JP2009248974A - 箱体 - Google Patents
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Abstract
【課題】材料を増やすことなく、また、折り工数を増やすことなく段積み荷重に耐え得る強度を高めることができ、段積み姿勢の安定性が良好な箱体を提供する。
【解決手段】平面視四角形をなし、底部11を有する箱本体1と、該箱本体1の対向する各第1側板12,12に第1折目2,2により連なる内蓋3,3と、前記箱本体1の対向する各第2側板13,13に第2折目4,4により連なる外蓋5,5とを備え、第1折目2,2を、第2折目4,4よりも前記底部11側へ偏倚する第1偏倚折目21,21、及び該第1偏倚折目に連なり、該第1偏倚折目21,21よりも内蓋3,3側へ偏倚する第2偏倚折目22,22を有する構成とし、段積み荷重を、第2折目4,4の箇所及び第2偏倚折目22,22による凸部箇所に夫々加えるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】平面視四角形をなし、底部11を有する箱本体1と、該箱本体1の対向する各第1側板12,12に第1折目2,2により連なる内蓋3,3と、前記箱本体1の対向する各第2側板13,13に第2折目4,4により連なる外蓋5,5とを備え、第1折目2,2を、第2折目4,4よりも前記底部11側へ偏倚する第1偏倚折目21,21、及び該第1偏倚折目に連なり、該第1偏倚折目21,21よりも内蓋3,3側へ偏倚する第2偏倚折目22,22を有する構成とし、段積み荷重を、第2折目4,4の箇所及び第2偏倚折目22,22による凸部箇所に夫々加えるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は薄型テレビジョンなどの被収容物を収容するための段ボール箱等の箱体に関する。
被収容物を収容して梱包するための段ボール紙製の箱体は、平面視四角形をなし、底部を有する箱本体と、該箱本体の一方向に対向する各第1側板に第1折目により連なる各内蓋と、前記箱本体の他方向に対向する各第2側板に第2折目により連なる各外蓋とを備え、被収容物を収容した後、二つの内蓋を第1折目から折り、さらに二つの外蓋を第2折目から折り、この一対の外蓋の先端部を、内蓋の一部に切設されている被差込スリットに差込むことにより梱包される。
梱包された箱体が段積みされた際、上側の箱体の全荷重が下側の箱体に加わるため、箱体は段積み荷重に耐え得る強度が要求され、また、段積み姿勢の安定性が要求される。
図12〜図15は従来の段ボール紙製の箱体の構成を示すもので、図12は展開図、図13は内蓋及び外蓋が省略された状態を示す斜視図、図14は組立てられた状態を示す斜視図、図15は組立てられた状態の蓋部分の拡大断面図である。また、図16は段積みされた際の説明図である。この箱体は、二つの第1折目100,100及び二つの第2折目101,101が図12に示すように直線的に配されおり、二つの内蓋102,102が第1折目100,100から折られた後、二つの外蓋103,103が折られる際、外蓋103,103は図15に示すように内蓋102,102の厚さ分だけ第2折目101,101よりも第2側板104と離隔する側で折られることになり、折り箇所が盛り上がるため、図16に示すように段積み姿勢の安定性が悪く、保管時、輸送時に転倒し易いという問題がある。
図17〜図19は改良された従来の段ボール紙製の箱体の構成を示すもので、図17は展開図、図18は内蓋及び外蓋が省略された状態を示す斜視図、図19は組立てられた状態の蓋部分の拡大断面図である。また、図20は段積みされた際の説明図である。この改良された箱体は、内蓋102,102に連なる第1折目100,100を、外蓋103,103に連なる第2折目101,101よりも内蓋102,102の厚さ分だけ底部側へ偏倚させてあり、二つの内蓋102,102が第1折目100,100から折られた後、二つの外蓋103,103が折られる際、外蓋103,103は図19に示すように第2折目101,101から折られることになり、外蓋103,103の折り箇所が盛り上がることはなく、段積み姿勢の安定性を良好にできる。しかし、改良された箱体にあっては、段積み荷重が、外蓋103,103に連なる第2折目101,101部分に加わった後で、内蓋102,102に連なる第1折目100,100部分に加わるため、段積み荷重が第1折目100,100部分に加わるまでの間に第2折目101,101部分が潰れ、強度低下を来すことになり、段積み個数が増加した場合、下側の箱体の側板が外膨らみに湾曲、換言すると胴ぶくれに変形する可能性が高くなり、さらなる改善策が要望されていた。
