以下、遊技機の一実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明における「上下方向、左右方向、前後方向」は、いずれも遊技機を正面から視認した場合の方向を指す。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠Y1の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠Y2が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠Y2の前面側には前枠Y3が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠Y3は正面視ほぼ円形状の窓口Y4を有し、前枠Y3の裏側には機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口Y4を覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。これにより、遊技者は、前枠Y3を介して遊技盤YBの遊技領域YBaを、パチンコ遊技機10の正面から視認することができる。遊技領域YBaは、遊技球が流下可能な領域である。
パチンコ遊技機10の下方には、発射ハンドルHDが配設されている。遊技領域YBaに発射される遊技球は、発射ハンドルHDの回動操作量に応じて発射の強弱が設定される。
次に、遊技盤YBの構成を詳しく説明する。
図1及び図2に示すように、遊技盤YBの盤面には、外レール部材R1、内レール部材R2、及びコーナー飾り部材R5が配設されており、これらの各部材によって画成された内側領域に、正面視略円形状の遊技領域YBaが画成されている。また、外レール部材R1と内レール部材R2との間には、発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球が案内される打出し通路R3が画成されている。発射された遊技球は、打出し通路R3を案内されるとともに、内レール部材R2の先端に位置する逆戻り防止弁R4を通過することによって、遊技領域YBaに到達する。
遊技領域YBaには、各種の装飾を施したセンター役物Y5が装着されているとともに、センター役物Y5に開口されたセット口Y5aには例えば液晶式の画像表示部を有する演出表示装置13が装着されている。演出表示装置13の画像表示部には、各種画像が表示され、該画像を用いて様々な演出が行われる。
また、遊技領域YBaのうち、センター役物Y5と外レール部材R1の間に位置する遊技領域YBaは通路Tであって、通路Tの幅は、遊技球の直径よりもわずかに長く、左右方向に遊技球が通過可能である。また、内レール部材R2の先端に逆戻り防止弁R4が設けられていることで、打出し通路R3と通路Tは内レール部材R2によって直接繋がっていないが、通路Tは、打出し通路R3の延長線E1上に位置する。これにより、発射ハンドルHDの回動操作量が小さい場合、発射強度が減少するので、遊技球は通路Tに到達することなく、遊技領域YBaの左方を流下し易い。一方、発射ハンドルHDの回動操作量が大きい場合、発射強度が増加するので、遊技球は通路Tに到達し、通路Tを流下して遊技領域YBaの右方を流下し易い。
また、図1及び図2に示すように、センター役物Y5の下方には、常時、遊技球が入球可能となるように開口された第1始動入球口14aを有する第1始動入球部14が位置している。第1始動入球部14は、第1始動入球口14aへ遊技球が入球したことを検知可能な第1始動センサSE1(図5に示す)を有している。第1始動センサSE1が第1始動入球口14aへ入球した遊技球を検知することを契機に、第1特別図柄を変動させて行う第1特別図柄変動ゲームの始動条件を成立させることができる。また、第1始動センサSE1が第1始動入球口14aへ入球した遊技球を検知することを契機に、予め定めた個数(実施形態では3球)の賞球としての遊技球の払出条件を成立させることができる。
また、図2に示すように、センター役物Y5の右方には、遊技球が入球可能な第2始動入球口15aを有する第2始動入球部15が位置している。第2始動入球部15は、第2始動入球口15aへ遊技球が入球したことを検知可能な第2始動センサSE2(図5に示す)を有している。第2始動センサSE2が第2始動入球口15aへ入球した遊技球を検知することを契機に、第2特別図柄を変動させて行う第2特別図柄変動ゲームの始動条件を成立させることができる。また、第2始動センサSE2が第2始動入球口15aへ入球した遊技球を検知することを契機に、予め定めた個数(実施形態では3球)の賞球としての遊技球の払出条件を成立させることができる。また、第2始動入球部15は、アクチュエータAC1(図5に示す)の作動により開閉動作を行う開閉部材としての開閉羽根(普通電動役物)15bを有している。開閉羽根15bが開動作すると、第2始動入球口15aは遊技球が入球し易い開状態(第1状態)を取る。一方、開閉羽根15bが閉動作すると、第2始動入球口15aは遊技球が入球し難い閉状態(第2状態)を取る。実施形態では、開閉羽根15bが閉動作している場合、第2始動入球口15aに遊技球が入球不能である。
第2始動入球部15の下方には、常時、遊技球が入球可能となるように開口された普通入球口16aを有する普通入球部16が位置している。具体的には、第2始動入球部15と普通入球部16は、遊技球が流下する同一の流下経路上に位置しており、同一の流下経路において、第2始動入球部15は、普通入球部16よりも上流に位置する一方で、普通入球部16は、第2始動入球部15よりも下流に位置する。同様に、第2始動入球口15aは、普通入球口16aよりも上流に位置する一方で、普通入球口16aは第2始動入球口15aよりも下流に位置する。
普通入球部16は、普通入球口16aへ遊技球が入球したことを検知可能な普通センサSE3(図5に示す)を有している。普通センサSE3が普通入球口16aへ入球した遊技球を検知することを契機に、予め定めた個数(実施形態では3球)の賞球としての遊技球の払出し条件を成立させることができるが、各特別図柄変動ゲームの始動条件を成立させることはできない。また、普通入球口16aへの入球によって得られる賞球数は、第2始動入球口15aへの入球によって得られる賞球数と同数である。
図1に示すように、センター役物Y5の左下方には、第1特別図柄を表示可能な第1特別図柄表示装置11が位置している。また、第1特別図柄表示装置11の右方には、第2特別図柄を表示可能な第2特別図柄表示装置12が位置している。特別図柄表示装置11,12では、特別図柄変動ゲームが行われ、当該特別図柄変動ゲームにおいて当り抽選の抽選結果に応じた特別図柄が導出される。第1特別図柄における当り抽選と第2特別図柄における当り抽選では、当り抽選に当選する確率が同一確率である。その一方で、第1特別図柄と第2特別図柄では、当り抽選に当選した場合に決定される当りの種類や同一種類の当りの決定割合を異ならせている。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄では、当り抽選に当選した際の有利度(例えば、賞球の多少、後述する入球率向上状態の付与期間など)を異ならせている。また、始動条件が成立した場合には、当り抽選の抽選結果を導出するために特別図柄表示装置11,12で特別図柄変動ゲームが行われるとともに、当該特別図柄変動ゲームで導出される特別図柄に応じた結果を導出する飾り図柄変動ゲームが、演出表示装置13においても行われる。
