JP6437879B2 - 建設車両用ラジアルタイヤ - Google Patents

建設車両用ラジアルタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP6437879B2
JP6437879B2 JP2015098747A JP2015098747A JP6437879B2 JP 6437879 B2 JP6437879 B2 JP 6437879B2 JP 2015098747 A JP2015098747 A JP 2015098747A JP 2015098747 A JP2015098747 A JP 2015098747A JP 6437879 B2 JP6437879 B2 JP 6437879B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
tread
radial
width direction
construction vehicles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015098747A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016215659A (ja
Inventor
亮平 堀越
亮平 堀越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2015098747A priority Critical patent/JP6437879B2/ja
Publication of JP2016215659A publication Critical patent/JP2016215659A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6437879B2 publication Critical patent/JP6437879B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Description

本発明は、建設車両用ラジアルタイヤに関する。
従来、鉱山や建築現場などで使用される大型の車両に装着される建設車両用ラジアルタイヤは、重負荷状態、劣悪路面、及び過酷なトラクション条件の下で使用される。
このため、建設車両用ラジアルタイヤに発生する故障を抑制するための様々な対策が進められている。
例えば、特許文献1には、建設車両用ラジアルタイヤに発生する故障の一つとして、ベルト層のトレッド幅方向の端部に発生するセパレーションを抑制するため、ベルト補強層を追加する構成が開示されている。
特開平9−193607号公報
ところで、建設車両用ラジアルタイヤに発生する故障の一つに、タイヤ内面に設けられるインナーライナーのショルダー部に発生する亀裂(以下、インナーライナー割れ)がある。
このインナーライナー割れは、次のようにして発生する。具体的に、タイヤのトレッド部の外表面が路面に接地する際、トレッド部の外表面が路面に沿って変形する。このとき、インナーライナーもトレッド部の外表面の変形と同じように路面に沿って変形するため、インナーライナーにタイヤ周方向に歪む周方向歪が発生し、この周方向歪によって、インナーライナー割れが発生する。
また、インナーライナーの周方向歪は、トレッド部の外表面のタイヤ径方向の半径と、インナーライナーのタイヤ径方向の半径との差(以下、半径差として示す)が大きいほど、増加する傾向にある。これは、インナーライナーもトレッド部の外表面の変形と同じように路面に略平行に変形することから、上述の半径差が大きいと、インナーライナーのタイヤ周方向への変形量が増加するためである。
従って、乗用車用タイヤやトラックバス用タイヤに比べてトレッド部のゲージ厚の大きい建設車両用ラジアルタイヤでは、上述の半径差が大きくなるため、インナーライナーのショルダー部に大きな周方向歪が生じ、この結果、インナーライナー割れが発生しやすいという問題がある。
特許文献1に開示される技術では、建設車両用ラジアルタイヤのベルト層に発生する故障を抑制することができるものの、上述のようなインナーライナー割れを十分に抑制することができない。このため、インナーライナー割れを抑制することにより、耐久性を向上させるための対策が望まれていた。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、インナーライナー割れを抑制することにより、耐久性を向上させることが可能な建設車両用ラジアルタイヤを提供することを目的とする。
本発明の特徴は、トレッド部から一対のサイドウォール部を介して一対のビード部にわたってトロイド状に延びるカーカス層と、前記カーカス層の内周側に配置されるインナーライナーと、を備え、前記トレッド部の外表面のトレッド幅方向外側端であるトレッド端を通り、前記カーカス層に直交する端法線を規定した場合、前記端法線に沿った前記トレッド端と前記カーカス層間の長さが100mm以上となる建設車両用ラジアルタイヤであって、正規リムに組み付け、正規内圧を付加し、かつ、無負荷状態とした基準状態において、前記トレッド部のトレッド幅方向に沿った断面における前記外表面の幅方向曲率半径Rwと、前記トレッド端のタイヤ周方向に沿った断面における前記外表面の周方向曲率半径Rcとが、Rw/Rc≦1.1の関係を満たすことを要旨とする。
