JP6431778B2 - 車両用電動格納式ドアミラー - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車の側部に配設される車両用ドアミラーに関し、特に、モーターによって格納可能な電動格納式ドアミラーの技術分野に属する。
従来より、自動車の側部に配設されているドアミラーは、車体側に固定されるミラーベースと、ミラーを保持するミラーハウジングとを備えており、ミラーハウジングの内部には、該ミラーハウジングを格納状態と使用状態とに切り替えるための電動格納ユニットが内蔵されている(例えば、特許文献1参照)。
電動格納ユニットは、モーターや、モーターの制御を行うための制御基板等を備えている。特許文献1の制御基板には、モーターへの接続端子が基板表面から突出するように設けられている。一方、モーターには、制御基板の接続端子が挿入される端子挿入孔が形成されている。制御基板の接続端子は、モーターの端子挿入孔に挿入された状態でモーターと電気的に接続される。そして、制御基板の縁部は、モーター及び制御基板を収容するケースの内面に設けられた嵌合溝に嵌合した状態で固定されている。
特開2005−186668号公報
ところで、特許文献1のように制御基板から突出する接続端子を設けた場合、接続端子の間隔は製造誤差等の原因によって変動することがある。一方、モーターの端子挿入孔は、殆ど変形を許容しないモーターケースに設けられているので、端子挿入孔の間隔は略一定の間隔で維持される。したがって、端子挿入孔に制御基板の接続端子を挿入するとき、接続端子の間隔が端子挿入孔の間隔とずれている場合がある。この場合には、接続端子を挿入した状態で制御基板には接続端子から外力が作用することになり、回路素子の破損やハンダ部分にクラックが生じる恐れがある。
さらに、車両用ドアミラーの場合、車体の振動等によって接続端子が端子挿入孔から抜けないようにしなければならず、この対策として、特許文献1では、ケースの嵌合溝に制御基板の縁部を嵌合させている。しかしながら、そのようにすると、制御基板における接続端子が設けられている部分と、それが抜けないようにケースの嵌合溝によって押圧された制御基板の縁部とでは反対方向の力が作用することになり、その結果、制御基板には撓み力が発生するので、回路素子の破損やハンダ部分にクラックが生じる恐れがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、制御基板に無理な力が生じ難くして回路素子の破損やハンダ部分のクラックを未然に防止することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、モーター側接続端子をモーターから突出するように設け、制御基板には、モーター側接続端子を突出方向と交差する方向から挿入して挟持する基板側接続端子を設け、接続状態にある制御基板がモーター側接続端子の突出方向に移動するのをモーターホルダーによって抑制するようにした。
第1の発明は、
車体に固定されるミラーベースと、
ミラーを保持するミラーハウジングと、
上記ミラーハウジングを上記ミラーベースに対して回動させて格納状態と使用状態とに切り替えるための電動格納ユニットとを備えた車両用電動格納式ドアミラーにおいて、
上記電動格納ユニットは、上記ミラーハウジングの回動力を発生するモーターと、該モーターを制御する回路素子を有する制御基板と、上記モーターを保持するモーターホルダーとを備え、
上記モーターには、モーター側接続端子が突出するように設けられ、
上記制御基板には、上記モーター側接続端子がその突出方向に対して交差する方向から挿入され、該モーター側接続端子を挟持するように形成された基板側接続端子が該制御基板から突出するように設けられ、
上記モーターホルダーには、接続状態にある上記制御基板が上記モーター側接続端子の突出方向先端側に移動するのを抑制する基板移動抑制部が設けられ
上記モーターは、出力軸が下方へ突出するように配置され、
上記モーター側接続端子は、上記モーターの上部から上方へ突出するように設けられ、
上記制御基板は、上記モーターの上方に配置され、
