JP2023037481A - アルミニウム合金鋳塊、およびその製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金鋳塊、およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、高い冷却速度を与えて金属組織を微細かつ均一化し、かつ鋳塊内部での金属組織の不均一化を抑制したアルミニウム合金鋳塊、およびその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】Cu:0.15質量%~1.0質量%、Mg:0.6質量%~1.2質量%、Si:0.95質量%~1.35質量%、Mn:0.4質量%~0.6質量%、Fe:0.15質量%~0.70質量%、Cr:0.09質量%~0.25質量%、Ti:0.012質量%~0.035質量%、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金鋳塊であって、前記アルミニウム合金鋳塊の鋳造方向に対する直交断面における2次デンドライトアームスペーシングの最大値と最小値の差とが5μm~20μmの範囲であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウム合金鋳塊、および水平連続鋳造装置を用いて製造されるアルミニウム合金鋳塊の製造方法に関するものである。
強度や耐久性に優れた高品質なアルミニウム合金鋳塊を製造する際には、微細かつ均一な金属組織を形成することが、優れた機械的性質、および安定した品質を得るために重要である。金属組織が粗大または不均一になると、均一な金属組織である場合と比較して、機械的性質が低下するとともに、こうしたアルミニウム合金鋳塊を用いて製造した最終製品の信頼性低下をもたらす懸念がある。
こうしたアルミニウム合金鋳塊は、鋳造工程において金属組織の構成が決まり、その構成は最終製品に至るまで受け継がれる。つまり、金属組織を微細かつ均一に作り込むためには、鋳造工程での金属組織の制御が非常に重要である。
従来、アルミニウム合金鋳塊の鋳造工程において、微細かつ均一な鋳造組織を得るためには、溶融させたアルミニウム合金(以下、溶湯と称する)に対してより高い冷却速度を与え、短時間で溶湯を冷却、固化させることが有効であるとされている。例えば、展伸用合金の製造方法に多く採用される連続鋳造法においては、溶湯と接触する鋳型を冷却することで溶湯を冷却する方式をとるために、鋳型自体の蓄熱によって、冷却速度を高めることに制約があった。
溶湯の冷却速度を高めるためには、鋳造する鋳塊そのものを薄肉化して、全体をより早く冷却、固化させる必要がある。しかしながら、鋳塊自体が薄肉化されすぎると、製品としての中型、ないし大型部材への成型が困難となり、最終製品の形状の自由度に制約が生じてしまうという課題があった。
また、冷却速度を単純に高めるだけでは、鋳塊の一部、特に表層付近においては微細かつ均一な金属組織を形成できるものの、こうした鋳塊の表層付近と鋳塊の中心部分との間で、冷却速度の相違によって金属組織の不均一性が大きくなってしまう。具体的には、結晶粒径や第二相粒子の分布に偏りが生じ、最終製品の特性に悪影響を及ぼすという懸念があった。
従来、鋳造条件や、鋳造装置の構成を改良することによって、均一な金属組織を持つ鋳塊を得ることが可能とされた鋳造装置、鋳造方法が知られている(例えば、特許文献1~4を参照)。
また、高い冷却速度を与えながらも金属組織の不均一化を抑制した薄板材を鋳造する方法も知られている(例えば、非特許文献1を参照)。更に、鋳造した線材に対して引抜き加工を施すことにより、均一な金属組織を持つ線材を得る方法も知られている(例えば、特許文献5を参照)。
特公平08-029398号公報 特許第4648968号公報 特許第5295205号公報 特許第5366063号公報 特許第4643388号公報
羽賀俊雄:鋳造工学,86 (2014),1 48-53.
