JP5118011B2 - チェーンテンショナ - Google Patents

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Description

この発明は、自動車エンジンのカムシャフトを駆動するタイミングチェーンの張力保持に用いられるチェーンテンショナに関する。
自動車のエンジンは、一般に、クランクシャフトの回転をタイミングチェーンを介してカムシャフトに伝達し、そのカムシャフトの回転により燃焼室のバルブの開閉を行なう。ここで、チェーンの張力を適正範囲に保つために、支点軸を中心として揺動可能に設けたチェーンガイドと、そのチェーンガイドを介してチェーンを押圧するチェーンテンショナとからなる張力調整装置が多く用いられる。
この張力調整装置に組み込まれるチェーンテンショナとして、一端が開放し、他端が閉塞した筒状のシリンダをエンジンカバーのテンショナ取り付け孔にエンジンカバー内に開放端を向けた姿勢で挿入して固定し、そのシリンダ内にプランジャを軸方向に摺動可能に挿入し、そのプランジャをシリンダ内への挿入端が開口する有底筒状に形成し、そのプランジャの内周に形成した雌ねじにねじ係合する雄ねじを外周に有するスクリュロッドを設け、そのスクリュロッドのプランジャからの突出端をシリンダ内に設けたロッドシートに当接させ、前記プランジャをシリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングを設け、前記プランジャのシリンダからの突出端でチェーンガイドを押圧するようにしたものが知られている(特許文献1)。
このチェーンテンショナは、エンジン作動中にチェーンの張力が小さくなると、リターンスプリングの付勢力によってプランジャがシリンダから突出する方向(以下、「突出方向」という)に移動し、チェーンの弛みを吸収する。
一方、エンジン作動中にチェーンの張力が大きくなると、そのチェーンの張力によってプランジャがシリンダ内に押し込まれる方向(以下、「押し込み方向」という)に移動し、チェーンの緊張を吸収する。このとき、スクリュロッドは、チェーンの振動によって徐々に回転し、プランジャの押し込み方向への移動を許容する。
また、エンジン停止時は、チェーンが振動しないので、カムの停止位置によってチェーンの張力が大きくなっても、プランジャの雌ねじがスクリュロッドの雄ねじで受け止められ、プランジャの押し込み方向への移動が阻止される。そのため、エンジンを再始動するときに、チェーンの弛みを生じにくく、円滑なエンジン始動が可能である。
このチェーンテンショナは、エンジンカバーから取り外した状態では、リターンスプリングの付勢力によってプランジャがシリンダから突出するので、プランジャをシリンダから抜け止めする機構を設けないと、プランジャがシリンダから脱落するおそれがある。
そこで、プランジャの脱落を防止するため、上記チェーンテンショナは、シリンダの内周に形成した抜止めリング収容溝内に、プランジャの外周に締め代をもって接触するC型の抜止めリングを組み込んでいる。この抜止めリングは、プランジャがシリンダから突出したときに、プランジャの外周の抜止めリング係合溝に係合し、その係合によってプランジャをシリンダから抜け止めする。
特開2008−57725号公報
上記のチェーンテンショナは、図11、図12に示すように、C型のリング部51Aと、そのリング部51Aの両端から径方向外方に延び出す一対の拡径操作片51B,51Bとからなる抜止めリング51を使用している。この拡径操作片51Bは、プランジャ52をシリンダ53に挿入してチェーンテンショナ50を組み立てるときに、プランジャ52が抜止めリング51に干渉するのを防止するため、抜止めリング51の拡径操作を可能とするものである。
また、シリンダ53には、拡径操作片51Bを収容する切欠き54が形成されている。ここで、拡径操作片51Bの先端が、シリンダ53の外径よりも外側にはみ出すと、シリンダ53をエンジンカバー55のテンショナ取り付け孔56に挿入するときに、拡径操作片51Bの先端がエンジンカバー55に干渉するので、この干渉を防止するために、シリンダ53の径方向厚さを厚くして、シリンダ53の外径内に拡径操作片51Bの先端が収まるようにしている。
