JP6437216B2 - 電池 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、缶に収容された正極、負極、及び非水電解質を有する。正極及び負極は、例えば、集電体と、当該集電体に塗布された活物質とをそれぞれ有する。負極の活物質として、例えばリチウムチタン複合酸化物(チタン酸リチウム)が用いられる。
特許第4950980号 特許第4249727号
リチウムイオン二次電池は、例えば、内部短絡や当該内部短絡による温度上昇を抑制することが求められる。
本発明の解決すべき課題の一つは、温度上昇を抑制できる電池を提供することである。
一つの実施の形態に係る電池は、筐体と、非水電解質と、正極と、負極とを備える。前記筐体は、前記非水電解質と、前記正極と、前記負極とを収容する。前記負極は、前記正極から離間し、前記正極に向く面を有する集電体と、前記面に設けられるとともにリチウムチタン複合酸化物及びバインダーを含む活物質層と、を含む。前記活物質層の厚さは、前記リチウムチタン複合酸化物の結晶子の径の100倍以上且つ2000倍以下である。前記リチウムチタン複合酸化物の結晶子の径が695Å以上且つ1500Å以下である。
図1は、一つの実施の形態に係る電池を分解して示す斜視図である。 図2は、実施形態の電極群を示す斜視図である。 図3は、実施形態の電極群の一部を示す断面図である。 図4は、実施形態の強制内部短絡試験における電極群を示す断面図である。 図5は、種々の試験条件における電池の試験結果を示す表である。
以下に、一つの実施の形態について、図1乃至図5を参照して説明する。なお、本明細書においては基本的に、ユーザから見て上方を上方向、ユーザから見て下方を下方向と定義する。また、実施形態に係る構成要素や、当該要素の説明について、複数の表現を併記することがある。当該構成要素及び説明について、記載されていない他の表現がされることは妨げられない。さらに、複数の表現が記載されない構成要素及び説明について、他の表現がされることは妨げられない。
図1は、一つの実施の形態に係る電池10を分解して示す斜視図である。図1に示すように、電池10は、角型のリチウムイオン二次電池である。なお、電池10は、他の形状であっても良い。電池10は、電極群11と、筐体12とを有する。
図面に示されるように、本明細書において、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、電池10の幅(長手方向の長さ)に沿う。Y軸は、電池10の厚さ(短手方向の長さ)に沿う。Z軸は、電池10の高さ(鉛直方向の長さ)に沿う。
電池10は、例えばセルとも称され得る。電池10は、単体で使用されても良く、他の電池10と組み合わされた組電池(電池モジュール)として使用されても良い。一つの電池10の容量は、5Ah以上であり、例えば20Ahである。なお、電池10の容量はこれに限らない。
図2は、電極群11を示す斜視図である。図2に示すように、電極群11は、正極21と、負極22と、複数のセパレータ23と、を有する。正極21及び負極22は、電極とも称され得る。図2は、理解のために、セパレータ23にハッチングを付す。
正極21と負極22は、セパレータ23を介して重ねられる。言い換えると、負極22は、セパレータ23によって正極21から離間させられる。さらに、正極21は、二つのセパレータ23の間に位置する。正極21、負極22、及びセパレータ23は、互いに重ねられた状態で渦巻状に巻回され、扁平にプレスされる。
正極21は、正極集電体31と、正極活物質含有層(以下、正極層と称する)32とを有する。正極集電体31は、例えば、基板、シート、又は導電体とも称され得る。正極層32は、例えば、電極、層、又は部分とも称され得る。図2は、理解のために、正極層32にハッチングを付す。
正極集電体31は、例えば金属箔である。正極集電体31は、略矩形(四角形)のシート状(帯状)に形成される。なお、正極集電体31は、他の材料によって作られてもよく、他の形状に形成されても良い。
図3は、電極群11の一部を概略的に示す断面図である。図3に示すように、正極集電体31は、第1の面31aと、第2の面31bとを有する。第1及び第2の面31a,31bは、平坦に形成される。第2の面31bは、第1の面31aの反対側に位置する。
正極層32は、正極集電体31の第1の面31a及び第2の面31bに、それぞれ設けられる。なお、図3は説明のために、第2の面31bに設けられた正極層32のみを示す。第1の面31aに設けられた正極層32と、第2の面31bに設けられた正極層32とは同じものである。なお、正極層32は、第1の面31a又は第2の面31bの一方にのみ設けられても良い。
図2に示すように、正極層32は、正極集電体31の第1の面31a及び第2の面31bを部分的に覆う。正極層32の長手方向の長さは、正極集電体31の長手方向の長さにほぼ等しい。正極層32の短手方向の長さ(幅)は、正極集電体31の短手方向の長さ(幅)よりも短い。
正極集電体31は、正極集電タブ31cを有する。正極集電タブ31cは、正極層32に覆われない正極集電体31の一部である。正極集電タブ31cは、帯状の正極集電体31の、幅方向における一方の端部に設けられる。正極集電体31の、幅方向における他方の端部は、正極層32に覆われる。正極集電タブ31cは、正極集電体31及び正極層32と平行に延びる。
