JP2009018984A - 低酸素濃度シリコン単結晶およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】横磁場型チョクラルスキー法によって、大口径品であっても、全長にわたって低酸素濃度であるシリコン単結晶を簡便に製造することができる方法を提供する。
【解決手段】原料シリコン融液5が充填される石英ルツボ6の内径Dを引き上げられるシリコン単結晶4の直径dの2.5倍以上3倍以下とし、かつ、石英ルツボ6の回転速度CR[rpm]を0<CR≦0.5以下、石英ルツボ6と反対方向に回転しながら引き上げられるシリコン単結晶4の回転速度SR[rpm]を5≦SR≦60h/(π・d)(ここで、h:原料シリコン融液の深さ)として単結晶引上げを行う。
【選択図】図5
【解決手段】原料シリコン融液5が充填される石英ルツボ6の内径Dを引き上げられるシリコン単結晶4の直径dの2.5倍以上3倍以下とし、かつ、石英ルツボ6の回転速度CR[rpm]を0<CR≦0.5以下、石英ルツボ6と反対方向に回転しながら引き上げられるシリコン単結晶4の回転速度SR[rpm]を5≦SR≦60h/(π・d)(ここで、h:原料シリコン融液の深さ)として単結晶引上げを行う。
【選択図】図5
Description
本発明は、横磁場型チョクラルスキー法(以下、横型MCZ法という)により、大口径の低酸素濃度シリコン単結晶を製造する方法に関する。
シリコン単結晶の製造方法としては、無転位または結晶欠陥が極めて少ない単結晶を大口径かつ高純度で比較的容易に得ることができることから、CZ法が広く用いられている。
CZ法によるシリコン単結晶の製造においては、例えば、図5に示すような単結晶引上げ装置において、シリコン単結晶からなる種結晶1を、チャンバ9内でヒータ7および保温体8により加熱保温されたホットゾーンにおいて、石英ルツボ6内に充填された原料シリコン融液5に着液させた後、回転させながらゆっくりと引き上げ、ネック部2、クラウン部3の形成を経て、シリコン単結晶4を育成する。
CZ法によるシリコン単結晶の製造においては、例えば、図5に示すような単結晶引上げ装置において、シリコン単結晶からなる種結晶1を、チャンバ9内でヒータ7および保温体8により加熱保温されたホットゾーンにおいて、石英ルツボ6内に充填された原料シリコン融液5に着液させた後、回転させながらゆっくりと引き上げ、ネック部2、クラウン部3の形成を経て、シリコン単結晶4を育成する。
上記CZ法においては、原料シリコン融液は、石英ルツボ内に充填されるため、石英(SiO2)からの酸素の溶け込みが不可避であり、低酸素化には限界があることから、低酸素濃度シリコン単結晶を得るためには、磁場をかけて結晶成長条件を制御するMCZ法が採用されている。
このMCZ法の中でも、横型MCZ法は、電磁石により原料シリコン融液表面と平行な方向に磁場をかけるため、ルツボ壁直近の原料シリコン融液の流れを強制的に抑制することができ、低酸素化が容易である。
なお、本明細書中でいう低酸素濃度シリコン単結晶とは、酸素濃度が5×1017/cm-3以下(OLD ASTM換算)のシリコン単結晶であり、大口径とは直径200mm以上のものを指す。
このMCZ法の中でも、横型MCZ法は、電磁石により原料シリコン融液表面と平行な方向に磁場をかけるため、ルツボ壁直近の原料シリコン融液の流れを強制的に抑制することができ、低酸素化が容易である。
なお、本明細書中でいう低酸素濃度シリコン単結晶とは、酸素濃度が5×1017/cm-3以下(OLD ASTM換算)のシリコン単結晶であり、大口径とは直径200mm以上のものを指す。
シリコン単結晶は、100mmまたは125mm径程度であれば、ホットゾーンのサイズが比較的小さいことから、温度および磁場の制御が容易であり、上記のような横型MCZ法により、低酸素濃度シリコン単結晶を比較的容易に得ることができた。