本発明の他の特徴は、上記特徴に係り、前記幅方向曲率半径Rwと前記周方向曲率半径Rcとが、0.8≦Rw/Rcの関係を満たすことを要旨とする。
本発明の他の特徴は、上記特徴に係り、前記トレッド部には、前記トレッド端からトレッド幅方向内側に向かって延びるラグ溝が形成されており、前記トレッド端において、前記ラグ溝のタイヤ径方向における深さは、100mm以上であることを要旨とする。
本発明の他の特徴は、上記特徴に係り、前記カーカス層と前記インナーライナーとの間に、補強用インナーパッドが設けられており、前記トレッド部の外表面においてタイヤ赤道面からトレッド幅方向外側へトレッド幅の3/8倍だけ離れた位置を通り、前記カーカス層に直交する3/8法線を規定した場合、前記補強用インナーパッドは、少なくとも前記3/8法線と前記端法線との間にわたって配置されることを要旨とする。
本発明に係る建設車両用ラジアルタイヤによれば、インナーライナー割れを抑制することにより、耐久性を向上させることが可能な建設車両用ラジアルタイヤを提供することができる。
図1は、第1実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤのトレッド幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。 図2は、第1実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤの断面斜視図である。 図3は、第1実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤのトレッド幅方向及びタイヤ径方向における一部拡大断面図である。 図4は、建設車両用ラジアルタイヤが路面に接地する際の変形を説明するための説明図である。 図5は、第1実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤのタイヤ接地面の形状を説明するための平面図である。 図6は、第1実施形態の変形例に係る建設車両用ラジアルタイヤのトレッド幅方向及びタイヤ径方向における一部断面図である。 図7は、比較評価の結果を示すグラフ図である。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤについて、図面を参照しながら説明する。
(1)建設車両用ラジアルタイヤ1の概要
図1は、第1実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤ1のトレッド幅方向Tw及びタイヤ径方向Tdに沿った断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤ1は、路面に接地するトレッド部10と、トレッド部10に連なり、トレッド部10よりもタイヤ径方向Td内側に位置するサイドウォール部20と、サイドウォール部20に連なり、サイドウォール部20よりもタイヤ径方向Td内側に位置するビード部30とを有する。
また、建設車両用ラジアルタイヤ1は、トレッド部10から一対のサイドウォール部20を介して一対のビード部30にわたってトロイド状に延びるカーカス層50と、カーカス層50のタイヤ径方向Td内側に配置されるインナーライナー60と、を備える。
また、建設車両用ラジアルタイヤ1は、トレッド部10の外表面11のトレッド幅方向Tw外側端であるトレッド端TEを通り、カーカス層50に直交する端法線L1を規定した場合、端法線L1に沿ったトレッド端TEとカーカス層50間の長さが100mm以上となる。具体的に、図1に示すように、トレッド幅方向Tw及びタイヤ径方向Td断面において、トレッド端TE上の位置Peを通り、カーカス層50の外表面上の位置Peiに直交する端法線L1を規定した場合、端法線L1に沿ったトレッド端TE上の位置Peとカーカス層50の外表面上の位置Peiとの距離は、100mm以上である。
ここで、本実施形態において、トレッド端TEとは、建設車両用ラジアルタイヤ1を正規リムに組み付け、正規内圧を付加し、かつ、無負荷状態とした基準状態において、トレッド部10の外表面11のトレッド幅方向Tw外側の端部であり、トレッド部10の外表面11とサイドウォール部20の外表面21との境界に位置する。