段積み荷重による箱体の胴ぶくれ変形をなくすることができ、段積み姿勢の安定性が良好な段ボール紙製の箱体は、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1の箱体は、平面視四角形をなし、底部を有する箱本体と、該箱本体の一方向に対向する各第1側板に第1折目により連なる各内蓋と、前記箱本体の他方向に対向する各第2側板に第2折目により連なる各外蓋とを備える箱体において、二つの第1側板の一部に折り重なり部を設け、該折り重なり部により段積み強度を高めるように構成されている。
特開2002−264926号公報
ところが、特許文献1のように二つの第1側板の一部に折り重なり部を有する箱体にあっては、箱体の組立て時に、折り重なり部を折曲げる工程が余分に必要であるため、組立て作業性が悪くなり、また、折り重なり部が箱体内部に配されるため、箱体内部の容積が低減し、被収容物の収容空間が制約されることになり、また、折り重なり部の材料が余分に必要であるため、比較的コスト高になるという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的は第1折目を、第2折目よりも箱本体の底部側へ偏倚する第1偏倚折目、及び該第1偏倚折目に連なり、該第1偏倚折目よりも内蓋側へ偏倚する第2偏倚折目を有する構成とすることにより、材料を増やすことなく、また、折り工数を増やすことなく段積み荷重に耐え得る強度を高めることができ、段積み姿勢の安定性が良好な箱体を提供することにある。
本発明に係る箱体は、平面視四角形をなし、底部を有する箱本体と、該箱本体の対向する各第1側板に第1折目により連なる内蓋と、前記箱本体の対向する各第2側板に第2折目により連なる外蓋とを備える箱体において、前記第1折目は、前記第2折目よりも前記底部側へ偏倚する第1偏倚折目、及び該第1偏倚折目に連なり、該第1偏倚折目よりも前記内蓋側へ偏倚する第2偏倚折目を有することを特徴とする。
この発明にあっては、第2折目よりも箱本体の底部側へ偏倚する第1偏倚折目、及び該第1偏倚折目よりも内蓋側へ偏倚する第2偏倚折目から内蓋を折ることができるため、二つの外蓋の折り箇所が盛り上がることはなく、段積み姿勢の安定性を良好にでき、しかも、内蓋を折った際、該内蓋の折り箇所の一部に、第2偏倚折目による凸部を形成することができるため、段積み荷重を、外蓋に連なる第2折目部分及び第2偏倚折目による凸部に夫々加えることができ、段積み荷重を分散することができるため、段積み荷重に耐え得る強度を高めることができ、段積み荷重による箱体の胴ぶくれ変形を低減することができる。また、第1折目が第1偏倚折目及び第2偏倚折目を有するため、材料及び折り工数を増やすことなく箱体を形成することができる。
また、本発明に係る箱体は、前記第2偏倚折目の偏倚量は、前記第1偏倚折目の偏倚量と等しい構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、第2偏倚折目による凸部を、外蓋に連なる第2折目部分の高さとほぼ等しくすることができるため、外蓋に連なる第2折目部分及び第2偏倚折目による凸部に加わる段積み荷重を均等化でき、段積み荷重に耐え得る強度をより一層高めることができる。
この発明にあっては、第2偏倚折目による凸部を、外蓋に連なる第2折目部分の高さとほぼ等しくすることができるため、外蓋に連なる第2折目部分及び第2偏倚折目による凸部に加わる段積み荷重を均等化でき、段積み荷重に耐え得る強度をより一層高めることができる。
