JP6439792B2 - 比剛性、強度及び延性に優れた鋳造用Al−Si−Mg系アルミニウム合金、並びにそれからなる鋳造部材及び自動車用ロードホイール - Google Patents

比剛性、強度及び延性に優れた鋳造用Al−Si−Mg系アルミニウム合金、並びにそれからなる鋳造部材及び自動車用ロードホイール Download PDF

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Description

本発明は、比剛性、強度及び延性に優れた鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金、並びにそれからなる鋳造部材及び自動車用ロードホイールに関する。
軽量化、複雑形状の加工容易性、製造コスト低減等の点で有利なアルミニウム合金の鋳造部材は各種の部品に広く使用されている。特に自動車等では、ケースやカバー類の材料としてAl-Si-Cu-Mg系のJIS AC4B、ADC12等が、また足回り部品やロードホイールの材料としてAl-Si-Mg系のJIS AC4CH、ADC3等が使用されているが、省エネルギー及び燃費改善が要求されており、それらを構成するアルミニウム合金鋳造部材にも一層の軽量化及び高品質化が望まれている。
近年は、熱処理の適正化やCAEを活用した構造解析により、必要な強度を確保しつつ減肉や薄肉化することによって上記軽量化の要求に応じてきたが、以下に述べるように材料がもつ特性が原因で、さらなる軽量化要求に対応できる余地が少なくなってきている。
ケース、カバー類に多用されている上記Al-Si-Cu-Mg系アルミニウム合金は、強度は十分あるものの、原子量が大きく耐食性を阻害する元素でもあるCuを含むため、過度に薄肉化すると腐食により気密性が損なわれやすくなるおそれがある。また、上記Al-Si-Cu-Mg系アルミニウム合金は破断伸びが2.0%以下と延性が大きくないので、変形能を要求される部材には適用し難く、適用範囲が限られている。
足回り部品やロードホイール等に適用されている上記Al-Si-Mg系アルミニウム合金は、Al-Si-Cu-Mg系アルミニウム合金よりも延性が大きいため、変形能も大きい。そしてCuを実質的に含まないため耐食性が良好である。強度の指標である0.2%耐力も車両等に適用できる100 MPa以上あり、さらに熱処理によってさらに大きくすることが可能であるので、鋳物部材の軽量化のための薄肉設計が可能である。ところが、ヤング率が76 GPa程度であるため、強度及び延性を確保できても、薄肉にすると鋳物部材として必要な剛性を確保することができなくなってしまう。従って、さらなる薄肉設計での軽量化は困難になりつつある。
従来の鋳造用Al-Si-Mg系合金の密度は約2.7 g/cm3であることから、ヤング率を密度で除した比剛性は28 GPa/(g/cm3)程度であるが、ケース、カバー類のさらなる薄肉化、及び足回り部品やロードホイールのさらなる減肉化を図るためには、比剛性が大きく、強度と延性に優れる鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金への要求が高まりつつある。
Al-Si-Mg系合金として、特開2008-291364号は、11.0〜12.0重量%のシリコン、0.7〜2.0重量%のマグネシウム、0.1〜1重量%のマンガン、最大1重量%の鉄、最大2重量%の銅、最大2重量%のニッケル、最大1重量%のクロム、最大1重量%のコバルト、最大2重量%の亜鉛、最大0.25重量%のチタン、40 ppmのホウ素、必要に応じて80〜300 ppmのストロンチウム、及び残部アルミニウム(さらなる元素及び製造に伴う不純物をそれぞれが最大0.05重量%で、かつ総量が最大0.2重量%で含む。)からなるアルミニウム合金を開示している。
しかしながら、ヤング率を高めて密度を小さくするSiが11.0〜12.0質量%と低い値であるため、比剛性が小さいという問題がある。また、Mn、Fe、Cu、Ni、Cr、Co、Znなどの、Alよりも原子番号が大きい合金元素の含有量が多くなるほど、密度が増大することにより比剛性がより低下するだけでなく、十分な延性や耐食性が得られないという問題がある。
