JP6447914B2 - パワーモジュールの直流側配線基板及びその製造方法 - Google Patents

パワーモジュールの直流側配線基板及びその製造方法 Download PDF

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この発明は、電気自動車・ハイブリット自動車用などのパワーモジュール(インバータ或いはコンバータ)を外部機器或いは直流電力配線ケーブルに接続するためのパワーモジュールの直流側配線基板及びその製造方法に関する。
従来より、電気自動車・ハイブリット自動車の駆動用(走行用)モータの制御は、直流電力を交流電力に変換するインバータユニットで行っている。図11は、従来技術に基づく一般的なインバータユニットを説明する図である(例えば、特許文献1参照)。図示のように、商用電源をコンバータで変換した直流電力(或いはバッテリから入力される直流電力)は平滑コンデンサーで平滑した後、インバータに入力される。インバータを構成するFET(Field effect transistor)とかIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などを使ったパワースイッチング素子は、直流電力をスイッチングすることにより3相出力を得ている。平滑コンデンサーは、負荷であるインバータの正側と負側の端子間に接続され、コンバータからインバータへ給電される入力電圧を平滑化する。
図12は、従来技術に基づき配置した平滑コンデンサーとパワーモジュールとの接続配置関係を示す斜視図である。電気自動車・ハイブリット自動車の発電機や電動機は、3相入力又は出力のものが多く、パワー素子を複数個組み合わせて、コンバートまたはインバートして、発電制御や電動機制御を行っている。パワー素子を複数個使う場合、例えば3相のインバータ或いはコンバータは、それぞれ6素子のパワー素子(チップ)を1つのパッケージに封入してパワーモジュールを構成している。平滑コンデンサー(スイッチングにより発生するサージ成分を吸収してサージ低減を図るスナバコンデンサー兼用)は、ケースに収容してエポキシ樹脂が充填されている。この平滑コンデンサーは、筐体に対して取付部で固定されている。パワーモジュールの直流電力端子(P端子、N端子)は、平滑コンデンサーの外部接続用の一対の端子(P端子、N端子)に接続されている。パワーモジュールのプラス(P)側端子及びマイナス(N)側端子は、絶縁耐圧を確保する為に相互に距離を離して配置する必要がある。
図13は、従来技術により構成したパワーモジュール配線基板を示す斜視図であり、図14は、そのパワーモジュール配線基板の正面図(A)、PN端子側側面図(B)、側面図(C)をそれぞれ示している。図示のパワーモジュール配線基板は、チップ搭載絶縁基板(チップ自体の図示は省略)と、その交流側に接続される交流側端子バスバーと、直流側に接続される直流側端子バスバーとから構成される。交流側端子バスバーには、外部接続用の交流端子(U端子、V端子、W端子)が折り曲げ加工により一体に形成されている。従来、複数個のパワーチップを一つのパッケージに封入したパワーモジュールの直流側端子バスバーは、銅にめっきを行ったバスバータイプの直流側バスバーP,N、及びこのバスバーP,Nを折り曲げて加工した外部接続端子(P端子とN端子)と、チップ搭載絶縁基板に接続された内部接続端子から構成される。この直流側端子バスバーは、内部の素子と外部接続機器の間に接続される為に、モジュールレイアウトの関係により直流側バスバー(P、N)を直角に曲げて加工する必要がある。また、パワーモジュールの外部接続端子(P端子とN端子)は、絶縁耐圧を確保する為に距離を離して配置する必要がある。
