JP6434304B2 - 漂流物捕捉柵 - Google Patents

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本発明は、津波や洪水等に伴い流出する流木や瓦礫等の漂流物を捕捉することで、当該漂流物による建造物の破壊や人的被害を防止する上で好適な漂流物捕捉柵に関する。
津波や洪水等が発生した場合には、これらに伴い流出する流木、家屋等の瓦礫、車両、船舶の漂流物が漂流する場合がある。特に津波や洪水の波力に加えてこのような漂流物による衝突力が加わると、他の建造物への破壊力が何倍にも及ぶ場合もある。このため、このような漂流物が津波等にのって他の建造物に来襲した場合には、かかる漂流物の衝突による被害も増大し、また人的被害も拡大する虞もある。
従って、津波や洪水を防止するための技術に加えて、このような津波等に伴い流出する漂流物を捕捉することで被害の拡大を防ぐ技術が従来より望まれていた。
ちなみに、このような津波等に伴う漂流物を捕捉する技術として、例えば特許文献1の開示技術が提案されている。この特許文献1における図46には、支柱間にワイヤを架設することにより防護索条を堤防の上に設置する技術が開示されている。このとき、主防護索条と、予防護索条とを当該堤防の上に2列に亘り設けることにより、津波による激しい浮揚力を伴って襲ってくる漂流物を本来の主防護索条によって受担される前に、先ず予防護索条によって減衰的に受け止めることができる。
また、特許文献1における図4には、複数本の離間したポール間にショックアブソーバを介してメッシュを張る技術が開示されている。このメッシュを介して漂流物を緩衝的にて受けながら減衰化させることを期待したものである。
更に特許文献1における図85には、石油タンク等を始めとした保護対象物を津波や漂流物の襲来から防ぐために、当該保護対象物の津波襲来想定側に多数本の杭と、この杭間に弛ませた多段からなる防護索条材とを備えた捕捉柵が開示されている。また、当該保護対象物の周囲には、同様に多数本の杭と、杭間に弛ませたワイヤ状の防護索条材とを備えた捕捉柵を更に設けることで、前後2段階の防護を図ることとしている。
特開2005−315058号公報
ところで、特許文献1の開示技術は、支柱に貫通孔を設け、当該貫通孔にワイヤ状の索条材を貫通させることにより固定する構成としている。特に支柱が鋼管柱である場合には、その貫通孔を介して鋼管柱内部に外気が入り込むケースが多くなる。その結果、鋼管柱内部において腐食が進展するため、鋼管柱自体が脆くなってしまう。脆くなった鋼管柱に漂流物が直接衝突した場合には、その衝突に伴うエネルギーを吸収することができないばかりか、索条材に漂流物が衝突した場合においてもこれを鋼管柱を介して支持することができなくなってしまう。
特にこの特許文献1の開示技術によれば、何れも堤防の上又はその近傍に設置される場合が多いため、当然に海側からの風や海水にさらされる機会も多い。このため、比較的腐食が発生しやすい環境に設置される場合が多いが、鋼管柱の外側面においては、表面において防食処理や塗装を施すことである程度腐食を食い止めることができる。しかしながら鋼管柱内部にまでこのような防食処理等を施すこととなれば、製造労力の負担が増大し、製造コストの増大も招くこととなる。このため鋼管柱内部について、防食処理等を施すことなく腐食の発生を抑えることが可能な技術が従前から望まれていた。
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、津波や洪水等に伴い流出する流木や瓦礫等の漂流物を捕捉することで、当該漂流物によるタンク等の保護対象物の破壊や人的被害を防止できる漂流物捕捉柵において、鋼管柱内部について、防食処理等を施すことなく腐食の発生を抑えることで、鋼管柱が脆化するのを長期に亘り防止することができ、ひいては漂流物の捕捉性能を長期に亘り発揮させることが可能な漂流物捕捉柵を提供することにある。
