JP6431740B2 - 光ファイバ用被覆除去具及び光ファイバの被覆除去方法 - Google Patents
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Description
従来、外側被覆層の除去用と内側被覆層の除去用との光ファイバ用被覆除去具をそれぞれ用意し、外側被覆層を除去した後に、内側被覆層を除去していた。これにより、作業工数が増え現場の作業者の負担となっていた。
また、上記の光ファイバ被覆除去具は、一対の前記操作部には、互いに対向する内側に、それぞれ嵌合凸部と嵌合凹部とが設けられ、前記第1挟持対及び前記第2挟持対で挟み込んだ挟持状態で、前記嵌合凸部は、前記嵌合凹部に嵌る、ものであってもよい。
以下、実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図にはX−Y−Z座標系を示した。以下の説明において、必要に応じて各座標系に基づいて各方向の説明を行う。
ストリッパ100は、光ファイバ1(図12参照)の被覆を除去する光ファイバ用被覆除去具である。
図12は、本実施系他における被覆除去の対象となる光ファイバ1を示す図である。
光ファイバ1は、裸光ファイバ2と裸光ファイバ2を覆う内側被覆層3と、内側被覆層3をさらに覆う外側被覆層4とを有する。光ファイバ1は、ストリッパ100により、内側被覆層3と外側被覆層4とを段付きに除去される。これにより、光ファイバ1は、図12に示すように、裸光ファイバ2と内側被覆層3とが段付きに露出された端末部1aが形成される。
内側被覆層3は、裸光ファイバ2の外周に被着している。同様に、外側被覆層4は、内側被覆層3の外周に被着している。内側被覆層3及び外側被覆層4は、例えばUV樹脂などからなる。
内側被覆層3は、例えば外径D2=250μmとされている。また、外側被覆層4は、例えば外径D3=500μmとされている。
図1〜図3に示すように、本実施形態のストリッパ100は、基部10と、基部10から一方向に延出された一対のアーム部40とを有し、これらが一体に形成されたものである。
基部10は、平面視矩形状で上下方向(Z軸方向)に厚みを有する台部11と、台部11の上面(対向面)11aの前方(+Y側)に設けられた支柱部12と、台部11の上面11aの後方(−Y側)に設けられたスライド部13と、台部11の上面11aの中央に台部11を幅方向(X軸方向)に横切るように突出して形成されたストッパ14と、台部11の上面11aにおいて支柱部12とストッパ14との間に設けられたガイド体15と、を有する。
台部11の中央には、矩形状の孔としての窓11cが設けられている。窓11cは、平面視でアーム部40の第2挟持対46と対応する位置に設けられている。光ファイバ1の端末部1aにおいて除去された内側被覆層3及び外側被覆層4は、窓11cから落下して、台部11上に滞留することがない。
支柱部12は、台部11の上面11aから上方に突出して設けられている。支柱部12は、台部11の前方に設けられており、支柱部12から後方にアーム部40が延出する。一対のアーム部40は、台部11の中央に向かって延びており、光ファイバ1を挟み込むために互いに近接する。支柱部12は、片持ちとなる一対のアーム部40を支持する役割を果たす。
ガイド体15は、台部11の上面11aに設けられブロック状に形成されている。ガイド体15は、平面視で一対のアーム部40同士の間に配置されている。
ガイド体15の上面15aは、アーム部40の長手方向(Y軸方向)と同方向の中心線に沿って窪んだ凹面形状を有している。この凹面形状は、支柱部12に設けられたテーパ部12bと滑らかに連続している。
