JP6444045B2 - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、窒化物半導体を用いて構成された半導体装置およびその製造方法に関する。
III族窒化物半導体は、III-V族半導体においてV族元素として窒素を用いた半導体である。窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)が代表例である。一般には、AlInGa1−X−YN(0≦X≦1,0≦Y≦1,0≦X+Y≦1)と表わすことができる。
このような窒化物半導体を用いたHEMT(高電子移動度トランジスタ)が提案されている。このようなHEMTは、たとえば、GaNからなる電子走行層と、この電子走行層上にエピタキシャル成長されたAlGaNからなる電子供給層とを含む。電子供給層に接するように一対のソース電極およびドレイン電極が形成され、それらの間にゲート電極が配置される。ゲート電極は、絶縁膜を挟んで電子供給層に対向するように配置される。GaNとAlGaNとの格子不整合に起因する分極のために、電子走行層内において、電子走行層と電子供給層との界面から数Åだけ内方の位置に、二次元電子ガスが形成される。この二次元電子ガスをチャネルとして、ソース・ドレイン間が接続される。ゲート電極に制御電圧を印加していない状態では、ソース・ドレイン間が導通するので、ノーマリオン型のデバイスとなる。
窒化物半導体を用いたデバイスは、高耐圧、高温動作、大電流密度、高速スイッチングおよび低オン抵抗といった特徴を有するため、パワーデバイスへの応用が検討されている。しかし、パワーデバイスとして用いるためには、ゼロバイアス時に電流を遮断するノーマリオフ型のデバイスである必要があるため、前述のようなHEMTは、パワーデバイスには適用できない。
ノーマリオフ型の窒化物半導体HEMTを実現するための構造は、たとえば、特許文献1において提案されている。
特開2013−65612号公報
特許文献1は、ゲート電極の直下にある電子供給層をリセスエッチングで完全に除去して、当該部分でGaN/AlGaNのヘテロ接合界面を分断することによって、ノーマリオフを実現する構造を開示している。
しかしながら、このような構造では、電子供給層をエッチングする際に直下の電子走行層の表面がダメージを受け、チャネル移動度が低下するおそれがある。また、特許文献1のような横型デバイスは、ゲート電極の端部に電界が集中し易い構造であるため、実質的には、理論値ほどの耐圧を発現できず窒化物半導体の特性を十分に生かし切れていない。
そこで、本発明の目的は、ノーマリオフ型のHEMT構造を有し、かつ高耐圧および高チャネル移動度を実現できる半導体装置を提供することである。
本発明の他の目的は、ノーマリオフ型のHEMT構造を有し、かつ高耐圧および高チャネル移動度を実現できる半導体装置を簡単に製造できる半導体装置の製造方法を提供することである。
本発明の一の局面に係る半導体装置は、非極性面または半極性面を結晶成長の主面とする窒化物半導体基板と、前記窒化物半導体基板上に形成され、非極性面または半極性面からなる上面、およびc面またはc面に対して30°以下で傾斜した第1側面を有する第1窒化物半導体からなる第1半導体層と、前記第1半導体層の上面および第1側面を覆うように形成され、非極性面または半極性面からなる上面、およびc面またはc面に対して30°以下で傾斜した側面を有し、前記第1窒化物半導体とは異なる第2窒化物半導体からなる電子供給層と、前記電子供給層の上面および第1側面に沿って形成され、前記第2窒化物半導体とは異なる第3窒化物半導体からなるキャリア走行層と、前記キャリア走行層の上面に沿って形成され、前記第2窒化物半導体よりも広いバンドギャップを有する第4窒化物半導体からなるバリア層と、前記バリア層上に形成されたゲート電極とを含む。
この構成によれば、電子供給層が、キャリア走行層の第1側面に沿って形成されている。したがって、キャリア走行層と電子供給層との間のヘテロ接合界面(第1のヘテロ接合界面)は、c面またはc面に対して30°以下で傾斜した面として定義される。すなわち、第1のヘテロ接合界面は、窒化物半導体基板の主面(非極性面または半極性面)に対して一定の角度で傾斜する面である。その結果、キャリア走行層と電子供給層との格子不整合によるピエゾ分極によって、第1のヘテロ接合界面に沿って二次元電子ガスを発生させることができる。
この二次元電子ガスは、ゲート電極への電圧印加の有無に関係なく、窒化物半導体基板の主面に対して縦方向に分布している。ノーマリオフ型のHEMTを実現するため、この半導体装置では、第1のヘテロ接合界面に加え、キャリア走行層とバリア層との間にもヘテロ接合界面(第2のヘテロ接合界面)が形成されている。第2のヘテロ接合界面は、第1のヘテロ接合界面とは異なり非極性面または半極性面であるため、その界面に水平な面内方向に対するピエゾ分極の影響がほとんどない。そのため、ゲート電極の直下の第2のヘテロ接合界面には、キャリア走行層とバリア層との格子不整合によるピエゾ分極に起因する二次元電子ガスが形成されない。よって、ゲート電極に電圧を印加していないとき(ゼロバイアス時)には、少なくとも二次元電子ガスによるチャネルはゲート電極直下で遮断されている。これにより、ノーマリオフ型のHEMTが実現されている。ゲート電極に適切なオン電圧を印加すると、その電界によってゲート電極直下のキャリア走行層内にチャネル(二次元電子ガス)が誘起され、第1のヘテロ接合界面に沿う二次元電子ガスに接続される。
一方、第1のヘテロ接合界面近傍に発生する二次元電子ガスは窒化物半導体基板の主面に対して縦方向に分布するものであるから、本発明の半導体装置は、キャリア走行層の上面側と窒化物半導体基板の裏面とが導通可能な縦型デバイスを構成している。このように、縦型デバイスとしての基本構造を有することにより、電界集中を容易に緩和できるので高耐圧デバイスを実現することができる。
また、ヘテロ接合界面をチャネルとして利用できるので、不純物ドーピングによる反転層を利用する場合に比べてチャネル移動度を向上させることができる。その結果、低抵抗化を実現することもできる。さらに、縦型デバイスであることから、単位面積当たりのチャネルの集積度(チャネル密度)を上げることができ、この効果によっても低抵抗化を図ることができる。
なお、本発明の半導体装置において、キャリア走行層の側面がc面に対して0°で傾斜する場合は、当該側面がc面に沿う面(つまり、−c面)であることを意味している。
本発明の半導体装置は、前記窒化物半導体基板の裏面に形成されたドレイン電極と、前記キャリア走行層の上面側に、前記ゲート電極から間隔を空けて形成されたソース電極とを含んでいてもよい。
前記第1半導体層は、非極性面または半極性面からなる前記上面、およびc面またはc面に対して30°以下で傾斜した前記第1側面を有するメサ半導体層を含んでいてもよく、その場合、前記電子供給層および前記キャリア走行層は、前記メサ半導体層の上面および第1側面を覆うように、この順に積層されていてもよい。
前記バリア層は、前記キャリア走行層の上面に選択的に形成されていてもよく、その場合、本発明の半導体装置は、前記キャリア走行層の上面における前記バリア層が形成されていない領域に形成されたn型のソース層をさらに含み、前記ソース電極は、前記ソース層上に形成されていてもよい。
この構成では、HEMT構造に対するコンタクトを、n型ソース層に対するソース電極のオーミック接触によって良好にとることができる。
前記キャリア走行層は、前記キャリア走行層と前記バリア層との界面よりも深く、前記バリア層に対して自己整合的に形成された凹部を有していてもよく、その場合、前記ソース層は、前記凹部に埋め込まれ、前記凹部の側面において、前記界面を挟んでキャリア走行層および前記バリア層に跨っていてもよい。
