103のアクセス許可を行う(S2)。続いて、タイマ割込みが発生した場合に処理するプログラムの先頭アドレスが格納されたベクタテーブルを設定し(S3)、メインCPU101の内蔵レジスタに初期値を設定する(S4)。
続いて、RAMクリアスイッチがオンされているか否かを判定する(S5)。RAMクリアスイッチがオンされている場合(S5:YES)には、後述するS9でRAM103の全領域がゼロクリアされる。他方、RAMクリアスイッチがオンされていない場合(S5:NO)には、電源断情報フラグの値を読み込んで、電源断正常の情報が保存されているか否かを判定する(S6)。
ここで、電源断正常の情報が保存されている場合(S6:YES)には、RAM103の所定領域を対象としてチェックサムを算出する(S7)。そして、このチェックサムが0であるか否か、すなわち、チェックサムが正常であるか否かを判定する(S8)。なお、ここで算出される電源投入時のチェックサムには、後述の電源断時処理で算出されるチェックサムの補数が含まれているため、正常にバックアップされていれば、電源投入時のチェックサムは「0」となる。このように、電源断前にRAM103に記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断する。このとき、チェックサムが正常である場合(S8:YES)には、電源断前の状態に復帰すべく、後述するS12に移行する。他方、チェックサムが異常である場合に(S8:NO)には、RAM103の全領域をゼロクリアする(S9)。次に、RAM103に電源投入時の初期化データを設定する(S10)。続いて、演出表示装置70の初期化、演出ランプLPの初期化などを行うため、演出制御基板200への演出制御コマンド(「演出初期コマンド」)を要求する(S11)。
次に、電源断復帰設定処理において、RAM103における、電源投入正常情報の設定、各種エラーの初期設定、払出制御基板400との通信初期設定を順に行う(S12)。ここで、電源投入正常情報の設定としては、電源投入が正しく行われたことを保存するため、電源断情報フラグに電源投入正常データを格納するとともに、電源断発生の情報を初期化するため、電源断確認フラグをオフにする。次に、データ転送元アドレス、データ転送先アドレス、転送バイト数、をセットして、転送バイト数分のデータを転送する(S13)。そして、電源断時における特別図柄遊技ステイタスの値を読み込んで、特別図柄遊技に係る電源断復帰処理を行う(S14)。
続いて、主制御基板100と演出制御基板200との電源断復帰時の演出制御コマンド(「電源断復帰コマンド」)の送信要求を行う(S15)。この電源断復帰コマンドには、通信線の検査、特別図柄の作動状態、確率変動回数、時短回数、入球容易状態回数、変動パターン選択状態、エラー状態に関する情報が含まれている。なお、電源断前の未送信分のコマンド要求はクリアされる。次に、図柄記憶数コマンド要求処理において、電源断時の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を読み込み、この作動保留球数の情報を含む演出制御コマンドを要求する(S16)。
続いて、普通電動役物522を電源断前の状態(例えば、第2始動口52を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S17)。さらに、特別電動役物542を電源断前の状態(例えば、大入賞口54を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S18)。続いて、確変フラグの値を読み込み、電源断時における特別図柄の確率変動機能の作動状態を設定する(S19)。なお、確変フラグとは、特別図柄遊技の作動確率(高確率又は低確率)を設定するためのフラグ(特別図柄の確率変動機能が作動している状態であることを示すフラグ)である。次いで、タイマ割込みを起動させるため、主制御マイコン110のCT
C回路の初期設定として、所定のカウント値を設定して、タイマ割込みを4ms毎に発生させる(S20)。続いて、タイマ割込み処理の発生を禁止すべく割込み禁止を設定する(S21)。そして、ウォッチドッグタイマのリスタート準備として、クリアワード1(「55H」)を設定する(S22)。
次に、電源断の発生を判定するため、電源断確認フラグの値を読み込み、電源断が発生しているか否かを判定する(S23)。電源断が発生していない場合には、初期値乱数更新処理を実行する(S24)。この初期値乱数更新処理では、この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ割込み処理の発生を許可すべく割込み許可を設定して(S25)、上述の割込みを禁止する処理(S21)に戻り、S21~S25のループ処理を繰り返し実行する。ここで、タイマ割込み処理は所定の周期ごとに定期的に実行されるが、前回の割込み処理が完了してから次回の割込み処理が発生するまでの間の残余時間を利用して、S21~S25までの処理を繰り返す。そして、割込み禁止状態において割込み要求があった場合には、S25で割込み許可となったときにタイマ割込み処理が起動することとなる。他方、S23で電源断確認フラグがオンとなっている場合、すなわち、電源断が発生している場合には、S26に移行して、次述する電源断時処理を実行する。
次に、電源断時処理(S26~S32)として、まず、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S26)。次に、電源断情報フラグの内容が電源投入正常データであるか否かを判定する(S27)。電源投入正常情報である場合(S27:Yes)には、電源断情報フラグに電源断正常データを設定する(S28)。他方、電源投入正常情報でない場合(S27:No)には、電源断情報フラグに電源断異常データを設定して(S29)、S32に移行する。
次に、RAM103の所定領域(チェックサム領域を除く)に対してチェックサムを算出する(S30)。そして、チェックサムデータに対する補数を算出し、この補数の結果値をRAM103のチェックサム領域に設定する(S31)。続いて、RAM103のアクセス禁止設定をして(S32)、電源が落ちるまで処理をループする。
《主制御側タイマ割込み処理》
次に、主制御基板100の主制御側タイマ割込み処理を説明する。図16は、主制御基板100のタイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、遊技制御マイコン110のCTC回路からの一定時間(例えば4ms)毎のクロックパルスにより起動され、上述の主制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。
まず、このタイマ割込みが発生すると、メインCPU101内のレジスタの内容をRAM103のスタック領域に退避させた後、割込み動作条件を設定する(S51)。
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S52)。このとき、予め設定されたタイムアウト時間内に、CPU101のWDTクリアレジスタに、クリアワード1、クリアワード2が順に書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。すなわち、メインCPU101がプログラムを正常に実行しているときは、定期的にクリアワード1,2が設定されることにより、ウォッチドッグタイマがタイムアウトする前にクリアおよびリスタートされることとなる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
次に、入力処理を実行する(S53)。この入力処理では、主制御基板100に接続されている各種スイッチとして、RAMクリアスイッチ以外のスイッチの情報が読み込まれる。すなわち、第1始動口スイッチ511、第2始動口スイッチ521、作動ゲートスイッチ531、大入賞口スイッチ541、一般入賞口スイッチ551、扉開放スイッチ、枠開放スイッチ、裏セット開放スイッチ、磁気センサ、電波センサ、などの入力情報を読み込み、それらの状態判定を行ったうえで、これらの検出情報を格納する。
次に、各種乱数更新処理を実行する(S54)。この各種乱数更新処理では、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄変動パターン乱数、特別図柄変動付加パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数については、乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。他方、特別図柄変動パターン乱数および特別図柄変動付加パターン乱数については、前回の乱数から所定値(例えば3511)を減算する。なお、減算した結果が0未満の場合には、減算した結果に所定値(例えば50000)を加算する。
次に、初期値更新型乱数更新処理を実行する(S55)。この初期値更新型乱数更新処理では、普通図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数および特別図柄当り図柄乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。また、カウンタの数値が1周した場合には、対応する初期値乱数の値を初期値として設定する。
次に、初期値乱数更新処理を実行する(S56)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ減算処理を実行する(S57)。このタイマ減算処理では、ぱちんこ遊技機PMの遊技動作制御に用いる各種タイマの値を減算更新する。例えば、各種タイマの値を割込み周期(本例では4ms)ずつ減算する。なお、各種タイマには、特別図柄表示装置61,62による変動表示および停止表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマ、などが含まれる。特別図柄遊技タイマには、特別図柄の変動表示の開始時に規定の変動時間が設定され、その時間の経過に伴い減算される。なお、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の変動表示中に、他方の特別図柄の小当り遊技が実行された場合には、その小当り遊技の実行中は、一方の特別図柄の変動表示の計時が中断される。
次に、第2始動口有効期間設定処理を実行する(S58)。この第2始動口有効期間設定処理では、第2始動口51の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として、第2始動口51の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、入賞監視処理を実行する(S59)。この入賞監視処理では、前記入力処理(S53)での第1始動口スイッチ511、第2始動口スイッチ521、作動ゲートスイッチ531、大入賞口スイッチ541、一般入賞口スイッチ551の検出情報に基づき、遊技球のスイッチ通過検査を行い、その結果、遊技球が各スイッチを通過したと判断した場合、遊技球が各スイッチを通過したことを示す情報をメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、遊技球が各スイッチを通過したことを示す情報を含む演出制御コマンドの送信要求、などを行う。なお、この入賞監視処理(S59)の詳細は図17を用いて後述する。
次に、賞球制御処理を実行する(S60)。この賞球制御処理では、上記の入賞監視処理での検出結果に基づき、入賞の種別に対応する賞球個数の指示をすべく払出制御コマンドを払出制御基板400へ送信するとともに、払出制御基板400からの受信データを監視して払出制御基板400との通信検査を行う。
次に、普通図柄作動ゲート監視処理を実行する(S61)。この普通図柄作動ゲート監視処理では、遊技球の作動ゲート53への通過を監視し、作動ゲート53を通過していると判断した場合、普通図柄抽選に係る乱数を作動保留球情報として取得して、最大4個を限度として作動保留球数の更新を行うとともに、普通図柄抽選に係る乱数の記憶を行う。
次に、普通図柄制御処理を実行する(S62)。この普通図柄制御処理では、普通図柄表示装置65又は普通電動役物522に係る一連の処理を行うため、普通図柄遊技ステイタスの値に応じて、普通図柄変動中処理、普通図柄停止図柄表示中処理、普通電動役物作動中処理、普通電動役物作動終了デモ中処理、などを実行する。なお、普通図柄変動中処理では、普通図柄を変動表示又は確定表示させるべく、普通図柄の表示パターン番号データを作成(更新)する。
次に、普通図柄変動開始監視処理を実行する(S63)。この普通図柄変動開始監視処理では、普通図柄の作動状態を監視して、普通図柄の変動開始条件を充足していると判断したとき、普通図柄作動保留球数を1個消化して、普通図柄の当否判定、図柄の判定、変動パターンの判定、変動時間の設定、などを順に行う。
次に、始動口監視制御処理を実行する(S64)。この始動口監視制御処理では、遊技球の第1始動口51および第2始動口52への入賞を監視して、遊技球の入賞があった場合、保留球数の更新、特別図柄抽選に係る乱数記憶、先読み予告演出判定、図柄記憶数のコマンド要求、などを順に行う。
次に、特別図柄制御処理を実行する(S65)。この特別図柄制御処理では、特別図柄表示装置61,62に係る一連の処理として、特別図柄遊技ステイタスの値に応じて、詳細後述する特別図柄変動開始処理(S420)、特別図柄変動中処理(S430)、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)、などを実行する。
次に、特別電動役物制御処理を実行する(S66)。この処理では、特別図柄の抽選結果が「大当り」又は「小当り」となった場合に、特別電動役物542に係る動作処理として、特別電動役物542の作動開始および作動終了の設定、大入賞口54の開放時間および開放回数の更新、確率変動機能の作動開始設定、変動時間短縮機能の作動開始設定、変動パターン選択状態の設定、などを順に実行する。
次に、大入賞口有効期間設定処理を実行する(S67)。この大入賞口有効期間設定処理では、大入賞口54の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として大入賞口54の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、特別図柄変動開始監視制御処理を実行する(S68)。この特別図柄変動開始監視制御処理では、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、保留球数を1個消化して、図柄記憶数のコマンド要求、特別図柄の当否判定、特別図柄の図柄判定、確率変動機能の判定、時間短縮機能の判定、特別電動役物の作動パターンの設定、デモ演出時間の設定、などを順に行う。
次に、異常検知処理を実行する(S69)。この異常検知処理では、前記入力処理(S53)での入力情報に基づき、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、
電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを順に検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー表示を要求すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を生成する。
次に、入球通過時間異常検出処理を実行する(S70)。この入球通過時間異常検出処理では、入賞検出スイッチのオン信号が連続して所定時間以上検出された場合に、入球通過時間異常を設定して、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)の要求を行うとともに、外部端子へ出力するためのセキュリティ信号の出力要求を行う。
次に、遊技状態表示処理を実行する(S71)。この遊技状態表示処理では、特別電動役物542が連続して作動する回数(規定ラウンド数)、普通図柄および特別図柄の作動保留球数、などの表示データを作成する。また、前記の異常検知処理で検出したエラー状態の情報を主制御基板100の状態表示灯に表示させるための表示データを作成する。
次に、LED出力処理を実行する(S72)。このLED出力処理では、特別図柄および普通図柄の表示、保留球数の表示、特別電動役物が連続して作動する回数、エラーの表示などを行うべく、前記の特別図柄制御処理(S65)、異常検知処理(S69)、遊技状態表示処理(S71)等で作成された表示データを、各特別図柄表示装置61,62、普通図柄表示装置65、各特図保留ランプ63,64、普図保留ランプ66、主制御基板100の状態表示灯などに出力するとともに、これら各種表示装置における表示の初期化を行う。
次に、発射制御信号出力処理を実行する(S73)。この発射制御信号出力処理では、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合に、払出制御基板400に対して発射許可の信号を出力し、遊技球の発射を許可する。他方、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されている場合には、払出制御基板400に対して発射禁止の信号を出力し、遊技球の発射を禁止する。
次に、ソレノイド出力処理を実行する(S74)このソレノイド出力処理では、各電動役物522,542を作動させるべく、前記の普通図柄制御処理(S62)および特別電動役物制御処理(S66)において取得した制御データに基づき、各電動役物ソレノイド522,542に対して励磁信号を出力する。
次に、演出制御コマンド送信処理を実行する(S75)。この演出制御コマンド送信処理では、前記の処理でメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域(リングバッファ)に格納された演出制御コマンドの中から、ポインタで指定された演出制御コマンドを読み出して、この演出制御コマンドを演出制御基板200に対して送信する。
次に、外部情報出力処理を実行する(S76)。この外部情報出力処理では、外部情報端子板500を介して、本遊技機PMに係る遊技情報を外部情報信号としてホールコンピュータ等の外部装置に出力する。この外部情報信号としては、例えば、賞球信号、扉枠開放信号、磁気センサ異常信号、断線短絡電源異常信号、異常センサ検知(入球通過時間異常等)信号、大当り信号、連荘中信号、図柄確定信号などがある。
次に、退避していたレジスタの内容を復帰させて、メインCPU101を割込み許可状態に設定する(S77)。これにより、主制御側タイマ割込み処理を終了して上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を実行する。
なお、主制御側メイン処理中又は割込み処理中に、主制御基板100が電源断(所定の閾値に基づき供給電圧の低下)を検出すると、ノンマスカブル割込みを発生させて、電源断確認フラグをオンにする。そして、元の処理に戻ったうえで、前述の電源断時処理(S
26~S32)を実行することとなる。
≪入賞監視処理≫
次に、入賞監視処理(S59)について説明する。図17は、入賞監視処理(S59)の詳細を示すフローチャートである。
まず、第1始動口スイッチ入力処理を実行する(S101)。第1始動口スイッチ入力処理では、第1始動口スイッチ511からの検出信号を入力したか否かを判定する。第1始動口スイッチ511からの検出信号を入力した場合は、遊技球が第1始動口51に入球したことを示す第1始動口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、第1始動口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、第1始動口スイッチ511からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
続いて、第2始動口スイッチ入力処理を実行する(S102)。第2始動口スイッチ入力処理では、第2始動口スイッチ521からの検出信号を入力したか否かを判定する。第2始動口スイッチ521からの検出信号を入力した場合は、遊技球が第2始動口52に入球したことを示す第2始動口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、第2始動口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、第2始動口スイッチ521からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
次いで、作動ゲートスイッチ入力処理を実行する(S103)。作動ゲートスイッチ入力処理では、作動ゲートスイッチ531からの検出信号を入力したか否かを判定する。作動ゲートスイッチ531からの検出信号を入力した場合は、遊技球が作動ゲート53を通過したことを示す作動ゲート入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、作動ゲート入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、作動ゲートスイッチ531からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
続いて、大入賞口スイッチ入力処理を実行する(S104)。大入賞口スイッチ入力処理では、大入賞口スイッチ541からの検出信号を入力したか否かを判定する。大入賞口スイッチ541からの検出信号を入力した場合は、遊技球が大入賞口54に入球したことを示す大入賞口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、大入賞口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、大入賞口スイッチ541からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
続いて、一般入賞口スイッチ処理を実行する(S105)。一般入賞口スイッチ入力処理では、一般入賞口スイッチ551からの検出信号を入力したか否かを判定する。一般入賞口スイッチ551からの検出信号を入力した場合は、遊技球が一般入賞口55~57のいずれかに入球したことを示す一般入賞口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞データ格納領域に一時記憶するとともに、一般入賞口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、一般入賞口スイッチ551からの検出信号の入力がなければ、今回の入賞監視処理を終了する。
≪特別図柄遊技処理≫
次に、主制御側タイマ割込み処理内の特別図柄遊技に係る一連の処理について説明する。特別図柄遊技に係る処理には、前述の始動口監視制御処理(S64)、特別図柄制御処理(S65)、特別電動役物制御処理(S66)、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)、などが該当する。
(始動口監視制御処理)
始めに、始動口監視制御処理(S64)について説明する。図18は、始動口監視制御処理(S64)の詳細を示すフローチャートである。
まず、第1始動口51への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S201)。第1始動口51への入賞を検出した場合(S201:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S202)。
第1特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S202:YES)には、第1特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S203)。そして、第1特別図柄の作動保留球数の更新として、第1特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S204)、第1始動口51の入賞チェックを終了する。
続いて、第2始動口52への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S205)。第2始動口52への入賞を検出した場合(S205:YES)には、第2特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S206)。第2特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S206:YES)には、第2特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第2特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S207)。そして、第2特別図柄の作動保留球数の更新として、第2特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S208)、第2始動口52の入賞チェックを終了する。
続いて、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数の更新があったか否か、すなわち、S204又はS208にて第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が加算されたか否かを判定する(S209)。作動保留球数の更新があった場合(S209:YES)には、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S210)。
