(第1実施形態)
第1実施形態について図1から図9を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場A内には多数の(複数機種の)遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して遊技装置2が設置されている。これら遊技機1及び遊技装置2は2台ずつ中継装置3に接続されており、中継装置3はLAN4を介して管理装置5(設定手段、遊技情報特定手段、想定情報特定手段、実績情報特定手段、基準参照情報設定手段、遊技機設定値特定手段、基準比情報設定手段、設定値特定手段、振分手段、条件設定手段、出力手段、判定手段、抽出手段、想定条件設定手段、成立情報特定手段、遊技機条件設定手段、機種条件設定手段、設定値条件設定手段、選択手段、共通条件設定手段、遊技機設定値設定手段、参照情報特定手段、区分手段、管理手段、指定手段、遊技機特定手段、区分特定手段)と接続されている。また、遊技場A内にはPOSや残高精算機(何れも図示せず)も設置されており、これらPOSや残高精算機もLAN4を介して管理装置5と接続されている。
尚、図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置5の管理対象となっている。管理装置5は、遊技場A内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード6、モニタ7、プリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置5は、遊技機側(遊技機1、遊技装置2等)から出力される遊技信号を入力することで、遊技機1毎の遊技情報、会員登録された会員毎の個人情報、遊技機1や遊技装置2等の稼動状態等を管理する。
遊技場用システムでは、遊技場A内に設置されている遊技機1、遊技装置2、中継装置3、LAN4及び管理装置5等と同様の構成が別の遊技場(図1の例示では遊技場B、遊技場C)内にも設置されている。これらの各遊技場A〜Cに設置されている各管理装置5は、其々インターネットやVPN接続等の公衆回線8を介して各遊技場A〜Cとは別に設置されているサーバ9(実績情報特定手段)と接続されており、各種信号や各種情報を公衆回線8等を介してサーバ9と通信可能に構成されている。
遊技機1は、CR(カードリーダ)パチンコ遊技機であり、盤面10に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル11、上部受皿12、下部受皿13を有すると共に、盤面10に、液晶表示部14、普図入賞口15、第1始動口16、第2始動口17、大入賞口18等を有する。
遊技機1は以下に示すように動作する。
(1)第1始動口16は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口17は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口16、17への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を液晶表示部14にて行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
(3)遊技機設定値(以下、モード)が6段階で設けられ、このモードにより、図2に示すモード別スペック値の通り大当り抽選の当選確率(大当り確率)を大当り後に大当りでも確変状態(確変)でもない状態である通常遊技状態(通常状態)と確変とを対象として調整可能である。尚、大当りがその後に確変となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率等の大当りの継続回数に関わる値等も調整可能としても良いが、本実施形態では継続回数は2.8回となっている。つまり、通常状態で大当りが発生した場合、その大当りも含めて2.8回分の大当りが通常状態に戻る迄に理論値(想定値)として見込まれるように、確変時の大当り確率や確変率や後述する時短回数等が設定されている。尚、図2では示していないが、通常状態における大当り確率の違いにより時短状態において発生する大当り等によって、継続回数もモードに応じて多少の違いが生じ得る。同様に通常状態と確変状態の大当り確率もモードにより不変としても良く、通常状態と確変状態との大当り確率や継続回数、及び後述するラウンド振分率等の少なくとも1つがモードにより調整可能であれば良い。
(4)大当りが発生すると対応するラウンド(R)分だけ大入賞口を開放する。尚、1Rの上限入賞数は10個、上限開放期間は30秒であり、上限入賞数または上限開放期間のいずれかが満たされた場合に1Rを終了する。対応するラウンドも大当り抽選と同様に抽選され、その振分率は第1始動口16に入賞した場合は2Rが10%で4Rが51%で15Rが39%であるが、第2始動口17の場合は4Rが10%で15Rが90%となり、入賞に応じた図柄変動の保留消化優先順位は第1始動口16よりも第2始動口17の方が高く設定される。
(4)確変中は大当り確率が向上すると共に、第2始動口17の入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。尚、確変は次回大当りまで継続するため、通常状態となる大当り(通常大当り)が発生するまで継続し、その後は所定の時短回数(例えば100回)の図柄変動を行うまで時短状態となる。
(5)第2始動口17は普図入賞口15への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動期間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。また、開放期間は通常状態では0.3秒であり時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動期間が短くなる一方、開放期間は長くなることで第2始動口17の入賞率が高くなる。以上は機種Aを例にして説明したが、例示した値は例えば機種Bであればラウンドの振分が異なる等、機種に応じて様々な値となる。
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口16、17への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を出力する。
・アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定。尚、遊技機側から出力される信号でも良い。
・セーフ信号=遊技機側から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号。入賞に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。また、玉を実際に払出した際に出力される実セーフ信号と、入賞に応じて払出が予約された場合に出力される入賞セーフ信号とがあるが、入賞から出力までのタイムラグを極力省くため後者を採用することが望ましい。
・スタート信号=遊技機側から出力される始動入賞(S入賞)により変動(作動)する液晶表示部14(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)、及びスタート(スタート処理数)を特定可能な信号。図柄変動確定時に出力されるので信号入力に応じてスタート処理を特定する。
・S入賞信号=遊技機側から出力されるS入賞を特定可能な信号。始動入賞時に出力されるので信号入力に応じて始動入賞を特定する。尚、スタートとS入賞とのいずれか一方のみを管理する等、兼用して管理対象としても良い。
・大当り信号=遊技機側から出力される大当り期間を特定可能な信号。大当り中にレベル出力される状態信号なので大当り信号入力中を大当り中として特定する。
・特別状態信号=遊技機側から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号。第2始動口17の入賞率が向上する特別状態中(時短中(確変時を含む))にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号入力中を特別状態中として特定する。尚、大当り確率が向上する確変中にレベル出力される状態信号(確変信号)であっても良い。また、大当り信号と特別状態信号のいずれも入力していない期間を通常状態として特定する。