例えば、特許文献1には、シリコン単結晶径を石英ルツボの直径の1/2以下とし、かつ、所定の磁場を形成して引き上げる横型MCZ法が開示されている。
また、低酸素濃度シリコン単結晶の製造においては、石英ルツボの回転速度を小さくすることが好ましいことが知られている。
例えば、特許文献1には、シリコン単結晶径を石英ルツボの直径の1/2以下とし、かつ、所定の磁場を形成して引き上げる横型MCZ法が開示されている。
また、低酸素濃度シリコン単結晶の製造においては、石英ルツボの回転速度を小さくすることが好ましいことが知られている。
また、特許文献2には、横型MCZ用いて石英ルツボを静止した状態で、シリコン単結晶の回転速度を2〜15rpmの範囲に制御して、4〜15ppma(=1×1017〜3.75×1017原子/cm-3)の低酸素濃度のシリコン単結晶を製造する方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、石英ルツボの回転速度を低下させ、シリコン単結晶の回転速度も低下させることにより、2×1017〜約6×1017原子/cm-3の低酸素濃度のシリコン単結晶を製造する方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、石英ルツボの回転速度を低下させ、シリコン単結晶の回転速度も低下させることにより、2×1017〜約6×1017原子/cm-3の低酸素濃度のシリコン単結晶を製造する方法が開示されている。
ところで、近年、シリコンに中性子を照射すると核反応によりリンが生成され、この反応を利用してシリコンを半導体化する、いわゆる中性子ドーピング法が、高品位のシリコン半導体の製造技術として注目されている。
低酸素濃度シリコン単結晶は、このような中性子照射用シリコン単結晶として好適に用いられることから、大口径品が求められるようになってきた。
低酸素濃度シリコン単結晶は、このような中性子照射用シリコン単結晶として好適に用いられることから、大口径品が求められるようになってきた。
しかしながら、横型MCZ法では、磁場が結晶成長軸と軸対称でないため、大きな石英ルツボを用いた場合には、磁場を印加しても融液の対流が複雑になることから、単結晶径とルツボ直径との比やルツボの回転速度の制御のみの従来のような引上げ条件では、単結晶径200mm以上の低酸素濃度シリコン単結晶を、特に結晶成長の後半において、十分な品質で得ることは困難であった。
また、CZ法に使用するヒータは、SiOxで侵食され、熱分布が軸対称でなくなってくる。そのため、ルツボの回転を止めると、単結晶が曲がる等の変形を生じ、生産性が阻害される。
また、単結晶の回転速度を低下させれば、酸素量は減る傾向にあるが、シリコン単結晶全体としての酸素濃度の均一性が悪化する上に、直径等の単結晶インゴット自体の制御が困難になる。
また、単結晶の回転速度を低下させれば、酸素量は減る傾向にあるが、シリコン単結晶全体としての酸素濃度の均一性が悪化する上に、直径等の単結晶インゴット自体の制御が困難になる。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、横型MCZ法によって、大口径品であっても、直胴部全長にわたって低酸素濃度であるシリコン単結晶を簡便に製造することができる方法を提供することを目的とするものである。特に、シリコン単結晶の回転速度を極端に低下させることなく、全体が均一に低酸素濃度である単結晶とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る低酸素濃度シリコン単結晶の製造方法は、横磁場型チョクラルスキー法によるシリコン単結晶引上げにおいて、原料シリコン融液が充填される石英ルツボの内径Dを引き上げられるシリコン単結晶径dの2.5倍以上3倍以下とし、かつ、前記石英ルツボの回転速度CR[rpm]を0<CR≦0.5、前記石英ルツボと反対方向に回転しながら引き上げられるシリコン単結晶の回転速度SR[rpm]を5≦SR≦60h/(π・d)(ここで、h:原料シリコン融液の深さ)として前記シリコン単結晶引上げを行うことを特徴とする。
