JP3007806U - 油圧緩衝器の圧側減衰力調整装置 - Google Patents

油圧緩衝器の圧側減衰力調整装置

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JP3007806U JP1994006897U JP689794U JP3007806U JP 3007806 U JP3007806 U JP 3007806U JP 1994006897 U JP1994006897 U JP 1994006897U JP 689794 U JP689794 U JP 689794U JP 3007806 U JP3007806 U JP 3007806U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧緩衝器の中・高速域での圧側減衰力特性
の調整に関係なく低速域での圧側減衰力特性を操縦安定
性および乗り心地の両面で常に良好に保つ。 【構成】 貫通油路30をもつセンタロッド19に油圧
緩衝器の中・高速域の圧側減衰力を制御するメインバル
ブ34と、当該貫通油路30を通して低速域の圧側減衰
力を制御するオリフィス59とサブバルブ40をそれぞ
れ配置する。そして、上記センタロッド19を緩衝器本
体と外部タンクに通じるバルブハウジング6内に、当該
バルブハウジング6とメインバルブ34との間にバルブ
スプリング47を介装して移動可能に設置する。一方、
バルブハウジング6にセンタッロッド19と対向して外
部から回転操作可能の調整ダイアル23を装着し、この
調整ダイアル23を送りねじとしてセンタロッド19に
螺装する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、自動二輪車の後輪を懸架する外部タンク式油圧緩衝器の圧側減衰 力調整装置に関し、特に、この種の油圧緩衝器における微低速範囲を除く低速域 前半なかばから中速域前半にかけての圧側減衰力特性を適切に保ち得るようにし た圧側減衰力調整装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の圧側減衰力制御装置としては、例えば、昭和62年実用新案出 願公告第14434号公報にみられるように、外部タンクに対して低速域での圧 側減衰力を調整するニードルバルブと、中・高速域での圧側減衰力を調整するス ライドバルブを並列に配設してある。
【0003】 そして、これらニードルバルブのオリフィス面積とスライドバルブのイニシャ ル荷重をそれぞれ外部から調整可能として、低速域と中・高速域における圧側減 衰力を個々に調整し得るようにしたものが知られている。
【0004】 このものによれば、ニードルバルブのオリフィス面積を変えることで油圧緩衝 器の低速域での圧側減衰力特性を、また、スライドバルブのイニシャル荷重を変 更することで同じく中・高速域での圧側減衰力特性をそれぞれ独立して可変制御 し得る。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来の圧側減衰力制御装置にあっては、油圧緩衝器の低速域 における圧側減衰力をニードルバルブのオリフィス面積のみによって制御するよ うにしているために、当該低速域全般に亙っての圧側減衰力特性が油圧緩衝器の 圧縮速度に対してオリフィス特性の二乗で効くことになる。
【0006】 勿論、これは、ニードルバルブによる可変オリフィスを用いて油圧緩衝器の低 速域における圧側減衰力を制御する場合に限らず、固定オリフィスを用いて低速 域の圧側減衰力特性を設定した場合についても同じことが言える。
【0007】 その結果、低速域から中・高速域に移る部分での圧側減衰力を所望の値に保つ ようにオリフィス面積を設定してやると、低速域の前半での圧側減衰力が極端に 低くなってその部分での発生減衰力が不足し、所謂、減衰力の抜けた腰のない圧 側減衰力特性となって操縦安定性を損なうことになる。
【0008】 そうかと言って、操縦安定性を確保するためにオリフィス面積を小さく設定し て低速域前半での圧側減衰力を上げてやると、所謂微低速部分といわれる低速域 の前半なかばでオリフィスによる圧側減衰力が限度に達し、その点から以後の圧 側減衰力はスライドバルブで制御されることになる。
【0009】 そのために、この微低速部分を除いた低速域から中・高速域に亙っての圧側減 衰力がスライドバルブのイニシャル荷重で制御されることになるので、低速域前 半なかばから中速域前半にかけての減衰力特性が高くなり過ぎて今度は乗り心地 を害することになる。
【0010】 また、そればかりか、ジャンプ後の着地時におけるショックを充分に吸収でき るようにスライドバルブのイニシャル荷重を上げると、着地時の性能はよくなっ ても走行時における低速域での圧側減衰力がそれに連れて上昇し、乗り心地がさ らに悪化するという不都合をも生じる。
【0011】 したがって、この考案の目的は、低速域での圧側減衰力特性を操縦安定性およ び乗り心地の両面で良好に保つと共に、中・高速域での圧側減衰力特性の調整が 低速域の圧側減衰力特性に影響を及ぼすことのない油圧緩衝器の圧側減衰力調整 装置を提供することである。
【0012】
【問題を解決するための手段】
上記の目的は、この考案において、以下に述べる二つの基本構成によって達成 される。
【0013】 第一の構成は、センタロッドの外周に油圧緩衝器の低速域における圧側減衰力 を制御するサブバルブと中・高速域の圧側減衰力を制御するメインバルブを互い に対向して配置し、このセンタロッドを緩衝器本体と外部タンクに通じるバルブ ハウジング内に軸方向にのみ移動可能に設置して、緩衝器本体を外部タンク側に 対しメインバルブと当該メインバルブに並行してセンタロッドに穿った貫通油路 からサブバルブと当該サブバルに並列関係を保って併設したオリフィスのそれぞ れを通して連通する。
【0014】 そして、メインバルブのバルブスプリングを当該メインバルブとバルブハウジ ング側との間に亙って介装し、かつ、バルブハウジングにセンタッロッドと対向 して外部から回転操作可能の調整ダイアルを装着し、この調整ダイアルを送りね じとしてセンタロッドに螺装することによって達成される。
【0015】 また、第二の構成にあっては、上記第一の構成におけるセンタロッドを緩衝器 本体と外部タンクに通じるバルブハウジング内に固定して設置し、かつ、サブバ ルブの外周とラップしてバルブハウジング内に摺動自在に挿入したスプリング受 けとメインバルブとの間にメインバルブのバルブスプリングを介装する。
【0016】 そして、バルブハウジングに対して上記スプリング受けを進退させる調整螺杆 と、外部からこの調整螺杆に回転動作を与える調整摘みを配置することによって 達成される。
【0017】
【作用】
すなわち、第一の構成によれば、油圧緩衝器の低速域での圧縮動作に際し、微 低速の範囲内ではオリフィスを通る作動油流量が少ないので当該オリフィスによ る流動抵抗が小さく、作動油圧力(=圧側減衰力)がそれ程高くならないのでメ インバルブおよびサブバルブは共に開かず、油圧緩衝器本体からはこのオリフィ スのみを通して外部タンク側に作動油が流れる。
【0018】 しかし、このオリフィスを通る作動油の流動抵抗はそこを流れる作動油流量の 二乗で効いてくるので、油圧緩衝器の圧縮速度が微低速の範囲を越えて低速域に 入ると作動油圧力が急激に上昇してサブバルブが開き、このサブバルブを通って 作動油が流れ始める。
【0019】 そのために、オリフィスの開口面積を小さく設定して微低速の範囲での圧側減 衰力を上げたとしても、圧縮速度が低速域のなかでも上記微低速の範囲よりも速 い速度域に入ったときの圧側減衰力は、オリフィスによって上がり過ぎることな くサブバルブのバルブ特性によって制御される。
【0020】 一方、油圧緩衝器の圧縮速度が中速域後半から高速域に入ると、今度は、サブ バルブと共にメインバルブが開いてここからも作動油が流れ、圧側減衰力は主と してこのメインバルブのバルブ特性に依存して上昇変化することになる。
