JP6439792B2 - 比剛性、強度及び延性に優れた鋳造用Al−Si−Mg系アルミニウム合金、並びにそれからなる鋳造部材及び自動車用ロードホイール - Google Patents
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Description
本発明の鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金を以下に説明する。各合金元素の含有量は特に断りのない限り質量%で示す。
SiはAlと共晶をなして流動性を高めるので鋳造用アルミニウム合金に好適な元素である。晶出Si自体が高いヤング率をもつため、アルミニウム合金鋳物に多量に共晶Siを含有させることによって、アルミニウム合金鋳物のヤング率を高めることができる。また、Si含有量を高めることによってアルミニウム合金の密度を下げることができる。つまり、Siの含有量を大きくすると、ヤング率を密度で除した値である比剛性の増加を図ることができる。この効果を大きく得るためにはSi含有量が12.0%以上であるのが好ましい。これに併せて、後述するMg含有量を1.5%以上とすることによって比剛性が30 GPa/(g/cm3)以上となり、減肉又は薄肉による鋳造部材の軽量化設計の自由度を高めることができる。なお、Mgを含有させないでSiをさらに含有させると、粗大な初晶Siが晶出し延性を損ねるが、1.5%以上のMgを含有させることにより初晶Siの晶出を抑制することができ、延性の低下を抑えることができる。しかし、14.0%を超えたSiを含有させると、初晶Siの晶出が顕著になって延性が著しく低下し、2.0%以上の破断伸びを確保できなくなる。以上のことから、Si含有量は12.0〜14.0%であり、好ましくは12.0〜13.5%であり、より好ましくは12.1〜13.5%、さらにより好ましくは12.5〜13.5%である。
Al-Si-Mg系アルミニウム合金において、MgはSiと強固な電子化合物であるMg2Siを形成する。特にSiが10%を超えるAl-Si-Mg系アルミニウム合金においては、Mgを1%以上含有させることにより共晶Mg2Siとして晶出するようになる。この共晶Mg2Si自体も非常に大きなヤング率をもつため、アルミニウム合金鋳物のヤング率向上に寄与する。そして、前述のように、12.0%以上のSi含有量と併せて、Mgを1.5%以上含有させることによって、粗大な初晶Siの晶出が抑制されるために延性の低下を抑えることができる。また、MgはAlよりも原子量が小さいことから、Mg含有量を高めることによってアルミニウム合金の密度を下げることができる。つまり、Mg含有量を大きくすると、比剛性の増加を図ることができる。しかし、Mg含有量が1.5%未満では0.2%耐力が100 MPaに満たず、特に車両用の鋳造部材として要求される強度を確保できないため好ましくない。また、4.0%を超えると共晶Mg2Siの含有量が過剰となって、延性の指標である破断伸びが2.0%未満と低下するので好ましくない。このためMg含有量は1.5〜4.0%であり、好ましくは1.5〜2.5%であり、より好ましくは1.6〜2.5%であり、さらにより好ましくは1.6〜2.4%である。
MnはAl-Mn-Si系の金属間化合物又はFeと共にAl-Fe-Mn-Si系の金属間化合物を形成して延性の低下をきたすので0.10%を超えて含有するのは好ましくない。このためMn含有量は0.10%以下である。
Tiは結晶粒を微細化させてアルミニウム合金の強度及び延性を向上させるのみならず、合金溶湯が凝固収縮する際に発生する応力に抗して鋳造割れを防止する作用を有する。必須ではないが、これらの作用を効果的に発揮させるためには、Tiを0.05%以上含有させるのが好ましい。高純度Al地金に不可避的不純物として含まれるTiは0.05%未満であるので、高純度Al地金を原料に用いる場合、上記効果を得るためにはTiを付加的に含有させる必要がある。ただし、Tiが0.3%を超えるとAl-Ti系の金属間化合物が晶出し、アルミニウム合金の延性はかえって低下するので、Tiを付加的に含有させる場合は0.05〜0.3%とし、より好ましくは0.1〜0.3%とする。また例えば、Ti源として、展伸材の6000系合金、AC4CH合金等のアルミニウム合金スクラップ材、低純度Al地金等を使用とした場合、通常不可避的不純物として0.05%以上のTiが混入してくるので、それに応じて付加的に含有させるTi量を調節するのが好ましい。
