以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機の、遊技盤の盤面を示す説明図である。
遊技盤の各所には始動口8a、8b、9が備えられている。また、遊技盤の略中央には、変動入賞装置を備えたセンターケース5が備えられている。
センターケース5には、斜め方向に配設された大入賞口(開閉扉)10及び20、一般領域30、特定領域40等が備えられている。
センターケース5は鎧部と凹室によって構成され、センターケース上方より流下する遊技球は、鎧部に当たり下方に流下するか、遊技釘7によって転動して大入賞口10及び20の設けられている遊技球流下部を流下する。
大入賞口(開閉扉)10及び20は、それぞれが、略四角形の平板な可動部材(可動片)、該可動部材を動作させるソレノイド(大入賞口1SOL13A及び大入賞口2SOL23A、図2参照)等によって構成される。可動部材は下縁部を水平方向の軸で自由自在に支持されている。この可動部材は、ソレノイドによって、前方に傾斜することで開口部を開成する状態(開状態)、又は、可動部材をセンターケース5の上面に略平行な状態に閉成することで開口部を閉成する状態(閉状態)とすることができる。大入賞口10及び20は、開状態では、上方から流下した遊技球を可動部材によって受け止め遊技球をセンターケース5の内部(凹室)へと案内する。一方、閉状態では、上方から流下した遊技球に対して何ら作用せず、遊技球はそのまま下方へと落下する。
また、センターケース5の大入賞口10の上方には、複数の遊技釘7が植設されている。
センターケース5の凹室には、大入賞口10の傾斜方向に延伸するように構成された遊技球案内路が設けられている。この遊技球案内路は、大入賞口10の可動部材が開状態のときに可動部材と略同一平面を構成する第2ルート60と、第2ルート60よりも一段下段に階段状に設けられる第1ルート61とから構成される。この第2ルート60及び第1ルート61は、遊技球が上部に乗り、斜めに(傾斜方向下端側に)転がることで遊技球を一般領域30又は特定領域40に案内可能に構成されている。
また、大入賞口20は、大入賞口10よりも下方に配置され、この大入賞口20を開状態にすると、センターケース5の上方より落下した遊技球は、大入賞口20によって特定領域40へと通じる遊技球案内路に導入される。
大入賞口10が開状態のときに、遊技球が第2ルート60及び第1ルート61を通過する割合は、植設された遊技釘7によって変更することが可能である。すなわち、遊技球が遊技釘によって転動されるが、大入賞口10の奥側に多く遊技球が流下するように設定(調整)すれば、第2ルート60に多く遊技球が通過するよう設定(調整)することができ、手前側(カバーガラス側)に多く遊技球が流下するように設定(調整)すれば、第1ルート61に多く遊技球が通過するよう設定(調整)することができる。
図2は、本発明の第1の実施の形態のセンターケース5の構成を示す説明図である。
第2ルート60の延伸方向先はセンターケース5の凹室の内壁であり、この内壁の前に遊技球が凹室下部に備えられた特定領域40に入賞可能な落下口62が備えられている。すなわち、遊技球が第2ルート60上を転がり、凹室内壁の落下口62に到達すると、遊技球が特定領域40に入賞する。
なお、この第2ルート60の上部空間にはキャラクタ50が備えられている。このキャラクタ50は手に銃を持った複数のキャラクタによって構成され、第2ルート60上を転がる遊技球の一部が手に持った銃に触れるよう構成される。そのため、第2ルート60上を転がる遊技球のうちの一部はキャラクタが手に持った銃に触れ、第1ルート61に落下する。
一方、第1ルート61の延伸方向先には一般領域30が備えられている。また、第1ルート61は、端部(前端部)が遊技機のカバーガラスまで張り出す構成となっているので、第1ルート61の上を転がる遊技球は、必ず一般領域30に入賞するように構成されている。
図3は、遊技球案内路(第2ルート60及び第1ルート61の構成を模式的に示す斜視図であり、図3(a)は、大入賞口10が開状態のとき、図3(b)は大入賞口が閉状態のときを示したものである。
遊技者によって発射されセンターケース5上方より流下する遊技球は、遊技釘7によって転動した後、センターケース5の遊技球流下部に流下する。ここで、図3(b)のように大入賞口10が閉状態の場合は、遊技球はそのまま下方に流下する。このとき、大入賞口20が開状態であれば大入賞口20によってセンターケース5内に導入され、大入賞口20も閉状態の場合は、センターケース5の下方に流下する。
