JP6432784B2 - 吊り天井の補強ブレース取付具 - Google Patents

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Description

本発明は、吊り天井の補強ブレース取付具に関する。
従来、例えば学校、病院、生産施設、体育館、プール、空港ターミナルビル、オフィスビル、劇場、シネコン等の建物の天井として、吊り天井が多用されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。そして、吊り天井Aには、例えば図13に示すように、水平の一方向T1に所定の間隔をあけて並設される複数の野縁(主鋼材)1と、野縁1に直交し、水平の他方向T2に所定の間隔をあけて並設され、複数の野縁1に一体に接続して設けられる複数の野縁受け2と、下端を野縁受け2に接続し、上端を上階の床材等の上部構造3に固着して配設される複数の吊りボルト4と、野縁1と野縁受け2からなる格子状の天井下地7にビス留めして一体に取り付けられ、天井面(天井部5)を形成する石膏ボードなどの天井パネル(天井材)6とを備えて構成したものがある。
また、例えば図14に示すように、クリーンルームのようにファンフィルターユニット等の大重量の設備機器を天井部5に設置する必要がある吊り天井Aには、水平の一方向T1に所定の間隔をあけて並設され、一方向T1に直交する他方向T2に延びる複数のTバー(断面逆T型の主鋼材)8と、上端を上部構造3に固着し、下端側をTバー8に接続して配設された複数の吊りボルト4と、Tバー8などからなる天井下地7にビス留めして一体に取り付けられて天井面(天井部5)を形成する天井パネル6とを備えて構成したものもある。
ここで、このように野縁1及び野縁受け2や、Tバー8等の天井下地7と天井パネル6を吊りボルト4で吊り下げ支持してなる吊り天井Aは、その構造上、地震時に作用する水平力によって横揺れしやすい。そして、地震時に横揺れして、天井部5の端部5aが壁や柱、梁などの建物構成部材(建物躯体)9に衝突し、天井パネル6に破損が生じたり、脱落が生じるおそれがあった。
このため、従来、上部構造3や吊りボルト4の吊元側などに上端部を接続し、下端部を吊りボルト4や、野縁1、野縁受け2、Tバー8などの天井下地7に接続して補強ブレース(ブレース材)10を斜設し、天井下地7及び天井パネル6からなる天井部5の地震時の横揺れを抑えるようにしている(図14参照)。
特開2008−121371号公報 特開2005−350950号公報
一方、上記従来の吊り天井Aにおいては、補強ブレース10の上端部、下端部を吊りボルト4、天井下地7に接続し、これら吊りボルト4、天井下地7と補強ブレース10によって水平方向の力を負担するようにしている。そして、この場合には、吊りボルト4や天井下地7の位置、形状によって補強ブレース10の設置位置に制約が生じる。
また、水平方向の力に対する吊り天井構造全体の耐力及び剛性のさらなる向上を図る場合には、補強ブレース10の設置位置に制約があることで、補強ブレース10の下端部を接続する吊りボルト4や天井下地7の部位に補強材を別途設けることになり、吊りボルト4や天井下地7に負荷される重量が増し、地震時に作用する水平方向の力の増大を招くことになってしまう。
本発明は、上記事情に鑑み、補強ブレースの設置位置の制約を解消し、効果的且つ効率的な吊り天井構造の耐震補強、耐震改修を可能にする吊り天井の補強ブレース取付具を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の吊り天井の補強ブレース取付具は、水平の一方向に所定の間隔をあけて主鋼材を並設してなり、建物躯体の上部構造に吊り下げ支持される天井下地と、前記天井下地の前記主鋼材に取り付けられて天井面を形成する天井材とを備える吊り天井構造に補強ブレースを設置するための補強ブレース取付具であって、補強ブレースの下端部を接続するブレース接続部と、前記ブレース接続部の下端に繋がり、前記天井材上に配設されるとともに前記天井材の前記天井面側からビスを打ち込んで前記天井材に固着される天井材固着部とを備え、且つ、隣り合う前記主鋼材の前記一方向の間隔よりも大きな長さをもって形成されるとともに、下面から上方に向けて凹設され、前記天井下地の前記主鋼材を嵌合可能な天井下地嵌合凹部を備えて形成されていることを特徴とする。
