JP5157684B2 - 過共晶Al−Si系合金の鋳造方法及び鋳塊 - Google Patents

過共晶Al−Si系合金の鋳造方法及び鋳塊 Download PDF

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Description

本発明は、初晶Siが微細化され且つ均一に分布している過共晶Al−Si系合金の鋳塊及びその鋳造方法に関する。
過共晶Al−Si系合金は、熱膨張係数が小さく、耐熱性にも優れている。また、溶湯が凝固する際に高硬度で高剛性の初晶Siが晶出するため、耐摩耗性と剛性に優れ、ピストン、クランクケース、ブレーキドラム、シリンダーライナー、半導体製造用搬送装置、工作機械部品等の軽量化を目的として、従来の鉄鋳物を代替して使用されている。ところが、過共晶Al−Si系合金は、初晶Siが大きく成長した鋳造組織になり易いので、この状態で塑性加工や切削加工を施すと、初晶Siとアルミニウムマトリックスの界面等に亀裂が入り、機械的性質が低下するおそれがある。また、この初晶Siが均一に分布しておらず、分布に粗密乃至偏りのある偏析状態が生じていても、機械的性質が低下するおそれがある。
この初晶Siは、溶湯に初晶Si微細化剤を添加して鋳造したり、鋳造の際に溶湯を急冷凝固することによって微細化することができるが、初晶Siの偏析状態を均一にする方法は未だ見出されていない。
例えば、特許文献1には、初晶Si微細化剤としてP、Caを含有させ、PとCaとの質量比P/Caを調整したAl−Si系合金(Siの含有量は13〜21質量%)の溶湯をホットトップDC(Direct Chill)鋳造し、初晶Siを微細化する技術が開示されている。
詳述すると、特許文献1の実施例8には、Siを17質量%、Cuを4.5質量%、Mgを0.6質量%含有し、残部がAlである合金の溶湯を、溶湯温度780℃、速度150mm/分の鋳造条件でホットトップDC鋳造法により鋳造して、直径98mmの鋳塊を製造した例が開示されている。そして、Pの含有量が58ppm、Caの含有量が1ppmの場合は、鋳塊の初晶Siの粒径は45μmとなり、Pの含有量が61ppm、Caの含有量が17ppm、P/Caが3.2の場合は、鋳塊の初晶Siの粒径は18μmとなっている。
また、特許文献1の図11には、Siの含有量が23質量%、Pの含有量が60〜80ppm、Caの含有量が50〜80ppmの場合は、初晶Siは微細化されるものの粒径は30μm程度であることが説明されている。
特許第2730423号公報
しかしながら、特許文献1においては、初晶Si微細化剤としてP、Caを含有させたり、P/Caを調整したりして、初晶Siを微細化させる技術が開示されているものの、初晶Siの分布状態には言及されていない。
そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、初晶Siを微細化することができ且つ初晶Siを均一に分布させることのできる過共晶Al−Si系合金の鋳造方法を提供することを課題とする。また、本発明は、初晶Siが微細化され且つ均一に分布している過共晶Al−Si系合金の鋳塊を提供することを併せて課題とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、過共晶Al−Si系合金の溶湯を凝固させる際に、固液共存状態の存在時間を可及的に短時間とし、固体と液体の相対的な移動を抑制すると(すなわち、Siを豊富に含有する溶湯が流動して、晶出した初晶Siに接近しにくいようにすれば)、初晶Siの偏析状態が小さくなるという知見を得て本発明を完成するに至った。
ここで固液共存状態とは、溶湯の温度が低下して液相線温度に到達した際に、初晶Siの晶出が始まるが、その初晶Siの固体と液相とが共存している状態を意味する。この固液共存状態で初晶Siは成長し、更に溶湯の温度が低下すると共晶温度に達し、共晶反応が起きると同時に初晶Siの成長も停止する。