一方、図3(a)のように大入賞口10が開状態の場合は、大入賞口10によって遊技球が受け止められる。すなわち、大入賞口10を構成する開状態の可動部材上に遊技球が受け止められ、大入賞口10及び遊技球流路の傾斜に従って、遊技球流路の右側(傾斜方向下方側)に転動する。遊技球流路は第2ルート60及び第1ルート61によって構成されており、遊技球はこの何れかのルートを経由して右方向(傾斜方向下方側)に転動する。遊技球が大入賞口10から第1ルートを経由した場合、すなわち、遊技球が開状態の可動部材上を可動部材の幅方向傾斜下端側へ流下し第1ルートを経由した場合、この遊技球はそのまま一般領域30に入賞し、一般領域30に備えられた一般領域センサ12Aによって計数される。
このように、大入賞口10を斜めに配置することで、開状態の可動部材上を可動部材の幅方向に、傾斜を利用した流下案内面を形成することができ、この流下案内面(開状態の可動部材の上面)の延伸方向を、遊技球流路(例示は、第1ルート)として活用することができる。なお、流下案内面の傾斜下端と遊技球流路の傾斜上端との間は、連通状態に限らず、遊技球が流下案内可能な範囲で間隙を設けても構わない。
一方、遊技球が第2ルート60を経由した場合、すなわち、遊技球が開状態の可動部材上を可動部材の奥行き方向奥手側へ流下し第2ルートを経由した場合、遊技球はこの第2ルート60を伝わり右方向(傾斜方向下方側)の落下口62の方向へ進むが、第2ルート60と第1ルート61との間には何ら隔たりはなく、第1ルート61の方が第2ルート60よりも下方にあるため、遊技球の転動状態によっては第1ルート61に落下する場合もある。また、第2ルート60の上方に設けられたキャラクタ50の腕によって反射(転動方向が変化)されることで、同様に第1ルート61に落下する場合もある。そして、第2ルート60の比較的奥側を経由した遊技球のみ落下口62に導入され、落下口62を経て特定領域40に入賞する。特定領域40には特定領域センサ11Aが設けられており、通過する遊技球を計数する。
図4は、本発明の実施の形態の遊技制御装置100を中心とする制御系を示すブロック図である。
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であり、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報を記憶しているROM及び遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ101、入力インターフェース102、出力インターフェース103、発振器104等から構成される。
遊技用マイクロコンピュータ101は、入力インターフェース102を介しての各種検出装置(始動口1aセンサ41A、始動口1bセンサ42A、始動口2センサ43A(以下、始動口センサ41A〜43Aという)、特定領域センサ11A、一般領域センサ12A)からの検出信号を受けて、補助遊技や特別遊技等、種々の処理を行う。そして、出力インターフェース103を介して、各種制御装置(排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)、大入賞口1ソレノイド13A、大入賞口2ソレノイド23A等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
排出制御装置200は、遊技制御装置100からの賞球指令信号に基づいて払出ユニットの動作を制御し賞球を排出させる。また、カード球貸ユニットからの貸球要求に基づいて、払出ユニットの動作を制御し貸球を排出させる。
装飾制御装置250は、遊技制御装置100からの装飾指令信号に基づいて、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置を制御して、ランプ制御装置として機能する。
音制御装置300は、遊技制御装置100からの指令によって、予め保持された所定の音データから効果音を再生する。
なお、遊技制御装置100から、各種従属制御装置(排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)への通信は、遊技制御装置100から従属制御装置に向かう単方向通信のみが許容されるようになっている。これにより、遊技制御装置100に従属制御装置側から不正な信号が入力されることを防止することができる。