遊技装置2は、所謂各台計数機能付の貸出機であり、遊技機1の遊技状態を示す状態表示灯19、貨幣(貨幣価値、有価価値)が投入される貨幣投入口20、遊技者からの操作入力を受け付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当り確率等の遊技情報を表示するタッチパネル式の液晶表示部21、持玉(会員であれば貯玉も含む、獲得価値、有価価値)を払い出すための払出釦22、払い出された玉が通過する払出ノズル23、一般カードや会員カードが挿入されるカード挿入口24、遊技機1の下部受皿13の下方に位置する着脱可能な計数受皿25等を有する。
遊技装置2は、以下に示す機能を備えている。
(1)貨幣を受け付けると(貨幣受付処理)と、遊技機1と遊技装置2の双方に入金額を表示すると共に貸出1単位(例えば500円)分の貸出玉(対価付与価値)を遊技機1から払い出させ(対価付与処理)、その対価付与処理に応じて入金額の表示を貸出玉の対価を除いた残高の表示とする。貨幣は複数回分の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
(2)残高がある状態で遊技機1の貸出釦が押下(貸出操作、付与操作)されると、貸出1単位分の貸出玉を遊技機1から払い出させ、その対価分を残高から引き落とす。また、所謂各台計数機能も備えており、遊技者が獲得した獲得玉を計数し、その計数した獲得玉を対価として再度玉を払い戻すことも可能であり、その払い戻し分の対価を除いた玉数を持玉として特定することも可能である。
(3)残高や持玉が残存する状態で遊技機1の返却釦が押下(発行操作)されると、残玉や持玉を特定可能な一般カードを発行する。尚、残高や持玉の一部を発行対象とする分割発行は説明の簡略化のため不可としたが可能としても良い。
(4)中継装置3とのシリアル通信(売上信号の受信)により貨幣受付処理や対価付与処理、残高や貸出玉数、入金額や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、計数玉、持玉、払戻玉、及び一般カードの受付や発行処理を特定可能であるが、これらはパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)でも特定可能である。
管理装置5は、遊技機側から出力される遊技信号に基づいて当日における各遊技機1の遊技情報を集計している。
図3は管理装置5が集計した例えば機種Aに属する各遊技機1の素データ(実績値)の一覧を示しており、以下の各項目が設定されている。
・モード=遊技機1に設定された遊技機設定値(別途操作入力等により特定)
・アウト=アウト信号により特定される遊技機1にて消費された遊技価値
・セーフ=セーフ信号により特定される遊技機1への入賞に応じて付与された遊技価値
・スタート=スタート信号により特定される遊技機1における役物の作動回数
・S入賞=S入賞信号により特定される始動入賞回数
・売上玉=売上信号により特定される対応する貸出機にて貨幣価値を対価として付与された遊技価値(貸出玉数、対価付与価値)
・大当り数=大当り信号により特定される大当り数で、「通常」は通常時に発生した大当り数で所謂「初当たり」数、「特定」は特定の条件を満たす(例えばT1Yに対して設定される基準範囲(例えば1000〜2000)内のT1Yとなった)大当りである特定大当りの発生回数
・Tアウト<Tセーフ>=T中(大当り中、及び甘中)のアウト<セーフ>
・T1アウト<T1セーフ>=T1中(大当り中)のアウト<セーフ>
・特T1アウト<特T1セーフ>=特定大当りのみを対象としたT1中のアウト<セーフ>
尚、「平均」は機種Aを対象とした遊技機平均である。また、以下も含め「甘中」とは時短などの特別状態期間に対応した遊技情報を示す。
本実施形態では説明の都合上、所謂貯玉に基づく再プレイシステムのない遊技場を前提としているが、再プレイシステムのある遊技場であれば、売上玉に再プレイ玉を含めて演算することが望ましい。但し、図1に示す払出ノズル23は遊技者が当日に獲得した獲得玉を払戻すための再プレイ用であり、この再プレイ玉は売上玉に含める必要はない。
ところで、上述した遊技機1のようにモードに応じて大当り確率等を変更可能な機能が搭載された遊技機の理論値(想定値、想定情報)を管理する場合、従来の遊技機の理論値管理はモードに対応していない一方、スロットマシンの理論値管理ではモード単位の統計情報を理論値としているだけなので、従来の管理方法を流用しようとしても遊技機単位で異なる入賞率等になり得るパチンコ遊技機の理論値を適切に管理することは難しい。
そこで、管理装置5は、以下に説明するように複数のモードに共通する基データと、モードに応じて異なる値となるスペック情報とによりモード単位の理論値を特定可能に構成されている。
管理装置5は、所定の参照期間が経過したときは、図3の基データに基づいて参照期間における各遊技機1の遊技情報を集計する。
図4は例えば機種Aに属する各遊技機1の遊技情報の集計(実績情報)であり、以下の各項目が設定されている。尚、実績情報とは実績値のみだけではなく、実績値に基づく理論値も含む概念である。
・ベース=状態(通常時、甘中)別の出率で、「通常」はBセーフ÷BO、「甘中」はBセーフA÷BOAの演算値を示す遊技情報(遊技価値の付与状況)
尚、以下も含め通常中のアウトであるBOはアウト−Tアウト、通常中のセーフであるBセーフはセーフ−Tセーフ、甘中のアウトであるBOAはTアウト−T1アウト、甘中のセーフであるBセーフAはTセーフ−T1セーフにて特定しているが、BO、Bセーフ、BOA、BセーフAを素データとして求めても良い。以下、通常中のベースを単にベース、甘中のベースをBAとも言うことがある。
・平均S=状態別のアウトに対する図柄変動数の割合で、通常(甘中)スタート÷BO(BOA)の演算値を示す遊技情報(遊技機における入賞状況)
・平均S入賞=状態別の始動入賞数の割合で、通常(甘中)S入賞÷BO(BOA)の演算値を示す遊技情報
尚、以下では通常中の平均SをS、甘中の平均SをSAと言うことがある。
・有効率=始動入賞に対する図柄変動数の割合で、通常スタート÷通常S入賞の演算値を示す遊技情報
尚、通常だけでなく甘中の有効率を管理しても良い。
・BY=図柄変動分を除いたベースで、通常(甘中)ベース−通常(甘中)平均S×始動賞球の演算値を示す遊技情報
・BYmin=始動入賞分を除いたベースで、通常(甘中)ベース−通常(甘中)平均S入賞×始動賞球の演算値を示す遊技情報
尚、始動賞球は始動入賞1回当りのセーフで、3にて演算する。
・T1Y=平均大当り中出玉数で、(T1セーフ−T1アウト)÷合計大当り数の演算値を示す遊技情報
T1O=平均大当り中アウトで、T1アウト÷合計大当り数の演算値を示す遊技情報
尚、合計大当り数=通常大当り数+甘中大当り数である。
・特T1Y=特定大当りを対象としたT1Yで、(特T1セーフ−特T1アウト)÷特定大当り数の演算値を示す遊技情報(遊技価値の付与状況)
・特T1O=特定大当りを対象としたT1Oで、特T1アウト÷特定大当り数の演算値を示す遊技情報
・出率=アウトに対するセーフの割合(払出率、付与率)で、セーフ÷アウトの演算値を示す遊技情報
・Bサ=通常時の差玉数で、BO−Bセーフの演算値を示す遊技情報
・客滞率=売上玉に対するBサの割合で、Bサ÷売上玉の演算値を示す遊技情報(特定情報)
・粗利=遊技に応じた遊技場側の営業利益で、売上額−獲得玉×貸単価×原価率の演算値を示す遊技情報
尚、獲得玉(獲得価値)=売上玉+セーフ−アウトである。また、貸単価等は遊技場単位で設定すれば良い。
・売上額=売上玉×貸単価の演算値を示す遊技情報
尚、貸単価=4円、原価率=75%にて演算する。
・玉単価=アウト1当りの売上額で、売上額÷アウトの演算値を示す遊技情報
・玉粗利=アウト1当りの粗利で、粗利÷アウトの演算値を示す遊技情報
・営業割数=実際の売上額(売上玉)に対する遊技場側の損益額(損失玉)の割合で、獲得玉÷売上玉の演算値を示す遊技情報
