JP6442205B2 - カートン収容段ボール箱及びその製造方法 - Google Patents
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Description
このようなことから、カートンの上面と段ボール箱の内フラップ部との間に上部空間となる空隙を大きく設ける対策が採られている。しかしながら、上部空間を大きくすると、下段側のダンボール箱が重みによって上部空間を圧縮するように潰れて側面が膨らむ胴膨れという現象が発生し、ダンボール箱が潰れると共に、保管時に段ボール箱が傾いて危険な状態になるおそれがある。また、段ボール箱のサイズが大きくなるため、輸送効率が低下する。一方、ダンボール箱やカートンの強度を高めて潰れ難くすると、コストアップに繋がってしまう。
すなわち、本発明は、段ボール箱に収容されるカートンのサイズを小さくすることなく、段ボール箱の内フラップによるカートンの潰れを抑制したカートン収容段ボール箱及びその製造方法の提供を目的とする。
(前記カートンの上面と前記段ボール箱の前記外フラップの内面との距離)−(前記内フラップの前記最小厚さ)で表される差分が0〜18mmであることが好ましい。
前記カートンは紙からなり、その坪量が250〜400g/m2であることが好ましい。
(前記内フラップの前記最小厚さ)/(前記内フラップの前記最大厚さ)=0.40〜0.90であることが好ましい。
(前記カートン内の前記紙製品の組数)/(前記カートンの高さ)で表される比が、2.8〜4.3であることが好ましい。
図1は、本発明の実施形態に係るカートン収容段ボール箱100の上面を開口した状態の斜視図、図2はカートン収容段ボール箱100の外フラップに沿う断面図である。カートン収容段ボール箱100は、紙製品入りのカートン20を段ボール箱10に複数個収容してなる。段ボール箱10は、上下面にそれぞれ一対の外フラップ2と、一対の内フラップ4とを有し、カートン20は長辺方向を上下方向Uに沿って2段に重ねて段ボール箱10に収容されている。
段ボール箱10は、展開図3に示すように、縦折り罫線R3、R3、R3により分割された4枚の胴部6と、そのうち2つの離間する胴部6の上下に横折りの外フラップ罫線R1を介してそれぞれ繋がる外フラップ2と、別の2つの胴部6の上下に横折りの内フラップ罫線R2を介してそれぞれ繋がる内フラップ4と、を有している。隣接する外フラップ2と内フラップ4との間には切断線Cが入れられ、各フラップ2,4が切り離されている。最外側の胴部6の端部には糊代パネル6fが設けられ、糊代パネル6fを他端側の胴部6の外面又は内面に接着等することで、胴部6が四角柱状に起函される。
なお、ホットメルトによって固定する場合、上記一対の内フラップ4の面積に対する上記一対の外フラップ2の面積の割合は、1.1〜2.0であることが好ましい。上記割合が上記範囲を超えると、外フラップ2の面積が内フラップ4の面積に対して大きくなり過ぎ、ホットメルト用の接着剤をつける部分(糊代)が少なくなり、フラップをうまく固定できない場合がある。一方、上記割合が上記範囲未満であると、段ボールが正方形に極めて近くなり(上記割合が1.0の場合、正方形になる)、カートンの収納形態が制限される。また、フラップの面積が大きくなり、コスト増となる場合がある。内フラップ4の面積に対する外フラップ2の面積の割合は、1.1〜1.8が好ましく、1.2〜1.6がより好ましく、1.2〜1.4が更に好ましい。
ここで、対向する外フラップ2同士を合わせると両者は突合せとなり、外フラップ2同士の合計幅は、段ボール箱10の幅とほぼ一致して段ボール箱10の底面及び上面を形成する。一方、対向する内フラップ4同士を合わせても突合せにならず、内フラップ4同士の合計長さは、段ボール箱10の長手方向の長さより短くなり、対向する内フラップ4の間に段差が生じる。このように突合せにならない内フラップ4の場合、上述のようにカートン収容段ボール箱100を複数積み上げると、下段側の段ボール箱が重みで潰れて内部のカートンも潰れるおそれがある。
そのため、本発明は、突合せにならない内フラップ4を有する段ボール箱10を対象とする。