すなわち、本発明の過共晶Al−Si系合金の鋳造方法は、初晶Si微細化剤を含有するAl−Si系合金の溶湯を、ホットトップ部から急冷鋳型へ送って冷却凝固し、過共晶Al−Si系合金の鋳塊を製造するホットトップDC鋳造法において、前記ホットトップ部の溶湯吐出口と前記急冷鋳型の溶湯導入口とを連続させ、前記溶湯吐出口よりも前記溶湯導入口の方を大きくすることにより、前記急冷鋳型と接する前記ホットトップ部の端面を前記溶湯導入口内に露出させ、この露出した端面により形成される庇部の幅を1mm以上10mm以下とするとともに、前記急冷鋳型で冷却される前記溶湯における液相線温度から共晶温度に至るまでの凝固時間を3秒以内とすることを特徴とする。
このような鋳造方法によれば、微細な初晶Siが均一に分布した過共晶Al−Si系合金を得ることができる。
なお、初晶Si微細化剤の添加により、溶湯にPを20ppm以上130ppm以下含有させることが好ましく、Pを40ppm以上130ppm以下含有させることがさらに好ましい。そうすれば、微細な初晶Siが均一に分布した過共晶Al−Si系合金を、容易に得ることができる。また、初晶Si微細化剤の添加により、溶湯にPを20ppm以上130ppm以下、Caを6ppm以上130ppm以下含有させるとともに、PとCaとの質量比P/Caを0.6以上6以下に調整することがより好ましい。そうすれば、溶湯における液相線温度から共晶温度に至るまでの凝固時間を10秒以内と遅くしても、微細な初晶Siが均一に分布した過共晶Al−Si系合金を容易に得ることができる。
さらに、初晶Si微細化補助剤の添加により、溶湯にMg,Sr,及びBaの少なくとも1種を含有させてもよい。初晶Si微細化補助剤を添加した場合は、Mg,Sr,及びBaの含有量をそれぞれ0.5質量%以下とすることが好ましい。そうすれば、より微細な初晶Siが均一に分布した過共晶Al−Si系合金を得ることができる。
また、本発明の過共晶Al−Si系合金の鋳塊は、前述の過共晶Al−Si系合金の鋳造方法により製造された鋳塊であって、表面から7mm内方の位置における初晶Siの偏析状態が偏析率0%であることを特徴とする。
このような構成の過共晶Al−Si系合金の鋳塊は、優れた機械的性質や耐摩耗性を有している。特に、Si含有量が21質量%超過27質量%以下である高Si量の過共晶Al−Si系合金の場合も、前述のような構成であれば、優れた機械的性質や耐摩耗性を備えている。
本発明の過共晶Al−Si系合金の鋳造方法は、初晶Siが微細化され且つ均一に分布している過共晶Al−Si系合金の鋳塊を、容易に製造することができる。また、本発明の過共晶Al−Si系合金の鋳塊は、優れた機械的性質や耐摩耗性を有している。
アルミニウム合金の鋳造法は種々開発されているが、生産性に優れた方法として、以下のようなDC鋳造法が実用に供されている。すなわち、内壁面を水冷した急冷鋳型内に樋で導いた溶湯を注ぎ、該溶湯を急冷鋳型の内壁面で冷却凝固させるとともに、凝固直後の鋳塊を下方又は側方へ順次引き出し、そこに冷却水を噴射して急冷するという鋳造法である。このような方法により、中実状又は中空状(管状)の鋳塊が得られる。
該DC鋳造法においては、樋で導かれた溶湯が急冷鋳型内に直接注湯されるため、凝固終了まで溶湯が激しく流動するので、溶湯の漏れ防止のために、通常は急冷鋳型の高さ(鋳塊の引き出し方向の長さ)を高くする(例えば80mm)。そのため、急冷鋳型に接して凝固する部分の厚さも厚く、しかも凝固収縮により生じる急冷鋳型と鋳塊との間の空隙区間も長くなり、その結果、鋳塊の一部が再溶解を起こして組織的均一性に欠ける、溶湯の流動パターンが鋳塊の凝固組織に反映して結晶粒のサイズの粗細が生じるなどの問題が発生し、製品の均一性乃至歩留まりを損ねることになる。
このような溶湯の急冷鋳型内での流動を小さくする鋳造方法として、断熱湯溜部を有するホットトップ部を前記構造の急冷鋳型の上部に設けたホットトップ連続鋳造法があり、高品質の鋳塊の製造に供されている。すなわち、該ホットトップ連続鋳造法によれば、樋で導いた溶湯をホットトップ部の断熱湯溜部に一旦滞留させて溶湯の流動を抑制できるので、急冷鋳型内の溶湯の流動はかなり制限され、その結果、結晶粒のサイズの粗細差が小さくなる。しかも、溶湯温度も低くすることができるので、急冷鋳型の高さも低くでき、急冷鋳型に接して凝固する部分や急冷鋳型からの抜熱により凝固する部分が再溶解して生じる再溶解層も薄く、均一な表層の鋳塊が得られる。また、溶湯の流動パターンから生じる粗細のばらつきも小さくでき、製品の均一性乃至歩留まりを向上できる。