上記のように、原料シリコン融液の深さに応じて、シリコン単結晶の回転速度を規定することにより、大口径品であっても、全長にわたって酸素濃度が低いシリコン単結晶を得ることができる。
上記のように、原料シリコン融液の深さに応じて、シリコン単結晶の回転速度を規定することにより、大口径品であっても、全長にわたって酸素濃度が低いシリコン単結晶を得ることができる。
前記製造方法においては、h=d/2のとき、引き上げられたシリコン単結晶インゴットの直胴部長が0〜100mmにおける平均引上げ速度の1/2の±10%以内になるように、一様に単結晶引上げ速度を減速させるように制御することが好ましい。
上記のように、シリコン単結晶引上げ速度を制御することによって、シリコン単結晶中の酸素濃度の上昇抑止効果が得られるとともに、全体の酸素濃度が均一になり、単結晶の製造も容易となる。
上記のように、シリコン単結晶引上げ速度を制御することによって、シリコン単結晶中の酸素濃度の上昇抑止効果が得られるとともに、全体の酸素濃度が均一になり、単結晶の製造も容易となる。
また、前記シリコン単結晶直胴部の下端から100mmでの引上げ速度の減速度を、それ以前の直胴部の引上げ速度の減速度よりも大きくすることが好ましい。
このように引上げ速度を制御することにより、特に、テイル近傍においても酸素濃度を一定に制御することができる。
このように引上げ速度を制御することにより、特に、テイル近傍においても酸素濃度を一定に制御することができる。
上記製造方法によれば、直胴部全体の酸素濃度が5×1017/cm-3以下であるシリコン単結晶を好適に得ることができる。
このようなシリコン単結晶は、直径が200mm以上の中性子照射用として好適に用いることができる。
このようなシリコン単結晶は、直径が200mm以上の中性子照射用として好適に用いることができる。
上述したとおり、本発明に係る低酸素濃度シリコン単結晶の製造方法によれば、大口径品であっても、横型MCZ法によって、簡便に、全長にわたって酸素濃度が低いシリコン単結晶を得ることができる。
したがって、本発明に係る製造方法により得られた低酸素濃度シリコン単結晶は、中性子照射用シリコン単結晶として好適に用いることができ、ひいては、高品質シリコン半導体の量産に寄与することができる。
したがって、本発明に係る製造方法により得られた低酸素濃度シリコン単結晶は、中性子照射用シリコン単結晶として好適に用いることができ、ひいては、高品質シリコン半導体の量産に寄与することができる。
以下、本発明について、より詳細に説明する。
本発明に係る製造方法においては、横型MCZ法によるシリコン単結晶引上げにおいて、原料シリコン融液が充填される石英ルツボの内径Dとシリコン単結晶径dの関係、前記石英ルツボの回転速度CR、シリコン単結晶の回転速度SRについて条件を定めて、単結晶引上げを行う。
横型MCZ法は、従来から、低酸素濃度シリコン単結晶の製造に適用されている方法であるが、本発明によれば、従来の引上げ条件では、全長にわたって低酸素濃度とすることが困難であった200mm以上の大口径のシリコン単結晶も、簡便に製造することができる。
本発明に係る製造方法においては、横型MCZ法によるシリコン単結晶引上げにおいて、原料シリコン融液が充填される石英ルツボの内径Dとシリコン単結晶径dの関係、前記石英ルツボの回転速度CR、シリコン単結晶の回転速度SRについて条件を定めて、単結晶引上げを行う。
横型MCZ法は、従来から、低酸素濃度シリコン単結晶の製造に適用されている方法であるが、本発明によれば、従来の引上げ条件では、全長にわたって低酸素濃度とすることが困難であった200mm以上の大口径のシリコン単結晶も、簡便に製造することができる。