作業者は、ガイド孔12aに光ファイバ1を案内する際に、光ファイバ1の先端1aをガイド体15の上面15aに接触させた状態で、光ファイバ1を前方に進行させることが好ましい。これにより、作業者は、光ファイバ1の先端1aをガイド体15の上面15a、テーパ部12b、ガイド孔12aの順にスムーズに案内できる。
スライド部13は、台部11の幅方向(X軸方向)の両側において、上面11aから上方に突出して一対設けられている。スライド部13は、台部11の幅方向両側の縁に沿って長手方向(Y軸方向)に延びている。一対のスライド部13同士は、互いに平行に延びている。一対のスライド部13同士の距離は、後段に説明する光ファイバホルダ200(図5参照)の幅と略同じか若干大きくなっている。一対のスライド部13の間に光ファイバホルダ200を配置することで、光ファイバホルダ200をY方向に直線移動させることができる。
ストッパ14は、台部11の上面11aにおいて台部11の短手方向(X軸方向)に沿って立設された凸条部である。ストッパ14は、スライド部13に沿って直線移動させる光ファイバホルダ200(図5参照)の前方先端と当接する。これにより、ストッパ14は、光ファイバホルダ200をY軸方向に位置決めして、光ファイバホルダ200に保持された光ファイバ1の被覆除去の開始位置を所定の位置とすることができる。
一対のアーム部40は、基部10の支柱部12から後方(−Y方向)に延びている。アーム部40は、先端側(−Y側)に設けられた操作部42と、支柱部12側に設けられ弾性変形することで操作部42同士を互いに近接させる変形部41と、を備えている。
一対の変形部41は、Y軸方向に沿って延出しており、その横断面はX軸方向に比較的薄く、Z軸方向に比較的厚く形成されている。これにより、変形部41は、X軸方向に曲がる弾性変形しやすくなっている。
一対の操作部42(42A、42B)は、それぞれ変形部41の先端側(後方)に形成されている。一対の操作部42は、変形部41の横断面に対して外側に拡大した横断面を有している。一対の操作部42は、内側面42aを向い合せて並んで配置されている。
なお、以下の説明では必要に応じて、操作部42のうち−X側に位置する一方を第1操作部42Aとし、+X側に位置する他方を第2操作部42Bとする。
また、図3に示すように、一対の操作部42のうち第1操作部42Aは、近接制限部48を有している。また、第1操作部42Aの内側面42aの最後方における上部と下部にはそれぞれ嵌合凹部49Aが設けられている。一方、第2操作部42Bの内側面42aの最後方における上部と下部にはそれぞれ嵌合凸部49Bが設けられている。
近接制限部48は、第1操作部42Aと第2操作部42Bとが近づけられた際に、第2操作部42Bの内側面42aに当接する。これにより、操作部42Aと操作部42Bとが近接制限部48の突出高さ以上に近接することを制限する。
被覆除去工程は、基部10の支柱部12に設けられたガイド孔12aに光ファイバ1を挿通させた状態で行われる。したがって作業者は、被覆除去工程の予備工程として、光ファイバ1をガイド孔12aに挿通させる。この予備工程において、近接制限部48の上面48aに沿って光ファイバ1を長手方向に移動させることで、光ファイバ1がガイド孔12aに挿通されやすくなる。
第1突出片43と第2突出片44は、前後方向(Y軸方向)に並んで配置されている。第1突出片43は、第2突出片44に対して前方(+Y側)に位置している。
一対の第1突出片43は、互いの先端43a同士が向き合っている。対向する一対の第1突出片43は、第1挟持対45を構成している。同様に、一対の操作部42の第2突出片44は、互いの先端44a同士が向き合っている。対向する一対の第2突出片44は、第2挟持対46を構成している。
近接制限部48は、Y軸方向に対し第1挟持対45及び第2挟持対46の間に設けられている。これにより、変形部41の撓みの影響で、第1挟持対45と第2挟持対46のうち、一方の挟持対のみが偏って近接することを防ぐことができる。