このようなことから、均一な表層を有する鋳塊を得るために、ホットトップ部の溶湯吐出口(すなわち、断熱湯溜部の内径)よりも急冷鋳型の溶湯導入口(すなわち、急冷鋳型の内径)の方が大きくされており、急冷鋳型と接するホットトップ部の端面を溶湯導入口内に露出させ、この露出した端面により庇部が形成されている。そして、庇部の幅(径方向長さ)は14〜20mm程度に設定されている。さらに、ホットトップ部と急冷鋳型との間からガスを噴出させるような工夫も行なわれている。いずれにしても、断熱湯溜部と急冷鋳型とを備えたホットトップDC鋳造装置では、上記のような庇部を有する構造は必須であり、避けることができない。
一方、Siを12.7質量%以上含有する過共晶Al−Si系合金においては、加工性を付与するためには初晶Siを微細化することは必須であり、そのために初晶Si微細化剤の添加が行われている。例えば、P及びCaを適量含有させ、PとCaとの質量比P/Caを調整する必要があることは公知である。そこで、本発明者らは、過共晶Al−Si系合金における初晶Siの晶出と成長について下記のように考察した。
なお、過共晶Al−Si系合金の「系」とは、Al−Siの2元系の合金だけでなく、強度、耐熱性、加工性、耐摩耗性、高剛性、その他の特性を付与するために他種の元素を含有させた3元系以上の合金を含むことを意味する。添加可能な元素としては、例えば、Cu,Mg,Ni,Cr,Mn,Zn,Fe,Zr,Tiがあげられる。そして、その含有量は、例えば、Cuは6質量%以下、Mgは1.5質量%以下、Niは4質量%以下、Crは0.5質量%以下、Mnは2.0質量%以下、Znは1.0質量%以下、Feは1.0質量%以下、Zrは0.4質量%以下、Tiは0.3質量%以下である。
(1)溶湯の凝固時間を短くすると、初晶Siの成長を抑制することができる。溶解しているSiは状態図の液相線温度に到達してはじめて初晶Siとして晶出するから、この凝固時間とは、溶湯が液相線温度から共晶温度に至るまでの時間である。つまり、凝固時間の開始温度は、急冷鋳型に注がれる直前の溶湯の温度ではなく、液相線温度である。このように、溶解しているSiは、液相線温度と共晶温度との間で結晶核(初晶Siや初晶Si微細化剤(例えばAl−P化合物))に晶出し成長するものと考えられるから、溶湯の凝固時間を短くすれば、晶出した初晶Siの成長を抑制し初晶Siを微細化することができる。
(2)液相線温度と共晶温度との間(固液共存状態)において固体と液体の相対的な移動を抑えると、初晶Siが微細化され粗細差が小さくなり、且つ初晶Siの偏析状態が小さくなる。溶湯中に初晶Siが晶出すると、その周囲の溶湯のSi含有量は少なくなる。初晶Siの結晶核の数が多ければ初晶Siは微細化される。溶湯が流動して、初晶Siの周囲の溶湯よりもSi含有量の多い溶湯が先に晶出した初晶Siと接触すると、その時点で溶湯中のSiが晶出し初晶Siが成長し粗大化すると思われる。従来のホットトップDC鋳造装置のように庇部の幅が14〜20mmであると、庇部直下では、溶湯が渦を巻いたり流れ込むなどして流動し、溶湯の拡散が生じるため、初晶Siの成長が促され、粗細の差が大きくなるものと思われる。また、一部の初晶Siは、溶湯の流束の変化域に遍在しやすいので、初晶Siが偏析状態になりやすいものと思われる。
これらの知見に基づいて本発明者らは本発明を完成するに至ったので、本発明に係る過共晶Al−Si系合金の鋳塊及びその鋳造方法の実施の形態を、図面を参照しながら以下に詳細に説明する。図1は、過共晶Al−Si系合金の鋳塊を製造するホットトップDC鋳造装置の構造を説明する断面図である。