本発明に係る漂流物捕捉柵は、互いに対向するように第1貫通孔、第2貫通孔を鋼管柱に設け、第1貫通孔間に第1鞘管を、第2貫通孔間に第2鞘管を互いに平面視で交差するようにそれぞれ架設し、第1鞘管及び第2鞘管に対して各貫通孔を介してそれぞれワイヤロープを挿通させることにより、上述した課題の解決を図るものである。
即ち、請求項1記載の漂流物捕捉柵は、間隔を空けて立設される鋼管柱間にワイヤロープを架設させた漂流物捕捉柵であって、上記鋼管柱は、互いに対向するように設けられた第1貫通孔と、上記第1貫通孔間に架設された第1鞘管と、上記第1貫通孔と重複しない高さにおいて互いに対向するように設けられた第2貫通孔と、上記第2貫通孔間に架設された第2鞘管とを有し、上記第1鞘管及び上記第2鞘管は、互いに平面視で交差するように配設され、上記各貫通孔を介してそれぞれ上記ワイヤロープが挿通されており、上記第1鞘管及び上記第2鞘管は、その端部が上記各貫通孔に対して隙間無く固着されていることを特徴する。
請求項記載の漂流物捕捉柵は、請求項1記載の発明において、上記第1鞘管又は上記第2鞘管から上記各貫通孔を介して上記鋼管柱の外側に突出されたワイヤロープの終端が締結部材を介して締結されていることを特徴とする。
請求項記載の漂流物捕捉柵は、請求項1又は2記載の発明において、上記第1鞘管と上記第2鞘管とは、互いに平面視で直交するように配設されていることを特徴とする。
請求項記載の漂流物捕捉柵は、請求項1〜のうち何れか1項記載の発明において、上記第1鞘管と上記第2鞘管とは、互いに離間されていることを特徴とする。
請求項記載の漂流物捕捉柵は、請求項1〜のうち何れか1項記載の発明において、上記第1鞘管及び上記第2鞘管は、金属製であることを特徴とする。
上述した構成からなる本発明によれば、津波や洪水による水流についてワイヤロープ間を通過させるため、洪水による波力により漂流物捕捉柵全体に衝撃やダメージが加わるのを防止することができる。
これに加えて本発明によれば、津波や洪水等が発生した場合に、漂流物が襲来してきた場合においても、ワイヤロープにより、これを堰き止めることが可能となる。その結果、漂流物は、この漂流物捕捉柵におけるワイヤロープを乗り越えることなく捕捉することが可能となる。そして、周囲をこの漂流物捕捉柵により囲まれた建造物に対して漂流物が衝突するのを防止することができ、ひいては建造物の損傷及び破壊や、これに伴う人的被害を防止することが可能となる。
また、本発明によれば、第1貫通孔が鋼管柱の側壁に開削されているが、この第1貫通孔には上述したように第1鞘管が連続するように取り付けられている。特に第1鞘管の端部周囲が第1貫通孔に対して溶接により隙間無く固着されている場合には、鋼管柱の内部が第1貫通孔と完全に遮蔽されている。これにより、鋼管柱の内部に対して第1貫通孔から外気が入り込むのを防止できるため、鋼管柱の内壁に直接外気に接触することがなくなる。その結果、鋼管柱内部において腐食が進展することが無くなり、鋼管柱自体が脆くなることを防止することが可能となる。従って、鋼管柱に漂流物が直接衝突した場合であっても、その衝突に伴うエネルギーを吸収することが可能となる。
第2貫通孔についても同様に第2鞘管が連続するように取り付けられているため、当該第2貫通孔から鋼管柱の内部に直接外気が接触することも無くなり、鋼管柱内部において腐食が進展することが無くなる。
従って、本発明によれば、堤防の上又はその近傍に設置され、海側からの風や海水にさらされ、比較的腐食が発生しやすい環境に設置される場合であっても、鋼管柱の内部にまでこのような防食処理等を施す必要がなくなる。このため、製造労力の負担軽減、製造コストの抑制を図ることが可能となる。また本発明によれば、鋼管柱が脆化するのを長期に亘り防止することができ、ひいては漂流物の捕捉性能を長期に亘り発揮させることが可能となる。