しかしながら、上述した特許文献1~5や非特許文献1の方法によって鋳造したアルミニウム合金鋳塊は、大断面である場合、金属組織の微細化、均一化が十分に達成されておらず、金属組織の一部で不均一な部分が残るという課題があった。
本発明は、高い冷却速度を与えて金属組織を微細かつ均一化し、かつ鋳塊内部での金属組織の不均一化を抑制したアルミニウム合金鋳塊、およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、金属組織の特性のうち、デンドライトアームスペーシング(以下、DASと称する)に着目した。即ち、アルミニウム合金鋳塊の鋳造時の凝固過程においては、凝固によって生じるα-Al初晶は樹枝状結晶(デンドライト)形態を呈し、α-Alデンドライトの生成と成長によって金属組織が形成される。DASは鋳塊の凝固時の冷却速度と比例関係にあり、なおかつ光学顕微鏡法などの方法で簡便に測定できることから、鋳造直後における金属組織の特性の指標として用いることができる。本発明ではこのDASを適切な範囲に制御することによって、良好な機械的特性および信頼性を有するアルミニウム合金鋳塊を実現できることを見出した。
本発明は、上述した知見に基づいてなされたものであって、本発明のアルミニウム合金鋳塊は、Cu:0.15質量%~1.0質量%、Mg:0.6質量%~1.2質量%、Si:0.95質量%~1.35質量%、Mn:0.4質量%~0.6質量%、Fe:0.15質量%~0.70質量%、Cr:0.09質量%~0.25質量%、Ti:0.012質量%~0.035質量%、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金鋳塊であって、前記アルミニウム合金鋳塊の鋳造方向に対する直交断面における2次デンドライトアームスペーシングの最大値と最小値の差とが5μm~20μmの範囲であることを特徴とする。
本発明によれば、DASの最大値と最小値の差とが5μm~20μmの範囲であることによって、良好な機械的特性が得られ、かつ鋳造方向に対する直交断面が大きい(例えば、直径が10mm~100mmの範囲)アルミニウム合金棒とすることができる。
また、本発明では、B:0.0001質量%~0.03質量%を更に含有してもよい。
また、本発明では、前記2次デンドライトアームスペーシングの標準偏差が5μm以下であってもよい。
本発明のアルミニウム合金鋳塊の製造方法は、前記各項に記載のアルミニウム合金鋳塊の製造方法であって、溶湯受部内のアルミニウム合金の溶湯を、中空部の中心軸が水平方向に沿うように配置された中空の鋳型の一端側から該鋳型の中空部に供給してアルミニウム合金鋳塊を製造する水平連続鋳造装置を用いて、前記鋳型の一端側から前記中空部に前記溶湯を連続して供給するとともに、前記中空部の内周面よりも外側に形成されて該内周面を冷却する冷却水を収容する冷却水キャビティに冷却水を供給し、前記内周面と、前記内周面に対して平行面を成す前記冷却水キャビティの内底面との間の前記鋳型の冷却壁部における単位面積当たりの熱流束値が10×10W/m以上の条件で前記溶湯を冷却、凝固させてアルミニウム合金鋳塊を製造することを特徴とする。
また、本発明では、前記鋳型の冷却壁部の厚みは、0.5mm以上、3.0mm以下の範囲になるように形成されていてもよい。
本発明によれば、高い冷却速度を与えて金属組織を微細かつ均一化し、かつ鋳塊内部での金属組織の不均一化を抑制したアルミニウム合金鋳塊、およびその製造方法を提供することが可能になる。
デンドライドの2次アームの中心間距離(DAS)を示す模式図である。 本発明のアルミニウム合金鋳塊を製造するための水平連続鋳造装置の鋳型付近の一例を示す断面図である。 図2の冷却水キャビティ付近を示す要部拡大断面図である。 水平連続鋳造装置の冷却壁部の熱流束を説明する説明図である。 実施例に用いたアルミニウム合金棒を示す説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態のアルミニウム合金鋳塊、およびその製造方法について説明する。なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
(アルミニウム合金鋳塊)
本実施形態のアルミニウム合金鋳塊は、後述するアルミニウム合金鋳塊の製造方法によって鋳造された、断面円形のアルミニウム合金棒であり、その組成として、Cu:0.15質量%~1.0質量%、Mg:0.6質量%~1.2質量%、Si:0.95質量%~1.35質量%、Mn:0.4質量%~0.6質量%、Fe:0.15質量%~0.70質量%、Cr:0.09質量%~0.25質量%、Ti:0.012質量%~0.035質量%、残部がAl及び不可避不純物から構成されている。なお、上述した成分に加えて、更にB:0.0001質量%~0.03質量%を含有していてもよい。
こうしたアルミニウム合金棒は、鋳造方向に対する直交断面におけるDASの最大値と最小値の差とが5μm~20μmの範囲である。また、このDASの標準偏差が5μm以下であることが好ましい。
ここで、DASの測定は、例えば非特許文献2に記載されたデンドライドの2次枝間隔の測定方法によって行うことができる。
非特許文献2:軽金属学会 鋳造・凝固部会:軽金属,38 (1998),54-60.