特表2010-531388号は、Mg及び高Siを含むAl合金の構造材料であり、前記Al合金は、半連続鋳造法により得られたインゴットを前熱処理することにより、共晶Si相の粒子の拡散化を行い、次に加熱塑性加工及び熱処理を通じ、最終形状及びミクロ組織を形成してなり、強化メカニズムは、Alマトリクスの微細粒強化、Si粒子の粒子強化及び第2相粒子の沈殿強化であり、0.2〜2.0重量%のMg及び8〜18重量%のSiを含有し、均一に細分化されたミクロ組織構造を有し、前記Alマトリクス組織は、等軸晶であり、平均粒径は6μm未満であり、Si粒子及び他の第2相粒子は、拡散分布し、平均粒径は5μm未満であるMg及び高Siを含むAl合金の構造材料を開示している。
しかしながら、この構造材料は、半連続鋳造法によってインゴットを鋳造し、その後加熱塑性加工を施して得られる材料であって、製造工程が複雑であるため、金属溶湯から直接的に所望の形状を得る鋳造物品には適さない。
特開2013-159834号は、ダイカスト鋳込みにより0.9〜18質量% のSi及び1.0〜10.0質量%のMgを含有するアルミニウム鋳造合金からなるアルミニウム鋳造合金基材を調製し、次いで硫酸及び/又は硝酸の水溶液からなる酸性エッチング液を用い、上記アルミニウム鋳造合金基材を処理温度30〜80℃及び処理時間5〜15分の条件でエッチング処理してこのアルミニウム鋳造合金基材表面のMg2Si晶出物を溶解し、前記アルミニウム鋳造合金基材の表面に樹脂接合性に優れた微細な凹凸形状を付与する樹脂接合用アルミニウム鋳造合金部材の製造方法を開示している。
従って、本発明の目的は、比剛性(ヤング率を密度で除した値)が大きく、強度及び延性に優れ、また鋳造にあたっては複雑な工程を必要としない鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金、及びそれからなる鋳造部材及び自動車用ロードホイールを提供することにある。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、鋳物用Al-Si-Mg系アルミニウム合金について、密度を下げてヤング率を向上させる効果をもつ合金元素であるSi及びMgの含有量が、強度の指標である0.2%耐力と延性の指標である破断伸びとに及ぼす影響を調べ、高い強度及び延性を確保できる組成範囲を見出し、本発明に想到した。
すなわち、比剛性、強度及び延性に優れた本発明の鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金は、質量基準で、12.0〜14.0%のSi、1.5〜4.0%のMg、0.10%以下のMn、残部がAl及び不可避的不純物からなる。
本発明の鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金は、さらに質量基準で0.05〜0.3%のTiを含有するのが好ましい。
本発明の鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金は、さらに質量基準で0.015〜0.03%のSrを含有するのが好ましい。
本発明の鋳造部材は前記Al-Si-Mg系アルミニウム合金からなる。
本発明の鋳造部材は、T6熱処理を施されたものが好ましい。
本発明の鋳造部材は、ヤング率を密度で除した比剛性が30 GPa/(g/cm3)以上、0.2%耐力が180 MPa以上、破断伸びが3%以上であるのが好ましい。
本発明の鋳造部材は、その切断面を光学顕微鏡で観察したときに、長さが100μmを超える線状のMg2Siが観察されないのが好ましい。
本発明の自動車用ロードホイールは、前記鋳造部材からなる。
本発明の鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金は、特別な工程を要しない通常の鋳造法が適用可能であり、鋳造コストの増大を抑制できるとともに、Al-Si-Cu-Mg系アルミニウム合金に比べて耐食性に優れる。本発明の鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金は、比剛性、強度及び延性に優れているため、それからなる鋳造部材は、減肉化、薄肉化した形状においても剛性と強靭性を兼ね備えることができ、特に自動車用鋳造部材において一層の軽量化を図ることができる。
