JP6450153B2 - X線像撮像用ユニット、電子顕微鏡及び試料像取得方法 - Google Patents

X線像撮像用ユニット、電子顕微鏡及び試料像取得方法 Download PDF

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Description

本発明は、X線像撮像用ユニット、電子顕微鏡及び試料像取得方法に関する。
近年、走査電子顕微鏡(SEM)等の電子顕微鏡において、試料の電子線像を取得する機能以外の機能が付加されたものが知られている。例えば特許文献1には、電子線が照射されることによりX線を発生させるX線ターゲットと、X線を検出するX線撮像部とを有するSEMが開示されている。この特許文献1に記載のSEMでは、電子線像の撮像モードとX線像の撮像モードとの切り替えが可能になっている。
特開2005−222817号公報
上記特許文献1に記載のSEMでは、X線ターゲット及び開口部が設けられたホルダーを機械的に移動させることによって、電子線像の撮像モードとX線像の撮像モードとを切り替えている。このため、電子線像の撮像モードとX線像の撮像モードとを速やかに切り替えることが困難である。また、例えば試料の電子線像を所望の領域にて取得した後、同一の所望の領域にて試料のX線像を取得したい場合、撮像モードの切り替えの際のホルダーの機械的な移動に伴う振動などの影響によって、例えば試料の配置や状態が電子線像の撮像時と変化してしまい、同一領域でのX線像の撮像を行うことが困難となる場合がある。
本発明は、所望の領域において電子線像及びX線像を速やかに取得可能なX線像撮像用ユニット、電子顕微鏡及び試料像取得方法を提供することを目的とする。
本発明に係るX線像撮像用ユニットは、電子線を照射する電子線源と、電子線の進行方向を調整する調整部と、電子検出器とを備えた電子顕微鏡の試料室内に配置され、電子線が照射されることによりX線を発生するX線ターゲット部、及びX線ターゲット部を保持する保持部を有するX線発生部と、試料を透過したX線が入射されることによりX線像を生成するX線撮像部と、X線発生部とX線撮像部との間に位置し、試料が配置される試料台部と、を備え、電子線像取得時において、X線ターゲット部の少なくとも一部は、調整部の調整によって電子線の照射が可能な領域であるとともに、試料の少なくとも一部に対してX線の照射が可能な領域である第1領域内に含まれている。
このX線像撮像用ユニットでは、電子線像取得時において、X線ターゲット部の少なくとも一部は、調整部の調整によって電子線の照射が可能な領域であるとともに、試料の少なくとも一部に対してX線の照射が可能な領域である第1領域内に含まれている。つまり、電子線像取得時において、既にX線ターゲット部は、調整部による電子線の進行方向の調整を行うことで試料の少なくとも一部にX線の照射が可能な領域内に配置されている。これにより、電子線像の撮像モードとX線像の撮像モードとを切り替える場合には、単に電子線の進行方向の調整を行えばよく、X線ターゲット部を有するX線発生部を移動する必要がない。したがって、X線発生部の移動に伴う問題(例えば試料の配置の変化等)の発生を抑制し、所望の領域において電子線像及びX線像を速やかに取得可能である。
また、第1領域内に含まれる第2領域の電子線像取得時において、X線ターゲット部の少なくとも一部が第2領域に含まれてもよい。この場合、電子線像によるX線ターゲット部の位置の特定が容易になるとともに、電子線の進行方向の調整量も小さくできる。したがって、電子線像の撮像モードとX線像の撮像モードとを速やかに切り替えることができる。
さらに、電子検出器で検出される第2領域の電子線像において、電子線像全体の面積をAとし、X線発生部の面積をBとした場合、A−B>Bを満たしてもよい。この場合、十分に広い領域において、試料に関する電子線像を取得できるとともに、電子線像の撮像モードとX線像の撮像モードとを速やかに切り替えることができる。
また、第1領域内に含まれる第2領域の電子線像取得時において、X線ターゲット部は第2領域に含まれなくてもよい。この場合、X線ターゲット部は、電子線像取得領域である第2領域の外であり、且つ電子線の照射が可能な領域である第1領域内にある。したがって、第2領域の電子線像にはX線ターゲット部は含まれず、試料に関する電子線像をより広範囲に得ることができる。
また、保持部は、第1領域外から長尺状に延在しており、X線ターゲット部を第1領域内で保持してもよい。この場合、電子線像取得時における保持部の影響を抑制しつつ、X線ターゲット部を良好に保持できる。
また、X線ターゲット部は、X線透過窓と、X線透過窓に支持されるX線ターゲットとを有してもよい。この場合、X線ターゲットを構成するターゲット材料が電子線によってスパッタリングされて飛散しても、飛散物がX線透過窓によって遮られ、試料の汚染を抑制できる。
さらに、保持部は、X線透過窓によって封止された貫通孔を有し、X線ターゲットは、貫通孔内に収容されていてもよい。この場合、スパッタリングによるターゲット材料の貫通孔の外部への飛散が、貫通孔の壁面によって抑制され、試料が汚染されることをさらに抑制できる。
また、試料台部を移動可能な試料台部移動部を備え、X線発生部の保持部は、試料台部と独立して支持されてもよい。この場合、試料台部移動部によって試料台部が移動したとしても、X線発生部の保持部は移動しない。すなわち、X線ターゲット部の少なくとも一部を、第1領域内の所定の位置に保持することができる。このため、X線ターゲット部への電子線の照射が容易であり、電子線像の撮像モードとX線像の撮像モードとを速やかに切り替えることができる。
