JP6446316B2 - 遊技場用システム - Google Patents

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Description

本発明は遊技場用システムに関する。
遊技場に設置される遊技機を管理する場合、例えば特許文献1のように売上金額や稼動状況等により機種単位で評価すると、その貢献度を把握し易い。
特開2000−24277号公報
さて、遊技機の評価として出率等の調整情報を対象とすることもあるが、出率等の調整情報はパチンコ遊技機のような釘調整により調整する遊技機の場合には下限を考慮せずに評価可能であるものの、スロットマシンのような遊技機設定値で調整する遊技機の場合、機種によっては当該機種の仕様上、当該機種内の全遊技機を出率が最低となる遊技機設定値としても、当該機種の平均の出率がその最低となる遊技機設定値に対応する出率を下回らない等、その最低となる遊技機設定値の出率が遊技機の特性を区分するための基準値を上回る場合があり、このような場合には、調整情報による遊技機の評価が難しくなる虞がある。
しかしながら、従来はこの点を考慮せずに遊技機(機種)を評価していたため、遊技機を低出率にて調整する意図を持っていたにも関わらず、高出率にて調整していると誤認して遊技機を評価してしまう場合があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、出率等の調整情報により遊技機を評価する場合に、遊技機の使用意図に反して遊技機が評価される虞を軽減する遊技場用システムを提供することにある。
請求項1の発明によれば、調整情報により遊技機(機種)を区分する場合に誤った調整情報となっている可能性がある特別機種の特定結果を出力するので、遊技場が遊技者にとっての有利度合いを低くする意図を持って遊技機を調整した機種が、遊技機の仕様上、有利度合いが高い区分にならざるを得ないとしても、その区分に対して注意喚起でき、遊技機の区分を誤認する虞を軽減できる。
一実施形態における遊技場用システムの全体構成を示す概略図 遊技機の正面図 遊技機のスペックを示す図 実績値を示す図 機種をグループ分けした帳票例を示す図 モード別の補正出率例を示す図 モード毎のアウト数値例を示す図 補正出率例を示す図
以下、本発明の一実施形態による遊技場用システムについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を概略的に示している。遊技場用システムを構成する遊技場A内には、複数台の遊技機(スロットマシン)1が設置されており、各遊技機1に対応して遊技装置2が設置されている。これら遊技機1及び遊技装置2は、2台ずつ中継装置3に接続され、遊技機1及び遊技装置2から出力される後述する遊技情報は中継装置3によって場内管理装置(以下、管理装置)4(管理手段、区分手段、最低情報特定手段、特別機種特定手段、出力手段、理論情報特定手段)に送信される。管理装置4はキーボード5、モニタ6やプリンタ(図示せず)等が組み合わされて構成されており、遊技場A内の例えば事務所等に設置され、LAN7を介して各中継装置3と接続されており、遊技機1及び遊技装置2等から出力される各種の遊技情報を管理している。LAN4には景品交換処理を行うPOS等の周辺機器(図示せず)が管理装置4と通信可能に接続されている。
遊技場Aに設置された各遊技機1、各遊技装置2、管理装置4等と同様の構成の遊技場用システムが別の遊技場(図1では遊技場B、遊技場C)にも設置されている。これらの各遊技場A〜Cに設置されている各管理装置4は、インターネットやVPN接続等の公衆回線8を介して遊技情報サーバ(以下、サーバ)9と接続されており、遊技情報の通信が可能に構成されている。各遊技場A〜C内には、図示しないスロットマシンや計数装置等も設置されている。また、図示しないが各遊技場A〜Cには例えば数百台の遊技機が設置され、管理対象となっている。尚、遊技場用システムは、遊技場A〜C以外の遊技場とも、遊技情報の通信が可能に接続されている。