尚、「平均」は機種Aを対象とした遊技機平均(図3の「合計」の対応値)である。
スペック情報等の設定値は管理装置5に予め設定されている。
図5は機種Aのスペック等を示すスペック情報を示しているが、説明の都合上、機種Aにおけるモード1のみを対象として記載している。図5に示すように、スペック情報としては、TS、TSA、平均継続数、ラウンド係数、アタッカ係数、始動賞球、貸単価、原価率が設定されている。ここで、TS〜始動賞球は機種別に設定する必要があり、上述した遊技機1にて説明した通り、モード別に異なる値になる場合もあるので、異なる場合があればモード別に設定する。一方、貸単価と原価率とは遊技場における各機種に対応したレート情報を設定するが、遊技場や機種が同一でも異なる場合もあるので、異なる場合があれば機種別等で適宜設定する。
ここで、TSAについて補足する。甘中は確変中だけでなく時短中も含まれ、更に時短中は通常状態の大当り確率が適用されるため、甘中における時短中の割合を考慮して確変中の大当り確率よりも若干ながら辛い値がTSAとなる。平均継続数等は推測値となる場合もあるので、適宜、変更可能な構成とすることが望ましい。
一方、TSA以外についても遊技者の遊技傾向により遊技機1のスペック情報から特定される期待値とは異なる期待値となる場合もあるので、後述するようにサーバ9にて統合して集計した遊技情報により特定しても良く、図5の少なくとも一部をサーバ9から配信される情報により設定可能としても良い。
以下で説明する管理装置5が管理する理論値とは、図5のような遊技機1のスペック情報通り(例えば通常状態にてTS分のスタートを得た場合に初当りが発生し、その後に通常状態に戻るまでには平均継続数分の大当りが発生する等)に大当りや甘中等の有利状態が発生した場合といった、スペック通りに遊技結果が得られたと仮定した場合の遊技情報である理論情報(理論値)を示しているが、大当りや甘中等の有利状態は抽選により発生の有無が特定されるため、図4のような抽選により偏りが生ずる実際の遊技情報(以下、実績値と言う場合も有)の必ずしも近似値にはならないのが通常である。
図6は、管理装置5が特定した理論値等を例示している。
さて、管理装置5は、参照期間における例えば1番台の複数のモードに共通する基データ(共通情報、図4参照)と、当該モードに応じて異なる値となるスペック情報(図5参照)とにより理論値(想定情報)等を特定する。
基データの定義等は図4にて説明した通りで理論値も図4の説明に準ずるが、演算式にて示した演算式より演算される図4に示すような遊技情報の理論値を示す。
尚、基データは図3,4のような集計に対して指定した参照期間における平均値を示しており、参照期間は単日の営業日でも1カ月等複数日の営業日でも良い。
ところで、例えば参照期間を営業日当日のみとした場合は、当日の遊技情報では大当りの発生状況の偏り等により、実績値が同一の基データであっても変動する虞があるが、参照期間を複数日とすることでその虞を軽減し、安定した遊技情報が得られる。勿論、翌日以降の遊技情報のシミュレートにも採用可能であることから、以下、参照期間と言う場合は複数日からなる期間を指す。
ここで、基データ等の統一性(バラツキ)について説明する。管理対象となる機種に属する遊技機が例えば封入式遊技機の場合は遊技機の釘調整等の整備が全く行えないことから、導入時に不統一であった場合、或いは長期間の遊技により不統一となった場合には、各遊技機の基データは不統一となる。また、遊技場管理者が遊技機を任意に整備する場合も、各遊技機の基データは不統一となる。
しかしながら、基データは、モードを変更しても影響を受けないデータなので、モードに関わらず過去の遊技情報を採用すれば良い。つまり、参照期間における機種全体の遊技情報を平均化した基データは継続性があるものとみなすことができることから、その基データにより理論値を求めることが可能となる。
一方、理論値における客滞率(想定特定情報)は、後述するようにモードにより遊技者の遊技動向が変わる場合があるので、モード単位で異なる値を採用している。
尚、大当りに関する遊技情報である平均T1Y等は全モード共通の値となるが、例えばラウンド係数がモード単位で異なる値が採用されればモード単位で異なる値になる場合もある。同様に平均継続数も上記した事情以外にもTSAが異なれば異なる値となるため、モード単位で異なる値を採用しても良い。
また、売上額や玉粗利等例示していない遊技情報もあるが、想定されるアウトに売上額であれば玉単価を、粗利であれば玉粗利を乗ずれば特定可能になる等、例示した以外の遊技情報の理論値を演算しても勿論よい。
上記のようにして遊技機単位で理論値を特定可能であり、更に遊技機単位で指定したモードに対応した理論値を機種単位で統合することで、機種単位の理論値を特定可能となる。
以上のような構成によれば、次のような効果を奏することができる。
モードを選択可能な遊技機であって、機種やモードが共通しても出率等が異なる理論値になり得る遊技機を管理する場合であっても、モードに応じて異なる情報を設定可能であるスペック情報と複数の共通した基データとにより理論情報を特定することで、例えば採用されたことがない等、採用頻度の低いモードであっても、他のモードと同様に理論値を特定可能となる等、適切な管理が可能となる。
管理対象がパチンコ遊技機のような遊技機にモードの変更機能が加わった場合でも、入賞率や付与率等の複数のモードに共通した遊技情報となる遊技情報を基データとして管理することで、適切な管理が可能となる。
基データを遊技機単位で各モードに共通して管理することで、機種単位でスペック情報は共通する一方、遊技機単位で基データが異なる場合であっても、遊技機単位の理論情報を適切に管理可能となる。
基データを遊技機単位で各モードに共通して管理することで、機種単位でスペック情報は共通する一方、遊技機単位で基データが異なる場合であっても、機種単位の理論情報を適切に管理可能となる。
一方、管理装置5は、上述したようにモード単位で理論値を特定可能であるのに加えて、以下に説明するように機種単位でも理論値を特定可能に構成されている。
図7は、管理装置5が例えば1番台について設定したモードにより遊技情報を区分して集計したモード別集計を例示している。「台数」はモードが設定された延べ台数を示している。本実施形態では営業中にはモードが変更されない想定なので、モード1は48日、モード2は28日といったように営業日単位で遊技情報を振分け、モード別に遊技情報を集計している。
「アウト」(特定情報)、「出率」(参照情報)、「売上額」、「玉単価」、及び「客滞率」(特定情報)は図3,4等で説明した通りで、実際の遊技情報を示している。
図7の集計は対象期間を指定して集計可能である。即ち、1営業日のみを対象とした集計や、1カ月等、複数日の営業、1遊技者の遊技期間を対象とした集計も可能であり、更に、例えば金曜日のみ等の特定の条件を満たす営業日のみを対象とした集計も可能である。また、図4に示すベース等のモードに影響されない遊技情報は図7のようなモード別集計の対象とせず、モードに関わりなく対象期間を対象として集計すれば良いが、モード別に集計しても良い。
管理装置5による図7の集計結果等は、図1に示すサーバ9に送信され、サーバ9にて複数の遊技場における遊技情報を統合して管理される。尚、管理装置5が一の遊技場のみの遊技情報をサーバ9に送信することなく管理するようにしても良い。
図7の集計は、対象期間中に遊技機1の配置替えを行った場合は配置替え前の情報を引継いで集計する。例えば1番台に設置されている遊技機1が元は101番台に設置されている場合、対象期間に対応付けて対応する台番を設定すれば、101番台に設置された期間では101番台として集計された遊技情報と、1番台に設置された期間では1番台として集計された遊技情報とを統合することで、配置替えしてもその遊技情報を引継いで集計することが可能となる。尚、引継の対象となる遊技情報を操作入力により入力しても勿論良い。
サーバ9は、複数の遊技場から送信された遊技情報を以下に示すように管理する。