本発明に係る電子顕微鏡は、電子線を照射する電子線源と、電子線の進行方向を調整する調整部と、電子検出器と、電子線が照射されることによりX線を発生するX線ターゲット部、及びX線ターゲット部を保持する保持部を有するX線発生部と、試料を透過したX線が入射されることによりX線像を生成するX線撮像部と、X線発生部とX線撮像部との間に位置し、試料が配置される試料台部と、を備え、電子線像取得時において、X線ターゲット部の少なくとも一部は、調整部の調整によって電子線の照射が可能な領域であるとともに、試料の少なくとも一部に対してX線の照射が可能な領域である第1領域内に含まれている。
この電子顕微鏡では、電子線像取得時において、X線ターゲット部の少なくとも一部は、調整部の調整によって電子線の照射が可能な領域であるとともに、試料の少なくとも一部に対してX線の照射が可能な領域である第1領域内に含まれている。つまり、電子線像取得時において、既にX線ターゲット部は、調整部による電子線の進行方向の調整を行うことで試料の少なくとも一部にX線の照射が可能な領域内に配置されている。これにより、電子線像の撮像モードとX線像の撮像モードとを切り替える場合には、単に電子線の進行方向の調整を行えばよく、X線ターゲット部を有するX線発生部を移動する必要がない。したがって、X線発生部の移動に伴う問題(例えば試料の配置の変化等)の発生を抑制し、所望の領域において電子線像及びX線像を速やかに取得可能である。
本発明に係る試料像取得方法は、試料に電子線およびX線を照射することによって、当該試料の電子線像およびX線像を取得する試料像取得方法であって、電子線の進行方向を調整しつつ走査することにより、電子線像を取得する電子線像取得ステップと、電子線の進行方向の調整によって電子線の照射が可能な領域であるとともに、試料の少なくとも一部に対してX線の照射が可能な領域である第1領域内に含まれるように配置されたX線ターゲット部に電子線を照射してX線を発生し、X線像を取得するX線像取得ステップと、を備える。
この試料像取得方法では、電子線の進行方向を調整しつつ走査することにより、電子線像を取得する電子線像取得ステップと、電子線の進行方向の調整によって電子線の照射が可能な領域であるとともに、試料の少なくとも一部に対してX線の照射が可能な領域である第1領域内に含まれるように配置されたX線ターゲット部に電子線を照射してX線を発生し、X線像を取得するX線像取得ステップと、を備える。つまり、X線ターゲット部は、電子線の進行方向の調整を行うことで試料の少なくとも一部にX線の照射が可能な領域内に配置されている。これにより、電子線像取得ステップとX線像取得ステップとを切り替える場合には、単に電子線の進行方向の調整を行えばよく、X線ターゲット部を有するX線発生部を移動する必要がない。したがって、X線発生部の移動に伴う問題(例えば試料の配置の変化等)の発生を抑制し、所望の領域において電子線像及びX線像といった試料像を速やかに取得可能である。
本発明によれば、所望の領域において電子線像及びX線像を速やかに取得可能なX線像撮像用ユニット、電子顕微鏡及び試料像取得方法を提供できる。
図1は、第1実施形態に係るX線像撮像用ユニットが設けられた電子顕微鏡の概略断面図である。 図2は、X線発生部の拡大断面図である。 図3は、X線発生部と試料とイメージセンサとの位置関係を示す概略断面図である。 図4は、電子検出器で取得した、図3の条件でのベース面における電子線像であって、X線発生部および試料Sと、領域31および領域33との位置関係を示す概略平面図である。 図5(a),(b)は、電子線Eが走査可能な領域とX線発生部とイメージセンサとの位置関係を示す模式図である。 図6は、第1実施形態に係る電子顕微鏡の使用方法の一例を説明するためのフローチャートである。 図7は、電子線像の取得方法の一例を説明するためのフローチャートである。 図8は、第1変形例に係るX線発生部の概略断面図である。 図9(a),(b)は、第2変形例に係るX線発生部を示す電子線像である。 図10は、第3変形例に係るX線発生部を説明するための模式図である。 図11は、第2実施形態に係る電子顕微鏡の概略断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るX線像撮像用ユニット10が設けられた電子顕微鏡1の概略断面図である。図1に示されるように、電子顕微鏡1は、試料室2内部に設置された試料Sに電子線を走査させることにより、電子線像を取得する走査型電子顕微鏡(SEM)である。この電子顕微鏡1の試料室2内には、X線像を撮像するためのX線像撮像用ユニット10(詳細は後述する)が着脱可能に設けられている。電子顕微鏡1にX線像撮像用ユニット10が設置されている場合、当該電子顕微鏡1は、電子線像の撮像モードとX線像の撮像モードとを切り替えることができる。すなわち、電子顕微鏡1は、試料Sの電子線像及びX線像といった試料像を取得することができる。なお、以下では試料Sに対して略垂直方向に電子線を照射する際の電子線の照射軸に沿った方向を方向D1とする。また、方向D1に対して直交する平面において、互いに直交する任意の方向をそれぞれ方向D2,D3とする。
電子顕微鏡1の筐体1a内には、試料室2と、試料Sに電子線Eを照射する電子線源3と、電子線源3から照射された電子線Eを収束させる電子レンズ4と、電子線Eの進行方向を調整する調整部であり、電子線Eを磁界または電界の作用によって偏向して走査する際に用いる偏向部7と、電子線Eの照射により試料Sから発生する二次電子を検出する電子検出器5と、X線像撮像用ユニット10が設置されるステージ6とが設けられている。電子検出器5と、ステージ6とは、試料室2内に設けられる。