挟持状態から光ファイバ1を引き抜くことで、第1挟持対45が生じさせた亀裂を起点に内側被覆層3と外側被覆層4とが除去される。
なお「光ファイバ1を挟み込んだ状態」とは、一方の操作部42Aの内側面42aに設けられた近接制限部48が、他方の操作部42Bの内側面42aに当接した状態であり、後段で図6を基に説明する挟持状態である。
被覆除去工程においては、第2挟持対46(即ち一対の第2突出片44)の間に光ファイバ1を配置し、近接制限部48が当接するまで一対の操作部42同士を近づけることで、第2挟持対46で光ファイバ1を挟み込む。第2挟持対46は、外側被覆層4の外径D3より近づくため、外側被覆層4に亀裂を生じさせることができる。また、第2挟持対46は、内側被覆層3の外径D2より離間しているため、内側被覆層3を損傷させることがない。したがって、この状態で、光ファイバ1を第2挟持対46から引き抜くことで、光ファイバ1の外側被覆層4を除去できる。
第2挟持対46を構成する第2突出片44の先端44aは、上下方向(Z軸方向)に延在する。先端44aは、前後方向の厚さが1mm程度となる平坦面となっている。この先端44aには、外側被覆層4の外径D2に対応する丸溝44bが設けられている。対向する丸溝44bは、操作部42が近接することで光ファイバ1の外側被覆層4を挟み込む。対向する丸溝44bは、光ファイバ1を挟み込んだ状態で、互いに平行とされることが好ましい。また、対向する丸溝44bは、光ファイバ1を挟み込んだ状態で、光ファイバ1を引き抜く方向が広がるように傾斜して形成されていてもよい。これにより、丸溝44bが形成された先端44aの摩耗を抑制しつつ、光ファイバ1の外側被覆層4に亀裂の起点を生じさせることができる。
また、光ファイバ1を一対の先端44aに設けられた丸溝44bの内周面で挟み込むことで、光ファイバ1と先端44aとの接触面積を大きくすることができる。これにより、光ファイバ1に加わる面圧を低減し、内側被覆層3及び裸光ファイバ2の損傷を防ぎつつ、外側被覆層4に亀裂の起点を生じさせることできる。
把持部47は、作業者が第1挟持対45と第2挟持対46との間を押圧するように設けられていることが好ましい。光ファイバ1を第1挟持対45及び第2挟持対46の隙間に配置して、作業者が把持部47を押圧することで、変形部41が撓み、第1挟持対45及び第2挟持対46をそれぞれ近接させ光ファイバ1を挟み込む。作業者が、第1挟持対45と第2挟持対46の間を押圧することで、第1挟持対45と第2挟持対46には、均等に力が加わり、光ファイバ1を同等の力で挟み込むことができる。加えて、作業者が第1挟持対45と第2挟持対46との間を押圧するように把持部47を構成することで、変形部41の撓みにより、第1挟持対45と第2挟持対46のうち、一方の挟持対のみが偏って近接することを防ぐことができる。
図2及び図4に示すように、一対のアーム部40に設けられた操作部42には、トンネル状に下側が窪んで凹部50がそれぞれ形成されている。凹部50は、後方(−Y方向と)下方(−Z方向)に開口している。凹部50の天面(対向面)50aは、台部11の上面(対向面)11aと平行に形成されている。天面50aと上面11aとの距離Hは、後段において説明する光ファイバホルダ200(図5参照)の先端に位置する延出部196の高さhと略同じである。
図4に示すように、嵌合凹部49Aは、第1操作部42Aの内側面42aに設けられている。嵌合凹部49Aは、第2突出片44に対して上下にそれぞれ設けられている。同様に、嵌合凸部49Bは、第2操作部42Bの内側面42aにおいて、第2突出片44に対して上下にそれぞれ設けられている。