図2は遊技機1の正面図である。遊技機1は、表示ランプ部10、液晶表示部11、スピーカ12、表示窓13、払出数表示部14、クレジット数表示部15、MAXBET釦16、クレジット精算釦17、メダル投入口18、スタートレバー19、ストップ釦20〜22、受皿23等を備えている。遊技者は、表示窓13を通じて内部に設けられた左リール24、中リール25及び右リール26の図柄を視認可能となっている。各図柄は、各リール24〜26の円周面に描かれており、各リール24〜26が停止した状態では、表示窓13の上段、中段及び下段に対応して停止表示される。即ち、遊技機1には、各リール24〜26それぞれについて3図柄ずつ、合計9図柄分の図柄表示領域が形成されている。
遊技機1は、遊技者によってメダル投入口18からメダル(遊技価値)が投入された状態、或いはMAXBET釦16を操作することでクレジットメダル(遊技価値)が投入された状態でスタートレバー19が操作されると(ゲームが開始されると)、内部抽選を実行すると共にリール24〜26の変動を開始させ、ストップ釦20〜22が操作されることによって所謂引込制御(予め規定された引込範囲、例えば4図柄までにある図柄を有効ライン上に引込んで停止表示させる制御)によってリール24〜26の変動を停止する。
遊技機1からは遊技に応じて以下に示す遊技信号が出力される。
・アウト信号=遊技機1から出力。開始操作に応じベット状態のメダルを消費したとしてベット状態のメダル数(3枚)分がパルス出力されるので、アウト信号数×1がアウト(消費価値、使用媒体数)となる。尚、リプレイ時にも対応分を出力。
・セーフ信号=遊技機1から出力。メダルが1枚付与(払出)される毎に1パルス出力されるので、セーフ信号数×1がセーフ(入賞付与価値、払出媒体数)となる。尚、リプレイ役入賞時にも、そのゲームに使用されたメダル分を出力。
・BBまたはRB信号=遊技機1から出力。対応するボーナス状態(BB、RB)中にレベル出力されるので、信号入力期間をボーナス状態として特定する。
遊技機1は、遊技機設定値(以下、モード)を変更することによりBB役及びRB役の内部当選確率を変更可能となっている。本実施形態の場合、モードは1〜6の6段階設けられている。このモードは遊技場の管理者によりいずれか1つが選択されて使用される。各モードには、図3に示すようにそれぞれ理論上の出率が対応付けられている。この出率は、上記したボーナス役の内部当選確率により調節される。つまり、遊技機1では、モードが大きいほどボーナス役当選確率が高くなり、それに伴って理論上の出率が大きくなる。尚、小役確率については全設定共通であるが、異なっていても良く、小役確率や他の条件等により出率を調整しても良い。
上記したモードは遊技場の管理者が設定キーを使用することで変更される。具体的に説明すると、遊技機1は、遊技可能状態から電源スイッチが操作されて電源がオフされ、設定キーが設定モード切替部(図示せず)のキー穴に挿入されて「遊技」位置から「設定」位置に回動され、その後、電源スイッチが操作されて電源がオンされると、モードを変更可能な設定変更可能状態に移行する。遊技機1は、設定変更可能状態に移行すると、現在のモードをクレジット数表示部15に表示し、遊技場の管理者が設定ボタン(図示せず)を操作する毎にクレジット数表示部15におけるモードを切替えて表示する。そして、遊技機1は、スタートレバー19が操作されると、そのスタートレバー19が操作された時点で表示しているモードを確定し、電源スイッチが操作されて電源がオフされ、設定キーが「設定」位置から「遊技」位置に回動され(戻され)、その後、電源スイッチが操作されて電源がオンされると、電源がオフされる直前に確定したモードを有効化して遊技可能状態に移行し(戻り)、その確定したモードでの遊技を可能とする。尚、遊技機1は、遊技可能状態から電源がオンされたままで設定キーが設定モード切替部のキー穴に挿入されて「遊技」位置から「設定」位置に回動されると、設定キーが「設定」位置に回動されている期間だけ設定確認状態に移行する。遊技機1は、設定確認状態に移行すると、現在のモードをクレジット数表示部15に表示し、設定キーが「設定」位置から「遊技」位置に回動される(戻される)と、遊技可能状態に移行する(戻る)。
