JP6430982B2 - 透明ハイバリアフイルム - Google Patents

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Description

本発明は、食品、日用品の包装材や、太陽電池、電子ペーパー、有機EL等の封止材として使用されているバリアフイルムに関し、酸素を遮断する酸素バリア性と水蒸気を遮断する水蒸気バリア性(以下、これらを合わせてバリア性ということがある)の両方に優れているハイバリア性が必要とされる用途で使用することができる、ハイバリア性を有する透明ハイバリアフイルムに関する。
尚、本明細書でいうハイバリア性とは、酸素バリア性が、1×10−2cc/m・day以下、かつ水蒸気バリア性が、3×10−3g/m・day以下のことをいう。
一般的なバリアフイルムは、収容物の変質を抑制して、その機能や品質を保持する為、包装材や封止材を透過する酸素、水蒸気等、収容物を変質させる気体による影響を防止する必要があり、酸素バリア性と水蒸気バリア性を少なくとも備えていることが求められている。
そして、医薬品の包装材として使用するバリアフイルムは、収容物である医薬品が酸素や水蒸気等によって品質が劣化することを防ぐ為に酸素や水蒸気等を遮断するハイバリア性が特に必要とされており、また収容物である医薬品を目視で確認することができる透明性も兼ね備えたハイバリアフイルムが要望されている。
また、太陽電池、電子ペーパー、有機EL等などの開発が進むなかで、これらのフレキシブル化の研究開発が行われており、従来、太陽電池、電子ペーパー、有機EL等で酸素や水蒸気の封止材として使用していたガラス基板は、酸素や水蒸気を遮断するハイバリア性は備わっているものの柔軟性が低く割れやすく、フレキシブルな太陽電池、電子ペーパー、有機EL等の封止材(以下、フレキシブル封止材という)として使用することができなかった。
その為、フレキシブル封止材として使用することができる、柔軟性とハイバリア性の両方を兼ね備えたハイバリアフイルムが要望されている。
しかしながら、食品や日用品の包装材に使用されている一般的なバリアフイルムは、前記のような、医薬品の包装材やフレキシブル封止材として必要なハイバリア性を有していない為、医薬品の包装材や、フレキシブル封止材として使用することができなかった。
そして、特許文献1には、食品、日用品、医薬品等の包装分野や、電子機器関連部材などの分野において、包装材やFPD(フラットパネルディスプレイ)向けとして好適に使用することができる透明なガスバリア性積層フイルムとして、プラスチックフイルム上に重合可能なアクリル系のモノマーまたはモノマーとオリゴマーとの混合物を含むアンカー層、及びSiOxCy(xは1.5以上2.0以下、yは0以上0.5以下)で表される酸化珪素からなるガスバリア層が順次積層しているガスバリア性積層フイルムが記載されている。
特開2010−201888
しかしながら、特許文献1記載のガスバリア性積層フイルムは、前記のように、アンカーコート層、及びSiOxCy(xは1.5以上2.0以下、yは0以上0.5以下)で表される酸化珪素からなるガスバリア層(バリア層)が積層されたものであり、バリア層として積層されている層が単層である為、一般的なバリアフイルムと比較すると酸素バリア性、及び水蒸気バリア性は向上しているものの、医薬品の梱包材や、フレキシブル封止材として使用するバリアフイルムに求められるハイバリア性を満足するものではなく当該用途で使用することができない欠点があった。
特許文献1記載のガスバリア性積層フイルムのガスバリア層(バリア層)を構成しているSiOxCyは、一般的に酸素の含有割合であるx値が高くなる(炭素の含有割合であるy値が低くなる)につれ柔軟性は低下するが透明性とバリア性が向上する傾向にあり、炭素の含有割合であるy値が高くなる(酸素の含有割合であるx値が低くなる)につれバリア性は低下するが柔軟性が高くなる傾向にある。
その為、ガスバリア層(バリア層)が単層であった場合に、ガスバリア層(バリア層)は、バリア性はよいが柔軟性が低い層、もしくは柔軟性はよいがバリア性に劣る層のどちらかとなる可能性があり、バリア性と柔軟性の両方を兼ね備えたものとすることが困難である欠点があった。
具体的には、ガスバリア層(バリア層)を、酸素の含有割合であるx値の高いSiOxCyからなる層とした場合には、バリア性はよいものの柔軟性が低く製造時等にクラック等が発生しやすくなり、所望のバリア性を発揮することができなくなかった。