また、図1〜図3に示すように、センター役物Y5の右方であって、第2始動入球部15よりも下方には、遊技球が入球可能な第1大入賞口(入球口)18aを有する第1大入賞部18が位置している。第1大入賞部18は、アクチュエータAC2(図5に示す)の作動により開閉動作を行う第1大入賞扉18bを有している。第1大入賞扉18bが開動作すると、第1大入賞口18aは遊技球が入球可能な開状態を取る。一方、第1大入賞扉18bが閉動作すると、第1大入賞口18aは遊技球が入球不能な閉状態を取る。
また、図3に示すように、第1大入賞部18の左方には飾り部材18cが位置する一方で、第1大入賞部18の右方には後述する第1誘導部材17aが位置している。そして、飾り部材18cと第1誘導部材17aには、飾り部材18c、第1大入賞部18、及び第1誘導部材17aを前面から覆うように、矩形板状の飾り板18dが取り付けられている。飾り板18dと第1大入賞扉18bの間には、空間Sが形成されている。第1大入賞扉18bが開動作すると、空間Sは第1大入賞扉18bによって覆われる。このため、遊技領域YBaを流下した遊技球は、第1大入賞扉18bによって受け止められ、第1大入賞口18aに誘導される。つまり、第1大入賞扉18bが開動作している状態では、遊技領域YBaを流下した遊技球は、第1大入賞部18よりも下方に流下しない。一方、第1大入賞扉18bが閉動作すると、空間Sは開状態となる。このため、遊技領域YBaを流下した遊技球は、空間Sを通過し、第1大入賞部18よりも下方に流下し得る。
また、第1大入賞部18は、第1大入賞口18aへ遊技球が入球したことを検知可能なカウントセンサCS1(図5に示す)を有している。カウントセンサCS1が第1大入賞口18aへ入球した遊技球を検知することを契機に、予め定めた個数(実施形態では15球)の賞球としての遊技球の払出条件を成立させることができる。第1大入賞扉18bは、第1特別図柄変動ゲームで当り抽選に当選した場合に開放される。
図2に示すように、第1大入賞部18の下方には、遊技球が入球可能な第2大入賞口(入球口)19aを有する第2大入賞部19が位置している。第2大入賞部19は、アクチュエータAC3(図5に示す)の作動により開閉動作を行う第2大入賞扉19bを有している。第2大入賞扉19bが開動作すると、第2大入賞口19aは遊技球が入球可能な開状態を取る。一方、第2大入賞扉19bが閉動作すると、第2大入賞口19aは遊技球が入球不能な閉状態を取る。また、第2大入賞部19は、第2大入賞口19aへ遊技球が入球したことを検知可能なカウントセンサCS2(図5に示す)を有している。
カウントセンサCS2が第2大入賞口19aへ入球した遊技球を検知することを契機に、予め定めた個数(実施形態では15球)の賞球としての遊技球の払出条件を成立させることができる。第2大入賞扉19bは、第2特別図柄変動ゲームで当り抽選に当選した場合に開放される。第1大入賞口18a及び第2大入賞口19aへの入球によって得られる賞球数は、第1始動入球部14の第1始動入球口14a、第2始動入球部15の第2始動入球口15a、及び普通入球部16の普通入球口16aへの入球によって得られる賞球数よりも多い。また、第1大入賞扉18bと第2大入賞扉19bは同時に開動作しない。よって、第2大入賞扉19bの開動作中、第1大入賞扉18bは閉動作しているため、遊技領域YBaを流下した遊技球は、空間Sを通過して第2大入賞口19aに到達し得る。
図2及び図3に示すように、第2始動入球部15と普通入球部16が位置する流下経路において、普通入球部16よりも上流であって、かつ第2始動入球部15よりも下流には、誘導部材としての第1誘導部材17a、及び誘導部材としての第2誘導部材17bが位置している。同様に、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bは、普通入球口16aよりも上流に位置し、第2始動入球口15aよりも下流に位置している。第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bは、樹脂製である。
以下、第1誘導部材17a及び第2誘導部材17bの構成について詳しく説明する。
図2及び図3に示すように、誘導部材17a,17bは、ブロック状であり、正面視台形状をなす。誘導部材17a,17bでは、台形状の底面S0が遊技盤YBに取り付けられている。詳しくは、底面S0が面接触した状態で、その全面が遊技盤YBに固定されている。そして、底面S0の側周縁から第1側面S1、第2側面S2、第3側面S3、及び第4側面S4が立設されている。第1側面S1と第3側面S3は、遊技盤YBの上下方向に位置し、互いに対向している。第1側面S1は、パチンコ遊技機10における上下方向と平行である一方、第3側面S3は、斜面をなしている。一方、第2側面S2と第4側面S4は、遊技盤YBの左右方向に位置し、互いに対向している。第2側面S2は、パチンコ遊技機10における左右方向と平行である一方、第4側面S4は斜面をなしている。
誘導部材17a,17bは、第4側面S4が互いに内側を向き、かつ下り勾配をなして対向するように配設されている。この状態において、誘導部材17a,17bの第4側面S4の最下流端と連なる第1側面S1は、互いに内側を向いて対向している。また、互いに対向する第1側面S1は、平行である。さらに、第1誘導部材17aの第2側面S2と第2誘導部材17bの第2側面S2は、同一直線状に位置している。また、第1誘導部材17aにおいて、底面S0と対向する平面S5は、飾り板18dに取り付けられている。一方、第2誘導部材17bの第3側面S3は、コーナー飾り部材R5の側面R5a近傍に位置しており、第3側面S3と側面R5aの間は、遊技球の直径よりも短く、遊技球が通過不可能である。
また、対向する第1側面S1の間に位置する空間は、普通入球口16aに遊技球を誘導する誘導部17cである。つまり、第4側面S4における下り勾配の最下流端に誘導部17cが連なっている。誘導部17cは、普通入球口16aの直上に位置している。誘導部17cの開口幅、すなわち対向する第1側面S1の間の距離は、遊技球の直径よりもわずかに長く、下方向に遊技球が通過可能である。
対向する第1側面S1の上辺同士を結ぶ仮想線E2と同じ高さにある位置を誘導部17cの上端P1とする一方、対向する第1側面S1の下辺同士を結ぶ仮想線E3と同じ高さにある位置を誘導部17cの下端P2とする。誘導部17cの下端P2から普通入球口16aの上端16bまでの上下方向における距離Xは、遊技球の直径よりもわずかに長く、左右方向に遊技球が通過可能である。これにより、誘導部17cを通過した遊技球は、普通入球口16aに入球し得るが、入球しなかった場合には、距離Xだけ離れた空間を遊技盤YBの左方向又は右方向に転動して、普通入球部16の下方に流下する。
さらに、閉状態を取る(図3において二点鎖線で示す)開閉羽根15bの先端から、遊技球が通過可能な長さ分、左方に離間した位置には、円弧状の規制部材17dが、遊技盤YBの上下方向にわたって配設されている。詳しくは、規制部材17dの先端は、閉状態を取る開閉羽根15bの先端よりも上流に位置している。また、規制部材17dの下端は、第1誘導部材17aの第4側面S4の最上流端よりも上流に位置している。そして、規制部材17dと第1誘導部材17aの間には、遊技球の直径よりも短い間隔で複数の遊技釘Kが植設されている。遊技釘Kは金属製(例えば、ステンレスやアルミニウム)である。