図8は機種Aについてサーバ9にてモード別にアウト(特定情報)と客滞率(特定情報)とを集計した値の比の集計例である。「アウト比率」(基準比情報)は集計対象となるアウト、「客滞率比率」(基準比情報)は送信元となる遊技場のレートに対して図8に示す通り範囲を設け、その範囲により遊技情報を振分けて集計した結果に基づく比を示す。このようにアウト比率をアウト範囲で区分しているのは、アウトが大きくなるほど、つまり遊技時間が長くなるほど満席となる可能性が高く、モードによる差が出難くなる傾向がある一方、客滞率比率をレート範囲で区分しているのは、遊技者の心理として、遊技場のレートが遊技者に有利になるほど獲得玉を早く景品に交換したいという気持ちが強くなり客滞率が小さくなる傾向があることから、これらの点を考慮する必要があるからである。
ここで、遊技場のレートについて補足する。このレートは交換単価に対する貸単価の割合(原価率の逆数)を示す。例えば遊技場Aでは貸単価4円で、交換単価3円(原価率75%)なので、4÷3≒1.33となり、13.3割営業となるので、図8中に左斜線で示したレート範囲が適用される。尚、単純に原価率や交換単価によりレート範囲を特定しても良い。
尚、図8ではアウト比率はアウト範囲、客滞率比率はレート範囲により区分したが、更に細分化してアウト範囲とレート範囲とを組合わせて区分しても良い。例えばアウト範囲の区分をレート範囲の5つの区分で区分し、図8であればアウト範囲6区分×レート範囲5区分=30区分となるようにアウト比率や客滞率比率を区分しても良い。
図8中に示す各モードに対応した比率について説明する。図8はモード1の値を基準として、他のモードがどれぐらいの比となるかを示している。例えばアウト比率(〜10000)では、モード6が2.00となっているが、これは例えばモード1が10000アウトであればモード6では20000アウトとの集計結果に基づきその比を示したものである。つまり、モード1の設定台数が最も多く安定性が高いと考えられることから、比率の基準として採用しているのである。
尚、モード間の比率に相当する値を特定できれば、図8のような比率そのものでなく実績値を採用しても良いし、モード1を基準とせず、例えばモード3を基準にする等、どのような集計結果としても良い。また、図8では集計値の比率を補正せずに採用したが、モード別の傾向を示し易くなるよう適宜補正しても良いし、サーバ管理者等による理論値を採用しても勿論良い。
また、図8は機種Aについての集計を例示したが、例えばパチンコ遊技機全機種、或いは大当り確率が似通った機種をグループ化したタイプ別の集計でも良い。
以下、客滞率の理論値を基準モードに基づき特定する方法について説明する。
管理装置5は、図6にて説明した基データの参照期間における実際の平均出率(参照情報)を特定する。例えばその参照期間が図7と同一である場合、図6におけるモード別の出率の理論値(基準参照情報)の内、図7の出率の平均値を示す113.1%(図中に左斜線で示す)に最も近似する出率の理論値のモードを基準モード(参照遊技機設定値)とする。
図7の場合、モード2の112.5%(図中に右斜線で示す)が出率の実績値平均値の113.1%に最も近似するので、モード2が平均のモードである基準モードとなり、そのモード2の客滞率(特定情報)を図7から特定すると158.9%(図中に網目で示す)となる。この場合、出率の理論値等は遊技機毎に異なるため、平均出率や基準モードの特定は遊技機毎に行う。
尚、平均の客滞率を基準モードの客滞率としても良いし、出率以外にスタート等、出率に関連した遊技情報の理論値により基準モードを特定しても良く、更に基準となれば理論値だけでなく、実績値や操作入力値等、どのような設定情報を採用しても良く、基準参照情報とは実績値や入力値等も含む概念となる。
そして、基準モードでは上述したように実績値をそのまま理論値とする一方、他のモードは図8に基づき特定する。例えば遊技場Aのレート範囲が12.5割〜16.0割であれば、遊技場Aでは図8中に左斜線で示す12.5割〜16.0割に対応したレート範囲における客滞率比率はモード1が1.00で、基準モードであるモード2は1.04なので、その比率に基づき158.9%×1.00÷1.04=152.8%をモード1の客滞率として特定する。他のモードも同様に特定することで、図6の客滞率を特定することができる。即ち、モードに応じた客滞率(想定特定情報、上記であればモード1の152.8%)は、図7のような実績値の客滞率(基準となる特定情報、上記であれば158.9%)との比の関係(上記であれば152.8%:158.9%)が、図8(基準比情報)により示される対応するモードに応じた客滞率比率(特定情報の比の基準、上記であればモード1の1.00)と基準モード(参照遊技機設定値)に応じた客滞率比率(上記であればモード2の1.04)との比の関係(上記であれば1.00:1.04)に対応するように特定される。
要するに、モードとして余り採用されないモード6等の客滞率は安定性が低いため、実際の出率に出率の理論値が近似する基準モードや平均の客滞率だけを採用し、他のモードは比率により理論上の客滞率を特定することで理論値の信頼性を高めるようにしているのである。このように理論上の客滞率(想定特定情報)を特定することで、図6の理論値におけるBサ(想定情報)との演算により売上玉や玉単価等(想定総合情報)の適切な管理が可能となる。
アウトの理論値も同様であり、例えば図7の場合、平均アウトが29655であることから、図8中に右斜線にて示すアウト比率を採用し、基準モードであるモード2の平均アウト29264を基準として他のモードはアウト比率により特定する。
このような特定により、上述した通り、アウト(想定特定情報)に図6の玉単価(想定情報)を乗ずれば売上額(想定総合情報)、玉粗利(想定情報)を乗ずれば粗利(想定総合情報)をシミュレート可能となる。
以上のような構成によれば、次のような効果を奏することができる。
モードを選択可能な遊技機であって、モードが共通しても遊技機によってはアウト等の理論値が異なる値になり得る遊技機を管理する場合であっても、図6の出率等の理論値や基準モードを遊技機単位で特定、或いは設定することで、適切な管理が可能となる。
図6の出率等の理論値により基準モードを特定することで、出率等が定着するほどの期間を参照期間とするか否か等、大当りの発生状況に影響されずに基準モードを特定可能となり、更に各モードの理論値における比の関係が、アウト比率等のモード間の比の関係を示すように特定されることで、適切な理論値を特定可能となる。
入賞率等はモードが変わっても変動しないことから複数のモードに共通した遊技情報とする一方、その遊技情報とモードに応じて異なるスペック情報とにより特定可能なBサの理論値や、客滞率の理論値により、玉単価等の理論値を特定することで、例えば採用されたことがない等、採用頻度の低いモードであっても、実績情報に基づく適切な理論値を遊技機単位、或いは機種単位で特定可能になる。
さて、上述したようにモード毎に理論値を管理した場合は、遊技機1をモードに応じて振分ける振分シミュレート(以下、モード振分(振分処理)が可能となる。
しかしながら、モードを不利(例えばモード1やモード2)に設定した遊技機であっても、入賞率が高いことにより遊技機のスペック情報から特定される出率等の期待値が通常よりも高くなることがある。このように出率等の期待値が通常よりも高くなった遊技機を振分シミュレートする場合、必要以上に有利なモード(例えばモード4以上)を振分ける虞等がある。
そこで、管理装置5は、以下に説明するようにモード振分を行う場合は出率の理論値が条件を満たす遊技機が指定台数以上となる組合わせを出力可能に構成されている。
図9は、図8までに説明した理論値を用いて操作入力等により設定した特定の条件となるモード振分の振分状況のシミュレート結果を示している。
「振分モード」は台番単位での設定するモード、「理論値」は振分モードの通りにモードを設定した場合に得られる機種平均(遊技機1台当り)の理論値(機種想定情報)、「振分台数」はモード単位の台数を示している。
シミュレート手順について説明する。遊技機毎に図8までに示した理論値として、図9であれば「アウト」、「売上額」、「粗利」を其々特定し、想定されるモードの振分パターンを全て演算する。例えば図9では機種Aに属する6台に対して6つのモードが設けられるため、モード数の台数乗のパターン、即ち6(モード)の6(台)乗の46656パターンを全て演算する。
次に、図9に対して設定した条件を満足する遊技機の組合せを抽出する。