遊技機の電源装置(図示省略)は、電源回路のほかに、バックアップ電源部と停電監視回路とを備えている。停電監視回路は、電源装置の所定の電圧降下を検出すると、遊技制御装置100等に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。遊技制御装置100は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPUの動作を停止する。バックアップ電源部は、遊技制御装置100等のRAMにバックアップ電源を供給して、遊技データ(遊技情報、遊技制御情報)等をバックアップする。
以上のように構成された本発明の第1の実施の形態の遊技機について、動作を説明する。
図5は、遊技制御装置100で実行される遊技機の制御のフローチャートを示す。
遊技機が起動した後、図5(a)のフローチャートに示す処理により初期化処理が実行されてから、所定時間周期(例えば、1m秒毎)にタイマ割込が発生して図5(b)のフローチャートに示す処理が実行される。
遊技制御装置100は、遊技機が起動されたとき、(例えば、遊技機への電源が投入されたとき)、図5(a)のステップ101に示す初期化処理を実行する。この初期化処理は、遊技用マイクロコンピュータ101のRAMに記憶されているデータや入力/出力インターフェースの初期化、ソフトタイマ(割込)のタイミングの設定等を行う。初期化処理が終了すると、タイマ割込処理(図5(b))を起動すべく、割込タイマを設定してタイマ割込を許可すると共に、タイマ割込の発生に備える。
タイマ割込が発生すると、図5(b)に示す処理が開始される。
タイマ割込が発生すると、タイマ割込処理実行中に次タイミングのタイマ割込が発生して処理が中断されることを防ぐために、まず、割込禁止に設定すると共に、レジスタの待避等を行いタイマ割込処理に備える(ステップ201)。
次に、入力インターフェース102を介して入力される各種センサからの信号にチャタリング除去等の処理を行い、入力信号を確定させる処理(入力処理)を行う(ステップ202)。
次に、各種処理(補助・特別遊技処理)によって設定される出力データ(フラグ等)に基づいて、ソレノイド等の駆動に関する制御(出力処理)を行う(ステップ203)。
次に、遊技者が遊技ゲームにおいて獲得した賞球の払い出しや、各種効果音、装飾光源の制御のために送信バッファに設定されたコマンドに基づいて、排出制御装置200、音制御装置300、装飾制御装置250を制御する処理(コマンド送信処理)を行う(ステップ204)。
次に、各センサ(始動口センサ41A〜43A、特定領域センサ11A)に入賞があるかを監視し、入賞があった場合に所定のフラグをセットしたり、特定領域センサ11A、一般領域センサ12Aを通過する遊技球の計数等を行う処理(スイッチ監視処理)を行う(ステップ205)。
次に、始動口への入賞、又は特定領域への入賞に基づいて、補助遊技又は特別遊技を行わせるための処理(補助・特別遊技処理)を行う(ステップ206)。なお、この処理の詳細は、図6ないし図8において後述する。
次に、補助・特別遊技処理の結果に基づいて、所定の信号(大当たり信号等)を編集し、盤用外部出力端子を介して遊技機外部に設置されたホール管理装置側に送信する処理(外部情報編集処理)を行う(ステップ207)。
次に、タイマ割込処理から復帰するために、レジスタの復帰、割込許可の設定等を行い、図5(a)の処理に復帰する(ステップ208)。
以上の処理が、本実施の形態の遊技機の遊技制御装置100において実行される。
次に、前述した補助・特別遊技処理(図5(b)のステップ206)の詳細な処理を、図6ないし図8を参照して説明する。
図6は、補助・特別遊技処理の処理を示すフローチャートである。
まず、現在の処理番号が何であるかを判定する(ステップ301)。判定の結果、処理番号が0であればステップ302に、処理番号が1であればステップ303に、それぞれ移行する。
ステップ302では補助遊技処理を行う。補助遊技処理は、始動口への入賞を監視し、入賞があれば補助遊技を行わせるための処理である。なお、処理番号は、図5(a)の初期化処理によって、初期値は0に設定されている。
ステップ303では特別遊技処理を行う。特別遊技処理は、特定領域40への入賞を受けて、遊技者が特典を得られる特別遊技を行う処理である。
図7は、補助遊技処理の詳細な処理を示すフローチャートである。
