JP6444799B2 - 減衰力発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は減衰力発生装置および油圧緩衝器に関する。
油圧緩衝器のピストンロッドが低速度で動作しているときに発生する減衰力(低速域における減衰力)を高めるための構成が特許文献1および2に開示されている。
特許文献1には、ピストン速度の低速域における圧側減衰力を発生させる低速バルブと、ピストン速度の中高速域における圧側減衰力を発生させる高速バルブとを備えた減衰力調整部構造が記載されている。
特許文献2の発明では、ピストンロッドの先端に配されたピストンに、ピストン側室からピストンロッド側室へ通じるバイパス経路を形成し、このバイパス経路の出口に圧側サブバルブを設けている。この圧側サブバルブは、低速域において圧側減衰力を発生させる。
特開平11−311288号公報(1999年11月9日公開) 特開2005−54942号公報(2005年3月3日公開)
本発明の目的は、先行技術文献に記載の構成とは異なる構成により、ピストン速度の低速域における減衰力を高めた減衰力発生装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る減衰力発生装置は、作動油の流れに伴い減衰力を発生させるメイン減衰バルブと、低圧の油圧を受けることで減衰力を発生させることが可能なサブ減衰バルブと、前記作動油の通過量を調整し、減衰力を発生させる減衰部を有し、前記サブ減衰バルブに連通するサブ流路と、前記サブ減衰バルブを保持するバルブ保持部材と、を有し、前記サブ流路の一部として、ピストンロッドがシリンダ内に進行する圧側行程において前記作動油を前記サブ減衰バルブへ導く圧側サブ流路、および前記ピストンロッドが前記シリンダ内から退行する伸側行程において前記作動油を前記サブ減衰バルブへ導く伸側サブ流路を有し、前記圧側サブ流路の一部および前記伸側サブ流路の一部は、伸圧共用の前記バルブ保持部材の内部において、共用の流路として形成されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、油圧が高いとき(ピストンロッドの作動速度が速いとき)には、メイン減衰バルブによって減衰力が発生する。さらに、メイン減衰バルブが開かない程度に油圧が低いとき(ピストンロッドの作動速度が遅いとき)でも、減衰部を有するサブ流路を作動油が通過することにより減衰力が発生する。サブ流路を通過した作動油は、サブ減衰バルブへ導かれ、このサブ減衰バルブによって減衰力が発生する。
このように、サブ減衰バルブを設けることにより、サブ流路において発生する減衰力のみを利用する場合と比較して、ピストンロッドの低速度作動時に発生する減衰力を高めることができる。
また、上記の構成によれば、バルブ保持部材によってサブ減衰バルブが保持されており、バルブ保持部材の内部に形成されたサブ流路を通って作動油をサブ減衰バルブへ導くことができる。そのため、サブ減衰バルブとして板バルブを利用することが可能となる。板バルブは、製造による減衰力発生特性のばらつきが少ないため、板バルブをサブ減衰バルブとして利用することにより調整精度の高い減衰力発生装置を実現できる。
また、前記減衰力発生装置は、更に、上記サブ減衰バルブが開くことを抑制する付勢部材を備えることが好ましい。
上記の構成によれば、付勢部材によりサブ減衰バルブの減衰力発生特性を調節することができ、サブ減衰バルブの減衰力を高めることができる。
また、上記の構成により、圧側行程における低速減衰力と、伸側行程における低速減衰力とを独立に調整することができる。
また、前記減衰力発生装置は、更に、前記サブ流路の前記減衰部を通過する前記作動油の量を調節する調整弁を備えることが好ましい。
上記の構成により、減衰力発生装置の組み立て後であっても、減衰力の調整を作業者に行わせることができる。
本発明は、ピストン速度の低速域における減衰力を高めた減衰力発生装置を提供することができる。