本発明を適用した漂流物捕捉柵を実際に配設する例を示す斜視図である。 本発明を適用した漂流物捕捉柵の正面図である。 本発明を適用した漂流物捕捉柵の平断面図である。 本発明に係る漂流物捕捉柵において鋼管柱のみを拡大表示した側断面図 本発明に係る漂流物捕捉柵において鋼管柱のみを拡大表示した平断面図である。 本発明に係る漂流物捕捉柵において鋼管柱のみを拡大表示した斜視図である。 第1貫通孔及びこれらに架設される第1鞘管のみを設けた鋼管柱の例を示す図である。 ワイヤロープの詳細な構成について説明するための図である。 ワイヤロープの端部を実際に鋼管柱に固定する方法について説明するための図である。 ワイヤロープを鋼管柱に固定する例について説明するための図である。 ワイヤロープを鋼管柱に固定する他の例について説明するための図である。 ワイヤロープに取り付けられる間隔保持材の構成例について示す図である。 ワイヤロープにメッシュを取り付ける例を示す図である。
以下、本発明を適用した漂流物捕捉柵の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した漂流物捕捉柵1の斜視図であり、図2は、その正面図であり、図3は、その平断面図を示している。漂流物捕捉柵1は、津波や洪水等に伴い流出する流木や瓦礫等の漂流物を捕捉することで、例えばタンクや工場、住宅等を初めとした保護対象物を漂流物の襲来から守るために設けられている。このため漂流物捕捉柵1は、いかなる方向からの津波や洪水に対しても対応可能とするため、保護対象物の周囲に隙間無く設けられていてもよい。
漂流物捕捉柵1は、間隔を空けて立設される鋼管柱3と、鋼管柱3の下端に取り付けられる杭4と、鋼管柱3間に複数段に亘り架設されたワイヤロープ41とを備えている。
鋼管柱3は、保護対象物が設置される保護地と、それ以外の非保護地とを隔てるように互いに間隔を空けて複数本に亘り設置される。鋼管柱3は、基部が地盤6に対して略垂直となるように立設され、当該基部から上方に延伸された金属管として構成される。以下、この鋼管柱3は、断面略円形状の管体で構成されている場合を例に挙げて説明をするが、これに限定されるものではなく、その断面形状は矩形状等、いかななる形状で構成されていてもよい。鋼管柱3の表面はめっき加工が施されていてもよい。鋼管柱3が保護地と非保護地とを隔てるように設けられることにより、漂流物捕捉柵1が保護地と非保護地との境界に沿って設けられることとなる。その結果、非保護地から流れてくる漂流物をこの漂流物捕捉柵1を介して捕捉することができれば、当該漂流物が保護地側に流れてしまうのを防止することができる。この鋼管柱3は、その下端が杭4の上端に取り付けられる。
なお、以下に説明する鋼管柱3は、これら複数の鋼管柱3のうち、保護地と非保護地との境界において略垂直方向に折れ曲がるコーナー部分に設置されるものを例にとり説明をする。
図4は、鋼管柱3のみを拡大表示した側断面図であり、図5は、その平断面図であり、図6はその斜視図である。鋼管柱3は、その側面において互いに対向する第1貫通孔35と、互いに対向する第2貫通孔36と、上端に設けられる蓋体31と、第1貫通孔35間に架設される第1鞘管32と、第2貫通孔36間に設けられる第2鞘管33とを有している。
蓋体31は、鋼管柱3の上端から、その内部を遮蔽するために設けられる。この蓋体31は、鋼管柱3の側壁上端との間で例えば溶接等により固着することで取り付けられていてもよい。この蓋体31の外周には下側に向けて折り曲げられた周壁部31aが形成されている場合には、その内径を鋼管柱3の外径よりも径大となるように設計しておく。これにより、蓋体31の周壁部31aの内側に鋼管柱3を挿入するようにして配設することが可能となる。かかる場合においても、周壁部31aと鋼管柱3の側壁とを互いに溶接等により固着させることで、互いに強固に連結することが可能となる。ちなみに蓋体31には上側に向けて吊り下げ部31bを突出させるようにしてよい。これにより、施工時において作業者がクレーンや吊り下げ冶具等を用いて吊り下げ部31bを吊り下げることにより鋼管柱3を吊り上げて移動させたり、施工性を向上させたりすることが可能となる。
第1貫通孔35は、図5に示す平面視においてちょうど鋼管柱3の中心を介して互いに対向するように設けられる。即ち、この対向する2つの第1貫通孔35は、鋼管柱3の中心を介して一直線上に位置するように配設される。この第1貫通孔35は、配設すべきワイヤロープ41の段数に応じて、上下方向に複数段に亘り設けられる。