実施例41のAl-Si-Mg系アルミニウム合金鋳造部材のミクロ組織を示す光学顕微鏡写真である。 実施例41のAl-Si-Mg系アルミニウム合金鋳造部材のミクロ組織を示す拡大した光学顕微鏡写真である。 実施例42のAl-Si-Mg系アルミニウム合金鋳造部材のミクロ組織を示す光学顕微鏡写真である。 実施例42のAl-Si-Mg系アルミニウム合金鋳造部材のミクロ組織を示す拡大した光学顕微鏡写真である。 実施例43のAl-Si-Mg系アルミニウム合金鋳造部材のミクロ組織を示す光学顕微鏡写真である。 実施例43のAl-Si-Mg系アルミニウム合金鋳造部材のミクロ組織を示す拡大した光学顕微鏡写真である。 比較例24のAl-Si-Mg系アルミニウム合金鋳造部材のミクロ組織を示す光学顕微鏡写真である。 比較例24のAl-Si-Mg系アルミニウム合金鋳造部材のミクロ組織を示す拡大した光学顕微鏡写真である。
[1]鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金
本発明の鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金を以下に説明する。各合金元素の含有量は特に断りのない限り質量%で示す。
(1)12.0〜14.0%のSi
SiはAlと共晶をなして流動性を高めるので鋳造用アルミニウム合金に好適な元素である。晶出Si自体が高いヤング率をもつため、アルミニウム合金鋳物に多量に共晶Siを含有させることによって、アルミニウム合金鋳物のヤング率を高めることができる。また、Si含有量を高めることによってアルミニウム合金の密度を下げることができる。つまり、Siの含有量を大きくすると、ヤング率を密度で除した値である比剛性の増加を図ることができる。この効果を大きく得るためにはSi含有量が12.0%以上であるのが好ましい。これに併せて、後述するMg含有量を1.5%以上とすることによって比剛性が30 GPa/(g/cm3)以上となり、減肉又は薄肉による鋳造部材の軽量化設計の自由度を高めることができる。なお、Mgを含有させないでSiをさらに含有させると、粗大な初晶Siが晶出し延性を損ねるが、1.5%以上のMgを含有させることにより初晶Siの晶出を抑制することができ、延性の低下を抑えることができる。しかし、14.0%を超えたSiを含有させると、初晶Siの晶出が顕著になって延性が著しく低下し、2.0%以上の破断伸びを確保できなくなる。以上のことから、Si含有量は12.0〜14.0%であり、好ましくは12.0〜13.5%であり、より好ましくは12.1〜13.5%、さらにより好ましくは12.5〜13.5%である。
(2)1.5〜4.0%のMg
Al-Si-Mg系アルミニウム合金において、MgはSiと強固な電子化合物であるMg2Siを形成する。特にSiが10%を超えるAl-Si-Mg系アルミニウム合金においては、Mgを1%以上含有させることにより共晶Mg2Siとして晶出するようになる。この共晶Mg2Si自体も非常に大きなヤング率をもつため、アルミニウム合金鋳物のヤング率向上に寄与する。そして、前述のように、12.0%以上のSi含有量と併せて、Mgを1.5%以上含有させることによって、粗大な初晶Siの晶出が抑制されるために延性の低下を抑えることができる。また、MgはAlよりも原子量が小さいことから、Mg含有量を高めることによってアルミニウム合金の密度を下げることができる。つまり、Mg含有量を大きくすると、比剛性の増加を図ることができる。しかし、Mg含有量が1.5%未満では0.2%耐力が100 MPaに満たず、特に車両用の鋳造部材として要求される強度を確保できないため好ましくない。また、4.0%を超えると共晶Mg2Siの含有量が過剰となって、延性の指標である破断伸びが2.0%未満と低下するので好ましくない。このためMg含有量は1.5〜4.0%であり、好ましくは1.5〜2.5%であり、より好ましくは1.6〜2.5%であり、さらにより好ましくは1.6〜2.4%である。
(3)0.10%以下のMn
MnはAl-Mn-Si系の金属間化合物又はFeと共にAl-Fe-Mn-Si系の金属間化合物を形成して延性の低下をきたすので0.10%を超えて含有するのは好ましくない。このためMn含有量は0.10%以下である。
(4)0.3%以下のTi
