JP2619789B2 - プレストレストコンクリート舗装におけるfrp緊張材の定着方法 - Google Patents

プレストレストコンクリート舗装におけるfrp緊張材の定着方法

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JP2619789B2
JP2619789B2 JP5144340A JP14434093A JP2619789B2 JP 2619789 B2 JP2619789 B2 JP 2619789B2 JP 5144340 A JP5144340 A JP 5144340A JP 14434093 A JP14434093 A JP 14434093A JP 2619789 B2 JP2619789 B2 JP 2619789B2
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好高 八谷
修一 早田
忠 片山
晴雄 犬飼
一壽 中橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプレストレストコンクリ
ート(以下PCと記す)緊張材として繊維強化プラスチ
ック(以下FRPと記す)を使用したPC舗装における
FRP緊張材の定着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐蝕性の問題を解決する目的か
ら、PC緊張材としてFRP線材を使用するPC構造物
が提案されている。この種のPC構造物におけるFRP
緊張材の端部定着は、従来、図5に示すようにFRP緊
張材1の端部を外周に雄ねじを刻設した円柱状のアンカ
ーヘッド2に挿通し、そのアンカーヘッド2内に楔によ
りFRP緊張材1を定着させ、該アンカーヘッド2をジ
ャッキにより引張して緊張力を付与した後、アンカーヘ
ッド2に螺嵌したナット3を移動させてコンクリート版
4の端部の支圧板5に当接させて支持させ、これらを跡
埋コンクリート6をもって埋めるようにしたものが一般
的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のFRP
緊張材の端部定着具は、全て鋼製のものが使用されてい
るところであるが、PC緊張材にFRPからなる耐蝕
性、及び非磁性の材料を使用する場合には、定着具にも
耐蝕性、非磁性のものを使用することが好ましい。
【0004】このため、従来の定着具を高マンガン鋼
や、セラミックス等の耐蝕性、非(又は低)磁性材料を
もって成形することも考えられるが、技術的に製造が困
難であることや、高価であることから未だ実用化されて
なく、従って、PC舗装全体の耐蝕性化、非磁性化がで
きないという問題があった。
【0005】本発明は、上述のような従来の問題にかん
がみ、FRP緊張材を用いたPC舗装の完全な耐蝕性
化、非磁性化を図ることを目的してなされたものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の如き従来の問題を
解決するための本発明の特徴は、打設されたコンクリー
ト舗装版に埋設されているシース内のFRP緊張材の端
部を仮止め用定着具に定着させて緊張した後、前記シー
ス内に付着性を有するグラウトを注入し、該グラウトの
定着強度の発現を待って前記仮止め用定着具を除去する
プレストレストコンクリート舗装におけるFRP緊張材
の定着方法において、前記シースの端部の一定長さに高
接着強度のグラウトを充填し、他の部分には、これより
接着強度の低いグラウトを充填することをにある。
【0007】
【作用】本発明の定着方法では、仮止め用定着具には従
来使用されている鋼製のものを使用し、ジャッキにより
FRP緊張材に所定の緊張力を与える。次いでシース内
にグラウトを注入し、固化させることによりFRP緊張
材とコンクリートとがグラウトを介して一体化される。
この状態で仮止め用定着具を除去することにより緊張力
は固化したグラウトを介してコンクリートに伝えられ、
プレストレス導入状態が維持される。シース端部の一定
長さに高接着強度のグラウトを充填し、他の部分にはこ
れより接着強度の低いグラウトを充填して、シース端部
におけるFRP緊張材とコンクリートとの一体化を特に
強化する。
【0008】
【実施例】次に本発明の実施例を図面について説明す
る。
【0009】図1〜図4は本発明の一実施例を示してい
る。
【0010】図において、10はコンクリート舗装版、
11はコンクリート舗装版10のコンクリート打設時に
埋設したシース、12はシース11内に挿通したFRP
緊張材である。シース11は両端に拡径シース11a,
11aを連結している。この拡径シース11aはFRP
緊張材12の付着に必要な長さのものを使用する。
【0011】シース11,11aに通したFRP緊張材
12は一端側を固定側とし、他端側を緊張側とし、その
両端を仮定着させる。図中13は固定側の仮止め用定着
具を示しており、この仮止め用定着具13は、図2に示
すようにアンカーヘッド14、定着楔15、リテーナ1
6、ロックナット17から構成されている。アンカーヘ
ッド14内には、両端面に連通開口して複数の緊張材挿
通用のテーパ孔18が設けられている。この各テーパ孔
18内には、半割筒状の定着楔15が挿入されており、
その定着楔15内にFRP緊張材12が挿通され、リテ
ーナ16によって定着楔15をテーパ孔18内に押し込
むことによりFRP緊張材12を締め付けて抜け止めし
ている。リテーナ16は、ボルト19によってアンカー
ヘッド14の端面に押し当てられるようになっている。
またロックナット17は、アンカーヘッド14の外周に
螺嵌され、端面が舗装版10の端面の支圧板20に当接
させている。
