JP6340893B2 - アルミニウム合金ビレットの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高強度の、特に凝固割れを防止したアルミニウム合金ビレットの製造方法に関するものである。
一般的に高強度のアルミニウム合金、例えばJISの6000系合金は凝固割れ感受性が非常に高いため、高速鋳造を安定して行うことができない。このため、今日まで、凝固割れ感受性に関して多くの研究がなされ、その機構も明らかにされてきている。
それらの結果に基づいて、凝固割れの原因については次のように考えられる。
すなわち、鋳造における凝固過程の固液共存域において温度降下によって液相率fLが1から0まで変化する。固液共存域を図1に模式的に示す。
液相が多い時は、固液相がスラリー状になり、固相同士が接触しないため、融液が固液共存域を通じ凝固界面の方に補給され凝固収縮が吸収されるし、固相が自由に変形できるため熱収縮による応力も発生しない。一方、温度の低下に伴い固相が多くなると、まず固相の多いスラリー層が形成され、それから固相の割合が多くなると固相の結合・ネットワーク化が起こるこの状態になり、融液が補充されにくくなり、マッシュ域が長くなったり、固相の割合が一定の割合を超えたりすると、融液が補充されなくなって、鋳造品の内部に引け巣や収縮孔や微小な空隙等の凝固欠陥が残留する。
これらの凝固欠陥は、最終凝固時に凝固割れの核生成サイトとして機能する。マッシュ域の最も長くなる鋳片の中央部が凝固し始める時には中心部に対して外層部である表層部ではすでに冷却媒体によって低い温度まで冷却されており、強度を有する凝固層が既に形成されているので冷却されても収縮できず内部の変形に対して拘束となる。そのときに鋳片の中央部のすべて固相になった部分とマッシュ域の固相の結合・ネットワーク化が生じた部分には温度低下による熱収縮が生じてその応力の伝達が生じて引張応力が発生する。この引張り応力がその部分の強度を上回ると凝固割れの生成・伝搬が生じる。
また、鋳片表面においても鋳型と冷却媒体によって鋳片の表層部が急冷され収縮するため表層部に凝固収縮と熱収縮による収縮が発生する。均一に冷却され収縮すれば鋳片の内部は融液であるので収縮は凝固部が小さくなる変形を生じさせ吸収される。しかし、部分的な冷却のアンバランスがあると遅れて冷却される部分には先に冷却された部分が拘束となって引っ張り応力が発生し、その応力がその部分の強度を超えると表面の凝固割れが発生する。
高速鋳造において凝固割れ発生を防止するためには次のような4つの方法から選択するのが一般的である。
(1) 鋳造条件最適化、
(2) 鋳型冷却の均一化、
(3) 微細化剤の添加、
(4) 合金組成の調整。
しかしながら、(2)は凝固割れが鋳片の表層部で発生する場合には有効であるが、中心部での凝固割れに対する効果がほとんどない。(3)は効果的であるが、しかし、微細化剤を添加しても微細化効果が得られないハイパーSi合金のような合金種もある。
したがって、多くの場合は凝固割れ感受性を下げるために、上記4つの手法の内、(1)や(4)の鋳片の鋳造速度(冷却条件)を制御しながら、微細化材を添加し、合金組成を最適化する方法が提案されている。その代表例として次の特許文献1,2,3が挙げられる。
特開2001‐191150号公報 特開2012‐102369号公報 特開2000‐5852号公報
特許文献1では、予め計算で得られる相当塑性歪み値(ε)を基準とし、これが実測破断歪み値(ε)以下になるように、鋳造速度や冷却条件速度等の鋳造条件を制御することにより、初期段階での割れ欠陥を確実に防止することを可能とする。なお、相当塑性歪み値(ε)は、凝固過程におけるビレット各部に生じる最大相当塑性歪み(計算値)であり、実測破断歪み値(ε)は、当該合金の固液共存域及び固相域における高温引張試験で得られた破断歪み(実測値)である。
しかしながら、アルミニウムの加工用高強度合金をDC鋳造法で鋳造し、鋳造速度を上げると、ビレットの中心部が凝固終了付近で一文字や十字型、又は三方向に割れる熱間割れという重大な欠陥が発生することがある。熱間割れが一度発生すると伝搬して同じ条件で鋳造すると最後まで欠陥が続くことが起きる。このため、アルミニウムの加工用高強度合金の鋳造速度は熱間割れで限界があり、コスト安く鋳造することができなかった。
なお、本明細書中では「DC鋳造」や単に「DCビレット」と表記しているが、この「DC」は、Direct Chillのことを指す。「DC鋳造」は鋳型により表面だけが凝固した鋳塊を、直接冷却水中に鋳造する方法である。これにより、水中冷却凝固であるため鋳型内で固めるよりも冷却効率が高く、急冷組織が得られる。また、「DCビレット」はDC鋳造により製造されたビレットのことである。