(a)は、実施形態1に係る油圧緩衝器の外観を示す図であり、(b)は、(a)のA−A線矢視断面図である。 上記油圧緩衝器が備えるシリンダの構成を示す断面図である。 上記油圧緩衝器が備えるサブタンクの構成を示す断面図である。 上記油圧緩衝器が備えるバルブユニットの構成を示す断面図である。 図4に示した断面におけるバルブ保持部材の拡大図である。 上記バルブユニットの構成を示す断面図であり、図4とは異なる平面で上記バルブユニットを切断したときの断面図である。 図6に示した断面におけるバルブ保持部材の拡大図である。 上記油圧緩衝器の効果を説明するためのグラフである。 板バルブに対して付勢するブロースプリングをバルブユニットに設けた構成を示す断面図である。 上記ブロースプリングを設けたバルブユニットの構成を示す斜視断面図である。 実施形態1とは異なるサブ流路を規定するバルブ保持部材を備えたバルブユニットの構成を示す断面図である。
〔実施形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態の油圧緩衝器1が備えるバルブユニット5では、低速減衰バルブを設けることにより、ピストンロッド3が低速度で作動するときの減衰力(低速域における減衰力)を従来よりも高めている。なお、油圧緩衝器1は、各種の車両に搭載されるショックアブソーバーであり、油圧緩衝器1が搭載される車両は、特に限定されず、二輪車であっても四輪車であってもよい。
(油圧緩衝器1の概要)
図1の(a)は、本実施形態の油圧緩衝器1の外観を示す図である。図1の(b)は、(a)のA−A線矢視断面図であり、図1の(a)におけるA−A線を含む平面でバルブ収納部7を切断したときの断面を示している。
図1の(a)および(b)に示すように、油圧緩衝器1は、車体側取付部2Aを介して車体側に取付けられるシリンダ(ダンパシリンダ)2、車軸側取付部3Aを介して車軸側に取付けられるピストンロッド3、シリンダ2の外周部に配された懸架スプリング4、減衰力発生装置としてのバルブユニット5、サブタンク6およびバルブ収納部7を備えている。バルブ収納部7は、バルブユニット5を収納するためのハウジングであり、バルブユニット5の収納空間を規定する内部壁面7Aを有している。
図2に示すように、シリンダ2は、外筒21と内筒22とからなる2重管であり、この内筒22の内部にピストンロッド3が出入りする。内筒22の内部空間には作動油が貯留されており、当該内部空間は、ピストンロッド3の先端部に配されたピストン8により、ピストン側油室22Aとロッド側油室22Bとに区画される。外筒21と内筒22との間には外側流路23が形成されており、この外側流路23は、バルブユニット5が装填されているバルブ収納部7の内部空間と、ロッド側油室22Bとを連通する流路である。
車両が路面から衝撃力を受けると、懸架スプリング4が縮むことにより、当該衝撃力を吸収する。このとき、ピストンロッド3が内筒22の内部に押し込まれる(図2に示す進行方向310の方向へ移動する)ことにより、ピストン8は、ピストン側油室22Aの作動油を押し出し、押し出された作動油は、バルブユニット5へ流入する。この作動油がバルブユニット5に設けられた流路を通過することにより、懸架スプリング4の運動エネルギーを減衰させる力が発生する(圧側行程)。ピストンロッド3が内筒22から退く(図2に示す退行方向320の方向へ移動する)ときにも逆方向の作動油の流れが生じ、減衰力が発生する(伸側行程)。バルブユニット5の詳細については後述する。
図3は、サブタンク6の構成を示す断面図である。図3に示すように、サブタンク6は、シリンダ2の内筒22に出入りするピストンロッド3の容積を補償するための作動油を蓄えるタンクであり、バルブユニット5を介して内筒22の内部に通じる連通路74と接続されている。このサブタンク6は、当該サブタンク6の内部空間をエア室61と油溜室62とに分離するブラダ63を備えている。エア室61には、高圧化されたガスが充填されており、エア室61の圧力によって油溜室62が加圧される。
ピストンロッド3の進入によって内筒22の内部空間の容積が減少したときには、過剰となった作動油が油溜室62に流入し、エア室61の体積が減少する。一方、ピストンロッド3の退行によってシリンダ2の内部空間の容積が増加したときには、不足した作動油を補填するために作動油が油溜室62から内筒22の内部へ流出する。このとき、エア室61は膨張する。このようにして、ピストンロッド3の容積が補償される。作動油の温度変化に伴う体積変化についても同様に補償される。