Srは共晶Siを微細化させてAl-Si-Mg系アルミニウム合金の延性を向上させる作用を有する。必須ではないが、これらの作用を効果的に発揮させるためには、Srを0.015%以上含有させるのが好ましい。Al地金やAC4CH合金等のアルミニウム合金スクラップ材に不可避的不純物として含まれるSrは0.015%未満であるので、上記効果を得るためにはSrを付加的に含有させる必要がある。ただし、Srが0.03%を超えるとその効果は鈍化する。Srの原子量は87.6であり、Alの27.0、Siの28.1、Mgの24.3、Tiの47.9に対して非常に大きいので、必要以上に多量に含ませることはアルミニウム合金の密度を増大させるので好ましくない。従って、Srを付加的に含有させる場合は0.015〜0.03%とし、好ましくは0.015〜0.02%とする。
リサイクルの観点から、6000系合金やその他のアルミニウム合金のスクラップ材、低純度Al地金等を溶解原料として多量に使用する場合があり、Si及びMg以外の元素が不可避的不純物として混入する可能性がある。これらの不純物元素については、例えば検出限界以下に低減することは多大なコストアップの要因となるので、本発明の目的を阻害しない含有範囲であれば許容されるものとする。基本的にはJIS規格等に沿った各不純物の許容含有量とすればよく、本発明においては、0.10%以下のCu、0.10%以下のZn、0.17%以下のFe、0.10%以下のMn、0.05%以下のNi、0.05%以下のCr、0.05%以下のPb及び0.05%以下のSnとするのが好ましい。特にCuは耐食性を低下させ、FeはAl-Fe-Si系の金属間化合物又はMnと共にAl-Fe-Mn-Si系の金属間化合物を形成して延性の低下をきたすので、上記の値を超えたCu及びFeを含有させるのは好ましくない。
本発明の鋳造部材は、重力鋳造法、低圧鋳造法、高圧鋳造法、ダイカスト鋳造法等の金型鋳造法により製造することができる。なお、鋳造組織が緻密であるほど、強度及び延性がより高まるので、鋳造にあたっては、凝固を速くすることが好ましい。例えば、鋳物の形状を薄肉にする、金型を冷却する、金型と溶湯との密着性を高めて金型への抜熱を促進する等の方法を適用することができる。
実施例1〜40及び比較例1〜23のアルミニウム合金の組成(表1に示す合金元素以外は、実質的にAl及び不可避的不純物)、並びにそのアルミニウム合金からなる重力鋳造品である鋳造部材Aのヤング率、密度、比剛性(ヤング率を密度で除した値)、0.2%耐力及び破断伸びの測定値を表1に示す。比較例1〜3は公知のアルミニウム合金(比較例1はJIS AC4CH、比較例2はJIS ADC3及び比較例3はJIS AC4B)である。なおアルミニウム合金を構成する合金元素の含有量は、特に断りのない限り質量基準での割合(%)である。
以下、表1を参照しつつ、Si含有量のレベルごとに、Mg含有量に対する各種測定値の評価結果を述べる。
実施例1〜4の鋳造部材Aは、Si含有量が12.0%、Mg含有量がそれぞれ1.45%、2.47%、3.01%及び4.02%のアルミニウム合金からなる。いずれも、比剛性は30.0 GPa/(g/cm3)以上、0.2%耐力は100 MPa以上及び破断伸びは2.0%以上であった。
実施例5〜8の鋳造部材Aは、Si含有量が12.5%、Mg含有量がそれぞれ1.54%、2.05%、2.46%及び4.03%のアルミニウム合金からなる。いずれも、比剛性は30.0 GPa/(g/cm3)以上、0.2%耐力は100 MPa以上及び破断伸びは2.0%以上であった。
実施例31の鋳造部材Aは、Si含有量が12.9%及びMg含有量が2.71%のアルミニウム合金からなり、実施例9〜12の鋳造部材Aは、Si含有量が13.0%、Mg含有量がそれぞれ1.46%、1.57%、2.54%及び3.99%のアルミニウム合金からなる。いずれも、比剛性は30.0 GPa/(g/cm3)以上、0.2%耐力は100 MPa以上及び破断伸びは2.0%以上であった。
