JP6439536B2 - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコン単結晶の製造方法に関し、特に、チョクラルスキー法(以下、CZ法という)によるシリコン単結晶の育成工程の一つであるネッキング工程に関する。
シリコン単結晶の多くはCZ法により製造されている。CZ法では、種結晶をシリコン融液に着液させる着液工程、いわゆるダッシュネック法により結晶直径を細く絞るネッキング工程、所望の直径に到達するまで単結晶の直径を徐々に太くするショルダー部育成工程、結晶直径を一体に保ちながら単結晶の育成を継続するボディー部育成工程が順に実施される。
ネッキング工程は、種結晶をシリコン融液に着液させたときの熱衝撃によって種結晶内に導入された高密度のスリップ転位を除去するために必要な工程である。結晶直径が5〜6mm程度まで細く絞られた一定の長さの単結晶を育成することにより単結晶中からスリップ転位を除去することができる。
特許文献1〜5には種々のネッキング方法が開示されている。例えば、特許文献1には、ネッキング工程においてシリコン融液とシリコン単結晶との固液界面形状を変形させて除去困難点転位をシリコン単結晶の径方向の外側へ進展させるかループ状に対消滅させて除去する方法が記載されている。また特許文献2には、結晶軸方位が[110]のシリコン単結晶の育成において、種結晶の直径を減少させるネッキング操作を行って第1ネック部を形成した後、ショルダー部を形成する前に、固液界面形状を上凸から下凸に変化させ、続いて再度ネッキング操作を行って第2ネック部を形成することにより、ネック部の中心軸部分に残った軸状転位を除去する方法が記載されている。
特許文献3には、ネック部の直径を増大させた後に縮小させてなる増径部、またはネック部の直径を増大させた後に縮小させてなる減径部を形成するステップを、ネッキング工程の最終段階で複数回連続して行うことにより、固液界面の形状を頻繁に変化させ、転位の移動方向を変化させる機会を何度も与え、軸状転位を効率よく除去する方法が記載されている。特許文献4にも、ネッキング工程において絞り部と拡径部とを交互に形成することによりスリップ転位を除去する方法が記載されている。
特許文献5には、ネック部の育成速度を通常速度(例えば2〜5mm/min)から極端な低速度(例えば0.8mm/min)に下げて一定時間保持する操作を少なくとも一回、好ましくは3回以上行い、固液界面形状を凹形と凸形とに繰り返し変化させることにより、スリップ転位を除去する方法が記載されている。
一方、ダッシュネック法で形成された細いネック部は、近年のシリコン単結晶の大口径化によって重量化したシリコン単結晶インゴットを支持するための強度が不十分であり、シリコン単結晶の引き上げ中にネック部が破断してシリコン単結晶が落下するなどの重大な事故を引き起こすおそれがある。そのため、特許文献6には、ネッキング工程を経ることなく無ネック法でシリコン単結晶の引き上げを行う場合において、種結晶の着液時に輻射シールドとシリコン融液面との間の距離(ギャップ)を80mm以上に設定し、輻射熱を増大させて種結晶を十分に予熱することにより、着液時の熱衝撃によるスリップ転位の発生を抑制する方法が記載されている。
国際公開第2010/146853号パンフレット 特開2011−57460号公報 特開2009−263142号公報 特開平11−199384号公報 特開2001−316198号公報 特開2005−281018号公報
特許文献1に記載された従来のネッキング方法は、種結晶の着液時に導入された結晶成長方向と平行に進展する軸状転位を除去する方法であるが、適正な界面形状を決定する手法が明確でなく、軸状転位が種結晶の中心付近に存在する場合にその除去は非常に困難である。
特許文献2に記載された従来のネッキング方法も同様であり、固液界面形状が下凸であったとしてもその角度が非常に小さく且つ結晶直径が急激に太くなる場合には、軸状転位を除去することができないか、あるいは除去できたとしてもネック部を非常に長く形成しなければならないという問題がある。さらに、軸状転位を除去するために結晶直径を太らせる工程を実施した後にダッシュネック法により再び結晶直径を絞る場合には、軸状転位が単結晶の外周面に到達して消滅する前に中心方向に引き戻され、軸状転位を取り除くことができず、せっかく実施した軸状転位除去工程が無駄になるおそれがある。特許文献3〜5に記載された従来のネッキング方法も特許文献2と同様の問題を有している。
