以下、遊技機としてのパチンコ遊技機の一実施形態を説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機10には、遊技盤YBが備えられている。パチンコ遊技機10には、発射ハンドルHDが備えられており、発射ハンドルHDが回動動作されることにより、遊技盤YBの遊技領域内へ遊技球が発射される。遊技盤YBには、複数の発光部を有する第1特別図柄表示装置11が配設されている。この第1特別図柄表示装置11では、図柄(特別図柄)を変動させて表示する変動ゲーム(特別図柄変動ゲーム)が行われる。本実施形態では、第1特別図柄表示装置11で行われる変動ゲームを単に「第1の変動ゲーム」と示す場合がある。また、遊技盤YBには、複数の発光部を有する第2特別図柄表示装置12が配設されている。第2特別図柄表示装置12では、図柄を変動させて表示する変動ゲーム(特別図柄変動ゲーム)が行われる。本実施形態では、第2特別図柄表示装置12で行われる変動ゲームを単に「第2の変動ゲーム」と示す場合がある。第1の変動ゲームと第2の変動ゲームは、同時に実行されないように構成されている。
本実施形態において第1特別図柄表示装置11と第2特別図柄表示装置12には、複数種類の特別図柄の中から、当り抽選(大当り判定)の抽選結果に対応する1つの特別図柄が選択され、その選択された特別図柄が変動ゲームの終了によって停止表示される。特別図柄には、大当りを認識し得る大当り図柄と、はずれを認識し得るはずれ図柄とに分類される。大当り図柄が停止表示された場合、遊技者には、当り遊技としての大当り遊技が付与される。
また、遊技盤YBには、画像を表示する演出表示装置13が配設されている。演出表示装置13では、各種表示演出が行われる。表示演出として、具体的には、第1の変動ゲーム及び第2の変動ゲームに関連するに関するゲーム演出、例えば、複数種類の飾り図柄を複数列で変動させる飾り図柄変動ゲームが実行可能となるように構成されている。
前記飾り図柄変動ゲームにおいて、演出表示装置13には、各列毎に複数種類の飾り図柄が変動表示及び停止表示可能に構成されている。そして、演出表示装置13は、第1特別図柄表示装置11と第2特別図柄表示装置12に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾り図柄は特別図柄に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、演出表示装置13に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。飾り図柄変動ゲームにおいて、演出表示装置13に予め決められた大当り表示結果(例えば、全列の飾り図柄が同一種類の図柄組み合わせ)が停止表示された場合には、その大当り表示結果から大当り遊技が付与される大当りを認識できる。大当り表示結果(大当りの図柄組み合わせ)が停止表示されると、遊技者には、変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、飾り図柄変動ゲームにおいて、演出表示装置13に予め決められたはずれ表示結果(例えば、全列の飾り図柄が同一種類でない図柄組み合わせ)が停止表示された場合には、その図柄組み合わせからはずれを認識できる。
また、演出表示装置13には、飾り図柄変動ゲームにおいて、第1特別図柄表示装置11又は第2特別図柄表示装置12の表示結果に応じた図柄組み合わせが停止表示される。より詳しくは、第1特別図柄表示装置11又は第2特別図柄表示装置12に停止表示される特別図柄と、演出表示装置13に停止表示される飾り図柄による図柄組み合わせ(表示結果)が対応する。例えば、第1特別図柄表示装置11又は第2特別図柄表示装置12に大当り図柄が停止表示される場合には、演出表示装置13にも大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)が停止表示される。また、第1特別図柄表示装置11又は第2特別図柄表示装置12にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出表示装置13にもはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)が停止表示される。なお、特別図柄に対する飾り図柄の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾り図柄による図柄組み合わせの中から1つの飾り図柄による図柄組み合わせが選択される。
図1に示すように、演出表示装置13の下方には、常時遊技球が入球可能な第1始動入賞口14が備えられている。そして、パチンコ遊技機10には、第1始動入賞口14へ入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1が設けられている(図6参照)。第1始動センサSE1が第1始動入賞口14に入球した遊技球を検知すること(すなわち、第1始動入賞口14に遊技球が入球すること)を契機に、第1の変動ゲーム(第1の変動ゲームに係る大当り判定など、第1の変動ゲームに係わる各種処理)の始動保留条件が成立し得る。また、第1始動センサSE1が第1始動入賞口14に入球した遊技球を検知することを契機に、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が成立する。従って、本実施形態では、第1始動入賞口14が、遊技球が入球すると、大当り判定が実行されうる第1入球口となる。
また、演出表示装置13の右下方には、遊技球が入球可能な第2始動入賞口15が備えられている。そして、パチンコ遊技機10には、第2始動入賞口15へ入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2が設けられている(図6参照)。第2始動センサSE2が第2始動入賞口15に入球した遊技球を検知すること(すなわち、第2始動入賞口15に遊技球が入球すること)を契機に、第2の変動ゲーム(第2の変動ゲームに係る大当り判定など、第2の変動ゲームに係わる各種処理)の始動保留条件が成立し得る。また、第2始動センサSE2が第2始動入賞口15に入球した遊技球を検知することを契機に、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が成立する。従って、本実施形態では、第2始動入賞口15が、遊技球が入球すると、大当り判定が実行されうる第2入球口となる。
また、第2始動入賞口15には、ソレノイドやモータなどのアクチュエータACT1の作動により開閉動作を行う開閉手段としての開閉羽根(普通電動役物)16が備えられている。第2始動入賞口15は、常には開閉羽根16が閉動作して閉状態とされている。開閉羽根16が閉動作している状態において第2始動入賞口15は、入球不能な状態(入球が規制された状態)とされる。そして、予め定めた開放条件が成立すると、開閉羽根16は、1回又は複数回だけ予め定めた開放時間の間、開動作して、第2始動入賞口15が開状態とされる。開閉羽根16が開動作している状態において第2始動入賞口15は、入球可能な状態(入球が許容された状態)とされる。
また、演出表示装置13の右下方(第2始動入賞口15の下方)には、遊技球が入球可能な第1大入賞口(上大入賞口)17が備えられている。そして、パチンコ遊技機10には、第1大入賞口17へ入球した遊技球を検知する第1カウントセンサSE3が配設されている(図6参照)。第1カウントセンサSE3が第1大入賞口17に入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が成立する。
また、第1大入賞口17には、ソレノイドやモータなどのアクチュエータACT2の作動により開閉動作を行う大入賞開閉手段としての第1大入賞口扉18が備えられている。第1大入賞口17は、常には第1大入賞口扉18が閉動作して閉状態とされている。そして、大当り遊技が付与されると、付与された大当り遊技の種類に応じた所定のタイミングで第1大入賞口扉18が開動作して、第1大入賞口17が開状態とされ、その開放により遊技球の入球が許容される。
なお、前記第1大入賞口扉18は、遊技盤YBに対して前後方向に回動して第1大入賞口17を開放すると共に、開放した際、第1大入賞口17の下方において、遊技盤YBに対して垂直に固定され、遊技盤YBを流下してきた遊技球を受け止めて、第1大入賞口17へ誘導するようになっている。
また、第1大入賞口17の左下方(第1始動入賞口14の右方)には、遊技球が入球可能な第2大入賞口(下大入賞口)19が備えられている。そして、パチンコ遊技機10には、第2大入賞口19へ入球した遊技球を検知する第2カウントセンサSE4が配設されている。第2カウントセンサSE4が第2大入賞口19に入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が成立する。
また、第2大入賞口19には、ソレノイドやモータなどのアクチュエータACT3の作動により開閉動作を行う大入賞開閉手段としての第2大入賞口扉20が備えられている。第2大入賞口19は、常には第2大入賞口扉20が閉動作して閉状態とされている。そして、大当り遊技が付与されると、付与された大当り遊技の種類に応じた所定のタイミングで第2大入賞口扉20が開動作して、第2大入賞口19が開状態とされ、その開放により遊技球の入球が許容される。
なお、前記第2大入賞口扉20は、遊技盤YBに対して前後方向に回動して第2大入賞口19を開放すると共に、開放した際、第2大入賞口19の下方において、遊技盤YBに対して垂直に固定され、遊技盤YBを流下してきた遊技球を受け止めて、第2大入賞口19へ誘導するようになっている。
また、図1及び図2に示すように、第2大入賞口19は、遊技盤YBの裏側において、上下方向に伸びるように形成され、パチンコ遊技機10の外部と連通する排出通路25と連通している。すなわち、第2大入賞口19に入球した遊技球は、排出通路25を通過するようになっている。
そして、図2に示すように、この排出通路25の途中の側方には、特典付与口26が設けられている。この特典付与口26には、ソレノイドやモータなどのアクチュエータACT4の作動により開閉動作を行う振分シャッタ26aが備えられている。そして、特典付与口26は、常には振分シャッタ26aが閉状態とされて閉鎖されている。
そして、大当り遊技が付与されると、付与された大当り遊技の種類に応じた所定のタイミングで振分シャッタ26aが開状態となり、特典付与口26が開放され、その開放により排出通路25を通過する遊技球の入球が許容される。すなわち、第2大入賞口19及び特典付与口26が開放する場合に、特典付与口26に遊技球を入球することができるように構成されている。なお、振分シャッタ26aは、開状態となるとき、排出通路25に流れる遊技球を受け止めて、特典付与口26に誘導するように排出通路25に対して所定の角度(例えば、45度)で開放する。そして、排出通路25は、特典付与口26を介して分岐通路26bと連通しており、特典付与口26に入球した遊技球は、分岐通路26bを通過してパチンコ遊技機10の外部に排出されるようになっている。すなわち、排出通路25は、分岐通路26bに分岐するようになっている。
そして、この特典付与口26(分岐通路26b内)には、特典付与口26に入球した遊技球を検知する特典センサSE5が設けられている。この特典センサSE5により遊技球が検知されると、後述する特典が付与されるようになっている。従って、この特典付与口26(分岐通路26b内)が、特別領域となる。そして、特典付与口26は、大当り遊技中、遊技球が入球可能となる入球可能状態をとりうるように構成されていることとなる。
また、図1に示すように、遊技盤YBには、第1保留表示装置27aが配設されている。第1保留表示装置27aは、実行が保留されている第1の変動ゲームの数を示すものである。具体的には、第1保留表示装置27aは、第1始動入賞口14に入球することにより第1の変動ゲームの始動保留条件が成立した一方で、第1の変動ゲームの実行開始条件が未だ成立していないことから実行(開始)が保留されている第1の変動ゲームの数、所謂、始動保留の記憶数(以下、第1保留記憶数)を示す。
図1に示すように、遊技盤YBには、第2保留表示装置27bが配設されている。第2保留表示装置27bは、実行が保留されている第2の変動ゲームの数を示すものである。具体的には、第2保留表示装置27bは、第2始動入賞口15に入球することにより第2の変動ゲームの始動保留条件が成立した一方で、第2の変動ゲームの実行開始条件が未だ成立していないことから実行(開始)が保留されている第2の変動ゲームの数、所謂、始動保留の記憶数(以下、第2保留記憶数)を示す。
また、遊技盤YBの左下方に、普通図柄表示装置28が配設されている。この普通図柄表示装置28では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普通図柄による普通図柄変動ゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す場合がある)が行われる。
普図ゲームで最終的に停止表示される普図(普図ゲームで導出された表示結果)には、普通当りのときに停止表示される普通当り図柄と、普通はずれのときに停止表示される普通はずれ図柄が存在する。普通当り図柄が停止表示された場合、遊技者には、普通当り遊技が付与される。
また、演出表示装置13の右方には、作動ゲート29が配設されている。作動ゲート29には、入球(通過)した遊技球を検知するゲートセンサSE6が設けられている。作動ゲート29が遊技球を検知(通過検知)することを契機に、普図ゲームが実行されうる。普図ゲームは、第2始動入賞口15の開閉羽根16を開動作させるか否か(第2始動入賞口15に遊技球を入球可能とするか)の抽選結果を導出するために行われる演出である。普図ゲームの抽選結果が普通当りとなり、普図当り遊技が付与されると、開閉羽根16が開動作して第2始動入賞口15が開状態となり、遊技球を入球させることができる。即ち、普図当り遊技が付与されると、開閉羽根16の開動作により第2始動入賞口15に遊技球を入球させやすくなり、遊技者は、第2変動ゲームの始動保留条件と賞球を容易に獲得できるチャンスを得ることができる。
