JP6099991B2 - 負極及び非水電解質電池 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、負極及び非水電解質電池に関する。
電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HEV)、電動バイク、フォークリフトなどに用いられる大型及び大容量電源としては、エネルギー密度の高い非水電解質電池(例えば、リチウムイオン電池)が注目されており、寿命や安全性などに配慮しながら、大型化及び大容量化のための開発が行われている。
非水電解質電池には、負極にカーボン材料を用いるリチウムイオン電池とチタン酸リチウムを用いるリチウム電池とが含まれる。
負極にチタン酸リチウムを用いる電池は、負極電位がカーボン負極に比して高いおかげで、寿命特性や安全性・入出力特性、特に急速充電特性に優れる。また、負極にチタン酸リチウムを用いる電池は、低温環境下での入出力特性にも優れる。そのおかげで、負極にチタン酸リチウムを用いる電池は、寒冷地で使用され得る電気自動車にも搭載することができる。
しかしながら、負極にチタン酸リチウムを用いた電池は、低温環境下での入出力特性及びサイクル寿命の更なる向上が求められている。
特許第4213688号公報
本発明が実施しようとする課題は、低温環境下での入出力特性及びサイクル寿命に優れた非水電解質電池を提供することができる負極を提供することと、このような負極を具備する非水電解質電池を提供することとにある。
第1の実施形態によると、負極が提供される。この負極は、チタン酸リチウムを含む負極活物質を含む。負極活物質の比表面積Sは、11〜14.5m 2 /gの範囲内にある。負極活物質の比表面積S及び負極活物質1gあたりの細孔容積Vは、関係式:(0.4S2+2.1S−20)/1000<V<(0.4S2+2.1S+20)/1000を満たす。比表面積Sは、N2を用いたBET法により測定される。細孔容積Vは、N2を用いたBET法により測定される。細孔容積Vは、細孔径が10〜3000Åの範囲内にある細孔の容積の合計である。
図1は、第2の実施形態に係る一具体例の電池の部分切欠斜視図である。 図2は、図1に示す電池のA部の拡大断面図である。 図3は、参考例1〜3、実施例4〜9及び比較例1〜4の非水電解質電池10の、負極活物質の比表面積S(m2/g)と細孔容積V(ml/g)との関係を示すグラフである。
以下、実施形態を図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、同一または類似した機能を発揮する構成要素には全ての図面を通じて同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。なお、各図は実施形態の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる点があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜設計変更することができる。
(第1の実施形態)
第1の実施形態によると、負極が提供される。この負極は、チタン酸リチウムを含む負極活物質を含む。負極活物質の比表面積Sは、6〜15m2/gの範囲内にある。負極活物質の比表面積S及び負極活物質1gあたりの細孔容積Vは、関係式:(0.4S2+2.1S−20)/1000<V<(0.4S2+2.1S+20)/1000を満たす。比表面積Sは、N2を用いたBET法により測定される。細孔容積Vは、N2を用いたBET法により測定される。細孔容積Vは、細孔径が10〜3000Åの範囲内にある細孔の容積の合計である。
チタン酸リチウムを含み且つ比表面積S及び細孔容積Vが上記関係式を満たす負極活物質を含む負極は、非水電解質電池において使用した場合、負極活物質の非水電解質に対する濡れ性、つまり負極活物質中の非水電解質の液廻りを高めることができる。負極活物質の非水電解質に対する濡れ性が高いほど、負極活物質のリチウムイオンの吸蔵及び放出反応が容易に起こり得る。その結果、非水電解質に対する濡れ性に優れた負極活物質を用いた非水電解質電池は、優れた入出力特性を示すことができる。さらに、このような非水電解質に対する濡れ性に優れた負極活物質は、低温環境下におかれてもリチウムイオンの吸蔵及び放出反応を十分に起こすことができる。よって、実施形態に係る負極を用いると、低温環境下での入出力特性(レート特性)に優れた非水電解質電池を提供することができる。
また、比表面積S及び細孔容積Vが上記関係式を満たす負極活物質は、電解液との反応などの副反応の発生を抑えることができ、それにより充電時(リチウムイオン吸蔵時)の非水電解質電池の膨れを抑えることができる。さらに、このような負極活物質は、充放電サイクル中の割れ及びヒビの発生を抑えることができる。そのため、負極活物質の比表面積S及び細孔容積Vが上記関係式を満たす負極を用いた非水電解質電池は、優れたサイクル寿命を示すことができる。
負極活物質の比表面積Sが15m2/gを超えると、充放電サイクルにおいて負極活物質の副反応を抑えることが難しくなり、充電時(リチウムイオン吸蔵時)に非水電解質電池の膨れが発生するおそれがある。その結果、このような負極活物質を含む負極を用いて作製した非水電解質電池は、サイクル寿命に劣る。