特許文献2では、純アルミニウムのもつ延性を低下させずに強度を高くしたAl‐1.5%Mn系合金の機械的特性及び耐凝固割れ性に対して、各合金元素が及ぼす影響について検討した結果、(1)Cu,Mg等の含有量の最適化を図ることで0.2%耐力及び引張強さに優れたアルミニウム合金を実現できること、(2)Fe,Ti,Si等の含有量の最適化を図ることで耐凝固割れ性を大幅に向上させたアルミニウム合金を提案している。
しかしながら、上述のとおり、凝固割れ感受性と合金組成との関係は複雑であり、合金の適正な組成を見付けるのはかなり困難である。さらに、組成調整により合金の機械的特性が劣化してしまう場合が少なくない。したがって、添加剤の添加や組成変更を行わずに、凝固割れ防止を実現する方法が必要とされている。
合金組成との関係なく凝固割れ対策を実現できる方法の一つとして、特許文献3が挙げられる。
特許文献3では、外周面を鋳塊に接触させて冷媒を除去する回転体を設けたアルミニウム合金のDC鋳造鋳塊割れ防止装置と、この鋳塊割れ防止装置により液状冷媒が十分に遮断され、アルミニウム合金鋳塊の割れが発生しないDC鋳造機を提供している。つまり、その方法は冷却時における冷媒遮断によって鋳塊中央部と内外周部の冷却速度差を十分小さくし、熱残留応力を抑えようとしたものである。
しかし、上記のようなアプローチによっても、凝固割れの発生を十分に防止することはできない。凝固割れの発生が抑えられたとしても、引け巣や収縮孔や微小な空隙等の鋳造欠陥が非常に大きくなり、その素材を使用する場合、鍛造、機械加工、アルマイト等の加工工程で不良品を発生させることがある。
しかも、加工用高強度アルミニウム合金のDCビレット製品に於いては、製品の使用方法が高度化し、これまでの技術以上に加工用高強度アルミニウム合金ビレットの鋳造速度の高速化に依るコストダウンや組織改善による材料特性(強度、耐力、伸び)の向上や均一組織化した材料が求められていた。
本発明は、このような課題を解決するために案出されたものであり、加工用のDC鋳造ビレット製品を得る際に、凝固割れを防止するとともに、凝固組織を改善して機械的特性の向上が可能なアルミニウム合金DC鋳造ビレットが簡便に得られる方法を提供することを目的とする。
本発明のアルミニウム合金ビレットの製造方法は、その目的を達成するため、超音波ホーンを用い、初晶としてAlが晶出する成分組成を有するアルミニウム合金溶湯をDC鋳造して(超音波ホーン先端径/ビレット径)が0.35〜0.6であり、直径が45mm〜325mmφのビレットを得る際に、前記超音波ホーンをその先端が鋳型下端から下記(1)、(2)式を満たす距離LH(mm)に位置させて鋳型内のアルミニウム合金溶湯に超音波を照射することを特徴とする。
Ls+50≧LH≧Ls+10 (1)
ここで、Ls(mm)は式(2)により求められた距離である、
Vcは鋳造速度(mm/min)、Rbは鋳型半径(=ビレット半径,mm)、Qw水冷流量(L/min)
アルミニウム合金溶湯としては、Si:0.4〜2.0質量%、Mg:0.6〜1.5質量%、Fe:0.05〜0.5質量%、Ti:0.005〜0.15質量%、B:50質量ppm以下を含有し、残部がAlと不可避的不純物からなるものが好ましい。
さらにCu:0.5質量%以下、Mn:0.6質量%以下、Cr:0.4質量%以下の内のいずれか1種以上を含有するものがより好ましい。
超音波照射は、ホーン先端の振動振幅を30μm(p‐p)以上で保持することが好ましい。
上記の方法により、Si:0.4〜2.0質量%、Mg:0.6〜1.5質量%、Fe:0.05〜0.5質量%、Ti:0.005〜0.15質量%、B:50質量ppm以下を、さらに必要に応じてCu:0.5%質量以下、Mn:0.6%質量以下、Cr:0.4%質量以下の内のいずれか1種以上を含有し、残部がAlと不可避的不純物からなる成分組成を有するとともに、ビレット中心部に結晶粒径が80μm以下で標準偏差20μm以下、DASが35μm以下で標準偏差10μm以下の初晶Alが晶出しているアルミニウム合金ビレットが得られる。
本発明のアルミニウム合金ビレットの製造方法では、鋳型を流れるアルミニウム合金溶湯に超音波ホーンを浸漬させ、ビレットとホーンの中心を合わせて鋳型下端からの距離を一定にしてサンプ内の固液共存域へ超音波を照射することにより、凝固割れを防止するとともに、凝固組織を改善し、その後の加工熱処理により機械的特性を向上することができるアルミニウム合金ビレットを得ることができた。