ここで、内フラップ4の最小厚さ4ptは、図1に示す内フラップ4の厚さ方向に潰された領域4pのうち最小の厚さである。又、外フラップ2は厚さ方向に潰されなくてよい。
なお、内フラップ4のうち厚さ方向に潰される領域は、内フラップ4のうち85%以上の面積とし、好ましくは90%以上の面積、より好ましくは93%以上の面積であるが、上限を99%とするのがよい。これは、後述するように、内フラップ4に厚さ方向に潰されない部位4eを1%以上の面積で設けるためである。
外フラップ2の厚さ2t、内フラップ4の最小厚さ4ptは、シックネスゲージ(尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK G」)を用いて測定する。測定条件は、測定力1.8N以下、測定子直径10mmで、測定子の間に試料をセットし、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取った。なお、測定は、10カ所測定し、厚さ2tの場合はその10点の平均値を採用し、最小厚さ4ptの場合は10点のうちの最小値5点を平均する。
一方、内寸ILが510mmを超えると、段ボール箱10に収容されるカートン20の長辺Lも250mmを超えて大きくなり、カートン収容段ボール箱100を複数積み上げたときに下段側の段ボール箱10が重みで潰れ、内部のカートン20も潰れ易くなる。内寸ILは、430〜490mmが好ましく、450〜470mmがより好ましい。
なお、カートン20が紙からなる場合、その坪量が250〜400g/m2であることが好ましい。カートン20の坪量が250g/m2未満であると、カートン20の強度が低下してカートン20が潰れ易くなる。カートン20の坪量が400g/m2を超えると、カートン20の強度は高くなるがコストアップになる。
カートンの坪量は、250〜360g/m2であることが好ましく、250〜300g/m2であることがより好ましい。カートン20の坪量は、上記範囲においてなるべく低坪量の方が好ましい。これは、内フラップ4及び外フラップ2を内側に折り込んだ際に内フラップ4を潰す効果が大きくなり、カートン20のコストも低くなるからである。
一方、上記部位4eが潰されると、上記接続部位の強度が低下し、段ボール箱10の開口部が歪んだりして保形性が低下するため、カートン20を段ボール箱10に梱包(収容)し難くなって操業性が劣ることがある。
なお、最大厚さ4etは上述のPEACOCK Gを用いて上述の条件で測定する。測定は、部位4e内を10カ所測定し、10点のうちの最大値5点を平均する。又、PEACOCK Gの測定子は上述のように直径が10mmであり、部位4eとして内フラップ罫線R2から先端(内フラップ4の自由端)に向かって5mm以内の領域を設定した場合に、この領域のみを測定することは難しい。但し、PEACOCK Gの測定条件下では、内フラップ4が測定子で潰される影響は小さいため、部位4eが一部含まれるように測定子をセットして測定した時の値を最大厚さ4etとして差し支えない。
なお、図5に示すように、内フラップ4のうち罫線R2に近い部位4xは、罫線R2を設ける際に若干圧縮され、段ボールに起函する前のシートの厚さに比べて薄くなる場合がある。又、内フラップ4の領域4pを潰す際、領域4pより内側の部位4eも圧縮されることがある。
従って、部位4eを積極的に圧縮せず、シートの厚さが外フラップ2と内フラップ4で同一であったとしても、内フラップ4の最大の厚さ4etが圧縮前のシートの状態での厚さ(=外フラップ2の厚さ2t)より小さくなることもあり、各フラップの厚さは、外フラップ2の厚さ2t≧内フラップ罫線R2から先端に向かって30mm以内の一部の内フラップ4の最大厚さ4et>内フラップ4の最小厚さ4ptとなる。
カートン及びそれに収容される紙製品の種類、材質や、紙製品の積層態様も限定されない。
ここで、段ボール箱10のシート(図3参照)のうち、内フラップ4の自由端から内フラップ罫線R2に向かう領域4p全体を、シートに罫線及び切断線を設ける際に厚さ方向に潰した。この時、領域4pより内側で罫線R2に至る部位4e全体は潰さないようにした。内フラップ4のうち、領域4p及び部位4eの占める面積割合を表1、表2に示す。