パワーモジュールの外部接続プラス側(P)端子及びマイナス側(N)端子には、平滑コンデンサーや直流電力配線ケーブルが接続される。それらとパワーモジュール構成素子(チップ)間の配線インダクタンス成分は、スイッチング時のサージ電圧に影響を及ぼす。従って、極力インダクタンス成分を低減する事が必要であり、これはスイッチング素子の信頼性(素子の絶対最大定格を越えない、ストレスを与えない)を保つ上でも大変重要な事である。
このように、従来、パワーモジュールの直流側端子バスバーは、銅のバスバー構成で、レイアウト上バスバーを直角に曲げて加工している為に、配線インダクタンス成分を低減させる為には限界がある。これは、本来配線インダクタンスを低減させるためには、プラス側の端子とマイナス側の端子を重ねて(積層)配線する等の方法があるが、絶縁耐圧を確保する為に重ねて(積層)配線する事が出来ないと言う事に課題があり、インダクタンス低減に限界があった。要するに、従来の技術では、直流側バスバーP,Nの間には絶縁層を介在させることができるものの、端子部(プラス側の端子とマイナス側の端子)自体の間は絶縁距離を確保する為に、絶縁層を介在させることができなかったと言う欠点があった。
特開2002-44949号公報
それ故に、本発明は、従来パワーモジュールの直流側端子バスバーを構成する銅のバスバーを、大電流を流す事が出来る多層基板に変更して、その基板を曲げて配線することにより従来のレイアウトを変更しないで、端子部分の絶縁距離又は絶縁耐圧を確保しつつ、端子部分の積層化を行い、パワーモジュール内部の配線インダクタンスを低減する事を目的としている。
本発明のパワーモジュールの直流側配線基板は、交流出力を入力して直流電力を出力するパワーモジュール、又は直流電力を得て交流出力するパワーモジュールの直流側を、該パワーモジュールに併置した外部機器或いは直流電力配線ケーブルに接続する。この直流側配線基板は、内部接続側でチップ搭載基板と接続する内部接続用の端子と、前記外部機器或いは前記直流電力配線ケーブルに接続するための外部接続用の端子とを有する。導電性金属の基板表面パターンと導電性金属の基板裏面パターンのそれぞれが前記内部接続用の端子及び前記外部接続用の端子、及びそれらを結合する導電性金属プレートを形成し、かつ、前記内部接続用の端子及び前記外部接続用の端子部分を含めて前記基板表面パターンと前記基板裏面パターンの間に絶縁層を挟んだ積層構成を形成する。前記内部接続用の端子と前記外部接続用の端子が互いに逆方向を向くように、前記積層構成の各端子部分をそれぞれ略直角に折り曲げて構成する。
前記基板表面パターンは、絶縁層の表側に、プラス側導電性金属プレートと一体の外部接続用プラス端子、及び内部接続用プラス端子が形成されると共に、外部接続用マイナス端子と内部接続用のマイナス端子の表側を分離して形成する。前記基板裏面パターンは、絶縁層の裏側に、マイナス側導電性金属プレートと一体の外部接続用マイナス端子、及び内部接続用マイナス端子が形成されると共に、外部接続用プラス端子の裏側も形成される。
前記絶縁層の表側と裏側に対応して形成した端子は、端子位置に対応して貫通孔を設けて、ねじ締め用のねじ又はリペット接続によって表面と裏面の間で接続する。前記プラス側導電性金属プレート及びマイナス側導電性金属プレートを折り曲げた箇所をそのまま外部接続用或いは内部接続用の端子として使用するか、又は、端子に対応した穴を前記絶縁層にあけて裏面の導電性金属プレートをそのまま露出させてそこをパッドとして使うか、或いは、表面に前記外部接続用或いは内部接続用の端子と同じサイズの導電性金属板を貼り付け接合してそこをパッドとして使用する。