負極活物質の比表面積Sが6m2/gより小さいと、負極活物質の非水電解質に対する接触面が小さくなる。そのため、比表面積Sが6m2/gより小さい負極活物質は、非水電解質に対する濡れ性に劣る。その結果、このような負極活物質を含む負極を用いて作製した非水電解質電池は、負極活物質の反応性が低下し、低温環境下での入出力特性に劣る。
負極活物質の比表面積Sは8m2/g以上14.5m2/g未満の範囲内にあることが好ましい。この範囲内にある負極活物質を含む負極を使用すると、低温環境下での入出力特性及びサイクル寿命に更に優れた非水電解質電池を提供することができる。
1g当たりの細孔容積Vが(0.4S2+2.1S−20)/1000よりも小さい負極活物質は、非水電解質に対する濡れ性に劣る。その結果、このような負極活物質を含む負極を用いて作製した非水電解質電池は、低温環境下での入出力特性に劣る。
1g当たりの細孔容積Vが(0.4S2+2.1S+20)/1000を超える負極活物質は、密度が低く、脆くなってしまう。そのため、このような負極活物質を含む負極を用いて作製した非水電解質電池は、充放電サイクル中に、割れ及びヒビが発生するおそれがある。負極活物質の割れ及びヒビは、負極の劣化をもたらし、ひいては非水電解質電池の充放電特性の劣化をもたらす。つまり、このような負極活物質を含む負極を用いて作製した非水電解質電池は、サイクル寿命に劣る。
負極に含まれる負極活物質の比表面積S及び1g当たりの細孔容積は、先に述べたように、N2を用いたBET法によって測定される。負極に含まれる負極活物質の比表面積S及び1g当たりの細孔容積は、例えば以下の手順により測定できる。
まず、測定対象の負極を準備する。電池に具備されている負極を測定対象とする場合は、例えば、まず電池を分解して負極を取り出し、次に、取り出した負極を、電池に含まれていた非水電解質の非水溶媒で洗浄し、最後に乾燥させることによって、負極を準備することができる。
次に、準備した負極を、有機溶媒中に浸漬する。有機溶媒としては、負極に用いられているバインダを溶解させることができる溶媒が選択される。例えば、N−メチルピロリドン(NMP)又はアルコールを、バインダを溶解させるための有機溶媒として使用することができる。この処理により、負極活物質を含む負極合剤層を負極から分離することができる。
有機溶媒による処理によって分離した負極合剤層は、負極活物質に加え、導電剤及びバインダを更に含み得る。よって、負極合剤層から導電剤及びバインダを除去して負極活物質のみを得るために、負極合剤層を熱処理に供する。熱処理は、例えば、200℃〜350℃で加熱することによって行うことができる。
熱処理後、負極活物質が得られる。得られた負極活物質をN2を用いたBET法による測定に供することにより、負極活物質の比表面積S及び細孔径分布を測定することができる。そして、測定した細孔径分布から、細孔径が10〜3000Åの範囲内にある細孔の容積の合計である、負極活物質の1g当たりの細孔容積Vを求めることができる。
負極活物質に含まれるチタン酸リチウムは、スピネル構造を有するチタン酸リチウムであることが好ましい。スピネル構造を有するチタン酸リチウムは、Li4+xTi512(xは充放電反応により−1≦x≦3の範囲で変化する)で表すことができる。スピネル構造を有するチタン酸リチウムを含む負極活物質を含む負極は、非水電解質電池において用いた際、より優れたサイクル寿命を示すことができる。
なお、負極活物質に含まれるチタン酸リチウムは、スピネル構造を有するチタン酸リチウムに限られず、ラムスデライト構造などの他の構造を有することもできる。また、第1の実施形態に係る負極は、スピネル構造を有するチタン酸リチウムと他の構造を有するチタン酸リチウムとの混合物を含む負極活物質を備えることもできる。更に、負極活物質に含まれるチタン酸リチウムは、不可避不純物などに由来する追加の元素を含むこともできる。
次に、第1の実施形態に係る負極の一例をより詳細に説明する。
この例の負極は、負極集電体と、負極集電体上に形成された負極合剤層とを含むことができる。負極合剤層は、先に説明した、チタン酸リチウムを含む負極活物質を含む。
負極集電体としては、負極活物質のリチウムイオン吸蔵及び放出電位において電気化学的に安定である材料を用いることができる。負極集電体は、銅、ニッケル、ステンレス及びアルミニウムから選択される少なくとも1種類から作られる金属箔、又はMg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、及びSiから選択される少なくとも1種類の元素を含むアルミニウム合金から作られる合金箔であることが好ましい。
負極集電体は、厚さが5μm〜30μmの範囲内にあることが好ましい。負極集電体の形状は、この例の負極を用いる電池の用途に応じて、様々なものを用いることができる。
負極合剤層は、負極集電体の片方又は両方の表面上に形成され得る。負極合剤層は、負極活物質に加え、バインダ及び必要に応じて導電剤を含むことができる。
負極活物質としては、チタン酸リチウムを単独で使用してもよいし、又はチタン酸リチウムを他の負極活物質と組み合わせて使用することもできる。
