JP5565115B2 - アルミニウム合金の製造方法 - Google Patents

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本発明は、機械的強度及び剛性を向上させるとともに、熱膨張係数を低下させたアルミ二ウム合金を製造する方法に関するものである。
従来より、自動車等各種車両のフレーム,ケース類や、工作機械の構成部材などには鋳鉄が使用されている。しかしながら、鉄系素材は重量が嵩むために、昨今の軽量化、省エネ化の観点からは、必ずしも適切な素材ではない。
一方で、機械的強度、剛性、熱膨張係数に優れたアルミニウム合金の開発がされてきており、このような特性を持つアルミニウム合金を適用することによって、前記の構成部材などの大幅な軽量化を図ることが可能になっている。
例えば、剛性を向上させるとともに熱膨張係数を低下させたアルミニウム合金素材として、晶出粒子を微細分散させる組成に調整することによってアルミニウム合金中の晶出物の面積率を調整したものが提案されている。特許文献1では、Si添加量を増加させてSiの晶出量を増やすこと、Ni,Cu,Fe,Mnなどの添加量を増加させて金属間化合物の晶出量を増やすことなどが行われている。
しかしながら、このように添加量を増加させると晶出物が粗大化し、これを起点として破壊が起きやすくなり、このために機械的強度は低下してしまう。一般的にはCuやMgを添加してアルミニウム母相を強化することによって機械的強度を向上させることができるが、粗大晶出物が存在した状態でアルミニウム母相を強化すると、高い切欠き感受性のために機械的強度低下は逆に大きくなってしまう。
粗大晶を抑制できれば破壊の起点を減らすことができ、微細粒子による強化も期待でき、さらに粗大晶がなければCuやMg添加による時効析出強化も可能になる。そこで、特許文献2にも見られるように、組織微細化を図るために液相線温度以上でアルミニウム溶湯に超音波を照射することが行われてきた。
特開2005−272868号公報 特開2007−216239号公報
しかしながら上記したように、特許文献1で提案されているようにアルミニウムの剛性を向上させる目的で添加元素の添加量を増加させる場合は、剛性は向上するものの、晶出物が粗大化しやすくなり強度が低下してしまうという問題があった。
また、特許文献2では強度を向上させるため液相線温度以上で超音波照射をして組織微細化を行っているが、剛性は必ずしも向上していない。また熱膨張係数については何の検討もなされていない。
本発明は、このような課題を解決するために案出されたものであり、アルミニウム溶湯の組成や超音波照射条件を調整することによって、機械的強度及び剛性を向上させるとともに、熱膨張係数を低下させたアルミ二ウム合金を製造する方法を提案することを目的とするものである。
本発明のアルミ二ウム合金の製造方法は、その目的を達成するため、257GPa以上の引張強度、31GPa/(g/cm3)以上の比剛性、及び18.8 (10-6(℃-1))以下の膨張係数を有するアルミニウム合金の製造方法であって、Si:15〜20質量%、P:0.004〜0.02質量%、Ni:0.5〜6質量%、Cu:2〜8質量%、Fe:1〜4質量%、Mn:0.4〜2.4質量%、Cr:0.15〜0.55質量%、Ti:0.15〜0.4質量%を含み、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金溶湯に、液相線以上で超音波を照射し、超音波照射終了後100秒以内に20℃/秒以上の冷却速度で鋳造を行うことを特徴とする。
また、必要により前記アルミニウム溶湯にMg:0.05〜1質量%を含有させてもよい。