前記積層構成は、内部接続側でチップを搭載したチップ搭載基板に接続すると共に、該チップ搭載基板をさらに交流側端子バスバーに接続して構成したパワーモジュール配線基板の全体を、樹脂ケース内に装着して、樹脂又はゲルを封止することによりパワーモジュールを構成する。前記導電性プレートの上に、樹脂で埋もれないだけの厚さを持った別の導電性金属プレートを接合する。
前記積層構成は、貼り合わせ或いはインサート成型によって作成するか、又は、電着塗装絶縁材料技術を用いて各端子に絶縁コーティングを施したのち接着剤を用いて貼り合わせて作成する。前記絶縁層は、折り曲げが可能で絶縁耐圧が確保できるシリカフィラーを用いた熱伝導性接着シート、又は、シリコンシート或いはアルミナフィラーを用いたシートである。又は、絶縁耐圧が高く尚且つ厚さが薄く折り曲げにより絶縁耐圧が劣化しない材質、例えばポリミドやシリコンなどを材料としたシートなどもそれに適用できる。
前記積層構成の曲げ部分については、基板表面パターンと基板裏面パターンを削り厚さを薄くして、絶縁層に外力がかからない様にすると共に、曲げ角の自由度を確保する方法を用いて折り曲げを行うか、又は、穴を開けて曲げるときの応力を低減する方法と併用もしくは、それ単独で行う。前記絶縁層表面のプラス側導電性金属プレートと、絶縁層裏面のマイナス側導電性金属プレートは、表面と裏面でプレート金属が重なるようにオーバーラップさせている。
また、本発明の車両用パワーモジュールの直流側配線基板の製造方法は、導電性金属の基板表面パターンと導電性金属の基板裏面パターンのそれぞれが、内部接続側でチップ搭載基板と接続する内部接続用の端子と、前記外部機器或いは前記直流電力配線ケーブルに接続するための外部接続用の端子と、それらを結合する導電性金属プレートを形成する。前記内部接続用の端子及び前記外部接続用の端子部分を含めて前記基板表面パターンと前記基板裏面パターンの間に絶縁層を挟んだ積層構成を形成する。前記内部接続用の端子と前記外部接続用の端子が互いに逆方向を向くように、前記積層構成の各端子部分をそれぞれ略直角に折り曲げて構成する。
(1)本発明によれば、パワーモジュールの外部接続用及び内部接続用のプラス端子及びプレートと、外部接続用及び内部接続用のマイナス端子及びプレートは絶縁層を挟んで積層構造にする事が出来るために、パワーモジュール内の配線インダクタンスを低減する事が出来る。これによって、スイッチングサージを低減する事が出来て、スイッチング素子のストレスを低減出来る。
(2)また、本発明によれば、サージを低減する事が出来る為に、素子絶対最大定格に対するマージンが大きくなる。また、同一サージマージンとした場合には、平滑電圧(バッテリ電圧)の入力電圧範囲を広げる事が出来る。
本発明のパワーモジュールの直流側配線基板を使用することができる自動車用インバータシステムの概略全体構成を例示する図である。 本発明を構成する直流側配線基板を含むパワーモジュール配線基板の全体構成を示す斜視図である。 図2に示すパワーモジュール配線基板の全体構成を示す正面図(A)、PN端子側側面図(B)、及び側面図(C)である。 本発明の特徴とする直流側配線基板の製造を説明する図であり、(A)は基板表面パターンを、(B)は基板裏面パターンを、(C)は基板絶縁層を挟んで基板表面パターンと基板裏面パターンを積層した状態で示す展開図である。 図4に示す折り曲げ部で折り曲げることにより完成した直流側配線基板を例示する図であり、(A)は上面図を、(B)は正面図を、(C)は側面図をそれぞれ示している。 完成した直流側配線基板の折り曲げ部を拡大して説明する図である。 (A)は、外部接続用PN端子の表面パターンと裏面パターンを併置して例示する図であり、(B)は表面パターンと裏面パターンは絶縁層を挟んで積層した後の詳細図をそれぞれ示している。 樹脂ケースの外形を例示する図である。 パワーモジュールの配置及び接続を例示する図である。 パワーモジュールとパワー基板及び平滑コンデンサーの接続部を詳細に示す図である。 従来技術に基づく一般的なインバータユニットを説明する図である。 従来技術に基づき配置した平滑コンデンサーとパワーモジュールとの接続配置関係を示す斜視図である。 従来技術により構成したパワーモジュール配線基板を示す斜視図である。 図13に示すパワーモジュール配線基板の正面図(A)、PN端子側側面図(B)、側面図(C)をそれぞれ示している。