【0021】 この中速域後半から高速域にかけての圧側減衰力特性は、外部から調整ダイア ルを回してやることにより、送りねじ作用でセンタロッドがメインバルブとバル ブハウジング間に介装したバルブスプリングを伸縮させつつ軸方向に往復動し、 当該バルブスプリングの初期荷重を変えることで調整される。
【0022】 しかも、その際にオリフィスとサブバルブは、単にセンタロッドに伴って一緒 に軸方向へと移動するだけであるので、上記中速域後半から高速域にかけての圧 側減衰力特性を調整したとしても、それが微低速の範囲を含む低速域から中速域 前半にかけての圧側減衰力特性に影響を及ぼすことはない。
【0023】 かくして、オリフィスによる微低速域の範囲での圧側減衰力特性とメインバル ブによる中速域後半から高速域にかけての圧側減衰力特性の間をサブバルブによ る減衰力特性で橋渡しすることになる。
【0024】 したがって、これらオリフィスの開口面積とサブバルブおよびメインバルブの バルブ特性を適切に選定しておくことにより、低速域前半なかばから中速域前半 にかけての圧側減衰力特性が上がり過ぎるのを防止しつつ、全速度域に亙っての 圧側減衰力特性を所望の値に保つことができる。
【0025】 さらに、当該油圧緩衝器を各種の自動二輪車に亙って適用可能とするために、 サブバルブのバルブ特性とオリフィス面積の一方または両方を可変にしたり、或 いは、メインバルブとサブバルブのリフト量を調整してそれらの最大開口面積を 変えるようにしたとしても、上記した作用は何等変わるものではない。
【0026】 また、第二の構成にあっても、油圧緩衝器の圧縮動作時において、微低速の範 囲ではオリフィスのみが作用し、この微低速範囲を越えるとサブバルブも働き始 め、さらに、中速域後半から高速域にかけては今度はメインバルブも共に作用し て、全速度域に亙っての圧側減衰力特性を所望の値に保つのは、先に述べた前者 の構成の場合と全く同じである。
【0027】 ただ、後者の構成にあっては、メインバルブのバルブスプリングに対する初期 荷重の調整操作が、外部から調整摘みを通して調整螺杆に回転運動を与えること により、当該調整螺杆を送りねじ作用で進退させて前者とは反対側のスプリング 受けを軸方向に動かすことによって行われる。
【0028】 しかし、この場合にあっても、単にメインバルブの一方のスプリング受けが動 くだけであって、その動きがオリフィスおよびサブバルブに何等の影響をも及ぼ さない。
【0029】 したがって、このものにあっても、サブバルブのバルブ特性とオリフィス面積 の一方または両方を可変にしたり、或いは、メインバルブとサブバルブのリフト 量を調整することにより、当該油圧緩衝器を各種の車種に適用可能とすることが できる。
【0030】
【実施例】
以下、図面に基づいてこの考案の実施例を説明する。
【0031】 この考案を適用する外部タンク式の油圧緩衝器1は、一例として図4に例示し たように、密閉筒体で構成したシリンダ2と、このシリンダ2の内部を上下部油 室A,Bに区画するピストン3と、当該ピストン3からシリンダ2の上端を貫通 して外方に伸びるピストンロッド4とで緩衝器本体5を構成している。
【0032】 緩衝器本体5におけるシリンダ2の下部側面からは、斜め下方に向けてバルブ ハウジング6が一体に形成して突出しており、このバルブハウジング6には、連 絡通路7により当該バルブハウジング6の内部を通してシリンダ2の下部油室B に通じる外部タンク8が連接してある。
【0033】 シリンダ2内を上下部油室A,Bに区画するピストン3は、伸側減衰力発生バ ルブ9と圧側背面バルブ10を備え、かつ、ピストンロッド4を通して上下部油 室A,Bを連通するサブ油路中に外部から摘み11を通して調整可能に配置した ニードルバルブ(図示省略)を備えている。
【0034】 この考案による圧側減衰力調整装置12は、上記した緩衝器本体5に一体形成 されたバルブハウジング6内に納められている。
【0035】 上記油圧緩衝器1は、シリンダ2の下端とピストンロッド4の上端にそれぞれ 連結ブラケット13,14を備え、これら連結ブラケット13,14を通して自 動二輪車の車体とリヤフォークとの間に装着され、かつ、シリンダ2とピストン ロッド4に設けたスプリング受け15,16との間に介装した懸架用スプリング 17で後輪に対し車体を弾性的に支架する。
【0036】 これにより、走行中の後輪と車体間の振動に伴って緩衝器本体5が伸縮動作し たとき、伸長行程では、ピストン3の伸側減衰力発生バルブ9とピストンロッド 4を通して設けたサブ油路中のニードルバルブとで上部油室Aから下部油室Bに 向う作動油に流動抵抗を与え、この流動抵抗によって伸側減衰力を発生する。
【0037】 また、このとき下部油室B内にあっては、シリンダ2からのピストンロッド4 の退出に伴ってその退出体積分に相当する量の作動油が不足するが、この不足分 の作動油は、外部タンク8から連絡通路7および圧側減衰力調整装置12を通し て抵抗なく下部油室Bに補給される。
【0038】 一方、圧縮行程では、ピストン3に設けた背面バルブ10とピストンロッド4 に設けたニードルバルブを通して下部油室Bから上部油室Aに作動油を流し、当 該背面バルブ10とニードルバルブとで下部油室Bに背圧を立てつつ、かつ、下 部油室Bからピストンロッド4の侵入体積分に相当する量の作動油を連絡通路7 および圧側減衰力調整装置12を通して外部タンク8側に押し出す。
【0039】 そして、この下部油室Bから外部タンク8側に向う作動油に対して圧側減衰力 調整装置12により流動抵抗を与え、この作動油の流動抵抗によって圧側減衰力 を発生することになる。
【0040】 図1は、上記した圧側減衰力調整装置12の一実施例を示すもので、当該圧側 減衰力調整装置12は、バルブハウジング6に螺着したリングナット18で支持 されたセンタロッド19を有する。
【0041】 リングナット18は、その先端面でバルブハウジング6との間にスプリング受 け20を挟持し、かつ、外周面に嵌着したシール21でバルブハウジング6との 間を密封している。
【0042】 スプリング受け20の一方の側面からは、リングナット18の内周面に沿って 溝22を穿った延長部が伸びており、この延長部の先端面でリングナット18と の間に調整ダイアル23の先端側を回転自在に挟持し、この調整ダイアル23の 基端側がバルブハウジング6の外方に突出している。
【0043】 センタロッド19の基端側部分は、外周面に突起24とねじ25を有する膨出 部19aとなっていて、この突起24が前記スプリング受け20の延長部に穿っ た溝22と係合し、かつ、ねじ25を通して前記調整ダイアル23に螺合してい る。
【0044】 これにより、センタロッド19は、膨出部19aの突起24とスプリング受け 20の溝22との係合によって回転することなく軸方向にのみ移動可能となり、 外部から調整ダイアル23を回転操作してやることでねじ25により往復運動す ることになる。
【0045】 センタロッド19の外周には、圧側ポート26と伸側ポート27を備えたピス トン体28が配設してあり、このピストン体28の外周面がバルブハウジング6 の内壁に摺接し、かつ、この外周面に設けたシール29でバルブハウジング6内 を二つの油室b,cに区画している。
【0046】 油室bは、緩衝器本体5側の連絡通路7を通して当該緩衝器本体5の下部油室 Bに通じ、油室cは、同じく他方の連絡通路7を通して外部タンク8にそれぞれ 通じている。
【0047】 センタロッド19の軸心部に沿って貫通油路30が穿設してあり、この貫通油 路30の一端は前記油室bに開口し、他端はセンタロッド19の膨出部19aに 形成した室31から同じく膨出部19aに併設した二つのポート32,33を通 して油室cに通じている。
【0048】 ピストン体28と膨出部19aとの間のセンタロッド19の外周には、メイン バルブ34とスライドカラー35,ワッシャ36,カラー37,バルブストッパ 38,スペーサ39、並びにサブバルブ40を積層して配設してある。
【0049】 同じように、ピストン体28を間に挟んでセンタロッド19の先端側の外周に は、チェックバルブ41を緩装したスライドカラー42とブルブストッパ43が 互いに積層して配設してある。