(バルブユニット5の詳細)
(全体構成)
図4は、バルブユニット5の構成を示す断面図であり、伸側サブ流路52Aが表れている断面図である。図5は、図4に示された断面におけるバルブ保持部材52の拡大図である。図6は、バルブユニット5の構成を示す断面図であり、圧側サブ流路52Bが表れている断面図である。図7は、図6に示された断面におけるバルブ保持部材52の拡大図である。図4と図6とは、バルブユニット5を切断する平面の角度が互いに90°異なっている。
図4に示すように、バルブユニット5は、小径部51Aおよび大径部51Bを有するバルブピース51を中心に有するユニットである。小径部51Aの内部には後述する伸側バイパス流路75および圧側バイパス流路76が形成されており、バルブピース51は、伸側バイパス流路75および圧側バイパス流路76を規定する流路規定部材である。
小径部51Aの端部には小径側バルブホルダ50が、大径部51Bの端部にはアジャスタホルダ59がそれぞれ外側から嵌合されている。アジャスタホルダ59の外周面にはキャップ60が配されている。
バルブピース51の小径部51Aの軸方向における中央にバルブ保持部材(流路規定部材)52が配されている。このバルブ保持部材52から小径部51Aの先端部へ向かう方向に沿って、伸側減衰バルブ(メイン減衰バルブ)53、伸側ピストン31、圧側積層バルブ32が設けられている。また、バルブ保持部材52から大径部51Bへ向かう方向に沿って、圧側減衰バルブ(メイン減衰バルブ)54、圧側ピストン41、伸側積層バルブ42が設けられている。
これら小径部51Aに配された部材は、小径部51Aの外周面と嵌合する開口部を有する部材であり、小径部51Aと大径部51Bとの段差面と、小径側バルブホルダ50との間において挟圧固定されている。
伸側減衰バルブ53、伸側ピストン31および圧側積層バルブ32の組と、圧側減衰バルブ54、圧側ピストン41および伸側積層バルブ42の組とは、バルブ保持部材52を基準として左右対称に(面対称に)配置されている。上記面対称とは、小径部51Aの中心軸510に対して垂直な平面を対称面とするものである。なお、伸側減衰バルブ53、伸側ピストン31および圧側積層バルブ32の組と、圧側減衰バルブ54、圧側ピストン41および伸側積層バルブ42の組とは、左右対称に配置されていなくても構わない。
(板バルブおよびその関連部材)
伸側板バルブ78および圧側板バルブ79は、伸側減衰バルブ53および圧側減衰バルブ54が開かない低圧の油圧を受けることで減衰力を発生させることが可能なサブ減衰バルブ(低速減衰バルブ)である。伸側板バルブ78は、ピストンロッド3がシリンダ2内から退行する伸側行程において機能する伸側サブ減衰バルブであり、圧側板バルブ79は、ピストンロッド3がシリンダ2内に進行する圧側行程において機能する圧側サブ減衰バルブである。
バルブ保持部材52は、伸側板バルブ78および圧側板バルブ79を保持する部材である。バルブ保持部材52の内部には、作動油を伸側板バルブ78へと導く伸側サブ流路52A(図5参照)および作動油を圧側板バルブ79へと導く圧側サブ流路52B(図7参照)が形成されている。伸側サブ流路52Aは、バルブ保持部材52の、大径部51Bの側の側面に開口しており、伸側サブ流路52Aの開口部を塞ぐ位置に伸側板バルブ78が配されている。圧側サブ流路52Bは、バルブ保持部材52の、小径部51Aの側の側面に開口しており、圧側サブ流路52Bの開口部を塞ぐ位置に圧側板バルブ79が配されている。
伸側サブ流路52Aの他方の開口部は、小径部51Aの内部に形成された伸側内部流路51Cを介して、伸側バイパス流路75と連通している。そのため、伸側サブ流路52Aは、伸側行程におけるサブ流路(伸側サブ流路)として機能する。
圧側サブ流路52Bの他方の開口部は、小径部51Aの内部に形成された圧側内部流路51Dを介して、圧側バイパス流路76と連通している。そのため、圧側サブ流路52Bは、圧側行程におけるサブ流路(圧側サブ流路)として機能する。
伸側サブ流路52Aと圧側サブ流路52Bとは、バルブ保持部材52の内部において交差しないように形成されている。伸側サブ流路52Aおよび圧側サブ流路52Bは、それぞれ複数形成されていてもよく、1つずつ形成されていてもよい。