以下、例示に基づき本発明を説明する。図1は、本発明のパワーモジュールの直流側配線基板を使用することができる自動車用インバータシステムの概略全体構成を例示する図である。自動車用インバータシステムを、HEV(ハイブリッド電気自動車)用を例として説明する。なお、本発明は、自動車用インバータシステム以外にも、例えばFA(Factory Automation)用や白物家電のエアコンや洗濯機などモータ駆動や太陽光発電などのパワーコンディショナーなどのインバータコンバータなどに使うパワーモジュール、或いはパワー素子を複数個使って、DC電源や負荷を複数個のスイッチでスイッチングする用途の為に作られたパワーモジュールにも適用できる。
図1において、モータ駆動用インバータは、負荷としての駆動モータを制御する。このインバータは、制御ユニットの制御に基づき、直流電力配線ケーブルにより接続されたバッテリ電源、又はエンジン駆動の高速回転の発電機からの発電用コンバータ出力電力をインバータのスイッチング素子により3相出力に変換している。発電用コンバータは、エンジン始動インバータを兼ねている。バッテリ管理システムは、バッテリ電流センサで検出した電流値及びバッテリ電源電圧値に基づき、バッテリ電源のプラス側及びマイナス側にそれぞれ接続された+側リレー及び−側リレーをオンオフ制御する。
モータ駆動用インバータは、直流電力を交流電力に変換して駆動モータに供給すると共に、駆動モータを回生制動させた際の発電電力(交流電力)を直流電力へと変換する機能も果たしている。モータ駆動用インバータの正側と負側の端子間にはコンデンサー素子(フィルムコンデンサー又はセラミックスコンデンサーなどの低いESR(等価直列抵抗)とESL(等価直列インダクタンス)特性を有するコンデンサー)からなる平滑コンデンサーが、モータ側及び発電機側にそれぞれ接続されていて、インバータへの供給電力の直流の平滑化と、インバータのスイッチングにより発生するサージ成分の吸収(サージ低減=スナバ回路)を行っている。
本発明は、図1に例示したようなハイブリット自動車とか電気自動車などの車両用駆動モータに3相交流出力するモータ駆動用インバータの直流側、或いは、エンジン駆動の発電機からの3相交流出力を入力して、直流電力を出力する発電用コンバータの直流側を、平滑コンデンサーなどの外部機器或いは直流電力配線ケーブルに接続するための直流側配線基板を例として説明する。本発明のパワーモジュールは、これらインバータ或いはコンバータのいずれも包含する用語として用いている。
図2は、本発明を構成する直流側配線基板を含むパワーモジュール配線基板の全体構成を示す斜視図であり、図3は、そのパワーモジュール配線基板の全体構成を示す正面図(A)、PN端子側側面図(B)、及び側面図(C)である。例示のパワーモジュール配線基板は、複数個のチップ搭載絶縁基板(チップ自体の図示は省略)と、その交流側に接続される交流側端子バスバーと、直流側に接続される本発明の特徴とする直流側配線基板とから構成される。交流側端子バスバーには、従来技術に基づき、外部接続用の交流端子(U端子、V端子、W端子)を折り曲げ加工により一体に形成することができる。このパワーモジュール配線基板の全体は、樹脂ケース内に装着した後、樹脂又はゲル(シリコン)を封止することによりパワーモジュールが完成する。
