JP6454657B2 - リップ状シール部材及び該リップ状シール部材を用いた車両用液圧マスタシリンダ - Google Patents

リップ状シール部材及び該リップ状シール部材を用いた車両用液圧マスタシリンダ Download PDF

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本発明は、リップ状シール部材及び該リップ状シール部材を用いた車両用液圧マスタシリンダに関する。
リップ状シール部材は、無端状に突出形成されたリップ部を有する、一般にゴムを主成分とするゴム組成物によって成形されている。例えば、自動車などの車両のブレーキやクラッチを液圧で作動する車両用液圧マスタシリンダには、ピストンとシリンダ孔の内周壁との間にリップ状シール部材としてカップシールが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
車両用液圧マスタシリンダはシリンダ孔の底部とピストンとの間に画成された液圧室を有し、ピストンはピストンのフランジ部に装着されたカップシールによってシリンダ孔内周面に対し液密に摺動する。このピストンが液圧室側へ前進すると、カップシールのリップ部は、液圧室内に発生した液圧によって開く方向に力を受け、シリンダ孔内周面に押し付けられながら摺動する。また、車両用液圧マスタシリンダはピストンの小径軸部外周に画成された補給油室を有し、ピストンが液圧室と反対方向へ戻る(後退)際に、カップシールのリップ部が変形して、補給油室内の作動液を液圧室へ補給する。
したがって、車両用液圧マスタシリンダのカップシールは、シリンダ孔の内周壁とピストンとを液密的に移動可能な状態で密接させることができ、かつピストンの後退時にはリップ部が変形可能な柔軟性が必要とされる。特に、カップシールは、高温時における柔軟性が要求される。
また、シリンダ孔の内周壁には貯油室との連通路の開口部が形成されており、ピストンの進退時にカップシールが開口部を通過する。カップシールは、この開口部に食い込み、いわゆるクワレに起因する傷等が発生すると、シール不良となる。そのため、カップシールは、クワレを発生させないために強さが必要とされていた。
さらに、リップ状シール部材としては、例えば自動車のアンチロックブレーキシステム(ABS)のプランジャポンプにおいて、プランジャの溝に装着され、ポンプハウジング内の油圧路内周面に摺動自在に接触する断面X字状のXシールがある(例えば、特許文献2参照)。
また、近年、天然セルロース繊維をナノサイズに解繊したセルロースナノファイバーが注目されている。天然セルロース繊維は、木材などのパルプを原料とするバイオマスであって、これを有効利用することによって、環境負荷低減が期待される。
そこで、酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方を用いたゴム組成物の製造方法が提案されている(特許文献3参照)。
特開2003−95082号公報 特開2004−308837号公報 特開2015−98576号公報
本発明の目的は、環境負荷を低減しかつ柔軟性と強さを備えたリップ状シール部材及び該リップ状シール部材を用いた車両用液圧マスタシリンダを提供することにある。
[適用例1]
本適用例に係るリップ状シール部材は、
ベース部と、該ベース部から無端状に突出形成されたリップ部と、を有し、
前記リップ部を被シール面に対して液密にかつ摺動可能に押圧するリップ状シール部材であって、
前記リップ状シール部材は、ゴム100質量部に対し、酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方を0.1質量部〜60質量部と、カーボンブラックと、含むゴム組成物からなり、
酸化セルロース繊維は、繊維径の平均値が10μm〜30μmであり、
セルロースナノファイバーは、繊維径の平均値が1nm〜200nmであることを特徴とする。
本適用例に係るリップ状シール部材によれば、環境負荷を低減しかつ柔軟性と強さを備えることができる。
[適用例2]
本適用例に係るリップ状シール部材において、
前記ゴム組成物は、JIS K6251に準拠した引張試験における引張強さが15MPa以上であることができる。
[適用例3]
本適用例に係るリップ状シール部材において、
前記ゴム組成物は、JIS K6394に準拠した周波数1Hzの動的粘弾性試験における30℃及び150℃の貯蔵弾性率がいずれも15MPa以上であることができる。
[適用例4]
本適用例に係るリップ状シール部材において、
前記リップ状シール部材は、カップシールまたはXシールであることができる。
[適用例5]
本適用例に係る車両用液圧マスタシリンダは、
前記リップ状シール部材からなるカップシールを装着されたピストンと、
前記ピストンが挿入されるシリンダ孔を有するシリンダボディと、
前記ピストンと前記シリンダ孔の底部との間に画成された液圧室と、
前記ピストンが前記底部に対して後退した際に、前記液圧室と貯液室とを連通する連通路と、を含み、
前記連通路は、前記シリンダ孔の内周壁に開口部を有し、
前記リップ状シール部材は、前記ピストンの移動によって、前記連通路の開口部を通過して前記シリンダ孔の内周壁に対し摺動することを特徴とする。
本適用例に係る車両用液圧マスタシリンダによれば、補給油路の開口部におけるクワレを抑える所望の強さのリップ状シール部材を有することができる。
一実施形態に係るカップシールを含む液圧マスタシリンダを模式的に示す断面図である。 一実施形態に係るカップシールの拡大断面図である。 一実施形態にかかるXシールを含むプランジャポンプを模式的に示す断面図である。 一実施形態に係るゴム組成物の製造方法における分散工程を模式的に示す図である。 一実施形態に係るゴム組成物の製造方法における分散工程を模式的に示す図である。 一実施形態に係るゴム組成物の製造方法における分散工程を模式的に示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
本実施形態に係るリップ状シール部材は、ベース部と、該ベース部から無端状に突出形成されたリップ部と、を有し、前記リップ部を被シール面に対して液密にかつ摺動可能に押圧するリップ状シール部材であって、前記リップ状シール部材は、ゴム100質量部に対し、酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方を0.1質量部〜60質量部と、カーボンブラックと、含むゴム組成物からなり、酸化セルロース繊維は、繊維径の平均値が10μm〜30μmであり、セルロースナノファイバーは、繊維径の平均値が1nm〜200nmであることを特徴とする。
