JP2931908B2 - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

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JP2931908B2
JP2931908B2 JP30655189A JP30655189A JP2931908B2 JP 2931908 B2 JP2931908 B2 JP 2931908B2 JP 30655189 A JP30655189 A JP 30655189A JP 30655189 A JP30655189 A JP 30655189A JP 2931908 B2 JP2931908 B2 JP 2931908B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、振動周波数に依存して発生減衰力が調整
されるようにした油圧緩衝器に関し、特に、振動周波数
が高周波数領域になると発生減衰力が低下されるように
構成されたハイカット型の油圧緩衝器の改良に関する。
〔従来技術とその課題〕
振動周波数に依存して発生減衰力が調整されるように
した油圧緩衝器であって、特に、振動周波数が特定の高
周波数領域になるとそれまでの高い減衰力が低下される
ように構成されたハイカット型の油圧緩衝器としは、従
来から種々の提案がある。
そして、この種のハイカット型の油圧緩衝器をショッ
クアブソーバとして車輌に搭載すると車輌の乗り心地を
改善し得ることになる。
しかしながら、車輌の乗り心地は、言わば、相対的な
比較の問題であって、これを改善すると言っても、所謂
乗り較べをしないと理解できない。
従って、上記した従来のハイカット型の油圧緩衝器に
あっては、特定の高周波数領域になるとハイカット作用
が発揮される、即ち、1つのハイカット作用しか発揮さ
れないように構成されているので、その比較によるとこ
ろの所謂乗り較べによる乗り心地の改善を図れない不都
合がある。
この発明は、前記した事情に鑑みて創案されたもので
あって、その目的とするところは、所謂乗り較べによる
車輌の乗り心地の改善を可能にするハイカット型の油圧
緩衝器を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、本発明の手段は、シリン
ダ内にピストン本体を介してピストンロッドが移動自在
に挿入され、ピストン本体はシリンダ内にロッド側油室
とピストン側油室とを区画し、ピストン本体には上記二
つの油室を連通するポートを設け、このポートの出口側
に環状リーフバルブを開閉自在に設けている油圧緩衝器
に於て、上記リーフバルブの内周側上面に調節するプッ
シュ部材を上下摺動自在に配設し、他方ピストンロッド
内には上記ポートを迂回してロッド側油室に連通するバ
イパス路と、当該バイパス路に連通すると共に上記プッ
シュ部材の上面に油室を作用させる圧力室とを設け、更
に上記バイパス路内には上記圧力室に供給させる油圧を
一次遅れの油圧にする制御バルブが収装されてなること
を特徴とするものである。
〔作 用〕
それ故、シリンダ内をピストン部が上昇する油圧緩衝
器の伸側行程時には、メイン油室たるシリンダ内のロッ
ド側油室からの作動油が減衰バルブたる環状リーフバル
ブの内周端を撓ませてシリンダ内のピストン側油室内に
流入することになり、このとき、所定の伸側減衰力の発
生が可能になる。
一方、上記の伸側行程時には、圧力室がバイパス路を
介してロッド側油室に連通されることになるが、このと
き、上記ロッド側油室における振動周波数が高周波数領
域にあると、該ロッド側油室からの油圧は上記バイパス
路中における制御バルブの作動で一次遅れの油圧となっ
て上記圧力室に供給されることになり、従って、プッシ
ュ部材が摺動して減衰バルブの内周端撓み量が変更さ
れ、該減衰バルブで発生される伸側の減衰力がそれまで
の高いものから低いものに変更されることになる。
そして、上記制御バルブの作動で該制御バルブにおけ
る所謂バルブ開度が選択変更され、従って、ハイカット
動作の発揮時期が振動周波数の高周波数領域内において
前後に変更可能になり、結果として、複数段のハイカッ
ト動作が可能になる。
〔実施例〕
以下、図示した実施例に基いて、この発明を詳細に説
明する。
第1図に示すように、この発明に係る油圧緩衝器は、
シリンダ1内に摺動自在に収装されたピストン部2を有
してなると共に、上記シリンダ1の上端開口(図示せ
ず)から出没自在に挿通されその下端側が上記ピストン
部2に連設される一方で上記シリンダ1の上端開口(図