この発明においては、従来のように下端部を天井下地の主鋼材(野縁やTバー)ではなく、補強ブレース取付具を介して天井材に接続して補強ブレースを設置することができる。これにより、天井下地の位置などの制約を受けずに補強ブレースを設けることができ、また、天井下地の強度などの制約を受けずに補強ブレースを設けることができる。
そして、天井下地の位置などの制約を受けずに補強ブレースを設けることができるため、補強ブレースによる耐震補強、耐震改修の自由度を大幅に高めることが可能になる。また、天井下地の強度などの制約を受けずに補強ブレースを設けることができるため、従来よりも大型、高耐力の補強ブレースを設置することも可能になり、この点からも補強ブレースによる耐震補強、耐震改修の自由度を大幅に高めることが可能になる。
また、補強ブレース取付具が隣り合う主鋼材の一方向の間隔よりも大きな長さをもって形成されていることにより、すなわち、天井下地の一スパンよりも大きな長さで形成されていることにより、地震時に天井下地及び天井材からなる天井部に作用する水平力を効果的に補強ブレースに伝達することができる。これにより、この吊り天井の補強ブレース取付具を用いて補強ブレースを取り付けることで、例えば固有周期0.1秒以下に吊り天井構造を高剛性化することができ、非常に優れた耐震性能を付与することが可能になる。すなわち、信頼性の高い耐震補強、耐震改修を実現することができる。
さらに、天井材上の任意の位置に補強ブレース取付具を載置し、天井面側の下方からビス留めして天井材に天井材固着部を固着することで、容易に補強ブレース取付具を天井材に一体に設置することができる。これにより、従来と比較し、補強ブレースを設置する施工性を大幅に向上することができる。
また、天井下地嵌合凹部に天井下地の野縁やTバーの主鋼材を嵌合させることで、一スパンよりも大きな長さで形成された補強ブレース取付具を天井下地に支持させ、容易に水平の一方向に長さ方向を向けて設置することができる。さらに、天井材上に主鋼材の切れ端などのダミー材を一方向に沿って置き、天井下地嵌合凹部にこのダミー材を嵌合させることで、補強ブレース取付具を支持させ、容易に水平の一方向に直交する他方向に長さ方向を向けて設置することができる。
これにより、補強ブレースを一方向に沿って設置する場合でも、他方向に沿って設置する場合でも容易に対応することができる。
また、本発明の吊り天井の補強ブレース取付具においては、前記ブレース接続部が、地震時に前記補強ブレース及び前記天井材からの外力によって生じる応力の有効応力範囲を特定し、該有効応力範囲に対応するように長さ方向両端部側の上端部側に切欠部を設けて形成されていることが望ましい。
この発明においては、ブレース接続部が有効応力範囲に対応するように長さ方向両端部側の上端部側に切欠部を設けて形成されていることにより、補強ブレース取付具の軽量化を図ることが可能になる。
本発明の吊り天井の補強ブレース取付具によれば、補強ブレースの設置位置の制約を解消し、効果的且つ効率的に吊り天井構造を耐震補強、耐震改修することが可能になるとともに、優れた耐震性能を付与することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る吊り天井補強構造を示す図である。 本発明の一実施形態に係る吊り天井補強構造のブレース上部取付具を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る吊り天井補強構造のブレース上部取付具を示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る吊り天井補強構造のブレース上部取付具を建物の上部構造に接続する作業の状況を示す図である。 