実施例13〜17の鋳造部材Aは、Si含有量が13.5%、Mg含有量がそれぞれ1.47%、1.60%、2.45%、2.97%及び4.01%のアルミニウム合金からなる。いずれも、比剛性は30.0 GPa/(g/cm3)以上、0.2%耐力は100 MPa以上及び破断伸びは2.0%以上であった。
実施例18〜21の鋳造部材Aは、Si含有量が14.0%、Mg含有量がそれぞれ1.51%、1.99%、2.48%及び4.00%のアルミニウム合金からなる。いずれも、比剛性は30.0 GPa/(g/cm3)以上、0.2%耐力は100 MPa以上及び破断伸びは2.0%以上であった。
実施例32及び実施例22〜25の鋳造部材Aは、Tiを付加的に含有させたアルミニウム合金からなる。実施例32は、Si含有量が12.7%、Mg含有量が2.57%及びTi含有量が0.13%のアルミニウム合金からなり、実施例22〜25の鋳造部材Aは、Si含有量が13.0%、Mg含有量がそれぞれ1.49%、1.60%、2.52%及び4.04%、Ti含有量がそれぞれ0.34、0.17、0.13及び0.05%のアルミニウム合金からなる。いずれも、比剛性は30.0 GPa/(g/cm3)以上、0.2%耐力は100 MPa以上及び破断伸びは2.0%以上の高い値であった。
実施例33及び実施例26〜29の鋳造部材Aは、Srを付加的に含有させたアルミニウム合金からなる。実施例33の鋳造部材Aは、Si含有量が12.9%、Mg含有量が2.69%及びSr含有量が0.0290%のアルミニウム合金からなり、実施例26〜29の鋳造部材Aは、Si含有量が13.0%、Mg含有量がそれぞれ1.46%、1.61%、2.53%及び4.03%、Sr含有量がそれぞれ0.0242%、0.0186%、0.0296%及び0.0154%のアルミニウム合金からなる。いずれも、比剛性は30.0 GPa/(g/cm3)以上、0.2%耐力は100 MPa以上及び破断伸びは2.0%以上の高い値であった。
実施例30及び実施例34〜40の鋳造部材Aは、Ti及びSrを付加的に含有させたアルミニウム合金からなる。いずれも、比剛性は30.0 GPa/(g/cm3)以上、0.2%耐力は100 MPa以上及び破断伸びは2.0%以上であった。
比較例1〜3の鋳造部材Aは、従来から広く鋳造用に用いられているJIS合金(比較例1はAC4CH、比較例2はADC3及び比較例3はAC4Bに相当)からなる。比較例1〜3の鋳造部材Aは、いずれも比剛性が27 GPa/(g/cm3)程度であり、表1に示した実施例に対して10%又はそれ以上低い値であった。
比較例4〜7の鋳造部材Aは、Si含有量が11.0%、Mg含有量がそれぞれ0.35%、2.03%、4.03%及び4.96%のアルミニウム合金からなる。比較例4〜6の比剛性は、それぞれ29.0、29.4及び29.9 GPa/(g/cm3)であり、公知のアルミニウム合金である比較例1〜3の比剛性よりも大きかったが、30.0 GPa/(g/cm3)には満たなかった。Mg含有量が4.96%の比較例7の比剛性は30.7 GPa/(g/cm3)であったが、破断伸びが2.0%に満たなかった。
比較例8及び9の鋳造部材Aは、Si含有量が実施例1〜4と同じ12.0%であったが、Mg含有量がそれぞれ0.25%及び4.98%のアルミニウム合金からなる。比較例8は比剛性が30.0 GPa/(g/cm3)に満たず、また0.2%耐力も100 MPaに満たなかった。一方、比較例9は破断伸びが2.0%に満たなかった。
比較例10及び11の鋳造部材Aは、Si含有量が実施例5〜8と同じ12.5%であったが、Mg含有量がそれぞれ0.80%及び4.99%のアルミニウム合金からなる。比較例10は比剛性が30.0 GPa/(g/cm3)に満たず、また0.2%耐力も100 MPaに満たなかった。一方、比較例11は破断伸びが2.0%に満たなかった。