次いで、遊技機の状態を確認し、事前判定タイミングであるか否かを判定する(S211)。事前判定タイミングである場合(S211:YES)には、始動口入賞時に取得された各種乱数に基づく先読み判定情報を生成するため、当り乱数バッファ(保留n記憶領域またはレジスタなど)から特別図柄当り乱数値を読み出して、当否事前判定を行う(S212)。そして、この事前判定結果の情報(当否事前判定番号)を含む当否事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S213)。
また、当り図柄乱数バッファから特別図柄当り図柄乱数値を読み出して、図柄事前判定を行う(S214)。そして、この事前判定結果の情報(図柄事前判定番号)を含む図柄事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S215)。さらに、変動パターン乱数バッファから特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、変動パターン事前判定を行う(S216)。そして、この事前判定結果の
情報(変動パターン事前判定番号)を含む変動パターン事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S217)。
(特別図柄変動開始監視制御処理)
次に、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)について説明する。図19は特別図柄変動開始監視制御処理(S68)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動開始監視制御処理(S68)では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、変動開始条件を充足している方の特別図柄側に対して、後述の特別図柄変動開始監視処理(S310)を実行する。なお、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動開始条件を充足している場合には、前述したように、第2特別図柄側の処理が優先的に実行される。
まず、大当り中又は小当り中であるか否かを判定する(S301)。続いて、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動待機中であるか、すなわち、第1特別図柄遊技ステイタスおよび第2特別図柄遊技ステイタスが共に「00H(変動待機中)」であるか否かを判定する(S302)。
続いて、第2特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定して(S303)、当該保留球数が「0」でない場合(S303:NO)には、第2特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第2特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S304)、第2特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。すなわち、本実施形態では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合には、第1特別図柄の作動保留球の存在の有無に拘わらず、第2特別図柄の作動保留球が優先的に消化されるようになっている。この特別図柄変動開始監視処理(S310)の詳細は図20を用いて後述する。
他方、第2特別図柄の作動保留球数が「0」である場合(S303:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定する(S305)。ここで、当該保留球数が「0」でない場合(S305:NO)には、第1特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第1特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S306)、第1特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。
なお、第1特別図柄および第2特別図柄の変動開始条件が共に成立していない場合(S301:YES,S302:NO,S305:YES)には、特別図柄変動開始監視処理(S310)をスキップする。
(特別図柄変動開始監視処理)
次に、特別図柄変動開始監視処理(S305,S309)について説明する。図20は、特別図柄変動開始監視処理(S305,S309)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動開始監視処理(S305,S309)では、上述のS304又はS308で設定された第1特別図柄変動開始監視テーブル又は第2特別図柄変動開始監視テーブルを参照して、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。
まず、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の作動保留球数を1減算する(S311)。そして、減算後の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S312)。続いて、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の特別図柄保留格納領域にアクセスして、最先の保留記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を順に読み出し、これらの乱数値を、後述の特別図柄当否判定処理(S320)、図柄判定処理(S330)、変動パターン選択処理(S423)に使用するため、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域、特別図柄変動付加パターン判定領域に転送する(S313)。また、保留記憶領域の更新として、保留2記憶領域~保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の保留記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(S314)。
続いて、特別図柄当否判定処理を実行する(S320)。特別図柄当否判定処理(S320)では、まず、特別図柄当否抽選テーブルを取得する。このとき、遊技状態が特別図柄確変状態である場合は高確率の当否抽選テーブルを取得し、遊技状態が通常状態である場合は低確率の当否抽選テーブルを取得する。次いで、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出す。そして、特別図柄当否抽選テーブルを参照して、特別図柄当り乱数値に基づき、特別図柄の当否判定を実行する。また、この当否判定結果に対応した値(大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)をメイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納する。
続いて、図柄判定処理を実行する(S330)。図柄判定処理(S330)では、当否判定の結果に応じて、特別図柄の停止図柄、キャラクタ演出番号(変動付加図柄情報)を決定する。そして、今回決定した特別図柄の停止図柄(図柄群)、キャラクタ演出番号をメイン情報記憶手段180の図柄格納領域に格納する。なお、キャラクタ演出番号は、決定された停止図柄(図柄群)の種類と、特別図柄および普通図柄の確率変動機能の作動状態(特別図柄の確変オン/特別図柄の確変オフ/普通図柄の確変オン/普通図柄の確変オフの4パターン)との組み合わせに基づき決定される。なお、当否判定の結果がはずれの場合には、キャラクタ演出番号「0」が決定される。
続いて、特別図柄の当否判定の結果が大当りに該当するか否かを判定する(S342)。特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合(S342:NO)は、S351に移行する。
特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合(S342:YES)は、上記S330で決定した図柄群の種類(大当り種別)と、大当り当選時の遊技状態とに基づき、大当り遊技の終了後において特別図柄の確率変動機能が作動する回数として、確率変動回数を決定する(S345)。また、上記S330で決定した図柄群の種類(大当り種別)と、大当り当選時の遊技状態とに基づき、大当り遊技の終了後において特別図柄の変動時間短縮機能が作動する回数として、変動時間短縮回数を決定する(S346)。さらに、上記S330で決定した図柄群の種類(大当り種別)と、大当り当選時の遊技状態とに基づき、大当り遊技の終了後において電チューサポート機能が作動する回数として、電サポ回数を決定する(S347)。この判定結果(確率変動回数、変動時間短縮回数、電サポ回数)は、メイン情報記憶手段180の時短回数格納領域および電サポ回数格納領域に記憶される。続いて、S330で決定した図柄群の種類(大当り種別)に基づき、大当り遊技(ラウンド遊技)中の特別電動役物542の作動パターンを設定する(S348)。具体的には、特別電動役物542の作動パターンとして、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドにおける大入賞口54の開放パターン(最大開放時間)などを設定する。
次いで、S330で決定された図柄群の種類と現在の遊技状態とに基づき、大当り遊技終了後又は小当り遊技後の変動パターン選択状態を設定する(S349)。続いて、S330で決定された図柄群の種類に基づき、特別遊技(大当り遊技又は小当り遊技)のデモ演出時間(当り開始デモ時間および当り終了デモ時間)を設定する(S350)。次いで、前述の特別図柄当否判定処理(S320)および図柄判定処理(S330)で使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域および特別図柄図柄判定領域をクリアする(S351)。そして、今回の変動対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスを「00H(待機中)」から「01H(変動開始)」に遷移する(S352)。
(特別図柄制御処理)
次に、特別図柄制御処理(S65)について説明する。図21は、特別図柄制御処理(S65)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物542が未作動中であるか否か、すなわち、特別電動役物遊技ステイタスが「00H(当り待ち状態)」であるか否かを判定する(S401)。続いて、特別電動役物542が未作動中である場合(S401:YES)には、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でないか否かを判定する(S402)。
第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でない場合(S402:YES)には、第2特別図柄に係る処理を実行するため、第2特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S403)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。他方、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」である場合(S402:NO)には、第1特別図柄に係る処理を実行するため、第1特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S404)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。
なお、次述する特別図柄制御汎用処理(S410)では、上述のS403又はS404で設定された第1特別図柄制御テーブル又は第2特別図柄制御テーブルを使用して、今回の変動の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。この特別図柄制御汎用処理(S410)の詳細は図22を用いて後述する。
(特別図柄制御汎用処理)
続いて、特別図柄制御汎用処理を実行する(S404,S407)。ここで、図22は、特別図柄制御汎用処理(S404,S407)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄制御汎用処理(S404,S407)では、特別図柄遊技ステイタスの値(「01H」,「02H」,「03H」)に応じた処理に移行するための分岐処理(S411~S414)を実行する。まず、今回の変動の対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスが0でないか否かを判定する(S411)。特別図柄遊技ステイタスが「00H」でない場合(S411:YES)には、特別図柄遊技ステイタスが「01H(変動開始)」であるか否かを判定する(S412)。特別図柄遊技ステイタスが「01H」である場合(S412:YES)には、特別図柄変動開始処理(S420)に移行する。この特別図柄変動開始処理(S420)の詳細は図23を用いて後述する。一方、S412でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「02H(変動中)」であるか否かを判定する(S413)。特別図柄遊技ステイタスが「02H」である場合(S413:YES)には、特別図柄変動中処理(S430)に移行する。この特別図柄変動中処理(S430
)の詳細は図24を用いて後述する。S413でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「03H(停止図柄表示中)」であるか否かを判定する(S414)。特別図柄遊技ステイタスが「03H」である場合(S414:YES)には、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)に移行する。この特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細は図25を用いて後述する。
(特別図柄変動開始処理)
次に、特別図柄変動開始処理(S420)について説明する。図23は、特別図柄変動開始処理(S420)の詳細を示すフローチャートである。
まず、当否抽選の結果および変動パターン選択状態等に基づき、特別図柄変動パターンテーブルを取得する(S421)。続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域から特別図柄変動パターン乱数値を読み出す(S422)。そして、特別図柄変動パターンテーブルを参照して、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、複数種の変動パターンの中からいずれかを選択する(S423)。
次いで、今回選択された変動パターンに対応する変動時間を設定する(S424)。そして、特別図柄の変動開始の設定として、図柄表示制御手段165の特別図柄遊技タイマに変動時間を格納するとともに(S425)、演出制御基板200への変動開始コマンドを生成する(S426)。変動開始コマンドとしては、演出表示装置70における図柄変動演出を開始させるべく、通信検査コマンド、変動付加図柄情報指定コマンド、変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンドを順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に記憶する。
続いて、変動パターンの決定に使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域の内容をクリアする(S427)。そして、特別図柄遊技ステイタスを「01H(変動開始)」から「02H(変動中)」に遷移する(S428)。
(特別図柄変動中処理)
次に、特別図柄変動中処理(S430)について説明する。図24は、特別図柄変動中処理(S430)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄の変動表示を行うため、特別図柄の表示パターン番号切替処理を実行する(S431)。この表示パターン番号切替処理(S431)では、所定の切替時間毎に、特別図柄の表示パターン番号データを生成する。この表示パターン番号データは、特別図柄を変動表示又は確定表示させるべく、LED出力処理(S73)において、第1特別図柄表示装置61又は第2特別図柄表示装置62に出力される。
次いで、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄の変動時間が終了したか否かを判定する(S432)。特別図柄の変動時間が終了した場合(S432:YES)には、第1特別図柄表示装置61又は第2特別図柄表示装置62に確定表示すべき特別図柄の停止図柄を設定する(S433)。続いて、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を指示するための変動停止コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S434)。
次いで、特別図柄遊技タイマに確定表示時間として「500(ms)」を格納する(S435)。なお、「確定表示時間」とは、特別図柄の変動停止の際に、停止図柄を確定的に停止表示させる時間である。そして、特別図柄遊技ステイタスを「02H(変動中)」から「03H(停止図柄表示中)」に遷移する(S436)。
(特別図柄停止図柄表示中処理)
次に、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)について説明する。図25は、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄(停止図柄)の確定表示時間が終了したか否かを判定する(S441)。ここで、特別図柄の確定表示時間が終了した場合(S441:YES)には、特別図柄遊技ステイタスを「03H(停止図柄表示中)」から「00H(待機中)」に遷移する(S442)。
続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納された当否判定データが大当りデータ「55H」であるか否かを判定する(S443)。当否判定データが大当りデータである場合(S443:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動停止(S444)、特別図柄の変動時間短縮機能の作動停止(S445)、電チューサポート機能の作動停止(S446)、を順に行う。具体的には、確変フラグに「00H(オフ)」を設定するとともに、確率変動回数カウンタ、変動時間短縮回数カウンタおよび入球容易状態回数カウンタに「00H」を設定してゼロクリアする。
次いで、特別遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り開始デモコマンド)を生成する(S447)。続いて、変動パターン選択状態の実行回数(変動パターン選択状態回数カウンタ)をゼロクリアする(S448)。また、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「01H(特別遊技)」に遷移する(S449)。そして、当否判定フラグの内容をクリアするため、「00H」を設定する(S450)。
他方、当否判定データが大当りデータでない場合(S443:NO)には、特別図柄の確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(S451)。特別図柄の確率変動機能が作動中である場合(S451:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタを1減算する(ステップS452)。続いて、確率変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS453)。確率変動回数カウンタがゼロである場合(S453:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動を停止する(S454)。減算後の確率変動回数カウンタがゼロでない場合(S453:NO)には、S454をスキップして、S455に移行する。
次いで、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S455)。特別図柄の変動時間短縮機能が作動中である場合(S455:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の時短回数カウンタを1減算する(ステップS456)。続いて、変動時間短縮回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS457)。変動時間短縮回数カウンタがゼロである場合(S457:YES)には、特別図柄時短状態の終了回数に到達したとして、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を停止する(S458)。減算後の変動時間短縮回数カウンタがゼロでない場合(S457:NO)には、S458をスキップして、S459に移行する。
次いで、電チューサポート機能が作動中であるか否かを判定する(S459)。電チューサポート機能が作動中である場合(S459:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の電サポ回数カウンタを1減算する(ステップS460)。続いて、電サポ回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS461)。電サポ回数カウンタがゼロである場合(S461:YES)には、入球容易状態の終了回数に到達したとして、電チューサポート機能の作動を停止する(S462)。減算後の電サポ回数カウンタがゼロでない場合(S461:NO)には、S462をスキップして、S463に移行する。
次いで、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを1減算する(S463)。そして、変動パターン選択状態を更新する(S464)。具体的には、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを参照し、現在の変動パターン選択状態の実行回数が予め設定された終了回数に達したか否かを判定し、終了回数に達している場合には、次に規定された変動パターン選択状態に切り替える。他方、終了回数に達していない場合には、現在の変動パターン選択状態を維持する。
次いで、前述のS451~S464にて更新された現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S465)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、演出モードの設定および更新を実行する。
(特別電動役物制御処理)
次に、特別電動役物制御処理(S66)について説明する。図26~図27は、電動役物制御処理(S66)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」であるか否かを判定する(S501)。特別電動役物遊技ステイタスが「01H」である場合(S501:YES)には、以降の処理において特別遊技処理を実行する。この特別遊技処理において、まず、特別電動役物542が作動中であるか否かを判定する(S502)。特別電動役物542が作動していない場合(S502:NO)には、特別電動役物542の作動開始時間であるか否かを判定する(S503)。特別電動役物542の作動開始時間とは、各ラウンド遊技おいて特別電動役物542の作動を開始するタイミングである。
特別電動役物542の作動開始時間である場合(S503:YES)には、ラウンド演出を開始させるべく演出制御コマンド(ラウンド演出指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S504)。なお、演出制御基板200側では、このラウンド演出指定コマンドの情報(現在のラウンド数などの情報)に基づき、特別遊技中における各ラウンド遊技に対応したラウンド演出を実行する。そして、特別電動役物542の作動を開始して(S505)、特別電動役物542の作動中の処理として、S506~S510の処理を実行する。
特別電動役物542の作動中の処理として、大入賞口54に遊技球が規定カウント数(最大入賞数)だけ入賞したか否かを判定するとともに(S506)、特別電動役物542の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S507)。このとき、大入賞口54に遊技球が規定カウント数(最大入賞数)だけ入賞した場合(S506:YES)又は特別電動役物542の作動時間が経過した場合(S507:YES)には、特別電動役物542の作動を停止させる(S508)。そして、特別電動役物542の連続作動回数が予め定められた規定ラウンド数に達したか否かを判定する(S509)。連続作動回数が規定ラウンド数に達していない場合(S509:NO)には、特別電動役物542の連続作動回数を1インクリメントする(S510)。