また、伸側サブ流路52Aと圧側サブ流路52Bとを途中で1本化し、サブ流路の出口を1つにしてもよい。すなわち、伸側サブ流路52Aおよび圧側サブ流路52Bは、少なくとも一部が共通化されていてもよい。
なお、便宜上、伸側バイパス流路75と伸側サブ流路52Aとを別々の流路として説明しているが、これらの流路を一連の伸側サブ流路と見なす。同様に、圧側バイパス流路76と圧側サブ流路52Bとを一連の圧側サブ流路と見なす。そのため、バルブピース51およびバルブ保持部材52は、一連のサブ流路を規定する流路規定部材である。
図5に示すように、伸側減衰力調整弁55の外周には、O−リング80が配されている。このO−リング80は、伸側行程において伸側バイパス流路75を流れる作動油が伸側サブ流路52Aへ流入するように作動油の流れを規制するシール部材である。このO−リング80は、圧側行程において圧側バイパス流路76を流れる作動油が圧側サブ流路52Bへ流入するように作動油の流れを規制するシール部材でもある。
O−リング81は、小径部51Aの外周に配されており、伸側サブ流路52Aおよび圧側サブ流路52Bを規定するシール部材である。
(メイン流路の構成要素)
伸側減衰バルブ53および圧側減衰バルブ54は、油圧の上昇に伴い減衰力を発生させるメインバルブであり、小径部51Aを通す開口部を有する円盤状の部材(シム)の集合である。このシムは、可撓性を有しており、作動油が流れるときの圧力により撓むことができる。作動油の流圧によってシムが撓むことにより減衰力が発生する。圧側減衰バルブ54は、圧側行程において減衰力を発生させる。伸側減衰バルブ53は、伸側行程において減衰力を発生させる。
伸側ピストン31は、伸側減衰バルブ53へ作動油を導く伸側行程の流路を規定する部材であり、伸側ピストン31の内部に第1伸側流路31Bが形成されている。圧側ピストン41は、圧側減衰バルブ54へ作動油を導く圧側行程の流路を規定する部材であり、圧側ピストン41の内部に第2圧側流路41Aが形成されている。なお、伸側ピストン31には、第1圧側流路31Aも形成されており、圧側ピストン41には、第2伸側流路41Bも形成されている。
圧側積層バルブ32は、板バルブの積層体からなり、圧側の流れのみを許容するチェック機能とともに、圧側減衰力発生機能も果たす。伸側積層バルブ42は、板バルブの積層体からなり、伸側の流れのみを許容するチェック機能とともに、伸側減衰力発生機能も果たす。ただし、圧側積層バルブ32および伸側積層バルブ42は、単なるチェックバルブであってもよい。
(サブ流路調整用の構成要素)
バルブピース51の内部には、低速域の減衰力を調整するための弁である伸側減衰力調整弁55および圧側減衰力調整弁56が配されている。
伸側減衰力調整弁55は、バルブピース51の中心軸510に沿って配されている。伸側減衰力調整弁55の先端部55Aにより伸側バイパス流路75の開口部(減衰部)75Aの開口面積を調整することで、伸側バイパス流路75を流れる作動油の通過量を調節でき、その結果、伸側減衰力を調整できる。伸側減衰力調整弁55の位置は、伸側アジャスタ57によって調整することができる。
伸側バイパス流路75は、伸側減衰バルブ53へ作動油が導かれる流路を迂回するバイパス流路である。この伸側バイパス流路75は、第3伸圧共用流路73に連通しているとともに、バルブピース51に設けた伸側内部流路51C、バルブ保持部材52に形成された伸側サブ流路52Aを介して第2伸圧共用流路72に連通している。
圧側減衰力調整弁56は、伸側減衰力調整弁55のロッドの外周面と嵌合する開口部を有し、圧側バイパス流路76の開口部(減衰部)76Aを塞ぐ先端部56Aを有している。圧側減衰力調整弁56の先端部56Aは、所定のテーパー角を有しており、ニードル弁として機能する。圧側バイパス流路76の開口部76Aは、小径部51Aの内部空間と大径部51Bの内部空間との境目に位置している。圧側減衰力調整弁56は、先端部56Aを開口部76Aに対して進退させることにより、圧側バイパス流路76へ流れる作動油の通過量を調節でき、その結果、圧側減衰力を調整することができる。圧側減衰力調整弁56の位置は、圧側アジャスタ58によって調整することができる。