図9に対して設定した条件は以下の通りである。
(1)基データ(共通情報)の参照期間=図7の集計期間全体
(2)理論値として機種平均の粗利=5000円以上5001円未満(機種想定条件)
このような条件に合致するパターンのみを抽出した結果が図9となる。即ち、翌日等の経営計画を立てる場合に、上記のような条件を指定して、その条件に見合うモードの振分パターンをシミュレートするものである。
振分台数としてモード以外に例えば出率(想定条件の対象となる想定情報)に98%未満、98%〜99%、99%〜100%、100%〜101%、101%〜102%、102%〜103、103%以上といった範囲を設け、その範囲に属する台数を振分台数として特定すれば、例えば出率が100%以上(想定条件)の台数が4台(想定条件成立情報)以上になる条件(想定遊技機条件)を加えることも可能である。同様に粗利や売上額の理論値等について範囲を設け、上記同様に適用しても良く、理論値、基データを問わず、どのような条件を加えても良い。また、基データを重視する場合、基データが基準値よりも高いまたは低い遊技機に有利または不利なモードを振分ける、または基データが高いまたは低い順に遊技者に有利または不利なモードを振分けるといった遊技機の振分けの優先度を示す共通条件を満たすようにモードを振分けるモードの振分パターンを出力しても良い。
理論値として示した条件としては、粗利だけでなく例えばアウトや売上額、或いは割数等(条件想定情報とは異なる想定情報)としても良いし、想定条件の対象となる出率(条件想定情報)自体としても良く、図9に示しているか否かに関わらず、どのような理論値を条件として指定しても良いし、例えば粗利3000円以上とする等、範囲もどのように設定しても良く、更に、振分台数としてモード6(設定値条件)を2台以上(設定値遊技機条件)やモード4〜6(設定値条件)を3台以上(設定値遊技機条件)といった条件を更に加える等、例示した以外の条件を加えても良い。尚、モードを限定する場合、その限定したモードだけを対象としたパターンのみを演算することで処理負担が軽減される。
ところで、遊技機にて特定のモード(例えば4〜6)にしか出現しないような演出が行われる場合、特定のモードで稼動(アウト)が伸びる傾向が見込まれる。一方で、Sや出率等が良好な場合も同様の傾向があるので、条件として特定のモードを優先的に振分ける条件や、出率が高い(例えば100%以上等)遊技機1の台数が多くなる条件等を採用することで、従来にない振分パターンを得ることも可能となる。このような条件は選択可能に構成することが望ましく、いずれかの条件を選択した場合にはその選択された条件のみを対象としてシミュレートすることで処理負担が軽減される。
上記では理論値と振分台数の2種類の条件満たす振分モードを特定したが、いずれか一方の条件を満たす振分モードを特定しても良い。
尚、千円で何回のスタートが得られるかを示す所謂千円S(=(S×千円分のBサ)÷(1−ベース)、例えば千円分のBサ=250)により振分台数を区分しても良い。
このようなシミュレートを従来と同様に複数日分行うことで、例えば1カ月分の計画粗利とするために営業日単位で粗利を振分けて、その粗利に見合う振分モードを特定すれば、その計画粗利に見合う営業日単位の振分パターンのシミュレートも可能である。
以上のような構成によれば、次のような効果を奏することができる。
モードを選択可能な遊技機であって、モードが共通しても出率等が遊技機のスペック情報から特定される期待値とは異なる期待値になり得る遊技機を対象としたモードの振分シミュレートを行う場合であっても、基データとスペック情報とにより特定可能な理論値が想定条件を満たす遊技機数が想定遊技機条件を満たす振分パターンを出力することで、適切なモードが振分けられない虞を低減可能となる。
想定遊技機条件と、機種想定条件の双方を満たす振分パターンを出力することで、機種単位の粗利等の条件を満たす、適切な振分パターンを出力可能になる。
振分パターンを想定する場合、稼動の確保を重視するが、その稼動を左右する遊技者の動向は、出率等により左右される場合と、モードにより左右される場合とがある。前者は出率等が高ければ遊技を継続するという従来からある考え方だが、後者は、例えば遊技者に有利なモード等、特定のモードにしか出現しない演出が遊技機にある場合、その演出を確認した遊技者は確認しない場合と比較して遊技を継続し易くなる傾向が想定でき、稼動を左右するとの考え方である。このような背景に基づき出率等に基づく条件だけでなく、設定されたモードに基づく条件を満たす振分パターンを出力可能にしたため、双方の考え方に対して対応可能となる。
振分パターンを選択して出力することから、遊技者の遊技傾向が変わる要因として出率等を重視する遊技場は想定遊技機条件を満たす振分パターン、モードを重視する遊技場は設定値遊技機条件を満たす振分パターンを選択する等、遊技場の考え方に見合った振分パターンを提供できる。
想定される出率等を遊技者が想定することは難しいが、例えばスタート等の基データは遊技者でもある程度想定し易く、スタート等が有利と想定することで遊技を継続したり、不利と想定することで遊技を終了したりする傾向もある。スタート等が高い順や低い順、或いはスタートが基準値を満たす遊技機を優先してモードを振分けることで、このような傾向を考慮した上での振分シミュレートが可能となる。
遊技機単位でモード別の理論値が異なる場合であっても、遊技機単位でモードを振分け、更に、遊技機単位やグループ単位で特定した理論値を機種単位で統合した想定総合情報を、振分結果に出力したり、振分条件に加えたりすることで、機種単位にて適切なモードの振分けが可能となる。
(第2実施形態)
第2実施形態について図10から図12を参照して説明する。
第1実施形態では遊技機の釘調整等の整備が全く行えない封入式のパチンコ遊技機、または遊技場が遊技機を任意に整備するために基データ等が不統一となる場合を想定して説明したが、本実施形態では、機種全体で統一した基データとなるような整備を意図的に行う場合を前提とした上で、管理装置5は、特定の遊技情報が所定の基準条件を満たさない確認台を特定可能に出力可能に構成されていることを特徴とする。
管理装置5は、図3,4の集計等に基づき図10に示すような機種別の集計を行うが、他台とは異なり整備が必要な遊技機を機種単位で確認台として抽出している。例えば機種Aでは、遊技情報を2段に区分し、上段は基データ等が後述する基準条件を満たす遊技機(以下、基準台)のデータを、下段は基準条件を満たさない確認台のデータを集計対象としている。一方で、機種Bは確認台がなく基準台のみなので、遊技情報を区分せずに集計している。尚、最下方の「平均」では「モード台数」と「台数」とが合計を示し、「アウト」以降は遊技機当り等の平均値を示す。
確認台がある場合、機種全体の集計情報を確認できないので、例えば機種Aを3段に区分し、最下段に図11のような機種全体の集計を示しても良いし、図10と図11とを操作受付等に応じて切替出力したり、図11の集計を出力した状態で機種を選択した場合に、その機種について図10の集計を出力したりしても良い。
基準条件について説明する。SやBYmin等の基データになり得る遊技情報には指標値である「計画値」(遊技機共通情報、基準情報)が予め設定される。この計画値は例えば翌日の遊技情報をシミュレートする場合に用いられるが、基準条件もこの計画値を基準とした例えば±5%の範囲内との条件としている。この範囲は機種単位で複数のモードに共通して設定されれば、遊技情報毎に異なる値とする等、どの様に設定しても良いし、計画値を用いず上限、下限を其々設定しても良く、上限、下限の少なくとも一方を設定しても良い。また、対象となる遊技情報は単数または複数(図10,11では「S」〜「BA」までの4項目)のいずれとしても良く、更に確認台を例えば当該範囲を下回る台と上回る台とを区分する等、更に区分して集計しても良い。