本発明方法によれば、添加元素の量を調整することで晶出物の量を調整し、さらに液相線以上の温度でアルミニウム溶湯に超音波処理を行い、超音波照射終了から100秒以内に20℃/秒以上の冷却速度で鋳造を行うことにより、晶出物を微細化して分散することができ、機械的強度及び剛性を向上させるとともに、熱膨張係数を低下させたアルミニウム合金を容易に得ることができる。
このため、アルミニウム合金を自動車等各種車両のフレーム,ケース類や、工作機械の構成部材などの素材としての使用が可能となる。
超音波ホーンを用いた超音波処理装置の概要を説明する図 アルミニウム合金溶湯を超音波処理する態様を説明する図 本発明の実施例及び比較例で製造したアルミニウム合金鋳物の中心部のミクロ組織を示す図、(a)実施例2、(b)超音波照射終了から鋳造までの時間が20秒の実施例8、(c)超音波照射終了から鋳造までの時間が60秒の実施例9、(d)超音波照射終了から鋳造までの時間が90秒の実施例10、(e)超音波処理をしていない比較例10、(f)超音波照射終了から鋳造までの時間が20秒で冷却速度の遅い比較例11、(g)超音波照射終了から鋳造までの時間が120秒の比較例12、(h)超音波照射終了から鋳造までの時間が20秒であるが、Ni,Cu,Mgを添加していない比較例13
1:超音波ジェネレータ 2:振動子
3:ホーン 4:ネジ方式接続
5:制御ユニット 6:電気炉
7:るつぼ 8:熱電対
9:溶湯
本発明者等は、自動車等各種車両のフレーム、ケース類や、工作機械の構成部材などに使用可能なアルミニウム合金材として、熱膨張係数が小さく、しかも機械的強度や剛性の高いものを低コストで得るべく鋭意検討・探索する過程で、Al−Si系の鋳造材に着目した。Al−Si系鋳造材は単体Siを晶出させることで熱膨張係数を比較的容易に小さくすることができるので、鋳造材中の単体Siや他の金属間化合物の晶出物を微細に分散させることができれば、前記用途に使用可能であると考え、本発明に到ったものである。
以下にその詳細を説明する。
まず、用いるアルミニウム合金溶湯の成分・組成について説明する。
Si:15〜20質量%
Siはアルミニウム合金において単体で晶出して熱膨張係数を小さくする作用を有するので、熱膨張係数を小さくする観点からはその含有量は多いほど好ましい。線膨張係数αを19.3×10−6/℃以下にするためには、15%以上のSiを含有させる必要がある。また、晶出した単体Siは、アルミニウム合金中に分散して強化に寄与する。さらに、アルミニウム合金の剛性を向上させる作用がある。この効果はSiが15%以上で特に効果を発揮し、20%を超えると超音波を照射しても単体Siが粗大化しやすくなり、強度向上効果が低下してしまい、しかも、液相線温度が高くなってしまうため鋳造性が落ちてしまう。
P:0.004〜0.02質量%
PはAlP化合物を形成してSiの異質核として作用する。これによって、単体Siを微細化して均一に分散させる作用がある。この作用は0.004質量%以上で特に効果を発揮し、0.02質量%を超えると湯流れ性が悪くなり、鋳造性が低下してしまう。そこでPの添加量は0.004〜0.02質量%の範囲にする。
Ni:0.5〜6質量%
NiはCuが存在する状態ではAl-Ni-Cu系化合物として晶出し、前記単体Siとともに剛性を向上させ熱膨張係数を低下させる作用がある。またこの作用は0.5質量%以上で特に効果を発揮し、6質量%を超えると液相線温度が高くなるため,鋳造性が悪くなる。そこでNiの添加量は0.5〜6質量%の範囲にすることが好ましい。
Cu:2〜8質量%
Cuは機械的強度を向上させる作用がある。またAl-Ni-Cu系化合物として剛性も向上させて、熱膨張係数を下げる。この作用は2質量%以上の添加で顕著となるが、8質量%を超えると化合物の粗大化が進み機械的強度が低下してしさらに耐食性も低下してしまう。そこでCuの添加量は2〜8質量%にすることが好ましい。
Fe:1〜4質量%
