JP6456109B2 - バーシカン産生促進剤、及びゴールデンシルク抽出物の製造方法 - Google Patents
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Description
また、ゴールデンシルクの抽出物の抽出方法についても更に研究をすすめ、特定の方法により抽出したゴールデンシルクが、より高いバーシカン産生促進効果を奏することを見出した。
また、本発明の第二の態様は、ゴールデンシルクを酸性アルコール溶媒又はアルコールと水との酸性混合溶媒により60℃以上で抽出する抽出ステップ、を含むゴールデンシルク抽出物の製造方法である。
また、本発明の第二の態様により、バーシカン産生促進作用が高められたゴールデンシルク抽出物が提供される。本製造方法で製造されるゴールデンシルク抽出物は、高い抗老化作用が確認されているTGF−βを凌駕する、高いバーシカン産生促進作用を呈する。そのため、抗老化化粧料の有効成分として好ましく用いられる。
本実施態様に用いるゴールデンシルク抽出物の製造方法例のうち、好ましい抽出液の製造方法の態様を以下に示す。
<抽出ステップ>
本実施態様に係る製造方法は、ゴールデンシルクを60℃以上の溶媒で抽出する抽出ステップを含む。本ステップを含むことで、バーシカン産生能が高いゴールデンシルク抽出液を得ることができる。前記溶媒としては、酸性アルコール溶媒又はアルコールと水との酸性混合溶媒が好ましい。
アルコール溶媒としては、低級アルコールが好ましく、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。このうち、メタノール、エタノールが好ましく、エタノールが抽出効率の観点からより好ましい。また、アルコールと水との混合溶媒においては、通常アルコールが40%v/v以上含まれることが好ましく、50%v/v以上含まれることが抽出効率の観点から特に好ましい。また、上限は特段限定されず、通常99.9%v/v以下である。
なお、アルカリ性溶媒でもゴールデンシルクを加水分解させることはできるが、アルカリ性溶媒で抽出したゴールデンシルク抽出物は、黄褐色の着色が強く、皮膚外用剤等の組成物に配合する際に好ましくない。酸性溶媒で抽出したゴールデンシルク抽出物は着色が少ないため、本実施態様では酸性溶媒を用いる。
抽出溶媒を酸性とするためには、例えば硫酸、塩酸、硝酸などの酸を溶媒中に適量添加することができる。これらのうち、抽出物の着色をより少なくできることから、塩酸が特に好ましい。
加温は、60℃以上であり、80℃以上であることが好ましい。一方上限は特段限定されず、圧力を過度に変動させることのない、安全性を確保できる範囲で行えばよい。
<中和ステップ>
酸性溶媒を用いた場合、抽出された抽出液は、ゴールデンシルクの加水分解のために酸性となっていることから、アルカリにより中和するステップを有することが好ましい。
中和は、NaOHやKOHなどのアルカリを加えることによりできる。
その他、適宜澱を析出させて純度を上げたり、濾過ステップを設けて不純物などを除去することもできる。
皮膚外用剤としては、化粧料、医薬部外品等として適用される。
本実施態様における、皮膚外用剤中のゴールデンシルク抽出物濃度は、通常、0.00001質量%以上、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上であり、通常30質量%以下、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である。上記範囲とすることで、好適に抗老化作用を有する皮膚外用剤とすることができる。
このうち、化粧料、特に抗老化化粧料として用いることが好ましい。
化粧料に適用される場合、通常化粧料に使用される成分を広く配合することが可能であり、また、その剤形や用途についても、何ら限定されない。以下、化粧料に適用される場合、化粧料中に含有させることができる成分について説明する。
。
化粧料における美白成分の含有量は、通常0.01〜30質量%であり、0.1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
化粧料中における動植物由来抽出物の含有量は、通常0.01〜30質量%であり、0.1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
グリチルレチン酸アルキル及びその塩、並びに、グリチルレチン酸及びその塩である。
化粧料中における抗炎症成分の含有量は、通常0.01〜30質量%であり、0.1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
極性油としては、合成エステル油として、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパンを挙げることができる。
ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、
ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等) 、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコ
ール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪
酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等) 、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、等が挙げられる。
<実施例1>
ゴールデンシルク(Golden Silk No.11 タイ王国ランプン県トンフォアチャン地方産)10gを、95%エタノール1容量に水1容量を加えた希エタノール溶液400mlと濃塩酸1mlとの混合溶媒(pH1.83)に浸漬させ、80℃で7時間抽出を行った。
抽出後、ろ過したろ液を、1NのNaOHで中和した。その後、中和した抽出液を5℃で静置し澱を析出させた。澱が析出した抽出液をろ過し、ゴールデンシルク抽出液1を得た。
抽出溶媒を、99.5%エタノール溶液400mlと濃塩酸1mlとの混合溶媒とした以外は実施例1と同様にして、ゴールデンシルク抽出液2を得た。
抽出溶媒を水400mlと6M水酸化ナトリウム溶液1mlとの混合溶媒で抽出後、1Mの塩酸により中和した以外は実施例1と同様にして、ゴールデンシルク抽出液3を得た。
<比較例2>
日本産の白い絹繊維10gを、水400mlと濃塩酸1mlとの混合溶媒(pH1.83)に浸漬させ、120℃で1時間抽出を行った以外は実施例1と同様にして、シルク抽出液4を得た。
抽出溶媒を95%エタノール1容量に水1容量を加えた希エタノール溶液400mlと濃塩酸1mlとの混合溶媒とし、抽出温度を40℃とした以外は実施例1と同様にして、ゴールデンシルク抽出液5を得た。
抽出温度を室温とし、抽出時間を6日間とした以外は、比較例3と同様にして、ゴールデンシルク抽出液6を得た。
正常ヒト線繊維芽細胞5000 cells/wellに上記各抽出液を蒸発残分として1質量%の濃度となるように添加して、37℃、5%CO2条件下で48時間培養した。培養後、mRNAを回収して、RT−PCRでバーシカンのmRNA発現量を測定した。なお、発現量は、内部標準物質を基準に算出した。また、対照として、抽出液の代わりに50%エタノールを添加した対照(コントロール)、及び陽性対照として抗老化作用を有するTGF−βを2ng添加した場合について、同様にmRNA発現量を測定した。結果を図1及び図2に示す。
また、図2に示すように、40℃で抽出した抽出液5又は室温で抽出した抽出液6を線維芽細胞に添加した場合は、コントロールよりも小さいバーシカンのmRNA発現量であった。すなわち、60℃よりも高い温度で抽出した抽出液にこそ、高いバーシカン産生促
進作用が認められることがわかる。
以上より、ゴールデンシルクの抽出液には、バーシカン産生促進作用があり、また、特定のステップにより抽出することで、高いバーシカン産生促進作用を有するゴールデンシルクの抽出液を製造することができる。
Claims (2)
- ゴールデンシルクを60℃以上の、かつpH2以下の、酸性アルコール溶媒又はアルコールと水との酸性混合溶媒で抽出するステップ、を含む製造方法により製造されるゴールデンシルク抽出物からなる、バーシカン産生促進剤。
- 前記酸性アルコール溶媒又は酸性混合溶媒が塩酸を含有する、請求項1に記載のバーシカン産生促進剤。
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