凝固機構を図解したもの ホーン先端が凝固界面に近すぎた時に発生したマクロポロシティを示す図 鋳造されたビレット断面の一例 (a)超音波鋳造 (b)通常鋳造 鋳造されたビレット中心部のミクロ組織 (a)超音波鋳造 (b)通常鋳造 ホーン先端の配置の概略図
1:鋳型 2:冷却水 3:サンプ 4:超音波ホーン 5:ビレット
アルミニウム合金を鋳造する際、超音波振動を付加することによって凝固結晶組織を改善できることが以前から知られている。それらの多くは、超音波振動子に取り付けた超音波ホーンをアルミ溶湯中に挿入して、ホーン直下にキャビテーション場が発生する条件で溶湯移送樋及び/又は鋳型内・サンプ内に超音波振動を付加するものである。
その結果、予め溶湯中に添加した微細化剤(P,TiB2,Zr等)又は/及び溶湯中に存在する制御不能な異物(Al2O3介在物等)がキャビテーション場を通過する間に微細化剤又は/及び異物の粒子が溶湯中で効率よく分散され、かつ粒子表面に付着された水素が表面から除去され、濡れ性が向上されることにより結晶核の個数が劇的に増えることによって凝固組織が微細化されることが報告されている。
本発明では、超音波ホーンを用い、鋳型内の特定位置での超音波振動によって発生するキャビテーション、音響流、放射熱、三つの現象を利用し、(1)凝固時にマッシュ域で生じる収縮孔や空隙に溶湯が充填されやすくなる、(2)マッシュ域が短くなるため熱収縮応力が小さく緩和され鋳造組織が微細・均一化することによってマッシュ域の機械的特性が改善されて凝固割れ感受性が低減することを可能にし、鋳造割れを防止すると同時に、得られた鋳塊は鋳造組織が均一でバラツキが小さく、かつ強度と延性に優れたアルミニウム合金ビレットが得られる。結果的に凝固割れがなく鋳造組織が良好になるので鋳造が高速化され、連続鋳造した場合に、大きな生産性の向上が見出されることを確認したものである。
発明者らは水モデルとアルミニウム溶湯の実験を行い、キャビテーションと音響流の特性について具体的な研究を実施してきた。その研究で得られた結果について以下に説明する。
(1)音響キャビテーションについて
音響キャビテーションとは、超音波ホーンにより液体中に超音波を照射する時のホーン先端の振動振幅がある「しきい値、AC」を超えた場合、液体中で無数の気泡が発生し、膨張、圧縮を繰り返し、ある条件で崩壊する現象である。気泡崩壊が液体中で高速マイクロジェットと衝撃波の発生を引き起こす。これらが鋳造プロセスに対して、微細化剤分散、デンドライト分断・粒状化など超音波照射効果の原因であると考えられる。ただし、キャビテーション強度はホーン先端から離れるほど減少するため高速マイクロジェットと衝撃波の強さも減っていく。
以前、発明者らが報告した結果によると超音波周波数20kHzにおいては高強度キャビテーション場の長さL(超音波の伝搬方向or縦方向)と広さW(超音波の伝搬方向に対する横方向)がそれぞれL=50mmとW=1.5Dである。ここでDはホーン先端径である。したがって、上述のとおり、融液の充填性が悪化した固相ネットワーク領域とホーン先端からの距離が50mmを超えない条件で超音波を照射する場合は固相ネットワーク領域の近傍で発生する高速マイクロジェットと衝撃波がその領域における融液・結晶に直接影響を与えて、樹枝状結晶(デンドライト)の分断を促進する上で融液の流動性・充填性を改善する。
(2)音響流について
音響流は流体の粘性、熱伝導性等により超音波エネルギー消散によって生じる定常流であり、溶湯の攪拌、熱伝達、結晶核の移動、偏析抑制等のメカニズムに影響する現象であると推定される。
以前、発明者らが得た結果によれば音響流は、ホーン先端の直下で発生して、数十cm/secの範囲での速度を持つ下向き定常流である。固液共存領域への超音波照射においては音響流によって次のような効果をもたらす。一つ目は、融液が音響流の動圧の影響を受けて、通常(超音波照射なし)では通過できないデンドライト間を通過でき、凝固界面へより効率よく供給され、鋳造品の内部に残留した引け巣や収縮孔や微小な空隙等を補填して埋める。二つ目は、ホーン直下の高強度キャビテーション場で分散された凝固核が音響流により固液共存領域へ供給され、凝固組織の微細化を促進する。それによっても、固相ネットワーク領域において融液の流動性・充填性が改善される。三つ目は、固液共存領域周辺の溶湯がよく攪拌されることによって、溶湯のサンプが浅くなり、固液共存領域内温度の均一性が向上される。その結果、鋳造品内部の熱応力が緩和しやすくなる。