このように、上記のチェーンテンショナ50は、シリンダ53の径方向厚さを厚くする必要があるので、シリンダ53の外径が大きく、広い設置スペースが必要であった。
この発明が解決しようとする課題は、抜止めリングの拡径操作片を不要として、シリンダの外径を小さくすることである。
上記課題を解決するため、プランジャをシリンダに挿入するときに、前記プランジャのシリンダ内への挿入端外周に形成したテーパ面で、抜止めリングを押し広げて拡径させるようにした。このようにすると、プランジャをシリンダに挿入するときに、抜止めリングを拡径操作しなくても、プランジャと抜止めリングの干渉を防止することができるので、抜止めリングの両端に拡径操作片を設ける必要がない。そのため、抜止めリングの両端を周方向に沿った端部形状として、シリンダの外径を小さくすることができる。
前記抜止めリングは、金属線材を楕円形状に曲げたものを使用し、その抜止めリングの長径部を抜止めリング収容溝の内径に嵌合させ、抜止めリングの短径部をプランジャの外周に締め代をもって接触させることができる。このようにすると、長径部の嵌合によって抜止めリングが位置決めされるので、プランジャをシリンダに挿入するときに、プランジャの中心と抜止めリングの中心がずれにくく、プランジャを抜止めリング内に円滑に導入することができる。
楕円形状の抜止めリングを使用する場合、その抜止めリングは、長径部で周を切り離したC型とすると好ましい。このようにすると、プランジャをシリンダに挿入するときに、抜止めリングが切り離されていない部分でプランジャのテーパ面と接触するので、抜止めリングの拡径動作がより円滑となる。
また、前記抜止めリングは、金属線材を多角形状に曲げたものを使用し、その抜止めリングの角部を抜止めリング収容溝の内径に嵌合させ、抜止めリングの辺部をプランジャの外周に締め代をもって接触させることができる。このようにしても、角部の嵌合によって抜止めリングが位置決めされるので、プランジャをシリンダに挿入するときに、プランジャの中心と抜止めリングの中心がずれにくく、プランジャを抜止めリング内に円滑に導入することができる。
多角形状の抜止めリングを使用する場合、その抜止めリングは、角部で周を切り離したC型とすると好ましい。このようにすると、プランジャをシリンダに挿入するときに、抜止めリングが切り離されていない部分でプランジャのテーパ面と接触するので、抜止めリングの拡径動作がより円滑となる。
前記抜止めリングの断面形状は、円形とすることができる。このようにすると、プランジャをシリンダに挿入するときに、抜止めリングがプランジャのテーパ面と安定して接触し、抜止めリングの拡径動作が円滑となる。
前記テーパ面の小径端の外径は、拡径変形していない自然状態での前記抜止めリングの内接円径よりも小さくすると好ましい。このようにすると、プランジャをシリンダに挿入するときに、プランジャを抜止めリング内に円滑に導入することができる。
前記テーパ面の傾斜は、20°以下に設定することができる。このようにすると、プランジャをシリンダに挿入するときに、テーパ面の楔効果によって抜止めリングが確実に押し広げられるので、抜止めリングの拡径動作が円滑となる。
また、前記シリンダの内周の前記抜止めリング収容溝よりも開放端側に、シリンダの開放端側の内径がシリンダの閉塞端側の内径よりも小径となるように段差を付けたセットリング収容溝を形成し、そのセットリング収容溝に、C型のリング部と、そのリング部の両端から延び出す一対の縮径操作片とからなるセットリングを組み込み、前記一対の縮径操作片を、前記セットリング収容溝を横切るようにシリンダに形成した切欠きに収容し、前記プランジャの外周に、弾性的に縮径した状態の前記セットリングと係合して前記プランジャをシリンダ内に押し込んだ状態に保持するセットリング係合溝を形成し、前記プランジャを更にシリンダ内に押し込む操作により前記セットリングがセットリング収容溝内で拡径してセットリング係合溝との係合を解除するようにすることができる。
このセットリングの縮径操作片は、前記リング部の両端から軸方向に延び出すように形成すると好ましい。このようにすると、縮径操作片がシリンダの外径よりも外側にはみ出しにくいので、シリンダの外径を小さく抑えることができる。