他の負極活物質の例としては、TiとP、V、Sn、Cu、NiおよびFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素とを含有する金属複合酸化物などが挙げられる。このような金属複合酸化物としては、例えば、TiO2−P25、TiO2−V25、TiO2−P25−SnO2、TiO2−P25−MeO(MeはCu、NiおよびFeからなる群より選択される少なくとも1種の元素である)を挙げることができる。これらの金属複合酸化物は、充電によりリチウムが挿入されることでリチウムチタン複合酸化物に変化する。
その他の負極活物質の例としては、リチウム金属、炭素質物、金属化合物が挙げられる。
炭素質物は、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス、気相成長炭素繊維、メソフェーズピッチ系炭素繊維、球状炭素、樹脂焼成炭素を挙げることができる。
金属化合物は、金属硫化物、金属窒化物を用いることができる。金属硫化物は、例えばTiS2のような硫化チタン、例えばMoS2のような硫化モリブデン、例えばFeS、FeS2、LixFeS2(ここで、0≦x≦4である)のような硫化鉄を用いることができる。金属窒化物としては、例えばリチウムコバルト窒化物(例えばLisCotN、ここで、0<s<4であり、0<t<0.5である)を用いることができる。
バインダは、分散された負極活物質の間隙を埋め、また、負極活物質と負極集電体を結着させるために配合される。バインダの例には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、及びスチレンブタジェンゴムが含まれる。
導電剤は、集電性能を高め、且つ、負極活物質と負極集電体との接触抵抗を抑えるために配合される。導電剤の例には、アセチレンブラック、カーボンブラック及び黒鉛のような炭素質物が含まれる。
負極合剤層中の負極活物質、導電剤及びバインダは、それぞれ68質量%以上96質量%以下、2質量%以上16質量%以下及び2質量%以上16質量%以下の割合で配合することが好ましい。導電剤の量を2質量%以上とすることにより、負極合剤層の集電性能を向上させることができる。また、バインダの量を2質量%以上とすることにより、負極合剤層と負極集電体との結着性を高めることができ、優れたサイクル特性を期待できる。一方、導電剤及びバインダはそれぞれ16質量%以下にすることが高容量化を図る上で好ましい。
負極集電体は、表面に負極合剤層が形成されていない部分を含むことができる。この部分は、負極集電タブとして用いることができるし又は別体の負極集電タブに電気的に接続することができる。
この例の負極は、例えば、以下の方法によって作製することができる。
まず、負極活物質、バインダ及び必要な場合には導電剤を、汎用されている溶媒、例えばN−メチルピロリドン中で懸濁させ、負極作製用スラリーを調製する。次に、調製したスラリーを負極集電体上に塗布し、乾燥させ、プレスを施すことにより、負極集電体上に形成された負極合剤層を得ることができる。
負極合剤層に含まれる負極活物質の比表面積S及び1g当たりの細孔容積Vは、例えば、負極作製用スラリー撹拌条件、負極活物質の粉砕条件、プレス条件などを制御することによって制御することができる。
以上に説明した第1の実施形態に係る負極は、負極活物質の比表面積Sが6〜15m2/gの範囲内にあり、負極活物質の比表面積S及び負極活物質1gあたりの細孔容積Vが、関係式:(0.4S2+2.1S−20)/1000<V<(0.4S2+2.1S+20)/1000を満たす。この負極は、非水電解質電池において使用した場合、負極活物質の非水電解質に対する濡れ性を高めることができ且つ負極活物質の副反応の発生を抑えることができる。そのおかげで、第1の実施形態に係る負極は、低温環境下での入出力特性及びサイクル寿命に優れた非水電解質電池を実現することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態によると、非水電解質電池が提供される。この非水電解質電池は、第1の実施形態に係る負極を具備する。
先に説明したように、第1の実施形態に係る負極は、低温環境下での入出力特性及びサイクル寿命に優れた非水電解質電池を提供できるものである。よって、第1の実施形態に係る負極を具備する第2の実施形態に係る非水電解質電池は、低温環境におかれても優れた入出力特性を示すことができ且つ優れたサイクル寿命を示すことができる。
次に、第2の実施形態に係る非水電解質電池の一例を詳細に説明する。
この例の非水電解質電池は、電極群を具備する。
電極群は、第1の実施形態に係る負極を備える。電極群は、更に、正極と、正極及び負極の間に配されたセパレータとを備えることができる。
負極は電極群から延出した負極集電タブを含むことができる。同様に、正極は電極群から延出した正極集電タブを含むことができる。
この例の非水電解質電池は、容器を更に具備することができる。電極群は、この容器内に収納され得る。容器は、非水電解質を更に収納することができる。非水電解質は、容器内に収納された電極群に含浸され得る。