図1に示すように、DASは互いに隣接するデンドライドの2次アームの中心間距離である。こうしたDASの測定は、デンドライトの2次アームが発達し, アームが整列しているデンドライトが比較的多くあり, アーム間隔の測定に支障がない金属組織に適用できる。測定にあたっては、任意の観察面において、デンドライドの2次アームもしくは2次アームと判断されるアームが整列している部分を選択して測定する。
本実施形態のアルミニウム合金棒は、DASの最大値と最小値の差とが5μm~20μmの範囲であることによって、良好な機械的特性が得られ、かつ鋳造方向に対する直交断面が大きい(例えば、直径が10mm~100mmの範囲)アルミニウム合金棒とすることができる。
DASの最大値と最小値の差とが5μm未満である場合には、鋳塊を薄肉状にする必要があるため、適用可能な用途が限られてしまう。一方、DASの最大値と最小値の差とが20μmを超えると、鋳塊内部における金属組織の不均一度合いが大きくなりすぎてしまい、鋳塊の機械的性質が悪化してしまう。
また、本実施形態のアルミニウム合金棒は、DASの標準偏差が5μm以下であることによって、良好な機械的特性が得られ、かつ鋳造方向に対する直交断面が大きい(例えば、直径が10mm~100mmの範囲)アルミニウム合金棒とすることができる。DASの標準偏差が5μmを超えると、鋳塊内部における金属組織の不均一度合いが大きくなりすぎてしまい、鋳塊の機械的性質が悪化してしまう。
(アルミニウム合金鋳塊の製造方法)
次に、上述したような2次デンドライトアームスペーシングを有するアルミニウム合金棒(アルミニウム合金鋳塊)の製造方法を説明する。
上述したアルミニウム合金棒は、例えば、中心軸がほぼ水平(ほぼ水平とは、横方向のことである。)となるよう保持され、冷却手段を備えた中空の筒状鋳型を用いる水平連続鋳造法で製造され、直径が、例えば10mm~100mmの範囲にすることができる。
アルミニウム合金棒は、こうした直径範囲以外でも対応は可能であるが、工業的に後工程の塑性加工、例えば、鍛造、ロールフォージング、引抜き加工、転動加工、インパクト加工等の設備を小規模、かつ、安価とするため、直径を10mm~100mmの範囲にするのが好ましい。直径を変更して鋳造する場合は、直径に対応する内径を有する着脱可能な筒状鋳型に交換し、それに合わせて溶湯温度、鋳造速度を変更することで対応可能である。冷却水量、潤滑油量の設定も必要に応じて変更すればよい。
こうしたアルミニウム合金棒は、例えば、後工程の塑性加工、例えば、鍛造、ロールフォージング、引抜き加工、転動加工、インパクト加工等の素材として用いられる。あるいは、バーマシニングやドリリング加工などの機械加工等の素材として用いることもできる。
図2は本発明のアルミニウム合金鋳塊を製造するための水平連続鋳造装置の鋳型付近の一例を示す断面図である。
本実施形態の水平連続鋳造装置10は、溶湯受部(タンディッシュ)11と、中空筒状の鋳型12と、この鋳型12の一端側12aと溶湯受部11との間に配される耐火物製板状体(断熱部材)13と、を有している。
溶湯受部11は、外部の溶解炉等によって規定の合金成分に調整されたアルミニウム合金の溶湯(以下、合金溶湯と称する)Mを受ける溶湯流入部11a、溶湯保持部11b、鋳型12の中空部21への流出部11cから構成されている。溶湯受部11は、合金溶湯Mの上液面のレベルを鋳型12の中空部21の上面よりも高い位置に維持し、かつ、多連鋳造の場合には、それぞれの鋳型12に合金溶湯Mを安定的に分配するものである。
溶湯受部11内の溶湯保持部11bに保持された合金溶湯Mは、耐火物製板状体13に設けられた注湯用通路13aから鋳型12の中空部21内に注湯される。そして、中空部21内に供給された合金溶湯Mは、後述する冷却装置23によって冷却されて固化し、凝固鋳塊であるアルミニウム合金棒Bとして、鋳型12の他端側12bから引き出される。
鋳型12の他端側12bには、鋳造されたアルミニウム合金棒Bを一定速度で引き出す引出駆動装置(図示略)が設置されていればよい。また、連続して引き出されたアルミニウム合金棒Bを任意の長さに切断する同調切断機(図示略)が設置されていることも好ましい。
