JP6443777B1 - 金属皮膜形成品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のレーザめっき法と比較して、安価に実施でき、かつ基材と金属皮膜との密着性に優れた金属皮膜形成品の製造方法及び金属皮膜形成品を提供する。【解決手段】基材の表面を湿式で処理し、乾燥する前処理工程(S1)と、前処理工程後の基材の表面に金属微粒子を含む分散液を部分的に塗布して塗布膜を得る分散液塗布工程(S2)と、塗布膜にレーザ光を照射して基材の表面に金属微粒子の焼結膜を部分的に形成するレーザ焼結工程(S3)とを有することを特徴とする金属皮膜形成品の製造方法を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、金属皮膜形成品の製造方法に関する。
本発明に関係する従来技術として、金属基板へ高い密着性を有するレーザ焼結膜の形成方法を開示する特許文献1がある。この方法は、不働態化被膜を有する母材金属の表面に、金や銀等の貴金属めっきを行う金属皮膜形成方法であり、母材金属の表面にレーザ光を照射して母材金属に形成されている不働態化被膜の分解除去を行う表面活性化工程を有し、その後貴金属ナノ粒子を溶媒に分散させた貴金属ナノ粒子分散液を塗布し乾燥してから、貴金属ナノ粒子塗布膜にレーザ光を照射して貴金属ナノ粒子を焼結する金属皮膜形成方法である。
また、特許文献1では、表面活性化工程の前に、母材金属の表面に撥液剤をコーティングし、撥液剤も同時に分解除去することで、貴金属ナノ粒子分散液の塗布領域を限定する金属皮膜形成方法である。表面活性化工程には、波長532nmのパルスグリーンレーザを用い、また金属ナノ粒子の焼結には波長915nmの定常波の半導体レーザを用いる。
特許第5760060号
上記特許文献1は完全なドライプロセスであり、焼結膜の密着性を得るには有効な方法ではあるが、表面活性化用のグリーンレーザと金属ナノ粒子焼結用半導体レーザの2台の仕様の異なるレーザ照射装置を必要とするために、装置の低コスト化の観点で改善の余地がある。
また、表面活性化工程には、ブラスト処理等の機械的研磨方法があるが、このブラスト工程と金属ナノ粒子レーザ焼結膜形成法を組み合わせてドライプロセスを構築するには、ブラスト研磨粉の飛散の問題や、また外注などの別工程でブラスト処理をした場合、高価となる問題がある。
本発明は、上記事情に鑑み、従来のレーザめっき法と比較して、安価に実施でき、かつ基材と金属皮膜との密着性に優れた金属皮膜形成品の製造方法及び金属皮膜形成品を提供するものである。
本発明は、上記課題を解決するため、基材の表面を湿式で処理し、乾燥する前処理工程と、前処理工程後の基材の表面に金属微粒子を含む分散液を部分的に塗布して塗布膜を得る分散液塗布工程と、塗布膜にレーザ光を照射して基材の表面に金属微粒子の焼結膜を部分的に形成するレーザ焼結工程とを有し、前処理工程は、酸化剤を含む化学研磨液を用いて化学研磨する化学研磨工程を含むことを特徴とする金属皮膜形成品の製造方法を提供する。
本発明のより具体的な構成は、特許請求の範囲に記載される。
本発明によれば、従来のレーザめっき法と比較して、安価に実施でき、かつ基材と金属皮膜との密着性に優れた金属皮膜形成品の製造方法及び金属皮膜形成品を提供することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
従来の湿式めっき法による金属皮膜形成品の製造方法の一例を示すフロー図 本発明のレーザめっき法による金属皮膜形成品の製造方法の一例を示すフロー図 64チタン合金基板の化学研磨工程前のXPS分析の結果を示すグラフ 64チタン合金基板の化学研磨工程、水洗及び乾燥(大気中)工程を経た後のXPS分析の結果を示すグラフ 金ナノ粒子の光の透過、吸収及び反射スペクトルを示すグラフ 本発明の金属被膜形成品の製造方法を実施するための装置の一例を示す模式図 本発明の金属被膜形成品の製造方法を実施するための装置の他の例を示す模式図 実施例2の64チタン基板上に形成した銀ナノ粒子レーザ焼結膜断面のSIM像
本発明者は、上述した背景から、レーザめっきの前処理として、乾式のレーザ処理やブラスト処理を用いるのではなく、湿式の金属めっきの前処理工程を用いることを検討した。すなわち、湿式の金属めっきにおける、脱脂、酸洗及び活性化前処理等の一部又は全部を含む前処理工程と、金属ナノ粒子レーザ焼結法(HLP)による金属基板への金属ナノ粒子レーザ焼結膜形成プロセスを融合した金属基材への金属ナノ粒子レーザ焼結膜の形成方法を検討した。「HLP」(High speed Laser Plating:高速レーザめっき)は、株式会社M&M研究所の登録商標である。