なお、「正規リム」とは、タイヤのサイズに応じて下記の規格に規定された標準リムをいい、「正規内圧」とは、下記の規格に記載されている、適用サイズにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧をいう。そして規格とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格であって、たとえば、日本では「日本自動車タイヤ協会」の“JATMA YEAR BOOK”であり、アメリカ合衆国では“THE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC.”の“YEAR BOOK”であり、欧州では、“The European Tyre and Rim Technical Organisation”の“STANDARD MANUAL”である。
また、本実施形態では、トレッド部10は、ショルダー部10Sを有する。トレッド部10のショルダー部10Sは、トレッド部10の外表面11においてタイヤ赤道面CLからトレッド幅方向Tw外側へトレッド幅Wの3/8倍だけ離れた位置Psを基準として、当該位置Psよりもトレッド幅方向Tw外側の部位を示す。なお、トレッド幅Wとは、トレッド部10の両側に位置するトレッド端TE,TE間のトレッド幅方向Twにおける長さである。
カーカス層50は、建設車両用ラジアルタイヤ1の骨格を形成し、建設車両用ラジアルタイヤ1のラジアル方向に沿って配置された複数のカーカスコード(不図示)を有する。
カーカス層50は、一対のビード部30の内部に埋設されるビードコア40に係止されるカーカス本体部51と、カーカス本体部51から延び、ビードコア40周りに折り返されるカーカス折り返し部52とを有する。
インナーライナー60は、カーカス層50の内周側に配置される。なお、内周側は、トレッド部10では、タイヤ径方向Td内側であり、サイドウォール部20及びビード部30では、トレッド幅方向Tw内側である。内周側は、カーカス層50の厚み方向の内側と言い換えてもよい。
インナーライナー60は、ゴム部材によって構成され、タイヤ内面のガスバリア層として機能する。インナーライナー60のタイヤ径方向Td内側の端部は、ビードコア40よりもタイヤ径方向Td外側で終端してもよいし、ビードトゥまで延びていてもよい。
また、本実施形態では、インナーライナー60は、ショルダー部60Sを有する。インナーライナー60のショルダー部60Sは、タイヤ赤道面CLからトレッド幅方向Tw外側へトレッド幅Wの3/8倍だけ離れた位置Psを通り、カーカス層50に直交する3/8法線L2と、端法線L1との間の部位を示す。なお、3/8法線L2は、カーカス層50の外表面上の位置Psiにおいて、カーカス層50と直交する。
ベルト層70は、カーカス層50のタイヤ径方向Td外側に設けられる。ベルト層70は、複数のベルト71によって構成される交錯ベルトであり、各ベルト71は、複数のベルトコード(不図示)を有する。図1の例では、ベルト層70は、6枚のベルト71によって構成されている。
例えば、ベルト層70では、タイヤ径方向内側から1、2層目のベルト71のベルトコードは、タイヤ周方向に対し、0°〜10°の角度で傾斜して延びており、タイヤ径方向内側から3、4層目のベルト71のベルトコードは、タイヤ周方向に対し、10°〜20°の角度で傾斜して延びており、タイヤ径方向内側から5、6層目のベルト71のベルトコードは、タイヤ周方向に対し、20°〜30°の角度で傾斜して延びている。なお、ベルト71の枚数及びベルトコードの延びる方向は、これに限定されるものではない。
(2)トレッド部の外表面の曲率半径
次に、図1〜2を参照して、本実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤ1のトレッド部10の外表面11の曲率半径について具体的に説明する。図2は、本実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤ1の断面斜視図である。
図1〜2に示すように、本実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤ1は、正規リムに組み付け、正規内圧を付加し、かつ、無負荷状態とした基準状態において、トレッド部10のトレッド幅方向Twに沿った断面における外表面11の幅方向曲率半径Rwと、トレッド端TEのタイヤ周方向Tcに沿った断面における外表面11の周方向曲率半径Rcとが、Rw/Rc≦1.1の関係を満たす。
ここで、本実施形態において、幅方向曲率半径Rwは、次のように規定される。図2に示すように、トレッド部10のトレッド幅方向Tw及びタイヤ径方向Td断面において、両側のトレッド端TE、TE上の位置Pe,Peと、トレッド部10の外表面11のタイヤ赤道面CL上の位置Pcとを通過する円弧曲線Awを規定する。そして、規定した円弧曲線Awの曲率半径が、幅方向曲率半径Rwを示す。
一方、本実施形態において、周方向曲率半径Rcは、次のように規定される。図2に示すように、トレッド部10のタイヤ周方向Tc及びタイヤ径方向Tdに沿った断面において、タイヤ回転軸を中心としたトレッド端TEに沿った円弧曲線Acを規定する。そして、規定した円弧曲線Acの曲率半径が、周方向曲率半径Rcを示す。