合金元素が常法により溶解され、必要に応じて脱滓、脱ガス処理が施されたAl−Si系合金の溶湯1が、図示しない保持炉に貯留されている。Siの含有量は、過共晶Al−Si系合金を形成する量(約13質量%以上)であるならば特に限定されるものではないが、21質量%超過27質量%以下が好ましい。また、Al−Si系合金は、AlとSiの2元系合金でもよいし、Al,Siの他にCu,Mg,Ni,Cr,Mn,Zn,Fe,Zr,Ti等の他の合金元素を1種以上含む合金でもよい。
また、この溶湯1は、初晶Si微細化剤を含有している。初晶Si微細化剤の種類は特に限定されるものではないが、リン,リン含有合金,又はリン化合物が好ましく、リン,リン含有合金,又はリン化合物とカルシウム含有合金又はカルシウム化合物との両方を用いることがより好ましい。リン含有合金としては、Al−P,Cu−P,Fe−P,Ni−P等があげられ、リン化合物としてはリン酸塩,五塩化リン等があげられる。
初晶Si微細化剤としてリン,リン含有合金,又はリン化合物を使用する場合には、初晶Si微細化剤としての効果を考えると、Pの含有量(初晶Si微細化剤のうちPのみの質量により算出した含有量、以降も同様である)は20ppm以上130ppm以下であることが好ましい。また、初晶Si微細化剤としてリン,リン含有合金,又はリン化合物とカルシウム含有合金又はカルシウム化合物との両方を使用する場合には、初晶Si微細化剤としての効果を考えると、Pの含有量は20ppm以上130ppm以下、Caの含有量は6ppm以上130ppm以下で、さらにPとCaとの質量比P/Caは0.6以上6以下であることが好ましい。
さらに、初晶Si微細化剤とともに初晶Si微細化補助剤を用いてもよい。初晶Si微細化補助剤としては、金属マグネシウム,マグネシウム含有合金,マグネシウム化合物,金属ストロンチウム,ストロンチウム含有合金,ストロンチウム化合物,金属バリウム,バリウム含有合金,及びバリウム化合物の少なくとも1種が好ましい。初晶Si微細化補助剤を使用する場合には、初晶Si微細化補助剤としての効果を考えると、Mg,Sr,Baの含有量はそれぞれ0.5質量%以下であることが好ましい。
なお、初晶Si微細化剤としてリン,リン含有合金,又はリン化合物とカルシウム含有合金又はカルシウム化合物との両方を使用する場合においては、その使用効果を高めるためには、カルシウム含有合金又はカルシウム化合物の溶湯1への添加時期は鋳造直前が好ましい。添加後の保持時間が長くなると、Ca−P化合物が成長して初晶Siの結晶核となるAlP化合物の形成が妨げられ、初晶Si微細化性能が低下するためと思われる。
前記保持炉内の溶湯1は、樋10を通してホットトップDC鋳造装置のホットトップ部2に供給される。ホットトップ部2はセラミックス製であるとともに、円柱形の空間である断熱湯溜部3を有しており、溶湯1はこの断熱湯溜部3内に貯留される。このとき、樋10の下流側端部における湯面M1と断熱湯溜部3内の湯面M2は、略同一高さとする。また、断熱湯溜部3内への単位時間当たりの溶湯1の流れ込み量を小さくするために、樋10の内法を大きくしてもよい。さらに、必要に応じて、フィルタを使用して溶湯1から介在物を除去してもよい。なお、溶湯1の保温が可能で且つ高温の溶湯1により溶解,変質等が生じないならば、ホットトップ部2の材質はセラミックスに限定されるものではない。また、断熱湯溜部3の形状は円柱形に限定されるものではなく、角柱形等の他の形状でもよい。
ホットトップ部2の下方には急冷鋳型4が設置されており、両者2,4は接触している。急冷鋳型4は金属製でドーナツ状をなしており、その円柱状の中心孔5内に断熱湯溜部3内の溶湯1が送られるようになっている。また、急冷鋳型4の内部は空洞となっていて、冷却水11が循環されており、この冷却水11で冷却された急冷鋳型4の中心孔5の内壁面によって溶湯1が冷却されるようになっている。なお、水以外の冷媒を冷却水11の代わりに用いてもよい。
断熱湯溜部3の下端の開口部である溶湯吐出口6と、急冷鋳型4の中心孔5の上端の開口部である溶湯導入口7とは同心に配され且つ連続しており、溶湯吐出口6の直径よりも溶湯導入口7の直径の方が大径とされているため、急冷鋳型4と接するホットトップ部2の下端面の一部が溶湯導入口7内に露出しており、この露出したドーナツ状の下端面により庇部8が形成されている。そして、この庇部8の幅d(径方向長さ)は、1mm以上10mm以下とされている。