比較例12〜14の鋳造部材Aは、Si含有量が実施例9〜12と同じ13.0%であったが、Mg含有量がそれぞれ0.51%、0.69%、4.96%のアルミニウム合金からなる。比較例12及び比較例13は、0.2%耐力が100 MPaに満たなかった。一方、比較例14は破断伸びが2.0%に満たなかった。
比較例15〜17の鋳造部材Aは、Si含有量が実施例13〜17と同じ13.5%であったが、Mg含有量がそれぞれ0.05%、0.71%及び4.98%のアルミニウム合金からなる。比較例15及び比較例16は0.2%耐力が100 MPaに満たなかった。一方、比較例17は破断伸びが2.0%に満たなかった。
比較例18及び19の鋳造部材Aは、Si含有量が実施例18〜21と同じ14.0%であったが、Mg含有量がそれぞれ0.20%及び4.95%のアルミニウム合金からなる。比較例18は0.2%耐力が100 MPaに満たなかった。一方、比較例19は破断伸びが2.0%に満たなかった。
比較例20〜22の鋳造部材Aは、Si含有量が15.0%、Mg含有量はそれぞれ1.05%、2.51%及び4.02%のアルミニウム合金からなる。破断伸びはいずれも2.0%に満たなかった。
比較例23の鋳造部材Aは、Si含有量が12.2%、Mg含有量が1.44%、さらに付加的にTiを0.16%及びSrを0.0241%含有させたアルミニウム合金からなる。比剛性は30.0 GPa/(g/cm3)に満たず、0.2%耐力も100 MPaに満たなかった。
鋳造部材Bは、T6熱処理を施すことによって特に強度(0.2%耐力)を高めた例である。表2に示す実施例41〜43の成分組成のアルミニウム合金から、鋳造部材Aと同様の方法で鋳造し、室温まで空冷した各鋳造部材に、T6熱処理(540℃で4時間の溶体化処理及びそれに続く150℃で0.5時間の時効処理)を施したものである。各物性値の測定は、鋳造部材Aと同様の試験片採取部位から試験片を採取し、鋳造部材Aと同様の引張試験方法、ヤング率測定方法及び密度測定方法で行った。
表2に示す実施例41〜43の鋳造部材Bは、付加的にTi及びSrを含有させてなるアルミニウム合金にT6熱処理を施したものである。いずれも、比剛性は30.0 GPa/(g/cm3)以上、0.2%耐力は180 MPa以上及び破断伸びは3%以上であった。T6熱処理を施したことにより、非熱処理材である実施例34〜40の鋳造部材Aに比べて著しく高い値の0.2%耐力を有する鋳造部材を得ることができた。
比較例24の鋳造部材Bは、表2に示すように、Si含有量が12.9%、Mg含有量が4.50%、さらに付加的にTi及びSrを含有させてなるアルミニウム合金にT6熱処理を施したものである。破断伸びは0.9%しか得られず、実施例41〜43に比べて延性が大きく劣っていた。
図1(a)は実施例41の鋳造部材Bの切断面のミクロ組織を観察した光学顕微鏡写真であり、図1(b)は図1(a)よりもさらに高い倍率で観察した光学顕微鏡写真である。同様に、図2(a)及び図2(b)は実施例42の、図3(a)及び図3(b)は実施例43の、図4(a)及び図4(b)は比較例24の鋳造部材Bのミクロ組織を観察した光学顕微鏡写真である。いずれもα相(1)と、粒子状で薄灰色を呈する共晶Si(2)と、粒子状又は線状で濃灰色を呈するMg2Si(3)とが観察された。
鋳造部材Cとして自動車用ロードホイールに適用した例を表3に示す。表3に示す成分組成のアルミニウム合金により低圧鋳造法でロードホイールを鋳造し、T6熱処理(540℃で4時間の溶体化処理及びそれに続く150℃で0.5時間の時効処理)を施した。各物性値の測定はスポーク部より試験片を採取し、各物性値の測定は、鋳造部材Aと同様の引張試験方法、ヤング率測定方法及び密度測定方法で行った。
実施例44の鋳造部材Cは、表3に示すように、13.0%のSi、1.91%のMg、0.10%のTi及び0.0191%のSrを含有する鋳造用Al-Si-Mg系合金を低圧鋳造法で鋳造した自動車用ロードホイールにT6熱処理を施したものである。比剛性は30.2 GPa/(g/cm3)、0.2%耐力は183 MPa及び破断伸びは9.7%であった。0.2%耐力及び破断伸びは自動車用ロードホイールとして必要十分な値であり、比剛性は従来材であるJIS AC4CH-T6材よりも約10%高い値であった。これにより、前記従来材からなる自動車用ロードホイールに対し、同等の剛性、強度及び延性を確保しつつ、質量で約3%の軽量化を図ることができた。