上記基板移動抑制部は、上記制御基板を、上記モーター側接続端子が上記基板側接続端子に挿入される方向に案内するとともに、上記制御基板が上方に移動するのを抑制することを特徴とする。
この構成によれば、制御基板とモーターを接続する際には、制御基板を、モーター側接続端子の突出方向と交差する方向に移動させていき、これにより、モーター側接続端子が基板側接続端子に挿入されて挟持される。そして、接続状態にある制御基板は、モーターホルダーの基板移動抑制部によってモーター側接続端子の突出方向に移動するのが抑制されるので、モーター側接続端子が基板側接続端子から抜けなくなる。したがって、モーター側接続端子を基板側接続端子で挟持することと、制御基板がモーター側接続端子の突出方向に移動するのを阻止することとにより、車体振動等が発生しても、モーター側接続端子と基板側接続端子との接続状態を維持することが可能になる。
接続状態では、モーター側接続端子がモーターから突出しているので、従来のようにモーターケースに形成した端子挿入孔に挿入する場合に比べて、モーター側接続端子自体が外力による変形を許容する構造となり、よって、モーター側接続端子の間隔と基板側接続端子の間隔とが多少ずれていても、両端子が変形することによって制御基板には無理な力が生じ難くなる。
さらに、モーター側接続端子を基板側接続端子に接続する際の挿入方向と、基板移動抑制部が制御基板の移動を抑制する方向とは交差する関係となっているので、制御基板には撓み力が発生し難くなる。
また、モーター側接続端子を基板側接続端子に接続する際に、制御基板がモーターホルダーの基板移動抑制部によって案内されるので、接続作業性が良好になる。
また、モーターの上方に制御基板を配置してモーターと接続する場合に、制御基板が上方に移動するのを基板移動抑制部によって抑制することができるので、車体が上下方向に振動した場合に、モーター側接続端子が基板側接続端子から外れないようにすることが可能になる。
の発明は、第の発明において、
上記モーターホルダーの上記基板移動抑制部は、上記制御基板の縁部が挿入される溝を有し、該溝の幅は、上記制御基板の縁部の厚み寸法よりも長く設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、制御基板の縁部をモーターホルダーの溝に挿入することで制御基板がモーター側接続端子の突出方向先端側に移動するのを抑制することが可能になる。このとき、溝の幅が制御基板の縁部の厚み寸法よりも長いので、各部に製造誤差が生じている場合に、制御基板が溝の幅方向に移動可能となって製造誤差を許容することができ、制御基板に対して無理な力が作用し難くなる。
第1の発明によれば、モーター側接続端子をモーターから突出するように設け、制御基板には、モーター側接続端子を突出方向と交差する方向から挿入して挟持する基板側接続端子を設け、接続状態にある制御基板がモーター側接続端子の突出方向に移動するのをモーターホルダーによって抑制するようにしたので、車体振動等が発生しても、モーター側接続端子と基板側接続端子との接続状態を維持することができ、しかも、制御基板に無理な力が生じ難く、回路素子の破損やハンダ部分のクラックを未然に防止することができる。
また、制御基板をモーターホルダーの基板移動抑制部によって案内することができるので、モーター側接続端子の接続作業性を良好にすることができる。
また、モーターの上方に制御基板を配置するレイアウトの場合に、車体に上下方向の振動が発生してもモーター側接続端子と基板側接続端子との接続状態を維持することができる。
の発明によれば、モーターホルダーの基板移動抑制部が有する溝の幅を制御基板の縁部の厚み寸法よりも長くしたので、各部に生じた製造誤差を許容することができる。このことで、制御基板に無理な力がより一層生じ難くすることができる。