同様に第2貫通孔36もちょうど鋼管柱3の中心を介して互いに対向するように設けられる。即ち、この対向する2つの第2貫通孔36は、鋼管柱3の中心を介して一直線上に位置するように配設される。この第2貫通孔36は、配設すべきワイヤロープの段数に応じて、上下方向に複数段に亘り設けられる。また第1貫通孔35と第2貫通孔36との高さは、互いに重複しない高さとなるように調整される。更に第1貫通孔35と第2貫通孔36との間における鋼管柱3の周方向の開削位置も互いに重複しないように調整される。
また第1貫通孔35間に架設される第1鞘管32は、金属製の管体とされている。この第1鞘管32の外径は、第1貫通孔35の内径以下とされている。第1鞘管32は、その長さが鋼管柱3の内径よりもやや径大に構成され、その両端が第1貫通孔35に挿入された状態とされる。この第1鞘管32は、鋼管柱3の外径よりも径大とされていてもよく、かかる場合には、鋼管柱3から外側に向けて突出されることとなる。上下段に隣接する第1鞘管32は、互いに平行となるように配設される。上述したように第1貫通孔35は、鋼管柱3の中心を介して一直線上に位置するように配設されているため、これらに挿入される第1鞘管32も鋼管柱3の中心を介して一直線上となるように設けられる。第1貫通孔35に挿通された第1鞘管32の端部は、図5に示すように隅肉溶接141等により第1貫通孔35の内壁に対して固定されることとなる。特に第1鞘管32の端部周囲が第1貫通孔35に対して隅肉溶接141により隙間無く固着されていることにより、鋼管柱3の内部が第1貫通孔35の内部と完全に遮蔽させることが可能となる。これにより、鋼管柱3の内部に対して第1貫通孔35から外気が入り込むのを防止することが可能となる。ちなみに第1貫通孔35から入り込んだ外気は、そのまま第1鞘管32を通り抜けることとなる。
なお、上述した構成からなる第1鞘管32は、第1貫通孔35を介してワイヤロープ41が挿通されることとなる。このとき、第1鞘管32の内径は、ワイヤロープ41の外径よりも径大とされていることにより、ワイヤロープ41が第1鞘管32内において遊嵌状態とされることとなる。
また第2貫通孔36間に架設される第2鞘管33は、金属製の管体とされている。この第2鞘管33の外径は、第2貫通孔36の内径以下とされている。第2鞘管33は、その長さが鋼管柱3の内径よりもやや径大に構成され、その両端が第2貫通孔36に挿入された状態とされる。この第2鞘管33は、鋼管柱3の外径よりも径大とされていてもよく、かかる場合には、鋼管柱3から外側に向けて突出されることとなる。上下段に隣接する第2鞘管33は、互いに平行となるように配設される。上述したように第2貫通孔36は、鋼管柱3の中心を介して一直線上に位置するように配設されているため、これらに挿入される第2鞘管33も鋼管柱3の中心を介して一直線上となるように設けられる。第2貫通孔36に挿通された第2鞘管33の端部も同様に隅肉溶接141等により第2貫通孔36の内壁に対して固定されることとなる。特に第2鞘管33の端部周囲が第2貫通孔36に対して隅肉溶接141により隙間無く固着されていることにより、鋼管柱3の内部が第2貫通孔36の内部と完全に遮蔽させることが可能となる。これにより、鋼管柱3の内部に対して第2貫通孔36から外気が入り込むのを防止することが可能となる。ちなみに第2貫通孔36から入り込んだ外気は、そのまま第2鞘管33を通り抜けることとなる。
なお、上述した構成からなる第2鞘管33は、第2貫通孔36を介してワイヤロープ41が挿通されることとなる。このとき、第2鞘管33の内径は、ワイヤロープ41の外径よりも径大とされていることにより、ワイヤロープ41が第2鞘管33内において遊嵌状態とされることとなる。
また第1鞘管32及び第2鞘管33は、断面円形の管体とされている場合のみならず、断面矩形状の管体とされていてもよい。