まず、有効期間フラグがセットされているか否かを判定する(ステップ401)。この有効期間フラグは、大入賞口10が開状態の期間に、特定領域40に遊技球が入賞しなかった場合にセットされ、大入賞口10が閉状態となった後にセンターケース5内(凹室内)に残っている遊技球が特定領域40を通過するかを監視させるためフラグであり、初期状態ではセットされていない状態である。
有効期間フラグがセットされていないと判定した場合は、ステップ402に移行し、有効期間フラグがセットされていると判定した場合はステップ415に移行する。
ステップ402では、大入賞口10開放フラグがセットされているか否かを判定する。この大入賞口10開放フラグは、始動口8a、8bに遊技球が通過することでセットされ、大入賞口10を開放させるためのフラグであり、初期状態ではセットされていない状態である。
大入賞口10開放フラグがセットされていないと判定した場合、すなわち、始動口8a、8bに入賞がない場合は、ステップ406に移行し、大入賞口10開放フラグがセットされていると判定した場合はステップ403に移行する。
ステップ403では、大入賞口20開放フラグがセットされているか否かを判定する。この大入賞口20開放フラグは、始動口9に遊技球が通過することでセットされ、大入賞口20を開放させるためのフラグであり、初期状態ではセットされていない状態である。
大入賞口20開放フラグがセットされていないと判定した場合、すなわち、始動口9に入賞がない場合は、ステップ404に移行し、大入賞口20開放フラグがセットされていると判定した場合はステップ413に移行する。
ステップ404では、始動口8a又は8bのいずれかに遊技球が通過することで入賞があったか否かを始動口1aセンサ41A、始動口1bセンサ42Aによって判定する。入賞があった場合は、ステップ405に移行し、大入賞口10開放フラグ及び開放タイマをセットする。開放タイマは、いずれかの始動口に入賞することで開状態となる大入賞口10の開時間を制御するためのタイマである。大入賞口10開放フラグ及び開放タイマをセットした後、ステップ406に移行する。一方、始動口8a、8bへの入賞がないと判定した場合は、ステップ411に移行し、始動口9に遊技球が通過することで入賞があったか否かを始動口2センサ43Aによって判定する。入賞があった場合は、ステップ412に移行し、大入賞口20開放フラグ及び開放タイマをセットする。開放タイマをセットした後、ステップ407に移行する。一方、始動口9に入賞がないと判定した場合は、ステップ416に移行する。
ステップ406では、大入賞口10のSOL10オン情報をセットする。このSOL10オン情報をセットすることで、出力処理(図5(b)ステップ203)において大入賞口1SOL13Aに対して信号を送り、大入賞口10がオン(開状態)となる。なお大入賞口10は、初期状態では閉状態である。
また、ステップ413では、大入賞口20のSOL20オン情報をセットする。このSOL20オン情報をセットすることで、出力処理(図5(b)ステップ203)において大入賞口2SOL23Aに対して信号を送り、大入賞口20がオン(開状態)となる。なお大入賞口20は、初期状態では閉状態である。
ステップ407では、ステップ405又はステップ412においてセットした開放タイマに設定された所定時間が経過したか(タイムアップしたか)否かを判定する。タイムアップするまではステップ408に移行し、タイムアップしたと判定した場合はステップ414に移行する。
ステップ408では、特定領域40を遊技球が通過することで、特定領域センサ11Aが遊技球の通過を検知(特定領域センサ11Aがオン)したか否かを判定する。特定領域センサ11Aが遊技球を検知しなかった場合は、図5(b)のフローチャートに戻る。特定領域センサ11Aが遊技球を検知した場合は、ステップ409に移行する。
一方、ステップ407において、開放タイマがタイムアップしたと判定した場合は、ステップ414に移行し、大入賞口10開放フラグ及び大入賞口20開放フラグをリセットすると共に、有効期間フラグ及び有効タイマをセットする。この有効タイマは、開放タイマがタイムアップした後にセットされ、大入賞口10又は20が閉じた後に、センターケース5内(凹室内)で停留している入賞球が一般領域30或いは特定領域40を通過するまでの有効時間を計時させるためのフラグである。次にステップ415に移行し、有効タイマが設定された所定の時間を経過したか(タイムアップしたか)否かを判定する。有効タイマがタイムアップするまではステップ408に移行し、タイムアップしたと判定すると、ステップ417に移行して、大入賞口10のSOL10オフ情報及び大入賞口20のSOL20オフ情報をセットし、有効期間フラグをリセットする。こうすることで、出力処理(図5(b)ステップ203)において大入賞口1ソレノイド13A又は大入賞口2ソレノイド23Aに対して信号を送り、大入賞口10又は大入賞口20がオフ(閉状態)となる。その後、図5(b)のフローチャートに戻る。
また、ステップ411において、始動口9に入賞がなかったと判定した場合、すなわち、何れの始動口にも入賞がなかった場合は、ステップ416に移行し、大入賞口10のSOL10オフ情報及び大入賞口20のSOL20オフ情報をセットする。こうすることで、出力処理(図5(b)ステップ203)において大入賞口1ソレノイド13A又は大入賞口2ソレノイド23Aに対して信号を送り、大入賞口10又は大入賞口20がオフ(閉状態)となる。その後、図5(b)のフローチャートに戻る。
また、ステップ408において、特定領域センサ11Aが遊技球の通過を検知したと判定した場合は、特別遊技状態に移行するため、まず、大入賞口10のSOL10オフ情報及び大入賞口20のSOL20オフ情報をセットし、有効期間フラグをリセットする。こうすることで、出力処理(図5(b)ステップ203)において大入賞口1ソレノイド13A又は大入賞口2ソレノイド23Aに対して信号を送り、大入賞口10又は大入賞口20がオフ(閉状態)となる。次に、特別遊技を実行すべく、ステップ410において、処理番号を「1」に設定し、図5(b)のフローチャートに戻る。
図8は、特別遊技処理の詳細な処理を示すフローチャートである。
何れかの始動口に遊技球が入賞し、大入賞口10又は大入賞口20が開状態となり、遊技球が特定領域40に通過することで、図7のステップ410において処理番号が「1」に設定され、特別遊技状態となり、図6のステップ301において特別遊技処理に移行する。
まず、ウエイトフラグがセットされているか否かを判定する(ステップ501)。ウエイトフラグがセットされていないと判定した場合はステップ502に移行し、セットされていると判定した場合はステップ504に移行する。
このウエイトフラグは、特別遊技状態となり、大入賞口10が開状態から閉状態となったとき、再び開状態とするまでのウエイト時間を設ける制御を行うためのフラグであり、初期状態はセットされていない状態である。
ステップ502では、大入賞口10開放フラグがセットされているか否かを判定する。大入賞口10開放フラグがセットされていると判定した場合はステップ506に移行し、セットされていないと判定した場合はステップ503に移行する。
この大入賞口10開放フラグは、大入賞口10を開状態にするためのフラグであり、初期状態はセットされていない状態である。
ステップ503では、大入賞口10開放フラグをセットし、開放タイマをセットし、大入賞口10のSOL10オン情報をセットする。
このステップ503の処理の後、図5(b)のフローチャートに戻る。こうすることで、出力処理(図5(b)ステップ203)において大入賞口1SOL13Aに対して信号を送り、大入賞口10がオン(開状態)となる。
ステップ501においてウエイトフラグがセットされていると判定した場合は、ステップ504において、ウエイタイマが設定されている所定の時間を経過したか(タイムアップしたか)否かを判定する。タイムアップしていないと判定した場合は、そのまま図5(b)のフローチャートに戻る。タイムアップしていると判定した場合はステップ505に移行し、ウエイトフラグをリセットし、大入賞口10のSOL10オン情報をセットして、図5(b)のフローチャートに戻る。
ステップ502において大入賞口10開放フラグがセットされていると判定した場合は、ステップ506に移行し、大入賞口10の開放タイマに設定されている所定の時間を経過したか(タイムアップしたか)否かを判定する。タイムアップしたと判定した場合はステップ508に移行する。タイムアップしていないと判定した場合は、ステップ507に移行し、カウントメモリが8よりも小さいか否かを判定する。このカウントメモリは、大入賞口10によってセンターケース5内部に導入された遊技球の合計の数であり、一般領域センサ12Aによって計数された値と、特定領域センサ11Aによって計数された値との合計値である。
カウントメモリ(初期状態ではゼロ)が、8よりも小さければ図5(b)のフローチャートに戻る。カウントメモリが8以上であると判定した場合は、ステップ508に移行する。
ステップ508では、大入賞口10のSOL10オフ情報をセットする。次に、ステップ509において、サイクル数(初期値0)に1を加算してサイクル数を更新し、大入賞口10の開放タイマをセットし、カウントメモリの値をリセットする。次に、ステップ510において、サイクル数(ラウンド数)が16未満であるか否かを判定する。このサイクル数(ラウンド数)は、前述した大入賞口10の開放タイマのタイムアップ、又は、カウントメモリの値が8となったとき、を1ラウンドとし、特別遊技状態においてこのラウンドを16回行わせるために、ラウンド回数を制御する値である。
サイクル数が16未満であると判定した場合は、ステップ511においてウエイトフラグをセットし、ウエイトタイマをセットして、図5(b)のフローチャートに戻る。サイクル数が16以上の場合は、このサイクル数をリセットし、大入賞口10の開放フラグをリセットし、処理番号を「0」に設定して、図5(b)のフローチャートに戻る。
この図8のフローチャートによる処理によると、特定領域40に遊技球が入賞して特別遊技状態となった場合には、まず、大入賞口10が開状態となる。このとき、大入賞口10の開放タイマによって所定の時間(例えば30秒)が経過した場合、又は、大入賞口10に導入された遊技球が所定の数(例えば8個)となった場合、を1ラウンドとして、1ラウンドが経過すると、一旦大入賞口10を閉状態とする。そして所定の時間のウエイト時間が経過した後、再び大入賞口10を開状態として、次のラウンドを開始する。そして、このラウンドを、ウエイトタイムを挟んで所定回数(例えば16回)間欠的に実行すると、大入賞口10を閉状態とし、特別遊技状態を終了する。
以上のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機では、遊技機の盤面に斜めに設けられた大入賞口10及び20を備えたセンターケース5を配設したので、開状態の大入賞口10上(可動部材上)を当該可動部材の幅方向に、傾斜を利用した流下案内面を形成することができ、この流下案内面(開状態の可動部材の上面)の延伸方向を、遊技球流路(第1のルート)として活用することができる。その結果、凹室の内部に新たな遊技球流路(第1のルート)を形成可能となり、凹室内に新たな遊技球の流下パターンを増やすことができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技領域を流下する遊技球を、可動部材の奥行き方向奥手側に誘導するか、若しくは、可動部材の幅方向(流下案内面)に誘導するかを大入賞口10の上部に植設された遊技釘7を設定(調整)することで、第1のルート及び第2のルートの遊技球の振り分けを設定することができる。その結果、特定領域への入賞率の調整精度を向上させることができる。換言すると、遊技店における釘調整によって特定領域への入賞率をある程度所望の調整が可能となる。
また、第1のルート及び第2のルートの何れか一方及び他方に形成される特定領域及び一般領域の賞球数を異ならせるように構成すると、遊技者は、第1のルートと第2のルートとで賞球数が異なるため、期待感が高まるので、遊技の興趣が高まる。
また、始動口の位置によって開状態となる大入賞口が異なり、一方の大入賞口(大入賞口20)は他方の大入賞口(大入賞口10)よりも、特定領域を通過する確率が高まるため、遊技者の期待感を高め、遊技者の興趣をより高めることができる。
また、遊技釘を調整することで遊技球が第2ルート60又は第1ルート61の通過割合(振り分け率)を変更することも可能であり、遊技店において、このルート調整による出玉率の調整が可能となる。
また、上記実施の形態では、特別遊技において開閉作動する大入賞口として大入賞口10のみを用いたが、これに限らず、大入賞口20のみを用いて特別遊技を実行しても構わないし、大入賞口10と大入賞口20とを適宜組み合わせて特別遊技を実行するように制御しても良い。
次に、本発明の第2の実施の形態の遊技機について説明する。
第2の実施の形態は、センターケースに備える大入賞口を1個のみとした。なお第1の実施の形態の同一の作用を行う構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図9は、本発明の第2の実施の形態の遊技機の、センターケース5の詳細を示す説明図である。
大入賞口10は、開状態では、上方から流下した遊技球を可動片によって受け止め遊技球をセンターケース5の内部(凹室)へと案内する。一方、閉状態では、上方から流下した遊技球に対して何ら作用せず、遊技球はそのまま下方へと落下する。
この大入賞口10には、第1の実施の形態と同様に、大入賞口10の傾斜方向に延伸するように構成された遊技球案内路が設けられている。この遊技球案内路は、大入賞口10の可動片が開状態のときに可動片と略同一平面を構成する第2ルート60と、第2ルートよりも一段下段に階段状に設けられる第1ルート61とから構成される。この第2ルート60及び第1ルート61は、遊技球が上部に乗り、斜めに転がることで遊技球を一般領域30又は特定領域40に案内可能に構成されている。
この第2ルート60の延長方向右方には、一般領域30が、第1ルート61の延長方向右方には特定領域40が、それぞれ備えられている。
遊技球が第2ルート60上を転がり、第2ルート60の最右側(傾斜下端側)に到達すると、その遊技球は一般領域30に入賞し、一般領域センサ12Aによって検出される。また、遊技球が第1ルート61上を転がり、第1ルート61の最右側(傾斜下端側)に到達すると、特定領域40に入賞し、特定領域センサ11Aによって検出される。
また、第1の実施の形態と同様に、第2ルート60の上部空間にはキャラクタ50が備えられている。そのため、第2ルート60上を転がる遊技球のうちの一部はキャラクタが手に持った銃に触れ、第1ルート61に落下する。
以上のように構成された第2の実施の形態の遊技動作は、第1の実施の形態と同様である。
すなわち、何れかの始動口に遊技球が入賞すると、大入賞口10が開状態となり、遊技球が特定領域40に通過することで、特別遊技状態となる。特別遊技状態では、大入賞口10が開状態となり、大入賞口10の開放タイマによって所定の時間(例えば30秒)が経過した場合、又は、大入賞口10に導入された遊技球が所定の数(例えば8個)となった場合、を1ラウンドとして、1ラウンドが経過すると、一旦大入賞口10を閉状態とする。そして所定の時間のウエイト時間が経過した後、再び大入賞口10を開状態として、次のラウンドを開始する。そして、このラウンドを、ウエイトタイムを挟んで所定回数(例えば16回)間欠的に実行すると、大入賞口10を閉状態とし、特別遊技状態を終了する。
なお、第2の実施の形態では、第2ルート60の延長方向に一般領域を、第1ルート61の延長方向に特定領域を設けたが、これを逆にしてもよい。また、遊技の状態(例えば何れの始動口に入賞したかによって振り分ける)によって、何れかが一般領域となりもう一方が特定領域となるように設定してもよい。例えば、補助遊技によって、第2ルート60の延長方向に特定領域を、第1ルート61の延長方向を一般領域とし、特別遊技では、第2ルート60の延長方向に一般領域を、第1ルート61の延長方向に特定領域を設定するようにしてよい。このように一般領域と特定領域とが切り替わる場合は、特別遊技における、特定領域への遊技球の通過をラウンドの更新条件とするとより興趣が増す。すなわち、ラウンドの継続条件となる特定領域の位置(特定領域への入賞のし易さ)へ期待感が高まるからである。
以上のように、本発明の第2の実施の形態の遊技機では、遊技機の盤面に斜めに設けられた大入賞口10を備えたセンターケース5を配設したので、第1の実施の形態と同様に、開状態の大入賞口10上(可動片上)を当該可動片の幅方向に、傾斜を利用した流下案内面を形成することができ、この流下案内面(開状態の可動片の上面)の延長方向を、遊技球流路(第1のルート)として活用することができる。その結果、凹室の内部に新たな遊技球流路(第1のルート)を形成可能となり、凹室内に新たな遊技球の流下パターンを増やすことができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技領域を流下する遊技球を、可動片の奥行き方向奥手側に誘導するか、或いは、可動片の幅方向(流下案内面)に誘導するかを大入賞口10の上部に植設された遊技釘7を設定(調整)することで、第1のルート及び第2のルートの遊技球の振り分けを設定することができる。その結果、特定領域への入賞率の調整精度を向上させることができる。換言すると、遊技店における釘調整によって特定領域への入賞率をある程度所望の調整が可能となる。
また、遊技の状態によって一般領域と特定領域と異なり、遊技者の興趣をより高めることができる。
また、第1のルート及び第2のルートの何れか一方及び他方に形成される特定領域及び一般領域の賞球数を異ならせるように構成すると、遊技者は、第1のルートと第2のルートとで賞球数が異なるため、期待感が高まるので、更に遊技の興趣が高まる。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。