また、遊技盤YBの遊技領域における最下方中央には、遊技球をアウト球として機外に排出するアウト口50が配設されている。アウト口50には、発射された遊技球のうち、第1始動入賞口14、第2始動入賞口15、第1大入賞口17及び第2大入賞口19のいずれも入球しなかった場合に、入球するようになっている。
なお、予め決められた第1流下経路Xを遊技球が流れた場合に、当該遊技球の一部が第1始動入賞口14に誘導されるように、遊技盤YB上に配置された遊技釘等の障害物や第1始動入賞口14が配置されている。本実施形態において、第1流下経路Xとしては、演出表示装置13の左側において定められている。つまり、演出表示装置13の左側を通過する遊技球の一部は、遊技盤YBを流下する際、遊技盤YB上に配置された遊技釘等により第1始動入賞口14に誘導される。また、第1流下経路Xとは異なる予め決められた第2流下経路Yを遊技球が流れた場合に、当該遊技球の一部が第2始動入賞口15、第1大入賞口17、第2大入賞口19、作動ゲート29に誘導されるように、遊技盤YB上に配置された遊技釘等の障害物や第2始動入賞口15、第1大入賞口17、第2大入賞口19、作動ゲート29が配置されている。本実施形態において、第2流下経路Yとしては、演出表示装置13の右側において定められている。つまり、演出表示装置13の右側を通過する遊技球の一部は、遊技盤YBを流下する際、遊技盤YB上に配置された遊技釘等により第2始動入賞口15、第1大入賞口17、第2大入賞口19、作動ゲート29に誘導される。
また、本実施形態では、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当り判定(当り抽選)の抽選確率を低確率(通常確率)から高確率に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与することができる機能である。本実施形態において確変状態は、確変終了条件が成立するまで付与される。本実施形態において確変終了条件は、次の大当り遊技が付与されるまでとなっている。確変状態は、大当り判定の抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となり得る。本実施形態では、大当り遊技中に、特典付与口26に遊技球が入球することを契機に、特典としての確変状態が大当り遊技終了後に付与されるようになっている。
また、本実施形態では、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)機能を備えている。変短機能は、大当り遊技の終了後に、遊技者に有利な変動時間短縮状態(以下、「変短状態」と示す)を付与することができる機能である。変短状態では、普図当り抽選の抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が、変短状態が付与されていないとき(非変短状態)と比べて短縮される。また、変短状態では、普通当り抽選に当選する確率が非変短状態よりも変短状態の方が高確率となる。また、変短状態では、普図当り抽選に当選した際、1回の普図当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根16の開放時間が、非変短状態中に比して長くなる。また、変短状態中は、変動ゲームの変動時間が非変短状態中に比して短縮される場合があり、特に、はずれ表示結果が停止表示される変動ゲームの変動時間が短縮される場合が多い。
本実施形態において変短状態は、変短終了条件が成立するまで、付与される。変短状態は、開閉羽根16が遊技者にとって有利に動作し、単位時間あたりの第2始動入賞口15への入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となり得る。以上のことから、変短状態では、遊技球の第2始動入賞口15への入球率が通常よりも向上する入球率向上状態が付与されることとなっている。なお、変短状態(入球率向上状態)は、確変状態中にも付与されうる。
次に、本実施形態における大当り遊技について、説明する。この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が停止表示されることを契機に付与される。
大当り遊技は、変動ゲームにて大当り図柄が停止表示されて該ゲームが終了した後、開始される。大当り遊技が開始すると、オープニング時間が設定される。そして、このオープニング時間において、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。また、オープニング時間が終了すると、第1大入賞口17又は第2大入賞口19が開放されるラウンド遊技が、予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技中に第1大入賞口17又は第2大入賞口19は、入球上限個数の遊技球が入賞しない限り、規定の開閉態様で開閉される。このため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。また、第2大入賞口19が開放される際、特典付与口26が開放される場合がある。このため、第2大入賞口19が開放される場合には、特典付与口26に遊技球を入球させ、確変状態が付与されるチャンスを得ることができる。
また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、すべてのラウンド遊技が終了すると、エンディング時間が設定される。また、このエンディング時間において、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われる。また、エンディング時間が終了すると、大当り遊技は終了される。
そして、本実施形態では、大当り判定(当り抽選)に当選した場合、複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、複数種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定(当り抽選)に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。
ここで、大当り判定の当選確率や大当り遊技の内容などの所謂、パチンコ遊技機10のスペックについて説明する。
図3〜図5に、スペックを示す。なお、図3(a)において、「大当り確率(通常状態)」は、非確変状態(つまり、通常状態)中の大当り判定(当り抽選)の当選確率を示す。また、「大当り確率(確変状態)」は、確変状態中の大当り判定(当り抽選)の当選確率を示す。また、「始動センサ検知時」は、第1始動センサSE1又は第2始動センサSE2が遊技球を検知したときにおける払出し賞球数を示し、「カウントセンサ検知時」は、第1カウントセンサSE3又は第2カウントセンサSE4が遊技球を検知したときにおける払出し賞球数を示す。また、「大当り遊技における入球上限個数」は、1回のラウンド遊技において入球させることができる個数を示す。
また、図3(b)に示すように、「普通当り確率」は、通常状態(非変短状態)における普通当り判定(抽選)の当選確率と、変短状態における普通当り判定(抽選)の当選確率を、それぞれ示す。また、「普通図柄変動時間」は、通常状態における普図ゲームの変動時間と、変短状態における普図ゲームの変動時間をそれぞれ示す。また、「開閉羽根の開放態様」は、普通当り遊技において開閉羽根16が開動作している時間(最大時間)とその開放回数を、通常状態(非変短状態)中及び変短状態中の各状態についてそれぞれ示す。また、「普通当り遊技における入球上限個数」は、普通当り遊技において第2始動センサSE2に入球させることができる遊技球の上限個数を示す。
また、図4(a)において、第1の変動ゲームにおける大当り判定に当選したときに付与される大当り遊技に関するスペックが示されている。図4(b)において、第2の変動ゲームにおける大当り判定に当選したときに付与される大当り遊技に関するスペックが示されている。図4において、「大当り図柄(大当り遊技の種類)」は、停止表示される特別図柄の種類を示す。なお、本実施形態では、大当り図柄ZAが停止表示されたときに付与される大当り遊技の名称は、大当りRAと示し、大当り図柄ZBが停止表示されたときに付与される大当り遊技の名称は、大当りRBと示す。同様に、大当り図柄Za〜大当り図柄Zcが停止表示されたときに付与される大当り遊技の名称は、それぞれ大当りRa〜大当りRcと示す。
「割合」は、各大当り遊技が付与される割合を示す。また、「規定R数」は、1回の大当り遊技におけるラウンド遊技数を示す。また、「特典付与口への入球」は、大当り遊技中に特典付与口26に遊技球が入球したか否か(すなわち、特典センサSE5により検知されたか否か)を示す。また、「当り後の確変状態」は、大当り遊技終了後に確変状態が付与されるか否かを示す。なお、本実施形態では、特典付与口26に遊技球が入球した場合、確変状態は、次の大当り遊技まで付与される。
また、「当り後の変短回数」は、大当り遊技終了後に付与される変短状態が、いつまで付与されるかを示す。なお、「100回」は、当該回数の変動ゲームが実行されるまで付与されることを示す。また、「次回まで」は、次の大当り遊技まで付与されることを示す。本実施形態では、大当り遊技が付与される場合には、必ず変短状態が付与される。また、確変状態が付与される場合にも、必ず変短状態が付与される。
また、「開放パターン」は、大当り遊技中に開放される大入賞口の種類及び開放時間を、ラウンド遊技毎にそれぞれ示している。
詳しくは、図4(a)において、大当りRAの開放パターンは、1ラウンド目〜3ラウンド目のラウンド遊技において第1大入賞口17が、25秒開放されることを示す。また、大当りRAの開放パターンは、4ラウンド目のラウンド遊技において第2大入賞口19が、25秒開放されることを示す。また、大当りRAの開放パターンは、5ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技において第1大入賞口17が、25秒開放されることを示す。
同様に、大当りRBの開放パターンは、1ラウンド目〜3ラウンド目のラウンド遊技において第1大入賞口17が、25秒開放されることを示す。また、大当りRBの開放パターンは、4ラウンド目のラウンド遊技において第2大入賞口19が、25秒開放されることを示す。また、大当りRBの開放パターンは、5ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技において第1大入賞口17が、0.04秒開放されることを示す。
また、図4(b)において、大当りRaの開放パターンは、大当りRAの開放パターンと同様である。
また、大当りRbの開放パターンは、1ラウンド目〜3ラウンド目のラウンド遊技において第1大入賞口17が、25秒開放されることを示す。また、大当りRbの開放パターンは、4ラウンド目のラウンド遊技において第2大入賞口19が、25秒開放されることを示す。また、大当りRbの開放パターンは、5ラウンド目〜10ラウンド目のラウンド遊技において第1大入賞口17が、25秒開放されることを示す。また、大当りRbの開放パターンは、11ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技において第1大入賞口17が、0.04秒開放されることを示す。
また、大当りRcの開放パターンは、1ラウンド目〜3ラウンド目のラウンド遊技において第1大入賞口17が、25秒開放されることを示す。また、大当りRcの開放パターンは、4ラウンド目のラウンド遊技において第2大入賞口19が、0.04秒開放されることを示す。また、大当りRcの開放パターンは、5ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技において第1大入賞口17が、0.04秒開放されることを示す。
なお、各ラウンド遊技において、第1大入賞口17又は第2大入賞口19の開放後には、第1大入賞口17及び第2大入賞口19が閉鎖されるインターバル時間がそれぞれ用意されている。インターバル時間としては、任意の時間が設定されていてよいが、本実施形態では、それぞれ1秒間のインターバル時間が用意されている。また、オープニング時間とエンディング時間についても大当り遊技の種類毎に任意の時間が設定されている。本実施形態では、オープニング時間として、10秒が設定されており、エンディング時間として10秒が設定されている。
そして、図5には、各大当り遊技の4ラウンド目のラウンド遊技において特典付与口26が開状態または閉状態とされるタイミングを示す。図5に示すように、4ラウンド目のラウンド遊技において、特典付与口26が、0.04秒開状態にされた後、2秒閉状態とされ、その後、25秒開状態とされるようになっている。なお、4ラウンド目のラウンド遊技の終了条件が成立したとき(すなわち、入球上限個数の遊技球が入球したとき、又は第2大入賞口19が規定された開閉態様で開閉したとき)、4ラウンド目のラウンド遊技が終了することから、特典付与口26の開閉動作もそれに伴って終了し、閉鎖されるようになっている。