また、前記切欠きは、前記セットリング収容溝と抜止めリング収容溝の両方を横切るように形成してもよいが、セットリング収容溝のみを横切るように形成すると好ましい。このようにすると、シリンダとプランジャの摺動面積を確保することができ、シリンダの姿勢が安定する。
この発明のチェーンテンショナは、抜止めリングの両端を周方向に沿った端部形状としているので、シリンダの外径を小さく抑えることができる。
図1に、この発明の実施形態のチェーンテンショナ1を組み込んだチェーン伝動装置を示す。このチェーン伝動装置は、エンジンのクランクシャフト2に固定されたスプロケット3と、カムシャフト4に固定されたスプロケット5とがチェーン6を介して連結されており、そのチェーン6がクランクシャフト2の回転をカムシャフト4に伝達し、そのカムシャフト4の回転により燃焼室のバルブ(図示せず)の開閉を行なう。
チェーン6には、支点軸7を中心として揺動可能に支持されたチェーンガイド8が接触しており、チェーンテンショナ1は、そのチェーンガイド8を介してチェーン6を押圧している。
図2に示すように、チェーンテンショナ1は、一端が開放し、他端が閉塞した筒状のシリンダ9と、シリンダ9内に軸方向に摺動可能に挿入されたプランジャ10とを有する。
シリンダ9は、エンジンカバー11内に開放端を向けた姿勢でエンジンカバー11のテンショナ取り付け孔12に挿入されている。シリンダ9は、その外周に一体に形成されたフランジ13が、ボルト14でエンジンカバー11の外面に締め付けられており、その締め付けによってエンジンカバー11に固定されている。フランジ13とエンジンカバー11の間には、環状のガスケット15が挟み込まれている。
プランジャ10は、シリンダ9内への挿入端が開口する有底筒状に形成されており、その内周に雌ねじ16が形成されている。プランジャ10内には、雌ねじ16にねじ係合する雄ねじ17を外周に有するスクリュロッド18が組み込まれている。スクリュロッド18は、一端がプランジャ10から突出しており、その突出端が、シリンダ9内に設けたロッドシート19に当接している。
雄ねじ17と雌ねじ16は、スクリュロッド18をプランジャ10内に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランク20のフランク角が、遊び側フランク21のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されており、スクリュロッド18をプランジャ10内に押し込む方向の荷重が静的に負荷されたときは、雄ねじ17と雌ねじ16の圧力側フランク20,20間の摩擦抵抗によってスクリュロッド18の回転が阻止され、スクリュロッド18をプランジャ10から突出させる方向の荷重が静的に負荷されたときは、雄ねじ17と雌ねじ16の遊び側フランク21,21間の滑りによってスクリュロッド18の回転が許容されるようになっている。
シリンダ9とプランジャ10とで囲まれた圧力室22内には、リターンスプリング23が組み込まれている。リターンスプリング23は、一端がスクリュロッド18で支持され、他端がスプリングシート24を介してプランジャ10を押圧しており、その押圧によって、プランジャ10をシリンダ9から突出する方向に付勢している。また、プランジャ10は、プランジャ10とロッドシート19の間に組み込まれたアシストスプリング25によっても、シリンダ9から突出する方向に付勢されている。プランジャ10は、シリンダ9からの突出端がチェーンガイド8に当接している。
シリンダ9には、圧力室22内に作動油を導入する給油通路26が形成されている。給油通路26は、その入口が給油ポンプ(図示せず)に接続されており、給油ポンプから送り出された作動油を圧力室22内に導入する。給油通路26の出口には、圧力室22から給油通路26への作動油の逆流を防止するチェックバルブ27が設けられている。