他方、特別電動役物542の連続作動回数が規定ラウンド数に達している場合(S509:YES)には、S511に移行して、特別遊技の当り終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り終了デモコマンド)を生成する(S511)。
続いて、変動時間短縮回数カウンタに、上記S346で設定した変動時間短縮回数情報
を格納する(S512)。また、電サポ回数カウンタに、上記S347で設定した電サポ回数情報を格納する(S513)。
続いて、上記S343で設定された確率変動判定フラグの内容を参照して、条件装置の作動が特定図柄(いわゆる確変図柄)による作動であるか否かを判定する(S514)。特定図柄による条件装置の作動である場合(S514:YES)には、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタに、上記S345で設定した確率変動回数(作動時データ)を格納して、特別図柄の確率変動機能の作動を開始する(S515)。他方、特定図柄による条件装置の作動でない場合(S514:NO)には、確率変動回数カウンタに未作動時データ「00H」を格納して、S515をスキップする。
続いて、時短回数カウンタに記憶された変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S516)。変動時間短縮機能作動データである場合(S516:YES)には、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を開始する(S517)。他方、変動時間短縮機能作動データでない場合(S516:NO)には、S517をスキップする。
続いて、電サポ回数カウンタに記憶された電サポ回数情報が電チューサポート機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S518)。電チューサポート機能作動データである場合(S518:YES)には、電チューサポート機能の作動を開始させる(S519~S521)。すなわち、普通図柄の確率変動機能の作動開始(S519)、普通図柄の変動時間短縮機能の作動開始(S520)、普通電動役物522の開放延長機能の作動開始(S521)、を順に実行する。他方、電チューサポート機能作動データでない場合には、S519~S521をスキップする。
次いで、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S522)。続いて、前述のS512~S522にて設定された特別遊技後の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S523)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、特別遊技後の演出モードを設定する。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S524)。
<演出制御基板側の処理>
次に、図28~図37のフローチャートを参照しながら、演出制御基板200における動作処理の手順について説明する。演出制御基板200側の処理は、電源投入後などサブメインCPU201がリセットされると実行されるリセット開始処理(演出制御側メイン処理を含む)と、一定周期毎に起動される演出制御側タイマ割込み処理と、主制御基板100からのストローブ信号に起因して起動される演出制御コマンドの受信割込み処理と、変動演出パターンのタイムスケジュールに規定された所定の発生時期の到来を契機として起動されるランプ演出割込み処理と、一定周期毎に起動される画像制御コマンドの送信割込み処理とを含んで構成される。
各割込み処理(例外処理)には、複数の割込み処理が発生したときの優先度を示す優先レベルが設定されている。本例では、「電源リセットによるリセット開始処理:最優先」、「各種異常時によるリセット開始処理:最優先」→「演出制御コマンドの受信割込み処理:レベル7」→「WDT(暴走検知時)によるリセット開始処理:レベル3」→「画像制御コマンドの送信割込み処理:レベル2」→「演出制御側タイマ割込み処理:レベル1」などの順に、優先レベルの順位付けがされている。なお、「各種異常時によるリセット開始処理」は、例えば、サブメインCPU201が不正な命令を実行したとき、サブメイ
ンCPU201が不正な領域又は不正な方法にてアクセスしようとしたとき、DMA(Direct Memory Access)転送中のエラーが発生したときなどに起動する。本実施形態では、上記の複数種の割込み処理を例示しているが、実際にはその他の割込み処理も存在する。
演出制御側メイン処理内では、基本的には、全割込み禁止又は演出制御コマンド受信割込み以外の割込み禁止のいずれかの状態に設定したうえで処理が進められる。その上で、演出制御側メイン処理が割込み許可状態となった場合に、当該メイン処理を中断させるかたちで各割込み処理が起動される。各割込み処理では、当該割込み処理の実行中に他の割込み処理の要求があった(多重割込みが発生した)ときは、実行中の割込み処理よりも優先レベルの高い割込み処理であれば、原則的には当該割込み要求が許可される一方、実行中の割込み処理よりも優先レベルの低い又は優先レベルの同じ割込み処理である場合には当該割込み要求が禁止される。すなわち、各割込み処理は、優先レベルの同じ又は優先レベルの低い他の割込みを禁止した状態で処理が進められる。そして、各割込み処理から演出制御側メイン処理へは、全割込み許可の状態で戻ってくる。なお、このような割込み要因の優先順位(優先レベル)は、演出制御マイコン210(割込みコントローラ)のレジスタ設定によって規定される。
《リセット開始処理》
まず、演出制御基板200のリセット開始処理について説明する。図28は演出制御基板200のリセット開始処理を示すフローチャートである。このリセット開始処理では、電源投入時のリセット、各種異常時を起因としたリセット、WDT(暴走検知時)を起因としたリセットのいずれかにより起動し、サブメインCPU201のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S601以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定する(S601)。そして、各種初期設定が完了するまで全ての割込み処理を禁止する(S602)。
続いて、ハードウェアに関する基本的な設定として、サブメインCPU201内に設けられている内蔵レジスタに初期値を設定するとともに、I/Oポート回路204を初期化する(S603)。さらに、演出制御マイコン210のRAM203内のメモリ領域を初期化する(S604)。ここでは、初期値付きの変数には初期値を設定し、初期値なしの変数には0クリアによる初期化を行う。また、サブメインCPU201がROM202に記憶された制御プログラムをRAM203に適宜展開する。
続いて、演出制御コマンドの受信割込み処理以外の割込みを禁止する(S605)。次いで、予め各機種共通で設定された各種のエラーのうち、当該機種で有効とすべきエラーの種別を設定する処理を行う(S606)。さらに、演出ランプLP(枠ランプ11、盤ランプ25、役物ランプ603)を全消灯状態とするため消灯リクエストを行う(S607)。そして、サブメインCPU201の暴走を監視するためウォッチドッグタイマを起動する(S608)。
続いて、遊技演出の主たる処理として演出制御側メイン処理を実行する(S609)。この演出制御側メイン処理(S609)の詳細は図29を用いて後述する。なお、前記S609で演出制御側メイン処理へ移行すると、メイン処理から当該リセット開始処理へ復帰することは通常はあり得ないが、プログラムのバグ等の発生によって、万が一、この処理へ復帰してきた場合には、消費電力が通常作動時よりも低減された小消費電力モード(スリープモード)へ遷移する。
《演出制御側メイン処理》
次に、演出制御基板200の演出制御側メイン処理(S609)について説明する。図29は演出制御側メイン処理(S609)を示すフローチャートである。
まず、演出制御側メイン処理内で制御プログラムがRAM203で正確に展開されているか否かのチェックを開始するためのアドレス(プログラムが展開された先頭アドレス)を取得する(S611)。続いて、全ての割込みを許可(各種の割込み処理の起動を許可)する(S612)。
次いで、デバイスの初期化動作を実行する(S613)。この初期化動作は、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時(リセット開始時)に1度だけ実行される動作態様のことであり、モータ、ソレノイド等のデバイスによって可動体役物601,641,651の動作を制御するために必要となる位置情報を確認することを目的として実行される。なお、初期化動作の終了時には、可動役物601,641,651は予め設定された初期位置(基準位置)に復帰する。なお、電源投入時の初期化動作処理(S613)の詳細は図36を用いて後述する。
続いて、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、ウォッチドッグタイマをクリアする(S614)。このとき、サブメインCPU201がプログラムを正常に実行しているときは、予め設定されたタイムアウト時間内に、サブメインCPU201のWDTクリアレジスタに、所定のクリアワードが書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
続いて、入力ポートチェック処理を実行する(S615)。この入力ポートチェック処理では、後述のタイマ割込み処理におけるポート入出力処理S912でのI/Oポート回路204(入力ポート)の読み込みを割込み発生毎に監視して、複数回(例えば4回)の監視において入力ポートの状態が全て「1」の場合は信号レベルを「1(Hレベル)」、全て「0」の場合は信号レベルを「0(Lレベル)」、それ以外の場合は信号レベルを変化させない(これにより入力信号が確定される)。
続いて、エラー演出管理処理を実行する(S616)。このエラー演出管理処理では、後続のコマンド解析処理(S622)で設定されるエラー演出パターンに基づき、各種デバイスによるエラー演出を開始させる。さらに、エラー演出管理処理では、エラー管理タイマに初期値(エラー演出時間)を設定して、エラー演出の進行を管理する。このエラー管理タイマは、演出制御側タイマ割込み処理のエラー管理タイマ更新処理(S920)にて16ms周期で減算更新される。そして、エラー管理タイマがタイムアウトした場合は、当該エラー演出を終了させる。
続いて、演出ボタン監視制御処理を実行する(S617)。この演出ボタン監視制御処理では、図柄の変動中にボタン予告演出を組み込んでいる場合に、所定の操作有効時間内における演出ボタン12の入力状態を監視して、演出ボタン12の入力状態に関する情報を保持する。
続いて、予告抽選管理処理を実行する(S618)。この予告抽選管理処理では、後続のコマンド解析処理(S620)で選択される変動演出パターンのシナリオに沿って、装飾図柄の変動過程の各段階で発生する予告演出の内容を定めた予告演出パターンを抽選で決定する。ここで決定された予告演出パターン番号は、サブメイン情報記憶手段260の予告演出パターン格納領域に一時記憶される。また、この予告演出パターン番号を画像制御基板300側へ指定するための画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファに設定する。このとき、予告演出パターンとし
て、役物予告演出パターンが選択された場合には、役物リクエストが発生し、後続のデバイス管理処理(S619)にて、可動体役物601,641,651の駆動パターンが特定される。なお、本例では、装飾図柄の一変動内で発生する複数種の予告演出(予告演出パターン)の全てを、1回のメインループ処理内で抽選するのではなく、当該メインループ処理効率を向上させるため、予告演出の発生時期(例えば、変動開始段階、リーチ発生段階、変動停止段階)毎に分けて、複数回のメインループ処理に跨って抽選する構成となっている。その際、装飾図柄の変動開始段階で発生する予告演出については、装飾図柄の変動開始と同期をとる(画像制御コマンドを早急に送信する)必要があるので、先発のメインループ処理内で抽選を行うようになっている。
次に、デバイス管理処理を実行する(S619)。このデバイス管理処理では、後述のコマンド解析処理(S620)にて各種デバイスの動作要求(ランプリクエスト、役物リクエスト)があった場合、ROM203に記憶された複数種のパターンデータ(ランプパターン、駆動パターン)の中から、演出番号(ランプ演出番号、役物予告演出番号)に対応したパターンデータを特定して、対象デバイスの制御を開始する。演出ランプLPのランプパターンデータには、1フレーム時間(画像フレームを1回更新するのに要する時間:16ms)毎に対応付けられたランプデータがスケジュールデータとして格納されている。なお、本例において、1フレーム時間は、演出表示装置70において毎秒約60フレーム(=約60fps)で描画等する場合の1フレームの描画処理に要する時間と対応するものになっている。同様に、可動体役物601,641,651の駆動パターンデータには、割込み周期(1ms)毎に対応付けられた駆動データがスケジュールデータとして格納されている。これにより、後述する演出制御側タイマ割込み処理にて、各制御データ(ランプデータ、駆動データ等)が対象デバイスに対して一定周期毎に出力され、対象デバイスの動作が開始されることになる。一方、後述の演出制御側タイマ割込み処理において、一連の制御データ(ランプデータ、駆動データ)の出力が全て完了した場合は、演出ランプLPを消灯させ、又は、可動体役物601,641,651の動作を停止させ、対象デバイスの制御を終了する。
続いて、コマンド解析処理(S620)を実行する。このコマンド解析処理では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。このコマンド解析処理(S620)の詳細は図30を用いて後述する。
そして、今回のループ処理中で、コマンド解析(演出制御コマンドの解析)を実行したか否かを判定する(S621)。コマンド解析直後の場合(S621:YES)は、S614に戻り、次のループ処理へ移行する。一方、コマンド解析を実行しなかった場合(S621:NO)、すなわち、コマンドバッファが空である場合には、所定時間が経過するまで、演出抽選乱数更新処理を実行する(S622)。なお、本実施形態では、上記の所定時間として、演出ランプLPの切り替え制御の最小単位(32ms)の半分の時間となる「16ms」が設定されている。この演出抽選乱数更新処理では、先読み予告抽選乱数、装飾図柄乱数、変動演出パターン乱数、予告演出パターン乱数などの各種の演出抽選乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値に戻す。
(コマンド解析処理)
次に、コマンド解析処理(S622)について説明する。図30は、コマンド解析処理(S622)の詳細を示すフローチャートである。このコマンド解析処理では、主制御基板100からの演出制御コマンドがサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納されているか否かを監視して、格納された演出制御コマンドの種別に対応した演出制
御処理を実行する。
まず、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に遊技状態指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S631)。遊技状態指定コマンドが格納されている場合(ステップS631:YES)には、演出状態移行処理(S632)へ移行する。演出状態移行処理(S632)では、遊技状態指定コマンドに含まれる遊技状態情報および変動パターン選択状態情報に基づき、演出モードを遷移する処理を実行する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に保留関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S633)。ここで、保留関連コマンドには、図柄記憶数コマンド、事前判定コマンドが含まれる。この保留関連コマンドが格納されている場合(S633:YES)には、保留情報管理処理(S634)へ移行する。この保留情報管理処理(S634)では、サブメイン情報記憶手段260から図柄記憶数コマンド又は事前判定コマンドを読み出して、事前判定結果の情報に基づき先読み判定を実行するとともに、演出表示装置70の保留画像表示領域710に表示される保留画像の表示個数および表示態様(表示色など)を更新するための処理を行う。
次いで、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に図柄変動関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S635)。ここで、図柄変動関連コマンドには、変動開始コマンド、変動停止コマンドが含まれる。図柄変動関連コマンドが格納されている場合(ステップS635:YES)には、変動演出内容決定処理(S636)へ移行する。この変動演出内容決定処理(S636)では、受信した図柄変動関連コマンドが変動開始コマンドである場合には装飾図柄の変動演出を開始させるための処理を実行し、受信した図柄変動関連コマンドが変動停止コマンドである場合には装飾図柄の変動演出を終了させるための処理を実行する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に大当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S637)。ここで、大当り演出関連コマンドには、大当り開始デモ演出コマンド、ラウンド演出指定コマンド、大当り終了デモ演出コマンドが含まれる。大当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS637:YES)には、大当り演出内容決定処理(S638)へ移行する。この大当り演出内容決定処理(S638)では、開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演出を実行するための処理を行う。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に小当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S639)。ここで、小当り演出関連コマンドには、小当り開始デモ演出コマンド、小当り終了デモ演出コマンドが含まれる。小当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS639:YES)には、小当り演出内容決定処理(S640)へ移行する。この小当り演出内容決定処理(S640)では、小当り開始デモ演出、小当り終了デモ演出を実行するための処理を行う。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に入賞口入賞関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S641)。ここで、この入賞口入賞関連コマンドには、第1始動口入賞コマンド、第2始動口入賞コマンド、作動ゲート入賞コマンド、大入賞口入賞コマンド、一般入賞口入賞コマンドなどが含まれる。この入賞口入賞関連コマンドが格納されている場合(S641:YES)には、入賞演出内容決定処理(S642)へ移行する。この入賞演出内容決定処理(S642)の詳細は図31を用いて後述する。
続いて、サブ情報記憶手段280のコマンド格納領域にエラー演出指定コマンドが格納
されているか否かを判定する(S643)。このエラー演出指定コマンドが格納されている場合(S643:YES)には、エラー演出内容決定処理(S644)へ移行する。このエラー演出内容決定処理(S644)では、サブ情報記憶手段280からエラー演出指定コマンドを読み出して、液晶表示装置70の画像表示、演出ランプLPの点灯、スピーカ11の音声などによってエラー状態を報知するためのエラー演出パターンを決定する。
なお、サブ情報記憶手段280のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されていない場合(S631:NO、S633:NO、S635:NO、S637:NO、S639:NO、S641:NO、S643:NO)は、何もせずコマンド解析処理を終了する。
(入賞演出内容決定処理)
次に、入賞演出内容決定処理(S642)について説明する。図31は、入賞演出内容決定処理(S642)の詳細を示すフローチャートである。
まず、第1始動口入賞演出制御処理を実行する(S701)。この第1始動口入賞演出制御処理(S701)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、第1始動口入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、第1始動口入賞コマンドが格納されていれば、所定の演出実行条件を充足していることを条件に、遊技球が第1始動口51に入球したことを報知する第1始動口入賞演出を実行する。
続いて、第2始動口入賞演出制御処理を実行する(S702)。この第2始動口入賞演出制御処理(S702)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、第2始動口入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、第2始動口入賞コマンドが格納されていれば、所定の演出実行条件を充足していることを条件に、遊技球が第2始動口52に入球したことを報知する第2始動口入賞演出を実行する。
続いて、作動ゲート入賞演出制御処理を実行する(S703)。この作動ゲート入賞演出制御処理(S703)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、作動ゲート入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、作動ゲート入賞コマンドが格納されていれば、所定の演出実行条件を充足していることを条件に、遊技球が作動ゲート53を通過したことを報知する作動ゲート入賞演出を実行する。
続いて、大入賞口入賞演出制御処理を実行する(S704)。この大入賞口入賞演出制御処理(S704)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、大入賞口入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、大入賞口入賞コマンドが格納されていれば、所定の演出実行条件を充足していることを条件に、遊技球が大入賞口54に入球したことを報知する大入賞口入賞演出を実行する。
続いて、一般入賞口入賞演出制御処理を実行する(S705)。この一般入賞口入賞演出制御処理(S705)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、一般入賞口入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、一般入賞口入賞コマンドが格納されていれば、所定の演出実行条件を充足していることを条件に、遊技球が一般入賞口55~57のいずれかに入球したことを報知する一般入賞口入賞演出を実行する。
《演出制御コマンドの受信割込み処理》
次に、演出制御コマンドの受信割込み処理を説明する。図32は、演出制御コマンドの受信割込み処理を示すフローチャートである。この演出制御コマンドの受信割込み処理では、前述したように、主制御基板100からのストローブ信号の入力に基づいて割込みが発生することで開始され、この割込み処理において各種の演出制御コマンドが取得される
ようになっている。なお、演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含む構成となっており、主制御基板100から演出制御基板200へ、MODEデータ、EVENTデータの順に送信される。以下では、説明の便宜上、MODEデータを「第1コマンド」、EVENTデータを「第2コマンド」とも称する。
まず、主制御基板100からのストローブ信号に基づく割込みが発生すると、演出制御コマンドの入力値が確定したか否かを判定する(S901)。具体的には、コマンドデータを最高5回まで読み込み、2回連続で同じ値が読み込まれた時点で入力値が確定となる。これはノイズ等により演出制御コマンドの読み取りが失敗するおそれがあるためであり、2回連続で同じ値が読み込まれるまでは入力値を確定とはしない。
続いて、今回受信したコマンドが第1コマンド(MODE)であるか否か、換言すれば、第1コマンド(MODE)であるか第2コマンド(EVENT)であるかを判定する(S902)。今回受信したコマンドが第1コマンドである場合(S902:YES)は、当該第1コマンドをテンポラリ領域に一時的に記憶する(S903)。そして、演出抽選乱数発生手段210から演出抽選乱数を取得して、この乱数情報をサブメイン情報記憶手段260の演出抽選乱数格納領域に一時記憶する(S904)。なお、演出抽選乱数の取得時期を、演出制御コマンドの受信時としているのは、演出制御コマンドは遊技球の始動入賞時や特別図柄の変動開始時など物理的に不規則なタイミングで送信されるため、それを契機とすることで取得時期に周期性を出さないようにするためである。このように演出抽選乱数の取得時期を不規則とすることで、各種の演出抽選においても、同一の演出が不自然に繰り返し選択されてしまう等の不都合が発生し難くなる。
