JP6453056B2 - チェーンテンショナ - Google Patents

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Description

この発明は、自動車エンジンのカムシャフトを駆動するタイミングチェーンの張力保持に用いられるチェーンテンショナに関する。
自動車のエンジンは、一般に、クランクシャフトの回転をタイミングチェーン(以下「チェーン」という)を介してカムシャフトに伝達し、そのカムシャフトの回転により燃焼室のバルブの開閉を行なう。ここで、チェーンの張力を適正範囲に保つために、支点軸を中心として揺動可能に設けたチェーンガイドと、そのチェーンガイドを介してチェーンを押圧するチェーンテンショナとからなる張力調整装置が多く用いられる。
この張力調整装置に組み込まれるチェーンテンショナとして、一端が開口し、他端が閉じたシリンダと、そのシリンダ内に軸方向に摺動可能に挿入されたプランジャと、そのプランジャをシリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングとを有するものが知られている(例えば、特許文献1,2)。
このチェーンテンショナは、エンジン作動中にチェーンの張力が大きくなると、そのチェーンの張力によって、プランジャがシリンダ内に押し込まれる方向(以下、「押し込み方向」という)に移動し、チェーンの緊張を吸収する。一方、エンジン作動中にチェーンの張力が小さくなると、リターンスプリングの付勢力でプランジャがシリンダから突出する方向(以下、「突出方向」という)に移動し、チェーンの弛みを吸収する。
エンジンが停止したときに、カムシャフトの停止位置によってチェーンの張力が大きくなる場合がある。このとき、チェーンの張力に応じてプランジャが押し込み方向に大きく移動すると、その後、エンジンを始動したときにチェーンが大きく弛み、チェーンのばたつきや歯飛びを生じるおそれがある。
そこで、特許文献1,2のチェーンテンショナは、エンジン停止中のプランジャの移動を制限するため、ノーバック機構を採用している。このノーバック機構は、プランジャの外周に設けられた軸方向に隣り合う複数の円周溝と、シリンダの内周に形成されたリング収容溝と、そのリング収容溝内に収容されたレジスタリングとを有し、このレジスタリングがプランジャの外周の円周溝を締め付けている。
プランジャの外周の各円周溝は、プランジャをシリンダから突出させる方向の荷重が負荷されたときに、レジスタリングを拡径させてプランジャの移動を許容するテーパ面と、プランジャをシリンダ内に押し込む方向の荷重が負荷されたときに、レジスタリングを係止してプランジャの移動を制限するストッパ面とを有する形状とされている。
特開2001−355691号公報 特開2002−5250号公報
上記チェーンテンショナは、シリンダにプランジャを挿入して組み立てるときや、シリンダからプランジャを抜き出して分解するときに、レジスタリングを拡径操作する必要がある。このレジスタリングの拡径操作を容易とするため、レジスタリングは、円周の一部が切り離された形状のリング部の両端に一対の操作片をクロスして設けた構成とされており、この一対の操作片をつまむことでリング部の拡径操作が可能となっている。
ところで、エンジンのメンテナンス等をするときに、タイミングチェーンを一時的に弛める必要がある。このとき、レジスタリングのリング部を拡径操作することで、ノーバック機構によるプランジャの移動の制限を解除し、その状態で、プランジャをシリンダ内に押し込むと、プランジャの移動に応じてチェーンが弛む。
このチェーンを弛める作業において、レジスタリングの拡径操作は、例えば、チェーンカバーに設けたサービスホールからチェーンカバー内に工具を挿入し、その工具の先端でレジスタリングの操作片を押し動かして行なうことが可能であるが、工具の先端でレジスタリングの操作片を押し動かす作業は、手探りの状態(すなわち作業者からはチェーンテンショナが見えない状態)で行なうことから困難な作業となる。そのため、チェーンカバーのサービスホールに工具を挿入し、その工具でレジスタリングの操作片の位置を探るうちに、工具の側面がレジスタリングの操作片に当接し、レジスタリングを塑性変形させてしまうおそれがあった。レジスタリングが塑性変形すると、ノーバック機構が正常に機能しなくなるおそれがある。