また、本発明に係る箱体は、前記第1偏倚折目及び第2偏倚折目の偏倚量は3〜5mmである構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、第1偏倚折目及び第2偏倚折目の偏倚量が比較的少ないので、外蓋に連なる第2折目部分及び第2偏倚折目による凸部の耐荷重性を高めることができ、段積み荷重による第2折目部分及び前記凸部の変形を低減することができ、段積み荷重に耐え得る強度をより一層高めることができる。尚、偏倚量が3mm未満である場合、第2折目での折り箇所が盛り上がり易くなり、段積み姿勢の安定性が悪くなり易い。また、偏倚量が5mmを超える場合、第2偏倚折目による凸部の耐荷重性が悪くなり、段積み荷重により前記凸部が変形し易くなる。
この発明にあっては、第1偏倚折目及び第2偏倚折目の偏倚量が比較的少ないので、外蓋に連なる第2折目部分及び第2偏倚折目による凸部の耐荷重性を高めることができ、段積み荷重による第2折目部分及び前記凸部の変形を低減することができ、段積み荷重に耐え得る強度をより一層高めることができる。尚、偏倚量が3mm未満である場合、第2折目での折り箇所が盛り上がり易くなり、段積み姿勢の安定性が悪くなり易い。また、偏倚量が5mmを超える場合、第2偏倚折目による凸部の耐荷重性が悪くなり、段積み荷重により前記凸部が変形し易くなる。
また、本発明に係る箱体は、前記第2偏倚折目は、長手方向の中央部に配してある構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、第2偏倚折目による凸部を、二つの第2折目間の中央部に形成することができるため、段積み荷重の分散性を高めることができ、段積み荷重に耐え得る強度をより一層高めることができ、段積み荷重による箱体の胴ぶくれ変形をより一層低減することができる。
この発明にあっては、第2偏倚折目による凸部を、二つの第2折目間の中央部に形成することができるため、段積み荷重の分散性を高めることができ、段積み荷重に耐え得る強度をより一層高めることができ、段積み荷重による箱体の胴ぶくれ変形をより一層低減することができる。
また、本発明に係る箱体は、前記第2偏倚折目の長さは、前記第1偏倚折目の長さよりも短い構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、内蓋を第1偏倚折目から先行して折りつつ第2偏倚折目から折ることができるため、内蓋の第1折目箇所での折り形状の品位を高めることができる。
この発明にあっては、内蓋を第1偏倚折目から先行して折りつつ第2偏倚折目から折ることができるため、内蓋の第1折目箇所での折り形状の品位を高めることができる。
また、本発明に係る箱体は、前記第1偏倚折目及び第2偏倚折目の境界部はスリットを有する構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、第1偏倚折目及び第2偏倚折目の境界部をスリットにより分断することができるため、内蓋が第1折目から折られる際、第2偏倚折目箇所での折り形状の品位をより一層高めることができる。
この発明にあっては、第1偏倚折目及び第2偏倚折目の境界部をスリットにより分断することができるため、内蓋が第1折目から折られる際、第2偏倚折目箇所での折り形状の品位をより一層高めることができる。
また、本発明に係る箱体は、前記第1偏倚折目及び第2偏倚折目の境界部は第1折目の長手方向に対し傾斜している構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、第1偏倚折目及び第2偏倚折目の境界部を、傾斜する折目に沿って折ることができるため、境界部にスリットがない場合においても第2偏倚折目箇所での折り形状の品位を高めることができる。
この発明にあっては、第1偏倚折目及び第2偏倚折目の境界部を、傾斜する折目に沿って折ることができるため、境界部にスリットがない場合においても第2偏倚折目箇所での折り形状の品位を高めることができる。
また、本発明に係る箱体は、前記第2折目は、長手方向両端部の間で前記第2側板側へ湾曲している構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、段積み荷重を、箱本体の四隅と、第2偏倚折目による凸部とに集中させることができるため、段積み荷重により前記四隅及び第2偏倚折目による凸部が変形した場合、第2折目の湾曲中央部及び第1偏倚折目の箇所で段積み荷重を受止めることができ、第2折目箇所の変形による品位低下を軽減することができる。