ここで、湿式めっき法の前処理とレーザめっき法のレーザ焼結を合わせる場合に生じ得る問題点について記述する。64チタン(6mass%Al−4mass%V−Ti合金)等のチタン合金の表面に湿式電気めっき法等で部分めっきする場合、チタン合金表面には非常に安定な不働態化被膜であるチタンの酸化被膜(酸化チタン/TiO)が形成されているので、この不働態化被膜を除去する必要がある。このTiO被膜の厚さは、自然酸化被膜では数nm、また圧延加工などにより製造され加熱を受けたチタン材料では数10nm程度である。通常純チタンや、チタン合金基板では、弗酸(HF)水溶液で酸洗いして不働態化被膜を除去してから、電気ニッケルめっきや電気銅めっきを行うが、この方法では十分なめっき密着性が得られない。これは、チタン特有の性質として不働態化被膜の瞬間的な自己修復作用のためである。即ち、酸洗いによる酸化被膜除去後の水洗工程において、水に含まれる溶存酸素により、瞬間的にチタンの酸化被膜が形成されるためである。特に、チタン、チタン合金、コバール、マグネシウム合金及びステンレスでの自己修復作用は瞬間的である。
このことから、通常の工程で高密着性の電気めっき被膜をチタン表面に形成することは非常に困難であり、別の方法としてチタンやチタン合金の表面をアルミナ粉末や石英粉末などの研磨剤による、ブラスト処理(微粒子粉体吹付研磨処理)を行い電気めっきする方法(参考文献1)が一般的に用いられるようになっている。
参考文献1:福井工業大学研究紀要 第29号 1999
この方法では、表面粗化によるアンカー効果で密着性を得る方法であるが、特殊なブラスト処理加工をめっき前に行わなければならず、ブラスト処理を外注するなど工程が増えるほか、高価となる欠点がある。またチタンへのめっき前処理法には下記の参考特許文献2がある。
参考文献2:特開平10−265974号公報
この方法は硫酸とヨウ素源としてのHI又はIを含むエッチング液による、チタン又はチタン合金へのめっき前処理用エッチング液に関するものである。ブラスト処理に替わる微細な凹凸が得られるので、ブラスト代替法として有用であると説明されている。しかしながら、これらのチタンへのこれらチタン合金表面に微細な凹凸を形成する方法は、アンカー効果により密着性を確保する方法のために、金属ナノ粒子レーザ焼結法における相互拡散結合と比較して密着性は低く、温度サイクル試験や熱衝撃試験において剥離や膨れが発生するために、実用上の高い信頼性が得られない。
そこで、本発明者は、鋭意検討の結果、湿式めっきの前処理工程で生じる不働態化被膜の自己修復作用の課題を克服し、レーザめっきにつなげることができる金属皮膜形成品の製造方法を見出した。以下に本発明の金属皮膜形成品の製造方法について、従来の湿式めっき工程と比較しながら詳述する。
図1は従来の湿式めっき法による金属皮膜形成品の製造方法の一例を示すフロー図であり、図2は本発明のレーザめっき法による金属皮膜形成品の製造方法の一例を示すフロー図である。図1に示すように、従来の湿式めっき法による金属皮膜の製造方法では、前処理の5工程、めっき処理の4工程及び後処理の4工程の合計13工程を含む。図2に示す本発明のレーザめっき法による金属皮膜の製造方法は、前処理の6工程及びレーザ焼結処理の3工程の合計9工程となる。本発明では、めっきを乾式のレーザ焼結によって行うことから、湿式の前処理の後に基材を乾燥する必要がある。このため、前処理に乾燥工程(6)が入ることになり、前処理工程は図1の従来の湿式めっきよりも1つ多くなるものの、全体の工程数は本発明の方が大幅に低減できることがわかる。図1と図2との比較から、湿式めっき法は工程が長いために設備費が高価となるほか、廃液や洗浄排水の処理設備が必要になる。
本発明は、従来の湿式めっき法における前処理工程をそのまま利用し、その次工程として金属ナノ粒子レーザ焼結プロセスを連結するものである。このことにより、湿式めっき工程および、湿式めっきにおける洗浄、乾燥などの後処理工程を省略でき、大幅な工程の削減と低コスト化を図るものである。図2は、湿式の電気めっきの前処理工程に、前処理としての乾燥工程(6)と金属ナノ粒子レーザ焼結プロセス(7)〜(9)を連結した例を示している。
次に、本発明の金属皮膜形成品の製造方法について詳述する。本発明の金属皮膜形成品の製造方法は、基材の表面を、酸化剤(強制酸化剤)を含む化学研磨液を用いて化学研磨する化学研磨工程(酸洗(S1))と、化学研磨した基材の表面に金属微粒子を含む分散液を塗布して塗布膜を得る分散液塗布工程(S2)と、塗布膜にレーザ光を照射して金属微粒子の焼結膜を得るレーザ焼結工程(S3)を必須の工程として含む。