Tiは結晶粒を微細化させてアルミニウム合金の強度及び延性を向上させるのみならず、合金溶湯が凝固収縮する際に発生する応力に抗して鋳造割れを防止する作用を有する。必須ではないが、これらの作用を効果的に発揮させるためには、Tiを0.05%以上含有させるのが好ましい。高純度Al地金に不可避的不純物として含まれるTiは0.05%未満であるので、高純度Al地金を原料に用いる場合、上記効果を得るためにはTiを付加的に含有させる必要がある。ただし、Tiが0.3%を超えるとAl-Ti系の金属間化合物が晶出し、アルミニウム合金の延性はかえって低下するので、Tiを付加的に含有させる場合は0.05〜0.3%とし、より好ましくは0.1〜0.3%とする。また例えば、Ti源として、展伸材の6000系合金、AC4CH合金等のアルミニウム合金スクラップ材、低純度Al地金等を使用とした場合、通常不可避的不純物として0.05%以上のTiが混入してくるので、それに応じて付加的に含有させるTi量を調節するのが好ましい。
(5)0.03%以下のSr
Srは共晶Siを微細化させてAl-Si-Mg系アルミニウム合金の延性を向上させる作用を有する。必須ではないが、これらの作用を効果的に発揮させるためには、Srを0.015%以上含有させるのが好ましい。Al地金やAC4CH合金等のアルミニウム合金スクラップ材に不可避的不純物として含まれるSrは0.015%未満であるので、上記効果を得るためにはSrを付加的に含有させる必要がある。ただし、Srが0.03%を超えるとその効果は鈍化する。Srの原子量は87.6であり、Alの27.0、Siの28.1、Mgの24.3、Tiの47.9に対して非常に大きいので、必要以上に多量に含ませることはアルミニウム合金の密度を増大させるので好ましくない。従って、Srを付加的に含有させる場合は0.015〜0.03%とし、好ましくは0.015〜0.02%とする。
(6)不可避的不純物
リサイクルの観点から、6000系合金やその他のアルミニウム合金のスクラップ材、低純度Al地金等を溶解原料として多量に使用する場合があり、Si及びMg以外の元素が不可避的不純物として混入する可能性がある。これらの不純物元素については、例えば検出限界以下に低減することは多大なコストアップの要因となるので、本発明の目的を阻害しない含有範囲であれば許容されるものとする。基本的にはJIS規格等に沿った各不純物の許容含有量とすればよく、本発明においては、0.10%以下のCu、0.10%以下のZn、0.17%以下のFe、0.10%以下のMn、0.05%以下のNi、0.05%以下のCr、0.05%以下のPb及び0.05%以下のSnとするのが好ましい。特にCuは耐食性を低下させ、FeはAl-Fe-Si系の金属間化合物又はMnと共にAl-Fe-Mn-Si系の金属間化合物を形成して延性の低下をきたすので、上記の値を超えたCu及びFeを含有させるのは好ましくない。
[2]鋳造部材
本発明の鋳造部材は、重力鋳造法、低圧鋳造法、高圧鋳造法、ダイカスト鋳造法等の金型鋳造法により製造することができる。なお、鋳造組織が緻密であるほど、強度及び延性がより高まるので、鋳造にあたっては、凝固を速くすることが好ましい。例えば、鋳物の形状を薄肉にする、金型を冷却する、金型と溶湯との密着性を高めて金型への抜熱を促進する等の方法を適用することができる。
本発明のAl-Si-Mg系アルミニウム合金からなる鋳造部材は、鋳造後に熱処理を施さなくても比較的高い強度と延性を有し、比剛性は従来のAC4CHに代表される鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金よりも約10%又はそれ以上に大きい。また、Al-Si-Cu-Mg系アルミニウム合金に比べて耐食性に優れるので、Al-Si-Cu-Mg系アルミニウム合金が適用されている鋳造部材、特にケースやカバー類の薄肉軽量化に適用する合金として好適である。例えば本発明のAl-Si-Mg系アルミニウム合金の重力鋳造部材は、熱処理を施さない鋳放しの状態であっても、比剛性が30.0 GPa/(g/cm3)以上、破断伸びが2.0%以上、0.2%耐力は車両等を構成する鋳造部品に適用可能な100 MPa以上を示す。さらに高い強度及び延性が要求される場合には、鋳造後に溶体化処理、時効処理等の熱処理を施すこともできる。
このように比剛性、強度及び延性に優れる本発明の鋳造部材は、今後さらなる薄肉軽量化が要求される車両等の構成鋳造部品に好適であり、例えば自動車や自動二輪車のロードホイール、シャシ部材、パワートレイン部材(スペースフレーム、ステアリングホイールの芯金、シートフレーム、サスペンションメンバー、エンジンブロック、シリンダヘッドカバー、チェーンケース、ミッションケース、オイルパン、プーリ、シフトレバー、インスツルメントパネル、吸気用サージタンク、ペダルブラケット等)等に使用するのに適している。