遊技装置2は、CPU、ROM、RAM、I/Oを有するマイクロコンピュータにて構成される制御部(いずれも図示せず)により動作する。遊技装置2は、貨幣が投入される貨幣投入口27、メダルを貸し出すための貸出釦28、図示しないICカードが挿入されるカード挿入口29、ICカードを発行するための発行釦30、払出操作用の払出釦31、この払出釦31の押下に応じてメダルを遊技機1の受皿23に払出す払出ノズル32等を備えている。
遊技装置2は、所謂貸出機能を搭載しており、貨幣投入口27への貨幣の投入、或いは後述するICカードの受け付けにより遊技者が所有する貨幣を受け付け(貨幣受付処理)すると、遊技装置2に入金額が残高に加算して表示され、残高がある状態で遊技者が貸出釦28を押し下げ(貸出操作、付与操作)すると、払出単位(例えば1000円)分の貸出メダル(対価付与価値)を払出ノズル32から払い出し(対価付与処理)、その対価分を残高から減算する。尚、貨幣は複数回分の対価付与処理の対応分(例えば1万円まで)を受付可能である。
遊技装置2は、所謂各台計数機能を搭載しており、計数部へのメダルの投入、或いは後述するICカードの受け付けにより遊技者が獲得したメダルを受付可能で、受け付けた場合には持玉として管理し、その持玉を対価とした払戻処理(価値付与処理)を行った場合はその対価分(払い戻したメダルと同数)を持玉から減算する。そして、残高や持玉が残存する状態で遊技者が発行釦30を押し下げ(発行操作)すると、残高や持玉を特定可能なICカードを発行する。尚、カード挿入口29にてICカードを受け付けた場合は、そのICカードにより特定される残高や持玉を引継ぐ。
遊技装置2は中継装置3とのシリアル通信により管理装置4にて貨幣受付処理や対価付与処理、価値付与処理、残高、持玉、貸出数、払戻数、入金額や計数メダル数や、貸出の対価となる売上額、及び一般カードの受付や発行処理等の各種情報を特定可能であるが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定しても良い。
管理装置4は、CPU、ROM、RAM、I/Oを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部、遊技機1や遊技装置2との間で各種信号や各種情報を送受信する送受信部等(いずれも図示せず)を備え、遊技機側から出力された遊技信号を受信すると、遊技機1の遊技情報(アウト、セーフ、差数、出率、BB回数、RB回数等)を集計したり売上情報を算出したりする。
管理装置4は、遊技情報を一の機種に属する遊技機単位、営業日単位にて、複数営業日の所定期間(例えば400日)分を蓄積(記憶)し、期間の指定に応じて任意に集計可能としている。
図4は管理装置4が指定された期間分だけ集計した例えば機種Dの実績値(集計値)を示しており、以下の項目が設定されている。
・台番=遊技機ID
・モード(遊技機設定値)=モードで、操作入力により設定
・アウト、セーフ=アウトは消費価値、セーフは入賞獲得価値、いずれも遊技信号により特定
・売上、出率=売上は対応する遊技装置2における売上額(遊技信号により特定)、出率は付与率(セーフ÷アウト)
・補正出率(調整情報、想定調整情報)=モードに対応する複数店舗の平均出率(サーバ9より特定、モードに対応した出率の相当値)
・補正セーフ=アウトに対応するセーフの相当値(アウト×補正出率)
・補正玉単価=モードに対応する複数店舗の平均玉単価(サーバ9より特定、モードに対応した玉単価(売上額÷アウト)の相当値)
・補正売上=モードに対応する売上の相当値(アウト×補正玉単価)
・補正玉粗利=モードに対応する複数店舗の平均玉粗利(サーバ9より特定、モードに対応した玉粗利(粗利額÷アウト)の相当値)
・補台粗利=モードに対応する台粗利(売上額−(売上玉−差玉)×交換単価)の相当値(アウト×補正玉粗利)。尚、売上玉=売上額÷貸単価、差玉=アウト−セーフ、貸単価、及び交換単価=20円にて演算
・機械割=売上玉(売上額)に対する景品玉(景品額)の割合、所謂営業割数((売上玉−差玉)÷売上玉)