一方、今回受信したコマンドが第2コマンドである場合(S902:NO)には、すでに第1コマンドを受信済であるか否かを判定する(S905)。すなわち、演出制御コマンドを第1コマンド(MODE)→第2コマンド(EVENT)の順に受信したか否か判定して、演出制御コマンドの組合せに矛盾がないかを確認する。演出制御コマンドの組合せに矛盾がない場合(S905:YES)は、ライトポインタ(書き込み用のポインタ)の示すアドレスを取得する(S906)。続いて、第1コマンドと第2コマンドとを、ライトポインタの指示するアドレスに従って、サブメイン情報記憶手段260の演出制御コマンドバッファ(リングバッファ)に保存する(S907)。保存されたコマンドデータは、メイン処理における前記のコマンド解析処理(S620)で読み出され、演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理が実行される。次いで、ライトポインタの示すアドレスを更新する(S908)。さらに、前記S903で一時記憶したコマンドデータ(第1コマンド)をクリアする(S909)。そして、当該演出制御コマンド受信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
《演出制御側タイマ割込み処理》
次に、演出制御側タイマ割込み処理を説明する。図33は、演出制御側タイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、一定時間毎のクロックパルスにより起動され、上述の演出制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。
タイマ割込みが発生すると、サブメインCPU201内のレジスタの内容をRAM203のスタック領域に退避させた後、S911以降の処理を順次実行する。このタイマ割込み処理内では、主制御基板100からの演出制御コマンド受信割込み、ウォッチドッグタイマ割込み等、優先レベル2以上の割込みを許可する(S911)。
続いて、ポート入出力処理を実行する(S912)。このポート入出力処理では、I/Oポート回路204におけるポートデータの入力処理、出力処理を行う。入力処理では、I/Oポート回路204(入力ポート)に入力されている各種信号を読み取り、これを入
力情報として記憶する。出力処理では、サブメイン情報記憶手段260に一時記憶されている各種制御信号(モータ制御信号)を読み出して、I/Oポート回路204(出力ポート)から出力する。
続いて、デバイス制御データ出力処理を実行する(S913)。このデバイス制御データ出力処理では、前記のデバイス管理処理(S619)で特定した駆動パターンデータから所定時間分の駆動データを読み出してサブメイン情報記憶手段260の駆動データ記憶領域に設定する。この処理で設定される駆動データは、割込み周期に対応した1ms間の制御を示すデータである。この処理で駆動データが設定されると、次回のタイマ割込み処理にて、当該駆動データがI/Oポート回路204(出力ポート)からモータドライバ92へ出力される。従って、このデバイス制御データ出力処理では、駆動パターンデータに従って駆動データが割込み周期(1ms)毎に切り替えられることとなる。このデバイス制御データ出力処理(S913)の詳細は図35を用いて後述する。
次いで、演出用タイマ更新処理を実行する(S914)。この演出タイマ更新処理では、演出動作制御に用いる各種の演出用タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)ずつ減算更新する。演出用タイマには、装飾図柄の変動時間を管理するためのタイマ、予告演出の発生タイミングを管理するためのタイマなどが含まれる。この演出用タイマによって、変動演出パターンにおけるタイムスケジュールが管理され、その時間軸上で可動役物601,641,651の駆動タイミングや、演出ランプLPの点灯タイミング等の時間管理がされている。なお、演出用タイマは、この演出制御用タイマ割込み処理内のデバイス制御データ出力処理(S913)やランプデータ更新処理(S917)などにおいても利用される。
続いて、ボタン制御タイマ更新処理を実行する(S915)。演出ボタン12の操作有効時間を管理するための有効時間管理タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)ずつ減算更新する。なお、操作有効時間とは、演出ボタン12の操作入力が有効となる時間である。
続いて、タスク制御カウンタ更新処理を実行する(S916)。このタスク制御カウンタ更新処理では、タイマ割込み毎にタスクカウンタの値(「0」~「15」)を更新する。具体的には、タスクカウンタの値が「0」~「14」であれば1インクリメントし、タスクカウンタの値が「15」となった場合には「0」に戻す。すなわち、このタスクカウンタは16msの循環周期を取り得る。そして、今回更新されたタスクカウンタの値に対応して各種のタスク(タスク処理)が割り当てられており、当該タスクカウンタの値に応じて、ランプ制御タスク(S917のランプデータ更新処理)、暴走監視タスク(S9189の画像CPU暴走監視処理)、エラー管理タスク(S919のエラー管理タイマ更新処理)などの各処理を実行する。本例では、タスクカウンタの値(「0」~「15」)のうち、或る1つの値がランプ制御タスクに割り当てられ、他の2つの値(互いに8ms間隔となる値)が暴走監視用タスクに割り当てられ、他の1つの値がエラー管理タスクに割り当てられている(その他のタスクの説明は省略する)。なお、前述のように、タスクカウンタの循環周期を16msに設定しているのは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)と一致させるためである。そして、この演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)は画像フレームの1フレーム時間と対応し、画像演出とランプ演出との同期を実現している。
続いて、ランプデータ更新処理を実行する(S917)。このランプデータ更新処理では、前記のデバイス管理処理(S621)等で特定したランプパターンデータから所定時間分のランプデータを読み出して設定する。この処理で設定されるランプデータは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位となる16ms間の点灯制御を示すデータである。
ランプデータが設定されると、当該ランプデータが出力ポート(シリアルポート)からシリアル転送にてランプ接続基板91へ自動的に出力される。このランプデータの出力処理は、シリアル通信割込み処理として構成されており、シリアル通信回路の送信バッファにランプデータを順次書き込むことで実現される。シリアル通信回路は、送信バッファのランプデータを1バイト単位でシリアル変換して、シリアルクロックと同期したかたちで、1ビット毎にランプ接続基板91に対して出力する。この処理では、送信バッファが空になるまで繰り返され、これにより送信バッファに格納された全てのランプデータ(全バイト)が出力されるようになっている。従って、このランプデータ更新処理では、ランプパターンに従ってランプデータが1フレーム時間(16ms)毎に切り替えられるとともに、このランプデータがランプ接続基板91に対してシリアル転送にて出力される。
続いて、画像CPU暴走監視処理を実行する(S918)。この画像CPU暴走監視処理では、画像制御基板300から入力されるトグル信号を監視して、当該トグル信号が1600ms(50~100フレーム程度)の間、連続して変化しない場合に、画像制御基板300のサブサブCPU301が暴走していると判定し、演出制御基板200から画像制御基板300に対してリセット信号を送信する。これにより、画像制御基板300側はサブサブCPU301のリセット状態の発生によって、所定のリセット処理を実行する。なお、トグル信号とは、1フレーム時間毎にHレベル/Lレベルが交互に繰り返される波形の信号のことである。
次いで、エラー管理タイマ処理を実行する(S919)。このエラー管理タイマ処理では、前記のエラー演出管理処理(S616)でセットされたエラー演出時間を管理するためのエラー演出タイマの値を減算更新する。そして、全ての割込みを許可した状態にするとともに、退避していたレジスタの内容を復帰させた後、演出制御側タイマ割込み処理を終了して、割込み発生前の元の処理に戻る。
《画像制御コマンドの送信割込み処理》
次に、画像制御コマンドの送信割込み処理を説明する。図34は、画像制御コマンドの送信割込み処理を示すフローチャートである。この画像制御コマンドの送信割込み処理は、予め設定された一定間隔(500μs)毎に発生する。
この画像制御コマンドの送信割込み処理では、まず、サブメイン情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファをチェックする(S931)。続いて、画像制御コマンドバッファにおいてリードポインタを取得する(S932)。次いで、画像制御コマンドバッファに画像制御コマンドが格納されているか否かを判定する(S933)。画像制御コマンドが格納されているか否かは、例えば、リードポインタとライトポインタによって確認でき、リードポインタとライトポインタとが一致している場合には、画像制御コマンドが格納されていないことになる。画像制御コマンドが格納されている場合(S933:YES)には、リードポインタが指す領域から画像制御コマンドを読み出す(S934)。この読み出した画像制御コマンドを、出力先として指定されたシリアル通信回路の出力バッファにセットする(S935)。これによりシリアルポートから画像制御コマンドが画像制御基板300に対してシリアル送信される。次いで、コマンドデータ(前記S935で送信したコマンドデータ)をクリアする(S936)。続いて、リードポインタを1インクリメントして更新する(S937)。そして、当該画像制御コマンドの送信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
(デバイス制御データ出力処理)
次に、デバイス制御データ出力処理(S913)を説明する。図35は、デバイス制御データ出力処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、センサ入力チェック処理を実行する(S941)。このセンサチェック入力処理では、タイマ割込み周期(1ms)毎に、前記のポート入出力処理(S912)において記憶された位置検出センサの入力情報に基づき、各可動演出装置600,640,650における全ての位置検出センサ(初期位置検出センサ、可動位置検出センサ)の状態を確認する。
続いて、第1可動体役物制御を実行する(S942)。この第1可動体役物制御処理では、第1可動体役物601の動作をリクエストする場合に、この第1可動体役物601の駆動源たるステッピングモータの駆動データを更新する処理を行う。
続いて、第2可動体役物制御を実行する(S943)。この第2可動体役物制御処理では、第2可動体役物641の動作をリクエストする場合に、この第2可動体役物641の駆動源たるステッピングモータの駆動データを更新する処理を行う。
続いて、第3可動体役物制御を実行する(S944)。この第3可動体役物制御処理では、第3可動体役物651の動作をリクエストする場合に、この第3可動体役物651の駆動源たるステッピングモータの駆動データを更新する処理を行う。
続いて、エラー判定処理を実行する(S945)。このエラー判定処理では、step数オーバーエラーの判定処理と、ポジションチェックエラーの判定処理と、時間監視チェックエラーの判定処理とを行う。step数オーバーエラーの判定処理では、位置検出センサ(初期位置検出センサ、可動位置検出センサ)の検出情報により、各可動体役物601,641,651が初期位置又は可動位置に位置することが検出されずに、ステッピングモータ等の動作パルスのカウンタ値(step数)がエラー判定値を超えたか否かを判定する。このカウンタ値(step数)がエラー判定値を超えている場合には、step数オーバーエラーであると判定する。また、ポジションチェックエラーの判定処理では、遊技の節目のタイミングにおいて、各可動体役物601,641,651が初期位置に位置するか否かを判定する。なお、遊技の節目のタイミングとは、例えば、客待ちデモのタイミング、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなったタイミング、特別図柄(又は装飾図柄)の変動表示の開始のタイミング、特別図柄(又は装飾図柄)の変動表示の終了のタイミング、特別遊技の開始のタイミング、特別遊技の終了のタイミングなどである。この遊技の節目のタイミングにおいて、各可動体役物601,641,651が初期位置に位置していない場合、ポジションチェックエラーであると判定する。また、時間監視チェックエラーの判定処理では、各可動体役物601,641,651に対応する位置検出センサ(初期位置検出センサ、可動位置検出センサ)の状態が所定の監視時間(例えば5秒)以上の間、非検出状態であるか否かを判定する。この位置検出センサの状態が所定の監視時間以上の間、非検出状態である場合、時間監視チェックエラーであると判定する。なお、このエラー判定処理(S945)において、step数オーバーエラー、ポジションチェックエラー、もしくは時間監視チェックエラーであると判定されると、各エラーに対応したエラー復帰処理(詳細後述)が実行される。
≪電源投入時の初期化動作処理≫
次に、電源投入時の初期化動作処理を説明する。図36は、電源投入時の初期化動作処理を示すフローチャートである。
まず、本遊技機PMの電源が投入されると、初期位置復帰処理を実行する(S951)。この初期位置復帰処理では、全ての可動体役物601,641,651を初期位置に復帰させる制御を行う。
続いて、役物初期化処理を実行する(S952)。この役物初期化処理では、各可動体
役物601,641,651を最大可動範囲(初期位置と可動位置との間の範囲)で動作させる制御を行う。
なお、この初期化動作処理(S951~S951)を複数回(例えば10回)連続して失敗した場合には、モータエラーであると判定し、全ての可動体役物601,641,651のステッピングモータを停止させ、動作パターンのリクエストを受け付けない状態に制御するとともに、演出表示装置70による画像表示やスピーカ8による音声報知、演出ランプLPの点灯を行い、異常(エラー)である旨の外部報知を行う。
≪step数オーバーエラー時のエラー復帰処理≫
次に、step数オーバーエラー時のエラー復帰処理を説明する。図37(A)は、step数オーバーエラー時のエラー復帰処理を示すフローチャートである。
まず、前記のエラー判定処理(S945)において、step数オーバーエラーと判定されると、初期位置復帰処理を実行する(S961)。この初期位置復帰処理(S961)は、step数オーバーエラーと判定された可動体役物を初期位置に復帰させる制御を行う以外は、前述した電源投入時の初期位置復帰処理(S951)と同様の処理である。
続いて、役物初期化処理を実行する(S962)。この役物初期化処理(S962)は、step数オーバーエラーと判定された可動体役物を最大可動範囲(初期位置と可動位置との間の範囲)で動作させる制御を行う以外は、前述した電源投入時の役物初期化処理(S952)と同様である。
なお、step数オーバーエラー時のエラー復帰処理を複数回(例えば3回)連続して失敗した場合には、モータエラーであると判定し、全ての可動体役物601,641,651のステッピングモータを停止させ、動作パターンのリクエストを受け付けない状態に制御する。
≪ポジションチェックエラー時のエラー復帰処理≫
次に、ポジションチェックエラー時のエラー復帰処理を説明する。図37(B)は、ポジションチェックエラー時のエラー復帰処理を示すフローチャートである。
まず、前記のエラー判定処理(S945)において、ポジションチェックエラーと判定されると、初期位置復帰処理を実行する(S971)。この初期位置復帰処理(S971)は、ポジションチェックエラーと判定された可動体役物を初期位置に復帰させる制御を行う以外は、前述した電源投入時の初期位置復帰処理(S951)と同様の処理である。
なお、ポジションチェックエラー時のエラー復帰処理を複数回(例えば10回)連続して失敗した場合には、モータエラーであると判定し、全ての可動体役物601,641,651のステッピングモータを停止させ、動作パターンのリクエストを受け付けない状態に制御する。
≪時間監視チェックエラー時のエラー復帰処理≫
次に、時間監視チェックエラー時のエラー復帰処理を説明する。図37(C)は、時間監視チェックエラー時のエラー復帰処理を示すフローチャートである。
まず、前記のエラー判定処理(S945)において、時間監視チェックエラーと判定されると、初期位置復帰処理を実行する(S981)。この初期位置復帰処理(S981)は、時間監視チェックエラーと判定された可動体役物を初期位置に復帰させる制御を行う以外は、前述した電源投入時の初期位置復帰処理(S951)と同様の処理である。
なお、時間監視チェックエラー時のエラー復帰処理を複数回(例えば10回)連続して失敗した場合には、モータエラーであると判定し、全ての可動体役物601,641,651のステッピングモータを停止させ、動作パターンのリクエストを受け付けない状態に制御する。
なお、本実施形態では、step数オーバーエラー、ポジションチェックエラー、および時間監視チェックエラーは、遊技中の異常(エラー)である可能性が高いため、異常報知は基本的には行わず(電源投入時の初期化動作処理の際に行われる異常報知よりも、外部への異常報知を控えめなものとしてもよい)、変動表示中の演出の視認性を確保している。但し、変形例として、step数オーバーエラー、ポジションチェックエラー、および時間監視チェックエラーにおける異常報知を、電源投入時の初期化動作処理の際に行われる異常報知と同様に実行してもよい。
[本実施形態の特徴構成]
次に、本実施形態の主たる特徴構成について説明する。以下では、本実施形態の主たる特徴構成として、(1)遊技盤20の盤面構成と、(2)第1可動演出装置600の役物演出(役物予告演出)とを中心に説明する。なお、本明細書において、一方の数と他方の数とを比較する場合(例えば、「多い」、「少ない」、「異なる」など)には、一方の数又は他方の数が「0」であることを含んでもよい。また、一方の実行の確率(割合)と他方の実行の確率(割合)とを比較する場合(例えば、「高い」、「低い」、「異なる」など)には、一方の実行の確率(割合)又は他方の実行の確率(割合)が「0%」であることを含むとともに、一方の実行の確率(割合)又は他方の実行の確率(割合)が100%であることを含む。これと同様に、一方が他方よりも実行され易いという場合には、他方が全く実行されない(つまり、他方の実行の確率又は割合が0%である)ことを含む。反対に、一方が他方よりも実行され難いという場合には、一方が全く実行されない(つまり、一方の実行の確率又は割合が0%である)ことを含む。
<盤面構成>
まず、本実施形態における遊技盤20の盤面構成について、図4、図38~図42を参照しながら説明する。なお、図4および図38は共に遊技盤20の正面図を示しているが、図4は各可動体役物601,641,651が初期位置にある状態を示し、図38は各可動体役物601,641,651が可動位置にある状態を示している。なお、可動体役物601,641,651は、役物予告演出の実行時や電源投入時の初期化動作実行時に、初期位置から可動位置に向けて駆動し、その後、可動位置から初期位置に向けて駆動するように構成されている。また、図面上(図40、図42)では、遊技球を符号「B」で表している。
遊技盤20は、図4および図38に示すように、例えば合成樹脂材料を用いて正面視にて矩形平板状に形成された盤面板21をベースとして構成されている。遊技盤20の前面側には、左下部から右上部にかけて配設された円弧状の外レール41と、外レール41の内側において左下部から左上部にかけて配設された円弧状の内レール42と、外レール41の右上部から該盤面の下部までの間に配設されて内向きに開く湾曲形状のレール飾り43とが取り付けられており、外レール41と内レール42とレール飾り43とで囲まれた内側に略円形の遊技領域PAが区画形成されている。また、外レール41と内レール42との間には、発射機構27により打ち出された遊技球を遊技領域PAへ案内するための案内通路44が形成されている。
案内通路44は、外レール41の内面と内レール42の外面との間に区画されて、正面視にて左側に凸を向けた円弧形状(弓形状)に形成されている。案内通路44の下端側に
は、発射機構27により打ち出された遊技球を該案内通路44へ導入するための球導入口45が形成されている。案内通路44の上端側には、該案内通路44を通過する遊技球を遊技領域PAへ射出するための球射出口46が形成されている。換言すると、内レール42の下端側に球導入口45が形成され、内レール42の上端側に球射出口46が形成されている。このとき、図39に示すように、この案内通路44の幅(通路幅)は、球導入口44から球射出口45へ向かうにつれて、徐々に狭幅になるように構成されている。ここで、「案内通路44の幅(通路幅)」とは、外レール41(円弧曲線)の接線と直交する方向の幅、又は、内レール42(円弧曲線)の接線と直交する方向の幅を意味する。本実施形態では、図39に示すように、案内通路44の球導入口45の幅d1よりも、案内通路44の球射出口46の幅d2の方が狭幅に設定されている(幅d2<幅d1)。ここで、球射出口46の幅d2は、球導入口45の幅d1の半分以下とすることが好適である。
内レール42の上端位置には、案内通路44の球射出口から遊技領域PAへ放出された遊技球が再び案内通路44へ逆戻りするのを防止する球戻り防止装置47が取り付けられている。なお、球戻り防止装置47は、案内通路44の球射出口46の近傍に配置され、この球射出口46を開閉する。
球戻り防止装置47は、内レール42の上端部に設けられた支持体47aと、この支持体47aに枢結されて盤面と平行な面内(略垂直面内)で揺動変位して球射出口46を開閉する開閉弁47bとを有している。この開閉弁47bは、その表面側が案内通路44を通過してきた遊技球を接触させるための発射側接触面として形成され、その裏面側が遊技領域PAから案内通路44へ向けて逆戻りする遊技球を接触させるための戻り側接触面として形成されている。開閉弁47bの戻り側接触面は、支持体47aの先端に形成された規制部(図示せず)と当接可能であり、戻り側接触面が規制部に当接することにより、開閉弁47bが開方向(図の時計方向)にそれ以上揺動しないようになっている(閉方向への揺動は許容される)。また、この開閉弁47bには、該開閉弁47bを自重により閉方向(図の反時計方向)に揺動付勢するための錘部が設けられており、常には開閉弁47bが球射出口46を閉鎖する略垂直姿勢(閉止位置)に保持されることになる。なお、開閉弁47bが閉止位置にある状態では、錘部が支持体47aの一部に当接することにより、開閉弁47bが閉方向(図の反時計方向)にそれ以上揺動しないようになっている(開方向への揺動は許容される)。それにより、案内通路44を通過してきた遊技球は、錘部による付勢に抗して開閉弁47bを開方向に押し上げて、球射出口46を開放させることで、遊技領域PA内に流入可能となる。一方、遊技領域PAから球射出口46へ戻ろうとする遊技球は、錘部による付勢により閉止位置に復帰した開閉弁47bが球射出口46を閉鎖(完全に閉鎖していなくとも、外レール41と開閉弁47bとの距離が遊技球の直径未満であればよい)することで、案内通路44への逆戻りが防止される。
遊技領域PAの略中央には、センター役物80が配設されている。センター役物80は、盤面板21の略中央に前後貫通されたセンター役物取付孔(図示せず)に装着されて、盤面板21よりも前方側(ガラス枠5側)に突出配置されている。
センター役物80は、例えば透明な合成樹脂により形成されている。センター役物80の略中央には、略矩形の窓開口が前後に貫通形成されており、この窓開口を通して遊技機PAの正面側から演出表示装置の画面が視認可能となっている。センター役物80には、窓開口(画面)の周囲に、複数の可動体役物601,641,651が取り付けられており、各可動体役物601,641,651の動作位置(可動位置)に応じて画面と重畳状態(画面の少なくとも一部を隠蔽する状態)となり得る。
このセンター役物80は、該センター役物80の周縁部として、センター役物80の上縁部分を形成する上壁部81と、センター役物80の左縁部分を形成する左壁部82と、
センター役物80の右縁部分を形成する右壁部83とを有している。その周縁部のうち、上壁部81は外レール41と上下方向に対向し、左壁部82は内レール42と左右方向に対向し、右壁部83はレール飾り43と左右方向に対向する位置関係にある。各壁部81,82,83は、遊技球が接触可能又は転動可能に形成されている。
また、センター役物80には、左壁部82に開口するワープ口85と、このワープ口85に流入した遊技球をセンター役物80の内周に沿って下方へ誘導するワープ通路86と、センター役物80の下縁部の内周側に設けられてワープ通路86によって誘導された遊技球が略左右方向に転動可能とされるステージ87とが備えられている。