本発明を以下の実施例により、表を参照しつつさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
[鋳造部材A]
実施例1〜40及び比較例1〜23のアルミニウム合金の組成(表1に示す合金元素以外は、実質的にAl及び不可避的不純物)、並びにそのアルミニウム合金からなる重力鋳造品である鋳造部材Aのヤング率、密度、比剛性(ヤング率を密度で除した値)、0.2%耐力及び破断伸びの測定値を表1に示す。比較例1〜3は公知のアルミニウム合金(比較例1はJIS AC4CH、比較例2はJIS ADC3及び比較例3はJIS AC4B)である。なおアルミニウム合金を構成する合金元素の含有量は、特に断りのない限り質量基準での割合(%)である。
鋳造部材Aは、表1に示す成分組成を有する各実施例及び各比較例のアルミニウム合金から、金型試験片鋳型(JIS H5202の図2に示される鋳型)を用いて以下の方法により製造した。
まず各合金用の原料として工業用の純Al、純Si、純Mg及び必要に応じて含有させる金属元素を含むAl母合金を黒鉛製るつぼに装入し、大気中で730〜780℃で溶解して、表1に示す成分組成の溶湯を得た。次いで、得られた溶湯に対してアルゴンガスバブリングによる脱ガス処理を行って介在物及び水素を除去した後、90〜110℃の金型温度及び690〜710℃の注湯温度で、各合金溶湯を重力鋳造した。得られた各鋳造部材Aを室温まで空冷後、所定の部分から試験片を採取して各物性値の測定を行った。
引張試験は、鋳造部材Aの底部側(JIS H5202の図2中に示す位置)から採取し、JIS Z 2241の14B号試験片に仕上げて試験に供した。引張試験はJIS Z 2241に従って常温で行い、強度の代表的な指標である0.2%耐力及び延性の代表的な指標である破断伸びを測定した。
ヤング率は、鋳造部材Aの底部より10 mm×80 mm×4 mmの試験片を採取し、自由共振式弾性率測定装置(日本テクノプラス(株) JE-RT3型)を用いて共振法で測定した。
密度は、鋳造部材Aの底部より10 mm×80 mm×4 mmの試験片を採取し、アルキメデス法により測定した。
[鋳造部材Aの評価]
以下、表1を参照しつつ、Si含有量のレベルごとに、Mg含有量に対する各種測定値の評価結果を述べる。
(1)実施例1〜4(Si含有量12.0%)
実施例1〜4の鋳造部材Aは、Si含有量が12.0%、Mg含有量がそれぞれ1.45%、2.47%、3.01%及び4.02%のアルミニウム合金からなる。いずれも、比剛性は30.0 GPa/(g/cm3)以上、0.2%耐力は100 MPa以上及び破断伸びは2.0%以上であった。
(2)実施例5〜8(Si含有量12.5%)
実施例5〜8の鋳造部材Aは、Si含有量が12.5%、Mg含有量がそれぞれ1.54%、2.05%、2.46%及び4.03%のアルミニウム合金からなる。いずれも、比剛性は30.0 GPa/(g/cm3)以上、0.2%耐力は100 MPa以上及び破断伸びは2.0%以上であった。
(3)実施例31及び実施例9〜12(Si含有量12.9〜13.0%)
実施例31の鋳造部材Aは、Si含有量が12.9%及びMg含有量が2.71%のアルミニウム合金からなり、実施例9〜12の鋳造部材Aは、Si含有量が13.0%、Mg含有量がそれぞれ1.46%、1.57%、2.54%及び3.99%のアルミニウム合金からなる。いずれも、比剛性は30.0 GPa/(g/cm3)以上、0.2%耐力は100 MPa以上及び破断伸びは2.0%以上であった。
(4)実施例13〜17(Si含有量13.5%)
実施例13〜17の鋳造部材Aは、Si含有量が13.5%、Mg含有量がそれぞれ1.47%、1.60%、2.45%、2.97%及び4.01%のアルミニウム合金からなる。いずれも、比剛性は30.0 GPa/(g/cm3)以上、0.2%耐力は100 MPa以上及び破断伸びは2.0%以上であった。
(5)実施例18〜21(Si含有量14.0%)
実施例18〜21の鋳造部材Aは、Si含有量が14.0%、Mg含有量がそれぞれ1.51%、1.99%、2.48%及び4.00%のアルミニウム合金からなる。いずれも、比剛性は30.0 GPa/(g/cm3)以上、0.2%耐力は100 MPa以上及び破断伸びは2.0%以上であった。
(6)実施例32及び実施例22〜25(Ti含有)