本発明の一実施形態に係る吊り天井補強構造のブレース上部取付具を建物の上部構造に接続する作業の状況を示す図である。 本発明の一実施形態に係る吊り天井補強構造のブレース上部取付具を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る吊り天井補強構造のブレース上部取付具を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る吊り天井補強構造のブレース下部取付具を示す正面図である。 図8のX1−X1線矢視図である。 試験で用いたCase1のブレース上部取付具を示す斜視図である。 試験で用いたCase1のブレース下部取付具を示す斜視図である。 Case1、Case2の試験結果を示す図である。 吊り天井構造を示す斜視図である。 吊り天井構造を示す斜視図である。
以下、図1から図12、図14を参照し、本発明の一実施形態に係る吊り天井の補強ブレース取付具について説明する。
ここで、本実施形態は、例えば学校、病院、生産施設、体育館、プール、空港ターミナルビル、オフィスビル、劇場、シネコン等の建物の天井として用いられる吊り天井を耐震補強、耐震改修するための吊り天井補強構造の補強ブレース取付具に関するものである。
まず、本実施形態の吊り天井(吊り天井構造)Bは、図14に示すように、水平の一方向T1に所定の間隔をあけ、一方向T1に直交する他方向T2に延設される複数のTバー(断面逆T型の主鋼材)8と、上端を上部構造3に固着し、下端側をTバー8に接続して配設された複数の吊りボルト4と、天井下地7にビス留めして一体に取り付けられて天井面(天井部5)を形成する天井パネル(天井材)6とを備えて構成されている。
また、この吊り天井Bは、他方向T2に所定の間隔をあけ、一方向T2に延設され、隣り合うTバー8に架け渡して連結する複数の連結Tバー(断面逆T型の連結鋼材:不図示)を備え、Tバー8とこの連結Tバー、すなわち格子状に組み付けられた鋼材によって天井下地7が構成されている。
さらに、吊りボルト4は、吊り部材接続用金具を介して天井下地7のTバー8に下端側を接続して設けられ、天井下地7を吊り下げ支持している。
さらに、天井下地7の下面に、例えば直貼岩綿吸音板のような軽量の天井パネル6が、ビスを下側からこの天井パネル6、天井下地7に貫通させて固設されている。このように複数の天井パネル6を天井下地7に取り付けることで天井面が形成されている。
一方、本実施形態の吊り天井Bにおいては、図1に示すように、地震が発生した際の天井慣性力(水平力)を抑制し、天井部5の横揺れを抑えるための吊り天井補強構造Cが具備されている。
そして、本実施形態の吊り天井補強構造Cは、補強ブレース15と、補強ブレース15の上端部を建物躯体の上部構造3に接続するためのブレース上部取付具16と、補強ブレース15の下端部を天井パネル6に接続するためのブレース下部取付具(吊り天井の補強ブレース取付具)17とを備えて構成されている。すなわち、本実施形態の吊り天井補強構造Cでは、従来のように吊りボルト4や天井下地7ではなく、補強ブレース15の下端部を天井パネル6に接続して構成されている。
また、本実施形態の吊り天井補強構造Cにおいては、補強ブレース15が形鋼材であり、一対の補強ブレース15を一組とし、この組の一対の補強ブレース15を、一方向T1及び/又は他方向T2にそれぞれ正面視でV字状あるいはレ字状を呈するように並設し、各補強ブレース15の上端部、下端部をブレース上部取付具16とブレース下部取付具17でそれぞれ建物の上部構造3や天井パネル6に接続して構成されている。
次に、本実施形態のブレース上部取付具16は、図2から図5に示すように、固定部材20と、連結部材21と、摩擦部材22とを備え、補強ブレース15の上端部側に一体に設けられ、外周面に雄ネジの螺刻を施した円柱状の連結棒15aを連結して補強ブレース15を支持するように構成されている。