【0050】 これらセンタロッド19の外周に積層して配設した各部材は、当該センタロッ ド19の先端側に螺装したナット44で膨出部19aとの間に挟持して固定され ている。
【0051】 チェックバルブ41は、緩衝器本体5の伸長行程時に開いて外部タンク8から 当該緩衝器本体5に向って補給される作動油の流れを許容するもので、通常は、 バルブストッパ43との間に介装したスプリング45でピストン体28に押し付 けられ、当該ピストン体28の伸側ポート27を塞いでいる。
【0052】 それに対し、サブバルブ40は、緩衝器本体5の圧縮行程時において、当該緩 衝器本体5から外部タンク8に向って押し出される作動油に押されて撓み、その 復元力により作動油に流動抵抗を与えて低速域前半なかばから中速域前半にかけ ての圧側減衰力を発生するためのものであって、通常は、センタロッド19の膨 出部19aにおけるポート32の出口部分を塞いでいる。
【0053】 上記サブバルブ40の撓み時において、背面側にあるバルブストッパ38は当 該サブバブル40の最大撓み量を制限し、その最大開口面積の規制とサブバルブ 40の撓み過ぎによる破損とを防止する役目を果たす。
【0054】 メインバルブ34は、同様にして緩衝器本体5の圧縮行程時にその圧縮速度が 中速域後半から高速域に入ったときに作動油に押されて撓み、その復元力によっ て中速域後半から高速域にかけての圧側減衰力を発生する。
【0055】 メインバルブ34の背面に設けたスライドカラー35の外周にはバルブストッ パ46を緩挿し、このバルブストッパ46をスライドカラー35に沿って可動と しつつ、かつ、ワッシャ36でそのリフト量を制限するようにしてある。
【0056】 バルブストッパ46と前記したスプリング受け20との間にはバルブスプリン グ47を介装し、当該バルブスプリング47によりバルブストッパ46を介して メインバルブ34をピストン体28に押し付け、当該メインバルブ34によって ピストン体28の圧側ポート26を閉塞状態に保っている。
【0057】 これにより、上記メインバルブ34の撓み時において、バルブストッパ46も またワッシャ36に当って係止されるリフト量によって当該メインバルブ34の 最大撓み量を制限し、その最大開口面積の規制とメインバルブ34の撓み過ぎに よる破損の防止とを図る役目を果たすことになる。
【0058】 一方、センタロッド19の膨出部19aには、バルブハウジング6の開口側か ら基端を外部に突出させて保持筒48が一体的にねじ込まれており、前記した調 整ダイアル23は、この保持筒48の外周とリングナット18の内周とにシール 49,50を介装して摺動自在に接している。
【0059】 保持筒48の内部には、ねじ51によって進退自在に螺挿したニードルバルブ 52と、シール53を介装して圧入した止め輪54により回転自在に保持された 調整摘み55を内装してある。
【0060】 調整摘み55は、止め輪54との間にシール56を備え、当該止め輪54を通 して外部から回転操作し得ると共に、保持筒48との間に介装したディテント機 構57で位置決めされるようになっている。
【0061】 そして、これらニードルバルブ52と調整摘み55をタングアンドグルーブ継 手58によって互いに結んでいる。
【0062】 上記ニードルバルブ52の先端は、貫通油路30とポート33を連通して保持 筒48に穿った油路74とセンタロッド19における室31の境界部分に臨み、 これらニードルバルブ52と油路74によって両者の間に可変オリフィス59を 形成している。
【0063】 この可変オリフィス59は、緩衝器本体5の圧縮行程時に前記したサブバルブ 40が撓む以前から外部タンク8に向う作動油の流れを許容し、低速域の中でも 特に遅い微低速範囲での圧側減衰力を発生する。
【0064】 なお、上記したように図1の実施例にあっては、オリフィス59を可変型とし て構成したが、これは微低速範囲での圧側減衰力の調整幅を広くとるためであっ て、その必要がなければ必ずしも可変型にすることはなく、固定型のオリフィス として構成してもよい。
【0065】 次に、以上のように構成した圧側減衰力調整装置12の作用について説明する ことにする。
【0066】 油圧緩衝器1の圧縮行程時において、緩衝器本体5の下部油室Bから押し出さ れてきたピストンロッド侵入体積分に相当する量の作動油は、バルブハウジング 6との間の連絡通路7を通して当該バルブハウジング6の油室bに流入する。
【0067】 この油室bに流入してきた作動油は、メインバルブ34を押し開いて、また、 センタロッド19の貫通油路30から室31,オリフィス59,膨出部19aの ポート33を経てそのまま或いはポート32からサブバルブ40を押し開いてそ れぞれ油室cに流入しようとする。
【0068】 しかし、これら三つの流路のうち、オリフィス59を通してポート33からそ のまま油室cに向う流路の流動抵抗が最も少ないので、作動油は、先ず、このオ リフィス59を通して作動油が油室cに向って流れ始める。
【0069】 この場合、油圧緩衝器1の圧縮速度が低速域の中でも特に遅い微低速の範囲内 にあっては、油室bから油室cに向って流れる作動油の流量が極端に少ないので 当該オリフィス59による流動抵抗が小さく、作動油圧力がそれ程高くはならな い。
【0070】 したがって、メインバルブ34およびサブバルブ40はその剛性によって撓ま ず、ピストン体28の圧側ポート26とセンタロッド19における膨出部19a のポート32を閉塞状態に保っている。
【0071】 これにより、油圧緩衝器1の微低速範囲での圧縮動作に際しては、緩衝器本体 5の下部油室Bからバルブハウジング6の油室bに押し出されてきた作動油の全 てが、センタロッド19の貫通油路30から室31およびオリフィス59を通っ て油路74に入り、さらに、膨出部19aのポート33を経て油室cから連絡通 路7を通して外部タンク8に流れる。
【0072】 そのために、微低速範囲での圧側減衰力は、上記作動油がオリフィス59を通 るときの流動抵抗のみで発生し、しかも、このオリフィス59を通る作動油の流 動抵抗がそこを流れる流量の二乗で効いてくる。
【0073】 その結果、図5においてこの考案の圧側減衰力特性を実線で、また、冒頭で述 べた従来例の圧側減衰力特性を点線でそれぞれ示したように、微低速範囲での圧 側減衰力は、従来例の場合と同様にオリフィス59の絞り特性に沿った圧縮速度 の二乗特性で上昇することになる。
【0074】 一方、油圧緩衝器1の圧縮速度が低速域のなかでも上記微低速の範囲よりも速 い速度域に入ると、オリフィス59を通る作動油の流量が増えて当該オリフィス 59の流動抵抗が二乗で増大し、それに伴って作動油圧力が急激に上昇する。
【0075】 このとき、従来例にあっては、当該作動油圧力がメインバルブであるスライド バルブの設定圧力まで上昇した時点で当該スライドバルブが開き、以後の低速域 から中・高速域にかけての圧側減衰力特性が図5に点線で示すようなスライドバ ルブのバルブ特性に沿ったかたちとなる。
【0076】 それに対し、この実施例にあっては、上記作動油圧力がメインバルブ34の設 定圧力に達する以前に、それよりも低く設定されたサブバルブ40の設定圧力に 達した時点で先ず当該サブバルブ40がメインバルブ34に先立って開き、オリ フィス59と共にこのサブバルブ40を通して作動油が流れ始める。
【0077】 これによって、低速域前半なかばからの圧側減衰力特性は、図5に示すように 従来例に比べて低いサブバルブ40のバルブ特性に沿ったかたちで上昇する。
【0078】 続いて、油圧緩衝器1の圧縮速度が例えば中速域前半を越えて高速域に入り、 作動油圧力がメインバルブ34の設定圧力に達するようになると、今度は、サブ バルブ40と共にメインバルブ34が開いてここからも作動油が流れ始め、それ 以後の圧側減衰力特性は、主としてこのメインバルブ34のバルブ特性に依存し て従来例と同様の特性を示すことになる。
【0079】 そのために、オリフィス59の開口面積を小さく設定して微低速の範囲での圧 側減衰力特性を上げたとしても、低速域前半なかばから中速域前半にかけての圧 側減衰力特性は、従来例のように、当該オリフィス59によって上がり過ぎるこ となくサブバルブ40のバルブ特性によって制御され、したがって、オリフィス 59の開口面積とサブバルブ40のバルブ特性を適切に選ぶことによって低速域 前半なかばから中速域前半にかけての圧側減衰力特性を所望の値に保つことがで きる。