遊技領域PAは、略中央のセンター役物80を基準として、センター役物80の上側の領域である上側領域PA1と、センター役物80の左側の領域である左側領域PA2と、センター役物80の右側の領域である右側領域PA3と、センター役物80の下側の領域である下側領域PA4とに区画される。
≪上側領域≫
上側領域PA1は、外レール41とセンター役物80の上壁部81との間に形成されている。本実施形態では、外レール41とセンター役物80の上壁部81との間で、第1突部814から緩衝部材98までの領域を上側領域PA1と称する。この上側領域PA1には、案内通路44の延長上(外レール41の延出方向に沿った延長上)に形成されて遊技球が通過可能な連絡通路90が設けられており、左側領域PA2と右側領域PA3とを連絡している。本実施形態では、この連絡通路90を通過した遊技球のみが右側領域PA3へ到達可能に構成されている。
連絡通路90は、外レール41と上壁部81の左半部分(後述の第1通路面811)との間に形成された第1連絡通路部901と、外レール41と上壁部81の右半部分(後述の第2通路面812)との間に形成された第2連絡通路部902とからなる。より具体的には、第1連絡通路部901は、外レール41と上壁部81との間において後述の第1突部814から後述の跳ね返し面813までに亘る通路部である。一方、第2連絡通路部815は、外レール41と上壁部81との間において後述の跳ね返し面813から緩衝部材98の近傍までに亘る通路部である。第1連絡通路部901の通路幅は、遊技球2個分以上且つ3個分未満の幅に形成されている。第2連絡通路部902の通路幅は、遊技球1個分以上且つ2個分未満の幅(遊技球が一列でのみ通過可能な幅)に形成されている。つまり、第1連絡通路部901の通路幅よりも第2連絡通路部902の通路幅の方が狭幅に形成されている。ここで、「連絡通路90の幅(通路幅)」とは、外レール41(円弧曲線)の接線と直交する方向の幅を意味する。なお、本実施形態では、連絡通路90が第1連絡通路部901と第2連絡通路部902とから構成されているが、この構成に限定されるものではなく、連絡通路90が略均一の通路幅となる1つの連絡通路部(第2連絡通路部902に相当)のみから構成されていてもよい。その場合には、連絡通路90の入口部が球飛込口(後述の球飛込口816に相当)に該当する。
上壁部81は、外レール41との間で第1連絡通路部901を形成する第1通路面811と、外レール41との間で第2連絡通路部902を形成する第2通路面812と、第1通路面811と第2通路面812とを連続的に繋げる跳ね返し面813とを有している。第1通路面811は、左下がりに緩やかに傾斜して延びる傾斜面となっている。第2通路面812は、上方に凸を向けて右下がりに緩やかに湾曲して延びる円弧面となっている。跳ね返し面813は、第1通路面811の右端から第2通路面812の左端に向かって右上がりに傾斜して延びる傾斜面となっている。なお、第1通路面811を左下がりに湾曲する湾曲面(円弧面)により形成してもよい。また、第2通路面812を右下がりに傾斜する傾斜面により形成してもよい。また、跳ね返し面813を右上がりに湾曲する湾曲面
(円弧面)により形成してもよい。
この上壁部81には、上側領域PA1に打ち込まれた遊技球が衝突し得る複数の突部(第1突部814、第2突部815)が形成されている。各突部814,815は、上側領域PA1に打ち込まれた一部の遊技球に衝突してこれを左側領域PA2に向けて跳ね返し可能な球返し部として機能する。
第1突部814は、第1通路面811の左側の端部に形成されて、案内通路44の球射出口46側に向けて凸状に突出する部位である。第1突部814は、第1通路面811の左端に繋がり該第1通路面811よりも大きな勾配で左下がりに傾斜する上向き跳ね返し面814aと、この上向き跳ね返し面814aの下端から「く」の字状に屈曲して右下がりに傾斜する下向き跳ね返し面814bとに挟まれるように形成されており、該第1突部814を形成する上下の跳ね返し面814a,814bの挟み角が略鋭角となっている。この第1突部814で跳ね返された遊技球は、基本的には、左側領域PA2へ向けて流下される。
第2突部815は、第1通路面811と第2通路面812との間に段差状に形成されて、連絡通路90内に凸状に突出する部位である。第2突部815は、第1通路面811の右端に繋がり該第1通路面811よりも大きな勾配で右上がりに傾斜する跳ね返し面813と、この跳ね返し面813の上端に繋がり右下がりに湾曲する第2通路面812とに挟まれるように形成されており、該第2突部815を形成する2つの面812,813の挟み角が略鈍角となっている。
この第2突部815は、図40に示すように、遊技領域PAの左右方向の略中央の位置(左右方向の中心よりもやや右寄りの位置)に配置されている。具体的には、図40に示すように、遊技領域PAの幅方向の中心線CLよりも若干右寄りの位置に第2突部815が配設されている。この第2突部815は、センター役物80の頂部(最上端部)を形成しており、この頂部を基準として、第1通路面811が左下りに傾斜し、第2通路面812が右下りに傾斜している。そのため、本実施形態では、上側領域PA1に打ち込まれた遊技球は、この第2突部815(頂部)を越えないと左側領域PA2を流下することとなり、この第2突部815(頂部)を越えると右側領域PA3を流下することとなる。なお、この第2突部815で跳ね返された遊技球は、基本的には、左側領域PA2へ向けて流下される。
また、第2突部815のほぼ真上には、第2連絡通路部902の入口をなす球飛込口816が形成されている。この球飛込口816の幅は、遊技球1個分よりも若干広幅に形成されている。本実施形態では、図39に示すように、球飛込口816の幅d3は、球射出口46の幅d2よりも狭幅に形成されている(幅d3<幅d2)。
球飛込口816は、上壁部81の頂部(最上部)の位置に配置されており、遊技球が球飛込口816を通過すると右下がりの第2通路面812に案内されて右側領域PA3へと流下し、遊技球が球飛込口812を通過できないと左下がりの第1通路面811に案内されて左側領域PA2へと流下することになる。つまり、遊技球が球飛込口816を通過できるか否かに応じて、該遊技球が左側領域PA2および右側領域PA3のいずれを流下するのかが決まる。そこで、本実施形態では、遊技球を左側領域PA2又は右側領域PA3へ適切に振り分けるために、遊技球の到達点として球飛込口816を基準に、遊技球の発射強度が設定されている。
ここで、図41は、発射ハンドル9の回動操作量と遊技球の発射強度との関係を示す模式図である。遊技球の発射強度は、発射ハンドル9の回動操作量(回動角度)に応じて任
意に調節可能に構成されている。本実施形態では、発射ハンドル9の回動操作が可能となる操作可能範囲は、「0度~100度」の範囲に設定されている。以下では、説明の便宜上、発射ハンドル9の操作可能範囲(0度~100度)に応じて設定される遊技球の発射強度のレベルを「0~100」の範囲で規定する。
発射ハンドル9の回動操作量が「0度」である場合は、発射強度のレベルは「0」となる。なお、発射ハンドル9の回動操作量が「9度」に達するまでは、遊びの操作範囲(0度~9度)として、発射強度のレベルは「0」を維持して、この遊びの操作範囲(0度~9度)を越えるまでは遊技球が発射されることはない(発射機構27は作動されない)。発射ハンドル9の回動操作量が「10度」になると、発射強度のレベルは「10」となり、それ以降、1度回動操作される毎に、発射強度のレベルが「1」増加する。そして、発射ハンドル9の回動操作量が「100度」に達すると、発射強度のレベルが最大強度の「100」となる。
本実施形態では、発射ハンドル9が第1操作範囲(0度~30度)で回動操作されると、遊技球の発射強度が弱レベル(0~30)となり、ほとんどの遊技球は遊技領域PAに到達することはできず(開閉弁47bを越えることはできず)、ファール球として戻ってくる。つまり、この第1操作範囲(0度~30度)は、遊技に適さない操作範囲である。
また、発射ハンドル9が第2操作範囲(31度~80度)で回動操作されると、遊技球の発射強度が中レベル(31~80)となり、ほとんどの遊技球は開閉弁47bを越えて遊技領域PA内に到達するが、連絡通路90の球飛込口816を通過することはできず、左側領域PA2を流下することになる。つまり、この第2操作範囲(31度~80度)は、左打ちに適した操作範囲となる。なお、発射強度のレベルが最大強度の半分の「50」以下である場合(最大操作量の半分の操作量である場合)は、遊技球が100%の確率で球飛込口816を通過できないように設定されている。
また、発射ハンドル9が第3操作範囲(81度~100度)で回動操作されると、遊技球の発射強度が強レベル(81~100)となり、ほとんどの遊技球は連絡通路90の球飛込口816を通過して、右側領域PA3を流下することになる。つまり、この第3操作範囲(81度~100度)は、右打ちに適した操作範囲となる。なお、発射強度のレベルが最大強度の「100」である場合(最大操作量である場合)は、遊技球が100%の確率で球飛込口816を通過できるように設定されている。このように、発射ハンドル9を第3操作範囲(最大操作量の近傍)に対応する発射強度で遊技球を発射させなければ、遊技球が球飛込口816を通過可能又は通過容易とならない構成とすることで、遊技の主体が左側領域PA2となる場合には、誤って右側領域PA3に遊技球を打ち込むことが抑制される一方、遊技の主体が右側領域PA3となる場合には、遊技球を確実に右側領域PA3に到達させることができる。また、遊技者は左打ち及び右打ちの調整(左打ちと右打ちとの切替え)を容易に行うことができ、現在の遊技状態に適した打ち方を容易に行うことができる。
なお、本実施形態では、第2連絡通路部902の通路幅が全体にわたり略均等に形成されているが、この構成に限定されるものではなく、第2連絡通路部902の入口(球飛込口816)側よりも出口側の方が狭幅に形成することで、第2連絡通路部902を通過する遊技球を緩衝部材98に対してバラツキなく一様に衝突させるように構成してもよい。
≪左側領域≫
左側領域PA2は、図4および図38に示すように、内レール42とセンター役物80の左壁部82との間に形成されている。本実施形態では、内レール42とセンター役物80の左壁部82との間で、第1突部814から風車97までの領域を左側領域PA2と称
する。この左側領域PA2は、案内通路44の球射出口46に臨む上流部PA2aと、この上流部PA2aの下流側に位置する中流部PA2bと、この中流部PA2bの下流側に位置する下流部PA2cとを有している。また、左側領域PA2には、複数本の遊技釘95や障害ブロック96(96a~96e)、風車97などが配設されるとともに、遊技球を下側領域PA4へ向けて流下させるための流下流路が形成されている。
左側領域PA2の上流部PA2aは、遊技者が当該位置を狙って遊技球を打ち込むことで所定の入賞口(第1始動口)に入球する可能性が相対的に高いとされる領域(いわゆる「ぶっ込み位置」と呼ばれる領域)である。この左側領域PA2の上流部PA2aには、球戻り防止装置47と上壁部81との間に、盤面と略直交する方向に突出する突起状の複数個(図示例では2個)の障害ブロック96a,96bが配設されている。この障害ブロック96a,96bは、開閉弁47bの先端と第1突部814の先端とを結ぶ仮想線(盤面と平行な面内で両者の先端部同士を結ぶ仮想線)よりも下方に配置されている。障害ブロック96a,96bは、遊技盤20の盤面板21と一体的に形成された樹脂部分であり、遊技釘95よりも大きな外形形状を呈している。この障害ブロック96a,96bは、遊技球と衝突又は接触して該遊技球の流下方向を変化せしめる障害部材である。障害ブロック96a,96bは、それぞれの配置に適した外形形状(互いに異なる外形形状)に形成されている。なお、本実施形態の変形例として、障害ブロック96a,96bを盤面板21と別体により形成して、この障害ブロック96a,96bをビスや釘、接着材などを用いて盤面板21に固定するようにしてもよい。
障害ブロック96aは、球戻り防止装置47の右斜め上方に配置されており、球戻り防止装置47に対して遊技球1個分の直径よりも大きな間隔(遊技球が通過可能な間隔)をあけて配置されている。障害ブロック96bは、障害ブロック96aの右斜め上方に配置されており、障害ブロック96aおよび上壁部81(第1突部814)に対して遊技球1個分の直径よりも大きな間隔(遊技球が通過可能な間隔)をあけて配置されている。
ここで、球戻り防止装置47と上壁部81(第1突部814)との間には、2つの障害ブロック96a,96bにより区切られて、遊技球が通過可能な3つの上流部流路91a,91b,91cが形成されている。具体的には、球戻り防止装置47と左側の障害ブロック96aとの間に上流部流路91aが形成され、2つの障害ブロック96a,96bの間に上流部流路91bが形成され、右側の障害ブロック96bと上壁部81との間に上流部流路91cが形成される。この3つの上流部流路91a,91b,91cのうち、右側の上流部流路91cは他の上流部流路91a,91bと比べて、第1始動口51に入球する確率が相対的に高い左打ちのターゲット領域となっている。本実施形態では、遊技球が第1突部815に衝突した場合、該遊技球は右側の上流部流路(ターゲット領域)91cに流入し易く構成されている。なお、本実施形態の変形例として、遊技球が第1突部815に衝突した場合に、該遊技球が中央又は左側の上流部流路91a,91bに流入し易く構成してもよい。
なお、この左側領域PA2の上流部PA2aには、2個の障害ブロック96a,96bが配設されている一方で、遊技釘95が1本も配設されていない。つまり、この上流部PA2aは、遊技釘95が植設されていない釘無し領域として形成されている。そのため、本実施形態では、左側領域PA2を流下する遊技球は、遊技釘95に接触するよりも先に、障害ブロック96a,96bに接触し易く構成されている。換言すれば、障害ブロック96a,96bは、左側領域PA2に射出された遊技球が遊技釘95に接触するよりも先に接触し易い位置に配設されている。但し、本実施形態の変形例として、左側領域PA2の上流部PA2aに、1本以上の遊技釘を植設してもよい。
左側領域PA2の中流部PA2bは、遊技球の直径の2倍以上の流路幅(遊技球が2列
にて流下し得る流路幅)に形成されている。そのため、左側領域PA2の中流部PA2bを流下する遊技球は、左右方向(左右斜め方向を含む)へ遊技球1個分以上の距離を移動することが可能となっている。この左側領域PA2の中流部PA2bには、盤面と略直交する方向に突出する突起状の複数個(図示例では3個)の障害ブロック96c,96d,96eが配設されている。障害ブロック96c,96d,96eは、遊技盤20の盤面板21と一体的に形成された樹脂部分であり、遊技釘95よりも大きな外形形状を呈している。この障害ブロック96c,96d,96eは、遊技球と衝突又は接触して該遊技球の流下方向を変化せしめる障害部材である。障害ブロック96c,96d,96eは、それぞれの配置に適した外形形状(互いに異なる外形形状)に形成されている。なお、本実施形態の変形例として、障害ブロック96c,96d,96eを盤面板21と別体により形成して、この障害ブロック96c,96d,96eをビスや釘、接着材などを用いて盤面板21に固定するようにしてもよい。
障害ブロック96c,96d,96eは、左側領域PA2の中流部PA2bの幅方向の略中央に配設されている(左側領域PA2の中流部PA2aを幅方向に略二分する位置に配設されている)。左側障害ブロック96cは、球戻り防止装置47のほぼ真下に配置され、やや左斜め下方に傾斜した姿勢で配設されている。障害ブロック96dは、障害ブロック96cの下方の位置で、やや左斜め下方に傾斜した姿勢で配設されている。障害ブロック96eは、障害ブロック96dの下方の位置で、略上下方向に延出した姿勢で配設されている。
左側領域PA2の中流部PA2bには、複数個の障害ブロック96c,96d,96eに仕切られることで、略左右方向に並列する2つの中流部流路92a,92bが形成される。この中流部流路92a,92bは、いずれも遊技球1個分よりも大きい流路幅(遊技球が流下可能な流路幅)に形成されている。ここで、障害ブロック96c,96d,96eは、互いに遊技球の直径以上の間隔を空けて配置されており、この障害ブロック96c,96d,96e同士の間には、遊技球が通過可能な幅の隙間が空いている。そのため、左側領域PA2の中流部PA2aを流下する遊技球は、障害ブロック96c,96d,96e同士の隙間を通じて、二つの中流部流路92a,92bの間で行き来することが可能となっている。
左側領域PA2の下流部PA2cは、遊技球の直径の2倍以上の流路幅(遊技球が2列にて流下し得る流路幅)に形成されている。左側領域PA2の下流部には、複数本の遊技釘95および風車97などが配設されており、遊技球の流下経路を、ワープ口85(ステージ87)へ向かう経路、下側領域PA4の道釘95mへ向かう流下経路、一般入賞口55~57へ向かう経路などに振り分ける。
≪右側領域≫
右側領域PA3は、図4および図38に示すように、レール飾り43とセンター役物80の右壁部83との間に形成されている。本実施形態では、レール飾り43とセンター役物80の右壁部83との間で、緩衝部材98から第2始動口52までの領域を右側領域PA3と称する。この右側領域PA3は、連絡通路90の出口側に臨む上流部PA3aと、この上流部PA3aの下流側に位置する中流部PA3bと、この中流部PA3bの下流側に位置する下流部PA3cとを有している。また、右側領域には、複数本の遊技釘95や障害ブロック99(99a,99b)などが配設されるとともに、遊技球を下側領域PA4へ向けて流下させるための流下流路が形成されている。なお、この上側領域PA1と右側領域PA3との境界部には、上側領域PA1を通過して右側領域PA3へ到達した遊技球が衝突可能な緩衝部材98がビス等により固定されている。この緩衝部材98は、例えばゴムやウレタン等の弾性体からなり、右側領域PA3へ打ち込まれた遊技球の勢いを適度に低減するように構成されている。
右側領域PA3の上流部PA3aは、遊技球の直径の2倍以上の流路幅(遊技球が2列にて流下し得る流路幅)に形成されている。この右側領域PA3の上流部PA3aには、突起状に形成された複数個(図示例では2個)の障害ブロック99a,99bが配設されている。障害ブロック99a,99bは、遊技盤20の盤面板21と一体的に形成された樹脂部分であり、遊技釘95よりも大きな外形形状を呈している。この障害ブロック99a,99bは、遊技球と衝突又は接触して該遊技球の流下方向を変化せしめる障害部材である。障害ブロック99a,99bは、それぞれの配置に適した外形形状(互いに異なる外形形状)に形成されている。なお、本実施形態の変形例として、障害ブロック99a,99bを盤面板21と別体により形成して、この障害ブロック99a,99bをビスや釘、接着材などを用いて盤面板21に固定するようにしてもよい。
障害ブロック99a,99bは、右側領域PA3の上流部PA3aの幅方向の略中央に配設されている(右側領域PA3の上流部PA3aを幅方向に略二分する位置に配設されている)。障害ブロック99aは、緩衝部材98の下方に配置され、略上下方向に延出した姿勢で配設されている。障害ブロック99bは、障害ブロック99aの下方の位置に配置され、略上下方向に延出した姿勢で配設されている。
右側領域PA3の上流部PA3aには、複数個の障害ブロック99a,99bに仕切られることで、略左右方向に並列する2つの上流部流路93a,93bが形成される。この上流部流路93a,93bは、いずれも遊技球1個分よりも大きい流路幅(遊技球が流下可能な流路幅)に形成されている。ここで、障害ブロック99a,99bは、互いに遊技球の直径以上の間隔を空けて配置されており、この障害ブロック99a,99b同士の間には、遊技球が通過可能な幅の隙間が空いている。そのため、右側領域PA3の上流部PA3aを流下する遊技球は、障害ブロック99a,99b同士の隙間を通じて、二つの上流部流路93a,93bの間で行き来することが可能となっている。
なお、この右側領域PA3の上流部PA3aには、2個の障害ブロック99a,99bが配設されている一方で、遊技釘95が1本も配設されていない。つまり、この上流部PA3aは、遊技釘95が植設されていない釘無し領域として形成されている。そのため、本実施形態では、右側領域PA3を流下する遊技球は、遊技釘95に接触するよりも先に、障害ブロック99a,99bに接触し易く構成されている。換言すれば、障害ブロック99a,99bは、右側領域PA3に射出された遊技球が遊技釘95に接触するよりも先に接触し易い位置に配設されている。但し、本実施形態の変形例として、右側領域PA3の上流部PA3aに、1本以上の遊技釘を植設してもよい。
右側領域PA3の中流部PA3bから下流部PA3cには、複数本の遊技釘95が植設されるとともに、その下方に作動ゲート53および第2始動口52が配設されている。右側領域PA3の中流部PA3aを流下する遊技球は、複数本の遊技釘95によって、作動ゲート53を通過する経路と、作動ゲート53を通過しない経路とのいずれかに振り分けられる。作動ゲート53を通過した遊技球は、その下方に配置された第2始動口52へ向けて流下し、該第2始動口52が開放状態であれば容易に入球し得るようになっている。一方、遊技球が作動ゲート53又は第2始動口52に入球しなかった場合には、下側領域PA4の大入賞口54へ向けて流下して、該大入賞口54が開放状態であれば容易に入球し得るようになっている。
≪下側領域≫
下側領域PA4は、図4および図38に示すように、内レール42とセンター役物80のステージ87との間に形成されている。本実施形態では、内レール42とステージ87との間で、風車97から大入賞口54までの領域を下側領域PA4と称する。下側領域P
A4には、複数本の遊技釘95(道釘95mを含む)とともに、第1始動口51、大入賞口54、一般入賞口55~57、アウト口29などが配設されており、左側領域PA2又は右側領域PA3から流下してきた遊技球は、これら左側領域PA2又は右側領域PA3にて振り分けられた流下経路に応じて、第1始動口51、第2始動口52、大入賞口54、一般入賞口55~57のいずれかに入球し得る一方で、いずれの入賞口にも入球しなかった場合にはアウト口29へ流下される。
続いて、本実施形態の盤面構成における特徴的な作用として、(a)左打ちによる遊技の流れと、(b)右打ちによる遊技の流れについて説明する。
≪左打ちによる遊技≫
現在の遊技状態が通常遊技状態(低確率/低ベース状態)である場合、第2始動口52への遊技球の入球頻度よりも第1始動口51への遊技球の入球頻度の方が高く設定されているため、左打ち(左側領域PA2を狙って遊技球を発射させること)により遊技球を第1始動口51に入球させて、第1特別図柄の当否判定(第1特別図柄の変動表示)を主体的に実行する遊技性となる。
左打ちを行う場合には、発射ハンドル9の回動操作量を第2操作範囲に調節して、遊技球の打ち込み位置を球飛込口816(第2突部815)よりも左側にする。発射ハンドル9を第2操作範囲で回動操作した場合、該回動操作量(発射強度)に応じて遊技球の慣性力が異なり、その発射強度に応じて遊技球の落下点が変化する。
発射ハンドル9の回動操作量を第2操作範囲内で相対的に小さくして、遊技球を弱く打ち込む場合(「チョロ打」と呼称する)には、ほとんどの遊技球は、第1突部814まで到達することなく、左側領域PA2の上流部PA2aから上流部流路91a~91cのうちのいずれかに流入する(但し、ファール球になる場合を除く)。
一方、発射ハンドル9の回動操作量を第2操作範囲内で相対的に大きくすると、ほとんどの遊技球は、第1突部814から第2突部815までの範囲内の位置に打ち込まれる。例えば、遊技球を弱めに打ち込んだ場合には、該遊技球は第1突部814に衝突して跳ね返され、上流部流路91a,91b,91cのうちのいずれかに流入する。また、これよりも遊技球を強めに打ち込んだ場合には、ほとんどの遊技球は第1突部814を越えることはできるが、その多くは第2突部816の手前(第1通路面811上)に落下して、跳ね返し面813に跳ね返されて、或いは、そのまま第1通路面811を左側領域PA2へ向けて流下して、上流部流路91a,91b,91cのうちのいずれかに流入する(右側の上流部流路91cに流入する可能性が高い)。さらに遊技球を強めに打ち込んだ場合には、ほとんどの遊技球は第2突部815に衝突して跳ね返された後、第1通路面811を左側領域PA2へ向けて流下し、上流部流路91a,91b,91cのうちのいずれかに流入する(右側の上流部流路91cに流入する可能性が高い)。
このとき、図42に示すように、第2突部815の先端部の指向方向(図の矢印Y2)は、第1突部814の先端部の指向方向(図の矢印Y1)よりも上方を向いて形成されている。そのため、遊技球が第1突部814に衝突した場合よりも、第2突部815に衝突した場合の方が、その衝撃が緩和されて跳ね返りの勢いが減殺されることになる。それにより、上側領域PA1に打ち込まれた遊技球が第2突部815(跳ね返し面813を含む)に衝突した際に、その衝撃を緩和して該遊技球を後続の遊技球の流れに逆らわない方向へと誘導することができるため、次に打ち出された後続の遊技球との接触を防止することができる。具体的には、先に発射された遊技球(「遊技球1」という)の跳ね返りが強いと、後に発射された遊技球(「遊技球2」という)が遊技領域PA内に進入した直後に遊技球1と衝突し易くなり、その衝突により遊技球2がさらに跳ね返って案内通路44内に