耐火物製板状体13は、溶湯受部11と鋳型12との間の熱移動を遮断する部材であり、例えば、ケイ酸カルシウム、アルミナ、シリカ、アルミナとシリカの混合物、窒化珪素、炭化珪素、グラファイト等の材料で構成されていても良い。こうした耐火物製板状体13は、互いに構成材料の異なる複数の層から構成することもできる。
鋳型12は、本実施形態では中空円筒状の部材であり、例えば、アルミニウム、銅、もしくはそれらの合金から選ばれる1種または2種以上の組み合わせた材料から形成されている。こうした鋳型12の材料は、熱伝導性、耐熱性、機械強度の点から最適な組み合わせを選択すればよい。
鋳型12の中空部21は、鋳造するアルミニウム合金棒Bを円筒棒状にするために断面円形に形成されており、この中空部21の中心を通る鋳型中心軸(中心軸)Cがほぼ水平方向に沿うように鋳型12が保持されている。
鋳型12の中空部21の内周面21aは、アルミニウム合金棒Bの鋳造方向(図5を参照)に向けて鋳型中心軸Cに対して0度~3度(より好ましくは0度~1度。)の仰角で形成されている。すなわち、内周面21aは鋳造方向に向かってコーン状に開いたテーパー状に構成されている。そしてそのテーパーのなす角度が仰角である。
仰角が0度未満ではアルミニウム合金棒Bが鋳型12から引き出される際に鋳型出口である他端側12bで抵抗を受けるために鋳造が困難になる。一方、仰角が3度を越えると、内周面21aの合金溶湯Mへの接触が不充分になり、合金溶湯Mやこれが冷却固化した凝固殻から鋳型12への抜熱効果が低下することによって凝固が不十分になる懸念がある。その結果、アルミニウム合金棒Bの表面に再溶融肌が生じ、または、アルミニウム合金棒Bの端部から未凝固の合金溶湯Mが噴出するなどの鋳造トラブルにつながる可能性が高くなるので好ましくない。
なお、鋳型12の中空部21の断面形状(鋳型12の中空部21を他端側21bから見たときの平面形状)は、本実施形態の円形以外にも、例えば、三角形や矩形断面形状、多角形、半円、楕円もしくは対称軸や対称面を持たない異形断面形状を有した形状など、鋳造するアルミニウム合金棒の形状に合わせて選択されればよい。
鋳型12の一端側12aには、鋳型12の中空部21内に潤滑流体を供給する流体供給管22が配置されている。流体供給管22から供給される潤滑流体としては、気体潤滑材、液体潤滑材から選ばれるいずれか1種または2種以上の潤滑流体とすることができる。気体潤滑材と液体潤滑材を両方供給する場合には、それぞれ流体供給管を別々に設けることが好ましい。流体供給管22から加圧供給された潤滑流体は、環状の潤滑材供給口22aを通って鋳型12の中空部21内に供給される。
本実施形態では、圧送された潤滑流体が潤滑材供給口22aから鋳型12の内周面21aに供給される。なお、液体潤滑材は加熱されて分解気体となって、鋳型12の内周面21aに供給される構成であってもよい。また、潤滑材供給口22aに多孔質材料を配して、この多孔質材料を介して潤滑流体を鋳型12の内周面21aに滲出させる構成であってもよい。
鋳型12の内部には、合金溶湯Mを冷却、固化させる冷却手段である冷却装置23が形成されている。本実施形態の冷却装置23は、鋳型12の中空部21の内周面21aを冷却するための冷却水Wを収容する冷却水キャビティ24と、この冷却水キャビティ24と鋳型12の中空部21とを連通させる冷却水噴射通路25とを有している。
冷却水キャビティ24は、鋳型12の内部で中空部21の内周面21aよりも外側に、中空部21を取り巻くように環状に形成され、冷却水供給管26を介して冷却水Wが供給される。
鋳型12は、冷却水キャビティ24に収容される冷却水Wによって内周面21aが冷却されることにより、鋳型12の中空部21内に充満した合金溶湯Mの熱を鋳型12の内周面21aに接触する面から奪って、合金溶湯Mの表面に凝固殻を形成させる。
また、冷却水噴射通路25は、中空部21に臨むシャワー開口25aから、鋳型12の他端側12bにおいてアルミニウム合金棒Bに向けて直接、冷却水を当ててアルミニウム合金棒Bを冷却する。こうした冷却水噴射通路25の縦断面形状は、本実施形態の円状以外にも、例えば、半円、洋ナシ形状、馬蹄形状であってもよい。