車両用電動格納式ドアミラーの分解斜視図である。 電動格納ユニットの分解斜視図である。 制御基板をモーターホルダーから分離した状態の斜視図である。 制御基板が取り付けられたモーターホルダーの平面図である。 図4におけるV−V線断面図である。 制御基板をモーターホルダーから分離した状態の平面図である。 制御基板をモーターホルダーに取り付ける途中の状態を示すモーターホルダーの平面図である。 制御基板をモーターホルダーから分離した状態の図5相当図である。 制御基板をモーターホルダーに取り付ける途中の状態を示す図5相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用電動格納式ドアミラー1を分解した状態を示している。車両用電動格納式ドアミラー1は、例えば自動車等の車両の側部に配設され、後方を視認するために用いられるものである。この実施形態では、車両の右側に配設される車両用電動格納式ドアミラー1の構造について説明するが、車両の左側に配設されるものは、右側のものと左右対称であるだけで基本的な構造は同じである。
尚、この実施形態の説明では、車両左側を単に「左」といい、車両右側を単に「右」といい、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」というものとする。
車両用電動格納式ドアミラー1は、車体に固定されるミラーベース2と、ミラー3を保持するミラーハウジング4と、ミラーハウジング4をミラーベース2に対して回動させて格納状態と使用状態とに切り替えるための電動格納ユニット5とを備えている。ミラーベース2は、例えば自動車の側部のドア(図示せず)に締結固定されるものである。ミラーベース2の左側面には、ドアの側面に密着するようにシール材2aが設けられている。また、ミラーベース2の下部にはベースカバー2bが取り付けられている。
ミラーハウジング4は、全体として左右方向に長い形状に成形された樹脂製部品である。ミラーハウジング4の後面には、前方へ窪む凹部(図示せず)が形成されている。この凹部内には、ミラー3を収容することができるようになっている。ミラー3はミラーベース6に対して接着されている。このミラーベース6もミラーハウジング4に収容されている。
ミラーハウジング4の前側には、ミラー3の角度を調整する角度調整ユニット7が収容されている。角度調整ユニット7は、従来から周知の構造のものであるので詳細な説明は省略するが、内蔵されたモーター(図示せず)によってミラー3を上下方向及び左右方向に傾動させて乗員が所望する角度に固定することができるように構成されている。
ミラーハウジング4の前側には、ミラーハウジング4の上側を前方から覆う上側カバー部材8と、ミラーハウジング4の下側を前方から覆う下側カバー部材9とが取り付けられている。上側カバー部材8と下側カバー部材9との境界部分には、ターンシグナルランプユニット10が配設されている。ターンシグナルランプユニット10は、自動車の方向指示器に連動して点滅するように構成された従来周知のものである。また、ミラーハウジング4の内部には、角度調整ユニット7やターンシグナルランプユニット10に接続されるハーネス11が配設されている。
図2に示すように、電動格納ユニット5は、ミラーハウジング4の回動力を発生する電動モーター20と、該モーター20を制御する回路を有する制御基板21と、モーター20を保持するモーターホルダー22と、これらを収容するケーシング23とを備えており、ケーシング23がミラーハウジング4に締結固定されるようになっている。ケーシング23は、上下方向中間部において上下に分割され、上側ケーシング部材24と下側ケーシング部材25とで構成されている。ケーシング23の左側には、軸部材26が配設されている。軸部材26は上下方向に延びており、下部に形成された大径部26aがケーシング23から下方へ突出している。この大径部26aは、ミラーベース2に締結固定されていて、軸部材26はミラーベース2と一体化している。
軸部材26の大径部26aよりも上側部分がケーシング23に収容されている。ケーシング23は、軸部材26の上側部分に対して該軸部材26の軸線周りに回動可能に支持されている。また、軸部材26の外周面において大径部26aよりも上側部分には、軸線方向に延びる係合溝26bが形成されている。
ケーシング23の内部には、リングギヤ28、クラッチ部材29、コイルバネ30及びストッパリング31が収容されている。リングギヤ28には、軸部材26の上側部分が挿通されており、この状態で、リングギヤ28はその下面がケーシング23の底壁部に当接している。リングギヤ28は、軸部材26に対して相対回転可能となっている。リングギヤ28の内周面には、係合凸部28aが形成されている。