この構成では、凹部の側面において、ソース層が第2のヘテロ接合界面に接しているため、ソース電極とチャネルとの間がn型のソース層で電気的に接続される。n型ソース層は、不純物を含んでおり、i型の真性(ノンドープ)窒化物半導体に比べて低い抵抗値を有している。したがって、このn型ソース層は、HEMT構造の低抵抗化に寄与することができる。
前記ゲート電極は、前記バリア層および前記ソース層に跨って形成されていてもよい。
この構成では、第2のヘテロ接合界面の端部においても良好にチャネルを形成することができる。
本発明の半導体装置は、前記窒化物半導体基板上に形成され、開口部を選択的に有する絶縁膜をさらに含んでいてもよく、その場合、前記メサ半導体層は、前記開口部を通って前記窒化物半導体基板上に形成されており、前記メサ半導体層の第1側面は、c面に沿う側面であってもよい。
前記メサ半導体層は、前記開口部の端部を覆うように形成されていてもよい。
前記メサ半導体層は、c面に沿う前記第1側面に加えてさらにm面または(10−11)面からなる第2側面を有していてもよい。
前記開口部は、c軸に交差して延びるc軸側端部および−c軸側端部を少なくとも含んでいてもよく、その場合、前記メサ半導体層の第1側面は、前記−c軸側端部からc面に沿って形成された側面であってもよい。
前記窒化物半導体基板の主面が(10−1n)面(n:任意の数値)である場合、前記開口部は、a軸方向に沿って形成されていてもよい。具体的には、前記窒化物半導体基板の主面は、m面であってもよい。
前記窒化物半導体基板の主面が(11−2n)面(n:任意の数値)である場合、前記開口部は、m軸方向に沿って形成されていてもよい。具体的には、前記窒化物半導体基板の主面は、a面であってもよい。
前記キャリア走行層および前記バリア層は、ノンドープの窒化物半導体からなっていてもよい。
本発明の半導体装置では、前記キャリア走行層がGaNからなり、前記バリア層がAlGaNまたはAlNからなっていてもよい。
本発明の他の局面に係る半導体装置は、非極性面または半極性面を結晶成長の主面とする窒化物半導体基板と、前記窒化物半導体基板上に形成され、開口部を選択的に有する絶縁膜と、前記開口部を通って前記窒化物半導体基板上に成長した窒化物半導体層と、前記窒化物半導体層の−c面に沿って形成された電子供給層と、前記電子供給層の−c面に沿って形成された電子走行層とを含む。
本発明の一の局面に係る半導体装置の製造方法は、非極性面または半極性面を結晶成長の主面とする窒化物半導体基板上に、開口部を選択的に有する絶縁膜を形成する工程と、前記開口部内から窒化物半導体をエピタキシャル成長させることによって、非極性面または半極性面からなる上面、およびc面またはc面に対して30°以下で傾斜した第1側面を有するメサ半導体層を形成する工程と、前記メサ半導体層上に窒化物半導体をエピタキシャル成長させることによって、電子供給層を形成する工程と、前記電子供給層上に第1窒化物半導体をエピタキシャル成長させることによって、キャリア走行層を形成する工程と、前記キャリア走行層の上面に沿って、前記第1窒化物半導体よりも広いバンドギャップを有する第2窒化物半導体からなるバリア層を形成する工程と、前記バリア層上にゲート電極を形成する工程とを含む。
この方法によって、本発明の半導体装置を製造することができる。より具体的には、非極性面または半極性面を結晶成長の主面とする窒化物半導体基板から、絶縁膜の開口部を介して窒化物半導体を成長させることによって、c面またはc面に対して30°以下で傾斜した面を自発的に露出させることができる。逆に、窒化物半導体基板の主面全域から窒化物半導体層を成長させた後、c面またはc面に対して30°以下で傾斜した面が露出するように当該半導体層をエッチングし、さらに、半導体層上に電子供給層およびキャリア走行層を再成長させる手法では、多大な工程を要する。しかしながら、本発明の製造方法では、そのような多大な工程を省略でき、メサ半導体層、電子供給層およびキャリア走行層を連続したエピタキシャル成長によって形成できるので、本発明の半導体装置を簡単に製造することができる。
さらに、上述の再成長を使用する手法では、再成長界面に酸素が取り込まれるので、当該界面にリーク電流が流れるおそれがあるのに対し、本発明では、自発的に形成されたc面またはc面に対して30°以下で傾斜した面に第1のヘテロ接合界面を形成できるので、リーク電流の発生を抑制することができる。
一の局面に係る半導体装置の製造方法では、キャリア走行層を形成する工程は、非極性面または半極性面からなる平坦な上面が一様に形成されるまで前記第1窒化物半導体をエピタキシャル成長させる工程を含んでいてもよく、その場合、前記バリア層を形成する工程は、前記キャリア走行層の当該平坦な上面に第2窒化物半導体層を一様に形成した後、前記第2窒化物半導体層が前記キャリア走行層の側面を横切る前記バリア層として選択的に残るように、前記第2窒化物半導体層をエッチングする工程を含んでいてもよい。
前記第2窒化物半導体層をエッチングする工程は、前記第2窒化物半導体層が除去された後、そのまま下方の前記キャリア走行層をエッチングすることによって、前記キャリア走行層に凹部を形成する工程を含んでいてもよく、その場合、本発明の半導体装置の製造方法は、前記凹部に、n型のソース層を埋め込む工程と、前記ソース層上に、ソース電極を形成する工程とをさらに含んでいてもよい。
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の模式的な断面図である。 図2Aは、図1の半導体装置の製造工程を説明するための図である。 図2Bは、図2Aの次の工程を示す図である。 図2Cは、図2Bの次の工程を示す図である。 図2Dは、図2Cの次の工程を示す図である。 図2Eは、図2Dの次の工程を示す図である。 図2Fは、図2Eの次の工程を示す図である。 図3は、本発明の第1参考例に係る半導体装置の模式的な断面図である。 図4Aは、図3の半導体装置の製造工程を説明するための図である。 図4Bは、図4Aの次の工程を示す図である。 図4Cは、図4Bの次の工程を示す図である。 図4Dは、図4Cの次の工程を示す図である。 図4Eは、図4Dの次の工程を示す図である。 図4Fは、図4Eの次の工程を示す図である。 図5は、本発明の第2参考例に係る半導体装置の模式的な断面図である。 図6Aは、図5の半導体装置の製造工程を説明するための図である。 図6Bは、図6Aの次の工程を示す図である。 図6Cは、図6Bの次の工程を示す図である。 図6Dは、図6Cの次の工程を示す図である。 図7は、図5の半導体装置の変形例を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置1の模式的な断面図である。
半導体装置1は、本発明の窒化物半導体基板の一例としてのGaN基板2と、GaN基板2の主面21に形成され、主面21の一部を選択的に露出させる開口部3を有する絶縁膜4と、GaN基板2の主面21から開口部3を介して絶縁膜4の上に至る領域に、結晶成長によって形成されたIII族窒化物半導体積層構造5と、GaN基板2の裏面22(窒化物半導体積層構造5と反対側の表面)に接触するように形成されたドレイン電極6と、窒化物半導体積層構造5の表面に接触するように形成されたソース電極7とを備えたHEMT構造を含む。
GaN基板2は、この実施形態では、GaN単結晶基板で構成されている。GaN基板2は、非極性面の一つであるm面(10−10)を主面21としたものであり、主面21上における結晶成長によって、窒化物半導体積層構造5が形成されている。なお、GaN基板2の主面21は、非極性面の別の一つであるa面(11−20)であってもよいし、半極性面である(11−21)面、(11−22)面、(10−11)面、(10−12)面、(20−21)面等であってもよい。特に、m面およびm面に対して所定の角度で傾いた半極性面は、(10−1n)面(n:任意の数値であって、m面=0)で表すことができ、a面およびa面に対して所定の角度で傾いた半極性面は、(11−2n)面(n:任意の数値であって、a面=0)で表すことができる。