また、本実施形態に係る車両用液圧マスタシリンダは、前記リップ状シール部材からなるカップシールを装着されたピストンと、前記ピストンが挿入されるシリンダ孔を有するシリンダボディと、前記ピストンと前記シリンダ孔の底部との間に画成された液圧室と、前記ピストンが前記底部に対して後退した際に、前記液圧室と貯液室とを連通する連通路と、を含み、前記連通路は、前記シリンダ孔の内周壁に開口部を有し、前記リップ状シール部材は、前記ピストンの移動によって、前記連通路の開口部を通過して前記シリンダ孔の内周壁に対し摺動することを特徴とする。
図1は、本発明の一実施形態にかかるリップ状シール部材としてのカップシール82a,82b,92a,92bを含む車両用の液圧マスタシリンダ73を模式的に示す断面図である。図2は、液圧マスタシリンダ73のカップシール82aの部分拡大断面図である。図3は、本発明の一実施形態にかかるリップ状シール部材としてのXシール10を含むプランジャポンプ1を模式的に示す断面図である。
1.液圧マスタシリンダ
本実施形態にかかる液圧マスタシリンダ73は、例えば四輪車両用のブレーキ装置であり、液圧式ブレーキ装置71の一部を構成する。この液圧式ブレーキ装置71は、液圧マスタシリンダ73および液圧式ブレーキ(図示せず)を含む。図1においては、液圧式ブレーキ装置71のうち液圧マスタシリンダ73の部分のみが示されている。液圧マスタシリンダ73には、負圧ブースタや電動ブースタ(図示せず)を介してブレーキペダル(図示せず)が取り付けられている。また、液圧マスタシリンダ73と液圧式ブレーキとは、液圧配管75(矢印を用いて省略して示す)によって連結されている。
図1に示すように、この液圧式ブレーキ装置71においては、図示せぬブレーキペダルの踏み込みによるブレーキ操作によって、液圧マスタシリンダ73内で発生した液圧を、液圧配管75を介して液圧式ブレーキ(図示せず)に供給することにより、車輪の制動を行なう。
液圧マスタシリンダ73は、シリンダボディ76の内部が、隔壁76aによってシリンダ孔77と作動液のリザーバ78とに仕切られている。カップシール82a,82b,92a,92bを装着されたピストン81,91は、このシリンダ孔77の内周壁に対し摺動して移動可能である。本実施形態において、ピストン81,91に装着された環状のカップシール82a,82b,92a,92bが、リップ状シール部材である。ピストン81とシリンダ孔77の底部76bとの間に画成された液圧室83と、シリンダ孔77およびピストン81,91とによって画成された液圧室93と、を含み、各々の液圧室83,93から液圧式ブレーキに液圧が供給される。
各液圧室83,93は、液圧マスタシリンダ73が作動していない状態(図1参照)において、それぞれ連通路としてのリリーフポート79,89を介して、リザーバ78と連絡している。すなわち、リリーフポート79は、開口部79aを含み、液圧マスタシリンダ73が作動していない状態において、開口部79aを介してリザーバ78とシリンダ孔77とを連絡している。また、リリーフポート89は、開口部89aを含み、液圧マスタシリンダ73が作動していない状態において、開口部89aを介してリザーバ78とシリンダ孔77とを連絡している。開口部79a,89aは、シリンダ孔77の内周壁に設置されている。
リザーバ78によって貯留される作動液は、リリーフポート79,89およびサプライポート80,90を通してシリンダ孔77に直接供給される。
ピストン81,91の外周部には、それぞれ無端状のカップシール82a,82bおよびカップシール92a,92bが装着されている。すなわち、カップシール82aはピストン81のうち液圧室83に面している側に設けられ、カップシール82bはピストン81を挟んでカップシール82aと反対側に設けられている。また、カップシール92aはピストン91のうち液圧室93に面している側に設けられ、カップシール92bはピストン91を挟んでカップシール92aと反対側に設けられている。
図2に示すように、カップシール82a(カップシール82b,92a,92bも同様の構成であるので説明は省略する)は、ピストン81に装着固定される環状のベース部821と、ベース部821から突出し、シリンダ孔77の内周壁に向かってテーパ状に拡径するリップ部822と、を有している。したがって、カップシール82aの縦断面は、略U字状であり、リップ部822が被シール面であるシリンダ孔77の内周壁に液密かつ摺動可能に押圧されている。
本実施形態にかかる液圧マスタシリンダ73においては、ブレーキペタルの踏み込みによって、ブレーキ操作が行なわれると、プッシュロッド99によって各ピストン81,91はともに底部76bの方向(図1中左方)に移動することにより、シリンダ孔77の内周壁に摺接するカップシール82a,92aのリップ部822がそれぞれ、リリーフポート79,89の開口部79a,89aを通過する。これにより、開口部79a,89aを介した液圧室83,93とリザーバ78との間の作動液の連絡が遮断される。そして、各ピストン81,91がさらに移動することにより、各液圧室83,93にて液圧が発生する。ここで発生した液圧は、液圧配管75を介して液圧式ブレーキに供給される。このようにピストン81,91が液圧室83,93側へ前進する間、カップシール82a,92aのリップ部822は、液圧室83,93内に発生した液圧によってリップ部822が開
く方向に力を受け、シリンダ孔77内周壁に押し付けられながら摺動する。
また、各液圧室83,93にはそれぞれ、ばね88,98が設けられている。ブレーキペダルの踏み込み動作を解除または弱めた場合、これらのばね88,98の勢いによって、ピストン81,91は、図2に示す設置位置に戻るべく移動する。そして、このピストン81,91の戻り動作に伴い、液圧室83,93内の液圧が、一時的にリザーバ78内の作動液の圧力よりも低くなる。これにより、カップシール82a,92aのリップ部822がシリンダ孔77の内周壁から離れるように変形し、開口部79a,89aを介してリザーバ78と常時連絡しているサプライポート80,90から液圧室83,93へと作動液が補給される。
したがって、本実施形態にかかるカップシール82a,82b,92a,92bのリップ部822は、ピストン81,91の動作に迅速に応答して、シリンダ孔77内周壁に対して密着(シール)・離間する柔軟性を有している。また、本実施形態にかかるカップシール82a,92aのリップ部は、シリンダ孔77内周壁を摺動し、開口部79a,89aを通過する際のいわゆるクワレなどによる損傷を受けにくい強さも有している。
また、本実施形態にかかる液圧マスタシリンダ73を、ABS装置(図示せず)を備えたブレーキシステムに適用することができる。この場合、本実施形態の液圧マスタシリンダ73は、車輪のロックを防止するためにABS装置が作動したときには、作動液はABS装置に含まれるポンプによってホイールシリンダから圧力を弛めて排出され、加圧された後、液圧室83,93を介してリザーバ78に戻される。
2.プランジャポンプ