固定部材20は、図2から図5に示すように、ブレース上部取付具16を建物躯体の上部構造3に固着するための部材であり、上部構造3の表面に接合して配設される固定プレート20aと、固定プレート20aに上端を繋げて下方に突設されるとともに所定の間隔をあけて配設された一対の支持プレート20bとを備えて形成されている。
また、固定プレート20aには、上部構造3にアンカーなどで固定されたボルト23を挿通して固定部材20を上部構造3の表面に固着するための装着孔20cが形成されている。また、装着孔20cは、固定プレート20aの幅方向略中央に配設され、且つ固定プレート20aの奥行方向の中央よりも一端部側に配設されている。
一対の支持プレート20bには、連結部材21を回動自在に軸支するための取付孔20dが同軸上にそれぞれ形成されている。また、これら2つの取付孔20dは一方の取付孔20dを他方の取付孔20dよりも大径にして形成されている。さらに、これら取付孔20dは、支持プレート20bの奥行方向の中央よりも他端部側に配設されている。
また、一対の支持プレート20bのそれぞれには、取付孔20dが形成された部分と反対側の部分に斜めに切り欠いたように形成した切欠部20eが設けられている。この切欠部20eは、支持プレート20bの強度を低下させることなく、固定部材20の重量を低減するためのものである。
連結部材21は、支持プレート20bに軸支される一対の軸部21aと、一対の軸部21aの間に位置する連結部21bとを備え、一対の軸部21aを支持プレート20bの取付孔20dにそれぞれ装着し、支持プレート20bに回転可能に軸支されている。また、本実施形態では、連結部21bの外周面に補強ブレース15の連結棒15aを螺入装着するための螺子孔21cが軸心を通る方向に貫通形成されている。さらに、軸部21aには、連結部材21が支持プレート20bの取付孔20dからの脱落防止用ピン24を装着するためのピン挿通孔21dが設けられている。
摩擦部材22は、例えば樹脂製の円筒部材であり、内径を軸部21aと同径あるいは軸部21aより大きくして形成され、外径を取付孔20dの内径と略同径にして形成されている。そして、摩擦部材22は、内孔に軸部21aを挿通し、各軸部21aの外周面に装着されている。また、摩擦部材22は、一方の端部が支持プレート20bの内面あるいはワッシャー25の内面に接触するとともに、他方の端部が連結部21b(連結部21bと軸部21aとの間の段差部)に接触し、支持プレート20b及び連結部21bのそれぞれを一定の押圧力で押圧するように配設されている。
これにより、連結部材21が軸線O1周りに回転するとともに摩擦部材22によって摩擦力を作用させることができる。
また、本実施形態のブレース上部取付具16においては、摩擦部材22が付与する摩擦力によって連結部材21と固定部材20との相対的な回転が抑制される。これにより、連結部材21と固定部材20との相対的な角度(回転位置)を手動で容易に調節でき、且つ摩擦部材22による摩擦力で保持することができる。
なお、ブレース上部取付具16は、図6に示すように、連結部材21の全体を円柱状の軸部21aとして構成し、連結部材21の両端に装着するワッシャー25を摩擦部材22として構成してもよい。
さらに、ブレース上部取付具16は、図7に示すように、固定部材20と連結部材21と摩擦部材22を備えるとともに、孔が設けられたアーム部21eと平板部21fを備え、アーム部21eの孔に軸部21aを挿通して連結部材21を構成し、この連結部材21の平板部21fに補強ブレース15をボルト接合するように構成してもよい。
次に、本実施形態のブレース下部取付具(吊り天井の補強ブレース取付具)17は、図1、図8及び図9に示すように、板面を横方向に向けて立設され、一対の補強ブレース15のそれぞれの下端部を接続する平板状のブレース接続部27と、ブレース接続部27の下端からブレース接続部27に直交する横方向に延設され、下面を天井パネル6の上面(裏面)に面接触させて設置されるとともに天井パネル6の下面(天井面)側からビスを打ち込んで天井パネル6に固着される天井材固着部28とを備えて形成されている。