具体的には、横型MCZ法による単結晶引上げの条件として、原料シリコン融液が充填される石英ルツボの内径Dとシリコン単結晶径dとの関係が、2.5d≦D≦3dとなるようにし、かつ、前記石英ルツボの回転速度CR[rpm]を0<CR≦0.5、前記石英ルツボと反対方向に回転しながら引き上げられるシリコン単結晶の回転速度SR[rpm]を5≦SR≦60h/(π・d)(ここで、h:原料シリコン融液の深さ)となるように定める。
このように、相互に反対方向に回転する石英ルツボとシリコン単結晶について、これらの径、原料シリコン融液の深さに応じた回転速度を規定することにより、200mm以上の大口径品であっても、全長にわたって酸素濃度が低いシリコン単結晶を得ることができる。
このように、相互に反対方向に回転する石英ルツボとシリコン単結晶について、これらの径、原料シリコン融液の深さに応じた回転速度を規定することにより、200mm以上の大口径品であっても、全長にわたって酸素濃度が低いシリコン単結晶を得ることができる。
前記引上げ条件は、単結晶引上げ過程において、原料シリコン融液の深さが減少していく際の該融液の流れの変化に着目して定めたものである。
すなわち、前記融液の深さが減少して浅くなると、引き上げられるシリコン単結晶の回転による強制対流によって、ルツボの底から結晶成長界面方向への流れが増大し、単結晶引上げ過程の後半においては、酸素濃度が上昇する傾向にある。
すなわち、前記融液の深さが減少して浅くなると、引き上げられるシリコン単結晶の回転による強制対流によって、ルツボの底から結晶成長界面方向への流れが増大し、単結晶引上げ過程の後半においては、酸素濃度が上昇する傾向にある。
そこで、各種サイズのルツボを用いて、種々の結晶径のシリコン単結晶を育成し、単結晶の回転速度が単結晶中の酸素濃度に及ぼす影響を解析したところ、近似的に、SR[rpm]≦60h/(π・d)(ここで、SR:シリコン単結晶の回転速度、h:原料シリコン融液の深さ、d:シリコン単結晶径)の関係が維持されていれば、単結晶引上げ過程の後半まで、酸素濃度の上昇を抑制することが可能であることを見出した。
すなわち、引上げ速度が速いと、石英ルツボ底部から固液界面に向かってシリコン融液の上昇流が生じ、酸素を多く含むシリコン融液が結晶に取り込まれるが、上記関係を満たすように引上げ速度を制御することにより、融液の流れは、シリコン融液表層から固液界面に向かう流れに変わり、含有酸素の少ないシリコン融液が、シリコン単結晶に取り込まれるようにすることができる。
すなわち、引上げ速度が速いと、石英ルツボ底部から固液界面に向かってシリコン融液の上昇流が生じ、酸素を多く含むシリコン融液が結晶に取り込まれるが、上記関係を満たすように引上げ速度を制御することにより、融液の流れは、シリコン融液表層から固液界面に向かう流れに変わり、含有酸素の少ないシリコン融液が、シリコン単結晶に取り込まれるようにすることができる。
なお、シリコン単結晶の回転速度を低下させれば、酸素量は減る傾向にあるが、シリコン単結晶全体としての酸素濃度の均一性が得られなくなったり、結晶成長界面における温度の均一性が損なわれ、シリコン単結晶の直径等の単結晶インゴット自体の制御が困難になる。このため、操作性の改善等の観点から、シリコン単結晶の回転速度SRは5rpm以上であることが好ましい。
また、本発明に係るシリコン単結晶引上げにおいては、石英ルツボの回転を止めないため、MCZ法で使用するヒータが侵食される等により、熱分布が軸対称でなくなった場合であっても、単結晶が曲がる等の事態は生じない。
ただし、石英ルツボの回転速度が大きくなると、シリコン融液中に酸素が溶出しやすくなるため、石英ルツボの回転速度CRは0.5rpm以下であることが好ましい。
より好ましくは、0.1≦CR≦0.4rpmである。