正極層32は、正極活物質と、導電剤と、バインダー(結着剤)とを含む。正極層32は、例えば、正極活物質、導電剤、及びバインダーを溶媒に懸濁させ、この懸濁物(スラリー)を正極集電体31に塗布、乾燥、及びプレスすることにより形成される。
正極活物質は、例えば、種々の酸化物又は硫化物である。正極活物質は、例えば、二酸化マンガン(MnO)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、リチウムマンガン複合酸化物(例えば、LiMn又はLiMnO)、リチウムニッケル複合酸化物(例えば、LiNiO)、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えば、LiNi1−y−zCo。Mは、Al、Cr、及びFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素。0≦y≦0.5、0≦z≦0.1)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えば、LiMn1−y−zCo。Mは、Al、Cr、及びFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素。0≦y≦0.5、0≦z≦0.1)、リチウムマンガンニッケル複合化合物(例えば、LiMn1/3Ni1/3Co1/3やLiMn1/2Ni1/2のようなLiMnNi1−2y。Mは、Co、Cr、Al、及びFeよりなる群より選択される少なくとも1種類の元素。1/3≦y≦1/2)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(例えば、LiMn2−yNi)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物(例えば、LiFePO、LiFe1−yMnPO、LiCoPO)、硫酸鉄(例えば、Fe(SO)、又は、バナジウム酸化物(例えば、V)である。正極活物質は、ポリアニリンやポリピロールのような導電性ポリマー材料、ジスルフィド系ポリマー材料、イオウ(S)、及び、フッ化カーボンのような有機材料及び無機材料であっても良い。なお、上記に好ましい範囲の記載がないx、y、zは、0以上1以下の範囲であることが好ましい。
より好ましい正極活物質は、例えば、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、リチウムマンガンニッケル複合化合物、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物、リチウムマンガンコバルト複合酸化物、又はリチウムリン酸鉄である。これらの正極活物質を有する電池10は、高い電圧が得られる。
導電剤は、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛、コークス等のうち一種類又は複数種である。バインダーは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、又はフッ素系ゴムである。正極活物質、導電剤、及びバインダーの配合比は、正極活物質80〜95質量%、導電剤3〜20質量%、バインダー2〜7質量%の範囲にすることが好ましい。
正極集電体31は、アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔によって作られることが望ましい。アルミニウム箔及びアルミニウム合金箔の平均結晶粒径は50μm以下であることが好ましい。当該平均結晶粒径は、より好ましくは、30μm以下である。当該平均結晶粒径は、さらに好ましくは5μm以下である。
平均結晶粒径が50μm以下であることにより、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔の強度を飛躍的に増大させることができ、正極層32を高いプレス圧で高密度化することが可能になる。このため、電池10の容量を増大させることができる。
平均結晶粒径は、例えば次のようにして求められる。正極集電体31の表面(第1又は第2の面31a,31b)の組織を光学顕微鏡で組織観察し、1mm×1mm内に存在する結晶粒の数nを求める。このnを用いてS=1×10/n(μm2)から平均結晶粒子面積Sを求める。得られたSの値から下記(式1)により平均結晶粒子径d(μm)を算出する。
d=2(S/π)1/2・・・(式1)
アルミニウム箔及びアルミニウム合金箔の平均結晶粒径は、材料組織、不純物、加工条件、熱処理履歴、及び焼鈍条件のような複数の因子から複雑な影響を受けて変化する。結晶粒径は、正極集電体31の製造工程の中で、前記諸因子を組合せて調製することが可能である。
アルミニウム箔及びアルミニウム合金箔の厚さは、20μm以下、より好ましくは15μm以下である。アルミニウム箔の純度は99質量%以上が好ましい。アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、及びケイ素のような元素を含む合金が好ましい。一方、鉄、銅、ニッケル、及びクロムのような遷移金属の含有量は1質量%以下であることが好ましい。