したがって、本発明の目的は、ネッキング工程において軸状転位を確実に除去することが可能なシリコン単結晶の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によるシリコン単結晶の製造方法は、シリコン融液に種結晶を着液させた後、前記種結晶を引き上げることにより前記種結晶の下端にネック部を含むシリコン単結晶を成長させるCZ法によるシリコン単結晶の製造方法であって、前記ネック部の育成工程は、前記シリコン融液に着液させた前記種結晶を第1の引き上げ速度で引き上げて、固液界面形状が上凸になるように制御しながら第1ネック部を形成する第1ステップと、第1の引き上げ速度よりも遅い第2の引き上げ速度で前記種結晶を引き上げて、前記固液界面形状が下凸となり且つ固液界面角度が結晶増径角度よりも大きくなるように制御しながら第2ネック部を形成する第2ステップとを含むことを特徴とする。
本発明によれば、第2ステップにおける固液界面形状を適正な下凸形状とすることができ、第1ステップで除去できなかった軸状転位を第2ステップで除去することができる。したがって、ネッキング工程により単結晶が無転位化される確率を高めることができ、高品質なシリコン単結晶を製造することができる。
本発明において、前記第1の引き上げ速度は3mm/min以上5mm/min以下であり、前記第1ネック部の目標直径は4mm以上7mm以下であり、前記第2の引き上げ速度は1.5mm/min以上4.5mm/min以下であり、前記第2ネック部の目標直径は7mm以上11.5mm以下であることが好ましい。この場合において、第1の引き上げ速度と第2の引き上げ速度との差は0.5mm/min以上である。これによれば、第1ステップにおいてダッシュネック法により主要な転位を確実に除去することができる。また、第2ステップにおいて固液界面角度を結晶増径角度よりも大きくすることができ、固液界面に対して垂直な方向に進展する軸状転位が単結晶の外側に排除される確率を大幅に高めることができる。


前記第2ステップにおいて、前記固液界面角度は4度以上10度以下であることが好ましく、前記結晶増径角度は1度以上4度以下であることが好ましい。これによれば、第2ステップにおける固液界面形状の界面角度を適切な範囲に設定することができる。したがって、第2ステップにおいて軸状転位が除去される確率を高めることができ、第2ステップの信頼性を高めることができる。
本発明において、前記第2ネック部の長さは150mm以上であることが好ましい。また、前記第1ネック部の長さは200mm以下に制限されることが好ましい。第2ネック部の長さが150mm以上であれば軸状転位を確実に除去することが可能である。また、第1ネック部の長さが200以下であれば、第1ステップで軸状転位が中心軸上に移動することを防止でき、軸状転位の除去が困難になる事態を防止することができる。
本発明によるシリコン単結晶の製造方法は、前記シリコン融液の上方において育成中のシリコン単結晶を取り囲む熱遮蔽体を配置して前記シリコン単結晶の引き上げを行うと共に、前記第2ステップにおける前記シリコン融液から前記熱遮蔽体の下端までの距離を、前記第1ステップにおける前記シリコン融液から前記熱遮蔽体の下端までの距離よりも小さく設定して、前記第2ネック部を育成することが好ましい。この場合において、前記第2ステップにおける前記シリコン融液から前記熱遮蔽体の下端までの距離80mm以下に設定して、前記第2ネック部を育成することが好ましい。これによれば、第1ステップにおいて上凸の固液界面形状を容易に形成することができ、結晶直径を細く絞る工程を容易に実施することができる。また第2ステップにおいて固液界面形状が下凸になる傾向を強めることができ、下凸の固液界面形状を容易に形成することができる。