【0012】一方、緊張側の仮定着は、仮止め用定着具
13と同じアンカーヘッド14,定着楔15及びリテー
ナ16を使用してアンカーヘッド14内にFRP緊張材
12を固定し、そのアンカーヘッド14の外周にカプラ
ー24を介してテンションバー25を連結し、このテン
ションバー25を仮緊張梁21に貫通させ、仮止ナット
26を持って抜け止めさせている。仮緊張梁21は、コ
ンクリート舗装版10に対しスペーサ22を介して支持
させている。
【0013】このようにしてFRP緊張材12を仮定着
させた後、緊張側からジャッキ23により緊張する。こ
の緊張に際しては、図3に示すように仮緊張梁21にセ
ンターホールジャッキ23を支持させ、テンションバー
25をジャッキ23をもって引張させることによりFR
P緊張材12を緊張させるようにしている。このように
して引張の後、仮止ナット26を仮緊張梁21に当接す
るまで移動させて仮止し、ジャッキ23を取り外す。
【0014】各FRP緊張材12,12……を順次緊張
した後、図3に示すようにシース11a内に高接着性グ
ラウト27を注入する。グラウト27には一例として、
ポルトランドセメントに膨脹材、及び増粘材を加えたも
の、またはポルトランドセンメトに膨脹材、シリカヒュ
ーム、及び珪砂を加えたものを使用する。なおこの場
合、両端部に拡径シース11aの奥部に仕切り30を設
けておき、図4に示すように拡径シース11a内には付
着強度の高い高接着性グラウト27を注入し、中央部分
11b内には通常の流動性の良い低価格のグラウト31
を使用する。このようにして高接着性グラウト27を注
入し、固化させることにより両端部の拡径シース11a
内に端ブロック28が形成されることとなる。グラウト
注入後、該グラウトが固化して所定の強度発現を待って
仮定着を解く。これによって舗装版10にはグラウトを
介してFRP緊張材の全長にわたってプレストレスが導
入された状態となる。なお中央部分のグラウト状態が不
充分であっても、端ブロック28によってFRP緊張材
12の両端が支持されるため、プレストレスが不充分に
なることはない。
【0015】次いで両端の仮止め用定着具13を取り外
し、図4に示すようにFRP緊張材12の突出部分を切
断する。
【0016】
【発明の効果】上述したように本発明のFRP緊張材の
定着方法によれば、FRP緊張材を緊張して仮止め用定
着具により仮定着した後、グラウトにより定着させるよ
うにしたことにより、金属製の定着具が全く不要にな
り、完全な防錆及び非磁性のPC舗装が得られるもので
あり、シースの端部の一定長さに高強度のグラウトを充
填し、他の部分にこれより強度の低い通常のクラウトを
充填することにより、端部の定着性を低下させずに、高
価な高強度クラウトの使用量を少なくでき、経済的であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法におけるFRP緊張作業状態の平面
図である。
【図2】同上のFRP緊張材の仮定着状態を示す拡大断
面図である。
【図3】同上の緊張作業状態を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の完成状態を示す断面図である。
【図5】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 コンクリート 11 シース 11a 拡径シース 12 FRP緊張材 13 仮止め用定着具 14 アンカーヘッド 15 定着楔 16 リテーナ 17 ロックナット 18 テーパ孔 19 ボルト 20 支圧板 21 仮緊張梁 22 スペーサ 23 センターホールジャッキ 24 カプラー 25 テンションバー 26 仮止めナット 27,高接着性グラウト 28 端ブロック 30 仕切り 31 グラウト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 000237134 株式会社富士ピー・エス 福岡県福岡市中央区天神2丁目12番1号 天神ビル内 (73)特許権者 591030178 ドーピー建設工業株式会社 東京都豊島区北大塚1丁目16番6号 (73)特許権者 000230973 日本工営株式会社 東京都千代田区麹町5丁目4番地 (72)発明者 福手 勤 神奈川県横浜市港南区野庭634−1−166 (72)発明者 八谷 好高 神奈川県横須賀市久里浜6−10−2− 404 (72)発明者 早田 修一 神奈川県横浜市神奈川区沢渡58 (72)発明者 片山 忠 東京都品川区東品川3−32−29 (72)発明者 犬飼 晴雄 神奈川県横浜市瀬谷区阿久和町3559−17 (72)発明者 中橋 一壽 東京都小金井市梶野町3−11−11 OK K小金井寮内 (56)参考文献 特開 昭62−125141(JP,A) 特開 平4−7444(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 打設されたコンクリート舗装版に埋設さ
    れているシース内のFRP緊張材の端部を仮止め用定着
    具に定着させて緊張した後、前記シース内に付着性を有
    するグラウトを注入し、該グラウトの定着強度の発現を
    待って前記仮止め用定着具を除去するプレストレストコ
    ンクリート舗装におけるFRP緊張材の定着方法におい
    て、前記シースの端部の一定長さに高接着強度のグラウ
    トを充填し、他の部分には、これより接着強度の低いグ
    ラウトを充填することを特徴としてなるプレストレスト
    コンクリート舗装におけるFRP緊張材の定着方法。
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