ただし、石英ルツボの回転速度が大きくなると、シリコン融液中に酸素が溶出しやすくなるため、石英ルツボの回転速度CRは0.5rpm以下であることが好ましい。
より好ましくは、0.1≦CR≦0.4rpmである。
図1に、本発明に係る製造方法におけるシリコン単結晶回転速度の好ましい制御パターンの一例をグラフにして示す。図1のグラフにおいて、○は、石英ルツボ内径20インチ、シリコン単結晶径8インチの場合であり、□は、石英ルツボ内径16インチ、シリコン単結晶径6インチの場合である。
図1のグラフの横軸に示す固化率とは、石英ルツボ内に充填した原料シリコン融液重量に対する、結晶化(固化)した原料シリコン融液重量の比を示したものである。育成する単結晶径によって、原料シリコン融液の充填量が異なるため、ここでは、原料シリコン融液の深さの代わりに、固化率で示すが、この固化率は、原料シリコン融液の深さに対応しており、固化率が大きくなると、前記融液の深さは浅くなる。
なお、前記シリコン単結晶の回転速度SRは、単結晶引上げ初期の原料シリコン融液の深さが比較的深い場合には、温度の不均一性を抑制する観点から、速い方が好ましいため、図1に示すように、単結晶引上げ過程の後半において、速度を小さくすることが好ましい。
図1のグラフの横軸に示す固化率とは、石英ルツボ内に充填した原料シリコン融液重量に対する、結晶化(固化)した原料シリコン融液重量の比を示したものである。育成する単結晶径によって、原料シリコン融液の充填量が異なるため、ここでは、原料シリコン融液の深さの代わりに、固化率で示すが、この固化率は、原料シリコン融液の深さに対応しており、固化率が大きくなると、前記融液の深さは浅くなる。
なお、前記シリコン単結晶の回転速度SRは、単結晶引上げ初期の原料シリコン融液の深さが比較的深い場合には、温度の不均一性を抑制する観点から、速い方が好ましいため、図1に示すように、単結晶引上げ過程の後半において、速度を小さくすることが好ましい。
すなわち、原料シリコン融液の深さに対して、単結晶回転速度SR[rpm]を定め、5≦SR≦60h/(π・d)とすることにより、シリコン単結晶を、断面が真円状で、かつ、酸素濃度の上昇を抑制して引き上げることができる。
さらに、上記のような引上げ条件においても、育成するシリコン単結晶径が大きい場合には、特に、単結晶引上げ工程の後半における酸素濃度の上昇抑制のためには、単結晶引上げ速度も定めることが好ましい。
具体的には、h=d/2のとき、引き上げられたシリコン単結晶インゴットの直胴部長が0〜100mmにおける平均引上げ速度の1/2の±10%以内になるように、一様に単結晶引上げ速度を減速させるように制御することが好ましい。
なお、0〜100mmにおける平均引上げ速度とは、直胴部上端と直胴部上端から100mmの位置における引上げ速度の平均値とみなしてよい。
具体的には、h=d/2のとき、引き上げられたシリコン単結晶インゴットの直胴部長が0〜100mmにおける平均引上げ速度の1/2の±10%以内になるように、一様に単結晶引上げ速度を減速させるように制御することが好ましい。
なお、0〜100mmにおける平均引上げ速度とは、直胴部上端と直胴部上端から100mmの位置における引上げ速度の平均値とみなしてよい。
さらに、シリコン単結晶直胴部の下端から100mmにおいて、前記引上げ速度の減速度を、それ以前の直胴部の引上げ速度の減速度よりも大きくすることが好ましい。
このような引上げ速度の制御により、特に、テイル近傍においても酸素濃度を一定に制御することができる。
このような引上げ速度の制御により、特に、テイル近傍においても酸素濃度を一定に制御することができる。
図2に、シリコン単結晶引上げ速度の変化の好ましい制御パターンの一例をグラフにして示す。図2のグラフにおいて、○は、石英ルツボ内径Dがシリコン単結晶径dの3倍、すなわち、D=3dの場合であり、□は、石英ルツボ内径Dがシリコン単結晶径dの2.5倍、すなわち、D=2.5dの場合である。