本発明によるシリコン単結晶の製造方法は、前記ネッキング工程の前記第2ステップが終了した後、前記単結晶の直径を再び細く絞ることなく、所望の直径に到達するまで前記単結晶の直径を徐々に太くするショルダー部育成工程に直ちに移行することが好ましい。これによれば、外周面付近まで移動した軸状転位が中心付近に戻ることを防止することができる。したがって、第2ステップの実施が無駄になる事態を防止することができる。
本発明によれば、ネッキング工程において軸状転位を確実に除去することが可能なシリコン単結晶の製造方法を提供することができる。
図1は、シリコン単結晶引き上げ装置1の構造を示す略断面図である。 図2は、シリコン単結晶の育成工程を示すフローチャートである。 図3は、シリコン単結晶インゴットの形状を示す略断面図である。 図4は、ネッキング工程における単結晶の成長過程を示す模式図である。 図5は、ネッキング工程を説明するためのフローチャートである。 図6は、単結晶のネック部の断面形状とネック部内の軸状転位の位置との関係を示す模式図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、シリコン単結晶引き上げ装置1の構造を示す略断面図である。
図1に示すように、シリコン単結晶引き上げ装置1は、チャンバー10と、チャンバー10の内側に配置された断熱材11と、チャンバー10内に収容される石英ルツボ12を支持するサセプタ13と、サセプタ13を昇降可能に支持する回転支持軸14と、サセプタ13の周囲を取り囲むように配置されたヒーター15と、サセプタ13の上方に配置された略逆円錐台形状の熱遮蔽体16と、サセプタ13の上方であって回転支持軸14と同軸状に配置された単結晶引き上げ用ワイヤー17と、チャンバー10の上方に配置されたワイヤー巻き取り機構18とを備えている。
チャンバー10は、メインチャンバー10Aと、メインチャンバー10Aの上部開口に連結されたプルチャンバー10Bとで構成されており、上述の石英ルツボ12、サセプタ13、回転支持軸14、ヒーター15及び熱遮蔽体16はメインチャンバー10A内に設けられている。熱遮蔽体16は、シリコン融液3の上方において育成中のシリコン単結晶2を取り囲むように設けられている。巻き取り機構18はプルチャンバー10Bの上方に配置されており、ワイヤー17は巻き取り機構18からプルチャンバー10B内を通って下方に延びており、ワイヤー17の先端部はメインチャンバー10Aの内部空間まで達している。図1には、育成途中のシリコン単結晶2がワイヤー17に吊設された状態が示されている。
シリコン単結晶の引き上げ工程では、まずサセプタ13内に石英ルツボ12をセットし、石英ルツボ12内にシリコン原料を充填し、ワイヤー17の先端部にシードチャックを介して種結晶を取り付ける。次にシリコン原料をヒーター15で加熱してシリコン融液3を生成し、種結晶を降下させてシリコン融液3に着液させる。その後、種結晶及び石英ルツボ12をそれぞれ回転させながら種結晶をゆっくりと上昇させることにより、略円柱状のシリコン単結晶2を成長させる。その際、シリコン単結晶2の直径は、その引き上げ速度やヒーター15のパワーを制御することにより制御される。
図2は、シリコン単結晶の育成工程を示すフローチャートである。また、図3は、シリコン単結晶インゴットの形状を示す略断面図である。
図2及び図3示すように、シリコン単結晶2の育成では、種結晶をシリコン融液に着液させる着液工程(ステップS101)、結晶直径が細く絞られたネック部2aを形成するネッキング工程(ステップS102)、結晶直径を円錐状に広げてショルダー部2bを形成するショルダー部育成工程(ステップS103)、規定の直径まで単結晶が成長した時点で一定の直径で引き上げを継続してボディー部2cを形成するボディー部育成工程(ステップS104)、引き上げ終了時に直径を細く絞り、最終的に液面から切り離すテール部育成工程(ステップS105)が順に実施される。以上により、ネック部2a、ショルダー部2b、ボディー部2c及びテール部2dを有するシリコン単結晶インゴットが完成する。
次に、ネッキング工程について説明する。ネッキング工程は、シリコン単結晶の育成時に直径を細くして、シリコン種結晶がシリコン融液に接触した時に導入される転位(熱ショック転位、ミスフィット転位)を除去する工程である。