偏向部7は、電子線Eが試料室2内の所定の領域を走査できるように駆動可能となっている。電子レンズ4には、例えば収束レンズに加えて、対物レンズ及び電子線Eを絞る絞り部材等が含まれてもよい。ステージ6は、X線像撮像用ユニット10を方向D2,D3に移動可能に設けられる。
X線像撮像用ユニット10は、筐体11と、筐体11上部に取り付けられるX線発生部12と、X線発生部12を保持すると共に当該X線発生部12を方向D2又は方向D3に移動させるターゲット移動装置13と、試料Sが配置される試料支持機構14と、試料支持機構14を支持するユニット内ステージ15と、試料Sを透過したX線Rが入射されることによりX線像を生成するイメージセンサ(X線撮像部)16と、イメージセンサ16を冷却する冷却装置17とを有している。なお、イメージセンサ16を移動させる機構を備えていてもよい。
ユニット内ステージ15、イメージセンサ16、及び冷却装置17は、それぞれケーブルC1〜C3を介して制御部18に接続されている。冷却装置17に含まれる水冷ジャケット17aは、水冷パイプPを介して水冷装置19に接続されている。これらの制御部18及び水冷装置19は、X線像撮像用ユニット10に取り付けられる部材であり、電子顕微鏡1の筐体1aの外側に設けられている。ケーブルC1〜C3及び水冷パイプPは、試料室2を構成する壁の一部に設けられた真空導入部2bから試料室2内に導入されている。
筐体11は、例えばステンレス等によって形成されている。筐体11の一部は、電子検出器5による試料Sの二次電子の検出を阻害しないよう開放されている。筐体11は、この開放された部分を閉じるための蓋部を別途有してもよい。
図2は、X線発生部12の拡大断面図である。X線発生部12は、電子線Eが照射されることによりX線Rを発生するX線ターゲット部21と、X線ターゲット部21を支持するターゲット支持体(保持部)22とを有している。X線ターゲット部21は、電子線Eの入射方向にX線Rを出射する透過型ターゲットである。
X線ターゲット部21は、ターゲット支持体22の先端部において、方向D1に沿って設けられた直径50μm程度の貫通孔22aを形成した領域に設けられる。X線ターゲット部21は、試料S側に設けられるX線透過窓21aと、X線透過窓21aに支持されるX線ターゲット21bとを有する。X線透過窓21aは、貫通孔22aの試料S側の端部を封止するように設けられたX線透過材料からなり、例えばニトロセルロース又はポリビニルフォルマール等による薄膜である。X線ターゲット21bは、上記薄膜に例えば銅又はアルミニウム等が蒸着された金属薄膜である。X線ターゲット21bに電子線Eが照射されることによりX線Rが発生する。発生したX線Rは、X線透過窓21aを透過し、試料Sに入射する。
ターゲット支持体22は、方向D2に沿った方向から見て略矩形状の断面を有し、当該断面の一辺は約100μmである。ターゲット支持体22は、電子線Eが照射される領域外から長尺状に延在している(詳しくは後述する)。ターゲット支持体22は、ターゲット移動装置13に取り付けられている。ターゲット支持体22は、例えばSiウエハーを微細加工することによって形成される。
図1に示されるターゲット移動装置13は、例えば電動モータを有しており、この電動モータの駆動によりX線発生部12を移動させる。このターゲット移動装置13によるX線発生部12の移動によって、X線発生部12の位置を調整することができる。なお、試料Sの電子線像の撮像のみでよい場合には、ターゲット移動装置13によってX線発生部12を電子線Eが照射される領域から退避させてもよい。ターゲット移動装置13は、電子検出器5による試料Sの二次電子の検出を阻害しないように配置される。
試料支持機構14は、方向D1に沿った方向においてX線発生部12とイメージセンサ16との間に位置しており、ユニット内ステージ15に支持される基部23と、基部23に支持されると共に試料Sが配置される試料台部24とを有する。基部23の一部には、X線Rを通過させるための開口部23aが設けられている。基部23は、例えばステンレスによって形成される。
ユニット内ステージ15は、制御部18による制御によって試料支持機構14を方向D1に沿って移動させるステージである。ユニット内ステージ15により、X線発生部12と試料支持機構14(試料S)との間の距離を任意に調節できる。ここで、方向D1において、X線発生部12及びイメージセンサ16の間の距離bとX線発生部12及び試料Sの間の距離aとの比率(b/a)が、撮像されるX線像の倍率に相当する。制御部18によるユニット内ステージ15の制御によって試料支持機構14(試料S)をX線発生部12に近づけることで、電子線像及びX線像の倍率を上げることができる。また、制御部18によるユニット内ステージ15の制御によって試料支持機構14をX線発生部12から遠ざけることで、電子線像及びX線像の倍率を下げることができる。
イメージセンサ16は、試料Sを透過したX線Rが入射されることにより当該試料SのX線像を生成するセンサである。イメージセンサ16として、例えば電荷結合素子(CCD:Charge Coupled Device)等の半導体素子が用いられる。イメージセンサ16は、ケーブルC2を介して制御部18に接続されており、ステージ6に固定されている。制御部18は、イメージセンサ16から得られた信号に基づいて、X線画像を生成することができる。
冷却装置17は、イメージセンサ16の下部に設けられている。この冷却装置17は、例えば水冷ジャケット17aと、ペルチェ素子17bとを有する。ペルチェ素子17bは、ケーブルC3を介して接続される制御部18によって制御される。