示せず)からその上端側が突出されるピストンロッド3
を有してなる。
そして、上記シリンダ1内には、上記ピストン部2に
よってロッド側油室Aとピストン側油室Bが区画形成さ
れてなり、ロッド側油室Aからの作動油が上記ピストン
部2を介してピストン側油室Bに流出されるとき、所定
の大きさの伸側減衰力が発生されるとしている。
即ち、上記ピストン部2は、前記ピストンロッド3の
下端インロー部3aに介装されたピストン本体20と、上記
ピストンロッド3の下端螺状部3bに螺装されたピストン
ナット21と、を有してなる。
そして、上記ピストン本体20は、その外周側の肉厚を
軸線方向に貫通する外周側ポート20aと、その内周側の
肉厚を軸線方向に貫通する内周側ポート20bと、を有し
てなる。
上記外周側ポート20aは、その下端をピストン側油室
Bに開口してなると共に、その上端にノンリタンバルブ
20cを隣設させてなる。
そして、該ノンリタンバルブ20cは、その内周側の肉
厚部に開穿された透孔20dを有しており、該透孔20dが上
記内周側ポート20bの上端に対向するとしている。
また、内周側ポート20bは、その下端が前記ピストン
ナット21内に開穿されたポート21aの上端に対向すると
している。
一方、上記ピストンナット21は、その内空部21b内に
減衰バルブを有してなる。
該減衰バルブは、この実施例にあって、環状リーフバ
ルブ22からなるとしており、該環状リーフバルブ22は外
周端固定・内周端自由の態様で配設されて、前記シリン
ダ1内をピストン部2が上昇する該油圧緩衝器の伸側行
程時にその内周端撓みで所定の伸側減衰力と後述するハ
イカット作用時の変更された伸側減衰力の発生を可能と
している。
即ち、上記環状リーフバルブ22は、その下面側の環状
支持部材23とその上面側の環状シート部材24とでその外
周側端が上下方向から挾持されるとしている。
少し説明すると、上記環状支持部材23は、その外周端
が前記ピストンナット21の下端内周にカシメ固着されて
なると共に、その外周側の上面に環状リブからなる支持
部23aを有してなり、該支持部23aの上面に上記環状リー
フバルブ22の下面を隣接させている。
一方、上記環状シート部材24は、その外周側の下面に
環状リブからなる挾持部24aを有すると共に、その内周
側の下面に環状リブからなるシート部24bを有してな
り、上記挾持部24a及びシート部24bの下面を上記環状リ
ーフバルブ22の上面に隣接させている。
そして、上記環状シート部材24は、その下面に上記挾
持部24a及びシート部24bに挾まれるように形成された環
状溝24cを有してなると共に、その肉厚部には下端が上
記環状溝24cに開口し上端が該環状シート部材24の上面
に開口するポート24dを有してなる。
即ち、上記環状シート部材24は、挾持部24aの下面を
環状リーフバルブ22の外周側端の上面に当接するとし、
かつ、シート部24bの下面を上記環状リーフバルヌ22の
内周側端の上面に当接させるとしている。
そして、これによって、挾持部24aが前記支持部23aと
の協動行為であるが環状リーフバルブ22の外周側端を挾
持し、かつ、シート部24bが環状リーフバルブ22の内周
側端に離着座自在に隣接されるとすることで、前記した
外周端固定・内周端自由の態様で環状リーフバルブ22を
保持するように設定されてなる。
ところで、上記環状シート部材24の内周側には、プッ
シュ部材25が該環状シート部材24に対して上下方向に摺
動自在に収装されている。
該プッシュ部材25は、その外周側の脚部25aの下端が
前記減衰バルブたる環状リーフバルブ22の内周側端の上
面に当接されるように構成されている。
そして、上記プッシュ部材25は、その中央肉厚部を貫
通するカシメピン25bで該プッシュ部材25の上面にリー
フスプリング25cを保持してなり、該リーフスプリング2
5cの外周側端が前記環状シート部材24の上端面に係止さ
れるとしている。
即ち、上記プッシュ部材25は、リーフスプリング25c
を介してであるがその上面への外力の作用及びその解除
があるとき、環状シート部材24の内周側で上下方向に摺
動してその脚部25aを上下動させ、環状リーフバルブ22
の内周側端をこれが対向するシート部24bに対して離着
座し得るように形成されている。
それ故、上記プッシュ部材25は、環状シート部材24の
内周側で押し下げられるとき、その脚部25aで制御バル
ブたる環状リーフバルブ22の内周側端を下方に押し下げ
ることになり、このとき、脚部25aが環状リーフバルブ2