FeはSiを大量に含むアルミニウム合金においてAl-Fe-Si系化合物を晶出させ剛性を向上させて線膨張係数を下げる作用がある。この効果はFeが1質量%以上で顕著となるが、4質量%を超えると液相線温度が高くなるため、鋳造性が悪くなる。そこでFeの添加量は1〜4質量%にすることが好ましい。
Mn:0.4〜2.4質量%
MnはFeを含むアルミニウム合金溶湯を冷却・凝固させる際、粗大Al-Fe-Si系晶出物の生成を抑制する作用がある。この効果はMn/Fe比で0.4〜0.6で顕著となる。そこで、Mn量=0.4〜0.6Fe量とするため、0.4〜2.4質量%とすることが好ましい。
Cr:0.15〜0.55質量%
Crは初晶Siを微細かつ均一に分散させ機械的強度を向上させる。併せて微細なAl-Cr系化合物が晶出するため、剛性向上に寄与する。また微細なAl-Cr系化合物は超音波を照射したときにはAl-Fe系化合物の異質核として作用するため、Al-Fe系化合物を微細に分散させる効果がある。この効果は0.15質量%以上で顕著となり、0.55質量%を超えると粗大な化合物が形成され機械的強度が低下してしまう。そこでCrの添加量は0.15〜0.55質量%とすることが好ましい。
Ti:0.15〜0.4質量%
Tiは組織を微細かつ均一に分散させる作用がある。また微細なTi系化合物は超音波を照射したときにはAl-Fe系化合物の異質核として作用するため、Al-Fe系化合物を微細に分散させる効果がある。この作用は、Tiが0.15質量%以上になると顕著となり、逆に0.4質量%を超えると粗大な化合物が形成され機械的強度の低下を招く。そこでTi添加量は0.15〜0.4質量%にすることが好ましい。
Mg:0.05〜1質量%
Mgは機械的強度を向上させる作用がある。特に超音波照射する際に、Mgの添加によってキャビテーション(微細な泡)が発生しやすくなるため、微細化効果を発揮する。この作用は0.05質量%以上の添加で顕著となり、1質量%を超えると伸びが低下し鋳造性が悪化する。そこでMgの添加量は0.05%〜1質量%にすることが好ましい。
次に、アルミニウム合金鋳物材中における晶出物の微細分散化手段について説明する。
本発明方法では、上記の添加元素と不可避不純物からな組成のアルミニウム合金溶湯に、液相線以上の温度で超音波を照射し、その後、超音波照射終了から100秒以内に20℃/秒以上の冷却速度で鋳造を行っている。
用いる超音波処理用の装置としては、図1に示すような、超音波ジェネレータ1、振動子2、ホーン3と制御ユニット5から構成されているものが好ましい。
一例として、磁歪振動子を構成した超音波発生装置の操作原理を説明する。超音波ジェネレータ1により発生した交流強力電流を超音波振動子2に印加し、超音波振動子によって発生した超音波振動はネジ方式接続4を介してホーン3によってホーン先端に伝達し、先端からアルミニウム合金溶湯中に導入する。共振条件を保つために、共振周波数自動制御ユニット5を備えている。このユニットは、振動子に流れる電流値を周波数の関数として測定し、電流値が最大値を保持するように、周波数を自動調整するものである。
この際に用いる超音波ホーンは、高耐熱性を有しアルミニウム合金溶湯中で超音波照射させてもエロージョンされ難い材料を用い、例えばセラミックス材料、耐熱性の高い金属としてはNb-Mo合金などを選択することができる。なお付与する振動としては振幅10〜70μm(p‐p)、周波数20〜27kHz、出力2〜4kW程度の超音波を5〜30秒程度付与することで微細化を達成することができる。ここで、p‐pはピーク‐to‐ピークであり、例えばサイン波の場合は最大値と最低値との差のことをさす。