図1の説明に戻り、センター役物Y5の左下方には、第1保留表示装置22、第2保留表示装置23、及び普通図柄表示装置24が位置している。第1保留表示装置22は、実行が保留されている第1特別図柄変動ゲームの数を表示する。第2保留表示装置23は、実行が保留されている第2特別図柄変動ゲームの数を表示する。普通図柄表示装置24は普通図柄を用いた普通図柄変動ゲームを行い、当該普通図柄変動ゲームにおいて普通図柄の当り抽選の抽選結果に応じた普通図柄が導出される。
図1及び図2に示すように、第2始動入球部15の上方には、作動ゲート25が位置している。作動ゲート25は、通過した遊技球を検知するゲートセンサSE4(図5に示す)を有している。ゲートセンサSE4が作動ゲート25を通過した遊技球を検知することにより、普通図柄変動ゲームの始動条件を成立させることができる。
図1〜図3に示すように、センター役物Y5の周辺、第1始動入球口14aの上方、第2始動入球口15aの上方、第1大入賞口18aの上方、第2大入賞口19aの上方、及び作動ゲート25の上方には、遊技釘Kが植設されている。遊技釘Kに遊技球が当接すると、遊技球の流下方向が変化し得る。一方、通路T、普通入球口16aの周辺、及び誘導部17cと普通入球口16aの間には、遊技釘Kが植設されていない。
図1に示すように、センター役物Y5の左下方には、普通入球口26aを有する普通入球部26、普通入球口27aを有する普通入球部27、普通入球口28aを有する普通入球部28が位置している。普通入球部26〜28は、普通入球口26a〜28aへ遊技球が入球したことを検知可能な普通センサ(図示せず)を有している。普通センサが普通入球口26a〜28aに入球した遊技球を検知することを契機に、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出し条件を成立させることができる。なお、普通入球口26a〜28aへの入球を契機に払い出される賞球は、普通入球口16aへの入球を契機に払い出される賞球数と同数であってもよいし、同数より少なくても、又は同数より多くてもよい。また、普通入球口26a〜28aの上方には、遊技釘Kが植設されている。
また、図1に示すように、遊技球の流下経路における最下流位置には、各種入球部14〜16,26〜28、各種入賞部18,19に入球しなかった遊技球を機外へ排出する排出口としてアウト口29が位置している。また、第2始動入球部15、普通入球部16とアウト口29が位置する流下経路において、アウト口29よりも上流には、遊技球をアウト口29に誘導する誘導部材Aが位置している。
誘導部材Aは、ブロック状であり、正面視略直角三角形状をなす。誘導部材Aでは、直角三角形状の底面A0が遊技盤YBに取り付けられている。そして、底面A0の側周縁から第1側面A1、第2側面A2、及び第3側面A3が立設されている。第1側面A1は、パチンコ遊技機10における上下方向と平行である一方、第2側面A2は斜面をなしている。また、第3側面A3は、パチンコ遊技機10における左右方向と平行である。誘導部材Aの第2側面A2は、コーナー飾り部材R5の側面R5a近傍に位置しており、第2側面A2と側面R5aの間は、遊技球の直径よりも短く、遊技球が通過不可能である。これにより、第2始動入球口15a、普通入球口16a、第1大入賞口18a、又は第2大入賞口19aに入球しなかった遊技球が、第3側面A3を転動してアウト口29に到達し得る。
図2及び図6に示すように、センター役物Y5の右方には、常時、遊技球が入球可能な入球口41を有する振分装置40が位置している。入球口41には、センター役物Y5の上方に位置する通路Tを通過した遊技球が入球する。また、振分装置40は、入球口41に入球した遊技球を下方に流下させる流下通路42を有している。入球口41は、対向する一対の振分片40aの先端に形成されている。対向する一対の振分片40aの間に位置する空間であって入球口41よりも下流が流下通路42である。流下通路42は、複数(実施形態では、第1通路42a、第2通路42b、第3通路42cの3つ)の通路に分岐している。
振分装置40において、振分片40aよりも下流であって、流下通路42の分岐部位には、複数(実施形態では2つ)の振分部材が配置されている。より詳しくは、入球口41の直下に第1振分部材50が配設され、その第1振分部材50よりもやや左下方に第2振分部材60が配設されている。さらに、流下通路42の分岐部位であって、振分部材50,60よりも下方には、振分片43,44が位置している。
振分片43は、矩形平板状をなしている。振分片43は、第2振分部材60の下方に位置しており、その平板面がパチンコ遊技機10における上下方向と平行となるように配設されている。一方、振分片44は、平面視逆V字状をなしており、第1振分部材50の下方に位置している。
振分部材50,60と振分片43,44により、流下通路42は、第1通路42a、第2通路42b、及び第3通路42cに分岐されている。詳しくは、流下通路42は、振分片40a、第2振分部材60、及び振分片43によって第1通路42aに分岐される。また、流下通路42は、振分片40a、第1振分部材50、第2振分部材60、及び振分片43,44によって第2通路42bに分岐される。また、流下通路42は、振分片40a、第1振分部材50、及び振分片44によって第3通路42cに分岐される。また、振分装置40は、入球口41、振分片40a、振分部材50,60、及び振分片43,44を遊技盤YBの前面から覆う樹脂製の目隠し板40bを有している。この目隠し板40bによって、遊技者は、振分装置40に形成された各通路42a〜42cを前面から視認することが不可能となる。
以下、第1振分部材50と第2振分部材60の構造について詳しく説明する。
図6に示すように、第1振分部材50は、振分装置40の前後方向に延在するように支持された回動軸45に回動自在に枢支されている。第1振分部材50は、半円板状の基板46と、該基板46の中心から前方へ突出するとともに径方向に延在する3つの球受片47,48,49を有する。そして、第1振分部材50には、球受片47,48によって遊技球を受け止め可能な球受部46aが画成されているとともに、基板46及び球受片48,49によって遊技球を受け止め可能な球受部46bが画成されている。また、第1振分部材50には、基板46及び球受片47,49によって遊技球を受け止め可能な球受部46cが画成されている。
同様に、第2振分部材60は、振分装置40の前後方向に延在するように支持された回動軸65に回動自在に枢支されている。第2振分部材60は、半円板状の基板66と、該基板66の中心から前方へ突出するとともに径方向に延在する3つの球受片67,68,69を有する。そして、第2振分部材60には、基板66及び球受片67,68によって遊技球を受け止め可能な球受部66aが画成されているとともに、球受片68,69によって遊技球を受け止め可能な球受部66bが画成されている。また、第2振分部材60には、基板66及び球受片67,69によって遊技球を受け止め可能な球受部66cが画成されている。
第2振分部材60の球受片68は、第1振分部材50の球受片47よりも長い。そして第1振分部材50の球受片47の回動範囲と、第2振分部材60の球受片68の回動範囲は重なっている。
第1振分部材50は、図4(a)に示す第1姿勢のときに入球口41に入球した遊技球を球受部46bで受け止めるとともに、当該遊技球の自重によって時計回り(図中、符号「Z1」の方向)に回動し、遊技球を下流に誘導する。また、第1振分部材50は、図4(a)に示す第1姿勢から遊技球を下流に誘導した後、図4(b)に示す第2姿勢を取り得るように姿勢が保持される。そして、第1振分部材50は、図4(b)に示す第2姿勢のときに入球口41に入球した遊技球を球受部46aで受け止めるとともに、当該遊技球の自重によって反時計回り(図中、符号「Z2」の方向)に回動し、遊技球を下流に誘導する。そして、第1振分部材50は、図4(b)に示す第2姿勢から遊技球を下流に誘導した後、図4(a)に示す第1姿勢を取り得るように姿勢が保持される。なお、第1振分部材50は、回動軸45を中心に所定角度の範囲で回動するように回動量が規制されている。