この発明にあっては、段積み荷重を、箱本体の四隅と、第2偏倚折目による凸部とに集中させることができるため、段積み荷重により前記四隅及び第2偏倚折目による凸部が変形した場合、第2折目の湾曲中央部及び第1偏倚折目の箇所で段積み荷重を受止めることができ、第2折目箇所の変形による品位低下を軽減することができる。
また、本発明に係る箱体は、前記第1折目の長さは、前記第2折目の長さよりも長い構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、折目の長さが長い第1折目の一部に第2偏倚折目があり、横長直方体をなす箱本体の横方向中間での、段積み荷重に対する強度を高めることができるため、比較的大形の薄型テレビジョンが収容される箱体であっても、段積み荷重に耐え得る強度を高めることができ、段積み荷重による箱体の胴ぶくれ変形を低減することができる。
この発明にあっては、折目の長さが長い第1折目の一部に第2偏倚折目があり、横長直方体をなす箱本体の横方向中間での、段積み荷重に対する強度を高めることができるため、比較的大形の薄型テレビジョンが収容される箱体であっても、段積み荷重に耐え得る強度を高めることができ、段積み荷重による箱体の胴ぶくれ変形を低減することができる。
本発明によれば、第1偏倚折目及び第2偏倚折目から内蓋を折ることができるため、段積み姿勢の安定性を良好にでき、また、内蓋を折った際、該内蓋の折り箇所の一部に、第2偏倚折目による凸部を形成することができ、段積み荷重を分散することができるため、段積み荷重に耐え得る強度を高めることができ、段積み荷重による箱体の胴ぶくれ変形を低減することができ、しかも、第1折目が第1偏倚折目及び第2偏倚折目を有するため、材料及び折り工数を増やすことなく形成することができる。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1
図1は本発明に係る箱体の構成を示す展開図、図2は要部の構成を示す拡大図、図3は内蓋及び外蓋が省略された状態を示す斜視図、図4は組立てられた状態を示す斜視図、図5は組立てられた状態の蓋部分の拡大断面図である。
実施の形態1
図1は本発明に係る箱体の構成を示す展開図、図2は要部の構成を示す拡大図、図3は内蓋及び外蓋が省略された状態を示す斜視図、図4は組立てられた状態を示す斜視図、図5は組立てられた状態の蓋部分の拡大断面図である。
図4に示した箱体は平面視四角形をなす段ボール箱であり、図1の展開図に示すように、平面視四角形をなし、底部11を有する段ボール紙製の箱本体1と、該箱本体1の一方向に対向する各第1側板12,12の上縁に第1折目2,2により連なる二つの内蓋3,3と、箱本体1の他方向に対向する各第2側板13,13の上縁に第2折目4,4により連なる二つの外蓋5,5とを備える。
箱本体1の第1側板12,12及び第2側板13,13は図1に示すように交互に配され、折目により互いに連なっており、一方の第1側板12に折目により連なる結合片14が一方の第2側板13に結合されることにより略直方体に形成される。
第1側板12,12の横方向長さは、第2側板13,13の横方向長さの約2.5倍に形成され、これに対応して第1折目2,2の長さは、第2折目4,4の長さの約2.5倍、内蓋3,3の長さは、外蓋5,5の長さの約2.5倍に夫々形成されており、組立てられた際、横長の略直方体となる。
第2折目4,4は長手方向両端部の間で第2側板13,13側へ湾曲しており、第1折目2,2は、第2折目4,4よりも外蓋5,5と離隔する側へ偏倚する第1偏倚折目21,21、及び該第1偏倚折目21,21の長手方向中央部に配され、第1偏倚折目21,21よりも内蓋3,3側へ偏倚する第2偏倚折目22,22により形成されている。第2折目4,4の長手方向中央部は、第1偏倚折目21,21の偏倚量とほぼ等しい量だけ第2側板13,13側へ偏倚しており、中央部に対し長手方向両端部が凸部になっている。