図3は、X線発生部12と試料Sとイメージセンサ16との位置関係を示す概略断面図である。図3に示されるように、X線発生部12におけるX線ターゲット部21の少なくとも一部は、電子線Eの照射が可能な領域(第1領域)31内に含まれている。より詳しくは、この領域31は、偏向部7による偏向によって電子線Eの照射が可能な空間である。そのため、領域31に含まれたX線ターゲット部21に電子線Eを照射することができ、X線Rを発生することができる。なお、領域31は、偏向しない場合の電子線Eの照射経路も含む。さらに、領域31は、当該領域31内で発生したX線Rの少なくとも一部を試料Sに照射することが可能な空間でもある。つまり、このような領域31にX線ターゲット部21の少なくとも一部が配置されているので、電子線像を取得するために走査していた電子線Eを偏向部7によってX線ターゲット部21へと偏向するだけで、X線像の取得が可能になる。例えば領域31は、電子顕微鏡1が最小倍率に設定された場合に電子線Eが走査される領域(電子線走査可能領域)とすることができる。なお、ベース面BSは、試料Sの載置面を表す仮想面であり、図3において仮想線で表される。
電子顕微鏡1による電子線像の撮像においては、領域31の一部に絞って撮像することが殆どである。例えば、図3で示されるように、領域31に含まれる領域(第2領域)33は、試料Sの一部を含むような範囲で設定される。例えば領域33は、最小倍率よりも大きい所定の倍率に設定された場合に電子線Eが走査される領域(試料観察領域)とすることができる。なお、本実施形態においては、領域33も領域31と同様、偏向部7による偏向によって電子線Eの照射が可能な空間であって、領域33に含まれたX線ターゲット部21に電子線Eを照射することでX線Rを発生することができるとともに、領域33内で発生したX線Rの少なくとも一部を試料Sに照射することが可能な空間である。
ターゲット支持体22は、方向D2に沿って領域31外から長尺状に延在しており、X線ターゲット部21を領域31内で保持している。また、電子線EがX線ターゲット部21に入射されることにより発生するX線Rは、領域32内に発生する。この領域32は、X線Rが照射されうる領域(X線照射可能領域)である。図3においては、説明を分かりやすくするために、領域31および領域32は、ともに試料Sの全体を含むように記載しているが、試料Sの一部を含むような範囲でもよい。イメージセンサ16は、領域32内の試料Sを透過したX線Rが入射されるように配置されている。より撮像に適した配置となるようにイメージセンサ16を移動させて調整してもよい。
図4は、電子検出器5で取得した、図3の条件での電子線像であって、X線発生部12および試料Sと、領域31および領域33との位置関係を示す概略平面図である。なお、領域33における所定の倍率は、例えば最小倍率よりも2倍〜10倍大きい倍率が考えられる。例えば電子顕微鏡1の最小倍率が10倍である場合には、所定の倍率は20倍〜100倍となる。そのため、例えば領域31の設定を最小倍率とし、ベース面BS上における領域31が例えば一辺が2mm〜4mmの四角形であるとすると、ベース面BS上における領域33は、一辺が0.2mm〜2mmの四角形となる。
図4に示されるように、領域33における電子線像において、領域33(電子線像全体)の面積をAとし、領域33内におけるX線発生部12の面積をBとした場合、A−B>Bを満たす。つまり、試料Sに関する電子線像領域の方が、X線発生部12に関する電子線像領域よりも十分に広い。さらに領域33内での電子線Eの移動によってX線像の取得が可能なので、電子線像の撮像とX線像の撮像との切り替えを速やかに行うことができる。なお、この関係は、領域31においても満たされている。
図5(a),(b)は、電子線Eが走査可能な領域31とX線発生部12とイメージセンサ16との位置関係を示す模式図である。図5(a)では、方向D1に沿った方向から見て、X線発生部12のX線ターゲット部21が領域31の隅部に配置されている。このようにX線発生部12を配置することによって、電子線像の目視による試料観察の際にX線ターゲット部21が障害物になりにくくなる。一方で、このようにX線発生部12を配置した場合、電子線Eの軸とX線Rの発生点とが互いにずれる。この場合であっても電子線像の観察領域とX線像の観察領域とを互いに略同一にするために、イメージセンサ16の中心は、領域31の中心を基準としてX線発生部12と反対側にオフセットして配置される。このため、試料Sを透過したX線Rは、図3に示されるようにイメージセンサ16に対して斜めに入射することになる。この場合、試料Sを斜めから見た情報を含む断面像(ティルトシフト画像)を取得できる。なお、X線ターゲット部21が領域31の中心部以外であれば、上記効果を奏することができる。
図5(b)では、方向D1から見て、X線発生部12のX線ターゲット部21が領域31の中心部に配置されている。このようにX線発生部12を配置することによって、イメージセンサ16の中心と領域31の中心とを方向D1に沿った方向において互いに重ねることができる。これにより、電子線Eの軸とX線Rの発生点とが互いに重なり、イメージセンサ16の中心が領域31の中心にオフセットするように設置しなくてもよい。この場合、X線像の倍率を変化させるためにX線発生部12及び試料Sの間の距離a(図1を参照)を変化しても、イメージセンサ16に投影されるX線像の中心が一定になる。