また、このブレース下部取付具17は、隣り合うTバー8の間隔(スパン)よりも大きな長さLを備えて形成されている。そして、ブレース下部取付具17の下端側には、下面から上方に凹設され、ブレース下部取付具17を設置した状態で天井下地7のTバー8を嵌合させて天井下地7との干渉を防止するための天井下地嵌合凹部29が設けられている。
また、本実施形態のブレース下部取付具17においては、隣り合うTバー8をそれぞれ嵌合させるための一対の天井下地嵌合凹部29が設けられている。これにより、天井材固着部28は、ブレース下部取付具17の長さL方向一側端部側と中央部と他側端部側にそれぞれ分割された第1天井材固着部28aと第2天井材固着部28bと第3天井材固着部28cの3つの天井材固着部を備えて形成されている。
さらに、本実施形態の天井下地嵌合凹部29は、野縁1の大きさ、位置に合わせた野縁嵌合凹部29aと、Tバー8の大きさ、位置に合わせたTバー嵌合凹部29bを備えて形成されている。これにより、天井下地7が野縁1を備えて形成されている場合、Tバー8を備えて形成されている場合のどちらのケースであっても同一のブレース下部取付具17を適用できるように形成されている。
また、ブレース接続部27は、補強ブレース15をビスなどを用いて接続するための孔27aが所定位置に複数設けられている。さらに、このブレース接続部27は、地震時に吊り天井Bが水平方向の力を受けて補強ブレース15や天井パネル6から力が伝達することによって生じる応力の有効応力範囲を特定し、補強ブレース15との相対位置、接続位置などに応じてブレース接続部27に作用する応力が小さい部分を切り欠くようにし、有効応力範囲に対応した形状で形成されている。すなわち、本実施形態では、補強ブレース15を接続する部分を挟んで長さL方向両端部側の上部側に切欠部27bを設け、有効応力範囲に対応してブレース接続部27を形成することで、ブレース接続部27ひいてはブレース下部取付具17の軽量化が図られている。
また、各天井材固着部28には、突出方向先端から直交方向上側に突出し長さL方向に延設された補剛部30が設けられている。
そして、上記構成からなる本実施形態の吊り天井補強構造Cを設置する際には、まず、補強ブレース15の先端を螺子孔21cに装着して補強ブレース15にブレース上部取付具16を取り付け、補強ブレース15と固定部材20との交角を所望の角度に調節する。
次に、図4に示すように、補強ブレース15の先端を持ち上げつつ、上部構造3から下方に突出するボルト23を固定部材20に設けられた装着孔20cに挿入する。このとき、作業者はボルト23と装着孔20cとの位置関係を目視で確認しながら挿入作業を行うことができ、比較的低い場所に居ながらこの挿入作業を行うことができる。
固定部材20の装着孔20cにボルト23を挿入した段階で、補強ブレース15の下端部を天井パネル6、天井下地7などに接触させて滑らないようにし、補強ブレース15の姿勢を安定させる。そして、図5に示すように、長尺の工具先端にナット31を装着し、この工具を上方に持ち上げつつ装着孔20cの下方に突出するボルト23にナット31を装着し、工具を回転駆動させることにより締結する。
なお、ナット31としてロングナットを用いると、装着時の作業性をよくすることができる。
次に、図1に示すように、補強ブレース15の下端部を持ち上げ、補強ブレース15の配設角度を調整しつつその下端部の位置を天井パネル上の所定位置に載置したブレース下部取付具17の位置を合わせ、ブレース下部取付具17に接続する。
このとき、ブレース下部取付具17は、補強ブレース15をTバー8に直交する一方向T1に配設する場合、一対の天井下地嵌合凹部29に隣り合う一対のTバー8を嵌め込んで支持させ、所定位置に設置する。また、補強ブレース15をTバー8に沿う他方向T2に配設する場合には、Tバー8や野縁1と略断面形状が略同じダミー材(仮支持用部材)を天井パネル6の裏面上に設置し、このダミー材を一対の天井下地嵌合凹部29に嵌め込んで支持させ、ブレース下部取付具17を所定位置に設置する。