負極22は、負極集電体35と、負極活物質含有層(以下、負極層と称する)36とを有する。負極集電体35は、集電体の一例であり、例えば、基板、シート、又は導電体とも称され得る。負極層36は、活物質層の一例であり、例えば、電極、層、又は部分とも称され得る。
負極集電体35は、例えば金属箔である。負極集電体35は、略矩形(四角形)のシート状(帯状)に形成される。なお、負極集電体35は、他の材料によって作られてもよく、他の形状に形成されても良い。
図3に示すように、負極集電体35は、第3の面35aと、第4の面35bとを有する。第3及び第4の面35a,35bは、面の一例である。第3及び第4の面35a,35bは、平坦に形成される。第4の面35bは、第3の面35aの反対側に位置する。
負極集電体35の第3の面35aは、正極集電体31の第2の面31bと、第2の面31bに設けられた正極層32と、に向く。正極21、負極22、及びセパレータ23が巻回されるため、第4の面35bは、正極集電体31の第1の面31aと、第1の面31aに設けられた正極層32と、に向く。
負極層36は、負極集電体35の第3の面35a及び第4の面35bに、それぞれ設けられる。なお、図3は説明のために、第3の面35aに設けられた負極層36のみを示す。第3の面35aに設けられた負極層36と、第4の面35bに設けられた負極層36とは同じものである。なお、負極層36は、第3の面35a又は第4の面35bの一方にのみ設けられても良い。ただし、負極層36は、正極層32に向く面に設けられる。
負極集電体35の第3の面35aに設けられた負極層36は、セパレータ23を介して、正極集電体31の第2の面31bに設けられた正極層32に対向する。第4の面35bに設けられた負極層36は、セパレータ23を介して、正極集電体31の第1の面31aに設けられた正極層32に対向する。
図2に示すように、負極層36は、負極集電体35の第3の面35a及び第4の面35bを部分的に覆う。負極層36の長手方向の長さは、負極集電体35の長手方向の長さにほぼ等しい。負極層36の短手方向の長さ(幅)は、負極集電体35の短手方向の長さ(幅)よりも短い。
負極集電体35は、負極集電タブ35cを有する。負極集電タブ35cは、負極活物質36に覆われない負極集電体35の一部である。負極集電タブ35cは、帯状の負極集電体35の、幅方向における一方の端部に設けられる。負極集電体35の、幅方向における他方の端部は、負極層36に覆われる。負極集電タブ35cは、負極集電体35及び負極層36と平行に延びる。
負極集電タブ35cは、正極集電タブ31cの反対方向に突出する。すなわち、互いに重ねられるとともに巻回された正極、負極、及びセパレータ23の一方の端部から正極集電タブ31cが軸方向に突出し、他方の端部から負極集電タブ35cが軸方向に突出する。言い換えると、正極21と負極22とは、互いにずらされて重ねられる。
負極層36は、負極活物質と、導電剤と、バインダー(結着剤)とを含む。負極層36は、例えば、粉末状の負極活物質、導電剤、及びバインダーを溶媒に懸濁させ、この懸濁物(スラリー)を負極集電体35に塗布、乾燥、及びプレスすることにより形成される。プレスは、負極活物質と負極集電体35との電気的接触を増加させるために行なわれる。
負極集電体35は、例えば、銅箔、アルミニウム箔、又はアルミニウム合金箔によって作られる。負極集電体35を構成するアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔は、50μm以下、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは5μm以下の平均結晶粒径を有することが望ましい。平均結晶粒径は、前述した方法で求めることができる。
アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔の平均結晶粒径を50μm以下にすることによって、アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔の強度を飛躍的に増大させることができる。このため、プレス時の圧力を高めることで負極層36を高密度化し、負極容量を増大させることが可能になる。また、高温環境下(40℃以上)における過放電サイクルでの負極集電体35の溶解及び腐食劣化を防ぐことができる。このため、負極インピーダンスの上昇を抑制することができる。さらに、出力特性、急速充電、及び充放電サイクル特性も向上させることができる。
アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔の平均結晶粒径は、材料組織、不純物、加工条件、熱処理履歴、及び焼鈍条件のような複数の因子から複雑な影響を受けて変化する。結晶粒径は、負極集電体35の製造工程の中で、前記諸因子を組合せて調製することが可能である。
アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔の厚さは、20μm以下、より好ましくは15μm以下であることが望ましい。アルミニウム箔は99質量%以上の純度を有することが好ましい。アルミニウム合金は、マグネシウム、亜鉛、及びケイ素のような元素を含む合金であることが好ましい。合金成分として含まれる鉄、銅、ニッケル、及びクロムのような遷移金属は1質量%以下であることが好ましい。