圧側バイパス流路76は、圧側減衰バルブ54へ作動油が導かれる流路を迂回するバイパス流路である。この圧側バイパス流路76は、第1伸圧共用流路71に連通しているとともに、バルブピース51に形成された圧側内部流路51D、バルブ保持部材52に形成された圧側サブ流路52Bを介して第2伸圧共用流路72に連通している。
このように、伸側減衰力調整弁55および圧側減衰力調整弁56は、伸側バイパス流路75の開口部75Aまたは圧側バイパス流路76の開口部76Aを通過する作動油の量を調節することにより、伸側バイパス流路75および圧側バイパス流路76で発生する低速域の減衰力を調節する調整弁である。
伸側アジャスタ57は、圧側行程における減衰力をユーザが調整するための操作部であり、伸側アジャスタ57の端部がアジャスタホルダ59の外側表面において露出している。伸側アジャスタ57のおねじ部にスライダ77が螺合されており、伸側アジャスタ57の回転によってスライダ77が移動し、この移動に伴い伸側減衰力調整弁55が移動する。
圧側アジャスタ58は、伸側行程における減衰力をユーザが調整するための操作部であり、圧側アジャスタ58の端部がアジャスタホルダ59の外側表面において露出している。圧側減衰力調整弁56のフランジ部には、圧側アジャスタ58のおねじ部が螺合されており、圧側アジャスタ58を回転させることよって圧側減衰力調整弁56が移動する。
(油圧緩衝器1における作動油の流れ)
油圧緩衝器1における、圧側減衰バルブ54または伸側減衰バルブ53を通過する作動油の流れについて、図4および図6を参照しつつ説明する。図4では、圧側行程における作動油の流れを実線で示し、伸側行程における作動油の流れを破線で示している。図6には、圧側行程における作動油の流れのうち、圧側バイパス流路76および圧側サブ流路52Bを流れる作動油の流れのみを示している。
(伸側行程
ピストンロッド3が内筒22から退行すると、ロッド側油室22Bの作動油は、内筒22に形成された開口部を通って外側流路23に流入した後、第3伸圧共用流路73を通って、バルブユニット5が配された空間へ流入する。そして、当該作動油は、伸側ピストン31に形成された第1伸側流路31Bを通り、作動油が伸側減衰バルブ53を押し開くことにより伸側減衰力が発生する。
伸側減衰バルブ53を通過した作動油は、第2伸圧共用流路72に流入し、ここで油溜室62から補給された作動油と合流する。合流した作動油は、圧側ピストン41に形成された第2伸側流路41Bを通り、伸側積層バルブ42を通過した後、第1伸圧共用流路71を経て、ピストン側油室22Aに流入する。
(圧側行程
ピストンロッド3が内筒22の内部に押し込まれると、ピストン側油室22Aの作動油は、バルブ収納部7に形成された第1伸圧共用流路71を通って、バルブユニット5が配された空間へ流入する。そして、当該作動油は、圧側ピストン41に形成された第2圧側流路41Aを通り、作動油が圧側減衰バルブ54を押し開くことにより圧側減衰力が発生する。
圧側減衰バルブ54を通過した作動油は、第2伸圧共用流路72に流入し、ここで分岐される。その一部は、伸側ピストン31に形成された第1圧側流路31Aを通り、圧側積層バルブ32を通過した後、第3伸圧共用流路73、およびシリンダ2の外側流路23を通ってロッド側油室22Bに流入する。他方の作動油は、連通路74を通り、サブタンク6の油溜室62に排出される。
(バイパス流路を通る作動油の流れ)
(伸側行程
伸側アジャスタ57を操作することにより伸側減衰力調整弁55を退行させると、伸側行程において作動油が伸側バイパス流路75を通過するようになる。具体的には、伸側行程において作動油の一部は、図4に示すように、伸側バイパス流路75および伸側内部流路51Cを通って、バルブ保持部材52の伸側サブ流路52Aに流れる。そして、作動油は、伸側板バルブ78を押し開き、第2伸圧共用流路72へ流出する。
このように伸側バイパス流路75の開口部75Aを作動油が通過すること、および伸側板バルブ78が開かれることにより減衰力が発生する。伸側板バルブ78は、伸側減衰バルブ53よりも低圧で開くため、ピストンロッド3の低速度作動時においても減衰力を発生させることができる。