このように天井下地7やダミー材を天井下地嵌合凹部29に嵌合させるだけで、ブレース下部取付具17を一方向T1と他方向T2の両方向に自在に支持させて配設することができる。そして、このように所定位置に配設して支持されたブレース下部取付具17のブレース接続部27に補強ブレース15の下端部をビスを用いて接続する。なお、ビスに替えてボルトを用いて接続するようにしても勿論構わない。
さらに、天井パネル6の下側(天井面側)から第1天井材固着部28aと第2天井材固着部28bと第3天井材固着部28cにそれぞれビスを打ち込んで、ブレース下部取付具17を天井パネル6に固定する。なお、各天井材固着部28に4本以上の例えばテクスビスなどの固定ビスを打ち込むことが好ましく、第1天井材固着部28aと第3天井材固着部28cに5本以上のビス、第2天井材固着部28bに6本以上のビスを打ち込んでブレース下部取付具17を天井パネル6に固定することがさらに好ましい。
これにより、本実施形態の吊り天井補強構造Cの施工、吊り天井Bの耐震補強、耐震改修が完了する。
ここで、吊り長さ1500mm、天井単位質量20kg/m、天井面積20mの吊り天井に対して、図10に示すブレース上部取付具32、図11に示すブレース下部取付具33を用いて補強ブレース15を設置したCase1(従来の吊り天井構造:特開2014−224445号公報に記載の吊り天井構造)と、図7に示すブレース上部取付具16、図8に示すブレース下部取付具17を用いて補強ブレース15を設置したCase2(本発明に係る吊り天井構造B)とを用いて、各Caseの吊り天井構造の力学特性を確認した。
また、Case1、Case2の吊り天井の試験体は、JIS A 6517に規定される野縁1、野縁受け2により構成された天井下地7を使用し、3640mm×910mmとした。また、天井パネル6として厚さt−12.5mm、幅910mm、長さ1820mmの石膏ボードを用い、天井下地7に対して21本のセルフタッピンビス φ4mmで固定した。
さらに、試験体は、中央にV字型の補強ブレース15を配置して形成した。また、C−60×30×10×1.6mmの補強ブレース15を角度60°で配置した。
そして、上記の各試験体を用い、正負交番で徐々に負荷を上げ、復元力特性を把握する交番載荷試験を行った。また、本試験では、基準荷重をP=6.0kNとし、1/3P=2.0kN、2/3P=4.0kN、P=6.0kNでそれぞれ3回の交番加力を行った。
図12(a)、図12(b)はそれぞれ、Case1、Case2の吊り天井構造の試験結果を示した図であり、横軸を変位量、縦軸を荷重として各吊り天井構造の剛性を示したものである。
これらの結果から、Case1はよりもCase2が荷重/変位量の傾きが大きくなる(立ち上がる)ことが確認された。また、Case1でも剛性Kが約270kN/mであるが、Case2では約2600kN/mとさらに大幅に大きくなる(高剛性化する)ことが確認された。さらに、Case2においては、変位量が非常に小さく抑えられ、且つ水平力6.0kNまで弾性として扱えることが確認された。
さらに、固有周期Tceil(=2π√M/K)がCase1で0.24sec、Case2で0.072secとなり、Case2によって固有周期0.1sec以下という非常に優れた特性が得られることが実証された。
次に、本発明に係る吊り天井構造B(上記のCase2相当の吊り天井)を用いて行った大型3次元振動台での地震波入力動的加振試験について説明する。
まず、この地震波入力動的加振試験では、5.6m×5.76m(32.256m)の吊り天井構造Bを試験体として用い、振動台テーブルに設置した鉄骨フレーム(幅6.6m、奥行3.8m、高さ3.31m)に取り付けた角パイプから試験体を吊りボルトで吊り下げて設置した。