そして、4ラウンド目において特典付与口26が最初に開状態とされる時間は、極めて短いため(0.04秒)、この間に入球する可能性は低くなっている。すなわち、4ラウンド目において第2大入賞口19及び特典付与口26が最初に開状態とされる時間は、遊技者が遊技球を発射させてから第2大入賞口19及び特典付与口26に入球(又は到達)するまでの時間(約1〜3秒)と比較して極めて短い。このため、4ラウンド目において第2大入賞口19及び特典付与口26が最初に開状態とされるときに狙って遊技球を入球させることはできない。また、4ラウンド目において第2大入賞口19及び特典付与口26が最初に開状態とされる時間は、遊技球の発射間隔(1分間に100球、すなわち、0.6秒に1球)と比較しても短いため、4ラウンド目において第2大入賞口19及び特典付与口26が最初に開状態とされるときに遊技球を発射することができない場合もある。このため、第2大入賞口19が、0.04秒開状態とされて4ラウンド目のラウンド遊技が終了してしまうような大当り遊技(例えば、大当りRc)では、特典付与口26及び第2大入賞口19が共に開状態となる時間は、遊技球を入球させるには極めて短い。このため、第2大入賞口19及び特典付与口26に遊技球が入球する可能性が極めて低くなっている(実質的にゼロとなっている)。
その一方、特典付与口26が2回目に開状態とされる時間は、極めて長いため(25秒)、第2大入賞口19が25秒間、開状態とされる大当り遊技(大当りRA、大当りRB、大当りRa、大当りRb)では、この間に入球する可能性は高くなっている。すなわち、4ラウンド目において特典付与口26が2回目に開状態とされる時間は、遊技者が遊技球を発射させてから第2大入賞口19及び特典付与口26に入球(又は到達)するまでの時間(約1〜3秒)と比較して極めて長い。また、4ラウンド目において特典付与口26が2回目に開状態とされる時間は、遊技球の発射間隔(1分間に100球、すなわち、0.6秒に1球)と比較しても長い。すなわち、第2大入賞口19が25秒間、開状態とされる大当り遊技(大当りRA、大当りRB、大当りRa、大当りRb)では、4ラウンド目において特典付与口26が2回目に開状態とされるときに遊技球を複数個発射することができる。また、第2大入賞口19の横幅は、遊技球の直径と比較して十分広く(遊技球の直径の約5倍)、第2大入賞口19の直上に障害物(遊技釘など)も配置されていない。すなわち、第2流下経路Yを遊技球が流下さえすれば、極めて容易に第2大入賞口19及び特典付与口26に入球させることができる。従って、第2大入賞口19が25秒間、開状態とされる大当り遊技(大当りRA、大当りRB、大当りRa、大当りRb)では、特典付与口26及び第2大入賞口19が同時期に遊技球を入球させるには十分な時間だけ共に開状態となるため、遊技者の意思で、特典付与口26に遊技球を入球させることができる。
また、第1大入賞口17又は第2大入賞口19が25秒開放(ロング開放)される場合、この間に第1大入賞口17又は第2大入賞口19に規定上限個数の遊技球が入球する可能性は高くなっている。すなわち、第1大入賞口17又は第2大入賞口19がロング開放される時間(25秒)は、遊技者が遊技球を発射させてから第1大入賞口17又は第2大入賞口19に入球(又は到達)するまでの時間(約1〜3秒)と比較して十分長い。また、第1大入賞口17又は第2大入賞口19がロング開放される時間(25秒)は、規定上限個数の遊技球を発射させるために必要な時間と比較しても十分長い。このため、第1大入賞口17又は第2大入賞口19がロング開放された場合、遊技者の意思で、規定上限個数の遊技球を入球させることができる。
そして、大当りRA、大当りRaでは、第1大入賞口17又は第2大入賞口19がロング開放(25秒開放)となるラウンド遊技数が15ラウンドとなっている。また、大当りRbでは、第1大入賞口17又は第2大入賞口19がロング開放(25秒開放)となるラウンド遊技数が10ラウンドとなっている。また、大当りRB、大当りRcでは、第1大入賞口17又は第2大入賞口19がロング開放(25秒開放)となるラウンド遊技数が4ラウンドとなっている。そして、ロング開放となるラウンド遊技数に比例して、1回の大当り遊技における獲得期待賞球数が多くなる。
また、大当りRAと大当りRBは、4ラウンド目まで同じ開放態様となっているため、5ラウンド目のラウンド遊技において第1大入賞口17がロング開放されるかについて注目させることができる。同様に、大当りRa〜大当りRcは、3ラウンド目まで同じ開放態様となっているため、4ラウンド目のラウンド遊技において第2大入賞口19がロング開放されるかについて注目させることができる。同様に、大当りRaと大当りRbは、10ラウンド目まで同じ開放態様となっているため、11ラウンド目のラウンド遊技において第1大入賞口17がロング開放されるかについて注目させることができる。
次に、図6に基づき、パチンコ遊技機10の制御構成について説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機10に関する各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置13の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)の決定に関する処理などを実行し、処理結果に応じて表示内容を制御する。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、主制御用CPU30aが備えられている。該主制御用CPU30aには、主制御用ROM30b及び主制御用RAM30cが接続されている。主制御用CPU30aには、第1始動センサSE1と、第2始動センサSE2と、第1カウントセンサSE3と、第2カウントセンサSE4と、特典センサSE5が接続されている。また、主制御用CPU30aには、第1特別図柄表示装置11と第2特別図柄表示装置12が接続されている。また、主制御用CPU30aには、アクチュエータACT1〜アクチュエータACT4が接続されている。また、主制御用CPU30aには、ゲートセンサSE6と、第1保留表示装置27aと第2保留表示装置27bが接続されている。また、主制御用CPU30aには、普通図柄表示装置28が接続されている。
また、主制御用ROM30bには、パチンコ遊技機10に関する各種処理を実行するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、少なくとも、特別図柄が変動表示開始してから特別図柄が停止表示されるまでの演出時間(変動時間)を特定することができる。本実施形態における変動パターンでは、特別図柄が変動表示開始してから特別図柄が停止表示されるまでの間の変動ゲームの演出内容(大当りの有無など)も特定することができる。
変動パターンには、大当り演出を特定する大当り変動パターンがある。また、変動パターンには、はずれ演出を特定するはずれ変動パターンがある。なお、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンには、それぞれ複数種類の変動パターンが用意されている。大当り演出は、変動ゲームが、最終的に大当りの図柄組み合わせを停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、変動ゲームが、最終的にはずれの図柄組み合わせを停止表示させるように展開される演出である。
また、主制御用ROM30bには、各種の判定値が記憶されている。例えば、主制御用ROM30bには、大当り判定で用いられる大当り判定値が記憶されている。確変状態が付与されているときの大当り判定値の個数は、確変状態が付与されていないときの大当り判定値の個数よりも多くなっている。
主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。例えば、主制御用RAM30cには、確変状態が付与されているか否かを示す主確変フラグが記憶される。また、主制御用RAM30cには、変短状態(入球率向上状態)が付与されているか否かを示す主作動フラグが記憶される。
また、主制御基板30内では、当り判定用乱数や、特別図柄振分用乱数、変動パターン振分用乱数として使用される各種乱数が生成される。因みに、当り判定用乱数は、大当り判定に用いる乱数である。特別図柄振分用乱数は、特別図柄(大当り遊技の種類)を決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数の取り得る値は、はずれ変動パターン及び大当り変動パターンの分類毎に、振り分けを異ならせている。なお、各種乱数として使用される乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
次に、図6に基づき演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、遊技演出を実行させる演出制御手段としての演出制御用CPU31aが備えられている。該演出制御用CPU31aには、演出制御用ROM31b及び演出制御用RAM31cが接続されている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。例えば、演出制御用RAM31cには、確変状態が付与されているか否かを示す副確変フラグが記憶される。また、演出制御用RAM31cには、変短状態(入球率向上状態)が付与されているか否かを示す副作動フラグが記憶される。また、演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御用RAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
また、演出制御用ROM31bには、遊技演出を実行させるための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置13が接続されており、各種制御コマンドを入力すると、演出制御プログラムに基づき、演出表示装置13の表示内容を制御する。
次に、主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。最初に、特別図柄入力処理を説明する。特別図柄入力処理は、主制御用CPU30aにより所定周期毎に実行されるようになっている。
まず、主制御用CPU30aは、第1始動入賞口14に遊技球が入球したか否かを判定する第1保留判定を実行する。すなわち、主制御用CPU30aは、第1保留判定において、第1始動センサSE1が遊技球を検知した時に出力する第1検知信号を入力したか否かを判定する。第1保留判定の判定結果が肯定の場合(入球した場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの記憶内容に基づき、第1保留記憶数を特定し、特定した第1保留記憶数が上限値(本実施形態では「4」)よりも少ないか否かを判定する第1保留記憶数判定を実行する。第1保留記憶数判定の判定結果が否定の場合(第1保留記憶数の上限値に達していた場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
一方、第1保留記憶数判定の判定結果が肯定の場合(上限値に達していない場合)、主制御用CPU30aは、第1の変動ゲームに係わる各種乱数の値を取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に取得した乱数値を記憶する。その際、第1の変動ゲームに係わる乱数値であること、及びその取得順序が認識できるように記憶する。なお、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの記憶内容(未だ変動ゲームで利用されていない乱数値の記憶量)に基づき、第1保留記憶数を特定可能に構成されている。そして、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの記憶内容が更新され、第1保留記憶数が変化すると、更新後の第1保留記憶数を表示させるように第1保留表示装置27aを制御する。また、主制御用CPU30aは、更新後の第1保留記憶数等を指定する保留指定コマンドを出力する。そして、特別図柄入力処理を終了する。
また、第1保留判定の判定結果が否定の場合(第1始動入賞口14に入球しなかった場合)、主制御用CPU30aは、第2始動入賞口15に遊技球が入球したか否かを判定する第2保留判定を実行する。すなわち、主制御用CPU30aは、第2保留判定において、第2始動センサSE2が遊技球を検知した時に出力する第2検知信号を入力したか否かを判定する。第2保留判定の判定結果が肯定の場合(入球した場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの記憶内容に基づき、第2保留記憶数を特定し、特定した第2保留記憶数が上限値(本実施形態では「4」)よりも少ないか否かを判定する第2保留記憶数判定を実行する。第2保留記憶数判定の判定結果が否定の場合(第2保留記憶数の上限値に達していた場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
第2保留記憶数判定の判定結果が肯定の場合(上限値に達していない場合)、主制御用CPU30aは、第2の変動ゲームに係わる各種乱数の値を取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に取得した乱数値を記憶する。その際、第2の変動ゲームに係わる乱数値であること、及びその取得順序が認識できるように記憶する。なお、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの記憶内容(未だ変動ゲームで利用されていない乱数値の記憶量)に基づき、第2保留記憶数を特定可能に構成されている。そして、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの記憶内容が更新され、第2保留記憶数が変化すると、更新後の第2保留記憶数を表示させるように第2保留表示装置27bを制御する。また、主制御用CPU30aは、更新後の第2保留記憶数等を指定する保留指定コマンドを出力する。そして、特別図柄入力処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、第1始動センサSE1が遊技球を検知した時に、第1保留記憶数がその上限値に達していない場合には、第1の変動ゲームの始動保留条件が成立したこととなり、第1の変動ゲームを実行させるための情報(乱数値など)が記憶される。同様に、第2始動センサSE2が遊技球を検知した時に、第2保留記憶数がその上限値に達していない場合には、第2の変動ゲームの始動保留条件が成立したこととなり、第2の変動ゲームを実行させるための情報(乱数値など)が記憶される。