また、シリンダ9には、圧力室22からフランジ13の内部を通ってフランジ13のエンジンカバー11に対する合わせ面に連通するリリーフ通路28が形成されている。リリーフ通路28の途中には、圧力室22内の圧力が予め設定された圧力よりも大きくなったときに開放するリリーフバルブ29が組み込まれている。また、シリンダ9のテンショナ取り付け孔12への挿入部分の外周に形成された平坦面30とテンショナ取り付け孔12の内周との間に、リリーフ通路28をエンジンカバー11内に連通させる隙間が形成されている。
シリンダ9の開放側の端部内周には、周方向に延びる抜止めリング収容溝31が形成され、その抜止めリング収容溝31内に抜止めリング32が組み込まれている。抜止めリング32は、弾性的に拡径した状態となっており、プランジャ10の外周に締め代をもって接触している。ここで、抜止めリング32は、図4に示すように、周の一部を切り離したC型に形成されており、その両端の間隔が拡大することによって弾性的に拡径可能となっている。
図3に示すように、プランジャ10の外周には、プランジャ10がシリンダ9から突出したときに、抜止めリング32と係合する抜止めリング係合溝33が形成されている。抜止めリング係合溝33内には、プランジャ10のシリンダ9内への挿入端側で立ち上がるストッパ面34と、プランジャ10のシリンダ9からの突出端側で立ち上がるガイド面35とが設けられている。
ストッパ面34は、その立ち上がり角度が急であり、プランジャ10がシリンダ9から突出したときに抜止めリング32を受け止めて、プランジャ10をシリンダ9から抜け止めするようになっている。一方、ガイド面35は、その立ち上がり角度が緩やかであり、プランジャ10をシリンダ9内に挿入するときに、抜止めリング32を拡径させてプランジャ10の移動を許容するようになっている。
図9に示すように、プランジャ10のシリンダ9内への挿入端外周には、テーパ面36が形成されている。テーパ面36は、プランジャ10をシリンダ9に挿入してチェーンテンショナ1を組み立てるときに、抜止めリング32を押し広げて拡径させ、プランジャ10と抜止めリング32の干渉を防止する。このテーパ面36の傾斜は20°以下に設定すると、プランジャ10をシリンダ9に挿入するときに、テーパ面36の楔効果によって抜止めリング32を確実に押し広げることができ、抜止めリング32の拡径動作が円滑となる。
シリンダ9の内周の抜止めリング収容溝31よりも開放端側には、セットリング収容溝37が形成され、そのセットリング収容溝37内にセットリング38が組み込まれている。セットリング収容溝37には、シリンダ9の開放端側の内径がシリンダ9の閉塞端側の内径よりも小径となるように段差が付けられている。
セットリング38は、図5に示すように、周の一部を切り離したC型のリング部38Aと、そのリング部38Aの両端から軸方向に延び出す一対の縮径操作片38B,38Bとからなり、その縮径操作片38Bの間隔を縮小することによって弾性的に縮径可能となっている。縮径操作片38Bは、図3に示すように、セットリング収容溝37を横切るようにシリンダ9に形成した切欠き39に収容されている。切欠き39は、セットリング収容溝37と抜止めリング収容溝31のうち、セットリング収容溝37のみを横切るように形成されている。
図2に示すように、プランジャ10の外周には、プランジャ10をシリンダ9内に押し込んだときにセットリング収容溝37と合致するセットリング係合溝40が形成されている。
このセットリング38は、セットリング収容溝37とセットリング係合溝40とを合致させた状態で、縮径操作片38Bをつまんでリング部38Aを縮径させることにより、セットリング収容溝37内のシリンダ9の開放端側の位置でセットリング係合溝40と係合させることができ、この係合によって、プランジャ10をシリンダ9内に押し込んだ状態に保持(以下、「初期セット」という)することができる。
このとき、セットリング38は、弾性的に縮径した状態となっており、プランジャ10を更にシリンダ9内に押し込む操作をすることにより、プランジャ10の初期セットを解除することができる。このとき、セットリング38は、セットリング収容溝37内をシリンダ9の開放端側から閉塞端側に移動し、セットリング収容溝37内で拡径してセットリング係合溝40との係合を解除する。
このチェーンテンショナ1のエンジンカバー11への組み付けは、例えば、次のようにして行なう。