また、ガスバリア層(バリア層)を、炭素の含有割合であるy値の高いSiOxCyからなる層とした場合には、柔軟性が高くガスバリア層(バリア層)にクラック等が発生する可能性は低いものの、バリア性が低いものである為、所望のバリア性を発揮することができなかった。
さらに、特許文献1記載のガスバリア性積層フイルムには、ガスバリア層(バリア層)が単層である為、ガスバリア層にバリア性を低下させる原因となるピンホール等の欠点が発生した場合に、該欠点を補修することができず所望のバリア性を確実に発揮することができない欠点もあった。
本発明の課題は、上記の欠点を除去し、ハイバリア性が求められる用途で問題なく使用することができる透明なハイバリアフイルムを提供することにある。
[1]本発明は、プラスチックフイルムの片面または両面に、少なくともバリア層A、バリア層B、及びバリア層Aが順次積層された透明ハイバリアフイルムであって、以下(A)〜(C)条件をすべて満足することを特徴とする透明ハイバリアフイルムである。
(A)バリア層A、及びバリア層Bが、いずれもSiOCからなる層である。
(B)バリア層Aが、X線光電子分光分析法(XPS)で炭素の定量分析をしたときの炭素の含有割合が0.1%以上15%未満の範囲であるSiOCからなる層である。
(C)バリア層Bが、X線光電子分光分析法(XPS)で炭素の定量分析をしたときの炭素の含有割合が15〜40%の範囲であるSiOCからなる層である。
[2]本発明は、バリア層B上に積層されているバリア層A上に、バリア層Bとバリア層Aとをこの順で積層されたものを1ユニットとし、該ユニットがn回(nは自然数)積層されている上記[1]記載の透明ハイバリアフイルムである。
本発明の透明ハイバリアフイルムは、X線光電子分光分析法(XPS)で炭素の定量分析をしたときの炭素の含有割合が0.1%以上15%未満の範囲であるSiOCからなるバリア層A、及びX線光電子分光分析法(XPS)で炭素の定量分析をしたときの炭素の含有割合が15〜40%の範囲であるSiOCからなるバリア層Bが、少なくともバリア層A、バリア層B、及びバリア層Aの順でプラスチックフイルムの片面または両面に積層されていることが特徴である為、ハイバリア性を発揮することができる。
また、本発明の透明ハイバリアフイルムに積層されているバリア層Aは、炭素の含有割合が0.1%以上15%未満の範囲のSiOCからなり、透明性が高くバリア性がよい層であり、本発明の透明ハイバリアフイルムに積層されているバリア層Bは、炭素の含有割合が15〜40%の範囲のSiOCからなり柔軟性が高い層である。
そして、本発明の透明ハイバリアフイルムは、上記のように特性の異なるバリア層Aとバリア層Bが、少なくともバリア層A、バリア層B、及びバリア層Aの順で積層されたものである為、ハイバリア性と柔軟性の両方を兼ね備えたものとなる。
尚、本明細書でいうSiOCとは、珪素(Si)、酸素(O)、及び炭素(C)の含有割合が、Si:O:C=1:1:1である状態を表しているものではなく、前記の炭素(C)の含有割合に応じて、珪素(Si)、及び酸素(O)の含有割合が変化するものである。
したがって、本発明の透明ハイバリアフイルムは、ハイバリア性と柔軟性の両方を兼ね備えたものである為、食品や日用品等の包装材としてだけでなく、医薬品の包装材や、フレキシブル封止材等ハイバリア性と柔軟性が必要とされる用途で問題なく使用することができる。
また、本発明の透明ハイバリアフイルムは、バリア層B上に積層されたバリア層A上に、バリア層Bとバリア層Aとをこの順で積層されたものを1ユニットとし、該ユニットがn回(nは自然数)さらに積層されたものとすれば、バリア性がさらに向上する。
尚、柔軟性は、本発明の透明ハイバリアフイルムの製造時等でロール状にした場合に、バリア層A、及びバリア層Bにクラックが発生しない程度の柔軟性があればよく、透明性は、本発明の透明ハイバリアフイルムを包装材として使用した場合に、収容物を目視で確認できる程度の透明性があれば実用上問題なく、概ね全光線透過率が80%以上であれば問題ない。
(プラスチックフイルム)
本発明の透明ハイバリアフイルムに使用するプラスチックフイルムは、特に制限はなく、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフイルム、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリアミドフイルム等、各種従来公知のプラスチックフイルムが使用できる。
プラスチックフイルムは、無延伸、一軸延伸、二軸延伸のいずれでもよく、また、帯電防止剤、着色剤、熱安定剤等の各種添加剤を含んでいても構わない。
また、プラスチックフイルムの種類や厚さは、所望の用途、目的に応じて適宜選択すればよい。