【0080】 なお、上記において、外部から調整摘み55を通してニードルバルブ52を回 し、当該ニードルバルブ52をねじ51によって螺進或いは螺退させてやるとオ リフィス59の開口面積が変わり、これによって、微低速範囲での圧側減衰力特 性が外部調整される。
【0081】 しかも、このオリフィス59の開口面積の変更操作は、メインバルブ34に対 して何等の影響をも与えない。
【0082】 同様にして、中速域後半から高速域にかけての圧側減衰力特性は、外部から調 整ダイアル23を回してやることによりねじ25の作用でセンタロッド19が軸 方向に往復動し、それに伴い、メインバルブ34のバルブストッパ46とバルブ ハウジング6側に固定したスプリング受け20との間に介装したバルブスプリン グ47が伸縮し、当該バルブスプリング47の初期荷重を変えることで調整され る。
【0083】 しかも、その際にオリフィス59とサブバルブ40は、単にセンタロッド19 と一緒に軸方向へと移動するだけであるので、上記中速域後半から高速域にかけ ての圧側減衰力特性を調整したとしても、それが微低速範囲を含む低速域から中 速域前半にかけての圧側減衰力特性に影響を及ぼすことはない。
【0084】 したがって、微低速範囲を除く低速域の前半なかばから中速域前半にかけての 圧側減衰力特性をサブバルブ40で低く抑えつつ、かつ、微低速範囲と中速域後 半から高速域にかけての圧側減衰力特性を、調整摘み55と調整ダイアル23の 回転操作により独立して個々に調整することが可能となる。
【0085】 また、この実施例にあっては、高さの異なったスライドカラー35やワッシャ 36を用い、それに合わせてメインバブル34やサブバルブ40の厚みを変えて やることで、これらメインバルブ34とサブバルブ40のバルブ特性を予めセッ ティングすることもできる。
【0086】 さらに、スライドカラー35とカラー37の合計高さを変えることなく、それ ぞれの高さを変えることでワッシャ36の位置を選定し、当該ワッシャ36によ るバルブストッパ46のリフト量を変更してメインバルブ34の最大開口面積を 選定してやることにより、当該メインバル34のバルブ特性を変更することもで きる。
【0087】 図2は、上記した圧側減衰力調整装置12の他の実施例を示すもので、当該圧 側減衰力調整装置12aもまた、先の第一の実施例と同じくバルブハウジング6 に螺着したリングナット18で支持されたセンタロッド19を有する。
【0088】 リングナット18は、その先端面でバルブハウジング6との間にスプリング受 け20を挟持し、かつ、外周面に嵌着したシール21でバルブハウジング6との 間を密封している。
【0089】 スプリング受け20の一方の側面からは、リングナット18の内周面に沿って 溝22を穿った延長部が伸びており、この延長部の先端面でリングナット18と の間に調整ダイアル23の先端側を回転自在に挟持し、この調整ダイアル23の 基端側がバルブハウジング6の外方に突出している。
【0090】 センタロッド19の基端側部分は、外周面に突起24とねじ25を有する膨出 部19aとなっていて、この突起24が前記スプリング受け20の延長部に穿っ た溝22と係合し、かつ、ねじ25を通して前記調整ダイアル23に螺合してい る。
【0091】 これにより、センタロッド19は、膨出部19aの突起24とスプリング受け 20の溝22との係合によって回転することなく軸方向にのみ移動可能となり、 外部から調整ダイアル23を回転操作してやることでねじ25により往復運動す ることになる。
【0092】 センタロッド19の外周には、圧側ポート26と伸側ポート27を備えたピス トン体28が配設してあり、このピストン体28の外周面がバルブハウジング6 の内壁に摺接し、かつ、この外周面に設けたシール29でバルブハウジング6内 を二つの油室b,cに区画している。
【0093】 油室bは、緩衝器本体5側の連絡通路7を通して当該緩衝器本体5の下部油室 Bに通じ、油室cは、同じく他方の連絡通路7を通して外部タンク8にそれぞれ 通じている。
【0094】 センタロッド19からは、膨出部19a内に位置して基端に鍔61をもつ延長 ロッド60が同心に延びており、この延長ロッド60は、ねじ62でセンタロッ ド19に一体に結合されている。
【0095】 油室c内におけるセンタロッド19の外周には、ピストン体28とセンタロッ ド19に形成した段部63との間に位置してメインバルブ34とスライドカラー 35およびカラー37を積層して配設してある。
【0096】 同じように、ピストン体28を間に挟んでセンタロッド19の先端側の外周に は、チェックバルブ41を緩装したスライドカラー42とバブルブストッパ43 が互いに積層して配設してある。
【0097】 これらセンタロッド19の外周に積層して配設した各部材は、当該センタロッ ド19の先端側に螺装したナット44で段部63との間に挟持して固定されてい る。
【0098】 一方、延長ロッド60の外周には、ポート64を有するバルブシート部材65 とサブバルブ40およびスライドカラー66が積層して嵌挿してあり、これらは センタロッド19と延長ロッド60の鍔61との間に挟持して固定してある。
【0099】 この第二の実施例の場合、貫通油路30は、センタロッド19から延長ロッド 60の軸心部に亙って延びており、当該貫通油路30の一端は前記油室bに開口 し、他端は、延長ロッド60に穿った油孔67からバルブシート部材65のポー ト64を通してセンターロッド19の膨出部19aにより油室cから区画された 油室dに通じている。
【0100】 また、この貫通油路30の他端は、延長ロッド60の基端に設けたオリフィス 59を通して上記と並行に同じく油室dに通じている。
【0101】 そして、この油室dが、センタロッド19の膨出部19aに穿った油孔68を 通して油室cに連通している。
【0102】 チェックバルブ41は、緩衝器本体5の伸長行程時に開いて外部タンク8から 当該緩衝器本体5に向って補給される作動油の流れを許容するもので、通常は、 バルブストッパ43との間に介装したスプリング45でピストン体28に押し付 けられ、当該ピストン体28の伸側ポート27を塞いでいる。
【0103】 それに対し、サブバルブ40は、緩衝器本体5の圧縮行程時において、当該緩 衝器本体5から外部タンク8に向って押し出される作動油に押されて撓み、その 復元力により作動油に流動抵抗を与えて低速域前半なかばから中速域前半にかけ ての圧側減衰力を発生するためのもので、通常は、延長ロッド60の外周に配設 したバルブシート部材65のポート64の出口部分を塞いでいる。
【0104】 メインバルブ34は、同様にして緩衝器本体5の圧縮行程時にその圧縮速度が 中速域後半から高速域に入ったときに作動油に押されて撓み、その復元力によっ て中速域後半から高速域にかけての圧側減衰力を発生する。
【0105】 メインバルブ34とサブバルブ40の背面に設けたスライドカラー35,66 の外周にはそれぞれバルブストッパ46,69を緩挿し、これらバルブストッパ 46,69をスライドカラー35,66に沿って可動としつつ、カラー37およ び鍔61でそのリフト量を制限するようにしてある。
【0106】 これにより、バルブストッパ46,69は、メインバルブ34およびサブバル ブ40のそれぞれの撓み時にこれらメインバルブ34およびサブバルブ40によ り押されてリフトし、かつ、カラー37および鍔61に当って係止された時点で 当該メインバルブ34およびサブバブル40の最大撓み量を制限し、これらメイ ンバルブ34およびサブバブル40の最大開口面積の規制と撓み過ぎによる破損 を防止する役目を果たす。
【0107】 一方、センタロッド19の膨出部19aには、バルブハウジング6の開口側か ら基端側を外部に突出させて保持筒48が一体的にねじ込まれており、前記した 調整ダイアル23は、この保持筒48の外周とリングナット18の内周とにシー ル49,50を介装して摺動自在に接している。