負極活物質は、リチウムチタン複合酸化物(チタン酸リチウム)である。リチウムチタン複合酸化物は、例えば、Li4+xTi12(xは充放電反応により−1≦x≦3の範囲で変化する)で表されるスピネル型チタン酸リチウム、ラムステライド型Li2+xTi(xは充放電反応により−1≦x≦3の範囲で変化する)、又は、TiとP、V、Sn、Cu、Ni及びFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素とを含有する金属複合酸化物である。TiとP、V、Sn、Cu、Ni及びFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素とを含有する金属複合酸化物は、例えば、TiO−P、TiO−V、TiO−P−SnO、又はTiO−P−MeO(MeはCu、Ni及びFeよりなる群から選択される少なくとも1つの元素)である。この金属複合酸化物は、結晶性が低く、結晶相とアモルファス相が共存又はアモルファス相単独で存在したミクロ構造であることが好ましい。このようなミクロ構造の金属複合酸化物は、サイクル性能を大幅に向上させることができる。これらの金属複合酸化物は、充電によりリチウムが挿入されることでリチウムチタン複合酸化物に変化する。リチウムチタン複合酸化物のうち、スピネル型チタン酸リチウムがサイクル特性に優れ、好ましい。
負極層36は、他の負極活物質として、例えば、炭素質物又は金属化合物を含んでも良い。炭素質物は、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス、気相成長炭素繊維、メソフェーズピッチ系炭素繊維、球状炭素、又は樹脂焼成炭素である。より好ましい炭素質物は、気相成長炭素繊維、メソフェーズピッチ系炭素繊維、及び球状炭素である。炭素質物は、X線回折による(002)面の面間隔d002が0.34nm以下であることが好ましい。
金属化合物は、例えば、金属硫化物又は金属窒化物である。金属硫化物は、例えば、TiSのような硫化チタン、MoSのような硫化モリブデン、又はFeS、FeS及びLiFeSのような硫化鉄である。金属窒化物は、例えばリチウムコバルト窒化物(例えばLiCoN、0<s<4,0<t<0.5)である。
バインダーは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素系ゴム、又はスチレンブタジエンゴムである。負極活物質、導電剤、及びバインダーの配合割合は、負極活物質73〜96質量%、導電剤2〜20質量%、バインダー2〜7質量%の範囲であることが好ましい。
セパレータ23は、絶縁性を有し、略矩形(四角形)のシート状(帯状)に形成される。セパレータ23の短手方向の長さ(幅)は、正極集電体31及び負極集電体35の短手方向の長さ(幅)よりも短い。なお、セパレータ23の寸法はこれに限らない。
セパレータ23は、例えば、ポリオレフィン、セルロース、ポリエチレンテレフタレート、及びビニロンのようなポリマーで作られた多孔質フィルム、又は不織布である。セパレータは一種類の材料で作られても、組み合わされた二種類以上の材料で作られても良い。
図1に示すように、筐体12は、外装缶41と、蓋体42と、正極リード43と、負極リード44と、複数の挟持部材45と、複数の絶縁部材46と、を有する。外装缶41は、例えば、筐体、缶、又は収容部材とも称され得る。
外装缶41は、一つの端部41aが開放された略直方体の扁平な箱型(有底角筒形状)に形成される。外装缶41は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、又はステンレスのような金属によって作られる。
外装缶41は、収容部51を有する。収容部51は、例えば、凹部、開口、穴、又は内部とも称され得る。収容部51は、外装缶41の一つの端部41aに開口する。収容部51に、電極群11と、非水電解質とが収容される。言い換えると、非水電解質は、収容部51に充填される。
非水電解質は、電極群11に含浸される。すなわち、正極21と負極22との間に、非水電解質が存在する。非水電解質は、非水溶媒と、この非水溶媒に溶解される電解質塩を含む。非水電解質は、非水溶媒にポリマーを含んでも良い。
電解質塩は、例えば、LiPF、LiBF、Li(CFSON(ビストリフルオロメタンスルホニルアミドリチウム、通称LiTFSI)、LiCFSO(通称LiTFS)、Li(CSON(ビスペンタフルオロエタンスルホニルアミドリチウム、通称LiBETI)、LiClO、LiAsF、LiSbF、ビスオキサラトホウ酸リチウム(LiB(C、通称LiBOB)、又は、ジフルオロ(トリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロ−メチルプロピオナト(2−)−0,0)ホウ酸リチウム(LiBF(OCOOC(CF)、通称LiBF(HHIB))のようなリチウム塩である。これらの電解質塩は一種類で使用されても良く、二種類以上が混合されて用いられても良い。特にLiPF、LiBFが好ましい。