急冷鋳型4の中心孔5内に導入された溶湯1は、中心孔5の内壁面で急冷され凝固し、これによりシェル12が形成される。急冷鋳型4には、急冷鋳型4内の冷却水11を鋳塊Bの表面に噴射する放水口13が設けられているので、鋳造開始時には急冷鋳型4内に位置している図示しない受台を下方に移動させ、下方に引き出された鋳塊Bに冷却水11を噴射して冷却することにより、過共晶Al−Si系合金の鋳塊Bを連続して鋳造することができる。
このとき、溶湯1が冷却され液相線温度に到達すると、初晶Siが晶出し固液共存状態となり、さらに冷却されて共晶温度に到達すると凝固が完了するが、液相線温度から共晶温度に至るまでの凝固時間が所定時間以内となるように、冷却速度を制御して鋳造を行う。この所定時間は、初晶Si微細化剤として例えばリン,リン含有合金,又はリン化合物を使用した場合は3秒であり、初晶Si微細化剤としてリン,リン含有合金,又はリン化合物とカルシウム含有合金又はカルシウム化合物との両方を使用した場合は10秒である。前記凝固時間が前記所定時間以内となるように冷却速度を速くするためには、鋳造速度を速くする、急冷鋳型4の高さ(鋳塊Bの引き出し方向の長さ)を小さくする、溶湯1の温度を高くする等の手段が考えられる。
なお、図1に示してある点線L1 は、温度が液相線温度である部分を示し、実線L2 は、温度が共晶温度ある部分を示す。よって、点線L1 よりも上方の部分は、初晶Siが晶出していない液相部分であり、点線L1 と実線L2 との間の部分は、初晶Siが晶出し固液共存状態となっている部分であり、実線L2 の下方の部分は、凝固が完了した部分である。
このようにして鋳造を行えば、初晶Siが微細化され且つ均一に分布している過共晶Al−Si系合金の鋳塊Bを製造することができる。すなわち、冷却速度が速く溶湯1の凝固時間が短いので、初晶Siが成長しにくく、その結果、初晶Siが微細化される。また、庇部8の幅dが短いので、溶湯1の流動が生じにくく、その結果、初晶Siの粗細の差が小さくなるとともに、初晶Siが偏析状態になりにくい。例えば、鋳塊Bの偏析状態を調べるため、表面から7mm内方の位置における初晶Siの偏析率を測定すると、0%であった。この鋳造方法によれば、上記と同様に初晶Siが微細化され且つ均一に分布している過共晶Al−Si系合金の鋳塊を製造することができる。
このような過共晶Al−Si系合金の鋳塊Bは、優れた機械的性質や耐摩耗性を有しているので、押出加工や切削加工することが容易であり、また、ピストン、クランクケース、ブレーキドラム、シリンダーライナー、半導体製造用搬送装置、工作機械部品等の部材として好適に使用することができる。
〔実施例〕
以下に、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。表1に示すような組成のAl−Si系合金の溶湯を準備した。なお、残部はAl及び不可避の微量不純物である。また、表1中の数値の単位である%及びppmは、いずれも質量基準である。さらに、表1中の「−印」は微量不純物レベルの量であることを示す。
そして、その溶湯を用いて、前述した本実施形態とほぼ同様のホットトップDC鋳造装置及び鋳造方法により鋳造を行った。その際には、庇部の幅、鋳造速度(鋳塊の下方への引き出し速度) 、及び凝固時間を種々変えて鋳造し、得られた過共晶Al−Si系合金の鋳塊の初晶Siの平均粒径(μm)、初晶Siの粒径の標準偏差(σ) 、初晶Siの偏析状態を測定した。これらの測定方法を以下に示す。
<凝固時間の測定方法について>
図1に示すように、金属線に固定した熱電対20を断熱湯溜部内に挿入し、鋳塊の鋳造と共に下降するように設定することにより、鋳塊の表面から7mm内方の位置の温度を測定した。そして、冷却曲線を作図して、凝固開始点から共晶温度に達するまでの時間を算出して、液相線温度から共晶温度に至るまでの時間とした。表面から7mm内方の位置を測定位置としたのは、庇部の下方又はその近傍に位置しており、庇部の効果を把握できる位置であるからである。
<初晶Siの平均粒径及び初晶Siの粒径の標準偏差の測定方法について>