本実施形態にかかるプランジャポンプ1は、アルミニウム製のポンプハウジング2内に形成された円筒状のカム室3と、カム室3と連通して延びる円筒状のシリンダ孔9と、を含む。カム室3には図示せぬ電動モータの出力軸4が突出し、出力軸4に取り付けられた偏心カム軸41と、その偏心カム軸41の外周にボールベアリングを有するカム42が配置されている。シリンダ孔9は、一方をカム室3に開口し、他方を蓋状の出力室体7によって閉鎖され、プランジャ5が摺動可能に配置されている。そして、プランジャ5に配置された吸入弁20と、ポンプ室体6に配置された吐出弁22とによってポンプ室44が形成される。
プランジャポンプ1は、図示せぬ電動モータを回転させることで、カム42を偏心状態で回転させ、カム42に接触するプランジャ5を回転軸4に対して進退させることで流体の吐出を行う。プランジャ5の後退移動によって、入口室43から導入した作動液を、吸入弁20からポンプ室44へと導き、さらにプランジャ5の前進移動によって、作動液を吐出弁22から出口室46を通って吐出ポート45へと吐出させる。
プランジャ5は、シリンダ孔9に案内されて進退駆動する際、シリンダ孔9の内壁面とプランジャ5の外壁面との間で液密状態を維持させるため、プランジャ5の外周溝に無端状のシール部材10、12を装着している。シール部材10の断面形状は、図3の部分拡大図に示されている。シール部材10は、ベース部821から四方に突出形成されたリップ部822が環状に形成された無端状であり、断面がX字状であることからXシール10と呼ばれる。Xシール10は、シリンダ孔9の内壁面に狭圧されてリップ部822が変形し、シリンダ孔9の内壁面との密着状態を維持し、液密にシールすることができる。シリンダ孔9内をプランジャ5が進退駆動すると、リップ部822は、シリンダ孔9の内壁面に対して摺動する。
したがって、本実施形態にかかるXシール10のリップ部822は、プランジャ5の高
速往復動作の間、シリンダ孔9の内壁面に対して摺動し、シールする柔軟性と耐久性を有している。
3.リップ状シール部材
本実施形態にかかるリップ状シール部材は、上述した例えばカップシール82a,82b,92a,92b、Xシール10であることができ、以下に説明するゴム組成物からなる。
ゴム組成物は、解繊された酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方が分散したゴム組成物である。ゴム組成物は、さらもカーボンブラックを含んでもよい。
ゴム組成物は、JIS K6251に準拠した引張試験における引張強さが15MPa以上であることができる。また、ゴム組成物は、同試験における引張強さが15MPa以上30MPa以下であることができ、さらに15MPa以上20MPa以下であることができる。このようなゴム組成物を用いることで、高い引張強さを有するリップ状シール部材を得ることができる。また、ゴム組成物は、同試験における50%変形時の応力(σ50)が7MPa以上であり、後述する30℃の貯蔵弾性率も優れているため、耐クワレ性に優れることが予想できる。
ゴム組成物は、JIS K6394に準拠した周波数1Hzの動的粘弾性試験における30℃及び150℃の貯蔵弾性率がいずれも15MPa以上であることができる。また、ゴム組成物は、同試験における30℃及び150℃の貯蔵弾性率がいずれも15MPa以上70MPa以下であることができ、さらに18MPa以上60MPa以下であることができる。このようなゴム組成物を用いることで、常温時も高温時も高い貯蔵弾性率を有する耐熱性に優れたリップ状シール部材を得ることができる。
ゴム組成物は、疲労試験(実施例において後述する)において、試験片が破断するまでの回数が多い。すなわち、ゴム組成物は、疲労寿命に優れており、疲労耐久性に優れたリップ状シール部材を得ることができる。
また、ゴム組成物は、ゴムに解繊された酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方が分散し、直径が0.1mm以上の酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方を含む直径が0.1mm以上の凝集体を有しないことが好ましい。酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方を含む凝集体は、これらの繊維が寄り集った状態の塊であり、酸化セルロース繊維の凝集体、セルロースナノファイバーの凝集体、及び酸化セルロース繊維とセルロースナノファイバーからなる凝集体を含むものである。
本実施形態におけるゴム組成物によれば、凝集体を有しておらず、酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方が解繊した状態で分散することで補強され、剛性、強度、及び耐疲労性に優れる。しかし、ゴム組成物中にセルロースナノファイバーの凝集体が存在していないことを証明することは困難である。ゴム組成物にセルロースナノファイバーだけが含まれている場合には、光学顕微鏡による観察で凝集体を確認することができる(特許文献3参照)。本実施形態でも同様の分散工程を用いるため、ゴム組成物にはセルロースナノファイバーの0.1mm以上の凝集体が存在していない。
ゴム組成物は、ゴム100質量部に対して、酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方を0.1質量部〜60質量部と、カーボンブラックと、含むことができる。ここで、「質量部」は、特に指定しない限り「phr」を示し、「phr」
は、parts per hundred of resin or rubberの省略形であって、ゴム等に対する添加剤等の外掛百分率を表すものである。
カップシール32a,32bを構成するゴムとしては、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、エチレン・プロピレンゴム(EPR、EPDM)が例示できるが、ブチルゴム(IIR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム、フッ素ゴム、および、これらのブレンド物を用いることができる。
酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーについては、後述する。
4.ゴム組成物の製造方法
リップ状シール部材に用いるゴム組成物の製造方法は、酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方を含む水溶液と、ゴムラテックスと、を混合して第1の混合物を得る混合工程と、前記第1の混合物を乾燥して第2の混合物を得る乾燥工程と、前記第2の混合物をオープンロールによって薄通ししてゴム組成物を得る分散工程と、を含むことを特徴とする。
4−1.原料
まず、混合工程に用いる原料について説明する。
4−1−1.水溶液