図2のグラフの横軸に示す固化率は、図1の場合と同様である。また、図2のグラフの縦軸に示す引上速度比とは、単結晶の直胴部の引上げ速度の初速度を1としたときの各固化率での速度の比を表している。
図2に示すように、シリコン単結晶引上げ速度を制御することにより、結晶成長界面が上に凸状にならずに、フラットな状態に近づけることができ、ルツボの底から結晶成長界面方向への原料シリコン融液の流れが抑制され、より一層のシリコン単結晶中の酸素濃度の上昇抑止効果が得られる。
図2のグラフの横軸に示す固化率は、図1の場合と同様である。また、図2のグラフの縦軸に示す引上速度比とは、単結晶の直胴部の引上げ速度の初速度を1としたときの各固化率での速度の比を表している。
図2に示すように、シリコン単結晶引上げ速度を制御することにより、結晶成長界面が上に凸状にならずに、フラットな状態に近づけることができ、ルツボの底から結晶成長界面方向への原料シリコン融液の流れが抑制され、より一層のシリコン単結晶中の酸素濃度の上昇抑止効果が得られる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例により制限されるものではない。
[実施例]
直径22インチの石英ルツボに150kgのポリシリコンをチャージし、石英ルツボの回転速度CRを0.1rpmとし、3000ガウスの横磁場をかけながら、直径dが200mmのシリコン単結晶を引き上げた。初期のシリコン単結晶の回転速度SRを12rpmに設定した。また、単結晶直胴部上端を引き上げるときのシリコン融液の深さは337mmであった。
SRは、単結晶直胴部の上端から1200mmまでは12rpmとし、その後、徐々に減少させ、シリコン融液の深さが76mmになった単結晶直胴部の上端から1640mmでは、6.9rpmとし、直胴部下端近傍で、さらに減少させた。
[実施例]
直径22インチの石英ルツボに150kgのポリシリコンをチャージし、石英ルツボの回転速度CRを0.1rpmとし、3000ガウスの横磁場をかけながら、直径dが200mmのシリコン単結晶を引き上げた。初期のシリコン単結晶の回転速度SRを12rpmに設定した。また、単結晶直胴部上端を引き上げるときのシリコン融液の深さは337mmであった。
SRは、単結晶直胴部の上端から1200mmまでは12rpmとし、その後、徐々に減少させ、シリコン融液の深さが76mmになった単結晶直胴部の上端から1640mmでは、6.9rpmとし、直胴部下端近傍で、さらに減少させた。
また、図3に、単結晶直胴部長と引上げ速度の関係をグラフにして示す。
引上げ速度は、単結晶直胴部上端では1.3mm/min、単結晶直胴部上端から100mmの位置では1.25mm/minとした。したがって、直胴部長が0〜100mmにおける平均引上げ速度が1.38mm/minであるため、シリコン融液の深さhがd/2=約105mmになると予想される位置、すなわち、単結晶直胴部の上端から1520mm付近での引上げ速度を約0.69mm/minになるように一様に減速させ、それ以降の直胴部下端から100mmでは、一段と減速させるように制御した。
引上げ速度は、単結晶直胴部上端では1.3mm/min、単結晶直胴部上端から100mmの位置では1.25mm/minとした。したがって、直胴部長が0〜100mmにおける平均引上げ速度が1.38mm/minであるため、シリコン融液の深さhがd/2=約105mmになると予想される位置、すなわち、単結晶直胴部の上端から1520mm付近での引上げ速度を約0.69mm/minになるように一様に減速させ、それ以降の直胴部下端から100mmでは、一段と減速させるように制御した。
上記において引き上げたシリコン単結晶の直胴部長とその位置における単結晶中の酸素濃度の関係のグラフを図5に示す。