2のバルブシート部とされることになって、環状リーフ
バルブ22の内周側端を撓ませて発生される減衰力を高い
ものにする。
また、上記プッシュ部材25は、環状シート部材24の内
周側で上昇されるとき、その脚部25aが上昇されて、そ
れまで押し下げられていた環状リーフバルブ22の内周側
端を上方に復帰させて、環状リーフバルブ22の内周側端
を環状シート部材24のシート部24bに隣接させることに
なる。
その結果、環状リーフバルブ22においては、上記した
プッシュ部材25が下がっていた場合に比較して、低い減
衰力の発生状態とされて、それまでの高い減衰力が低い
ものとされる所謂ハイカット作用を実現することにな
る。
そして、上記プッシュ部材25の上面に作用することに
なる外力は、この発明にあって、該プッシュ部材25の上
面に形成される圧力室Rにおける油圧とされるとしてい
る。
即ち、この実施例にあって、プッシュ部材25の上面上
方には、ブロック部材26が隣接されてなると共に、該ブ
ロック部材26の下面に凹陥部26aが形成されてなると
し、該凹陥部26aと下方のプッシュ部材25とによって形
成される空間部分が上記圧力室Rとされるとしてなる。
因に、上記ブロック部材26の外周側の下端面は、環状
リブ状に突出形成されており、該環状リブ状部が前記環
状シート部材24の上端面との間に前記リーフスプリング
25cの外周側端を挾持するとしている。
そして、上記ブロック部材26は、その外周側の上端縁
部に形成された切欠溝26bを有してなるもので、該切欠
溝26bを介して上記ブロック部材26の上面側と該ブロッ
ク部材26の下端外周側、即ち、前記環状シート部材24の
上端面側との連通を可能にしている。
ところで、前記環状シート部材24は、その上半部分が
キャップ部材27の下端内周に嵌装されてなるとするもの
で、該キャップ部材27の上端側の下面には上記ブロック
部材26の外周側の上端縁部が当接されるとしている。
即ち、この実施例にあって、前記プッシュ部材25のリ
ーフスプリング25c及び上記ブロック部材26は、キャッ
プ部材27の下端内周に環状シート部材24の上半部分を嵌
装するようにすることによって、その所定位置への定着
が図られているものである。
そして、上記キャップ部材27は、前記ピストンナット
21の内空部21b内に収装されると共にその上記内空部21b
内への収装時には該キャップ部材27の上端面に環状板ば
ね28が隣接されるとしている。
また、前記ブロック部材26の中空部には筒状のガイド
部材29の下端部が連設されていて、該ガイド部材29の上
端側は上記キャップ部材27の中央透孔27a及び上記環状
板ばね28の内周側を介してシール29aの介在下に前記ピ
ストンロッド3の下端内空部3cに挿通されている。
尚、上記ガイド部材29における軸芯部の透孔29bは、
前記圧力室Rに連通している。
ところで、この発明にあって、上記圧力室Rには、該
油圧緩衝器におけるメイン油室たるシリンダ1内のロッ
ド側油室Aおける油圧が一次遅れの油圧として供給され
るように設定されている。
即ち、この実施例にあって、ピストンロッド3の下端
側の軸芯部にはバイパス路Lが開穿されてなるとするも
ので、該バイパス路Lの一端が上記ロッド側油室Aに開
口するに対してその他端がピストンナット21内、即ち、
圧力室Rに開口するとしてなる。
少し説明すると、上記ピストンロッド3の下端部から
下端近傍部にかけての軸芯部には縦孔3dが開穿されてな
ると共に、上記ピストンロッド3の下端近傍部には径方
向の横孔3eが開穿されてなるとしている。
そして、上記縦孔3dの下端が前記下端内空部3cに連通
すると共に、上記縦孔3dの上端が上記横孔3eの内側端に
連通し、かつ、該横孔3eの外側端が上記ロッド側油室A
に開口している。
即ち、上記バイパス路Lは、この実施例にあって、上
記縦孔3d及び横孔3e(さらには、下端内空部3c)で形成
されてなる。
一方、上記バイパス路L中には、該バイパル路Lを介
して圧力室R内に供給される油圧が一次遅れの油圧にな
るように、制御バルブ4が配設されてなるとしている。
該制御バルブ4は、この実施例にあって、ロータリバ
ルブ型に形成されてなり、前記ピストンロッド3の縦孔
3d内に回動可能に収装されたコントロールバルブ40と、
該コントロールバルブ40の上端に連設され上記ピストン
ロッド3の上方側軸芯部内に開穿された透孔3f内を挿通
するコントロールロッド41と、を有してなる。
上記コントロールバルブ40は、下端に開口を有する略
筒状に形成されてなると共に、その内側空間を下端開口