同様に、第2振分部材60は、図4(c)に示す第1姿勢のときに入球口41に入球した遊技球を球受部66bで受け止めるとともに、当該遊技球の自重によって時計回り(図中、符号「Z1」の方向)に回動し、遊技球を下流に誘導する。また、第2振分部材60は、図4(c)に示す第1姿勢から遊技球を下流に誘導した後、図4(d)に示す第2姿勢を取り得るように姿勢が保持される。そして、第2振分部材60は、図4(d)に示す第2姿勢のときに入球口41に入球した遊技球を球受部66aで受け止めるとともに、当該遊技球の自重によって反時計回り(図中、符号「Z2」の方向)に回動し、遊技球を下流に誘導する。そして、第2振分部材60は、図4(d)に示す第2姿勢から遊技球を下流に誘導した後、図4(c)に示す第1姿勢を取り得るように姿勢が保持される。なお、第2振分部材60は、回動軸65を中心に所定角度の範囲で回動するように回動量が規制されている。
そして、遊技球は、振分部材50,60により、第1通路42a、第2通路42b、及び第3通路42cのうちいずれかに振り分けられる。
図2に示すように、第1通路42aの下流には、第1大入賞部18及び第2大入賞部19が位置しているとともに、遊技釘Kを植設してなる通路が、第1大入賞口18a及び第2大入賞口19aに向けて画成されている。この通路により、第1大入賞部18及び第2大入賞部19は、同一の流下経路上に位置する。以下、この通路を第1流下経路L1と示す。
また、第2通路42bの下流には、第1大入賞部18、第2大入賞部19、及び作動ゲート25が位置しているとともに、遊技釘Kを植設してなる通路が、第1大入賞口18a、第2大入賞口19a、及び作動ゲート25に向けて画成されている。この通路により、第1大入賞部18、第2大入賞部19、及び作動ゲート25は、同一の流下経路上に位置する。以下、この通路を第2流下経路L2と示す。
また、第3通路42cの下流には、第2始動入球部15が位置しているとともに、遊技釘Kを植設してなる通路が、第2始動入球口15aに向けて画成されている。以下、この通路を第3流下経路L3と示す。実施形態では、第3流下経路L3が特定流下経路に相当する。
前述したような配置により、第1流下経路L1は、大当り遊技中、第1大入賞口18a又は第2大入賞口19aに遊技球を導く通路となる。一方、第2流下経路L2は、大当り遊技中、第1大入賞口18a又は第2大入賞口19aに遊技球を導く通路となるとともに、例えば、後述する入球率向上状態中などに遊技領域YBaの右方に遊技球を発射した際(所謂、右打ち)、作動ゲート25に遊技球を導く通路となる。また、第3流下経路L3は、右打ちをした際、第2始動入球口15aに遊技球を導く通路となる。
ちなみに、第1,第2流下経路L1,L2と第3流下経路L3は、遊技釘K、第1誘導部材17a、及び規制部材17dによって画成されている。これにより、第1流下経路L1又は第2流下経路L2を流下した遊技球が第3流下経路L3に流れ込むことがなく、同様に、第3流下経路L3を流下した遊技球が第1流下経路L1又は第2流下経路L2に流れ込むことはない。
パチンコ遊技機10は、入球率向上機能を備えている。入球率向上機能は、特定の入球口(実施形態では第2始動入球口15a)への単位時間あたりの入球率を向上させる入球率向上状態を付与する機能である。特定の入球口への入球率を向上させる方法は、例えば、普通図柄変動ゲームの変動時間を、入球率向上状態が付与されていない状態(非入球率向上状態)よりも短縮する方法であってもよい。また、普通図柄の当り抽選の当選確率を非入球率向上状態よりも高確率とする方法であってもよい。また、普通図柄の当り抽選に当選した場合、1回の普通図柄の当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根15bの開放時間を、非入球率向上状態よりも長くする方法であってもよい。また、特別図柄変動ゲームの変動時間、特にはずれ表示結果が確定停止表示される特別図柄変動ゲームの変動時間を非入球率向上状態中に比して短縮させる方法であってもよい。また、これらの方法を任意に組み合わせてもよい。本実施形態において入球率向上状態は、予め定められた終了条件が成立するまで付与される。
また、パチンコ遊技機10には、遊技用構成部材として図5に示す主基板30や副基板31を含む各種基板が搭載されている。
主基板30は、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cを有する。また、主基板30には、図5に示すように各種センサSE1〜SE4,CS1,CS2、各種表示装置(特別図柄表示装置11,12など)及びアクチュエータAC1〜AC3が接続されている。
主制御用CPU30aは、各種センサSE1〜SE4,CS1,CS2からの遊技球の検知信号をもとに入力処理を行う。
主制御用CPU30aは、始動センサSE1,SE2からの検知信号を入力した場合の入力処理において、各特別図柄変動ゲームの保留を記憶する処理や当り抽選などに用いる各種乱数を取得する処理を行う。そして、主制御用CPU30aは、入力処理で記憶した保留をもとに第1特別図柄変動ゲーム又は第2特別図柄変動ゲームを開始させる変動開始処理を行う。
また、主制御用CPU30aは、各種センサSE1〜SE3,CS1,CS2からの検知信号を入力した場合の入力処理において、所定個数の賞球を払出すための処理を行う。
また、主制御用CPU30aは、ゲートセンサSE4からの検知信号を入力した場合の入力処理において、普通図柄変動ゲームの保留を記憶する処理や普通図柄の当り抽選などに用いる各種乱数を取得する処理を行う。そして、主制御用CPU30aは、入力処理で記憶した保留をもとに普通図柄変動ゲームを開始させる変動開始処理を行う。
副基板31は、主基板30から一方向で情報(制御信号)が送信されるように主基板30と電気的に接続されている。副基板31は、制御動作を所定の手順で実行することができる副制御用CPU31aと、副制御用CPU31aの制御プログラムを格納する副制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる副制御用RAM31cを有する。
副制御用CPU31aは、主基板30から送信される情報をもとに当該情報に応じた制御を行う。例えば、主制御用CPU30aは、特別図柄変動ゲームを開始させる場合、特別図柄表示装置11,12の表示内容の制御に加えて、特別図柄変動ゲームの開始を指示する情報を副制御用CPU31aに送信する。当該情報を受けた副制御用CPU31aは、演出表示装置13において飾り図柄変動ゲームを行わせるように演出表示装置13の表示内容を制御する。
以下、図6に従って、各流下経路L1〜L3を遊技球が流下する流れについて説明する。なお、以下の説明では、第1通路42aに振り分けられた遊技球を「1球目」とし、次に第2通路42bに振り分けられた遊技球を「2球目」とする。また、第3通路42cに振り分けられた遊技球を「3球目」とする。そして、一度、第1通路42aに遊技球が振り分けられてから、再度、第1通路42aに遊技球が振り分けられた場合、その遊技球は、「1球目」となる。