クラッチ部材29は、リングギヤ28の内部に該リングギヤ28の上方から挿入可能な環状に形成されている。このクラッチ部材29には、軸部材26の上側部分が挿通される。クラッチ部材29の下端部には、リングギヤ28の係合凸部28aが挿入された状態で係合する切欠部29aが形成されている。クラッチ部材29は、リングギヤ28の係合凸部28aが切欠部29aに係合した状態でリングギヤ28と一体化するようになっている。また、クラッチ部材29の内周面には、突起29bが形成されている。この突起29bは、軸部材26の係合溝26bに挿入されて係合する。クラッチ部材29は、突起29bが軸部材26の係合溝26bに係合した状態で軸部材26と一体化するようになっている。
コイルバネ30には軸部材26の上側部分が挿通される。コイルバネ30は、クラッチ部材29の上面に当接するように配置されており、クラッチ部材29を下方、即ち、リングギヤ28の係合凸部28aがクラッチ部材29の切欠部29aに係合する方向に付勢する。ストッパリング31は軸部材26の上端部近傍に固定されており、コイルバネ30の上端部に当接している。
モーター20は、ローター(図示せず)を内蔵するモーターケース20aと、出力軸20bと、第1モーター側接続端子20cと、第2モーター側接続端子20dとを備えている。モーターケース20aは、上下方向に長い筒状に形成されている。出力軸20bは、上下方向に延びている。出力軸20bの下部は、モーターケース20aの下端面から下方へ突出している。出力軸20bの下部には、第1ウォーム35が固定されている。
第1モーター側接続端子20c及び第2モーター側接続端子20dは、一方が正極で他方が負極であり、モーターケース20aの上端面から上方へ突出するように配置されている。第1モーター側接続端子20c及び第2モーター側接続端子20dは、導電性を有する金属製の板材で構成されており、互いに略平行に延びている。この実施形態では、第1モーター側接続端子20c及び第2モーター側接続端子20dが左右方向に延びており、互いに同じ形状とされている。また、第1モーター側接続端子20c及び第2モーター側接続端子20dは前後方向に所定の間隔をあけて配置されている。
モーターホルダー22は、ケーシング23の内部において右側に収容されている。図3にも示すように、モーターホルダー22には、モーター20を収容した状態で保持するモーター収容壁部36が設けられている。モーター収容壁部36は、モーターケース20aの側面に沿って延びる一対の側壁部36a、36aと、モーターケース20aの上面を覆う上壁部36bと、モーターケース20aの下面を覆う下壁部36cとを有しており、樹脂材によって一体成形されている。モーター収容壁部36における側壁部36a、36aの間は開放されており、これら側壁部36a、36aの間からモーター20をモーター収容壁部36内に収容できるようになっている。モーター20の上部及び下部がモーター収容壁部36の上壁部36b及び下壁部36cによって保持されている。モーター20の出力軸20bは、モーター収容壁部36の下壁部36cを貫通して下方へ突出している。
モーター収容壁部36の上壁部36bには、モーター20の第1モーター側接続端子20cが挿通する第1切欠部36eと、第2モーター側接続端子20dが挿通する第2切欠部36fとが形成されている。第1モーター側接続端子20c及び第2モーター側接続端子20dは、第1切欠部36e及び第2切欠部36fから上方へ突出している。
図2に示すように、モーターホルダー22の下部には、回転軸38を支持する一対の支持板部37、37が左側へ突出するように形成されている。支持板部37、37には、回転軸38の両端部を軸支する支持部37bが切欠部によって構成されている。回転軸38には、モーター20の第1ウォーム35に噛み合うウォームホイール39と、第2ウォーム40とが固定されている。ウォームホイール39及び第2ウォーム40は、回転軸38と一体に回転するようになっている。第2ウォーム40は、リングギヤ28に噛み合うように配置される。