金属皮膜を形成する基材としては、特に限定は無いが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、ステンレス鋼、コバール、ハステロイ、銅、銅合金及びニッケルめっき金属からなる基材が挙げられる。本発明は、特に自然環境において強固な不働態化酸化被膜を形成し、湿式の電気めっきでは高密着性のめっき被膜の形成が困難な金属材料(難めっき材料)に対して有効である。金属ナノ粒子レーザ焼結法では、レーザエネルギーにより基材と金属ナノ粒子界面が加熱されるので、基材上に薄い不働態化被膜があったとしても、その欠陥部から金属原子が相互拡散され、高密着強度のレーザ焼結膜が得られる特徴を持っている。自然環境において強固な不働態化被膜を生ずる金属としては、チタン、チタン合金、ステンレス鋼、マグネシウム合金、アルミニウム、アルミニウム合金、コバール、ハステロイなどが知られている。レーザ焼結工程については、追って詳述する。
図2に示すように、基材に対して脱脂処理(1)及び水洗処理(2)を行ってもよい。これらの処理は、従来の湿式めっき法と同様である。脱脂は、基材の油分をアルカリ性の脱脂液で分解洗浄除去する処理である。脱脂処理として、浸漬法と陰極電解脱脂法及び超音波脱脂法が主に用いられる。また脱脂法では炭化水素等の有機溶剤による洗浄や界面活性剤を含む水溶液に浸漬する方法等もある。
化学研磨工程(S1)は、基材表面に形成された不働態化被膜の除去と基材表面をエッチングすることを目的として行う。この工程は、酸に難溶性の不純物や添加金属元素も溶解除去できる特徴がある。シリカやカーボンは除去できないが、これらは付着微粒子として付着するので、これらが含まれる場合には化学研磨後の水中で超音波洗浄を行うことで除去できる。
この化学研磨工程では、不働態化被膜を溶解除去し、さらに強制酸化剤の作用により基板の表層を0.1〜数μm程度材料に応じて溶解して、基材表面の金属原子を露出させるとともに、研磨作用により基板表面を平滑化することができる。強制酸化剤の作用は、下記参考文献に記載がある。
参考文献:表面技術 川村;過酸化水素系化学研磨液の原理と応用Vol.57 No.12 PP.26−30
化学研磨の原理は、金属を強制酸化剤で一旦酸化し、可溶性の塩として溶解させるものである。このため、残渣が残ることなくエッチングすることが可能である。
この強制酸化剤を含む化学研磨液で処理した場合、1nm程度の厚さの不働態化被膜を除去し、さらに母材をエッチングするので、金属材料の表面傷のほか転位欠陥等の格子欠陥を除去することができる。金属材料は圧延などにより不働態化被膜の厚さが数nmの厚さとなり、また表面に加工歪が残る場合もある。このため、化学研磨液によるエッチング深さは材料種及び加工履歴によって異なるため、最適なエッチング条件(化学研磨液の組成及び処理時間)と深さを材料及び加工履歴によって選定することが好ましい。
化学研磨工程で使用する化学研磨液としては、市販の物を用いることができる。例えば、菱江化学株式会社製の化学研磨液クリーンエッチTCP−09(「クリーンエッチ」は菱江化学株式会社の登録商標である。)を用いることができる。この化学研磨液は、水に酸性フッ化アンモニウムと酸化剤として過酸化水素水を添加した研磨液である。化学研磨工程S1後、基材に残留する化学研磨液を除去するために基材を水洗(5)し、乾燥(6)を行うことが好ましい。乾燥は、不働態化被膜を特に形成しやすい基材においては、基材表面への不働態化被膜の形成を防止するために、不活性雰囲気中や真空中で行うことが好ましい。不活性ガス雰囲気は、例えば窒素(N)ガスを吹き付けて乾燥することが好ましい。
図3は64チタン合金基板の化学研磨工程前のXPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy)分析の結果を示すグラフであり、図4は64チタン合金基板の化学研磨工程、水洗及び乾燥(大気中)工程を経た後のXPS分析の結果を示すグラフである。また、表1は化学研磨前後の表面のXPS分析による原子比率(atomic%)を示す。表1には64チタン合金の合金成分も併記する。
Figure 0006443777
図4に示すように、化学研磨後は化学研磨前には現れない純鉄(Fe2p)のピークが現れる。64チタン合金には圧延性を良くするために0.4mass%>の鉄を添加するが、化学研磨前は鉄のピークは見られない。表1からもFe2pは0mass%である。