嵌合凹部49Aと嵌合凸部49Bとは、互いに向かい合って配置されている。嵌合凹部49Aと嵌合凸部49Bとは、第1操作部42Aと第2操作部42Bとが互いに近接した際に嵌り合う。嵌合凹部49Aと嵌合凸部49Bとは、第1操作部42A及び第2操作部42Bの上下に配置されているため、嵌合凸部49Bが第1操作部42Aを上下方向から挟み込むように配置される。これにより、第1操作部42Aと第2操作部42Bとが、上下方向(Z軸方向)に相対的にずれたり傾いたりすることを抑制できる。互いに対向する第1突出片43の先端43a同士、並びに第2突出片44の丸溝44b同士がずれたり傾いたりすることを抑制し、光ファイバ1を両側から均一に挟持することができる。
図5を基に、光ファイバホルダ200について説明を行う。光ファイバホルダ200は、光ファイバ1(図12参照)を保持し、光ファイバ1の位置決めを行うために用いられる。また、光ファイバホルダ200は、光ファイバ1同士の接続工程において共通して用いることが想定されている。光ファイバ1同士の接続工程は、光ファイバ1の端末部1aの被覆除去工程を行った後に行われる。
光ファイバホルダ200下側には、平坦面な下面200aが形成されている。また、光ファイバホルダ200の両側には前後方向(Y軸方向)に延びる側面200bがそれぞれ形成されている。
以下の説明において、光ファイバホルダ200に把持固定される光ファイバ1の長手方向において、ストリッパ100により被覆除去される光ファイバ1の端末部1a側(+Y方向)を前方といい、その反対側(−Y方向)を後方と呼ぶ。
第2保持壁部194は第1保持壁部193の前方に、第1保持壁部193から離間して形成されている。台部195bは第2保持壁部194の前方に、第2保持壁部194から離間して形成されている。
蓋体192の基端部192a(ヒンジ部)とは反対の端部である先端部192b側に形成された係止突起192cは、ベース部191に形成された係止凹部191cに係脱自在に嵌合できる。
蓋体192は、ベース部191の上面191bに被せた状態(閉状態)で、係止突起192cをベース部191の係止凹部191cに係合させることで、光ファイバ1をベース部191(基体部195)に押さえ込んで把持固定できる。
次に、本実施形態のストリッパ100を用いて、光ファイバ1の被覆を除去する工程の一例について説明する。
まず、図5に示すように光ファイバ1を、光ファイバホルダ200に把持させる。
次に、光ファイバホルダ200の先端から延びる光ファイバ1の端末部1aを、ストリッパ100の近接制限部48の上面48aに接触させる。さらに、光ファイバホルダ200を前方に移動して、端末部1aをガイド体15の上面15a、基部10の支柱部12に形成されたテーパ部12b、ガイド孔12aに順に導く。これにより、光ファイバ1の端末部1aをガイド孔12aに挿通させる。
さらに、光ファイバホルダ200を前方に直線移動させ、延出部196の前方先端面をストリッパ100のストッパ14に当接させる。このとき、光ファイバホルダ200の延出部196が、一対の操作部42の下側にトンネル状に形成された、凹部50(図2、図4参照)に収まる。延出部196の上面196aは、凹部50の天面50aに接触した状態となる。
次工程において、光ファイバ1は、後方(−Y方向)に引き抜かれる。このとき、第1挟持対45の一対の先端43aは、+Y側の角部で内側被覆層3及び外側被覆層4に破断の起点5を生じさせる。
変形例の第1挟持対45Xであっても、先端43Xaの+Y側の角部で内側被覆層3並びに外側被覆層4に破断の起点5を生じさせることができる。
なお、第1挟持対45Xの対向する先端43Xa同士の傾斜角度は、できるだけ小さく、平行に近づけることが好ましい。即ち、体外に並行とされた第1実施形態の第1挟持対45が最も好ましい。
先端43a同士を平行とすることで、第1突出片43Xの耐久性を高めることができる。