チップ搭載絶縁基板にはパワー素子(チップ)(図示省略)を実装している。このチップ搭載絶縁基板と、交流側端子バスバーと、直流側配線基板の間は、リボンボンダ(又はワイヤーボンダ)により配線されている。直流側配線基板には、外部接続用の一対の端子(P端子とN端子)と、内部接続用の3対の端子(P端子とN端子)が形成される。本発明は、内部接続側でチップ搭載絶縁基板と接続し、かつ、外部接続側に一対の端子(P端子とN端子)を有する直流側配線基板の構成に特徴を有している。なお、本明細書において、Pはプラスを、Nはマイナスを表しているが、P,Nを図の例示とは逆にすることも可能である。以下、この直流側配線基板について、さらに詳述する。
図4は、本発明の特徴とする直流側配線基板の製造を説明する図であり、(A)は基板表面パターンを、(B)は基板裏面パターンを、(C)は基板絶縁層を挟んで基板表面パターンと基板裏面パターンを積層した状態で示す展開図である。(C)の展開図に示す状態の後、図中に点線で示す折り曲げ部で折り曲げる事により、直流側配線基板が完成する事になる。直流側配線基板は、大電流を流すために銅の厚みが厚いので、従来、銅の板を折り曲げて作成するバスバータイプのものが使われている。バスバータイプ基板の場合には、絶縁層がガラスエポキシ等の材質であるために折り曲げ加工が出来ないが、例示の直流側配線基板は、基板表面パターンと基板裏面パターンが折り曲げ可能のフレキシブル絶縁層を挟む形の積層構成である。
図4(A)の基板表面パターンに示すように、絶縁層の表側に、プラス(P)側導電性金属プレートと一体の外部接続用P端子(表側)、及び3個の内部接続用P端子が形成されると共に、外部接続用N端子と内部接続用の3個のN端子の表側も分離して形成される。また、図4(B)の基板裏面パターンに示すように、絶縁層の裏側には、マイナス(N)側導電性金属プレートと一体の外部接続用N端子(裏側)、及び3個の内部接続用N端子が形成されると共に、外部接続用P端子の裏側も形成される。基板表面パターン及び基板裏面パターンは、導電性金属材料であり、銅製が望ましい。
表面では、P側プレートを折り曲げた箇所をそのまま外部接続用及び内部接続用のP端子として使用可能である。表面において、N端子は、N端子に対応した穴を絶縁層にあけて裏面のN側プレートをそのまま露出させてそこをパッドとして使うことも可能であるが、例示のN端子は、N端子部分の絶縁層を取り除き、表面に同じサイズの銅板を貼り付け接合(半田接合や超音波接合、導電性接着剤などにより電気的導通のある接合)してそこをパッドとして使用する。また、絶縁層を挟んだ表端子と裏端子を電気的に接続するために、端子位置に対応して貫通孔を開けて、締め付けねじやリペット接続を用いた方法でも可能である。これによって、中央に貫通孔の開いた外部接続用のP端子及びN端子がそれぞれ、絶縁層の両面側に露出することになる。同様に、内部接続用のN端子を表面と裏面の間で接続するために、ねじ締め或いはリペット締めのための貫通孔を設けることができる。或いは、導電性の金属や樹脂等をこの孔に埋めて導通の目的で使う事も可能である。
外部端子はある程度の厚みが無いとケース(樹脂)で埋もれてしまうので、後述する図6に示すように、P側プレート或いはN側プレートの上に、樹脂で埋もれないだけの厚さを持った導電性(銅)の駒(小さいプレート)を接合する。この導電性金属の駒は、P側プレート或いはN側プレートと電気的導通を持った接合(半田接合や超音波接合、導電性接着剤などにより電気的導通のある接合)により接続する。