(2)Cuの欄における「-」は不可避的不純物として0.10質量%以下のCuを含む。
(3)Feの欄における「-」は不可避的不純物として0.17質量%以下のFeを含む。
(4)Mnの欄における「-」は不可避的不純物として0.10質量%以下のMnを含む。
(5)Tiの欄における「-」は不可避的不純物として0.05質量%未満のTiを含む。
(6)Srの欄における「-」は不可避的不純物として0.015質量%未満のSrを含む。
(2)Cuの欄における「-」は不可避的不純物として0.10質量%以下のCuを含む。
(3)Feの欄における「-」は不可避的不純物として0.17質量%以下のFeを含む。
(4)Mnの欄における「-」は不可避的不純物として0.10質量%以下のMnを含む。
(5)Tiの欄における「-」は不可避的不純物として0.05質量%未満のTiを含む。
(6)Srの欄における「-」は不可避的不純物として0.015質量%未満のSrを含む。
(2)Cuの欄における「-」は不可避的不純物として0.10質量%以下のCuを含む。
(3)Feの欄における「-」は不可避的不純物として0.17質量%以下のFeを含む。
(4)Mnの欄における「-」は不可避的不純物として0.10質量%以下のMnを含む。
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(6)Srの欄における「-」は不可避的不純物として0.015質量%未満のSrを含む。
(2)Cuの欄における「-」は不可避的不純物として0.10質量%以下のCuを含む。
(3)Feの欄における「-」は不可避的不純物として0.17質量%以下のFeを含む。
(4)Mnの欄における「-」は不可避的不純物として0.10質量%以下のMnを含む。
(2)Cuの欄における「-」は不可避的不純物として0.10質量%以下のCuを含む。
(3)Feの欄における「-」は不可避的不純物として0.17質量%以下のFeを含む。
(4)Mnの欄における「-」は不可避的不純物として0.10質量%以下のMnを含む。
Claims (8)
- 質量基準で、12.0〜14.0%のSi、1.5〜4.0%のMg、0.10%以下のMn、残部がAl及び不可避的不純物からなることを特徴とする、比剛性、強度及び延性に優れた鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金。
- 請求項1に記載の鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金において、さらに質量基準で0.05〜0.3%のTiを含有することを特徴とする鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金。
- 請求項1又は請求項2に記載の鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金において、さらに質量基準で0.015〜0.03%のSrを含有することを特徴とする鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の鋳造用Al-Si-Mg系アルミニウム合金からなることを特徴とする鋳造部材。
- 請求項4に記載の鋳造部材において、T6熱処理を施されたことを特徴とする鋳造部材。
- 請求項5に記載の鋳造部材において、ヤング率を密度で除した比剛性が30 GPa/(g/cm3)以上、0.2%耐力が180 MPa以上、破断伸びが3%以上であることを特徴とする鋳造部材。
- 請求項6に記載の鋳造部材において、切断面を光学顕微鏡で観察したときに、長さが100μmを超える線状のMg2Siが観察されないことを特徴とする鋳造部材。
- 請求項5〜7のいずれかに記載の鋳造部材からなる自動車用ロードホイール。
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