各元素を上記の組成範囲に調整したアルミニウム合金溶湯の液相線以上の温度で当該溶湯に超音波振動を与える。この際、超音波照射時の合金溶湯温度は液相線から100℃以内にすることが好ましい。これにより超音波照射終了から凝固開始までの時間を短縮することができる。溶湯温度が高すぎると溶湯中のガス量が増え、溶湯品質が低下する。また炉材,ホーンなどの寿命が低下する危険がある。
超音波照射の位置として、重力鋳造の際に溶解炉内で超音波照射した例を図2に示す。なお、超音波照射位置はこれに限られることはなく、超音波照射を終了してから100秒以内で鋳造を開始できる位置ならどこでもよい。例えば図示はしないがラドル内,湯溜り内などでもよい。
また、重力鋳造法に限らず、DC鋳造法、ダイカスト法やその他の鋳造法においても、所定の位置で超音波照射することによって、アルミニウム溶湯の微細化効果を得ることができる。
100秒以内で鋳造を開始するための超音波照射位置としては例えば、DC鋳造では、樋内、鋳型内,ダイカストでは溶解炉内,ラドル内,湯溜り内,スリーブ直上,スリーブ内で超音波を照射することができる。このように、超音波照射終了から鋳造までの時間を100秒以内にすることで、分散させた異質核が元の状態に戻り微細化効果が消失してしまうのを防ぐことができる。
冷却速度は20℃/秒以上にする必要がある。冷却速度が20℃/秒より遅いと、超音波で処理を行って核を分散させても晶出物が成長する時間があるため、粗大化する危険がある。晶出物が粗大化するとそれを起点として破壊が起こり、機械的強度が低くなってしまう。
以下、具体的な製造事例を実施例によって説明する。
実施例1:
表1に示した組成のアルミニウム合金溶湯を溶解炉内に配置した坩堝内に用意した。次に、Nb-Mo合金製の超音波ホーンを予熱炉内で予熱した後、坩堝内のアルミ二ウム合金溶湯中にホーンを浸漬させて超音波を照射した。この時使用した超音波発生装置は、VIATECH社製の超音波発生装置であり、周波数20〜22kHz、音響出力2.4kWに設定し超音波照射を行った。ホーンの振動振幅は20μm(p−p)とした。坩堝を取り出し、超音波照射終了から20秒後に、冷却速度20℃/sで、金型に重力鋳造した。
なお、溶湯の液相線は616℃であり鋳造性に問題はなかった。
続いて、晶出物サイズ、晶出物の面積率、σB、ヤング率、比剛性及び線膨張係数を測定、算出した。
その結果を表2に示す。
なお、晶出物サイズ,晶出物の面積率は画像解析を行って求めた。また、σBは引張試験を行って求めた。ヤング率は引張試験を行って得られる応力‐ひずみ線図における弾性域の傾きから求めた。さらに、比剛性はヤング率/密度から算出し、密度はアルキメデス法で測定した。
最後に、線膨張係数は30℃から150℃に加熱したときの熱膨張を測定して求めた。
実施例2〜10:
アルミニウム合金の組成、超音波照射終了から鋳造までの時間、冷却速度を表1のように変化させ、その他は実施例1と同様の方法で超音波を照射し、鋳造を行った。そして、実施例1と同様に、晶出物サイズ、晶出物の面積率、σB、ヤング率、比剛性、線膨張係数、液相線温度、鋳造性を測定、算出した。その結果を表2に示す。
また、図3(a)〜(d)に、実施例2及び8〜10で製造された鋳物の中心部のミクロ組織の顕微鏡写真を示す。
比較例1〜13
同様に、アルミニウム合金の組成、超音波照射終了から鋳造までの時間、冷却速度を表1のように変化させ、その他は実施例1と同様の方法で超音波を照射し、鋳造を行った。そして、実施例1と同様に、晶出物サイズ、晶出物の面積率、σB、ヤング率、比剛性、線膨張係数、液相線温度、鋳造性を測定、算出した。その結果を表2に併せて示す。
また、図3(e)〜(h)に、比較例10〜13で製造された鋳物の中心部のミクロ組織の顕微鏡写真を示す。
図3で示したアルミニウム合金の金属組織を示す顕微鏡写真中、白色部分がα相であり、灰色部分がAl-Ni-Cu系またはAl-Fe-Mn-Si系の化合物、黒色部分は単体Siの結晶である。