なお、例えば、建設車両用ラジアルタイヤ1が接地している場合、幅方向曲率半径Rwと周方向曲率半径Rcとは、トレッド部10の接地面外の領域を対象に規定される。つまり、幅方向曲率半径Rwと周方向曲率半径Rcとは、トレッド部10の接地面外における曲率半径である。一方で、建設車両用ラジアルタイヤ1が接地していない場合、トレッド部10の何れの位置を対象に規定してもよい。
また、トレッド部10に溝(例えば、ラグ溝15)などの凹部が設けられている場合には、凹部の両壁を構成する陸部の外表面11に沿った仮想曲線を規定することによって、凹部が無い場合の外表面11の形状を規定する。そして、凹部が無い場合の外表面11の形状に基づいて、円弧曲線Aw及び円弧曲線Acを規定することによって、幅方向曲率半径Rw及び周方向曲率半径Rcを規定する。
また、本実施形態では、幅方向曲率半径Rwと周方向曲率半径Rcとが、0.8≦Rw/Rcの関係を満たす。すなわち、幅方向曲率半径Rwと周方向曲率半径Rcとが、0.8≦Rw/Rc≦1.1の関係を満たす。
また、上述のように幅方向曲率半径Rwと周方向曲率半径Rcとを構成するための手段としては、次を適用できる。
例えば、トレッド部10のショルダー部10Sの内部、かつ、カーカス層50のタイヤ径方向Td外側に補強層を追加することによって、幅方向曲率半径Rwと周方向曲率半径Rcとが、上述の関係を満たすように構成してもよい。
或いは、トレッド部10を構成するゴムの硬度を調整してもよい。具体的に、トレッド部10のショルダー部10Sを構成するゴムの硬度を、トレッド部10のショルダー部10Sよりもトレッド幅方向Tw内側のセンター部を構成するゴムの硬度よりも大きくすることによって、幅方向曲率半径Rwと周方向曲率半径Rcとが、上述の関係を満たすように構成してもよい。
(3)トレッド部に形成されるラグ溝の構成
次に、ラグ溝15の構成について説明する。図3には、本実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤ1のトレッド幅方向Tw及びタイヤ径方向Tdにおける一部拡大断面図が示されている。本実施形態に係るトレッド部10には、トレッド端TEからトレッド幅方向Tw内側に向かって延びるラグ溝15が形成されている。
図3に示すように、本実施形態では、トレッド端TEにおいて、ラグ溝15のタイヤ径方向Tdにおける深さDpは、100mm以上である。なお、ラグ溝15の深さとは、外表面11からラグ溝15の底面15aまでのタイヤ径方向Tdに沿った長さである。また、ラグ溝15の深さDpは、150mm以下である。
ここで、ラグ溝15の深さDpは、ラグ溝15内において、トレッドウェアインジケータ(不図示)が設けられる位置の深さである。つまり、ラグ溝15の深さDpは、外表面11から、トレッドウェアインジケータ近傍の溝底までのタイヤ径方向Tdに沿った長さである。
なお、本実施形態では、トレッド幅方向Twに延びるラグ溝15が形成されている場合を例に挙げて説明するが、トレッド部10には、タイヤ周方向Tcに延びるリブ溝(周方向溝)が形成されていてもよい。
(4)作用・効果
本実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤ1では、正規リムに組み付け、正規内圧を付加し、かつ、無負荷状態とした基準状態において、周方向曲率半径Rcと幅方向曲率半径Rwとが、Rw/Rc≦1.1の関係を満たす。
ここで、図4には、建設車両用ラジアルタイヤが路面に接地する際の概念図が示されている。なお、図4には、基準状態のトレッド部10の外表面11及びインナーライナー60が点線によって示されており、正規加重を与えて接地させた場合のトレッド部10の外表面11及びインナーライナー60が実線によって示されている。また、「正規荷重」とは、上述の規格の適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)をいうものとする。また、図5には、従来技術に係る建設車両用ラジアルタイヤに正規荷重を与えた場合のタイヤ接地面の形状100Aと、本実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤ1に正規荷重を与えた場合のタイヤ接地面の形状100Bが示されている。
図4に示すように、タイヤ接地時において、インナーライナー60は、路面に沿って変形するため、インナーライナー60に周方向歪が発生する。特に、ゲージ厚の大きい建設車両用ラジアルタイヤでは、トレッド部10の外表面11とインナーライナー60との半径差が大きいため、周方向歪が大きくなる。また、インナーライナー60のショルダー部60Sは、半径差が増加する部位であるため、インナーライナー60の中でも、タイヤ接地時における周方向歪がより大きく発生する。