図10,11ではベースではなくBYminを採用しているが、ベース=S÷有効率×始動賞球+BYminであるため、大凡のベースを特定可能となる。また、SAや特T1O等も例示していないが、このように理論値を特定するために必要な遊技情報を全て基準条件の特定対象としなくとも良いし、全てを特定対象としても良く、どのような遊技情報を参照対象としても良いが、図10,11のような理論値に関連した遊技情報とすることが望ましい。計画値は遊技場管理者の操作入力、過去の遊技情報の機種平均値、遊技機1や管理装置5のメーカ等からダウンロードされる値等により設定すれば良い。また、各項目の計画値は上記計画値または計画値に基づく理論値等を示し、実績値は図3,4等の集計のように、実際に得た遊技情報またはその遊技情報に基づく理論値(想定情報)等を示す。
確認台はモード台数(遊技機設定値単位で対応する遊技機数)や台数について着色(図10,11中に左斜線で示す)している。また、モード台数はモード別に当該モードを設定した台数を示すことで遊技機単位で特定可能としている。
基準条件に関する遊技情報は基準条件を満たさない場合、他の遊技情報は基準台の平均値や機種の平均値を基準として設けられる基準範囲(例えば±5%等)を逸脱している場合に識別出力している。
他の遊技情報も基準条件に関連する遊技情報と同様に項目に応じて範囲のばらつきが異なる傾向もあるので、項目単位で異なる基準範囲(例えば±10%等)を設定しても勿論良い。
このように確認台がある場合に別集計とすることで、確認台が存在することや当該確認台の遊技情報等を把握し易くなり、確認台がある場合に整備が必要である旨を把握し易くなる。
図12は、図10,11にて所定の操作、例えば図中の緑色の「確認台」釦(図中に右斜線で示す)の押下を受付けた場合等に出力される確認台を対象とした遊技機単位の遊技情報を示す。図12では基データや理論値等の項目が予め設定されており、台番(確認台の識別情報)と共に図10,11同様に実績値が出力される一方、その実績値(実績情報)と、計画値や計画値に基づく理論値(基準情報)との差分が「計画差」として出力される。
「計画差」では基データに関しては計画値との差分が出力される一方、理論値に関しては計画値を基データとする設定されたモードにおける理論値との差分が「計画差」として出力される。即ち、目標とする計画値の差分を出力している。また、図10,11における理論値(想定情報)は、第1実施形態とは異なり、計画値等を基データとして、モードが同一の遊技機をグループ化し、そのグループ単位の理論値を、当該グループに共通する計画値(基準情報)、同じく共通するスペック情報、及びモード台数(当該グループに属する遊技機を対象として特定される遊技機設定値単位で対応する遊技機数)により特定し、そのグループ単位の遊技情報を統合した値を特定している。
図12では図10,11同様に基準条件や同様の範囲を逸脱した場合に、範囲を超える場合は黄色(図中に左斜線で示す)、下回る場合は青色(図中に右斜線で示す)とする等、遊技情報(基準条件を満たさない実績情報)を識別出力している。図12にて機種Dの内、抽出された3台に注目すると、Sがいずれも基準条件に対応する範囲よりも大きい値となっているため確認台として抽出されているが、BYminはその範囲より大きい台、小さい台、範囲内の台というように分かれている。一方で、図10や図11では機種Dの確認台としてこの3台の集計値が示されるが、BYminは計画値と大差がなく基準条件を満たしているにも関わらず識別出力されている。これは複数台のBYminにより差分が相殺されたためであり、図10,11では複数の確認台の内、いずれかの確認台にて基準条件を満たさない場合にも識別出力の対象とするため識別出力される。尚、理論値の計画差によれば、基データが基準条件を満たさないことで、遊技機単位でどれぐらいの影響が生じているかを把握可能となる。
図12にて機種名を選択する等、機種を選択する操作を受付けると、当該機種のみを対象として確認台を抽出した遊技情報が出力される。また、確認台との名の通り、遊技情報を確認し、確認の必要がなくなった遊技機については確認台の抽出対象から除外することも可能なので、調整する必要がないと判断した遊技機を除外した上で調整する必要がある遊技機の抽出を可能とする。
計画値として過去の遊技情報の平均値等を採用する場合について補足する。図10,11のように遊技情報を特定する場合、アウト等は指定された期間の平均値となる。また、期間を指定する場合、カレンダを出力する等して選択し易くしても良い。また、指定した期間にて欠損等、不備のある遊技情報がある場合もあるので、適宜、操作入力等にて補正可能な構成とすることが望ましい。他も同様である。
基準条件の対象となる計画値について補足する。本実施形態では上述した4項目としているが、他の基データや理論値を対象としたり、単数の遊技情報を対象としたり、理論値と基データとの双方を対象としたりする等、どのように参照対象を設定しても良い。尚、計画値は理論値を特定可能な例示していない基データ等も設定対象となる。
第1実施形態同様に今後の遊技情報を図6のようにシミュレートする場合、図9にて例示したモード振分を利用してシミュレートしても良いし、モード台数を変更することで理論値等をシミュレートしても良く、この場合、確認台であるかを問わず基データ等を計画値や基準台または機種全体の平均値等に基づいてシミュレートしても良く、更に上述した通りモードが同じ遊技機グループについては当該グループ単位で対応する遊技機数に基づき(例えば3台であれば3倍する等)シミュレートすれば良い。
基準台と確認台とを区分してシミュレートしても良い。この場合、基準台は上記同様にシミュレートする一方、確認台は第1実施形態同様に遊技機単位や、確認台の平均値によりシミュレートする等すれば良い。
このようなシミュレートにより確認台がある場合でも適切なシミュレートが可能となる一方、図10,11の識別出力により確認台を把握した上でのシミュレートが可能となる。尚、第2実施形態のような集計は遊技場の考え方や導入する遊技機に応じて適切な管理方法になる場合もあればならない場合もあるので、第1実施形態に示す管理と切替可能な構成とすることが望ましい。
以上のような構成によれば、次のような効果を奏することができる。
モードを選択可能な遊技機であって、モードが共通しても出率等が異なる理論値になり得る遊技機を管理する場合でも、図10,11のように確認台の有無等を出力するため、整備が必要な確認台の存在を把握可能となり、想定外の管理情報になる虞があるかどうかを把握可能となる。
確認台の台番(識別情報)と共に基準条件を満たさない実績情報を識別可能に出力することで、整備が必要な遊技機と、整備を必要とする実績情報とが把握可能となり、想定外の管理情報になる虞を軽減可能になる。
計画差により、どの程度の整備を行えば良いか、また、整備が必要な重要度等を把握可能となる。
計画値により理論値のシミュレートを行うことで、遊技機単位で入賞率等が異なる虞がある遊技機を対象としてモードに応じたシミュレートを行う場合であっても、従来のシミュレート同様のシミュレートが可能となる。
確認台の集計を参照することで確認台があることを把握できる一方、基準台の集計を参照することで基準条件を満たす基準台についても適切な遊技情報であるかを把握可能となり、基準条件自体が適切であるかも把握可能となる。
集計結果として複数の遊技機の遊技情報を統合した値を出力する場合、当該遊技機の中に確認台を含まれていても他の遊技機の遊技情報により統合した値自体は基準条件を満たし、識別出力の対象にならないことから、当該遊技情報を整備対象にする必要がないと誤認する虞もあるが、基準条件を満たさない遊技機である確認台がある場合には、その遊技情報を特定可能に識別出力することで、そのような虞を軽減可能になる。
遊技機単位で異なる基データにより機種単位の理論情報を特定可能とするだけでなく、複数の遊技機にて共通する計画値により機種単位の理論情報を特定可能とするため、入賞率や付与率が遊技機単位で異なる場合には前者を、複数の遊技機にて共通する場合には後者により理論情報を特定することで、機種単位の理論情報を適切に管理可能となる。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。
上記各実施形態では、モード単位や機種単位で理論値を特定したが、アウトや客滞率等は出率等により変動するだけでなく、上述した通り特定のモードを示唆する演出を遊技者が確認することにより変動する傾向もある。例えば遊技者に有利となるモードにのみ出現する演出を遊技者が確認した場合、出率等が低くともアウト等が伸びることも見込まれる。