上記実施例2、8〜10及び比較例10〜13で製造されたアルミニウム合金の顕微鏡組織より、超音波終了から鋳造までの時間が短く、冷却速度を速くすると単体Siの結晶及び金属間化合物の粗大化を防止することができることが確認できる。
また、実施例では全てで液相線温度を700℃以下にすることができ、鋳造性に問題はなかったのに対し、晶出物の多い比較例7や比較例9では、液相線温度が高くなってしまい、鋳造温度を高くする必要があった。
このため長時間保持すると溶湯中のガス量が増えて内部品質を悪くする虞がある。これを防ぐために鋳造温度を低くすると湯流れが悪くなり、湯周り不良を起こす危険がある。
比較例1、2のときは、Si添加量が少ないため単体Siはほとんど晶出していない。強度は良好であるが、晶出物の量が少ないため比剛性が低かった。
比較例3ではSi添加量は充分であるが、超音波照射がないため、冷却速度を20℃/秒にしても初晶Siが粗大化し強度が落ちてしまい、比剛性も不十分であった。
比較例4では、比較例3と同一の組成で冷却速度を向上させたため、強度が改善した。晶出物の面積率は20%あったが密度が高いため比剛性は不十分であった。
比較例5では、Si添加量が13%とSiの量が比較的少ないため、比較例1と同様に強度は良好であったが、晶出物の量が少ないため、比剛性が低かった。
比較例6では、Si添加量が15%であるが、超音波照射がないと初晶Siが粗大化して強度が落ちてしまった。
比較例7では、Siが25%含まれており、超音波を照射しても単体Siが粗大化し,また単体Siが多すぎて強度を改善しきれなかった。また、液相線も高く、鋳造性が悪かった。
比較例8では、晶出物の量が少ないため、線膨張係数が大きくなってしまった。
比較例9では、晶出物の量が多過ぎるため、超音波照射を行っても強度を改善しきれず、液相線も高く鋳造性が悪かった。
比較例10では、超音波照射を行っていないため、組織が粗大で強度が低かった。
比較例11では、冷却速度が遅いため、超音波で処理を行っても組織が粗大化し、強度が低かった。
比較例12では、超音波処理から鋳造までの時間が120秒と長いため、分散させた異質核が元の状態に戻ってしまい、微細化効果が消失してしまった。
比較例13では、実施例8と組成以外の条件は同じであるが、強度向上に有効なCu,Mgを添加していないため、強度が低い。実施例1〜3もCu,Mgを添加していないが、初晶Siによる分散強化で強度は維持できる。しかし、本組成では、Siが含まれているFeとともにAl-Fe-Si系化合物としても晶出するために、単体Siが減り、分散強化も低下してしまったと推測される。

Claims (2)

  1. 257GPa以上の引張強度、31GPa/(g/cm 3 )以上の比剛性、及び18.8 (10 -6 (℃ -1 ))以下の膨張係数を有するアルミニウム合金の製造方法であって、
    Si:15〜20質量%、P:0.004〜0.02質量%、Ni:0.5〜6質量%、Cu:2〜8質量%、Fe:1〜4質量%、Mn:0.4〜2.4質量%、Cr:0.15〜0.55質量%、Ti:0.15〜0.4質量%を含み、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金溶湯に、
    液相線以上で超音波を照射し、超音波照射終了後100秒以内に20℃/秒以上の冷却速度で鋳造を行うことを特徴とするアルミニウム合金の製造方法。
  2. 前記アルミニウム合金溶湯に、さらにMg:0.05〜1質量%を含ませておくことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金の製造方法。
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