また、化学研磨前の64チタン合金基板の表面はTiとOの原子比率から、二酸化チタン(TiO)であることが解る。したがって化学研磨工程前の64チタン合金基板の表面はTiOの不働態化被膜で覆われていることが解る。化学研磨後もTiOの存在は確認できるが、Feの成分が2.12mass%現れる。このことから、化学研磨後の64チタンの表面は、TiOの不働態化被膜とFeが共存した状態になっている。この程度Feが露出した基板に金属ナノ粒子ペーストを塗布してレーザ照射した場合、Feと金属ナノ粒子が相互拡散する結果、基板と焼結膜との高い密着性が得られる。
さらに、本発明は、化学研磨工程の後に、酸化防止剤(インヒビター)を添加した洗浄水で前記基材を洗浄して基材の表面に酸化防止皮膜を形成する酸化防止皮膜形成工程を有していてもよい。上述したように、チタン及びチタン合金は、化学研磨工程後、基材の表面に不働態化膜があったとしても、露出したFeの存在によって、基材と焼結膜との高い密着性を実現できる。しかしながら、チタン及びチタン合金よりも不働態化膜の自己修復作用が大きく、化学研磨工程後に瞬時に不働態化膜で覆われてしまう基材に対しては、不働態膜の形成を防止するために、化学研磨工程後の基材の表面に酸化防止皮膜を形成することが有効である。さらに、酸化防止皮膜は撥水性を有し、金属ナノ粒子分散液の飛散を防止できるため、金属ナノ粒子分散液を塗布する前の撥水剤の塗布が不要となる。また、酸化防止皮膜をレーザ照射により部分的に分解除去することで、分解除去した部分にのみ金属ナノ粒子分散液を塗布することができる。このことによって、塗布エリアの特定がより可能となり、塗布境界に鮮明なパターン形成が可能になる。ディスペンサやインクジェット印刷の場合、液滴を飛ばすためにパターンの境界に液滴の形状が残るのに対して、この方法ではパターンの境界が直線であり、より鮮明なパターン、例えば文字印刷なども可能になる。酸化防止皮膜の分解除去には半導体レーザやYAGレーザを用いることができるので、金ナノ粒子の焼結と同じレーザ線源を使用できる。
酸化防止剤を含む混合液は、具体的には、水にDICHAN(ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライド)を0.1mass%添加した混合液を使用することができる。このような混合液を用いることで、基材の表面に酸化防止皮膜を形成し、例え大気中であっても不働態化膜の自己修復を防止することができる。このような酸化防止皮膜の表面に金属ナノ粒子分散液を塗布し、レーザ光を照射することで高い密着強度のレーザ焼結被膜を形成できる。酸化防止剤にはDICHANの他、アルミニウムやニッケル等に有効なアミン系化合物のベンゾトリアゾール等も用いることができる。酸化防止剤として、トリアゾール系、イミダゾール系又は亜硝酸塩類を用いることができる。金属の種類によって、最適な酸化防止剤を選定する。
次に、基材の表面に金属ナノ粒子分散液(導電性ペースト)を塗布する(S2)。金属ナノ粒子分散液としては、例えば、平均粒子径が1〜100nmの金、銀、銅、スズ又はニッケル等の高導電性金属ナノ粒子を、有機溶剤、バインダー及び粘度調整剤等を混合した粘性体に均一分散させたものを用いることができる。導電性ペーストの印刷方法には、スクリーン印刷及びディスペンサ印刷等によるパターン印刷を用いることができる。また、スキージーを用いた全面印刷を行い、後述する導電性金属皮膜形成工程後に、レーザ光を照射した部分以外の部分の導電性ペーストを溶剤で除去する方法でも構わない。
金属ナノ粒子分散液の粘度は、インクジェット印刷やディスペンサ印刷では5〜10mPa・sが好ましい。粘度が5mPa・s未満であると、金属粒子の含有量が少なくなり、溶剤成分が多くなるため、後述する乾燥工程における乾燥時間が長くなる。また、10mPa・sを超えると、粘度が高くなり過ぎて、印刷性が悪くなる。
塗布膜の膜厚(導電性ペーストの印刷厚さ)は、レーザ焼結工程(S3)で得られる最終の必要膜厚より厚く塗布する。導電性ペーストの中の金属粒子の容積比率によるが、容積比率が10%の場合には、目標とする焼結膜の厚さの10倍程度の厚さを塗布する。
導電性ペーストの印刷後、印刷した導電性ペーストに含まれる余分な有機溶剤を除去する目的で加熱乾燥(8)を行う。乾燥温度と時間の条件は、大気中での乾燥における金属粒子の酸化を抑制するために、温度は100〜120℃とし、時間は1〜15minとすることが好ましい。乾燥処理は、大気圧の1/2程度(0.05MPa)の弱い減圧下で行うと時間を短縮することができる。