なお、本実施形態では、冷却水供給管26を介して供給される冷却水Wをまず冷却水キャビティ24に収容して鋳型12の中空部21の内周面21aの冷却を行い、さらに冷却水キャビティ24の冷却水Wを冷却水噴射通路25からアルミニウム合金棒Bに向けて噴射しているが、これらをそれぞれ別系統の冷却水供給管によって供給する構成にすることもできる。
冷却水噴射通路25のシャワー開口25aの中心軸の延長線が、鋳造されたアルミニウム合金棒Bの表面に当たる位置から、鋳型12と耐火物製板状体13との接触面までの長さを有効モールド長Lと称し、この有効モールド長Lは、例えば、10mm~40mmであるのが好ましい。この有効モールド長Lが、10mm未満では、良好な皮膜が形成されない等から鋳造不可となり、40mmを超えると、強制冷却の効果が無く、鋳型壁による凝固が支配的になって、鋳型12と合金溶湯Mもしくはアルミニウム合金棒Bとの接触抵抗が大きくなって、鋳肌に割れが生じたり、鋳型内部で千切れたりする等、鋳造が不安定になるので好ましくない。
これら冷却水キャビティ24への冷却水の供給や、冷却水噴射通路25のシャワー開口25aからの冷却水の噴射は、制御装置(図示略)からの制御信号によってそれぞれ動作を制御できることが好ましい。
冷却水キャビティ24は、鋳型12の中空部21寄りの内底面24aが、鋳型12の中空部21の内周面21aに対して、互いに平行面になるように形成されている。なお、ここでいう平行とは、冷却水キャビティ24の内底面24aに対して、鋳型12の中空部21の内周面21aが0度~3度の仰角で形成されている場合、すなわち、内底面24aが内周面21aに対して0度を超えて3度まで傾斜している場合も含む。
図3に示すように、こうした冷却水キャビティ24の内底面24aと鋳型12の中空部21の内周面21aとが対向する部分である鋳型12の冷却壁部27は、中空部21の合金溶湯Mから冷却水キャビティ24の冷却水Wに向かう単位面積当たりの熱流束値が10×10W/m以上、50×10W/m以下の範囲になるように形成されている。
こうした鋳型12の冷却壁部27の厚みt、即ち冷却水キャビティ24の内底面24aと鋳型12の中空部21の内周面21aとの間隔が、例えば、0.5mm以上、3.0mm以下、好ましくは0.5mm以上、2.5mm以下の範囲になるように鋳型12が形成されていればよい。また、鋳型12の少なくとも冷却壁部27の熱伝導率が100W/m・K以上、400W/m・K以下の範囲なるように、鋳型12の形成材料が選択されればよい。
図3において、溶湯受部11中の合金溶湯Mは、耐火物製板状体13を経て鋳型中心軸Cがほぼ水平になるように保持された鋳型12の一端側12aから供給され、鋳型12の他端側12bで強制冷却されてアルミニウム合金棒Bとなる。アルミニウム合金棒Bは鋳型12の他端側12b近くに設置された引出駆動装置(図示略)によって一定速度で引き出されるため、連続的に鋳造されて長尺のアルミニウム合金棒Bが形成される。引き出されたアルミニウム合金棒Bは、例えば、同調切断機(図示略)によって所望の長さに切断される。
溶湯受部11内に貯留するアルミニウム合金の合金溶湯Mの組成は、上述したアルミニウム合金棒の組成と同じように、Cu:0.15質量%~1.0質量%、Mg:0.6質量%~1.2質量%、Si:0.95質量%~1.35質量%、Mn:0.4質量%~0.6質量%、Fe:0.15質量%~0.70質量%、Cr:0.09質量%~0.25質量%、Ti:0.012質量%~0.035質量%、残部がAl及び不可避不純物からなるものであればよい。B:0.0001質量%~0.03質量%を更に含有していてもよい。
なお、鋳造されたアルミニウム合金棒Bの組成比は、例えば、JIS H 1305に記載されているような光電測光式発光分光分析装置(装置例:日本島津製作所製PDA-5500)による方法で確認できる。
溶湯受部11内に貯留された合金溶湯Mの液面レベルの高さと、鋳型12の上側の内周面21aとの高さの差は、0mm~250mm(より好ましくは50mm~170mm。)とするのが好ましい。こうした範囲にすることで、鋳型12内に供給される合金溶湯Mの圧力と潤滑油および潤滑油が気化したガスとが好適にバランスするために鋳造性が安定する。
液体潤滑材は、潤滑油である植物油を用いることができる。例えば、菜種油、ひまし油、サラダ油を挙げることができる。これらは環境への悪影響が小さいので好ましい。