水溶液は、酸化セルロース繊維を含む水溶液と、セルロースナノファイバーを含む水溶液と、酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーを含む水溶液がある。
酸化セルロース繊維を含む水溶液は、例えば天然セルロース繊維を酸化して酸化セルロース繊維を得る酸化工程により製造することができる。
セルロースナノファイバーを含む水溶液は、例えば天然セルロース繊維を酸化して酸化セルロース繊維を得る酸化工程と、酸化セルロース繊維を微細化処理する微細化工程と、を含む製造方法によって得ることができる。
酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーを含む水溶液は、酸化セルロース繊維を含む水溶液と、セルロースナノファイバーを含む水溶液と、を混合することで得ることができる。
ここで、天然セルロース繊維としては、例えば、木材パルプ、綿系パルプ、バクテリアセルロース等が含まれる。より詳細には、木材パルプとしては、例えば針葉樹系パルプ、広葉樹系パルプ等を挙げることができ、綿系パルプとしては、コットンリンター、コットンリントなどを挙げることができ、非木材系パルプとしては、麦わらパルプ、バガスパルプ等を挙げることができる。天然セルロース繊維は、これらの少なくとも1種以上を用いることができる。
天然セルロース繊維は、セルロースミクロフィブリル束とその間を埋めているリグニン及びヘミセルロースから構成された構造を有する。すなわち、セルロースミクロフィブリル及び/又はセルロースミクロフィブリル束の周囲をヘミセルロースが覆い、さらにこれをリグニンが覆った構造を有していると推測される。リグニンによってセルロースミクロフィブリル及び/又はセルロースミクロフィブリル束間は、強固に接着しており、植物繊維を形成している。そのため、植物繊維中のリグニンはあらかじめ除去されていることが、植物繊維中のセルロース繊維の凝集を防ぐことができるという点で好ましい。具体的には、植物繊維含有材料中のリグニン含有量は、通常40質量%程度以下、好ましくは10
質量%程度以下である。また、リグニンの除去率の下限は、特に限定されるものではなく、0質量%に近いほど好ましい。なお、リグニン含有量の測定は、Klason法により測定することができる。
セルロースミクロフィブリルとしては、幅4nm程のセルロースミクロフィブリルが最小単位として存在し、これをシングルセルロースナノファイバーと呼ぶことができる。本発明において、「セルロースナノファイバー」とは、天然セルロース繊維及び/又は酸化セルロース繊維をナノサイズレベルまで解きほぐしたものであり、特に繊維径の平均値が1nm〜200nmであることができ、さらに1nm〜150nmであることができ、特に1nm〜100nmのセルロースミクロフィブリル及び/又はセルロースミクロフィブリル束であることができる。すなわち、セルロースナノファイバーは、シングルセルロースナノファイバー単体、またはシングルセルロースナノファイバーが複数本集まった束を含むことができる。
セルロースナノファイバーのアスペクト比(繊維長/繊維径)は、平均値で、10〜1000であることができ、さらに10〜500であることができ、特に100〜350であることができる。
なお、セルロースナノファイバーの繊維径及び繊維長の平均値は、電子顕微鏡の視野内のセルロースナノファイバーの少なくとも50本以上について測定した算術平均値である。
まず、酸化工程は、原料となる天然セルロース繊維に対して水を加え、ミキサー等で処理して、水中に天然セルロース繊維を分散させたスラリーを調製する。
次に、水中においてN−オキシル化合物を酸化触媒として天然セルロース繊維を酸化処理して酸化セルロース繊維を得る。セルロースの酸化触媒として使用可能なN−オキシル化合物としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシル(以下、TEMPOとも表記する)、4−アセトアミド−TEMPO、4−カルボキシ−TEMPO、4−フォスフォノオキシ−TEMPO等を用いることができる。
酸化工程後、例えば水洗とろ過を繰り返す精製工程を実施し、未反応の酸化剤や各種副生成物等の、スラリー中に含まれる酸化セルロース繊維以外の不純物を除去することができる。酸化セルロース繊維を含む溶媒は、例えば水に含浸させた状態であり、この段階では酸化セルロース繊維はセルロースナノファイバーの単位まで解繊されていない。溶媒は、水を用いることができるが、例えば、水以外にも目的に応じて水に可溶な有機溶媒(アルコール類、エーテル類、ケトン類等)を使用することができる。
酸化セルロース繊維は、セルロースナノファイバーの水酸基の一部がカルボキシル基を有する置換基で変性され、カルボキシル基を有する。
酸化セルロース繊維は、繊維径の平均値が10μm〜30μmであることができる。なお、酸化セルロース繊維の繊維径の平均値は、電子顕微鏡の視野内の酸化セルロース繊維の少なくとも50本以上について測定した算術平均値である。
酸化セルロース繊維は、セルロースミクロフィブリルの束であることができる。酸化セルロース繊維は、後述する混合工程および乾燥工程において、セルロースナノファイバーの単位まで解繊されることを要しない。酸化セルロース繊維は微細化工程においてセルロースナノファイバーに解繊することができる。
微細化工程は、酸化セルロース繊維を水等の溶媒中で撹拌処理することができ、セルロースナノファイバーを得ることができる。
微細化工程において、分散媒としての溶媒を水とすることができる。また、水以外の溶媒として、水に可溶な有機溶媒、例えば、アルコール類、エーテル類、ケトン類等を単独でまたは組み合わせて使用することができる。
微細化工程における撹拌処理は、例えば、離解機、叩解機、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、カッターミル、ボールミル、ジェットミル、短軸押出機、2軸押出機、超音波攪拌機、家庭用ジューサーミキサー等を用いることができる。
また、微細化処理における酸化セルロース繊維を含む溶媒の固形分濃度は、例えば50質量%以下とすることができる。この固形分濃度が50質量%を超えると、分散に高いエネルギーを必要とすることになる。
微細化工程によってセルロースナノファイバーを含む水溶液を得ることができる。セルロースナノファイバーを含む水溶液は、無色透明又は半透明な懸濁液であることができる。懸濁液には、表面酸化されると共に解繊されて微細化した繊維であるセルロースナノファイバーが水中に分散されている。すなわち、この水溶液においては、ミクロフィブリル間の強い凝集力(表面間の水素結合)を、酸化工程によるカルボキシル基の導入によって弱め、更に微細化工程を経ることで、セルロースナノファイバーが得られる。そして、酸化工程の条件を調整することにより、カルボキシル基含有量、極性、平均繊維径、平均繊維長、平均アスペクト比等を制御することができる。