次に、乾燥処理を行った塗布膜の表面にレーザ光を照射し、金属微粒子の焼結膜を得るレーザ焼結工程(S3)を実施する。このレーザ焼結工程S3は、レーザエネルギーにより金属ナノ粒子を焼結するとともに、金属ナノ粒子分散液を透過したレーザ光によって基板を加熱し、基板加熱による金属ナノ粒子の金属原子と基板の金属原子の相互拡散を促進し高い密着強度を得るものである。塗布膜に含まれる金属粒子焼結のためのレーザ照射条件は、周波数、ビーム径、パワー(又はエネルギー)、走査速度及びレーザビーム焦点位置等を、基材と金属皮膜との密着が得られ、また金属ナノ粒子が焼結する値に設定する。
図5は金ナノ粒子の光の透過、吸収及び反射スペクトルを示すグラフである。図5に示すように、金ナノ粒子は半導体レーザの915nmの波長域において、70%の高い透過率を有し、また吸収率は20%である。このためにレーザエネルギーの70%は透過して金属基板の加熱に消費される。レーザ照射により基板界面は急速に温度が上昇して、一方金ナノ粒子は焼結が開始される。この時、金属基板と金ナノ粒子の界面では、お互いの金属原子の相互拡散が加速される。また急激な温度上昇で、金ナノ粒子分散液中の溶剤成分は膨張し揮発し逸脱する。
このように金属ナノ粒子レーザ焼結法による金属基板への焼結膜の形成方法は、装置が単純化されるのみでなく、密着性にすぐれた膜が得られる点で、自動車や航空機用途に求められる温度サイクル試験や熱衝撃試験などの信頼性試験に耐えるという大きな特徴を持っている。
レーザ光としては、上述した915nmの波長を有する半導体レーザの他、波長が1064nmのYAGレーザ及び波長が532nmのNd:YVOグリーンレーザも使用することができる。
図6は本発明の金属被膜形成品の製造方法を実施するための装置の一例を示す模式図であり、図7は本発明の金属被膜形成品の製造方法を実施するための装置の他の例を示す模式図である。図6は長尺の金属条15aを連続的に巻き取りながら金属条の表面に部分的に金属ナノ粒子焼結膜を形成する装置の例を示す。また図7には、金属加工部品を搬送機により順次搬送して処理する装置の例を示す。
図6の装置で基材(金属皮膜を形成する対象)となる金属条は、半導体用リードフレームに使用される銅合金条、ニッケルめっき銅合金条、42アロイ条(42mass%Ni−Fe)、コバール条等であり、通常0.1−0.3mmの厚さで、幅は20−50mm、長さは200m程度である。このような金属状は、従来連続的に巻取方式で電気めっきがなされていた。通常、半導体用製品では、金属皮膜として、金又は銀の部分めっきがなされる。また、コネクター用途では、バネ特性に優れたリン青銅、ニッケルめっき処理したリン青銅、高強度銅合金及びステンレス等が使用される。コネクタの場合は金めっきが主流であるが、銀めっきや錫めっきの場合もある。また、これら条はプレス加工前の平坦な板の場合と、プレス加工済の場合があるが、いずれの場合も連続的に巻き取りながら電気めっき加工している。
通常の電気めっきの場合、装置幅約2m、長さは30m程と長くなるが、これは前処理工程が約10m、めっき工程が約10m、後処理工程が約10mの合計の長さである。本発明によれば、前処理工程は同じく10m程度であるが、金属ナノ粒子分散液塗布工程、乾燥及びレーザ照射工程の合計長さは2m程度なので、装置長さの合計を12m程度に短縮できる。この長さは、従来の湿式電気めっき方式の長さ30mの約1/3の長さである。この分装置設置建屋面積は小さくて済む。
また、通常、連続巻取式の電気めっき装置の価格は、6000万円程度であるがこの内前処理工程の占める価格は1000万円程度である。これは電気めっきにおいては、直流電源や後処理工程の価格が高いためである。本発明の金属被膜形成品の製造方法を実施するための装置とすることで、装置価格は前処理工程価格1,000万円は同じであるが、レーザめっき工程の価格は合計で2000万円程度なので、本発明による装置価格は合計3000万円と低コスト化できる。この価格は、湿式の電気めっき装置の約1/2である。
また、前処理工程で排出される酸及びアルカリ性水溶液は、有害物質を含まないため特別の廃液処理装置や排水処理装置を必要としない。しかし、湿式電気めっきでは、シアン等の有害物質の処理装置や貴金属回収装置及び高純度水製造装置等、装置価格6000万円の他に3000万円程の付帯設備費用が発生する。この価格を含めると湿式の電気めっき装置は、合計9000万円となるので、この価格は本発明の装置価格の3倍となり非常に高価である。