(3)放射熱について。
キャビテーション気泡が崩壊する段階で、キャビテーション発生に使ったエネルギーが消散して、熱エネルギーに変換される熱が放射熱と呼ばれる。
発明者ら以前報告した結果によると放射熱量はホーンの振動振幅と超音波伝播媒体の音響インピーダンスの増加とともに増加する。また、キャビテーションの強いホーン先端直下で放射熱が大きくなるが、ホーン先端から離れるほど少なくなる傾向にある。
以上のような考察から、超音波ホーンを用いて鋳型内の溶湯に超音波振動を付与するに当たっては、溶湯内での超音波振動の付与位置が、超音波振動の付与効率に大きく影響していると理解され、本発明は、その超音波振動の付与位置について検討し、以下の結果を得たものである。
鋳型下端面からの距離,L H
竪型DC鋳造鋳型の中に超音波ホーンの縦方向の位置、面積比、出力を請求範囲の位置に配置することによってビレットが凝固するときの液体域、スラリー部分、固定したマッシュ域に作用して結果的に鋳造可能速度の増大、鋳造組織改善による材料特性の向上が得られた。
発明者らは、Alが初晶として晶出する組成を持つアルミニウム合金溶湯を直径が45mmφから325mmφのDCビレット鋳造する際に、ホーン先端の鋳型下端からの距離LHを下記式(1)、(2)の範囲内とすれば、凝固割れを防止することができることを確認した。
そこで、本発明においてビレット直径は45mmφから325mmφとした。ビレット直径が45mmφより小さいと型数が増え、面削比率(製品比率が下がって)が大きくなって、経済的にコストが増大し、他のプロセス(押し出し品等)に比べて高価にになって競争力が無くなる。また、325mmφより大きくなると超音波鋳造をしても、鋳造速度が遅くなって、通常法との経済的なコスト改善が見込めないためである。
Ls+50≧LH≧Ls+10 (1)
LHは距離LS(サンプ深さ)によって正値も負値もなりえる。図5に示すように、鋳型下端から下方.にいくにつれ負の値となり上方にいくにつれ正の値とする。たとえばLS=−30mmの場合、LHの上限は20mmであり、下限は−20mmである。
なお、LS(mm)は式(2)により求められた距離である。
ここでVCは鋳造速度(mm/min)、Rbは鋳型半径(=ビレット半径mm),QWは水冷流量(L/min)。LSは鋳型下端に一致する原点(図5a)に対して求められるので常に負値である。
LHがLs+50mmより大きいとキャビテーション強度と音響流速度が減少するため超音波のマッシュ域の短縮効果が低下し凝固割れ防止効果が低下する。一方、LHがLs+10mmより小さいと次のマイナスの効果の恐れがある。一つ目として、凝固界面近傍で激しく発生するキャビテーション、音響流と放射熱によりホーン直下のマクロ偏析、マクロポロシティ、不均一性などの鋳造欠陥が発生しやすくなる。その一例を図2に示す。二つ目として、ホーンが凝固された鋳造材に引き取られる可能性が高くなる。
なお、アルミニウム合金の組成はアルミニウムが初晶として晶出する組成の場合ならば上記式(1)、(2)によって求められるLHの範囲にホーン先端を設定すると凝固割れが防止できることが当てはまる。
ホーン先端とビレット径の関係
なお、超音波ホーン先端の形状としては、図5(a)に示すような平面形状、図5(b)に示すような円錐台形状、図5(c)に示すような丸い形状、その他、円錐台形状などを適用することができるが、超音波ホーン先端径ビレット径との比(超音波ホーン先端径/ビレット径)を0.35〜0.6の範囲内に設定する。超音波ホーン先端径は、超音波照射方向に対する垂直面における最大径をいう。(超音波ホーン先端径/ビレット径)が0.35より小さいと、キャビテーション領域を通過する溶湯の量が少なくなってしまい微細化効果が十分ではなくなる可能性がある。また、キャビテーション場が発生する領域は一般的に、幅約Dc=1.5Dh(Dh;ホーンの直径)であるため、(超音波ホーン先端径/ビレット径)が0.6より大きいと、キャビテーション領域が鋳型壁まで及びキャビテーションによりエロージョンされ溶湯のコンタミネーションが生じるおそれがでてしまう。
ホーン先端の振動振幅,A
DC鋳造時に凝固割れを無くし、鋳造組織をより適切なものとするためには、上記超音波ホーンの位置調整や得ようとするビレット径に対するホーン先端径の他に、出力をも調整することが好ましい。
ホーン先端での振動振幅Aを30μm以上とすることが好ましい。Aが30μmより小さくなるとキャビテーション強度と音響流速度が減少するため超音波の凝固割れ防止効果が低下する場合がある。