すなわち、モーター20の出力軸20bが回転すると第1ウォーム35が回転してウォームホイール39が駆動される。ウォームホイール39の回転力は回転軸38を介して第2ウォーム40に伝達されて第2ウォーム40が回転する。第2ウォーム40はリングギヤ28に噛み合っている。このリングギヤ28は、クラッチ部材29を介して軸部材26と一体化して相対回転しないようになっているので、第2ウォーム40の回転によってケーシング23、即ちミラーハウジング4が軸部材26の軸線周りに回動することになる。モーター20の回転方向を切り替えることで、ミラーハウジング4が格納状態と使用状態とに切り替えられる。尚、格納状態とは、ミラー3が前後方向に延びる姿勢となった状態であり、使用状態とは、ミラー3が略左右方向に延びる姿勢となった状態である。
制御基板21は、モーター20への通電の遮断等を行うための回路素子(図示せず)を有しており、回路素子は、制御基板21に対してハンダ付けされている。また、図3や図4にも示すように、制御基板21には、コネクタ21aと、第1基板側接続端子50と、第2基板側接続端子51とが設けられている。コネクタ21aには制御基板21上の回路素子が接続されるとともに、ハーネス11が接続される。第1基板側接続端子50及び第2基板側接続端子51には、制御基板21上の回路素子が接続されるとともに、第1モーター側接続端子20c及び第2モーター側接続端子20dが接続される。
この実施形態では、制御基板21が略長方形である場合について説明するが、制御基板21の外形状は任意の形状に設定することができる。制御基板21の前縁部21bと後縁部21cとは真っ直ぐに延びており、互いに略平行である。
制御基板21は、モーター20の上方に配置されている。コネクタ21aは、制御基板21の上面から上方へ突出するように設けられている。コネクタ21aは制御基板21の中央部近傍に位置している。第1基板側接続端子50及び第2基板側接続端子51は、互いに前後方向に間隔をあけて配置され、制御基板21の下面から下方へ突出している。第1基板側接続端子50及び第2基板側接続端子51の間隔は、第1モーター側接続端子20c及び第2モーター側接続端子20dの間隔と略等しく設定されている。第1基板側接続端子50は、制御基板21の前後方向中央部近傍に配置されている。また、第2基板側接続端子51は、制御基板21の後部に配置されている。
制御基板21には、該制御基板21を厚み方向に貫通する第1貫通孔21dと第2貫通孔21eとが形成されている。第1貫通孔21dの内方に第1基板側接続端子50が配置され、第2貫通孔21eの内方に第2基板側接続端子51が配置されている。第1基板側接続端子50の上部は、第1貫通孔21dから上方へ延びて制御基板21上面に位置している。第2基板側接続端子51の上部も、第2貫通孔21eから上方へ延びて制御基板21上面に位置している。
図6等にも示すように、第1基板側接続端子50は、導電性を有する金属製の板材を、左側に開放するように屈曲成形してなるものである。すなわち、第1基板側接続端子50は、左右方向に延びる一対の側板部50a、50aと、側板部50a、50aの右縁部同士を繋ぐ端板部50bとを有している。また、第1基板側接続端子50の下部は開放されている。側板部50a、50aの間隔は、第1モーター側接続端子20cの厚み寸法よりも短く設定されており、第1モーター側接続端子20cが側板部50a、50aの間に配置された状態(図4に示す)で、側板部50a、50aが第1モーター側接続端子20cを厚み方向に挟持するようになっている。第1基板側接続端子50には、第1モーター側接続端子20cがその突出方向に対して交差する方向から挿入される。具体的には、第1モーター側接続端子20cは、第1基板側接続端子50の開放側である左側から右へ向かって第1基板側接続端子50に挿入される。
また、第2基板側接続端子51は、第1基板側接続端子50と同様に構成されており、左右方向に延びる一対の側板部51a、51aと、側板部51a、51aの右縁部同士を繋ぐ端板部51bとを有している。第2モーター側接続端子20dは、第2基板側接続端子51の開放側である左側から右へ向かって第2基板側接続端子51に挿入される。