金や銀のめっき加工は、半導体用、コネクタ用いずれの場合も部分めっきがされるが、湿式の電気めっきでは、軟質のシリコーンゴムを硬質の樹脂基板に加工し、微細な穴加工を施したマスクを押し当ててめっきを行う。このめっきマスクは非常に高価であり、湿式の部分電気めっき装置では、このめっきマスクは消耗品なのでマスク交換費用の維持費が嵩むことになる。部分めっきの範囲は最大φ1mm、最小φ0.2mm程度であり、図6の金属ナノ粒子分散液塗布膜8´、レーザ焼結膜10´に示すような形状である。また、部分めっき形状は、円形や矩形の形状があり、この形状に応じて電気めっきではマスクの穴加工がなされる。本発明の金属ナノ粒子レーザ焼結膜形成装置では、金属ナノ粒子分散液を微量吐出できる高速描画ディスペンサ12を備えており、部分めっきの形状に応じてその都度パターン変更がディスペンサのソフト入力変更で可能である。このために、湿式の電気めっきのように、その都度マスクを新たに購入する必要が無くなる。湿式電気めっき用マスクの費用は通常100万円程度かかるので、この価格が製品コストに加算され、生産数量が少ない場合コストアップに繋がる。この点本発明では、マスクにかかる費用は発生しない。
本発明における溶剤乾燥装置9は、金属ナノ粒子分散液の溶剤の一部を除去するために行うが、金属ナノ粒子分散液塗布装置8において、塗布ステージを100℃程度に昇温した場合、特に金属ナノ粒子分散液の塗布量が少ない場合には、溶剤乾燥は省略できる場合がある。残存溶剤を完全に除去した場合、金属ナノ粒子は凝集を開始して、内部に溶剤が残存したまま凝集した凝集膜を形成するので、内部に多量のボイドを発生した膜となり、後続のレーザ照射においてもボイド欠陥の多い焼結膜となる。このため乾燥条件は、金属ナノ粒子塗布膜の厚さ、金属条の材質(形状、熱伝導率)、塗布ステージの温度、金属ナノ粒子分散液の粘度、溶剤含有量等に応じて最適な乾燥条件を設定する。乾燥方法には熱風乾燥、赤外線ヒーター加熱、ステージ加熱、減圧乾燥など多くの方法を用いることができる。
レーザ照射装置10では、波長915nmの定常波半導体レーザや波長1064nmの定常波YAGレーザを用いることができる。レーザ照射光学系13では、ガルバノミラー方式の高速描画照射が可能な光学系を用いることができる。また高速のレーザ照射位置座標設定には、高速移動が可能な性XYZステージを用いて行うこともできる。レーザ光の発振器14は小型なので、金属ナノ粒子レーザ焼結膜形成装置のステージの近傍に配置すれば良い。
図7には、プレス加工や切削加工で加工された単品の金属加工部品用の金属ナノ粒子レーザ焼結膜形成装置の例を示す。単品の金属加工部品では、作業員が手作業で金属部品を部品吊り下げラックに取り付けて、手作業で各工程を搬送することも行われるが、図7は自動搬送方式の場合を示している。この方式は部品送り出し機(部品搬送機)2bを用いて金属加工部品15bを搬送する方式である。搬送機は上下および横移動が可能であり、また処理時間のプログラム設定が可能である。部品搬送の機構が変わるのみで基本的な機能は図3の連続巻き取り方式と同じであるが、連続巻き取り方式と比較して、巻出し機、巻き取り機が無い分装置の長さを短縮できる。しかし装置価格は巻取方式と搬送方式では大きく変わらず、3000万円程度である。単品の部品搬送は、少量多品種に対応が可能なことであるために、半導体リードフレームやコネクタ用のほかに切削加工やプレス加工した多くの用途の金属加工部品に適している。例えば最近、チタンの加工品やステンレス加工品、コバール加工品、マグネシウム合金加工品などが、次世代のEV用や航空機、用途に開発されているが、これらの試作開発用にも対応が可能である。
以下に、実施例に基づき本発明をより具体的に説明する。
本実施例では、基材としてチタン合金基板を用意し、この基板の表面に銀ナノ粒子の焼結膜を形成した金属皮膜形成品を作製し、密着性を評価した。
64チタン合金基板(6Al−4V−Ti合金、t0.41mm×12.5mm×12.5mm)をアルカリ系脱脂液により1分間の超音波脱脂処理を行い、水道水で洗浄した後、化学研磨液クリーンエッチTCP−09(菱江化学株式会社製化学研磨液)により化学研磨処理した。この化学研磨液は、この化学研磨液は、酸性フッ化アンモニウムを10mass%と強制酸化剤として過酸化水素20mass%を含む、64チタン合金や純チタン専用の水系の化学研磨液である。該化学研磨液によって、表面の不働態化被膜の除去のみならず金属基板(母材)の表面をエッチングして平滑化する処理が可能である。化学研磨処理条件は、常温において90秒とし、基板の約1μmの厚さをエッチングした。