まず、プランジャ10をシリンダ9内に押し込んで初期セットする。次に、シリンダ9をエンジンカバー11のテンショナ取り付け孔12に挿入する。このとき、抜止めリング32の両端が周方向に沿った端部形状となっているので、抜止めリング32の両端がシリンダ9の外径よりも外側にはみ出すことはなく、抜止めリング32がエンジンカバー11に干渉するおそれがない。また、セットリング38の縮径操作片38Bが、軸方向に延び出すように形成されているので、縮径操作片38Bがシリンダ9の外径よりも外側にはみ出すことはなく、セットリング38がエンジンカバー11に干渉するおそれがない。シリンダ9をテンショナ取り付け孔12に挿入した後、ボルト14でフランジ13を締め付けてシリンダ9をエンジンカバー11に固定すると、チェーンテンショナ1の組み付けが完了する。
次に、このチェーンテンショナ1の動作例を説明する。
エンジン作動中にチェーン6の張力が小さくなると、リターンスプリング23の付勢力によってプランジャ10が突出方向に移動し、チェーン6の弛みを吸収する。このとき、チェックバルブ27が開き、オイルポンプから供給される作動油が、給油通路26を通って圧力室22に流入するので、プランジャ10は速やかに移動する。
一方、エンジン作動中にチェーン6の張力が大きくなると、そのチェーン6の張力によって、プランジャ10が押し込み方向に移動し、チェーン6の緊張を吸収する。このとき、スクリュロッド18は、チェーン6の振動により、雌ねじ16と雄ねじ17の間の軸方向隙間の範囲内で前進と後退を繰り返しながら、プランジャ10に対して回転する。また、圧力室22内の作動油が、プランジャ10とシリンダ9の摺動面間のリーク隙間41を通って流出し、その作動油の粘性抵抗によってダンパ作用が生じるので、プランジャ10はゆっくりと移動する。
エンジン停止時に、カムシャフト4の停止位置によってチェーン6の張力が大きくなる場合があるが、この場合、チェーン6が振動しないので、プランジャ10の雌ねじ16がスクリュロッド18の雄ねじ17で受け止められ、プランジャ10の位置が固定される。そのため、エンジンを再始動するときに、チェーン6の弛みを生じにくく、円滑なエンジン始動が可能である。
このチェーンテンショナ1は、プランジャ10をシリンダ9に挿入してチェーンテンショナ1を組み立てるときに、プランジャ10のテーパ面36が、抜止めリング32を押し広げて拡径させるので、抜止めリング32を拡径操作しなくても、プランジャ10と抜止めリング32の干渉を防止することができ、抜止めリング32の両端に拡径操作片を設ける必要がない。そのため、抜止めリング32の両端を周方向に沿った端部形状として、シリンダ9の外径を小さくすることができる。
また、このチェーンテンショナ1は、セットリング38の縮径操作片38Bが軸方向に延び出すように形成されているので、縮径操作片38Bがシリンダ9の外径よりも外側にはみ出しにくく、シリンダ9の外径を小さく抑えることができる。
シリンダ9の切欠き39は、セットリング収容溝37と抜止めリング収容溝31の両方を横切るように形成してもよいが、上記実施形態に示すように、セットリング収容溝37のみを横切るように形成すると好ましい。このようにすると、シリンダ9とプランジャ10の摺動面積を確保することができ、シリンダ9の姿勢が安定する。
抜止めリング32は、図4に示すように、金属線材を正円形状に曲げたものを使用してもよいが、図6(a)、(b)に示すように、金属線材を楕円形状に曲げたものを使用し、その長径部32aが抜止めリング収容溝31の内径に嵌合し、短径部32bがプランジャ10の外周に締め代をもって接触するようにすると好ましい。このようにすると、長径部32aの嵌合によって抜止めリング32が位置決めされるので、プランジャ10をシリンダ9に挿入するときに、プランジャ10の中心と抜止めリング32の中心がずれにくく、プランジャ10を抜止めリング32内に円滑に導入することができる。
このように楕円形状の抜止めリング32を使用する場合、図6(a)に示すように、長径部32aで周を切り離したC型とすると好ましい。このようにすると、プランジャ10をシリンダ9に挿入するときに、抜止めリング32が切り離されていない部分でテーパ面36と接触するので、抜止めリング32の拡径動作がより円滑となる。