潤滑油供給量は0.05mL/分~5mL/分(より好ましくは0.1mL/分~1mL/分。)であるのが好ましい。供給量が過少だと、潤滑不足によってアルミニウム合金棒Bの合金溶湯が固まらずに鋳型から漏れる恐れがある。供給量が過多だと、余剰分がアルミニウム合金棒B中に混入して内部欠陥となる恐れがある。
鋳型12からアルミニウム合金棒Bを引抜く速度である鋳造速度は200mm/分~1500mm/分(より好ましくは400mm/分~1000mm/分。)であるのが好ましい。それは、この範囲の鋳造速度であれば、鋳造で形成される晶出物のネットワーク組織が均一微細となり、高温下でのアルミニウム生地の変形に対する抵抗が増し、高温機械的強度が向上するためである。
冷却水噴射通路25のシャワー開口25aから噴射される冷却水量は鋳型当り10L/分~50L/分(より好ましくは25L/分~40L/分。)であるのが好ましい。冷却水量がこれよりも少ないと、合金溶湯が固まらずに鋳型から漏れる恐れがある。また、鋳造したアルミニウム合金棒Bの表面が再溶融して不均一な組織が形成され、内部欠陥として残存する恐れがある。一方、冷却水量がこの範囲よりも多い場合、鋳型12の抜熱が大き過ぎて途中で凝固してしまう恐れがある。
溶湯受部11内から鋳型12へ流入する合金溶湯Mの平均温度は、例えば、650℃~750℃(より好ましくは680℃~720℃。)であるのが好ましい。合金溶湯Mの温度が低すぎると、鋳型12およびその手前で粗大な晶出物を形成してアルミニウム合金棒Bの内部に内部欠陥として取り込まれる。一方、合金溶湯Mの温度が高すぎると、合金溶湯255中に大量の水素ガスが取り込まれやすく、アルミニウム合金棒B中にポロシティーとして取り込まれ、内部の空洞となる恐れがある。
そして、本実施形態のように、鋳型12の冷却壁部27において、中空部21の合金溶湯Mから冷却水キャビティ24の冷却水Wに向かう単位面積当たりの熱流束値が10×10W/m以上、50×10W/m以下の範囲にすることによって、アルミニウム合金棒Bの焼き付きが発生することを防止できる。
鋳型12の冷却壁部27は、合金溶湯Mからの抜熱によって熱を受け、この熱を冷却水キャビティ24に収容される冷却水Wで冷却することで熱交換を行っているが、この熱交換の状態について、図4に示す説明図のように、単位面積あたりの熱流束に着目した。
単位面積あたりの熱流束は、フーリエの法則にて以下の式(1)で表される。
Q=-k×((T1-T2/L)・・・(1)
Q:熱流束
k:熱を通過する箇所(本実施形態では鋳型12の冷却壁部27)の熱伝導率(W/m・K)
T1:熱が通過する箇所の低温側温度(本実施形態では冷却水キャビティ24の内底面24a)
T2:熱が通過する箇所の高温側温度(本実施形態では鋳型12の中空部21の内周面21a)
L:熱が通過する箇所の区間長さ(mm) (本実施形態では鋳型12の冷却壁部27の厚みt)
鋳造時に潤滑油量を減らしても良好な結果が得られた鋳型材質、厚み、測温データに基づいて、単位面積当たりの熱流束値が10×10W/m以上になるように鋳型12の冷却壁部27を構成することで、鋳造したアルミニウム合金棒Bの焼き付きを防止することができる。また、単位面積当たりの熱流束値が50×10W/m以下にすることが好ましい。
鋳型12の冷却壁部27をこうした熱流束値の範囲にするために、鋳型12の冷却壁部27の厚みtを例えば、0.5mm以上、3.0mm以下の範囲になるように鋳型12を形成すればよい。また、鋳型12の少なくとも冷却壁部27の熱伝導率を100W/m・K以上、400W/m・K以下の範囲にすればよい。
本発明の一実施形態のアルミニウム合金棒を製造する際には、上述した水平連続鋳造装置を用いて、溶湯受部11内に貯留された合金溶湯Mを、鋳型12の一端側12aから中空部21内に連続して供給する。また、冷却水キャビティ24に冷却水Wを供給するとともに、流体供給管22から潤滑流体、例えば潤滑油を供給する。
そして、中空部21内に供給された合金溶湯Mを、冷却壁部27における単位面積当たりの熱流束値が10×10W/m以上の条件で冷却、凝固させてアルミニウム合金棒Bを鋳造する。また、アルミニウム合金棒Bを鋳造時において、冷却水Wによって冷却される鋳型12の冷却壁部27の壁面温度を100℃以下にすることが好ましい。