電解質塩濃度は、1.5M以上且つ3M以下の範囲内であることが好ましい。これにより、高負荷電流を流した場合の性能を向上させることができる。非水溶媒は、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、γ−ブチロラクトン(GBL)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeHF)、1,3−ジオキソラン、スルホラン、アセトニトリル(AN)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、又は、ジプロピルカーボネート(DPC)である。これらの溶媒は一種類で使用されても良く、二種類以上が混合されて用いられても良い。
上記非水電解質に添加剤が添加されても良い。添加剤は、例えば、ビニレンカーボネート(VC)、ビニレンアセテート(VA)、ビニレンブチレート、ビニレンヘキサネート、ビニレンクロトネート、カテコールカーボネート、又はプロパンスルトンである。添加剤の濃度は、非水電解質が100質量%に対して0.1質量%以上且つ3質量%以下の範囲が好ましい。さらに好ましい範囲は、0.5質量%以上且つ1質量%以下である。
蓋体42は、略矩形(四角形)の板状に形成される。蓋体42は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、又はステンレスのような金属によって作られる。蓋体42は、例えば、外装缶41と同じ種類の金属によって作られる。蓋体42は、収容部51が開口する外装缶41の端部41aに、例えばレーザによってシーム溶接される。このため、蓋体42は、収容部51を気密に塞ぐ。
蓋体42に、注液口54と、開放弁55と、正極外部端子56と、負極外部端子57と、が設けられる。正極外部端子56は、蓋体42の一方の端部に位置する。負極外部端子57は、蓋体42の他方の端部に位置する。注液口54と開放弁55とは、正極外部端子56と負極外部端子57との間に位置する。
注液口54は、蓋体42を貫通し、収容部51に通じる孔である。非水電解質は、注液口54から収容部51に注入される。注液口54は、非水電解質が収容部51に充填された後、蓋体42に例えばレーザ溶接又は熱版溶着された封止蓋によって封止される。
開放弁55は、蓋体42の外面に設けられた略矩形(四角形)の凹部と、当該凹部内に設けられたX字状の溝部とを有する。前記溝部は、例えば、蓋体42を板厚方向にプレス成型することにより形成される。開放弁55の形状は、これに限らず、例えば直線部の両端が二股に分岐した形状にすることができる。
正極外部端子56は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金によって作られる。負極外部端子57は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、ニッケル、又はニッケルメッキされた鉄のような金属によって作られる。
正極外部端子56及び負極外部端子57はそれぞれ、絶縁ガスケット59を介して、蓋体42に取り付けられる。絶縁ガスケット59は、例えば樹脂成形品である。正極外部端子56及び負極外部端子57は、蓋体42に設けられた孔を通って、収容部51の中に突き出る。正極外部端子56、負極外部端子57、及び絶縁ガスケット59は、当該孔を気密に封止する。
正極リード43及び負極リード44は、収容部51に収容される。正極リード43は、支持板43aと、二つの集電部43bとを有する。同様に、負極リード44は、支持板44aと、二つの集電部44bとを有する。
正極リード43及び負極リード44の支持板43a,44aは、略矩形(四角形)の板状に形成される。正極リード43及び負極リード44の集電部43b,44bは、短冊状に形成され、支持板43a,44aに対して直交する方向に延びる。一方の支持板43a,44aは、他方の支持板43a,44aに対向する。
収容部51に突き出た正極外部端子56は、正極リード43の支持板43aに設けられた孔に嵌め込まれ、支持板43aに電気的に接続される。収容部51に突き出た負極外部端子57は、負極リード44の支持板44aに設けられた孔に嵌め込まれ、支持板44aに電気的に接続される。
正極リード43及び負極リード44の支持板43a,44aと、蓋体42との間に、絶縁部材46が介在する。すなわち、絶縁部材46は、正極リード43及び負極リード44と、蓋体42との間を絶縁する。
挟持部材45は、略U字状(コの字型)に形成された導電性の部材である。挟持部材45は、巻回された電極群11の、正極集電タブ31cの束、又は負極集電タブ35cの束を挟持する。言い換えると、巻回によって重ねられた正極集電タブ31cの束は、挟持部材45によって互いに電気的に接続される。さらに、巻回によって重ねられた負極集電タブ35cの束は、挟持部材45によって互いに電気的に接続される。
正極集電タブ31cの束を挟持する挟持部材45は、正極リード43の集電部43bに挟まれる。当該挟持部材45及び集電部43bは、例えば超音波溶接によって接合される。これにより、正極21と、正極リード43と、正極外部端子56とが電気的に接続される。
負極集電タブ35cの束を挟持する挟持部材45は、負極リード44の集電部44bに挟まれる。当該挟持部材45及び集電部44bは、例えば超音波溶接によって接合される。これにより、負極22と、負極リード44と、負極外部端子57とが電気的に接続される。