実施例32及び実施例22〜25の鋳造部材Aは、Tiを付加的に含有させたアルミニウム合金からなる。実施例32は、Si含有量が12.7%、Mg含有量が2.57%及びTi含有量が0.13%のアルミニウム合金からなり、実施例22〜25の鋳造部材Aは、Si含有量が13.0%、Mg含有量がそれぞれ1.49%、1.60%、2.52%及び4.04%、Ti含有量がそれぞれ0.34、0.17、0.13及び0.05%のアルミニウム合金からなる。いずれも、比剛性は30.0 GPa/(g/cm3)以上、0.2%耐力は100 MPa以上及び破断伸びは2.0%以上の高い値であった。
(7)実施例33及び実施例26〜29(Sr含有)
実施例33及び実施例26〜29の鋳造部材Aは、Srを付加的に含有させたアルミニウム合金からなる。実施例33の鋳造部材Aは、Si含有量が12.9%、Mg含有量が2.69%及びSr含有量が0.0290%のアルミニウム合金からなり、実施例26〜29の鋳造部材Aは、Si含有量が13.0%、Mg含有量がそれぞれ1.46%、1.61%、2.53%及び4.03%、Sr含有量がそれぞれ0.0242%、0.0186%、0.0296%及び0.0154%のアルミニウム合金からなる。いずれも、比剛性は30.0 GPa/(g/cm3)以上、0.2%耐力は100 MPa以上及び破断伸びは2.0%以上の高い値であった。
(8)実施例30及び実施例34〜40(Ti及びSr含有)
実施例30及び実施例34〜40の鋳造部材Aは、Ti及びSrを付加的に含有させたアルミニウム合金からなる。いずれも、比剛性は30.0 GPa/(g/cm3)以上、0.2%耐力は100 MPa以上及び破断伸びは2.0%以上であった。
(9)比較例1〜3
比較例1〜3の鋳造部材Aは、従来から広く鋳造用に用いられているJIS合金(比較例1はAC4CH、比較例2はADC3及び比較例3はAC4Bに相当)からなる。比較例1〜3の鋳造部材Aは、いずれも比剛性が27 GPa/(g/cm3)程度であり、表1に示した実施例に対して10%又はそれ以上低い値であった。
(10)比較例4〜7
比較例4〜7の鋳造部材Aは、Si含有量が11.0%、Mg含有量がそれぞれ0.35%、2.03%、4.03%及び4.96%のアルミニウム合金からなる。比較例4〜6の比剛性は、それぞれ29.0、29.4及び29.9 GPa/(g/cm3)であり、公知のアルミニウム合金である比較例1〜3の比剛性よりも大きかったが、30.0 GPa/(g/cm3)には満たなかった。Mg含有量が4.96%の比較例7の比剛性は30.7 GPa/(g/cm3)であったが、破断伸びが2.0%に満たなかった。
(11)比較例8及び9
比較例8及び9の鋳造部材Aは、Si含有量が実施例1〜4と同じ12.0%であったが、Mg含有量がそれぞれ0.25%及び4.98%のアルミニウム合金からなる。比較例8は比剛性が30.0 GPa/(g/cm3)に満たず、また0.2%耐力も100 MPaに満たなかった。一方、比較例9は破断伸びが2.0%に満たなかった。
(12)比較例10及び11
比較例10及び11の鋳造部材Aは、Si含有量が実施例5〜8と同じ12.5%であったが、Mg含有量がそれぞれ0.80%及び4.99%のアルミニウム合金からなる。比較例10は比剛性が30.0 GPa/(g/cm3)に満たず、また0.2%耐力も100 MPaに満たなかった。一方、比較例11は破断伸びが2.0%に満たなかった。
(13)比較例12〜14
比較例12〜14の鋳造部材Aは、Si含有量が実施例9〜12と同じ13.0%であったが、Mg含有量がそれぞれ0.51%、0.69%、4.96%のアルミニウム合金からなる。比較例12及び比較例13は、0.2%耐力が100 MPaに満たなかった。一方、比較例14は破断伸びが2.0%に満たなかった。
(14)比較例15〜17
比較例15〜17の鋳造部材Aは、Si含有量が実施例13〜17と同じ13.5%であったが、Mg含有量がそれぞれ0.05%、0.71%及び4.98%のアルミニウム合金からなる。比較例15及び比較例16は0.2%耐力が100 MPaに満たなかった。一方、比較例17は破断伸びが2.0%に満たなかった。
(15)比較例18及び19
比較例18及び19の鋳造部材Aは、Si含有量が実施例18〜21と同じ14.0%であったが、Mg含有量がそれぞれ0.20%及び4.95%のアルミニウム合金からなる。比較例18は0.2%耐力が100 MPaに満たなかった。一方、比較例19は破断伸びが2.0%に満たなかった。
(16)比較例20〜22