第2偏倚折目22,22は、第1偏倚折目21,21の長さに対し約10〜30%の長さに形成されており、また、第2偏倚折目22,22は、第1偏倚折目21,21の偏倚量とほぼ等しい偏倚量だけ偏倚しており、内蓋3,3が第1偏倚折目21,21及び第2偏倚折目22,22から折られた際、第1折目2,2の長手方向中央部に、非折目で第1側板12,12に連なる凸部6,6を形成することができるように構成されている。第1偏倚折目21,21及び第2偏倚折目22,22の境界部23,23は第1折目2,2の長手方向に対し傾斜しており、また、境界部23,23には、該境界部23,23の傾斜に沿ってスリット7,7が設けられている。このスリット7,7は第2偏倚折目22,22の偏倚量とほぼ等しい長さに形成されている。尚、第1偏倚折目21,21及び第2偏倚折目22,22の偏倚量はいずれも3〜5mmである。
内蓋3,3の長手方向両側には略コ字形をなす被差込スリット31,31が設けられており、外蓋5,5の先端には、内蓋3,3夫々の被差込スリット31,31に差し込まれる二つの差込片51,51が設けられており、また、外蓋5,5の先端と第2折目4,4との間には補助折目52,52が設けられている。
箱本体1の底部11は、第1側板12,12の下縁に第3折目15,15により連なる底内板11a,11aと、第2側板13,13の下縁に第4折目16,16により連なる底外板11b,11bとを有する。第3折目15,15は第1折目2,2と同様に形成されており、第4折目16,16は第2折目4,4と同様に形成されているため、その詳細な説明を省略する。
以上のように構成された箱体は、非使用時には扁平につぶされており、使用時には箱本体1を略直方体に引き起こした状態で底内板11a,11aを第3折目15,15から折り、底外板11b,11bを第4折目16,16から折り、この底外板11b,11bが例えばステープル止めにより底内板11a,11aに固定され、蓋側(天側)が開放された箱本体1となる。この箱本体1に薄型テレビジョンが収容された後、二つの内蓋3,3が第1折目2,2から折られ、さらに二つの外蓋5,5が第2折目4,4及び補助折目52,52から折られ、外蓋5,5夫々の差込片51,51が、内蓋3,3夫々の被差込スリット31,31に差込まれ、梱包される。
内蓋3,3が第1折目2,2から折られる際、第1折目2,2は、第1偏倚折目21,21及び第2偏倚折目22,22により形成されているため、第2偏倚折目22,22により、第1側板12,12と非折目で連なる凸部6,6を形成することができる。また、外蓋5,5が第2折目4,4から折られる際、第2折目4,4は湾曲しているため、該外蓋5,5の折り箇所は、第2折目4,4の長手方向両端部が凸部になる。
第1偏倚折目21,21及び第2偏倚折目22,22の境界部23,23は、第1偏倚折目21,21の長手方向に対して傾斜しているため、第1偏倚折目21,21及び第2偏倚折目22,22の境界部23,23を、傾斜する折目に沿って簡易に折ることができ、第2偏倚折目22,22箇所での折り形状の品位を高めることができる。さらに、第1偏倚折目21,21及び第2偏倚折目22,22の境界部23,23は、スリット7,7により分断されているため、内蓋3,3が第1折目2,2から折られる際、第2偏倚折目22,22箇所での折り形状の品位をより一層高めることができる。
図6は薄型テレビジョンを梱包してなる箱体が段積みされた状態を示す説明図である。薄型テレビジョンを梱包してなる箱体は段積み状態で倉庫等に保管されたり、段積み状態で輸送されたりする。この場合、上側に段積みされた箱体の荷重(段積み荷重)が、下側の箱体に加わる。
箱体における第2折目4,4の長手方向両端部、換言すると箱体の四隅部と、第1折目2,2の長手方向中央部とは凸部になっているため、段積み荷重は、第2折目4,4の長手方向両端凸部と、第1折目2,2の長手方向中央凸部6,6とに夫々加えることができ、段積み荷重を第1折目2,2側へ分散することができるため、段積み荷重に耐え得る強度を高めることができ、下側の箱体の第1側板12,12及び第2側板13,13が外膨らみに変形するのを防ぐことができる。
因に、本発明の箱体と図17〜図19に示す現行の箱体との圧縮強度に対する耐強度試験を行ったところ、表1、及び図7の結果が得られた。表1は圧縮強度に対する箱体の座屈変形量を示しており、図7は圧縮強度に対して箱体が座屈変形する過程を示すグラフである。
表1では、本発明の箱体3個と、現行の箱体3個との圧縮強度に対する箱体の座屈変形量を測定した。現行の箱体3個は、平均した圧縮強度5800Nに対して10mm座屈変形したのに対し、本発明の箱体3個は、平均した圧縮強度7220Nに対して11mm座屈変形しており、本発明の箱体によれば、圧縮強度に対する耐強度を現行の箱体に比べて約24%高くすることができた。