一対の第1突出片43Yには、前方に傾斜し突出する傾斜面43Ycが設けられている。第1突出片43Yの傾斜面43Ycと先端43Yaとは、鋭角となっている。即ち、第1突出片43Yは、前方に向かって鋭角な楔形状を有している。第1突出片43Yは、楔状に形成された傾斜面43Ycと先端43Yaとの角部において、光ファイバ1の内側被覆層3並びに外側被覆層4に食い込む。
次工程において、光ファイバ1は、後方(−Y方向)に引き抜かれる。このとき第1挟持対45Yは、先端43Yaと傾斜面43Ycとの角部において、内側被覆層3及び外側被覆層4に破断の起点5を生じさせる。光ファイバ1が、後方(−Y方向)に引き抜かれると、破断の起点5より前方に位置する内側被覆層3並びに外側被覆層4が、第1挟持対45Yの傾斜面43Ycに乗り上げる。これにより、破断の起点5より前方の内側被覆層3並びに外側被覆層4が確実に除去される。
一対の第1突出片43Zには、前方に傾斜し突出する傾斜面43Zcが設けられている。第1突出片43Zの傾斜面43Zcと先端43Zaとは、鋭角となっている。即ち、第1突出片43Zは、前方に向かって鋭角な楔形状を有している。第1突出片43Zは、楔状に形成された傾斜面43Zcと先端43Zaとの角部において、光ファイバ1の内側被覆層3並びに外側被覆層4に食い込む。
第1突出片43Zの前方に傾斜面43Zcを設け第1突出片43Zを前方に向かって鋭角な楔状とすることで、破断の起点5で確実に内側被覆層3並びに外側被覆層4を破断し、除去できる。
第2挟持対46の一対の丸溝44bは、+Y側の角部で外側被覆層4に破断の起点6を生じさせる。
このような、変形例の第2挟持対46Xであっても、外側被覆層4に破断の起点6を生じさせる。
なお、第2挟持対46Xの対向する丸溝44Xbの傾斜角度は、できるだけ小さく、平行に近づけることが好ましい。これにより、第2突出片44Xの耐久性を高めることができる。
この被覆除去工程において、第1挟持対45及び第2挟持対46が光ファイバ1を挟み込む様子を、作業者が確認できる。したがって、被覆除去を確実に行い光ファイバ1に損傷を与えていないことを確認しながら作業を行うことができる。
なお、ストリッパ100は、光ファイバホルダ200に保持されていない光ファイバ1の被覆除去を行うことができる。
また、ストリッパ100は、光ファイバ1の内側被覆層3及び外側被覆層4を段付きに除去する以外にも用いることができる。例えば、ストリッパ100は、外側被覆層4を有しておらず、裸光ファイバ2と内側被覆層3とからなる光ファイバに対して、内側被覆層3を除去する為に用いても良い。
次に第2実施形態のストリッパ(光ファイバ用被覆除去具)300について、図10、図11を基に説明する。
図10は、ストリッパ300の斜視図であり、図11は、ストリッパ300による被覆除去工程の様子を示す図である。
なお、上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
基部210は、平面視矩形状で上下方向(Z軸方向)に厚みを有する台部211と、台部211の上面211aの前方(+Y側)に設けられた支柱部212と、台部211の上面211aの後方(−Y側)に設けられた第1スライド部213A及び第2スライド部213Bと、を有する。
第1スライド部213A及び第2スライド部213Bは、台部211の幅方向両側の縁に沿って長手方向(Y軸方向)に延びている。第1スライド部213A及び第2スライド部213Bは、互いに平行に延びている。第1スライド部213Aと第2スライド部213Bとの距離は、光ファイバホルダ200(図5参照)の厚みと略同じか若干大きくなっている。図11に示すように、ストリッパ300は、第1スライド部213Aと第2スライド部213Bとの間に光ファイバホルダ200を配置した状態から、光ファイバホルダ200をY方向に直線移動させることができる。