この発明が解決しようとする課題は、チェーンカバーに設けたサービスホールからチェーンカバー内に工具を挿入し、その工具でレジスタリングのリング部を拡径させる操作が容易なチェーンテンショナを提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明においては、以下の構成のチェーンテンショナを提供する。
一端が開口し、他端が閉じた筒状のシリンダと、
そのシリンダ内に軸方向に摺動可能に挿入されたプランジャと、
そのプランジャを前記シリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングと、
前記プランジャの外周に設けられた軸方向に隣り合う複数の円周溝と、
前記シリンダの内周に形成されたリング収容溝と、
そのリング収容溝内に収容され、前記プランジャの外周の前記円周溝を締め付けるレジスタリングとを有し、
前記レジスタリングは、円周の一部が切り離された形状のリング部と、そのリング部の両端に設けられたリング部の拡径操作用の一対の操作片とからなり、
前記各円周溝は、前記プランジャをシリンダから突出させる方向の荷重が負荷されたときに、前記レジスタリングのリング部を拡径させてプランジャの移動を許容するテーパ面と、前記プランジャをシリンダ内に押し込む方向の荷重が負荷されたときに、前記レジスタリングのリング部を係止してプランジャの移動を制限するストッパ面とを有し、
前記シリンダは、前記リング収容溝と交差して前記シリンダを半径方向に貫通する切欠きを有し、その切欠きからシリンダの外部に前記一対の操作片を露出させたチェーンテンショナにおいて、
前記一対の操作片の少なくとも一方は、前記切欠きを貫通してシリンダの外径側に突出する長さを有し、その操作片の前記シリンダの外径側への突出部分を棒状の工具の先端で押し動かすことで前記リング部を拡径操作することが可能とされ、
前記工具の先端で前記操作片を押し動かすときに前記工具の側面を摺動支持する工具案内片を前記シリンダの外周に設けたことを特徴とするチェーンテンショナ。
このようにすると、工具の先端で操作片を押し動かすときに、工具の側面がシリンダの外周に設けられた工具案内片で摺動支持されるので、工具の先端が操作片の位置に合いやすく、また工具の先端で操作片を押し動かす作業がしやすい。そのため、チェーンカバーに設けたサービスホールからチェーンカバー内に工具を挿入し、その工具でレジスタリングのリング部を拡径させる操作が容易である。
前記工具案内片は、前記操作片の前記シリンダの外径側への突出部分と対向するように設けることができる。このとき、前記工具案内片としては、前記操作片の突出部分に対する対向面に、前記工具を挿通させる工具挿通孔を有するものを採用すると好ましい。
このようにすると、工具案内片が操作片の周囲をガードするので、工具の側面がレジスタリングの操作片に当接するのを防止することができ、レジスタリングが塑性変形するのを防止することができる。
前記工具挿通孔の内周に、前記操作片に近い側から遠い側に向かって次第に拡大するテーパ面を設けると好ましい。
このようにすると、工具挿通孔の内周のテーパ面が工具の先端を案内するので、工具の先端を操作片の位置に合わせる作業がより円滑となる。
前記工具挿通孔は、前記リング収容溝の軸方向幅の全体と重なる軸方向幅を有するものを採用すると好ましい。
このようにすると、レジスタリングがリング収容溝内のいずれの位置にある状態でも、工具挿通孔を挿通した工具の先端でレジスタリングの操作片を押し動かすことが可能となる。
この発明のチェーンテンショナは、工具の側面を摺動支持する工具案内片をシリンダの外周に有するので、工具の先端で操作片を押し動かすときに、工具の先端が操作片の位置に合いやすく、また工具の先端で操作片を押し動かす作業がしやすい。そのため、チェーンカバーに設けたサービスホールからチェーンカバー内に工具を挿入し、その工具でレジスタリングのリング部を拡径させる操作が容易である。