管理装置4は、期間を選択して帳票やグラフを機種単位で出力(表示、印刷)可能であり、指定された期間における遊技情報を集計し、アウトと補正出率との機種別の平均値を対象として基準値(基準情報)と比較した結果により機種をグループ分けした帳票を作成する機能を有する。
図5は任意に選択した期間(例えば最新の2週間分)を対象として、図4に基づき機種単位で遊技情報を集計し、更に、アウト、補正出率により機種をグループ分けした帳票例を示しており、以下の項目が設定されている。
・台数=設置台数
・台数シェア=遊技場の全遊技機数に対する設置台数
・アウト、補正出率=図4のアウト、補正出率と同様
・モード1出率(最低調整情報)=モード1(最低設定値)に対応した補正出率
尚、「全体」とは遊技場全体の平均値または合計値で、アウト及び補正出率が基準情報に相当する。また、「エリア」は機種を後述するようにグループ分けしたものである。
図5ではアウトと補正出率とについて、全体の平均値を基準値として、機種単位の平均値と比較し、アウト(稼動)は高いが補正出率(全体の平均出率、調整情報)は低い機種を「金のなる木(金)」、アウトと補正出率とが高い機種を「花形(花)」、アウトと補正出率とが低い機種を「負け犬(負)」、アウトは低いが補正出率は高い機種を「問題児(問)」に区分する所謂PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)と同様にグループ分けを行った上でグループ別の集計も行っている。尚、括弧書きは略称を示しており、その略称を「エリア」にて示している。
ここで、本出願人が機種の人気をPPM分析する際に採用している所謂PPM帳票では、「金のなる木」と「花形」とについてはPPM分析と同様の考え方となる。これに対して、「負け犬」はPPM分析では撤去候補となるが、本実施形態では補正出率を上げることにより「花形」となる等の改善候補となり得る一方、「問題児」はPPM分析では「花形」や「負け犬」となり改善候補となるが、本実施形態では改善の余地が無く撤去候補となり得るというように「問題児」と「負け犬」とに対する考え方がPPM分析とは相違する。
図5では図示しない「選択期間」にてデータを参照したい期間を指定し、その期間を対象として集計した上で上記のグループ分けを行い、グループ単位での集計を行った結果を示している。この場合、グループの「エリア」と集計結果とが機種毎に異なる色(図5中に斜線、横線、縦線でそれぞれ示す)で識別表示されている。
また、機種Eのように機種名がグレー(図5中に交差線で示す)となり識別されている機種は選択期間の終了時点での撤去済機種を示しているが、これに合わせて台数シェアの求め方について補足する。台数シェアは遊技場の全遊技機数に対する対象機種の設置台数比率を示し、対象は営業日単位の延べ台数となる。即ち、全体の台数が120台で選択された期間が2週間の場合、120台×14日=1680台が全延べ台数となり、例えば機種Dのように5台であれば5台×14日=70台となり、台数シェアは70÷1680=4.2(%)となる。一方、機種Eは期間中(9日目の営業終了後)に中途撤去されており、5台×9日=45台で、台数シェアが45÷1680=2.7(%)となっている。要するに、台数の全体は選択期間の最新日の全体の設置台数を示し、各機種の合計延べ台数とは必ずしも一致しない。
ところで、遊技機1はモード1出率が最低出率となるが、機種の平均出率等を基準値(全機種の平均出率)と比較することで機種を区分する場合、機種の中にはその仕様のためにモード1出率が基準値を上回っていることで、どのようにモードを設定しても遊技機を甘く使っていると区分せざるを得ない機種もあり、機種評価を誤認する虞がある。
このような事情から、管理装置4は、機種の平均補正出率が基準値に達していることにより区分された機種については、遊技機1に設定可能なモードの内、最低出率であるモード1出率と基準値とを比較し、基準値に達している機種が有る場合に、その機種をスペック機種(特別機種)として特定し、その旨を特定可能な識別出力を行うことを特徴とする。
