JP6452491B2 - イムノクロマト法検査デバイスの試料添加部の形成方法及びイムノクロマト法検査デバイス - Google Patents

イムノクロマト法検査デバイスの試料添加部の形成方法及びイムノクロマト法検査デバイス Download PDF

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Description

本発明は、イムノクロマト法検査デバイスの試料添加部の形成方法及び該方法により形成された試料添加部を有するイムノクロマト法検査デバイスに関する。
近年、ウイルスや細菌等の病原体感染の有無、妊娠の有無などの様々な検査を短時間のうちに行う簡易検査試薬やキットが開発されている。病原体構成成分、ヒト絨毛性ゴナドトロピン等が検出あるいは定量の対象である。簡易検査試薬の多くは、特別な設備を必要とせず操作も簡単で安価であるという特徴を有しており、例えば、妊娠診断のための簡易検査試薬は一般薬局で販売されている。また、病原体の感染を検査する簡易検査試薬は、他の検査試薬と異なり、大病院や医療検査センター以外にも一般の病院や診療所で広く使用されている。これらの施設は患者が最初に訪れる医療機関である場合が多く、患者から採取した検体についてその場で感染の有無が判明すれば、早い段階で治療措置を施すことができるため、簡易検査試薬の医療における重要性は益々高まってきている。
現在、簡易検査方法として、抗原抗体反応を利用した免疫測定法、特にイムノクロマト法が一般に知られている。イムノクロマト法は被検出物に特異的に結合する捕捉体(捕捉物質)、および被検出物に特異的に結合する標識体の複合体をメンブラン上に形成させて、標識を検出/定量することで、被検出物の検出(測定あるいは定量)を行う。イムノクロマト法は測定装置が簡単で、またコストの点でも優れているため多種多様の被検出物の検出に広く用いられている。
イムノクロマト法の一つの形態においては、ニトロセルロース等のメンブランストリップ上に被検出物に特異的に結合する抗体を捕捉物質として固相化した検出部、及び被検出物に特異的に結合する標識体を含む標識体部を備えた検査デバイスに、被検出物を含む検体試料を滴下して、被検出物−標識体の複合体を形成させながら展開して検出部でこの複合体を捕捉することで標識を検出あるいは定量する(例えば特許文献1及び特許文献2)。
近年、イムノクロマト法検査デバイスの試料添加部に予め試薬を含浸させることにより、試料添加部上で検体試料を前処理する技術が開発されている。
特開2008−268043号公報 特開2008−203135号公報
しかし、試料添加部に含浸させた試薬は乾燥ムラ等の原因により試料添加部内で濃度差が発生したりする。その結果、試料添加部に検体試料を添加すると、含浸させた試薬と検体が上手く混合されず、検体試料がメンブレン上にスムーズに展開されないことがあった。検体試料がメンブレン上に速やかに展開されないことで測定速度が遅くなったり、検体試料がメンブレン上に滞留することでバックグラウンドが高くなるという問題点があった。
従って、本発明の目的は、前記の問題点を改善し、従来の測定方法よりも更に迅速且つ高感度に被検出物の存在を検出又は定量することを可能にするイムノクロマト法検査デバイス並びにその試料添加部の形成方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、ニトロセルロースメンブラン等の多孔性基材を用いるイムノクロマト法において、試料添加部に含浸させた試薬の復元性を改良した試料添加部を備えた検査デバイスを用いることにより、迅速且つ高感度に測定が可能になることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 試料添加部に常態で白色粉末状である界面活性剤を施し乾燥させることを含む、イムノクロマト法検査デバイスの試料添加部の形成方法であって、前記界面活性剤が、デオキシコール酸及びその塩並びにコール酸及びその塩から成る群より選ばれる少なくとも1種である、形成方法
(2) 前記界面活性剤が、デオキシコール酸ナトリウムである(2)記載の方法。