比較例20〜22の鋳造部材Aは、Si含有量が15.0%、Mg含有量はそれぞれ1.05%、2.51%及び4.02%のアルミニウム合金からなる。破断伸びはいずれも2.0%に満たなかった。
(17)比較例23
比較例23の鋳造部材Aは、Si含有量が12.2%、Mg含有量が1.44%、さらに付加的にTiを0.16%及びSrを0.0241%含有させたアルミニウム合金からなる。比剛性は30.0 GPa/(g/cm3)に満たず、0.2%耐力も100 MPaに満たなかった。
[鋳造部材B](T6熱処理材)
鋳造部材Bは、T6熱処理を施すことによって特に強度(0.2%耐力)を高めた例である。表2に示す実施例41〜43の成分組成のアルミニウム合金から、鋳造部材Aと同様の方法で鋳造し、室温まで空冷した各鋳造部材に、T6熱処理(540℃で4時間の溶体化処理及びそれに続く150℃で0.5時間の時効処理)を施したものである。各物性値の測定は、鋳造部材Aと同様の試験片採取部位から試験片を採取し、鋳造部材Aと同様の引張試験方法、ヤング率測定方法及び密度測定方法で行った。
(18)実施例41〜43
表2に示す実施例41〜43の鋳造部材Bは、付加的にTi及びSrを含有させてなるアルミニウム合金にT6熱処理を施したものである。いずれも、比剛性は30.0 GPa/(g/cm3)以上、0.2%耐力は180 MPa以上及び破断伸びは3%以上であった。T6熱処理を施したことにより、非熱処理材である実施例34〜40の鋳造部材Aに比べて著しく高い値の0.2%耐力を有する鋳造部材を得ることができた。
(19)比較例24
比較例24の鋳造部材Bは、表2に示すように、Si含有量が12.9%、Mg含有量が4.50%、さらに付加的にTi及びSrを含有させてなるアルミニウム合金にT6熱処理を施したものである。破断伸びは0.9%しか得られず、実施例41〜43に比べて延性が大きく劣っていた。
(20)線状のMg2Siの長さ
図1(a)は実施例41の鋳造部材Bの切断面のミクロ組織を観察した光学顕微鏡写真であり、図1(b)は図1(a)よりもさらに高い倍率で観察した光学顕微鏡写真である。同様に、図2(a)及び図2(b)は実施例42の、図3(a)及び図3(b)は実施例43の、図4(a)及び図4(b)は比較例24の鋳造部材Bのミクロ組織を観察した光学顕微鏡写真である。いずれもα相(1)と、粒子状で薄灰色を呈する共晶Si(2)と、粒子状又は線状で濃灰色を呈するMg2Si(3)とが観察された。
特に、破断伸びが0.9%であった比較例24(図4(a)及び図4(b)を参照)の鋳造部材Bでは、Mg2Si(3)が樹枝状に凝集し、いわゆるチャイニーズスクリプト状に晶出しており、T6熱処理後であるにもかかわらず長さが100μmを超える線状のMg2Siが多く観察された。比較例24は、鋳造時に生じたチャイニーズスクリプト状のMg2Siが粗大であったため、溶体化処理後でも100μmを超える長さの線状のMg2Siが残留し、それが延性を阻害したものと考えられる。これに対して、破断伸びが3%以上であった実施例41〜43の鋳造部材Bでは、長さが100μmを超える線状のMg2Siは観察されなかった。実施例41〜43は、鋳造時に生じたチャイニーズスクリプト状のMg2Siが比較的小さいサイズであり、延性を阻害する長尺のMg2Siが溶体化熱処理段階で細かく分断されたために延性を阻害しなくなったものと考えられる。なお、ここでいう線状とは、途切れることなく連続的に繋がる、直線状又は屈折若しくは屈曲するひも状の形態をいう。
[鋳造部材C](自動車用ロードホイール)
鋳造部材Cとして自動車用ロードホイールに適用した例を表3に示す。表3に示す成分組成のアルミニウム合金により低圧鋳造法でロードホイールを鋳造し、T6熱処理(540℃で4時間の溶体化処理及びそれに続く150℃で0.5時間の時効処理)を施した。各物性値の測定はスポーク部より試験片を採取し、各物性値の測定は、鋳造部材Aと同様の引張試験方法、ヤング率測定方法及び密度測定方法で行った。
(21)実施例44
実施例44の鋳造部材Cは、表3に示すように、13.0%のSi、1.91%のMg、0.10%のTi及び0.0191%のSrを含有する鋳造用Al-Si-Mg系合金を低圧鋳造法で鋳造した自動車用ロードホイールにT6熱処理を施したものである。比剛性は30.2 GPa/(g/cm3)、0.2%耐力は183 MPa及び破断伸びは9.7%であった。0.2%耐力及び破断伸びは自動車用ロードホイールとして必要十分な値であり、比剛性は従来材であるJIS AC4CH-T6材よりも約10%高い値であった。これにより、前記従来材からなる自動車用ロードホイールに対し、同等の剛性、強度及び延性を確保しつつ、質量で約3%の軽量化を図ることができた。