図5は、図4に示す折り曲げ部で折り曲げることにより完成した直流側配線基板を例示する図であり、(A)は上面図を、(B)は正面図を、(C)は側面図をそれぞれ示している。また、図6は、完成した直流側配線基板の折り曲げ部を拡大して説明する図である。図5(C)に見られるように、内部接続用の端子と外部接続用の端子が互いに逆方向に向くように、積層構成の各端子部分を略直角に折り曲げて構成する。P側プレート、絶縁層、及びN側プレートの積層構成は、貼り合わせ或いはインサート成型によって作成することができる。P端子及びN端子用の貫通孔を形成した基板絶縁層の表面側及び裏面側にそれぞれ、基板表面パターンと基板裏面パターンを、エポキシ樹脂系接着剤とかポリイミド系接着剤のような接着剤を用いて貼り合わせる。或いは、周知のインサート成型技術を用いて、金型内にインサート品(即ち、基板表面パターン及び基板裏面パターン、P端子及びN端子)を装填して、樹脂を充填することにより一体化した複合部品を作ることができる。或いは、周知の電着塗装絶縁材料技術を用いて、P端子及びN端子に絶縁コーティングを施したのちP端子及びN端子は接着剤を用いて貼り合わせる事により、絶縁層を持ったP端子とN端子積層端子を作る事が出来る。
絶縁層としては、折り曲げが可能で絶縁耐圧が確保できる材質、例えば、シリカフィラーを用いた熱伝導性接着シートが望ましいが、同等の性能(絶縁耐圧と柔軟性)を持った、シリコンシートやアルミナフィラーを用いたシートでも、同様の効果が期待できる。又は、絶縁耐圧が高く尚且つ厚さが薄く折り曲げにより絶縁耐圧が劣化しない材質、例えばポリミドやシリコンなどを材料としたシートなどもそれに適用できる。図5(C)を参照して上述したように、積層構成の各端子部分は、内部接続用の端子と外部接続用の端子が互いに逆方向を向くように、それぞれ略直角に折り曲げて構成するが、そのためには、積層構成中に挟まれる絶縁層材質もまた、少なくとも略直角に折り曲げることができるだけの柔軟性を有している必要がある。
曲げ部に関しては、曲げによる銅パターンの変形や絶縁層の破壊が起きない様に、適度な内Rを持たせて、曲げ専用の金型により折り曲げ加工を行う。曲げ部分について基板表面パターンと基板裏面パターンを均一な厚さにして曲げを行うと、絶縁層に外圧がかかり破損して絶縁破壊を起こしたり、適度な曲げ角(直角)が得られないことがある。この場合、積層曲げ部分については、基板表面パターンと基板裏面パターンを削り厚さを薄くして、絶縁層に外力がかからない様にすると共に、曲げ角の自由度を確保する方法を用いて折り曲げを行う。この部分は、厚さを薄くする方法以外に、穴を開けて曲げるときの応力を低減する方法等と併用もしくは、それ単独で行方法も有効である。
図7(A)は、外部接続用PN端子の表面パターンと裏面パターンを左右に併置して例示する図であり、(B)は表面パターンと裏面パターンは絶縁層を挟んで積層した後の詳細図をそれぞれ示している。P側プレートとN側プレートと絶縁層は積層構造になっているが、図示のように、極力P側プレートとN側プレートが重なる構成となるように、絶縁層表面のP側プレートと、絶縁層裏面のN側プレートは、表面と裏面でプレート金属が重なるようにオーバーラップさせている。これによって、インダクタンスを低減させることが可能になる。また、P側プレートとN側プレート間は、高耐圧の絶縁を保つ必要があるので、端子部の露出する部分は絶縁と積層のトレードオフのレイアウトにする。
図8は、樹脂ケースの外形を例示する図である。図示の樹脂ケースには、図2或いは図3に例示したようなパワーモジュール配線基板を装着し、かつその後、ケース内部にエポキシ樹脂又はゲル(シリコン)を充填してパワーモジュールを完成させる。パワーモジュール配線基板の装着に際して、交流側端子バスバーと直流側配線基板はインサート成形により樹脂ケースと一体に形成する。パワー素子が搭載される絶縁基板はベースの板(取り付け用の厚い銅板または冷却器:水冷や空冷の場合がある)に半田やロウ付けなどにより取り付ける。インサート成型した各バスバーの端子と絶縁基板間、及びパワー素子は、それらが組み立てられてからリボンボンダやワイヤーで接続する。パワーモジュールの端子部が露出する部分は絶縁耐圧を確保する為に、沿面距離を十分に確保する。さらに、直流側配線基板は、外部接続用端子部を除いて樹脂ケース内に封止されるので、絶縁耐圧の確保が容易になる。完成したパワーモジュールは、取付部を介して取付基板(図示省略)に装着される。