そこで、管理装置5は、以下に説明するように図8にて説明したアウト比率や客滞率比率の特定を出率やスタートではなく参照期間において実際に設定されたモード(設定遊技機設定値)を基準モードとして特定可能に構成されている。尚、参照期間が複数の営業日の場合は複数のモードが設定されているのが通常であるので、その場合は当該期間の平均モードを基準モードとする。また、最も設定頻度の高いモードを基準モードとしても良い。
平均モードを基準モードとする場合について説明する。例えば図7であれば平均モードは2.3である一方、平均アウトは29655なので、図8のアウト比率の内、近似するモードである2と3のアウト比率である1.04と1.10から平均モード2.3のアウト比率を換算する。
具体的には、平均モードを下回る最も近似するモード2を近似下モード、同じく上回る最も近似するモード3を近似上モードとすると、(平均モード−近似下モード)×(近似上モードのアウト比率−近似下モードのアウト比率)+近似下モードのアウト比率=(2.3−2)×(1.10−1.04)+1.04≒1.06なので、平均モードのアウト比率を1.06と特定する。即ち、近似下モードから近似上モードへのアウト比率の増加傾向に応じて平均アウト比率を特定する。
そして、平均アウト29655を基準モードの理論値とし、他のモードのアウトの理論値を上記実施形態同様に特定する。例えばモード2であれば29655×1.04÷1.06≒29095と求める。尚、客滞率等、他の理論値も同様である。
また、上記では説明を簡易化するため近似下モードと近似上モードとのアウト比率が正比例関係にあるとみなして特定したが、例えば簡易的に最も近似するモード(上記であればモード2)とそのアウト比率(上記であれば1.04)との比の関係に対応するアウト比率を、平均モード(上記であれば2.3)のアウト比率(上記であれば1.04×2.3÷2≒1.20としたり、全てのモードのアウト比率を参照した増加関数を採用する等、適宜他の増加関数を特定して平均モードに見合うアウト比率を特定しても良い。この場合、近似下モードと近似上モードだけでなく、例えばモード1〜モード6のアウト比率を参照して増加関数を特定する必要がある。このように図8のアウト比率により特定すれば、必ずしも近似下モードと近似上モードだけを参照対象にしなくとも良い。つまり、モードに応じたアウト(想定特定情報、上記であればモード2の29095)は、平均アウト(基準となる特定情報)との比の関係(上記であれば29095:29655)が、図8(基準比情報)により示される対応するモードに応じたアウト比率(特定情報の比の基準、上記であればモード2の1.04)の基準比(上記であれば1.06)との比の関係(上記であれば1.04:1.06)を示すように特定され、基準比は、基準モード(設定遊技機設定値)に応じたアウト比率を示し、基準モード(上記であれば2.3)との比の関係(上記であれば1.06:2.3)が図8により示される他のモードに応じたアウト比率(上記であればモード2の1.04とモード3の1.10)と他のモード(上記であればモード2とモード3)との比の関係(1.04:2と1.10:3)に対応しており、このように特定すれば、どのようにアウトや客滞率の理論値を特定しても良い。
上記のような特定方法は出率等により基準モードを特定する場合にも適用可能である。例えば、図8の場合に適用すれば、平均出率113.1%について、近似下モードは2、近似上モードは3となり、其々の理論出率は112.5%と114.6%なので、(平均出率−近似下モードの出率)÷(近似上モードの出率−近似下モードの出率)+近似下モード=(113.1%−112.5%)÷(114.6%−112.5%)+2≒2.3を基準モードとし、上記同様に基準モードの客滞率比率=(2.3−2)×(1.08−1.04)+1.04≒1.05、平均客滞率が図7より161.5%なので基準モードの理論値とし、他のモードの客滞率の理論値(例えばモード2なら161.5%×1.04÷1.05≒160.0%)を求める。
また、設定されたモードが複数ある場合、最も多く設定されたモードを基準モードとしても良いし、図8にて説明した構成と同様に平均モードに最も近似するモードを基準モードとしても勿論良く、最も多く設定されたモードが複数(同回数で)ある場合等には、上記実施形態同様に出率により基準モードを特定しても良い。
このように設定されたモードにより基準モードを特定する理由は図9にて説明したように、特定のモードに限り生ずる演出等により稼動が伸びる傾向があるため、特定のモードだから得られた稼動を基準として特定する。
演出による傾向と出率やスタートによる傾向との何れを重視するかは遊技場により異なるので、何れかを選択可能としても良いし、平均モードにより稼動が変動する機種には平均モード、それ以外の機種は出率とする等、機種単位で選択可能としても良い。
また、設定されたモードが複数ある場合に最も多く設定されたモードを基準モードとすることを例示したが、複数ある場合に出率により基準モードを特定する様にしても良く、これもどのように設定するかを選択可能としても良い。
また、設定されたモードにより特定できない場合には出率により基準モードを特定しても良い。
以上のような構成によれば、次のような効果を奏することができる。
モードを選択可能な遊技機であって、モードが共通しても出率等が遊技機のスペック情報から特定される期待値とは異なる期待値になり得る遊技機を管理する場合に、遊技機に設定されたモードを示す基準モードを基準として遊技機単位で理論値を特定するため、モードにより遊技者の遊技状況が変わる場合を考慮せずに適切な理論値を特定できない虞を軽減可能になる。
設定されたモードに基づく特定方法だけでなく、出率等に基づく特定方法との間で基準モードを選択的に特定可能にしたため、遊技者の遊技傾向が変わる要因としてモードを重視する遊技場は前者、出率等を重視する遊技場は後者を選択して理論値を特定可能となり、遊技場の考え方に応じた理論値が特定できなくなる虞を軽減可能になる。
参照期間が複数日ある等、指定した期間においてモードを変更可能なタイミングがある場合、異なるモードが設定される場合もあるが、この場合はモードではなく出率により基準モードを特定することで、適切な理論値が特定できなくなる虞を軽減可能になる。
上記同様に参照期間において異なるモードが設定された場合であっても、モードの平均値や最も設定頻度の高いモードを基準モードとすることで、適切な理論値が特定できなくなる虞を軽減可能になる。
基準モードを平均値とした場合、基準比情報により直接的に基準モードに対応する基準比率を特定できない虞があるが、平均モードとの関係が、他のモードとその基準比率との関係に対応する理論上の基準比率を、平均モードの基準比率として他のモードの理論値を特定することで、そのような虞を軽減可能になる。
(第4実施形態)
第4実施形態について図13及び図14を参照して説明する。
第1実施形態では、モード単位で理論値を管理することを特徴としているが、実際には遊技機単位で異なる入賞率等になることから、遊技機の個体差の傾向を管理することは難しい。
そこで、管理装置5は、以下に説明するように出率に対して複数の範囲を設け、その範囲単位、且つモード単位にて遊技情報を集計可能に構成されている。
図13はサーバ9にて機種Aを対象として複数の遊技場の遊技情報を統括的に集計した遊技情報を、対応する出率に対して設けられた複数の範囲により区分し、更にモード別に区分した集計例を示す。
集計方法を以下の通り例示する。まず、集計対象となる参照期間を設定し、当該参照期間における遊技情報を営業日(単位期間)単位で集計し、当該営業日における出率(第1実績情報)とモードとにより振分先の集計区分を特定する。例えば出率が98.5%、モードが3であればNO.8のモード3に振分ける。
尚、出率は理論値を対象とすれば良いが実際の遊技情報でも良く、いずれでも実際の遊技情報に基づく遊技情報であるため実績情報となる。また、スタートや特T1YやBA等の他の遊技情報を対象としても勿論良い。特に、遊技場にて遊技者を識別して遊技者単位で遊技情報を区別した遊技情報を集計対象とすることも望ましく、この場合、集計値の平均を遊技者単位の遊技情報(例えばアウト、第2実績情報)の平均とし、区分する際に参照する出率は営業日単位としても、遊技者単位の出率としても良い。更に営業日単位とせず、図7のような複数日のモード別の集計により遊技情報を振分けても良い。