なお、GaN基板2の主面21にどの面方位を採用するかは、主面21から結晶成長するIII族窒化物半導体の種類に応じて選択すればよい。また、GaN基板2は、この実施形態では、n型の導電型を有しており、その濃度は、たとえば、1×1018cm−3〜5×1018cm−3である。
絶縁膜4は、GaN基板2の主面21がm面である場合、開口部3が図1に示すa軸[11−20]方向に延びるように、複数本のストライプ形状に形成されている。つまり、開口部3は、図1に示すc軸[0001]方向およびその反対向きの−c軸[000−1]方向に直交する方向に沿って延びていて、c軸方向に沿う両側端部に、c軸側端部8および−c軸側端部9を含む。
絶縁膜4の材料としては、酸化物、窒化物または酸化窒化物を適用することができ、たとえば、SiO(酸化シリコン)、Ga(酸化ガリウム)、MgO(酸化マグネシウム)、Sc(酸化スカンジウム)、SiN(窒化シリコン)、SiON(シリコン酸窒化物)などを適用することができる。また、絶縁膜4の厚さは、たとえば、0.1μm〜0.5μmである。開口部3の開口幅(c軸方向に沿う幅)は、たとえば1μm〜20μmである。
なお、開口部3のストライプ方向は、GaN基板2の主面21が(10−1n)面(n:任意の数値)である場合、前述のようにa軸方向に沿っていることが好ましく、GaN基板2の主面21が(11−2n)面(n:任意の数値)である場合、つまり、a面またはa面に対して所定の角度で傾いた半極性面である場合には、m軸[10−10]方向に沿っていることが好ましい。
窒化物半導体積層構造5は、本発明のメサ半導体層の一例としての第1GaN層10と、本発明の電子供給層の一例としてのAlGaN層11と、本発明のキャリア走行層の一例としての第2GaN層12とを含む。より詳しくは、隣り合う開口部3の間の絶縁膜4上にトレンチ16が形成されるように、各開口部3上にストライプ形状に形成された第1GaN層10およびAlGaN層11のGaN/AlGaN積層構造と、各トレンチ16に埋め込まれ、トレンチ16を介して隣り合うGaN/AlGaN積層構造に跨る第2GaN層12とを含んでいてもよい。GaN/AlGaN積層構造は、HEMT構造の単位セルを構成しており、第2GaN層12は、隣り合う単位セル間で共有されていてもよい。
図1では、第1GaN層10は、開口部3から開口部3の端部(図1では、c軸側端部8および−c軸側端部9)に至る領域に形成されている。第1GaN層10は、a軸方向に直交する面で半導体装置1を切断したときの断面視において、GaN基板2の主面21に平行な上面13と、主面21に対して傾斜した−c軸側の第1側面14および+c軸側の第2側面15とを有するメサ形状に形成されている。この実施形態では、第1側面14が−c面(000−1)からなる極性面であり、第2側面15が(10−11)面からなる半極性面である。この第1GaN層10は、複数の開口部3一つずつに沿って形成されている。また、第1GaN層10の厚さは、たとえば、1μm〜10μmである。
この実施形態のように、第1GaN層10が開口部3の互いに対向する一方および他方の端部にオーバーラップしている場合において、第1GaN層10のオーバーラップ長さは、一方および他方の端部において異なっている。たとえば、図1では、c軸側端部8に対するオーバーラップ長さL1が、−c軸側端部9に対するオーバーラップ長さL2よりも大きくなっている。たとえば、オーバーラップ長さL1が1μm〜10μmであり、オーバーラップ長さL2が0.01μm〜0.1μmである。
AlGaN層11は、第1GaN層10の上面13および側面14,15を覆うように、第1GaN層10の表面に沿う層状に形成されている。AlGaN層11の厚さは、たとえば、20μm〜30μmである。
第2GaN層12は、トレンチ16を埋め込み、さらにAlGaN層11の上面を覆うように形成されている。これにより、第2GaN層12は、絶縁膜4上の領域のみならず、開口部3上の領域にも形成されており、これら両方の領域に跨る上面17(GaN基板2の主面21に平行な面)を有している。第2GaN層12の厚さは、たとえば、1μm〜10μmである。
また、第1GaN層10、AlGaN層11および第2GaN層12は、いずれもi型の真性(ノンドープ)窒化物半導体からなり、意図的に不純物が導入されていない。
窒化物半導体積層構造5は、第2GaN層12の上面17に形成されたAlGaNバリア層18をさらに含む。AlGaNバリア層18は、第2GaN層12上に一様な厚さで形成されている。たとえば、AlGaNバリア層18の厚さは、20μm〜30μmである。また、AlGaNバリア層18は、i型の真性(ノンドープ)窒化物半導体からなる。AlGaNバリア層18に代えて、AlNバリア層を用いてもよい。
そして、窒化物半導体積層構造5には、このAlGaNバリア層18の表面から第2GaN層12の厚さ方向途中に至る凹部19が形成されている。凹部19は、絶縁膜4上の領域および開口部3上の領域に跨る範囲に形成されていてもよく、より好ましくは、図1のように、c軸側端部8を介して絶縁膜4および開口部3上の両方の領域に跨るように、a軸方向に沿うストライプ形状に形成されている。これにより、第2GaN層12上において、AlGaNバリア層18は、凹部19を介して複数のストライプ形状に選択的に形成されている。各AlGaNバリア層18は、−c軸側端部9を介して絶縁膜4および開口部3上の両方の領域に跨っており、−c軸側端部9上において、後述する第1のヘテロ接合界面26,27を横切っている。
また、凹部19の深さ位置は、この実施形態のように、AlGaN層11の上面に一致するか、AlGaN層11の厚さ方向途中に位置していることが好ましい。これにより、AlGaN層11のGaN基板2の主面21に平行な部分を、第1GaN層10上に残すことができる。
さらに窒化物半導体積層構造5は、凹部19に埋め込まれたn型GaNソース層20を含む。n型GaNソース層20は、凹部19の側面において、AlGaNバリア層18に接すると共に、その下方に配置され、トレンチ16からAlGaN層11の上面を覆うように開口部3上まで引き出された第2GaN層12の引き出し部25に接している。
また、n型GaNソース層20は、AlGaNバリア層18と共に窒化物半導体積層構造5の表面を形成するように、凹部19のみに選択的に形成されている。これにより、窒化物半導体積層構造5の表面の法線方向から見た平面視において、当該表面には、AlGaNバリア層18およびn型GaNソース層20が、c軸方向に沿って交互に配列されたストライプ形状に形成されている。また、AlGaNバリア層18およびn型GaNソース層20は、互いに段差のない連続した平坦面を形成していることが好ましい。
このn型GaNソース層20上に、ソース電極7が形成されている。ソース電極7は、n型GaNソース層20とAlGaNバリア層18との境界から間隔を隔てたn型GaNソース層20の内方領域に形成されている。ソース電極7は、n型GaNソース層20に対するオーミック電極である。ソース電極7としては、たとえば、Al(アルミニウム)、Ti/Al(チタン/アルミニウム)等を適用できる。これらの材料の適用によって、ソース電極7をn型GaNソース層20に対して良好にオーミック接触させることができる。また、GaN基板2の裏面に形成されたドレイン電極6も同様に、Al(アルミニウム)、Ti/Al(チタン/アルミニウム)等の導電材料を用いて形成されている。ドレイン電極6は、複数の単位セルのための共通電極となっている。
窒化物半導体積層構造5上には、ソース電極7の他に、ゲート絶縁膜23を介してゲート電極24が形成されている。ゲート電極24は、AlGaNバリア層18とn型GaNソース層20との境界を横切って、これらの間に跨るように形成されている。より具体的には、ゲート電極24は、AlGaNバリア層18の幅方向両端部から、一方側(c軸側)および他方側(−c軸側)のn型GaNソース層20にオーバーラップするように形成されている。