この発明の実施形態のチェーンテンショナを組み込んだチェーン伝動装置を示す正面図 図1に示すチェーンテンショナの拡大断面図 図2のIII−III線に沿った断面図 図1に示すチェーンテンショナの工具案内片の近傍の拡大図 図3に示すレジスタリングの操作片を、サービスホールから挿入した工具の先端で押し動かす作業を示す断面図 図4に示す工具案内片の変形例を示す図 図4に示す工具案内片の他の変形例を示す図 図4に示す工具案内片の更に他の変形例を示す図 工具案内片が存在しない比較例のチェーンテンショナにおいて、レジスタリングの操作片を、サービスホールから挿入した工具の先端で押し動かす作業を示す断面図
図1に、この発明の実施形態のチェーンテンショナ1を組み込んだチェーン伝動装置を示す。このチェーン伝動装置は、エンジンのクランクシャフト2に固定されたスプロケット3と、カムシャフト4に固定されたスプロケット5とがチェーン6を介して連結されており、そのチェーン6がクランクシャフト2の回転をカムシャフト4に伝達し、そのカムシャフト4の回転により燃焼室のバルブ(図示せず)の開閉を行なう。
チェーン6には、支点軸7を中心として揺動可能に支持されたチェーンガイド8が接触しており、チェーンテンショナ1は、そのチェーンガイド8を介してチェーン6を押圧している。
図2に示すように、チェーンテンショナ1は、一端が開口し、他端が閉じた筒状のシリンダ9と、シリンダ9内に軸方向に摺動可能に挿入されたプランジャ10とを有する。シリンダ9は、金属(例えばアルミ合金)で一体成形されている。シリンダ9は、図1に示すように、シリンダ9の外周に一体に形成された複数の取り付け片11にボルト12を締め込むことによって、エンジンブロック13(図3参照)の側面に固定されている。
図2に示すように、プランジャ10は、シリンダ9内への挿入端が開口する有底筒状に形成されている。シリンダ9の閉塞側の端部には、シリンダ9とプランジャ10とで囲まれた圧力室14に連通する給油通路15が形成されている。給油通路15は、エンジンブロック13に形成された油孔(図示せず)を介してオイルポンプ(図示せず)に接続されており、そのオイルポンプから送り出された作動油を圧力室14内に導入するようになっている。給油通路15の圧力室14側の端部には、給油通路15側から圧力室14側への作動油の流れのみを許容するチェックバルブ16が設けられている。
プランジャ10とシリンダ9の摺動面間には微小なリーク隙間17が形成されており、そのリーク隙間17を通って圧力室14内の作動油がシリンダ9の外側に流出するようになっている。
圧力室14内には、リターンスプリング18が組み込まれている。リターンスプリング18は、一端がチェックバルブ16で支持され、他端でプランジャ10のシリンダ9からの突出端部を押圧し、その押圧によってプランジャ10をシリンダ9から突出する方向に付勢している。
シリンダ9の開口側の端部内周には、周方向に延びるリング収容溝20が形成され、そのリング収容溝20内に、レジスタリング21が軸方向に移動可能に収容されている。
図3に示すように、レジスタリング21は、一本の金属線材を曲げて形成されており、円周の一部が切り離された形状のリング部22と、そのリング部22の両端に設けられたリング部22の拡径操作用の一対の操作片23,24とからなる。一対の操作片23,24は、リング部22の両端から接線方向に延び出してクロスするように形成されており、その一対の操作片23,24の先端同士の間隔が狭まるように一対の操作片23,24をつまむことで、リング部22を弾性的に拡径操作することが可能となっている。