また、試験体は、天井部5(天井パネル:厚さt−12.5mm,2枚貼り)の質量が天井下地7を含めて約20kg/mであり、メインバー方向(連結Tバーの延設方向/他方向T2:X方向)、クロスバー方向(連結バーの延設方向/一方向T1:Y方向 )ともに角度60°のV字状の補強ブレース15を2対ずつ配置している。さらに、鉄骨フレーム の天井面の高さに水平に角パイプ(壁面を模擬)を取り付け、天井部が100mm以上変位すると角パイプに衝突するようにした。
本試験では、エルセントロN−S波を水平方向の入力地震動、エルセントロU−D波の最大加速度の1/2を鉛直方向の入力地震動とし、振動台にて最大加速度を段階的に上げながら試験を行った。また、水平方向の入力地震動をメインバー方向に入力したケース(メインバー方向加振)と、クロスバー方向に入力したケース(クロスバー方向加振)で試験を行った。そして、各ケースにおいて、天井の挙動を観察した。
表1は試験結果を示している。
この結果から、本発明に係る吊り天井構造Bにおいては、メインバー方向加振、クロスバー方向加振の両ケースともに、補強ブレース15が天井面応答加速度1.5G相当まで座屈することなく、固有周期0.1秒下の高い剛性を維持できるという優れた耐震性能を発揮することが確認された。
Figure 0006432784
したがって、本実施形態においては、従来のように下端部を天井下地7の主鋼材(Tバー8や野縁1)ではなく、ブレース下部取付具17を介して天井パネル6に接続し、補強ブレース15を設置することができる。これにより、天井下地7の位置などの制約を受けずに補強ブレース15を設けることができ、また、天井下地7の強度などの制約を受けずに補強ブレース15を設けることができる。
そして、天井下地7の位置などの制約を受けずに補強ブレース15を設けることができるため、補強ブレース15による耐震補強、耐震改修の自由度を大幅に高めることが可能になる。
また、天井下地7の強度などの制約を受けずに補強ブレース15を設けることができるため、従来よりも大型、高耐力の補強ブレースを設置することも可能になる。すなわち、例えば、従来では補強ブレースとしてC−40×20×10×1.6サイズの形鋼が多用されているが、本実施形態の吊り天井補強構造Cでは吊り長さが1000mm未満の場合にC−40×20×10×1.6を使用し、吊り長さが1000〜2000mm未満の場合にC−65×30×10×1.6、吊り長さが2000〜3000mm以下の場合にC−75×45×15×1.6などの大型サイズの形鋼を補強ブレース15として使用することが可能になる。よって、この点からも補強ブレースによる耐震補強、耐震改修の自由度を大幅に高めることが可能になる。
さらに、天井パネル6上の任意の位置にブレース下部取付具17を載置し、天井面側の下方からビス留めして天井パネル6に天井材固着部28を固着することで、容易にブレース下部取付具17を天井パネル6に一体に設置することができる。これにより、従来と比較し、補強ブレース15を設置する施工性を大幅に向上することができる。
また、ブレース下部取付具17が隣り合う主鋼材の間隔よりも大きな長さLをもって形成されていることにより、すなわち、天井下地7の一スパンよりも大きな長さLで形成されていることにより、地震時に天井下地7及び天井パネル6からなる天井部5に作用する水平力を効果的に補強ブレース15に伝達することができる。これにより、この吊り天井補強構造Cを設けることで、固有周期0.1秒以下に吊り天井Bを高剛性化することができ、非常に優れた耐震性能を付与することが可能になる。すなわち、信頼性の高い耐震補強、耐震改修を実現することができる。
また、天井下地嵌合凹部29に天井下地7の主鋼材を嵌合させることで、一スパンよりも大きな長さLで形成されたブレース下部取付具17を天井下地7に支持させ、容易に水平の一方向T1に長さL方向を向けて設置することができる。さらに、天井パネル6上に主鋼材の切れ端などのダミー材を一方向T1に沿って置き、天井下地嵌合凹部29にこのダミー材を嵌合させることで、ブレース下部取付具17を支持させ、容易に水平の一方向T1に直交する他方向T2に長さL方向を向けて設置することができる。