図6は、第1実施形態に係る電子顕微鏡1の使用方法の一例を説明するためのフローチャートである。図7は、電子線像の取得方法の一例を説明するためのフローチャートである。例えば下記に示されるステップにて、電子顕微鏡1を用いて、電子線像およびX線像といった試料像を取得することができる。第1実施形態では、試料Sを均一性が求められる工業サンプルとし、当該サンプルの外観検査を行う。
まず、試料室2内に設置されたX線像撮像用ユニット10の試料支持機構14上に試料Sを導入すると共に、試料室2内の空気を排気する(ステップS1)。これにより、試料Sが導入された試料室2内を真空状態にする。
次に、電子線源3から出射される電子線Eの焦点を試料Sに調整した後、試料Sの電子線像の観察を行い、それに基づいて、X線像の撮像領域を決定する(ステップS2)。ステップS2では、図7に示されるように、まず電子顕微鏡1を電子線像の撮像モードに設定する(ステップS21)。次に、X線ターゲット部21の少なくとも一部を、偏向部7による偏向によって電子線Eの照射が可能な領域であるとともに、試料Sの少なくとも一部に対してX線Rの照射が可能な領域であって、本実施形態においては最小倍率に設定された場合に電子線Eが走査される空間である領域31内に配置する(ステップS22)。ステップS22では、例えばターゲット移動装置13の駆動によりX線発生部12を所定の位置に移動させることで行う。なお、X線ターゲット部21の少なくとも一部が予め領域31内に配置されている場合には、ステップS22は不要である。次に、観察領域である領域33及び倍率を所定の倍率(第1の倍率)に調整する(ステップS23)。ステップS23では、領域31内に含まれるように領域33を設定する(図4を参照)。第1の倍率は、例えば10倍である。そして、電子線Eを走査して、試料Sの電子線像を取得する(ステップS24)。
次に、図6に示されるように、取得された領域33の電子線像を確認し、試料Sに異常部の有無を検知する(ステップS3)。ステップS3では、例えば電子線像の目視により試料Sの外観の傷、及びストレスによるひずみ等を検知する。
次に、領域33内の試料Sに異常部が検知された場合(ステップS3:YES)、電子線Eの焦点をX線ターゲット部21に合わせる(ステップS4)。ステップS4から後述するステップS8の間では、X線発生部12を移動させることなく、領域31に配置されたX線ターゲット部21に電子線Eをスポット照射し、X線Rを発生する。これにより、電子線像の撮像モードからX線像の撮像モードに速やかに切り替えることができる。
ステップS4の実行後、所定の倍率(第1の倍率)におけるX線像を撮像する(ステップS5)。X線像が撮像される領域は、ステップS2にて電子線像が撮像される領域と略一致する。
次に、第1の倍率よりも高倍率のX線像を撮像する場合(ステップS6:Yes)、ユニット内ステージ15を制御することにより、試料支持機構14をX線発生部12に近づける(ステップS7)。ステップS7では、X線発生部12及び試料Sの間の距離aを小さくするように試料支持機構14をX線発生部12に近づける。ステップS7後、第1の倍率よりも高倍率の第2の倍率にてX線像を撮像する(ステップS8)。これにより、試料Sの異常部を詳細に観察することができる。ステップS8の終了後、試料支持機構14をX線発生部12から遠ざける(ステップS9)。
次に、領域33内の試料Sに異常部が検知されなかった場合(ステップS3:No)、第1の倍率よりも高倍率のX線像を撮像しない場合(ステップS6:No)、又はステップS9の実行後であって、試料Sの他の領域を観察するとき(ステップS10:Yes)、改めて上記ステップS2を行う。ステップS9の実行後、試料Sの他の領域を観察しない場合(ステップS10:No)、試料室2を大気開放すると共に試料Sを当該試料室2から取り出す(ステップS11)。
ステップS11の実行後、試料Sと異なる試料の観察を行う場合(ステップS12:Yes)、改めて上記ステップS1を行う。ステップS11の実行後、試料Sと異なる試料の観察を行わない場合(ステップS12:No)、試料室2の排気を行い(ステップS13)、電子顕微鏡1の動作を終了する。
以上に説明した、第1実施形態のX線像撮像用ユニット10を用いた電子顕微鏡1によって得られる効果について説明する。図4に示されるように、第1実施形態に係るX線像撮像用ユニット10において、電子線像取得時において、X線ターゲット部21の少なくとも一部は、偏向部7の偏向によって電子線Eの照射が可能な領域であるとともに、試料Sの少なくとも一部に対してX線Rの照射が可能な領域である領域31内に含まれている。つまり、電子線像取得時において、既にX線ターゲット部21は、偏向部7による電子線Eの偏向を行うことで試料Sの少なくとも一部にX線Rの照射が可能な領域内に配置されている。これにより、電子線像の撮像モードとX線像の撮像モードとを切り替える場合には、単に電子線Eの進行方向の調整を行えばよく、X線ターゲット部21を有するX線発生部12を移動する必要がない。そのため、例えば試料Sの電子線像を所望の領域にて取得した後、同一の所望の領域にて試料SのX線像を取得したい場合でも、撮像モードの切り替えの際のX線発生部12の機械的な移動に伴う振動などの影響によって、例えば試料Sの配置や状態が電子線像の撮像時と変化してしまうことなく、同一領域でのX線像の撮像を行うことが可能となる。したがって、X線発生部12の移動に伴う問題の発生を抑制し、所望の領域において電子線像及びX線像といった試料像を速やかに取得可能である。
本実施形態では、例えば工業サンプル等の異常部を電子線像によって探した後、速やかにX線像の撮像モードに切り替え、当該サンプルの異常部のX線像を撮像している。換言すれば、電子線像の撮像モードにて工業サンプルの全体的な観察を行った後に、当該サンプルの注目すべき領域をX線像の撮像モードにて詳細に観察している。これにより、工業サンプル等の試料の異常部の発見、及び異常部の発生原因を速やかに分析できる。