ゲート絶縁膜23としては、たとえば、アルミナ(Al)、酸化シリコン(SiO)等を適用できる。また、ゲート電極24としては、たとえば、ソース電極7と同一の材料を適用できる。
以上、この半導体装置1によれば、メサ状半導体層である第1GaN層10の第1側面14(−c面)に沿って、AlGaN層11および第2GaN層12が形成されている。これにより、−c面(000−1)で定義される第1のヘテロ接合界面26,27(GaN/AlGaN界面)を有するGaN/AlGaN/GaNの積層構造がc軸方向に沿って形成されている。その結果、窒化物半導体積層構造5内には、第1のヘテロ接合界面26,27近傍において、二次元電子ガス28(Two Dimensional Electron Gas:2DEG)および二次元正孔ガス29が生じている。二次元電子ガス28および二次元正孔ガス29は、GaN/AlGaN界面に対してGaN側に生じている。GaNは、たとえばc面における格子定数がAlGaNよりも大きく、その影響によりc面に沿うGaN/AlGaN界面では、当該界面に沿う引っ張り歪みがAlGaNに生じてピエゾ分極が発生する。このピエゾ分極によってGaN/AlGaN界面に発生した分極電荷(電子および正孔)が、AlGaNよりも相対的に電子親和力の小さいGaNに形成された井戸層に閉じ込められ、積層界面に沿う方向のみに選択的に自由度を有するガスをGaN内に形成する。
より具体的には、各単位セルのAlGaN層11の−c軸側の第1のヘテロ接合界面26およびc軸側の第1のヘテロ接合界面27に沿って、それぞれ、二次元電子ガス28および二次元正孔ガス29が生じている。この二次元電子ガス28および二次元正孔ガス29は、ゲート電極24への電圧印加の有無に関係なく、GaN基板2の主面21に対して縦方向に分布している。
しかしながら、二次元電子ガス28および二次元正孔ガス29は、主面21に沿う横方向に沿って、ソース電極7から離れて形成されている。このままでは、−c面(000−1)に沿う二次元電子ガス28および二次元正孔ガス29と、ソース電極7との電流パスがないため、ゲート電極24に電圧を印加した場合にのみ選択的にチャネルを形成する必要がある。
そこで、この半導体装置1では、ゲート電極24の直下に、第2GaN層12(引き出し部25)とAlGaNバリア層18とのヘテロ接合界面(第2のヘテロ接合界面30)が形成されている。
第2のヘテロ接合界面30は、第1のヘテロ接合界面26,27とは異なりm面(非極性面)であるため、その界面に水平な面内方向に対するピエゾ分極の影響がほとんどない。そのため、ゲート電極24の直下の第2のヘテロ接合界面30には、第2GaN層12とAlGaNバリア層18との格子不整合によるピエゾ分極に起因する二次元電子ガスが形成されない。よって、ゲート電極24に電圧を印加していないとき(ゼロバイアス時)には、少なくとも二次元電子ガスによるチャネルはゲート電極24の直下で遮断されている。これにより、ノーマリオフ型のHEMTが実現されている。ゲート電極24に適切なオン電圧を印加すると、その電界によってゲート電極24直下の第2GaN層12内にチャネル(二次元電子ガス)が誘起され、第1のヘテロ接合界面26,27に沿う二次元電子ガス28および二次元正孔ガス29に接続される。
一方、第1のヘテロ接合界面26,27近傍に発生する二次元電子ガス28および二次元正孔ガス29はGaN基板2の主面21に対して縦方向に分布するものである。したがって、二次元電子ガス28中の電子(キャリア)が、AlGaN層11、および絶縁膜4の開口部3を介してGaN基板2に接続された第1GaN層10を通って、GaN基板2に至ることになるから、半導体装置1は、窒化物半導体積層構造5の上面側とGaN基板2の裏面22とが導通可能な縦型デバイスを構成している。このように、縦型デバイスとしての基本構造を有することにより、電界集中を容易に緩和できるので高耐圧デバイスを実現することができる。
また、第2のヘテロ接合界面30として定義されるヘテロ接合界面をチャネルとして利用できるので、不純物ドーピングによる反転層を利用する場合に比べてチャネル移動度を向上させることができる。その結果、低抵抗化を実現することもできる。さらに、縦型デバイスであることから、単位面積当たりのチャネルの集積度(チャネル密度)を上げることができ、この効果によっても低抵抗化を図ることができる。
また、ゲート電極24が、AlGaNバリア層18の各端部に接する両側のn型GaNソース層20の両方に跨って形成されている。これにより、第2のヘテロ接合界面30の端部においても良好にチャネルを形成できると共に、図1に矢印31で示すように、第1のヘテロ接合界面26,27に対して−c軸側およびc軸側の両側から効率よく電子(キャリア)を移動させることができる。
また、ソース電極7の直下をn型GaNソース層20にすることによって、HEMT構造に対するコンタクトを、n型GaNソース層20に対するソース電極7のオーミック接触によって良好にとることができる。
さらに、凹部19の側面において、n型GaNソース層20が第2のヘテロ接合界面30に接しているため、ソース電極7とチャネルとの間がn型GaNソース層20で電気的に接続される。n型GaNソース層20は、不純物を含んでおり、i型の真性(ノンドープ)窒化物半導体に比べて低い抵抗値を有している。したがって、このn型GaNソース層20は、HEMT構造の低抵抗化に寄与することができる。
以上、この実施形態の半導体装置1は、ノーマリオフ型のHEMT構造を有し、かつ高耐圧および高チャネル移動度の両方の特性を兼ね揃えた縦型デバイスを実現することができる。
したがって、半導体装置1を一例とする本発明の半導体装置は、たとえば、電気自動車(ハイブリッド車を含む)、電車、産業用ロボット等の動力源として利用される電動モータを駆動するための駆動回路を構成するインバータ回路に用いられるパワーモジュールに組み込むパワーデバイスとして好適に使用することができる。また、太陽電池、風力発電機その他の発電装置(とくに自家発電装置)が発生する電力を商用電源の電力と整合するように変換するインバータ回路に用いられるパワーモジュールにも組み込むことができる。
次に、半導体装置1の製造方法を説明する。
図2A〜図2Fは、図1の半導体装置1の製造工程を工程順に説明するための図である。
半導体装置1を製造するには、図2Aに示すように、たとえば、PECVD法(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition:プラズマ化学気相成長法)等によって、GaN基板2の主面21(m面)に絶縁膜4が形成される。次に、フォトリソグラフィ等によって、絶縁膜4がパターニングされて開口部3が形成される。
次に、図2Bに示すように、開口部3から露出しているGaN基板2の主面21から、いわゆるELO(Epitaxial Lateral Overgrowth)技術によって、III族窒化物半導体を結晶成長させて窒化物半導体積層構造5が形成される。III族窒化物半導体の成長方法としては、たとえば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相成長)、LPE(Liquid Phase Epitaxy:液相エピタキシャル成長)、VPE(Vapor Phase Epitaxy:気相エピタキシャル成長)、MBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシャル成長)等の方法が適用できる。
III族窒化物半導体のエピタキシャル成長について、より具体的に説明すると、まず、GaN基板2の主面21からi型GaNを結晶成長させる。i型GaNを、まず、絶縁膜4の開口部3においてm軸方向に沿う方向に成長しやすい条件(たとえば、成長温度:950℃〜1100℃、成長圧力:20kPa〜100kPa)で結晶成長させる。こうして、図2Bに示すように、第1GaN層10が形成される。