図9は、パワーモジュールの配置及び接続を例示する図である。パワーモジュールは、筐体内の冷却部上に装着する。パワーモジュールの直流側両端子は、それぞれ平滑コンデンサーの両端子に接続すると共に、パワー基板接続ねじ、パワー基板、バッテリ端子台、ケーブル接続ねじを介してバッテリケーブルに接続する。パワーモジュールの3相出力側は、パワー基板接続ねじ、パワー基板、3相端子台、ケーブル接続ねじ、及び3相ケーブルを介して、駆動モータ或いは発電機(図示省略)に接続する。例示のパワー基板は、大電流が流せる厚い銅のパターンを持ったパワーライン用のガラスエポキシ基板である。このように、パワーモジュールと平滑コンデンサーは併置して配置するために、パワーモジュールの直流側両端子は、平滑コンデンサー方向に直角方向に折り曲げる必要がある。平滑コンデンサーの端子部(P端子とN端子)と、パワーモジュールのP端子とN端子の接続はネジによる締結である。従って、パワーモジュールの端子と平滑コンデンサーの端子は、接触面で高さが合っている必要があり、また縦と横の位置に於いても、取り付け穴位置が合致している必要がある。
図10は、パワーモジュールとパワー基板及び平滑コンデンサーの接続部を詳細に示す図である。平滑コンデンサーの端子とパワーモジュールの端子(P端子、N端子)の高さを調整しているのが図示した銅スペーサーである。この銅スペーサーの接触面は、パワーモジュール端子形状と同じであり、P端子銅スペーサーとN端子銅スペーサーが充分に離れているので、これらは絶縁の必要は無い。パワー基板は、パワーモジュールの3相端子(U、V、W)と直流側端子(P、N)にネジで締結される。直流側(P、N)は平滑コンデンサー端子が接続されるので、直流側銅スペーサーはその厚み分だけ3相端子側銅スペーサーより薄くする事が必要である。またパワー基板とパワーモジュールの間は、幾らかのスペースを持っている。このスペースは、パワー基板の半田面(パワー基板とパワーモジュールの間)にスペーサーの役目をする銅スペーサーを実装して確保する。

Claims (11)

  1. 交流出力を入力して直流電力を出力するパワーモジュール、又は直流電力を得て交流出力するパワーモジュールの直流側を、該パワーモジュールに併置した外部機器或いは直流電力配線ケーブルに接続するためのパワーモジュールの直流側配線基板において、
    内部接続側でチップ搭載基板と接続する内部接続用の端子と、前記外部機器或いは前記直流電力配線ケーブルに接続するための外部接続用の端子とを有し、
    導電性金属の基板表面パターンと導電性金属の基板裏面パターンのそれぞれが前記内部接続用の端子及び前記外部接続用の端子、及び前記内部接続用の端子と前記外部接続用の端子を結合する導電性金属プレートを形成し、かつ、前記内部接続用の端子及び前記外部接続用の端子部分を含めて前記基板表面パターンと前記基板裏面パターンの間に絶縁層を挟んだ積層構成を形成し、
    前記内部接続用の端子と前記外部接続用の端子が互いに逆方向を向くように、前記積層構成の各端子部分をそれぞれ略直角に折り曲げて構成した直流側配線基板。