正極リード43、負極リード44、及び挟持部材45の材料は、例えば、対応する正極外部端子56及び負極外部端子57と同じ材料である。例えば、正極外部端子56及び負極外部端子57の材料がアルミニウム又はアルミニウム合金の場合、正極リード43及び負極リード44の材料はアルミニウム又はアルミニウム合金である。また、正極外部端子56又は負極外部端子57の材料が銅の場合、正極リード43及び負極リード44の材料は銅である。なお、正極リード43、負極リード44、挟持部材45、正極外部端子56、及び負極外部端子57は、異なる材料によって作られても良い。
以下、負極層36についてさらに詳しく説明する。図3に示すように、負極層36は、多数のリチウムチタン複合酸化物の結晶子(以下、LTO結晶子と称する)61と、多数の炭素質物62とを含む。なお、負極層36は、炭素質物62を含まなくても良い。
LTO結晶子61は、負極活物質を含むスラリーが、混練されたり、プレスされたりすることによって形成される。すなわち、負極活物質であるリチウムチタン複合酸化物の少なくとも一部は、混練やプレスによって結晶子サイズまで破砕される。なお、全てのLTO結晶子61が負極層36においてそれぞれ単体の結晶子として存在しなくとも良い。例えば、複数のLTO結晶子61がまとまって存在しても良い。
LTO結晶子61の径L1は、例えば、695Å以上且つ1500Å以下である。LTO結晶子61の径L1は、LTO結晶子61の最長部分の寸法である。なお、LTO結晶子61の径L1はこれに限らず、695Åより小さくとも良く、1500Åより大きくとも良い。さらに、負極層36に含まれる全てのLTO結晶子61の径L1が695〜1500Åの範囲になくとも良い。
LTO結晶子61の径L1は、例えば、LTO結晶子61に対して、X線回折測定を行い、リートベルト解析を行うことにより確認される。リートベルト解析には、例えば、解析用ソフトウエア「RIETAN(商品名)」を用いる。なお、LTO結晶子61の径L1は、これに限らず、例えば透過X線による測定で確認されても良い。
負極層36の厚さL2は、例えば、LTO結晶子61の径L1の100倍以上且つ2000倍以下である。負極層36の厚さL2は、LTO結晶子61の径L1の300倍以上且つ1000倍以下であると好ましく、LTO結晶子61の径L1の400倍以上且つ700倍以下であるとさらに好ましい。
負極層36の厚さL2は、負極層36の、負極集電体35の第3の面35aに対して直交する方向における寸法である。負極層36の厚さL2は、十個の地点における負極層36の厚さの平均値(十点平均値)である。なお、負極層36の厚さを計測する地点の個数はこれに限らない。
図4は、強制内部短絡試験における電極群11を概略的に示す断面図である。強制内部短絡試験は、JIS C8714に定められる。図4を参照して、強制内部短絡試験が行なわれた場合の電極群11について説明する。なお、電池10の電極群11は、強制内部短絡試験がされなくとも良い。
強制内部短絡試験について概略的に説明する。正極層32と負極層36との間に、金属片65が挿入される。金属片65は、ニッケル小片である。次に、加圧ジグで、金属片65を中心に、正極21と負極22とに圧力を印加する。当該圧力印加は、内部短絡による電圧の降下が観測されるまで続けられる。
金属片65により、正極21と負極22との間で短絡が生じる。当該短絡時、短絡地点周辺における充電状態のLTO結晶子61が放電する。図4は、放電したLTO結晶子61にハッチングを付す。
LTO結晶子61の電気抵抗は、放電することにより電気抵抗が急激に上昇する(高抵抗化)。このため、短絡が生じた場合、短絡地点(金属片65)周辺のLTO結晶子61の導電性が下がり、他のLTO結晶子61が放電することが抑制される。言い換えると、高抵抗化したLTO結晶子61は、放電していないLTO結晶子61と正極21との間をほぼ絶縁する。したがって、電池10の内部短絡によって生じる過熱等の不具合が抑制される。
LTO結晶子61の高抵抗化による放電抑制効果は、5Ah以上の電池において効果的に発揮される。当該効果は、10Ah以上の電池においてさらに効果的に発揮される。加えて、当該効果は、短絡時に複数の短絡電流が流れる可能性がある、正極及び負極が巻回された電池において、さらに効果的に発揮される。
[試験]
図5は、種々の試験条件における電池の試験結果を示す表である。以下に、図5を参照して、種々の試験条件における電池の試験結果について説明する。なお、本発明は以下に記載される試験条件に限定されるものでない。
<正極の作製>
まず、正極活物質としてリチウムコバルト酸化物(LiCoO)粉末90質量%、導電剤として、アセチレンブラック5質量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)5質量%をN−メチルピロリドン(NMP)に加えて混合してスラリーとし、このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し後、乾燥し、プレスすることにより電極密度が3.3g/cmの正極を作製した。
<リチウムチタン複合酸化物の作製>
まず、純水に水酸化リチウム、水酸化ナトリウム0.0112g、及び水酸化カリウム0.1336gを溶解させた溶液にアナターゼ型酸化チタンを投入し、攪拌、乾燥し、大気中で780℃、10時間の焼成を施し、NaとKの量がそれぞれ0.03質量%、0.42質量%のスピネル型リチウムチタン複合酸化物(LiTi12)を得た。