エッチングした基板の表面に、銀ナノ粒子ペーストNPS−J(ハリマ化成株式会社製)をスピンコート法により約3μmの厚さになるように塗布し、その後大気中において100℃×1min間乾燥して、銀ナノ粒子ペースト中に含まれる余分な溶剤成分を除去した。
その後、波長915nmの半導体レーザ光(定常波)を、銀ナノ粒子塗布膜に照射して銀ナノ粒子ペーストを焼結した。レーザ照射条件は、ビームスポット径0.4mm、出力10W,走査速度0.5mm/sとした。レーザビームを走査することで、ライン状の焼結膜を形成できた。
レーザ焼結銀ナノ粒子膜の密着性を、接着端子の引張強度試験により測定した。その結果、351kg/cmの高い密着強度を得ることができた。
実施例2は、実施例1の化学研磨処理後に酸化防止皮膜形成工程を実施し、それ以外は実施例1と同様にして64チタン合金基板に銀ナノ粒子の焼結膜を形成した。酸化防止皮膜形成工程は、酸化防止剤(インヒビター)としてDICHAN0.1mass%を含む水洗水で基板を洗浄してから純水による仕上げ洗浄を行い、乾燥することで、64チタン基板表面にDICHANの酸化防止被膜を形成した。
レーザ焼結銀ナノ粒子膜の密着性を、接着端子の引張強度試験により測定した。その結果、実施例1よりも10%高い393kg/cmの高い密着強度を得ることができた。これは、化学研磨処理後に酸化防止皮膜を形成することで、チタンが自己修復によって不働態化被膜を形成することを防止できたためであると考えられる。
図8は64チタン基板上に形成した銀ナノ粒子レーザ焼結膜断面のSIM像である。図8に示すように、銀の結晶組織が明確に観察され、銀ナノ粒子が焼結してバルク化していることが解る。焼結膜の厚さは約0.3μmであり、バルク化によって塗布膜厚さ(約3μm)の1/10の厚さとなっている。焼結膜には膜内に大きさが直径約2μm程度の空孔(ボイド)が見られるが、これは銀ナノ粒子ペースト中に含まれる残留溶剤成分の凝集が原因の独立空孔である。通常湿式の電気めっきではピンホールと呼ばれる貫通孔が一般的であるが、レーザ焼結膜では、貫通しない独立空孔となる特徴がある。湿式電気めっきでは、電流密度やめっき液のpH調整等によりピンホールの発生を少なくできるのに対して、レーザ焼結では銀ナノ粒子ペースト塗布後の乾燥条件や、レーザ照射条件の最適化により空孔の発生を少なくすることが可能である。
[比較例1]
比較例1では、実施例1において64チタン合金基板表面の化学研磨に代えて、エメリー紙で研磨処理した。具体的には、64チタン合金基板表面を常温大気中で#4000のエメリー研磨紙による自動回転研磨を行った。それ以外は実施例1と同様にして基板の表面に銀ナノ粒子焼結膜を形成し、密着性の評価を行った。その結果、245kg/cmの密着強度の銀ナノ粒子レーザ焼結膜が得られた。この値は、実施例1の化学研磨法と比較して、約40%低い密着強度となった。これは、エメリー研磨による摩擦熱で酸化膜が瞬時に厚く再生されるために密着性が低下したと考えられる。
[比較例2]
比較例2では、実施例1において化学研磨に代えてアルカリ水溶液で1分間の超音波脱脂処理を行った。それ以外は実施例1と同様にして基板の表面に銀ナノ粒子焼結膜を形成し、密着性の評価を行った。その結果130kg/cmの密着強度の銀ナノ粒子レーザ焼結膜が得られた。この値は、実施例1の値の約1/3の密着強度である。これは、64チタン合金基板表面の不働態化被膜が、64チタン合金基板と銀ナノ粒子レーザ焼結膜間の金属原子の相互拡散を抑制する、完全な拡散バリア膜となったためである。
実施例1及び比較例1〜2の結果から、64チタン合金基板表面の不働態化被膜を除去し、さらに母材をエッチングする方法として、化学研磨液を用いる方法が最も優れていることが明確となった。これに対してエメリー紙による機械的な研磨法や表面の付着油分を除去する脱脂処理のみでは、十分な密着性が得られないことが判明した。
以上、本発明によれば、従来のレーザめっき法と比較して、安価に実施でき、かつ基材と金属皮膜との密着性に優れた金属被膜形成品の製造方法を提供することができることが実証された。
湿式電気めっき等で実施される前処理工程に、金属ナノ粒子レーザ焼結膜形成プロセスを連結することで、以下の効果が得られる。
(i)めっき装置コストを1/2に低減できる。
(ii)めっき装置の長さを1/3に短縮でき、装置設置面積を小さくできる。
(iii)めっき製品のコスト低減が図れる。
(iv)安定な不働態化被膜を形成し、従来の湿式めっきでは、密着性に優れためっき被膜の形成が困難な、チタン、チタン合金、ステンレス鋼、マグネシウム合金、アルミニウム、アルミニウム合金、コバール、ハステロイ等の高耐食性金属基板に対して、高い密着性を有する金属ナノ粒子レーザ焼結膜を安価に形成できる方法を提供する。