【0108】 保持筒48の内部には、ねじ70によって進退自在に螺挿した調整螺杆71、 およびシール53を介装して圧入した止め輪54により回転自在に保持された調 整摘み55を内装してある。
【0109】 調整摘み55は、止め輪54との間にシール56を備え、当該止め輪54を通 して外部から回転操作し得ると共に、保持筒48との間に介装したディテント機 構57で位置決めされるようになっている。
【0110】 これら調整螺杆71と調整摘み55は、タングアンドグルーブ継手58を通し て互いに結ばれており、外部から調整摘み55を回転操作することによって調整 螺杆71をねじ70で進退させ得るようにしてある。
【0111】 油室d内には、サブバルブ40のバルブストッパ69と対向してスプリング受 け72が配設してあり、このスプリング受け72の背面側に対して上記した調整 螺杆71の先端が嵌着している。
【0112】 そして、これらバルブストッパ69とスプリング受け72との間にバルブスプ リング73を介装し、当該バルブスプリング73によりバルブストッパ69を介 してサブバルブ40をバルブシート部材65に押し付け、当該サブバルブ40に よってバルブシート部材65のポート64を閉塞状態に保っている。
【0113】 また、上記と同様にして、メインバルブ34側のバルブストッパ46と前記し たスプリング受け20との間にもバルブスプリング47を介装し、当該バルブス プリング47によりバルブストッパ46を介してメインバルブ34をピストン体 28に押し付け、当該メインバルブ34によりピストン体28の圧側ポート26 を閉塞状態に保っている。
【0114】 なお、上記したように図2の第二の実施例にあっては、オリフィス59を固定 オリフィスとして延長ロッド60の先端側に穿設して設けたが、固定型であれば 必ずしもこのようにする必要はなく、特に図示はしないが、後記する図3の実施 例と同様に、当該オリフィス59の構成を簡単にするために、サブバルブ40が シートするバルブシート部材65のシート面に打刻を施してオリフィス59を形 成するようにしてもよい。
【0115】 かくして、以上のように構成した圧側減衰力調整装置12aは、次のようにし て動作する。
【0116】 油圧緩衝器1の圧縮行程時において、緩衝器本体5の下部油室Bから押し出さ れてきたピストンロッド侵入体積分に相当する量の作動油は、バルブハウジング 6との間の連絡通路7を通して当該バルブハウジング6の油室bに流入する。
【0117】 この油室bに流入してきた作動油は、一方では、メインバルブ34を押し開い てそのまま油室cに流れる流路と、他方では、貫通油路30の途中から別れてオ リフィス59とサブバルブ40を通り、油室dを経由して油孔68から油室cに 流れる三つの並行流路を通して外部タンク8側に流入しようとする。
【0118】 しかし、これら三つの流路のうち、オリフィス59を通して流れる経路の流動 抵抗が最も少ないので、先ず、この流路を通して作動油が油室cに向って流れ始 める。
【0119】 この場合、油圧緩衝器1の圧縮速度が低速域の中でも特に速度の遅い微低速の 範囲内にあっては、油室bから油室cに向って流れる作動油の流量が極端に少な いので当該オリフィス59による流動抵抗が小さく、作動油圧力がそれ程高くな らない。
【0120】 したがって、メインバルブ34およびサブバルブ40はその剛性によって撓ま ず、ピストン体28の圧側ポート26とバルブシート部材65のポート64はそ れぞれメインバルブ34とサブバルブ40によって閉塞状態に保たれている。
【0121】 これにより、油圧緩衝器1の微低速範囲での圧縮動作に際しては、緩衝器本体 5の下部油室Bからバルブハウジング6の油室bに押し出されてきた作動油の全 てが、センタロッド19と延長ロッドに亙って設けられた貫通油路30からオリ フィス59を通り、油室dおよび油孔68を経て油室cから連絡通路7を通して 外部タンク8に流れる。
【0122】 そのために、微低速の範囲での圧側減衰力は、先の第一の実施例の場合と同様 に、オリフィス59の絞り特性に沿った圧縮速度の二乗特性で上昇する。
【0123】 一方、油圧緩衝器1の圧縮速度が低速域のなかでも上記微低速の範囲よりも速 い速度域に入ると、オリフィス59を通る作動油の流量が殖えて当該オリフィス 59の流動抵抗が二乗で増大し、それに伴って作動油圧力が急激に上昇する。
【0124】 この作動油圧力がメインバルブ34の設定圧力に達する以前に、それよりも低 く設定されたサブバルブ40の設定圧力に達した時点で先ず当該サブバルブ40 がメインバルブ34に先立って開き、オリフィス59と共にこのサブバルブ40 を通して作動油が流れ始める。
【0125】 これによって、低速域前半なかばからの圧側減衰力特性は、主として当該サブ バルブ40のバルブ特性に沿ったかたちで上昇する。
【0126】 続いて、油圧緩衝器1の圧縮速度が例えば中速域前半を越えて高速域に入り、 作動油圧力がメインバルブ34の設定圧力に達するようになると、今度は、サブ バルブ40と共にメインバルブ34が開いてここからも作動油が流れ始め、それ 以後の圧側減衰力特性は、主としてこのメインバルブ34のバルブ特性に依存し た特性を示すことになる。
【0127】 そのために、この第二の実施例にあっても、オリフィス59の開口面積を小さ く設定して微低速範囲での圧側減衰力特性を上げたとしても、低速域前半なかば から中速域前半にかけての圧側減衰力特性は、当該オリフィス59によって上が り過ぎることなくサブバルブ40のバルブ特性によって制御され、したがって、 オリフィス59の開口面積とサブバルブ40のバルブ特性を適切に選ぶことによ り、微低速域から中速域前半にかけての圧側減衰力特性を所望の値に保つことが できる。
【0128】 なお、上記において、外部から調整摘み55を通して調整螺杆71を回し、当 該調整螺杆71をねじ70により螺進或いは螺退させてやると、それに伴い、ス プリング受け72が軸方向に移動してサブバルブ40のバルブスプリング73が 伸縮される。
【0129】 これにより、当該サブバルブ40のバルブスプリング73の初期荷重が変わる ことによって、低速域前半なかばから中速域前半にかけての圧側減衰力特性が外 部調整される。
【0130】 しかも、このサブバルブ40におけるバルブスプリング73の調整操作は、メ インバルブ34のバルブ特性とオリフィス59による絞り特性に何等の影響をも 与えない。
【0131】 同様にして、中速域後半から高速域にかけての圧側減衰力特性は、外部から調 整ダイアル23を回してやることによりねじ25の作用でセンタロッド19が軸 方向に往復動し、それに伴い、メインバルブ34のバルブストッパ46とバルブ ハウジング6側に固定したスプリング受け20との間に介装したバルブスプリン グ47が伸縮して、当該バルブスプリング47の初期荷重を変えることで調整さ れる。
【0132】 しかも、その際にオリフィス59とサブバルブ40は、単に延長ロッド60を 通してセンタロッド19と共に軸方向へと移動するだけであるので、上記中速域 後半から高速域にかけての圧側減衰力特性を調整したとしても、それが微低速範 囲を含む低速域から中速域前半にかけての圧側減衰力特性に影響を及ぼすことは ない。
【0133】 したがって、微低速範囲を除く低速域の前半なかばから中速域前半にかけての 圧側減衰力をサブバルブ40で低く抑えつつ、かつ、低速域前半なかばから中速 域前半かけての圧側減衰力特性と中速域後半から高速域にかけてのそれぞれの圧 側減衰力特性を、それぞれ調整摘み55と調整ダイアル23の回転操作によって 個々に独立して調整することが可能となる。
【0134】 また、この第二の実施例にあっても、カラー37や延長ロッド60の鍔61の 厚さを変え、かつ、それに合わせて、メインバブル34やサブバルブ40の厚み を変えてやることで、これらメインバルブ34とサブバルブ40のバルブ特性を 予めセッティングすることもできる。
【0135】 さらに、スライドカラー35とカラー37およびスライドカラー66と鍔61 の合計高さを変えることなくそれぞれの高さを変えることで、カラー37による バルブストッパ46のリフト量および鍔61によるバルブストッパ69のリフト 量を変え、メインバルブ34とサブバルブ40の最大開口面積を選定してやるこ とにより、これらメインバル34とサブバルブ40のバルブ特性をそれぞれ変更 することもできる。