(3) (1)又は(2)に記載の方法により形成された試料添加部を含むイムノクロマト法検査デバイス。
本発明の方法を用いて形成された試料添加部を備えた検査デバイスを用いることにより、検体試料と試料添加部に含浸させた試薬が上手く混合され、検体試料がメンブレン上に速やかに展開されるため、バックグラウンドが低く、偽陽性が少なく、迅速で高感度に測定することができる。
本発明の一実施形態である検査デバイスの上面図並びに切断断面図である。 下記実施例及び比較例において得られた、試料添加部における界面活性剤の有無による、赤色色素の展開性の差異を示す図である。 下記実施例及び比較例において得られた、試料添加部における界面活性剤の有無による、試料添加部での赤色色素の色残りの差異を示す図である。 下記実施例及び比較例において得られた、試料添加部における界面活性剤の有無による、免疫測定結果の再現性の差異を示す図である。
本発明における試料添加部とは、イムノクロマト法検査デバイスにおいて検体試料を添加する部位である。試料添加部は、吸水性のある材質、例えばスポンジ、ガラス繊維などの不織布等の多孔性基材からなるパッドをデバイス本体を構成するニトロセルロースメンブラン等の多孔性基材上に載置することで形成される。パッドを用いる場合、該パッドを試料添加パッドと呼ぶことができる。また、試料添加部をパッド状とせず、デバイス本体を構成するニトロセルロースメンブラン等の多孔性基材の一部領域を試料添加部とすることも可能である。試料添加部は試験片上の一端に設けるのが好ましい。
試料添加部には、予め抗原抗体反応に必要な試薬を施すことができる。例えば検体試料中の非特異成分が抗原抗体反応に関与しないように界面活性剤を施したり、血液検体を測定する際は溶血剤を施すこともできる。イムノクロマト法は検体試料を予め浮遊液で浮遊させてから試料添加部に添加することが多いが、その場合、検体試料が希釈されることで被検出物もまた希釈され、検出感度に支障をきたすことになる。そこで、予め検体浮遊液の成分である緩衝剤、界面活性剤、各種蛋白、塩類、糖類を施しておくこともできる。
本発明の方法では、試料添加部に常態で白色粉末状である界面活性剤を施すことが必要である。本発明者等は、鋭意検討を行った結果、このことによって、イムノクロマト法において、検体試料が速やかにメンブレン上に展開され、高感度に被検出物を検出することができることを見出し、本発明に至った。なお、「常態で白色粉末状」とは、その界面活性剤が、常温、常圧下に単独で存在した場合に白色粉末状という意味である。これ以外の界面活性剤として、液状、ペースト状、又はワックス状である界面活性剤を用いた場合は、乾燥が不十分であったり、試料添加部の安定性に問題があったり、試料が添加された際の迅速な浸透効果が十分でなく、本発明には適さない。界面活性剤は、通常、水系媒体に溶解して多孔性基材に施されるので、水溶解性に優れたものが好ましい。また、白色粉末状の界面活性剤の中でも、分子量200〜900の界面活性剤は、水溶解性、安定性に優れ、本発明の効果が得られる点で好ましい。
このような常態において白色粉末状であり、水溶解性に優れた界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。これらの界面活性剤は、単独で用いることもできるし2種以上を組み合わせて用いることもできる。
コール酸ナトリウム、
デオキシコール酸ナトリウム、
ラウリル硫酸ナトリウム、
スクロースモノコレート、
β-D-フラクトピラノシル-α-D-グルコピラノシドモノドデカノエート、
β-D-フラクトピラノシル-α-D-グルコピラノシドモノデカノエート、
n-オクタノイル-N-メチルグルカミド、
n-ノナノイル-N -メチルグルカミド、
n-デカノイル-N-メチルグルカミド、
n-オクチル-β-D-チオグルコピラノシド、
n-オクチル-β-D-マルトピラノシド、
n-オクチル-β-D-グルコピラノシド、
n-ノニル-β-D-チオマルトピラノシド、
n-ドデシル-β-D-マルトピラノシド、
n-デシル-β-D-マルトピラノシド、
N,N-ビス(3-D-グルコンアミドプロピル)コラミド、
N,N-ビス(3-D-グルコンアミドプロピル) デオキシコラミド、