着液時に導入される転位のうち、結晶引き上げ方向に延在し、ダッシュネック法などで結晶直径を単純に変化させても除去することができないものを軸状転位という。軸状転位は、ネッキング工程、ショルダー部育成工程、およびボディー部育成工程まで、結晶の成長方向に連続して存在するため、ウェーハを製造したときに各ウェーハの特定の領域に限定して存在する。また、軸状転位は、ダッシュネック法のように、拡径、縮径、ネック部の長さを一定以上にする等、ネック部を形成する際に用いられる従来の一般的な手法によっては除去することが困難であった。しかし、本実施形態においては、以下に示すようにネッキング工程を2ステップに分け、第1ステップで主要なスリップ転位を除去し、第2ステップで軸状転位を除去することにより、ネック部の無転位化を図ることが可能である。
図4は、ネッキング工程における単結晶の成長過程を示す模式図である。また図5は、ネッキング工程を説明するためのフローチャートである。
単結晶の育成では、まず種結晶2sをシリコン融液3に着液させる(図4(a))。このとき、種結晶2sには軸状転位を含む多数の転位が導入される(図4(b))。その後、転位を除去するためネッキング工程が行われる(図4(c)〜(f))。
図5に示すように、本実施形態によるネッキング工程は、軸状転位以外の主要な転位を除去するステップである第1ステップS11と、軸状転位を除去するステップである第2ステップS12とで構成される。図4において、図4(c)及び(d)は第1ステップS11を示しており、図4(e)及び(f)は第2ステップS12を示している。
第1ステップS11では、種結晶2sを相対的に速い引き上げ速度で引き上げることにより、細い結晶直径を有する第1ネック部2aを育成する(図4(c)、(d)参照)。ネック部2aの目標直径は4〜7mmであることが好ましい。このように結晶直径を4〜7mm程度まで細くすることにより、種結晶2sから引き継がれた単結晶中の主要な転位を除去することができる。
第1ステップS11での引き上げ速度は3〜5mm/minとすることが好ましい。引き上げ速度が速い場合、単結晶の外周部に比べて中心部の冷却が促進されるので、固液界面形状は上凸になる。第1ネック部2aの長さは200mm以下に制限されることが好ましい。固液界面形状が上凸である場合、固液界面に対して垂直な方向に進展する軸状転位は単結晶の中心方向に移動するため、第1ネック部2aを長くしすぎると軸状転位が完全に中心軸上に移動してしまい、第2ステップS12において軸状転位を除去することができなくなるからである。
第2ステップS12では、種結晶2sを第1ステップS11よりも相対的に遅い引き上げ速度で引き上げて、固液界面形状が下凸となるように制御する(図4(e)、(f)参照)。また第2ステップS12では、固液界面角度が結晶増径角度よりも大きくなるように引き上げ条件を制御しながら第2ネック部2aを育成する。固液界面角度が結晶増径角度よりも大きい場合には、結晶成長と共に径方向の外側に移動する軸状転位を結晶直径の増加に追いつかせることができ、軸状転位を単結晶の外側に排除することができる。
ここで、固液界面角度とは、水平面に対して固液界面がどのくらい傾いているかを示す角度のことを言い、結晶増径角度とは、結晶直径の増加によって単結晶の外周が中心軸に対してどのくらい傾いているかを示す結晶断面の傾斜角度のことを言う。第2ステップ開始時の結晶直径をRとし、第2ステップ終了時の結晶直径及び結晶長さをそれぞれR及びLとするとき、結晶増径角度はarctan{(R−R)/2L}として定義される。
本実施形態において、固液界面角度は4〜8度であることが好ましい。固液界面角度がこの範囲内であれば、軸状転位を確実に除去することができる。固液界面角度を4〜8度にするためには、例えば、引き上げ速度を1.5〜4.5mm/minとし、ルツボの上昇速度を1mm/minとすればよい。また、第2ネック部2aの目標直径は7〜11.5mmとすることが好ましい。
また第2ステップS12では、シリコン融液3の液面から熱遮蔽体16(図1参照)までの距離(ギャップ幅G)を小さくすることが好ましく、80mm以下にすることが特に好ましい。ギャップ幅Gを狭くすると徐冷条件となり、ヒーター15からの輻射熱が遮蔽されて単結晶が冷却されやすくなるからである。このように輻射熱の影響を抑えることで、シリコン単結晶の中心部に比べて外周部の冷却が促進されるので、固液界面形状が下凸になる傾向を強めることができる。逆に、第1ステップS11では、第2ステップS12よりもギャップ幅Gを大きくすることにより、固液界面形状が上凸になる傾向を強めることができ、軸状転位の排除を促進させることができる。