図11に示すように、このストリッパ300には、上面側が第1スライド部213A側に位置するように、光ファイバホルダ200が取り付けられる。光ファイバホルダ200の上面側には、蓋体192が設けられている。図5に示すように、蓋体192は、光ファイバホルダ200の上面から上方に突出している。第1スライド部213Aの寸法が、前後方向に小さく形成されていることで、蓋体192と第1スライド部213Aとが干渉することなく、光ファイバホルダ200をストリッパ300に取り付けることができる。
また、第1スライド部213Aと第2スライド部213Bの形状設計は、被覆除去工程を行う作業者の握りやすさを考慮してなされている。第1スライド部213Aには拇指を掛けやすく、第2スライド部213Bには、食指の側部を沿わせやすいように、それぞれの形状が決められている。
図5に示すように、光ファイバホルダ200の前方においては、一対の延出部196の間の空間199が形成されている。また、空間199の後方であって、延出部196の間には、平坦な中央前面197が位置している。
光ファイバホルダ200は、一対の延出部196の間に操作部242が位置させるように、配置される。操作部242の後方面はストッパ214であり、光ファイバホルダ200の中央前面197と当接する。これにより、光ファイバホルダ200をY軸方向に位置決めして、光ファイバホルダ200に保持された光ファイバ1の被覆除去の開始位置を所定の位置とすることができる。
この被覆除去工程により、第1挟持対245においては、光ファイバ1の内側被覆層3と外側被覆層4とを同時に除去できる。また第2挟持対246においては、外側被覆層4のみを除去できる。したがって、光ファイバ1に段付きの端末部1aを容易に形成できる。
以上の様に、第2実施形態のストリッパ300は、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
Claims (17)
- 光ファイバの端末部の被覆を除去する被覆除去具であって、
基部と、前記基部から一方向に延出された一対のアーム部とを有し、
各々の前記アーム部は、先端側に設けられた操作部、並びに基部側に設けられ弾性変形することで一対の前記操作部を互いに近接させる変形部、を備え、
一対の前記操作部には、互いに対向する内側に、互いの先端が向かい合って設けられた一対の第1挟持対と、一対の第2挟持対と、が前後に並んで設けられ、
前記第1挟持対は、前後方向において前記第2挟持対に対し前記光ファイバの端末側に位置し、
前記光ファイバは、裸光ファイバと、前記裸光ファイバを覆う内側被覆層と、前記内側被覆層をさらに覆う外側被覆層と、を有し、
前後方向に沿って配置した前記光ファイバを、前記第1挟持対及び前記第2挟持対で挟み込んだ挟持状態で、前記第1挟持対の先端同士は前記内側被覆層及び前記外側被覆層に食い込み前記内側被覆層及び前記外側被覆層に亀裂を生じさせ、前記第2挟持対の先端同士は前記外側被覆層に食い込み前記外側被覆層に亀裂を生じさせる、
光ファイバ用被覆除去具。 - 一対の前記操作部には、互いに対向する内側に、それぞれ嵌合凸部と嵌合凹部とが設けられ、
前記第1挟持対及び前記第2挟持対で挟み込んだ挟持状態で、前記嵌合凸部は、前記嵌合凹部に嵌る、
請求項1に記載の光ファイバ用被覆除去具。 - 前記第1挟持対の互いの先端に平坦な面が形成されている、請求項1又は2に記載の光ファイバ用被覆除去具。
- 前記第2挟持対の互いの先端に前記光ファイバが嵌る丸溝が形成されている、請求項1〜3の何れか一項に記載の光ファイバ用被覆除去具。
- 前記第1挟持対及び前記第2挟持対のうち何れか一方又は両方の向かい合う先端同士が、前記挟持状態において平行に形成されているか、若しくは、前記挟持状態において前記光ファイバを引き抜く方向が広がるように傾斜して形成されている、請求項1〜4の何れか一項に記載の光ファイバ用被覆除去具。