プラスチックフイルムは、プラスチックフイルムとバリア層Aや後述するアンカーコート層等、プラスチックフイルム上に積層される層との密着力を強くする目的で、プラスチックフイルム上に、易接着コート、コロナ処理等の表面処理がされたものでも構わず、これら表面処理がされたプラスチックフイルムも、本明細書のプラスチックフイルムに含まれる。
プラスチックフイルムの厚さは、特に限定されないが、12〜250μmの範囲が好ましい。
プラスチックフイルムの厚さが12μmよりも薄いと、本発明の透明ハイバリアフイルムを製造する場合に、カールやシワ等が発生しやすくなるおそれがある為、好ましくなく、250μmよりも厚いと、本発明の透明ハイバリアフイルムを所望の大きさにカットする際に、カッターナイフ等でカットしづらい為、作業性が悪くなり、また、本発明の透明ハイバリアフイルムを製造する際に製造コストも上がる為、好ましくない。
(バリア層)
本発明の透明ハイバリアフイルムに積層されている、バリア層A、及びバリア層Bは、いずれもSiOCからなり、ともに酸素バリア性や水蒸気バリア性を付与する目的で積層される層であるが、バリア層Aは主に酸素バリア性や水蒸気バリア性を付与する目的で積層され、バリア層Bは、上記酸素バリア性や水蒸気バリア性だけでなく柔軟性も付与する目的で積層される層である。
そして、本発明の透明ハイバリアフイルムは、プラスチックフイルム上に、少なくとも、バリア層A、バリア層B、及びバリア層Aが順次積層されたものとすることによって、ハイバリア性と柔軟性の両方を兼ね備えたものとなる。
また、本明細書では、本発明の透明ハイバリアフイルムに積層されているバリア層A、及びバリア層Bを合わせてバリア層ということがある。
一般的にバリア層A、及びバリア層Bを構成するSiOCは、前述のとおり、SiOCの酸素の含有割合が高く(炭素の含有割合が低く)なるにつれ、柔軟性は低下するが透明性とバリア性が向上する傾向にあり、SiOCの炭素の含有割合が高く(酸素の含有割合が低く)なるつれバリア性は低下するが柔軟性が高くなる傾向にある。
そして、本発明の透明ハイバリアフイルムのバリア層A、及びバリア層Bは、本発明の透明ハイバリアフイルムが確実にハイバリア性を発揮する為に、バリア層Aを、X線光電子分光分析法(XPS)で炭素の定量分析をしたときの炭素の含有割合が0.1%以上15%未満の範囲であるSiOCからなる層とし、かつバリア層Bを、X線光電子分光分析法(XPS)で炭素の定量分析をしたときの炭素の含有割合が15〜40%の範囲であるSiOCからなる層とする必要がある。
また、本発明の透明ハイバリアフイルムは、バリア層を積層する際等に発生する、バリア性を低下させる原因となるピンホール等の欠点が仮に発生していた場合であっても、バリア層を多層構造とすることによって、該欠点を被覆して補修することでき、バリア性を劣化させることなく確実にハイバリア性を発揮することができる。
さらに、バリア層Bは、バリア層AよりもSiOCの炭素の含有割合が高くバリア層Aよりも柔軟性が高い層である為、本発明の透明ハイバリアフイルムの柔軟性を高くすることもできる。
その結果、本発明の透明ハイバリアフイルムは、ハイバリア性と柔軟性の両方を兼ね備えたものとなり、柔軟性とハイバリア性が要望される用途で使用した場合であっても問題なく使用することができる。
本発明の透明ハイバリアフイルムのバリア層の厚さ(バリア層Aの厚さとバリア層Bの厚さの総厚)は、使用する用途、所望の透過性やバリア性等目的に応じて適宜選択すればよいが、200〜450nmの範囲とすることが好ましい。
バリア層の厚さ(総厚)が、200nmよりも薄いと、酸素や水蒸気を遮断する機能を十分に発揮することができず所望のハイバリア性が発揮できないおそれがある為、好ましくなく、バリア層の厚さ(総厚)が、450nmよりも厚いと、製造時でロール状とした場合等折り曲げや引っ張り等の外部応力が加わるとバリア層にクラックが発生しやくなり所望のハイバリア性を発揮できないおそれがある為、好ましくない。
また、本発明の透明ハイバリアフイルムは、所望の目的に応じて、上記バリア層の厚さ(総厚)の範囲内であれば、バリア層B上に積層されたバリア層A上に、さらにバリア層Bとバリア層Aとをこの順で積層されたものをユニットとし、該ユニットがn回(nは自然数)積層された多層構造としても構わない。
バリア層A、及びバリア層Bの厚さ(単層)は、所望の目的に応じて、適宜すればよいが、少なくともバリア層Bの厚さ(単層)は、1〜20nmの範囲とすることが好ましい。
バリア層B(単層)の厚さが上記範囲でないと、所望のハイバリア性と柔軟性の両方を発揮することができなくなるおそれがある為、好ましくない。