図2に示すように、プランジャ10の外周には、軸方向に隣り合う複数の円周溝25が設けられ、そのうちの1つの円周溝25がレジスタリング21のリング部22で締め付けられた状態となっている。各円周溝25内には、プランジャ10のシリンダ9内への挿入端側に立ち上がるテーパ面26と、プランジャ10のシリンダ9からの突出端側に立ち上がるストッパ面27とが設けられている。テーパ面26は、その立ち上がりが緩やかであり、プランジャ10に突出方向の荷重が負荷されたときに、レジスタリング21を拡径させてプランジャ10の移動を許容するようになっている。一方、ストッパ面27は、その立ち上がりが急峻であり、プランジャ10に押し込み方向の荷重が負荷されたときに、レジスタリング21を係止してプランジャ10の移動を制限するようになっている。
リング収容溝20内には、シリンダ9の閉端側に立ち上がるテーパ内周面28と、シリンダ9の開口端側に立ち上がる軸直角端面29とが形成されている。テーパ内周面28は、その立ち上がりが緩やかであり、プランジャ10が押し込み方向に移動したときにそのレジスタリング21を受け止めてそのレジスタリング21の拡径を制限するようになっている。軸直角端面29は、プランジャ10が突出方向に移動したときにレジスタリング21を受け止めて、それ以上のレジスタリング21の移動を制限するが、この状態でのレジスタリング21の拡径は許容する。
シリンダ9は、リング収容溝20と交差してシリンダ9を半径方向に貫通するように形成された切欠き30を有する。レジスタリング21の一対の操作片23,24は、シリンダ9の切欠き30からシリンダ9の外部に露出した状態となっている。
図3に示すように、切欠き30は、シリンダ9の外周の座面31に直交する方向に対向する一対の対向面32,33を内部に有する。座面31は、エンジンブロック13の側面に支持される平面である。各対向面32,33には、リング収容溝20の両端が開放している。
シリンダ9には、切欠き30の内部の一対の対向面32,33のうち、シリンダ9の外周の座面31に近い側の対向面33の径方向外端から、反対側の対向面32に向けて突出する操作片支持部34が設けられている。操作片支持部34は、レジスタリング21の一対の操作片23,24のうち、シリンダ9の外周の座面31に近い側の操作片24の先端をシリンダ9の周方向に移動しないように接触支持している。
レジスタリング21の一対の操作片23,24のうち、シリンダ9の外周の座面31から遠い側の操作片23は、切欠き30を貫通してシリンダ9の外径側に突出する長さを有するように形成されている。この操作片23は、レジスタリング21のリング部22の端部から接線方向に延び出すクロス部分23aと、クロス部分23aの先端から座面31と平行にシリンダ9から遠ざかる方向に延びる工具当接部23bと、工具当接部23bの先端からシリンダ9の軸方向に延びる摘み部23c(図4参照)とを有する。ここで、工具当接部23bと摘み部23cは、切欠き30からシリンダ9の外径側に突出するように設けられている。そして、工具当接部23bに棒状の工具35(図5参照)の先端を当接させ、その工具35で工具当接部23bを座面31から遠い側から近い側に向けて押し動かすことで、リング部22を拡径操作することが可能となっている。
図3に示すように、シリンダ9の外周には、レジスタリング21の操作片23の工具当接部23bと対向するように工具案内片36が一体に形成されている。ここで、工具案内片36は、操作片23に対し座面31から遠い側に対向するように配置されている。また、工具案内片36と操作片支持部34は、座面31に直交する方向に対向するように配置されている。
工具案内片36は、操作片23の工具当接部23bに対する対向面37に、工具35を挿通させる工具挿通孔38を有する。工具挿通孔38は、工具35の先端で操作片23の工具当接部23bを押し動かすときに工具35の側面を摺動支持する部分である(図5参照)。工具挿通孔38の内周は、操作片23に近い側から遠い側に向かって次第に拡大するテーパ面39と、そのテーパ面39の操作片23に近い側に隣接して設けられた内法一定のストレート面40とを有する。