こうして得られるアルミニウム合金棒Bは、冷却壁部27における単位面積当たりの熱流束値が10×10W/m以上の条件で冷却、凝固させることによって、潤滑油のガスと合金溶湯Mとの接触による反応生成物、例えば炭化物の固着が抑制される。これにより、アルミニウム合金棒Bの表面の炭化物等を切削除去する必要が無く、高収率でアルミニウム合金棒Bを製造することができる。
以上のように、本実施形態のアルミニウム合金鋳塊の製造方法によれば、冷却水キャビティ24の内底面24aと鋳型12の中空部21の内周面21aとが対向する、鋳型12の冷却壁部27の単位面積当たりの熱流束値が10×10W/m以上になるようにすることによって、鋳造方向に対する直交断面におけるDASの最大値と最小値の差とが5μm~20μmの範囲であり、また、このDASの標準偏差が5μm以下である、鋳塊内部における金属組織の不均一度合いが小さい、機械的な特性に優れたアルミニウム合金鋳塊を実現することができる。
なお、本発明のようなアルミニウム合金鋳塊の鋳造方向に対する直交断面における2次デンドライトアームスペーシングの最大値と最小値の差とが5μm~20μmの範囲であるアルミニウム合金鋳塊の製造方法は、上述したような水平連続鋳造法に限定されるものではなく、垂直連続鋳造法など公知の連続鋳造法を用いることもできる。また、最終製品の信頼性向上のために、溶湯に対して脱ガス処理やフイルター処理を適宜行うことも好ましい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、こうした実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。こうした実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
本発明の効果を検証した。
検証にあたっては、図2に示す構造の水平連続鋳造装置10を用いて、表1に示す組成の溶湯から、直径49mmの円形断面を有するアルミニウム合金鋳塊(アルミニウム合金棒)を鋳造した。なお、水平連続鋳造装置10の鋳型の形成材料を純アルミニウムにしたものを実施例、ポーラスグラファイトにしたものを比較例とした。
Figure 2023037481000002
実施例、比較例のアルミニウム合金棒は、図5に示すように、鉛直方向に沿って上端5mm、下端5mmの範囲を取り除き、上部、中央部、下部の3つの領域のそれぞれについて、3視野でDASを測定し、標準偏差を算出した。
DASの測定は、上述した非特許文献2に規定された2次枝法に準拠して行った。この2次枝法は、デンドライトの2次アームが発達し、アームが整列しているデンドライトが比較的多く見られる、アーム間隔の測定に支障がない組織に適用する。DASの測定は、上述の方法で得られたアルミニウム合金棒を鋳造方向に対して直行する方向に切断した円形断面において行った。
こうした測定面に対する前処理として、エメリー紙研磨、ダイヤモンドペースト研磨、コロイダルシリカ懸濁液によるバフ研磨を順に行うことで鏡面仕上げを行い、さらにバーカーエッチングによって結晶粒界を現出させた。光学顕微鏡観察は100倍に拡大して行い、デンドライトが明瞭に観察される箇所を測定対象とした。
ここで、水平連続鋳造装置10で得られたアルミニウム合金棒の表層から10mm程度の領域は、モールド内に流入した溶湯が急冷されることで凝固殻が形成されるために、中心の等軸晶領域とは異なる凝固組織が形成される。一般的な傾向として、鋳塊最表面から5mmまでの位置においては、上述した2次枝法によるDAS測定に適した組織は得られないため、図5に示すように、上端および下端からそれぞれ5mmの領域は除き、上端から5mm位置~10mm位置までの上部、中心部、下端から5mm位置~10mm位置までの下部の3つの領域に分割し、それぞれの領域においてDASの測定を行った。
DASの測定対象とする視野は3本以上の2次アームが明瞭に観察される結晶粒が3つ含まれる視野とした。図1に示すように、整列したそれぞれのアームの中心を結ぶ線分を引き、式2に示すように、線分と各アームの中心との交点数nでその線分長さlを除することでDASを算出した。