3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパンスルホン酸、
3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸、
ツビッタージェント (ZWITTERGENT )3-10デタージェント (商品名) カルビオケム製、
ツビッタージェント 3-12デタージェント (商品名) カルビオケム製、
ツビッタージェント 3-14デタージェント (商品名) カルビオケム製。
これらの界面活性剤の中でも、陰イオン性である、デオキシコール酸及びその塩並びにコール酸及びその塩から成る群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、特に、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウムは、水溶解性が良く、安価であるのでより好ましい。
試料添加部に上記界面活性剤を施す方法としては、界面活性剤の溶液、好ましくは、水又は水系緩衝液を溶媒とする水溶液を、含浸や滴下等により添加する方法が好ましい。この場合、界面活性剤溶液中の界面活性剤の濃度は、通常、0.005質量%〜5質量%、好ましくは、0.05質量%〜 2質量%である。また、試料添加部への界面活性剤の添加量は、通常、0.0013mg〜10mg程度、好ましくは、0.005mg〜4mg程度である。
界面活性剤を含有させることの効果は、前記の浮遊液を多孔性基材に施し乾燥する際に、水分子の蒸発にともない界面活性剤が微細な結晶状態として試料添加部に存在することにより、検体試料がムラなく試料添加部に浸透することでメンブレン上に速やかに展開されるためと考えられる。また、予め試料添加部に抗原抗体反応に必要な試薬を施した際は、抗原抗体反応に必要な試薬の乾燥時の濃度ムラや自己凝集が著しく防止されることにより、検体試料と抗原抗体反応に必要な試薬がムラなく混合されることにより、メンブレン上に速やかに展開され、しかも自己凝集によるバックグラウンド並びに偽陽性もなく、S/N比を大幅に上げることができる。また、界面活性剤は、常態で粉末状であるので乾燥状態で保持することができ、保存安定性が良く、取扱いも容易である。さらに、白色であるので、目視による検査結果の判定の妨げにならない。
本発明のイムノクロマト法試験デバイスを用いて検出する被検出物や検体試料は限定されない。例えば、検体試料は、咽頭あるいは鼻腔拭い液、鼻腔吸引液、咽頭あるいは鼻腔洗浄液、唾液、血清、血漿、全血、便懸濁液、尿、培養液およびそれらを緩衝液で希釈したものや希釈せずにそのまま用いることができる。被検出物も何ら限定されず、検出しようとするいかなる物質であってもよい。具体例として、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、HAV、HBs、HIV、ノロウイルス等のウイルス抗原、MRSA、A群溶連菌、B群溶連菌、レジオネラ属菌等の細菌抗原、細菌等が産生する毒素、マイコプラズマ、クラミジア・トラコマティス、ヒト絨毛性ゴナドトロピン等のホルモン、C反応性タンパク質、ミオグロビン、心筋トロポニン、各種腫瘍マーカー、農薬、環境ホルモン等の抗原を挙げることができ、さらに、上記細菌、ウイルス等に対する抗体を挙げることができる。
本発明は、上記のようにして形成される検体添加部位を含むイムノクロマト法検査デバイスをも提供する。試料添加部に常態で白色粉末状である界面活性剤を施す点を除き、検査デバイスの構成自体は、例えば特許文献1及び特許文献2に記載されるような、周知のものであってよい。本発明のイムノクロマト法検査デバイスの具体例の模式図を図1に示すが、本発明の検査デバイスはこれに限定されるものではない。
図1の上が上面図、下が切断断面図である。図示の具体例では、プラスチック板(ヘ)上に、2個の検出部(ハ)が形成されたニトロセルロースメンブラン(イ)、濾紙で形成された吸収パッド部(ホ)、上記方法により形成された標識体部(ロ)、及びガラス繊維フィルターで形成された試料添加部(ニ)がそれぞれ積層されている。そして、図示のように、吸収パッド部(ホ)の一方の端部領域と、ニトロセルロースメンブラン(イ)の一方の端部領域、ニトロセルロースメンブラン(イ)の他方の端部領域と標識体部(ロ)の一方の端部領域、標識体部(ロ)の他方の端部領域と試料添加部(ニ)の一方の端部領域がそれぞれ重ね合わされており、これにより、連続したラテラルフローの流路が形成されている。