このようにして得られた水溶液は、セルロースナノファイバーを0.1質量%〜10質量%含むことができる。また、例えば、セルロースナノファイバーの固形分1質量%に希釈した水溶液であることができる。さらに、水溶液は、光透過率が40%以上であることができ、さらに光透過率が60%以上であることができ、特に80%以上であることができる。水溶液の透過率は、紫外可視分光光度計を用いて、波長660nmでの透過率として測定することができる。
4−1−2.ゴムラテックス
ゴムラテックスは、天然ゴムラテックス溶液および合成ゴムラテックス溶液を使用することができる。
天然ゴムラテックス溶液は、植物の代謝作用による天然の生産物であり、特に分散溶媒が水である、天然ゴム/水系のものを用いることができる。合成ゴムラテックス溶液としては、例えばスチレン・ブタジエン系ゴム、ブタジエンゴム、メチルメタクリレート−ブタジエン系ゴム、2−ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン系ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどを乳化重合により製造したものを用いることができる。
ゴムラテックスは、分散溶媒中に多数のゴムの微粒子が分散している。
4−1−3.カーボンブラック
カーボンブラックは、種々の原材料を用いた種々のグレードのカーボンブラックを用いることができる。カーボンブラックは、10nm〜500nmであることができ、さらに平均粒径が100nm以上300nm以下であることができる。カーボンブラックの平均粒径は、走査型電子顕微鏡の撮像によって観察して基本構成粒子の粒子直径を2000個以上測定して算術平均して求めることができる。
このようなカーボンブラックとしては、例えば、SAF,ISAF,HAF,SRF,T,GPF,FT,MTなどの補強用カーボンブラックなどを用いることができる。比較的大きな粒径を有するカーボンブラックを用いることにより、ゴム組成物の柔軟性を維持しつつ、カーボンブラックの間にできた隙間にあるゴム成分を分散した酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーによって補強することができる。カーボンブラックは、MTグレードのカーボンブラックを用いることができる。
4−1−4.ゴム
ゴムとしては、上述したゴムラテックス以外の固形のゴムであって、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン・プロピレンゴム(EPR,EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロブチルゴム(CIIR)、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、ブタジエンゴム(BR)、エポキシ化ブタジエンゴム(EBR)、エピクロルヒドリンゴム(CO,CEO)、ウレタンゴム(U)、ポリスルフィドゴム(T)などのゴム類およびこれらの混合物を用いることができる。特に、ブレーキ液と接触するリップ状シール部材例えばカップシールやXリングには、ゴムとしてエチレン・プロピレンゴムやスチレン・ブタジエンゴムが好ましい。例えばエチレン・プロピレンゴム(EPDM)のように極性の低いゴムは、混練の温度を比較的高温(例えばEPDMの場合、50〜150℃)とすることで、フリーラジカルを生成するので酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーを分散させることができる。エチレン・ピロピレンゴムとしては、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン・共重合体)、EPM(エチレン・プロピレン共重合体)等を用いることができるが、EPDMが好ましい。なお、ゴムは、通常架橋して使用されるゴムであり、熱可塑性エラストマーを含まない。
ゴムラテックス以外に固形のゴムを配合するのは、リップ状シール部材のゴム成分の全体をゴムラテックスから製造するのは水分が多すぎるため加工上現実的ではないからである。固形のゴム成分としては、ゴムラテックスに用いたゴムと同じ種類のものでもよいが、ゴムラテックスのゴム成分と相溶性のよいゴムであってもよい。
エチレン・プロピレンゴムは、プロピレン含有量が35〜60質量%が好ましく、さらに好ましくは37〜55質量%である。プロピレン含有量が35質量%以上であればゴム組成物が剛直になり過ぎず、柔軟性を有する。また、プロピレン含有量が60質量%以下であれば、シール部材として適度な柔軟性を有する。
4−2.各製造工程
図4〜図6は、一実施形態に係るゴム組成物の製造方法を模式的に示す図である。
4−2−1.混合工程
混合工程は、酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方を含む水溶液と、ゴムラテックスと、を混合して第1の混合物を得る。混合工程としては、例えばロール混練装置によるロール混練法や、プロペラ式撹拌装置、ホモジナイザー、ロータリー撹拌装置、及び電磁撹拌装置による撹拌操作又は手動での撹拌操作などを用いることができる。特に、混合工程は、ロール混練法を用いることができる。
ロール混練法に用いるロール混練装置は、例えばオープンロールを用いることができる。また、ロール混練法に用いるロール混練装置は、例えば二本ロール又は三本ロールを用いることができる。
水溶液とゴムラテックスの混合物は、ロール間距離を所定間隔に設定したロール混練装置に徐々に投入する。ロール間距離は、水溶液とゴムラテックスの混合物がロールに巻き付く程度であって、かつロール間から混合物が落下しない程度の距離に設定することができる。ロール混練装置に投入された混合物は、混練されることによって徐々に粘度が高くなる。混合物の粘度が高くなったら、混合物をロール混練装置から取り出し、ロール間距離をさらに狭く設定して、再びロール混練装置に投入することができる。この工程を複数回実施することができる。
混合工程を実施することによって、ロール間を通る間に、酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方がゴムの微粒子の中に入り込むことが予想できる。特に、ロール混練法を用いることによって、他の撹拌操作に比べて、繊維による補強効果をより向上することができる。
混合工程で得られる第1の混合物は、乾燥工程後の質量比で、ゴム固形成分100質量部に対して、酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方を0.1質量部〜60質量部を含むことができる。酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方が0.1質量部以上であると補強効果が得られ、60質量部以下であれば乾燥工程後の加工も可能である。