を介して上記縦孔3dに連通してなり、その肉厚を貫通す
るようにして開穿された径の異なる複数のオリフィス40
a,40b,…を有してなる。
そして、上記コントロールバルブ40は、その回動時に
上記複数のオリフィス40a,40b,…のいずれかを前記ピス
トンロッド3の横孔3eに対向し得るようにしている。
上記コントロールロッド41は、図示していないが、そ
の上端が上記ピストンロッド3の先端から外部に突出す
るように設定されてなると共に、該先端に適宜のアクチ
ュエータが連設されて該アクチュエータの駆動でその回
動が可能となされ、上記コントロールバルブ40の回動を
可能にしている。
尚、上記コントロールロッド41の上記コントロールバ
ルブ40への連設端近傍には、コントロールバルブ40が上
方へ移動するのを防止するためのストッパ42が介装され
ていると共に、上記コントロールバルブ40の下端には上
記縦孔3d内に収装された脱落防止用のストッパ43が近隣
されている。
第2図は、この発明の他の実施例に係る油圧緩衝器を
示すものであるが、この実施例における制御バルブ4
は、ポペット型に形成されてなるとするものである。
詳しく説明すると、この実施例に係る制御バルブ4
は、前記ピストンロッド3の縦孔3d内に上下動可能に収
装されたポペットバルブ44と、該ポペットバルブ44を上
記縦孔3d内で上昇方向に附勢するスプリング45と、上記
ポペットバルブ44に対向してバルブ開度を設定するバル
ブシート部材46と、を有してなる。
即ち、上記ポペットバルブ44は、その進退時にその先
端44aと上記バルブシート部46の開口46aとの間に形成さ
れる隙間を可変にするように構成されてなる。
そして、この実施例にあって、上記ポペットバルブ44
は、その前進時にピストンロッド3の縦孔3dと横孔3eと
からなるバイパス路Lにおける作動油の流量を減少傾向
にするように設定されている。
一方、上記スプリング45は、その上端が上記ポペット
バルブ44に当接されてなるとしているが、その下端が上
記バルブシート部材46の上端に係止されてなるとしてい
る。
尚、上記ポペットバルブ44を上下動させるコントロー
ルロッド41は、これが上記ピストンロッド3の上方側軸
芯部内に開穿された透孔3f内に挿通されてなるのは勿論
であるが、その下端が上記ポペットバルブ44の上端に当
接されるとしている。
そして、この実施例にあっても、図示していないが、
その上端が上記ピストンロッド3の先端から外部に突出
するように設定されてなると共に、該先端に適宜のアク
チュエータが連設されて該アクチュエータの駆動でその
上下動が可能とされ、上記ポペットバルブ44の上下動を
可能にしている。
また、上記コントロールロッド41の上記ポペットバル
ブ44への当接端近傍にはストッパ42及びOリング42aが
介装されている。
それ故、前記第1図の実施例における制御バルブ4の
場合には径の異なる複数のオリフィス40a,40b,…の配在
で所謂バルブ開度が多段に変更されることになるが、こ
の実施例では、所謂バルブ開度が無段階、即ち、連続的
に多段に変更し得ることになる利点がある。
以上のように形成されたこの発明の実施例に係る油圧
緩衝器にあっては、例えば、シリンダ1内をピストン部
2が上昇する該油圧緩衝器の伸側行程時には、メイン油
室たるシリンダ1内のロッド側油室Aからの作動油がノ
ンリタンバルブ20cの透孔20d,ピストン本体20の内側ポ
ート20d,ピストンナット21のポート21a,環状板ばね28の
内周側,キャップ部材27の中央透孔27a,ブロック部材26
の切欠溝26b及び環状シート部材24のポート24dを介して
減衰バルブの上面側たる上記環状シート部材24の環状溝
押24c内に流入し、かつ、上記環状リーフバルブ22の内
周端を撓ませてシリンダ1内のピストン側油室B内に流
入することになり、このとき、所定の伸側減衰力が発生
されることになる。
一方、上記の伸側行程時には、ロット側油室Aとバイ
パス路Lを介して連通されている圧力室R内にも油圧が
供給されることになるが、該圧力室R内に供給される油
圧は、上記ロッド側油室Aにおける振動周波数が高周波
数領域になる場合には、一次遅れの油圧として供給され
ることになる。
そして、圧力室R内に供給される一次遅れの油圧は、
プッシュ部材25の上面に作用して、該プッシュ部材25を
環状シート部材24の内周端で下降方向に摺動させること
になるが、高周波数領域にあっては、圧力室R内におけ
る圧力が低周波数領域にある場合に比較して低くなり、
その結果、環状リーフバルブ22の内周側端における言わ