アルミニウム合金溶湯への超音波照射による効果
凝固時にAlが初晶として晶出するような亜共晶アルミニウム合金の鋳造では凝固最終段階で晶出する共晶と金属間化合物が融体として結晶粒間に存在し凝固後、結晶粒間で共晶あるいは金属間化合物として固体となる。DC鋳造のような一方向的凝固鋳造プロセスでは通常温度勾配によってそれら晶出物はそれら自身で成長するか、過冷却によって核発生し凝固する。晶出量も温度勾配と流動によって変化する。
つまり、超音波照射を与えたDC鋳造では、上述のとおり、超音波照射時に発生される音響流・キャビテーションにより、アルミニウム合金溶湯が良く攪拌されるので凝固時に固相と液相が平衡状態に近づき液相量が増加し、結晶粒間の融体が維持され、結晶間の結合が遅れることにより、熱収縮に相応する引張り応力の発生量が低下し、凝固割れ防止が可能となる、と理解される。
アルミニウム合金の組成
本発明に適用されるアルミニウム合金としては、凝固時にAlが初晶として晶出するような合金成分を有するものであれば、どのような成分組成を有するものでも構わない。なお、以下の記載にあって、「%」表示は「質量%」を示している。
Alが初晶として晶出するアルミニウム合金としては、例えば、Si:5%以下、Fe:1%以下、Cu:10%以下、Mg:12%以下、Mn:1%以下を含有し、さらに必要に応じて、Zn:15%以下、Ni:4%以下、V:0.4%以下、Ti:0.15%以下、Sc:1%以下、Cr:0.4%以下、B:50ppm以下、Zr:0.3%以下、Sn:2%以下、Bi:1%以下、Pb:1%以下の一種類以上含有し、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金が挙げられる。
さらには、Si:0.4〜2.0%、Mg:0.6〜1.5%、Fe:0.05〜0.5%、Ti:0.005〜0.15%、B:50ppm以下を、さらに必要に応じてCu:0.5%以下、Mn:0.6%以下、Cr:0.4%以下の内のいずれか1種以上を含有し、残部がAlと不可避的不純物からなる成分組成を有するアルミニウム合金であることが好ましい。この組成範囲であれば、より高強度のアルミニウム合金を製造することができる。
この組成範囲のアルミニウム合金溶湯を上記の条件で鋳造すると、ビレット中心部に結晶粒径が80μm以下で標準偏差20μm以下、DAS(デンドライトアームスペーシング)が35μm以下で標準偏差10μm以下となるような初晶Alが晶出した微細組織を有し、凝固割れが生じにくいアルミニウム合金ビレットを製造することができる。
凝固割れが生じやすいビレット中心部において、初晶Alの結晶粒径及びDAS(デンドライトアームスペーシング)が小さい程、合金材料に耐力と伸びが向上するため好ましい。また、標準偏差が小さい程機械的特性のばらつきが小さくなり好ましい。
そこで、本発明にあっては、ビレット中心部において初晶Alの結晶粒径が80μm以下で標準偏差20μm以下、DASが35μm以下で標準偏差が10μmであることが好ましい、としている。
実施例1;
溶解炉内に配置した坩堝内にAl‐1.4%Si‐0.85%Mg‐0.25%Fe‐0.01%Ti‐20ppmBの成分組成のアルミニウム溶湯を用意した。
平面形状の先端(直径48mm)をもつ窒化珪素基超音波ホーンを予熱炉内で予熱した後,溶解炉から鋳型内部を流れるアルミ溶湯中に鋳型下端からの距離−70mmでホーンを浸漬させ、ホーンにより振動振幅42μm(p‐p)の超音波を照射し、鋳造速度550mm/minで82mmφのビレット(ホーン径とビレット径との比が0.59)を鋳造した。なお、このときの水冷流量は70L/minであった。
鋳造終了後、超音波探傷法とビレット断面観察によって鋳造割れが発生していないことを確認した。また、ビレットのR/2部分から試験片を切り出し、HO+T6熱処理を実施した後、機械的特性の評価を行った。結果は表2に示す。
図3(a)は、実施例1で製造された鋳片の断面の写真である。また、図4(a)は、鋳片の中心部のミクロ組織の顕微鏡写真である。さらに、ビレットの中心部に相当する初晶Alの平均結晶粒径、平均DASとそれらの標準偏差、及び金属間化合物・非平衡共晶の占有面積率を表1に示す。
なお、ここでビレット中心部の定義はビレット中心からの距離5mmを半径とした円周内部である。平均結晶粒径を測定するためには、光学顕微鏡により撮影した画像をImagePro画像解析ソフトウェアにより処理して、αAl結晶粒径を測定した。その後、約10枚画像の処理結果から平均結晶粒径を求めた。
