JP5081791B2 - 自動車部品の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)Zrの添加により、Al−Ti(チタン)−B(ホウ素)系合金の結晶粒微細化効果が弱められ、鋳塊自体の結晶粒が粗くなり、逆に塑性加工後の加工品の強度低下をきたすことが多くなる。
(2)鋳塊自体の結晶粒微細化効果が弱められるため、鋳塊割れが発生し易くなり、内部欠陥が増加し、歩留まりが悪化する。
(3)ZrはAl−Ti−B系合金と化合物を形成し、合金溶湯を貯留する炉の底に化合物が堆積し、炉を汚染するとともに、製造した鋳塊においてもこれら化合物が鋳塊中に粗大に晶出し、強度を低下させる。
このため、Zrの添加は効果があるものの、強度の安定性を維持するのが難しく、製品の品質が不安定となり、材料コストの上昇を招いていた。
また、上記した塑性加工用アルミニウム合金鋳塊を連続鋳造する塑性加工用アルミニウム合金鋳塊の製造方法は、鋳造温度を(750±50)℃とし、鋳造速度を(240±50)mm/分として鋳造する方法である。
なお、鋳造後に均質化処理を施さないのが望ましい。
さらに、この発明にかかる自動車部品の製造方法は、上記した塑性加工用アルミニウム合金鋳塊を用い、塑性加工用アルミニウム合金鋳塊に熱間鍛造加工による塑塑性加工を施すとき、〔430+塑性加工率(%)〕℃以上550℃以下で加熱する方法である。
なお、塑性加工後に520℃〜550℃で溶体化処理を施すのが望ましい。
また、この発明にかかる自動車部品は、溶解炉で溶解し、フラックス処理をし、フラックス処理で除去できない微細な非金属介在物を除去した後のアルミニウム合金溶湯にTi及びBを投入し、その後30分以内に、鋳造温度を(750±50)℃とし、鋳造速度を(240±50)mm/分として連続鋳造することで、Mgを0.8wt%〜1.2wt%、Siを0.7wt%〜1.0wt%、Cuを0.3wt%〜0.6wt%、Mnを0.14wt%〜0.3wt%、Crを0.14wt%〜0.3wt%、Feを0.5wt%以下、Tiを0.01wt%〜0.15wt%、Bを0.0001wt%〜0.03wt%含有し、残部がAlと不可避的不純物であり、Zrを不添加として晶出物の平均粒径が8μm以下、デンドライト二次アーム間隔が40μm以下、かつ、結晶粒径が300μm以下の組織を有する塑性加工用アルミニウム合金鋳塊を得て、当該塑性加工用アルミニウム合金鋳塊に熱間鍛造加工による塑性加工を施すときに、〔430+塑性加工率(%)〕℃以上550℃以下で加熱して製造して得られるものである。
なお、この明細書中におけるwt%は、重量%を意味し、SI単位系の質量%と等価である。
したがって、例えば0.7wt%は、0.7重量%または0.7質量%のことである。
Siは、Mgと共存してMg2Si系析出物を形成し、最終製品の強度向上に寄与する。Siの含有量が0.7wt%よりも少ないと、析出強化の効果が少なくなる。 一方、1.0wt%を越えると、Siの粒界析出が多くなり、粒界脆化が生じ易く、鋳塊の鍛造加工性(塑性加工性)、および最終製品の靭性を低下させるのみならず、鋳塊の晶出物の平均粒径が所定の上限を越えることになる。したがって、Siの含有量は、0.7wt%〜1.0wt%の範囲にする必要がある。なお、Siは、後述するMgの量に対してMg2Siを生成する量を越えて過剰に添加することにより、時効処理後の最終製品の強度をさらに高める。
なお、晶出物の大きさの測定は、顕微鏡を有した画像解析装置(ルーゼックス)でミクロ組織を同定し、個々の晶出の断面積を円に換算したときの直径を粒径とした。
なお、DASの測定は、軽金属学会発行の『軽金属(1988年)、vol.38、No.1、p45』に記載の、『デンドライトアームスペーシング測定手順』にしたがって行った。
なお、結晶粒径の測定は、光学顕微鏡写真上で切片法によって求めた。
32は噴出孔を示し、鋳塊Iを冷却させるために鋳塊Iの外周へ冷却媒体としての水Wを吹き付けることができるように、環状流路部分31aに連通させて、鋳型21に複数、または周回させて設けられている。
34は潤滑油流路を示し、円筒状内周面22へ潤滑油Oを供給できるように、鋳型21に周回させて設けられた環状流路部分34aと、この環状流路部分34aを外側へ連通させる導入部分34bとで構成されている。
まず、図示を省略した溶解炉で地金、母合金、金属シリコン、銅塊などを混合して溶解させた後、保持炉で脱滓のためのフラックス処理を行う。そして、インライン脱ガス装置で溶湯中のガス(特に水素ガス)を減少させ、さらに、フラックス処理で除去できない微細な非金属介在物を除去した後、TiおよびBを添加する。
以後は、同様にして順次鋳塊Iを鋳造する。
ここで、塑性加工率(鍛造加工率)について説明すると、例えば据込加工のような場合は〔(変形した高さ)÷(初期高さ)×100〕(%)であり、また、押出加工のような場合は、〔(変形を受ける断面積)÷(初期断面積)×100〕(%)である。
12,42 流出口
21,61 鋳型
22,62 円筒状内周面
31,71 冷却媒体流路
31a,71a 環状流路部分
31b,71b 導入部分
32,72 噴出孔
33,73 気体流路
33a,73a 環状流路部分
33b,73b 導入部分
34,77 潤滑油流路
34a,73a 環状流路部分
34b,74b 導入部分
51 耐火物製板体
52 流出口
M 溶湯
A 空気
O 潤滑油
W 水
I 鋳塊
Claims (1)
- 溶解炉で溶解し、フラックス処理をし、フラックス処理で除去できない微細な非金属介在物を除去した後のアルミニウム合金溶湯にTi及びBを投入し、その後30分以内に、鋳造温度を(750±50)℃とし、鋳造速度を(240±50)mm/分として連続鋳造することで、Mgを0.8wt%〜1.2wt%、Siを0.7wt%〜1.0wt%、Cuを0.3wt%〜0.6wt%、Mnを0.14wt%〜0.3wt%、Crを0.14wt%〜0.3wt%、Feを0.5wt%以下、Tiを0.01wt%〜0.15wt%、Bを0.0001wt%〜0.03wt%含有し、残部がAlと不可避的不純物であり、Zrを不添加として晶出物の平均粒径が8μm以下、デンドライト二次アーム間隔が40μm以下、かつ、結晶粒径が300μm以下の組織を有する塑性加工用アルミニウム合金鋳塊を得て、当該塑性加工用アルミニウム合金鋳塊に熱間鍛造加工による塑性加工を施すときに、〔430+塑性加工率(%)〕℃以上550℃以下で加熱して製造する、
ことを特徴とする自動車部品の製造方法。
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