表1
注:(1)残部はAl及び不可避的不純物である。
(2)Cuの欄における「-」は不可避的不純物として0.10質量%以下のCuを含む。
(3)Feの欄における「-」は不可避的不純物として0.17質量%以下のFeを含む。
(4)Mnの欄における「-」は不可避的不純物として0.10質量%以下のMnを含む。
(5)Tiの欄における「-」は不可避的不純物として0.05質量%未満のTiを含む。
(6)Srの欄における「-」は不可避的不純物として0.015質量%未満のSrを含む。
表1(続き)
注:(1)残部はAl及び不可避的不純物である。
(2)Cuの欄における「-」は不可避的不純物として0.10質量%以下のCuを含む。
(3)Feの欄における「-」は不可避的不純物として0.17質量%以下のFeを含む。
(4)Mnの欄における「-」は不可避的不純物として0.10質量%以下のMnを含む。
(5)Tiの欄における「-」は不可避的不純物として0.05質量%未満のTiを含む。
(6)Srの欄における「-」は不可避的不純物として0.015質量%未満のSrを含む。
表1(続き)
注:(1)残部はAl及び不可避的不純物である。
(2)Cuの欄における「-」は不可避的不純物として0.10質量%以下のCuを含む。
(3)Feの欄における「-」は不可避的不純物として0.17質量%以下のFeを含む。
(4)Mnの欄における「-」は不可避的不純物として0.10質量%以下のMnを含む。
(5)Tiの欄における「-」は不可避的不純物として0.05質量%未満のTiを含む。
(6)Srの欄における「-」は不可避的不純物として0.015質量%未満のSrを含む。
表1(続き)
表1(続き)
表1(続き)
表2
注:(1)残部はAl及び不可避的不純物である。
(2)Cuの欄における「-」は不可避的不純物として0.10質量%以下のCuを含む。
(3)Feの欄における「-」は不可避的不純物として0.17質量%以下のFeを含む。
(4)Mnの欄における「-」は不可避的不純物として0.10質量%以下のMnを含む。
表2(続き)
表3
注:(1)残部はAl及び不可避的不純物である。
(2)Cuの欄における「-」は不可避的不純物として0.10質量%以下のCuを含む。
(3)Feの欄における「-」は不可避的不純物として0.17質量%以下のFeを含む。
(4)Mnの欄における「-」は不可避的不純物として0.10質量%以下のMnを含む。
表3(続き)

Claims (8)

  1. 質量基準で、12.0〜14.0%のSi、1.5〜4.0%のMg、0.10%以下のMn、残部がAl及び不可避的不純物からなることを特徴とする、比剛性、強度及び延性に優れた鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金。
  2. 請求項1に記載の鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金において、さらに質量基準で0.05〜0.3%のTiを含有することを特徴とする鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金において、さらに質量基準で0.015〜0.03%のSrを含有することを特徴とする鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金からなることを特徴とする鋳造部材。
  5. 請求項4に記載の鋳造部材において、T6熱処理を施されたことを特徴とする鋳造部材。
  6. 請求項5に記載の鋳造部材において、ヤング率を密度で除した比剛性が30 GPa/(g/cm3)以上、0.2%耐力が180 MPa以上、破断伸びが3%以上であることを特徴とする鋳造部材。
  7. 請求項6に記載の鋳造部材において、切断面を光学顕微鏡で観察したときに、長さが100μmを超える線状のMg2Siが観察されないことを特徴とする鋳造部材。
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載の鋳造部材からなる自動車用ロードホイール。
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