第1貫通孔35と第2貫通孔36との高さは、上述したとおり互いに重複しない高さとなるように調整されていることから、これらにそれぞれ挿入される第1鞘管32、第2鞘管33は、互いにぶつかることなく、平面視において交差させることが可能となる。この平面視において交差する第1鞘管32と第2鞘管33とは、互いに当接されていてもよいが、望ましくは互いに離間されている。その理由として、第1貫通孔35と第2貫通孔36の開削位置の誤差が生じた場合に、第1鞘管32と第2鞘管33とが互いにぶつかってしまうこともあることから、製造誤差を吸収するためのクリアランスを確保する必要があるためである。
また第1鞘管32は、上下に隣接する第2鞘管33間に配設され、同様に第2鞘管33は、上下に隣接する第1鞘管32間に配設されている。これにより、鋼管柱3において貫通孔35、36の開削位置が同じ高さに集中することなく分散させることができ、同じ高さで断面欠損が増加することを防ぐことが可能となる。なお、第1鞘管32は、上下に隣接する第2鞘管33間のほぼ中間の高さに配設されているとより望ましく、同様に第2鞘管33は、上下に隣接する第1鞘管32間のほぼ中間の高さに配設されていると更に望ましい。
更に、この第1鞘管32、第2鞘管33は、金属製で構成される場合に限定される者ではなく、例えば樹脂、ゴム、セラミックス等、通気性の無いいかなる材料にて代替されるものであってもよい。かかる場合において、第1貫通孔35、第2貫通孔36に第1鞘管32、第2鞘管33を隙間無く固着する際には、例えば樹脂製の接着剤やコーキング材、粘着テープ等を貫通孔35、36と鞘管32、33との間に設けるようにしてもよい。
また上述した実施の形態では、第1の鞘管32と第2の鞘管33がほぼ直交する鋼管柱3を例に取り説明をしている。かかる鋼管柱3によれば保護地と非保護地との境界が直角に折れ曲がるコーナー部分において適用可能となる。一方、保護地と非保護地との境界が直線状となっている箇所に、この鋼管柱3を設ける場合には、第1貫通孔35及びこれらに架設される第1鞘管32、第2貫通孔36及びこれらに架設される第2鞘管33のうち何れか一方のみが設けられていればよい。図7の例では、第2貫通孔36及びこれらに架設される第2鞘管33の構成を省略し、第1貫通孔35及びこれらに架設される第1鞘管32のみを設けた場合について示している。一方向に向けて延長された各段における第1鞘管32にそれぞれ挿通されたワイヤロープ41が、当該一方向に向けて延長可能となる。
杭4は、少なくともその下端が先細となるように形成されている。この杭4は地盤6に対して下向きに差し込まれてなり、杭4のほぼ上端近傍に至るまで地盤6内に埋設されている。この杭4の上端には、鋼管柱3が取り付けられる。杭4と鋼管柱3との取り付け方法としては、鋼管柱3の径を杭4の径とほぼ同一とすることにより、杭4の上端に鋼管柱3を載置させた状態でこれらを互いに溶接により固着するようにしてもよい。また、鋼管柱3の内径を杭4の外径よりも径大にしておくことにより、鋼管柱3の内部に杭4の上端を挿入することにより固定するようにしてもよい。逆に鋼管柱3の外径を杭4の内径よりも径小となるように構成し、かつ杭4の上端から開口を設けることにより、杭4の開口内部に鋼管柱3の下端を挿入することで固定するようにしてもよい。杭4と鋼管柱3とを互いに取り付ける際には、必要に応じて杭4と鋼管柱3それぞれに図示しないボルト挿通孔を形成させておくことでこれらをボルト接合するようにしてもよい。更にこの杭4は、鋼管柱3と一体化されているもので構成されていてもよい。ちなみに地盤6が土ではなくコンクリート基礎で構成される場合には、杭4をコンクリート基礎に埋設するようにしてもよいし、或いは杭4の構成自体を省略して鋼管柱3の下端をコンクリート基礎中に埋設するようにしてもよい。
ワイヤロープ41は、津波や洪水等に伴い流出する漂流物を捕捉するために設けられる。ワイヤロープ41は、これらが挿通される第1鞘管32、第2鞘管33の段数に応じた複数段で構成されていてもよい。図8は、このワイヤロープ41の詳細な構成を示している。ワイヤロープ41は、PC鋼より線61の周囲に、ポリエチレン樹脂等からなる被覆材62を被覆することで構成されている。ワイヤロープ41の両端は、保護チューブ63に挿入されて固定される。この保護チューブ63は、少なくともその外周が金属製で構成されており、その表面にはネジ部63aが形成されている。