例えば、実施例1では、1回目の試験として、まず、圧縮荷重を5,500(N)とし、開梱してカートンを確認した結果、カートン潰れが3%未満であった。次に、同一条件で梱包した新規の段ボールを用いて、圧縮荷重を5,600(N)とし、カートンを確認した結果、カートン潰れが3%未満であった。同様に、同一条件で梱包した新規の段ボールを用いて、圧縮荷重を順次5,700(N)、5,800(N)、5,900(N)とし、カートンを確認した結果、いずれもカートン潰れが3%未満であった。同様に、同一条件で梱包した新規の段ボールを用いて、圧縮荷重を6,000(N)とし、カートンを確認した結果、カートン潰れが3%以上であり、これを圧縮強度値とした。
2回目の試験として、まず、圧縮荷重を5,900(N)とし、開梱してカートンを確認した結果、カートン潰れが3%未満であった。次に、同一条件で梱包した新規の段ボールを用いて、圧縮荷重を6,000(N)とし、カートンを確認した結果、カートン潰れが3%以上であり、これを圧縮強度値とした。
3回目の試験として、まず、圧縮荷重を5,900(N)とし、開梱してカートンを確認した結果、カートン潰れが3%未満であった。次に、同一条件で梱包した新規の段ボールを用いて、圧縮荷重を6,000(N)とし、カートンを確認した結果、カートン潰れが3%未満であった。同様に、同一条件で梱包した新規の段ボールを用いて、圧縮荷重を6,100(N)とし、カートンを確認した結果、カートン潰れが3%以上であり、これを圧縮強度値とした。
上記3回分の圧縮強度値の結果を平均すると6,033(N)となり、結果を100(N)単位で四捨五入し、圧縮強度値を6,000(N)とした。
そして、評価基準として、圧縮強度値が7,000(N)以上を「5」、6,500(N)以上を「4」、6,000(N)以上を「3」、4,000(N)以上を「2」、4,000(N)未満を「1」とした。圧縮強度値が「3」以上(6,000(N)以上)であれば良好である。
また、カートン潰れは、カートンの4隅のもとの寸法を基準とし、この基準よりも高さ方向に凹んだ部位の凹み量を測定した。カートンの上下面がいずれも凹んだ場合は、凹み量が大きい面の値を採用した。
又、段ボール箱10及びカートン20の製品コストを評価した。評価は、従来品のコスト(坪量)と同等なものを「3」とし、これを基準として上記と同様に5段階評価した。
又、ティシュペーパー(紙製品)のサイズ(1組ずつのシート)、及びカートン20内の組数とコストのバランスを評価した。評価は、従来品と同等なものを「3」とし、これを基準として上記と同様に5段階評価した。なお、カートン内の組数が少なくなり過ぎると、カートン内のティシュペーパーをすぐに使い切ってしまい、その交換頻度が高くなるので、組数とコストのバランスが悪く、カートン内の組数が多くなり過ぎると、ティシュペーパーのコストが高くなるので、やはり組数とコストのバランスが悪くなる。
(4pt)/(2t)が0.40未満である比較例3の場合、内フラップを過度に潰す必要があるため、段ボール箱の生産性(操業性)が低下した。
なお、比較例2の場合、(紙製品の組数)/(カートンの高さH)で表される比Tが4.3を超え、カートン20の高さHに対する紙製品の組数が多くなってコストが高くなり、組数とコストのバランスが劣った。
外フラップの厚さが2.5mm未満で、内フラップの最小厚さが1.0mm未満である比較例5の場合、段ボール箱の強度が低下し、段ボール箱及びその内部のカートンが潰れた。又、比較例5の場合、内フラップの最小厚さが1.0mm未満であり、内フラップを過度に潰す必要があるため、段ボール箱の生産性(操業性)が低下した。
カートンの高さが65mmを超えた比較例7の場合、カートンが潰れ易くなり、また、ダンボール箱も潰れた。さらに、比較例7の場合、カートン20内の紙製品の組数が200組を超え、カートン内の紙製品のコストが高くなって組数とコストのバランスが劣った。