【0136】 図3は、圧側減衰力調整装置12のさらに他の実施例を示すもので、これまで 述べた第一および第二の実施例にあっては、バルブハウジング6内に圧側減衰力 調整装置12,12aの各構成部品をそのまま組み付け、かつ、センターロッド 19をバルブハウジング6に対して移動可能とした可動方式をとっている。
【0137】 それに対し、この図3の第三の実施例では、バルブハウジング6に対してセン タロッドを固定した固定方式をとると共に、各構成部品を予め一つのケーシング 内に組み付けて一体とし、これを油圧緩衝器1のバルブハウジング6に挿入して 取り付ける所謂カートリッジ方式をとっている点で異なっている。
【0138】 すなわち、この第三の実施例における圧側減衰力調整装置12bは、外周に環 状凹部81とねじ82およびシール83,84を備えたバルブケーシング80を 有し、このバルブケーシング80のねじ82をバルブハウジング6にねじ込むこ とによって組み込まれている。
【0139】 上記において、バルブハウジング6から外部に突出するバルブケーシング80 の端部には、ねじ85によって進退自在に螺挿した調整螺杆86と、シール87 を介装して圧入した止め輪88により回転自在に保持された調整摘み89を内装 してある。
【0140】 調整摘み89は、止め輪88との間にシール90を備え、当該止め輪88を通 して外部から回転操作し得ると共に、止め輪88との間に介装したディテント機 構91で位置決めされるようになっている。
【0141】 これら調整螺杆86と調整摘み89は、タングアンドグルーブ継手92を通し て互いに結ばれており、外部から調整摘み89を回転操作することによって調整 螺杆86をねじ85で進退させ得るようにしてある。
【0142】 調整螺杆86の先端は、バルブケーシング80内に摺動自在に挿入した調整筒 93の基端と当接し、この調整筒93の先端にはスプリング受け94が配設して ある。
【0143】 バルブケーシング80の開口端には、伸圧共用ポート95を備えたバルブシー ト部材96が配設してあり、このバルブシート部材96によってバルブハウジン グ6の内部を油室bとバルブケーシング80内の油室cとに区画している。
【0144】 油室bは、緩衝器本体5側の連絡通路7を通して当該緩衝器本体5の下部油室 Bに通じ、油室cは、バルブケーシング80に穿った油孔97から外周の環状凹 部81および他方の連絡通路7を通して外部タンク8に通じている。
【0145】 この第三の実施例の場合、センタロッド19は、バルブケーシング80の内部 から調整筒93内に亙りバルブシート部材96を貫通して配設してあり、かつ、 後記する手段によりバルブシート部材96に結合して固定配置してある。
【0146】 センタロッド19の外周には、バルブシート部材96に重ねて一端部鍔98と の間にメインバルブ34とスライドカラー35,ワッシャ36,カラー37,バ ルブストッパ38,スペーサ39,サブバルブ40、並びに、バルブシート部材 99を積層して配設してある。
【0147】 これらセンタロッド19の外周に積層して配設した各部材は、当該センタロッ ド19の先端側から螺装したナット44で一端鍔部98との間に挟持して固定さ れ、かつ、バルブシート部材96をバルブケーシング80の開口端に嵌着するこ とにより当該バルブケーシング80に対し固定して取り付けてある。
【0148】 バルブシート部材99の外周は、シール75を介して調整筒93の内周面に接 し、このバルブシート部材99で調整筒93内に油室cから隔離された油室dを 区画し、この油室dが当該バルブシート部材99に穿ったポート76からサブバ ルブ40を通して油室cに通じている。
【0149】 センタロッド19には、軸心に沿って貫通油路30が穿設してあり、この貫通 油路30の一端は前記油室bに開口し、他端は油室dに開口している。
【0150】 前記バルブケーシング80の開口端に嵌着したバルブシート部材96には、ス プリング77によりメインバルブ34とストッパ78とに押し付けられてチェッ クバルブ79が配設してある。
【0151】 チェックバルブ79は、緩衝器本体5の伸長行程時に開いて外部タンク8から 当該緩衝器本体5に向って補給される作動油の流れを許容するもので、通常は、 スプリング77でメインバルブ34とストッパ78に同時に押し付けられ、これ らメインバルブ34およびストッパ78と協同して油室b,cの連通を断ってい る。
【0152】 一方、サブバルブ40は、緩衝器本体5の圧縮行程時において、当該緩衝器本 体5から外部タンク8に向って押し出される作動油に押されて撓み、その復元力 により作動油に流動抵抗を与えて低速域前半のなかばから中速域前半にかけての 圧側減衰力を発生するためのものであって、通常は、バルブシート部材99にお けるポート32の出口部分を塞いでいる。
【0153】 上記サブバルブ40の撓み時において、背面側にあるバルブストッパ38は当 該サブバブル40の最大撓み量を制限し、その最大開口面積の規制とサブバルブ 40の撓み過ぎによる破損とを防止する役目を果たす。
【0154】 また、オリフィス59は、この実施例の場合、バルブシート部材99における サブバルブ40のバルブシート面に打刻を施し、当該部分を窪ませることによっ て形成してある。
【0155】 この可変オリフィス59は、緩衝器本体5の圧縮行程時に前記したサブバルブ 40が撓む以前から外部タンク8に向う作動油の流れを許容し、低速域の中でも 特に遅い微低速域での圧側減衰力を発生する。
【0156】 それに対し、メインバルブ34は、緩衝器本体5の圧縮行程時に当該圧縮速度 が中速域後半から高速域に入ったときに作動油に押されて撓み、チェックバルブ 79との間のシート面を開いてその復元力により中速域後半から高速域にかけて の圧側減衰力を発生する。
【0157】 メインバルブ34の背面に設けたスライドカラー35の外周にはバルブストッ パ46を緩挿し、このバルブストッパ46をスライドカラー35に沿って可動と しつつ、かつ、ワッシャ36でそのリフト量を制限するようにしてある。
【0158】 メインバルブ34のバルブスプリング47は、上記したバルブストッパ46と 先に述べた調整筒93のスプリング受け94との間に介装し、当該バルブスプリ ング47によりバルブストッパ46を介してメインバルブ34を伸長側のチェッ クバルブ79に押し付け、当該チェックバルブ79との間のシート面を閉塞状態 に保っている。
【0159】 これにより、上記メインバルブ34の撓み時において、バルブストッパ46も またワッシャ36に当って係止されるリフト量によって当該メインバルブ34の 最大撓み量を制限し、その最大開口面積の規制とメインバルブ34の撓み過ぎに よる破損の防止とを図る役目を果たすことになる。
【0160】 かくして、以上のように構成した圧側減衰力調整装置12bは、次のようにし て動作する。
【0161】 油圧緩衝器1の圧縮行程時において、緩衝器本体5の下部油室Bから押し出さ れてきたピストンロッド侵入体積分に相当する量の作動油は、バルブハウジング 6との間の連絡通路7を通して当該バルブハウジング6の油室bに流入する。
【0162】 この油室bに流入してきた作動油は、一方では、メインバルブ34を押し開い てそのまま油室cに流れる流路と、他方では、貫通油路30から油室dおよびバ ルブシート部材99のポート76を通ってオリフィス59からと、さらには、サ ブバルブ40をも押し開いて油室cに入り、この油室cから連絡通路7を通して 外部タンク8側に流入しようとする。
【0163】 しかし、これらのうち、オリフィス59を通して流れる作動油の流動抵抗が最 も少ないので、先ず、当該オリフィス59を通して作動油が油室cに向って流れ 始める。
【0164】 この場合、油圧緩衝器1の圧縮速度が低速域の中でも特に遅い微低速の範囲内 にあっては、油室bから油室cに向って流れる作動油の流量が極端に少ないので 当該オリフィス59による流動抵抗が小さく、作動油圧力がそれ程高くならない のでメインバルブ34とサブバルブ40はその剛性によって撓まず、共に閉塞状 態に保たれている。