この例の非水電解質電池は、容器に固定された正極端子及び負極端子を更に具備することができる。正極端子は、正極の正極集電タブに電気的に接続され得る。負極端子は、負極の負極集電タブに電気的に接続され得る。
次に、第2の実施形態に係る非水電解質電池が具備することができる各構成部材について説明する。
(1)正極
正極は、正極集電体を含むことができる。
正極集電体は、アルミニウム又はアルミニウム合金材を含むことが好ましい。アルミニウム箔及びアルミニウム合金箔の厚さは、20μm以下にすることができ、より好ましくは15μm以下である。アルミニウム箔の純度は99質量%以上が好ましい。アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、ケイ素などの元素を少なくとも1種類含む合金が好ましい。一方、鉄、銅、ニッケル、クロムなどの遷移金属の含有量は1質量%以下にすることが好ましい。
正極は、正極合剤層を更に含むことができる。正極合剤層は、正極集電体の片方及び両方の表面上の一部に形成され得る。
正極集電体のうち表面に正極合剤層が形成されていない部分は、正極集電タブとして用いることができるし又は別体の正極集電タブに電気的に接続されてもよい。正極集電タブは正極端子に電気的に接続され得る。
正極合剤層は正極活物質を含むことができる。
正極活物質の例としては、リチウム含有複合化合物、二酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、ポリアニリンやポリピロールなどの導電性ポリマー材料、ジスルフィド系ポリマー材料、イオウ(S)、フッ化カーボン、硫酸鉄(Fe2(SO43)、バナジウム酸化物(例えばV25)を挙げることができる。中でも、リチウム含有複合化合物が好ましい。リチウム含有複合化合物には、例えば、LiaMnO2(0<a≦1.2)、リチウムコバルト複合酸化物(LiaCoMh2、ここでMはAl、Cr、MgおよびFeからなる群より選択される少なくとも1種または2種以上の元素であり、0<a≦1.2であり、0≦h≦0.1である)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLiMn1-g-hCogh2、ここでMはAl、Cr、MgおよびFeからなる群より選択される少なくとも1種または2種以上の元素であり、0≦g≦0.5であり、0≦h≦0.1である)、リチウムマンガンニッケル複合酸化物{例えば、LiMnjNij1-2j2(MはCo、Cr、Al、MgおよびFeよりなる群より選択される少なくとも1つまたは2つ以上の元素であり、1/3≦j≦1/2である)、LiMn1/3Ni1/3Co1/32、LiMn1/2Ni1/22}、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物(例えばLiaMn2-bb4、ここでMはAl、Cr、NiおよびFeからなる群より選択される少なくとも1種または2種以上の元素であり、0<a≦1.2であり、0≦b≦1である)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(例えばLiaMn2-bNib4、ここで0<a≦1.2であり、0≦b≦1である)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物{例えば、LiaFePO4(0<a≦1.2)、LiaFe1-bMnbPO4(0<a≦1.2、0≦b≦1)、LiaCoPO4(0<a≦1.2)など}を挙げることができる。
正極合剤層は、バインダ及び必要な場合には導電剤を更に含むことができる。正極活物質、導電剤及びバインダの配合割合は、正極活物質73〜95質量%、正極導電剤3〜20質量%、正極結着剤2〜7質量%の範囲内にすることが好ましい。
バインダとしては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴムを用いることができる。
導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等の炭素質物を用いることができる。
正極は、例えば、以下の方法によって作製することができる。
まず、正極活物質、バインダ及び必要な場合には導電剤を、汎用されている溶媒、例えばN−メチルピロリドン中で懸濁させ、正極作製用スラリーを調製する。次に、調製したスラリーを正極集電体上に塗布し、乾燥させ、プレスを施すことにより、正極集電体上に形成された正極合剤層を得ることができる。
(2)セパレータ
セパレータとしては、絶縁性を有するものであれば特に限定されないが、ポリオレフィン、セルロース、ポリエチレンテレフタレート、及びビニロンのようなポリマーで作られた多孔質フィルム又は不織布を用いることができる。セパレータの材料は1種類であってもよいし、又は2種類以上を組合せて用いてもよい。
(3)電極群
電極群は、正極、セパレータ及び負極を積層したものを捲回した捲回型構造であってもよいし、複数の正極及び複数の負極を間にセパレータを介して交互に積層させたスタック型構造であってもよいし、又はその他の構造を有していてもよい。
(4)非水電解質
非水電解質は、非水溶媒と、この非水溶媒に溶解される電解質塩を含む。非水溶媒中にはポリマーを含んでもよい。
電解質塩は、例えばLiPF6、LiBF4、Li(CF3SO22N(ビストリフルオロメタンスルホニルアミドリチウム;通称LiTFSI)、LiCF3SO3(通称LiTFS)、Li(C25SO22N(ビスペンタフルオロエタンスルホニルアミドリチウム;通称LiBETI)、LiClO4、LiAsF6、LiSbF6、ビスオキサラトホウ酸リチウム{LiB(C242、通称;LiBOB}、ジフルオロ(トリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロ−メチルプロピオナト(2−)−0,0)ホウ酸リチウム{LiBF2OCOOC(CF32、通称;LiBF2(HHIB)}のようなリチウム塩を用いることができる。これらの電解質塩は一種類で使用してもよいし二種類以上を混合して用いてもよい。特にLiPF6、LiBF4が好ましい。
電解質塩濃度は、1〜3モル/Lの範囲内にすることが好ましい。このような電解質濃度の規定によって、電解質塩濃度の上昇による粘度増加の影響を抑えつつ、高負荷電流を流した場合の性能をより向上することが可能になる。
非水溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、プロピレンカーボネート(PC)やエチレンカーボネート(EC)などの環状カーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)やジメチルカーボネート(DMC)あるいはメチルエチルカーボネート(MEC)もしくはジプロピルカーボネート(DPC)などの鎖状カーボネート、1,2−ジメトキシエタン(DME)、γ−ブチロラクトン(GBL)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeHF)、1,3−ジオキソラン、スルホラン、アセトニトリル(AN)を用いることができる。これらの溶媒は一種類で使用してもよいし二種類以上を混合して用いてもよい。環状カーボネート及び/または鎖状カーボネートを含む非水溶媒が好ましい。
(5)容器
電極群及び非水電解質を収容する容器としては、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ステンレスなどからなる金属缶で角形の形状のものを使用することができる。
或いは、容器としては、金属缶の代わりに、ラミネートフィルムからなる外装容器を使用することが可能である。ラミネートフィルムには、金属箔に樹脂フィルムで被覆された多層フィルムを使用することが好ましい。樹脂としてポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの高分子を用いることができる。ラミネートフィルムの厚さは0.2mm以下にすることが望ましい。
容器の形状は、第2の実施形態に係る電池の用途に依存し得る。例えば、容器の形状は、角型、円筒型、薄型、コイン型等にすることができる。
次に、第2の実施形態に係る電池の一例を、図面を参照しながら、更に具体的に説明する。
図1は、第2の実施形態に係る一具体例の電池の部分切欠斜視図である。図2は、図1に示す電池のA部の拡大断面図である。
図1及び図2に示す電池10は、捲回型構造を有する電極群1と、電極群1に含浸された非水電解質(図示しない)と、電極群1及び非水電解質を収納する容器2aとを具備する。
電極群1は、図2に示すように、帯状の正極13と、帯状の負極14と、帯状のセパレータ15とを備える。セパレータ15は、正極13と負極14との間に挟持されている。このような捲回型構造の電極群1は、例えば、正極13と負極14との間にセパレータ15が介在するように正極13、セパレータ15及び負極14を積層して形成した積層体を、負極14を外側にして渦巻状に捲回し、プレス成型することにより形成できる。
正極13は、帯状の正極集電体13aと、正極集電体13aの両方の表面上に形成された正極合剤層13bとを含む。正極集電体13aは、図示していないが、表面が正極合剤層13bを担持していない部分を含み、正極集電体13aのうちこの部分は、超音波接合によって正極集電タブ3に電気的に接続されている。
負極14は、帯状の負極集電体14aと、負極集電体14aの表面上に形成された負極合剤層14bとを含む。図示していないが、負極集電体14aのうち表面に負極合剤層14bが形成されていない部分は、超音波接合によって負極集電タブ4に電気的に接続されている。
最外殻の負極14は、図2に示すように負極集電体14aの内面側の片面のみに負極合剤層14bを形成した構成を有する。その他の負極14は、負極集電体14aの両面に負極合剤層4cが形成されている。
電極群1及び非水電解質を収納する容器2aは、一端に開口部を有する金属製の有底矩形筒状容器である。矩形蓋体2bは、容器2aと同様の金属製の蓋体であり、容器2aの開口部に溶接されている。
矩形蓋体2bには、正極端子23が嵌め込まれた状態で固定されている。正極端子23は、正極集電タブ3に電気的に接続されている。正極集電タブ3と正極端子23との接続は、例えば、レーザー溶接などの溶接によって行うことができる。
また、矩形蓋体2bには、負極端子24が絶縁性のガスケット25を介して嵌め込まれた状態で固定されている。負極端子24は、負極集電タブ4に電気的に接続されている。負極集電タブ4と負極端子24との接続は、例えば、レーザー溶接などの溶接によって行うことができる。
矩形蓋体2bは、図示していないが、電解液注入口を備えている。非水電解質は、矩形蓋体2bが備えた電解液注入口を通して、容器2a内に注入することができる。
以上説明した第2の実施形態に係る電池は、第1の実施形態に係る負極を具備する。第1の実施形態に係る負極は、低温環境下での入出力特性及びサイクル寿命に優れた非水電解質電池を実現することができるものである。そのため、第2の実施形態に係る非水電解質電池は、低温環境におかれても優れた入出力特性を示すことができ且つ優れたサイクル寿命を示すことができる。
[実施例]
以下に例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、発明の主旨を超えない限り本発明は以下に掲載される実施例に限定されるものでない。
参考例1)
1.非水電解質電池10の作製
参考例1では、以下のようにして、図1及び図2に示す角型の非水電解質電池10を作製した。
[正極作製用スラリーの調製]
正極活物質としてのコバルト酸リチウムLiCoO2、導電剤としてのアセチレンブラック及びバインダとしてのPVdFをN−メチルピロリドン中に懸濁させて、正極作製用スラリーを得た。正極作製用スラリー中のコバルト酸リチウム、アセチレンブラック及びPVdFの含有量は、質量比で、それぞれ、100:10:5であった。
[正極13の作製]
正極集電体13aとして、帯状のアルミニウム箔を準備した。
先に説明したように調製した正極作製用スラリーを、正極集電体13aの両面に塗布した。スラリー塗布の際、正極集電体13aの表面の一部にスラリー未塗布部を残した。
次に、スラリーを塗布した正極集電体13aを乾燥させ、プレスをした。かくして、正極集電体13aと、正極集電体13a上に形成され、コバルト酸リチウム、アセチレンブラック及びPVdFを含む正極合剤層13bとを含む正極13を得た。
[負極作製用スラリーの調製]
炭酸リチウムLi2CO3及び二酸化チタンTiO2を混合し、焼成したのち、粉砕することによって、スピネル型チタン酸リチウムLi4Ti512を得た。
次に、このチタン酸リチウムをN−メチルピロリドン(NMP)中に懸濁させて、スラリーを得た。その後、このスラリー中に、導電剤としてのアセチレンブラック及びバインダとしてのPVdFを添加して、負極作製用スラリーを得た。負極作製用スラリー中のチタン酸リチウム、アセチレンブラック及びPVdFの含有量は、質量比で、100:10:10であった。
[負極14の作製]
負極集電体14aとして、帯状のアルミニウム箔を準備した。
先に説明したように調製した負極作製用スラリーを、負極集電体14aの両面に塗布した。スラリー塗布の際、負極集電体14aの表面の一部にスラリー未塗布部を残した。
次に、スラリーを塗布した負極集電体14aを乾燥させ、プレスをした。かくして、負極集電体14aと、負極集電体14a上に形成され、スピネル型チタン酸リチウム、アセチレンブラック及びPVdFを含む負極合剤層14bとを含む負極14を得た。
[電極群1の作製]
先に説明したように作製した正極13の正極集電体13aのスラリー未塗布部の一部に、帯状のアルミニウム製正極集電タブ3を超音波接合した。
同様に、先に説明したように作製した負極14の負極集電体14aのスラリー未塗布部の一部に、帯状のアルミニウム製負極集電タブ4を超音波接合した。
次に、正極13及び負極14を間にセパレータ15であるセルロース製不織布を挟んで積層させた。この際、正極集電タブ3及び負極集電タブ4が積層体から同じ方向に延出するようにした。
かくして得られた積層体を、負極14を外側にして渦巻状に捲回し、プレス成型した。それにより、負極14が最も外側に配置され、正極集電タブ3及び負極集電タブ4が同じ方向に延出した、捲回型の電極群1が得られた。
[非水電解質電池10の組み立て]
先に説明したようにして得られた電極群1を、開口部を有したアルミニウム製の有底角型の容器2a内に収納した。この際、正極集電タブ3及び負極集電タブ4がこの開口部に向き合う電極群1の端面から延出するようにした。
次に、アルミニウム製の矩形蓋体23bを準備した。蓋体23bは、図示しない3つの開口部が設けられていた。3つの開口部のうちの1つには、角柱の正極端子23が嵌め込まれて固定されていた。3つの開口部のうちの他の1つには、絶縁性のガスケット25を介して、角柱の負極端子24が嵌め込まれて固定されていた。3つの開口部のうちの残りの1つは、非水電解質を注入するための電解液注入口であった。
次に、正極端子23の一端と電極群1の正極集電タブ3とを、レーザー溶接によって電気的に接続した。同様に負極端子24の一端と電極群1の負極集電タブ4とを、レーザー溶接によって電気的に接続した。
次に、蓋体2bの周縁部を、容器2aの開口部を塞ぐように、容器2aに溶接した。
次に、非水電解質を調製した。非水電解質は、プロピレンカーボネート(PC)及びジエチルカーボネート(DEC)を30:70の体積比率で混合して調製した非水溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1.0mol/Lの濃度で溶解させ、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)を0.5mol/Lの濃度で溶解させて調製した。
次に、上記のようにして調製した非水電解質を、蓋体2bに設けられた電解液注入口を介して容器2a内に注入した。次に、電解液注入口の周縁部に封止蓋を溶接することにより、非水電解質電池10を組み立てた。
2.試験
[非水電解質電池10の低温時入出力特性試験]
参考例1の非水電解質電池10の、25℃及び−30℃での1Cのレートでの充電容量を測定した。参考例1の非水電解質電池10の−30℃での1C充電容量は、25℃での充電容量に対して73.2%であった。
[非水電解質電池10のサイクル寿命試験]
参考例1の非水電解質電池10に対し、45℃での2C充放電サイクル試験を行った。初回の容量に対する1000サイクル後の容量維持率を算出したところ、97.2%であった。
[負極活物質の比表面積S及び1g当たりの細孔容積Vの測定]
参考例1の非水電解質電池10の負極活物質を、前述した手順により、N2を用いたBET法による測定に供したところ、負極活物質は、6.1m2/gの比表面積Sを有していることが分かった。また、測定の結果、負極活物質の細孔径分布は、0.0018〜0.0035μm付近にピークを有していることが分かった。そして、細孔径が10〜3000Åの範囲内にある細孔の容積の合計である細孔容積Vは、負極活物質1g当たり0.024ml/gであった。
参考例2及び3、実施例4〜9、並びに比較例1〜4
負極活物質の比表面積S及び負極活物質1gあたりの細孔容積Vを表1に示した値に変更することを除き、参考例1について先に説明した方法と同様にして、非水電解質電池10を作製した。
参考例、実施例及び比較例について、参考例1で説明した方法と同様の方法により、低温時入出力特性、サイクル寿命を試験した。また、各参考例、実施例及び比較例について、参考例1で説明した方法と同様の方法により、負極活物質の比表面積S及び1g当たりの細孔容積Vの測定を行った。
[評価]
参考例1〜3、実施例4〜9及び比較例1〜4の非水電解質電池10の、(1)負極活物質の比表面積S、(2)細孔容積V、(3)25℃での1C充電容量に対する−30℃での1C充電容量の割合、及び(4)初回の容量に対する1000サイクル後の容量維持率を以下の表1に示す。
更に、参考例1〜3、実施例4〜9及び比較例1〜4の非水電解質電池10の、負極活物質の比表面積S(m2/g)と細孔容積V(ml/g)との関係を示すグラフを図3に示す。
図3において、実線Aは、式:V=(0.4S2+2.1S)/1000で表すことができる曲線である。実線Aの上方にある点線Bは、式:V=(0.4S2+2.1S+20)/1000で表される曲線のうち、比表面積Sが6〜15m2/gの範囲内にある部分である。実線Aの下方にある点線Cは、式:V=(0.4S2+2.1S−20)/1000で表される曲線のうち、比表面積Sが6〜15m2/gの範囲内にある部分である。即ち、図3において2つの点線B及びCに囲まれかつSが6〜15m2/gの範囲内にある部分は、第1の実施形態に係る負極14を具備する非水電解質電池10を示している。視覚的に分かりやすくするために、図3においては、参考例1〜3及び実施例4〜9を四角で示しており、比較例1〜4を三角で示している。
表1に示した結果から明らかなように、参考例1〜3及び実施例4〜9の非水電解質電池10は、低温環境でも優れた入出力特性を示すことができると共に、優れたサイクル寿命を示すことができた。
参考例1〜3及び実施例4〜9の非水電解質電池10は、表1及び図3の記載から明らかなように、負極14に含まれる負極活物質が、比表面積Sが6〜15m2/gの範囲内にあり、比表面積S及び負極活物質1g当たりの細孔容積Vが関係式:(0.4S2+2.1S−20)/1000<V<(0.4S2+2.1S+20)/1000を満たしていた。そのため、参考例1〜3及び実施例4〜9の非水電解質電池10は、負極活物質の非水電解質に対する優れた濡れ性を示すことができ、そのおかげで、表1に示すように、−30℃という低温環境下であっても25℃での充電容量に対して70%以上の充電容量を維持することができた。また、参考例1〜3及び実施例4〜9は、上記関係式を満たす比表面積S及び負極活物質1g当たりの細孔容積Vを有していたため、充放電に伴う副反応を抑えることができ且つ充放電サイクル中の割れ及びヒビの発生を抑えることができた。そのため、参考例1〜3及び実施例4〜9の非水電解質電池10は、表1に示すように、1000サイクル後でも96%以上の容量を維持することができた。
比較例1、2及び4の非水電解質電池も、−30℃という低温環境下であっても25℃での充電容量に対して70%以上の充電容量を維持することができた。しかしながら、比較例1、2及び4の非水電解質電池は、1000サイクル後では96%以上の容量を維持することができず、サイクル寿命に関しては参考例1〜3及び実施例4〜9の非水電解質電池10よりも劣っていた。
比較例1の非水電解質電池は、実施例4〜6の非水電解質電池10の負極活物質と同様の比表面積Sを有する負極活物質を含んでいた。しかしながら、比較例1の非水電解質電池の負極活物質は、細孔容積Vが(0.4S2+2.1S−20)/1000よりも小さく、即ち比表面積Sに対して細孔容積Vが小さかった。そのため、比較例1の非水電解質電池の負極活物質は、粒子表面の凹凸が小さく、非水電解質に対する濡れ性が低くなって液廻りが悪くなり、その結果、サイクル寿命が悪くなったと推測される。
比較例2の非水電解質電池は、実施例4〜6の非水電解質電池10の負極活物質と同様の比表面積Sを有する負極活物質を含んでいた。しかしながら、比較例1の非水電解質電池の負極活物質は、細孔容積Vが(0.4S2+2.1S+20)/1000よりも大きく、即ち比表面積Sに対して細孔容積Vが非常に大きかった。そのため、比較例1の非水電解質電池では、充放電サイクル中にマクロな割れ及びヒビが発生してしまい、導電剤及びバインダが負極活物質に入り込みにくくなり、その結果、電極としての劣化が早くなりサイクル寿命が悪くなったと推測される。
比較例4の非水電解質電池は、負極活物質の比表面積Sが16.3m2/gであり、15m2/gよりも大きかった。そのため、比較例4の非水電解質電池は、充放電サイクル中の負極活物質において副反応が増し、その結果、サイクル寿命が悪くなったと推測される。
比較例3の非水電解質電池は、1000サイクル後でも96.5%の容量を維持することができた。しかしながら、比較例3の非水電解質電池は、−30℃という低温環境下では25℃での充電容量に対して52.1%の充電容量しか維持することができなかった。
比較例3の非水電解質電池は、比表面積が3.4m2/gであり、6m2/gよりも小さかった。そのため、比較例3の非水電解質電池は、負極活物質の非水電解質に対する接触面が小さく、非水電解質に対する濡れ性に劣っていたと推測される。そのせいで、比較例3の非水電解質電池は、負極活物質の反応性が悪くなり、低温環境下での入出力特性に劣ってしまったと考えられる。
つまり、以上に説明した少なくとも1つの実施形態及び実施例の負極によると、負極活物質の比表面積Sが6〜15m2/gの範囲内にあると共に、負極活物質の比表面積S及び負極活物質1gあたりの細孔容積Vが、関係式:(0.4S2+2.1S−20)/1000<V<(0.4S2+2.1S+20)/1000を満たすため、非水電解質電池において使用した場合に、負極活物質の非水電解質に対する濡れ性を高めることができ且つ負極活物質の副反応の発生を抑えることができる。そのため、以上に説明した少なくとも1つの実施形態及び実施例に係る負極は、低温環境下での入出力特性及びサイクル寿命に優れた非水電解質電池を実現することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]チタン酸リチウムを含む負極活物質を含む負極であって、前記負極活物質の比表面積Sは6〜15m 2 /gの範囲内にあり、前記負極活物質の比表面積S及び前記負極活物質1g当たりの細孔容積Vは、以下の関係式:(0.4S 2 +2.1S−20)/1000<V<(0.4S 2 +2.1S+20)/1000を満たし、前記比表面積Sは、N 2 を用いたBET法により測定され、前記細孔容積Vは、N 2 を用いたBET法により測定され、細孔径が10〜3000Åの範囲内にある細孔の容積の合計であることを特徴とする負極。
[2]前記チタン酸リチウムがスピネル構造を有することを特徴とする[1]に記載の負極。
[3]前記負極活物質の比表面積Sが8m 2 /g以上14.5m 2 /g未満の範囲内にあることを特徴とする[2]に記載の負極。
[4][1]に記載の負極と、正極と、非水電解質とを具備することを特徴とする非水電解質電池。
10…非水電解質電池、1…電極群、2a…容器、2b…蓋体、3…正極集電タブ、3…負極集電タブ、13…正極、13a…正極集電体、13b…正極合剤層、14…負極、14a…負極集電体、14b…負極合剤層、15…セパレータ、23…正極端子、24…負極端子、25…ガスケット。

Claims (3)

  1. チタン酸リチウムを含む負極活物質を含む負極であって、
    前記負極活物質の比表面積Sは11〜14.5m 2 /gの範囲内にあり、
    前記負極活物質の比表面積S及び前記負極活物質1g当たりの細孔容積Vは、以下の関係式:
    (0.4S2+2.1S−20)/1000<V<(0.4S2+2.1S+20)/1000を満たし、
    前記比表面積Sは、N2を用いたBET法により測定され、
    前記細孔容積Vは、N2を用いたBET法により測定され、細孔径が10〜3000Åの範囲内にある細孔の容積の合計であることを特徴とする負極。
  2. 前記チタン酸リチウムがスピネル構造を有することを特徴とする請求項1に記載の負極。
  3. 請求項1に記載の負極と、
    正極と、
    非水電解質と
    を具備することを特徴とする非水電解質電池。
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