4−2−2.乾燥工程
乾燥工程は、混合工程で得られた第1の混合物を乾燥して第2の混合物を得る工程である。例えば、第1の混合物は、水分を含むので、水を除去するための一般的な方法を採用することができる。例えば、乾燥工程は、自然乾燥、オーブン乾燥、凍結乾燥、噴露乾燥、パルス燃焼などの公知の乾燥方法を採用することができる。
乾燥工程は、ゴム、酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーが熱分解しない温度で実施することができ、例えば100℃で加熱して乾燥することができる。
第2の混合物は、ゴム成分と、酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方と、を含む。第2の混合物は、例えば、ゴム100質量部に対して酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方を0.1質量部〜60質量部含むことができる。さらに、第2の混合物は、酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方を1質量部〜50質量部含むことができ、特に、5質量部〜40質量部含むことができる。第2の混合物中に酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方を0.1質量部以上含むとゴム組成物の補強効果を得ることができ、溶媒中に酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方を60質量部以下含むと容易に加工することができる。
4−2−3.分散工程
分散工程は、酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方を含む第2の混合物をオープンロールで薄通ししてゴム組成物を得ることができる。
まず、薄通しの前に、図4に示すように、第1のロール110に巻き付けられた第2の混合物130の素練りを行なうことができ、第2の混合物中のゴムの分子鎖を適度に切断してフリーラジカルを生成する。素練りによって生成されたゴムのフリーラジカルが酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方と結びつきやすい状態となる。
次に、図5に示すように、第1のロール110に巻き付けられた第2の混合物130のバンク134に、配合剤180を適宜投入し、混練して中間混合物を得る混練工程を行う
ことができる。ここで配合剤180は、カーボンブラックを含む補強剤、ゴムラテックス以外の固形のゴムを含み、さらに例えば、架橋剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、軟化剤、可塑剤、硬化剤、補強剤、充填剤、老化防止剤、着色剤、受酸剤などを含むことができる。これらの配合剤は、混合の過程の適切な時期にゴムに投入することができる。
図4及び図5の工程によって中間混合物136(図6)を得る工程については、オープンロール法に限定されず、例えば密閉式混練法あるいは多軸押出し混練法を用いることもできる。
中間混合物136(図5)は、混合工程におけるゴムラテックス中のゴム固形成分と分散工程で加えられた配合剤80中のゴム成分とを合わせたゴム100質量部に対して、酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方を0.1質量部〜60質量部を含むことができる。分散工程でゴムを追加することにより、混合工程では少量のゴムラテックスを用いるようにして乾燥工程の負担を軽減することができる。したがって、分散工程で追加されたゴム成分は、ゴムラテックス中のゴム固形成分よりも多いことが好ましく、例えば、中間混合物136におけるゴム成分中の50質量%〜99質量%とすることができる。
さらに、図6に示すように、薄通しを行うことができる。薄通しの工程は、ロール間隔が0.5mm以下のオープンロール100を用いて、0℃〜50℃で薄通しを行って未架橋のゴム組成物150を得る工程を行うことができる。この工程では、第1のロール110と第2のロール120とのロール間隔dを、例えば0.5mm以下、より好ましくは0mm〜0.5mmの間隔に設定し、図5で得られた中間混合物136をオープンロール100に投入して薄通しを1回〜複数回行なうことができる。薄通しの回数は、例えば1回〜10回程度行なうことができる。第1のロール110の表面速度をV1、第2のロール120の表面速度をV2とすると、薄通しにおける両者の表面速度比(V1/V2)は、1.05〜3.00であることができ、さらに1.05〜1.2であることができる。このような表面速度比を用いることにより、所望の剪断力を得ることができる。
このように狭いロール間から押し出されたゴム組成物150は、ゴムの弾性による復元力で図6のように大きく変形し、その際にゴムと共に酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方が大きく移動する。薄通しして得られたゴム組成物150は、ロールで圧延されて所定厚さ、例えば100μm〜500μmのシート状に分出しされる。
この薄通しの工程では、できるだけ高い剪断力を得るために、ロール温度を例えば0℃〜50℃に設定して行うことができ、さらに5℃〜30℃の比較的低い温度に設定して行うことができる。ゴム組成物の実測温度も0℃〜50℃に調整されることができ、さらに5℃〜30℃に調整されることができる。
このような温度範囲に調整することによって、ゴムの弾性を利用して酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方を解繊し、解繊されたセルロースナノファイバーをゴム組成物中に分散することができる。
この薄通しの工程における高い剪断力により、ゴムに高い剪断力が作用し、凝集していた酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方がゴムの分子に1本ずつ引き抜かれるように相互に分離し、ゴム中に分散される。特に、ゴムは、弾性と、粘性と、を有するため、酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方を解繊し、分散することができる。そして、酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方の分散性および分散安定性(酸化セルロース繊維及びセルロ
ースナノファイバーの少なくとも一方が再凝集しにくいこと)に優れたゴム組成物150を得ることができる。