次に、第1GaN層10の表面(上面13および側面14,15)から、i型AlGaNが成長させることによって、AlGaN層11が形成される。
その後、c軸方向に沿う方向に成長しやすい条件(たとえば、成長温度:800℃〜950℃、成長圧力:20kPa〜80kPa)で、m軸方向およびc軸方向に沿う方向にi型GaNを成長させる。このi型GaNの成長は、隣り合うGaN/AlGaN積層構造の間のトレンチ16が埋め込まれ、かつ、AlGaN層11上に平坦な上面17が一様に形成されるまで続けられる。これにより、第2GaN層12が形成される。
このエピタキシャル成長において、+c軸方向への成長速度と−c軸方向への成長速度とを比較すると、+c軸方向への成長速度の方が速い。そのため、絶縁膜4上の領域においては、III族窒化物半導体は、−c軸方向に比べて+c軸方向に、開口部3からより離れた位置まで成長する。その結果、窒化物半導体積層構造5において、オーバーラップ長さL1をオーバーラップ長さL2よりも大きくできる。
次に、図2Cに示すように、第2GaN層12上に、i型AlGaNを成長させる。これにより、AlGaNバリア層18が形成される。その後、AlGaNバリア層18上に、酸化シリコン(SiO)等の絶縁材料からなるマスク32が形成される。
次に、図2Dに示すように、マスク32がパターニングされた後、当該マスク32を介して、AlGaNバリア層18および第2GaN層12が選択的にエッチングされる。これにより、凹部19が形成される。AlGaNバリア層18の選択的な除去と、凹部19の形成が同じマスク32を使用して同時に形成されることから、凹部19は、AlGaNバリア層18に対して自己整合的に形成されることとなる。
次に、図2Eに示すように、凹部19にn型GaNソース層20が埋め込まれる。n型GaNソース層20の埋め込みは、たとえば、窒化物半導体積層構造5の表面全体にn型GaNを堆積させた後、マスク32上の不要なn型GaNをマスク32と共にリフトオフすることによって行うことができる。
この後、図2Fに示すように、ゲート電極24、ソース電極7およびドレイン電極6等が形成されることによって、半導体装置1が得られる。
以上、この方法によれば、m面を結晶成長の主面21とするGaN基板2から、絶縁膜4の開口部3を介してIII族窒化物半導体を成長させることによって、−c面(000−1)からなる第1側面14および(10−11)面からなる第2側面15を有するメサ形状の第1GaN層14を自発的に形成することができる。逆に、GaN基板2の主面21全域から第1GaN層10を成長させた後、−c面(000−1)が露出するように当該第1GaN層10をエッチングし、さらに、第1GaN層10上にAlGaN層11および第2GaN層12を再成長させる手法では、多大な工程を要する。
しかしながら、上記の方法では、そのような多大な工程を省略でき、第1GaN層10、AlGaN層11および第2GaN層12を連続したエピタキシャル成長によって形成できるので、半導体装置1を簡単に製造することができる。
さらに、上述の再成長を使用する手法では、再成長界面に酸素が取り込まれるので、当該界面にリーク電流が流れるおそれがあるのに対し、半導体装置1では、自発的に形成された−c面(000−1)に沿って第1のヘテロ接合界面26,27を形成できるので、リーク電流の発生を抑制することができる。
一方、互いに隣り合うGaN/AlGaN積層構造(単位セル)の間のトレンチ16を、ELOによって窒化物半導体(第2GaN層12)で埋め込むので、埋め込みの際、隣り合う開口部3から成長してきたGaN同士が接合する位置において結晶欠陥(転位)がm軸方向に沿って発生し易い。しかしながら、この結晶欠陥が発生し易い領域は、絶縁膜4上にあるため、この結晶欠陥に起因してリーク電流が増加することはほとんどない。
さらに、ELOでは、平坦な頂面(ファセット)を有するGaNをトレンチ16内に成長させることができるので、窒化物半導体積層構造5の表面を極めて平坦な面として形成することができる。これは、トレンチ16を絶縁層で埋め戻し、エッチバックによって窒化物半導体積層構造5の半導体表面を露出する場合に比べて表面の平坦性が良好である。
図3は、本発明の第1参考例に係る半導体装置41の模式的な断面図である。図3において、前述の図1との間で互いに対応する要素には同一の参照符号を付して示す。
半導体装置41では、第2GaN層12に代えて、トレンチ16に、たとえば酸化シリコン(SiO)等の絶縁層42が埋め込まれている。絶縁層42は、AlGaN層11の上面と平坦に一体的に連なって、窒化物半導体積層構造5の表面に平坦面を形成している。
また、前述の半導体装置1では、AlGaNバリア層18が、第2GaN層12(引き出し部25)を挟んでAlGaN層11の上面に対向するように設けられていたが、この半導体装置41では、第1GaN層10の上面13に形成されたAlGaN層11のバリア部43が、バリア層として定義されている。
つまり、AlGaN層11は、第1GaN層10の側面14,15に沿って形成され、第1のヘテロ接合界面27に沿って縦方向の二次元電子ガス44を発生させる電子供給層としての電子供給部45と、第1GaN層10の上面13に沿って形成され、第1GaN層10の上面13が露出して酸化されることを防止するバリア層としてのバリア部43とを一体的に含む。したがって、この参考例では、第1GaN層10が、本発明のキャリア走行層の一例として定義されている。
そして、窒化物半導体積層構造5には、AlGaN層11(バリア部43)の上面から第1GaN層10の厚さ方向途中に至る凹部46が形成されている。凹部46は、トレンチ16から間隔を隔てたGaN/AlGaN積層構造の内方領域に形成されており、図3に示すように、開口部3上の領域のみに選択的に形成されている。また、凹部46の深さ位置は、この参考例のように、第1GaN層10の厚さ方向途中に位置しているか、第1GaN層10の上面13に一致していることが好ましい。
さらに窒化物半導体積層構造5は、凹部46に埋め込まれたn型GaNソース層47を含む。n型GaNソース層47は、凹部46の側面において、AlGaN層11のバリア部43に接すると共に、その下方に配置された第1GaN層10に接している。
また、n型GaNソース層47は、AlGaN層11および絶縁層42と共に窒化物半導体積層構造5の表面を形成するように、凹部46のみに選択的に形成されている。これにより、窒化物半導体積層構造5の表面の法線方向から見た平面視において、当該表面には、AlGaN層11、n型GaNソース層47および絶縁層42が、c軸方向に沿って交互に配列されたストライプ形状に形成されている。また、AlGaN層11、n型GaNソース層47および絶縁層42は、互いに段差のない連続した平坦面を形成していることが好ましい。
n型GaNソース層47上に、ソース電極7が形成されている。また、ゲート電極24は、AlGaN層11、n型GaNソース層47および絶縁層42の各境界を横切って、これらの間に跨るように形成されている。
以上、半導体装置41では、ゲート電極24の直下に、AlGaN層11と第1GaN層10とのヘテロ接合界面(第2のヘテロ接合界面49)が形成されている。第2のヘテロ接合界面49は、前述の第2のヘテロ接合界面30と同様にm面(非極性面)であるため、その界面に水平な面内方向に対するピエゾ分極の影響がほとんどない。そのため、ゲート電極24の直下の第2のヘテロ接合界面49には、AlGaN層11と第1GaN層10との格子不整合によるピエゾ分極に起因する二次元電子ガスが形成されない。よって、ゲート電極24に電圧を印加していないとき(ゼロバイアス時)には、少なくとも二次元電子ガスによるチャネルはゲート電極24の直下で遮断されている。これにより、ノーマリオフ型のHEMTが実現されている。