【0165】 これにより、油圧緩衝器1の微低速範囲での圧縮動作に際しては、緩衝器本体 5の下部油室Bからバルブハウジング6の油室bに押し出されてきた作動油の全 てが、貫通油路30から油室dを経由してオリフィス59を通り、油室cから連 絡通路7を通して外部タンク8に流れる。
【0166】 そのために、微低速範囲での圧側減衰力は、先の第一および第二の実施例の場 合と同様に、オリフィス59の絞り特性に沿った圧縮速度の二乗特性で上昇する ことになる。
【0167】 一方、油圧緩衝器1の圧縮速度が低速域のなかでも上記微低速範囲よりも速い 速度速域に入ると、オリフィス59を通る作動油の流量が殖えて当該オリフィス 59の流動抵抗が二乗で増大し、それに伴って作動油圧力が急激に上昇する。
【0168】 この作動油圧力がメインバルブ34の設定圧力に達する以前に、それよりも低 く設定されたサブバルブ40の設定圧力に達した時点で先ず当該サブバルブ40 がメインバルブ34に先立って開き、このサブバルブ40を通して作動油が流れ 始める。
【0169】 これによって、低速域前半なかばからの圧側減衰力特性は、主として当該サブ バルブ40のバルブ特性に沿ったかたちで上昇する。
【0170】 続いて、油圧緩衝器1の圧縮速度が例えば中速域前半を越えて高速域に入り、 作動油圧力がメインバルブ34の設定圧力に達するようになると、今度は、サブ バルブ40と共にメインバルブ34が開いてここからも作動油が流れ始め、それ 以後の圧側減衰力特性は、主としてこのメインバルブ34のバルブ特性に依存し た特性を示すことになる。
【0171】 そのために、この第三の実施例にあっても、オリフィス59の開口面積を小さ く設定して微低速範囲での圧側減衰力特性を上げたとしても、低速域前半なかば から中速域前半にかけての圧側減衰力特性は、当該オリフィス59によって上が り過ぎることなくサブバルブ40のバルブ特性によって制御され、したがって、 オリフィス59の開口面積とサブバルブ40のバルブ特性を適切に選ぶことによ り低速域前半なかばから中速域前半にかけての圧側減衰力特性を所望の値に保つ ことができる。
【0172】 一方、上記における中速域後半から高速域にかけての圧側減衰力特性は、これ までの第一および第二の実施例と同様に、外部から調整摘み89を通して調整螺 杆86を回し、当該調整螺杆86をねじ85により螺進或いは螺退させて調整筒 93によりメインバルブ34のバルブスプリング47の初期荷重を変えてやるこ とにより調整される。
【0173】 しかも、このメインバルブ34におけるバルブスプリング47の調整操作は、 サブバルブ40のバルブ特性とオリフィス59による絞り特性に何等の影響をも 与えない。
【0174】 したがって、微低速範囲を除く低速域前半なかばから中速域前半にかけての圧 側減衰力特性をサブバルブ40で低く抑えつつ、かつ、中速域後半から高速域に かけての圧側減衰力特性を調整摘み89の回転操作によって調整することが可能 となる。
【0175】 また、この第三の実施例の場合にあっても、高さの異なるスライドカラー35 やワッシャ36を用い、それに合わせて、メインバブル34やサブバルブ40の 厚みを変えてやることで、これらメインバルブ34とサブバルブ40のバルブ特 性を変更することもできる。
【0176】 さらに、スライドカラー35とカラー37の合計高さを変えることなく、それ ぞれの高さを変えることでワッシャ36の位置を選定し、当該ワッシャ36によ るバルブストッパ46のリフト量を変更してメインバルブ34の最大開口面積を 選定してやることにより、当該メインバル34のバルブ特性を変更することもで きる。
【0177】
【考案の効果】
以上のように、請求項1の考案によれば、サブバルブによって低速域前半なか ばから中速域前半にかけての圧側減衰力特性を制御するようにしたので、油圧緩 衝器に腰をもたせるためにオリフィスで微低速時の圧側減衰力特性を上げてたと しても、当該低速域前半なかばから中速域前半にかけての圧側減衰力特性が上が り過ぎてしまうことがない。
【0178】 しかも、ジャンプ後における着地時の性能を良くするために中速域後半から高 速域にかけての減衰力特性を上げてやってもその影響がサブバルには及ばず、し たがって、全速度域に亙っての圧側減衰力特性を良好に保つことが可能になるの である。
【0179】 請求項2の考案によれば、上記に加えて、中速域後半から高速域にかけての圧 側減衰力特性の外部調整と併せて、微低速時の圧側減衰力特性をも外部調整する ことによって良好な操縦安定性を確保することができる。
【0180】 請求項3の考案によれば、請求項1の効果に加えて、スライドカラーとカラー およびワッシャの交換によってメインバルブとサブバルブのバルブ特性を変え得 るので、圧側減衰力特性のセッティングの幅を広くとることができる。
【0181】 請求項4の考案によれば、上記した請求項1,2および3の効果が相乗して得 られることになる。
【0182】 請求項5の考案によれば、請求項1の効果に加えて、サブバルブをメインバル ブとは別に延長ロッド側に配置することができるので組み付が容易になるという 効果を奏し得る。
【0183】 請求項6の考案によれば、上記請求項5の効果に加えて、さらに、外部からサ ブバルブのバルブ特性を変えることにより、オリフィスによる微低速範囲の圧側 減衰力特性とメインバルブによる中速域後半からの圧側減衰力特性との間を結ぶ 圧側減衰力特性、すなわち、低速域前半なかばから中速域前半にかけての圧側減 衰力特性をも調整することが可能となり、より好ましいかたちの圧側減衰力特性 を得ることができる。
【0184】 請求項7の考案によれば、上記請求項5の効果に加えて、さらに、スライドカ ラーとカラーの厚さを変えることでメインバルブのバルブ特性を設定することが できるので、中速域後半から高速域にかけての圧側減衰力特性のセッティングの 幅を広くとることができる。
【0185】 請求項8の考案によれば、上記請求項5の効果に加えて、さらに、微低速範囲 での圧側減衰力特性を決めるオリフィスの構成を簡単にして、製作を容易にする ことができる。
【0186】 請求項9の考案によれば、上記請求項6の効果に加えて、微低速範囲での圧側 減衰力特性を決めるオリフィスの構成を簡単にして、製作を容易にすることもで きる。
【0187】 また、請求項10の考案によっても、前記した請求項1の考案と同様に、サブ バルブによって低速域前半なかばから中速域前半にかけての圧側減衰力特性を制 御することができるばかりか、中速域後半から高速域にかけての減衰力特性を上 げてやってもその影響がサブバルには及ばず、したがって、全速度域に亙っての 圧側減衰力特性を良好に保つことが可能になる。
【0188】 しかも、上記の特性を、請求項1の考案に比べてより簡単な構成で達成するこ とができるので、この種の圧側減衰力調整装置を安価に提供し得るという効果を 有する。
【0189】 請求項11の考案によれば、上記請求項10の考案に加えて、微低速範囲での 圧側減衰力特性を決めるオリフィスの構成を簡単にして、製作を容易にすること ができる。
【0190】 請求項12の考案によれば、上記請求項10の考案に加えて、圧側減衰力調整 装置をカセット化して構成し得るので、油圧緩衝器への取り付けと取り外しが極 めて容易となり、かつ、その交換作業も簡単にできる。
【0191】 請求項13の考案によれば、上記請求項11の考案に加えて、さらに、圧側減 衰力調整装置をカセット化して構成し得るので、油圧緩衝器への取り付けと取り 外しが極めて容易となり、かつ、その交換作業も簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案による圧側減衰力調整装置の一実施例
を示す縦断正面図である。
【図2】この考案による圧側減衰力調整装置の他の実施
例を示す縦断正面図である。
【図3】この考案による圧側減衰力調整装置のさらに他
の実施例を示す縦断正面図である。
【図4】この考案による圧側減衰力調整装置を自動二輪
車の後輪を懸架する外部タンク式油圧緩衝器に適用した