図3に示すように、モーターホルダー22の上部における前側と後側には、前側基板案内部45及び後側基板案内部46が設けられている。前側基板案内部45は、モーター収容壁部36の上壁部36bよりも上方に離れており、左右方向に延びる下面部45aと、下面部45aの前縁部から上方へ突出して左右方向に延びる縦板部45bと、縦板部45bの上端部から後側へ突出する上側突出部45cと、これら下面部45a、縦板部45b及び上側突出部45cで囲まれる部分に形成される溝45dとを有している。溝45dは、左右方向に延びており、後側に開放されるとともに、右側にも開放されている。
また、後側基板案内部46は、前側基板案内部45と同様に構成されており、下面部46aと、下面部46aの後縁部から上方へ突出して左右方向に延びる縦板部46bと、縦板部46bの上端部から前側へ突出する上側突出部46cと、これら下面部46a、縦板部46b及び上側突出部46cで囲まれる部分に形成される溝46dとを有している。溝46dは、左右方向に延びており、前側に開放されるとともに、右側にも開放されている。
前側基板案内部45の溝45dに制御基板21の前縁部21bが、当該溝45dの右側の開放部分から挿入される。また、後側基板案内部46の溝46dに制御基板21の後縁部21cが、当該溝46dの右側の開放部分から挿入される。溝45d及び溝46dが左右方向に延びているので、制御基板21は、右から左に向かう方向、即ち、第1及び第2モーター側接続端子20c、20dが第1及び第2基板側接続端子50、51に挿入される方向に案内される。
制御基板21は、前縁部21b及び後縁部21cが溝45d及び溝46dに挿入された状態で、上側突出部45c、46cによって上方に移動するのが抑制される。つまり、前側基板案内部45及び後側基板案内部46は、それぞれ、接続状態にある制御基板21が第1及び第2モーター側接続端子20c、20dの突出方向先端側(上側)に移動するのを抑制するための基板移動抑制部である。
また、前側基板案内部45の溝45dの幅(上下方向の寸法)は、制御基板21の前縁部21bの厚み寸法よりも長く設定されている。同様に、後側基板案内部46の溝46dの幅も、制御基板21の後縁部21cの厚み寸法よりも長く設定されている。これにより、制御基板21が前側基板案内部45及び後側基板案内部46に対して上下に僅かに移動可能となる。尚、この移動許容量は僅かであり、制御基板21は上側突出部45c、46cによって所定以上上方へ移動するのが抑制されているので、第1及び第2モーター側接続端子20c、20dが第1及び第2基板側接続端子50、51から抜けることはない。
また、前側基板案内部45の縦板部45b内面と、後側基板案内部46の縦板部46b内面との間隔は、制御基板21の前後方向の寸法よりも長く設定されている。これにより、制御基板21が前側基板案内部45及び後側基板案内部46に対して前後に僅かに移動可能となる。
次に、上記のように構成された制御基板21をモーターホルダー22に取り付ける場合について説明する。まず、図3、図6及び図8に示すように、モーターホルダー22にモーター20を取り付けておく。そして、制御基板21をモーターホルダー22の右側方に配置した後、左へ移動させていく。制御基板21を左に移動させていくと、図7及び図9に示すように、制御基板21の前縁部21b及び後縁部21cが、前側基板案内部45の溝45d及び後側基板案内部46の溝46dに挿入されて、溝45d及び溝46dの内面によって左側へ案内されていく。このとき、制御基板21は上下方向及び前後方向に僅かに移動可能となっている。
そして、制御基板21をさらに左側へ移動させていくと、第1及び第2モーター側接続端子20c、20dが第1及び第2基板側接続端子50、51に挿入される。第1基板側接続端子50に挿入された第1モーター側接続端子20cは、第1基板側接続端子50の側板部50a、50aによって挟持され、また、第2基板側接続端子51に挿入された第2モーター側接続端子20dは、第2基板側接続端子51の側板部51a、51aによって挟持されるので、制御基板21は左右方向に移動しなくなる。さらに、制御基板21の前縁部21b及び後縁部21cが前側基板案内部45の溝45d及び後側基板案内部46の溝46dに挿入されて、上方に移動するのが上側突出部45c、46cによって抑制されているので、第1及び第2モーター側接続端子20c、20dが第1及び第2基板側接続端子50、51から抜けることはない。