本実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤ1では、周方向曲率半径Rcとトレッド幅方向Twにおける幅方向曲率半径Rwとが、Rw/Rc≦1.1の関係を満たすため、図5に示すように、タイヤ接地面の形状を調整できる。具体的に、本実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤ1のタイヤ接地面の形状100Bは、従来技術に係る建設車両用ラジアルタイヤの接地面の形状100Aと比べた場合、トレッド幅方向Twのタイヤ赤道面CL上の接地長Lcを維持しつつ、トレッド幅方向Tw外側のショルダー部10Sにおける接地長Lsを短くできる。
これにより、タイヤ接地時において、インナーライナー60のショルダー部60Sが、路面に沿って変形することによる周方向歪の区間を低減できる。すなわち、インナーライナー60のショルダー部60Sに発生する周方向歪を抑制できるため、インナーライナー割れの発生を抑制して、耐久性を向上できる。また、インナーライナー60のショルダー部60Sは、インナーライナー割れの起点となることから、これを抑制することによって、インナーライナー割れを初期段階から抑制できる。
また、幅方向曲率半径Rwと周方向曲率半径Rcとが、Rw/Rc≦1.1の関係を満たすことがより好ましい。これにより、インナーライナー60のショルダー部において、周方向歪をより確実に抑制できるため、インナーライナー割れの発生を一層抑制して、耐久性を向上できる。
また、本実施形態では、周方向曲率半径Rcと幅方向曲率半径Rwとが、0.8≦Rw/Rcの関係を満たす。このため、トレッド部10のタイヤ赤道面CL上(センター部)の接地長Lcが、トレッド部10のショルダー部10Sにおける接地長Lsに対して、長くなり過ぎることを防止できる。これにより、タイヤ赤道面CL上における接地長Lcが長すぎることに起因する偏摩耗の発生を抑制できる。また、ショルダー部10Sにおける接地長Lsが短くなり過ぎることに起因する接地面積の低下によって、グリップ力が低下し過ぎることも防止できる。
また、本実施形態では、トレッド端TEにおけるラグ溝15の深さDpが、100mm以上である。ここで、トレッド端TEにおけるラグ溝15の深さDpが100mm以上である場合、タイヤ接地時において、ラグ溝15の両側に形成される陸部によって、インナーライナー60をタイヤ径方向Tdに押し上げる力が増大する。このため、インナーライナー60がタイヤ径方向Td内側に突状となる突状部60X(図5参照)が発生するほど、周方向歪みが大きくなる場合もある。
このような構成の建設車両用ラジアルタイヤ1において、幅方向曲率半径Rwと周方向曲率半径Rcとが、Rw/Rc≦1.1の関係を満たすことで、インナーライナー60のショルダー部60Sにおける周方向歪をより効果的に抑制できる。すなわち、本実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤ1は、トレッド端TEにおけるラグ溝15の深さが100mm以上である場合、インナーライナー割れを抑制する効果をより発揮できる。
(5)変形例
次に、第1実施形態の変形例に係る建設車両用ラジアルタイヤ1について図面を参照して説明する。図6は、本実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤ1のトレッド幅方向Tw及びタイヤ径方向Tdにおける一部断面図である。なお、本実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤ1は、タイヤ赤道面CLを境に対称の構成であるため、図6では、タイヤ赤道面CLを基準として一方側のみを示し、他方側を省略している。
図6に示すように、本実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤ1は、カーカス層50とインナーライナー60との間に、補強用インナーパッド300が設けられている。補強用インナーパッド300は、カーカス層50のトレッド幅方向Tw内側に沿って配置される。なお、本実施形態では、トレッド幅方向Tw及びタイヤ径方向Tdに沿った補強用インナーパッド300の断面形状が、三日月形状であるが、これに限定されるものではない。
また、本実施形態では、トレッド幅方向Tw及びタイヤ径方向Tdに沿った断面において、補強用インナーパッド300の最大厚さは、トレッド幅Wの0.5〜2.0%である。これは、0.5%未満では、このようなインナーパッドを設けた効果が得られず、また、2.0%を超えると、剛性が高くなり過ぎ、トレッド部10への負荷負担率が増大し、そのためトレッド部10における故障発生につながるおそれがあるからである。
また、本実施形態に係る補強用インナーパッド300は、少なくとも3/8法線L2と端法線L1とにわたって配置されている。
具体的に、補強用インナーパッド300のトレッド幅方向Tw内側の一方の端部301は、3/8法線L2よりもトレッド幅方向Tw内側に位置する。補強用インナーパッド300のトレッド幅方向Tw外側の他方の端部302は、端法線L1よりもトレッド幅方向Tw外側に位置する。なお、補強用インナーパッド300の他方の端部302は、カーカス層50のトレッド最大幅位置Pmよりもタイヤ径方向Td内側に位置してもよい。