DAS測定について同様にビレット中心からの距離5mmを半径とした円周内部を測定し、測定方法として交線法を適用した。
実施例2;
溶解炉内に配置した坩堝内にAl‐0.7%Si‐0.85%Mg‐0.3%Fe‐0.01%Ti‐20ppmBの成分組成のアルミニウム溶湯を用意した。
円錐台形状の先端(直径48mm)をもつ窒化珪素基超音波ホーンを予熱内で予熱した後,溶解炉から鋳型内部を流れるアルミ溶湯中にホーンを浸漬させ、鋳型中心で鋳型下端からの距離−80mm固定して、ホーンにより振動振幅36μm(p‐p)の超音波を照射し、鋳造速度500mm/minで82mmφのビレット(ホーン径とビレット径との比が0.59)を鋳造した。なお、このときの水冷流量は70L/minであった。
鋳造終了後、超音波探傷法とビレット断面観察によって鋳造割れが発生していないことを確認した。また、As‐castビレットのR/2部分から試験片を切り出し、機械的特性の評価を行った。結果は表3に示す。また、ビレットの中心部に相当する平均結晶粒径、平均DASとそれらの標準偏差、及び占有面積率を表1に示す。
実施例3;
溶解炉内に配置した坩堝内にAl‐1.4%Si‐0.85%Mg‐0.25%Fe‐0.01%Ti‐20ppmBの成分組成のアルミニウム溶湯を用意した。
平面形状の先端(直径60mm)をもつ窒化珪素基超音波ホーンを予熱炉内で予熱した後,溶解炉から鋳型内部を流れるアルミ溶湯中にホーンを浸漬させ、鋳型中心で鋳型下端からの距離+10mm、ホーンにより振動振幅60μm(p‐p)の超音波を照射し、鋳造速度120mm/minで152mmφのビレット(ホーン径とビレット径との比が0.39)を鋳造した。なお、このときの水冷流量は80L/minであった。
鋳造終了後、超音波探傷法とビレット断面観察によって鋳造割れが発生していないことを確認した。As‐castビレットの中心部分から試験片を切り出し、ミクロ組織の観察を行い、平均結晶粒径、平均DASとそれらの標準偏差、及び占有面積率を求めた。その結果は表1に示す。
実施例4;
溶解炉内に配置した坩堝内にAl‐1.2%Si‐1.1%Mg‐0.3%Fe‐0.015%Ti‐30ppmBの成分組成のアルミニウム溶湯を用意した。
平面形状の先端(直径42mm)をもつ窒化珪素基超音波ホーンを予熱炉内で予熱した後,溶解炉から鋳型内部を流れるアルミ溶湯中にホーンを浸漬させ、鋳型下端からの距離−60mmに固定して、ホーンにより振動振幅48μm(p‐p)の超音波を照射し、鋳造速度500mm/minで82mmφのビレット(ホーン径とビレット径との比が0.51)を鋳造した。なお、このときの水冷流量は70L/minであった。
鋳造終了後、超音波探傷法とビレット断面観察によって鋳造割れが発生していないことを確認した。As‐castビレットの中心部分から試験片を切り出し、ミクロ組織の観察を行い、平均結晶粒径、平均DASとそれらの標準偏差、及び占有面積率を求めた。その結果は表2に示す。
実施例5;
溶解炉内に配置した坩堝内にAl‐0.9%Si‐0.9%Mg‐0.15%Fe‐0.02%Ti‐20ppmBの成分組成のアルミニウム溶湯を用意した。
平面形状の先端(直径48mm)をもつ窒化珪素基超音波ホーンを予熱炉内で予熱した後,溶解炉から鋳型内部を流れるアルミ溶湯中にホーンを浸漬させ、鋳型中心で鋳型下端からの距離−70mm、ホーンにより振動振幅48μm(p‐p)の超音波を照射し、鋳造速度500mm/minで82mmφのビレット(ホーン径とビレット径との比が0.59)を鋳造した。なお、このときの水冷流量は70L/minであった。
鋳造終了後、超音波探傷法とビレット断面観察によって鋳造割れが発生していないことを確認した。As‐castビレットの中心部分から試験片を切り出し、ミクロ組織の観察を行い、平均結晶粒径、平均DASとそれらの標準偏差、及び占有面積率を求めた。その結果は表1に示す。
実施例6;
溶解炉内に配置した坩堝内にAl‐0.7%Si‐1.2%Mg‐0.25%Fe‐0.01%Ti‐20ppmBの成分組成のアルミニウム溶湯を用意した。
平面形状の先端(直径48mm)をもつ窒化珪素基超音波ホーンを予熱炉内で予熱した後,溶解炉から鋳型内部を流れるアルミ溶湯中にホーンを浸漬させ、鋳型中心で鋳型下端からの距離−80mm固定して、ホーンにより振動振幅44μm(p‐p)の超音波を照射し、鋳造速度550mm/minで82mmφのビレット(ホーン径とビレット径との比が0.59)を鋳造した。なお、このときの水冷流量は70L/minであった。