一方、第1のヘテロ接合界面27近傍に発生する二次元電子ガス44はGaN基板2の主面21に対して縦方向に分布するものであるから、半導体装置41は、窒化物半導体積層構造5の上面側とGaN基板2の裏面22とが導通可能な縦型デバイスを構成している。このように、縦型デバイスとしての基本構造を有することにより、電界集中を容易に緩和できるので高耐圧デバイスを実現することができる。
よって、この半導体装置41においても、前述の半導体装置1と同様に、ノーマリオフ型のHEMT構造を有し、かつ高耐圧および高チャネル移動度を実現することができる。
次に、半導体装置41の製造方法を説明する。
図4A〜図4Fは、図3の半導体装置41の製造工程を工程順に説明するための図である。図4A〜図4Fにおいて、前述の図2A〜図2Fとの間で互いに対応する要素には同一の参照符号を付して示す。
半導体装置41を製造するには、図4Aに示すように、たとえば、PECVD法(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition:プラズマ化学気相成長法)等によって、GaN基板2の主面21(m面)に絶縁膜4が形成される。次に、フォトリソグラフィ等によって、絶縁膜4がパターニングされて開口部3が形成される。
次に、図4Bに示すように、開口部3から露出しているGaN基板2の主面21から、いわゆるELO(Epitaxial Lateral Overgrowth)技術によって、III族窒化物半導体を結晶成長させて窒化物半導体積層構造5が形成される。III族窒化物半導体の成長は、前述の図2Bに示した方法および条件と同様に行うことができる。
次に、図4Cに示すように、たとえば、PECVD法(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition:プラズマ化学気相成長法)によって酸化シリコン(SiO)等の絶縁材料が堆積させられる。これにより、トレンチ16を埋戻し、窒化物半導体積層構造5全体を覆う絶縁層42が形成される。
次に、図4Dに示すように、エッチバックにより、絶縁層42の表面全体が削られて平坦化される。エッチバックは、窒化物半導体積層構造5の表面(AlGaN層11の上面)が露出するまで行われる。こうして、トレンチ16に埋め込まれた絶縁層42が得られる。次に、窒化物半導体積層構造5上に、酸化シリコン(SiO)等の絶縁材料からなるマスク48が形成される。次に、マスク48がパターニングされた後、当該マスク48を介して、AlGaN層11および第1GaN層10が選択的にエッチングされる。これにより、凹部46が形成される。AlGaN層11の選択的な除去と、凹部46の形成が同じマスク48を使用して同時に形成されることから、凹部46は、AlGaN層11に対して自己整合的に形成されることとなる。
次に、図4Eに示すように、凹部46にn型GaNソース層47が埋め込まれる。n型GaNソース層47の埋め込みは、たとえば、窒化物半導体積層構造5の表面全体にn型GaNを堆積させた後、マスク48上の不要なn型GaNをマスク48と共にリフトオフすることによって行うことができる。
この後、図4Fに示すように、ゲート電極24、ソース電極7およびドレイン電極6等が形成されることによって、半導体装置41が得られる。
以上、この方法によっても、図2A〜図2Fで示した方法と同様に、第1GaN層10およびAlGaN層11を連続したエピタキシャル成長によって形成できる。よって、ノーマリオフ型のHEMT構造を有し、かつ高耐圧および高チャネル移動度を実現できる半導体装置41を簡単に製造することができる。
また、この方法では、AlGaN層11がバリア部43および電子供給部45を一体的に含む半導体層であるため、これらを同一の工程で形成することができる。その結果、半導体装置41の製造工程を一層簡略化することができる。
第2参考例の実施形態>
図5は、本発明の第2参考例に係る半導体装置51の模式的な断面図である。図5において、前述の図1との間で互いに対応する要素には同一の参照符号を付して示す。
半導体装置51では、AlGaNバリア層18および凹部19が形成されておらず、トレンチ16に埋め込まれた第2GaN層12の引き出し部25が、AlGaN層11の上面全域を覆うように形成されている。これにより、窒化物半導体積層構造5の表面は、第2GaN層12の上面17によって構成されている。
そして、第2GaN層12の上面17にアノード電極52が形成され、GaN基板2の裏面22にカソード電極53が形成されている。
アノード電極52は、窒化物半導体積層構造5に対するショットキー電極である。アノード電極52としては、たとえば、Pt(白金)、Ni/Au(ニッケル/金)、Ni/Ti/Au(ニッケル/チタン/金)、Pd/Au(パラジウム/金)、Pd/Ti/Au(パラジウム/チタン/金)、Pd/Pt/Au(パラジウム/白金/金)等を適用できる。これらの材料の適用によって、アノード電極52を窒化物半導体積層構造5に対して良好にショットキー接合させることができる。
一方、カソード電極53は、GaN基板2に対するオーミック電極であって、前述のドレイン電極6と同様に、Al(アルミニウム)、Ti/Al(チタン/アルミニウム)等の導電材料を用いて形成されている。
そして、半導体装置51(ショットキーバリアダイオード)では、アノード電極52に正電圧、カソード電極53に負電圧が印加される順方向バイアス状態が形成される。これにより、矢印54で示すように、カソード電極53からアノード電極52へと二次元電子ガス28を介して電子(キャリア)が移動して電流が流れる。
次に、半導体装置51の製造方法を説明する。
図6A〜図6Dは、図5の半導体装置51の製造工程を説明するための図である。
半導体装置51を製造するには、図6Aに示すように、たとえば、PECVD法(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition:プラズマ化学気相成長法)等によって、GaN基板2の主面21(m面)に絶縁膜4が形成される。次に、フォトリソグラフィ等によって、絶縁膜4がパターニングされて開口部3が形成される。
次に、図6Bおよび図6Cに示すように、開口部3から露出しているGaN基板2の主面21から、いわゆるELO(Epitaxial Lateral Overgrowth)技術によって、III族窒化物半導体を結晶成長させて窒化物半導体積層構造5が形成される。III族窒化物半導体の成長方法としては、たとえば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相成長)、LPE(Liquid Phase Epitaxy:液相エピタキシャル成長)、VPE(Vapor Phase Epitaxy:気相エピタキシャル成長)、MBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシャル成長)等の方法が適用できる。
III族窒化物半導体のエピタキシャル成長について、より具体的に説明すると、まず、図6Bに示すように、GaN基板2の主面21からi型GaNを結晶成長させる。i型GaNを、まず、絶縁膜4の開口部3においてm軸方向に沿う方向に成長しやすい条件(たとえば、成長温度:950℃〜1100℃、成長圧力:20kPa〜80kPa)で結晶成長させる。こうして、図6Bに示すように、第1GaN層10が形成される。
次に、第1GaN層10の表面(上面13および側面14,15)から、i型AlGaNが成長させることによって、AlGaN層11が形成される。
その後、c軸方向に沿う方向に成長しやすい条件(たとえば、成長温度:800℃〜950℃、成長圧力:20kPa〜80kPaTorr)で、m軸方向およびc軸方向に沿う方向にi型GaNを成長させる。これにより、図6Cに破線、一点鎖線および二点鎖線で示すように、平坦な頂面(ファセット)を有するi型GaN層が複数形成された状態を経て、さらにこれら複数のGaN層の隣り合うもの同士が接合して、一体化した第2GaN層12が得られる。こうして、窒化物半導体積層構造5が形成される。つまり、窒化物半導体積層構造5の形成方法は、前述の第1実施形態と同様である。