上述のように、建設車両用ラジアルタイヤ1に補強用インナーパッド300が設けられる場合、トレッド部10の外表面11とインナーライナー60とのタイヤ径方向Tdにおける厚みが増すため、インナーライナー60のタイヤ周方向Tcにおける半径が小さくなる。このように、インナーライナー60の半径が小さくなると、タイヤ接地時において、インナーライナー60の周方向歪が増加するため、インナーライナー割れがより発生しやすくなる。
特に、補強用インナーパッド300が、3/8法線L2と端法線L1との間にわたって設けられる場合、インナーライナー60のショルダー部60Sの半径が小さくなるため、インナーライナー60のショルダー部60Sにおけるインナーライナー割れが一層発生しやすくなるおそれがある。
本実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤ1によれば、補強用インナーパッド300が、3/8法線L2と端法線L1との間にわたって設けられる場合であっても、幅方向曲率半径Rwと周方向曲率半径Rcとが、Rw/Rc≦1.1の関係を満たすことで、インナーライナー60のショルダー部60Sにおける周方向歪をより効果的に抑制できる。すなわち、本実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤ1は、上述の補強用インナーパッド300が設けられている場合、インナーライナー割れを抑制する効果をより発揮できる。
[比較評価]
次に、本発明の効果を更に明確にするために、以下の従来例及び実施例に係る空気入りタイヤを用いて行った比較評価について説明する。具体的には、(1)評価方法、(2)評価結果について説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(1)評価方法
複数種類の建設車両用ラジアルタイヤを用いて試験を行い、タイヤ周方向Tcに発生する周方向歪について評価をした。まず、従来例に係る建設車両用ラジアルタイヤを有限要素法によりモデル化したもの(以下、従来例として示す)と、実施例1乃至6に係る建設車両用ラジアルタイヤを有限要素法によりモデル化したもの(以下、実施例1乃至6として示す)とを準備した。
そして、従来例と実施例1乃至6とを、正規リム(29.00J/6.0)に組み付けて、正規内圧を付与し、無負荷状態とした基準状態にした。
ここで、従来例は、基準状態において、幅方向曲率半径Rwと周方向曲率半径Rcとが、Rw/Rc=1.3の関係を満たすものを用いた。
一方、実施例1乃至6は、基準状態において、第1実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤのように、幅方向曲率半径Rwと周方向曲率半径Rcとが、Rw/Rc<1.3の関係を満たすものを用いた。なお、実施例1乃至6のそれぞれのRw/Rcの比については、下記表1に示す。
また、従来例及び実施例1乃至6のそれぞれには、タイヤサイズが23.5R25(ORRタイヤ)であるものを用いた。なお、従来例及び実施例1乃至6は、上述した構成を除き他の構成は同様である。
そして、従来例及び実施例1乃至6に正規荷重を与えた状態をシミュレートし、それぞれのタイヤ周方向Tcに発生する周方向歪を測定した。具体的には、端法線L1とインナーライナーとの交点に発生する周方向歪みを測定した。
(2)評価結果
従来例及び実施例1乃至6の評価結果について、図7及び表1を参照しながら説明する。なお、図7及び表1に示されるデータは、何れも同様のデータを示している。
また、図7及び表1では、周方向歪みが、従来例の結果を基準(100)とした指数値によって示されており、当該指数値が小さいほど、周方向歪が小さいことを示している。また、図7では、従来例の結果がD0で示され、実施例1乃至6の結果が、それぞれD1乃至D6で示されている。
Figure 0006437879
図7及び表1に示すように、従来例及び実施例1乃至6のそれぞれを比較すると、実施例1乃至6は、従来例に係る建設車両用ラジアルタイヤに比べて、周方向歪が抑制されていることがわかる。
以上のように、本実施形態に係る建設車両用ラジアルタイヤによれば、周方向歪を抑制することで、インナーライナー割れを抑制して、耐久性を向上できることが証明された。
[その他の実施形態]
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、トレッド端TEは、トレッド部10の外表面11のトレッド幅方向Tw外側の端部としたが、これに限定されない。例えば、トレッド部10の外表面11とサイドウォール部20の外表面21との境界が、角部でなく、傾斜面(テーパー面)を形成することによって面取りした形状である場合、トレッド端TEは、傾斜面のトレッド幅方向Tw内側の端部としてもよい。また、例えば、トレッド端TEは、トレッド幅方向Tw及びタイヤ径方向Tdに沿った断面において、トレッド部10の外表面11に沿った接線と、サイドウォール部20の外表面21に沿った接線とが交差する点としてもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1…建設車両用ラジアルタイヤ