次にこの検査デバイスを用いた免疫測定法について説明する。先ず、検体を検体浮遊/抽出用緩衝液に浮遊/抽出させた検体試料を調製する。プラスチック板(ヘ)上に積層されたニトロセルロースメンブラン(イ)上に、被検出物と抗原抗体反応する抗体を着色ラテックス粒子で標識した、上記方法により形成される安定化乾燥標識体パッドを含む標識体部(ロ)を備え、更に被検出物と抗原抗体反応する抗体を捕捉物質としてライン状に固相化された検出部(ハ)を備えた検査デバイスの試料添加部(ニ)に前記検体試料を滴下する。被検出物を含む検体試料は、メンブラン上を水平方向に移動しながら標識体を展開するので、被検出物が存在すれば、被検出物−標識体の複合体を形成し、更に検出部(ハ)に到達するとそのライン上に、捕捉抗体−被検出物−標識体の複合体が形成され、この複合体中の着色ラテックス粒子により、複合体の存在を検出することで検体中の被検出物の有無を判定する。なお、検出部(ハ)は、被検出物質と抗原抗体反応し、且つ、着色ラテックス粒子上の抗体又はその抗原結合性断片と同時に被検出物に結合することが可能な、抗体又はその抗原結合性断片をライン状に固相化した領域である。反応に関与しなかった他の成分等は、吸収パッド部(ホ)に吸収される。なお、図1に示す例では、検出部(ハ)が2個存在するが、これは、例えば下記実施例に記載するように、A型インフルエンザウイルスとB型インフルエンザウイルスのような2種類の被検出物をそれぞれ捕捉するためのものである。このような検出部(ハ)を複数設けることにより、複数種類の被検出物を同時に免疫測定することが可能である。
被検出物と抗原抗体反応する抗体又はその抗原結合性断片を結合させたラテックス粒子を安定化乾燥標識体として用いる本発明の検査デバイスを用いることにより、迅速且つ簡便に被検出物を測定できる。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づきより具体的に説明する。但し、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
イムノクロマト法によるインフルエンザウイルス抗原の検出
1.抗インフルエンザウイルスモノクローナル抗体の作製
(1)抗A型インフルエンザウイルスNP抗体
A型インフルエンザウイルス抗原をBALB/cマウスに免疫し、一定期間飼育したマウスから脾臓を摘出し、ケラーらの方法(Kohler et al., Nature, vol, 256, p495-497(1975))によりマウスミエローマ細胞(P3×63)と融合した。得られた融合細胞(ハイブリドーマ)を、37℃インキュベーター中で維持し、A型インフルエンザウイルスNP抗原を固相したプレートを用いたELISAにより上清の抗体活性を確認しながら細胞の純化(単クローン化)を行った。取得した該細胞2株をそれぞれプリスタン処理したBALB/cマウスに腹腔投与し、約2週間後、抗体含有腹水を採取した。得られた腹水からプロティンAカラムを用いたアフィニティークロマトグラフィーにより、それぞれIgGを精製し、2種類の精製抗A型インフルエンザウイルスNP抗体を得た。
(2)抗B型インフルエンザウイルスNP抗体
B型インフルエンザウイルス抗原を用い、(1)と同様の方法で、2種類の精製抗B型インフルエンザウイルスNP抗体を得た。
2.標識体パッドの作製
精製抗A型インフルエンザウイルスNP抗体及び精製抗B型インフルエンザウイルスNP抗体のうちそれぞれ1種類ずつを使用した。青色ラテックス粒子に抗A型インフルエンザウイルス抗体を共有結合させ、浮遊液に懸濁し、ソニケーションを行って充分に分散浮遊させた抗A型ラテックス浮遊液を調製した。また、同様に抗B型インフルエンザウイルス抗体を共有結合させた抗B型ラテックス浮遊液を調製した。抗A型ラテックス浮遊液と抗B型ラテックス浮遊液とを混合し、大きさが20cm×1cmのガラス繊維に塗布し、温風下で良く乾燥させて、乾燥混合物を形成した標識体パッドを作製した。