そして、制御基板21が取り付けられたモーターホルダー22をケーシング23に収容する。制御基板21が右方向へ大きく移動しようとした際には、ケーシング23の内面に設けられた当接部(図示せず)が制御基板21に対して右側から当接することで制御基板21の移動を阻止することができる。
以上説明したように、この実施形態によれば、制御基板21のモーター20への接続状態では、第1及び第2モーター側接続端子20c、20dがモーター20から突出しているので、従来のようにモーターケースに形成した端子挿入孔に挿入する場合に比べて、第1及び第2モーター側接続端子20c、20d自体が外力による変形を許容する構造となり、よって、第1及び第2モーター側接続端子20c、20dの間隔と第1及び第2基板側接続端子50、51の間隔とが多少ずれていても、両端子20c、20d、50、51が変形することによって制御基板21には無理な力が生じ難くなる。
さらに、第1及び第2モーター側接続端子20c、20dを第1及び第2基板側接続端子50、51に接続する際の挿入方向と、制御基板21を上側突出部45c、46cによって保持する際の方向とは交差する関係となっているので、制御基板21には撓み力が発生し難くなる。したがって、制御基板21の回路素子の破損やハンダ部分のクラックを未然に防止することができる。
また、接続時に、制御基板21をモーターホルダー22の前側基板案内部45及び後側基板案内部46によって案内することができるので、第1及び第2モーター側接続端子20c、20dの接続作業性を良好にすることができる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る車両用電動格納式ドアミラーは、例えば、自動車の側部に配設することができる。
1 車両用電動格納式ドアミラー
2 ミラーベース
3 ミラー
4 ミラーハウジング
5 電動格納ユニット
20 モーター
20c 第1モーター側接続端子
20d 第2モーター側接続端子
21 制御基板
22 モーターホルダー
45 前側基板案内部
45d 溝
46 後側基板案内部
46d 溝
50 第1基板側接続端子
51 第2基板側接続端子

Claims (2)

  1. 車体に固定されるミラーベースと、
    ミラーを保持するミラーハウジングと、
    上記ミラーハウジングを上記ミラーベースに対して回動させて格納状態と使用状態とに切り替えるための電動格納ユニットとを備えた車両用電動格納式ドアミラーにおいて、
    上記電動格納ユニットは、上記ミラーハウジングの回動力を発生するモーターと、該モーターを制御する回路素子を有する制御基板と、上記モーターを保持するモーターホルダーとを備え、
    上記モーターには、モーター側接続端子が突出するように設けられ、
    上記制御基板には、上記モーター側接続端子がその突出方向に対して交差する方向から挿入され、該モーター側接続端子を挟持するように形成された基板側接続端子が該制御基板から突出するように設けられ、
    上記モーターホルダーには、接続状態にある上記制御基板が上記モーター側接続端子の突出方向先端側に移動するのを抑制する基板移動抑制部が設けられ
    上記モーターは、出力軸が下方へ突出するように配置され、
    上記モーター側接続端子は、上記モーターの上部から上方へ突出するように設けられ、
    上記制御基板は、上記モーターの上方に配置され、
    上記基板移動抑制部は、上記制御基板を、上記モーター側接続端子が上記基板側接続端子に挿入される方向に案内するとともに、上記制御基板が上方に移動するのを抑制することを特徴とする車両用電動格納式ドアミラー。
  2. 請求項に記載の車両用電動格納式ドアミラーにおいて、
    上記モーターホルダーの上記基板移動抑制部は、上記制御基板の縁部が挿入される溝を有し、該溝の幅は、上記制御基板の縁部の厚み寸法よりも長く設定されていることを特徴とする車両用電動格納式ドアミラー。
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