図5に示す機種Cや機種Hは上述したように評価が困難となるスペック機種に該当するものであり、機種名とモード1出率とがグループ集計と同色にて着色(機種名については更に囲み線表示)されることにより識別出力されている。これは全体の補正出率と各機種のモード1出率とを比較した結果、全体の補正出率にモード1出率が達しているため、機種の評価が困難であるスペック花形、或いはスペック問題児として特定されている旨を示している。
以下、スペック問題児を例示して説明する。
「問題児」と「負け犬」とは各機種の補正出率が基準値となる全体の補正出率に達しているか否かにより区分される。しかしながら、最低出率となるモード1出率が基準値に達している場合、遊技場側が「負け犬」として運用すべく低出率に調整する意図を持ち、仮に全台をモード1としても、基準値に補正出率が達してしまい、結果、「負け犬」とはならず「問題児」との区分になってしまい、機種の評価が困難となる。
ここで、「負け犬」はPPM分析では撤去候補となるが、「問題児」は補正出率を下げることにより、「花形」等の区分になる可能性があるため、必ずしも撤去候補とはならない。これに対して、機種Hのようなスペック問題児は、スペック上、基準値より補正出率を下げることが難しく、「花形」や「負け犬」に区分される可能性が極めて低いので、「問題児」に区分されるものの負け犬同様に撤去候補になるとして機種評価を行う必要がある。
一方、「金のなる木」と「花形」との違いは補正出率によるものだが、遊技場が「金のなる木」として運用すべく低出率にて調整して仮に全台をモード1としても、スペック花形である機種Cの補正出率は基準値に達してしまい、結果、「花形」との区分になってしまうため、「金のなる木」とする運用が難しい旨を把握できる。
尚、補正出率を例示したが、出率であれば平均出率を調整情報として採用して、選択期間における各機種のモード1出率や後述するメーカ出率等と全体の出率とを比較してスペック問題児等を特定する等、どのような出率情報を対象としても良いし、例えば全体の出率の代わりに問題児等のグループにおける平均の補正出率等を基準値としてグループ分けやスペック問題児等を特定しても良い。
また、これらの集計はグラフ化しても良く、例えば第1軸をアウト、第2軸を補正出率として、各機種に対応する識別情報をグラフ上に配置し、スペック問題児等を特定可能な識別出力を識別情報に対応付けて行っても良い。この場合、第1軸を第2軸の基準値上に、第2軸を第1軸の基準値上に配置するだけで、第1軸と第2軸とにより機種を区分でき、図5のような判定処理を行うことなくグラフ上の配置処理を行うだけでグループ分けを行うことになる。
更に、グループ分けを行わずに、単純に全体の平均出率にモード1出率が達している機種を特定しても勿論良い。また、アウトによる区分を行わずに出率による区分を行う等、必ずしもグループ分けする場合に4つのグループ分けを行う必要はない。
加えて、スペック問題児などの識別出力は帳票だけでなくグラフ等で行っても良い。
一方、サーバ9は各遊技場に設置される管理装置4から遊技情報を公衆回線8を介して送受信可能であり、各遊技場がモードに対応付けて集計した遊技情報を集計することにより、複数店舗で集計した遊技情報をモードに対応付けて管理し、そのモードに対応付けた遊技情報を各遊技場の管理装置4へと配信する。
さて、管理装置4は、図6及び図7に示す情報を記憶している。
図6はサーバ9にて集計されて配信されたモード別の出率である補正出率と、メーカが発表しているモード別の出率であるメーカ出率(いずれも想定調整情報)を示している。メーカはシミュレーションや理論値等によりメーカ出率を発表するが、目押しミスの有無や遊技者による攻略等、実際の集計値である補正出率とは必ずしも一致しない。
図7は統計的なデータ(過去の実績値)に基づき設定されるアウト範囲別のアウトの比率を示すアウト数値(アウト情報)を設定情報として示している。例えば〜8000のモード1は100%、モード6は190%と示されているが、これは平均アウトが〜8000の場合、モード1の1.9倍のアウトがモード6にて見込まれ、例えばモード1が10000アウトであればモード6では19000アウトが見込まれるというような設定情報を示している。