鋳造終了後、超音波探傷法とビレット断面観察によって鋳造割れが発生していないことを確認した。As‐castビレットの中心部分から試験片を切り出し、ミクロ組織の観察を行い、平均結晶粒径、平均DASとそれらの標準偏差、及び占有面積率を求めた。その結果は表1に示す。
比較例1;
実施例1と同一の合金を用い、超音波照射なしで鋳造速度を300mm/minから500mm/minまで50mm/minおきに増加させ、82mmφのビレットを鋳造した。
鋳造終了後、超音波探傷法により鋳造割れについて調べて、鋳造速度が400mm/minを超えると鋳造割れが発生することを確認した
表1に示す平均結晶粒径等は、鋳造速度が400mm/minのときの値である。図3(b)は、比較例1で製造された鋳片の断面の写真である。また、図4(b)は、鋳片の中心部のミクロ組織の顕微鏡写真である。さらに、鋳片の中心部に相当する平均結晶粒径、平均DASとそれらの標準偏差、及び占有面積率を求めた。その結果は表1に示す。
図4(b)と(a)を比較すると、通常鋳造(超音波処理なし)の場合、100μmを超える結晶粒が沢山あり、組織がかなり不均一である。一方、超音波鋳型内処理を行った鋳造では50μm以内の結晶粒からなる均一的な組織が得られた。
表1に示すデータの比較からも、超音波鋳型内処理によるミクロ組織の微細化と均一化の効果が明らかである。それが、上記のとおり、鋳造割れの防止できる原因の一つとして考えられる。また、ビレットのR/2部分から試験片を切り出し、HO+T6熱処理を実施した後、機械的特性の評価を行った。結果は表2に示す。引張強度、0.2%耐力、伸び、ともに超音波を本発明の位置で照射した実施例1、実施例3が比較例1よりも優れた値を示した。
比較例2;
実施例2と同一の合金を用い、超音波照射なしで鋳造速度を250mm/minから500mm/minまで50mm/minおきに増加させ、82mmφのビレットを鋳造した。鋳造終了後、超音波探傷法により鋳造割れについて調べて、鋳造速度が350mm/minを超えると鋳造割れが発生することを確認した。また、As‐castビレットのR/2部分から試験片を切り出し、機械的特性の評価を行った。結果は表3に示す。
また、ビレットの中心部に相当する平均結晶粒径、平均DASとそれらの標準偏差、及び占有面積率を表1に示す。表1及び表3に示す値は、鋳造速度が400mm/minのときの値である。
比較例3;
実施例3と同一の合金を用い、超音波照射なしで鋳造速度を90mm/minから120mm/minまで10mm/minおきに増加させ、152mmφのビレットを鋳造した。鋳造終了後、超音波探傷法により鋳造割れについて調べて、鋳造速度が110mm/minを超えると鋳造割れが発生することを確認した。As‐castビレットの中心部分から試験片を切り出し、ミクロ組織の観察を行い、平均結晶粒径、平均DASとそれらの標準偏差、及び占有面積率を求めた。その結果は表1に示す。表1に示す平均結晶粒径等は、鋳造速度が110mm/minのときの値である。
比較例4;
実施例1と同様超音波装置セットと同一の合金を用い、鋳型中心で鋳型下端からの距離−50mmに固定したホーンにより振動振幅52μm(p‐p)の超音波を照射し、鋳造速度500mm/minと550mm/minで82mmφのビレット(ホーン径とビレット径との比が0.59)を鋳造した。なお、このときの水冷流量は70L/minであった。
鋳造終了後、超音波探傷法により鋳造割れについて調べて、いずれの鋳造速度においてもビレット中心部での鋳造割れが発生することを確認した。As‐castビレットの中心部分から試験片を切り出し、ミクロ組織の観察を行い、平均結晶粒径、平均DASとそれらの標準偏差、及び占有面積率を求めた。その結果は表1に示す。表1に示す平均結晶粒径等は、鋳造速度が500mm/minのときの値である。
比較例5;
平面形状の先端(直径24mm)をもつ窒化珪素基超音波ホーンを用い、実施例1と同様の合金溶湯を用意して、鋳型中心で鋳型下端からの距離‐90mmに固定したホーンにより振動振幅48μm(p‐p)の超音波を照射し、鋳造速度500mm/minと550mm/minで82mmφのビレット(ホーン径とビレット径との比が0.29)を鋳造した。なお、このときの水冷流量は70L/minであった。
鋳造終了後、超音波探傷法により鋳造割れについて調べて、いずれの鋳造速度においてもビレット中心部での鋳造割れが発生することを確認した。As‐castビレットの中心部分から試験片を切り出し、ミクロ組織の観察を行い、平均結晶粒径、平均DASとそれらの標準偏差、及び占有面積率を求めた。その結果は表1に示す。表1に示す平均結晶粒径等は、鋳造速度が500mm/minのときの値である。