鋳塊の表面から7mm内方の位置の鋳造組織を金属顕微鏡で観察し、観察写真をカールツァイス社製KS400画像解析装置で解析した。画像解析の条件として、測定面積を0.98mm2 とするとともに、円相当径5μm以下のものは共晶Siと判断して解析から除外した。
そして、重なり合う初晶Siを分離して測定するため、縮退処理を1回、膨張処理を1回それぞれ行い、さらに重なり合う初晶Siの重なり合う部分を手動で切り離し、個々の面積から初晶Siの円相当径を計算し、平均値と標準偏差とを求めた。
<初晶Siの偏析状態の測定方法について>
前記のようにして測定した粒径が5μmを超える初晶Siが2個以下と判断された部分を、楕円形で近似した。そして、該楕円の短径が200μm以上のものの面積の合計値を測定面積で除した値(初晶Siのない面積の占有率) を偏析率とした。
<測定結果の判定方法について>
偏析率が0%で、且つ、初晶Siの円相当径の平均値が30μm以下のものを合格とし、各表においては○印を表示した。そして、そうでないものを不合格とし、×印を表示した。
次に、測定結果について説明する。表2に、Siの含有量が22質量%であるAl−Si系合金の溶湯から直径57mmの鋳塊を鋳造した場合の各種鋳造条件及び測定結果を示す。
試料No.1〜3は、庇部の幅を10mm以下と短くし且つ凝固時間を10秒以内と短くしたので、初晶Siの平均粒径が30μm以下と微細で、偏析率が0%と均一分散していることが判る。一方、庇部の幅が長い試料No.4,5は、偏析率が11%及び21%で均一分散していないことが判る。また、凝固時間が長い試料No.6は、初晶Siの平均粒径が大きく初晶Siが粗大化していることが判る。
表3に、Siの含有量が27質量%であるAl−Si系合金の溶湯から直径57mmの鋳塊を鋳造した場合の各種鋳造条件及び測定結果を示す。
試料No.7〜9は、庇部の幅を短くし且つ凝固時間を短くしたので、初晶Siの平均粒径が30μm以下と微細で、偏析率が0%と均一分散していることが判る。一方、庇部の幅が長い試料No.10,11は、偏析率が17%及び27%で均一分散していないことが判る。また、凝固時間が長い試料No.12は、初晶Siの平均粒径が大きく初晶Siが粗大化していることが判る。
表4に、Siの含有量が24質量%であるAl−Si系合金の溶湯から直径97mmの鋳塊を鋳造した場合の各種鋳造条件及び測定結果を示す。
試料No.13〜15は、庇部の幅を短くし且つ凝固時間を短くしたので、初晶Siの平均粒径が30μm以下と微細で、偏析率が0%と均一分散していることが判る。また、初晶Si微細化補助剤によるMgを含有する試料No.16,17は、初晶Siの平均粒径がさらに微細で、偏析率が0%で均一分散していることが判る。これらの結果から、初晶Si微細化補助剤の効果が奏されていることが判る。
一方、庇部の幅が長い試料No.18,19は、偏析率が15%及び22%で均一分散していないことが判る。また、凝固時間が長い試料No.20は、初晶Siの平均粒径が大きく初晶Siが粗大化していることが判る。
表5に、Siの含有量が17質量%であるAl−Si系合金の溶湯から直径97mmの鋳塊を鋳造した場合の各種鋳造条件及び測定結果を示す。
試料No.22〜24は、庇部の幅を短くし且つ凝固時間を短くしたので、初晶Siの平均粒径が30μm以下と微細で、偏析率が0%と均一分散していることが判る。一方、庇部の幅が長い試料No.26,27は、偏析率が19%及び31%で均一分散していないことが判る。
試料No.25は、初晶Si微細化剤としてPのみを含有させCaは含有していない例であるが、庇部の幅を短くし且つ凝固時間を3秒以内と短くすれば、初晶Siの平均粒径が30μm以下と微細になり、偏析率が0%と均一分散することが判る。また、試料No.21(Siの含有量は24質量%)及び試料No.28も、初晶Si微細化剤としてPのみを含有させCaは含有していない例であるが、凝固時間が3秒超過と長いため、初晶Siの平均粒径が30μmを超え粗大化していることが判る。
表6に、Siの含有量が22質量%であるAl−Si系合金の溶湯から直径130mmの鋳塊を鋳造した場合の各種鋳造条件及び測定結果を示す。