(v)安定な不働態化被膜を形成し、めっき被膜の形成が困難な、チタン、チタン合金、ステンレス鋼、マグネシウム合金、アルミニウム、アルミニウム合金、コバール、ハステロイなどの高耐食性金属基板に対して、高い密着性を有する金属ナノ粒子レーザ焼結膜することで、これら材料の電気接点材料や、半導体実装基板への応用が可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…金属ナノ粒子レーザ焼結膜形成装置、2a,2b…送り出し機、3…脱脂槽、3´…脱脂液、4…水洗槽、4´…水洗水、5…酸洗槽、5´…酸洗液、6…水洗槽、6´…水洗水、7…乾燥装置、7´…ヒーター、8…金属ナノ粒子分散液塗布装置、8´…金属ナノ粒子分散液塗布膜、9…溶剤乾燥装置、9´…ヒーター、10…レーザ照射装置、10´…レーザ焼結膜、11…巻取機、12…ディスペンサ、13…レーザ照射光学系、14…発振器、15a…金属条、15b…金属部品。

Claims (10)

  1. 基材の表面を湿式で処理し、乾燥する前処理工程と、
    前記前処理工程後の前記基材の表面に金属微粒子を含む分散液を部分的に塗布して塗布膜を得る分散液塗布工程と、
    前記塗布膜にレーザ光を照射して前記基材の表面に前記金属微粒子の焼結膜を部分的に形成するレーザ焼結工程とを有し、
    前記前処理工程は、酸化剤を含む化学研磨液を用いて化学研磨する化学研磨工程を含むことを特徴とする金属皮膜形成品の製造方法。
  2. さらに、前記化学研磨工程と前記分散液塗布工程との間に、酸化防止剤添加水洗水で前記基材を洗浄して前記基材の表面に酸化防止皮膜を形成する酸化防止皮膜形成工程を含むことを特徴とする請求項に記載の金属皮膜形成品の製造方法。
  3. さらに、前記酸化防止皮膜形成工程と前記分散液塗布工程の前に、前記基材を不活性ガス雰囲気又は真空中で乾燥させる乾燥工程を有することを特徴とする請求項に記載の金属皮膜形成品の製造方法。
  4. 前記酸化防止皮膜の表面に赤外線領域のレーザを照射して前記酸化防止皮膜を除去し、
    前記酸化防止皮膜を除去した部分に前記分散液を塗布することを特徴とする請求項又はに記載の金属皮膜形成品の製造方法。
  5. 前記酸化防止剤は、トリアゾール系、イミダゾール系又は亜硝酸塩類であることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の金属皮膜形成品の製造方法。
  6. 前記基材がチタン又はチタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、ステンレス鋼、コバール、ハステロイ、銅、銅合金又はニッケルめっき金属からなることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の金属皮膜形成品の製造方法。
  7. 前記金属微粒子は、金、銀、銅、スズ又はニッケルからなり、平均粒子径が1〜100nmであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の金属皮膜形成品の製造方法。
  8. 前記レーザ光は、波長が1064nmのYAGレーザ、波長が915nmの半導体レーザ又は波長が532nmのNd:YVOグリーンレーザであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の金属皮膜形成品の製造方法。
  9. 前記基材は長尺の金属条又はプレス加工された金属条であり、前記金属条を連続的に巻出し、前記前処理工程、前記分散液塗布工程及び前記レーザ焼結工程を実施して前記金属条の表面に連続的に、かつ、部分的に金属皮膜を形成した後、前記金属条を巻取ることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の金属皮膜形成品の製造方法。
  10. 前記基材は平板又はプレス加工された三次元構造を有する金属部品であり、前記金属部品を搬送しながら前記前処理工程、前記分散液塗布工程及び前記レーザ焼結工程を実施して前記金属部品の表面に連続的に、かつ、部分的に金属皮膜を形成することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の金属皮膜形成品の製造方法。
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