より具体的には、オープンロールでゴムと酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方とを混合すると、粘性を有するゴムが酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方の相互に侵入する。酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方の表面が例えば酸化処理によって適度に活性が高いと、特にゴムの分子と結合し易くできる。次に、ゴムに強い剪断力が作用すると、ゴムの分子の移動に伴って酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方も移動し、さらに剪断後の弾性によるゴムの復元力によって、凝集していた酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方が分離されて、ゴム中に分散されることになる。特に、オープンロール法は、ロール温度の管理だけでなく、混合物の実際の温度を測定し管理することができるため、好ましい。
4−2−4.凝固工程
混合工程と乾燥工程との間に、第1の混合物中のゴムラテックスを凝固する凝固工程をさらに含むことができる。
上記4−2−1における混合工程で得られた第1の混合物は、そのままでは大量の水分を含むので、上記4−2−2における乾燥工程で水分を取り除くために長時間を要することになる。そこで、凝固工程は、水溶液である第1の混合物に、ゴムラテックスを凝固する公知の凝固剤を所定量投入して、撹拌混合する。第1の混合物中のゴム成分は凝固剤によって凝固する。凝固工程は、この凝固物に対して、脱水と洗浄とを含むことができる。脱水と洗浄は、複数回繰り返し行うことができる。
この工程における脱水は、乾燥工程における乾燥時間を短縮できる程度の水分が取り除ければよく、凝固したゴム成分と水分とをある程度分離するものである。脱水は、例えば、一般的な回転式脱水機(遠心分離)、ゴム被膜ロール、プレス機等を用いて行うことができる。また、この工程における洗浄は、例えば水によって行うことができる。
凝固剤は、第1の混合物中のゴムラテックスの種類に応じて適宜公知のラテックス凝固剤を採用することができる。凝固剤としては、例えば、公知の酸や塩を用いることができ、高分子凝集剤を塩に代えて、または塩と共に用いてもよい。凝固剤に用いる酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、シュウ酸、硫酸、塩酸、炭酸などを用いることができる。凝固剤に用いる塩としては、例えば、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硝酸カルシウムなどを用いることができる。高分子凝集剤としては、アニオン型、カチオン型、ノニオン型の高分子凝集剤のいずれでも用いることができる。
凝固工程において第1の混合物から大量の水分を取り除くことができるので、凝固工程の後に行われる乾燥工程の加熱時間を短縮することができ、作業効率が向上する。
4−2−5.リップ状シール部材の成形工程
混練されたゴム組成物は、所望のリップ状シール部材の形状を有した金型を用いて一般に採用されるゴムの成形工程によって成形される。成形工程としては、例えば、プレス成型、押出成形、射出成形などがある。成形工程では、架橋剤が配合されたゴム組成物のゴム成分を架橋する。架橋剤は、例えば、用途に応じて適宜選択されたゴムに適用される公知の架橋剤を用いることができる。
こうして得られたリップ状シール部材を車両用液圧マスタシリンダのカップシールとして用いると、常温から高温における柔軟性と強さを備え、熱によるブレーキ操作への影響
が小さく、高い耐クワレ耐久性を有することができる。さらに、本実施の形態にかかるリップ状シール部材をプランジャポンプのXリングとして用いると、常温から高温における柔軟性と強さを備え、高速往復動作に対する耐久性が向上する。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)サンプルの作製
(1−1)実施例1〜4
水溶液を得る工程:
特開2013−18918号の製造例1に開示された方法と同様にして、セルロースナノファイバーを得た。
具体的には、針葉樹の漂白クラフトパルプをイオン交換水で十分に攪拌した後、パルプ質量100gに対し、TEMPO1.25質量%、臭化ナトリウム12.5質量%、次亜塩素酸ナトリウム28.4質量%を20℃でこの順で添加した。水酸化ナトリウムを滴下してpHを10.5に保持し、酸化反応を行った。酸化反応を120分行った後に滴下を停止し、TEMPO酸化した酸化セルロース繊維を10質量%含む水溶液を得た。酸化セルロース繊維は、元のパルプと同程度の繊維径10μm〜30μm、繊維長さ1mm〜5mmであった。
さらに、イオン交換水を用いて酸化セルロース繊維を十分に洗浄し、次いで脱水処理を行った。その後、酸化セルロース繊維をイオン交換水により固形分1質量%に調整し、高
圧ホモジナイザーを用いて微細化処理を行い、セルロースナノファイバーを1質量%含む水分散液を得た。セルロースナノファイバーの平均繊維径は3.3nm、平均アスペクト比は225であった。
混合工程:
このセルロースナノファイバーを1質量%含む水溶液にスチレン・ブタジエンゴム(以下、「SBR」という)ラテックス(JSR製0561:固形分濃度69質量%の水分散体、10.3pH、粘度440(mPa・s)、表面張力32(mN/m)、平均粒径700(nm)、Tg−63℃)を投入し、ジューサーミキサーを用いて回転数10000rpmで混合した。
ミキサーの混合の後、ニップを10μmに設定したEXAKT社製の三本ロール(M−50)に回転数200rpmで通して、追加の混合を行い、第1の混合物を得た。
乾燥工程:
第1の混合物を50℃に設定したオーブン内で4日間加熱乾燥して、第2の混合物を得た。乾燥後の第2の混合物における配合割合は、SBR固形分100phr、セルロースナノファイバー60phrであった。
分散工程:
第2の混合物をロール間隔1.5mmで素練りし、固形ゴムであるSBRやEPDM及びカーボンブラックを追加して混練し、表1に示す配合の混合物を得た。さらにこの混合物をロール間隙0.3mmのオープンロールに投入し、10℃〜30℃で薄通しをしてゴム組成物サンプルを得た。このとき、2本のロールの表面速度比を1.1とした。薄通しは繰り返し5回行った。なお、表1及び表2における配合量は、質量部(phr)である。
加硫工程:
薄通しして得られたゴム組成物サンプルに架橋剤としてパーオキサイド8質量部を加えて分出ししたシートを170℃、10分間圧縮成形して厚さ1mmのシート状の架橋体ゴム組成物サンプルを得た。
(1−2)比較例1〜3
比較例1〜3は、表2に示す配合となるように、ロール間隙1.5mmのオープンロールへ各原料を投入して混練し、さらに架橋剤としてパーオキサイド8質量部を加えて分出ししたシートを170℃、10分間圧縮成形して厚さ1mmのシート状の架橋体ゴム組成物サンプルを得た。
表1,2において、