図4に示すように、工具挿通孔38のストレート面40の部分は、シリンダ9の外周の座面31と直交する方向に見て、リング収容溝20の軸方向幅Wの全体と重なる軸方向幅Dを有する。すなわち、レジスタリング21がリング収容溝20の内部で軸方向のいずれの位置にある状態でも、工具挿通孔38に挿通させた工具35(図5参照)の先端をレジスタリング21の工具当接部23bに当接させることが可能な軸方向幅Dを持つように工具挿通孔38が形成されている。
図5に示すように、エンジンブロック13には、チェーンテンショナ1を間にしてエンジンブロック13の側面と対向するチェーンカバー41が取り付けられている。チェーンカバー41には、メンテナンス用のサービスホール42が形成されている。サービスホール42の内周には、サービスホールプラグ(図示せず)がねじ係合するめねじが形成されている。ここで、エンジンカバーのサービスホール42と、工具案内片36の工具挿通孔38と、レジスタリング21の工具当接部23bとは、一直線上に並ぶ配置となっている。
次に、このチェーンテンショナ1の動作例を説明する。
エンジン作動中にチェーン6の張力が大きくなると、そのチェーン6の張力によって、プランジャ10が押し込み方向に移動し、チェーン6の緊張を吸収する。このとき、リーク隙間17を通って圧力室14から流出する作動油の粘性抵抗によってダンパ力が発生するので、プランジャ10はゆっくりと移動する。
エンジン作動中にチェーン6の張力が小さくなると、リターンスプリング18の付勢力によって、プランジャ10が突出方向に移動し、チェーン6の弛みを吸収する。このとき、チェックバルブ16が開き、給油通路15から圧力室14に作動油が流入するので、プランジャ10は速やかに移動する。
ここで、チェーン6の振動により、プランジャ10が前進と後退を繰り返すとき、レジスタリング21は、リング収容溝20内で前後に移動する。また、チェーン6の弛みによって、プランジャ10の突出方向への移動範囲が、レジスタリング21のリング収容溝20内での移動可能な範囲を超えると、円周溝25内のテーパ面26がレジスタリング21を拡径させて、プランジャ10の移動を許容する。このとき、レジスタリング21は、隣の円周溝25に係合する。
エンジン停止時に、カムシャフト4の停止位置によってチェーン6の張力が大きくなる場合があるが、この場合、レジスタリング21と円周溝25の係合により、プランジャ10の押し込み方向への移動が防止される。そのため、エンジンを再始動するときに、チェーン6の弛みを生じにくく、円滑なエンジン始動が可能である。
チェーンテンショナ1の最初の組み立て時や、その後のオーバーホールのためのチェーンテンショナ1の分解時には、レジスタリング21の一対の操作片23,24の先端同士の間隔が狭まるように一対の操作片23,24をつまむことで、リング部22を弾性的に拡径操作させ、その状態でシリンダ9に対するプランジャ10の挿入または抜き出しを行なう。
ところで、エンジンのメンテナンス等をするときに、チェーン6を一時的に弛める必要がある。このとき、レジスタリング21のリング部22を拡径操作することで、ノーバック機構によるプランジャ10の移動の制限を解除し、その状態で、プランジャ10をシリンダ9内に押し込むと、プランジャ10の移動に応じてチェーン6が弛む。
このチェーン6を弛める作業において、レジスタリング21の拡径操作は、例えば、次のようにして行なうことができる。図5に示すように、チェーンカバー41に設けたサービスホール42からチェーンカバー41内に工具35を挿入し、その工具35の先端を工具案内片36の工具挿通孔38に挿通させる。このとき、工具35が工具挿通孔38の周縁部で位置決めされるので、工具35の先端が操作片23の位置に合いやすい。そして、工具35の先端を操作片23の工具当接部23bに当接させ、その工具35の先端で操作片23を押し動かすと、レジスタリング21が拡径する。ここで、工具35の先端で操作片23を押し動かす際に、工具35の側面が工具挿通孔38の周縁部で摺動支持されるので、工具35の位置が安定し、工具35の先端で操作片23を押し動かす作業がしやすい。