このようにして振分けた遊技機の延べ台数の比率が台数比率(遊技機情報)で、同じくアウトの平均値が平均アウト(遊技機情報)となる。最下方の「配分、平均」について、「台数比率」はモード別の台数比率(全モードの合計が100%)、「平均アウト」はモード別の平均アウトを示す。
尚、このような集計は遊技場単位、即ち、各遊技場の管理装置5にて管理される遊技機を対象として当該管理装置5にて管理する等、対象となる遊技機や管理する管理装置はどのような構成としても良い。
図13にて識別出力した箇所について説明する。図13では任意の区分を選択すると(図13では緑色(図中に右斜線で示す)にて識別)、当該区分に対応する遊技機にて他のモードが設定された場合にどの区分(対応区分先)に区分されたかを示している(図13では黄色(図中に左斜線で示す)にて識別)。
「台数比率」であれば例えばモード6で出率が98%を下回る遊技機は10%しかないが、モードを一番遊技者に有利としても粗利を稼げる等、希少価値が高く、中古機を売買する際に高値で取引される傾向が見込まれる等、台数比率により希少価値を見定めて売買できる。
更に選択した区分に対応する区分を識別することで、気になる区分となった遊技機にて他のモードが設定された場合の遊技情報の傾向を把握可能になる。
また、「平均アウト」について、例えば同じ出率の範囲でもモード3以下はモードによる変化は余り見受けられないが、モード4以上はモードが大きくなるにつれて平均アウトが多くなっている。これは図9等にて説明したように、特定のモード(モード4以上)にて出現する演出等を確認して遊技者が遊技を継続する傾向を示し、この傾向が強く見られる機種はその演出を確認し易い等、モードを把握し易い遊技機である一方、強く見られない機種はモードを把握し難い遊技機であるとの把握が容易化される。
一方、図14は、図13について対象となる遊技情報やレイアウトを変更した変形例を示しており、図13との相違点は、縦をモード、横を実績情報として、区分を振分ける実績情報として出率に代えてスタートを採用している。
また、管理対象別にモード単位と実績情報単位の遊技情報を出力するのではなく、モード単位と実績情報単位にて振分けた複数の管理対象を比較容易化するため、1つの区分を分割して隣接して出力させている(例えば台数比率、アウト、玉粗利を並べて出力等)。
数値は説明簡略化のため省略しているが、図13同様の数値が出力対象となる。また、説明の都合上、NO.1〜6とNO.7〜12とを2段に分けているが、1段として横スクロール等して出力する様にしても良い。
管理対象となる遊技情報(遊技機に関する遊技機情報)も、台数比率、アウト、玉粗利等を例示したが、他に出率や玉単価、或いは売上等のどのような遊技機情報を管理対象としても良い。
尚、他は図13と同様である。
また、本実施形態は主にサーバ9での管理となるが、遊技場単位で管理装置5にて管理しても良い。この場合、営業日単位で遊技情報の集計を行い、当該営業日に設定されたモードと、そのモードに対応する理論出率とにより、集計区分先を特定していき、集計区分先単位で遊技情報を集計すれば良いが、適宜、例示した構成を加えても良い。
以上のような構成によれば、次のような効果を奏することができる。
モードを選択可能な遊技機であって、モードが共通しても出率等が異なる理論値になり得る遊技機を管理する場合であっても、モードだけでなく出率等によってもアウトや台数比率等の遊技情報を区分して管理するため、各モードにおける遊技情報の出率等の状況に伴う振分状況を把握できるようになり、遊技機をより適切に管理できるようになる。
複数の遊技場における遊技情報を統合した遊技情報を管理可能になるため、設定される割合の低いモードを管理する場合や、参照期間の短い遊技情報を管理する場合であっても、より適切に管理できるようになる。
例えば遊技者単位の遊技情報を区分する場合、遊技者単位の遊技期間が短いとSやベース等が安定しないことから適切な区分に振分けられない虞があるが、1営業日(単位期間)のSやベース等により遊技情報を区分するため、その虞を軽減可能になる。
集計結果を参照して注目すべき区分先の遊技情報を得た遊技機にて他のモードが設定された場合の遊技情報の傾向を容易に把握可能になる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
各設定値は管理者が任意に操作入力により設定しても、予め管理装置の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)のサーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。尚、この場合もサーバにて操作入力により入力された設定値となる。また、過去の遊技情報を基準値として設定しても勿論良い。
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。また、遊技信号としてパルス信号を例示したがシリアル通信等による信号入力としても良い。また、複数の理論値を演算することを例示したが、例えばBOやBセーフ等は説明上、特定することを例示しただけであるので、出率や玉粗利等の少なくとも1つの理論情報を特定すれば、演算過程上で必ずしも他の理論情報を特定する必要はない。
機種としては、例えばレート別やフロア別に機種をグループ化する等、どのような区分により機種を構成しても良い。
全モードに共通する基データを例示したが、複数のモードに共通すれば例えばモード1〜3とモード4〜6を区分して、各区分に共通する基データを採用しても良い。
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。また、識別出力についても例示した以外に記号を付ける等、どのような出力態様としても良く、出力としては印字、表示出力が少なくとも想定される。
範囲としては最小値と最大値との双方を設定しても良いし、各範囲の最小値のみを設定し、最大値については次の範囲の最小値を参照して特定する等、最小値と最大値との一方のみを設定しても良い。また、以上と超過についてはどちらを採用しても良く、「達した」等の表現は以上となった或いは超過したのいずれにも対応する表現となる。以下と未満についても同様で、「達していない」等の表現は双方に対応する表現となる。
対象となる遊技機としては遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式等の例示したパチンコ遊技機以外のパチンコ遊技機等も採用できる。尚、所謂封入式を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。また、大当りの種類としてラウンドが異なることを例示したが、大当り中の出玉や差玉により大当りの種類を判定することから、例えばラウンド数が同一であっても、ラウンドの上限入賞数や上限開放期間が異なることで、その種類分けが行われることもある。
対象となる遊技機として特別状態を発生可能な遊技機を例示したが、発生不能な遊技機を対象としても良い。この場合、基データとしては通常状態における遊技情報である通常情報と、大当り情報とになる。同様に大当り状態を発生不能だが特別状態は発生可能な遊技機を対象としても良く、この場合、通常情報と、特別状態情報とが基データの集計対象となる。また、特別状態として時短と確変を区別する等複数種類の特別状態を発生可能な遊技機を対象としても良く、大当り状態と特別状態とは互いに異なる遊技状態であるが、通常状態よりも有利な遊技状態であるため有利状態と定義でき、大当り情報や特別状態情報は有利情報と定義することができる。
管理装置が行う処理の一部を中継装置、或いは遊技機装置等にて行っても良い。また、サーバで行う処理を管理装置で行ったり、管理装置で行う処理をサーバにて行ったり、サーバを設けずに管理装置のみで図5等の設定を行ったりする等、どの様に構成しても良い。更に例示した構成は変形例も含めて、どのように組合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。