まず、第1通路42aに遊技球Bを振り分ける流れについて説明する。
図6(a)に示すように、第1振分部材50及び第2振分部材60が第2姿勢(図4(b),(d))であるときに、1球目の遊技球Bが入球口41に入球すると、該遊技球Bは、第1振分部材50の球受部46aで受け止められる。なお、第1振分部材50の球受片47は第2振分部材60の球受片68の下方に重なっている。この重なりにより、第1振分部材50の時計回りでの回動が規制される。そして、遊技球Bが第2振分部材60の球受片68を転動し、球受片67に到達すると、遊技球Bの自重によって第2振分部材60が反時計回りに回動し、第2振分部材60が第2姿勢から第1姿勢に切り替わる。その後、遊技球Bは、第1通路42aに振り分けられ、第1流下経路L1に誘導される。
前述したように、第1流下経路L1は、大当り遊技中、第1大入賞口18a又は第2大入賞口19aに遊技球を導く通路である。このため、大当り遊技中、遊技球が振分装置40の入球口41に入球して第1通路42a(第1流下経路L1)に振り分けられ、該遊技球が第1大入賞口18a又は第2大入賞口19aに入球すると、賞球が払い出される。
次に、第2通路42bに遊技球Bを振り分ける流れについて説明する。
図6(b)に示すように、遊技球Bが第1通路42aに振り分けられたことで第1振分部材50が第2姿勢(図4(b))であって、かつ第2振分部材60が第1姿勢(図4(c))であるときに、2球目の遊技球Bが入球口41に入球すると、該遊技球Bは、第1振分部材50の球受部46aによって受け止められる。遊技球Bの自重によって第1振分部材50が反時計回りに回動するため、第1振分部材50が第2姿勢から第1姿勢に切り替わる。その後、遊技球Bは、第2振分部材60の球受部66bによって受け止められ、遊技球Bの自重によって第2振分部材60が時計回りに回動し、第2振分部材60が第1姿勢から第2姿勢に切り替わる。その後、遊技球Bは、第2通路42bに振り分けられ、第2流下経路L2に誘導される。
前述したように、第2流下経路L2は、大当り遊技中、第1大入賞口18a又は第2大入賞口19aに遊技球を導く通路であるとともに、右打ちをした際、作動ゲート25に遊技球を導く通路である。このため、大当り遊技中、遊技球が振分装置40の入球口41に入球して第2通路42b(第2流下経路L2)に振り分けられ、該遊技球が第1大入賞口18a又は第2大入賞口19aに入球すると、賞球が払い出される。また、遊技球が振分装置40の入球口41に入球して第2通路42b(第2流下経路L2)に振り分けられると、該遊技球は作動ゲート25を通過し、普通図柄変動ゲームの始動条件を成立させることができる。
次に、第3通路42cに遊技球Bを振り分ける流れについて説明する。
図6(c)に示すように、遊技球Bが第2通路42bに振り分けられたことで第1振分部材50が第1姿勢(図4(a))であって、かつ第2振分部材60が第2姿勢(図4(d))であるときに、3球目の遊技球Bが入球口41に入球すると、該遊技球Bは、第1振分部材50の球受部46bによって受け止められる。遊技球Bの自重によって第1振分部材50が時計回りに回動するため、第1振分部材50が第1姿勢から第2姿勢に切り替わる。このとき、第2振分部材60は回動せず、第2姿勢を保持する。そして、第1振分部材50の回動により、第1振分部材50の球受片47が第2振分部材60の球受片68の下方に位置することで、第1振分部材50と第2振分部材60は、1球目の遊技球Bを受け入れたときと同じ姿勢をとる。そして、遊技球Bは、第3通路42cに振り分けられ、第3流下経路L3に誘導される。
前述したように、第3流下経路L3は、右打ちをした際、第2始動入球口15aに遊技球を導く通路である。このため、遊技球が振分装置40の入球口41に入球して第3通路42c(第3流下経路L3)に振り分けられ、該遊技球が第2始動入球口15aに入球すると、賞球が払い出されるとともに、第2特別図柄変動ゲームの始動条件を成立させることができる。
このように、振分装置40は、入球口41に入球した遊技球を第1通路42aに振り分けた後、次に入球口41に入球した遊技球を第2通路42bに振り分ける。続けて、振分装置40は、次に入球口41に入球した遊技球を第3通路42cに振り分けた後、次に入球口41に入球した遊技球を第1通路42aに振り分ける。以降、振分装置40はこの振り分け作業を繰り返す。つまり、入球口41に入球した遊技球は、各流下経路L1〜L3に1球ずつ周期的に振り分けられるので、各流下経路L1〜L3への遊技球の振り分けについて再現性を有するとともに、各流下経路L1〜L3への遊技球の振分率(実施形態では1/3)を安定化させることができる。
次に、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球が普通入球口16aに入球するまでの流れについて、その作用とともに説明する。
第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球とは、第3流下経路L3を流下した遊技球のうち、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球を指す。すなわち、第3流下経路L3に誘導されたことで、第2始動入球口15aに入球する可能性があったにもかかわらず、開閉羽根15bの開放タイミングと合わず、第2始動入球部15の下方に流下してしまい、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球である。ただし、該遊技球には、普通入球口16aやアウト口29に入球済みの遊技球は該当せず、普通入球口16aに入球する可能性が残された遊技球のみ該当する。
前述したように、第2始動入球口15aに向かう第3流下経路L3が形成されているため、3球に1球の割合で第3流下経路L3に遊技球を振り分け可能な振分装置40によれば、第2始動入球口15aに遊技球を入球させることができるチャンスが周期的に到来する。ただし、開閉羽根15bの開放タイミングで第2始動入球口15aに遊技球を入球させることができない等して、なかなか第2特別図柄変動ゲームの始動条件が成立せず、第2特別図柄変動ゲームが停滞してしまうことがある。
図7(a)に示すように、第2始動入球口15aに入球せず、第2始動入球口15aの左方に流れた遊技球Bは、その後、下方に流下する。このとき、閉状態を取る開閉羽根15bの先端から遊技球が通過可能な長さ分、左方に離間した位置には規制部材17dが配設されているため、遊技球Bは、規制部材17dに当接し、第2流下経路L2に流れ込まない。
図7(b)に示すように、規制部材17dと第1誘導部材17aの間には、遊技球Bの直径よりも短い間隔で遊技釘Kが植設されている。よって、遊技球Bは、遊技釘Kに当接し、第2流下経路L2に流れ込むことなく誘導部材17a,17bの第4側面S4に誘導される。
また、第2始動入球口15aに入球せず、第2始動入球口15aの右方に流れた遊技球Bは、その後、下方に流下する。このとき、第2誘導部材17bの第3側面S3は、コーナー飾り部材R5の側面R5a近傍に位置しており、第3側面S3と側面R5aの間は、遊技球の直径よりも短くなっている。これにより、遊技球Bは、コーナー飾り部材R5に当接し、コーナー飾り部材R5と第2誘導部材17bの間を流下することがない。
図7(c)に示すように、誘導部材17a,17bの第4側面S4を転動した遊技球Bは、その後、誘導部17cに案内される。誘導部材17a,17bでは、第4側面S4が互いに内側を向き、かつ下り勾配をなして対向するように配設されている。このような構造により、第3流下経路L3に誘導されたが、開閉羽根15bの開放タイミングで第2始動入球口15aに入球しなかったことにより、第2始動入球部15よりも下方に流下した遊技球は、全て、誘導部材17a,17bの第4側面S4を転動する。