このチェーンテンショナ1は、工具35の側面を摺動支持する工具案内片36をシリンダ9の外周に有するので、工具35の先端で操作片23を押し動かすときに、工具35の先端が操作片23の位置に合いやすく、また工具35の先端で操作片23を押し動かす作業がしやすい。そのため、チェーンカバー41に設けたサービスホール42からチェーンカバー41内に工具35を挿入し、その工具35でレジスタリング21のリング部22を拡径させる操作が容易である。
また、このチェーンテンショナ1は、作業者がサービスホール42に挿入した工具35でレジスタリング21の操作片23の位置を探る動作をした場合にも、操作片23の周囲が工具案内片36でガードされ、工具35の側面が操作片23に当接するのを防止することができる。すなわち、図9に示すようにシリンダ9の外周に工具案内片36が存在しなければ、作業者がサービスホール42に挿入した工具35でレジスタリング21の操作片23の位置を探る動作をしたときに、工具35の側面が操作片23に当接し、レジスタリング21が塑性変形してしまうおそれがある。これに対し、この実施形態のチェーンテンショナ1は、図5に示すように、シリンダ9の外周に工具案内片36が設けられているので、作業者がサービスホール42に挿入した工具35でレジスタリング21の操作片23の位置を探る動作をしたときに、操作片23の周囲が工具案内片36でガードされる。そのため、工具35の当接によってレジスタリング21が塑性変形してしまう事態を防止することが可能である。
また、このチェーンテンショナ1は、工具35の先端を工具挿通孔38に挿入するときに、工具35の先端が工具挿通孔38の内周のテーパ面39で案内される。そのため、工具35の先端を操作片23の位置に合わせる作業が円滑である。
また、このチェーンテンショナ1は、工具挿通孔38が、リング収容溝20の軸方向幅Wの全体と重なる軸方向幅Dを有するので、レジスタリング21がリング収容溝20内のいずれの位置にある状態でも、工具挿通孔38を挿通した工具35の先端でレジスタリング21の操作片23を押し動かすことが可能である。
図6に、工具案内片36の変形例を示す。この工具案内片36は、シリンダ9の外周から操作片23の工具当接部23bと平行に延びて形成されている。この工具案内片36は、リング収容溝20の軸方向幅Wよりも軸方向前側に配置されている。そして、工具35(図5参照)の先端で操作片23を押し動かすときは、工具案内片36の軸方向後面43で工具35の側面を摺動支持する。このようにすると、工具35の先端が操作片23の位置に合いやすく、また工具35の先端で操作片23を押し動かす作業がしやすい。
図7に、工具案内片36の他の変形例を示す。この工具案内片36は、シリンダ9の外周から操作片23の工具当接部23bと平行に延びて形成された一対の対向片44で構成されている。一対の対向片44は、リング収容溝20の軸方向幅Wを間に挟んで軸方向前後に対向するように配置されている。一対の対向片44の間の対向面45は、リング収容溝20の軸方向幅Wの全体と重なる軸方向幅Dを有する。工具35(図5参照)の先端で操作片23を押し動かすときは、一対の対向片44の間の対向面45で工具35の側面を摺動支持する。このようにすると、工具35の先端が操作片23の位置に合いやすく、また工具35の先端で操作片23を押し動かす作業がしやすい。
図8に、工具案内片36の更に他の変形例を示す。この工具案内片36は、シリンダ9の外周から操作片23の工具当接部23bと平行に延びる根元片46と、根元片46の先端部分から軸方向に延びる先端片47とで構成されている。根元片46は、リング収容溝20の軸方向幅Wよりも軸方向後側に配置され、先端片47は、根元片46の軸方向前側に配置されている。先端片47は、リング収容溝20の軸方向幅Wの全体と重なる軸方向幅Dを有する。工具35(図5参照)の先端で操作片23を押し動かすときは、根元片46の軸方向前面48で工具35の側面を摺動支持する。このようにすると、工具35の先端が操作片23の位置に合いやすく、また工具35の先端で操作片23を押し動かす作業がしやすい。また、作業者がサービスホール42に挿入した工具35でレジスタリング21の操作片23の位置を探る動作をした場合にも、操作片23の周囲が工具案内片36でガードされ、工具35の側面が操作片23に当接するのを防止することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 チェーンテンショナ