(圧側行程
圧側アジャスタ58を操作することにより圧側減衰力調整弁56を退行させ、圧側行程において圧側バイパス流路76へ作動油を流入させると、その作動油は、図6に示すように、圧側内部流路51Dを介して、バルブ保持部材52の圧側サブ流路52Bに流れる。そして、作動油は、圧側板バルブ79を押し開き、第2伸圧共用流路72へ流出する。
このように圧側バイパス流路76の開口部76Aを作動油が通過すること、および圧側板バルブ79が開かれることにより減衰力が発生する。圧側板バルブ79は、圧側減衰バルブ54よりも低圧で開くため、上記低速度作動時においても減衰力を発生させることができる。
(油圧緩衝器1の効果)
図8は、油圧緩衝器1の効果を説明するためのグラフである。図8に示すグラフでは、横軸にピストンロッド3の作動速度が示されており、縦軸に油圧緩衝器1において発生する減衰力の大きさが示されている。図8の(A)は、伸側板バルブ78および圧側板バルブ79が設けられていない場合の減衰力の発生様式を示している。図8の(B)は、図8の(A)のグラフにおける低速域を拡大したグラフであり、伸側板バルブ78および圧側板バルブ79が設けられることにより低速域の減衰力が高まることを示している。
上述したように、伸側バイパス流路75の開口部75Aおよび圧側バイパス流路76の開口部76Aを作動油が通過するときに、二乗孔特性(オリフィス特性)により、減衰力が発生する。さらに伸側バイパス流路75および圧側バイパス流路76の下流に伸側板バルブ78および圧側板バルブ79を設けることにより、低速域の減衰力を高めることができる。その結果、低速域の減衰力の調整幅を広げることができる。
また、伸側と圧側とで別々の板バルブを設けることにより、伸側行程における減衰力と圧側行程における減衰力とを独立に調整することができる。
(変更例)
伸側バイパス流路75および圧側バイパス流路76の下流に設けるサブ減衰バルブは、板バルブである必要はない。サブ減衰バルブをコイルスプリングと、球状バルブとの組み合わせによって実現してもよい。この構成の場合、バルブ保持部材52を設ける必要はなく、小径部51Aの外側表面に開口した伸側内部流路51Cおよび圧側内部流路51Dの開口部に球状バルブを配し、コイルスプリングによって当該球状バルブを上記開口部に対して付勢すればよい。
また、伸側減衰バルブ53および圧側減衰バルブ54を構成する複数のバルブの一部をサブ減衰バルブとして利用してもよい。
〔実施形態2〕
本発明の更に他の実施形態について図9〜図10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、実施の形態1と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。
図9は、伸側板バルブ78および圧側板バルブ79に対して付勢するブロースプリング(付勢部材)83をバルブユニット5に設けた構成を示す断面図である。図10は、ブロースプリング83を設けたバルブユニット5の構成を示す斜視断面図である。
図9および図10に示すように、本実施形態では、バルブ保持部材52の両側にスプリング保持部82を設けてブロースプリング83を保持しつつ、当該ブロースプリング83の一方の端部を伸側板バルブ78および圧側板バルブ79に当接させている。ブロースプリング83は、バネの付勢力により、伸側板バルブ78および圧側板バルブ79が開くことを抑制する。
この構成により、伸側板バルブ78および圧側板バルブ79の開閉のしやすさをブロースプリング83によって調整することができ、伸側板バルブ78および圧側板バルブ79が発生させる減衰力を調整することができる。
〔実施形態3〕
本発明の更に他の実施形態について図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、実施の形態1と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。
図11は、実施形態1とは異なるサブ流路を規定するバルブ保持部材85を備えたバルブユニット5の構成を示す断面図である。図11では、作動油の流れのうち、伸側バイパス流路75、圧側バイパス流路76および共用サブ流路85Aを流れる作動油の流れのみを示している。また、圧側行程における作動油の流れを実線で示し、伸側行程における作動油の流れを破線で示している。