抜止めリング32は、図7(a)、(b)に示すように、金属線材を三角形状に曲げたものを使用し、その角部32cが抜止めリング収容溝31の内径に嵌合し、辺部32dがプランジャ10の外周に締め代をもって接触するようにしてもよい。このようにしても、角部32cの嵌合によって抜止めリング32が位置決めされるので、プランジャ10をシリンダ9に挿入するときに、プランジャ10の中心と抜止めリング32の中心がずれにくく、プランジャ10を抜止めリング32内に円滑に導入することができる。
このように三角形状の抜止めリング32を使用する場合、図7(a)に示すように、角部32cで周を切り離したC型とすると好ましい。このようにすると、プランジャ10をシリンダ9に挿入するときに、抜止めリング32が切り離されていない部分でテーパ面36と接触するので、抜止めリング32の拡径動作がより円滑となる。
同様に、図8(a)、(b)に示すように、抜止めリング32として金属線材を四角形状に曲げたものを使用し、その角部32cが抜止めリング収容溝31の内径に嵌合し、辺部32dがプランジャ10の外周に締め代をもって接触するようにしてもよい。
抜止めリング32の断面形状は、図10(a)に示すように、円形とすると好ましい。このようにすると、プランジャ10をシリンダ9に挿入するときに、抜止めリング32がプランジャ10のテーパ面36と安定して接触し、抜止めリング32の拡径動作が円滑となる。
テーパ面36の小径端の外径は、図10(b)に示すように、拡径変形していない自然状態での抜止めリング32の内接円径よりも小さくすると好ましい。このようにすると、プランジャ10をシリンダ9に挿入するときに、プランジャ10を抜止めリング32内に円滑に導入することができる。
この発明の実施形態のチェーンテンショナを組み込んだチェーン伝動装置を示す正面図 図1のチェーンテンショナ近傍の拡大断面図 図2に示すプランジャがシリンダから突出した状態を示すシリンダの開放端近傍の拡大断面図 図3のIV−IV線に沿った断面図 図3のV−V線に沿った断面図 図4に示す抜止めリングを楕円形状とした変形例を示す図であり、(a)は長径部で周を切り離した変形例を示す図、(b)は短径部で周を切り離した変形例を示す図 図4に示す抜止めリングを三角形状とした変形例を示す図であり、(a)は角部で周を切り離した変形例を示す図、(b)は辺部で周を切り離した変形例を示す図 図4に示す抜止めリングを四角形状とした変形例を示す図であり、(a)は角部で周を切り離した変形例を示す図、(b)は辺部で周を切り離した変形例を示す図 図2に示すプランジャをシリンダに挿入する過程を示すシリンダの開放端近傍の拡大断面図 (a)は図9のテーパ面近傍の拡大断面図、(b)は(a)のテーパ面の変形例を示す拡大断面図 従来のチェーンテンショナを示す正面図 図11のXII−XII線に沿った断面図
符号の説明
1 チェーンテンショナ
9 シリンダ
10 プランジャ
11 エンジンカバー
12 テンショナ取り付け孔
16 雌ねじ
17 雄ねじ
18 スクリュロッド
19 ロッドシート
23 リターンスプリング
31 抜止めリング収容溝
32 抜止めリング
32a 長径部
32b 短径部
32c 角部
32d 辺部
33 抜止めリング係合溝
36 テーパ面
37 セットリング収容溝
38 セットリング
38A リング部
38B 縮径操作片
39 切欠き
40 セットリング係合溝

Claims (9)

  1. 一端が開放し、他端が閉塞した筒状のシリンダ(9)をエンジンカバー(11)のテンショナ取り付け孔(12)にエンジンカバー(11)内に開放端を向けた姿勢で挿入して固定し、そのシリンダ(9)内にプランジャ(10)を軸方向に摺動可能に挿入し、そのプランジャ(10)をシリンダ(9)内への挿入端が開口する有底筒状に形成し、そのプランジャ(10)の内周に形成した雌ねじ(16)にねじ係合する雄ねじ(17)を外周に有するスクリュロッド(18)を設け、そのスクリュロッド(18)のプランジャ(10)からの突出端をシリンダ(9)内に設けたロッドシート(19)に当接させ、前記プランジャ(10)をシリンダ(9)から突出する方向に付勢するリターンスプリング(23)を設け、前記シリンダ(9)の内周に形成した抜止めリング収容溝(31)内にプランジャ(10)の外周に締め代をもって接触するC型の抜止めリング(32)を組み込み、前記プランジャ(10)のシリンダ(9)内への挿入部分の外周に、プランジャ(10)がシリンダ(9)から突出したときに前記抜止めリング(32)と係合してプランジャ(10)をシリンダ(9)から抜け止めする抜止めリング係合溝(33)を形成したチェーンテンショナにおいて、