尚、バリア層Aを2層以上積層する場合、バリア層Aのそれぞれの厚さや炭素の含有割合は、同じであっても異なっていても構わない。またバリア層Bについても同様である。
バリア層A、及びバリア層Bを積層する方法は、特に限定しないが、化学気相成長法(CVD法)を使用する方法が好ましく、特に、シラン系化合物を気化させて酸素と混合したものを電極間に導入しプラズマ発生装置にて電力を印加してプラズマ化して形成するプラズマ化学気相成長法(プラズマCVD法)を使用して積層することが好ましい。
プラズマCVD法を使用すれば、シラン化合物と酸素の混合比や、印加電力の増減等加工条件を比較的容易に変更することができる為、シラン化合物と酸素の混合比を変更することで、炭素の含有量が異なるバリア層Aとバリア層Bを容易に積層することが可能である。
その為、作業性を低下させることなく効率的にバリア層A、及びバリア層Bを積層することができる。
使用するシラン化合物は、特に制限なく使用することができ、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラメチルシラン(TMS)、テトラメチルジシラザン(TMDS)、テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、メチルトリメトキシシラン(MTMS)等の従来公知のシラン化合物が使用でき所望の目的に応じて適宜選択すればよい。
また、本発明の透明ハイバリアフイルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、プラスチックフイルムとバリア層Aとの密着力を強くする等の目的で、プラスチックフイルムとバリア層Aとの間に樹脂からなるアンカーコート層が積層されていても構わない。
また、本発明の透明ハイバリアフイルムは、バリア層のキズ付きを防止する等の目的で、本発明の透明ハイバリアフイルムの最表層に、樹脂からなるトップコート層が積層されていても構わない。
本発明の透明ハイバリアフイルムは、上記アンカーコート層とトップコート層のいずれか、もしくは両方が積層されていても構わない。
アンカーコート層、及びトップコート層に使用する樹脂の種類、積層する方法、及び厚さは、それぞれ所望の目的に応じて適宜選択すればよい。
以上のとおり、本発明の透明ハイバリアフイルムは、X線光電子分光分析法(XPS)で炭素の定量分析をしたときの炭素の含有割合が0.1%以上15%未満の範囲であるSiOCからなるバリア層A、及びX線光電子分光分析法(XPS)で炭素の定量分析をしたときの炭素の含有割合が15〜40%の範囲であるSiOCからなるバリア層Bが、少なくともバリア層A、バリア層B、及びバリア層Aの順でプラスチックフイルムの片面または両面に積層されていることが特徴である為、ハイバリア性と柔軟性の両方を兼ね備えたものとなる。
したがって、本発明の透明ハイバリアフイルムは、酸素バリア性が、1×10−2cc/m・day以下であり、かつ水蒸気バリア性が、3×10−3g/m・day以下のハイバリア性を有しており、さらに柔軟性が高く、医薬品の包装材、フレキシブル封止材等、柔軟性とハイバリア性が必要とされる用途で問題なく使用することができる。
[バリア層A、又はバリア層B中の炭素の含有割合の算出方法]
バリア層A、又はバリア層B中のX線光電子分光分析法(XPS)で炭素の定量分析をした時の炭素の含有割合(原子の%(個数))は、以下の装置、及び測定条件でバリア層A、又はバリア層Bを分析し、バックグラウンドをShirley法で求め、得られたピーク面積の比率から算出して求めた。
測定装置:日本電子株式会社製JPS−9010MC
測定光源:Mg−Ka線
測定出力:100W
[実施例1]
以下の(工程1)〜(工程3)を順に行い、プラスチックフイルムの片面に、アンカーコート層、バリア層A1、バリア層B層、バリア層A2が順次積層された実施例1の本発明の透明ハイバリアフイルムを得た。
(工程1)長尺の厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフイルム(東レ株式会社製 商品名:ルミラーU483)の片面に、アクリル系紫外線硬化型樹脂をグラビアコート法でコーティングし厚さ1.5μmのアンカーコート層を積層した。
(工程2)アンカーコート層上に、シラン化合物としてヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を使用し、プラズマCVD法で、厚さ80nmのSiOCからなるバリア層A1、厚さ15nmのSiOCからなるバリア層B、及び厚さ120nmのバリア層A2を順次積層した。