また、図7に示すように現行の箱体にあっては、座屈点へ至る間に除々に変形しているのに対し、本発明の箱体にあっては、座屈点の直前まで非変形の状態を維持し、荷重負担しているため、表1に現れているように圧縮強度に対する耐強度を現行の箱体に比べて約24%高くすることができたのを読み取れる。
このように、圧縮強度に対する耐強度を現行の箱体に比べて高くすることができるため、箱体材料のグレードを下げることが可能であり、箱体材料費の低減を図り得る。
実施の形態2
図8は本発明に係る箱体の他の構成を示す展開図、図9は内蓋及び外蓋が省略された状態を示す斜視図、図10は組立てられた状態を示す斜視図である。この箱体は、第2折目4,4を湾曲させることなく、直線的に形成し、第1折目2,2を、第1偏倚折目21,21及び第2偏倚折目22,22により形成し、段積み荷重を、第2折目4,4の全体と、第2偏倚折目22,22による凸部6,6とにより受止めるように構成したものである。
図8は本発明に係る箱体の他の構成を示す展開図、図9は内蓋及び外蓋が省略された状態を示す斜視図、図10は組立てられた状態を示す斜視図である。この箱体は、第2折目4,4を湾曲させることなく、直線的に形成し、第1折目2,2を、第1偏倚折目21,21及び第2偏倚折目22,22により形成し、段積み荷重を、第2折目4,4の全体と、第2偏倚折目22,22による凸部6,6とにより受止めるように構成したものである。
この実施の形態2において、第2偏倚折目22,22は、第1偏倚折目21,21の偏倚量とほぼ等しい偏倚量だけ偏倚しており、第2折目4,4の延長線上に第2偏倚折目22,22が配されている。
この実施の形態2にあっては、箱本体1に薄型テレビジョンが収容され、内蓋3,3が第1折目2,2から折られた後、外蓋5,5が第2折目4,4から折られる際、該外蓋5,5の折り箇所は直線的となる。また、第1折目2,2の長手方向中央部には第2偏倚折目22,22による凸部6,6が形成される。このように外蓋5,5の折り箇所は直線的となるため、第2折目4,4箇所の品位を高めることができる。
図11は薄型テレビジョンを梱包してなる箱体が段積みされた状態を示す説明図である。薄型テレビジョンが収容された箱体が段積みされた場合、段積み荷重を、外蓋5,5の折り箇所と、第2偏倚折目22,22による凸部6,6とに分散させることができ、外蓋5,5の折り箇所及び第2偏倚折目22,22による凸部6,6箇所で段積み荷重を受止めることができ、実施の形態1と同様、圧縮強度に対する耐強度を現行の箱体に比べて高くすることができる。
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
尚、以上説明した実施の形態では、箱本体1の第1側板12,12の下縁に連なる第3折目15,15及び第2側板13,13の下縁に連なる第4折目16,16を、第1折目2,2、第2折目4,4と同様に構成したが、その他、第3折目15,15及び第4折目15,15は現行の箱体と同様に構成してもよい。
また、以上説明した実施の形態では、第1折目2,2の長手方向中央部に第2偏倚折目22,22を配したが、その他、第2偏倚折目22,22は第1折目2,2の長手方向端部であってもよく、第1折目2,2上の配置箇所は特に制限されない。また、第2偏倚折目22,22は第1折目2,2上に一つ配する他、複数を長手方向に離隔して配する構成としてもよい。
また、以上説明した実施の形態では、第1偏倚折目21,21及び第2偏倚折目22,22の境界部23,23を第1偏倚折目21,21に対し傾斜させたが、その他、非傾斜としてもよい。また、境界部23,23は非スリットの構成としてもよい。また、境界部23,23は、第1偏倚折目21,21及び第2偏倚折目22,22に連なる折目を有する構成とする他、この折目がなく、スリット7,7により第1偏倚折目21,21及び第2偏倚折目22,22に連なる構成としてもよい。
また、以上説明した実施の形態では、二つの第1折目2,2が第2偏倚折目22,22を有する構成としたが、その他、一方の第1折目2だけが第2偏倚折目22を有する構成としてもよく、少なくとも一方の第1折目2が第2偏倚折目22を有する構成であればよい。この場合においても、段積み荷重を、第2折目4,4箇所と、第2偏倚折目22による凸部6箇所とに分散して負担することができ、圧縮強度に対する耐強度を高くすることができる。