10…トレッド部
11…外表面
15…ラグ溝
20…サイドウォール部
30…ビード部
40…ビードコア
50…カーカス層
60…インナーライナー
70…ベルト層
300…補強用インナーパッド
TE…トレッド端
W…トレッド幅
L1…端法線

Claims (7)

  1. トレッド部から一対のサイドウォール部を介して一対のビード部にわたってトロイド状に延びるカーカス層と、前記カーカス層の内周側に配置されるインナーライナーと、を備え、
    前記トレッド部の外表面のトレッド幅方向外側端であるトレッド端を通り、前記カーカス層に直交する端法線を規定した場合、前記端法線に沿った前記トレッド端と前記カーカス層間の長さが100mm以上となる建設車両用ラジアルタイヤであって、
    前記カーカス層のタイヤ径方向外側に設けられたベルト層を有するとともに、
    正規リムに組み付け、正規内圧を付加し、かつ、無負荷状態とした基準状態において、前記トレッド部のトレッド幅方向に沿った断面における前記外表面の幅方向曲率半径Rwと、前記トレッド端のタイヤ周方向に沿った断面における前記外表面の周方向曲率半径Rcとが、Rw/Rc≦1.1の関係を満たす
    ことを特徴とする建設車両用ラジアルタイヤ。
  2. 前記幅方向曲率半径Rwと前記周方向曲率半径Rcとが、0.8≦Rw/Rcの関係を満たす
    ことを特徴とする請求項1に記載の建設車両用ラジアルタイヤ。
  3. 前記トレッド部には、前記トレッド端からトレッド幅方向内側に向かって延びるラグ溝が形成されており、
    前記トレッド端において、前記ラグ溝のタイヤ径方向における深さは、100mm以上である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の建設車両用ラジアルタイヤ。
  4. 前記カーカス層と前記インナーライナーとの間に、補強用インナーパッドが設けられており、
    前記トレッド部の外表面においてタイヤ赤道面からトレッド幅方向外側へトレッド幅の3/8倍だけ離れた位置を通り、前記カーカス層に直交する3/8法線を規定した場合、
    前記補強用インナーパッドは、少なくとも前記3/8法線と前記端法線との間にわたって配置される
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の建設車両用ラジアルタイヤ。
  5. 前記ベルト層の、タイヤ径方向内側から1、2層目のベルト角度は前記タイヤ周方向に対して0〜10°であり、前記タイヤ径方向内側から3、4層目のベルト角度は前記タイヤ周方向に対して10〜20°であり、前記タイヤ径方向内側から5、6層目のベルト角度は前記タイヤ周方向に対して20〜30°である
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の建設車両用ラジアルタイヤ。
  6. 前記トレッド部はショルダー部を有し、
    前記ショルダー部は、前記トレッド部の外表面において、前記タイヤ赤道面から前記トレッド幅方向外側の、前記トレッド幅の3/8倍だけ離れた位置よりも前記トレッド幅方向外側に配置され、
    前記トレッド部を構成するゴムの、前記ショルダー部のゴムの硬度を、前記ショルダー部よりも前記トレッド幅方向内側のセンター部のゴムの硬度よりも大きくする
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の建設車両用ラジアルタイヤ。
  7. 前記補強用インナーパッドの最大厚さは、前記トレッド幅の0.5〜2.0%である
    ことを特徴とする請求項4に記載の建設車両用ラジアルタイヤ。
JP2015098747A 2015-05-14 2015-05-14 建設車両用ラジアルタイヤ Expired - Fee Related JP6437879B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015098747A JP6437879B2 (ja) 2015-05-14 2015-05-14 建設車両用ラジアルタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015098747A JP6437879B2 (ja) 2015-05-14 2015-05-14 建設車両用ラジアルタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016215659A JP2016215659A (ja) 2016-12-22
JP6437879B2 true JP6437879B2 (ja) 2018-12-12

Family

ID=57577745