また、領域31内に含まれる領域33の電子線像取得時において、X線ターゲット部21の少なくとも一部が領域33に含まれてもよい。この場合、電子線像によるX線ターゲット部21の位置の特定が容易になるとともに、電子線Eの進行方向の調整量も小さくできる。したがって、より速やかにX線像を取得可能である。
さらに、電子検出器5で検出される領域33の電子線像において、電子線像全体の面積をAとし、X線発生部の面積をBとした場合、A−B>Bを満たしてもよい。この場合、十分に広い領域において、試料Sに関する電子線像を取得できると共に速やかにX線像を取得可能である。
また、ターゲット支持体22は、領域31外から長尺状に延在しており、X線ターゲット部21を領域31内で保持してもよい。この場合、電子線像取得時におけるターゲット支持体22の影響を抑制しつつ、X線ターゲット部21を良好に保持できる。
また、X線ターゲット部21は、X線透過窓21aと、X線透過窓21aに支持されるX線ターゲット21bとを有してもよい。この場合、X線ターゲット21bを構成するターゲット材料が電子線Eによってスパッタリングされて飛散しても、飛散物がX線透過窓21aによって遮られ、試料Sの汚染を抑制できる。
さらに、ターゲット支持体22は、X線透過窓21aによって封止された貫通孔22aを有し、X線ターゲット21bは、貫通孔22a内に収容されていてもよい。この場合、スパッタリングによるターゲット材料の貫通孔22aの外部への飛散が、貫通孔22aの壁面によって抑制され、試料Sが汚染されることをさらに抑制できる。
図8は、第1変形例に係るX線発生部12Aの概略断面図である。図8に示されるように、X線発生部12Aのターゲット支持体22の一部には、方向D1に沿った貫通孔22aが設けられている。この貫通孔22aにおいて、試料S側の端部がX線透過窓21aによって封止され、電子線源3側の端部が電子線透過窓25によって封止されている。また、X線透過窓21aに支持されるX線ターゲット21bは、貫通孔22a内に収容されている。このようなX線発生部12Aを用いることによって、X線ターゲット部21を構成するX線ターゲット21bが電子線Eによりスパッタリングされ、試料Sが汚染されることを抑制できる。また、試料SによるX線ターゲット部21の汚染が抑制される。
図9(a),(b)は、第2変形例に係るX線発生部12Bを示す電子線像である。図9(a),(b)に示されるように、X線発生部12Bは、例えば先端付近の直径が10nm程度の微細な針状部材であってもよい。X線発生部12Bにおける先端付近の直径が非常に小さいため、透過型ターゲットとして当該X線発生部12Bを用いることができる。この場合、X線発生部12B自体をX線ターゲット材料で構成してもよいし、X線発生部12Bの基材上に所望の波長のX線を発生するX線ターゲットを蒸着等によって形成してもよい。このX線発生部12Bは、例えばAFMのカンチレバー用の部材、又はSPMの金属プローブ等でもよい。このような微細な針状部材をX線発生部12Bとして用いることにより、当該X線発生部12BによるX線の自己吸収が抑制される。
図10は、第3変形例に係るX線発生部12Cを説明するための模式図である。図10に示されるように、X線発生部12Cは、電子線EのX線ターゲット部21Aへの入射軸と、X線Rの試料Sへの照射軸とが交わる反射型ターゲットであり、X線ターゲット部21Aと、方向D2に沿って領域31外から長尺状に延在するターゲット支持体22とを有する。X線ターゲット部21Aは、ターゲット支持体22の先端にターゲットとなる金属を蒸着したり接合したりすることによって形成されている。X線ターゲット部21Aの少なくとも一部は、電子線Eの照射が可能な領域(第1領域)31内に含まれている。より詳しくは、この領域31は、偏向部7による偏向によって電子線Eの照射が可能な空間である。そのため、領域31に含まれたX線ターゲット部21Aに電子線Eを照射することができ、X線Rを発生することができる。なお、領域31は、偏向しない場合の電子線Eの照射経路も含む。さらに、領域31は、当該領域31内で発生したX線Rの少なくとも一部を試料Sに照射することが可能な空間でもある。つまり、このような領域31にX線ターゲット部21Aの少なくとも一部が配置されているので、電子線像を取得するために走査していた電子線Eを偏向部7によってX線ターゲット部21Aへと偏向するだけで、X線像の取得が可能になる。例えば領域31は、電子顕微鏡1が最小倍率に設定された場合に電子線Eが走査される領域(電子線走査可能領域)とすることができる。なお、ベース面BSは、試料Sの載置面を表す仮想面であり、図10において仮想線で表される。
電子線EがX線ターゲット部21Aに入射されることにより発生するX線Rは、領域32内に発生する。この領域32は、X線Rが照射されうる領域(X線照射可能領域)である。図10においては、説明を分かりやすくするために、領域31および領域32は、ともに試料Sの全体を含むように記載しているが、試料Sの一部を含むような範囲でもよい。イメージセンサ16は、領域32内の試料Sを透過したX線Rが入射されるように配置されている。より撮像に適した配置となるようにイメージセンサ16を移動させて調整してもよい。
電子顕微鏡1による電子線像の撮像においては、領域31の一部に絞って撮像することが殆どである。例えば、図10で示されるように、領域31に含まれる領域(第2領域)33は、試料Sの一部を含むような範囲で設定される。例えば領域33は、最小倍率よりも大きい所定の倍率に設定された場合に電子線Eが走査される領域(試料観察領域)とすることができる。そして、本変形例においては、領域33は領域31と同様、偏向部7による偏向によって電子線Eの照射が可能な空間であるが、X線ターゲット部21Aは含まれない。つまり、X線ターゲット部21Aは、電子線像取得領域である領域33の外であり、且つ電子線Eの照射が可能な領域である領域31内にある。したがって、領域33の電子線像にはX線ターゲット部21Aは含まれず、試料Sに関する電子線像をより広範囲に得ることができる。一方、電子線像の撮像モードからX線像の撮像モードに切り替える場合には、電子線Eを領域33から領域31内のX線ターゲット部21Aにまで偏向する必要があるが、単なる電子線Eの進行方向の調整であり、X線ターゲット部21Aを有するX線発生部12Cを移動する必要はない。そのため、例えば試料Sの電子線像を所望の領域にて取得した後、同一の所望の領域にて試料SのX線像を取得したい場合でも、撮像モードの切り替えの際のX線発生部12Cの機械的な移動に伴う振動などの影響によって、例えば試料Sの配置や状態が電子線像の撮像時と変化してしまうことなく、同一領域でのX線像の撮像を行うことが可能となる。したがって、X線発生部12Cの移動に伴う問題の発生を抑制し、所望の領域において電子線像及びX線像を速やかに取得可能である。また、領域32はベース面BSを斜めに横切るように形成されるため、イメージセンサ16において、試料Sを斜めから見た情報を含む断面像(ティルトシフト画像)を取得できる。
(第2実施形態)
以下では、第2実施形態に係るX線像撮像機能を有する電子顕微鏡1Aについて説明する。第2実施形態の説明において第1実施形態と重複する記載は省略し、第1実施形態と異なる部分を記載する。つまり、技術的に可能な範囲において、第2実施形態に第1実施形態の記載を適宜用いてもよい。
図11は、第2実施形態に係る電子顕微鏡1Aの概略断面図である。図11に示されるように、電子顕微鏡1Aの筐体1a内には、試料室2と、電子線源3と、電子レンズ4と、電子検出器5と、電子線Eが照射されることによりX線Rを発生するX線発生部41と、X線発生部41を方向D2又は方向D3に移動させるターゲット移動装置42と、試料Sが配置される試料支持機構43と、試料支持機構43を支持するステージ44と、試料Sを透過したX線Rが入射されることによりX線像を生成するイメージセンサ45と、イメージセンサ45を支持するパイプ46と、が設けられている。電子検出器5と、X線発生部41と、ターゲット移動装置42と、試料支持機構43と、ステージ44と、イメージセンサ45と、パイプ46とは、試料室2内に設けられている。
電子顕微鏡1Aの筐体1a外には、パイプ46内に液体窒素を供給する液体窒素タンク47と、イメージセンサ45から得られた信号に基づいてX線像を撮像するカメラ筐体48とが設けられる。液体窒素タンク47からパイプ46内に液体窒素が供給されることによって、当該パイプ46に支持されるイメージセンサ45が冷却される。よって、パイプ46はヒートパイプとして機能する。
X線発生部41は、第1実施形態のX線発生部12と同一でよく、X線ターゲット部21とターゲット支持体22とを有する。ターゲット支持体22は、ターゲット移動装置42に取り付けられている。
ターゲット移動装置42は、試料室2の側壁に装着されていること以外は、ターゲット移動装置13と同一でよい。よって、ターゲット移動装置42は、ステージ44と独立して支持されている。当然、X線ターゲット部21およびターゲット支持体22は、ステージ44とは独立して支持されている。
試料支持機構43は、複数の柱部51によってステージ44に固定されていること以外は、第1実施形態の試料支持機構14と同一でよく、基部23と試料台部24とを有する。ステージ44は、試料支持機構43を方向D1〜D3に移動可能に設けられる。ステージ44は、試料台部24を移動可能に設けられることから、試料台部移動部とも呼称できる。イメージセンサ45は方向D1においてX線発生部41とステージ44との間に配置され、第1実施形態のイメージセンサ16と同一でよい。
以上に説明した第2実施形態の電子顕微鏡1Aにおいても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、X線発生部41のターゲット支持体22は、試料台部24を含む試料支持機構43を移動可能なステージ44と独立して支持されている。これにより、ステージ44によって試料支持機構43が移動したとしても、ターゲット支持体22は移動しない。すなわち、X線ターゲット部21の少なくとも一部を、領域31内の所定の位置に保持することができる。このため、X線ターゲット部21への電子線Eの照射が容易になり、速やかに試料SのX線像を取得できる。なお、第1実施形態のX線像撮像用ユニット10においても、ステージ6を収容するような筐体を有し、当該筐体にX線発生部12およびターゲット移動装置13を固定してもよい。この場合、X線像撮像用ユニットにおいて、ターゲット移動部はステージや試料支持機構と独立して支持される。これにより、ステージの移動に伴って試料等が移動したとしても、X線ターゲット部は移動しない。したがって、X線発生部12の移動に伴う問題の発生を抑制し、所望の領域において電子線像及びX線像といった試料像を速やかに取得可能である。
本発明によるX線像撮像用ユニット及び電子顕微鏡は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態及び変形例を適宜組み合わせてもよい。例えば、第2実施形態のX線発生部41を、第1実施形態の第3変形例に係るX線発生部12Cに置換してもよい。
上記実施形態及び変形例において、X線像取得時において、X線ターゲットは移動してもよい。試料に対するX線ターゲットの位置を変えることにより、X線の試料に対する入射角度を変えることができる。これにより、一つの観察領域に対して、複数の異なる角度から観察されるX線像を取得できる。また、電子線の進行方向の調整は、磁界または電界の作用による電子線の偏向に限らず、例えば電子線源の機械的な駆動による調整でもよい。この場合、試料の近傍で行われるX線ターゲットの移動と比較して、その影響を抑制することができる。
1,1A…電子顕微鏡、2…試料室、3…電子線源、4…電子レンズ、5…電子検出器、6…ステージ、7…偏向部、10…X線像撮像用ユニット、11…筐体、12,12A〜12C,41…X線発生部、13,42…ターゲット移動装置、14,43…試料支持機構、15…ユニット内ステージ、16,45…イメージセンサ(X線撮像部)、21,21A…X線ターゲット部、21a…X線透過窓、21b…X線ターゲット、22…ターゲット支持体、22a…貫通孔、24…試料台部、31〜33…領域、44…ステージ(試料台部移動部)、D1〜D3…方向、E…電子線、R…X線、S…試料。

Claims (8)

  1. 電子線を照射する電子線源と、前記電子線の進行方向を調整する調整部と、電子検出器とを備えた電子顕微鏡の試料室内に配置されるX線像撮像用ユニットであって、
    前記電子線が照射されることによりX線を発生するX線ターゲット部、及び前記X線ターゲット部を保持する保持部を有するX線発生部と、
    試料を透過した前記X線が入射されることによりX線像を生成するX線撮像部と、
    前記X線発生部と前記X線撮像部との間に位置し、前記試料が配置される試料台部と、
    を備え、
    電子線像取得時において、
    前記X線ターゲット部の少なくとも一部は、前記調整部の調整によって前記電子線の照射が可能な領域であるとともに、前記試料の少なくとも一部に対して前記X線の照射が可能な領域である第1領域内に含まれており
    前記X線ターゲット部は、X線透過窓と、前記X線透過窓に支持されるX線ターゲットとを有し、
    前記保持部は、前記X線透過窓によって封止された貫通孔を有し、
    前記X線ターゲットは、前記貫通孔内に収容されている、
    X線像撮像用ユニット。
  2. 前記第1領域内に含まれる第2領域の電子線像取得時において、前記X線ターゲット部の少なくとも一部が前記第2領域に含まれる、請求項1に記載のX線像撮像用ユニット。
  3. 前記電子検出器で検出される前記第2領域の電子線像において、前記電子線像全体の面積をAとし、前記X線発生部の面積をBとした場合、A−B>Bを満たす、請求項2に記載のX線像撮像用ユニット。
  4. 前記第1領域内に含まれる第2領域の電子線像取得時において、前記X線ターゲット部は前記第2領域に含まれない、請求項1に記載のX線像撮像用ユニット。
  5. 前記保持部は、前記第1領域外から長尺状に延在しており、前記X線ターゲット部を前記第1領域内で保持する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のX線像撮像用ユニット。
  6. 前記試料台部を移動可能な試料台部移動部を備え、
    前記X線発生部の前記保持部は、前記試料台部と独立して支持される、請求項1〜のいずれか一項に記載のX線像撮像用ユニット。
  7. 電子線を照射する電子線源と、
    前記電子線の進行方向を調整する調整部と、
    電子検出器と、
    前記電子線が照射されることによりX線を発生するX線ターゲット部、及び前記X線ターゲット部を保持する保持部を有するX線発生部と、
    試料を透過した前記X線が入射されることによりX線像を生成するX線撮像部と、
    前記X線発生部と前記X線撮像部との間に位置し、前記試料が配置される試料台部と、
    を備え、
    電子線像取得時において、
    前記X線ターゲット部の少なくとも一部は、前記調整部の調整によって前記電子線の照射が可能な領域であるとともに、前記試料の少なくとも一部に対して前記X線の照射が可能な領域である第1領域内に含まれており
    前記X線ターゲット部は、X線透過窓と、前記X線透過窓に支持されるX線ターゲットとを有し、
    前記保持部は、前記X線透過窓によって封止された貫通孔を有し、
    前記X線ターゲットは、前記貫通孔内に収容されている、
    電子顕微鏡。
  8. 試料に電子線およびX線を照射することによって、当該試料の電子線像およびX線像を取得する試料像取得方法であって、
    前記電子線の進行方向を調整しつつ走査することにより、前記電子線像を取得する電子線像取得ステップと、
    前記電子線の進行方向の調整によって前記電子線の照射が可能な領域であるとともに、前記試料の少なくとも一部に対して前記X線の照射が可能な領域である第1領域内に含まれるように配置されたX線発生部のX線ターゲットに前記電子線を照射して前記X線を発生し、前記X線像を取得するX線像取得ステップと、
    を備え
    前記X線像取得ステップでは、前記X線発生部の保持部が有する貫通孔であって、X線透過窓によって封止された当該貫通孔の内部に収容されている前記X線ターゲットに対して前記電子線を照射して前記X線を発生する、
    試料像取得方法。
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