戻るおそれがある。すると、この遊技球2が、その後に発射された遊技球(「遊技球3」という)と案内通路44内で衝突して球詰まりが発生するおそれがある。しかしながら、本実施形態では、遊技球1が第2突部815に衝突したときの跳ね返りの勢いが減殺されることで、後続の遊技球(遊技球2、遊技球3)との衝突が回避され、ひいては球詰まりの発生を防止することができる。なお、逆の言い方をすると、第2突部815よりも第1突部814の方が横方向(左方向)に指向しているため、遊技球を球射出口46側へ向けて勢いよく弾き返してしまうおそれがあるが、この第1突部814と球射出口46との間には複数個の障害ブロック96a,96bが配置されているため、その弾き返された遊技球は障害ブロック96a,96bに接触して落下し易くなっており、後続の遊技球との接触が回避されるようになっている。
また、本実施形態では、図39に示すように、案内通路44から連絡通路90までの通路幅の関係でいえば、案内通路44の球導入口45の幅d1よりも球射出口46の幅d2の方が狭幅であり、この案内通路44の球射出口46の幅d2よりも連絡通路90の球飛込口816の幅d3の方が狭幅となっている(つまり、幅d1<幅d2<幅d3)。このように、球射出口46の幅d2よりも球飛込口816の幅d3を狭めることで、遊技球が球飛込口816を通過するための発射強度の設計値が相対的に高めになり、左打ちが遊技の主体となる遊技状態において遊技球が簡単に右側領域PA3へ到達するのを防止して、現在の遊技状態に応じた適正な遊技を進めることが可能となる。また、球射出口46の幅d2よりも球飛込口816の幅d3を狭めることで、連絡通路90内を通過する遊技球のばたつきを抑制することができる。
こうして上流部流路91a,91b,91cのうちのいずれかに流入した遊技球は、左側領域PA2の中流部PA2bを流下する。この中流部PA2bでは、複数の左側ブロック96c,96d,96eによって左右に略区画された中流部流路92a,92bの間で遊技球が相互に行き来できるようになっている。この中流部流路92a,92bを通過した遊技球は、左側領領域PA2の下流部PA2cを流下する。この下流部PA2cは、遊技球の下側領域PA4への流下経路を振り分けるためのものである。そのため、この下流部PA2cに流入した遊技球は、遊技釘95や風車97などによって、ワープ口85(ステージ87)へ向かう経路、下側領域PA4の道釘95mへ向かう流下経路、一般入賞口55~57へ向かう経路などに振り分けられる。
具体的には、下流部PA2cの右側へ寄せられた遊技球は、複数本の遊技釘95によって、センター役物80の左壁部82に開口されたワープ口85に流入するか否かを振り分けられる。ワープ口85に流入した遊技球は、ワープ通路86を通過してステージ87へと案内される。ステージ87に案内された遊技球は、該ステージ87上を転動しながら、第1始動口51の真上付近へと誘導される。このように、ワープ口85に進入した遊技球は、ワープ通路86およびステージ87を経由して、第1始動口51に入球し易くなる。
一方、ワープ口85へと振り分けられなかった遊技球、又は、下流部PA2cの中央に寄せられた遊技球は、風車97の上方にて略二列に配列された遊技釘95によって案内され、該風車97に接触して該風車97の左右のいずれかに振り分けられる。風車97の右側に振り分けられた遊技球は、右斜め下方に向けて直線的に並列された複数本の遊技釘95(道釘95m)上を流下することで、下側領域PA4の左右略中央に配設された第1始動口51へ向けて誘導され、第1始動口51に入球するか、一般入賞口55~57のいずれかに入球するか、あるいは、いずれの入賞口51,55~57にも入球することなくアウト口29に流入する。また、風車97の左側に振り分けられた遊技球、又は、下流部PA2cの左側に寄せられた遊技球は、一般入賞口55~57のいずれかに入球するか、あるいは、一般入賞口55~57に入球することなくアウト口29に流入する。
このように、左打ちによる遊技を行う場合は、遊技者自身の技量に応じて発射ハンドル9の回動操作量(遊技球の発射強度)を調節して、遊技球の打ち込み位置を変えることにより、遊技球の流下経路に変化を生じさせることができる。その際、遊技球の打ち込み位置に応じて、遊技球の流下経路に少なからず規則性が生じることで、第1始動口51への入球率の向上を期待することができる。それにより、遊技者の技量の介入の余地が高まり、遊技の興趣性を向上させることができる。
≪右打ちによる遊技≫
現在の遊技状態が特定遊技状態である場合、第2始動口52への遊技球の入球容易性が高まるため、右打ち(右側領域PA3を狙って遊技球を発射させること)により遊技球を第2始動口52に入球させて、第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄の変動表示)を主体的に実行する遊技性となる。特定遊技状態とは、少なくとも電サポ機能が作動した遊技状態(確変遊技状態又は時短遊技状態)をいう。また、現在の遊技状態が特別遊技状態(大当り遊技状態)である場合にも、各ラウンド遊技において大入賞口54が開放されるため、該大入賞口54を狙って、右打ちによる遊技を行う。
右打ちを行う場合には、発射ハンドル9の回動操作量を第3操作範囲に調節して、遊技球の打ち込み位置を球飛込口816(第2突部815)よりも右側に切り替える。
発射ハンドル9を第3操作範囲で回動操作した場合、ほとんどの遊技球は特定通路90(球飛込口816)を通過して、右側領域PA3に到達する。右側領域PA3の上流部PA3aに流入した遊技球は、上流部流路93a,93bのうちのいずれかを流下して、その下方の中流部PA3bへと向かう。
中流部PA3bに流下した遊技球は、複数本の遊技釘95によって、作動ゲート53を通過する経路と、作動ゲート53を通過しない経路とのいずれかに振り分けられる。この作動ゲート53は、一対の遊技釘54の隙間の真下に配置されており、該遊技釘95の隙間から遊技球を通過させることができる。この作動ゲート53の下方には、第2始動口52が配設されている。本実施形態では、遊技球が作動ゲート53を通過する限り、該遊技球は第2始動口52に向けて流下することとなり、そのとき第2始動口52が開放状態(開閉部材が右方に揺動した状態)であれば、遊技球は第2始動口52に入球することになる。
一方、作動ゲート53を通過しなかった遊技球は、第2始動口52の右側を流下して、そのまま下側領域PA4へ流下する。この下側領域PA4には、右側領域PA3の下方に位置して、大入賞口54が配設されている。つまり、大入賞口54は、右打ちされた遊技球(右側領域PA3を流下した遊技球)が入球し易い位置に設けられている。このとき、遊技球が右側領域PA3を流下する過程で第2始動口52に入球しない限りは、大入賞口54へ向けて流下することとなり、該大入賞口54が開放状態であれば、遊技球は該大入賞口54に入球することとなる。このように、特定遊技状態においては第2始動口52が開放状態にある場合、特別遊技状態においては大入賞口54が開放状態にある場合、ムダ玉の発生が抑制されている。
このように、右打ちによる遊技を行う場合は、特定遊技状態又は特別遊技状態における迅速な遊技の進行を可能にすべく、右側領域PA3では左側領域PA2よりも遊技釘95や障害ブロック96,99などの障害部材の数が少なく配置されている。そのため、右側領域PA3に打ち出された遊技球は障害部材によってその流下経路を干渉され難く、第2始動口52又は大入賞口54に早く到達させることができ、連荘中の遊技を円滑に進めることが可能となる。
なお、本実施形態では、右側領域PA3に配設された遊技釘95の本数よりも、左側領
域PA2に配設された遊技釘95の本数の方が多くなっており、同様に、右側領域PA3に配設された障害ブロック99(99a,99b)の個数よりも、左側領域PA2に配設された障害ブロック96(96a~96e)の個数の方が多くなっている。つまり、左側領域PA2および右側領域PA3のうち、遊技釘95の本数が多い方の遊技領域(左側領域PA2)に、障害ブロック96をより多く配設している。これは、遊技釘95が多く配設されるほど遊技球の流下経路にばらつきが生じやすくなるが、この左側領域PA2に変形や折損等の影響を受けにくい障害ブロック96を多く配置することで、遊技球の流下経路のばらつきの抑制効果を図ることが可能となる。なお、前記の「右側領域PA3に配設された障害ブロック99の個数よりも、左側領域PA2に配設された障害ブロック96の個数の方が多くなっている」という関係を、図40に示すように、遊技領域PAの中心線CLを基準に、この中心線CLより右側に配設されている障害ブロック99の個数よりも、この中心線CLより左側に配設されている障害ブロック96の個数の方が多くなっている、と言い換えてもよい。
また、上記実施形態では、遊技領域PAの幅方向の中心線CLよりも右側寄りの位置に第2突部815(球飛込口816)を設けた構成を例示したが、この構成に限定されるものではなく、遊技領域PAの幅方向の中心線CL線上の位置に第2突部815(球飛込口816)を設けてもよい。この構成によれば、左打ちおよび右打ちの境界点となる第2突部815(球飛込口816)が遊技領域PAの幅方向の中心位置に配置されるため、遊技球の左右の打ち分けがより簡単に行えるようになる。なお、遊技領域PAの幅方向の中心線CLは、厳密な意味での中心線(遊技領域PAを幅方向に二分する中心線)である必要はなく、一般的に遊技領域PAの幅方向の略中央に配置されるもの(例えば第1始動口51やアウト口29)を基準に、中心線CLを定めてもよい。つまり、第1始動口51の左右中心を通る線分(中心線)上に第2突部815(球飛込口816)を配置、又は、第1始動口51の左右中心を通る線分(中心線)よりも右側に第2突部815(球飛込口816)を配置することが好ましい。また、アウト口29の左右中心を通る線分(中心線)上に第2突部815(球飛込口816)を配置、又は、アウト口29の左右中心を通る線分(中心線)よりも右側に第2突部815(球飛込口816)を配置することが好ましい。さらには、第2突部815(球飛込口816)を遊技領域PAの幅方向の中心線CL線上又は該中心線CLよりも右側に配置する代わりに、第2突部815(球飛込口816)を遊技盤20(盤面板21)の幅方向の中心線上又は該中心線よりも右側に配置してもよい。
<可動演出装置>
次に、本実施形態に係る第1可動演出装置610の構成について、図43~図45を参照して説明する。以下の説明においては、説明の便宜上、前後左右および上下の方向は、本遊技機PMへの取付状態での方向を基準に定義しており、図44に示す矢印の方向をそれぞれ前後、左右、上下と称して説明する。
≪可動演出装置の基本構造≫
第1可動演出装置600は、演出表示装置70の画面の前面側で上下方向にスライド自在(昇降自在)に設けられた第1可動体役物601と、第1可動体役物601を昇降自在に支持する役物支持体610と、第1可動体役物601を駆動する役物駆動機構620とを主体に構成される。
第1可動体役物601は、透光性を有する樹脂材料を用いて横長の直方体形状に形成されたロゴ役物である。第1可動体役物601の前面側には、本遊技機PMのタイトル名を図案化したロゴ形状の装飾部602が設けられている。第1可動体役物601の内部には、前面側に形成された装飾部602を発光するための役物ランプ603が取り付けられている。役物ランプ603は、例えばマトリックス状に整列配置された複数の発光体を有し
て構成される。発光体としては、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光可能な発光素子を有するフルカラーLEDが好適に用いられる。第1可動体役物601は、役物ランプ603が所定の発光パターンで発光することで、装飾部602の全体が発光表示されるようになっている。
役物支持体610は、遊技盤20の背面左側に固定される第1~第4左側ベース部材611~614と、第2左側ベース部材612に固定されるスライドレール615と、遊技盤20の背面右側に固定される第1~第2右側ベース部材616,617と、左側ベース部材611~614および右側ベース部材616,617に跨って昇降自在に支持される可動ベース部材618とを有して構成されている。
第1~第2左側ベース部材611,612は、上下方向に縦長に延びる略平板状に形成されており、各ベース部材611,612の右側部に、それぞれ左斜め下方に傾斜して延びる左側ガイド部611a,612aが設けられている。第2左側ベース部材612には、左側ガイド部612aの下端側に位置して左側緩衝具装着部612bが形成されており、この緩衝具装着部612bにゴムやウレタン等の弾性体からなる左側緩衝具612cが取り付けられている。
スライドレール615は、後方に開く断面コ字状に形成されて略上下方向に延出する金属製のレール部材である。このスライドレール615は、第2左側ベース部材612の後面側に、左側ガイド部612aと略平行に傾斜した状態で取り付けられている。
第1~第2右側ベース部材616,617は、上下方向に縦長に延びる略平板状に形成されており、各ベース部材616,617の左側部に、それぞれ左斜め下方に傾斜して延びる右側ガイド部616a,617aが設けられている。この右側ガイド部616a,617aは、左側ガイド部611a,612aおよびスライドレール615と所定間隔をあけて略平行に配置されている。第2右側ベース部材617には、右側ガイド部617aの下端側に位置して右側緩衝具装着部617bが形成されており、この緩衝具装着部617bにゴムやウレタン等の弾性体からなる右側緩衝具617cが取り付けられている。
可動ベース部材618は、左右方向に横長に延びる略平板状に形成されており、その前面側の略中央に第1可動体役物601が取り付けられている。この可動ベース部材618の左右の端部は、左側ガイド部611a,612aおよび右側ガイド部616a,617aに対応する形状(左斜め下方に傾斜する形状)に形成されており、この左右のガイド部611a,612a,616a,617aに沿って可動ベース部材618が案内移動されるようになっている。
可動ベース部材618の左端側には、略直方体状の左側摺動部618aが一体的に形成されている。この左側摺動部618aの前面側には、スライドレール615に係合可能なスライダー618bが固定されている。スライダー618bは、前方に開く断面コ字状に形成されて略上下方向に延出する金属製のスライド部材である。このスライダー618bは、スライドレール615の内側に係合されて、該スライドレール615に沿って摺動自在に支持されている。
可動ベース部材618の右端側には、略直方体状の右側摺動部618cが一体的に形成されている。右側連結部618cは、第1~第2右側ベース部材616,617の間に挟持されて摺動自在に支持されている。このように可動ベース部材618は、左側摺動部618aがスライダー618bを介してスライドレール615に摺動自在に支持されるとともに、右側摺動部618cが右側ベース部材616,617の間に摺動自在に支持されている。
役物駆動機構620は、第4左側ベース部材614の前面側に設けられたスパイラルシャフト621と、スパイラルシャフト621に噛合するナット部材622と、スパイラルシャフト621を軸回り(正逆両方向)に回転させるステッピングモータ623とを備えて構成される。
スパイラルシャフト621は、表面に螺旋状の溝が刻設された回転軸部材である。このスパイラルシャフト621の上下の端部は、第4左側ベース部材614に設けられた上下一対のベアリング(不図示)により回転自在に支持されている。ナット部材622は、スパイラルシャフト621に複数のボール(図示せず)を介して噛合されるボールナット構造を有しており、スパイラルシャフト621の回転に応じて上下に移動可能となっている。このナット部材622は、可動ベース部材618の左側摺動部618aの下端面に当接可能な位置関係に配置されており、左側摺動部618aと一体的に上下動可能に構成されている。つまり、このナット部材622の上端面に可動ベース部材618の左側摺動部618aが載置保持されることで、ナット部材622の上下動に応じて可動ベース部材618も上下動するようになっている。ステッピングモータ623は、演出制御基板2000からの駆動パルス信号に基づいて正逆両方向に回転駆動可能である。このステッピングモータ623の回転軸には、該ステッピングモータ623の回転力(駆動力)をスパイラルシャフト621に伝達するための歯車機構(図示せず)が連結されている。そして、ステッピングモータ623が駆動されることで、スパイラルシャフト621が第1方向に回転すると、可動ベース部材618(第1可動体役物601)が下方に移動し、スパイラルシャフト621が第2方向(第1方向とは逆方向)に回転すると、可動ベース部材621(第1可動体役物601)が上方に移動する。それにより、第1可動体役物601は、演出表示装置70の画面よりも上方に位置する第1初期位置と、演出表示装置70の画面前方に位置する第1可動位置との間で上下動(往復移動)可能となる。
ここで、第4左側ベース部材614には、第1可動体役物601が第1初期位置にあることを検出するための第1初期位置検出センサ631と、第1可動体役物601が第1可動位置にあることを検出するための第1可動位置検出センサ632とが取り付けられている。各検出センサ631,632は、例えば、光を投光する投光部と、投光部からの光を受光する受光部とを有して、略コ字形に配置されたフォトセンサである。これに対して、可動ベース部材618には第1初期位置検出センサ631側に向けて突出する上側検出片618kが設けられ、ナット部材622には第1可動位置検出センサ632側に向けて突出する下側検出片622kが設けられている。そして、上側検出片618kが第1初期位置検出センサ631の投光部と受光部との間に介在しているとき(すなわち、第1初期位置検出センサ631の光路が上側検出片618kによって遮光されているとき)には第1初期位置検出センサ631がONとなって第1可動体役物601の初期位置が検出され、下側検出片622kが第1可動位置検出センサ632の投光部と受光部との間に介在しているとき(すなわち、第1可動位置検出センサ632の光路が下側検出片622kによって遮光されているとき)には第1可動位置検出センサ632がONとなって第1可動体役物601の第1可動位置が検出されるようになっている。なお、各検出センサ631,632の検出信号(オン/オフ信号)は、演出制御基板200に送信されるようになっており、演出制御基板200側にて第1可動体役物601が第1初期位置又は第1可動位置に存在するか否かが判定される。
≪可動体役物の演出動作≫
次に、第1可動体役物601の演出動作について説明する。図46は、第1可動体役物601の演出動作の説明に供する模式図である。第1可動体役物601の演出動作とは、所定の演出動作パターンに従って行われる動作態様である。この演出動作は、電源投入時の初期化動作(詳細後述)が完了していることを前提に、装飾図柄の変動表示などと連携
して第1可動体役物601を動作又は停止させることで、主に視覚的な演出効果を発揮させる目的で実行される。
第1可動体役物601の演出動作は、所定の演出動作パターンに従い、(1)第1可動体役物601を初期位置から下降移動させる、(2)第1可動体役物601を可動位置で所定時間だけ保持する、(3)第1可動体役物601を可動位置から上昇移動させる、(4)第1可動体役物601を初期位置で停止させる、という順に各動作が行われて、動作完了となる。なお、第1可動体役物610の演出動作パターンには、第1可動体役物601の動作内容が、ステッピングモータ623のステップ数、駆動速度、回転方向、動作時間等により規定されている。ここで、「保持」とは、ステッピングモータ623の励磁相を切り替えずに励磁モードを維持した状態(同じステータコイルに励磁電流を流し続けている状態)によってロータが現在の位置を保持することをいう。これに対して、「停止」とは、励磁をオフにした状態(保持トルクを維持していない状態)でロータの位置を停止することをいう。また、第1可動体役物601の上昇動作及び下降動作では、パルス周波数を変化させることで、モータ加速期間(10ステップ)→モータ等速期間(150ステップ)→モータ減速期間(10ステップ)が設定されている。
なお、第1可動体役物601の演出動作中に、例えばステッピングモータ623のエラー(脱調など)が発生した場合には、当該エラーを解消して第1可動体役物601を正常な状態に復旧させるためのエラー復帰処理が行われる。例えば、第1可動体役物601の演出動作中(上昇動作又は下降動作)において、第1可動体役物601を上下二つの検出センサ631,632間の170ステップだけ動作させても、各検出センサ631,632によって第1可動体役物601の初期位置又は可動位置が検出されない場合には、第1可動体役物601(ステッピングモータ623)の動作にエラーが発生したと判定される。このように第1可動体役物601(ステッピングモータ623)の動作にエラーが発生した場合には、第1可動体役物601を正常な動作状態に復旧させるためのエラー復帰処理が実行される。
≪役物予告演出≫
次に、本実施形態の役物予告演出(役物演出)について説明する。図47は、役物予告演出の基本構成を説明するための模式図である。
役物予告演出は、当該変動表示の実行中において第1可動体役物601が演出動作を実行することで大当り期待度を示唆又は報知する予告演出である。本実施形態の役物予告演出は、第1可動体役物601による演出動作を、役物ランプ603による発光表示と、演出表示装置70によるエフェクト画像740の表示と、スピーカ8による効果音の出力と組み合わせて実行可能に構成されている。つまり、この役物予告演出は、第1可動体役物601による演出動作(役物可動演出)と、役物ランプ603による発光表示(役物発光演出)と、エフェクト画像740の表示(エフェクト演出)と、スピーカ8による効果音の出力(サウンド演出)とが複合的に行われる演出である。
(役物可動演出)
役物可動演出は、第1可動体役物601が上記の演出動作パターンに従って演出動作を実行する演出である。つまり、役物可動演出は、第1可動体役物601を初期位置から可動位置へ下降させる下降動作と、第1可動体役物601を可動位置から初期位置へ上昇させる上昇動作とを含む演出である。なお、本実施形態では、この第1可動体役物601の動作タイミングを基準に、役物ランプ603の発光タイミング、エフェクト画像740の表示タイミング、効果音の出力タイミングが設定されている。なお、変形例として、特別図柄の変動開始のタイミング(変動開始コマンドを受信したタイミング)を基準に、役物ランプ603の発光タイミング、エフェクト画像740の表示タイミング、効果音の出力
タイミングを設定してもよい。
(役物発光演出)
役物発光演出は、第1可動体役物601の役物ランプ603が所定の発光パターンで発光する演出である。本実施形態では、役物ランプ603の発光パターンとして、発光パターン1(青色発光)、発光パターン2(緑色発光)、発光パターン3(赤色発光)が設定されており、この複数種の発光パターン1~3の中から一つの発光パターンが抽選で決定される。役物ランプの発光パターンは、大当り期待度の高さと関係しており、発光パターン1(青色発光)<発光パターン2(緑色発光)<発光パターン3(赤色発光)という順に、大当り期待度が1段階ずつ高くなるように設定されている。なお、役物ランプ603の発光パターンはあくまで一例であり、1の発光パターンにて複数種類の色で発光するよう構成してもよいし、発光パターンの種類数を変更してもよい。
(エフェクト演出)
エフェクト演出は、演出表示装置70の画面上において第1可動体役物601を強調表示する所定のエフェクト画像740が表示される演出である。エフェクト画像740は、第1可動体役物601の周囲に対応する表示領域に表示されて、第1可動体役物601の演出動作(上下方向のスライド移動)に合わせて上下方向に移動表示される。つまり、第1可動体役物601が下方向に移動する動作を行うと、この動きに合わせて画面上でエフェクト画像740も下方向に移動し、第1可動体役物601が上方向に移動する動作を行うと、この動きに合わせて画面上でエフェクト画像740も上方向に移動する。このようにエフェクト画像740は、第1可動体役物601の動きに合わせて表示されるため、第1可動体役物601が動作を開始することを感じさせる表示画像であると言える。本実施形態では、エフェクト画像740の表示パターンとして、表示パターン1(青色表示)、表示パターン2(緑色表示)、表示パターン3(赤色表示)が設定されている。エフェクト画像740の表示パターンは、大当り期待度の高さと関係しており、表示パターン1(青色表示)<表示パターン2(緑色発光)<表示パターン3(赤色発光)という順に、大当り期待度が1段階ずつ高くなるように設定されている。なお、エフェクト画像740の表示パターンはあくまで一例であり、1の表示パターンにて複数種類の色を表示するよう構成してもよいし、表示パターンの種類数を変更してもよい。
(サウンド演出)
サウンド演出は、スピーカ8から所定の音声が出力される演出である。本実施形態では、第1可動体役物601の演出動作に対応して特定の音声(「可動演出音」と呼称する)が出力される。本実施形態では、可動演出音の音声パターンとして、音声パターン1(効果音A)、音声パターン2(効果音B)、音声パターン3(効果音C)が設定されている。可動演出音の音声パターンは、大当り期待度の高さと関係しており、音声パターン1(効果音A)<音声パターン2(効果音B)<音声パターン3(効果音C)という順に、大当り期待度が1段階ずつ高くなるように設定されている。なお、各音声パターン1~3は、全ての期間が有音データからなるものではなくてもよく、一部の期間において無音データが含まれていてもよい。なお、可動演出音の音声パターンはあくまで一例であり、1の音声パターンにて複数種類の効果音を出力するよう構成してもよいし、音声パターンの種類数を変更してもよい。
なお、役物ランプ603の発光色とエフェクト画像740の表示色とに所定の関係性を持たせてもよい。例えば、役物ランプ603の発光色とエフェクト画像740の表示色とを常に同一色に設定して、演出の調和を図るようにしてもよい。また、役物ランプ603の発光とエフェクト画像740の表示のうち、先に演出が開始される方の色(発光色又は表示色)よりも、後に演出が開始される方の色(発光色又は表示色)の方が高期待度の色となるようにしてもよい(成り上がりの演出としてもよい)。また、1の図柄変動におい
て、保留画像(変動中画像)の表示態様(表示色)と、役物ランプ603の発光色やエフェクト画像740の表示色とに所定の関係性を持たせてもよい。例えば、保留画像(変動中画像)の表示色が赤色である場合には、役物ランプ603(又はエフェクト画像740)が赤色となる(なりやすくてもよい)よう構成してもよい。
(役物予告演出の実行タイミング)
続いて、本実施形態の役物予告演出(役物可動演出、役物発光演出、エフェクト演出、サウンド演出)の実行タイミングについて説明する。ここで、図48は、役物予告演出の実行タイミングを示すタイムチャートである。なお、この図48は、役物予告演出が実行される図柄変動における変動中に係るタイムチャートとなっている。また、図49は、図48のタイムチャートに対応する演出例を示す模式図である。つまり、図49の(A)~(H)は、図48の(A)~(H)と対応している。なお、図中では、役物ランプ603の発光状態(点灯状態)をハッチングにより表現している。また、図49では、紙面の都合上、後述の補助図柄(第4図柄)の図示を省略している。
図中(A)に示すように、タイミングT1において、第1可動体役物601は初期位置で待機している。第1可動体役物601が初期位置で待機しているとき、役物ランプ603は非発光状態であり、エフェクト画像740は非表示状態であり、可動演出音は非出力状態である。
図中(B)に示すように、タイミングT2になると、演出表示装置70の画面上にてエフェクト画像の表示が開始される。つまり、タイミングT2が到来すると、まず、第1可動体役物601の周囲にエフェクト画像740が表示され、役物予告演出の開始が示唆又は報知される。
図中(C)に示すように、タイミングT3になると、役物ランプ603の発光表示が開始されるとともに、スピーカ8から可動演出音の出力が開始される。つまり、役物ランプ603の発光表示と、可動演出音の出力とが略同時に開始される。
図中(D)に示すように、タイミングT4になると、第1可動体役物601が演出動作を開始する。この第1可動体役物601は、画面の前方において初期位置から可動位置へ向かって下降する。
図中(E)に示すように、タイミングT5になると、第1可動体役物601が可動位置に到達する。なお、第1可動体役物601はタイミングT6が到来するまでは可動位置に保持され、タイミングT6が到来したときに可動位置から初期位置へ向かって上昇する。
図中(F)に示すように、タイミングT7になると、第1可動体役物601が初期位置に復帰して停止する。第1可動体役物601が初期位置に復帰したとき、役物ランプ603は発光状態であり、エフェクト画像740は表示状態であり、可動演出音は出力状態である。
図中(G)に示すように、タイミングT8において、役物ランプ603の発光表示が終了するとともに、スピーカ8から可動演出音の出力が終了する。つまり、役物ランプ603の発光表示と可動演出音の出力とが略同時に終了する。
図中(H)に示すように、タイミングT9において、エフェクト画像740の表示が終了する。つまり、タイミングT9が到来すると、第1可動体役物601の周囲にてエフェクト画像740が消去され、役物予告演出が終了する。なお、同図においては、役物予告演出の実行中は常時装飾図柄が変動表示している場合を例示したが、あくまで一例であり
、役物予告演出の実行中に装飾図柄が仮停止(擬似連続変動に係る擬似停止)するよう構成してもよいし、役物予告演出の実行中に装飾図柄の視認性が低下するよう構成してもよい。
(役物予告演出の実行タイミングの変形例1)
続いて、役物予告演出の実行タイミングの第1変形例について説明する。図50は、役物予告演出の実行タイミングの第1変形例を示すタイムチャートである。上記実施形態では、役物ランプ603の発光と可動演出音の出力とが同じタイミングに行われていたが、本変形例1では、役物ランプ603の発光と可動演出音の出力とが異なるタイミングに行われる。
具体的には、タイミングT11になると、エフェクト画像740の表示が開始され、タイミングT12になると、役物ランプ603の発光が開始され、タイミングT13になると、可動演出音の出力が開始される。つまり、役物予告演出の実行開始時には、エフェクト画像740の表示開始→役物ランプ603の発光開始→可動演出音の出力開始、という順に、各デバイスの駆動が開始される。そして、各デバイスの駆動が開始された後、タイミングT14になると、第1可動体役物601の演出動作が開始される。
一方、タイミングT15になると、第1可動体役物601の演出動作が終了する。そして、タイミングT16になると、可動演出音の出力が終了し、タイミングT17になると、役物ランプ603の発光が終了し、タイミングT18になると、エフェクト画像740の表示が終了する。つまり、役物予告演出の実行終了時には、可動演出音の出力終了→役物ランプ603の発光終了→エフェクト画像740の表示終了、という順に、各デバイスが駆動を終了する。
なお、本変形例1において、役物ランプ603の発光のタイミングと、可動演出音の出力のタイミングとを入れ替えてもよい。つまり、可動演出音の出力が開始された後に役物ランプ603の発光が開始され、役物ランプ603の発光が終了した後に可動演出音の出力が終了するように構成してもよい。
(役物予告演出の実行タイミングの変形例2)
続いて、役物予告演出の実行タイミングの第2変形例について説明する。図51は、役物予告演出の実行タイミングの第2変形例を示すタイムチャートである。本変形例2では、役物ランプ603の発光と、エフェクト画像740の表示と、可動演出音の出力とが同じタイミングで行われる。
具体的には、タイミングT21になると、役物ランプ603の発光表示と、エフェクト画像740の表示と、可動演出音の出力とが略同時に開始される。そして、各デバイスの駆動が開始された後、タイミングT22になると、第1可動体役物601の演出動作が開始される。
一方、タイミングT23になると、第1可動体役物601の演出動作が終了する。そして、タイミングT24になると、可動演出音の出力と、役物ランプ603の発光と、エフェクト画像740の表示とが略同時に終了する。
なお、本変形例2において、役物ランプ603の発光、エフェクト画像740の表示、および可動演出音の出力のうちの少なくとも1つの開始タイミングを、第1可動体役物601の演出動作の開始タイミングと一致させてもよい。同様に、役物ランプ603の発光、エフェクト画像740の表示、および可動演出音の出力のうちの少なくとも1つの終了タイミングを、第1可動体役物601の演出動作の終了タイミングと一致させてもよい。
<可動体役物の動作期間と役物ランプの発光期間との関係>
続いて、本実施形態における第1可動体役物601の動作期間と役物ランプ603の発光期間との関係について説明する。図52は、第1可動体役物601の動作期間と役物ランプ603の発光期間とを示すタイムチャートである。上記実施形態では、図52(A)に示すように、役物ランプ603の発光を開始させた後に、第1可動体役物601の演出動作を開始させるとともに、第1可動体役物601の演出動作を終了させた後に、役物ランプ603の発光を終了させているが、この構成に限定されるものではなく、図52(B)~(E)に示すように、第1可動体役物601の動作期間に対して、役物ランプ603の発光期間を任意に設定してもよい。なお、図中のタイミングT4,T7は、前述の図48のタイミングT4,T7に対応させたものである。
まず、図52(B)又は(D)に示すように、第1可動体役物601の演出動作を開始させた後に、役物ランプ603の発光を開始させるようにしてもよい。この構成によれば、役物ランプ603が発光する前に、いきなり第1可動体役物601が演出動作を開始するため、遊技者に対して驚きと意外性を与えることができるとともに、第1可動体役物601が演出動作を行うこと(役物予告演出が行われること)を遊技者に先バレするのを防止することができる。
また、図52(C)又は(D)に示すように、役物ランプ603の発光を終了させた後に、第1可動体役物601の演出動作を終了させるようにしてもよい。この構成によれば、先に役物ランプ603が消灯することで、遊技者を第1可動体役物601に注視させることができるとともに、第1可動体役物601が初期位置に復帰した直後に(役物ランプ603の消灯を待たずに)、次なる演出展開(例えば装飾図柄の確定表示など)に移行することができ、遊技をテンポ良く進めることが可能となる。
また、図52(D)に示すように、第1可動体役物601の動作期間の一部と、役物ランプ603の発光期間の全部とを一致させてもよい。この構成によれば、第1可動体役物601の演出動作の開始時および終了時には役物ランプ603が発光しないが、第1可動体役物601の動作期間のうちの主たる期間は役物ランプ603が発光するため、メリハリのある演出とすることができる。
また、図52(E)に示すように、第1可動体役物601の動作期間の全部と、役物ランプ603の発光期間の全部とを一致させてもよい。つまり、第1可動体役物601の動作開始および動作終了のタイミングと、役物ランプ603の発光開始および発光終了のタイミングとを同時にしてもよい。この構成によれば、役物予告演出が纏まりある演出(一体感のある演出)となり、役物予告演出の流れが遊技者にとって分かり易いものとなる。
<可動体役物の動作期間とエフェクト画像の表示期間との関係>
続いて、本実施形態における第1可動体役物601の動作期間とエフェクト画像740の表示期間との関係について説明する。図53は、第1可動体役物601の動作期間とエフェクト画像740の表示期間とを示すタイムチャートである。上記実施形態では、図53(A)に示すように、エフェクト画像740の表示を開始させた後に、第1可動体役物601の演出動作を開始させるとともに、第1可動体役物601の演出動作を終了させた後に、エフェクト画像740の表示を終了させているが、この構成に限定されるものではなく、図53(B)~(E)に示すように、第1可動体役物601の動作期間に対して、エフェクト画像740の表示期間を任意に設定してもよい。なお、図中のタイミングT4,T7は、前述の図48のタイミングT4,T7に対応させたものである。
まず、図53(B)又は(D)に示すように、第1可動体役物601の演出動作を開始
させた後に、エフェクト画像740の表示を開始させるようにしてもよい。この構成によれば、エフェクト画像740が表示される前に、いきなり第1可動体役物601が演出動作を開始するため、遊技者に対して驚きと意外性を与えることができるとともに、第1可動体役物601が演出動作を行うこと(役物予告演出が行われること)を遊技者に先バレするのを防止することができる。
また、図53(C)又は(D)に示すように、エフェクト画像740の表示を終了させた後に、第1可動体役物601の演出動作を終了させるようにしてもよい。この構成によれば、先にエフェクト画像740の表示が終了することで、遊技者を第1可動体役物601に注視させることができるとともに、第1可動体役物601が初期位置に復帰した直後に(エフェクト画像740の表示が終了するのを待たずに)、次なる演出展開(例えば装飾図柄の確定表示など)に移行することができ、遊技をテンポ良く進めることが可能となる。
また、図53(D)に示すように、第1可動体役物601の動作期間の一部と、エフェクト画像740の表示期間の全部とを一致させてもよい。この構成によれば、第1可動体役物601の演出動作の開始時および終了時にはエフェクト画像740は表示されないが、第1可動体役物601の動作期間のうちの主たる期間はエフェクト画像740が表示されるため、メリハリのある演出とすることができる。
また、図53(E)に示すように、第1可動体役物601の動作期間の全部と、エフェクト画像740の表示期間の全部とを一致させてもよい。つまり、第1可動体役物601の動作開始および動作終了のタイミングと、エフェクト画像740の表示開始および表示終了のタイミングとを同時にしてもよい。この構成によれば、役物予告演出が纏まりある演出(一体感のある演出)となり、役物予告演出の流れが遊技者にとって分かり易いものとなる。
<可動体役物の動作期間と可動演出音の出力期間との関係>
続いて、本実施形態における第1可動体役物601の動作期間と可動演出音の出力期間との関係について説明する。図54は、第1可動体役物601の動作期間と可動演出音の出力期間とを示すタイムチャートである。上記実施形態では、図54(A)に示すように、可動演出音の出力を開始させた後に、第1可動体役物601の演出動作を開始させるとともに、第1可動体役物601の演出動作を終了させた後に、可動演出音の出力を終了させているが、この構成に限定されるものではなく、図54(B)~(E)に示すように、第1可動体役物601の動作期間に対して、可動演出音の出力期間を任意に設定してもよい。なお、図中のタイミングT4,T7は、前述の図48のタイミングT4,T7に対応させたものである。
まず、図54(B)又は(D)に示すように、第1可動体役物601の演出動作を開始させた後に、可動演出後の出力を開始させるようにしてもよい。この構成によれば、可動演出音が出力される前に、いきなり第1可動体役物601が演出動作を開始するため、遊技者に対して驚きと意外性を与えることができるとともに、第1可動体役物601が演出動作を行うこと(役物予告演出が行われること)を遊技者に先バレするのを防止することができる。
また、図54(C)又は(D)に示すように、可動演出音の出力が終了した後に、第1可動体役物601の演出動作を終了させるようにしてもよい。この構成によれば、先に可動演出音の出力が終了することで、遊技者を第1可動体役物601に注視させることができるとともに、第1可動体役物601が初期位置に復帰した直後に(可動演出音の出力が終了するのを待たずに)、次なる演出展開(例えば装飾図柄の確定表示など)に移行する
ことができ、遊技をテンポ良く進めることが可能となる。
また、図54(D)に示すように、第1可動体役物601の動作期間の一部と、可動演出音の出力期間の全部とを一致させてもよい。この構成によれば、第1可動体役物601の演出動作の開始時および終了時には可動演出音は出力されないが、第1可動体役物601の動作期間のうちの主たる期間は可動演出音が出力されるため、メリハリのある演出とすることができる。
また、図54(E)に示すように、第1可動体役物601の動作期間の全部と、可動演出音の出力期間の全部とを一致させてもよい。つまり、第1可動体役物601の動作開始および動作終了のタイミングと、可動演出音の出力開始および出力終了のタイミングとを同時にしてもよい。この構成によれば、役物予告演出が纏まりある演出(一体感のある演出)となり、役物予告演出の流れが遊技者にとって分かり易いものとなる。
(役物予告演出と装飾図柄の変動表示との関係)
次に、役物予告演出の実行期間と装飾図柄の変動表示期間との関係について説明する。図55は、役物予告演出の実行期間と装飾図柄の変動表示期間とを示すタイムチャートである。なお、図中(a)~(c)は、役物予告演出の実行開始のタイミングが異なる場合を例示する。また、図中の下段には、説明の理解を容易にするため、装飾図柄の変動表示中の演出例を記載している(但し、紙面の都合上、後述の補助図柄の図示は省略している)。
本実施形態では、図55に示すように、役物予告演出の実行開始のタイミングに依存することなく、役物予告演出の実行期間は装飾図柄の変動表示期間に包含されており、役物予告演出の実行期間の全部と装飾図柄の変動表示期間の一部とが重複している。すなわち、装飾図柄の変動表示期間内には、役物予告演出の実行期間の前後に、役物予告演出の非実行期間が設定されており、装飾図柄の変動表示の開始時および停止時に役物予告演出の実行期間が重なることはない。なお、役物予告演出の実行期間(可動体役物の動作期間)には、第1可動体役物601の上昇動作中および下降動作中の期間の他に、第1可動体役物601が可動位置で待機する待機動作中の期間も含まれる。
ここで、本実施形態では、装飾図柄の変動表示中に役物予告演出を実行する場合、役物予告演出の実行中のタイミングよりも、役物予告演出の非実行中(実行終了後)のタイミングの方が、装飾図柄の変動表示が停止表示され易く構成されている。つまり、第1可動体役物601が動作している場合よりも、第1可動体役物601が停止している場合の方が、装飾図柄の停止図柄組み合わせが停止表示され易くなっている。これは、装飾図柄の変動表示(スクロール表示)が開始されてから停止するまでの変動表示期間内に役物予告演出を完結することで、装飾図柄の停止図柄組み合わせ(いわゆる出目)が第1可動体役物601の演出動作によって視認し難くなるという遊技者にとって好ましくない事態を防止するためである。そのため、本実施形態では、装飾図柄のスクロール表示中に、役物予告演出が実行又は実行開始され易くなっている。つまり、装飾図柄のスクロール表示中という遊技者が装飾図柄1つ1つの種類を識別困難な状況(言わば変動表示中であることさせ分かればよい状況)にて、第1可動体役物601を演出動作させることで、たとえ演出動作中の可動体役物が画面の一部(装飾図柄のスクロール表示)を隠蔽したとしても、遊技者が不利益を被ることはなく、却って遊技者の関心を役物予告演出に注視させることが可能となる。なお、装飾図柄のスクロール表示とは、装飾図柄が実際にスクロール表示していることとしてもよいし、遊技者が装飾図柄の1つ1つを識別困難であるが変動中であることを認識可能な表示(実際にスクロール表示していないが、恰もスクロール表示しているように見える表示)としてもよい。
なお、装飾図柄の1回の変動表示中(スクロール表示中)に、装飾図柄のスクロール速度が相対的に低速となる低速スクロール表示と、装飾図柄のスクロール速度が相対的に高速となる高速スクロール表示とを実行可能とし、高速スクロール中に役物予告演出の実行を開始して、低速スクロール中に役物予告演出の実行を終了するように構成してもよい。つまり、装飾図柄が停止表示する直前に行われる低速スクロール表示中に、役物予告演出の実行を終了させる(第1可動体役物601を初期位置で停止させる)ように構成してもよい。高速スクロール表示は、単位時間あたりの装飾図柄の巡回表示回数が相対的に多い表示形態であり、低速スクロール表示は、単位時間あたりの装飾図柄の巡回表示回数が相対的に少ない表示形態であるともいえる。
≪可動体役物の初期化動作≫
次に、第1可動体役物601の初期化動作について説明する。この初期化動作は、遊技機PMの電源投入時(電源復帰時)において実行される動作態様であり、第1可動体役物601の演出動作を制御するために必要となる位置情報(センサー情報)を確認することなどを目的として行われる。
第1可動体役物601の初期化動作は、第1可動体役物601を初期位置に戻す初期位置復帰処理(前記S951を参照)と、第1可動体役物601の動作を確認する役物初期化処理(前記S952を参照)とが行われる動作である。具体的には、(1)第1可動体役物601を初期位置に復帰させる、(2)第1初期位置センサ631の検出信号(オン信号)を確認する、(3)第1可動体役物601を下降移動させる、(4)第1可動位置センサ632の検出信号(オン信号)を確認する、(5)第1可動体役物601を上昇移動させる、(6)第1初期位置センサ631の検出信号(オン信号)を確認する、という順に各動作行われて、第1可動体役物601の初期化動作が完了となる。なお、初期化動作の開始時に、第1可動体役物601が初期位置に存在する場合には、(1)の処理をスキップして、(2)の処理から行われる。つまり、この初期化動作では、初期化動作の開始時の第1可動体役物601の位置に応じて(第1可動体役物601が初期位置に存在するか否かに応じて)、異なる動作が実行され得る。
ここで、図56は、第1可動体役物601の演出動作時の実行態様と、第1可動体役物601の初期化動作時の実行態様とを比較するためのタイムチャートである。図中(A)は演出動作時の実行態様を示し、図中(B)は初期化動作時の実行態様を示す。
まず、第1可動体役物601の演出動作時には、前述したとおり、役物ランプ603の発光、エフェクト画像740の表示、可動演出音の出力が行われる。このとき、役物ランプ603は、複数の発光パターン(青色発光、緑色発光、赤色発光)のうちのいずれかの発光パターンで発光表示される。
一方、第1可動体役物601の初期化動作時には、役物ランプ603の発光は行われるが、エフェクト画像740の表示と可動演出音の出力は行われない。また、このとき、役物ランプ603は、上記の発光パターンとは異なる特殊の発光パターン(白色発光)で発光表示される。すなわち、初期化動作時における役物ランプ603の発光パターンは、演出動作時における役物ランプ603の発光パターンとは異なる特殊の発光パターンとして構成されている。この特殊の発光パターンは、第1可動体役物601の演出動作時において実行されることはない。それにより、電源投入時の初期化動作を役物予告演出における演出動作と誤認する事態を防止することができ、この初期化動作によって第1可動体役物601が正常に動作すること(駆動系などに故障がないこと)を確認するための動作確認を正確且つ効率的に行うことが可能となる。なお、第1可動体役物601の初期化動作は、役物予告演出と同一の演出態様(第1可動体役物601の駆動態様、役物ランプ603の発光態様、エフェクト画像740の表示態様、及び可動演出音の出力態様の1又は複数
)としてもよいし、役物予告演出と異なる演出態様としてもよい。
≪可動体役物の動作エラー発生時の処理≫
次に、役物予告演出の実行中に第1可動体役物601の動作エラーが発生した場合の処理について説明する。図57は、第1可動体役物601の動作エラーが発生した場合のタイムチャートである。なお、第1可動体役物601は、通常であれば、タイミングT4に演出動作を開始して、タイミングT7に演出動作を終了するものとする(図48を参照)。
図57に示すように、タイミングTeにおいて、何らかの理由により第1可動体役物601に動作エラーが発生すると、動作エラーフラグがオンとなり、ステッピングモータ623を強制的に停止させる制御が行われる。なお、第1可動体役物601の動作エラーとは、例えば、ステッピングモータ623の脱調や故障、検出センサ631,632の故障、障害物との引っ掛かり、断線、ノイズなどの理由により、第1可動体役物601が正常に動作できなくなることをいう。本実施形態では、前述のエラー判定処理(S945)において、step数オーバーエラー、ポジションチェックエラー、時間監視チェックエラーに該当する場合、第1可動体役物601を正常な状態に復旧させるためのエラー復帰処理(リトライ処理)が行われるが、このエラー復帰処理(S945)を行っても第1可動体役物601の復旧に失敗した場合に、第1可動体役物601の動作エラーが発生したと判定される。
ここで、第1可動体役物601の動作エラーが発生した場合でも、役物ランプ603の発光、エフェクト画像740の表示、可動演出音の出力は、当該動作エラーが発生する前と同一の条件(役物予告演出パターンに規定されている内容)で継続的に実行されるようになっている。つまり、第1可動体役物601(ステッピングモータ623)が強制的に停止された場合であっても、役物ランプ603の発光と、エフェクト画像740の表示と、可動演出音の出力とが、当該動作エラーによって中断されることなく連続的に行わることで、遊技者に対して役物予告演出が実行されていることを認識させることができ(遊技者に違和感や不信感を生じさせることがなく)、遊技の興趣性が損なわれるのを防止することができる。
なお、第1可動体役物601が正常に演出動作を実行しているときに、他のデバイス(役物ランプ603、演出表示装置70、スピーカ8)にエラーが発生した場合には、第1可動体役物601の演出動作は、当該エラーが発生する前と同一の条件(演出動作パターンに規定されている内容)で継続的に実行されるようになっている。このとき、複数のデバイスのうち、エラーが発生していないデバイスについては、第1可動体役物601の演出動作と同様に、当該エラーが発生する前と同一の条件(役物予告演出パターンに規定されている内容)で継続的に実行される。なお、役物ランプ603、演出表示装置70、スピーカ8のエラーとは、各デバイスの故障、断線、ノイズ等の理由により、当該デバイスが正常に動作できなくなることをいう。
また、本実施形態の変形例として、第1可動体役物601の動作エラーが発生した場合には、役物ランプ603の発光パターン、エフェクト画像740の表示パターン、可動演出音(効果音)の音声パターンのうちの少なくともいずれかを、特殊パターン(エラー報知パターン)に変更して、第1可動体役物601に動作エラーが発生していることを報知してもよい。
また、本実施形態の変形例として、第1可動体役物601の動作エラーが発生した場合に、演出表示装置70においてエフェクト画像740を継続して表示するとともに、そのエフェクト画像740のレイヤよりも上位又は下位のレイヤにてエラー報知画像を表示す
るように構成してもよい。
≪補助図柄の視認性≫
次に、本実施形態の補助図柄(いわゆる第4図柄)の視認性について説明する。本実施形態における「補助図柄」とは、特別図柄、普通図柄、装飾図柄に続く、第4の図柄である。すなわち、本実施形態では、特別図柄の変動表示を演出的に示す演出図柄の変動表示として、装飾図柄の変動表示とは別に、補助図柄の変動表示が画面上に小さく表示される。なお、装飾図柄をメイン装飾図柄又はメイン演出図柄と呼称し、補助図柄をサブ装飾図柄又はサブ演出図柄と呼称してもよい。