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015098747A Expired - Fee Related JP6437879B2 (ja) 2015-05-14 2015-05-14 建設車両用ラジアルタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6437879B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020131919A (ja) * 2019-02-19 2020-08-31 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61157403A (ja) * 1984-12-28 1986-07-17 Bridgestone Corp 空気入りラジアルタイヤ
JP3597610B2 (ja) * 1995-10-18 2004-12-08 株式会社ブリヂストン 重荷重用空気入りタイヤ
JP4132330B2 (ja) * 1998-12-24 2008-08-13 株式会社ブリヂストン 重荷重用空気入りタイヤ
JP4471410B2 (ja) * 1999-02-08 2010-06-02 株式会社ブリヂストン 重荷重用ラジアルタイヤ
JP2007112076A (ja) * 2005-10-24 2007-05-10 Bridgestone Corp 空気入りタイヤの製造方法および空気入りタイヤ
JP5405992B2 (ja) * 2009-11-25 2014-02-05 株式会社ブリヂストン 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
CN202200783U (zh) * 2011-07-12 2012-04-25 厦门正新橡胶工业有限公司 充气轮胎胎面主沟槽改进结构

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016215659A (ja) 2016-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6173291B2 (ja) 空気入りタイヤ
US10857838B2 (en) Pneumatic tire
JP6946641B2 (ja) 空気入りタイヤ
WO2014129571A1 (ja) タイヤ
JP5628946B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP5923057B2 (ja) 重荷重用タイヤ
WO2015163215A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP5791427B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP7147781B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP4984662B2 (ja) 空気入りタイヤ
WO2012176912A1 (ja) 自動二輪車用空気入りタイヤ
JP2010105445A (ja) 重荷重用タイヤ
JP6417274B2 (ja) 建設車両用ラジアルタイヤ
JP4860934B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP6437879B2 (ja) 建設車両用ラジアルタイヤ
JP5278328B2 (ja) 空気入りタイヤ
WO2009154282A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP2017140858A (ja) 空気入りタイヤ
JP5129855B2 (ja) 重荷重用タイヤ
WO2017110636A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP6446957B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6411007B2 (ja) 空気入りタイヤ
WO2017057705A1 (ja) 建設車両用タイヤ
CN108136839B (zh) 工程车辆用轮胎
JP5410331B2 (ja) ランフラットタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180717

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180711

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180905

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6437879

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees