JP6435115B2 - プレストレスト部材の製造方法 - Google Patents

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本発明は、プレストレスト部材の製造方法に関する。
プレストレストコンクリート部材には、プレテンション方式により製造されたものとポストテンション方式により製造されたものとがある。
プレテンション方式は、工場や工事現場内の製作ヤード等において、緊張材に緊張力を付与した状態でコンクリートを打設することでコンクリート部材に対して緊張力を導入するものである。
一方、ポストテンション方式は、主として現場においてコンクリート部材にプレストレスを導入するものである。
ポストテンション方式では、予めコンクリート部材の端部に埋設された定着金物を介してプレストレスを導入している。
ポストテンション方式を採用した場合は、工事現場においても比較的容易にプレストレスを導入することができるが、コンクリート部材の端部に定着金物(支圧板、ナット等の固定金物等)が埋設されたままとなるため、コンクリート部材の接合や断面寸法等に制約が生じるおそれがある。
そのため、本出願人は、特許文献1に示すように、緊張材と挿通孔との隙間に充填された充填材の付着力を利用してプレストレスを導入することで、コンクリート部材の端部に定着部材を残存させる必要がないプレストレストコンクリート部材の製造方法を開発し、実用化に至っている。
特開2011−184871号公報
前記プレストレストコンクリート部材の製造方法において充填材を充填するためには、挿通孔の端部をシール材により遮蔽した状態で行う必要がある。このシール材は、コンクリート部材の端面に配設される仮定着板を設置する前に設置する必要があるため、緊張材に緊張力を導入する前に設置する。
緊張材に緊張力を導入すると、緊張材とともにシール材が伸張するが、シール材が仮定着板に喰い込む等すると、シール材が破損するおそれがある。
シール材が破損すると、充填材が漏出してしまい、仮定着板およびナットに付着固化して、仮定着板およびナットを撤去できなくなる場合がある。
本発明は、製造時のシール材の損傷を防止することを可能としたプレストレスト部材の製造方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決する本発明のプレストレスト部材の製造方法は、シース管が配設された型枠内にコンクリートを打設してコンクリート部材を構築する工程と、前記シース管に緊張材を挿通する工程と、前記シース管の両端において当該シース管の内面と前記緊張材との隙間をシール材で遮蔽する工程と、前記緊張材の一端を仮定着板に挿通するとともに前記コンクリート部材の端面に前記仮定着板を設置する工程と、前記緊張材の一端側に設置されたジャッキにより当該緊張材に緊張力を導入する工程と、前記緊張材に螺着したナットを前記仮定着板に密着させるとともに、前記ジャッキによる荷重を徐荷することで前記仮定着板を介して前記コンクリート部材にプレストレスを導入する工程と、前記シース管内に充填材を充填する工程とを備えている。
発明おいては、前記コンクリート部材の端面に配設される型枠には、前記シール材の長さ以上の長さを有した円柱状の突出部分が形成されていて、当該突出部分により前記シース管と連続する拡径部を形成し、前記ジャッキと前記仮定着板との間にはジャッキチェアが介設されており、前記緊張材の端部を前記拡径部の内部において切断した後、当該拡径部に充填材を充填する。
かかるプレストレスト部材の製造方法によれば、緊張材挿入孔の端部または仮定着板に空間(拡径部または貫通孔)が形成されているため、緊張材に緊張力を導入した際に緊張材とともに伸張するシール材が損傷することを防止できる。ゆえに、充填材が漏出することを防止することができる。
なお、前記シール材の長さが、想定される前記緊張材の伸びひずみに前記緊張材の長さを乗じた値以上であれば、緊張材の伸張による引張力でシール材が損傷することをより確実に防止できる。
本発明のプレストレスト部材の製造方法によれば、製造時のシール材の損傷を防止することが可能となる。
(a)〜(d)は、第一の実施形態のプレストレスト部材の製造方法の各工程を示す断面図である。 第一の実施形態の緊張工程におけるコンクリート部材の端部を示す拡大断面図であって、(a)は緊張前、(b)は緊張時の状況を示している。 (a)〜(d)は、第二の実施形態のプレストレスト部材の製造方法の各工程を示す断面図である。 第二の実施形態の緊張工程におけるコンクリート部材の端部を示す拡大断面図であって、(a)は緊張前、(b)は緊張時の状況を示している。
<第一の実施形態>
第一の実施形態では、プレストレストコンクリート梁(プレストレスト部材)を製造する場合について説明する。
なお、本発明のプレストレスト部材の製造方法により製造される部材は、梁に限定されるものではない。
本実施形態のプレストレストコンクリート梁(以下、単に「PCa梁」という)1は、図1の(d)に示すように、梁本体2と、緊張材3と、充填材4と、シール材5を備えて構成されている。
梁本体2は、鉄筋コンクリート製の部材(コンクリート部材)であって、断面矩形に形成されている。
なお、梁本体2の断面形状や各種寸法は限定されず、適宜設定することが可能である。
梁本体2の断面下側には長手方向に沿って緊張材挿入孔20が貫通している。
緊張材挿入孔20は、梁本体2の両端に形成された拡径部21,21と、拡径部21以外の部分である一般部22とを備えている。なお、拡径部21は、必ずしも緊張材挿入孔20の両端に形成されている必要はなく、一方の端部のみに形成されていてもよい。
本実施形態では、緊張材挿入孔20が梁本体2を貫通している場合について説明するが、緊張材挿通孔20は必ずしも梁本体2を貫通している必要はなく、有底であってもよい。
また、緊張材挿入孔20の形成箇所は梁本体2の断面下側に限定されるものではなく、例えば、梁本体2の断面中央であってもよい。
一般部22は、緊張材3の外径よりも大きな内径を有している。一般部22の断面形状は限定されないが、本実施形態では断面円形とする。
本実施形態の一般部22は、図2に示すように、梁本体2の軸方向に沿って配管されたシース管6により形成されている。
シース管6の外面は梁本体2(コンクリート)に一体に密着している。本実施形態のシース管6は、梁本体2の長さよりも短い。シース管6の両端は、拡径部21,21の底面において開口している。
本実施形態では、シース管6として、スパイラルシース管を使用するが、シース管6はこれに限定されるものではない。また、緊張材挿入孔20を形成する管材はシース管6に限定されるものではない。また、緊張材挿入孔20(一般部22)は、必ずしも管材を利用して形成する必要はない。
拡径部21は、一般部22よりも大きな内径を有しているとともにシール材5の長さL以上の奥行き(深さ)tを有している。拡径部21の断面形状は限定されないが、本実施形態では断面円形とする。
本実施形態の拡径部21は、梁本体2の製造時に円柱状の型枠を配設しておくことにより形成されている。なお、拡径部21の形成方法は限定されるものではなく、例えば、梁本体2の端部に筒状部材を配設することにより形成してもよい。
緊張材3は、梁本体2にプレストレスを導入するための部材であって、図1に示すように、梁本体2の断面下側の緊張材挿入孔20に挿入されている。
本実施形態では、緊張材3として高強度鉄筋を使用するが、緊張材3を構成する材料は限定されない。例えばPC鋼棒やPC鋼より線を使用してもよい。
緊張材3は、緊張材挿入孔20内に充填された充填材4を介して梁本体2に定着されている。
充填材4は、緊張材3と緊張材挿入孔20との隙間に充填されている。充填材4が固化することで、緊張材3が緊張材挿入孔20内に定着する。
充填材4は、シール材5,5同士の間(緊張材挿入孔20が有底の場合は、シール材5と緊張材挿入孔20の底面との間)の空間(一般部22)および拡径部21,21内に充填されている。
本実施形態では充填材4としてグラウト(モルタル)を使用するが、充填材4を構成する材料は、固化して緊張材3とシース管6(緊張材挿入孔20)とを接合する強度を有するものであればよい。これにより、緊張材3の緊張力が、付着力によって、グラウトとシース管6を介して梁本体2のコンクリートに導入される。
シール材5は、シース管6の両端(緊張材挿入孔20の両端部)において、緊張材挿入孔20の内壁面と緊張材3との隙間を遮蔽している。
シール材5を構成する材料は、充填材4の流出を防止することが可能であれば限定されるものではないが、本実施形態では樹脂製の材料を使用する。
本実施形態のプレストレスト部材の製造方法は、コンクリート部材製造工程と、緊張準備工程と、シール工程と、定着板設置工程と、緊張工程と、圧縮工程と、充填工程と、定着工程とを備えている。
コンクリート部材製造工程は、シース管6が埋設された梁本体2(図1の(a)参照)を構築する工程である。
梁本体2は、シース管6が配設された図示しない型枠内にコンクリートを打設することにより構築する。
梁本体2の端面に配設される型枠には、円柱状の突出部分が形成されていて、拡径部21の形成が可能に構成されている。
コンクリートに所定の強度が発現したら脱型する。
緊張準備工程は、図1の(a)に示すように、梁本体2に形成された緊張材挿入孔20に緊張材3を挿通する工程である。
緊張材3の両端は、梁本体2の両端から突出させる。緊張材3は、一方の端部のみを梁本体2から突出させておき、他方の端部は梁本体2に直接定着させておいてもよい。
なお、緊張材3は、コンクリート打設前にシース管6に挿入しておいてもよい。つまり、予め緊張材3が挿入されたシース管6を型枠に配設してもよいし、型枠内に設置されたシース管6に緊張材3を挿入した後、コンクリートを打設してもよい。
シール工程は、シース管6の端部において、緊張材挿入孔20の内面と緊張材3との隙間をシール材5で遮蔽する工程である。
シール材5は、図2の(a)に示すように、拡径部21に面した状態で設置する。
なお、シール材5の長さLは、想定される緊張材3の伸びひずみεに緊張材3の長さL(図1の(a)参照)を乗じた値以上とする(式1参照)。なお、伸びひずみεは、緊張材3に作用させる緊張力によって発生するひずみである。
≧ε・L (式1)
定着板設置工程は、図1の(b)に示すように、梁本体2の端面に仮定着板7を設置する工程である。
仮定着板7には図示しない貫通孔が形成されている。
一方の仮定着板7は、その貫通孔に緊張材3の一端を挿通した状態で、梁本体2の一方の端面に設置する。
緊張材3の他端は、他方の仮定着板7から突出した部分に螺着したナット71により他方の仮定着板7に固定する。なお、緊張材3の他端は、梁本体2に直接定着させておいてもよい。
緊張工程は、緊張材3に緊張力を導入する工程である。
緊張材3への緊張力の導入は、図1(b)に示すように、緊張材3の一端側に設置されたプレストレス導入用ジャッキ(以下、単に「ジャッキ8」という)により行う。
なお、ジャッキ8と一方の仮定着板7との間には、ジャッキチェア81を介設し、ジャッキ8と緊張材3の一端は、カプラー82を介して接続する。
ジャッキ反力は、ジャッキチェア81および仮定着板7を介して梁本体2に作用させる。
ジャッキ8により緊張材3に所定の緊張力を導入したら、ナット71を締め付けて、ナット71を仮定着板7に密着させる。
なお、緊張材3への緊張力の導入方法は限定されない。
圧縮工程は、仮定着板7を介して梁本体2にプレストレスを導入する工程である。
梁本体2へのプレストレスの導入は、ジャッキ8による荷重を徐荷するとともに、カプラー82を取り外して、緊張材3の緊張力を開放することにより行う。
緊張材3の緊張力を開放すると、梁本体2には仮定着板7を介して圧縮力が導入される。そのため、梁本体2には、全長にわたってプレストレスが導入される。
充填工程は、図1の(c)に示すように、緊張材挿入孔20内に充填材4を充填する工程である。
充填材4は、シール材5,5同士の間の空間(一般部22)に充填する。
本実施形態では、梁本体2に予め形成しておいた注入孔(図示せず)から充填材4を圧入する。なお、充填材4の注入方法は限定されない。
定着工程は、緊張材3を梁本体2に定着させる工程である。
充填材4に十分な強度が発現し、緊張材3が梁本体2に定着したら、図1の(d)に示すように、仮定着板7を撤去する。
仮定着板7を撤去したら、拡径部21内において緊張材3の端部を切断し、拡径部21に充填材4を充填する。
なお、緊張材3の端部は、必ずしも拡径部21内において切断する必要はない。例えば、緊張材3を接合筋として使用する場合には、緊張材3の端部を梁本体2の端面から突出させておいてもよい。
以上、本実施形態のプレストレスト部材の製造方法およびPCa梁によれば、シール材5の長さLよりも大きな奥行きtを有した拡径部21が形成されているため、緊張工程においてシール材5が破損することを防止することができる。
すなわち、緊張材3に緊張力を導入した際に、緊張材3とともに伸張するシール材5は、図2の(b)に示すように、せん断変形が拘束されることなく拡径部21に入り込む。拡径部21は、シール材5が設けられた一般部22よりも大きな内径を有しているため、シール材5が他の部材に接触することはなく、したがって、シール材5に破損することが防止されている。
また、シール材5の長さLは、緊張力を導入することにより伸張する緊張材3の長さに応じて設定されているため、緊張工程における緊張材の伸張によりシール材5が破損することもない。
ゆえに、本実施形態のプレストレスト部材の製造方法およびPCa梁によれば、シール材5の破損に起因する充填材4の漏出を防止することができる。
充填材4の漏出が防止されているため、仮定着板7およびナット71が、充填材4と固定されて、撤去不能になることもない。
また、PCa梁1の端面に定着具(仮定着板7等)が残置されないため、PCa梁1を架設する際に、取り付けや配筋の妨げとなる部材がない。そのため、架設作業を容易に行うことが可能となる。
また、緊張材3の端部は、拡径部21(緊張材挿入孔20)内に納められており、さらに拡径部21内には充填材4が充填されているため、防錆処理等を行う必要がなく、施工性に優れている。
本実施形態の本実施形態のプレストレスト部材の製造方法によれば、大掛かりなプレテンション装置を必要としないため、作業スペースの限られた工事現場等においても、高品質なプレストレスト部材を製造することができる。
また、仮定着板7、ナット71、ジャッキ8、ジャッキチェア81、カプラー82等を、他のPCa梁の製造時に転用することが可能なため経済的である。
<第二の実施形態>
第二の実施形態のプレストレストコンクリート梁(以下、単に「PCa梁」という)1は、図3に示すように、梁本体2と、緊張材3と、充填材4と、シール材5を備えて構成されている。
梁本体2は、鉄筋コンクリート製の部材(コンクリート部材)であって、断面矩形に形成されている。
なお、梁本体2の断面形状や各種寸法は限定されず、適宜設定することが可能である。
梁本体2の断面下側には長手方向に沿って緊張材挿入孔20が貫通している。
緊張材挿入孔20は、図4に示すように、梁本体2の軸方向に沿って配管されたシース管6により形成されている。
本実施形態では、緊張材挿入孔20が梁本体2を貫通している場合について説明するが、緊張材挿通孔20は必ずしも梁本体2を貫通している必要はなく、有底であってもよい。
また、緊張材挿入孔20の形成箇所は梁本体2の断面下側に限定されるものではなく、例えば、梁本体2の断面中央であってもよい。
シース管6の外面は、梁本体2(コンクリート)に一体に密着している。シース管6の両端は梁本体2の端面において開口している。
本実施形態では、シース管6として、スパイラルシース管を使用するが、シース管6はこれに限定されるものではない。また、緊張材挿入孔20を形成する管材はシース管6に限定されるものではない。また、緊張材挿入孔20は、必ずしも管材を利用して形成する必要はない。
緊張材3は、梁本体2にプレストレスを導入するための部材であって、図3に示すように、梁本体2の断面下側の緊張材挿入孔20に挿入されている。
なお、この他の緊張材3の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
充填材4は、緊張材挿入孔20内において、シール材5,5同士の間(緊張材挿入孔20が有底の場合は、シール材5と緊張材挿入孔20の底面との間)の空間に充填されている。なお、この他の充填材4の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
シール材5は、シース管6の両端(緊張材挿入孔20の両端部)において、緊張材挿入孔20の内壁面と緊張材3との隙間を遮蔽している。この他のシール材5の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
本実施形態のプレストレスト部材の製造方法は、コンクリート部材製造工程と、緊張準備工程と、シール工程と、定着板設置工程と、緊張工程と、圧縮工程と、充填工程と、定着工程とを備えている。
コンクリート部材製造工程は、シース管6が埋設された梁本体2(図1の(a)参照)を構築する工程である。
梁本体2は、シース管6が配設された図示しない型枠内にコンクリートを打設することにより構築する。
緊張準備工程は、図3の(a)に示すように、梁本体2に形成された緊張材挿入孔20に緊張材3を挿通する工程である。
なお、緊張準備工程の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
シール工程は、シース管6(緊張材挿入孔20)の端部において緊張材挿入孔20の内面と緊張材3との隙間をシール材5で遮蔽する工程である。
シール材5は、図4の(a)に示すように、梁本体2の端面に面した状態で設置する。
なお、シール材5の長さLは、想定される緊張材3の伸びひずみεに緊張材3の長さL(図1の(b)参照)を乗じた値以上とする(式1参照)。なお、伸びひずみεは、緊張材3に作用させる緊張力により発生するひずみである。
≧ε・L (式1)
定着板設置工程は、図3の(b)に示すように、梁本体2の端面に仮定着板(第一仮定着板7a,第二仮定着板7b)を設置する工程である。
梁本体2の一方の端面に設置される第一仮定着板7aには、貫通孔72が形成されている。
第一仮定着板7aは、貫通孔72に緊張材3の一端を挿通した状態で、梁本体2の一方の端面に設置する。
第二仮定着板7bは、貫通孔(図示せず)に緊張材3の他端を挿通した状態で、梁本体2の他方の端面に設置する。緊張材3の他端は、ナット71により第二仮定着板7bに固定する。なお、緊張材3の他端は、梁本体2に直接定着させておいてもよい。
第一仮定着板7aは、シール材5の長さL以上の厚さtを有している。また、第一仮定着板7aの貫通孔72の内径は、緊張材挿入孔20の内径よりも大きい。
梁本体2の他方の端面に設置された仮定着板7bの詳細は、第一の実施形態で示した仮定着板7と同様なため、詳細な説明は省略する。