図8は図4よりモード別の遊技機数と平均アウトと平均出率とを抽出し、図7よりアウト比率を特定し、想定アウト、及び想定セーフにより機種Dの補正出率(理論調整情報、セーフの理論値とアウトとの比率を示す遊技情報、理論上のアウトとセーフの理論値との比率を示す遊技情報)を最終的に特定した例であり、以下、その特定方法を例示する。
(1)基準モードの特定
基準モードとは実際の平均出率に対応するモードのことであり、図6のモード単位の出率により、実際の平均出率と近似する補正出率に対応するモードを基準モードとして特定する。
図8に示す例では、機種Dの平均出率(100.5%、機種単位で管理される調整情報)と最も近似する図6における補正出率に対応するモードは、図6の場合、100.3%のモード3が最も近似するためモード3を基準モードとして特定する。つまり、遊技機1がモード3に設定されている場合には、その想定アウトは平均アウトになると想定するのである。
(2)アウト比率の特定
図7により基準モードをモード3(アウト比率が100%)としたモード別のアウト比率を特定する。モード別のアウト比率は対象となるモードアウト数値÷基準モードのアウト数値なる演算式により特定する。この場合、まず平均アウトは12486なので、アウト範囲は8001〜15000となり、その範囲におけるモード1であればアウト数値が100%と基準モードのアウト数値は113%なので、100%÷113%=88.5%とする等してモード別のアウト比率を特定する。
(3)想定アウト及び想定セーフの特定
各アウト比率に台数と平均アウトとを乗じて想定アウト(理論上のアウト)を特定する。例えばモード1の場合、88.5%×12486×3台=33149となる。他のモードも同様に想定アウトを特定し、その想定アウトに対応するモードの補正出率を乗じて想定セーフを特定する。
(4)補正出率の特定
平均アウトが図7のアウト範囲のいずれに属するのかと基準モード(基準設定値)とによりアウト数値を特定し、モード別のアウト数値と台数、及び機種平均アウトにより、モード別の想定アウト(理論上のアウト)を特定し、各モードの補正出率を乗ずることで想定セーフ(セーフの理論値)を特定し、想定アウトの合計と想定セーフの合計との比率により示される出率を補正出率として最終的に特定する。
以上のようにして想定アウトと想定セーフとを特定し、想定セーフの合計÷想定アウトの合計にて補正出率を特定する。このような補正出率は機種単位だけでなく、機種単位で特定した想定アウトと想定セーフとの各合計値によりグループ単位や全体の補正出率を特定する場合にも採用される。
尚、補正出率は必ずしも上述した特定方法を採用しなくとも良く、例えば、各モードの補正出率の台数やアウトによる加重平均値を採用したり、想定アウトの代わりにモード別に集計した実際のアウトを採用して特定しても良い。
このような実施形態によれば次のような効果を奏することができる。
管理装置4は、機種別の出率と基準値とを比較して機種をグループ分けする場合に、最低出率であるモード1出率が基準値である全体の補正出率に達しているスペック機種を特定するので、遊技場が遊技者にとっての有利度合いを低くする意図を持って遊技機を調整した機種が、遊技機の仕様上、有利度合いが高い区分にならざるを得ないとしても、その区分に対して注意喚起でき、遊技機の区分を誤認する虞を軽減できる。
設定値単位の補正出率やメーカ出率と、遊技機1に設定されたモードとにより遊技場全体の補正出率等の理論情報を特定するようにしたので、入賞抽選等の偏りをある程度排除した上で複数の機種を対象とした理論情報を特定可能となり、その理論情報に対応した適切な基準情報を設定可能となる。
図8の想定セーフと図8の想定アウトや実際のアウトとにより特定される補正出率を理論調整情報として特定するようにしたので、調整情報として出率を採用した上で、より適切な基準値を設定可能となる。
図7のモード毎のアウト数値を参照した上で、実際に設定されたモードに対応した図8に示す最終的な補正出率を特定するようにしたので、実際に設定されたモードによるアウトの偏りをある程度排除した上で基準値を設定可能となる。