ワイヤロープ41の端部を実際に鋼管柱3に固定する場合には、図9に示すように、保護チューブ63を、第1鞘管32を介して第1貫通孔35から鋼管柱3の外側へ突出させる。保護チューブ63における鋼管柱3の外側から突出された部位については、アンカープレート73が挿嵌され、さらにこの保護チューブ63に形成されたネジ部63aにはナット72が螺着される。これにより、ワイヤロープ41は、この螺着されたナット72を介して鋼管柱3に強固に固定されることとなる。これらナット72及び保護チューブ63については、キャップ74を被せるようにしてもよい。キャップ74は、例えば樹脂製等で構成されており、ナット72や保護チューブ63を被覆することにより、外観をより向上させることができる。
また、ワイヤロープ41における端部以外においては、図10に示すように特に第1貫通孔35の近傍において養生パイプ76が被覆されている。そして、この養生パイプ76と第1鞘管32との間には、パッキン71が介装されている。
養生パイプ76は、樹脂製のパイプで構成され、中央に形成された貫通孔にワイヤロープ41を挿通可能としている。ちなみに、この養生パイプ76は、ワイヤロープ41に対して粘着テープ等により取り付けられていてもよい。パッキン71は、例えばスポンジ等の弾性材で構成されている。パッキン71は、第1鞘管32とワイヤロープ41との間における近接離間する方向に向けて弾性収縮自在に構成されている。これにより、ワイヤロープ41が第1鞘管32に対して近接離間する方向への移動、揺れを、このパッキン71による弾性収縮を介して吸収することが可能となる。
なお、鋼管柱3における第2鞘管33に対するワイヤロープ41への取り付け方法についても、第1鞘管32への取り付け方法と同様である。
また、ワイヤロープ41の鋼管柱3への取り付け方法は、上述した実施の形態に限定されるものではない。鋼管柱3の外側に突出されたワイヤロープ41の終端が、ナット72以外の他のいかなる締結部材を介して締結されていてもよい。
図11は、保護地と非保護地との境界が直線状となっている箇所に設けられた鋼管柱3に、ワイヤロープ41を取り付ける例を示している。ワイヤロープ41における第1貫通孔35の近傍に当たる2箇所について養生パイプ76を被覆させ、養生パイプ76と第1鞘管32との間にパッキン71を介装させている。
なお、本発明を適用した漂流物捕捉柵1においては、上述した構成に加え、更に間隔保持材91をワイヤロープ41に取り付けるようにしてもよい。この間隔保持材91は、図12に示すように、溝部93が側方から複数段に亘り形成されている。この溝部93の高さ及び間隔は、ワイヤロープ41の高さ及び間隔に対応させたものとなっている。この溝部93に、ワイヤロープ41が嵌め込まれる。この間隔保持材91には、更にピン92が装着可能とされている。このピン92は、間隔保持材91における側端近傍に上下方向に延長された図示しない挿通孔に挿通可能とされている。ピン92を間隔保持材91に装着させることにより、溝部93へと嵌め込んだワイヤロープ41の抜け出しを当該ピン92を介して防止することができる。
また本発明を適用した漂流物捕捉柵1においては、上述した構成に加え、更に図13に示すようにワイヤロープ41にメッシュ101を取り付けるようにしてもよい。これにより、メッシュ101を介して小枝や小礫等のような比較的小さい漂流物を捕捉することができる。また大きい漂流物についてもこのメッシュ101を介して漂流物を緩衝的にて受けながら減衰化させることも可能となる。
上述の如き構成からなる漂流物捕捉柵1は、津波や洪水等が発生した場合において以下に説明する作用を発揮しえる。
津波や洪水による水流は、ワイヤロープ41間を通過していく。このためワイヤロープ41は、津波や洪水による波力をまともに受けることなく、あくまでも透過させることで大きな力を受けることは無くなる。このため、かかる波力により漂流物捕捉柵1に衝撃やダメージが加わるのを防止することができる。