1 箱本体
11 底部
2 第1折目
21 第1偏倚折目
22 第2偏倚折目
23 境界部
3 内蓋
5 外蓋
4 第2折目
6 凸部
7 スリット
11 底部
2 第1折目
21 第1偏倚折目
22 第2偏倚折目
23 境界部
3 内蓋
5 外蓋
4 第2折目
6 凸部
7 スリット
Claims (9)
- 平面視四角形をなし、底部を有する箱本体と、該箱本体の対向する各第1側板に第1折目により連なる内蓋と、前記箱本体の対向する各第2側板に第2折目により連なる外蓋とを備える箱体において、前記第1折目は、前記第2折目よりも前記底部側へ偏倚する第1偏倚折目、及び該第1偏倚折目に連なり、該第1偏倚折目よりも前記内蓋側へ偏倚する第2偏倚折目を有することを特徴とする箱体。
- 前記第2偏倚折目の偏倚量は、前記第1偏倚折目の偏倚量と等しい請求項1記載の箱体。
- 前記第1偏倚折目及び第2偏倚折目の偏倚量は3〜5mmである請求項1又は2記載の箱体。
- 前記第2偏倚折目は、長手方向の中央部に配してある請求項1から3のいずれか一つに記載の箱体。
- 前記第2偏倚折目の長さは、前記第1偏倚折目の長さよりも短い請求項1から4のいずれか一つに記載の箱体。
- 前記第1偏倚折目及び第2偏倚折目の境界部はスリットを有する請求項1から5のいずれか一つに記載の箱体。
- 前記第1偏倚折目及び第2偏倚折目の境界部は第1折目の長手方向に対し傾斜している請求項1から6のいずれか一つに記載の箱体。
- 前記第2折目は、長手方向両端部の間で前記第2側板側へ湾曲している請求項1から7のいずれか一つに記載の箱体。
- 前記第1折目の長さは、前記第2折目の長さよりも長い請求項1から8のいずれか一つに記載の箱体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008095408A JP2009248974A (ja) | 2008-04-01 | 2008-04-01 | 箱体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008095408A JP2009248974A (ja) | 2008-04-01 | 2008-04-01 | 箱体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009248974A true JP2009248974A (ja) | 2009-10-29 |
Family
ID=41310051
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008095408A Pending JP2009248974A (ja) | 2008-04-01 | 2008-04-01 | 箱体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009248974A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011111213A (ja) * | 2009-11-30 | 2011-06-09 | Rengo Co Ltd | 厚紙製包装箱 |
JP2015040048A (ja) * | 2013-08-20 | 2015-03-02 | 王子ホールディングス株式会社 | 段違い包装箱 |
-
2008
- 2008-04-01 JP JP2008095408A patent/JP2009248974A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011111213A (ja) * | 2009-11-30 | 2011-06-09 | Rengo Co Ltd | 厚紙製包装箱 |
JP2015040048A (ja) * | 2013-08-20 | 2015-03-02 | 王子ホールディングス株式会社 | 段違い包装箱 |
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