また、誘導部17cは普通入球口16aの直上に位置している。さらに、誘導部17cと普通入球口16aの間には遊技釘Kが植設されていないため、第4側面S4を転動した遊技球Bは、高確率で普通入球口16aに入球する。つまり、一度、第3流下経路L3に遊技球が誘導されたのであれば、該遊技球がその他の流下経路に流れ込むことがなく、第2始動入球口15a又は普通入球口16aに入球する可能性が高い。
ちなみに、第2始動入球口15a及び普通入球口16aに入球しなかった遊技球や、大入賞口18a,19aに入球しなかった遊技球は、誘導部材Aの第3側面A3を転動してアウト口29に誘導される。
本実施形態では、閉状態を取る開閉羽根15bの先端から普通入球口16aまでの流下経路に配置されている各部材(規制部材17d、遊技釘K、誘導部材17a,17b、及びコーナー飾り部材R5)によって、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球を普通入球口16aに誘導する誘導通路YTが構成される。なお、誘導通路YTのうち、遊技球を、直接、普通入球口16aに誘導するのは、誘導部材17a,17bの第4側面S4である。このため、誘導部材17a,17bの第4側面S4が、誘導面に相当する。
また、本実施形態では、規制部材17dは、誘導通路YTを構成する部材であるとともに、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球が第3流下経路L3以外の流下経路に流れ込むことを規制する規制部材としても機能する。同様に、第2誘導部材17bの第3側面S3とコーナー飾り部材R5の側面R5aの間は、遊技球の直径よりも短く、遊技球が通過不可能である。これにより、コーナー飾り部材R5は、誘導通路YTを構成する部材であるとともに、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球が第3流下経路L3以外の流下経路に流れ込むことを規制する規制部材としても機能する。
また、本実施形態では、誘導部材Aを有する、普通入球口16aの下流からアウト口29までの流下経路が、普通入球口16aに入球しなかった遊技球をアウト口29に誘導する第2誘導通路に相当する。
このように、パチンコ遊技機10では、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球を、誘導通路YTに誘導し、積極的に普通入球口16aに入球させる構成を採用している。誘導通路YTは、閉状態を取る開閉羽根15bの先端から普通入球口16aまでの流下経路に配置されている各部材(規制部材17d、遊技釘K、誘導部材17a,17b、及びコーナー飾り部材R5)によって形成される。また、誘導部材17a,17bは、樹脂製であって、かつ誘導面としての第4側面S4を有する。誘導部材17a,17bが、樹脂製かつ誘導面を有することで、遊技釘Kのように、曲げ具合や曲げ方向等の調整が困難となっている。誘導部材17a,17bが変形し難いことに伴い、誘導部材17a,17bの下方に位置する普通入球口16aへの入球率も変化し難くなるため、普通入球口16aへの入球率が安定する。本実施形態では、誘導部材17a,17bを樹脂製、かつ誘導面を有する部材とすることで、誘導部材17a,17bを変形させるという調整の困難性を作り出している。
ちなみに、普通入球口16aや誘導部材17a,17bの周りに遊技釘Kを植設したり、遊技釘Kの植設幅を遊技球の直径よりも長くしたりする場合、遊技球が遊技釘Kに当接し、遊技球の流下方向が変化し得るため、所望の入球口への入球率が安定しない。このようなパチンコ遊技機において遊技球が所望の入球口に入球したとしても、その入球は偶発的な入球であって、パチンコ遊技機10が採用する誘導態様とは異なる。
また、第2始動入球口15aへの入球に基づく賞球数と、普通入球口16aへの入球に基づく賞球数は同一である。さらに、前記賞球数は、振分装置40が振分対象とする全流下経路数(実施形態では3つ)と同一である。これにより、普通入球口16aに遊技球が入球したのであれば、第2始動入球口15aに入球していれば得られるはずであった賞球と同数の賞球を得ることができる。また、普通入球口16aに遊技球が入球したのであれば、普通入球口16aに入球させるまでに振分装置40に入球させた3球の遊技球を回収することができるため、実質的な持ち球が減らない。すなわち、普通入球口16aへの入球率が安定することで、ベース値を算出するにあたり、第2始動入球口15aの開放タイミングに依存する第2始動入球口15aへの入球率を考慮しなくてもよく、また、第3流下経路L3への振分率も一定であるため、ベース値が安定する。ベース値とは、大当り遊技中を除く遊技状態における出球率である。例えば、100球の遊技球が発射され、20球の賞球払出しが行われた場合、ベース値は20%となる。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球は、誘導通路YTによって普通入球口16aに誘導され、普通入球口16aに入球し得る。また、誘導通路YTの構成要素である誘導部材17a,17bを樹脂製かつ誘導面(第4側面S4)を有する調整困難な部材とすることで、誘導部材17a,17bの曲げ具合や曲げ方向等の調整が困難となる。つまり、誘導部材17a,17bが変形し難いことに伴い、誘導部材17a,17bの下方に位置する普通入球口16aへの入球率も変化し難くなるため、普通入球口16aへの入球率が安定する。このことから、ベース値を算出するにあたり、第2始動入球口15aに遊技球が入球しなかった場合でも、普通入球口16aへの入球によって安定したベース値を確保することができる。
(2)第2始動入球口15aへ向かう第3流下経路L3を流下した遊技球のうち、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球は、誘導通路YTによって全て普通入球口16aへ誘導されるため、該遊技球は高確率で普通入球口16aに入球し得る。このことから、ベース値を算出するにあたり、第2始動入球口15aに遊技球が入球しなかった場合でも、普通入球口16aへの入球によって安定したベース値を確保することができる。
(3)安定したベース値を確保することで、設計段階における遊技釘Kの配置などの算出も容易に行うことができ、メーカ側にとってもメリットがある。また、安定したベース値の確保により、遊技者に対しても一定の賞球を確保させることができる。つまり、入球口へ遊技球が入球し難いために持ち球が減少し、遊技球を頻繁に借りなければならないという現象も生じにくいため、遊技者に対して安心して遊技に興じさせることができる。
(4)開閉羽根15bの開放タイミングと一致しないと第2始動入球口15aに遊技球が入球し難いが、第2始動入球口15aに遊技球が入球しなくても、この遊技球が誘導通路YTを介して普通入球口16aに誘導される。このため、ベース値を算出するにあたり、開閉羽根15bの開放タイミングや普通入球口16aへの入球率のばらつきをあまり考慮しなくても済むため、第2始動入球口15aに遊技球が入球しなかった場合でも、普通入球口16aへの入球によって安定したベース値を確保することができる。