9 シリンダ
10 プランジャ
18 リターンスプリング
20 リング収容溝
21 レジスタリング
22 リング部
23,24 操作片
23b 工具当接部
25 円周溝
26 テーパ面
27 ストッパ面
30 切欠き
36 工具案内片
37 対向面
38 工具挿通孔
39 テーパ面
W 軸方向幅
D 軸方向幅

Claims (2)

  1. 一端が開口し、他端が閉じた筒状のシリンダ(9)と、
    そのシリンダ(9)内に軸方向に摺動可能に挿入されたプランジャ(10)と、
    そのプランジャ(10)を前記シリンダ(9)から突出する方向に付勢するリターンスプリング(18)と、
    前記プランジャ(10)の外周に設けられた軸方向に隣り合う複数の円周溝(25)と、
    前記シリンダ(9)の内周に形成されたリング収容溝(20)と、
    そのリング収容溝(20)内に収容され、前記プランジャ(10)の外周の前記円周溝(25)を締め付けるレジスタリング(21)とを有し、
    前記シリンダ(9)の外周には、エンジンブロック(13)の側面に支持される座面(31)が設けられ、
    前記レジスタリング(21)は、円周の一部が切り離された形状のリング部(22)と、そのリング部の両端に設けられたリング部(22)の拡径操作用の一対の操作片(23,24)とからなり、
    前記各円周溝(25)は、前記プランジャ(10)をシリンダ(9)から突出させる方向の荷重が負荷されたときに、前記レジスタリング(21)のリング部(22)を拡径させてプランジャ(10)の移動を許容するテーパ面(26)と、前記プランジャ(10)をシリンダ(9)内に押し込む方向の荷重が負荷されたときに、前記レジスタリング(21)のリング部(22)を係止してプランジャ(10)の移動を制限するストッパ面(27)とを有し、
    前記シリンダ(9)は、前記リング収容溝(20)と交差して前記シリンダ(9)を半径方向に貫通する切欠き(30)を有し、その切欠き(30)からシリンダ(9)の外部に前記一対の操作片(23,24)を露出させたチェーンテンショナにおいて、
    前記切欠き(30)は、その内部の一対の対向面(32,33)が前記座面(31)に直交する方向に対向するように配置され、
    前記一対の操作片(23,24)の少なくとも一方は、前記切欠き(30)を貫通してシリンダ(9)の外径側に突出する長さを有し、その操作片(23)の前記シリンダ(9)の外径側への突出部分(23b)を、前記エンジンブロック(13)の側面と対向するチェーンカバー(41)に形成されたサービスホール(42)に挿入した棒状の工具(35)の先端で前記座面(31)から遠い側から近い側に向けて押し動かすことで前記リング部(22)を拡径操作することが可能とされ、
    前記工具(35)の先端で前記操作片(23)を押し動かすときに前記工具(35)の側面を摺動支持する工具案内片(36)を前記シリンダ(9)の外周に設け
    前記工具案内片(36)は、前記操作片(23)の前記シリンダ(9)の外径側への突出部分(23b)に対し前記座面(31)から遠い側に対向するように設けられ、
    前記工具案内片(36)は、前記操作片(23)の突出部分(23b)に対する対向面(37)に、前記工具(35)を挿通させる工具挿通孔(38)を有し、
    前記工具挿通孔(38)の内周に、前記操作片(23)に近い側から遠い側に向かって次第に拡大するテーパ面(39)が設けられている、
    ことを特徴とするチェーンテンショナ。
  2. 前記工具挿通孔(38)は、前記リング収容溝(20)の軸方向幅(W)の全体と重なる軸方向幅(D)を有する請求項に記載のチェーンテンショナ。
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