これに加えて、漂流物捕捉柵1は、津波や洪水等が発生した場合において、これらに伴い流出する流木、家屋等の瓦礫、車両、船舶の漂流物が漂流する場合にも効果を発揮しえる。例えば、津波等にのって漂流物が襲来してきた場合には、ワイヤロープ41により、これを堰き止めることが可能となる。
その結果、漂流物は、この漂流物捕捉柵1におけるワイヤロープ41を乗り越えることなく捕捉することが可能となる。そして、周囲をこの漂流物捕捉柵1により囲まれた保護対象物に対して漂流物が衝突するのを防止することができ、ひいては保護対象物の損傷及び破壊や、これに伴う人的被害を防止することが可能となる。
また、この漂流物捕捉柵1によれば、第1貫通孔35が鋼管柱3の側壁に開削されているが、この第1貫通孔35には上述したように第1鞘管32が連続するように取り付けられている。特に第1鞘管32の端部周囲が第1貫通孔35に対して溶接により隙間無く固着されている場合には、鋼管柱3の内部が第1貫通孔35と完全に遮蔽されている。これにより、鋼管柱3の内部に対して第1貫通孔35から外気が入り込むのを防止できるため、上述の如く蓋体31が設けられることにより、鋼管柱3の内壁に直接外気に接触しない、いわゆる密閉空間とすることができる。その結果、鋼管柱3内部において腐食が進展することが無くなり、鋼管柱3自体が脆くなることを防止することが可能となる。従って、鋼管柱3に漂流物が直接衝突した場合であっても、その衝突に伴うエネルギーを吸収することが可能となる。
第2貫通孔36についても同様に第2鞘管33が連続するように取り付けられているため、当該第2貫通孔36から鋼管柱3の内部に直接外気が接触することも無くなり、鋼管柱3内部において腐食が進展することが無くなる。
従って、本発明によれば、堤防の上又はその近傍に設置され、海側からの風や海水にさらされ、比較的腐食が発生しやすい環境に設置される場合であっても、鋼管柱3の内部にまでこのような防食処理等を施す必要がなくなる。このため、本発明によれば、製造労力の負担軽減、製造コストの抑制を図ることが可能となる。
1 漂流物捕捉柵
3 鋼管柱
4 杭
6 地盤
31 蓋体
31a 周壁部
31b 吊り下げ部
32 第1鞘管
33 第2鞘管
35 第1貫通孔
36 第2貫通孔
41 ワイヤロープ
61 PC鋼より線
62 被覆材
63 保護チューブ
71 パッキン
72 ナット
73 アンカープレート
74 キャップ
76 養生パイプ
91 間隔保持材
92 ピン
93 溝部
101 メッシュ
141 隅肉溶接

Claims (5)

  1. 間隔を空けて立設される鋼管柱間にワイヤロープを架設させた漂流物捕捉柵であって、
    上記鋼管柱は、互いに対向するように設けられた第1貫通孔と、上記第1貫通孔間に架設された第1鞘管と、上記第1貫通孔と重複しない高さにおいて互いに対向するように設けられた第2貫通孔と、上記第2貫通孔間に架設された第2鞘管とを有し、
    上記第1鞘管及び上記第2鞘管は、互いに平面視で交差するように配設され、上記各貫通孔を介してそれぞれ上記ワイヤロープが挿通されており、
    上記第1鞘管及び上記第2鞘管は、その端部が上記各貫通孔に対して隙間無く固着されていること
    を特徴とする漂流物捕捉柵。
  2. 上記第1鞘管又は上記第2鞘管から上記各貫通孔を介して上記鋼管柱の外側に突出されたワイヤロープの終端が締結部材を介して締結されていること
    を特徴とする請求項1記載の漂流物捕捉柵。
  3. 上記第1鞘管と上記第2鞘管とは、互いに平面視で直交するように配設されていること
    を特徴とする請求項1又は2記載の漂流物捕捉柵。
  4. 上記第1鞘管と上記第2鞘管とは、互いに離間されていること
    を特徴とする請求項1〜のうち何れか1項記載の漂流物捕捉柵。
  5. 上記第1鞘管及び上記第2鞘管は、金属製であること
    を特徴とする請求項1〜のうち何れか1項記載の漂流物捕捉柵。
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