図4のグラフに示したように、シリコン単結晶中の酸素濃度は、直胴部下端近傍でわずかに上昇したが、直胴部全体で5×1017/cm-3以下であった。
図4のグラフに示したように、シリコン単結晶中の酸素濃度は、直胴部下端近傍でわずかに上昇したが、直胴部全体で5×1017/cm-3以下であった。
[比較例]
従来法として、単結晶の回転速度SRを一定とし、かつ、引上げ速度の減速度をほぼ一定とし、それ以外は、上記実施例と同じ条件でシリコン単結晶引上げを行なった。
このときの単結晶直胴部長と引上げ速度の関係をグラフとして、上記実施例と併せて、図3に示す。
また、上記において引き上げたシリコン単結晶の直胴部長とその位置における単結晶中の酸素濃度の関係のグラフを、上記実施例と併せて、図4に示す。
図4のグラフに示したように、シリコン単結晶中の酸素濃度は、直胴部下端近傍で急激に上昇し、5×1017/cm-3を超えた。
従来法として、単結晶の回転速度SRを一定とし、かつ、引上げ速度の減速度をほぼ一定とし、それ以外は、上記実施例と同じ条件でシリコン単結晶引上げを行なった。
このときの単結晶直胴部長と引上げ速度の関係をグラフとして、上記実施例と併せて、図3に示す。
また、上記において引き上げたシリコン単結晶の直胴部長とその位置における単結晶中の酸素濃度の関係のグラフを、上記実施例と併せて、図4に示す。
図4のグラフに示したように、シリコン単結晶中の酸素濃度は、直胴部下端近傍で急激に上昇し、5×1017/cm-3を超えた。
以上から、シリコン単結晶引上げ過程の後半において、単結晶回転速度を、原料シリコン融液の深さに対応して、本発明の条件を満たすように制御し、さらに、シリコン単結晶引上げ速度の減速度も本発明にしたがって制御することにより、200mm以上の大口径品であっても、単結晶回転速度を極端に低下させることなく、全長にわたって低酸素濃度であるシリコン単結晶を簡便に得ることができることが認められた。
1 種結晶
2 ネック部
3 クラウン部
4 シリコン単結晶
5 原料シリコン融液
6 石英ルツボ
7 ヒータ
8 保温体
9 チャンバ
2 ネック部
3 クラウン部
4 シリコン単結晶
5 原料シリコン融液
6 石英ルツボ
7 ヒータ
8 保温体
9 チャンバ
Claims (5)
- 横磁場型チョクラルスキー法によるシリコン単結晶引上げにおいて、原料シリコン融液が充填される石英ルツボの内径Dを引き上げられる前記シリコン単結晶径dの2.5倍以上3倍以下とし、かつ、前記石英ルツボの回転速度CR[rpm]を0<CR≦0.5、前記石英ルツボと反対方向に回転しながら引き上げられる前記シリコン単結晶の回転速度SR[rpm]を5≦SR≦60h/(π・d)(ここで、h:原料シリコン融液の深さ)として前記シリコン単結晶引上げを行うことを特徴とする低酸素濃度シリコン単結晶の製造方法。
- 前記シリコン単結晶引上げにおいて、h=d/2のとき、引き上げられた前記シリコン単結晶インゴットの直胴部長が0〜100mmにおける平均引上げ速度の1/2の±10%以内になるように、一様に単結晶引上げ速度を減速させるように制御することを特徴とする請求項1記載の低酸素濃度シリコン単結晶の製造方法。
- 前記シリコン単結晶引上げにおいて、前記シリコン単結晶直胴部の下端から100mmでの引上げ速度の減速度を、それ以前の直胴部の引上げ速度の減速度よりも大きくすることを特徴とする請求項1または2記載の低酸素濃度シリコン単結晶の製造方法。
- 請求項1記載の製造方法により得られたシリコン単結晶であって、直胴部全体の酸素濃度が5×1017/cm-3以下であることを特徴とする低酸素濃度シリコン単結晶。
- 直径が200mm以上であり、中性子照射用であることを特徴とする請求項4記載の低酸素濃度シリコン単結晶。
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