モード1出率として、操作入力により遊技機メーカにより発表されるメーカ出率を採用することが想定されるものの、このようなメーカ出率は実際の遊技者による操作ミス等の不安定要素を必ずしも反映した数値にならないこともあるが、複数の遊技場の管理装置4により管理されるモード1出率を統合することにより、そのような不安定要素をある程度を反映した上で、モード1出率を特定可能となる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
基準値として平均値をそのまま採用することを例示したが、平均値を基準として基準値を特定すれば、例えば桁数により四捨五入した値や補正値を加えた値や、それらを基準として操作入力により設定した値を採用する等、必ずしも平均値をそのまま採用しなくとも良い。同様に、基準モードのアウトは平均アウトに相当する値であれば、平均アウト以外に端数を調整する等した近似する値を採用しても良い。
出率の平均値以外に、例えば、遊技場が最低限確保したい出率のような他の出率情報やセーフ等を調整情報として採用しても良いし、粗利や玉粗利、或いは補台粗利や補玉粗利等の遊技場が得る粗利状況を示す粗利情報は出率に応じて変動する遊技情報であり調整情報と言え、どのような調整情報を採用しても良いし、必ずしも平均値を基準としなくとも良い。
各設定情報は管理者が任意に操作入力により設定しても、予め管理装置4の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部や遊技機メーカ等)のサーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良く、モードも操作入力だけでなく遊技機からモードを特定可能な遊技信号が出力されるのであればその遊技信号により特定しても勿論良い。また、機種としては、メーカ単位やスペック単位等、遊技機の種類を示せばどの様な区分としても良い。
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。また、識別出力についても例示した以外に記号を付ける等、どのような出力態様としても良く、出力としては印字、表示出力が少なくとも想定される。
以上と超過についてはどちらを採用しても良く、「達した」等の表現は以上となった或いは超過したのいずれにも対応する表現となる。以下と未満についても同様で、「達していない」等の表現は双方に対応する表現となる。
対象となる遊技機はモードによる調整が可能であれば、スロットマシンだけでなくパチンコ遊技機を対象としても良い。また、モードに応じて入賞率が高くなることで出率が高くなる遊技機を例示したが、モードに応じた出率となるように制御する遊技機や例えばボーナス確率等以外に所謂AT、RT、或いはART等の特別状態の発生条件等をモードによる調整対象とした遊技機を管理対象としても勿論良く、どのように遊技者の有利度合いを調整しても良い。更に遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式等の例示した遊技機以外の遊技機等も採用できる。尚、所謂封入式を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。
管理装置4が行う処理の一部を中継装置3、或いは遊技装置2等にて行っても良い。また、サーバ9で行う処理を管理装置4で行ったり、管理装置4で行う処理をサーバ9にて行ったり、サーバ9を設けずに管理装置4のみで統計データ等を特定することにより補正出率を特定する等、どの様に構成しても良い。更に例示した構成は変形例も含めて、どのように組み合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。
図面中、1は遊技機、4は管理装置(管理手段、区分手段、最低情報特定手段、特別機種特定手段、出力手段、理論情報特定手段)である。

Claims (5)

  1. 複数設けられる遊技機設定値のいずれかを設定することにより遊技者の有利度合いを調整可能な遊技機側から出力される遊技信号、及び操作入力の少なくとも一方により特定される遊技機の遊技情報を管理する管理手段と、