3.試料添加パッドの作製
大きさが2.0cm×20cmのガラス繊維を使用した。
4.検査デバイスの作製
検査デバイスは、図1に示すものと同様の構成のものを用いた。ニトロセルロースメンブランを2cm×20cmの大きさに裁断し接着剤がついたプラスチック板でバッキングした、下端から 0.6cmと1.0cmの位置に約1mm幅になる量の抗A型インフルエンザウイルス抗体(上記と別の抗体)液、並びに抗B型インフルエンザウイルス抗体(上記と別の抗体)液を各々20cm塗布し、温風下で良く乾燥させて抗体を固相化した(検出部)。次に、3cm×20cmの大きさの濾紙をニトロセルロースメンブランの上端に5mm重ねて吸収パッド部を設けた。更に、標識体パッドをニトロセルロースメンブランの下端に2mm重ねて標識体部を設け、更に、試料添加パッドを標識体パッドの上端から7mm離れた位置に合わせて重ね、試料添加部を設けた。次いで、カッターで幅5mmの短冊に裁断して一体化された検査デバイスを作製した。
5.試験
実施例1及び比較例1
まず、上記のとおり作製した検査デバイスの試料添加部に、検体展開成分(100mM Tris-HCl(pH8.0)、1%Tween20、 0.5%BSA)および食用赤色色素(濃度0.1%)を含浸した(比較例1)。また、これらに0.2質量%のデオキシコール酸ナトリウム(DOC)をさらに含む溶液を試料添加部に含浸させた(実施例1)。試料として生理食塩水を試料添加部に滴下し、試料滴下直後の食用色素の放出の様子と、試験終了後の試料添加部の様子を観察した。その結果、試験直後の色素の放出は、デオキシコール酸ナトリウム含有の試料添加部を持つ検査デバイスで明らかに放出量が多かった(図2)。また試験終了後の試料添加部においても、デオキシコール酸ナトリウム含有サンプルでは色素の色残りが少なかった(図3)。以上からデオキシコール酸ナトリウムが検体添加部に含有されることで検体展開成分の放出が改善し、それに伴い食用色素の放出も改善したものと推察される。なお、図面は白黒なので差がわかりにくいかもしれないが、カラー写真であれば、図2及び図3における実施例1と比較例1の差異は肉眼で明瞭に理解できる。
実施例2及び比較例2
試料添加部に含浸させた溶液が、赤色食用色素を含まないことを除き、実施例1及び比較例1と同様にして、上記検体展開成分とデオキシコール酸ナトリウムを含む試料添加部を有する検査デバイス(実施例2)と、検体展開成分のみを含む試料添加部を有する検査デバイス(比較例2)を作製した。これらのそれぞれにて、インフルエンザウイルスB型の抗原を使用してイムノクロマト試験を行い、シグナル強度のばらつきをイムノクロマトリーダー(浜松フォトニクス社製)で測定した(各n=10)。
結果を図4に示す。図4に示されるように、デオキシコール酸ナトリウムを含む試料添加部を有する検査デバイス(実施例2)で、明らかにシグナル強度のばらつきが少なかった(図4.デオキシコール酸ナトリウムあり:CV=7.48%、デオキシコール酸ナトリウムなし:CV=15.02%、)。以上からデオキシコール酸ナトリウムが含まれる試料添加部を用いることで、試料添加部からの検体展開成分の放出が改善し、安定した試験結果を得られたものと考えられる。
イ ニトロセルロースメンブラン
ロ 標識体部
ハ 検出部
ニ 試料添加部
ホ 吸収パッド部
ヘ プラスチック板

Claims (3)

  1. 試料添加部に常態で白色粉末状である界面活性剤を施し乾燥させることを含む、イムノクロマト法検査デバイスの試料添加部の形成方法であって、前記界面活性剤が、デオキシコール酸及びその塩並びにコール酸及びその塩から成る群より選ばれる少なくとも1種である、形成方法
  2. 前記界面活性剤が、デオキシコール酸ナトリウムである請求項記載の方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法により形成された試料添加部を含むイムノクロマト法検査デバイス。
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