(5)第2始動入球口15aの上流に配設された振分装置40によれば、第3流下経路L3に対して遊技球を周期的に振り分けることができ、第3流下経路L3の下流に位置する入球部(第2始動入球部15又は普通入球部16)への入球率が安定する。よって、第3流下経路L3への振分率と普通入球口16aへの入球率の両方が安定することになり、より一層、安定したベース値を確保することができる。
(6)普通入球口16aへ入球した遊技球が検知された場合、第2始動入球口15aへ入球した遊技球が検知されたことを契機に払い出される遊技球と同数の遊技球が払い出されるため、遊技者に不利な印象を与えずに済む。
(7)普通入球口16aへ入球した遊技球が検知されたことを契機に払い出される遊技球数を、振分装置40が振分対象とする全流下経路数と同一とした。この構成によれば、遊技球が第2始動入球口15aに入球しなくても普通入球口16aに入球する可能性が高く、かつ普通入球口16aに入球した場合には、振分装置40による1周期分の振分動作で消費した個数の遊技球を回収することができるため、遊技者の持ち球をあまり減らさずに済む。
(8)誘導部材17a,17bにおける下り勾配の最下流端と連なる誘導部17cが普通入球口16aの直上に位置することで、誘導部17cから落下した遊技球は、遊技釘Kなどの障害部材に当接することなく普通入球口16aに入球し易くなる。
(9)誘導部17cの下端P2から普通入球口16aの上端16bまでの上下方向における距離Xは、遊技球が通過可能な長さである。この構成によれば、普通入球口16aと誘導部17cが極端に離間している場合に比して、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球が普通入球口16aに入球する確率が高められる。また、遊技球が通過可能な距離だけ離間していることで、球づまりを起こし難い。
(10)閉状態を取る開閉羽根15bの先端から遊技球が通過可能な長さ分、左方に離間した位置に規制部材17dが位置するとともに、第2誘導部材17bの第3側面S3が、コーナー飾り部材R5の側面R5a近傍に位置しており、第3側面S3と側面R5aの間は、遊技球の直径よりも短い。これによれば、第3流下経路L3以外の流下経路に遊技球が流れ込まないので、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球を普通入球口16aに誘導することができる。
(11)開閉羽根15bを有する第2始動入球口15aへの遊技球の入球率を考慮する煩わしさを省きつつ、安定したベース値を獲得させるために、普通入球口16aに向かう誘導通路YTを設けている。一方、普通入球部26〜28の上方には、開閉部材を有する始動入球口が配設されていないため、始動入球口への遊技球の入球率のばらつきを考慮する必要はない。つまり、普通入球部26〜28に遊技球が入球しなくてもベース値には影響しないため、普通入球部26〜28に遊技球を誘導する誘導部材を設ける必要はない。よって、同じ普通入球部(普通入球部16と普通入球部26〜28)であっても、誘導部材の有無によって異なる遊技性が生起され得る。
(12)普通入球口16aに入球しなかった遊技球をアウト口29に誘導する誘導部材Aを設けたことで、普通入球口16aに入球しなかった遊技球は、その他の入球口に入球することなくアウト口29に誘導されるため、遊技球の過払出しがなく、遊技店側が損をしない。
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
・実施形態において、第1通路42a〜第3通路42cの下流に配設する各種入球口を異ならせても良い。例えば、第1通路42aの下流に第2始動入球口15aを、第2通路42bの下流に第1大入賞部18を、第3通路42cの下流に第2大入賞部19をそれぞれ配設してもよい。つまり、第2始動入球口15aに遊技球を向かわせる流下経路に対して、遊技球を一定確率で振り分けられることができるのであれば、各種通路と各種入球口の組み合わせは問わない。
・実施形態では、振分装置40を設けなくてもよい。このような場合、第3流下経路L3への到達率が安定しない。ただし、第3流下経路L3に遊技球が誘導されたのであれば、第2始動入球口15aに遊技球が入球しなくても、誘導通路YTを介して普通入球口16aに入球する確率が高いので、依然として、第2始動入球口15aへの入球率を考慮する必要はない。つまり、変動し得る2個の値(第3流下経路L3への到達率及び第2始動入球口15aへの入球率)を掛け合わせてベース値を算出する場合、ベース値は適宜変化する虞があるが、1個でも値が安定しているのであれば(この例では普通入球口16aへの入球率)、変動し得る2個の値を掛け合わせてベース値を算出する場合よりもベース値が安定する。
・振分装置40の配設箇所はセンター役物Y5の右方に限られない。ただし、入球口41の上方に遊技釘Kが植設されている場合、遊技釘Kに当接することで遊技球の流下経路が変化してしまう可能性がある。このような場合、発射された遊技球が入球口41に必ず入球するとは限らず、第3流下経路L3への到達率が安定しない。ただし、普通入球口16aへの入球率は、誘導部材17a,17bによって安定化されているため、変動し得る2個の値を掛け合わせてベース値を算出する場合よりもベース値が安定する。
・実施形態において、振分装置40を構成する振分部材の個数を変更しても良い。なお、振分部材の個数を1個としても良いが、複数個とした方が流下経路の分岐バリエーションが増加するため、複数個とすることが好ましい。
・各流下経路L1〜L3に振り分けられる遊技球の個数が流下経路L1〜L3毎に変わらず一定数であるならば、一定数を2球以上としてもよい。
・実施形態では、誘導部材Aを省略してもよい。
・実施形態では、規制部材17dを省略してもよい。
・第3流下経路L3以外の流下経路に遊技球を流下し難くするための構成は、実施形態の構成に限られない。例えば、規制部材17dの代わりに、遊技釘Kを遊技球の直径よりも短い間隔で植設してもよいし、第2誘導部材17bの最上流端とコーナー飾り部材R5との隙間を別の樹脂部材で覆うなどしてもよい。また、第2誘導部材17bの第3側面S3がコーナー飾り部材R5に接触するように、第2誘導部材17bを配置してもよい。
・実施形態では、第2始動入球口15aへの入球を契機に払い出される遊技球数と、普通入球口16aへの入球を契機に払い出される遊技球数を異ならせてもよい。例えば、普通入球口16aへ入球した遊技球の検知を契機に払い出される遊技球数が第2始動入球口15aへ入球した遊技球の検知を契機に払い出される遊技球数よりも多い場合、普通入球口16aへ入球した遊技球の検知を契機に払い出される遊技球を基準としなければならないので、ベース値を再算出しなければならない。ただし、第2始動入球口15aに入球する場合よりも多くの賞球が得られるため、遊技者に不利な印象を与えずに済む。
・実施形態では、第2始動入球口15aへの入球を契機に払い出される遊技球数及び普通入球口16aへの入球を契機に払い出される遊技球数と、振分装置40が振分対象とする全流下経路数を異ならせてもよい。また、第2始動入球口15aへの入球を契機に払い出される遊技球数と振分装置40が振分対象とする全流下経路数を同一とするが、普通入球口16aへの入球を契機に払い出される遊技球数と振分装置40が振分対象とする全流下経路数を異ならせてもよい。