試料No.29〜31は、庇部の幅を短くし且つ凝固時間を短くしたので、初晶Siの平均粒径が30μm以下と微細で、偏析率が0%と均一分散していることが判る。一方、庇部の幅が長い試料No.32,33は、偏析率が10%及び18%で均一分散していないことが判る。また、凝固時間が長い試料No.34は、初晶Siの平均粒径が大きく初晶Siが粗大化していることが判る。
図2,3は、試料No.29,33の初晶Siの偏析状態を示す写真である。図2の試料No.29は、初晶Siが均一に分散しており、図3の試料No.33は、初晶Siが偏析していて不均一であることが判る。
なお、比較例として、庇部が無い場合の例を示す。すなわち、庇部の幅が0mmであることを除いて試料No.29と同様に鋳造を行った。庇部の幅を完全に0mmとすることはホットトップDC鋳造装置の製造上困難であり、どうしてもホットトップ部の溶湯吐出口内に急冷鋳型の端面の少なくとも一部が露出することとなるので、該部分と鋳塊との摩擦により鋳塊に肌荒れが生じ、鋳造の続行が不可能であった。また、鋳造できた部分も肌荒れがあり、偏析率が50%であった。
過共晶Al−Si系合金の鋳塊を製造するホットトップDC鋳造装置の構造を説明する断面図である。 初晶Siが均一分散している過共晶Al−Si系合金の偏析状態を示す図である。 初晶Siが偏析している過共晶Al−Si系合金の偏析状態を示す図である。
符号の説明
1 溶湯
2 ホットトップ部
3 断熱湯溜部
4 急冷鋳型
6 溶湯吐出口
7 溶湯導入口
8 庇部
B 鋳塊
d 庇部の幅

Claims (4)

  1. 初晶Si微細化剤を含有するAl−Si系合金の溶湯を、ホットトップ部から急冷鋳型へ送って冷却凝固し、過共晶Al−Si系合金の鋳塊を製造するホットトップDC鋳造法において、
    前記ホットトップ部の溶湯吐出口と前記急冷鋳型の溶湯導入口とを連続させ、前記溶湯吐出口よりも前記溶湯導入口の方を大きくすることにより、前記急冷鋳型と接する前記ホットトップ部の端面を前記溶湯導入口内に露出させ、この露出した端面により形成される庇部の幅を1mm以上10mm以下とするとともに、
    前記初晶Si微細化剤の添加により前記溶湯にPを20ppm以上130ppm以下含有させ、前記急冷鋳型で冷却される前記溶湯における液相線温度から共晶温度に至るまでの凝固時間を3秒以内とすることを特徴とする過共晶Al−Si系合金の鋳造方法。
  2. 初晶Si微細化剤を含有するAl−Si系合金の溶湯を、ホットトップ部から急冷鋳型へ送って冷却凝固し、過共晶Al−Si系合金の鋳塊を製造するホットトップDC鋳造法において、
    前記ホットトップ部の溶湯吐出口と前記急冷鋳型の溶湯導入口とを連続させ、前記溶湯吐出口よりも前記溶湯導入口の方を大きくすることにより、前記急冷鋳型と接する前記ホットトップ部の端面を前記溶湯導入口内に露出させ、この露出した端面により形成される庇部の幅を1mm以上10mm以下とするとともに、
    前記初晶Si微細化剤の添加により、PとCaとの質量比P/Caが0.6以上6以下となるように、前記溶湯にPを20ppm以上130ppm以下、Caを6ppm以上130ppm以下含有させ、前記急冷鋳型で冷却される前記溶湯における液相線温度から共晶温度に至るまでの凝固時間を10秒以内とすることを特徴とする過共晶Al−Si系合金の鋳造方法。
  3. 初晶Si微細化補助剤の添加により前記溶湯にMg,Sr,及びBaの少なくとも1種を含有させ、その含有量をそれぞれ0.5質量%以下とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の過共晶Al−Si系合金の鋳造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の過共晶Al−Si系合金の鋳造方法により製造された鋳塊であって、表面から7mm内方の位置における初晶Siの偏析状態が偏析率0%であることを特徴とする過共晶Al−Si系合金の鋳塊。
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