<負極の作製>
得られたリチウムチタン複合酸化物粉末90質量%、導電剤として、1200℃で焼成したコークス(d002=0.3465、平均粒径3μm)5質量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)5質量%とをN−メチルピロリドン(NMP)に加えて混合してスラリーとし、このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥した後、プレスすることにより電極密度が2.0g/cmの負極を作製した。
<結晶子径の測定>
まず、XRD(マックサイエンス社 型番M18XHF22−SRA)を用いて、リチウムチタン複合酸化物のCu−Kαを用いたX線回折パターンを求めた。結晶子径は、回折角(2θ)18°の(111)面のX線回折ピークの半値幅を算出し、下記(式2)のScherrerの式より求めた。なお、回折ピークの半値幅の算出においては、回折装置の光学系による線幅を補正する必要があり、この補正には標準シリコン粉末を使用した。
Dhkl=(K・λ)/(β・cosθ)・・・(式2)
Dhkl:結晶子径(Å)
λ:測定X線波長(Å)
β:回折角の広がり
θ:回折角のブラッグ角
K:定数(0.9)
<電極群の作製>
正極、厚さ25μmのポリエチレン製の多孔質フィルムからなるセパレータ、負極、セパレータの順番に積層する。これを90℃で加熱プレスすることにより、幅100mmで長さ100mmの電極群を作成した。
図5は、上記工程によって作成された各電池における、リチウムチタン複合酸化物の結晶子の径(LTO結晶子サイズ)、集電体に塗布された負極の厚さ(負極層厚さ)、及び負極層厚さをLTO結晶子サイズで除した値(結晶子・層倍率)を示す。図5に示すように、各試験条件の電池において、LTO結晶子サイズ、負極層厚さ、及び結晶子・層倍率は異なる。
<液状非水電解質の調製>
プロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとの混合溶媒(体積比率1:2)に、電解質としてのLiPFを1mol/L溶解することにより液状非水電解質を調製した。
電極群を収納したラミネートフィルムパック内に液状非水電解質を注入した後、パックをヒートシールにより完全密閉し、アルミラミネート電池を作製した。当該電池の容量は、各試験条件の電池において一律20Ahである。
<強制内部短絡試験>
各試験条件の電池について、上述の強制内部短絡試験を行なった。図5は、当該強制内部短絡試験における、各実施形態の電池の最高温度を示す。
<急速充電試験>
さらに、各試験条件の電池について、急速充電試験を行なった。2.0Aで定格放電電圧である1.5Vまで放電した25℃の電池に対して、500Aの定電流(CC)充電を行なった。電圧が2.8Vに達した時点で充電を終了し、電池の容量を測定した。図5は、当該急速充電試験における、各実施形態の電池の充電容量のパーセンテージ(SOC)を示す。
試験条件1のように、負極層厚さがLTO結晶子サイズの100倍より小さいと、強制内部短絡試験において、他の試験条件よりも電池が高温になった。すなわち、短絡地点周辺において放電したリチウムチタン複合酸化物の電気抵抗が急増したとしても、他のリチウムチタン複合酸化物の放電が継続した可能性がある。
試験条件1において、短絡地点(金属片65)と集電体(負極集電体35)との間の距離(負極層厚さ)が、LTO結晶子サイズに対して短い。このため、短絡地点周辺のリチウムチタン複合酸化物の導電性が低下しても、集電体を通じてリチウムチタン複合酸化物の放電が生じた可能性がある。
試験条件8及び試験条件46のように、負極層厚さがLTO結晶子サイズの2000倍より大きいと、他の試験条件よりも電池の充電率が低減した。すなわち、電池の入出力特性が低下した。電池における抵抗が大きい場合、500A電流で電池を充電すると、電圧が急速に2.7Vに達する。このため、試験条件8及び試験条件46のように、500A電流で充電しても充電がされない場合がある。
試験条件8及び試験条件46において、金属片と集電体との間の距離(負極層厚さ)が、LTO結晶子サイズに対して長い。すなわち、非水電解質、正極、及び負極内をリチウムイオンが移動する距離が長くなり、電池の入出力特性が低下する。
試験条件1乃至試験条件8のように、LTO結晶子サイズが695Åより小さいと、他の試験条件よりも電池が高温になりやすかった。すなわち、短絡地点周辺において放電したリチウムチタン複合酸化物の電気抵抗が急増したとしても、例えば炭素質物を通じて放電が生じた可能性がある。
放電により高抵抗化したリチウムチタン複合酸化物は、半導体に近い特性を有し、温度上昇に伴って電気抵抗が低下する。LTO結晶子サイズが小さいと、短絡時の反応面積が大きくなり、反応速度が速くなる。すなわち、LTO結晶子サイズが小さいと、リチウムチタン複合酸化物の温度上昇が早くなる。これにより、高抵抗化したリチウムチタン複合酸化物の電気抵抗が低下し、短絡が生じやすくなった可能性がある。
LTO結晶子サイズが695Åより大きいと、炭素質物の間を放電によって高抵抗化したリチウムチタン複合酸化物が塞ぎ、また高抵抗化したリチウムチタン複合酸化物を迂回する短絡電流の経路が長くなる。このため、短絡電流が流れにくくなり、電池の温度上昇が抑制される。