次に、特別図柄開始処理について説明する。主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を所定周期毎に実行するようになっている。主制御用CPU30aは、大当り遊技中又は図柄変動ゲーム中でない場合、第2保留記憶数を特定し、第2保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する。
第2保留記憶数が「0」の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を特定し、第1保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する。そして、第1保留記憶数が「0」の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、この判定結果が肯定の場合(第1保留記憶数>0の場合)、主制御用CPU30aは、第1の変動ゲームの実行開始条件が成立したと判定する。その際、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶される特別図柄変動処理フラグに第1の変動ゲームを実行することを示す値を設定する。なお、本実施形態では、大当り遊技及び変動ゲームのいずれも実行中でない場合であって、第2保留記憶数=0のときであり、且つ、第1保留記憶数>0のとき(すなわち、実行が保留されている第2の変動ゲームが存在せず、実行が保留されている第1の変動ゲームが存在するとき)に、第1の変動ゲームの実行開始条件が成立する。
次に、主制御用CPU30aは、第1の変動ゲームに係わる(第1の変動ゲームに利用される)乱数値のうち、取得順序に従って最も早く実行される第1の変動ゲームに係わる乱数値(当り判定用乱数、変動パターン振分用乱数及び特別図柄振分用乱数の値)を取得する。具体的には、第1の変動ゲームに係わる乱数値であって、まだ第1の変動ゲームを実行させるために利用されていない乱数値のうち、最も早く取得された乱数値を取得する。また、主制御用CPU30aは、特定した第1保留記憶数を1減算し、当該第1保留記憶数を表すように第1保留表示装置27aの表示内容を変更させる。また、主制御用CPU30aは、更新後の第1保留記憶数等を示す保留指定コマンドを出力する。
主制御用CPU30aは、取得した当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(当り抽選)を行う。なお、確変状態が付与されている場合には、確変状態用の大当り判定値で判定する(すなわち、高確率で当選させる)。確変状態が付与されていない場合には、非確変状態用の大当り判定値で判定する。
大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、主制御用CPU30aは、取得した図柄振分用乱数の値に基づき、大当り遊技の種類を決定すると共に、特別図柄による大当り図柄の中から第1特別図柄表示装置11(第2の変動ゲームのときには、第2特別図柄表示装置12)にて停止表示される最終停止図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数の値に基づき、大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、第1の変動ゲームに関する各種処理(第2の変動ゲームのときには第2の変動ゲームに関する各種処理)を実行する。
具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。なお、変動パターン指定コマンドには、第1の変動ゲームと第2の変動ゲームのいずれが実行されるかについての情報も指示する。変動パターン指定コマンドを出力する同時に、主制御用CPU30aは、特別図柄を変動開始させるように第1特別図柄表示装置11(第2の変動ゲームのときには第2特別図柄表示装置12)の表示内容を制御する。また、同時に、主制御用CPU30aは、変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、主制御用CPU30aは、最終停止図柄の種類を指定するための特別図柄指定コマンドを出力する。なお、最終停止図柄が大当り図柄である場合には、大当り遊技の種類を特定することができるため、特別図柄指定コマンドは、大当り遊技の種類を指定するための当り種別指定コマンドでもある。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
その後、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間(変動時間)に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特別図柄表示装置11(第2の変動ゲームのときには第2特別図柄表示装置12)の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾り図柄の変動停止を指示し、図柄組み合わせを停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を第1特別図柄表示装置11(第2の変動ゲームのときには第2特別図柄表示装置12)にて停止表示される最終停止図柄として決定する。次に、主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。
そして、変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、前述(大当りの場合)同様、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、第1の変動ゲームに関する各種処理(第2の変動ゲームのときには第2の変動ゲーム関する各種処理)を実行する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、第2保留記憶数>0の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶される特別図柄変動処理フラグに第2の変動ゲームを実行することを示す値を設定する。なお、本実施形態では、大当り遊技及び変動ゲームのいずれも実行中でない場合であって、第2保留記憶数>0のとき(すなわち、実行が保留されている第2の変動ゲームが存在するとき)に、第2の変動ゲームの実行開始条件が成立する。
次に、主制御用CPU30aは、第2の変動ゲームに係わる(第2の変動ゲームに利用される)乱数値のうち、取得順序に従って最も早く実行される第2の変動ゲームに係わる乱数値(当り判定用乱数、変動パターン振分用乱数、及び特別図柄振分用乱数の値)を取得する。具体的には、第2の変動ゲームに係わる乱数値であって、まだ第2の変動ゲームを実行させるために利用されていない乱数値のうち、最も早く取得された乱数値を取得する。また、主制御用CPU30aは、特定した第2保留記憶数を1減算し、当該第2保留記憶数を表すように第2保留表示装置27bの表示内容を変更させる。また、主制御用CPU30aは、更新後の第2保留記憶数等を示す保留指定コマンドを出力する。
以下、取得した乱数に基づき、第2の変動ゲームに係わる処理を実行するが、第1の変動ゲームにおける処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
このような特別図柄開始処理を実行することにより、第1保留記憶数と、第2保留記憶数とがいずれも記憶されているとき、主制御用CPU30aは、第2の変動ゲームを優先的に実行する。すなわち、第2の変動ゲームの大当り判定など、第2の変動ゲームに係わる各種処理を優先的に実行する。そして、第2の変動ゲームで大当りとなる場合、第1の変動ゲームと異なり、賞球の獲得を期待できる実質的なラウンド遊技数(ロング開放となるラウンド遊技数)が多い大当り遊技が付与されやすくなっている。これにより、第2の変動ゲームで大当りとなった場合、第1の変動ゲームよりも賞球の獲得を期待することができる。従って、普通当り遊技が付与されているときには、遊技者により有利となりやすい。また、本実施形態において、主制御用CPU30aは、大当り判定を行う当り判定手段となる。
そして、主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の大当り遊技の制御を開始し、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。
具体的には、主制御用CPU30aは、オープニング時間の設定を開始する。また、主制御用CPU30aは、オープニング時間が開始したことを指示するオープニングコマンドを演出制御基板31に出力する。次に、主制御用CPU30aは、オープニング時間の終了後、各ラウンド遊技を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、各ラウンド遊技の開始時にラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを演出制御基板31に出力する。また、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技毎に、第1大入賞口17及び第2大入賞口19の開放及び閉鎖を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、入球上限個数の遊技球が入球するまでの間、又はラウンド遊技毎に予め決められた規定の開放態様で開閉させるまでの間、第1大入賞口17又は第2大入賞口19を開状態又は閉状態とさせるように、第1大入賞口扉18又は第2大入賞口扉20を制御する。また、主制御用CPU30aは、4ラウンド目のラウンド遊技において、特典付与口26の開放及び閉鎖を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、特典付与口26を開状態又は閉状態とさせるように、振分シャッタ26aを制御する。そして、主制御用CPU30aは、第1大入賞口17及び第2大入賞口19を規定の開閉態様で開閉させた後(又は入球上限個数の遊技球が入球した後)、ラウンド遊技を終了する。これらの一連の制御を、規定ラウンド数に達するまで実行する。
規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、主制御用CPU30aは、エンディング時間の設定を開始する。また、主制御用CPU30aは、エンディング時間が開始したことを指示するエンディングコマンドを演出制御基板31に出力する。そして、エンディング時間を経過すると、主制御用CPU30aは、大当り遊技を終了させる。
大当り遊技を終了する際、主制御用CPU30aは、特典付与口26に遊技球が入球したか否か(すなわち、特典センサSE5により検知されたか否か)により、確変状態を付与するか否かを決定する。主制御用CPU30aは、特典付与口26に遊技球が入球した場合、確変状態を付与することを決定し、主確変フラグに確変状態が付与されていることを示す値を設定する。
なお、主制御用CPU30aは、大当り遊技が付与された場合、主確変フラグの値を一旦リセットする。また、主制御用CPU30aは、特典付与口26に遊技球が入球しなかった場合、確変状態を付与しないことを決定する。
また、大当り遊技を終了する際、主制御用CPU30aは、変短状態(入球率向上状態)を付与することを決定する。そして、主制御用CPU30aは、主作動フラグに変短状態が付与されていることを示す値を設定する。また、主制御用CPU30aは、特典付与口26に遊技球が入球したか否かに応じて、変短状態を終了させる際の変短終了条件を決定し、変短終了条件に応じた値を変短終了フラグに設定する。具体的には、主制御用CPU30aは、特典付与口26に遊技球が入球した場合には、変短終了条件を次の大当り遊技が付与されるまでとして、次の大当り遊技が付与されるまで変短状態が付与されることを示す値を変短終了フラグに設定する。一方、主制御用CPU30aは、特典付与口26に遊技球が入球しなかった場合には、変短終了条件を大当り遊技終了後、変動ゲームが100回実行されるまでとして、100回を示す値を変短終了フラグに設定する。変短終了フラグに100回以下を示す値が設定された場合、変動ゲームが実行される毎に設定されている値から「1回」減算された値が新たに設定される。そして、変短終了フラグに設定されている値が「0」を示す値となった場合、主制御用CPU30aは、主作動フラグの値をリセットする。なお、主制御用CPU30aは、大当り遊技が付与された場合、主作動フラグ及び変短終了フラグの値を一旦リセットする。
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技中、特典付与口26に遊技球が入球すると(特典センサSE5により遊技球が検知されると)、その旨を通知する制御コマンド(特典通知コマンド)を出力する。
以上により、本実施形態では、主制御用CPU30aが、大当り遊技の終了後に大当り判定の当選確率を通常確率から高確率に変更する確変状態を付与する確変付与手段となる。また、主制御用CPU30aが、大当り遊技終了後、第2始動入賞口15へ遊技球が通常状態よりも入球しやすくなる変短状態(入球率向上状態)を付与する入球率向上状態付与手段となる。また、主制御用CPU30aが、大当り遊技を付与する当り遊技付与手段となる。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが演出制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。主制御用CPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、演出制御用CPU31aは、それに応じて各種処理を実行する。
例えば、演出制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドを入力すると、当該特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づき、演出表示装置13に停止表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。すなわち、演出制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄が大当り図柄である場合には、大当りの図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれの図柄組み合わせを決定する。
そして、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、演出内容を決定し、飾り図柄変動ゲームを実行させるように演出表示装置13を制御する。その後、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄変動ゲームを終了させると共に、決定した図柄組み合わせを表示させる。
また、演出制御用CPU31aは、特典通知コマンドを入力すると、副確変フラグに確変状態が付与されていることを示す値を設定する。また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技が付与された場合、副確変フラグの値を一旦リセットする。また、演出制御用CPU31a、大当り遊技を終了する際、副作動フラグに変短状態が付与されていることを示す値を設定する。
また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技が終了する際、特典通知コマンドを入力したか否か(特典付与口26に遊技球が入球したか否か)に応じて、変短終了条件及びそれに応じた値を特定し、副変短終了フラグに設定する。具体的には、演出制御用CPU31aは、特典通知コマンドを入力した場合には、変短終了条件を次の大当り遊技が付与されるまでであると特定し、次の大当り遊技が付与されるまで変短状態が付与されることを示す値を副変短終了フラグに設定する。演出制御用CPU31aは、特典通知コマンドを入力しなかった場合には、変短終了条件を大当り遊技終了後、変動ゲームが100回実行されるまでであると特定として、100回を示す値を副変短終了フラグに設定する。そして、副変短終了フラグに100回以下を示す値が設定された場合、変動ゲームが実行される毎に設定されている値から「1回」減算された値が新たに設定される。そして、副変短終了フラグに設定されている値が「0」を示す値となった場合、演出制御用CPU31aは、副作動フラグの値をリセットする。なお、演出制御用CPU31aは、大当り遊技が付与された場合、副作動フラグ及び副変短終了フラグの値を一旦リセットする。
次に、図7に基づき、このパチンコ遊技機10のゲーム性についてその作用と共に説明する。
確変状態及び変短状態が付与されていない通常状態であるとき、第2始動入賞口15は、普図ゲームが普通当りとならない限り、開状態とならない。また、作動ゲート29は、第2流下経路Yに配置されていると共に、通常状態では普図ゲームが普通当りとなる確率も低く、普図ゲームの変動時間も長い(すなわち、普通当り遊技が付与される間隔も長い)。従って、遊技者は、第1始動入賞口14への入球を狙って第1流下経路Xを遊技球が通過するように、遊技球を発射させることとなる。その結果、更に作動ゲート29に遊技球が通過しなくなり、第2始動入賞口15が開状態となる可能性がより低くなる。これにより、遊技者は、通常状態において第2流下経路Yを狙って遊技球を発射させる意欲も更になくなる。そして、本実施形態においては、第1流下経路Xに遊技球を通過させるように遊技球を発射させている限り、第2始動入賞口15に遊技球が入球することはほぼない。以上により、通常状態において、遊技球は、第2始動入賞口15を通過することはほぼなく、第1始動入賞口14を通過することとなる。なお、第1流下経路Xを流下する遊技球が、第1始動入賞口14に入球しなかった場合には、アウト口50に入球することとなる。
このため、通常状態においては、第1の変動ゲームのみが実行される可能性が高くなり、その結果、大当り判定にて大当りとなる場合には、第1の変動ゲームにて大当りとなる。そして、第1の変動ゲームにて付与される大当り遊技は、第2大入賞口19及び特典付与口26が同時期に特典付与口26に遊技球が入球するには十分な時間だけ開放されうる大当りRA又は大当りRBのみが付与される。このため、大当りRA又は大当りRBが付与された後、4ラウンド目のラウンド遊技において、第2流下経路Yに遊技球が通過するように遊技球を発射させれば、ほぼ確変状態が付与されることとなる。すなわち、通常状態において、最初の大当り遊技が付与された場合、遊技者が普通に(遊技者が有利となるように)遊技を行えば、次の大当り遊技が付与されるまで確変状態及び変短状態が付与される。
一方、変短状態では普図ゲームが普通当りとなる確率が高く(ほぼ普通当りとなる)、普図ゲームの変動時間も短い(つまり、普通当り遊技が付与される間隔も短い)。さらに、変短状態中、第2流下経路Yに遊技球を流下させた場合、高確率で第2始動入賞口15に入球し、入球数に応じた賞球が払い出される。このため、変短状態が付与されている場合、遊技釘等の障害物の配置や遊技球の発射方法にもよるが、概ね発射した数とほぼ同じ賞球数が払い出されるようになっている。すなわち、変短状態中、第2流下経路Yに遊技球を流下させた場合、遊技者が持っている遊技球がほぼ減ることがないようになっている。なお、変短状態中であっても、第1流下経路Xに遊技球を流下させた場合、変短状態が付与されていないときと同様に、遊技球が減るようになっている。
そして、変短状態が付与されているとき、第2始動入賞口15を狙って遊技球を発射させた方が、第1始動入賞口14を狙って遊技球を発射させるよりも、出球率がよくなっている。なお、出球率とは、遊技領域に発射された遊技球の総数に対する、パチンコ遊技機10から払い出された賞球数(遊技球)の総数の割合のことである。言い換えると、第2流下経路Yを流下するように遊技球を発射させた際の出球率は、第1流下経路Xを流下するように遊技球を発射させた際の出球率よりも良くなっている。
すなわち、第1の変動ゲームで大当り遊技が付与された場合に獲得可能な賞球数の平均値(期待値)と比較して、第2の変動ゲームで大当り遊技が付与された場合に獲得可能な賞球数の平均値の方が多くなっている。そして、変短状態中、第2流下経路Yを流下する遊技球が第2始動入賞口15に入球する可能性は、第1流下経路Xを流下する遊技球が第1始動入賞口14に入球する可能性よりも遙かに高くなっている。以上のことから、変短状態が付与されているとき、第2始動入賞口15を狙って遊技球を発射させた方が、第1始動入賞口14を狙って遊技球を発射させるよりも、出球率がよいと言える。
さらに、確変状態が付与されている状態であっても、第1始動入賞口14を狙って遊技球を発射させた際の出球率は、100%未満となっている。すなわち、確変状態で大当りとなるまでに第1始動入賞口14の入球に基づき払い出される賞球総数(平均値)と、第1の変動ゲームで大当り遊技が付与されたときに獲得可能な賞球数(平均値)の合計値が、確変状態で大当りとなるまでに発射させる遊技球の総数(平均値)よりも少ない。つまり、確変状態が継続して付与される場合であっても、第1始動入賞口14を狙って遊技球を発射しつづけた場合には、遊技球が減るようになっている。
従って、遊技者は、変短状態において第1流下経路Xを狙って遊技球を発射させる意欲が無くなる。遊技者は、変短状態中、第2始動入賞口15への入球を狙って第2流下経路Yを遊技球が流下するように、遊技球を発射させることとなる。そして、本実施形態においては、第2流下経路Yに遊技球を通過させるように遊技球を発射させている限り、第1始動入賞口14に遊技球が入球することはほぼない。以上により、変短状態において、遊技球は、第1始動入賞口14を通過することはほぼなく、第2始動入賞口15を通過することとなる。
また、変短状態及び確変状態の付与契機となる大当り遊技中、開状態となる第1大入賞口17及び第2大入賞口19も第2流下経路Y上に配置されている。このため、一旦、大当り遊技が付与された場合、変短状態及び大当り遊技のいずれもが終了するまで、遊技者は、第2流下経路Yを遊技球が流下するように、遊技球を発射し続けることとなり、第1始動入賞口14に遊技球が入球することはほぼない。従って、最初の大当り遊技が付与された場合における第1始動保留記憶数よりも多くの第1の変動ゲームが実行される可能性は極めて少なくなっている。また、第2の変動ゲームが優先的に実行されるようになっているため、最初の大当り遊技が付与された場合に第1始動保留記憶数が存在していた場合であっても、第1の変動ゲームが実行されない可能性もある。
従って、変短状態においては、第2の変動ゲームが主に実行されることとなる。そして、第2の変動ゲームで大当りとなった場合、確変状態が実質的に付与されない大当りRcが決定される可能性がある。このため、確変状態及び変短状態中、第2の変動ゲームが実行され、大当りRcが付与されることにより、確変状態が終了するようになっている。一方、確変状態及び変短状態中、第2の変動ゲームにて大当りRa又は大当りRbが付与された場合、次の大当り遊技が付与されるまで、確変状態及び変短状態が継続することとなっている。
また、確変状態が付与されておらず、変短状態のみが付与されている場合、第2の変動ゲームが実行される。この場合において、大当りRa又は大当りRbが付与された場合、再び、確変状態及び変短状態が付与されることとなる。また、大当りRcが付与される場合であっても、新たに100回の変動ゲームが実行されるまで変短状態が付与されることとなる。従って、変短状態のみが付与されている場合、大当り遊技が付与されるか否かについてより注目させることができる。
なお、変短状態のみが付与されているときにおいて、大当り遊技終了後、100回の変動ゲームが実行された場合、通常状態に移行することとなる。
以上により、本実施形態において、大当りRA、大当りRB、大当りRa及び大当りRbが、第1当りとなる。また、大当りRcは、大当りRcの終了に伴って特典付与口26に遊技球を入球させるには短い時間(0.04秒)しか特典付与口26が開状態とならないため、結果的に第1当りよりも特典付与口26が開状態(入球可能状態)となりにくい第2当りとなる。また、主制御用CPU30aは、第1始動入賞口14に遊技球が入球したことを契機に行われる大当り判定で大当りとなる場合(第1の変動ゲームで大当りとなるとき)、第1当りを付与するといえる。一方、主制御用CPU30aは、第2始動入賞口15に遊技球が入球したことを契機に行われる大当り判定で大当りとなる場合(第2の変動ゲームで大当りとなるとき)、第1当りと第2当りのうちいずれかを付与するといえる。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)従来、通常状態(非確変状態)中、最初の大当り遊技を契機に必ず確変状態を付与することができる遊技機において採用されるゲーム性として考え出されているゲーム性は、限られていた。すなわち、大当り遊技後、確変状態が付与される変動ゲーム数が予め決められているというゲーム性、又は確変状態中、付与される当り遊技の上限回数が予め決められているというゲーム性、又は確変状態が付与された後、転落抽選に当選した場合に通常状態に移行するというゲーム性が考え出されており、いずれかが採用されていた。
そこで、本実施形態では、第1始動入賞口14に遊技球が入球したことを契機に行われる大当り判定が大当りとなる場合(つまり、第1の変動ゲームが大当りとなる場合)、特典付与口26(特別領域)に遊技球を入球させやすい大当りRA又は大当りRBが付与されるようにした。その一方、第2始動入賞口15に遊技球が入球したことを契機に行われる大当り判定が大当りとなる場合(つまり、第2の変動ゲームが大当りとなる場合)、特典付与口26に遊技球を入球させにくい大当りRcが付与される可能性があるようにした。
これにより、変短状態(入球率向上状態)が付与されていない通常状態であるときに、入球させやすい第1始動入賞口14に遊技球を入球させることを契機に実行される大当り判定で大当りとなると、大当りRA又は大当りRBが付与される。そして、大当りRA又は大当りRBでは、特典付与口26に遊技球を入球させやすいため、特典付与口26に遊技球を入球させて、確変状態を付与させることができる。すなわち、変短状態が付与されていない通常状態であるときに、第1の変動ゲームが大当りとなると、通常、次の大当り遊技が付与されるまで確変状態が付与されるようにすることができる。
一方、変短状態が付与されている場合には、入球させやすい第2始動入賞口15に遊技球を入球させることを契機に実行される大当り判定で大当りとなると、大当りRcが付与される可能性がある。そして、大当りRcは、大当りRa又は大当りRbと異なり、特典付与口26に遊技球を入球させにくいため、特典付与口26に遊技球を入球させることができず、非確変状態に移行する。従って、変短状態が付与されている場合には、非確変状態に移行するか否かについて注目させることができる。
このように、通常状態において、大当り判定が大当りとなる場合、確変状態が付与されると共に次の大当り遊技が保障される一方、確変状態及び変短状態が付与されているときにおいては、大当りRcが付与されない限り、確変状態が付与される(確変状態が継続する)という新たなゲーム性を有するパチンコ遊技機10を提供することができる。このパチンコ遊技機10では、変短状態が付与されていない通常状態においては、大当りとなるか否かについて注目させる一方、確変状態が付与されるか否かについて心配させることが無く、大当り遊技が付与された場合には、当該大当り遊技を契機に複数回の大当り遊技が付与される期待感を必ず持たせることができる。一方、確変状態及び変短状態が付与されているときにおいては、大当り遊技が付与されるまで確変状態が継続するため、大当り判定に当選しなくても大当りへの期待感を維持することができると共に、大当り判定に当選した場合には、大当り遊技の種類について注目させることができる。なお、確変状態が付与されておらず、変短状態が付与されているときにおいても、大当り判定に当選した場合、大当り遊技の種類について注目させることができる。以上により、従来にはない、新たなゲーム性を有する遊技機を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2)いずれの大当り遊技が付与された場合であっても、1〜3ラウンド遊技においては、規定上限個数の遊技球が入球するために十分な時間だけ、第1大入賞口17が開状態となるように、第1大入賞口扉18が開閉動作する(ロング開放される)。このため、どの大当り遊技であっても、1〜3ラウンド遊技において、所定個数の賞球を獲得することができる。従って、大当り遊技になった場合には、例え特典付与口26に遊技球を入球させにくい大当りRcであったとしても、遊技者の興趣を向上させることができる。
(3)第1始動入賞口14と、第2始動入賞口15は、異なる流下経路上に配置されている。このため、第1始動入賞口14を狙って遊技球を発射させた場合、第2始動入賞口15に入る可能性は極めて少なく、逆に第2始動入賞口15を狙って遊技球を発射させた場合、第1始動入賞口14に入る可能性は極めて少なくなる。これにより、変短状態が付与されていない場合には、第1始動入賞口14に遊技球を入球させるように遊技が行われるため、第2の変動ゲームがより実行されにくくする一方、第1の変動ゲームをより実行されやすくすることができる。その結果、特典付与口26に遊技球を入球させやすい大当りRA又は大当りRBが付与される可能性を極めて高くすることができる。すなわち、通常状態において、大当り遊技が付与された場合、次の当たり遊技が付与されるまで確変状態が付与されることが確定する可能性を高くすることができる。
一方で、変短状態が付与されている場合には、第2始動入賞口15に遊技球を入球させるように遊技が行われるため、第1の変動ゲームがより実行されにくくする一方、第2の変動ゲームをより実行されやすくすることができる。その結果、大当りRA又は大当りRBが付与される可能性を極めて低くすることができる。すなわち、確変状態及び変短状態が付与されている場合、第2の変動ゲームで大当りとなった際の大当りRcが付与される割合と同じ割合で、確変状態を付与することができる。従って、変短状態の有無で、確変状態が付与される割合を、大当り遊技の付与割合と同じにすることができ、明確に異ならせることができる。
(4)作動ゲート29と、第2始動入賞口15は、同じ第2流下経路Y上に配置されている。このため、第1始動入賞口14を狙って遊技球を発射させた場合、普図ゲームの始動契機となる作動ゲート29へ遊技球が入球しにくくなり、第2始動入賞口15に遊技球が入球する可能性をより低くすることができる。従って、変短状態の有無で、確変状態が付与される割合を、大当り遊技の付与割合と同じにすることができ、明確に異ならせることができる。
(5)変短状態が付与されているとき、第2始動入賞口15を狙って遊技球を発射させた方が、第1始動入賞口14を狙って遊技球を発射させるよりも、出球率がよくなっている。このため、変短状態中、第2始動入賞口15に遊技球が入球するように遊技球を発射させることができる。これにより、通常状態と、変短状態と異なる確変状態付与確率で遊技を行わせることができる。
(6)確変状態が付与されている状態であっても、第1始動入賞口14を狙って遊技球を発射させた際の出球率は、100%未満となっている。このため、確変状態及び変短状態が付与されているとき、第2始動入賞口15に遊技球が入球するように遊技球を発射させることができる。これにより、通常状態と、確変状態とで異なる確変状態付与確率とすることができる。
(7)第2の変動ゲームが優先的に実行されるようになっているため、最初の大当り遊技が付与された場合に第1始動保留記憶数が存在していた場合であっても、第1の変動ゲームを極力実行させないようにすることができる。これにより、通常状態と、変短状態とで確変付与確率を異ならせやすくなり、ゲーム性を明確にすることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明及び図面は省略又は簡略する。
本実施形態において、第1保留記憶数及び第2保留記憶数が存在する場合、第1実施形態と異なり、第1の変動ゲームが優先的に実行される。すなわち、第1保留記憶数及び第2保留記憶数が存在する場合、主制御用CPU30aは、第1の変動ゲームに係わる大当り判定等、第1の変動ゲームに関する各種処理を優先的に実行する。
そして、本実施形態では、確変状態及び変短状態が付与されているとき、確変状態が維持されることを複数回の変動ゲームに亘って報知する確変報知演出としての確変維持ゾーンを実行させることができる。以下、確変維持ゾーンを実行させるための処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから入力した保留指定コマンドに含まれる保留情報を演出制御用RAM31cに記憶することにより、第1保留記憶数及び第2保留記憶数を管理することができるようになっている。このため、本実施形態では、演出制御用RAM31cが、保留情報を記憶する保留記憶手段となる。そして、演出制御用CPU31aは、確変状態及び変短状態が付与されているとき、第1保留記憶数が1以上である場合、保留されている全ての第1の変動ゲームが終了するまで、確変維持ゾーンを実行させる。
以上詳述したように、本実施形態は、第1実施形態の(1)〜(6)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(8)第1保留記憶数が1以上である場合、保留されている全ての第1の変動ゲームが終了するまで、確変維持ゾーンを実行させる。これにより、遊技者は、確変維持ゾーン中は、大当り遊技が付与されたとしても、確変状態が維持されることを認識するため、安心することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明及び図面は省略又は簡略する。
本実施形態において、変動ゲームは、第1実施形態と異なり、保留された順番に実行されるようになっている。すなわち、第1の変動ゲームの実行が保留された後に、第2の変動ゲームの実行が保留された場合には、先に保留された第1の変動ゲームが実行されてから後に保留された第2の変動ゲームが実行される。一方、第2の変動ゲームの実行が保留された後に、第1の変動ゲームの実行が保留された場合には、先に保留された第2の変動ゲームが実行されてから後に保留された第1の変動ゲームが実行される。すなわち、主制御用CPU30aは、第1の変動ゲームと第2の変動ゲームの種別に関係なく、乱数値の取得順序に従って、最も早く取得された乱数値に基づき、変動ゲームに係わる大当り判定等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。
そして、演出制御用CPU31aは、第1の変動ゲームの実行が保留された場合(第1始動入賞口14に遊技球が入球した場合)、更新された第1保留記憶数や、取得した各種乱数値の値等の保留された第1の変動ゲームに関する保留情報を示す保留情報通知コマンドを主制御用CPU30aから入力する。そして、演出制御用CPU31aは、入力した保留情報通知コマンドに基づき、更新された第1保留記憶数や、取得した各種乱数値の値等の保留された第1の変動ゲームに関する保留情報を演出制御用RAM31cに記憶させる。その際、記憶した順番を特定できるように記憶させる。同様に、演出制御用CPU31aは、第2の変動ゲームの実行が保留された場合(第2始動入賞口15に遊技球が入球した場合)、更新された第2保留記憶数や、取得した各種乱数値の値等の保留された第2の変動ゲームに関する保留情報を示す保留情報通知コマンドを主制御用CPU30aから入力する。そして、演出制御用CPU31aは、入力した保留情報通知コマンドに基づき、更新された第2保留記憶数や、取得した各種乱数値の値等の保留された第2の変動ゲームに関する保留情報を演出制御用RAM31cに記憶させる。その際、記憶した順番を特定できるように記憶させる。
また、演出制御用CPU31aは、変動ゲームが実行された場合(変動パターン指定コマンドが入力された場合など)、保留情報の記憶順に従って、最も早く記憶された保留情報(実行される変動ゲームに関する保留情報)を消去する。
これにより、演出制御用CPU31aは、記憶された保留情報に基づき、実行が保留されている第1の変動ゲーム及び第2の変動ゲームの演出内容等を事前に特定可能となっている。例えば、演出制御用CPU31aは、記憶された保留情報に含まれる当り判定用乱数の値により、大当り遊技が付与されるか否かを特定することができる。さらには、大当り遊技が付与されると特定した場合、演出制御用CPU31aは、記憶された保留情報に含まれる特別図柄振分用乱数の値に基づき、付与される大当り遊技の種類も特定することができる。このため、本実施形態では、演出制御用RAM31cが、保留情報を記憶する保留記憶手段となる。
そして、本実施形態では、確変状態及び変短状態が付与されているとき、確変状態が維持されることを複数回の変動ゲームに亘って報知する確変報知演出としての確変維持ゾーンを実行させることができる。
以下、図8に基づき、確変維持ゾーンを実行させるための演出実行処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、確変状態中、変動ゲームを開始する際、第1保留記憶数又は第2保留記憶数のいずれかが存在するか否かを判定する(ステップS101)。この判定結果が否定の場合(ステップS101:No)、演出制御用CPU31aは、演出実行処理を終了する。一方、この判定結果が肯定の場合(ステップS101:Yes)、演出制御用CPU31aは、記憶されている保留情報に基づき、確変維持ゾーンを実行させることができるか否かを判定する。具体的には、演出制御用CPU31aは、記憶されている保留情報に基づいて、第2保留記憶数が存在するか否かを判定する(ステップS102)。この判定結果が否定の場合(ステップS102:No)、すなわち、第1保留記憶数のみが記憶されている場合、演出制御用CPU31aは、確変維持ゾーンが実行可能であると判定し、ステップS103の処理に移行する。
一方、第2保留記憶数が存在する場合(ステップS102:Yes)、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている、第2の変動ゲームに関する保留情報(当り判定用乱数の値)に基づき、第2の変動ゲームにて大当り遊技が付与されるか否かを事前に判定する(ステップS104)。この判定結果が否定の場合(ステップS104:No)、すなわち、保留されている全ての第2の変動ゲームがはずれとなる場合、演出制御用CPU31aは、確変維持ゾーンが実行可能であると判定し、ステップS103の処理に移行する。
一方、保留されている第2の変動ゲームのいずれかで大当り遊技が付与される場合(ステップS104:Yes)、演出制御用CPU31aは、第2の変動ゲームに関する保留情報(特別図柄振分用乱数の値)に基づき、付与される大当り遊技の種類を事前に特定する(ステップS105)。そして、演出制御用CPU31aは、特定した大当り遊技の種類が特典付与口26に遊技球を入球させることができない大当りRcであるか否かについて事前に判定する(ステップS106)。この判定結果が否定の場合(ステップS106:No)、すなわち、大当りRc以外の大当り遊技(大当りRa又は大当りRb)が付与されると判定した場合、演出制御用CPU31aは、確変維持ゾーンが実行可能であると判定し、ステップS103の処理に移行する。一方、大当りRcが付与されると判定した場合(ステップS106:Yes)、演出制御用CPU31aは、確変維持ゾーンが実行不能であると判定し、演出実行処理を終了する。
そして、確変維持ゾーンが実行可能であると判定し、ステップS103の処理に移行した場合、演出制御用CPU31aは、確変維持ゾーンを実行させるか否かについて抽選で決定する(ステップS103)。確変維持ゾーンを実行させないと抽選で決定した場合(ステップS103:No)、演出制御用CPU31aは、確変維持ゾーンを実行させることなく、演出実行処理を終了し、通常通り、変動ゲームを実行させる。
一方、確変維持ゾーンを実行させると抽選で決定した場合(ステップS103:Yes)、演出制御用CPU31aは、実行が保留されている全ての変動ゲームが実行されるまで、複数回の変動ゲームに亘って確変維持ゾーンを実行させる(ステップS107)。
以上詳述したように、本実施形態は、第1実施形態の(1)〜(6)に記載の効果に加えて、以下の効果を有する。
(9)変動ゲームにおいて確変維持ゾーンが実行された場合、当該確変維持ゾーン中は、大当り遊技が付与されたとしても確変状態が維持されることを認識することができる。その一方で、大当り遊技が付与された場合には、賞球を獲得することができるので、大当り遊技が付与されるか否かについて注目させることができる。すなわち、確変維持ゾーン中は、確変状態が終了することを心配することなく、大当りとなるか否かに注目させることができる。また、実行が保留されている第1の変動ゲームと第2の変動ゲームの全てが終了するまで確変維持ゾーンを実行させることができるため、最大8回の変動ゲームに亘って確変維持ゾーンを実行させることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明及び図面は省略又は簡略する。
第4実施形態では、特典付与口26に遊技球が入球しても、確変状態が付与されないようになっている。
その一方、図9(a)及び図9(b)に示すように、特典付与口26への遊技球の入球の有無により、変短状態の有無が変更されるようになっている。すなわち、特典付与口26に遊技球が入球した場合には、大当り遊技終了後、次回まで変短状態が付与されるように、主作動フラグに変短状態であることを示す値が設定されると共に、変短終了フラグに次回の大当り遊技が付与されるまで変短状態が付与されることを示す値が設定される。一方、特典付与口26に遊技球が入球しなかった場合は、変短状態が付与されない。すなわち、主作動フラグに、変短状態であることを示す値が設定されず、通常状態となる。
これにより、変短状態が付与されていない通常状態中であるときには、第1の変動ゲームが実行される。そして、第1の変動ゲームが大当りとなる場合には、特典付与口26に遊技球を入球させやすい大当りRA又は大当りRBが付与されるため、有利状態である変短状態が必ず付与されるようになっている。
その一方、変短状態中では、第2の変動ゲームが主に実行される。そして、第2の変動ゲームが大当りとなる場合には、特典付与口26に遊技球を入球させにくい大当りRcが付与される可能性があるため、大当りRcの割合だけ、通常状態に移行する可能性がある。すなわち、変短状態中に大当り遊技が付与された場合、特典付与口26に遊技球を入球させることができる大当り遊技(大当りRa及び大当りRb)の割合に応じた確率(本実施形態では70%)で変短状態が継続する。その一方、変短状態中に大当り遊技が付与された場合、特典付与口26に遊技球を入球させることができない大当り遊技(大当りRc)の割合に応じた確率(本実施形態では30%)で変短状態が終了し、通常状態に移行する。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(10)変短状態が付与されていない通常状態中であるときには、有利状態である変短状態が必ず付与されるようになっている。このため、通常状態において大当り遊技が付与された場合には、必ず変短状態に移行することを期待させることができ、第1の変動ゲームが大当りとなるか否かについて注目させることができる。その一方、変短状態中では、特典付与口26に遊技球を入球させることができない大当りRcが付与される可能性があり、大当りRcの割合だけ、通常状態に移行する可能性がある。このため、変短状態中、第2の変動ゲームが実行されたとき、変短状態が継続するか否かについて注目させることができる。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、大当り遊技の種類や内容を変更しても良い。例えば、第1の変動ゲームにて付与される大当り遊技の種類を、1種類としても良いし、3種類以上としても良い。同様に、第2の変動ゲームにて付与される大当り遊技の種類を、1種類又は2種類としても良いし、4種類以上としても良い。
・上記実施形態において、大当り遊技の付与割合を任意に変更しても良い。また、大当り遊技の規定ラウンド数及び入球上限個数をそれぞれ任意に変更しても良い。また、大当り遊技において第1大入賞口17及び第2大入賞口19の開閉パターンを任意に変更してもよい。例えば、ロング開放される(25秒開放される)ラウンド遊技数を任意に変更しても良い。また、ロング開放されるラウンド遊技の順番を任意に変更しても良い。例えば、1ラウンド目〜3ラウンド目までのラウンド遊技において、ショート開放し、4ラウンド目以降のラウンド遊技において、ロング開放されるようにしてもよい。
また、ロング開放されるときにおいて、第1大入賞口17又は第2大入賞口19が開状態となる時間を変更しても良い。この際、規定上限個数の遊技球の入球が期待できる時間がロング開放される時間として設定されることが望ましい。例えば、25秒でなく、30秒間開放しても良い。また、ショート開放されるときの開状態となる時間を任意に変更しても良い。この際、入球が期待できない時間がショート開放される時間として設定されることが望ましい。例えば、0.1秒間開放されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、規定上限個数の遊技球が入球されることを期待できるロング開放(25秒開放)と、1つの遊技球も入球することが期待できないショート開放(0.04秒開放)が存在したが、規定上限個数未満の遊技球が入球されることが期待できる開放パターンが存在しても良い。例えば、5秒間程度、第1大入賞口17又は第2大入賞口19が開状態となる開閉パターンが存在しても良い。この開閉パターンでは、3〜6個の遊技球の入球が期待することができる。また、1回のラウンド遊技において複数回開放されても良い。例えば、第1大入賞口17又は第2大入賞口19が5秒間開状態となった後、3秒間閉状態となり、その後、20秒間開状態となる開閉パターンが存在しても良い。また、第1大入賞口17又は第2大入賞口19が開状態となるラウンド遊技を任意に変更しても良い。例えば、1ラウンド目において第2大入賞口19が開状態となり、2ラウンド目以降において第1大入賞口17が開状態となっても良い。なお、特典付与口26は、第2大入賞口19が開状態となるラウンド遊技において、開状態となることが望ましい。
・上記実施形態において、特典付与口26が開状態となる時間や開放パターンを任意に変更しても良い。例えば、4ラウンド目のラウンド遊技において、特典付与口26が1回のみ、30秒間開状態となるようにしてもよい。また、大当り遊技の種類毎に、特典付与口26が開状態となる時間や開放パターンを変更しても良い。例えば、大当りRa、大当りRbでは、25秒間開状態となる一方、大当りRcでは、0.04秒間だけ開状態となるようにしても良い。
・上記実施形態の各大当り遊技において、オープニング時間とエンディング時間を任意に変更しても良い。また、オープニング時間を無くして、オープニング演出を無くしても良い。また、エンディング時間を無くして、エンディング演出を無くしても良い。また、第1大入賞口17又は第2大入賞口19が閉状態となったときから、次に開状態となるまでのインターバル時間を任意に変更しても良い。
・上記実施形態において、規定上限個数の遊技球が入球するために十分な時間(ロング開放の時間)は、遊技球の発射間隔や、発射から第1大入賞口17又は第2大入賞口19までに入球するまでの時間に基づいて、任意に変更しても良い。
・上記実施形態において、遊技球の発射間隔は、1球あたり約0.6秒となっていたが、任意に変更しても良い。例えば、1秒間隔又は0.5秒間隔で遊技球を発射可能としても良い。その際、規定上限個数の遊技球が入球するために十分な時間も変更されることとなる。
・上記実施形態において、発射から第1大入賞口17又は第2大入賞口19までに入球するまでの時間は、実測値の平均値でもよいし、中央値でもよい。
・上記実施形態では、第1の変動ゲームが大当りとなったときに付与される大当り遊技の複数回のラウンド遊技において、所定個数の賞球を獲得できるのに十分な時間(例えば、25秒)、第1大入賞口17又は第2大入賞口19が開状態となるようになっていたが、賞球を獲得できないようにしてもよい。すなわち、第1の変動ゲームにて大当り遊技が付与された場合、特典付与口26が開状態となるラウンド遊技を除く全てのラウンド遊技において、第1大入賞口17又は第2大入賞口19がショート開放される(0.04秒間開状態とされる)ようにしてもよい。また、第1の変動ゲームにて付与される大当り遊技のうち、一部の大当り遊技だけが、賞球を獲得できない大当り遊技としても良い。これにより、第1の変動ゲームにて大当り遊技が付与される場合、大当り遊技の種類についてより注目させることができる。
・上記第1〜第3実施形態において、特典付与口26に入球しなかった場合における変短終了条件を任意に変更しても良い。すなわち、変短回数を任意に変更しても良い。また、変短状態を終了させるか否かの抽選を行い、抽選結果に基づき変短状態を終了させても良い。また、所定時間(例えば10分間)、変短状態が付与されるようにしてもよい。また、特典付与口26に入球しなかった場合、変短状態を付与しなくても良い。
・上記第1〜第3実施形態において、確変状態が付与される場合、次の大当り遊技が付与されるまで付与されるようにしたが、所定回数の変動ゲームが付与されるまで確変状態が付与されるようにしても良い。また、確変状態を終了させるか否かの抽選を行い、抽選結果に基づき、確変状態を終了させても良い。また、所定時間(例えば10分間)、確変状態が付与されるようにしてもよい。
・上記実施形態において、第1始動センサSE1に遊技球が検知されたときに払い出される賞球数を任意に変更しても良い。同様に、第2始動センサSE2に遊技球が検知されたときに払い出される賞球数、第1カウントセンサSE3に遊技球が検知されたときに払い出される賞球数、第2カウントセンサSE4に遊技球が検知されたときに払い出される賞球数も任意に変更しても良い。
・上記実施形態において、第2始動入賞口15が備える開閉部材(開閉羽根16)の形状は、任意に変更しても良い。例えば、第1大入賞口扉18のような扉にしてもよい。
・上記実施形態において、特典付与口26は、第2大入賞口19に連通する排出通路25の途中に設けられていたが、第2大入賞口19内に設けられていても良い。また、遊技盤YBの遊技領域内に設けられていても良い。
・上記実施形態において、特典付与口26が備える振分シャッタ26aの形状は、任意に変更しても良い。
・上記実施形態において、特典付与口26は、振分シャッタ26aの開閉動作により、開状態又は閉状態を取り得るように構成されていたが、特典付与口26へ遊技球が入球可能な状態と、入球不能な状態を取り得るのであれば、振分シャッタ26aが設けられていなくても良い。例えば、特典付与口26へ遊技球を誘導する誘導状態と、特典付与口26への遊技球の入球を規制する規制状態を取り得る補助装置を設けてもよい。具体的には、補助装置がアクチュエータなどによる可動式の橋を備えるようにし、当該橋を所定の誘導位置に配置することにより、遊技盤YB等を流下する遊技球を特典付与口26に誘導する誘導状態を取り得るようにすればよい。一方、誘導位置から当該橋を移動させることにより、補助装置は、特典付与口26への遊技球の入球を規制する規制状態を取り得るようになる。
・上記実施形態において、第1始動入賞口14と、第2始動入賞口15を異なる流下経路に配置したが、同じ流下経路上に配置しても良い。また、第1流下経路Xに遊技球を流下させた場合には、第1始動入賞口14及び第2始動入賞口15に入球可能とする一方、第2流下経路Yに遊技球を流下させた場合には、始動入賞口のうち、第2始動入賞口15のみに入球可能とするように配置しても良い。同様に、第1流下経路Xに遊技球を流下させた場合には、始動入賞口のうち、第1始動入賞口14のみに入球可能とする一方、第2流下経路Yに遊技球を流下させた場合には、第1始動入賞口14及び第2始動入賞口15に入球可能とするように配置しても良い。
・上記実施形態において、第1大入賞口17と、第2大入賞口19は、同じ流下経路上に配置したが異なる流下経路に配置しても良い。
・上記実施形態において、変短状態が付与されたとき、普図ゲームの変動時間が短縮され、且つ、普通当り抽選の当選確率が高確率となり、且つ、普通当り遊技中の開閉羽根16の開放時間が長くなったが、いずれか1つの状態又は2つの状態の組み合わせが付与されるようにしてもよい。例えば、普図ゲームの変動時間が短縮されるだけでもよく、普通当り抽選の当選確率が高確率となるだけでもよく、普通当り遊技中の開閉羽根16の開放時間が長くなるだけでもよい。また、普図ゲームの変動時間が短縮され、且つ、普通当り遊技中の開閉羽根16の開放時間が長くなるだけでもよい。また、変短状態中、変動ゲームの変動時間が非変短状態中に比して短縮されなくてもよい。
・上記実施形態において、第1の変動ゲームにて特典付与口26へ遊技球が入球しにくい(又は入球しない)大当り遊技が付与されるようにしてもよい。その際、第1の変動ゲームにて付与される特典付与口26へ遊技球が入球しにくい(又は入球しない)大当り遊技の割合は、第2の変動ゲームにて付与される特典付与口26へ遊技球が入球しにくい(又は入球しない)大当り遊技の割合よりも少ないことが望ましい。つまり、第1の変動ゲームの方が、第2の変動ゲームよりも特典付与口26へ遊技球が入球しやすい大当り遊技が付与されやすいようにすることが望ましい。
・上記実施形態において、いずれの大当り遊技が付与されたとしても、第2大入賞口19及び特典付与口26が開状態となるようになっているが、特典付与口26へ遊技球が入球しにくい大当り遊技(大当りRc)が付与された場合には、特典付与口26又は第2大入賞口19を開状態としなくても良い。
・上記実施形態では、演出制御用CPU31aが、飾り図柄変動ゲームの演出内容を決定していたが、変動パターンにより飾り図柄変動ゲームの演出内容が決定されても良い。
・上記第2実施形態及び第3実施形態において、保留情報には、当り判定用乱数の値、特別図柄振分用乱数の値、保留記憶数が含まれていたが、含ませる情報を任意に変更しても良い。例えば、保留中の変動ゲームの変動パターンや、演出時間、演出内容、変動パターン振分用乱数の値などが含まれていても良い。そして、保留中の変動ゲームの変動パターンや、演出時間、演出内容などに基づき、確変維持ゾーンの実行可否を決定しても良い。なお、保留情報に含ませる保留中の変動ゲームの変動パターンや、演出時間、演出内容は、変動パターン振分用乱数の値に基づき主制御用CPU30aにより事前に特定されるようにすればよい。
・上記実施形態において、主制御基板30と演出制御基板31を1枚の基板で構成しても良い。
・上記第1〜第3実施形態において、大当り遊技終了後には、必ず変短状態(入球率向上状態)が付与されたが、付与されなくても良い。
・上記実施形態において、特別入賞口として第1大入賞口17と、第2大入賞口19を設けたが、1つだけでもよい。
・上記実施形態において、特典付与口26は、排出通路25の内部に設けたが、第2大入賞口19の内部に設けても良い。この場合、第2大入賞口19には、特典付与口26とは別にパチンコ遊技機10の外部に遊技球を排出する排出口を設けると共に、特典付与口26の開状態及び閉状態とする開閉シャッタを設ける必要がある。そして、開閉シャッタを所定のタイミングで開閉させる必要がある。これにより、特典付与口26に遊技球が入球したか視認することができる。
・上記実施形態において、特典付与口26を遊技盤YB上に設けても良い。この場合、特典付与口26の開状態及び閉状態とする開閉シャッタを設け、大当り遊技中の所定のタイミングで、開閉させることとなる。これにより、特典付与口26に遊技球が入球したか視認することができる。
・上記実施形態において、第1始動入賞口14の配置は、任意に変更しても良い。本実施形態では、第1流下経路Xを流下する遊技球の一部が第1始動入賞口14に入球可能となるように遊技釘や第1始動入賞口14等の各種構成部材が配置されていたが、第2流下経路Yを流下する遊技球の一部が第1始動入賞口14に入球可能となるように各種構成部材が配置されていてもよい。また、第2流下経路Yを流下する遊技球の一部が第1始動入賞口14に入球可能となるように各種構成部材の形状を変更しても良い。或いは、第1流下経路Xと第2流下経路Yのいずれを流下しても第1始動入賞口14に入球可能となるように遊技釘や第1始動入賞口14等の各種構成部材が配置されていてもよい。第1流下経路Xと第2流下経路Yのいずれを流下しても第1始動入賞口14に入球可能となるように各種構成部材の形状を変更しても良い。
・上記実施形態において、第2始動入賞口15の配置は、任意に変更しても良い。本実施形態では、第2流下経路Yを流下する遊技球の一部が第2始動入賞口15に入球可能となるように遊技釘や第2始動入賞口15等の各種構成部材が配置されていたが、第1流下経路Xを流下する遊技球の一部が第2始動入賞口15に入球可能となるように各種構成部材が配置されていてもよい。また、第1流下経路Xを流下する遊技球の一部が第2始動入賞口15に入球可能となるように各種構成部材の形状を変更しても良い。或いは、第1流下経路Xと第2流下経路Yのいずれを流下しても第2始動入賞口15に入球可能となるように遊技釘や第2始動入賞口15等の各種構成部材が配置されていてもよい。第1流下経路Xと第2流下経路Yのいずれを流下しても第2始動入賞口15に入球可能となるように各種構成部材の形状を変更しても良い。
・上記実施形態において、第1大入賞口17の配置は、任意に変更しても良い。本実施形態では、第2流下経路Yを流下する遊技球の一部が第1大入賞口17に入球可能となるように遊技釘や第1大入賞口17等の各種構成部材が配置されていたが、第1流下経路Xを流下する遊技球の一部が第1大入賞口17に入球可能となるように各種構成部材が配置されていてもよい。また、第1流下経路Xを流下する遊技球の一部が第1大入賞口17に入球可能となるように各種構成部材の形状を変更しても良い。或いは、第1流下経路Xと第2流下経路Yのいずれを流下しても第1大入賞口17に入球可能となるように遊技釘や第1大入賞口17等の各種構成部材が配置されていてもよい。第1流下経路Xと第2流下経路Yのいずれを流下しても第1大入賞口17に入球可能となるように各種構成部材の形状を変更しても良い。
・上記実施形態において、第2大入賞口19の配置は、任意に変更しても良い。本実施形態では、第2流下経路Yを流下する遊技球の一部が第2大入賞口19に入球可能となるように遊技釘や第2大入賞口19等の各種構成部材が配置されていたが、第1流下経路Xを流下する遊技球の一部が第2大入賞口19に入球可能となるように各種構成部材が配置されていてもよい。また、第1流下経路Xを流下する遊技球の一部が第2大入賞口19に入球可能となるように各種構成部材の形状を変更しても良い。或いは、第1流下経路Xと第2流下経路Yのいずれを流下しても第2大入賞口19に入球可能となるように遊技釘や第2大入賞口19等の各種構成部材が配置されていてもよい。第1流下経路Xと第2流下経路Yのいずれを流下しても第2大入賞口19に入球可能となるように各種構成部材の形状を変更しても良い。
・上記実施形態において、作動ゲート29の配置は、任意に変更しても良い。本実施形態では、第2流下経路Yを流下する遊技球の一部が作動ゲート29に入球(通過)可能となるように遊技釘や作動ゲート29等の各種構成部材が配置されていたが、第1流下経路Xを流下する遊技球の一部が作動ゲート29に入球(通過)可能となるように各種構成部材が配置されていてもよい。また、第1流下経路Xを流下する遊技球の一部が作動ゲート29に入球(通過)可能となるように各種構成部材の形状を変更しても良い。或いは、第1流下経路Xと第2流下経路Yのいずれを流下しても作動ゲート29に入球(通過)可能となるように遊技釘や作動ゲート29等の各種構成部材が配置されていてもよい。第1流下経路Xと第2流下経路Yのいずれを流下しても作動ゲート29に入球(通過)可能となるように各種構成部材の形状を変更しても良い。また、作動ゲート29の数を増やしても良い。例えば、第1流下経路Xを流下する遊技球の一部が入球(通過)可能に配置される作動ゲート29と、第2流下経路Yを流下する遊技球の一部が入球(通過)可能に配置される作動ゲート29を設けても良い。
・上記実施形態において、通常状態中の開閉羽根16の開閉パターンの種類及び内容を任意に変更しても良い。同様に、変短状態中の開閉羽根16の開閉パターンの種類及び内容を任意に変更しても良い。通常状態中の普図ゲームの変動時間(演出時間)は、1種類であったが、複数種類設けても良い。また、変短状態中の普図ゲームの変動時間(演出時間)は、1種類であったが、複数種類設けても良い。
・上記実施形態において、変短状態中、開閉羽根16の開閉パターンと、普図ゲームの変動時間と、普図ゲームの当選確率と、変動ゲームの演出時間を全て変更したが、いずれか1つ又は複数だけ変更しても良い。
・上記実施形態において、特典付与口26への遊技球の入球の有無により、変短終了条件を変更したが、同じでも良い。例えば、いずれの場合であっても、100回の変動ゲームが実行されたとき、変短状態が終了しても良い。
・上記実施形態において、特典付与口26への入球の有無により、確変状態が付与されるか否かを変更したが、これ以外の方法で確変状態が付与されるようにしても良い。例えば、付与された大当り遊技の種類により、確変状態が付与されるか否かが決定されても良い。つまり、確変状態の付与契機となる大当り遊技が付与された場合には、確変状態が付与され、確変状態の付与契機とならない大当り遊技が付与された場合には、確変状態が付与されないようにしても良い。この場合、第1の変動ゲームで大当り遊技が付与された方が、第2の変動ゲームで大当り遊技が付与された場合によりも確変状態の付与契機となる大当り遊技が付与されやすいことが望ましい。
また、大当り遊技を契機に実行される抽選により、確変状態が付与されるか否かを決定しても良い。その際、第1の変動ゲームで大当り遊技が付与された方が、第2の変動ゲームで大当り遊技が付与された場合によりも抽選に当選しやすいこと(すなわち、確変状態が付与されやすいこと)が望ましい。
・上記第2実施形態では、保留されている全ての第1の変動ゲームが終了するまで、確変維持ゾーンを実行させたが、所定回数の第1の変動ゲームについて実行させるだけでも良い。すなわち、保留されているいずれかの第1の変動ゲームについて確変維持ゾーンを実行させるだけでも良い。
・上記第2実施形態又は上記第3実施形態では、複数回の変動ゲームに亘って確変維持ゾーンを実行させたが、1回の変動ゲームだけについて確変維持ゾーンを実行させても良い。
・上記第3実施形態では、保留されている全ての変動ゲームが終了するまで、確変維持ゾーンを実行させたが、所定回数の変動ゲームについて実行させるだけでも良い。すなわち、保留されているいずれかの変動ゲームについて確変維持ゾーンを実行させるだけでも良い。また、保留されていた第1の変動ゲームにおいて確変維持ゾーンを実行させても良い。
・上記実施形態において、確変状態は、次の大当り遊技が付与されるまでとしたが、次の大当り遊技が付与されるまでとは、実質的に次の大当り遊技が付与されるまでを含ませても良い。例えば、大当り確率と比較して遙かに多い回数の変動ゲームが実行されるまで確変状態が付与されるときには、実質的に次の大当り遊技が付与されるまでに含ませても良い。例えば、大当り確率が1/20のとき、1万回の変動ゲームが実行されるまで確変状態が付与されるとしたときには、実質的に次の大当り遊技が付与されるまで確変状態が付与されるとしてもよい。
・上記実施形態において、変短状態が付与されているとき、第2始動入賞口15を狙って遊技球を発射させた方が、第1始動入賞口14を狙って遊技球を発射させるよりも、出球率がよくなっていたが、同じでも、逆でも良い。
・上記実施形態において、確変状態が付与されている状態であっても、第1始動入賞口14を狙って遊技球を発射させた際の出球率は、100%未満となっていたが、100%以上としてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)遊技球が入球すると、当り判定が実行されうる第1入球口と、遊技球が入球すると、当り判定が実行されうる第2入球口と、前記第2入球口が開状態又は閉状態となるように、開閉動作を行う開閉手段と、前記当り判定を行う当り判定手段と、前記当り判定が当りとなる場合、当り遊技を付与する当り遊技付与手段と、前記当り遊技後に、遊技者に有利な有利状態を付与することができる有利状態付与手段と、を備え、前記当り遊技は、第1当りと、前記第1当りよりも有利状態が付与される可能性が低い第2当りに分類され、前記当り遊技付与手段は、前記第1入球口に遊技球が入球したことを契機に行われる当り判定が当りとなる場合、前記第2入球口に遊技球が入球したことを契機に行われる当り判定が当りとなる場合と比較して、前記第1当りが付与される可能性が高いことを特徴とする遊技機。
(ロ)遊技球が入球すると、当り判定が実行されうる第1入球口と、遊技球が入球すると、当り判定が実行されうる第2入球口と、前記第2入球口を開状態又は閉状態とするように、開閉動作を行う開閉手段と、前記当り判定を行う当り判定手段と、前記当り判定が当りとなる場合、当り遊技を付与する当り遊技付与手段と、前記当り遊技中、遊技球が特別領域に入球した場合、前記当り遊技後に、遊技者に有利な有利状態を付与することができる有利状態付与手段と、を備え、前記特別領域は、前記当り遊技中、遊技球が入球可能となる入球可能状態をとりうるように構成されており、前記当り遊技は、第1当りと、前記第1当りよりも前記特別領域が入球可能状態となりにくい第2当りに分類され、前記当り遊技付与手段は、前記第1入球口に遊技球が入球したことを契機に行われる当り判定が当りとなる場合、前記第2入球口に遊技球が入球したことを契機に行われる当り判定が当りとなる場合と比較して、前記第1当りが付与される可能性が高いことを特徴とする遊技機。
(ハ)上記(イ)又は(ロ)に記載の遊技機において、前記有利状態は、前記当り判定が当りとなる確率を通常よりも高確率とする確変状態としてもよい。
(ニ)上記(イ)又は(ロ)に記載の遊技機において、前記有利状態は、前記第2入球口への遊技球の入球確率を向上させる入球率向上状態としてもよい。
(ホ)遊技球が入球すると、当り判定が実行されうる第1入球口と、遊技球が入球すると、当り判定が実行されうる第2入球口と、前記当り判定を行う当り判定手段と、前記当り判定が当りとなる場合、当り遊技を付与する当り遊技付与手段と、前記当り遊技中、遊技球が特別領域に入球した場合、前記当り遊技後に、前記当り判定が当りとなる確率を通常よりも高確率とする確変状態を付与する確変付与手段と、前記当り遊技後に、前記第2入球口への遊技球の入球確率を向上させる入球率向上状態を付与することができる入球率向上状態付与手段と、を備え、前記特別領域は、前記当り遊技中、遊技球が入球可能となる入球可能状態をとりうるように構成されており、前記当り遊技は、第1当りと、前記第1当りよりも前記特別領域が入球可能状態となりにくい第2当りに分類され、前記当り遊技付与手段は、前記第1入球口に遊技球が入球したことを契機に行われる当り判定が当りとなる場合、前記第2入球口に遊技球が入球したことを契機に行われる当り判定が当りとなる場合と比較して、前記第1当りが付与される可能性が高いことを特徴とする遊技機。
(ヘ)上記遊技機において、前記当り遊技付与手段は、前記第1入球口に遊技球が入球したことを契機に行われる当り判定が当りとなる場合、前記第1当りを付与する一方、前記第2入球口に遊技球が入球したことを契機に行われる当り判定が当りとなる場合、前記第1当りと前記第2当りのうちいずれかを付与するようにしてもよい。
(ト)上記遊技機において、有利状態は、次の当たり遊技が付与されるまで付与されるようにしてもよい。
(チ)上記遊技機において、前記特別領域が入球可能状態となる時間は、前記第1当りが付与された場合、前記第2当りが付与された場合と比較して、長くなるようにしてもよい。
(リ)上記遊技機において、前記第1当りが付与された場合、前記特別領域が入球可能状態となる時間は、遊技球が発射されてから前記特別領域に入球するまでの時間と比較して長くなるようにしてもよい。
(ヌ)上記遊技機において、前記第2当りが付与された場合、前記特別領域が入球可能状態となる時間は、遊技球が発射されてから特別領域に入球するまでの時間と比較して短くなるようにしてもよい。
(ル)上記遊技機において、前記確変状態が付与されている場合、前記入球率向上状態が付与されるようにしてもよい。
(ヲ)上記遊技機において、前記演出制御手段は、前記確変報知演出を実行させる際、前記第1入球口に遊技球が入球したことを契機に実行が保留された当り判定の結果を表示させる変動ゲームが全て実行されるまで、複数回の変動ゲームに亘って前記確変報知演出を実行させるようにしてもよい。
(ワ)上記実施形態において、前記演出制御手段は、前記確変報知演出を実行させる際、前記確変状態中、前記保留記憶手段に記憶されている保留情報に基づき、保留されている当り判定にて第2当りが付与されないと判定した場合、複数回の変動ゲームに亘って前記確変報知演出を実行させるようにしてもよい。