状態を示す縦断正面図である。
【図5】この考案による圧側減衰力調整装置の減衰力特
性を従来の圧側減衰力調整装置の減衰力特性と比較して
示すグラフである。
【符号の説明】
1 油圧緩衝器 5 緩衝器本体 6 バルブハウジング 8 外部タンク 12 圧側減衰力調整装置 12a,12b 圧側減衰力調整装置 19 センタロッド 20,94 スプリング受け 23 調整ダイアル 30 貫通油路 34 メインバルブ 35,66 スライドカラー 36 ワッシャ 37 カラー 38,46,69 バルブストッパ 39 スペーサ 40 サブバルブ 47,73 バルブスプリング 48 保持筒 52 ニードルバルブ 55,89 調整摘み 59 オリフィス 60 延長ロッド 61 鍔 67 油孔 71 調整螺杆 72 スプリング受け 74 油路 86 調整螺杆 93 調整筒
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【実用新案登録請求の範囲】

Claims (13)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センタロッドの外周に油圧緩衝器の低速
    域における圧側減衰力を制御するサブバルブと中・高速
    域の圧側減衰力を制御するメインバルブを互いに対向し
    て配置し、このセンタロッドを緩衝器本体と外部タンク
    に通じるバルブハウジング内に軸方向にのみ移動可能に
    設置して、緩衝器本体を外部タンク側に対しメインバル
    ブおよび当該メインバルブに並行してセンタロッドに穿
    った貫通油路からサブバルブと当該サブバルに並列関係
    を保って併設したオリフィスのそれぞれを通して連通す
    ると共に、メインバルブのバルブスプリングを当該メイ
    ンバルブとバルブハウジング側との間に亙って介装し、
    かつ、バルブハウジングに外部から回転操作のみ可能の
    調整ダイアルを装着し、この調整ダイアルを送りねじと
    してセンタロッドに螺装したことを特徴とする油圧緩衝
    器の圧側減衰力調整装置。
  2. 【請求項2】 調整ダイアルを貫通して外部からセンタ
    ロッドに保持筒を一体的に連接し、この保持筒内にニー
    ドルバルブを螺装すると共に、当該ニードルバルブを回
    転操作する調整摘みを回転自在に配置し、かつ、保持筒
    にセンタロッドの貫通油路から外部タンク側に通じる油
    路を構成し、この油路にニードルバルブを臨ませてオリ
    フィスの開口面積を調整可能とした請求項1の油圧緩衝
    器の圧側減衰力調整装置。
  3. 【請求項3】 メインバルブのバルブスプリングをバル
    ブハウジングに固定したスプリング受けとメインバルブ
    に接して配置したバルブストッパとに亙って介装すると
    共に、当該バルブストッパをセンタロッドに対して嵌挿
    したスライドカラーに移動可能に嵌め、このスライドカ
    ラーに並べてセンタロッドに当該バルブストッパのリフ
    ト量を制限するワッシャとカラーを嵌挿して固定した請
    求項1の油圧緩衝器の圧側減衰力調整装置。
  4. 【請求項4】 調整ダイアルを貫通して外部からセンタ
    ロッドに保持筒を一体的に連接し、この保持筒内にニー
    ドルバルブを螺装すると共に、当該ニードルバルブを回
    転操作する調整摘みを回転自在に配置し、かつ、保持筒
    にセンタロッドの貫通油路から外部タンク側に通じる油
    路を構成し、この油路にニードルバルブを臨ませてオリ
    フィスの開口面積を調整可能とした請求項3の油圧緩衝
    器の圧側減衰力調整装置。
  5. 【請求項5】 センタロッドから延長ロッドを延伸して
    当該延長ロッドの外周に低速域の圧側減衰力を制御する
    サブバルブを配置し、かつ、緩衝器本体を外部タンク側
    に対しセンタロッドの貫通油路と延長ロッドに穿った油
    孔からサブバルブとオリフィスのそれぞれを通して連通
    した請求項1の油圧緩衝器の圧側減衰力調整装置。
  6. 【請求項6】 調整ダイアルを貫通して外部からセンタ
    ロッドに保持筒を一体的に連接し、この保持筒内に調整
    螺杆を螺装すると共に、当該調整螺杆を回転操作する調
    整摘みを回転自在に配置し、かつ、調整螺杆をスプリン
    グ受けに対向させて当該スプリング受けとサブバルブに
    接して配置したバルブストッパとの間にサブバルブのバ
    ルブスプリングを介装した請求項5の油圧緩衝器の圧側
    減衰力調整装置。
  7. 【請求項7】 メインバルブのバルブスプリングをバル
    ブハウジングに固定したスプリング受けとメインバルブ
    に接して配置したバルブストッパとに亙って介装すると
    共に、当該バルブストッパをセンタロッドに対して嵌挿
    したスライドカラーに移動可能に嵌め、このスライドカ
    ラーに並べてセンタロッドに当該バルブストッパのリフ
    ト量を制限するカラーを嵌挿して固定した請求項5の油
    圧緩衝器の圧側減衰力調整装置。
  8. 【請求項8】 サブバルブのバルブシート面を打刻して
    当該サブバルブと並行にオリフィスを設けた請求項5の
    油圧緩衝器の圧側減衰力調整装置。
  9. 【請求項9】 サブバルブのバルブシート面を打刻して
    当該サブバルブと並行にオリフィスを設けた請求項6の
    油圧緩衝器の圧側減衰力調整装置。
  10. 【請求項10】 センタロッドの外周に油圧緩衝器の中
    ・高速域の圧側減衰力を制御するメインバルブと低速域
    の圧側減衰力を制御するサブバルブを互いに対向して配
    置し、このセンタロッドを緩衝器本体と外部タンクに通
    じるバルブハウジング内に固設して、緩衝器本体を外部
    タンク側に対しメインバルブと当該メインバルブに並行
    してセンタロッドに穿った貫通油路からサブバルブと当
    該サブバルに並列関係を保って併設したオリフィスを通
    して連通すると共に、メインバルブのバルブスプリング
    をバルブハウジング内にサブバルブの外周とラップして
    摺動自在に挿入したスプリング受けと当該メインバルブ
    との間に亙って介装し、かつ、バルブハウジングにスプ
    リング受けを伴って進退する調整螺杆を螺装し、この調
    整螺杆を外部から回転操作する調整摘みをバルブハウジ
    ングに回転自在に配置したことを特徴とする油圧緩衝器
    の圧側減衰力調整装置。
  11. 【請求項11】 サブバルブのバルブシート面を打刻し
    て当該サブバルブと並行にオリフィスを設けた請求項1
    6の油圧緩衝器の圧側減衰力調整装置。
  12. 【請求項12】 圧側減衰力調整装置をバルブケーシン
    グ内に納め、このバルブケーシングを介してバルブハウ
    ジングに配置した請求項10の油圧緩衝器の圧側減衰力
    調整装置。
  13. 【請求項13】 圧側減衰力調整装置をバルブケーシン
    グ内に納め、このバルブケーシングを介してバルブハウ
    ジングに配置した請求項11の油圧緩衝器の圧側減衰力
    調整装置。
JP1994006897U 1994-05-20 1994-05-20 油圧緩衝器の圧側減衰力調整装置 Expired - Lifetime JP3007806U (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3516102B2 (ja) 1995-03-27 2004-04-05 カヤバ工業株式会社 減衰力調整部構造
KR101410448B1 (ko) * 2010-01-14 2014-06-20 주식회사 만도 쇽업소버의 감쇠력 가변 밸브
JP2016194336A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 株式会社ショーワ 減衰力発生装置

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