  2. 前記基板表面パターンは、絶縁層の表側に、プラス側導電性金属プレートと一体の外部接続用プラス端子、及び内部接続用プラス端子が形成されると共に、外部接続用マイナス端子と内部接続用のマイナス端子の表側を分離して形成し、かつ、前記基板裏面パターンは、絶縁層の裏側に、マイナス側導電性金属プレートと一体の外部接続用マイナス端子、及び内部接続用マイナス端子が形成されると共に、外部接続用プラス端子の裏側も形成される請求項1に記載の直流側配線基板。
  3. 前記絶縁層の表側と裏側に対応して形成した端子は、端子位置に対応して貫通孔を設けて、ねじ締め用のねじ又はリペット接続によって表面と裏面の間で接続した請求項2に記載の直流側配線基板。
  4. 前記プラス側導電性金属プレート及びマイナス側導電性金属プレートを折り曲げた箇所をそのまま外部接続用或いは内部接続用の端子として使用するか、又は、端子に対応した穴を前記絶縁層にあけて裏面の導電性金属プレートをそのまま露出させてそこをパッドとして使うか、或いは、表面に前記外部接続用或いは内部接続用の端子と同じサイズの導電性金属板を貼り付け接合してそこをパッドとして使用する請求項2に記載の直流側配線基板。
  5. 前記積層構成は、内部接続側でチップを搭載したチップ搭載基板に接続すると共に、該チップ搭載基板をさらに交流側端子バスバーに接続して構成したパワーモジュール配線基板の全体を、樹脂ケース内に装着して、樹脂又はゲルを封止することによりパワーモジュールを構成した請求項1に記載の直流側配線基板。
  6. 前記導電性金属プレートの上に、樹脂で埋もれないだけの厚さを持った別の導電性金属プレートを接合した請求項5に記載の直流側配線基板。
  7. 前記積層構成は、貼り合わせ或いはインサート成型によって作成するか、又は、電着塗装絶縁材料技術を用いて各端子に絶縁コーティングを施したのち接着剤を用いて貼り合わせて作成した請求項1に記載の直流側配線基板。
  8. 前記絶縁層は、折り曲げが可能で絶縁耐圧が確保できるシリカフィラーを用いた熱伝導性接着シート、又は、シリコンシート或いはアルミナフィラーを用いたシート、又は、絶縁耐圧が高く尚且つ厚さが薄く折り曲げにより絶縁耐圧が劣化しないポリミド或いはシリコンを材料としたシートである請求項1に記載の直流側配線基板。
  9. 前記積層構成の折り曲げ部分については、基板表面パターンと基板裏面パターンを削り厚さを薄くして、絶縁層に外力がかからない様にすると共に、曲げ角の自由度を確保する方法を用いて折り曲げを行うか、又は、穴を開けて曲げるときの応力を低減する方法と併用もしくは、それ単独で行う請求項1に記載の直流側配線基板。
  10. 前記絶縁層表面のプラス側導電性金属プレートと、絶縁層裏面のマイナス側導電性金属プレートは、表面と裏面でプレート金属が重なるようにオーバーラップさせている請求項2に記載の直流側配線基板。
  11. 交流出力を入力して直流電力を出力するパワーモジュール、又は直流電力を得て駆動モータに交流出力するパワーモジュールの直流側を、該パワーモジュールに併置した外部機器或いは直流電力配線ケーブルに接続するためのパワーモジュールの直流側配線基板の製造方法において、
    導電性金属の基板表面パターンと導電性金属の基板裏面パターンのそれぞれが、内部接続側でチップ搭載基板と接続する内部接続用の端子と、前記外部機器或いは前記直流電力配線ケーブルに接続するための外部接続用の端子と、前記内部接続用の端子と前記外部接続用の端子を一体に結合する導電性金属プレートを形成し、
    前記内部接続用の端子及び前記外部接続用の端子部分を含めて前記基板表面パターンと前記基板裏面パターンの間に絶縁層を挟んだ積層構成を形成し、
    前記内部接続用の端子と前記外部接続用の端子が互いに逆方向を向くように、前記積層構成の各端子部分をそれぞれ略直角に折り曲げて構成した直流側配線基板の製造方法。
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