ば予めの撓み量を小さくし、従って、該環状リーフバル
ブ22たる減衰バルブでそれまで発生されていた高い伸側
の減衰力を低い伸側の減衰力に変更する所謂ハイカット
作用をすることになる。
そして、このハイカット作用時に上記バイパス路L中
に配在されている制御バルブ4が回動等操作されると、
上記一次遅れの油圧は、上記ロッド側油室Aにおける振
動周波数が高周波数領域にある範囲内で、前後に変更さ
れることになり、従って、上記ハイカット作用が発現さ
れる時期が前後に変更されることになる。
即ち、制御バルブ4の配在で上記圧力室Rに供給され
る一次遅れの油圧が振動周波数の高周波数領域内におい
て前後に複数段に変更されることになる。
従って、この発明によれば、1つの油圧緩衝器におい
て複数のハイカット作用の発現が可能になり、例えば、
該油圧緩衝器が車輌のショックアブソーバとされる場合
には、該車輌の乗り心地を比較しながら改善し得ること
になる。
前記したところは、油圧緩衝器の伸側行程時にシリン
ダ1内のピストン部2で発生される伸側減衰力を低下さ
せる場合を例にして説明したが、この発明の意図すると
ころからすれば、ハイカット作用が油圧緩衝器の圧側行
程時に、例えば、シリンダ1内のベースバルブ部(図示
せず)で発生される圧側減衰力を低下させるものとされ
ても良い。
また、前記したところは、メイン油室たるシリンダ1
内のロッド側油室Aにおける振動周波数が高周波数領域
になったときに、それまでの高い発生減衰力が低下され
るハイカット作用の場合を説明したものであるが、この
発明が明らかにするところの圧力室Rに供給される一次
遅れの圧力が複数段階に亙るようにした提案について
は、メイン油室における振動周波数が高周波数領域にな
ったときに、それまでの低い発生減衰力が上昇されるこ
とになるローカットの場合についても同様に適用でき
る。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明によれば、圧力室に供給され
る一次遅れの油圧が複数段に亙るようにしたので、1つ
の油圧緩衝器において複数のハイカット作用が可能にな
り、従って、該油圧緩衝器が車輌のショックアブソーパ
とされる場合には、該車輌の乗り心地を比較しながら改
善し得ることになり、車輌の乗り心地の一層の改善が可
能になる利点がある。
また、この発明によれば、ハイカット作用が発現され
る振動周波数領域を可変にすることが可能になるので、
ばね下共振点付近でのより精緻な減衰力制御が可能にな
って、車輌における所謂接地性の低下を防止し車輌の操
縦安定性の一層の向上を図り得る利点もある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例に係る油圧緩衝器の要部を
示す縦断面図、第2図はこの発明の他の実施例に係る油
圧緩衝器の要部を拡大して示す部分縦断面図である。 〔符号の説明〕 1……シリンダ、2……ピストン部 3……ピストンロッド、3d……縦孔 3e……横孔、4……制御バルブ 20……ピストン本体、21……ピストンナット 22……環状リーフバルブ 25……プッシュ部材、40……ロータリバルブ 40a,40b……オリフィス 44……ポペットバルブ、A……ロッド側油室 L……バイパス路、R……圧力室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16F 9/00 - 9/58 B60G 17/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ内にピストン本体を介してピスト
    ンロッドが移動自在に挿入され、ピストン本体はシリン
    ダ内にロッド側油室とピストン側油室とを区画し、ピス
    トン本体には上記二つの油室を連通するポートを設け、
    このポートの出口側に環状リーフバルブを開閉自在に設
    けている油圧緩衝器に於て、上記リーフバルブの内周側
    上面に当接するプッシュ部材を上下摺動自在に配設し、
    他方ピストンロッド内には上記ポートを迂回してロッド
    側油室に連通するバイパス路と、当該バイパス路に連通
    すると共に上記プッシュ部材の上面に油室を作用させる
    圧力室とを設け、更に上記バイパス路内には上記圧力室
    に供給させる油圧を一次遅れの油圧にする制御バルブが
    収装されてなることを特徴とする油圧緩衝器。
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