緊張工程および充填工程の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する(図3の(b)および(c)参照)。
定着工程は、緊張材3を梁本体2に定着させる工程である。
充填材4に十分な強度が発現し、緊張材3が梁本体2に定着したら、図3の(d)に示すように、仮定着板7a,7bを撤去する。
本実施形態では、緊張材3の端部を梁本体2の端面から突出させておき、接合筋として使用する。なお、緊張材3の端部は切断してもよい。
以上、本実施形態のプレストレスト部材の製造方法およびPCa梁によれば、第一仮定着板7aに、シール材5の長さLよりも大きな奥行きtを有した貫通孔72が形成されているため、緊張工程においてシール材5が破損することを防止することができる。
すなわち、緊張材3に緊張力を導入した際に、緊張材3とともに伸張するシール材5は、図4に(b)に示すように、せん断変形が拘束されることなく貫通孔72に入り込む。貫通孔72は、シール材5が設けられた緊張材挿入孔20よりも大きな内径を有しているため、シール材5が他の部材に接触することはなく、したがって、シール材5が破損することが防止されている。
そのため、第一の実施形態のプレストレスト部材の製造方法およびPCa梁と同様に、シール材5の破損に起因する充填材4の漏出を防止することができる。
また、充填材4の漏出が防止されているため、仮定着板7およびナット71(定着具)が、充填材4と固定されて、撤去不能になることもない。
本実施形態のプレストレスト部材の製造方法によれば、大掛かりなプレテンション装置を必要としないため、作業スペースの限られた工事現場等においても、高品質なプレストレスト部材を製造することができる。
また、仮定着板7、ナット71、ジャッキ8、ジャッキチェア81、カプラー82等を、他のPCa梁の製造時に転用することが可能なため経済的である。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、プレストレスト部材の製造方法により梁を製造する場合について説明したが、プレストレスト部材の製造方法により製造可能なコンクリート部材は梁に限定されるものではない。例えば床版や柱等の製造に採用してもよい。
前記各実施形態では、シール材の長さを、緊張材の伸張長さに応じて設定したが、シール材の長さの設定方法は限定されない。例えば、シール材の長さを、緊張材挿入孔と緊張材との隙間の大きさに応じて設定してもよい。
前記各実施形態では、シース管を配管することにより緊張材挿入孔を形成したが、緊張材挿入孔の形成方法は限定されない。例えば、溶融あるいは破砕可能な緊張材挿入孔用の型枠を配設してコンクリート部材を形成した後、脱型時に緊張材挿入孔用の型枠を溶融あるいは破砕させて撤去することで緊張材挿入孔を形成してもよい。
1 PCa梁(プレストレスト部材)
2 梁本体(コンクリート部材)
20 緊張材挿入孔
21 拡径部
22 一般部
3 緊張材
4 充填材
5 シール材
6 シース管
7 仮定着板
7a,7b 仮定着板
71 ナット
72 貫通孔
8 ジャッキ
81 ジャッキチェア
82 カプラー

Claims (2)

  1. シース管が配設された型枠内にコンクリートを打設してコンクリート部材を構築する工程と、
    前記シース管に緊張材を挿通する工程と、
    前記シース管の両端において当該シース管の内面と前記緊張材との隙間をシール材で遮蔽する工程と、
    前記緊張材の一端を仮定着板に挿通するとともに前記コンクリート部材の端面に前記仮定着板を設置する工程と、
    前記緊張材の一端側に設置されたジャッキにより当該緊張材に緊張力を導入する工程と、
    前記緊張材に螺着したナットを前記仮定着板に密着させるとともに、前記ジャッキによる荷重を徐荷することで前記仮定着板を介して前記コンクリート部材にプレストレスを導入する工程と、
    前記シース管内に充填材を充填する工程と、を備えるプレストレスト部材の製造方法であって、
    前記コンクリート部材の端面に配設される型枠には、前記シール材の長さ以上の長さを有した円柱状の突出部分が形成されていて、当該突出部分により前記シース管と連続する拡径部を形成し、
    前記ジャッキと前記仮定着板との間にはジャッキチェアが介設されており、
    前記緊張材の端部を前記拡径部の内部において切断した後、当該拡径部に充填材を充填することを特徴とする、プレストレスト部材の製造方法。
  2. 前記シール材の長さが、想定される前記緊張材の伸びひずみに前記緊張材の長さを乗じた値以上であることを特徴とする、請求項1に記載のプレストレスト部材の製造方法。
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