図4、図38、図47等に示すように示すように、演出表示装置70の画面の右上隅には、補助図柄を変動表示又は停止表示するための補助図柄表示領域730が設けられている。この補助図柄表示領域730は、装飾図柄表示領域700よりも相対的に小さな表示領域となっている。補助図柄表示領域730には、詳細図示を省略しているが、補助図柄の変動表示領域となる三列の表示領域(左図柄表示領域、中図柄表示領域、右図柄表示領域)が設けられており、左図柄表示領域に対応して補助図柄の左図柄、中図柄表示領域に対応して補助図柄の中図柄、右図柄表示領域に対応して補助図柄の右図柄がそれぞれ停止表示されるようになっている。なお、補助図柄は、装飾図柄と同様に、例えば「1」~「9」の全9種類の数字の識別要素により構成されている。そして、補助図柄の変動表示は、特別図柄の変動表示および装飾図柄の変動表示と同期して行われ、補助図柄の停止表示は、特別図柄の停止表示および装飾図柄の停止表示と同期して行われる。
本実施形態では、各可動体役物601,641,651が初期位置および可動位置のいずれの位置にある場合でも、演出表示装置70の画面上において補助図柄の変動表示および停止表示が視認可能に構成されている。すなわち、画面上に表示される補助図柄は、初期位置又は可動位置にある各可動体役物601,641,651によって隠蔽されることはなく、画面の前面側から視認可能となっている。具体的には、各可動体役物601,641,651が初期位置にある場合は、図4に示すように、補助図柄表示領域730は第1可動体役物601と第3可動体役物651との間に挟まれるように配置され、遊技者は補助図柄を視認可能である。一方、各可動体役物601,641,651が可動位置にある場合は、図38に示すように、補助図柄表示領域730は第3可動体役物651の上方に配置され、遊技者は補助図柄を視認可能である。このように、各可動体役物601,641,651が初期位置および可動位置のいずれの位置に存在したとしても、遊技者により視認可能な状態で補助図柄が変動表示又は停止表示されることで、たとえ装飾図柄の視認性が低下した場合でも、遊技者は現在の遊技状況(変動表示中又は停止表示中)を適切に把握することができる。
なお、補助図柄は、主として特別図柄の変動表示中であること、および停止表示中であることが認識できればよく、必ずしも装飾図柄と同様に3つの図柄の組合せで変動表示および停止表示する必要はなく、2つの図柄の組合せや、1つの図柄のみで変動表示および停止表示するものでもよい。
また、補助図柄を、第1特別図柄に対応する第1補助図柄と、第2特別図柄に対応する第2補助図柄とに分けて構成してもよい。この仕様は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが同時に行われる並列スペック(小当りRUSH)において特に好適である。つまり、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、遊技の主体となる方の特別図柄に対応する装飾図柄のみが変動表示される仕様であっても、第1補助図柄および第2補助図柄の双方が変動表示されている場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に変動表示中であることが容易に認識できる。
≪画像の優先度≫
次に、役物予告演出の実行時における各画像の優先度について説明する。図58は、演出表示装置70のレイヤ構造を概念的に示す模式図である。本実施形態では、役物予告演出の実行中に表示され得る画像として、装飾図柄、補助図柄、保留画像(変動中画像を含む)、エフェクト画像、背景画像などがある。
「レイヤ」とは、全体画像を構成する各画像の表示の優先度を規定する階層構造の各層を意味する。各レイヤは、表示の優先度が高いものほど上位のレイヤ(遊技者から見て前方側)に配置され、表示の優先度が低いものほど下位のレイヤ(遊技者から見て後方側)に配置される。
本実施形態では、図58に示すように、表示の優先度の低い順に、背景画像のレイヤR101、装飾図柄のレイヤR102、エフェクト画像740のレイヤR103、保留画像のレイヤR104、補助図柄のレイヤR105などを重ね合わせた状態で画面上に表示する。つまり、役物予告演出の実行中は、背景画像<装飾図柄<エフェクト画像<保留画像<補助図柄という順に表示の優先度が高くなる。
ここで、役物予告演出の実行中では、装飾図柄よりもエフェクト画像740を優先的に表示するため、装飾図柄R102のレイヤよりもエフェクト画像740のレイヤR103が上位に割り当てられている。その理由として、装飾図柄の変動表示中という状況では、装飾図柄の識別表示(数字)まで明確に視認できなくても、遊技者に対して変動表示中であること自体が報知できればよく、装飾図柄のスクロール表示によってエフェクト画像740が隠れてしまうことを防止するためである。なお、前述したとおり、役物予告演出(エフェクト演出)は装飾図柄のスクロール表示が終了するまでに完結するため、装飾図柄の停止表示中(確定停止中)において、その装飾図柄の停止図柄組合せの視認性がエフェクト画像740によって低下することはない。
また、本実施形態では、エフェクト画像740よりも保留画像(変動中画像)を優先的に表示するため、エフェクト画像740のレイヤR103よりも保留画像のレイヤR104が上位に割り当てられている。すなわち、第1可動体役物601の演出動作と共に表示領域が移動するエフェクト画像740を保留画像よりも後面側に配置することで、第1可動体役物601の動作位置に応じて保留画像(変動中画像)が視認できなくなるという事態を未然に防止することができる。
さらに、本実施形態では、エフェクト画像740よりも補助図柄を優先的に表示するため、エフェクト画像740のレイヤR103よりも補助図柄のレイヤR105が上位に割り当てられている。つまり、補助図柄は、画面上に表示される画像の中で最も優先度が高く設定されており、いずれの画像に対しても前面側に表示される。それにより、装飾図柄の変動表示の視認性が低下した場合であっても、常に補助図柄の視認性は担保することができる。また、第1可動体役物601の演出動作と共に表示領域が移動するエフェクト画像を補助図柄よりも後面側に配置することで、可動体役物の動作位置に応じて補助図柄が視認できなくなるという事態を未然に防止することができる。
本実施形態の変形例として、補助図柄のレイヤR105を、左補助図柄のレイヤ、中補助図柄のレイヤと、右補助図柄のレイヤとに分割してもよい。また、装飾図柄のレイヤR102を、左装飾図柄のレイヤと、中装飾図柄のレイヤと、右装飾図柄のレイヤとに分割してもよい。また、本実施形態では、保留画像のレイヤと変動中画像のレイヤとを共通のレイヤで構成しているが、保留画像のレイヤと変動中画像のレイヤとを別々のレイヤで構成してもよく、また、4つの保留画像のレイヤをそれぞれ別のレイヤで構成してもよい。
また、本実施形態の変形例として、装飾図柄の変動表示中と停止表示中とでレイヤの優先度を切り替えてもよい。例えば、装飾図柄の変動表示中は、背景画像<装飾図柄<エフェクト画像<保留画像<補助図柄という順に、表示の優先度(レイヤの優先度)が高くなる。一方、装飾図柄の停止表示中は、背景画像<エフェクト画像<装飾図柄<保留画像<補助図柄という順に、表示の優先度(レイヤの優先度)が高くなる。つまり、装飾図柄の変動表示中には、装飾図柄の表示をエフェクト画像の表示よりも優先度を低くし、役物予告演出の演出効果を担保するとともに、装飾図柄の停止表示中には、装飾図柄の表示をエフェクト画像の表示よりも優先度を高くし、装飾図柄の停止図柄組み合わせ(出目)の視認性を確保する。
(可動体役物の変形例)
上記実施形態では、第1可動体役物601が初期位置と可動位置との間で上下方向に往復移動する構成であったが、この構成に限定されるものではない。例えば、図59に示すように、可動体役物660が複数の可動体661~663により構成され、可動体役物660が可動位置にある状態において、可動体役物660が第1形態となる第1状態と、可動体役物660が第2形態となる第2状態との間で変形する構成であってもよい。具体的には、第1可動体661は、盤面と直交する軸を中心に回転可能であり、第2可動体662および第3可動体663は、第1可動体661に対して盤面と平行な面内で相対移動可能に構成されている。なお、図59に示すように、可動体役物660が第1形態および第2形態のいずれの形態にある場合であっても、画面上に表示された補助図柄(補助図柄表示領域730)が該可動体役物660の存在によって隠蔽されることなく、遊技機の前面側から視認可能であることが好適である。なお、その場合には、補助図柄(補助図柄表示領域730)の少なくとも一部が視認可能であってもよい。つまり、補助図柄(補助図柄表示領域730)の全体が視認できなくとも、補助図柄が変動表示していること、或いは、補助図柄が停止表示していることを、遊技者が認識できる程度に視認できればよい。
以上、本実施形態において達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
(1)本実施形態によれば、案内通路44の球射出口46の通路幅d2よりも、連絡通路90の球飛込口816の通路幅d3の方が狭幅に構成されることで、左打ちが遊技の主体となる遊技状態において遊技球が安易に右側領域PA3へ到達するのを防止して、遊技球を左側領域PA2又は右側領域PA3へ容易且つ正確に打ち分けることができるようになるため、いわゆる無駄玉の発生を防止して、遊技者の被る不利益を軽減することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(2)本実施形態によれば、発射ハンドル9の回動操作量が最大操作量となる場合には、遊技球が球飛込口816を通過可能又は通過容易となる一方で、発射ハンドル9の回動操作量が最大操作量の半分となる操作量である場合には、遊技球が球飛込口816を通過不能又は通過困難となることで、左打ちが遊技の主体となる遊技状態において遊技球が安易に右側領域PA3へ到達するのを防止して、遊技球を左側領域PA2又は右側領域PA3へ容易且つ正確に打ち分けることができるようになるため、いわゆる無駄玉の発生を防止して、遊技者の被る不利益を軽減することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(3)本実施形態によれば、遊技釘95と比べて変形や折損などの影響を受けにくい障害ブロック96,99を、通常遊技状態において遊技の主体となる側の遊技領域(左側領域PA2)に多く配設することで、右側領域PA3と比べて遊技球の流路が多様化及び複雑化している左側領域PA2にて遊技球が流下する際の球流れのばらつきを軽減することができ、遊技釘95の影響を受けにくい流路形成(盤面設計)を実現することができるため、遊技領域PA全体に亘り遊技球の流下経路を安定化させることができるようになり、
その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(4)本実施形態によれば、遊技領域PAのうち遊技釘95が多く植設されている領域ほど該遊技釘95の影響を受けて遊技球の球流れにばらつきが生じやすくなるところ、この遊技釘95と比べて変形や折損などの影響を受けにくい障害ブロック96,99を、遊技釘95がより多く植設されている側の遊技領域(左側領域PA2)に多く配設することで、この左側領域PA2にて遊技球が流下する際の球流れのばらつきを軽減することができ(ばらつきの抑制効果を高めることができ)、遊技釘95の影響を受けにくい流路形成(盤面設計)を実現することができるため、遊技領域PA全体に亘り遊技球の流下経路を安定化させることができるようになり、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(5)本実施形態によれば、遊技領域PAに打ち込まれた遊技球が球飛込口816を通過できずに連絡通路90内の第2突部816に衝突したとしても、この第2突部816が上方を指向していることで、遊技球の跳ね返りの勢いが抑制されるため、次に発射された後続の遊技球との接触を回避して、この後続の遊技球の進路を妨害してしまう事態を防止することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(6)本実施形態によれば、遊技領域PAに打ち込まれた遊技球が球飛込口816を通過できずに連絡通路90内の第2突部815に衝突したとしても、第2突部815に右斜め上方に向けて傾斜又は湾曲する跳ね返し面813が形成されていることで、遊技球の跳ね返りの勢いが抑制されるため、次に発射された後続の遊技球との接触を回避して、この後続の遊技球の進路を妨害してしまう事態を防止することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(7)本実施形態によれば、所定のタイミングで役物ランプ603が発光表示されたことに基づき、役物予告演出(役物演出)が実行されるのではないかとの期待感を遊技者に抱かせ、その後実際に第1可動体役物601の動作が開始されることで、遊技者の期待通りに役物演出が実行されたことを的確に認識させることができるため、この役物予告演出(役物演出)が実行されたことに対する遊技者の満足感および高揚感を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(8)本実施形態によれば、所定のタイミングで画面上にエフェクト表示740が発生することに基づき、役物予告演出(役物演出)が実行されるのではないかとの期待感を遊技者に抱かせ、その後実際に第1可動体役物601の動作が開始されることで、遊技者の期待通りに役物演出が実行されたことを的確に認識させることができるため、この役物予告演出が実行されたことに対する遊技者の満足感および高揚感を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(9)本実施形態によれば、エフェクト表示を保留表示よりも表示の優先度を低く設定することで、画面上でエフェクト画像740の表示領域が第1可動体役物601の動作と連動して移動したとしても、遊技者が保留表示を視認できなくなる事態を防止することができるとともに、エフェクト表示と保留表示とを互いの演出効果を阻害することなく共存させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(10)本実施形態によれば、第1可動体役物601の演出動作時にはエフェクト表示が実行される一方、第1可動体役物601の初期化動作時にはエフェクト表示が実行されないことで、電源投入時の初期化動作を役物予告演出における演出動作と誤認する事態を防止することができ、この初期化動作によって第1可動体役物601が正常に動作すること(駆動系などに故障がないこと)を確認するための動作確認を正確且つ効率的に行うこ
とが可能となる。
(11)本実施形態によれば、装飾図柄の変動表示中(スクロール表示中)という遊技者が装飾図柄1つ1つの種類を識別困難な状況(言わば変動表示中であることさせ分かればよい状況)にて、第1可動体役物601を演出動作させることで、たとえ演出動作中の可動体役物が画面の一部(装飾図柄のスクロール表示)を隠蔽したとしても、遊技者が不利益を被ることはなく、却って遊技者の関心を役物予告演出に注視させることできるとともに、装飾図柄の変動表示が開始されてから停止するまでの変動表示期間内に役物演出を完結することで、装飾図柄の停止図柄組み合わせ(いわゆる出目)が第1可動体役物601の演出動作によって視認し難くなるという事態を防止することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(12)本実施形態によれば、所定のタイミングでスピーカ8による可動演出音が出力されることに基づき、役物予告演出が実行されるのではないかとの期待感を遊技者に抱かせ、その後実際に第1可動体役物601の動作が開始されることで、遊技者の期待通りに役物予告演出が実行されたことを的確に認識させることができるため、この役物予告演出が実行されたことに対する遊技者の満足感および高揚感を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
なお、上述の実施形態では、図48~図49等に示したように、第1可動体役物601の動作開始のタイミングと、役物ランプ603の発光開始のタイミングと、エフェクト画像740の表示開始のタイミングとが互いにずれているが、これについて概説する。まず、本実施形態では、第1可動体役物601、役物ランプ603、演出表示装置70(エフェクト画像740)の実行に関する命令(処理)は、演出制御基板200から略同時に出力される。この命令(コマンド)を受けて、第1可動体役物601、役物ランプ603、演出表示装置70は略同時に動作処理を開始するが、モータの励磁にかかる時間やICの処理時間、プログラムの長短等に応じて、各デバイス(第1可動体役物601、役物ランプ603、演出表示装置70)が実際に駆動されるまでの立ち上がりの時間が異なる。そのため、演出制御基板200からの命令(コマンド)が略同時に出力されたとしても、実際には(見た目上では)、第1可動体役物601の動作と、役物ランプ603の発光と、エフェクト画像740の表示とが互いにずれて行われることになる。そして、このように構成することで、本遊技機PMにかかる負担(負荷)を軽減することが可能となっている。
一方、図52および図53等に示したように、第1可動体役物601の動作開始のタイミングと、役物ランプ603の発光開始のタイミングと、エフェクト画像740の表示開始のタイミングとを略同一のタイミングとする場合には、各デバイス(第1可動体役物601、役物ランプ603、演出表示装置70)が実際に駆動されるまでの立ち上がりの時間に応じて、演出制御基板200からの命令(コマンド)の出力タイミングをデバイスごとにずらしてもよい。つまり、役物予告演出の実行中において、第1可動体役物601の動作のタイミングと、役物ランプ603の発光のタイミングと、エフェクト画像740の表示のタイミングとを、部分的に合わせたい場所があるときは、演出制御基板200からの命令(コマンド)の出力タイミングをデバイスごとにずらすことで、見た目上、第1可動体役物601の動作のタイミングと、役物ランプ603の発光のタイミングと、エフェクト画像740の表示のタイミングとを一致させて、各デバイスをシンクロさせる演出(統一感のある演出)とすることができる。なお、第1可動体役物601の動作タイミングと、役物ランプ603の発光タイミングと、エフェクト画像740の表示タイミングとの関係性については、図48~図53等を用いて詳述しているが、これらの図においてそれぞれ例示した第1可動体役物601の動作タイミングと、役物ランプ603の発光タイミングと、エフェクト画像740の表示タイミングとを適宜組合せて構成してもよい。
[共通変形例]
次に、上記実施形態の変形例について説明する。この変形例に係る遊技機は、基本的には、上記実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
<共通変形例1>
上記実施形態では、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、特別図柄の停止図柄(大当り図柄)に基づき確変移行の有無を判定するノーマル確変遊技機を採用しているが、この構成に限定されるものではなく、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、その大当り遊技の実行中に遊技球が特定領域に入球するか否かに応じて確変移行の有無を判定するV確変遊技機を採用してもよい。また、上記実施形態の遊技機の変形例として、予め設定されたリミット回数(上限回数)を限度として、第1特別図柄又は第2特別図柄で大当りとなることを契機として付与される確変遊技状態又は潜確遊技状態の連続回数を制限するためのリミッタ機能を備えた遊技機を採用してもよい。また、上記実施形態では、特別図柄の確率変動機能が大当り遊技の終了後から次の大当りが発生するまでの間、継続するノーマル確変機として構成したが、特別図柄の確率変動機能が規定ST回数(例えば100回)だけ継続して作動する回数切り確変機として構成してもよい。
<共通変形例2>
上記実施形態では、遊技領域に大入賞口を1つのみ搭載した機種を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、遊技領域に複数の大入賞口を搭載した機種を適用してもよい。また、複数の大入賞口を搭載した機種を採用する場合、上記のV確変遊技機として、特別図柄の確率変動機能の作動契機となる特定領域(確率変動機能作動領域、V領域)を備えた第1の大入賞口と、この特定領域(確率変動機能作動領域、V領域)を備えていない第2の大入賞口との、2つ以上の大入賞口を搭載するものでよい。その盤面配置例としては、遊技領域の右側領域に第1の大入賞口と第2の大入賞口とを略上下又は略左右に並べて配置してもよいし、第1の大入賞口が配置される盤面領域と、第2の大入賞口が配置される盤面領域とを異なる領域としてもよい。なお、その場合には遊技球が第1の大入賞口に入球した場合に払い出される賞球数(単位賞球数)と、遊技球が第2の大入賞口に入球した場合に払い出される賞球数(単位賞球数)とを同数としても相違するものとしてもよい。また、二つの大入賞口のうち、第1大入賞口(又は第2大入賞口)を小当り遊技用の大入賞口、第2大入賞口(又は第1大入賞口)を大当り遊技用の大入賞口として構成してもよい。その場合には、小当り遊技用の大入賞口の賞球数(単位賞球数)は10個、大当り遊技用の大入賞口の賞球数(単位賞球数)は15個などとしてもよい。
<共通変形例3>
上述の実施形態において、特別図柄の変動時間短縮機能を、第1特別図柄の変動時間短縮機能と第2特別図柄の変動時間短縮機能とに機能分割して、潜伏確変遊技状態を特別図柄の確率変動機能および第2特別図柄の変動時間短縮機能が作動し、電チューサポート機能が作動していない遊技状態として規定してもよい。また、電チューサポート機能は、特別図柄の変動時間短縮機能(第2特別図柄の変動時間短縮機能)と同期して作動するものでも、特別図柄の変動時間短縮機能(第2特別図柄の変動時間短縮機能)と独立して作動するものでもよい。
次に、上記実施形態および変形例の技術的意義をより明瞭に把握し易くするために、上記実施形態および変形例に対応する課題について概説しておく。
従来機種のぱちんこ遊技機では、遊技球を遊技盤上の左側領域に流下させた方が相対的に有利となる場合と、遊技球を遊技盤上の右側領域に流下させた方が相対的に有利となる場
合とがあり、所定の状況においては左側領域を狙って遊技球を打ち込み、特定の状況においては右側領域を狙って遊技球を打ち込む遊技性が知られている(例えば、「特開2015-216989号」を参照)。
しかしながら、特定の状況以外で遊技球を右側領域へ向けて発射してしまうことは、遊技者にとって不利益でしかなく、遊技球が安易に右側領域へ到達しないような構造に設計することが望まれている。
また、この種のぱちんこ遊技機では、遊技領域内を流下する遊技球に接触して該遊技球の流下経路に変化を与えるための複数本の遊技釘(障害釘とも呼称される)が配設されているものが知られている(例えば、「特開2015-33446号公報」を参照)。
しかしながら、遊技機の長期間の使用により遊技釘に変形が生じると、遊技球の流下経路にばらつきが生じやすくなるという課題がある。
また、この種のぱちんこ遊技機では、遊技領域内の略中央に設けられた中央構造物(センター役物)の上部に、遊技盤上の左側領域と右側領域とを連絡する連絡通路を設けるとともに、案内通路の出口開口側に凸を向けた突部を形成して、遊技領域内に打ち込まれた一部の遊技球を突部に接触させて、該遊技球を左側領域の側に跳ね返すように構成したものが知られている(例えば、特開2016-015982号公報を参照)。
しかしながら、遊技球が突部に衝突して大きく跳ね返されると、この跳ね返された遊技球が次に発射された後続の遊技球と接触して、後続の遊技球の進路を妨害するという課題がある。
また、この種のぱちんこ遊技機では、遊技の展開状況に応じて、所定の演出動作を実行する可動体役物を備えたものが知られている(例えば、「特開2014-073326号公報」を参照)。
このような構成を採用するぱちんこ遊技機は、従来機種として既に多数存在しているため、従来機種との差別化を図るには、更なる遊技の興趣性の向上が求められる。
また、この種のぱちんこ遊技機では、遊技の展開状況に応じて、所定の演出動作を実行する可動体役物を備えたものが知られている。このような機種においては、該遊技機の電源投入時に、可動体役物の初期化動作を実行するものが一般的である(例えば、特開2014-073326号公報を参照)。
しかしながら、可動体役物の初期化動作と演出動作とを一見しただけで区別するのは難しく、初期化動作時の動作確認において、出荷時の検査者又はホールの管理者が該初期化動作を演出動作と誤認してしまうおそれがある。
そこで、上記実施形態および変形例に係るぱちんこ遊技機では、更なる改善を図ることを目的として、上記のような構成を採用し、上記のような作用効果を達成している。
なお、本発明は、上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。また、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素を適宜組み合わせたもの、あるいは、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素のうち一部を削除又は周知・慣用技術等で転換したものについても、本発明の範囲に含まれるものである。また、本発明に係る遊技機を、ぱちんこ遊技機以外の遊技機(例えばスロットマシンなど)に適用してもよい。