LTO結晶子サイズが695Åより大きいと、リチウムチタン複合酸化物の比表面積が小さくなる。このため、バインダーがリチウムチタン複合酸化物を集電体により確実に保持することができる。
LTO結晶子サイズが1500Åより大きいと、重量あたりの比表面積が小さくなり、リチウムチタン複合酸化物内をリチウムイオンが移動する距離が長くなる。このため、電池の入力特性が低下する。
上記実施の形態に係る電池10において、負極層36の厚さL2は、LTO結晶子61の径L1の100倍以上且つ2000倍以下である。当該条件に対応する試験条件(試験条件1,8,39、及び46を除く試験条件)の試験結果に示されるように、これによって強制内部短絡試験を行なった場合の電池10の温度を130℃以下に抑制できる。すなわち、電池10の温度上昇を抑制できる。
セパレータ23の材料の一例であるポリエチレンの融点は、例えば密度によって異なるが、約140℃である。すなわち、電池10の温度が130℃以下に抑制されることで、セパレータ23が損傷することが抑制される。
さらに、上記条件に対応する試験条件の試験結果に示されるように、急速充電試験における電池10の充電容量が60%以上になる。すなわち、電池10を、500A電流で急速充電することができ、電池10の利便性が向上する。
LTO結晶子61の径L1が、695Å以上且つ1500Å以下である。当該条件に対応する試験条件(試験条件1〜8及び試験条件39〜46を除く試験条件)の試験結果に示されるように、強制内部短絡試験を行なった場合の電池10の温度上昇を抑制できるとともに、急速充電試験における一定以上の充電容量を得ることができる。
負極層36の厚さL2が、LTO結晶子61の径L1の300倍以上且つ1000倍以下である。これにより、当該条件に対応する試験条件の試験結果に示されるように、強制内部短絡試験を行なった場合の電池10の温度上昇を抑制できるとともに、急速充電試験における一定以上の充電容量を得ることができる。負極層36の厚さL2が、LTO結晶子61の径L1の400倍以上且つ700倍以下であると、さらに温度上昇と充電容量とのバランスが良い電池10を得ることができる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、負極の活物質層の厚さは、リチウムチタン複合酸化物の結晶子の径の100倍以上且つ2000倍以下である。これにより、電池の温度上昇を抑制できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態において、正極21は、負極22とともに巻回されるが、正極及び負極はこれに限らない。例えば、複数の正極と複数の負極とが交互に配置されるように積層されても良い。
以下に、出願当初の特許請求の範囲の内容を付記する。
[1]
筐体と、
前記筐体に収容された非水電解質と、
前記筐体に収容された正極と、
前記正極から離間して前記筐体に収容され、前記正極に向く面を有する集電体と、前記面に設けられるとともにリチウムチタン複合酸化物及びバインダーを含む活物質層と、を含む負極と、
を具備し、
前記活物質層の厚さは、前記リチウムチタン複合酸化物の結晶子の径の100倍以上且つ2000倍以下である、
電池。
[2]
前記リチウムチタン複合酸化物の結晶子の径が695Å以上且つ1500Å以下である、[1]の電池。
[3]
前記活物質層の厚さが、前記リチウムチタン複合酸化物の結晶子の径の300倍以上且つ1000倍以下である、[1]又は[2]の電池。
[4]
前記活物質層の厚さが、前記リチウムチタン複合酸化物の結晶子の径の400倍以上且つ700倍以下である、[1]又は[2]の電池。
[5]
前記正極が前記負極とともに巻回された、[1]乃至[4]のいずれか一つの電池。
[6]
容量が5Ah以上である、[1]乃至[5]のいずれか一つの電池。
10…電池、12…筐体、21…正極、22…負極、35…負極集電体、35a…第3の面、35b…第4の面、36…負極層、61…リチウムチタン複合酸化物の結晶子(LTO結晶子)。

Claims (5)

  1. 筐体と、
    前記筐体に収容された非水電解質と、
    前記筐体に収容された正極と、
    前記正極から離間して前記筐体に収容され、前記正極に向く面を有する集電体と、前記面に設けられるとともにリチウムチタン複合酸化物及びバインダーを含む活物質層と、を含む負極と、
    を具備し、
    前記活物質層の厚さは、前記リチウムチタン複合酸化物の結晶子の径の100倍以上且つ2000倍以下であり、
    前記リチウムチタン複合酸化物の結晶子の径が695Å以上且つ1500Å以下である、
    電池。
  2. 前記活物質層の厚さが、前記リチウムチタン複合酸化物の結晶子の径の300倍以上且つ1000倍以下である、請求項1の電池。
  3. 前記活物質層の厚さが、前記リチウムチタン複合酸化物の結晶子の径の400倍以上且つ700倍以下である、請求項1の電池。
  4. 前記正極が前記負極とともに巻回された、請求項1乃至請求項3のいずれか一つの電池。
  5. 容量が5Ah以上である、請求項1乃至請求項4のいずれか一つの電池。
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