「SBR」は、上記SBRラテックスの固形分の他、JSR社製1503、比重0.93、ムーニー粘度52(ML1+4(100℃))を加えた配合量であり、
「EPDM」は、JSR社製EP24、比重0.87、ムーニー粘度42(ML1+4(100℃))であり、
「MTカーボン」は、平均粒径200nm、DBP吸油量25ml/100gのMTグレード(平均粒径及びDBP吸油量はメーカー公表値)のカーボンブラックであり、
「セルロース」は、上記工程で得られた平均繊維径は3.3nm、平均アスペクト比は225の酸化したセルロースナノファイバーであった。
Figure 0006454657
Figure 0006454657
(2)基本特性試験
ゴム組成物サンプルについて、ゴム硬度(Hs(JIS A))をJIS K6253試験に基づいて測定した。
ゴム組成物サンプルについて、引張強さ(TS(MPa))、破断伸び(Eb(%))及び50%変形時の応力(σ50(MPa))を、JIS6号形のダンベル形状に打ち抜いた試験片で、島津製作所社製の引張試験機を用いて、23±2℃、引張速度500mm/minでJIS K6251に基づいて引張試験を行い測定した。
(3)動的粘弾性試験
ゴム組成物サンプルについて、短冊片40mm×1mm×2mm(巾)の試験片で、SII社製の動的粘弾性試験機DMS6100を用いて、チャック間距離20mm、測定温度−100〜300℃(昇温ペース3℃/min)、動的ひずみ±0.05%、周波数1HzでJIS K6394に基づいて動的粘弾性試験を行い、−50℃〜260℃の温度範囲における貯蔵弾性率(E’(MPa))を測定した。表3,4には30℃と150℃における貯蔵弾性率を示した。
(4)疲労寿命試験
ゴム組成物サンプルについて、疲労寿命(表3,4において「疲労(2N/mm)」で示した。)として、試験サンプルを10mm×幅4mm×厚さ1mm(長辺が列理方向)の短冊状の試験片に打ち抜き、その試験片の長辺の中心から幅方向へカミソリ刃によって深さ1mmの切込みを入れ、SII社製TMA/SS6100試験機を用いて、試験片の両端の短辺付近をチャックにて保持して、120℃の大気雰囲気中、周波数1Hzの条件で繰り返し引張荷重(1N/mm〜2N/mm)をかけて疲労試験を行い、試験片が破断するまで回数を測定した。
(5)クワレ耐久性の評価
実施例及び比較例のゴム組成物をカップシールサンプルに成形し、「クワレ耐久性」を評価した。「クワレ耐久性」は、液圧マスタシリンダのピストンに各カップシールサンプルを装着し、リザーバを満タンにした状態で、ABS作動を行なった。具体的な条件は、室温、ABS開始圧2.45MPa、キックバック圧14.7〜17.6MPa、リザーバ液残しのフル減モード、1分間に1サイクルを50サイクル行い、クワレによる損傷の有無を観察した。これらの観察結果を表1にしめす。なお、表1において、「○」は損傷
が見られなかったものを示し、「△」はシール性に変化は見られなかったものの小さな損傷が見られたものを示し、「×」は損傷がみられたものを示す。
各測定結果は、表3及び表4に示した。
Figure 0006454657
Figure 0006454657
表3、4の結果から、実施例1〜4のゴム組成物は、セルロースナノファイバーによって補強され、引張強さ、50%変形時の応力、貯蔵弾性率、及び疲労寿命が比較例1〜3のサンプルに比べて高い値を示した。特に、実施例1〜4のゴム組成物を用いたカップシールは、比較例1〜3のサンプルに比べて、クワレ耐久性に優れていた。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発
明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…プランジャポンプ、2…ポンプハウジング、3…カム室、4…出力軸、5…プランジャ、6…ポンプ室体、7…出力室体、9…シリンダ孔、10…Xシール(シール部材)、20…吸入弁、22…吐出弁、32a,32b…カップシール、41…偏心カム軸、42…カム、43…入口室、44…ポンプ室、45…吐出ポート、46…出口室、71…液圧式ブレーキ装置、73…液圧マスタシリンダ、75…液圧配管、76…シリンダボディ、76a…隔壁、76b…底部、77…シリンダ孔、78…リザーバ、79,89…リリーフポート、79a,89a…開口部、80,90…サプライポート、81,91…ピストン、82a,82b,92a,92b…カップシール、83,93…液圧室88,98…ばね、99…プッシュロッド、100…オープンロール、110…第1のロール、120…第2のロール、130…第2の混合物、134…バンク、136…中間混合物、150…ゴム組成物、180…配合剤、821…ベース部、822…リップ部、V1,V2…回転速度、d…ロール間隔

Claims (5)

  1. ベース部と、該ベース部から無端状に突出形成されたリップ部と、を有し、
    前記リップ部を被シール面に対して液密にかつ摺動可能に押圧するリップ状シール部材であって、
    前記リップ状シール部材は、ゴム100質量部に対し、酸化セルロース繊維及びセルロースナノファイバーの少なくとも一方を0.1質量部〜60質量部、カーボンブラックと、含むゴム組成物からなり、
    酸化セルロース繊維は、繊維径の平均値が10μm〜30μmであり、
    セルロースナノファイバーは、繊維径の平均値が1nm〜200nmである、リップ状シール部材。
  2. 請求項1において、
    前記ゴム組成物は、JIS K6251に準拠した引張試験における引張強さが15MPa以上である、リップ状シール部材。
  3. 請求項1または2において、
    前記ゴム組成物は、JIS K6394に準拠した周波数1Hzの動的粘弾性試験における30℃及び150℃の貯蔵弾性率がいずれも15MPa以上である、リップ状シール部材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記リップ状シール部材は、カップシールまたはXシールである、リップ状シール部材。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のリップ状シール部材からなるカップシールを装着されたピストンと、
    前記ピストンが挿入されるシリンダ孔を有するシリンダボディと、
    前記ピストンと前記シリンダ孔の底部との間に画成された液圧室と、
    前記ピストンが前記底部に対して後退した際に、前記液圧室と貯液室とを連通する連通路と、を含み、
    前記連通路は、前記シリンダ孔の内周壁に開口部を有し、
    前記リップ状シール部材は、前記ピストンの移動によって、前記連通路の開口部を通過して前記シリンダ孔の内周壁に対し摺動する、車両用液圧マスタシリンダ。
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