これにより、補強ブレース15を一方向T1に沿って設置する場合でも、他方向T2に沿って設置する場合でも容易に対応することができる。
さらに、部材点数、種類が少なくて済み、品質管理を容易にすることも可能になり、吊り天井Bの補強に要するコストの削減を図ることも可能になる。
よって、本実施形態のブレース下部取付具(吊り天井の補強ブレース取付具)17によれば、補強ブレースの設置位置に制約を解消し、効果的且つ効率的に吊り天井構造を耐震補強、耐震改修することが可能になるとともに、優れた耐震性能を付与することが可能になる。
以上、本発明に係る吊り天井の補強ブレース取付具の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、天井下地7が複数のTバー8(主鋼材)を備えて構成されているものとしたが、本発明に係る天井下地は、野縁1(主鋼材)と野縁受け2を備えて構成した天井下地7であってもよい。そして、野縁1と野縁受け2を備えて天井下地7が構成されている吊り天井に対しても本発明を適用することで本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
また、本実施形態では、本発明に係る吊り天井補強構造を設けることで既存の吊り天井を耐震補強、耐震改修するように説明を行ったが、勿論、本発明に係る吊り天井補強構造は吊り天井の新設時に設置しても構わない。
1 野縁(主鋼材)
2 野縁受け
3 建物の上部構造
4 吊りボルト(吊り部材)
5 天井部
6 天井パネル(天井材)
7 天井下地
8 Tバー(主鋼材)
9 建物構成部材(建物躯体)
10 補強ブレース
15 補強ブレース
15a 連結棒
16 ブレース上部取付具
17 ブレース下部取付具
20 固定部材
20a 固定プレート
20b 支持プレート
20c 装着孔
20d 取付孔
20e 切欠部
21 連結部材
21a 軸部
21b 連結部
21c 螺子孔
21d ピン挿通孔
21e アーム部
21f 平板部
22 摩擦部材
23 ボルト
24 脱落防止用ピン
25 ワッシャー
27 ブレース接続部
27a 孔
27b 切欠部
28 天井材固着部
28a 第1天井材固着部
28b 第2天井材固着部
28c 第3天井材固着部
29 天井下地嵌合凹部
29a 野縁嵌合凹部
29b Tバー嵌合凹部
30 補剛部
31 ナット
A 従来の吊り天井(吊り天井構造)
B 吊り天井(吊り天井構造)
C 吊り天井補強構造
L ブレース下部取付具の長さ
O1 軸線
T1 一方向
T2 他方向
T3 上下方向

Claims (2)

  1. 水平の一方向に所定の間隔をあけて主鋼材を並設してなり、建物躯体の上部構造に吊り下げ支持される天井下地と、前記天井下地の前記主鋼材に取り付けられて天井面を形成する天井材とを備える吊り天井構造に補強ブレースを設置するための補強ブレース取付具であって、
    補強ブレースの下端部を接続するブレース接続部と、前記ブレース接続部の下端に繋がり、前記天井材上に配設されるとともに前記天井材の前記天井面側からビスを打ち込んで前記天井材に固着される天井材固着部とを備え、
    且つ、隣り合う前記主鋼材の前記一方向の間隔よりも大きな長さをもって形成されるとともに、下面から上方に向けて凹設され、前記天井下地の前記主鋼材を嵌合可能な天井下地嵌合凹部を備えて形成されていることを特徴とする吊り天井の補強ブレース取付具。
  2. 請求項1記載の吊り天井の補強ブレース取付具において、
    前記ブレース接続部が、地震時に前記補強ブレース及び前記天井材からの外力によって生じる応力の有効応力範囲を特定し、該有効応力範囲に対応するように長さ方向両端部側の上端部側に切欠部を設けて形成されていることを特徴とする吊り天井の補強ブレース取付具。
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