図11に示すように、バルブ保持部材85には、共用サブ流路85Aが形成されており、この共用サブ流路85Aは、伸側バイパス流路75および圧側バイパス流路76と連通している。そのため、共用サブ流路85Aは、伸圧共用のサブ流路として機能する。共用サブ流路85Aの末端の開口部には、伸側板バルブ78が配されている。共用サブ流路85Aは、複数形成されていてもよく、1つのみ形成されていてもよい。
この構成により、サブ流路を形成するための製造工程を簡略化することができる。また、板バルブの数を削減できるため、バルブユニット5の製造コストを下げることができるとともに、バルブユニット5におけるスペースを節約することができる。
〔変更例〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、例えば、上記実施形態1〜実施形態3の異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上述の構成では、バルブユニット5に、圧側行程において減衰力を発生させる圧側減衰バルブ54と、伸側行程において減衰力を発生させる伸側減衰バルブ53とが備えられていたが、伸側減衰バルブ53および圧側減衰バルブ54の一方がピストン8に設けられていてもよい。例えば、圧側減衰バルブ54、圧側サブ流路52Bが形成されたバルブ保持部材52、圧側板バルブ79、圧側減衰力調整弁56および圧側アジャスタ58がバルブユニット5に設けられており、伸側減衰バルブ53がピストン8に設けられていてもよい。
この構成では、ピストン側油室22Aとロッド側油室22Bとを連通する流路がピストン8に形成されており、伸側行程において当該流路を油が流れるときに伸側減衰バルブ53が開かれ、減衰力が発生する。圧側行程では、ピストンロッド3の体積分の油がバルブユニット5に流入し、圧側板バルブ79および圧側減衰バルブ54が開かれることにより減衰力が発生する。
本発明は、各種の車両に搭載される油圧緩衝器に適用することができる。
1 油圧緩衝器
51 バルブピース
52 バルブ保持部材
52A 伸側サブ流路
52B 圧側サブ流路
53 伸側減衰バルブ(メイン減衰バルブ)
54 圧側減衰バルブ(メイン減衰バルブ)
55 伸側減衰力調整弁(調整弁)
56 圧側減衰力調整弁(調整弁)
75 伸側バイパス流路(伸側サブ流路)
75A 開口部(減衰部)
76 圧側バイパス流路(圧側サブ流路)
76A 開口部(減衰部)
78 伸側板バルブ(伸側サブ減衰バルブ)
79 圧側板バルブ(圧側サブ減衰バルブ)
83 ブロースプリング(付勢部材)
85 バルブ保持部材
85A 共用サブ流路

Claims (3)

  1. 作動油の流れに伴い減衰力を発生させるメイン減衰バルブと、
    低圧の油圧を受けることで減衰力を発生させることが可能なサブ減衰バルブと、
    前記作動油の通過量を調整し、減衰力を発生させる減衰部を有し、前記サブ減衰バルブに連通するサブ流路と
    前記サブ減衰バルブを保持するバルブ保持部材と、を有し、
    前記サブ流路の一部として、ピストンロッドがシリンダ内に進行する圧側行程において前記作動油を前記サブ減衰バルブへ導く圧側サブ流路、および前記ピストンロッドが前記シリンダ内から退行する伸側行程において前記作動油を前記サブ減衰バルブへ導く伸側サブ流路を有し、
    前記圧側サブ流路の一部および前記伸側サブ流路の一部は、伸圧共用の前記バルブ保持部材の内部において、共用の流路として形成されていることを特徴とする減衰力発生装置。
  2. 更に、前記サブ減衰バルブが開くことを抑制する付勢部材を備えることを特徴とする請求項に記載の減衰力発生装置。
  3. 更に、前記サブ流路の前記減衰部を通過する前記作動油の量を調節する調整弁を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の減衰力発生装置。
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