- 互いに対向する一対の前記アーム部の内側に、前記第1挟持対及び前記第2挟持対の近接距離を制限する近接制限部を有する、請求項1〜5の何れか一項に記載の光ファイバ用被覆除去具。
- 前記近接制限部が、前記第1挟持対の先端同士の近接を、前記裸光ファイバの外径以上、前記内側被覆層の外径以下の距離に制限し、前記第2挟持対の先端同士の近接を、前記内側被覆層の外径以上、前記外側被覆層の外径以下の距離に制限する、請求項6に記載の光ファイバ用被覆除去具。
- 前記近接制限部が、前記操作部において、前記第1挟持対と前記第2挟持対との前後方向の間に設けられている、請求項6又は7に記載の光ファイバ用被覆除去具。
- 前記近接制限部が、一対の前記アーム部のうち一方のアーム部に設けられ、
前記挟持状態で前記光ファイバが前記近接制限部の上方を通過する、請求項6〜8の何れか一項に記載の光ファイバ用被覆除去具。 - 前記基部が、前記挟持状態で前記光ファイバの端末部を挿通させるガイド孔を備えている、請求項1〜9の何れか一項に記載の光ファイバ用被覆除去具。
- 前記基部が、前記ガイド孔に前記光ファイバの端末部を案内するテーパ部を備えている、請求項10に記載の光ファイバ用被覆除去具。
- 前記操作部の外側に、把持部が設けられ、
前記把持部は、前記第1挟持対と前記第2挟持対との間を押圧するように位置する請求項1〜11の何れか一項に記載の光ファイバ用被覆除去具。 - 前記光ファイバが、光ファイバホルダに保持され、
前記基部が、前記光ファイバホルダを前後方向に直線移動させるスライド部を有している請求項1〜12の何れか一項に記載の光ファイバ用被覆除去具。 - 前記基部が、前記光ファイバホルダの被覆除去の開始位置に位置決め可能なストッパを有する請求項13に記載の光ファイバ用被覆除去具。
- 前記基部は、前記アーム部の延出方向と同方向に延びる台部を有し、
前記アーム部と前記台部とは、互いに対向し、かつ前記光ファイバの高さと同じ距離だけ離間して配置された対向面をそれぞれ有し、
前記光ファイバホルダを、前記アーム部と前記台部の前記対向面同士の間に接触して配置させる請求項13又は14に記載の光ファイバ用被覆除去具。 - 前記基部と前記アーム部とが、樹脂からなり一体に形成されている請求項1〜15の何れか一項に記載の光ファイバ用被覆除去具。
- 一対のアーム部の互いに対向する内側に、前後方向に沿って光ファイバを配置する工程と、
一対の前記アーム部の基部側の弾性変形可能な変形部より先端側に形成された操作部の外側に設けた把持部をそれぞれ把持して前記変形部を変形させ、一対の前記操作部の内側に前後に並んで設けられた第1挟持対及び第2挟持対の各先端同士を前記光ファイバを挟み込むまで近接させる工程と、
前記光ファイバを後方に引き抜くことで前記光ファイバの被覆を除去する工程と、を含み、
前記第1挟持対は、前後方向において前記第2挟持対に対し前記光ファイバの端末側に位置し、
前記光ファイバは、裸光ファイバと、前記裸光ファイバを覆う内側被覆層と、前記内側被覆層をさらに覆う外側被覆層と、を有し、
前記第1挟持対及び前記第2挟持対の各先端同士を前記光ファイバを挟み込むまで近接させる工程では、前記第1挟持対の先端同士は前記内側被覆層及び前記外側被覆層に食い込み前記内側被覆層及び前記外側被覆層に亀裂を生じさせ、前記第2挟持対の先端同士は前記外側被覆層に食い込み前記外側被覆層に亀裂を生じさせ、
前記光ファイバの被覆を除去する工程では、前記第1挟持対において前記内側被覆層及び前記外側被覆層が除去され、前記第2挟持対において外側被覆層が除去される、光ファイバの被覆除去方法。
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