固液界面形状は、結晶成長と共に結晶直径が徐々に太くなっているときに下凸になる。この場合、単結晶の太り具合を示す結晶増径角度θは、固液界面角度θよりも小さいことが必要である。単結晶が急激に太くなり、結晶増径角度θが大きくなると、軸状転位が単結晶の径方向の外側に進展するスピードよりも単結晶の直径の増加速度が速すぎるため、軸状転位を単結晶の外側へ追い出すことができないからである。
図6は、単結晶2のネック部2aの断面形状とネック部2a内の軸状転位の位置との関係を示す模式図である。
図6に示すように、第2ステップS12の開始時において軸状転位Dは単結晶2の中心(r=0)に存在するものとし、この位置を円筒座標系の原点とする。第2ステップS12では固液界面Sが下凸形状であり、その傾斜角度を固液界面角度θとするとき、原点から結晶長さLの位置での軸状転位Dの径方向の移動位置rは、r=Ltanθとなる。また原点における単結晶2の半径をrとし、原点から結晶長さLまで成長すると共に単結晶2の半径がΔr増加したとき、結晶増径角度θは、tanθ=Δr/Lとなり、単結晶2の半径rは、r=r+Δr=r+Ltanθとなる。
軸状転位Dが結晶成長と共に径方向の外側に移動して単結晶2の外周面Sの外側に抜けるためには、r>rとなることが必要である。すなわち、Ltanθ>r+Ltanθであることが必要である。
例えば、第2ステップS12の開始時における単結晶2の半径r=2.5mm(直径5mm)、固液界面角度θ=4度、結晶増径角度θ=0(増径なし)であるとき、結晶長さが35.7mm以上で軸状転位Dは単結晶2の外周面Sの外側に抜けて消滅する。
また、結晶長さLが150mm伸びて結晶直径が5mmから11.5mmまで増加する場合、tanθ=(11.5−5)/(2×150)=0.022(結晶増径角度θ≒1.26度)となる。したがって、例えば結晶増径角度θ=1.26度である場合、軸状転位Dを単結晶2の外周面Sの外側に排除するために必要な結晶長さLは以下のようになる。
L>5.75/(0.07−0.022)=119.8(mm)
すなわち、第2ネック部2aの結晶長さLを約120mm以上にすれば軸状転位Dを単結晶の外側に追い出して消滅させることができる。ただし実際には、固液界面角度θの誤差等を考慮して、理論上の結晶長さLよりも30〜50mm長く成長させた方がよく、150mm以上とすることが好ましい。
ネッキング工程S102の第2ステップS12が終了した後は、単結晶2の直径を再び細く絞ることなく、ショルダー部育成工程S103に直ちに移行することが好ましい。単結晶2の直径を再び細く絞るとせっかく外周面S付近まで移動した軸状転位Dが中心方向に戻ることになり、それまで行ってきたネッキング工程が無駄になるからである。第2ステップ12によって単結晶2中から軸状転位を排除できなかったとしても外周面S付近に存在していると考えられるので、ショルダー部育成工程S103移行直後に外周面Sの外側に移動して排除される可能性があり、万が一排除されなくても製品加工時の外周研削によって除去される可能性もある。したがって、第2ステップS12が終了した後は、ショルダー部育成工程S103に直ちに移行することが好ましい。
以上説明したように、本実施形態によるシリコン単結晶の製造方法は、シリコン融液3に種結晶2sを着液させた後に転位を除去するためのネッキング工程S102が、固液界面形状が上凸になるように単結晶の直径を細く絞りながら育成する第1ステップと、固液界面形状を下凸となり且つ固液界面角度θが結晶増径角度θよりも大きくなるように単結晶を増径させながら育成する第2ステップとを有するので、単結晶中の軸状転位を除去することができ、ショルダー部の育成前に単結晶の無転位化を図ることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態においては、引き上げ速度に加えてギャップ幅を変更することで固液界面形状をより変化させやすくしているが、例えばギャップ幅を変化させる代わりにヒーターパワーを変化させてもよく、その他の引き上げ条件を変化させてもよい。