    前記管理手段により管理される遊技情報を機種単位で演算することにより、当該機種単位で遊技機の調整状況を示す遊技情報である調整情報を特定し、当該機種単位の調整情報と、当該調整情報に対して設定される基準情報とにより機種を区分する区分手段と、
    前記遊技機設定値の内、遊技者の有利度合いが最も低い遊技機設定値である最低設定値に対応した前記調整情報である最低調整情報を、遊技機側から出力される遊技信号、外部からの情報入力、及び操作入力の少なくとも一方により機種単位で特定する最低情報特定手段と、
    前記最低調整情報と前記基準情報とを機種単位で比較することにより、前記最低設定値が他の機種における最低設定値とは異なり特別な最低設定値となる機種である特別機種を特定する特別機種特定手段と、
    前記特別機種特定手段による特定結果を出力する出力手段と、
    を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
  2. 遊技機に設定された遊技機設定値に応じた理論上の前記調整情報である理論調整情報を特定する理論情報特定手段を備え、
    前記管理手段は、遊技機設定値を設定した場合に想定される前記調整情報である想定調整情報を遊技機設定値単位で管理する一方、遊技機に対して設定された遊技機設定値を管理することで遊技機の遊技情報を管理し、
    前記理論情報特定手段は、前記想定調整情報と、遊技機に設定された遊技機設定値とにより前記理論調整情報を特定し、
    前記基準情報は、複数の機種を対象とした前記理論調整情報を基準として複数の機種に共通して設定されることを特徴とする請求項1に記載の遊技場用システム。
  3. 前記管理手段は、遊技に応じて消費される遊技価値を示すアウトを遊技情報として管理し、
    前記理論情報特定手段は、前記管理手段により管理される遊技機のアウト、遊技機に設定された遊技機設定値、及び当該遊技機設定値に対応した前記想定調整情報により特定される遊技に応じて付与される遊技価値を示すセーフの理論値と、前記アウトとの比率を示す遊技情報を前記理論調整情報として特定する請求項2に記載の遊技場用システム。
  4. 前記想定調整情報は、操作入力、前記管理手段が設けられる遊技場にて遊技機設定値単位で管理される前記調整情報、及び複数の遊技場に設けられる前記管理手段にて遊技機設定値単位で管理される前記調整情報を統合した前記調整情報の少なくともいずれか一つにより特定され、
    前記管理手段は、遊技機から出力される遊技情報により特定される機種単位の前記アウトと前記調整情報とを管理することで遊技機の遊技情報を管理する一方、予め設定される遊技機設定値単位で想定される前記アウトの比率を示すアウト情報とを管理し、
    前記理論情報特定手段は、遊技機設定値単位で管理される前記想定調整情報の内、機種単位で管理される前記調整情報に最も近似する前記想定調整情報に対応する遊技機設定値である基準設定値が遊技機に設定された場合に、前記機種単位のアウトに相当するアウトが得られるとして当該基準設定値が設定された遊技機の理論上のアウトを特定する一方、
    前記基準設定値以外の遊技機設定値が設定された遊技機については前記基準設定値と遊技機に設定された遊技機設定値と前記アウト情報とにより理論上のアウトを特定し、
    当該理論上のアウトと前記想定調整情報とにより遊技機設定値単位で前記セーフの理論値を特定し、その理論上のアウトと前記セーフの理論値との比率を示す遊技情報を前記理論調整情報として特定することを特徴とする請求項3に記載の遊技場用システム。
  5. 前記最低調整情報は、複数の遊技場に設けられる前記管理手段にて遊技機設定値単位で管理される前記調整情報を統合した前記調整情報により特定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の遊技場用システム。
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