DAS=Σ/Σ・・・(2)
測定は、1つの領域ごとにランダムに選んだ3視野においてDASを測定し、1つの試料に対しては計9箇所のDAS測定を行った。これらの測定結果より、最大値と最小値の差異、そして標準偏差を算出した。
こうした結果を表2に示す。
Figure 2023037481000003
次に、鋳造した実施例および比較例のそれぞれのアルミニウム合金棒について、機械的性質を評価した。
機械的性質の評価は、それぞれのアルミニウム合金棒について、表3に示す条件で均質化処理、溶体化処理、人工時効処理をそれぞれ行った。
Figure 2023037481000004
この人工時効後における機械的特性については、以下に示す手順で評価した。すなわち、人工時効処理後のアルミニウム合金棒から、標点間距離25.4mm、平行部直径6.4mmの試験片を採取し、常温(25 ℃)において2mm/minの速度で引張試験を行うことによって、引張強度、0.2%耐力、破線伸びを測定した。こうした結果を表4に示す。
Figure 2023037481000005
表4に示す結果によれば、アルミニウム合金鋳塊の鋳造方向に対する直交断面における2次デンドライトアームスペーシングの最大値と最小値の差とが5μm~20μmの範囲になるように鋳造した実施例のアルミニウム合金棒は、常温での機械的な特性が比較例よりも優れていることが確認された。すなわち、本発明の製造方法によって、機械的特性に優れたアルミニウム合金鋳塊が得る事が可能になる。
10…水平連続鋳造装置
11…溶湯受部(タンディッシュ)
12…鋳型
13…耐火物製板状体(断熱部材)
21…中空部
21a…内周面
23…冷却装置
24…冷却水キャビティ
24a…内底面
25…冷却水噴射通路
26…冷却水供給管
27…冷却壁部
B…アルミニウム合金棒
M…合金溶湯
W…冷却水

Claims (5)

  1. Cu:0.15質量%~1.0質量%、Mg:0.6質量%~1.2質量%、Si:0.95質量%~1.35質量%、Mn:0.4質量%~0.6質量%、Fe:0.15質量%~0.70質量%、Cr:0.09質量%~0.25質量%、Ti:0.012質量%~0.035質量%、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金鋳塊であって、
    前記アルミニウム合金鋳塊の鋳造方向に対する直交断面における2次デンドライトアームスペーシングの最大値と最小値の差とが5μm~20μmの範囲であることを特徴とするアルミニウム合金鋳塊。
  2. B:0.0001質量%~0.03質量%を更に含有することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金鋳塊。
  3. 前記2次デンドライトアームスペーシングの標準偏差が5μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム合金鋳塊。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のアルミニウム合金鋳塊の製造方法であって、
    溶湯受部内のアルミニウム合金の溶湯を、中空部の中心軸が水平方向に沿うように配置された中空の鋳型の一端側から該鋳型の中空部に供給してアルミニウム合金鋳塊を製造する水平連続鋳造装置を用いて、
    前記鋳型の一端側から前記中空部に前記溶湯を連続して供給するとともに、前記中空部の内周面よりも外側に形成されて該内周面を冷却する冷却水を収容する冷却水キャビティに冷却水を供給し、
    前記内周面と、前記内周面に対して平行面を成す前記冷却水キャビティの内底面との間の前記鋳型の冷却壁部における単位面積当たりの熱流束値が10×10W/m以上の条件で前記溶湯を冷却、凝固させてアルミニウム合金鋳塊を製造することを特徴とするアルミニウム合金鋳塊の製造方法。
  5. 前記鋳型の冷却壁部の厚みは、0.5mm以上、3.0mm以下の範囲になるように形成されていることを特徴とする請求項4に記載のアルミニウム合金鋳塊の製造方法。
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