1 単結晶引き上げ装置
2 シリコン単結晶
2a ネック部
2a 第1ネック部
2a 第2ネック部
2b ショルダー部
2c ボディー部
2d テール部
2s 種結晶
3 シリコン融液
10 チャンバー
10A メインチャンバー
10B プルチャンバー
11 断熱材
12 石英ルツボ
13 サセプタ
14 回転支持軸
15 ヒーター
16 熱遮蔽体
17 引き上げ用ワイヤー
18 ワイヤー巻き取り機構
D 軸状転位
G ギャップ幅
単結晶の半径
軸状転位の径方向の位置
単結晶の半径
単結晶の外周面
固液界面
θ 固液界面角度
θ 結晶増径角度

Claims (9)

  1. シリコン融液に種結晶を着液させた後、前記種結晶を引き上げることにより前記種結晶の下端にネック部を含むシリコン単結晶を成長させるCZ法によるシリコン単結晶の製造方法であって、
    前記ネック部の育成工程は、
    前記シリコン融液に着液させた前記種結晶を第1の引き上げ速度で引き上げて、固液界面形状が上凸になるように制御しながら第1ネック部を形成する第1ステップと、
    第1の引き上げ速度よりも遅い第2の引き上げ速度で前記種結晶を引き上げて、結晶直径が増径し且つ前記固液界面形状が下凸となり且つ固液界面角度が結晶増径角度よりも大きくなるように制御しながら第2ネック部を形成する第2ステップとを含むことを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記第1ステップにおいて、前記第1の引き上げ速度は3mm/min以上5mm/min以下であり、前記第1ネック部の目標直径は4mm以上7mm以下であり、
    前記第2ステップにおいて、前記第2の引き上げ速度は1.5mm/min以上4.5mm/min以下であり、前記第2ネック部の目標直径は7mm以上11.5mm以下である、請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記第2ステップにおいて、前記固液界面角度は4度以上10度以下である、請求項1又は2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  4. 前記結晶増径角度は1度以上4度以下である、請求項3に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  5. 前記第2ネック部の長さを150mm以上にする、請求項3又は4に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  6. 前記第1ステップにおいて、前記第1ネック部の長さを200mm以下にする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  7. 前記シリコン融液の上方において育成中のシリコン単結晶を取り囲む熱遮蔽体を配置して前記シリコン単結晶の引き上げを行うと共に、前記第2ステップにおける前記シリコン融液から前記熱遮蔽体の下端までの距離を、前記第1ステップにおける前記シリコン融液から前記熱遮蔽体の下端までの距離よりも小さく設定して、前記第2ネック部を育成する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  8. 前記第2ステップにおける前記シリコン融液から前記熱遮蔽体の下端までの距離80mm以下に設定して、前記第2ネック部を育成する、請求項7に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  9. 前記ネッキング工程の前記第2ステップが終了した後、前記単結晶の直径を再び細く絞ることなく、所望の直径に到達するまで前記単結晶の直径を徐々に太くするショルダー部育成工程に直ちに移行する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
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