比較例6;
実施例4と同一の合金を用い、超音波照射なしで鋳造速度を250mm/minから500mm/minまで50mm/minおきに増加させ、82mmφのビレットを鋳造した。
鋳造終了後、超音波探傷法により鋳造割れについて調べて、鋳造速度が350mm/minを超えると鋳造割れが発生することを確認した。また、As‐castビレットのR/2部分から試験片を切り出し、機械的特性の評価を行った。結果は表3に示す。また、As‐castビレットの中心部分から試験片を切り出し、ミクロ組織の観察を行い、平均結晶粒径、平均DASとそれらの標準偏差、及び占有面積率を求めた。その結果は表1に示す。表1に示す平均結晶粒径等は、鋳造速度が400mm/minのときの値である。
比較例7;
実施例5と同一の合金を用い、超音波照射なしで鋳造速度を250mm/minから500mm/minまで50mm/minおきに増加させ、82mmφのビレットを鋳造した。
鋳造終了後、超音波探傷法により鋳造割れについて調べて、鋳造速度が400mm/minを超えると鋳造割れが発生することを確認した。また、また、As‐castビレットの中心部分から試験片を切り出し、ミクロ組織の観察を行い、平均結晶粒径、平均DASとそれらの標準偏差、及び占有面積率を求めた。その結果は表1に示す。表1に示す平均結晶粒径等は、鋳造速度が400mm/minのときの値である。
比較例8;
実施例6と同一の合金を用い、超音波照射なしで鋳造速度を250mm/minから500mm/minまで50mm/minおきに増加させ、82mmφのビレットを鋳造した。
鋳造終了後、超音波探傷法により鋳造割れについて調べて、鋳造速度が350mm/minを超えると鋳造割れが発生することを確認した。また、As‐castビレットの中心部分から試験片を切り出し、ミクロ組織の観察を行い、平均結晶粒径、平均DASとそれらの標準偏差、及び占有面積率を求めた。その結果は表1に示す。表1に示す平均結晶粒径等は、鋳造速度が400mm/minのときの値である。
なお、上記各実施例、比較例における各条件をまとめて表4に示す。
比較例4は、LHとLSの関係が式(1)から外れているものであり、比較例5は、ビレット径に対するホーン先端径が小さすぎているものである。
超音波照射を行わなかった比較例1,2,3,6,7,8はもちろん、超音波照射を行った比較例4,5でも照射位置が適切でないと、鋳造速度を速くしたときに鋳造割れが起こるばかりでなく、得られたビレットの組織が荒くなっている。
これに対して、適切なサイズのホーン先端を適切な位置に設置した実施例においては、鋳造速度を速くしても鋳造割れを起こすことなく、しかも組織の細かいビレットが得られている。

Claims (4)

  1. 超音波ホーンを用い、初晶としてAlが晶出する成分組成を有するアルミニウム合金溶湯をDC鋳造して(超音波ホーン先端径/ビレット径)が0.35〜0.6であり、直径が45mm〜325mmφのビレットを得る際に、前記超音波ホーンをその先端が鋳型下端から下記(1)、(2)式を満たす距離LH(mm)に位置させて鋳型内のアルミニウム合金溶湯に超音波を照射する、アルミニウム合金ビレットの製造方法。
    Ls+50≧LH≧Ls+10 (1)
    ここで、Ls(mm)は式(2)により求められた距離である、
    Vcは鋳造速度(mm/min)、Rbは鋳型半径(=ビレット半径,mm)、Qw水冷流量(L/min)
  2. 前記アルミニウム合金溶湯が、Si:0.4〜2.0質量%、Mg:0.6〜1.5質量%、Fe:0.05〜0.5質量%、Ti:0.005〜0.15質量%、B:50質量ppm以下を含有し、残部がAlと不可避的不純物からなるものである請求項1に記載のアルミニウム合金ビレットの製造方法。
  3. 前記アルミニウム合金溶湯が、さらにCu:0.5質量%以下、Mn:0.6質量%以下、Cr:0.4質量%以下の内のいずれか1種以上を含有するものである請求項2に記載のアルミニウム合金ビレットの製造方法。
  4. 前記超音波ホーン先端の振動振幅を30μm(p‐p)以上で保持する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム合金ビレットの製造方法。
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