    前記C型の抜止めリング(32)の両端を周方向に沿った端部形状とし、前記プランジャ(10)のシリンダ(9)内への挿入端外周に、プランジャ(10)をシリンダ(9)に挿入するときに前記抜止めリング(32)を押し広げて拡径させるテーパ面(36)を形成し
    前記シリンダ(9)の内周の前記抜止めリング収容溝(31)よりも開放端側に、シリンダ(9)の開放端側の内径がシリンダ(9)の閉塞端側の内径よりも小径となるように段差を付けたセットリング収容溝(37)を形成し、そのセットリング収容溝(37)に、C型のリング部(38A)と、そのリング部(38A)の両端から延び出す一対の縮径操作片(38B)とからなるセットリング(38)を組み込み、前記一対の縮径操作片(38B)を、前記セットリング収容溝(37)を横切るようにシリンダ(9)に形成した切欠き(39)に収容し、前記プランジャ(10)の外周に、弾性的に縮径した状態の前記セットリング(38)と係合して前記プランジャ(10)をシリンダ(9)内に押し込んだ状態に保持するセットリング係合溝(40)を形成し、前記プランジャ(10)を更にシリンダ(9)内に押し込む操作により前記セットリング(38)がセットリング収容溝(37)内で拡径してセットリング係合溝(40)との係合を解除するようにし
    前記切欠き(39)を、前記セットリング収容溝(37)と抜止めリング収容溝(31)のうち、セットリング収容溝(37)のみを横切るように形成した
    ことを特徴とするチェーンテンショナ。
  2. 前記抜止めリング(32)は、金属線材を楕円形状に曲げて形成され、その抜止めリング(32)の長径部(32a)が前記抜止めリング収容溝(31)の内径に嵌合し、抜止めリング(32)の短径部(32b)が前記プランジャ(10)の外周に締め代をもって接触するようにした請求項1に記載のチェーンテンショナ。
  3. 前記抜止めリング(32)を、その長径部(32a)で周を切り離したC型とした請求項2に記載のチェーンテンショナ。
  4. 前記抜止めリング(32)は、金属線材を多角形状に曲げて形成され、その抜止めリング(32)の角部(32c)が前記抜止めリング収容溝(31)の内径に嵌合し、抜止めリング(32)の辺部(32d)が前記プランジャ(10)の外周に締め代をもって接触するようにした請求項1に記載のチェーンテンショナ。
  5. 前記抜止めリング(32)を、その角部(32c)で周を切り離したC型とした請求項4に記載のチェーンテンショナ。
  6. 前記抜止めリング(32)の断面形状を円形とした請求項1から5のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  7. 前記テーパ面(36)の小径端の外径を、拡径変形していない自然状態での前記抜止めリング(32)の内接円径よりも小さくした請求項1から6のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  8. 前記テーパ面(36)の傾斜を20°以下に設定した請求項1から7のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  9. 前記縮径操作片(38B)を、前記リング部(38A)の両端から軸方向に延び出すように形成した請求項1から8のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
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