又、内フラップをすべて潰したこと以外は比較例8と同一の条件とした比較例9の場合、上記特許文献1(特開2002-87423号公報)の図4と同様、内フラップ4のうち、内フラップ罫線R2から先端に向かって30mm以内もすべて潰れたため、比較例8の不具合に加え、内フラップ罫線R2と内フラップ4との接続部位(起函したときの稜線)の強度が低下し、段ボール箱10の開口部が歪んだ。このため、カートン20を段ボール箱10に梱包(収容)する作業時の操業性が低下した。
又、ティシュペーパーの組数を150組未満としたこと以外は比較例8と同一の条件とした比較例10の場合、比Tが2.8未満となり、カートン上面と紙製品との隙間が大きくなったため、比較例8の不具合に加え、カートンが潰れ易くなった。又、カートン20の高さHに対する紙製品の組数が少なくなってカートン内のティシュペーパーをすぐに使い切ってしまうので、組数とコストのバランスが劣った。
2t 外フラップの厚さ
4 内フラップ
4e 内フラップの潰されなかった部位
4et 内フラップの最大厚さ
4p 内フラップの潰された部位
4pt 内フラップの最小厚さ
10 段ボール箱
20 カートン
25 紙製品
100 カートン収容段ボール箱
L カートンの長辺
W カートンの幅
H カートンの高さ
U 段ボール箱の上下方向
IL 段ボール箱の上下方向の内寸
R2 内フラップ罫線
G カートンの上面と段ボール箱の外フラップの内面との距離
Claims (7)
- 紙製品入りのカートンを段ボール箱に40〜100個収容してなるカートン収容段ボール箱において、
前記段ボール箱の上下面にそれぞれ外フラップと、突合せにならない内フラップとを有し、
前記カートンは長辺方向を前記段ボール箱の上下方向に沿って2段に重ねて前記段ボール箱に収容され、
前記内フラップの少なくとも一部が厚さ方向に潰され、
前記内フラップのうち、当該内フラップを折るための内フラップ罫線を含む帯状領域であって、該内フラップ罫線から先端に向かって30mm以内の部位が、前記内フラップの1〜15%の面積で厚さ方向に潰されずに最大の厚さになっていて、
前記段ボール箱の前記上下方向の内寸が430〜510mm、前記外フラップの厚さが2.5〜6.5mm、前記内フラップの最小厚さが1.0〜5.0mm、かつ(前記内フラップの前記最小厚さ)/(前記外フラップの前記厚さ)=0.40〜0.90であり、
前記カートンの前記長辺が210〜250mm、幅が100〜130mm、前記紙製品の積層方向に沿った前記カートンの高さが40〜65mmであることを特徴とするカートン収容段ボール箱。 - 前記カートンの上面と前記段ボール箱の前記外フラップの内面との距離が2〜20mmである請求項1記載のカートン収容段ボール箱。
- (前記カートンの上面と前記段ボール箱の前記外フラップの内面との距離)−(前記内フラップの前記最小厚さ)で表される差分が0〜18mmである請求項1又は2記載のカートン収容段ボール箱。
- 前記カートンは紙からなり、その坪量が250〜400g/m2である請求項1〜3のいずれか一項に記載のカートン収容段ボール箱。
- (前記内フラップの前記最小厚さ)/(前記内フラップの前記最大厚さ)=0.40〜0.90である請求項1〜4のいずれか一項に記載のカートン収容段ボール箱。
- (前記カートン内の前記紙製品の組数)/(前記カートンの高さ)で表される比が、2.8〜4.3である請求項1〜5のいずれか一項に記載のカートン収容段ボール箱。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のカートン収容段ボール箱の製造方法において、
前記段ボール箱の上下面にそれぞれ外フラップと、突合せにならない内フラップとを有し、
前記内フラップのうち、当該内フラップを折るための内フラップ罫線を含む帯状領域であって、該内フラップ罫線から先端に向かって30mm以内の部位を、前記内フラップの1〜15%の面積で厚さ方向に潰さずに最大の厚さとし、前記部位を除く領域を1.0〜5.0mmの厚さに潰すことを特徴とするカートン収容段ボール箱の製造方法。
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