この後、図6Dに示すように、アノード電極52およびカソード電極53等が形成されることによって、半導体装置51が得られる。
以上、この方法によれば、m面を結晶成長の主面21とするGaN基板2から、絶縁膜4の開口部3を介してIII族窒化物半導体を成長させることによって、−c面(000−1)からなる第1側面14および(10−11)面からなる第2側面15を有するメサ形状の第1GaN層14を自発的に形成することができる。逆に、GaN基板2の主面21全域から第1GaN層10を成長させた後、−c面(000−1)が露出するように当該第1GaN層10をエッチングし、さらに、第1GaN層10上にAlGaN層11および第2GaN層12を再成長させる手法では、多大な工程を要する。
しかしながら、上記の方法では、そのような多大な工程を省略でき、第1GaN層10、AlGaN層11および第2GaN層12を連続したエピタキシャル成長によって形成できるので、半導体装置51を簡単に製造することができる。
さらに、上述の再成長を使用する手法では、再成長界面に酸素等の不純物が取り込まれるので、当該界面にリーク電流が流れるおそれがあるのに対し、半導体装置51では、自発的に形成された−c面(000−1)に沿って第1のヘテロ接合界面26,27を形成できるので、リーク電流の発生を抑制することができる。
一方、互いに隣り合うGaN/AlGaN積層構造(単位セル)の間のトレンチ16を、ELOによって窒化物半導体(第2GaN層12)で埋め込むので、埋め込みの際、隣り合う開口部3から成長してきたGaN同士が接合する位置において結晶欠陥(転位)がm軸方向に沿って発生し易い。しかしながら、この結晶欠陥が発生し易い領域は、絶縁膜4上にあるため、この結晶欠陥に起因してリーク電流が増加することはほとんどない。
さらに、ELOでは、平坦な頂面(ファセット)を有するGaNをトレンチ16内に成長させることができるので、窒化物半導体積層構造5の表面(第2GaN層12の上面17)を極めて平坦な面として形成することができる。これは、トレンチ16を絶縁層で埋め戻し、エッチバックによって窒化物半導体積層構造5の半導体表面を露出する場合に比べて表面の平坦性が良好である。
以上、本発明の実施形態および参考例を説明したが、本発明および参考例は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、窒化物半導体積層構造5において、GaNとの間にヘテロ接合界面を形成するAl含有層は、AlGaN層の他、AlN層、AlGaInN層、AlInN層等であってもよい。
また、前述の第1実施形態および第1参考例では、窒化物半導体積層構造5は、GaN基板2から絶縁膜4の開口部3を介して窒化物半導体を成長させることによって形成されていたが、たとえば、前述の再成長を使用する方法によって形成されていてもよい。つまり、窒化物半導体積層構造5は、GaN基板2の主面21全域から第1GaN層10を成長させた後、−c面(000−1)が露出するように当該第1GaN層10をエッチングし、さらに、第1GaN層10上にAlGaN層11および第2GaN層12を再成長させることによって形成されてもよい。この場合、ELOに比べて工程数が増えることになるが、製造後の半導体装置1,41が図1および図3に示す構成を有していれば、ノーマリオフ型のHEMT構造を有し、かつ高耐圧および高チャネル移動度の両方の特性を兼ね揃えた縦型デバイスを実現することができる。
また、前述の参考例において、窒化物半導体積層構造5の表面は、第2GaN層12の上面17のみによって形成されていなくてもよい。たとえば、図6Cに示す工程で第2GaN層12を形成した後、第1GaN層10の上面13が露出するまでエッチバックすることによって、図7の半導体装置61のように、第1GaN層10およびAlGaN層11の半導体表面が選択的に露出していてもよい。この場合、アノード電極52は、窒化物半導体積層構造5の表面において、第1GaN層10、AlGaN層11および第2GaN層12に跨って形成される。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
なお、上記参考例の実施形態の内容から、特許請求の範囲に記載した発明以外にも、以下のような特徴が抽出され得る。
(項1)
非極性面または半極性面を結晶成長の主面とする窒化物半導体基板と、
前記窒化物半導体基板上に形成され、開口部を選択的に有する絶縁膜と、
前記開口部を通って前記窒化物半導体基板上に形成され、少なくともc面に沿って形成された電子供給層を有する窒化物半導体層とを含む、半導体装置。
(項2)
前記窒化物半導体層は、前記開口部の端部を覆うように形成されている、項1に記載の半導体装置。
(項3)
前記電子供給層は、c面に加えてさらにm面または(10−11)面に沿って形成されている、項1または2に記載の半導体装置。
(項4)
前記開口部は、c軸に交差して延びるc軸側端部および−c軸側端部を少なくとも含み、
前記電子供給層は、前記−c軸側端部からc面に沿って形成されている、項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置。
(項5)
前記開口部は、ストライプ形状に形成されており、
互いに隣り合う前記開口部から成長した前記窒化物半導体層が、当該開口部の間の前記絶縁膜上で結合している、項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置。
(項6)
前記窒化物半導体基板の主面が(10−1n)面(n:任意の数値)であり、
前記開口部は、[11−20]方向に沿って形成されている、項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置。
(項7)
前記窒化物半導体基板の主面がm面であり、
前記開口部は、a軸方向に沿って形成されている、項6に記載の半導体装置。
(項8)
前記窒化物半導体基板の主面が(11−2n)面(n:任意の数値)であり、
前記開口部は、[10−10]方向に沿って形成されている、項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置。
(項9)
前記窒化物半導体基板の主面がa面であり、
前記開口部は、m軸方向に沿って形成されている、項6に記載の半導体装置。
(項10)
前記窒化物半導体層は、ノンドープの窒化物半導体からなる、項1〜9のいずれか一項に記載の半導体装置。
(項11)
前記電子供給層は、AlGax−1N(0<x<1)またはAlNからなる、項1〜10のいずれか一項に記載の半導体装置。
(項12)
前記窒化物半導体層は、前記窒化物半導体基板の主面と同じ面方位の電極配置面を有しており、
前記電極配置面に形成された電極を含む、項1〜11のいずれか一項に記載の半導体装置。
(項13)
前記電極は、前記窒化物半導体層との間にショットキー接合を形成するショットキー電極を含む、項12に記載の半導体装置。
1 半導体装置
2 GaN基板
3 開口部
4 絶縁膜
5 窒化物半導体積層構造
6 ドレイン電極
7 ソース電極
8 c軸側端部
9 −c軸側端部
10 第1GaN層
11 AlGaN層
12 第2GaN層
13 上面
14 第1側面
15 第2側面
16 トレンチ
17 上面
18 AlGaNバリア層
19 凹部
20 n型GaNソース層
21 主面
22 裏面
23 ゲート絶縁膜
24 ゲート電極
25 引き出し部
26 第1のヘテロ接合界面
27 第1のヘテロ接合界面
28 二次元電子ガス
29 二次元正孔ガス
30 第2のヘテロ接合界面
41 半導体装置
43 バリア部
44 二次元電子ガス