・第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球を普通入球口16aに誘導させることができるのであれば、第2始動入球部15、普通入球部16、及び誘導部材17a,17bの位置関係は、実施形態の配置に限られない。すなわち、第2始動入球部15全体よりも普通入球部16全体が下方に位置していなくても、第2始動入球部15の第2始動入球口15aよりも普通入球部16の普通入球口16aが下方に位置していれば、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球が普通入球口16aに入球し得るからである。よって、例えば、第2始動入球部15において、第2始動入球部15の上下方向における略真ん中と同じ高さに、誘導部材17a,17bにおける第4側面S4の最上流端が位置していてもよい。
・実施形態において、流下経路L1〜L3を画成できるのであれば、該流下経路を構成する部材は、遊技釘Kでも樹脂部材でも構わない。
・実施形態において、第2始動入球口15aを開閉することができるのであれば、開閉部材はどのような形状であっても構わない。例えば、開閉部材を遊技盤YBの前後方向に延びる1枚のシャッターとし、該シャッターが遊技盤YBの奥方に収容されている場合には、第2始動入球口15aが開状態となる一方、シャッターが遊技盤YBの前後方向に突出している場合には、第2始動入球口15aが閉状態となるようにしてもよい。
・第2始動入球口15aは、開閉羽根15bが閉状態であるときに遊技球が入球し得るようになっていても構わない。ただし、開閉羽根15bが開状態である時に比して入球し難いことが前提である。
・普通入球部16の上流に位置する入球口は、常時開口している入球口であってもよい。
・普通入球部16は、開閉部材によって入球口が開閉されるものであってもよい。ただし、第2始動入球口15aに入球しなかった遊技球が普通入球口16aに高確率で入球しないと意味がないため、普通入球口16aに遊技球を積極的に入球させる構成を備えることが好ましい。例えば、誘導部材17a,17bの第4側面S4に停留部材を設け、開閉部材の閉鎖中は停留部材によって遊技球を停留させる一方、開閉部材の開放タイミングで停留部材を原位置に収容し、遊技球を普通入球口16aに誘導する構成などが考えられる。
・所望の入球口に入球しなかった遊技球を高確率で入球させるための入球口は、第2始動入球口15aと普通入球口16aの組み合わせに限られない。その組み合わせとしては、例えば、大入賞口と普通入球口16aが考えられる。このような構成とすることで、上方に位置する入球口に遊技球が入球せず、特典を得られなかったとしても、入球しなかった遊技球が下方に位置する入球口に入球する可能性が高ければ、下方に位置する入球口に基づく特典が付与される可能性が高いため、遊技者に不利な印象を与えない。このような効果を得るためには、下流に位置する入球口は、常時開口していることが望ましい。また、上方に位置する入球口に入球した遊技球は、図示しない排出路によって機裏側に排出されることが望ましい。また、上方に位置する入球口に入球しなかった遊技球を下方に位置する入球口に入球させるために、実施形態の構成(下流に位置する入球口の直上に誘導部17cが位置するように誘導部材を配設する、又は規制部材17dを設ける等)を採用してもよい。
・誘導部材の形状は、例えば、漏斗状や樋状、板状であってもよい。すなわち、遊技釘Kのように曲げ方向や曲げ具合を簡単に調整し難く、かつ誘導部材への当接によって遊技球の流下方向が変化し難ければ、どのような形状で形成されていてもよい。誘導部材への当接によって遊技球の流下方向が変化すると、入球口への入球率が変化してしまうからである。また、遊技釘Kを遊技球の直径よりも短い間隔で植設し、曲げ具合や曲げ方向が調整困難となるよう、遊技釘Kを遊技盤YBに対して深く植設したものを誘導部材としてもよい。
・実施形態は、1個の大入賞口を備えたパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・実施形態において、副基板31の他に、統括制御基板や中継基板を設けても良い。
・実施形態において、主基板30と副基板31を1つの基板としてもよい。
次に、実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記普通入球口への遊技球の入球を契機に払い出される遊技球数は、前記始動入球口への遊技球の入球を契機に払い出される遊技球数と同数である。
(ロ)前記普通入球口への遊技球の入球を契機に払い出される遊技球数は、前記振分装置が振分対象とする全流下経路の数と同数である。
(ハ)前記樹脂製の誘導部材は、遊技球を流下させて誘導する下り勾配の誘導面を有する第1誘導部材と、遊技球を流下させて誘導する下り勾配の誘導面を有する第2誘導部材であって、前記第1誘導部材と前記第2誘導部材は、互いの誘導面が対向するように配設され、対向する誘導面における下り勾配の最下流端には、前記普通入球口へ遊技球を誘導する誘導部が連なっており、前記誘導部は前記普通入球口の直上に位置する。
(ニ)前記誘導部の下端と前記普通入球口の上端は、遊技球が通過可能な距離だけ離間されている。
(ホ)前記第1誘導部材と前記第2誘導部材の誘導面における下り勾配の最上流端よりも上流には、前記始動入球口に入球しなかった遊技球が、前記特定流下経路以外の流下経路に流れ込むことを規制する規制部材が配設されている。
(へ)前記始動入球口は、開閉動作可能な開閉部材が開動作することで前記第1状態を取る一方、前記開閉部材が閉動作することで前記第2状態を取るようになっており、前記規制部材は、閉状態の開閉部材から遊技球が通過可能な長さ分左右方向に離間した位置に配設されている。
(ト)複数の普通入球口を有し、前記始動入球口の下方に位置する普通入球口の上方には、前記誘導通路が形成されている一方で、他の普通入球口の上方には、遊技球が通過可能な距離を空けて複数の遊技釘が植設されている。
(チ)前記普通入球口の下方には、遊技球を外部に排出するアウト口が位置しており、前記普通入球口に入球しなかった遊技球を前記アウト口に誘導する第2誘導通路を有する。
(リ)入球口への遊技球の入球を契機に遊技者にとって有利な特典が付与される遊技機において、遊技球の入球を契機に第1特典の付与条件が成立可能な第1入球口と、遊技球の入球を契機に第2特典の付与条件が成立可能な第2入球口と、を備え、前記第2入球口は常時開口しており、前記第1入球口に入球しなかった遊技球を前記第2入球口へ誘導する誘導通路を有する遊技機。従来から、遊技盤に向かって発射された遊技球が入球口に入球すると、遊技者にとって有利な特典が付与される。例えば、入球口が大入賞口であるとすると、大入賞口で遊技球が入球検知されたのであれば、多数の賞球が払い出される。このように、遊技者は、特典を得ることを目的として遊技を実行していた。ところが、入球口を狙って遊技球を発射させたとしても、遊技球の遊技釘への当接によって流下経路が安定しないので、遊技球が入球口に入球するとは限らず、入球口に入球しなかった遊技球はアウト口から遊技機外に排出されてしまっていた。これにより、発射した遊技球数に対し入球口に入らなかった遊技球数が多くなると、手持ちの遊技球が不足してしまい、遊技者は新たに遊技球を購入しなければならず、安心して遊技を行うことができないことがあった(例えば、特開2001−062071号公報)。そこで、第1入球口に入球しなかった遊技球が第2入球口に入球し得るように誘導部材を配設した。これによれば、第1入球口に遊技球が入球しなかった場合でも、その遊技球が第2入口に入球する可能性があるため、第2入球口に入球した遊技球の検知によって特典を獲得することができ、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
(ヌ)前記誘導部材は、樹脂製である。