尚、上記バリア層A1とバリア層A2、及びバリア層Bの炭素の含有割合は、バリア層A1、及びバリア層A2はいずれも8.9%であり、バリア層Bが24.8%であった。
(工程3)バリア層A2上に、ポリエステル系樹脂をグラビアコート法で厚さ0.1μmのトップコート層を積層した。
[実施例2]
以下の(工程1)〜(工程3)を順に行い、プラスチックフイルムの片面に、アンカーコート層、バリア層A1、バリア層B1層、バリア層A2、バリア層B2、バリア層A3、及びトップコート層が順次積層された実施例2の本発明の透明ハイバリアフイルム(バリア層A2上に、バリア層Bとバリア層Aのユニットを1回積層したもの)を得た。
(工程1)実施例1と同様にした。
(工程2)アンカーコート層上に、シラン化合物としてヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を使用し、プラズマCVD法で、厚さ80nmのバリア層A1、厚さ15nmのバリア層B1、厚さ80nmのバリア層A2、厚さ15nmのバリア層B2、及び厚さ120nmのバリア層A3を順次積層した。
尚、上記バリア層A1〜バリア層A3、及びバリア層B1、及びバリア層B2炭素の含有割合は、バリア層A1〜バリア層A3はすべて8.2%であり、バリア層B1、及びバリア層B2はすべて28.7%であった。
(工程3)バリア層B2上にポリエステル系樹脂をグラビアコート法で厚さ0.1μmのトップコート層を積層した。
[比較例1]
実施例1の(工程2)にかえて、アンカーコート層上に、シラン化合物としてヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を使用し、プラズマCVD法で、厚さ310nmのバリア層Aを積層した工程を行なったこと以外は実施例1と同様にして比較例1のバリアフイルムを得た。
尚、上記バリア層Aの炭素の含有割合は、8.8%であった。
[試験試料]
実施例1、及び実施例2で得た本発明の透明ハイバリアフイルム、及び比較例1得たバリアフイルムを、それぞれ5cm角に切り出し試験試料とした。
[酸素バリア性測定]
(測定内容)
各試験試料を使用し、JIS K 7126B法に準拠して、酸素透過度測定装置(MOCON社製 MOCON OX−TRAN)を使用して測定した。
[水蒸気バリア性測定]
(測定内容)
各試験試料を使用し、水蒸気透過測定装置(MOCON社製 AQUATRAN2)を使用して測定した。
[全光線透過率測定]
(測定内容)
各試験試料を使用し、JIS K 7361法に準拠して、HazeMeter(日本電色工業社製 NDH2000)を使用して測定した。
[測定結果]
上記各試験の測定結果は表1に示す。
以上のとおり、実施例1、及び実施例2で得た本発明の透明ハイバリアフイルムは、酸素バリア性が測定器の検出限界である1×10−2cc/m・day以下であり、かつ水蒸気バリア性も3×10−3g/m・day以下であり、いずれもハイバリア性を発揮していたが、比較例1で得たバリアフイルムは、酸素バリア性は測定装置の検出限界である1×10−2cc/m・day以下であるものの、水蒸気バリア性は5×10−3g/m・dayでありハイバリア性を発揮するものではなかった。
また、実施例1、及び実施例2で得た本発明の透明ハイバリアフイルムは、全光線透過率が80%以上で透過性が高いものであり、また製造時にロール状にしてもバリア層A、及バリア層Bにクラックが発生せず柔軟性を有していた。

Claims (2)

  1. プラスチックフイルムの片面または両面に、少なくともバリア層A、バリア層B、及びバリア層Aが順次積層された透明ハイバリアフイルムであって、以下(A)〜(C)の条件をすべて満足することを特徴とする透明ハイバリアフイルム。
    (A)バリア層A、及びバリア層Bが、いずれもSiOCからなる層である。
    (B)バリア層Aが、X線光電子分光分析法(XPS)で炭素の定量分析をしたときの炭素の含有割合が0.1%以上15%未満の範囲であるSiOCからなる層である。
    (C)バリア層Bが、X線光電子分光分析法(XPS)で炭素の定量分析をしたときの炭素の含有割合が15〜40%の範囲であるSiOCからなる層である。
  2. バリア層B上に積層されているバリア層A上に、バリア層Bとバリア層Aとをこの順で積層されたものを1ユニットとし、該ユニットがn回(nは自然数)積層されている請求項1記載の透明ハイバリアフイルム。
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