45 電子供給部
46 凹部
47 n型GaNソース層
49 第2のヘテロ接合界面
51 半導体装置
52 アノード電極
53 カソード電極
61 半導体装置

Claims (22)

  1. 非極性面または半極性面を結晶成長の主面とする窒化物半導体基板と、
    前記窒化物半導体基板上に形成され、非極性面または半極性面からなる上面、およびc面またはc面に対して30°以下で傾斜した第1側面を有する第1窒化物半導体からなる第1半導体層と、
    前記第1半導体層の上面および第1側面を覆うように形成され、非極性面または半極性面からなる上面、およびc面またはc面に対して30°以下で傾斜した側面を有し、前記第1窒化物半導体とは異なる第2窒化物半導体からなる電子供給層と、
    前記電子供給層の上面および側面に沿って形成され、前記第2窒化物半導体とは異なる第3窒化物半導体からなるキャリア走行層と、
    前記キャリア走行層の上面に沿って形成され、前記第2窒化物半導体よりも広いバンドギャップを有する第4窒化物半導体からなるバリア層と、
    前記バリア層上に形成されたゲート電極とを含む、半導体装置。
  2. 前記窒化物半導体基板の裏面に形成されたドレイン電極と、
    前記キャリア走行層の上面側に、前記ゲート電極から間隔を空けて形成されたソース電極とを含む、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第1半導体層は、非極性面または半極性面からなる前記上面、およびc面またはc面に対して30°以下で傾斜した前記第1側面を有するメサ半導体層を含み、
    前記電子供給層および前記キャリア走行層は、前記メサ半導体層の上面および第1側面を覆うように、この順に積層されている、請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記バリア層は、前記キャリア走行層の上面に選択的に形成されており、
    前記キャリア走行層の上面における前記バリア層が形成されていない領域に形成されたn型のソース層をさらに含み、
    前記ソース電極は、前記ソース層上に形成されている、請求項3に記載の半導体装置。
  5. 前記キャリア走行層は、前記キャリア走行層と前記バリア層との界面よりも深く、前記バリア層に対して自己整合的に形成された凹部を有しており、
    前記ソース層は、前記凹部に埋め込まれ、前記凹部の側面において、前記界面を挟んでキャリア走行層および前記バリア層に跨っている、請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記ゲート電極は、前記バリア層および前記ソース層に跨って形成されている、請求項4または5に記載の半導体装置。
  7. 前記窒化物半導体基板上に形成され、開口部を選択的に有する絶縁膜をさらに含み、
    前記メサ半導体層は、前記開口部を通って前記窒化物半導体基板上に形成されており、
    前記メサ半導体層の第1側面は、c面に沿う側面である、請求項3〜6のいずれか一項に記載の半導体装置。
  8. 前記メサ半導体層は、前記開口部の端部を覆うように形成されている、請求項7に記載の半導体装置。
  9. 前記メサ半導体層は、c面に沿う前記第1側面に加えてさらにm面または(10−11)面からなる第2側面を有する、請求項7または8に記載の半導体装置。
  10. 前記開口部は、c軸に交差して延びるc軸側端部および−c軸側端部を少なくとも含み、
    前記メサ半導体層の第1側面は、前記−c軸側端部からc面に沿って形成された側面である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の半導体装置。
  11. 前記窒化物半導体基板の主面が(10−1n)面(n:任意の数値)であり、
    前記開口部は、a軸方向に沿って形成されている、請求項7〜10のいずれか一項に記載の半導体装置。
  12. 前記窒化物半導体基板の主面がm面である、請求項11に記載の半導体装置。
  13. 前記窒化物半導体基板の主面が(11−2n)面(n:任意の数値)であり、
    前記開口部は、m軸方向に沿って形成されている、請求項7〜10のいずれか一項に記載の半導体装置。
  14. 前記窒化物半導体基板の主面がa面である、請求項13に記載の半導体装置。
  15. 前記キャリア走行層および前記バリア層は、ノンドープの窒化物半導体からなる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の半導体装置。
  16. 前記キャリア走行層がGaNからなり、前記バリア層がAlGaNまたはAlNからなる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の半導体装置。
  17. 前記電子供給層は、第1裏面およびその反対側の第1外面、ならびに前記第1裏面に直交する第2裏面およびその反対側の第2外面を有する断面視L字型の部分を含み、
    前記電子供給層のL字型の部分の第1裏面および第2裏面は、前記第1半導体層に接し、
    前記電子供給層のL字型の部分の第1外面および第2外面は、前記キャリア走行層に接している、請求項1〜16のいずれか一項に記載の半導体装置。
  18. 前記電子供給層の上面に沿って形成された第5窒化物半導体からなる層をさらに含み、
    前記ソース電極は、前記第5窒化物半導体からなる層上に形成されている、請求項2に記載の半導体装置。
  19. 非極性面または半極性面を結晶成長の主面とする窒化物半導体基板と、
    前記窒化物半導体基板上に形成され、開口部を選択的に有する絶縁膜と、
    前記開口部を通って前記窒化物半導体基板上に成長した窒化物半導体層と、
    前記窒化物半導体層の−c面に沿って形成された電子供給層と、
    前記電子供給層の−c面に沿って形成された電子走行層とを含む、半導体装置。
  20. 非極性面または半極性面を結晶成長の主面とする窒化物半導体基板上に、開口部を選択的に有する絶縁膜を形成する工程と、
    前記開口部内から窒化物半導体をエピタキシャル成長させることによって、非極性面または半極性面からなる上面、およびc面またはc面に対して30°以下で傾斜した第1側面を有するメサ半導体層を形成する工程と、
    前記メサ半導体層上に窒化物半導体をエピタキシャル成長させることによって、電子供給層を形成する工程と、
    前記電子供給層上に第1窒化物半導体をエピタキシャル成長させることによって、キャリア走行層を形成する工程と、
    前記キャリア走行層の上面に沿って、前記第1窒化物半導体よりも広いバンドギャップを有する第2窒化物半導体からなるバリア層を形成する工程と、
    前記バリア層上にゲート電極を形成する工程とを含む、半導体装置の製造方法。
  21. キャリア走行層を形成する工程は、非極性面または半極性面からなる平坦な上面が一様に形成されるまで前記第1窒化物半導体をエピタキシャル成長させる工程を含み、
    前記バリア層を形成する工程は、前記キャリア走行層の当該平坦な上面に第2窒化物半導体層を一様に形成した後、前記第2窒化物半導体層が前記キャリア走行層の側面を横切る前記バリア層として選択的に残るように、前記第2窒化物半導体層をエッチングする工程を含む、請求項20に記載の半導体装置の製造方法。
  22. 前記第2窒化物半導体層をエッチングする工程は、前記第2窒化物半導体層が除去された後、そのまま下方の前記キャリア走行層をエッチングすることによって、前記キャリア走行層に凹部を形成する工程を含み、
    前記凹部に、n型のソース層を埋め込む工程と、
    前記ソース層上に、ソース電極を形成する工程とをさらに含む、請求項21に記載の半導体装置の製造方法。
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